JPH0820104A - ブランケット洗浄方法およびその装置 - Google Patents

ブランケット洗浄方法およびその装置

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JPH0820104A
JPH0820104A JP15459094A JP15459094A JPH0820104A JP H0820104 A JPH0820104 A JP H0820104A JP 15459094 A JP15459094 A JP 15459094A JP 15459094 A JP15459094 A JP 15459094A JP H0820104 A JPH0820104 A JP H0820104A
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speed
blanket
cleaning
printing
blanket cleaning
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JP15459094A
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English (en)
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Masae Sato
正栄 佐藤
Makoto Hayashi
誠 林
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Shibaura Machine Co Ltd
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Toshiba Machine Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 損紙の低減を図ることができるブランケット
洗浄方法およびその装置の提供。 【構成】 印刷機の機械速度を通常の印刷速度からブラ
ンケット洗浄速度まで減速してブランケット洗浄を行
い、その後、機械速度をブランケット洗浄速度と通常の
印刷速度との間の中間速度まで増速してこの中間速度を
所定時間維持し、さらに増速を行って通常の印刷速度に
復帰させることにより、ブランケット洗浄速度から通常
の印刷速度への増速を多段階で行うようにした。これに
より、印刷用紙上の印刷状態(印刷見当、色、折見当
等)が中間速度で正紙状態近くまで戻り印刷状態の早期
の安定化が図られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オフセット輪転印刷機
等のオフセット式の印刷機に備え付けられたブランケッ
ト胴の洗浄を行うブランケット洗浄方法およびその装置
に関し、自動紙継ぎ装置による紙継ぎと略並行してブラ
ンケット洗浄を行う場合などに利用できる。
【0002】
【背景技術】一般に、オフセット輪転印刷機には、刷版
を備えた版胴からインキを転写されて印刷用紙に印刷を
行うブランケット胴(ゴム胴)が設けられている。この
ブランケット胴は、安定して良質な印刷を行うために、
オフセット輪転印刷機の印刷運転中に連続用紙(ウェ
ブ)の紙継ぎ時などを利用してブランケット洗浄装置に
より適宜洗浄されている。
【0003】図4には、従来のブランケット洗浄方法の
一例が示されている(実願平5−50971号参照)。
従来のブランケット洗浄においては、先ず、自動紙継ぎ
装置(オートペースタ)からの紙継ぎ開始信号等をブラ
ンケット洗浄装置が入力し、この信号に基づいて印刷機
の機械速度を通常の印刷速度からブランケット洗浄速度
まで減速させ、このブランケット洗浄速度においてブラ
ンケット洗浄を行う。そして、ブランケット洗浄完了後
には、印刷機の機械速度をブランケット洗浄速度から通
常の印刷速度まで一気に増速して復帰させるとともに、
ブランケット洗浄を行うにあたって脱状態とされていた
水供給装置やインキ供給装置の各ローラおよびブランケ
ット胴を着状態とする。このような紙継ぎと略並行して
ブランケット洗浄を行う方法によれば、紙継ぎにより生
じる損紙とブランケット洗浄により生じる損紙とを重ね
合わせることができるので、損紙の低減を図ることがで
きる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述したブ
ランケット洗浄完了後の通常の印刷運転への復帰の際に
おける印刷速度上昇過程のような印刷速度が不安定な状
態(変化している状態)では、印刷用紙上の印刷状態
(印刷見当、色、折見当等)も不安定になるため、紙継
ぎにより生じる損紙およびブランケット洗浄自体により
生じる損紙に加え、このことによっても損紙が発生す
る。このため、ブランケット洗浄においては、ブランケ
ット洗浄動作そのものを行う期間だけではなく、水供給
装置やインキ供給装置の各ローラおよびブランケット胴
を着状態とした後の印刷状態が安定するまでの期間を含
めて考慮することにより、損紙の低減を図ることが必要
とされる。
【0005】しかしながら、前述した図4の従来のブラ
ンケット洗浄方法では、ブランケット洗浄完了後に、通
常の印刷運転への復帰を行うにあたって、印刷機の機械
速度をブランケット洗浄速度から通常の印刷速度まで一
気に増速させているため、印刷用紙上の印刷状態が不安
定なままで高回転数である通常の印刷速度に至り、機械
速度がこの通常の印刷速度で安定した後に、印刷状態が
安定して正紙状態(印刷見当、色、折見当等が安定して
良質な製品が印刷される状態)となる。このため、正紙
状態になるまでに時間がかかるうえ、高回転数で印刷状
態を安定させなければならないため多くの損紙が発生す
るという問題があった。
【0006】本発明の目的は、損紙の低減を図ることが
できるブランケット洗浄方法およびその装置を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ブランケット
洗浄速度から通常の印刷速度までの増速を多段階で行っ
て前記目的を達成しようとするものである。具体的に
は、本発明のブランケット洗浄方法は、印刷機の機械速
度を通常の印刷速度からブランケット洗浄速度まで減速
してブランケット洗浄を行い、その後、機械速度をブラ
ンケット洗浄速度と通常の印刷速度との間の中間速度ま
で増速してこの中間速度を所定時間維持し、さらに増速
を行って通常の印刷速度に復帰させることを特徴とす
る。
【0008】ここで、中間速度が維持される所定時間と
は、印刷用紙上の印刷状態(印刷見当、色、折見当等)
が略安定して正紙状態近くまで復帰するのに必要な時間
である。また、ブランケット洗浄速度から通常の印刷速
度までの増速は、「ブランケット洗浄速度から中間速度
まで」および「中間速度から通常の印刷速度まで」の二
段階の増速に限定されるものではなく、中間速度維持期
間の前後に別の一定速度維持期間があるような三段階以
上の増速も含まれる。
【0009】さらに、本発明のブランケット洗浄方法
は、印刷機の運転稼働中の任意の時に行うことができる
が、特に、自動紙継ぎ時に合わせて行うことが損紙の低
減をより一層図る上で好ましい。
【0010】そして、本発明のブランケット洗浄方法を
実施するにあたっては、ブランケット洗浄の完了後、中
間速度に達するまでの増速期間と略並行して水供給装置
やインキ供給装置の各ローラおよびブランケット胴を着
状態としてもよく、あるいは中間速度に達してから中間
速度維持期間中にこれらの各ローラや胴を着状態として
もよいが、印刷状態を早期に正紙状態近くまで戻して損
紙の低減をより一層図るために、これらの各ローラや胴
は中間速度に達するまでの増速期間と略並行して着状態
としておくことが好ましい。
【0011】また、本発明のブランケット洗浄装置は、
以上に述べたようなブランケット洗浄方法の実施に適用
されるブランケット洗浄装置であって、印刷機本体に設
けられてブランケット胴の洗浄を行うブランケット洗浄
機構部と、印刷機の機械速度の増減速制御を行うととも
にブランケット洗浄機構部に所定の洗浄動作を行わせる
洗浄信号を出力するブランケット洗浄制御部とを備え、
ブランケット洗浄制御部が、ブランケット洗浄を行う前
の機械速度の減速制御を行う減速制御手段と、ブランケ
ット洗浄機構部に洗浄信号を出力して洗浄動作制御を行
う洗浄動作制御手段と、ブランケット洗浄完了後の中間
速度までの増速制御および中間速度を所定時間維持させ
る制御を行う低速段制御手段と、中間速度から通常の印
刷速度までの増速制御を行う高速段制御手段とを有して
いることを特徴とする。ここで、ブランケット洗浄制御
部は、高速段制御手段による増速制御の増速率(機械速
度の時間に対する傾き)を設定する増速率設定手段を有
していることが望ましい。
【0012】
【作用】このような本発明においては、印刷機の機械速
度を通常の印刷速度からブランケット洗浄速度まで減速
してブランケット洗浄を行い、その後、機械速度を通常
の印刷速度に復帰させて通常の印刷運転に戻る。この
際、機械速度をブランケット洗浄速度から通常の印刷速
度まで増速するにあたっては、前述した図4の従来例の
ように一気に増速するのではなく、途中の中間速度で一
旦増速を停止してこの中間速度を所定時間維持した後、
再び増速を行って通常の印刷速度に復帰させることによ
り、多段階で増速を行う。
【0013】このため、ブランケット洗浄を完了して水
供給装置やインキ供給装置の各ローラおよびブランケッ
ト胴を着状態とした後の印刷用紙上の印刷状態(印刷見
当、色、折見当等)は、中間速度維持期間中に略安定し
て正紙状態近くまで戻るため、図4の従来例のような通
常の印刷速度(高い回転数)に達するまで不安定な印刷
状態が続くという不都合は解消され、従来に比べ、回転
数の低い段階で印刷状態を安定させることが可能とな
り、損紙の低減が図られる。
【0014】また、自動紙継ぎ時に合わせてブランケッ
ト洗浄を行えば、紙継ぎにより生じる損紙とブランケッ
ト洗浄により生じる損紙とが重なるので、損紙の低減が
より一層図られる。
【0015】そして、ブランケット洗浄の完了後、中間
速度に達するまでの増速期間と略並行して水供給装置や
インキ供給装置の各ローラおよびブランケット胴を着状
態としておけば、印刷状態が正紙状態近くに戻るまでに
要する時間がより短縮され、損紙の低減がより一層図ら
れる。
【0016】さらに、機械速度を中間速度から通常の印
刷速度まで増速する際に、この間の増速率を機械の特性
(例えば、自動見当合せ装置の追従性能等)に応じて設
定変更可能としておけば、中間速度維持期間中に略安定
した印刷状態を確実に維持しながら通常の印刷速度まで
増速させることが可能となり、損紙の低減がより一層確
実に図られ、これらにより前記目的が達成される。
【0017】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1には、本実施例のブランケット洗浄装置3
0の構成が示され、図2には、ブランケット洗浄装置3
0が備え付けられたオフセット輪転印刷機10を構成す
る印刷ユニット11が示されている。図1において、ブ
ランケット洗浄装置30は、オフセット輪転印刷機10
の印刷機本体10Aに設けられたブランケット洗浄機構
部31と、このブランケット洗浄機構部31に所定の洗
浄動作を行わせる洗浄信号を出力するブランケット洗浄
制御部40とを有している。
【0018】図2において、印刷ユニット11は、連続
用紙(ウェブ)12の上下に、刷版を備えた版胴13
U,13Lと、これらの版胴13U,13Lからインキ
を転写されてウェブ12上に印刷を行うブランケット胴
14U,14Lと、各版胴13U,13Lにインキを供
給するインキ供給装置15と、各版胴13U,13Lに
水を供給する水供給装置16とを備えている。また、各
ブランケット胴14U,14Lの図中右側近傍には、ブ
ランケット洗浄装置30のブランケット洗浄機構部31
が設けられている。オフセット輪転印刷機10は、通
常、このような印刷ユニット11が各色に対応して複数
台(例えば、四台または二台など)設けられて構成され
ている。なお、図1に示された印刷機本体10Aには、
これらの複数台の印刷ユニット11および基礎制御装置
が含まれる。
【0019】ブランケット洗浄機構部31は、ブランケ
ット洗浄制御部40から送られてくる洗浄信号に基づき
ブランケット胴14U,14Lを洗浄する洗浄動作を行
うものであり、例えば、回転中のブランケット胴14
U,14Lに洗浄液を吹きつけて特殊な布を押し付け自
動的にブランケット胴14U,14Lのブランケットの
汚れを拭う方式のもの、あるいは洗浄液を吹きつけてブ
ラシロールでブランケット胴14U,14Lのブランケ
ットの汚れを落とす方式のものなどがある。
【0020】図1に戻って、ブランケット洗浄制御部4
0は、印刷機本体10Aに設けられた速度検出手段17
から送られてくる印刷速度信号(図中一点鎖線)および
自動紙継ぎ装置(オートペースタ)18の紙継ぎ開始信
号を受け取り、ブランケット洗浄機構部31の洗浄動作
を制御するものであり、各種の回路やプログラムなどに
よって構成されている。
【0021】ブランケット洗浄制御部40は、自動紙継
ぎ装置18の紙継ぎ開始信号を入力してブランケット洗
浄を行う前の機械速度(印刷速度)の減速制御を行う減
速制御手段41と、ブランケット洗浄機構部31に洗浄
信号を出力してブランケット洗浄機構部31の洗浄動作
制御を行う洗浄動作制御手段42と、ブランケット洗浄
完了後の増速制御を二段階で行う低速段制御手段43お
よび高速段制御手段44と、高速段制御手段44による
増速制御の増速率(機械速度の時間に対する傾き)の設
定を行う増速率設定手段45と、速度検出手段17によ
る印刷速度信号に基づき減速前の印刷速度(ブランケッ
ト洗浄完了後に復帰させるべき印刷速度)の設定を自動
的に行う減速前速度設定手段46とを有している。
【0022】低速段制御手段43は、ブランケット洗浄
完了後にブランケット洗浄速度と復帰させるべき通常の
印刷速度(減速前の印刷速度と同じ)との間の中間速度
(後述の図3参照)までの増速制御を行う増速制御部4
3Aと、中間速度の値を記憶する記憶部43Bと、速度
検出手段17による印刷速度信号と記憶部43Bに記憶
された中間速度の値とを比較して機械速度が中間速度に
達したか否かを判定する判定部43Cと、中間速度を一
定速度のままで所定時間維持する制御を行う定速制御部
43Dとを有している。
【0023】高速段制御手段44は、中間速度から通常
の印刷速度までの増速制御を行う増速制御部44Aと、
減速前速度設定手段46により自動的に設定された通常
の印刷速度(減速前の印刷速度)の値を記憶する記憶部
44Bと、速度検出手段17による印刷速度信号と記憶
部44Bに記憶された通常の印刷速度の値とを比較して
機械速度が通常の印刷速度に達したか否かを判定する判
定部44Cとを有している。
【0024】増速率設定手段45は、オペレータにより
操作される入力手段20からの情報を受け取り、この情
報に基づいて高速段制御手段44の増速制御部44Aに
増速率を指示するものである。入力手段20は、デジタ
ル入力式であっても、アナログ入力式であってもよく、
例えば、キーボード、操作盤のボタン、ダイヤル等任意
である。また、入力手段20は、増速率設定手段45へ
の情報入力操作を行うために個別に設けられたものであ
ってもよく、あるいは印刷機本体10Aへの他の情報入
力操作を行うための入力手段と兼用されていてもよい。
【0025】このような本実施例においては、以下のよ
うにしてブランケット洗浄を行う。図3には、この時の
機械速度の制御状態が示されている。先ず、減速制御手
段41は自動紙継ぎ装置18の紙継ぎ開始信号を入力す
ると、減速制御を行う前に減速前速度設定手段46に指
令を送って速度検出手段17の印刷速度信号に基づき減
速前の印刷速度を高速段制御手段44の記憶部44Bに
記憶させる。このような自動紙継ぎ装置18による紙継
ぎは、印刷運転中に例えば30〜40分間隔等で行われ
る。
【0026】その後、減速制御手段41は、印刷機本体
10Aの機械速度駆動制御系(モータ等)19Aに制御
信号を送って通常の印刷速度(例えば、650rpm)
からブランケット洗浄速度(例えば、200rpm)ま
での減速制御を行うとともに、この減速期間と略並行し
て、あるいはブランケット洗浄速度に至った後に、イン
キ供給装置15や水供給装置16の各ローラ(インキ着
けローラ、インキ移しローラ、水着けローラ、水移しロ
ーラ等)およびブランケット胴14U,14Lの着脱駆
動制御系(シリンダ装置等)19Bに制御信号を送り、
これらの各ローラや胴をブランケット洗浄機構部31に
よるブランケット洗浄動作に備えて脱状態としておく。
【0027】次に、洗浄動作制御手段42は、減速制御
手段41から減速制御完了の信号を受け取ると、ブラン
ケット洗浄機構部31に洗浄開始信号を出力してブラン
ケット洗浄機構部31の洗浄動作を開始させ、ブランケ
ット洗浄に必要な所定時間(例えば、40秒程度)が経
過した後に、洗浄終了信号を出力してブランケット洗浄
機構部31の洗浄動作を停止させる。
【0028】ブランケット洗浄完了後には、低速段制御
手段43の増速制御部43Aにより低速段の増速制御を
行って機械速度を上昇させるとともに、この低速段の増
速期間と略並行して、インキ供給装置15や水供給装置
16の各ローラおよびブランケット胴14U,14Lの
着脱駆動制御系19Bに制御信号を送ってこれらの各ロ
ーラや胴を着状態に復帰させる。
【0029】そして、増速制御部43Aによる増速開始
以降、判定部43Cにより速度検出手段17からの印刷
速度信号と記憶部43Bに記憶された中間速度の値(例
えば、300rpm)との比較を行い、機械速度が中間
速度に達した時点で増速を一旦停止させ、定速制御部4
3Dによりこの中間速度を所定時間T(例えば、12秒
程度)だけ一定に維持する制御を行う。この所定時間T
は、定速制御部43Dに予め設定された時間であっても
よく、あるいはオペレータがウェブ12上の印刷状態
(印刷見当、色、折見当等)が略正紙状態となったこと
を確認して決める時間であってもよい。
【0030】さらに、低速段制御手段43の定速制御部
43Dによる中間速度維持制御が完了すると、増速率設
定手段45で設定された増速率に従って高速段制御手段
44の増速制御部44Aにより高速段の増速制御を行っ
て機械速度を再び上昇させ、判定部44Cにより速度検
出手段17からの印刷速度信号と記憶部44Bに記憶さ
れた減速前の印刷速度(復帰させるべき通常の印刷速
度)の値との比較を行って機械速度が減速前の印刷速度
に達した時点で増速を停止させ、通常の印刷運転に戻
る。
【0031】このような本実施例によれば、次のような
効果がある。すなわち、機械速度をブランケット洗浄速
度から通常の印刷速度まで増速するにあたって、前述し
た図4の従来例のように一気に増速するのではなく、途
中の中間速度で一旦増速を停止させて二段階での増速を
行うので、ウェブ12上の印刷状態を、中間速度維持期
間中に略安定させて正紙状態近くまで戻すことができ
る。このため、図4の従来例のような通常の印刷速度
(高い回転数)に達するまで不安定な印刷状態が続くと
いう不都合を解消することができ、従来に比べ、回転数
の低い段階で印刷状態を安定させることができるので、
損紙の低減を図ることができる。
【0032】例えば、ブランケット洗浄速度を200r
pm、中間速度を300rpmとし、通常の印刷速度が
650rpm、550rpm、500rpmの各
場合について、従来の方法(図4)と本実施例の方法
(図3)とで発生した損紙の比較を行ってみると、 (A)減速前の損紙は、174枚、147枚、1
33枚で従来の方法と本実施例の方法とで同じ枚数とな
り、 (B)減速期間中の損紙は、163枚、119枚、
100枚で従来の方法と本実施例の方法とで同じ枚数
となり、 (C)ブランケット洗浄期間中の損紙は、134枚、
134枚、134枚で従来の方法と本実施例の方法
とで同じ枚数となったが、 (D)増速期間中の損紙は、従来の方法で227枚、
157枚、129枚となったのに対し、本実施例の
方法で30枚、30枚、30枚となり、本発明に
より大幅な損紙の低減が図られた。 そして、この結果を(A)〜(D)の各期間を合計して
比較してみると、従来の方法では698枚、557
枚、496枚となったのに対し、本実施例の方法では
501枚、430枚、397枚となり、本発明に
より損紙の枚数は72%(28%改善)、77%
(23%改善)、80%(20%改善)に低減され
た。
【0033】また、自動紙継ぎ装置18による自動紙継
ぎ時に合わせてブランケット洗浄を行うので、紙継ぎに
より生じる損紙とブランケット洗浄により生じる損紙と
を重ね合わせることができ、損紙の低減をより一層図る
ことができる。
【0034】さらに、インキ供給装置15や水供給装置
16の各ローラおよびブランケット胴14U,14Lの
着状態への復帰は、低速段制御手段43の増速制御部4
3Aにより低速段の増速期間と略並行して行われるの
で、中間速度に達してから印刷状態が正紙状態近くに戻
るまでに要する時間を短くすることができ、損紙の低減
をより一層図ることができる。
【0035】さらに、増速率設定手段45が設けられ、
これにより高速段の増速期間の増速率を機械の特性に応
じて自在に変更することができるので、中間速度維持期
間中に略安定した印刷状態を確実に維持しながら機械速
度を通常の印刷速度まで増速させることができ、より一
層確実に損紙の低減を図ることができる。
【0036】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の目的を達成できる他の構成も含
み、例えば以下に示すような変形等も本発明に含まれる
ものである。すなわち、前記実施例では、高速段の増速
期間の増速率を設定する増速率設定手段45が設けられ
ていたが、低速段の増速期間の増速率を設定する増速率
設定手段を設けてもよい。また、増速率設定手段45を
省略して増速率を適宜な値に固定してもよい。しかし、
増速率設定手段45を設けて増速率を自在に変更できる
ようにしておくことが好ましく、そうすることでより一
層確実に損紙の低減を図ることができる。
【0037】さらに、前記実施例では、減速前速度設定
手段46が設けられていたが、通常の印刷速度が所定の
一回転数に定まっている場合などには、予め高速段制御
手段44の記憶部44Bにこの回転数を記憶させてお
き、減速前速度設定手段46を省略してもよい。そし
て、前記実施例では、低速段制御手段43の記憶部43
Bに中間速度が固定値として記憶されていたが、中間速
度設定手段を設けて中間速度の値を自在に変更できるよ
うにしてもよい。
【0038】また、前記実施例では、中間速度を挟んで
低速段と高速段との二段階の増速制御が行われていた
が、低速段または高速段の増速期間中にさらに別の一定
速度維持期間を設けて多段階で増速を行うようにしても
よい。
【0039】さらに、前記実施例では、ブランケット洗
浄制御部40により自動的にブランケット洗浄が行われ
るようになっていたが、ブランケット洗浄機構部31を
手動により操作してブランケット洗浄を行うようにして
もよく、要するに、本発明は、ブランケット洗浄速度か
ら通常の印刷速度まで多段階で増速させればよい。
【0040】また、前記実施例では、自動紙継ぎ時に合
わせてブランケット洗浄が行われていたが、本発明は、
自動紙継ぎ時以外の時に適用してもよい。例えば、オフ
セット輪転印刷機10が、本願出願人により提案されて
いる切換式連続運転用印刷機である場合(特願平5−1
12903号参照)、つまり複数の印刷ユニットのうち
の少なくとも二以上の印刷ユニットが切り換えて選択使
用される切換用の印刷ユニットとされ、印刷用の連続用
紙を走行させたままの状態でこれらの切換用の印刷ユニ
ットを切り換えて連続印刷を行う印刷機である場合など
には、この切換式連続運転用印刷機の印刷ユニット切換
期間中にブランケット洗浄を行うことで、印刷ユニット
の切換に伴って発生する損紙とブランケット洗浄により
発生する損紙とを重ねることができるので、損紙を低減
することができる。
【0041】
【発明の効果】以上に述べたように本発明によれば、機
械速度をブランケット洗浄速度から通常の印刷速度まで
増速するにあたって、従来のように一気に増速するので
はなく、途中の中間速度で一旦増速を停止して多段階で
増速を行うので、印刷用紙上の印刷状態を中間速度維持
期間中に略安定させて正紙状態近くまで戻すことができ
るため、従来に比べ、回転数の低い段階で印刷状態を安
定させることができ、損紙の低減を図ることができると
いう効果がある。
【0042】また、自動紙継ぎ時に合わせてブランケッ
ト洗浄を行った場合には、紙継ぎにより生じる損紙とブ
ランケット洗浄により生じる損紙とを重ねることができ
るので、損紙の低減をより一層図ることができるという
効果がある。
【0043】そして、インキ供給装置や水供給装置の各
ローラおよびブランケット胴の着状態への復帰を、低速
段の増速期間と略並行して行った場合には、中間速度に
達してから印刷状態が正紙状態近くに戻るまでに要する
時間を短くすることができ、損紙の低減をより一層図る
ことができるという効果がある。
【0044】さらに、高速段の増速制御の増速率を機械
の特性に応じて自在に変更できる増速率設定手段を設け
た場合には、中間速度維持期間中に略安定した印刷状態
を確実に維持しながら通常の印刷速度まで増速させるこ
とができ、損紙の低減をより一層確実に図ることができ
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるブランケット洗浄装置
を示す構成図。
【図2】前記実施例のブランケット洗浄装置が備え付け
られるオフセット輪転印刷機の印刷ユニットの構成図。
【図3】前記実施例の機械速度の制御状態の説明図。
【図4】従来のブランケット洗浄方法による機械速度の
制御状態の説明図。
【符号の説明】
10A 印刷機本体 14U,14L ブランケット胴 15 インキ供給装置 16 水供給装置 18 自動紙継ぎ装置 30 ブランケット洗浄装置 31 ブランケット洗浄機構部 40 ブランケット洗浄制御部 41 減速制御手段 42 洗浄動作制御手段 43 低速段制御手段 44 高速段制御手段 45 増速率設定手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷機の機械速度を通常の印刷速度から
    ブランケット洗浄速度まで減速してブランケット洗浄を
    行い、その後、前記機械速度を前記ブランケット洗浄速
    度と通常の印刷速度との間の中間速度まで増速してこの
    中間速度を所定時間維持し、さらに増速を行って通常の
    印刷速度に復帰させることを特徴とするブランケット洗
    浄方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載したブランケット洗浄方
    法において、前記機械速度の通常の印刷速度からブラン
    ケット洗浄速度までの減速は、自動紙継ぎ開始後に行う
    ことを特徴とするブランケット洗浄方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載したブラ
    ンケット洗浄方法において、前記ブランケット洗浄の完
    了後、前記中間速度に達するまでの増速期間と略並行し
    て水供給装置やインキ供給装置の各ローラおよびブラン
    ケット胴を着状態とすることを特徴とするブランケット
    洗浄方法。
  4. 【請求項4】 印刷機の機械速度を通常の印刷速度から
    ブランケット洗浄速度まで減速してブランケット洗浄を
    行い、その後、前記機械速度を前記ブランケット洗浄速
    度と通常の印刷速度との間の中間速度まで増速してこの
    中間速度を所定時間維持し、さらに増速を行って通常の
    印刷速度に復帰させるブランケット洗浄装置であって、 印刷機本体に設けられてブランケット胴の洗浄を行うブ
    ランケット洗浄機構部と、前記機械速度の増減速制御を
    行うとともに前記ブランケット洗浄機構部に所定の洗浄
    動作を行わせる洗浄信号を出力するブランケット洗浄制
    御部とを備え、 前記ブランケット洗浄制御部は、ブランケット洗浄を行
    う前の前記機械速度の減速制御を行う減速制御手段と、
    前記ブランケット洗浄機構部に洗浄信号を出力して洗浄
    動作制御を行う洗浄動作制御手段と、ブランケット洗浄
    完了後の前記中間速度までの増速制御および前記中間速
    度を所定時間維持させる制御を行う低速段制御手段と、
    前記中間速度から通常の印刷速度までの増速制御を行う
    高速段制御手段とを有していることを特徴とするブラン
    ケット洗浄装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載したブランケット洗浄装
    置において、前記ブランケット洗浄制御部は、前記高速
    段制御手段による増速制御の増速率を設定する増速率設
    定手段を有していることを特徴とするブランケット洗浄
    装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002307661A (ja) * 2001-04-06 2002-10-23 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 印刷機の加速制御方法及び印刷機
JP2003053937A (ja) * 2001-08-21 2003-02-26 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 印刷機の運転方法及びオフセット輪転印刷機並びにその制御プログラム
JP2003080676A (ja) * 2001-09-10 2003-03-19 Shi Control Systems Ltd 複数の機械軸を持つプロセスラインの同期制御方法

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