JP2003080630A - ポリイミド金属箔積層体 - Google Patents
ポリイミド金属箔積層体Info
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Abstract
時の溶媒除去性に優れ、低線膨張性で寸法安定性の良い
ポリイミド金属箔積層体を提供することである。 【解決手段】 一般式(I)(化9)で表される繰り返
し単位を有するポリイミドと金属箔からなるポリイミド
金属箔積層体。 【化9】 (式中、Zは置換されていても良い4価の芳香族基また
は次式(II)(化10) 【化10】 からなる群より選ばれた少なくとも1種の基である。た
だし、Yは直接結合、メチレン基、イソプロピリデン
基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、チオ基、ス
ルフィニル基、スルホニル基またはオキシドからなる群
より選ばれた基を表す。rは、それぞれ独立して、炭素
数1〜4のアルキル基、またはハロゲン基、フェニル基
を表す。aは0または1〜4の整数を表す。また、nは
5〜10000の整数を表す。)。
Description
広く使用されているポリイミド金属箔積層体およびその
製造方法に関する。その中でも特に、低線膨張性で、接
着性、耐熱性、強度に優れたポリイミド金属箔積層体及
びその製造方法に関する。
て、フレキシブルプリント配線基板がある。フレキシブ
ルプリント配線基板の製造方法は、銅箔等の金属箔にポ
リイミドのフィルムを接着剤を介して張り合わせたり、
銅箔等の金属箔にポリイミドの前駆体であるポリアミド
酸溶液を塗布し乾燥させる方法が採られている。一般的
なポリイミドは、線膨張係数が20ppm/℃以上であ
る。この様に線膨張係数の大きいポリイミドを用いてフ
レキシブルプリント配線基板を製造した場合、加熱また
は冷間時に起こる寸法変化により、回路のパターニング
処理上で問題が生じていた。この問題を解決する為に、
ポリイミドに低線膨張性を付与する技術の開発がなされ
てきている。特開平2−150452号公報や特開平8
−250860号公報には、モノマーのジアミン成分と
して4,4’−ジアミノベンズアニリドや2’−メトキ
シ−4,4’−ジアミノベンズアニリドを含むポリイミ
ドのフィルムが低線膨張性を示すことが開示されてい
る。しかしながら、ポリイミドフィルムの線膨張係数
は、一次構造が同じであっても、製造条件、特にポリア
ミド酸溶液をイミド化する際の溶媒の除去性に影響を受
けて変化することが知られている。即ち、ポリアミド酸
溶液を製造する際の溶媒、N,N−ジメチルホルムアミ
ド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA
c)、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキ
シド(DMSO)等の非プロトン性極性溶媒が、ポリア
ミド酸溶液の塗布膜を加熱してポリイミドフィルムにす
る際に残存することで、ポリイミドフィルムの線膨張係
数を増大させることが知られている(Polym.En
g.Sci.,第29巻347〜351頁(198
9))。先の一次構造で線膨張性を示すポリイミドにお
いても、イミド化時の溶媒除去性は満足できるものでは
なく、低線膨張性で寸法安定性の良いポリイミドフィル
ムを製造するためには、昇温速度をコントロールしなけ
ればならず、生産性に影響していた。こうした点を改善
するような技術、即ち、イミド化時の溶媒除去性が良
く、低線膨張性で寸法安定性の良いポリイミドフィルム
を効率的に製造することができるような技術が求められ
ていた。
返し単位を有するポリイミドは、米国特許373220
0号に同じモノマーから構成されるポリイミドが開示さ
れているように、公知のモノマーから構成されるポリイ
ミドである。ところが、このポリイミドを用いたポリイ
ミド
て、式(III)のポリイミドはイミド化時の溶媒除去性に
優れ、低線膨張性で寸法安定性の良いポリイミドフィル
ムの製造に好適であるとの認識は全くなされていなかっ
た。
する課題は、イミド化時の溶媒除去性に優れ、低線膨張
性で寸法安定性の良いポリイミド金属箔積層体を提供す
ることである。
を進めた結果、4,4’−ジアミノ−2’−メチル−ベ
ンズアニリドをモノマーとするポリイミドを用いること
により、イミド化時の溶媒除去性に優れ、低線膨張性で
寸法安定性の良いポリイミド金属箔積層体が得られるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
返し単位を有するポリイミドと金属箔からなるポリイミ
ド金属箔積層体
基を表す。また、nは5〜10000の整数を表す。) [2] 前記一般式(I)中、Zが式(II)であることを特
徴とする[1] に記載のポリイミド金属箔積層体。
リデン基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、チオ
基、スルフィニル基、スルホニル基またはオキシドから
なる群より選ばれた基を表す。rは、それぞれ独立し
て、炭素数1〜4のアルキル基、またはハロゲン基、フ
ェニル基を表す。aは0または1〜4の整数を表す。) [3]式(III)(化7)で表される繰り返し単位を
有するポリイミドと銅箔からなるポリイミド銅箔積層
体。
リドと芳香族テトラカルボン酸二無水物類を反応させて
得られるポリアミド酸溶液を金属箔上に塗布し、乾燥、
イミド化させることを特徴とする[1]記載のポリイミ
ド金属箔積層体の製造方法。 [5]4,4’−ジアミノ−2’−メチル−ベンズアニ
リドとピロメリット酸二無水物を反応させて得られるポ
リアミド酸溶液を銅箔上に塗布し、乾燥、イミド化させ
ることを特徴とする[3]記載のポリイミド銅箔積層体
の製造方法。に関する。
は、一般式(I)(化1)で表される繰り返し単位を有す
るポリイミドと金属箔からなる。本発明のポリイミド金
属箔積層体の態様として特に好ましくは、式(III)
で表される繰り返し単位構造を有するポリイミドと銅箔
からなるものである。
法は、特に限定されないが、金属箔に該ポリイミドのフ
ィルムを接着剤を介して張り合わせる方法や、金属箔に
該ポリイミドの前駆体溶液を塗布し乾燥させる方法で製
造することが可能である。本発明のポリイミド金属箔積
層体の製造方法は、金属箔に該ポリイミドの前駆体溶液
を塗布し乾燥させる方法が特に好ましい。
るポリイミドは、4,4’−ジアミノ−2’−メチル−
ベンズアニリドと芳香族テトラカルボン酸二無水物類を
反応させて得られる。
カルボン酸二無水物類は、一般式(I)中のZが式(I
I)のアリーレン基で示される化合物である。
基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、チオ基、ス
ルフィニル基、スルホニル基またはオキシドからなる群
より選ばれた基を表す。rは、それぞれ独立して、炭素
数1〜4のアルキル基、またはハロゲン基、フェニル基
を表す。aは0または1〜4の整数を表す。このような
芳香族テトラカルボン酸二無水物は限定されるわけでは
ないが、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルフィド二無
水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン
二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタ
ン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェ
ニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサ
フルオロプロパン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジ
カルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビ
ス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水
物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキ
シ)ビフェニル二無水物、2,2−ビス[(3,4−ジ
カルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、
2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水
物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無
水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェ
ニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカ
ルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサ
フルオロプロパン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキ
シフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカル
ボキシフェニル)スルフィド二無水物、ビス(2,3−
ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,3−ビ
ス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水
物、1,4−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)
ベンゼン二無水物、及び1,2,5,6−ナフタレンテ
トラカルボン酸二無水物等が用いられる。これらの芳香
族テトラカルボン酸二無水物は単独でも二種以上を同時
に用いることも可能である。
るポリイミドの製造において、そしてまた該ポリイミド
の前駆体であるポリアミド酸の製造においては、必要に
応じて末端封止剤を用いることもできる。代表的な末端
封止剤はモノアミン又はジカルボン酸無水物である。
o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、
2,3−キシリジン、2,4−キシリジン、2,5−キ
シリジン、2,6−キシリジン、3,4−キシリジン、
3,5−キシリジン、o−クロロアニリン、m−クロロ
アニリン、p−クロロアニリン、o−ブロモアニリン、
m−ブロモアニリン、p−ブロモアニリン、o−ニトロ
アニリン、m−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、
o−アニシジン、m−アニシジン、p−アニシジン、o
−フェネチジン、m−フェネチジン、p−フェネチジ
ン、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p
−アミノフェノール、o−アミノベンズアルデヒド、m
−アミノベンズアルデヒド、p−アミノベンズアルデヒ
ド、o−アミノベンゾニトリル、m−アミノベンゾニト
リル、p−アミノベンゾニトリル、2−アミノビフェニ
ル、3−アミノビフェニル、4−アミノビフェニル、2
−アミノフェニルフェニルエーテル、3−アミノフェニ
ルフェニルエーテル、4−アミノフェニルフェニルエー
テル、2−アミノベンゾフェノン、3−アミノベンゾフ
ェノン、4−アミノベンゾフェノン、2−アミノフェニ
ルフェニルスルフィド、3−アミノフェニルフェニルス
ルフィド、4−アミノフェニルフェニルスルフィド、2
−アミノフェニルフェニルスルホン、3−アミノフェニ
ルフェニルスルホン、4−アミノフェニルフェニルスル
ホン、α−ナフチルアミン、β−ナフチルアミン、1−
アミノ−2−ナフトール、2−アミノ−1−ナフトー
ル、4−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−1−ナ
フトール、5−アミノ−2−ナフトール、7−アミノ−
2−ナフトール、8−アミノ−1−ナフトール、8−ア
ミノ−2−ナフトール、1−アミノアントラセン、2−
アミノアントラセン、9−アミノアントラセン、メチル
アミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミ
ン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、イソプロピル
アミン、ジイソプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチ
ルアミン、イソブチルアミン、ジイソブチルアミン、ペ
ンチルアミン、ジペンチルアミン、ベンジルアミン、シ
クロプロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロペン
チルアミン、シクロヘキシルアミン等が挙げられる。
水フタル酸、2,3−ベンゾフェノンジカルボン酸無水
物、3,4−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、2,
3−ジカルボキシフェニルエーテル無水物、3,4−ジ
カルボキシフェニルフェニルエーテル無水物、2,3−
ビフェニルジカルボン酸無水物、3,4−ビフェニルジ
カルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェ
ニルスルホン無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフ
ェニルスルホン無水物、2,3−ジカルボキシフェニル
フェニルスルフィド無水物、3,4−ジカルボキシフェ
ニルフェニルスルフィド無水物、1,2−ナフタレンジ
カルボン酸無水物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無
水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,2
−アントラセンジカルボン酸無水物、2,3−アントラ
センジカルボン酸無水物、1,9−アントラセンジカル
ボン酸無水物等が挙げられる。これらのモノアミン又は
ジカルボン酸無水物はその構造の一部がアミン又はジカ
ルボン酸無水物と反応性を有しない基で置換されても差
し支えない。
リアミド酸の対数粘度は、特に限定されるものではない
が、好ましい対数粘度としては、0.1〜2.0が好ま
しく、0.2〜1.9がより好ましく、0.3〜1.8
がさらに好ましく、0.4〜1.7がさらに好ましく、
0.5〜1.6が最も好ましい。
般に、ポリイミド層の強度や靱性が低下して問題となる
ことがある。ポリアミド酸の対数粘度が高すぎると、一
般に、ポリアミド酸溶液の塗工性において問題となるこ
とがある。
るポリイミドの製造において、そしてまた該ポリイミド
の前駆体であるポリアミド酸の製造においては、反応を
有機溶媒中で行うことが好ましい方法である。反応にお
いて用いられる溶媒は限定されるわけではないが、例え
ば、
ール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、
p−クロロフェノール、o−クレゾール、m−クレゾー
ル、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−
キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレ
ノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノー
ル、
る、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メ
チル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダ
ゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、ヘキサメチル
ホスホロトリアミド、
ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテ
ル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、テ
トラヒドロフラン、ビス[2−(2−メトキシエトキ
シ)エチル]エーテル、1,4−ジオキサン、
キノリン、イソキノリン、α−ピコリン、β−ピコリ
ン、γ−ピコリン、イソホロン、ピペリジン、2,4−
ルチジン、2,6−ルチジン、トリメチルアミン、トリ
エチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミ
ン、
ルホキシド、ジメチルスルホン、ジフェニルエーテル、
スルホラン、ジフェニルスルホン、テトラメチル尿素、
アニソール等が挙げられる。これらの溶媒は、単独又は
2種以上混合して用いても差し支えない。これらの溶媒
の中でも、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミドが特に好ましい。
おいては、ポリアミド酸溶液中のポリアミド酸の濃度
(以下、重合濃度と称する)は、何等制限はない。好ま
しい重合濃度は、5から40重量%であり、更に好まし
くは、10から30重量%である。
おいては、反応温度、反応時間および反応圧力には、特
に制限はなく公知の条件が適用できる。即ち、反応温度
は、およその範囲として、−10℃から100℃が好ま
しいが、更に好ましくは、氷冷温度付近から60℃前後
の範囲であり、実施面で最も好ましく実用的には50〜
60℃である。また、反応時間は、使用するモノマーの
種類、溶媒の種類、および反応温度により異なるが、1
〜48時間が好ましい。更に好ましくは2、3時間から
十数時間前後であり、実施面で最も好ましくは、4から
10時間である。また更に、反応圧力は常圧で十分であ
る。
には特に制限はなく、コンマコータ、ナイフコータ、ロ
ールコータ、リバースコータ、ダイコータ等公知の塗布
装置を使用することができる。ポリアミド酸溶液を塗布
した金属箔は、乾燥およびイミド化のため加熱される
が、その方法は通常、減圧下あるいは窒素、ヘリウム、
アルゴン等の不活性雰囲気下で行い、温度は使用する溶
媒の沸点以上かつイミド化反応が進行する温度以上であ
れば良い。好ましい温度条件は120〜400℃、さら
に好ましくは180〜380℃、実施面で最も好ましく
は200〜350℃である。本発明のポリイミド金属箔
積層体を製造する際の乾燥およびイミド化の昇温速度
は、本発明で特定されるポリアミド酸およびポリイミド
が優れた溶媒除去製性を有することから、幅広い昇温速
度に対応することができる。好ましい昇温速度としては
0.5〜20℃/分、更に好ましくは1〜15℃/分、
実施面で最も好ましく実用的には2〜10℃/分であ
る。また、最終到達温度での焼成処理時間を0〜10時
間、更に好ましくは0〜5時間、実施面で最も好ましく
実用的には0〜2時間かけて行うこともできる。本発明
に用いられる式(I)または式(III)で示されるポ
リイミドは、優れた耐熱性、機械強度に加え低線膨張性
を有している。そして尚且つ、式(I)または式(II
I)で示されるポリイミドは、イミド化の条件に影響さ
れず安定した溶媒除去が可能、即ち線膨張係数の変動が
少ないポリイミド層の形成を可能とし、寸法安定性にも
優れたポリイミド金属箔積層体を提供することができ
る。こうした特徴は、従来、金属箔積層体用のポリイミ
ドとして知られてきたポリイミド、例えば、式(I)ま
たは式(III)で示されるポリイミドにおいて、ジア
ミン単位の置換基であるメチル基が無い場合やメトキシ
基である場合のポリイミドでは為し得なかったものであ
る。
て、ポリイミド層の厚さには特に制限はないが、通常3
〜100μmの範囲が好ましく、特に5〜60μmの範
囲が好ましい。本発明に用いられる金属箔は、如何なる
金属箔でも構わないが、一般的には銅箔やステンレス箔
(SUS箔)である。尚、金属箔の厚みに制限はない
が、一般的には100μm以下、好ましくは50μm以
下である。
て、ポリイミドと金属箔の接着力をより強固なものとす
るために、金属箔の表面に何らかの処理を施していても
問題はない。例えば、金属箔上にその金属の酸化物の層
や合金の層を形成させたり、シラン系のカップリング剤
で表面処理を行ったり、接着性に優れた樹脂をアンカー
コート層として存在させる等の処理を施しても良い。
明するが、本発明はこれにより何等制限されるものでは
ない。実施例中の各種試験の試験方法は次に示すとおり
である。
いている溶媒で希釈し、0.5g/dlのポリアミド酸
濃度の溶液を調製する。この溶液を用いて、ウベローデ
粘度計を用い、35℃において定法に従い測定した。そ
して、結果を下記計算式にて算出した。 ηinh=[ln(T1/T0)]/0.5 T1:サンプルの流下時間 T0:ブランクの流下時間
おいて測定した。
GC−9A)をもちいて測定した。秤量したポリイミド
フィルムのサンプルを、サンプル注入口に接続された4
00℃の熱分解炉に導入し、揮発分を分析して、検出さ
れた溶媒成分を絶対検量線法により定量した。
ンス社製TG−DTA2000)を用い、昇温速度10
℃/minで測定した。
解温度(Tm)
エンス社製DSC3100)により昇温速度10℃/m
inで測定した。
000S)を用い、窒素中、荷重5g、昇温速度10℃
/minで測定し、100〜200℃の領域で線膨張係
数を求めた。
引張伸度及び引張弾性率)
した。
たフラスコに、4,4’−ジアミノ−2’−メチル−ベ
ンズアニリド30.0g(0.124mol)、および
溶媒としてN,N−ジメチルアセトアミド226.4g
を装入し、40℃で完全に溶解させた。この後、一度室
温付近まで冷却してからピロメリット酸二無水物26.
6g(0.122mol)を温度の上昇に注意しながら
装入した。この時、系内温度は室温付近から40℃まで
上昇する。完全に溶解状態となってから30℃で6時間
反応させた。得られたポリアミド酸溶液は、ηinhが
1.16dl/gで、E型機械粘度が118000mP
a・sであった。
厚が0.40mmとなるように塗工し、窒素置換された
イナートオーブンにて、昇温時間45分で室温から35
0℃として乾燥・イミド化を行った。室温まで冷却した
後、ガラス板からポリイミドフィルムを剥がした。得ら
れたポリイミドフィルムは、厚みが45μmであった。
このポリイミドフィルムの諸物性値は、残溶媒:不検
出,Tg:不検出,Td5:526℃,線膨張係数:1
0ppm/K,引張強度:196MPa、引張弾性率:
10.7GPa、伸度:3%であった。測定結果をまと
めて、表1に示す。
液を用いて、ガラス板上に塗工厚が0.40mmとなる
ように塗工し、窒素置換されたイナートオーブンにて、
昇温時間80分(実施例2)および昇温時間160分
(実施例3)で室温から350℃として乾燥・イミド化
を行った。室温まで冷却した後、ガラス板からポリイミ
ドフィルムを剥がし、諸物性値を測定した。測定結果を
まとめて、表1に示す。
ジアミノ−2’−メチル−ベンズアニリドとピロメリッ
ト酸二無水物から得られるポリアミド酸溶液は、イミド
化時の溶媒除去性が良いことが分かった。そして、イミ
ド化の昇温速度に影響されず、線膨張係数9〜10pp
m/Kに安定した低線膨張性ポリイミドフィルムが得ら
れた。
ノ−2’−メチル−ベンズアニリド30.0g(0.1
24mol)を4,4’−ジアミノ−ベンズアニリド
28.4g(0.125mol)に変更し、また、N,
N−ジメチルアセトアミドの装入量を220gとした以
外は実施例1と同様に処理を行い、ポリアミド酸溶液を
得た。このポリアミド酸溶液は、ηinhが1.04d
l/gで、E型機械粘度が101000mPa・sであ
った。このポリアミド酸溶液をガラス板上に塗工厚が
0.40mmとなるように塗工し、窒素置換されたイナ
ートオーブンにて、昇温時間45分で室温から350℃
として乾燥・イミド化を行った。室温まで冷却した後、
ガラス板からポリイミドフィルムを剥がした。得られた
ポリイミドフィルムは、厚みが34μmであった。この
ポリイミドフィルムの諸物性値は、残溶媒:1.15w
t%,Tg:不検出,Td5:544℃,線膨張係数:
1ppm/K,引張強度:185MPa、引張弾性率:
9.8GPa、伸度:3%であった。測定結果をまとめ
て、表1に示す。
液を用いて、ガラス板上に塗工厚が0.40mmとなる
ように塗工し、窒素置換されたイナートオーブンにて、
昇温時間80分(比較例2)および昇温時間160分
(比較例3)で室温から350℃として乾燥・イミド化
を行った。室温まで冷却した後、ガラス板からポリイミ
ドフィルムを剥がし、諸物性値を測定した。測定結果を
まとめて、表1に示す。
ノ−2’−メチル−ベンズアニリド30.0g(0.1
24mol)を4,4’−ジアミノ− 2’−メトキシ
−ベンズアニリド 32.2g(0.125mol)に
変更し、また、N,N−ジメチルアセトアミドの装入量
を235.2gとした以外は実施例1と同様に処理を行
い、ポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液
は、ηinhが1.14dl/gで、E型機械粘度が1
19300mPa・sであった。このポリアミド酸溶液
をガラス板上に塗工厚が0.40mmとなるように塗工
し、窒素置換されたイナートオーブンにて、昇温時間4
5分で室温から350℃として乾燥・イミド化を行っ
た。室温まで冷却した後、ガラス板からポリイミドフィ
ルムを剥がした。得られたポリイミドフィルムは、厚み
が36μmであった。このポリイミドフィルムの諸物性
値は、残溶媒:0.72wt%,Tg:不検出,Td
5:438℃,線膨張係数:26ppm/K,引張強
度:118MPa、引張弾性率10.1GPa、伸度:
2%であった。測定結果をまとめて、表1に示す。
液を用いて、ガラス板上に塗工厚が0.40mmとなる
ように塗工し、窒素置換されたイナートオーブンにて、
昇温時間80分(比較例2)および昇温時間160分
(比較例3)で室温から350℃として乾燥・イミド化
を行った。室温まで冷却した後、ガラス板からポリイミ
ドフィルムを剥がし、諸物性値を測定した。測定結果を
まとめて、表1に示す。
さ25μmの銅箔上に塗工厚が0.20mmになるよう
に塗工し、窒素置換されたイナートオーブンにて、昇温
時間1時間で室温から350℃とした後、350℃で1
時間焼成し、イミド化を行った。室温まで冷却してイナ
ートオーブンから取出し、平滑で良好に接着したポリイ
ミドフィルムと銅箔の積層体を得た。
性に優れ、低線膨張性で寸法安定性の良いポリイミド金
属箔積層体を提供することを可能としたことである。こ
れにより、高品質、高信頼性のフレキシブルプリント配
線基板の製造、およびその生産性の向上に寄与すること
ができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 少なくとも一般式(I)(化1)で表さ
れる繰り返し単位を有するポリイミドと金属箔からなる
ポリイミド金属箔積層体。 【化1】 (式(I)中、Zは置換されていても良い4価の芳香族
基を表す。また、nは5〜10000の整数を表す。) - 【請求項2】 前記一般式(I)中、Zが式(II)(化2)
であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。 【化2】 (式(II)中、Yは直接結合、メチレン基、イソプロピ
リデン基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、チオ
基、スルフィニル基、スルホニル基またはオキシドから
なる群より選ばれた基を表す。rは、それぞれ独立し
て、炭素数1〜4のアルキル基、またはハロゲン基、フ
ェニル基を表す。aは0または1〜4の整数を表す。) - 【請求項3】 式(III)(化3)で表される繰り返
し単位を有するポリイミドと銅箔からなるポリイミド銅
箔積層体(式(III)中、nは5〜10000の整数を
表す。)。 【化3】 - 【請求項4】 4,4’−ジアミノ−2’−メチル−ベ
ンズアニリドと芳香族テトラカルボン酸二無水物類を反
応させて得られるポリアミド酸溶液を金属箔上に塗布
し、乾燥、イミド化させることを特徴とする請求項1記
載のポリイミド金属箔積層体の製造方法。 - 【請求項5】 4,4’−ジアミノ−2’−メチル−ベ
ンズアニリドとピロメリット酸二無水物を反応させて得
られるポリアミド酸溶液を銅箔上に塗布し、乾燥、イミ
ド化させることを特徴とする請求項3記載のポリイミド
銅箔積層体の製造方法。
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- 2001-09-11 JP JP2001274392A patent/JP4667675B2/ja not_active Expired - Fee Related
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