JP2005297403A - グラビア輪転印刷機の制御装置 - Google Patents

グラビア輪転印刷機の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005297403A
JP2005297403A JP2004118299A JP2004118299A JP2005297403A JP 2005297403 A JP2005297403 A JP 2005297403A JP 2004118299 A JP2004118299 A JP 2004118299A JP 2004118299 A JP2004118299 A JP 2004118299A JP 2005297403 A JP2005297403 A JP 2005297403A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
printing
plate cylinder
printing unit
unit
correction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004118299A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4658510B2 (ja
Inventor
Moriaki Nagai
守章 永井
Masashi Okihiro
誠志 沖廣
Masayuki Shiobara
正行 塩原
Tetsuhiko Seki
哲彦 関
Chiaki Ujihara
千秋 氏原
Takao Suzuki
多賀男 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
EIKOO SOKKI KK
Fuji Kikai Kogyo Co Ltd
Taiyo Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
EIKOO SOKKI KK
Fuji Kikai Kogyo Co Ltd
Taiyo Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by EIKOO SOKKI KK, Fuji Kikai Kogyo Co Ltd, Taiyo Electric Industry Co Ltd filed Critical EIKOO SOKKI KK
Priority to JP2004118299A priority Critical patent/JP4658510B2/ja
Publication of JP2005297403A publication Critical patent/JP2005297403A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4658510B2 publication Critical patent/JP4658510B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Inking, Control Or Cleaning Of Printing Machines (AREA)

Abstract

【課題】 被印刷物に順次施された印刷ずれを修正する際に、その影響が後段側の印刷ユニットに及ぶことを簡単な構成で効果的に防止できるようにする。
【解決手段】 印刷ユニットの印刷版胴11により被印刷物に施された印刷位置を検出する検出手段(マークセンサ)19と、この検出手段19の検出信号に基づいて印刷ずれが発生したと判別された場合に、この印刷ずれが発生した印刷ユニットの版胴位相を調節して上記印刷ずれを修正する修正手段21と、この印刷ずれの修正が行われた印刷ユニットの後段側に位置する印刷ユニットの版胴位相を、上記版胴位相の調節方向と同方向に補正して後段側の印刷ユニットにおける印刷ずれの発生を抑制する抑制手段22とを備え、上記修正手段により設定された版胴位相の調節量に予め設定された補正係数を乗算することにより後段側の印刷ユニットにおける版胴位相の補正量を求める。
【選択図】 図2

Description

被印刷物の搬送路に沿って複数の印刷ユニットが配設されるとともに、各印刷ユニットに設けられた印刷版胴が駆動モータによりそれぞれ個別に回転駆動されて上記被印刷物に順次印刷が施されるように構成されたグラビア輪転印刷機に関するものである。
印刷ウェブ(被印刷物)の搬送路に沿って複数の印刷ユニットが配設されるとともに、各印刷ユニットに設けられた印刷版胴が駆動モータによりそれぞれ個別に回転駆動されて上記被印刷物に順次印刷が施されるように構成されたいわゆるセクショナル駆動方式のグラビア輪転印刷機において、例えば下記特開平10−86343号公報に示されるように、各印刷ユニットで印刷ウェブに印刷された見当マークを見当マーク検出手段により検出し、見当マーク間距離より見当ずれ(印刷ずれ)を判定し、見当ずれがある場合には、その見当ずれの誤差量に従って、見当ずれが発生している印刷ユニットおよび当該印刷ユニットよりウェブ巻取側の最終段の印刷ユニットに至るまでの各印刷ユニットの駆動速度を、これら印刷ユニット間の同期生を維持して同一操作量をもって変化させて位相修正を行い、位相修正完了後に上記各印刷ユニットの駆動速度を同期駆動速度に戻し、全印刷ユニットを同期駆動することが行われている。
また、例えば下記特許文献2に示されるように、コンペンセータロールを含まないセクショナル駆動型のグラビア印刷機であって、少なくとも3段のモータ駆動による印刷ユニットを備え、各段の印刷ユニットのモータドライバには速度指令値が与えられ、第2段目以降の印刷ユニットにおいてはそれぞれ、印刷基材(被印刷物)に付された印刷見当の検出系、版胴の原点信号の検出系からそれぞれ得られる見当誤差、位置検出値に基づいて上記速度指令値を補正するための制御系が備えられているグラビア印刷機において、各段の印刷ユニットの上記制御系の間に、前段の印刷ユニットの見当調整に伴う版位相の操作による印刷基材の張力変動とそれに対応する見当誤差、すなわち版位相の伝達モデルを構成して接続し、ある段とその次の段の間の伝達モデルはその出力の上記次の段の印刷ユニットの制御系にフィードフォワード補償として与えることが行われている。
特開平10−86343号公報 特開2003−237033号公報
上記特許文献1に開示されているように、見当ずれが発生している印刷ユニットおよび当該印刷ユニットよりウェブ巻取側の最終段の印刷ユニットに至るまでの各印刷ユニットの駆動速度を、これら印刷ユニット間の同期性を維持して同一操作量をもって変化させて位相修正を行うように構成した場合には、上記見当ずれの修正が行われた印刷ユニットとその下流側に位置する印刷ユニットとの間における見かけ上のパス長が一定に維持されるため、上記見当ずれの修正が行われて上記パス長が変動することに起因した後段側の印刷ユニットにおける見当ずれの発生を、ある程度抑制することが可能である。
しかし、上記見当ずれの修正が行われることによる影響は、所定の時間差をもって後段側の印刷ユニットに生じるため、上記特許文献1のように見当ずれが発生した印刷ユニットと、その後段側に配設された印刷ユニットとの駆動速度を、同時に同一操作量で変化させることにより見当ずれの修正を行った場合には、その初期段階で上記後段側の印刷ユニットにおける駆動速度の修正量が過多になり、この後段側の印刷ユニットにより施される印刷位置の見当ずれが一時的に大きくなるという問題がある。
また、上記特許文献2には、前段の印刷ユニットの見当調整に伴う版位相の操作による印刷基材の張力変動とそれに対応する見当誤差(版位相)の伝達モデルを有する演算装置、例えば各段の印刷ユニット間に配設されたフリーロールの慣性モーメンJ、ある段とのその次の段の印刷ユニット間におけるパス長、上記次の段とさらに次の段の印刷ユニット間におけるパス長、印刷基材の速度、変位に対する張力の変換定数等を基に構成される伝達モデルを有する演算装置を、各印刷ユニット間に配設し、上記慣性モーメントJおよび張力の変換定数等を適正に設定することにより、特定の印刷ユニットで見当ずれの修正が行われた場合に、その影響が後段側の印刷ユニットに及ぶのを効果的に防止できる旨の開示がある。
しかし、上記慣性モーメントJおよび張力の変換定数等をどのように設定するかが明確にはされていないため、特定の印刷ユニットにおいて行われた見当ずれの修正の影響が後段側の印刷ユニットに及ぶのを効果的に防止できるか否かは疑問である。また、各印刷ユニット間に複雑な構成を有する高性能の演算装置を配設する必要があるため、コストアップとなるとなるという問題がある。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、被印刷物の搬送路に沿って複数の印刷ユニットが配設されたグラビア輪転印刷機において、被印刷物に順次施された印刷ずれを修正する際に、その影響が後段側の印刷ユニットに及ぶのを簡単な構成で効果的に防止できるグラビア輪転印刷機の制御装置を提供することを目的としている。
請求項1に係る発明は、被印刷物の搬送路に沿って複数の印刷ユニットが配設されるとともに、各印刷ユニットに設けられた印刷版胴が駆動モータによりそれぞれ個別に回転駆動されて上記被印刷物に順次印刷が施されるように構成されたグラビア輪転印刷機の制御装置であって、各印刷ユニットの印刷版胴により被印刷物に施された印刷位置を検出する検出手段と、この検出手段の検出信号に基づいて印刷ずれが発生したと判別された場合に、この印刷ずれが発生した印刷ユニットの版胴位相を調節して上記印刷ずれを修正する修正手段と、この印刷ずれの修正が行われた印刷ユニットの後段側に位置する印刷ユニットの版胴位相を、上記版胴位相の調節方向と同方向に補正して後段側の印刷ユニットにおける印刷ずれの発生を抑制する抑制手段とを備え、上記修正手段により設定された版胴位相の調節量に予め設定された補正係数を乗算することにより後段側の印刷ユニットにおける版胴位相の補正量を求めるものである。
請求項2に係る発明は、上記請求項1記載のグラビア輪転印刷機の制御装置において、修正手段により設定された版胴位相の調節量に予め設定された第1,第2補正係数を乗算することにより後段側の印刷ユニットにおける版胴位相の第1,第2補正量を求め、印刷ずれが発生している印刷ユニットの版胴位相を修正するのと同時に、後段側の印刷ユニットの版胴位相を、上記版胴位相の調節方向と同方向に上記第1補正量に対応する角度だけ補正した後、所定時間が経過した時点で、上記後段側の印刷ユニットの版胴位相を、上記版胴位相の調節方向と同方向に上記第2補正量に対応する角度だけ補正するように構成したものである。
請求項3に係る発明は、上記請求項2記載のグラビア輪転印刷機の制御装置において、第1補正係数を第2補正係数よりも大きな値に設定したものである。
請求項4に係る発明は、上記請求項1記載のグラビア輪転印刷機の制御装置において、修正手段により設定された版胴位相の調節量に予め設定された複数の補正係数を乗算することにより求められた複数の補正量に基づき、後段側の印刷ユニットにおける版胴位相を段階的に変化させるものである。
上記請求項1に係る発明によれば、印刷ずれが発生した特定ユニットで版胴位相を調節するとともに、予め設定された補正係数に対応した補正量に基づき、後段側ユニットにおける版胴位相を、特定ユニットにおける版胴位相の調節方向と同方向に補正するように構成したため、簡単な構成で被印刷物1に順次施された印刷ずれを修正する際に、その影響が後段側ユニットに及ぶのを効果的に防止することができる。
また、請求項2に係る発明によれば、印刷ずれが発生した特定ユニットで印刷ずれを修正すると同時に、その後段側に位置する印刷ユニットにおける版胴位相を、上記特定ユニットにおける版胴位相の調節方向と同方向に第1補正量に対応する角度だけ補正した後、所定時間が経過した時点で、上記後段側ユニットの版胴位相を、上記特定ユニットにおける版胴位相の調節方向と同方向に第2補正量に対応する角度だけ補正するように構成したため、簡単な構成で被印刷物に順次施された印刷ずれを修正する際に、その影響が後段側ユニットに及ぶのを効果的に防止することができる。
また、請求項2に係る発明によれば、印刷ずれが発生した特定ユニットで印刷ずれを修正すると同時に、その後段側に位置する印刷ユニットにおける版胴位相を、比較的大きな値の第1補正量に対応する角度だけ補正した後、所定時間が経過した時点で、上記後段側ユニットの版胴位相を、上記特定ユニットにおける版胴位相の調節方向と同方向に比較的小さな値の第2補正量に対応する角度だけ補正するように構成したため、簡単な構成で被印刷物に順次施された印刷ずれを修正する際に、その影響が後段側ユニットに及ぶのを、より効果的に防止することができる。
また、請求項4に係る発明によれば、印刷ずれが発生した印刷ユニットで印刷ずれを修正すると同時に、上記後段側ユニットにおける版胴位相を、特定ユニットにおける版胴位相の調節方向と同方向に段階的に補正するように構成したため、簡単な構成で被印刷物に順次施された印刷ずれを修正する際に、その影響が後段側ユニットに及ぶのを効果的に防止することができる。
図1は、本発明に係る制御装置を有するグラビア輪転印刷機の概略構成を示している。このグラビア輪転印刷機は、ロール状に巻かれたロール紙または樹脂製フィルム等のシート材からなる被印刷物1の繰出部2と、この繰出部2から繰り出された被印刷物1に所定の張力を付与してプレヒータ3に供給するインフィード部4と、上記プレヒータ3から導出された被印刷物1の搬送路に沿って配設された複数の第1〜第4印刷ユニット5〜8と、最終段の第4印刷ユニット8から繰り出された被印刷物1に所定の張力を付与して引き出すアウトフィード部9と、このアウトフィード部9により引き出された印刷後の被印刷物1を巻取る巻取部10とを有している。
上記第1〜第4印刷ユニット5〜8には、図2に示すように、周面に印刷用のインクが塗布される印刷版胴11と、この印刷版胴11の上方に配設されて上記被印刷物1を印刷版胴に圧接させる圧胴12とを有する印刷部13が配設されるとともに、この印刷部13の入口側および出口側には、上記被印刷物1をガイドする供給ローラ14および排出ローラ15が設けられている。また、上記印刷版胴11を回転駆動する駆動モータ16が各印刷ユニット5〜8毎に個別に配設されるとともに、上記排出ローラ15の下流側には複数の案内ローラ17を有する乾燥器18が配設されている。
上記排出ローラ15と乾燥器18との間には、印刷部13において被印刷物1に塗布されたインクの塗布位置、つまり印刷位置を検出するためのマークセンサ19が設けられ、このマークセンサ19から出力される検出信号に応じ、上記各印刷ユニット5〜7の印刷版胴11により被印刷物1に順次施された印刷位置のずれ(印刷ずれ)が発生したか否かが、制御ユニット20に設けられた修正手段21において判別されるようになっている。具体的には、第1〜第4印刷ユニット5〜8の印刷版胴11により被印刷物1に付されたレジスタマークの間隔を上記マークセンサ19においてそれぞれ検出し、このレジスタマークの検出間隔と、予め設定された基準間隔(例えば20mm)とを上記修正手段21において比較し、上記レジスタマークの検出間隔と基準間隔との偏差が所定値、例えば1mm以上である場合に、印刷ずれが発生したと判別されるようになっている。
上記修正手段21は、第2〜第4印刷ユニット6〜8の何れかにおいてレジスタマークの検出間隔と基準間隔との偏差が所定値以上となった印刷ずれが発生したと判別された場合に、この印刷ずれが発生した印刷ユニット(以下、特定ユニットという)の版胴位相を調節して上記印刷ずれを修正する制御信号を上記特定ユニットの駆動モータ16に出力するとともに、この版胴位相の調節方向および調節量を示す制御信号を、上記特定ユニットの後段側に位置する印刷ユニット(以下、単に後段側ユニットという)における印刷ずれの発生を抑制する抑制手段22に出力するように構成されている。
上記制御ユニット20に設けられた抑制手段22は、上記修正手段21により設定された特定ユニットの位相調節量に、例えば0.6程度に設定された第1補正係数K1を乗算するとともに、0.4程度に設定された第2補正係数K2を乗算することにより、後段側ユニットの版胴位相を補正するための第1,第2補正量を求めるように構成されている。そして、上記特定ユニットの印刷ずれを修正するのと同時に、その修正方向と同方向に後段側ユニットの版胴位相を、上記第1補正量に対応する角度だけ補正した後、所定時間が経過した時点で、後段側ユニットの版胴位相を、上記特定ユニットの位相調節方向と同方向に上記第2補正量に対応する角度だけ補正する制御信号が後段側ユニットの駆動モータ16に出力されるようになっている。
上記所定時間は、印刷ずれが発生した特定ユニットにより印刷が施された被印刷物1が後段側ユニットに到達するまでの時間に応じて設定されている。また、この所定時間が経過した時点で、上記第2補正量に対応して後段側ユニットの版胴位相を補正することにより、上記印刷ずれを修正するために版胴位相が調節された特定ユニットの位相調節量と、上記後段側ユニットの位相補正量とが等しくなるように、上記第1,第2補正係数K1,K2が設定されている。すなわち、第1補正係数K1と第2補正係数K2との和が1となるように両補正係数K1,K2の値が設定されている。
上記構成においてプレヒータ3から導出された被印刷物1が印刷ユニット5に導入されて第1色目の印刷が施された後に、その下流側に配設された印刷ユニット6〜8において第2色目以降の印刷が上記被印刷物1に順次施されることにより多色印刷が行われるとともに、上記第2〜第4印刷ユニット6〜8に設けられたマークセンサ19の検出信号に応じ、印刷ずれが発生したか否かが判定される。
そして、上記第2〜第4印刷ユニット6〜8の何れか(特定ユニット)において印刷ずれが発生した判定された場合には、この特定ユニットの版胴位相を調節して上記印刷ずれを修正する制御が修正手段21において実行されるとともに、これと同時に後段側ユニットの版胴位相を、上記特定ユニットにおける版胴位相の調節方向と同方向に第1補正量だけ補正した後、所定時間が経過した時点で、後段側ユニットの版胴位相を、上記特定ユニットの位相調節方向と同方向に第2補正量だけさらに補正することにより、上記特定ユニットで版胴位相が調節されることによる影響が後段側ユニットに及ぶのを抑制する制御を抑制手段22において実行する。
例えば、被印刷物1に第2色目の印刷を施す第2印刷ユニット6のマークセンサ1から出力される検出信号に応じ、第1色目の印刷位置を示すレジスタマークと第2色目の印刷位置を示すレジスタマークとの間隔が21mmであると判定され、基準間隔(20mm)よりも1mmだけ大きいことが確認された場合には、第2印刷ユニット6の印刷版胴11の回転速度を一時的に低下させることにより、図3の矢印Aに示すように、上記第2印刷ユニット6の版胴位相を、被印刷物1の搬送方向と逆方向に1mm変位させる。これにより、第1印刷ユニット5と第2印刷ユニット6との間における基材長(被印刷物1の長さ)L12が1mmだけ縮小されて上記印刷ずれが修正されることになる。
また、上記印刷ずれを修正する制御を実行するのと同時に、第3印刷ユニット7の印刷版胴11の回転速度を一時的に低下させることにより、第2印刷ユニット6の下流側に配設された第3印刷ユニット7の版胴位相を、図3の矢印Bに示すように、被印刷物1の搬送方向と逆方向に第1補正量に対応する値(0.6mm=1mm×0.6)だけ変位させて、第2印刷ユニット6と第3印刷ユニット7との間における基材長L23を0.6mmだけ縮小させた後、この時点から所定時間が経過した時点、つまり上記印刷ずれの修正が行われた後に上記パス長S23の間を被印刷物1が搬送される時間が経過した時点で、第3印刷ユニット7の印刷版胴11の回転速度を一時的に低下させることにより、上記印刷ユニット7の版胴位相を、被印刷物1の搬送方向と逆方向に第2補正量に対応する値(0.4mm=1mm×0.4)だけ変位させて、印刷ユニット6と印刷ユニット7との間における基材長L23を0.4mm縮小させる。これにより、上記第2印刷ユニット6の印刷ずれを修正するために第2印刷ユニット6の版胴位相を変化させることに起因した影響が、第3印刷ユニット7に及ぶことが防止され、この第3印刷ユニット7における印刷ずれの発生が抑制される。
上記被印刷物1に第2色目の印刷を施す第2印刷ユニット6のマークセンサ1から出力される検出信号に応じ、第1色目の印刷位置を示すレジスタマークと第2色目の印刷位置を示すレジスタマークとの間隔が19mmであると判定され、基準間隔(20mm)よりも1mmだけ小さいことが確認された場合には、第2印刷ユニット6の印刷版胴11の回転速度を上昇させることにより、上記第2印刷ユニット6の版胴位相を、被印刷物1の搬送方向に1mmだけ変位させて、第1印刷ユニット5と第2印刷ユニット6との間における基材長(被印刷物1の長さ)L12を1mm伸長させることにより、上記印刷ずれを修正する制御を実行するとともに、上記印刷ずれの修正制御と同時に、第3印刷ユニット7の版胴位相を、被印刷物1の搬送方向に第1補正量に対応する値(0.6mm=1mm×0.6)だけ変位させて、第2印刷ユニット6と第3印刷ユニット7との間における基材長L23を0.6mmだけ伸長させた後、この時点から所定時間が経過した時点で、第3印刷ユニット7の版胴位相を、被印刷物1の搬送方向に第2補正量に対応する値(0.4mm=1mm×0.4)だけ変位させて、印刷ユニット6と印刷ユニット7との間における基材長L23を0.4mmだけ伸長 させる制御を実行する。
なお、上記第2印刷ユニット6の下流側に配設された第3印刷ユニット7の版胴位相を、所定のタイミングで被印刷物1の搬送方向と逆方向に第1,第2補正量に対応した値だけ変位させて第3印刷ユニット7における印刷ずれの発生を抑制する際に、第3印刷ユニット7のマークセンサ19により検出された第2色目の印刷位置を示すレジスタマークと第3色目の印刷位置を示すレジスタマークとの間隔が基準間隔と相違していること、第3印刷ユニット6において印刷ずれが発生していることが確認された場合には、この印刷ずれに対応した版胴位相の調節量を修正手段21において設定し、この位相調節量に上記第1,第2補正量を加算することにより、第3印刷ユニット7の版胴位相を所定のタイミングで変化させるための最終位相調節量を求める。
さらに、上記最終位相調節量に基づいて第3印刷ユニット7の版胴位相を変位させるのと同時に、第4印刷ユニット8における版胴位相を、第3印刷ユニット7における版胴位相の変位方向と同方向に予め設定された第1補正量に対応する角度だけ補正した後、所定時間が経過した時点で、上記第4印刷ユニット8の版胴位相を、第3印刷ユニット7における版胴位相の変位方向と同方向に上記第2補正量に対応する角度だけ補正するように構成することにより、上記この第4印刷ユニット8における印刷ずれの発生を抑制する制御を実行する。
上記のように被印刷物1の搬送路に沿って複数の印刷ユニット5〜8が配設されるとともに、各印刷ユニット5〜8に設けられた印刷版胴11が駆動モータ16によりそれぞれ個別に回転駆動されることにより上記被印刷物1に順次印刷が施されるように構成されたグラビア輪転印刷機において、各印刷ユニット5〜8の印刷版胴により被印刷物に順次施された印刷位置を検出するマークセンサ19からなる検出手段と、この検出手段により検出された印刷位置に基づいて印刷ずれが発生したと判別された場合に、この印刷ずれが発生した特定ユニットの版胴位相を調節して上記印刷ずれを修正する修正手段21と、上記特定ユニットの後段側に位置する後段側ユニットにおける印刷ずれの発生を抑制する抑制手段22とを設け、上記修正手段21により設定された版胴位相の調節量に予め設定された補正係数K1,K2を乗算することにより後段側ユニットにおける版胴位相の第1,第2補正量を上記抑制手段22において求め、上記特定ユニットで印刷ずれを修正すると同時に、上記後段側ユニットにおける版胴位相を、特定ユニットにおける版胴位相の調節方向と同方向に上記第1補正量に対応する角度だけ補正した後、所定時間が経過した時点で、上記後段側ユニットの版胴位相を、特定ユニットにおける版胴位相の調節方向と同方向に上記第2補正量に対応する角度だけ補正するように構成したため、簡単な構成で被印刷物1に順次施された印刷ずれを修正する際に、その影響が後段側ユニットに及ぶのを効果的に防止することができる。
すなわち、第2色目の印刷を施す第2印刷ユニット6のマークセンサ(検出手段)19から出力された検出信号に応じて印刷ずれが発生したことが確認された時点で、この印刷ずれが発生した印刷ユニット6の版胴位相を調節して上記印刷ずれを修正する制御が実行されることにより、上記第1印刷ユニット5と第2印刷ユニット6との間における基材長L12が変化することになるが、この基材長のL12の変化は、下記式(1)により表される。この式(1)において、L12(t)は変化後の基材長、L12(0)は上記基準長L12の初期値(変化前の基材長)、v(t)は被印刷物1の搬送速度(m/s)、S12は第1印刷ユニット5と第2印刷ユニット6との間におけるパス長である。また、式(1)の右辺における第2項は第1印刷ユニット5から第2印刷ユニット6に搬入される基材長を示し、同第3項は第2印刷ユニット6から下流側に導出される基材長を表している。
L12(t)=L12(0)+∫v(t)dt−∫(L12(t)/S12)・v(t)dt…(1)
また、上記印刷ずれを修正する制御が実行されることにより第2印刷ユニット6とその後段側に位置する第3印刷ユニット7との間における基材長L23の変化は、下記式(2)により表される。この式(1)において、L23(t)は変化後の基材長、L23(0)は上記基準長L23の初期値(変化前の基材長)、v(t)は被印刷物1の搬送速度(m/s)、S23は第2印刷ユニット6と第3印刷ユニット7との間におけるパス長である。また、上記式(2)の第二辺における第2項は第2印刷ユニット6から第3印刷ユニット7に搬入される基材長を示し、同第3項は第3印刷ユニット7から下流側に導出される基材長を表している。
L23(t)=L23(0)+∫(L12(t)/S12)・v(t)dt−∫(L23(t)/S23)・v(t)dt
=L23(0)+∫[(L12(t)/S12)−(L23(t)/S23)]・v(t)dt…(2)
そして、上記印刷ずれを修正する制御が実行されることにより、第2,第3印刷ユニット6,7において被印刷物1に付されるレジストマークの位置変化は、下記の式(3),(4)により表される。なお、式(3),(4)において、E12(t)は第2印刷ユニット6において付されるレジストマーク位置の変化量、E12(0)はその初期値、E23(t)は第3印刷ユニット7において付されるレジストマーク位置の変化量、E23(0)はその初期値である。
E12(t)=E12(0)+∫[1−(L12(t)/S12)・v(t)]dt…(3)
E23(t)=E23(0)+∫(L12(t)/S12)・v(t)dt−∫(L23(t)/S23)・v(t)dt
=E23(0)+∫[1−S12/(L12(t−S23/v(t)))・(L23(t)/S23)]・v(t)dt…(4)
上記第2印刷ユニット6の印刷ずれを修正するために、その版胴位相を、例えば基材長L12(t)を1mmだけ短くする方向に調節する制御が実行されることにより生じる基材長L12(t)の変化および基材長L23(t)の変化を、上記式(1),(2)に基づいて演算することにより、図4に示すデータが得られる。このデータから、上記印刷ずれを修正する制御の実行時点t1で、第1印刷ユニット5と第2印刷ユニット6との間における基材張力が減少することにより、その基材長L12(t)が1mmだけ一時的に短くなる縮みが発生するとともに、これに対応して第2印刷ユニット6と第3印刷ユニット7との間における基材張力が増大することにより、その基材長L23(t)が1mmだけ一時的に長くなる伸びが発生した後、時間tの経過に伴って上記基材長L12(t)の縮みおよび基材長L23(t)の伸びが解消(低減)されることが分かる。なお、上記演算例において、第1印刷ユニット5と第2印刷ユニット6との間におけるパス長S12および第2印刷ユニット6と第3印刷ユニット7との間におけるパス長S23を、それぞれ8490mmに設定するとともに、基材(被印刷物1)の搬送速度を883mm/sに設定し、かつ0.1秒単位で上記の演算を行った。
また、上記レジストマーク位置の変化量E12(t),E23(t)で表される印刷ずれの修正制御に対応したレジストマークの位置変化を、上記式(3),(4)に基づいて演算することにより、図5に示すデータが得られる。このデータから、上記時間tの経過に伴って上記第1印刷ユニット5と第2印刷ユニット6との間における基材長L12(t)の縮みが解消するのに応じ、第2印刷ユニット6のマークセンサ19により検出されるレジストマーク位置の変化量E12(t)が次第に増大することが分かる。
そして、上記レジストマーク位置の変化量E23(t)で表される第3印刷ユニット7におけるレジストマーク位置の変化は、上記第2印刷ユニット6におけるレジストマークの位置変化と逆方向に発生するとともに、時間tの経過に伴って上記第2印刷ユニット6と第3印刷ユニット7との間における基材長L23(t)の伸びが解消されるのに応じ、上記レジストマーク位置の変化量E23(t)が次第に増大する。また、上記レジストマーク位置の変化量E12(t)が増大することによる影響が印刷ユニット7に及び始めた時点、つまり上記印刷ずれの修正後に所定時間(約10.2秒=8490mm/833.3mm/s)が経過した時点t1で、レジストマーク位置の変化量E23(t)が顕著に増大し、これに応じて印刷位置のずれが第3印刷ユニット7において発生することが分かる。
上記演算例と同様の条件下で印刷ずれが発生している第2印刷ユニット6の版胴位相を、基材長L12(t)を1mmだけ短くする方向に調節するとともに、これに対応して特許文献1に示されるように、印刷ずれが発生している第2印刷ユニット6の下流側に配設された第3印刷ユニット7の駆動速度を、これら印刷ユニット6,7間の同期性を維持して同一操作量をもって変化させて位相修正を行うことにより生じる基材長L12(t)の変化および基材長L23(t)の変化を、上記式(1),(2)に基づいて演算することにより、図6に示すようなデータが得られる。
上記データから、第1印刷ユニット5と第2印刷ユニット6との間における基材長L12(t)が、図4に示す演算例と同様に変化するが、上記位相の修正時点t0で印刷ユニット6と印刷ユニット7との間における基材長L23(t)の変化が0となり、時間tの経過に伴って基材長L23(t)が一旦縮小した後、この縮小量が次第に減少して基の値に復帰することになる。このような現象が見られるのは、上記位相修正時点t0で第2,第3印刷ユニット6,7の版胴位相を、基材長L12,L23(t)をそれぞれ1mmだけ短くする方向に調節する制御が実行されることにより、上記時点t0では基材長L23(t)に変化が見られず、かつ上記位相調節に伴って第2印刷ユニット6の下流側における基材張力が増大することにより、基材長L23(t)が一時的に短くなるためである。
そして、第2,第3印刷ユニット6,7間の同期性を維持して同一操作量をもって変化させて位相修正を行った場合における上記レジストマーク位置の変化量E12(t),E23(t)を、上記式(3),(4)に基づいて演算することにより、図7に示すデータが得られる。このデータから、上記時間tの経過に伴って上記第1印刷ユニット5と第2印刷ユニット6との間における基材長L12(t)の縮みが解消するのに応じ、第2印刷ユニット6のマークセンサ19により検出されるレジストマーク位置の変化量E12(t)が、図5に示す演算例と同様に次第に増大することが分かる。
上記レジストマーク位置の変化量E23(t)により表される第3印刷ユニット7のレジストマーク位置の変化は、上記第2印刷ユニット6において発生するレジストマーク位置の変化と同方向に発生するとともに、上記レジストマークの位置変化量E23(t)が、時間tの経過に伴って上記第3印刷ユニット7の下流側における基材長の伸びが解消されるのに応じ、次第に増大する。また、上記レジストマークの位置変化量E12(t)が増大することによる影響が第3印刷ユニット7に及び始めた時点、つまり上記印刷ずれの修正後に所定時間(約10.2秒=8490mm/833.3mm/s)が経過した時点t1で、上記レジストマーク位置の変化量E23(t)が減少し始める。このデータから、上記位相修正の初期段階で第3印刷ユニット7において印刷位相を補正する際に、その補正量が過大であることに起因して印刷位置のずれが第3印刷ユニット7で発生することが分かる。
これに対して上記実施形態に示すように、修正手段21により設定された版胴位相の調節量に予め設定された補正係数K1,K2を乗算することにより第3印刷ユニット7における版胴位相の第1,第2補正量を上記抑制手段22において求め、上記演算例と同様に印刷ずれが発生している第2印刷ユニット6の版胴位相を、基材長L12(t)を1mmだけ短くする方向に修正するとともに、この印刷ずれの修正と同時に、上記第3印刷ユニット7の版胴位相を、第2印刷ユニット6における版胴位相の調節方向と同方向に上記第1補正量に対応する角度だけ補正した後、所定時間が経過した時点t1で、上記第3印刷ユニット7の版胴位相を、第2印刷ユニット6における版胴位相の調節方向と同方向に上記第2補正量に対応する角度だけ補正するように構成した場合において、基材長L12(t)の変化および基材長L23(t)の変化を、上記式(1),(2)に基づいて演算することにより、図8に示すようなデータが得られる。
このデータから、上記位相修正の初期段階では、基材長L12(t),L23(t)が、図4に示す演算例と同様に略変化するが、上記第1補正量に対応した補正が行われることにより、第2印刷ユニット6と第3印刷ユニット7との間における基材長L23(t)の伸び量が図4に示す演算例に比べて6割だけ減少している。そして、上記印刷ずれの修正後に所定時間(約10.2秒=8490mm/833.3mm/s)が経過した時点t1で、上記第2補正量に対応した補正が行われることにより、上記基材長L23(t)が一時的に縮小した後、この縮量小が時間tの経過に伴い次第に減少して基の値に復帰することになる。
そして、印刷ずれが発生している第2印刷ユニット6の版胴位相を、基材長L12(t)を1mmだけ短くする方向に修正するとともに、この印刷ずれの修正と同時に、上記第3印刷ユニット7の版胴位相を、第2印刷ユニット6における版胴位相の調節方向と同方向に上記第1補正量に対応する角度だけ補正した後、所定時間が経過した時点t1で、上記第3印刷ユニット7の版胴位相を、第2印刷ユニット6の版胴位相の調節方向と同方向に上記第2補正量に対応する角度だけ補正した場合における上記レジストマーク位置の変化量E12(t),E23(t)を、上記式(3),(4)に基づいて演算することにより、図9に示すデータが得られる。このデータから、上記時間tの経過に伴って第1印刷ユニット5と第2印刷ユニット6との間における基材長L12(t)の縮みが解消するのに応じ、第2印刷ユニット6のマークセンサ19により検出されるレジストマーク位置の変化量E12(t)が、図5に示す演算例と同様に次第に増大することが分かる。
これに対して上記第3印刷ユニット7のマークセンサ19により検出されるレジストマーク位置の変化量E23(t)は、上記位相修正の初期段階から極めて小さな値に維持されることになる。したがって、上記図5に示すように、時間tの経過に伴って上第2記印刷ユニット6と第3印刷ユニット7との間における基材長L23(t)の伸びが解消されるのに応じ、上記レジストマーク位置の変化量E23(t)が顕著に増大し、あるいは図7に示すように、上記位相修正の初期段階で第3印刷ユニット7における印刷位相の補正量が過大であることに起因して印刷位置のずれが第3印刷ユニット7で発生する等の問題を生じることなく、この第3印刷ユニット7における印刷ずれを効果的に防止できるという利点がある。また、上記演算例と同様の条件で実験を行い、レジストマーク位置の変化状態を検出したところ、上記演算例と同様の実験データが得られた。
上記実施形態では、第1補正係数K1を0.6に設定するとともに第2補正係数を0.4に設定し、第1補正係数K1を第2補正係数K2よりも大きな値に設定することにより、特定ユニットの版胴位相を調節して印刷ずれを修正するのと同時に、比較的大きな値となる第1補正量に対応する角度だけ下流側ユニットの版胴位相を補正した後、所定時間、つまり上記パス長S12の間を被印刷物1が搬送される時間が経過した時点で、上記下流側ユニットの版胴位相を比較的小さな値となる上記第2補正量に対応する角度だけ補正するように構成したため、上記印刷ずれを修正するのと同時に、下流側ユニットの版胴位相を迅速に補正することにより、後段側ユニットにおいて印刷ずれが発生するのを、より効果的に防止できるという利点がある。
なお、上記第1,第2補正係数K1,K2の値及び上記所定時間を被印刷物11の種類(伸縮性)およびその搬送速度等に応じて種々の変更が可能である。例えば、上記被印刷物11の種類およびその搬送速度に対応させて上記上記第1,第2補正係数K1,K2及び所定時間を変化させてレジストマーク位置の変化状態を測定する実験を行い、この実験データから、後段側ユニットにおける印刷ずれを最も抑制できる値を選定するようにしてもよい。
また、特定ユニットの版胴位相を調節して印刷ずれを修正するのと同時に、下流側ユニットの版胴位相を、上記版胴位相の調節方向と同方向に上記第1補正量に対応する角度だけ補正した後、所定時間が経過した時点で、上記下流側ユニットの版胴位相を、上記特定ユニットにおける版胴位相の調節方向と同方向に上記第2補正量に対応する角度だけ補正するように構成した上記実施形態に代え、図10(a)に示す上記特定ユニットにおける版胴位相の調節量Uに、0.5〜1.0の範囲内で所定値に設定された補正係数Kを乗算することにより、図10(b)に示すように、単一の補正量(U×K)を求め、この補正量(U×K)に基づいて、特定ユニットの版胴位相を調節して印刷ずれを修正するのと同時に、下流側ユニットの版胴位相を、上記版胴位相の調節方向と同方向に補正するように構成してもよい。
また、図11に示すように、合計が1となるように分割された三個以上の補正係数K1〜Knを、上記修正手段21により設定された版胴位相の調節量Uに上記補正係数K1〜Knを乗算することにより求められた複数の補正量(U×K0〜Kn)に基づき、特定ユニットの版胴位相を調節して印刷ずれを修正した時点t0から、特定ユニットにおいて印刷が施された被印刷物1が後段側ユニットに到達する時点t1までの間に、後段側ユニットにおける版胴位相を段階的に補正するように構成してもよい。この実施形態において、図11(b)に示すように、印刷ずれの修正時点t0で位相補正に使用される補正係数K0を最も大きな値に設定し、その値を順次小さくするように設定した場合には、上記印刷ずれを修正する初期段階で、下流側ユニットの版胴位相を迅速に補正することにより、後段側ユニットにおいて印刷ずれが発生するのを効果的に防止できるという利点がある。
例えば、図12に示すように、第2印刷ユニット6のマークセンサ19の検出信号に基づいて修正手段21により設定された第2印刷ユニット6の版胴位相の調節量U2に、複数の補正係数K20〜K2nを乗算して第2印刷ユニット6の版胴位相の補正量(U2×K20〜K2n)を求める複数の乗算器31と、第3印刷ユニット7のマークセンサ19の検出信号に基づいて修正手段21により設定された第3印刷ユニット7の版胴位相の調節量U3に、上記補正量(U2×K20〜K2n)を順次積算することにより第3印刷ユニット7の版胴位相の最終調節量X3を求める積算器32と、上記第3印刷ユニット7の版胴位相の最終調節量U3に、複数の補正係数K30〜K3nを乗算して第3印刷ユニット7の版胴位相の補正量(U3×K30〜K3n)を求める複数の乗算器33と、第4印刷ユニット8のマークセンサ19の検出信号に基づいて修正手段21により設定された第4印刷ユニット8の版胴位相の調節量U4に、上記補正量(U3×K30〜K3n)を順次積算することにより第4印刷ユニット8の版胴位相の最終調節量X4を求める積算器34とを上記抑制手段22に設けた構造としてもよい。
そして、上記乗算器31,33から積算器32,34への信号の出力タイミングを、上記特定ユニットにおける印刷ずれの修正時点t0から、特定ユニットにおいて印刷が施された被印刷物1が後段側ユニットに到達する時点t1までの間において適宜に割り振り、例えば印刷版胴11の1回転毎に上記乗算器31,33から積算器32,34に補正係数を出力して上記積算を行うことにより、後段側ユニットにおける版胴位相が段階的に補正されることになる。
また、図12に示す実施形態において、上記補正係数K20,K2n,K30,K3n以外を全て0に設定した場合には、印刷ずれが発生している特定ユニットの版胴位相を修正するのと同時に、後段側ユニットの版胴位相を、上記特定ユニット版胴位相の調節方向と同方向に上記第1補正量に対応する角度だけ補正した後、所定時間が経過した時点で、上記後段側ユニットの版胴位相を、上記特定ユニット版胴位相の調節方向と同方向に上記第2補正量に対応する角度だけ補正する制御を実行することができる。
なお、上記実施形態では、各印刷ユニット5〜8に設けられた印刷版胴11の直径が等しく、かつ被印刷物11の搬送速度が一定である定常印刷状態であることを前提として説明したが、各印刷ユニット5〜8に設けられた印刷版胴11の直径が異なる場合、あるいは被印刷物11の搬送速度が変化する増速時または減速時に対応した補正係数を、演算式または実験により予め求めて記憶手段に記憶させ、印刷版胴11の直径および増速状態または減速状態にあることを示す入力信号に基づいて最適な補正係数を記憶データから読み出して上記後段側ユニットにおける印刷ずれの発生を抑制する制御を実行するように構成してもよい。
本発明に係る制御装置を備えたグラビア輪転印刷機の全体構成を示す説明図である。 本発明に係るグラビア輪転印刷機の制御装置の実施形態を示す説明図である。 版胴位相の調節作用を示す説明図である。 従来例における基材長の変化状態を示すタイムチャートである。 従来例におけるレジストマーク位置の変化状態を示すタイムチャートである。 比較例における基材長の変化状態を示すタイムチャートである。 比較例におけるレジストマーク位置の変化状態を示すタイムチャートである。 本発明における基材長の変化状態を示すタイムチャートである。 本発明におけるレジストマーク位置の変化状態を示すタイムチャートである。 本発明に係るグラビア輪転印刷機の制御装置の別の実施形態を示すタイムチャートである。 本発明に係るグラビア輪転印刷機の制御装置のさらに別の実施形態を示すタイムチャートである。 本発明に係るグラビア輪転印刷機の制御装置の具体例を示すブロック図である。
符号の説明
1 被印刷物
5〜8 印刷ユニット
11 印刷版胴
16 駆動モータ
19 マークセンサ(検出手段)
21 修正手段
22 抑制手段

Claims (4)

  1. 被印刷物の搬送路に沿って複数の印刷ユニットが配設されるとともに、各印刷ユニットに設けられた印刷版胴が駆動モータによりそれぞれ個別に回転駆動されて上記被印刷物に順次印刷が施されるように構成されたグラビア輪転印刷機の制御装置であって、各印刷ユニットの印刷版胴により被印刷物に施された印刷位置を検出する検出手段と、この検出手段の検出信号に基づいて印刷ずれが発生したと判別された場合に、この印刷ずれが発生した印刷ユニットの版胴位相を調節して上記印刷ずれを修正する修正手段と、この印刷ずれの修正が行われた印刷ユニットの後段側に位置する印刷ユニットの版胴位相を、上記版胴位相の調節方向と同方向に補正して後段側の印刷ユニットにおける印刷ずれの発生を抑制する抑制手段とを備え、上記修正手段により設定された版胴位相の調節量に予め設定された補正係数を乗算することにより後段側の印刷ユニットにおける版胴位相の補正量を求めることを特徴とするグラビア輪転印刷機の制御装置。
  2. 修正手段により設定された版胴位相の調節量に予め設定された第1,第2補正係数を乗算することにより後段側の印刷ユニットにおける版胴位相の第1,第2補正量を求め、印刷ずれが発生している印刷ユニットの版胴位相を修正するのと同時に、後段側の印刷ユニットの版胴位相を、上記版胴位相の調節方向と同方向に上記第1補正量に対応する角度だけ補正した後、所定時間が経過した時点で、上記後段側の印刷ユニットの版胴位相を、上記版胴位相の調節方向と同方向に上記第2補正量に対応する角度だけ補正するように構成したことを特徴とする請求項1記載のグラビア輪転印刷機の制御装置。
  3. 第1補正係数を第2補正係数よりも大きな値に設定したことを特徴とする請求項2記載のグラビア輪転印刷機の制御装置。
  4. 修正手段により設定された版胴位相の調節量に予め設定された複数の補正係数を乗算することにより求められた複数の補正量に基づき、後段側の印刷ユニットにおける版胴位相を段階的に変化させることを特徴とする請求項1記載のグラビア輪転印刷機の制御装置。
JP2004118299A 2004-04-13 2004-04-13 グラビア輪転印刷機の制御装置 Expired - Lifetime JP4658510B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004118299A JP4658510B2 (ja) 2004-04-13 2004-04-13 グラビア輪転印刷機の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004118299A JP4658510B2 (ja) 2004-04-13 2004-04-13 グラビア輪転印刷機の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005297403A true JP2005297403A (ja) 2005-10-27
JP4658510B2 JP4658510B2 (ja) 2011-03-23

Family

ID=35329538

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004118299A Expired - Lifetime JP4658510B2 (ja) 2004-04-13 2004-04-13 グラビア輪転印刷機の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4658510B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007137053A (ja) * 2005-10-21 2007-06-07 Fuji Kikai Kogyo Kk グラビア輪転印刷機の制御装置
JP2011512274A (ja) * 2008-02-19 2011-04-21 コンク ユニバーシティー インダストリアル コーオペレイション コーポレイション 電子装置製造の連続工程ロールツーロール印刷のための超精密レジスタ制御方法
JP2014124790A (ja) * 2012-12-25 2014-07-07 Fuji Kikai Kogyo Kk 印刷装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH039844A (ja) * 1989-06-06 1991-01-17 Nippon Reliance Kk 多色印刷機の制御方式
JPH1086343A (ja) * 1996-09-10 1998-04-07 Toshiba Mach Co Ltd 輪転印刷機における見当調整方法および輪転印刷機
JPH11268250A (ja) * 1998-01-23 1999-10-05 Web Tec Kk 輪転印刷機
JP2000117950A (ja) * 1998-10-12 2000-04-25 Toshiba Mach Co Ltd 印刷機における追い刷りシステム
JP2003080679A (ja) * 2001-09-07 2003-03-19 Shi Control Systems Ltd グラビア印刷機における加減速時の見当誤差発生防止のための制御方法及び制御装置
JP2003237033A (ja) * 2002-02-22 2003-08-26 Shi Control Systems Ltd グラビア印刷機の制御方法及び制御装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH039844A (ja) * 1989-06-06 1991-01-17 Nippon Reliance Kk 多色印刷機の制御方式
JPH1086343A (ja) * 1996-09-10 1998-04-07 Toshiba Mach Co Ltd 輪転印刷機における見当調整方法および輪転印刷機
JPH11268250A (ja) * 1998-01-23 1999-10-05 Web Tec Kk 輪転印刷機
JP2000117950A (ja) * 1998-10-12 2000-04-25 Toshiba Mach Co Ltd 印刷機における追い刷りシステム
JP2003080679A (ja) * 2001-09-07 2003-03-19 Shi Control Systems Ltd グラビア印刷機における加減速時の見当誤差発生防止のための制御方法及び制御装置
JP2003237033A (ja) * 2002-02-22 2003-08-26 Shi Control Systems Ltd グラビア印刷機の制御方法及び制御装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007137053A (ja) * 2005-10-21 2007-06-07 Fuji Kikai Kogyo Kk グラビア輪転印刷機の制御装置
JP2011512274A (ja) * 2008-02-19 2011-04-21 コンク ユニバーシティー インダストリアル コーオペレイション コーポレイション 電子装置製造の連続工程ロールツーロール印刷のための超精密レジスタ制御方法
JP2014124790A (ja) * 2012-12-25 2014-07-07 Fuji Kikai Kogyo Kk 印刷装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4658510B2 (ja) 2011-03-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101283829B1 (ko) 그라비어 윤전인쇄기의 제어장치
US8027747B2 (en) Method for register correction of a processing machine, and a processing machine
US8333150B2 (en) Method for operating a web-fed printing press
KR20170132079A (ko) 다색쇄 인쇄시스템 및 제어방법
JP2008023751A (ja) 輪転印刷機およびその運転方法
US6085956A (en) Method and apparatus for controlling tension in a web offset printing press
JP5042584B2 (ja) グラビア輪転印刷機の制御装置
US20090293746A1 (en) Method for operating a printing press
JP4658510B2 (ja) グラビア輪転印刷機の制御装置
JP2008055707A (ja) グラビア印刷機およびその制御方法
JP2004262072A (ja) 輪転印刷機の追い刷り調整方法
JP6652328B2 (ja) グラビア印刷装置部を持つ複合印刷機及び追い刷り印刷としてグラビア印刷を行う複合印刷方法
JP4203154B2 (ja) 印刷機における追い刷りシステム
JP2003080679A (ja) グラビア印刷機における加減速時の見当誤差発生防止のための制御方法及び制御装置
JP4021778B2 (ja) 印刷機
JP2004058496A (ja) 多色印刷システム
JP4660204B2 (ja) グラビア印刷機およびグラビア印刷方法
JP2011201131A (ja) グラビア印刷機およびその制御方法
JP2010094947A (ja) グラビア印刷機およびその制御方法
EP2077186A1 (en) Register control method and printing press
JP4276463B2 (ja) 輪転印刷機の追い刷り装置および追い刷り方法
JP2007038481A (ja) 印刷機およびその制御方法
US20040144272A1 (en) Multiple-Stand Gravure Printing Machine and Gravure Printing Process
JP2005324386A (ja) グラビア印刷機、追刷見当制御装置、および追刷方法
JP6152671B2 (ja) グラビア印刷機およびその制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070308

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100803

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101001

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101207

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101224

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140107

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4658510

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S631 Written request for registration of reclamation of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313631

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250