JP4833459B2 - 複数の機械軸を持つプロセスラインの同期制御方法及び制御装置 - Google Patents

複数の機械軸を持つプロセスラインの同期制御方法及び制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複数の機械軸を持つプロセスラインの同期制御方法に関し、例えばグラビア印刷機のように複数のロール駆動系を有し、各ロール駆動系が個別に制御可能なプロセスラインにおいて停止あるいは単独制御運転中の1つのロール駆動系を他のロール駆動系と連動するように同期させる場合の同期制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4を参照して、複数の機械軸を持つプロセスラインの一例として3色刷りのグラビア印刷機について簡単に説明する。図4において、グラビア印刷機は3段の印刷ユニット110、120、130により構成される。印刷ユニット110は版胴111と圧胴112とを備える他、多数のフリーロール113を備える。同様に、印刷ユニット120、130もそれぞれ版胴121、131、圧胴122、132を備える他、多数のフリーロール123、133を備える。
【0003】
図示しない印刷基材送り出しユニットから送り出される印刷基材100は、入り側のフリーロール113を経て1色目の印刷ユニット110に入り1色目の絵柄が印刷される。1色目の絵柄が印刷された印刷基材100は、フリーロールを経て2色目の印刷ユニット120に入り2色目の絵柄が印刷される。同様にして、2色目の絵柄が印刷された印刷基材100は、3色目の印刷ユニット130において3色目の絵柄が印刷される。この後、印刷基材100は、図示しない巻き取りユニットに巻き取られる。
【0004】
周知のように、グラビア印刷機では、印刷ずれを補正するために、各印刷ユニットにおいて各色の絵柄を印刷すると同時に、印刷ずれを検出するための見当マークを各色毎に絵柄の余白部に規定の間隔で印刷する。そして、2色目以降の印刷ユニット120、130の出側にはそれぞれ、印刷された見当マークを検出するための見当マーク検出器124、134が設けられる。これらの見当マーク検出器124、134の出力は見当ずれ補正装置125、135に送られる。見当ずれ補正装置125、135はそれぞれ、見当マークのずれ量を判別する。
【0005】
ところで、この種のグラビア印刷機は、複数段の印刷ユニットの版胴をモータ駆動による1本のラインシャフトで共通に駆動する、いわゆるラインシャフト型と、複数段の印刷ユニットの版胴を印刷ユニット毎に設けられたモータで個別に駆動する、いわゆるセクショナルドライブ型とに大別される。
【0006】
見当ずれの補正は、上記の2つのタイプによっても異なるが、図4では2色目、3色目の入り側にそれぞれ、補正ロール126、136を設け、見当ずれ補正装置125、135がそれぞれ、判別したずれ量に応じて補正ロール126、136の位置を上下方向に調整して印刷ユニットの入り側のパス長を変えることにより行う場合について示している。これは、ラインシャフト型のグラビア印刷機において多く用いられている。
【0007】
一方、セクショナルドライブ型の場合には、版胴が個別に駆動制御されることを利用して、判別したずれ量に応じて版胴の回転速度を操作して位相を制御することにより見当ずれの補正を行うようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
さて、このようなグラビア印刷機、特にセクショナルドライブ型のグラビア印刷機においては、運転中にある複数の印刷ユニットのうちの少なくとも1つを停止状態においたり、運転中にある複数の印刷ユニットのうちの少なくとも1つを他の印刷ユニットとは同期をとらない運転状態とする場合がある。例えば、図4における印刷ユニット120を停止状態におく場合、版胴121は停止し、圧胴122は版胴121から離れた状態に置かれる。その結果、印刷基材100は印刷ユニット120を素通りすることとなる。
【0009】
いずれにしても、このような停止あるいは非同期運転状態にある印刷ユニットは、他の印刷ユニットと同期する、いわゆる連動運転に移行させることが必要となる場合がある。
【0010】
従来、停止あるいは非同期運転状態にあった印刷ユニットを連動運転に移行させるには、図5に示すように、停止あるいは非同期運転状態にあった版胴の速度を他の連動運転中の版胴の速度に同期させてから後に位相調整(補正)を行って位相を同期させている。しかしながら、連動速度到達後に位相調整を行う方法では、位相合わせにより位相同期が完了するまでの間、印刷基材にロスが発生することになる。
【0011】
そこで、本発明の課題は、複数の駆動系において停止あるいは非同期運転状態にあった駆動系を他の同期運転中の駆動系に連動させる際に、速度同期の終了と実質上同時に位相の同期をも実現できる同期制御方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、モータにより駆動される機械軸を複数有するプロセスラインの同期制御方法において、停止または他の機械軸と同期をとらずに単独運転中の1つの機械軸を、他の機械軸における連動速度及び位相に同期させるに際し、前記1つの機械軸の速度が前記連動速度に到達するまでの間に、前記1つの機械軸の制御周期毎に前記連動速度到達時の位相誤差を推定して前記連動速度に接近するレートを操作することにより、前記連動速度への到達と実質上同時に位相同期をも完了させることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明による同期制御方法を図2を参照して簡単に説明すると、停止または非同期運転中の駆動系が連動指令入力により他の同期運転中の駆動系の連動速度に移行するに際し、制御周期CT 毎に到達時点の位相誤差を推定演算する。そして、連動速度を目標速度として加速あるいは減速(図2では加速)しながら連動速度との速度差の接近レート、つまり加速度Gn を制御周期毎に操作し、連動速度到達時の推定位相誤差の修正を行って、連動速度に到達すると同時に位相合わせを完了させる。
【0014】
本発明による同期制御方法は、図3に示すように、目標速度、つまり連動速度と現在速度の速度差を操作するものであるので、連動速度が変化していても適用できる。
【0015】
本発明を図4に示すようなセクショナル型のグラビア印刷機に適用する場合、以下のようになる。図4には示されていないが、印刷ユニット110、120、130にはそれぞれ、モータによる駆動源が備えられている。各駆動源においては、回転部分の回転速度を検出するためにエンコーダとカウンタの組み合わせ等による回転速度検出器が設置されている。各駆動源においてはまた、制御装置が回転速度検出器からの速度検出信号をフィードバック信号として受けると共に、速度指令器からの速度指令信号を受け、これらの両信号に応じて速度指令値を出力しモータの速度制御を行う。制御装置は、内蔵あるいは外部から与えられるクロック周波数で規定される制御周期で制御動作を実行する。制御装置にはまた、速度指令器から連動運転を指示すると共に、連動速度(目標速度)を示す連動指令信号が入力される。
【0016】
以下に、本発明による同期制御方法を詳しく説明する。以下では、便宜上、停止あるいは単独運転中の駆動系をスレーブ系、連動運転中の駆動系をマスターと呼ぶ。
【0017】
[同期運転に向かう初期動作]
スレーブ系の速度をVs、マスター系の連動速度をVmとし、速度差(Vm−Vs)をVdとおく。スレーブ系における制御装置は、連動指令信号を入力した時点で速度指令値をVsから(Vm−Vd)に切り換える。以降は速度差VdをGdのレートで縮めて行き、速度差Vdを0にすることで連動速度Vmに一致させる。
【0018】
連動指令信号入力時の接近レートGdは連動運転の加減速レートか単独運転時の加減速レート、あるいは個別に設定されても良いが、いずれにしても既定の値とする。
【0019】
[連動速度到達時の位相の推定]
連動速度Vmに到達するまでの移動量の差、つまりマスター系とスレーブ系の移動量の差Ldは、速度差Vdの積分によって求める。
【0020】
Ld=Vd2 /(2×Gd)
求められた移動量の差Ldを位相一周期分の値Lphで除算し、余りの長さをLdrとする。
【0021】
Ld/Lph=N(整数部)
Ldr=Ld−(Lph×N)
これに、その時点で検出されている位相差Pstを加算した値が到達時の推定位相Pnとなる。位相差Pstは、同期、非同期にかかわらず位置指令値と位置検出値との突き合わせが常に行われているおり、それらの差として得られる。
【0022】
Pn=Pst+Ldr
ここで、推定位相Pnの値が位相一周期分の値Lph以上になる場合は、推定位相Pnの値から値Lphを差し引く。つまり、
Pn≧Lphの時、Pn=Pn−Lph
[初期動作時の位相誤差の推定]
スレーブ系の制御装置が連動指令信号を入力した時点の初期動作として、位相誤差の検出は正符号、即ち進み誤差として扱う。これは速度差Vdが僅差の場合に急激な応答を防ぐためである。また、連動速度Vmが現在速度よりも低く、Vd<0の場合は逆に負の符号で表現する。
【0023】
連動速度到達時の推定位相Pnを設定位相、すなわち同期運転時の目標位相Prfと突き合わせて連動速度到達時の推定位相誤差Perを得るが、Vd>0の時、符号が負の場合は位相一周期分の値Lphを加算して正符号とする。逆に、Vd<0の時に正の値が得られた場合は値Lphを減算して負符号とする。
【0024】
Per=Prf−Pn
但し、Vd>0でPer<0の時、位相誤差Per=Prf−Pn+Lph
Vd<0でPer>0の時、位相誤差Per=Prf−Pn−Lph
[初期動作後の位相誤差の推定]
初期動作後も初期動作と同様に連動速度到達時の推定位相Pnより設定位相Prfと突き合わせて推定位相誤差Perを計算するが、初回とは異なり±の両符号で制御周期毎に計算する。
【0025】
Per=Prf−Pn
ここで、進み・遅れの判定(すなわち符号の判定)を行うために、推定位相誤差Perの絶対値が位相一周期分の値Lphの半分の長さを越える場合は、推定位相誤差Perに位相一周期分の値Lphを加えるか、または差し引いた値を推定位相誤差とする。
【0026】
Per>Lph/2の時、 Per=Per−Lph
Per<−Lph/2の時、Per=Per+Lph
[連動速度に接近するレートGdの修正と速度制御の実行]
得られた連動速度到達時の推定位相誤差Perを、連動速度に到達するまでの、マスター系とスレーブ系の移動量の差の推定値Ldに制御周期毎に加算して、Ldの値を更新する。これより位相誤差の修正を含む連動速度への接近レートを制御周期毎に速度差Vdから演算し、Gdの値を更新する。
【0027】
Gd=Vd2 /(2×Ld)
得られた連動速度への接近レートGdで速度差Vdを減算し、速度指令値(Vm−Vd)を出力して、次の制御周期で再び連動速度到達時の位相の推定計算を繰り返す。
【0028】
[連動速度Vmの方が遅い場合]
本制御方法は、初期の状態でマスター系の連動速度がスレーブ系の現在速度より低い場合でも実行できる。この場合、速度差Vdの符号が反転するので連動速度到達までの移動量Ldを求める積分の演算結果の符号を反転し、その後の接近レートGdを求めるまでの演算の符号をすべて反転させれば良い。
【0029】
Vm−Vs=Vd
Vd<0の時、Vd2 /(2×Gd)で得られるLd(連動速度到達までの移動量の差)は負の値とする。
【0030】
図1を参照して、スレーブ系における上記の同期制御方法の流れについて説明する。
【0031】
停止または現在速度Vsで単独運転中に連動指令信号が入力される(ステップS1)。
【0032】
連動速度Vm一現在速度Vsより、速度差Vdを演算する(ステップS2)。
【0033】
速度指令値を現在速度Vsから(連動速度Vm一速度差Vd)に切り換える(ステップS3)。
【0034】
連動速度に接近するレートGdを既定値として、現在の速度差VdからGdのレートで減少して連動速度に到達するまでの間の、移動量の差Ldを演算する(ステップS4)。
【0035】
連動速度に到達するまでの移動量の差Ldを位相一周期分の長さLphで除算し、その余りの距離Ldrと現在の位相Pstとを加算して連動速度到達時の位相Pnを推定する(ステップS5)。
【0036】
推定位相Pnを設定位相Prfと演算して位相誤差Perを推定するが、正符号の進み誤差として表現する(Vd<0ときは負の符号で表現する)(ステップS6)。
【0037】
連動速度到達までの移動量の差Ldに連動速度到達時の位相誤差の推定値Perを加算して値Ldを書き換え、これより連動速度への接近レートを現在の速度差Vdから演算してGdの値を書き換える(ステップS7)。
【0038】
速度差Vdから接近レートGdを差し引いて、速度指令値(Vm−Vd)を出力する(ステップS8)。
【0039】
以上のステップS1〜S8が初回動作となる。
【0040】
続いて、速度差Vdと接近レートGdから連動速度到達までの移動量の差Ldを演算する(ステップS9)。
【0041】
連動速度到達までの移動量の差Ldを位相一周期分の長さLphで除算し、その余りの長さLdrと、現在の位相Pstを加算して連動速度到達時の位相Pnを推定する(ステップS10)。
【0042】
連動速度到達時の推定位相Pnを設定位相Prfとサミングし、位相誤差Perを±の両符号で推定する(ステップS11)。
【0043】
連動速度到達までの移動量の差Ldに連動速度到達時の位相誤差の推定値Perを加算して値Ldを書き換え、これより現在の速度差Vdから連動速度への接近レートを演算してGdの値を書き換える(ステップS12)。
【0044】
速度差Vdから接近レートGdを差し引いて、速度指令値(Vm−Vd)を出力する(ステップS13)。
【0045】
速度差Vdが0になるまでステップS9〜S13を繰り返す。
【0046】
以上、本発明の実施の形態を、主にグラビア印刷機に適用する場合について説明したが、本発明の適用範囲はグラビア印刷機に限られるものではなく、モータにより動力伝達機構を介して駆動される機械軸を複数有するプロセスラインや搬送装置等にも適用可能である。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の駆動系において停止あるいは非同期運転状態にあった駆動系を他の同期運転中の駆動系に連動させる際に、連動指令の入力時点から位相同期のための動作が実行されるので、速度同期の終了と実質上同時に位相同期をも実現できる。これにより、例えば印刷機の場合には、従来のような速度同期後の位相合わせにより位相同期が完了するまでの間の印刷基材のロス発生を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による同期制御方法の流れを説明するためのフローチャート図である。
【図2】本発明による同期制御方法を説明するために連動速度と現在速度の関係を示した図である。
【図3】本発明による同期制御方法が、連動速度が変化する場合にも適用可能であることを説明するために、連動速度と現在速度の関係を示した図である。
【図4】グラビア印刷機の構成を概略的に示した図である。
【図5】従来の同期制御方法を説明するための図である。
【符号の説明】
110、120、130 印刷ユニット
111、121、131 版胴
112、122、132 圧胴
113、123、133 フリーロール
124、134 見当マーク検出器
125、135 見当ずれ補正装置
126、136 補正ロール

Claims (10)

  1. モータにより駆動される機械軸を複数有するプロセスラインの同期制御方法において、
    停止または他の機械軸と同期をとらずに単独運転中の1つの機械軸を、他の機械軸における連動速度及び位相に同期させるに際し、前記1つの機械軸の速度が前記連動速度に到達するまでの間に、前記1つの機械軸の制御周期毎に前記連動速度到達時の位相誤差を推定して、該推定された位相誤差が小さくなるように前記連動速度に接近するレートを操作する速度制御により、前記連動速度への到達と実質上同時に位相同期をも完了させることを特徴とするプロセスラインの同期制御方法。
  2. 請求項1に記載のプロセスラインの同期制御方法において、前記連動速度到達時の位相誤差の推定に際しては、
    前記連動速度に到達するまでの前記1つの機械軸による移動量と前記他の機械軸による移動量の差Ldを、前記1つの機械軸の回転速度検出値と速度指令器からの目標速度との速度差を積分することによって求め、
    前記差Ldを位相一周期分の移動量で除算してその余りの長さをLdrとし、
    前記長さLdrに、その時点で検出されている位相差を加算した値を、前記到達時の推定位相とすることを特徴とするプロセスラインの同期制御方法。
  3. モータにより駆動される機械軸を複数有するプロセスラインの同期制御方法において、
    停止または他の機械軸と同期をとらずに単独運転中の1つの機械軸を、他の機械軸における連動速度及び位相に同期させるに際し、前記1つの機械軸の速度が前記連動速度に到達するまでの間に、前記1つの機械軸の制御周期毎に前記連動速度到達時の位相誤差を推定して、該推定された位相誤差が小さくなるように前記連動速度への接近レートを演算し、該接近レートに基づいた速度指令を出力する速度制御を実施して、前記連動速度への到達と実質上同時に位相同期をも完了させることを特徴とするプロセスラインの同期制御方法。
  4. モータにより駆動される機械軸を複数有し、停止または他の機械軸と同期をとらずに単独運転中の1つの機械軸を、他の機械軸における連動速度及び位相に同期させるプロセスラインの同期制御方法であって、
    前記機械軸の回転部分の回転速度を検出する回転速度検出器からの速度検出値と、速度指令器からの速度指令信号で示される目標速度とを受けて前記速度検出値と前記目標速度との速度差を操作して前記モータの速度制御を行う制御手段を備えることにより、前記連動速度が変化していても、前記1つの機械軸の制御周期毎に前記連動速度到達時の位相誤差を推定して、該推定された位相誤差が小さくなるように前記連動速度への接近レートを演算し、該接近レートに基づいた速度指令を出力する速度制御を実施して、前記1つの機械軸の回転速度が前記連動速度に到達するまでの間に、前記連動速度への到達と実質上同時に位相同期をも完了させることを特徴とするプロセスラインの同期制御方法。
  5. モータにより駆動される機械軸を複数有するプロセスラインの制御装置において、
    該制御装置は、停止または他の機械軸と同期をとらずに単独運転中の1つの機械軸を、他の機械軸における連動速度及び位相に同期させるに際し、前記1つの機械軸の速度が前記連動速度に到達するまでの間に、前記1つの機械軸の制御周期毎に前記連動速度到達時の位相誤差を推定して、該推定された位相誤差が小さくなるように前記連動速度に接近するレートを操作する速度制御により、前記連動速度への到達と実質上同時に位相同期をも完了させることを特徴とするプロセスラインの制御装置。
  6. 請求項5に記載のプロセスラインの制御装置において、前記連動速度到達時の位相誤差の推定に際しては、
    前記連動速度に到達するまでの前記1つの機械軸による移動量と前記他の機械軸による移動量の差Ldを、前記1つの機械軸の回転速度検出値と速度指令器からの目標速度との速度差を積分することによって求め、
    前記差Ldを位相一周期分の移動量で除算してその余りの長さをLdrとし、
    前記長さLdrに、その時点で検出されている位相差を加算した値を、前記到達時の推定位相とすることを特徴とするプロセスラインの制御装置。
  7. モータにより駆動される機械軸を複数有するプロセスラインの制御装置において、
    該制御装置は、停止または他の機械軸と同期をとらずに単独運転中の1つの機械軸を、他の機械軸における連動速度及び位相に同期させるに際し、前記1つの機械軸の速度が前記連動速度に到達するまでの間に、前記1つの機械軸の制御周期毎に前記連動速度到達時の位相誤差を推定して、該推定された位相誤差が小さくなるように前記連動速度への接近レートを演算し、該接近レートに基づいた速度指令を出力する速度制御を実施して、前記連動速度への到達と実質上同時に位相同期をも完了させることを特徴とするプロセスラインの制御装置。
  8. モータにより駆動される機械軸を複数有し、停止または他の機械軸と同期をとらずに単独運転中の1つの機械軸を、他の機械軸における連動速度及び位相に同期させるプロセスラインの制御装置であって、
    前記機械軸の回転部分の回転速度を検出して速度検出信号を出力する回転速度検出手段と、
    1つの機械軸の連動運転を指示すると共に目標速度を示す指令信号を出力する指令器と、
    前記速度検出信号と前記指令信号を受けて前記1つの機械軸のモータの速度制御を行う制御手段を備え、
    該制御手段は、前記速度検出値と前記目標速度との速度差を操作して、前記連動速度が変化していても、前記1つの機械軸の回転速度が前記連動速度に到達するまでの間に、前記1つの機械軸の制御周期毎に前記連動速度到達時の位相誤差を推定して、該推定された位相誤差が小さくなるように前記連動速度への接近レートを演算し、該接近レートに基づいた速度指令を出力する速度制御を実施して、前記連動速度への到達と実質上同時に位相同期をも完了させることを特徴とするプロセスラインの制御装置。
  9. モータにより駆動される機械軸としての版胴と、該版胴と共に印刷基材送りを行なう圧胴の組合せを含む印刷ユニットを複数段備え、複数段の印刷ユニットの入り側から出側まで連続する一体の前記印刷基材に対して各印刷ユニットにおいて異なる色を印刷するように構成されたグラビア印刷機をプロセスラインとし、該プロセスラインにおいて停止または他の印刷ユニットのモータと同期をとらずに単独運転中の1つの印刷ユニットのモータを、他の印刷ユニットのモータにおける連動速度及び位相に同期させるプロセスラインの同期制御方法であって、
    前記1つの印刷ユニットのモータの速度が前記連動速度に到達するまでの間に、前記1つの印刷ユニットのモータの制御周期毎に前記連動速度到達時の位相誤差を推定して、該推定された位相誤差が小さくなるように前記連動速度に接近するレートを操作する速度制御により、前記連動速度への到達と実質上同時に位相同期をも完了させることを特徴とするプロセスラインの同期制御方法。
  10. モータにより駆動される機械軸としての版胴と、該版胴と共に印刷基材送りを行なう圧胴の組合せを含む印刷ユニットを複数段備え、複数段の印刷ユニットの入り側から出側まで連続する一体の前記印刷基材に対して各印刷ユニットにおいて異なる色を印刷するように構成されたグラビア印刷機をプロセスラインとし、該プロセスラインにおいて停止または他の印刷ユニットのモータと同期をとらずに単独運転中の1つの印刷ユニットのモータを、他の印刷ユニットのモータにおける連動速度及び位相に同期させるプロセスラインの制御装置であって、
    該制御装置は、前記1つの印刷ユニットのモータの速度が前記連動速度に到達するまでの間に、前記1つの印刷ユニットのモータの制御周期毎に前記連動速度到達時の位相誤差を推定して、該推定された位相誤差が小さくなるように前記連動速度に接近するレートを操作する速度制御により、前記連動速度への到達と実質上同時に位相同期をも完了させることを特徴とするプロセスラインの制御装置。
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