JP2000220420A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

内燃機関の可変動弁装置

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JP2000220420A
JP2000220420A JP2378399A JP2378399A JP2000220420A JP 2000220420 A JP2000220420 A JP 2000220420A JP 2378399 A JP2378399 A JP 2378399A JP 2378399 A JP2378399 A JP 2378399A JP 2000220420 A JP2000220420 A JP 2000220420A
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cam
oil
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valve
phase
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JP2378399A
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Yuji Yoshihara
裕二 吉原
Takasuke Shikita
卓祐 敷田
Yuichi Sakaguchi
裕一 坂口
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】位相可変機構とカム切換機構とでそれらの作動
に伴う油圧変動の影響を好適に抑制することのできる内
燃機関の可変動弁装置を提供する。 【解決手段】位相可変機構30は、油圧制御に基づき作
動し、クランクシャフト15と同期して回転するカムプ
ーリ17とカムシャフト10との回転位相を変更し、機
関バルブ14のバルブタイミングを可変とする。カム切
換機構50は、カムシャフト10に設けられた高速用カ
ム及び低速用カムのうち能動となるカムを、油圧制御に
基づき移動するロックピンによって切り換えている。こ
れら位相可変機構30及びカム切換機構50に対して
は、シリンダブロック22に形成されたメインギャラリ
71からそれぞれ独立した別々の油路72,73によっ
て油圧が供給されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機関バルブのバル
ブ特性を機関運転条件に応じて可変とする内燃機関の可
変動弁装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このような可変動弁装置の一例と
して、カムシャフトにカムプロフィール形状の異なる高
速用カムと低速用カムとを並設し、これらカムにそれぞ
れ従動するカムフォロワを締結若しくは締結解除するこ
とで機関バルブを開閉駆動するカム切換機構を備える可
変動弁装置が知られている。
【0003】こうしたカム切換機構を備える可変動弁装
置では、油圧によって往復移動するロックピンによって
上記各カムフォロワの締結若しくは締結解除が行われて
いる。なお一般に、こうした可変動弁装置では、上記高
速用カムは低速用のカムに対してカムリフト量及びカム
作用角が大きくなるように設定されており、バルブリフ
トカーブの形状を可変とすることができる。
【0004】また従来、同じくこの種の可変動弁装置と
しては、機関出力軸であるクランクシャフトに対するカ
ムシャフトの相対回転位相を油圧制御に基づき変更する
ことでカムシャフトの回転に伴い開閉駆動される機関バ
ルブの開閉弁時期(バルブタイミング)を可変とする位
相可変機構を備える可変動弁装置も知られている。この
位相可変機構を備える可変動弁装置では、バルブリフト
カーブの形状はそのままに、そのバルブタイミングを可
変とすることができる。
【0005】そして近年は、例えば特開平8−1774
33号公報の記載されているように、前者のカム切換機
構と後者の位相可変機構とを併せて備える可変動弁装置
も提案されている。これら機構を組み合わせることによ
って、バルブリフトカーブの形状を可変とすると共に、
そのバルブタイミングも可変とすることができ、内燃機
関の運転状態に更に適合したより細密なバルブ特性制御
を行うことができるようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これらの機
構は、いずれも内燃機関の潤滑油圧の供給によって作動
する構成となっている。このため、一方の機構に油圧を
供給することで、他方の機構に供給される油圧に変動が
生じ、可変動作に悪影響を及ぼすおそれがある。特に、
上記カム切換機構では、作動油圧の変動によってカム切
り換え時の上記ロックピンの動作が不安定となると、同
ロックピンと締結されるカムフォロワとが衝突して摩耗
が進行してしまう。そのため、位相可変機構の作動に伴
う油圧変動は、できる限りカム切換機構に伝達されない
ようにすることが望ましい。
【0007】なお、上記公報に記載の可変動弁装置で
は、上記両機構の作動する運転領域が重ならないように
することでこうした油圧変動の影響を回避しているが、
これではバルブ特性制御の自由度も自ずと制限されてし
まう。
【0008】本発明は、こうした実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、位相可変機構とカム切換機
構とでそれらの作動に伴う油圧変動の影響を好適に抑制
することのできる内燃機関の可変動弁装置を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。請求
項1に記載の発明は、油圧供給に基づき作動して機関出
力軸に対するカムシャフトの相対回転位相を可変とする
位相可変機構と、前記カムシャフトに設けられたカム特
性の異なる複数のカムの押圧をそれぞれ受ける複数のカ
ムフォロワを油圧供給に基づき移動するロックピンによ
って締結若しくは締結解除することで機関バルブを開閉
駆動するカムを切り換えるカム切換機構とを備える内燃
機関の可変動弁装置において、当該機関のシリンダブロ
ックに形成されたオイル容量の大きな油通路からそれぞ
れ独立して前記位相可変機構及び前記カム切換機構に対
して油圧を供給する油路を設けたことをその要旨とする
ものである。
【0010】上記構成によれば、位相可変機構及びカム
切換機構は、シリンダヘッド内の大きなオイル容量を有
する油通路からそれぞれ独立した別々の油路を通じてオ
イルの供給を受けるようになる。したがって、上記両機
構の作動に伴う油圧変動は大きなオイル容量を有する油
通路を経由して他方の機構に伝達されるようになる。こ
のとき、たとえ一方の機構で油圧変動が生じても、該オ
イル容量の大きな油通路内で緩和されるため、他方の機
構に伝達される油圧変動も大幅に低減されるようにな
る。特にカム切換機構では、位相可変機構で油圧変動が
生じたとしても、ロックピンを安定して素早く移動させ
ることができるようになり、切換不良の発生を低減でき
るようになる。
【0011】このように同構成によれば、位相可変機構
及びカム切換機構の作動に伴う油圧変動が他方の機構に
及ぼす影響を低減できるため、位相可変機構とカム切換
機構とでそれらの作動に伴う油圧変動の影響を好適に抑
制することができるようになる。特にカム切換機構で
は、油圧変動に伴うカムの切換不良の発生を低減できる
ようになる。また、位相可変機構とカム切換機構とを支
障なく同時に作動させることができるため、これら機構
によるバルブ特性制御の自由度を低下させることもな
い。
【0012】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記オイル
容量の大きな油通路は、シリンダブロックのメインギャ
ラリであることをその要旨とするものである。
【0013】シリンダブロックのメインギャラリは、他
の油路に比べて大きなオイル容量を有するとともに、シ
リンダブロック内での位置も上記各機構に対して油圧を
供給する油路を形成する上で最適である。このため同構
成によれば、上記各機構の作動に伴う油圧変動が互いに
影響し合うことを大幅に抑制し得る構造を容易に実現で
きるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内燃機関の可変動
弁装置を具体化した一実施の形態について、詳細に説明
する。
【0015】図1は、本実施の形態の可変動弁装置につ
いて、主にその位相可変機構30の側部断面構造とカム
切換機構50の側面構造とを示している。また、同図1
には、可変動弁装置の油圧回路構造も模式的に併せ示し
ている。
【0016】まず、位相可変機構30について説明す
る。同図1に示すように、カムシャフト10の端部に
は、機関出力軸であるクランクシャフトにタイミングベ
ルト(共に同図1では図示略)を介して駆動連結され、
これと同期して回転するカムプーリ17が回動可能に装
着されている。位相可変機構30は、これらカムシャフ
ト10とカムプーリ17との間に設けられており、当該
機関の運転条件に応じて両者の回転位相を変化させ、同
カムシャフト10の回転に伴い開閉駆動される機関バル
ブ14の開閉弁時期(バルブタイミング)を可変として
いる。
【0017】位相可変機構30は、内部ロータ31及び
ハウジング33、カバー35を備えている。内部ロータ
31は、センタボルト36によって、カムシャフト10
の先端に一体回転可能に固定されている。また、カムプ
ーリ17は、ハウジング33及びカバー35が取付ボル
ト37によって一体回転可能に固定されている。ハウジ
ング33は、略円環形状をなしており、その内周部に上
記内部ロータ31を内包するように設けられている。ま
た、カバー35は、これら内部ロータ31及びハウジン
グ33の先端面を覆っている。
【0018】図2は、この位相可変機構30の正面断面
構造を示している。同図2に示すように、上記内部ロー
タ31の外周には、その径方向に延びる複数(ここでは
4つ)のベーン32が形成されている。このベーン32
は、ハウジング33の内周に、その周方向に沿って形成
された溝34内に収容されている。この溝34は、ベー
ン32によって2つの圧力室38,39に区画されてい
る。なお以下では、これら圧力室38,39のうち、ベ
ーン32から見てカムシャフト10の回転方向(同図2
では時計回り方向側)に形成される圧力室39を「遅角
側圧力室」と、またその反対側に形成される圧力室38
を「進角側圧力室」と云う。これら圧力室38,39内
に充填された状態では、オイルの圧力によって内部ロー
タ31とハウジング33とが連結される。その結果、同
ハウジング33に固定されたカムプーリ17の回転が、
各圧力室38,39内の作動油を介して、内部ロータ3
1に固定されたカムシャフト10へと伝達されるように
なる。
【0019】また、この位相可変機構30は、これら圧
力室38,39内のオイルの圧力差によって、内部ロー
タ31をハウジング33に対して相対回動するようにし
ている。これら圧力室38,39は、それぞれカムシャ
フト10の内部等に形成された進角油路40及び遅角油
路41を通じて油圧制御弁74に接続されている。この
油圧制御弁74は、電子制御装置(図示略)の作動制御
に基づき、各油路40,41に対するオイルの供給及び
排出を行い、各圧力室38,39内のオイルの圧力を調
整している。
【0020】以下、これら圧力室38,39内の圧力制
御に基づき作動される位相可変機構30の作動態様につ
いて説明する。まず、機関バルブ14のバルブタイミン
グを早くする(進角する)場合、油圧制御弁74は、進
角油路40に対してオイルを供給すると共に遅角油路4
1からオイルを排出するようにする。こうして進角側圧
力室38内の圧力を遅角側圧力室39内の圧力に対して
高くすることで、内部ロータ31はハウジング33に対
してカムシャフト10の回転方向に相対回動される。こ
のとき、内部ロータ31に固定されたカムシャフト10
の回転位相は、ハウジング33に固定されたカムプーリ
17と同期回転するクランクシャフトの回転位相に対し
て早められる(進角される)ようになる。
【0021】一方、機関バルブ14のバルブタイミング
を遅くする(遅角する)場合、油圧制御弁74は、遅角
油路41に対してオイルを供給すると共に進角油路40
からオイルを排出するようにする。こうして遅角側圧力
室39内の圧力を進角側圧力室38内の圧力に対して高
くすることで、内部ロータ31はハウジング33に対し
てカムシャフト10の回転方向と逆方向に相対回動され
る。その結果、カムシャフト10の回転位相はクランク
シャフトの回転位相に対して遅くなる(遅角される)よ
うになる。
【0022】更に、バルブタイミングをそのまま保持す
るときには、各油路40,41に対するオイルの供給及
び排出を停止し、各圧力室38,39内のオイルの圧力
が均等に保持されるようにする。その結果、ハウジング
33に対する内部ロータ31の位相が固定され、クラン
クシャフトに対するカムシャフト10の回転位相も保持
されるようになる。
【0023】このように位相可変機構30は、上記各圧
力室38,39内のオイルの圧力制御に基づき、内部ロ
ータ31をハウジング33に対して相対回動させてい
る。そしてこの相対回動によって、クランクシャフトに
対するカムシャフト10の相対回転位相を変更し、同カ
ムシャフト10の回転に伴い開閉駆動される機関バルブ
の開閉弁時期(バルブタイミング)を連続的に可変とし
ている。
【0024】続いて、カム切換機構50について説明す
る。図1に示すように、上記位相可変機構30によって
その回転位相を変更されるカムシャフト10には、各気
筒毎にカム特性の異なる2つのカム11,12が併設さ
れている。これらカム11,12は、それぞれ機関の低
速運転及び高速運転に対応してそのカム形状が設定され
ている。すなわち、高速用のカム11は、低速用のカム
12に対してカムリフト量やカム作用角が大きく設定さ
れている。
【0025】これらカム11,12の下方には、同図1
に示すように、ロッカシャフト13に回動可能に軸支さ
れたロッカアーム51が設けられている。そして、同ロ
ッカアーム51の上面には、上記低速用カム12に対応
するローラカムフォロワ53と上記高速用カム11に対
応する可動カムフォロワ54とが設けられている。
【0026】図3は、上記ロッカアーム51付近の斜視
構造を示している。同図3に示すように、ローラカムフ
ォロワ53は、ロッカアーム51に支持されており、上
記低速用カム12と転がり接触しつつ、その押圧を同ロ
ッカアーム51に伝達可能となっている。また、可動カ
ムフォロワ54は、ロッカアーム51の上下方向に形成
された摺動孔55内に摺動可能に挿入されている。この
可動カムフォロワ54は、コイルばね(図3では図示
略)によって、上記高速用カム11に向けて常時付勢さ
れている。そしてこの可動カムフォロワ54は、後述す
るロックピン57の作動によってロッカアーム51との
相対摺動が規制されるとき、上記高速用カム11とすべ
り接触しながらその押圧をロッカアーム51に伝達可能
となっている。
【0027】また、このロッカアーム51の先端には、
一対の機関バルブ14の上端と当接可能なアーム52が
形成されており、バルブスプリングの付勢力によってそ
れら機関バルブ14を閉弁する側に押圧されている。そ
して、上記ロックピン57の作動を通じて選択されたカ
ムの押圧に基づくロッカアーム51の回動に伴ってこの
アーム52が揺動されることにより、機関バルブ14が
その選択されたカムに対応するバルブ特性をもって開閉
駆動される。
【0028】ここで、上記機関バルブ14を開閉駆動す
るカムを切り換えるロックピン57について説明する。
図4(a)及び(b)は、上記可動カムフォロワ54及
びロックピン57付近の部分断面構造を示しており、図
4(a)は低速時の態様を、図4(b)は高速時の態様
をそれぞれ示している。
【0029】先述したように、可動カムフォロワ54は
ロッカアーム51を上下に貫く摺動孔55内に摺動可能
に挿入されており、コイルばね58の付勢力によって上
記高速用カム11(図1)に付勢されている。更にロッ
カアーム51の下方には、この摺動孔55と交差するシ
リンダ穴56が形成されており、その内部に上記ロック
ピン57が摺動可能に挿入されている。
【0030】このロックピン57は、図5にその斜視構
造を示すように、その先端側に溝60が形成されてい
る。またこの溝60の先端部は、可動カムフォロワ54
の上下方向の摺動を許容すべく底面が切り欠かれてお
り、同溝60の奥部(基端側)は、可動カムフォロワ5
4の下端と当接可能なようにその底面が残されている。
【0031】また、このロックピン57は、図4(a)
及び(b)に示すように、コイルばね59によってロッ
カアーム51の基端側、すなわち上記可動カムフォロワ
54から離間して、同可動カムフォロワ54の上下方向
の摺動を許容する方向に常時付勢されている。
【0032】さらに、上記シリンダ穴56にあってロッ
クピン57によって区画されたロッカアーム51の基端
側の空間62は、同ロックピン57を作動させるための
オイルが導入される圧力室となっている。そして、ロッ
クピン57は、この圧力室62内に導入されるオイルの
圧力と上記コイルばね59の付勢力との釣り合いに応じ
てシリンダ穴56内を移動し、図4(a)に示す位置と
図4(b)に示す位置との間を往復摺動する。なお、圧
力室62は、ロッカアーム51内に形成されたロッカア
ーム油路61及びロッカシャフト13内に形成されたロ
ッカシャフト油路76を通じて油圧切換弁75に接続さ
れている。この油圧切換弁75は、電子制御装置(図示
略)の作動制御に基づき、圧力室62に対するオイルの
供給及び排出を行い、その内部のオイルの圧力を調整し
ている。
【0033】続いて、上記圧力室62の圧力調整に基づ
き作動されるカム切換機構50の作動態様について説明
する。油圧切換弁75によるオイルの排出が行われてお
り、圧力室62内のオイルの圧力が低い場合、ロックピ
ン57はコイルばね59の付勢力によってロッカアーム
51の基端側に押し付けられ、図4(a)に示す位置に
位置するようになる。このときの可動カムフォロワ54
の下端部は、ロックピン57の溝60の底面が切り欠か
れた部分に位置するため、その上下方向の摺動が許容さ
れる。
【0034】なお、先述した可動カムフォロワ54を高
速用カム11に向けて付勢するコイルばね58の付勢力
は、機関バルブ14(図1)のバルブスプリングの付勢
力に対して十分に小さく設定されている。そのため、こ
のときの高速用カム11は単に可動カムフォロワ54を
摺動させるだけで、その押圧はロッカアーム51に対し
てはほとんど伝達されない。したがって、このときのロ
ッカアーム51はローラカムフォロワ53を介して伝達
される低速用カム12の押圧に基づき揺動されるように
なり、機関バルブ14も同低速用カム12によって開閉
駆動されるようになる。
【0035】一方、油圧切換弁75によるオイルの供給
によって、圧力室62内のオイルの圧力が高められる
と、ロックピン57はコイルばね59の付勢力に抗して
ロッカアーム51の先端側に移動するようになる。そし
て、ロックピン57が図4(b)に示す位置まで移動す
ると、可動カムフォロワ54の下端部は、ロックピン5
7の溝60の底面が残された部分に位置するようにな
る。このとき可動カムフォロワ54が押し下げられる
と、その下端面と溝60の底面とが当接するようにな
る。
【0036】そして、このときの高速用カム11の押圧
は、可動カムフォロワ54及びロックピン57の当接を
通じてロッカアーム51にも直接的に伝達されるように
なる。すなわち、このときの可動カムフォロワ54とロ
ッカアーム51とは締結された状態となり、一体となっ
て回動するようになる。そしてこの場合には、ロッカア
ーム51は高速用カム11によって回動されるようにな
り、機関バルブ14も同高速用カム11によって開閉駆
動されるようになる。
【0037】このようにカム切換機構50は、能動とな
るカムを切り換えることで、機関バルブ14のバルブリ
フトカーブを可変としている。そして、上記位相可変機
構30によるバルブタイミングの調整と組み合わせて、
当該機関の運転状態に応じた細密なバルブ特性制御を行
っている。
【0038】続いて、上記位相可変機構30の進角・遅
角側圧力室38,39及びカム切換機構50の圧力室6
2内のオイルの圧力調整を行うための油圧回路構造につ
いて説明する。
【0039】図6は、本実施の形態の可変動弁装置を備
える内燃機関の構成を模式的に示している。なお、同図
6では、先の図1に示した油圧回路をより具体的に示し
ている。
【0040】同図6に示すように、この内燃機関は、大
きくは、オイルパン21、シリンダブロック22、シリ
ンダヘッド23及びヘッドカバー24から構成されてい
る。そして、上記クランクシャフト15は、オイルパン
21とシリンダブロック22との間に、カムシャフト1
0は、シリンダヘッド23とヘッドカバー24との間に
それぞれ軸支されている。そして、クランクシャフト1
5の端部に一体回転可能に固定されたクランクプーリ1
6と、上記位相可変機構30を介してカムシャフト10
に連結されたカムプーリ17との間に架け渡されたタイ
ミングベルト18によって、クランクシャフト15の回
転がカムプーリ17に伝達されるようになっている。
【0041】また、このクランクシャフト15の端部に
は、オイルポンプ70が設けられている。このオイルポ
ンプ70は、クランクシャフト15の回転に伴い作動
し、オイルパン21に貯留されたオイルを吸引し、加圧
して吐出する。こうしてオイルポンプ70から吐出され
たオイルは、シリンダブロック22の内部に形成された
メインギャラリ71へと送られる。
【0042】このメインギャラリ71は、シリンダブロ
ック22内を気筒列方向に縦貫するオイルの通路であ
り、このメインギャラリ71からクランクシャフト15
及びコネクティングロッドの軸受け部、ピストン及びピ
ストンリングといった内燃機関の各潤滑部へとオイルが
分配されるようになっている。そのため、このメインギ
ャラリ71は、各潤滑部へと不足なくオイルを分配でき
るように内燃機関の他の油路に比して大きな径となるよ
う形成されており、十分に大きなオイル容量を有してい
る。
【0043】このメインギャラリ71からは、シリンダ
ヘッド23にもオイルが送られている。こうしてシリン
ダヘッド23に送られたオイルは、カムシャフト10の
軸受け部や各カム11,12、ロッカアーム51の摺動
部等の潤滑や、上記位相可変機構30及びカム切換機構
50の作動に使用される。なお、本実施の形態では、メ
インギャラリ71からシリンダヘッド23へとオイルを
押し上げるための油路として、位相可変機構30及びカ
ム切換機構50へとそれぞれ別々にオイルを供給できる
ように独立した2本の油路72,73が設けられてい
る。
【0044】メインギャラリ71の一端部からは、シリ
ンダヘッド23に向けて油路72が延伸されている。こ
の油路72は、上記油圧制御弁74に接続されている。
そして、この油路72を通じて供給されたオイルによっ
て位相可変機構30が作動されるようになる。また、こ
の油路72を通じて供給されたオイルは、カムシャフト
10の軸受け部や同シャフト10に設けられた各カム1
1,12の潤滑などにも使用される。
【0045】一方、上記メインギャラリ71の上記油路
72が接続された端部と反対側の端部からは、同じくシ
リンダヘッド23に向けて油路73が延伸されている。
この油路73は、上記油圧切換弁75に接続されてお
り、同油路73を通じて供給されたオイルによってカム
切換機構50が作動されるようになる。
【0046】このように、本実施の形態では、位相可変
機構30とカム切換機構50とでそれぞれ独立した油路
72,73を通じてメインギャラリ71からオイルが供
給されるようになっている。そのため、位相可変機構3
0とカム切換機構50との間にはある程度大きなオイル
容量を持ったメインギャラリ71が介在することとな
る。
【0047】したがって、位相可変機構30及びカム切
換機構50の作動によって生じる油圧変動は、オイル容
量の大きなメインギャラリ71の内部で緩和されてしま
い、他方の機構に対してはあまり伝達されないようにな
り、同油圧変動の影響を大幅に低減できるようになる。
このため、上記各機構30,50の作動に伴う油圧変動
が互いに悪影響を及ぼし合うことを大幅に抑制できるよ
うになる。
【0048】なお、カム切換時には、ロックピン57が
完全に所定の位置まで移動し切らないうちに可動カムフ
ォロワ54が押し下げられ、不完全な状態で同可動カム
フォロワ54の下端がロックピン57の溝60の上に乗
り上げてしまうことがある。そしてこのときの衝撃によ
り、可動カムフォロワ54及びロックピン57の耐久性
が低下するおそれもある。こうしたカムの切換不良の発
生は、ロックピン57の動作のもたつきにより増大す
る。
【0049】その点、本実施の形態によれば、油圧変動
の伝達を抑制することでロックピン57を安定して素早
く動作させることができるため、上記のカム切換不良の
発生を抑制することができる。また、油圧変動の影響を
低減したことで、位相可変機構30と併設したことによ
るカム切換機構50の応答性や安定性、信頼性の低下を
抑制できるようになる。
【0050】以上説明したように、本実施の形態の可変
動弁装置によれば、以下に記載する効果を得ることがで
きるようになる。 (1)メインギャラリ71からそれぞれ独立した別々の
油路72,73を通じてオイルを供給するようにしたこ
とで、位相可変機構30及びカム切換機構50の作動に
伴う油圧変動をメインギャラリ71の内部で緩和でき、
互いの間で伝達されないようにすることができる。
【0051】(2)特にカム切換機構50では、位相可
変機構30の作動に伴う油圧変動の伝達を抑制したこと
で、油圧変動によるカムの切換不良の発生を大幅に低減
できるため、その応答性や安定性、信頼性の低下を大幅
に抑制できるようになる。
【0052】(3)また、位相可変機構30とカム切換
機構50とを支障なく同時に作動させることができるた
め、バルブ特性制御の自由度を低下させることもない。 (4)メインギャラリ71は、他の油路に比べて大きな
オイル容量を有し、しかもシリンダブロック22内での
位置も上記各機構30,50に対して油圧を供給する油
路72,73を形成する上で最適であるため、上記各機
構30,50の作動に伴う油圧変動が互いに影響し合う
ことを大幅に抑制し得る構造の実現も容易となる。
【0053】なお、以上説明した本実施の形態の可変動
弁装置は、以下のように変更することもできる。 ・上記実施の形態では、メインギャラリ71からシリン
ダヘッド23にオイルを押し上げる2つの油路72,7
3を備える構成となっていたが、メインギャラリ71か
ら位相可変機構30とカム切換機構50とにそれぞれ独
立した別々の油路が設けられていさえすれば、3つある
いはそれ以上の油路を備える構成としてもよい。
【0054】・上記実施の形態では、位相可変機構30
及びカム切換機構50は、共に同一のカムシャフト側に
設けられていたが、これら機構が別々のカムシャフトに
設けられる構成としてもよい。
【0055】・上記実施の形態では、メインギャラリ7
1から各機構30,50に油圧を供給する油路72,7
3が接続される構成となっている。上記のように、油圧
変動の影響を低減する上で、これら油路72,73をメ
インギャラリ71に接続する構成とすることが望ましい
ものの、シリンダブロック22内のオイル容量の大きな
油通路であれば、これら油路72,73を他の油通路に
接続するようにしてもよい。
【0056】・上記実施の形態では、位相可変機構とし
て、いわゆるベーン式の位相可変機構を採用する構成と
したが、油圧供給に基づき機関出力軸に対するカムシャ
フトの回転位相を可変とする機構であれば、例えばヘリ
カルギア式の機構などの他の構造の位相可変機構を採用
する構成としてもよい。
【0057】・また、カム切換機構として、上記実施の
形態とは異なる構造のカム切換機構を採用する構成であ
っても、カムシャフトに設けられたカム特性の異なる複
数のカムの押圧をそれぞれ受ける複数のカムフォロワを
油圧供給に基づき移動するロックピンによって締結若し
くは締結解除することで機関バルブを開閉駆動するカム
を切り換える構造の機構を備える可変動弁装置であれ
ば、上記実施の形態と同様若しくはそれに準じた効果を
得ることはできる。
【0058】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可変動弁装置の一実施形態について主
にその位相可変機構の側部断面構造とカム切換機構の側
部構造とを示す図。
【図2】同可変動弁装置についてその位相可変機構の正
面断面構造を示す断面図。
【図3】同可変動弁装置についてそのカム切換機構の斜
視構造を斜視図。
【図4】同カム切換機構についてその部分断面構造を示
す断面図。
【図5】上記カム切換機構についてそのロックピンの斜
視構造を示す斜視図。
【図6】同可変動弁装置を備える内燃機関の全体構造を
模式的に示す略図。
【符号の説明】
10…カムシャフト、11…高速用カム、12…低速用
カム、13…ロッカシャフト、14…機関バルブ、15
…クランクシャフト、16…クランクプーリ、17…カ
ムプーリ、18…タイミングベルト、21…オイルパ
ン、22…シリンダブロック、23…シリンダヘッド、
24…ヘッドカバー、30…位相可変機構、31…内部
ロータ、32…ベーン、33…ハウジング、34…溝、
35…カバー、36…センタボルト、37…取付ボル
ト、38…進角側圧力室、39…遅角側圧力室、40…
進角油路、41…遅角油路、50…カム切換機構、51
…ロッカアーム、52…アーム、53…ローラカムフォ
ロワ、54…可動カムフォロワ、55…摺動孔、56…
シリンダ穴、57…ロックピン、58…コイルばね、5
9…コイルばね、60…溝、61…ロッカアーム油路、
62…圧力室、70…オイルポンプ、71…メインギャ
ラリ、72,73…油路、74…油圧制御弁、75…油
圧切換弁、76…ロッカシャフト油路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂口 裕一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 Fターム(参考) 3G016 AA06 AA19 BA22 BA34 BA36 CA04 CA13 CA21 CA24 CA27 CA33 CA36 CA57 CA59 DA01 DA06 DA22 GA00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油圧供給に基づき作動して機関出力軸に対
    するカムシャフトの相対回転位相を可変とする位相可変
    機構と、前記カムシャフトに設けられたカム特性の異な
    る複数のカムの押圧をそれぞれ受ける複数のカムフォロ
    ワを油圧供給に基づき移動するロックピンによって締結
    若しくは締結解除することで機関バルブを開閉駆動する
    カムを切り換えるカム切換機構とを備える内燃機関の可
    変動弁装置において、 当該機関のシリンダブロックに形成されたオイル容量の
    大きな油通路からそれぞれ独立して前記位相可変機構及
    び前記カム切換機構に対して油圧を供給する油路を設け
    たことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 【請求項2】前記オイル容量の大きな油通路は、シリン
    ダブロックのメインギャラリである請求項1に記載の内
    燃機関の可変動弁装置。
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