JP2003073408A - 湿気硬化型ウレタン系樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

湿気硬化型ウレタン系樹脂組成物の製造方法

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JP2003073408A JP2001263952A JP2001263952A JP2003073408A JP 2003073408 A JP2003073408 A JP 2003073408A JP 2001263952 A JP2001263952 A JP 2001263952A JP 2001263952 A JP2001263952 A JP 2001263952A JP 2003073408 A JP2003073408 A JP 2003073408A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着性に優れ、しかも初期タック性に優れた
湿気硬化型ウレタン系樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 ポリオキシカルボン酸とポリオールとに
ポリイソシアネートを作用させる。その後、(メタ)ア
クリル酸エステルを含有するモノマー液を溶解させ、ラ
ジカル重合させて湿気硬化型ウレタン系樹脂組成物を得
る。また、ポリオキシカルボン酸とポリオールとを含有
する液状組成物中に、モノマー液を溶解させる。そし
て、(メタ)アクリル酸エステルをラジカル重合させ
る。その後、ポリイソシアネートを作用させて、湿気硬
化型ウレタン系樹脂組成物を得ることもできる。更に、
液状ポリオールにモノマー液を溶解させる。その後、
(メタ)アクリル酸エステルをラジカル重合させる。そ
して、ポリオキシカルボン酸を添加した後、ポリイソシ
アネートを作用させて、湿気硬化型ウレタン系樹脂組成
物を得ることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湿気硬化型ウレタ
ン系樹脂組成物の製造方法に関するものである。また、
この湿気硬化型ウレタン系樹脂組成物を含有する1液湿
気硬化型ウレタン系接着剤組成物に関し、特に接着性に
優れた1液湿気硬化型ウレタン系接着剤組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】イソシアネート基末端のウレタンプレポ
リマーは、1液でありながら、空気中の水分或いは被着
体の水分と反応し、耐水性や耐久性が良好な硬化皮膜と
なる。従って、このウレタンプレポリマーは、1液湿気
硬化型接着剤組成物の原料として重宝されている。特
に、トルエン等の有機溶剤を使用することなしに、無機
充填剤、揺変剤、硬化触媒等を配合して1液湿気硬化型
接着剤組成物とすることができ、環境にやさしい接着剤
として注目されている。
【0003】この接着剤は、種々の被着体に用いられう
るが、例えば、木質系の床材を接着施工する際に用いら
れることが多く、反りを有する床タイルや長尺床材の接
着施工の際には、使用されないことが多い。この理由
は、ウレタンプレポリマーを含有する1液湿気硬化型接
着剤組成物に、十分な初期タック性がなく、反りを有す
る床タイル等を収まりよく、接着することができないか
らである。また、初期タック性がないため、接着後にず
れも生じやすく、床タイル等を所定の箇所に施工しにく
いという欠点もあった。
【0004】また、この接着剤は、木質系の床材の場合
には、良好な接着性を示すが、金属系やプラスチック系
(特に、難接着性である塩ビ系)の床材の場合には、接
着性が低下するという欠点があった。このため、初期タ
ック性及び接着性が要求される場合には、ウレタンプレ
ポリマーを含有する無溶剤の1液湿気硬化型接着剤組成
物は使用されないことが多く、相変わらず、溶剤形ウレ
タン系接着剤やエポキシ系接着剤等が使用されていると
いうのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、ウレタ
ンプレポリマー前駆体(ポリオール)中に(メタ)アク
リル酸エステルモノマーを溶解させ、この状態でモノマ
ーを重合させることによって、ポリオールと(メタ)ア
クリル酸エステル重合体とが複雑に絡み合ったIPNポ
リマー(Inter Penetrated Netw
orked Polymer)が得られ、粘度が向上し
て、ある程度、初期タック性が向上するとの知見を得て
いる。しかしながら、なお、接着性は不十分であった。
【0006】そこで、本発明者等は、このIPNポリマ
ーの接着性を向上させるため、種々研究を重ねた結果、
IPNポリマーに、特定のカルボキシル基を持つ化合物
を共存させれば、初期タック性が良好で且つ接着性にも
優れた湿気硬化型ウレタン系樹脂組成物が得られること
を見出した。本発明は、このような知見に基づくもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、基本的
には、ポリオール中に、(メタ)アクリル酸エステルを
含有するモノマー液を溶解させて、(メタ)アクリル酸
エステルを重合し、所定の段階でポリオキシカルボン酸
を添加し、ポリオキシカルボン酸の存在下でイソシアネ
ート基をポリオール及びポリオキシカルボン酸に導入す
る湿気硬化型ウレタン系樹脂組成物の製造方法に関する
ものである。具体的には、以下のとおりである。
【0008】第一の方法としては、当初からポリオール
中にポリオキシカルボン酸を存在させておき、イソシア
ネート基を導入した後に、(メタ)アクリル酸エステル
を含有するモノマー液を溶解させて、(メタ)アクリル
酸エステルを重合させる方法である。即ち、ポリオキシ
カルボン酸とポリオールにポリイソシアネートを作用さ
せて、該ポリオキシカルボン酸と該ポリオールにイソシ
アネート基を導入した液状ウレタン系樹脂中に、(メ
タ)アクリル酸エステルを含有するモノマー液を溶解さ
せた後、該(メタ)アクリル酸エステルをラジカル重合
させてメタクリル系重合体を得ることを特徴とする湿気
硬化型ウレタン系樹脂組成物の製造方法に関するもので
ある。
【0009】第二の方法としては、当初からポリオール
中にポリオキシカルボン酸を存在させておき、イソシア
ネート基を導入する前に、ここに(メタ)アクリル酸エ
ステルを含有するモノマー液を溶解させて、(メタ)ア
クリル酸エステルを重合させ、その後、イソシアネート
基を導入する方法である。即ち、ポリオキシカルボン酸
とポリオールを含有する液状組成物中に、(メタ)アク
リル酸エステルを含有するモノマー液を溶解させた後、
該(メタ)アクリル酸エステルをラジカル重合させて
(メタ)アクリル酸エステル重合体を得、その後、ポリ
イソシアネートを作用させて、該ポリオキシカルボン酸
及び該ポリオールにイソシアネート基を導入することを
特徴とする湿気硬化型ウレタン系樹脂組成物の製造方法
に関するものである。
【0010】第三の方法としては、ポリオキシカルボン
酸の不存在下において、ポリオール中に(メタ)アクリ
ル酸エステルを含有するモノマー液を溶解させて、(メ
タ)アクリル酸エステルを重合させた後、ポリオキシカ
ルボン酸を添加し、その後、イソシアネート基を導入す
る方法である。即ち、液状ポリオールに、(メタ)アク
リル酸エステルを含有するモノマー液を溶解させた後、
該(メタ)アクリル酸エステルをラジカル重合させて
(メタ)アクリル酸エステル重合体を得、続いて、ポリ
オキシカルボン酸を添加した後、ポリイソシアネートを
作用させて、該ポリオキシカルボン酸及び該ポリオール
にイソシアネート基を導入することを特徴とする湿気硬
化型ウレタン系樹脂組成物の製造方法に関するものであ
る。
【0011】まず、本発明で使用するポリオールとして
は、従来、ウレタンプレポリマーを製造する際の前駆体
として用いられているものであれば、どのようなもので
も使用しうる。例えば、従来公知のポリエーテルポリオ
ール、ポリエステルポリオール又はその他のポリオール
等を使用することができる。ポリエーテルポリオールと
しては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、
ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等を単独で又
は混合して、アンモニア、エチレンジアミン、尿素、モ
ノメチルジエタノールアミン、モノエチルジエタノール
アミン等のアミン類の1種又は2種以上の存在下で、開
環重合して得られる単一重合体、ランダム共重合体又は
ブロック共重合体等を用いることができる。また、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、プロピレング
リコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA等
のジオール類、トリメチロールエタン、トリメチロール
プロパン、グリセリン等のトリオール類、ソルビトール
等のポリオール類も、ポリエーテルポリオールの範疇に
属するものとして、使用することができる。本発明にお
いては、特に、ポリエチレングリコールやポリプロピレ
ングリコール等のポリアルキレングリコールが好適に使
用しうる。
【0012】ポリエステルポリオールとしては、例え
ば、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、
フタル酸等のジカルボン酸単独もしくは混合物と、上記
ジオール類単独もしくは混合物を重縮合して得られる重
合体を用いることができる。また、ε−カプロラクト
ン、バレロラクトン等の開環重合物等、ヒマシ油等の活
性水素を2個以上有する活性水素化合物等も用いること
ができる。
【0013】その他のポリオールとしては、例えば、ポ
リブタジエンポリオールや水添ポリブタジエンポリオー
ル、ポリカーボネートポリオール等が用いられる。な
お、上記した各種のポリオールは、一般的に液状となっ
ている。
【0014】本発明で使用するポリオキシカルボン酸と
しては、分子中に少なくとも1個のカルボキシル基と、
少なくとも2個の水酸基を有する化合物であれば、どの
ようなものでも使用しうる。代表例としては、ジメチロ
ールプロピオン酸やジメチロールブタン酸等が使用しう
る。特に、ジメチロールブタン酸は、イソシアネート基
が導入された又は導入されていないポリオール中への溶
解性に優れており、好ましいものである。ポリオキシカ
ルボン酸の使用量は、ポリオール100質量部に対し
て、0.01〜50質量部であるのが好ましく、特に
0.1〜5質量部であるのがより好ましい。ポリオキシ
カルボン酸の使用量が0.01質量部未満であると、得
られる湿気硬化型ウレタン系樹脂組成物の接着性が低下
する傾向が生じる。また、50質量部を超えると、得ら
れる湿気硬化型ウレタン系樹脂組成物の粘度が高くなり
すぎて、塗布作業性の良好な1液湿気硬化型接着剤組成
物が得られにくくなったり、或いは貯蔵安定性が低下す
る傾向が生じる。
【0015】本発明で使用するポリイソシアネートとし
ては、ウレタンプレポリマーを製造する際に用いている
従来公知のものであれば、どのようなものでも使用でき
る。即ち、ジイソシアネート化合物、トリイソシアネー
ト化合物、テトライソシアネート化合物等を用いること
ができる。具体的には、2,4’又は2,6’−トリレ
ンジイソシアネート、2,4’又は4,4’−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネー
ト、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート等
の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシ
アネート等の脂肪族ポリイソシアネート;3−イソシア
ナートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル
イソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジ
イソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート;キシリ
レンジイソシアネート等のアリール脂肪族ポリイソシア
ネート;及びこれらのカルボジイミド変性又はイソシア
ヌレート変性ポリイソシアネート等が挙げられ、これら
は単独又は2種以上を組み合わせて用いることができ
る。これらの中でも、特に4,4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネートやトリレンジイソシアネートを用いる
のが好ましい。
【0016】本発明で使用するモノマー液は、(メタ)
アクリル酸エステルを含有するものである。(メタ)ア
クリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プ
ロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル
酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソ
オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アク
リル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、
(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸
ステアリル等の(メタ)アクリル酸アルキルや、(メ
タ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸エ
トキシメチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキ
ル、更にメタクリル酸2−ヒドロキシエチル等の(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシアルキル等を挙げることがで
きる。
【0017】得られる湿気硬化型ウレタン系樹脂組成物
に良好な初期タック性を与えるためには、(メタ)アク
リル酸エステルとして、メタクリル酸メチルを用いるの
が好ましい。特に好ましいのは、(1)メタクリル酸メ
チルと、(3)メタクリル酸メチル以外で且つ分子内に
水酸基を有しない(メタ)アクリル酸エステルとの組み
合わせである。この場合、(1)メタクリル酸メチルの
量は、モノマー液中において、30〜85質量%である
のが好ましい。(1)メタクリル酸メチルの量が30質
量%より少ない場合、又は85質量%よりも多い場合、
いずれも良好な初期タックを与えにくくなる。(3)メ
タクリル酸メチル以外で且つ分子内に水酸基を有しない
(メタ)アクリル酸エステルの代表例としては、(メ
タ)アクリル酸ブチル又は(メタ)アクリル酸長鎖アル
キル(但し、長鎖アルキル基は、炭素数12〜15のア
ルキル基である。)が挙げられる。(メタ)アクリル酸
長鎖アルキルは、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メ
タ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリス
チル又は(メタ)アクリル酸ペンタデシルを単独で用い
てもよいし、これら2種以上を混合して用いてもよい。
上記した(1)と(3)との組み合わせを使用すると、
透明性があってしかも初期タック性に優れた湿気硬化型
ウレタン系樹脂組成物を得ることができる。
【0018】また、(1)メタクリル酸メチルと、
(2)分子内に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エス
テルと、(3)メタクリル酸メチル以外で且つ分子内に
水酸基を有しない(メタ)アクリル酸エステルとの組み
合わせであってもよい。(2)分子内に水酸基を有する
(メタ)アクリル酸エステルを用いて得られた(メタ)
アクリル酸エステル重合体に、ポリイソシアネートを作
用させることによって、イソシアネート基を導入するこ
とができ、接着性を向上させることができる。(2)分
子内に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルの代
表例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチ
ルや(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が挙
げられる。なお、本件明細書において、(メタ)アクリ
ル酸という表現は、メタクリル酸とアクリル酸のいずれ
であっても良いという意味である。
【0019】また、(メタ)アクリル酸エステルを含有
するモノマー液の配合量は、ポリオール(イソシアネー
ト基が導入されているポリオール、即ち、ウレタンプレ
ポリマーを含む。)100質量部に対して、1〜200
質量部であるのが好ましく、特に5〜75質量部である
のがより好ましい。モノマー液の配合量が1質量部未満
であると、良好な初期タック性が得られにくくなる。ま
た、200質量部を超える場合には、得られる湿気硬化
型ウレタン系樹脂組成物の粘度が高くなりすぎて、塗布
性等の作業性が低下しやすくなる。なお、モノマー液中
には、重合開始剤が含有されていても良い。重合開始剤
としては、従来公知のものが用いられ、例えば、過酸化
水素、ベンゾイルパーオキシド等の有機過酸化物、過硫
酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、アゾビスイソブチ
ロニトリル等を用いることができる。これらの中でもア
ゾビスイソブチロニトリルが特に好ましい。
【0020】第一の方法においては、まず、上記したポ
リオキシカルボン酸とポリオールとを混合する。具体的
には、液状ポリオール中にポリオキシカルボン酸を溶解
又は分散させる。そして、この混合物中に、上記したポ
リイソシアネートを投入し、反応させる。この結果、ポ
リオキシカルボン酸の水酸基(ヒドロキシ基)及びポリ
オールの水酸基とポリイソシアネートが反応し、ポリオ
キシカルボン酸及びポリオールにイソシアネート基が導
入された液状ポリウレタン系樹脂が得られる。この後、
液状ウレタン系樹脂中に、(メタ)アクリル酸エステル
を含有するモノマー液を溶解させる。その後、この(メ
タ)アクリル酸エステルをラジカル重合させて(メタ)
アクリル酸エステル重合体を生成させ、湿気硬化型ウレ
タン系樹脂組成物を得るのである。この湿気硬化型ウレ
タン系樹脂組成物は、イソシアネート基が導入されたポ
リオールと、(メタ)アクリル酸エステル重合体とが複
雑に絡み合ったIPN構造を持つポリマーとなってお
り、しかもイソシアネート基が導入されたオキシカルボ
ン酸が共存しているため、初期タック性及び接着性に優
れたものである。また、この湿気硬化型ウレタン系樹脂
組成物中には、未反応のポリイソシアネートが共存して
いるのが一般的である。なお、第一の方法の場合は、
(メタ)アクリル酸エステルとして、水酸基を導入した
(メタ)アクリル酸アルキルを使用することはできな
い。何故なら、イソシアネート基が導入された液状ポリ
ウレタン系樹脂中に、水酸基を導入した(メタ)アクリ
ル酸アルキルを溶解させようとすると、イソシアネート
基と水酸基が反応を起こし、全体がゲル化してしまう恐
れがあるからである。
【0021】第二の方法は、第一の方法とは異なり、
(メタ)アクリル酸エステル重合体を生成させた後に、
ポリイソシアネートを反応させるものである。即ち、ま
ず、上記したポリオキシカルボン酸とポリオールとを混
合し、液状組成物を調製する。そして、この液状組成物
中に、(メタ)アクリル酸エステルを含有するモノマー
液を溶解させる。次いで、(メタ)アクリル酸エステル
をラジカル重合させて(メタ)アクリル酸エステル重合
体を生成させる。この結果、ポリオールと(メタ)アク
リル酸エステル重合体とが複雑に絡み合ったIPN構造
を持つポリマーが得られ、ポリオキシカルボン酸はこの
ポリマーと共存した状態となっている。ここにポリイソ
シアネートを投入し、反応させる。この結果、ポリオキ
シカルボン酸の水酸基(ヒドロキシ基)及びポリオール
の水酸基とポリイソシアネートが反応し、ポリオキシカ
ルボン酸及びポリオールにイソシアネート基が導入され
た湿気硬化型ウレタン系樹脂組成物が得られるのであ
る。またこのとき、(メタ)アクリル酸エステルとし
て、分子内に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステ
ルを使用していると、水酸基が導入された(メタ)アク
リル酸エステル重合体が得られ、この重合体にもイソシ
アネート基が導入された湿気硬化型ウレタン系樹脂組成
物が得られる。
【0022】第三の方法は、第一や第二の方法とは異な
り、ポリオール中で(メタ)アクリル酸エステル重合体
を生成させた後に、ポリオキシカルボン酸を添加させる
ものである。即ち、まず、液状ポリオール中に、(メ
タ)アクリル酸エステルを含有するモノマー液を溶解さ
せる。そして、(メタ)アクリル酸エステルをラジカル
重合させて(メタ)アクリル酸エステル重合体を生成さ
せる。この結果、ポリオールと(メタ)アクリル酸エス
テル重合体とが複雑に絡み合ったIPN構造を持つポリ
マーが得られる。ここに、ポリオキシカルボン酸を添加
した後、更にポリイソシアネートを投入し、反応させ
る。この結果、ポリオキシカルボン酸の水酸基(ヒドロ
キシ基)及びIPN構造を持つポリマー中のポリオール
の水酸基と、ポリイソシアネートとが反応し、ポリオキ
シカルボン酸及びポリオールにイソシアネート基が導入
された湿気硬化型ウレタン系樹脂組成物が得られるので
ある。またこのとき、(メタ)アクリル酸エステルとし
て、分子内に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステ
ルを使用していると、水酸基が導入された(メタ)アク
リル酸エステル重合体が得られ、この重合体にもイソシ
アネート基が導入された湿気硬化型ウレタン系樹脂組成
物が得られるのである。
【0023】以上の第一〜第三の方法で得られた湿気硬
化型ウレタン系樹脂組成物は、イソシアネート基が導入
されたポリオール(即ち、ウレタンプレポリマー)と、
イソシアネート基が導入されたポリオキシカルボン酸
と、ポリオールとIPN構造で複雑に絡み合った(メ
タ)アクリル酸エステル重合体とを含み、更に一般的に
は未反応のポリイソシアネートが共存しているものであ
る。このような湿気硬化型ウレタン系樹脂組成物は、湿
気によって、イソシアネート基同士が結合して硬化し、
従来のウレタンプレポリマーと同様に扱うことできる。
即ち、トルエン等の有機溶剤を使用することなしに、無
機充填剤、揺変剤、硬化触媒、希釈剤、可塑剤、粘性改
良剤等の任意の添加剤を、湿気硬化型ウレタン系樹脂組
成物に配合して、無溶剤形の1液湿気硬化型接着剤組成
物として用いうるものである。
【0024】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を説明する
が、本発明は実施例に限定されるものではない。本発明
は、IPN構造を持つウレタンプレポリマーと(メタ)
アクリル酸重合体とからなり、しかもイソシアネート基
が導入されたポリオキシカルボン酸を含有する湿気硬化
型ウレタン系樹脂組成物は、優れた接着性及び良好な初
期タック性を有するとの発見に基づくものとして解釈さ
れるべきである。
【0025】実施例1 アクリル酸ブチル100質量部にアゾビスイソブチロニ
トリル0.5質量部を溶解させて、モノマー液を準備し
た。一方、分子量2000の2官能ポリプロピレングリ
コール500質量部とジメチロールブタン酸10質量部
よりなる液状組成物を入れた2Lのセパラブルフラスコ
を準備した。そして、液状組成物中にモノマー液を投入
し、窒素気流下、攪拌しながら90℃で3時間重合し
た。この結果、液状組成物中で、アクリル酸ブチルがラ
ジカル重合され、アクリル酸ブチル重合体が得られた。
次に、3時間減圧加熱脱水を行い、その後冷却して室温
まで戻った時点で4,4' −ジフェニルメタンジイソシ
アネート(MDI)を300質量部投入した。そして、
90℃で3時間、窒素気流下にて攪拌しながらウレタン
化反応を行い、即ち、2官能ポリプロピレングリコール
及びジメチロールブタン酸にイソシアネート基を導入
し、湿気硬化型ウレタン系樹脂組成物を得た。この湿気
硬化型ウレタン系樹脂組成物の粘度は30000mPa
・sであった。なお、湿気硬化型ウレタン系樹脂組成物
の粘度は、23℃下、BH型粘度計を用いて、10回転
したときの粘度を測定したものである。
【0026】実施例2 アクリル酸ブチル100質量部を、アクリル酸ブチル5
0質量部とメタクリル酸長鎖アルキル(長鎖アルキル
は、炭素数12〜15のアルキルの混合物である。)5
0質量部に変更する他は、実施例1と同様にして湿気硬
化型ウレタン系樹脂組成物を得た。この湿気硬化型ウレ
タン系樹脂組成物の粘度は39000mPa・sであっ
た。
【0027】使用例1 実施例1で得られた湿気硬化型ウレタン系樹脂組成物5
00質量部と、脱水した重質炭酸カルシウム(充填剤)
500質量部、シリカ系増粘剤10質量部を、5Lのプ
ラネタリーミキサーに投入し、減圧下で固練りした。そ
の後、これにイソパラフィン系希釈剤180質量部、ア
ミン系触媒1質量部を投入し、減圧下にて攪拌混合して
1液湿気硬化型接着剤組成物を得た。この1液湿気硬化
型接着剤組成物の粘度は17000mPa・sであっ
た。なお、1液湿気硬化型接着剤組成物の粘度は、23
℃下、BH型粘度計を用いて、20回転したときの粘度
を測定したものである。
【0028】この1液湿気硬化型接着剤組成物の接着性
を評価するため、以下のような「90度剥離接着強さ試
験」を行った。即ち、JIS−A−5536記載の方法
に準拠し、標準条件にて、1液湿気硬化型接着剤組成物
をコニシ社製のE−1型クシ目ゴテにて、スレートに塗
布し(塗布量約350g/m2 )、10分間放置した
後、塩化ビニル製シート(東リ社製NSシート、幅25
mmで長さ200mm)を貼り合わせ、168時間養生
した。養生後、引張試験機にて200mm/minの引
張速度で90度剥離試験を行った。使用例1に係る1液
湿気硬化型接着剤組成物を使用した際の「90度剥離接
着強さ試験」の結果は、70N/25mmであった。
【0029】使用例2 イソパラフィン系希釈剤の量を180質量部から130
質量部に変更する他は、使用例1と同様にして1液湿気
硬化型接着剤組成物を得た。この1液湿気硬化型接着剤
組成物の粘度は、23000mPa・sであった。ま
た、「90度剥離接着強さ試験」の結果は、73N/2
5mmであった。
【0030】使用例3 実施例1で得られた湿気硬化型ウレタン系樹脂組成物
を、実施例2で得られた湿気硬化型ウレタン系樹脂組成
物に変更し、イソパラフィン系希釈剤の量を180質量
部から150質量部に変更する他は、使用例1と同様に
して1液湿気硬化型接着剤組成物を得た。この1液湿気
硬化型接着剤組成物の粘度は、26000mPa・sで
あった。また、「90度剥離接着強さ試験」の結果は、
75N/25mmであった。
【0031】使用例1〜3の結果から明らかなように、
実施例1及び2に係る方法で得られた湿気硬化型ウレタ
ン系樹脂組成物を用いれば、「90度剥離接着強さ試
験」の結果が70N/25mm以上となっており、接着
性が向上していることが分かる。
【0032】実施例3 メタクリル酸メチル50質量部、メタクリル酸長鎖アル
キル(長鎖アルキルは、炭素数12〜15のアルキルの
混合物である。)50質量部に、アゾビスイソブチロニ
トリル0.5質量部を溶解させて、モノマー液を準備し
た。一方、分子量2000の2官能ポリプロピレングリ
コール500質量部とジメチロールブタン酸10質量部
よりなる液状組成物を入れた2Lのセパラブルフラスコ
を準備した。そして、液状組成物中にモノマー液を投入
し、窒素気流下、攪拌しながら90℃で3時間重合し
た。この結果、液状組成物中で、メタクリル酸メチル及
びメタクリル酸長鎖アルキルがラジカル重合され、両者
を構成単位とするメタクリル酸エステル重合体が得られ
た。次に、3時間減圧加熱脱水を行い、その後冷却して
室温まで戻った時点で4,4' −ジフェニルメタンジイ
ソシアネート(MDI)を300質量部投入した。そし
て、90℃で3時間、窒素気流下にて攪拌しながらウレ
タン化反応を行い、即ち、2官能ポリプロピレングリコ
ール及びジメチロールブタン酸にイソシアネート基を導
入し、湿気硬化型ウレタン系樹脂組成物を得た。この湿
気硬化型ウレタン系樹脂組成物の粘度は51000mP
a・sであった。
【0033】実施例4 実施例3で使用したモノマー液に代えて、メタクリル酸
メチル50質量部、メタクリル酸長鎖アルキル(長鎖ア
ルキルは、炭素数12〜15のアルキルの混合物であ
る。)50質量部、及びメタクリル酸2−ヒドロキシエ
チル2質量部に、アゾビスイソブチロニトリル0.5質
量部を溶解させたモノマー液を用いる他は、実施例3と
同様にして、湿気硬化型ウレタン系樹脂組成物を得た。
この結果、液状組成物中で、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸長鎖アルキル及びメタクリル酸2−ヒドロキシ
エチルがラジカル重合され、三者を構成単位とするメタ
クリル酸エステル重合体が得られた。従って、この湿気
硬化型ウレタン系樹脂組成物は、2官能ポリプロピレン
グリコール、ジメチロールブタン酸及びメタクリル酸エ
ステル重合体のいずれにもイソシアネート基が導入され
ており、これらを含有するものであった。なお、この湿
気硬化型ウレタン系樹脂組成物の粘度は60000mP
a・sであった。
【0034】実施例5 分子量2000の2官能ポリプロピレングリコール50
0質量部、ジメチロールブタン酸10質量部及び4,
4' −ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)3
00質量部を、2Lのセパラブルフラスコに投入し、9
0℃で3時間、窒素気流下にて攪拌しながらウレタン化
反応を行った。この結果、2官能ポリプロピレングリコ
ール及びジメタノールブタン酸にイソシアネート基が導
入された液状ウレタン系樹脂が得られた。その後、冷却
して室温まで戻った時点で、メタクリル酸メチル50質
量部、メタクリル酸長鎖アルキル(長鎖アルキルは、炭
素数12〜15のアルキルの混合物である。)50質量
部及びアゾビスイソブチロニトリル0.5質量部よりな
るモノマー液を、液状ウレタン系樹脂に添加し、窒素気
流下攪拌しながら、90℃で3時間重合して、湿気硬化
型ウレタン系樹脂組成物を得た。この湿気硬化型ウレタ
ン系樹脂組成物の粘度は、50000mPa・sであっ
た。
【0035】実施例6 メタクリル酸メチル50質量部、メタクリル酸長鎖アル
キル(長鎖アルキルは、炭素数12〜15のアルキルの
混合物である。)50質量部に、アゾビスイソブチロニ
トリル0.5質量部を溶解させて、モノマー液を準備し
た。一方、分子量2000の2官能ポリプロピレングリ
コール500質量部よりなる液状ポリオールを入れた2
Lのセパラブルフラスコを準備した。そして、液状ポリ
オール中にモノマー液を投入し、窒素気流下、攪拌しな
がら90℃で3時間重合した。この結果、液状ポリオー
ル中で、メタクリル酸メチル及びメタクリル酸長鎖アル
キルがラジカル重合され、両者を構成単位とするメタク
リル酸エステル重合体が得られた。次に、ジメチロール
ブタン酸10質量部を投入し、3時間減圧加熱脱水を行
い、その後冷却して室温まで戻った時点で、4,4' −
ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を300
質量部投入した。そして、90℃で3時間、窒素気流下
にて攪拌しながらウレタン化反応を行い、即ち、2官能
ポリプロピレングリコール及びジメチロールブタン酸に
イソシアネート基を導入し、湿気硬化型ウレタン系樹脂
組成物を得た。この湿気硬化型ウレタン系樹脂組成物の
粘度は49000mPa・sであった。
【0036】比較例1 ジメチロールブタン酸を使用しない他は、実施例3と同
様にして、湿気硬化型ウレタン系樹脂組成物を得た。こ
の湿気硬化型ウレタン系樹脂組成物の粘度は32000
mPa・sであった。
【0037】比較例2 ジメチロールブタン酸10質量部をネオペンチルグリル
コール10質量部に変更する他は、実施例3と同様にし
て、湿気硬化型ウレタン系樹脂組成物を得た。この湿気
硬化型ウレタン系樹脂組成物の粘度は45000mPa
・sであった。
【0038】使用例4 実施例3で得られた湿気硬化型ウレタン系樹脂組成物5
00質量部と、脱水した重質炭酸カルシウム(充填剤)
500質量部、シリカ系増粘剤10質量部を、5Lのプ
ラネタリーミキサーに投入し、減圧下で固練りした。そ
の後、これにイソパラフィン系希釈剤180質量部、ア
ミン系触媒1質量部を投入し、減圧下にて攪拌混合して
1液湿気硬化型接着剤組成物を得た。
【0039】使用例5 実施例3で得られた湿気硬化型ウレタン系樹脂組成物に
代えて、実施例4で得られた湿気硬化型ウレタン系樹脂
組成物を用いる他は、使用例4と同様にして1液湿気硬
化型接着剤組成物を得た。
【0040】使用例6 実施例3で得られた湿気硬化型ウレタン系樹脂組成物に
代えて、実施例5で得られた湿気硬化型ウレタン系樹脂
組成物を用いる他は、使用例4と同様にして1液湿気硬
化型接着剤組成物を得た。
【0041】使用例7 実施例3で得られた湿気硬化型ウレタン系樹脂組成物に
代えて、実施例6で得られた湿気硬化型ウレタン系樹脂
組成物を用いる他は、使用例4と同様にして1液湿気硬
化型接着剤組成物を得た。
【0042】比較使用例1 実施例3で得られた湿気硬化型ウレタン系樹脂組成物に
代えて、比較例1で得られた湿気硬化型ウレタン系樹脂
組成物を用い、且つ、イソパラフィン系希釈剤の量を1
80質量部から130質量部に変更する他は、使用例4
と同様にして1液湿気硬化型接着剤組成物を得た。
【0043】比較使用例2 実施例3で得られた湿気硬化型ウレタン系樹脂組成物に
代えて、比較例2で得られた湿気硬化型ウレタン系樹脂
組成物を用い、且つ、イソパラフィン系希釈剤の量を1
80質量部から160質量部に変更する他は、使用例4
と同様にして1液湿気硬化型接着剤組成物を得た。
【0044】使用例4〜7及び比較使用例1、2に係る
1液湿気硬化型接着剤組成物について、その粘度(mP
a・s)の測定及び「90度剥離接着強さ試験」(N/
25mm)の測定を、上記の方法で行った。また、初期
のずれ試験の評価を以下の方法で行った。これらの結果
を表1に示した。 〔初期のずれ試験〕標準条件(22±1℃、相対湿度5
5±5%)下にて、1液湿気硬化型接着剤組成物を、コ
ニシ社製のE−1型クシ目ゴテにて、スレートに塗布し
(塗布量約350g/m2)、所定時間放置した後、塩
ビタイル(幅25mm、長さ100mm)を貼り合わ
せ、ずれ具合を手指で確認した。この結果を、以下の4
段階で評価した。なお、所定時間放置したため、1液湿
気硬化型接着剤組成物が硬化してしまい、塩ビタイルに
接着剤組成物が転着しないものは、「××」と評価し
た。 ◎・・・全くずれない ○・・・殆どずれない △・・・抵抗感はあるがずれる ×・・・抵抗感なくずれる
【0045】
【表1】
【0046】表1の結果から明らかなように、使用例4
〜7に係る1液湿気硬化型接着剤組成物は、いずれも
「90度剥離接着強さ」が70N/25mm以上あり、
接着性に優れていることが分かる。また、使用例4〜7
に係る1液湿気硬化型接着剤組成物は、塗布後60分ま
では塩ビタイルを貼りつけることができ、しかも初期タ
ック性に優れているので、ずれにくく、作業性が良好で
あることが分かる。なお、比較使用例1及び2に係るも
のは、希釈剤によって、実施例に係るものと同粘度に調
整したが、それでも、接着性に劣り、しかも初期タック
性もいくぶん劣るものであった。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る湿気
硬化型ウレタン系樹脂組成物は、ウレタンプレポリマー
と(メタ)アクリル酸エステル重合体とが複雑に絡み合
ったIPN構造を持っており、しかも、これにイソシア
ネート基が導入されたポリオキシカルボン酸が混合され
ている。従って、この湿気硬化型ウレタン系樹脂組成物
を用いた1液湿気硬化型接着剤組成物は、イソシアネー
ト基が導入されたポリオキシカルボン酸のカルボキシル
基の存在により、接着性が向上するという効果を奏す
る。しかも、IPN構造を持つウレタンプレポリマーと
(メタ)アクリル酸エステル重合体とにより、特に、こ
の重合体の構成単位としてメタクリル酸メチルが導入さ
れている場合には、初期タック性に優れるという効果を
も奏するものである。
【0048】従って、このような1液湿気硬化型接着剤
組成物を用いれば、接着性に優れており、しかも初期タ
ック性が良好なので、難接着性の塩化ビニルシート等よ
りなる床材を所定の箇所に施工した場合、強固な接着が
実現でき、しかも作業中に塩化ビニルシート等がずれに
くく、施工しやすいものである。また、この湿気硬化型
ウレタン系樹脂組成物を用いれば、従来のウレタンプレ
ポリマーと同様にして1液湿気硬化型接着剤組成物を得
ることができる。即ち、有機溶剤を使用することなく、
無溶剤形の1液湿気硬化型接着剤組成物を得ることがで
きる。依って、この接着剤組成物を用いると、有機溶剤
の悪臭や毒性から、作業者を守ることができ、環境上も
好ましいものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 33/04 C08L 33/04 4J100 75/04 75/04 C09J 133/06 C09J 133/06 175/04 175/04 (72)発明者 有沢 彰三 大阪府大阪市鶴見区鶴見4丁目7−9 コ ニシ株式会社大阪研究所内 Fターム(参考) 4J002 BG04X BG05X CK02W GJ01 4J011 AA05 AA07 BA04 DA02 FA07 PA28 PA88 PA90 PA95 PB40 PC02 PC08 4J026 AB02 AB07 AB19 AC26 BA26 BA27 BA30 BB02 BB03 BB04 DA05 DB05 DB12 DB13 GA06 GA08 4J034 BA08 CA01 CA03 CA21 CA22 CB02 CB08 CC03 DA01 DB03 DC02 DC50 DF01 DF02 DF11 DG01 DP19 DQ01 DQ15 HA01 HA06 HC03 HC12 HC22 HC64 HC71 JA01 JA42 MA22 QB12 RA08 4J040 DF041 DF051 EF081 EF111 EF181 EF291 EF301 EF311 JB04 LA06 4J100 AL03P AL04Q AL05Q AL09R CA04 CA05 FA00 JA03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオキシカルボン酸とポリオールにポ
    リイソシアネートを作用させて、該ポリオキシカルボン
    酸と該ポリオールにイソシアネート基を導入した液状ウ
    レタン系樹脂中に、(メタ)アクリル酸エステルを含有
    するモノマー液を溶解させた後、該(メタ)アクリル酸
    エステルをラジカル重合させて(メタ)アクリル酸エス
    テル重合体を得ることを特徴とする湿気硬化型ウレタン
    系樹脂組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリオキシカルボン酸とポリオールを含
    有する液状組成物中に、(メタ)アクリル酸エステルを
    含有するモノマー液を溶解させた後、該(メタ)アクリ
    ル酸エステルをラジカル重合させて(メタ)アクリル酸
    エステル重合体を得、その後、ポリイソシアネートを作
    用させて、該ポリオキシカルボン酸及び該ポリオールに
    イソシアネート基を導入することを特徴とする湿気硬化
    型ウレタン系樹脂組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 液状ポリオールに、(メタ)アクリル酸
    エステルを含有するモノマー液を溶解させた後、該(メ
    タ)アクリル酸エステルをラジカル重合させて(メタ)
    アクリル酸エステル重合体を得、続いて、ポリオキシカ
    ルボン酸を添加した後、ポリイソシアネートを作用させ
    て、該ポリオキシカルボン酸及び該ポリオールにイソシ
    アネート基を導入することを特徴とする湿気硬化型ウレ
    タン系樹脂組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 モノマー液が、(1)メタクリル酸メチ
    ルと、(2)分子内に水酸基を有する(メタ)アクリル
    酸エステルと、(3)メタクリル酸メチル以外で且つ分
    子内に水酸基を有しない(メタ)アクリル酸エステルと
    を含有するモノマー液である請求項2又は3記載の湿気
    硬化型ウレタン系樹脂組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 モノマー液が、(1)メタクリル酸メチ
    ルと、(3)メタクリル酸メチル以外で且つ分子内に水
    酸基を有しない(メタ)アクリル酸エステルとを含有す
    る請求項1乃至3のいずれか一項に記載の湿気硬化型ウ
    レタン系樹脂組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】 モノマー液中に、メタクリル酸メチルが
    30〜85質量%含有されている請求項4又は5記載の
    湿気硬化型ウレタン系樹脂組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の
    方法で得られた湿気硬化型ウレタン系樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の湿気硬化型ウレタン系
    樹脂組成物と充填剤とを含有する1液湿気硬化型ウレタ
    ン系接着剤組成物。
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