JP2003065089A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents
内燃機関の可変動弁装置Info
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Abstract
つ制御負荷の過度の増加を回避する。 【解決手段】 吸気弁のリフト・作動角を連続的に増減
させるリフト・作動角可変機構と位相を遅進させる位相
可変機構とが組み合わされており、それぞれの実際の制
御状態を検出するセンサの検出信号に基づいて、目標と
する位置にクローズドループ制御される。各センサの信
号は、所定時間間隔でサンプリングされるが、リフト・
作動角可変機構のサンプリング時間間隔S1は機関回転
数に対してあまり変化せず、位相可変機構のサンプリン
グ時間間隔S2は、高回転時に短縮されるように急激に
変化する。このように回転数に対する特性を異ならせる
ことで、制御精度をそれぞれに最適とし、かつ無用な制
御負荷を生じない。
Description
弁もしくは排気弁に用いられる可変動弁装置、特に、リ
フト・作動角を同時にかつ連続的に拡大,縮小制御可能
なリフト・作動角可変機構と、リフト中心角の位相を連
続的に遅進させる位相可変機構と、の双方を備えた可変
動弁装置に関する。
公報には、ロッカアーム側のカムフォロアの切換により
リフト・作動角を大・小の2段階に切り換えるリフト・
作動角可変機構と、そのリフト中心角の位相を遅進させ
る位相可変機構と、を併用した内燃機関の可変動弁装置
が開示されている。これらの可変機構は、いずれも内燃
機関の油圧によって駆動される構成となっており、メイ
ンギャラリからの油圧を、制御弁ないしは切換弁を介し
て、それぞれのアクチュエータに供給している。
ようにリフト・作動角を単に2段階に切り換える構成で
は、幅広い運転条件には十分に対応できない。例えば、
定常走行燃費を重視した小リフト・作動角と、低速全開
性能に必要な比較的大きなリフト・作動角、さらに高速
全開性能に必要な大リフト・作動角、といった広い範囲
で変化させることができず、それぞれの運転条件で十分
な性能向上を達成することができない。
的に拡大,縮小制御可能なリフト・作動角可変機構を先
に提案しており、これと、リフト中心角の位相を連続的
に遅進させる位相可変機構と、を組み合わせることが検
討されている。しかしながら、このように連続的に動作
する2つの機構を組み合わせて用いる場合には、一般
に、それぞれの機構の実際の制御状態をセンサによって
常時検出し、目標値との偏差を補正するように制御する
必要がある。そして、このようなセンサによる制御状態
のサンプリングは、適宜な間隔で行われるのであるが、
仮にこのサンプリングの時間間隔を機関回転数に無関係
に一定時間にしたとすると、低回転時に適したサンプリ
ング時間間隔では、高回転時には制御性が悪化しやす
い。従って、吸気弁のリフト特性の可変制御によって吸
入空気量を制御するような場合には、空気量制御精度が
不十分となり、安定度の悪化等が現れる。また、高回転
時に適したサンプリング時間間隔を得るために、このサ
ンプリング時間間隔を機関回転数に応じて変化させるよ
うにし、高回転時に短いサンプリング時間間隔になるよ
うにすると、高回転時の制御負荷が大となる。
吸気弁もしくは排気弁のリフト・作動角を同時にかつ連
続的に拡大,縮小制御可能なリフト・作動角可変機構
と、リフト中心角の位相を連続的に遅進させる位相可変
機構と、上記リフト・作動角可変機構の実際の制御状態
を検出するリフト・作動角可変機構用センサと、上記位
相可変機構の実際の制御状態を検出する位相可変機構用
センサと、を備え、所定の間隔で各センサからサンプリ
ングした検出状態に基づき、各可変機構を機関運転条件
に応じて制御するようにした内燃機関の可変動弁装置に
おいて、上記リフト・作動角可変機構用センサのサンプ
リング時間間隔と上記位相可変機構用センサのサンプリ
ング時間間隔との少なくとも一方が、機関回転数に応じ
て変化する特性となっており、かつそれぞれの機関回転
数に対する変化率が互いに異なっていることを特徴とし
ている。
変機構と位相可変機構とで、それぞれの要求制御精度が
種々の回転数の下で異なることを考慮して、それぞれの
サンプリング時間間隔が機関回転数に対し異なる変化率
でもって変化するようになっている。従って、必要な制
御精度を確保しつつ、高回転時に過度に短いサンプリン
グ時間間隔となることがない。
相可変機構用センサのサンプリング時間間隔は、機関回
転数の増加に伴って減少し、その減少方向の変化率が、
上記リフト・作動角可変機構用センサのサンプリング時
間間隔の減少方向の変化率よりも大きい。なお、ここで
の変化率の大小は、減少方向を正としている。従って、
換言すれば、位相可変機構用センサのサンプリング時間
間隔の方が、機関回転数の増加に伴って急激に減少す
る。
されるのが一般的である。制御誤差が同一であるとする
と、この誤差に起因する流量変化の影響、例えば吸気弁
での吸入空気量の変化による影響は、大リフト・作動角
時よりも小リフト・作動角時の方が大きい。そのため、
低回転時には、制御精度を高めるべく、サンプリング時
間間隔を短くすることが必要である。一方、高回転時に
は、同一の作動角に対応する実時間が短くなるので、や
はりサンプリング時間間隔を短くする必要がある。従っ
て、リフト・作動角可変機構については、機関回転数が
増加しても、そのサンプリング時間間隔はあまり減少さ
せる必要はない。
の開口時間面積のまま位相が変化する位相可変機構につ
いては、例えば吸気弁に適用した場合でも、制御誤差に
よる吸入空気量への影響は比較的小さいので、基本的に
は、サンプリング時間間隔を比較的長くすることができ
る。しかし、バルブオーバラップが発生する制御状態に
おいて制御誤差が大きくなると、バルブとピストンとが
干渉する可能性がある。このバルブとピストンとの干渉
は、同一のバルブオーバラップの設定であっても、小リ
フトほど、その可能性が低くなる。そのため、低回転時
には一般に小リフト・作動角となることから、この干渉
を考慮した制御精度の要求は低く、従って、サンプリン
グ時間間隔を比較的長くすることが可能である。これに
対し、高回転時には、一般にリフト・作動角が大となる
ので、ピストンとの干渉を考慮した制御精度の要求が高
くなり、サンプリング時間間隔を短くする必要がある。
そのため、位相可変機構用センサのサンプリング時間間
隔は、機関回転数の増加に伴って短くなる特性となる。
には、位相可変機構用センサのサンプリング時間間隔が
十分に短くなるものの、リフト・作動角可変機構用セン
サのサンプリング時間間隔はあまり変化しないので、高
回転時の制御負荷の増加は最小限となる。
機構については、機関回転数に対しサンプリング時間間
隔はあまり変化させる必要はないので、請求項3の発明
では、上記リフト・作動角可変機構用センサのサンプリ
ング時間間隔の機関回転数に対する変化率が0となって
いる。つまり、このリフト・作動角可変機構用センサの
サンプリング時間間隔は、機関回転数に拘わらず一定で
ある。
に、上記リフト・作動角可変機構用センサのサンプリン
グ時間間隔が上記位相可変機構用センサのサンプリング
時間間隔よりも短いことを特徴としている。
転ほど小さく制御されるのが一般的であり、その制御誤
差による影響が大リフト・作動角時よりも大きいので、
低回転時には、リフト・作動角の制御精度を高めるべ
く、そのサンプリング時間間隔を短くすることが必要で
ある。これに対し、同一のリフト曲線でかつ同一の開口
時間面積のまま位相が変化する位相可変機構について
は、制御誤差による影響は比較的小さいので、サンプリ
ング時間間隔は比較的長くすることができる。
時に、上記リフト・作動角可変機構用センサのサンプリ
ング時間間隔が上記位相可変機構用センサのサンプリン
グ時間間隔よりも長いことを特徴としている。
フト・作動角が大となるので、位相可変機構において
は、ピストンとの干渉を考慮した制御精度の要求が高く
なり、サンプリング時間間隔を短くする必要がある。従
って、リフト・作動角可変機構用センサのサンプリング
に優先して位相可変機構用センサのサンプリングを短い
間隔で行うことにより、制御負荷の増加を抑制しつつ、
バルブとピストンとの干渉を回避できる。
機構用センサのサンプリング時間間隔および位相可変機
構用センサのサンプリング時間間隔が、機関回転数の変
化に対しそれぞれ適切な特性を有するものとなり、高回
転時における無用な制御負荷の増加を回避しつつ必要な
制御精度を確保することができる。
に、位相可変機構の制御誤差を小さく抑制して、バルブ
とピストンとの干渉を確実に回避することができる。
作動角可変機構用センサのサンプリング時間間隔が機関
回転数に拘わらず一定であるので、その制御が単純とな
り、かつ全体としての制御負荷を抑制できる。
点火式ガソリン機関の吸気弁に適用した実施の形態につ
いて説明する。
の構成を示す構成説明図であり、この可変動弁装置は、
吸気弁のリフト・作動角を変化させるリフト・作動角可
変機構1と、そのリフトの中心角の位相(図示せぬクラ
ンクシャフトに対する位相)を進角もしくは遅角させる
位相可変機構21と、が組み合わされて構成されてい
る。
る。なお、このリフト・作動角可変機構1は、本出願人
が先に提案したものであるが、例えば特開平11−10
7725号公報等によって公知となっているので、その
概要のみを説明する。
ッド(図示せず)に摺動自在に設けられた吸気弁11
と、シリンダヘッド上部のカムブラケット(図示せず)
に回転自在に支持された駆動軸2と、この駆動軸2に、
圧入等により固定された偏心カム3と、上記駆動軸2の
上方位置に同じカムブラケットによって回転自在に支持
されるとともに駆動軸2と平行に配置された制御軸12
と、この制御軸12の偏心カム部18に揺動自在に支持
されたロッカアーム6と、各吸気弁11の上端部に配置
されたタペット10に当接する揺動カム9と、を備えて
いる。上記偏心カム3とロッカアーム6とはリンクアー
ム4によって連係されており、ロッカアーム6と揺動カ
ム9とは、リンク部材8によって連係されている。
ングチェーンないしはタイミングベルトを介して機関の
クランクシャフトによって駆動されるものである。
外周面の中心が駆動軸2の軸心から所定量だけオフセッ
トしているとともに、この外周面に、リンクアーム4の
環状部が回転可能に嵌合している。
心カム部18によって揺動可能に支持されており、その
一端部に、連結ピン5を介して上記リンクアーム4のア
ーム部が連係しているとともに、他端部に、連結ピン7
を介して上記リンク部材8の上端部が連係している。上
記偏心カム部18は、制御軸12の軸心から偏心してお
り、従って、制御軸12の角度位置に応じてロッカアー
ム6の揺動中心は変化する。
して回転自在に支持されており、側方へ延びた端部に、
連結ピン17を介して上記リンク部材8の下端部が連係
している。この揺動カム9の下面には、駆動軸2と同心
状の円弧をなす基円面と、該基円面から所定の曲線を描
いて延びるカム面と、が連続して形成されており、これ
らの基円面ならびにカム面が、揺動カム9の揺動位置に
応じてタペット10の上面に当接するようになってい
る。
間として、リフト量が0となる区間であり、揺動カム9
が揺動してカム面がタペット10に接触すると、徐々に
リフトしていくことになる。なお、ベースサークル区間
とリフト区間との間には若干のランプ区間が設けられて
いる。
端部に設けられたリフト・作動角制御用アクチュエータ
13によって所定角度範囲内で回転するように構成され
ている。このリフト・作動角制御用アクチュエータ13
は、例えばウォームギア15を介して制御軸12を駆動
するサーボモータ等からなり、エンジンコントロールユ
ニット19からの制御信号によって制御されている。こ
こで、制御軸12の回転角度は、制御軸センサ14によ
って検出され、この検出した実際の制御状態に基づいて
上記アクチュエータ13がクローズドループ制御され
る。
明すると、駆動軸2が回転すると、偏心カム3のカム作
用によってリンクアーム4が上下動し、これに伴ってロ
ッカアーム6が揺動する。このロッカアーム6の揺動
は、リンク部材8を介して揺動カム9へ伝達され、該揺
動カム9が揺動する。この揺動カム9のカム作用によっ
て、タペット10が押圧され、吸気弁11がリフトす
る。
ータ13を介して制御軸12の角度が変化すると、ロッ
カアーム6の初期位置が変化し、ひいては揺動カム9の
初期揺動位置が変化する。
ているとすると、ロッカアーム6は全体として上方へ位
置し、揺動カム9の連結ピン17側の端部が相対的に上
方へ引き上げられた状態となる。つまり、揺動カム9の
初期位置は、そのカム面がタペット10から離れる方向
に傾く。従って、駆動軸2の回転に伴って揺動カム9が
揺動した際に、基円面が長くタペット10に接触し続
け、カム面がタペット10に接触する期間は短い。従っ
て、リフト量が全体として小さくなり、かつその開時期
から閉時期までの角度範囲つまり作動角も縮小する。
ているとすると、ロッカアーム6は全体として下方へ位
置し、揺動カム9の連結ピン17側の端部が相対的に下
方へ押し下げられた状態となる。つまり、揺動カム9の
初期位置は、そのカム面がタペット10に近付く方向に
傾く。従って、駆動軸2の回転に伴って揺動カム9が揺
動した際に、タペット10と接触する部位が基円面から
カム面へと直ちに移行する。従って、リフト量が全体と
して大きくなり、かつその作動角も拡大する。
に変化させ得るので、これに伴って、バルブリフト特性
は、連続的に変化する。つまり、リフトならびに作動角
を、両者同時に、連続的に拡大,縮小させることができ
る。各部のレイアウトによるが、例えば、リフト・作動
角の大小変化に伴い、吸気弁11の開時期と閉時期とが
ほぼ対称に変化する。
うに、上記駆動軸2の前端部に設けられたスプロケット
22と、このスプロケット22と上記駆動軸2とを、所
定の角度範囲内において相対的に回転させる位相制御用
アクチュエータ23と、から構成されている。上記スプ
ロケット22は、図示せぬタイミングチェーンもしくは
タイミングベルトを介して、クランクシャフトに連動し
ている。上記位相制御用アクチュエータ23は、例えば
油圧式、電磁式などの回転型アクチュエータからなり、
エンジンコントロールユニット19からの制御信号によ
って制御されている。この位相制御用アクチュエータ2
3の作用によって、スプロケット22と駆動軸2とが相
対的に回転し、バルブリフトにおけるリフト中心角が遅
進する。つまり、リフト特性の曲線自体は変わらずに、
全体が進角もしくは遅角する。また、この変化も、連続
的に得ることができる。この位相可変機構21の実際の
制御状態は、駆動軸2の回転位置に応答する駆動軸セン
サ16によって検出され、これに基づいて、上記アクチ
ュエータ23がクローズドループ制御される。
た本実施例の内燃機関は、スロットル弁に依存せず、吸
気弁11の可変制御によって吸気量が制御される。な
お、実用機関では、ブローバイガスの還流等のために吸
気系に若干の負圧が存在していることが好ましいので、
図示していないが、吸気通路の上流側に、スロットル弁
に代えて、負圧生成用の適宜な絞り機構を設けることが
望ましい。
リフト特性の具体的な制御について説明する。まず、図
2は、運転領域の中で、主にリフト量に着目して吸気量
の制御が行われるバルブリフト制御域と、主にバルブタ
イミングに着目して吸気量の制御が行われるバルブタイ
ミング制御域と、を示している。上流バルブリフト制御
域は、アイドルを含む極低負荷域に相当する。
のバルブリフト特性を示したもので、図示するように、
アイドル等の極低負荷域においては、リフト量が極小リ
フトとなる。これは特に、リフト中心角の位相が吸気量
に影響しない程度にまで小さなリフト量となる。そし
て、位相可変機構21によるリフト中心角の位相は、最
も遅角した位置となり、これによって、閉時期は、下死
点直前位置となる。
て、吸気流が吸気弁11の間隙においてチョークした状
態となり、極低負荷域で必要な微小流量が安定的に得ら
れる。そして、閉時期が下死点近傍となることから、有
効圧縮比は十分に高くなり、極小リフトによるガス流動
の向上と相俟って、比較的良好な燃焼を確保できる。
の大きな低負荷領域(補機負荷が加わっているアイドル
状態を含む)においては、リフト・作動角が大きくな
り、かつリフト中心角は進角した位置となる。このとき
には、上述したように、バルブタイミングをも考慮して
吸気量制御が行われることになり、吸気弁閉時期を早め
ることで、吸気量が比較的少量に制御される。この結
果、リフト・作動角はある程度大きなものとなり、吸気
弁11によるポンピングロスが低減する。
小リフトでは、前述したように、位相を変更しても吸気
量は殆ど変化しないので、極低負荷域から低負荷域へと
移行する場合には、位相変更よりも優先して、リフト・
作動角を拡大する必要がある。空調用コンプレッサ等の
補機の負荷が加わった場合も同様である。
てくる中負荷域では、図3に示すように、リフト・作動
角をさらに拡大しつつ、リフト中心角の位相を進角させ
る。リフト中心角の位相は、中負荷域のある点で、最も
進角した状態となる。これにより、内部EGRが利用さ
れ、一層のポンピングロス低減が図れる。
動角を拡大し、かつ最適なバルブタイミングとなるよう
に位相可変機構21を制御する。なお、図示するよう
に、機関回転数によっても最適なバルブリフト特性は異
なるものとなる。
は、バルブリフト制御域として主にリフト量による微小
流量の制御が行われるのであるが、バルブタイミング制
御域となる低負荷域との境界つまり制御の切換点は、実
際の燃焼安定状態に応じて補正することが好ましい。あ
るいは、制御の簡略化のために、機関温度を検出し、こ
れに応じて補正することも可能である。このように補正
することで、燃焼の悪化を来さない範囲でバルブタイミ
ング制御域を拡大することができ、ポンピングロス低減
の上で有利となる。
流れを示すフローチャートである。このフローチャート
に示すルーチンは、コントロールユニット19におい
て、一定時間毎に実行される。
ル開度や車両の速度等から、要求トルク・出力を算出
し、ステップ2,3で、機関回転数や負荷、機関温度を
検知した後に、ステップ4で、目標のリフト・作動角お
よび位相を設定する。次に、ステップ5において、その
ときの機関回転数に基づいて、リフト・作動角可変機構
用のカウンタ設定値1および位相可変機構用のカウンタ
設定値2を設定する。これらのカウンタ設定値は、それ
ぞれの制御状態を検出するセンサ14,16のサンプリ
ング時間間隔に相当する。その後、ステップ6で、それ
ぞれのサンプリング時間の経過を示す第1,第2カウン
タを、それぞれインクリメントする。
〜18は、実質的に並行して処理される。ステップ7で
は、第1カウンタの値をカウンタ設定値1と比較し、カ
ウンタ設定値1未満であれば、1回のルーチンを終了す
る。カウンタ設定値1以上となっていれば、所定のサン
プリング時期に達したことを意味するので、ステップ8
へ進み、制御軸センサ14の出力信号によりそのときの
制御状態つまり自己位置を検知する。このサンプリング
した自己位置を、ステップ9で保存し、ステップ10
で、これに基づいて、偏差を算出するとともに必要な制
御量を算出する。そして、ステップ11で、リフト・作
動角制御用アクチュエータ13へ駆動信号を出力した
後、ステップ12で第1カウンタを0とする。
プ13で、第2カウンタの値をカウンタ設定値2と比較
し、カウンタ設定値2未満であれば、1回のルーチンを
終了する。カウンタ設定値2以上となっていれば、所定
のサンプリング時期に達したことを意味するので、ステ
ップ14へ進み、駆動軸センサ16の出力信号によりそ
のときの制御状態つまり自己位置を検知する。このサン
プリングした自己位置を、ステップ15で保存し、ステ
ップ16で、これに基づいて、偏差を算出するとともに
必要な制御量を算出する。そして、ステップ17で、位
相制御用アクチュエータ23へ駆動信号を出力した後、
ステップ18で第2カウンタを0とする。
変化の一例とそのサンプリング時間間隔の一例を示して
いる。それぞれのサンプリング時間間隔が、上述したカ
ウンタ設定値1,2に対応する。この図の例では、リフ
ト・作動角可変機構1のサンプリング時間間隔S1の方
が、位相可変機構21のサンプリング時間間隔S2より
も短く設定されている。
れぞれのサンプリング時間間隔S1,S2の特性の一例
を示している。図示するように、リフト・作動角可変機
構1用のサンプリング時間間隔S1は、その値自体が全
体として位相可変機構21用のサンプリング時間間隔S
2よりも小つまり短い。そして、このサンプリング時間
間隔S1は、機関回転数の増加に伴って直線的に減少つ
まり短縮する傾向となっているが、傾きθ1で表される
その減少方向の変化率は、比較的小さい。一方、位相可
変機構21用のサンプリング時間間隔S2は、やはり機
関回転数の増加に伴って直線的に減少つまり短縮する傾
向となっているが、傾きθ2で表されるその減少方向の
変化率は、サンプリング時間間隔S1の変化率θ1より
も遙かに大きい。
動角は小さく制御される。制御誤差が同一であるとする
と、この誤差に起因する吸入空気量への影響は、大リフ
ト・作動角である高速時時よりも大きい。そのため、低
回転時には、制御精度を高めるべく、サンプリング時間
間隔S1を短くすることが必要である。一方、高回転時
には、同一の作動角に対応する実時間が短くなるので、
やはりサンプリング時間間隔S1を短くする必要があ
る。従って、サンプリング時間間隔S1は、機関回転数
が変化してもあまり変化させる必要がない。
時間面積のまま位相が変化する位相可変機構21につい
ては、制御誤差による吸入空気量への影響は比較的小さ
いので、基本的には、サンプリング時間間隔S2を比較
的長くすることができる。しかし、バルブオーバラップ
が発生する制御状態において制御誤差が大きくなると、
吸気弁11とピストンとが干渉する可能性がある。この
ピストンとの干渉は、同一のバルブオーバラップの設定
であっても、小リフトほど、つまり低回転ほど、その可
能性が低くなる。そのため、ピストンとの干渉を考慮し
た制御精度の要求は低く、サンプリング時間間隔S2を
比較的長くすることが可能である。これに対し、高回転
時には、リフト・作動角が大となるので、ピストンとの
干渉を考慮した制御精度の要求が高くなり、サンプリン
グ時間間隔S2を短くする必要がある。そのため、サン
プリング時間間隔S2は、機関回転数の増加に伴って短
くなる特性となる。
には、位相可変機構21用のサンプリング時間間隔S2
が十分に短くなるものの、リフト・作動角可変機構1用
のサンプリング時間間隔S1はあまり変化しないので、
高回転時の制御負荷の増加は最小限となる。
フト・作動角可変機構1用のサンプリング時間間隔S1
の方が位相可変機構21用のサンプリング時間間隔S2
よりも短い。これにより、吸気量への影響がより大きな
リフト・作動角可変機構1の制御精度が優先的に確保さ
れることになり、制御負荷を抑制しつつ必要な吸気量制
御精度を満たすことができる。
時間間隔S1,S2の特性の異なる例を示しており、こ
のものでは、リフト・作動角可変機構1用のサンプリン
グ時間間隔S1が、機関回転数に拘わらず一定値となっ
ている。つまり、機関回転数に対する変化率が0となっ
ている。この実施例によれば、制御が一層単純化され、
制御負荷を低減できる利点がある。
時間間隔S1,S2の特性のさらに異なる例を示してお
り、特に、高回転時に、リフト・作動角可変機構1用の
サンプリング時間間隔S1の方が位相可変機構21用の
サンプリング時間間隔S2よりも長くなっている。上述
したように、高回転時には、リフト・作動角が大となる
ので、位相可変機構21においては、ピストンとの干渉
を考慮した制御精度の要求が高くなり、サンプリング時
間間隔S2を短くする必要がある。従って、リフト・作
動角可変機構1のサンプリングに優先して位相可変機構
21のサンプリングを短い間隔で行うことにより、制御
負荷の増加を抑制しつつ、吸気弁11とピストンとの干
渉を回避できる。
動角可変機構1においては、制御軸12がバルブスプリ
ング反力を受け、小リフト・作動角となる方向へ常に変
位しようとするので、サンプリング時間間隔S1が長く
制御精度が悪化しても、小リフトつまりバルブオーバラ
ップの減少方向へ偏差が発生し、ピストンとの干渉の上
では、余裕代が拡大する。これに対し、位相可変機構2
1については、特に大リフト時には、バルブスプリング
反力による駆動トルクの変動が大きく、リフトの上り期
間では駆動軸2回転方向と反対方向のトルクが加わり、
下り期間では駆動軸2回転方向と同方向にトルクが加わ
る。そして、多気筒内燃機関では、両方向のトルクが合
成されるため、制御誤差によって必ずしもオーバラップ
小の方向へ変位することとはならない。従って、位相可
変機構21のサンプリング時間間隔S2を短くして、そ
の制御精度の確保を優先することが望ましい。
とを示す特性図。
特性図。
ャート。
間間隔の一例を示すタイムチャート。
に対する特性を示す特性図。
る例を示す特性図。
に異なる例を示す特性図。
Claims (5)
- 【請求項1】 吸気弁もしくは排気弁のリフト・作動角
を同時にかつ連続的に拡大,縮小制御可能なリフト・作
動角可変機構と、リフト中心角の位相を連続的に遅進さ
せる位相可変機構と、上記リフト・作動角可変機構の実
際の制御状態を検出するリフト・作動角可変機構用セン
サと、上記位相可変機構の実際の制御状態を検出する位
相可変機構用センサと、を備え、所定の間隔で各センサ
からサンプリングした検出状態に基づき、各可変機構を
機関運転条件に応じて制御するようにした内燃機関の可
変動弁装置において、 上記リフト・作動角可変機構用センサのサンプリング時
間間隔と上記位相可変機構用センサのサンプリング時間
間隔との少なくとも一方が、機関回転数に応じて変化す
る特性となっており、かつそれぞれの機関回転数に対す
る変化率が互いに異なっていることを特徴とする内燃機
関の可変動弁装置。 - 【請求項2】 上記位相可変機構用センサのサンプリン
グ時間間隔は、機関回転数の増加に伴って減少し、その
減少方向の変化率が、上記リフト・作動角可変機構用セ
ンサのサンプリング時間間隔の減少方向の変化率よりも
大きいことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可
変動弁装置。 - 【請求項3】 上記リフト・作動角可変機構用センサの
サンプリング時間間隔の機関回転数に対する変化率が0
であることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃
機関の可変動弁装置。 - 【請求項4】 内燃機関の低回転時に、上記リフト・作
動角可変機構用センサのサンプリング時間間隔が上記位
相可変機構用センサのサンプリング時間間隔よりも短い
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃
機関の可変動弁装置。 - 【請求項5】 内燃機関の高回転時に、上記リフト・作
動角可変機構用センサのサンプリング時間間隔が上記位
相可変機構用センサのサンプリング時間間隔よりも長い
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃
機関の可変動弁装置。
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