JP2002089303A - 車両用内燃機関の制御装置 - Google Patents

車両用内燃機関の制御装置

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JP2002089303A JP2000274597A JP2000274597A JP2002089303A JP 2002089303 A JP2002089303 A JP 2002089303A JP 2000274597 A JP2000274597 A JP 2000274597A JP 2000274597 A JP2000274597 A JP 2000274597A JP 2002089303 A JP2002089303 A JP 2002089303A
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン起動時における吸気弁のバルブ駆動
力を十分小さな値に抑えるよう吸気弁のリフト・作動角
の制御する。 【解決手段】 内燃機関の吸気弁は、リフト・作動角を
同時にかつ連続的に拡大,縮小制御可能なリフト・作動
角可変機構と、内燃機関の回転数および負荷を検出する
手段と、この機関回転数および負荷に応じて上記吸気弁
のリフト・作動角を制御する制御手段と、を備える。機
関停止時には、機関回転が完全に停止する前に、吸気弁
のリフト・作動角が所定値以下になるように制御され
る。これによって、エンジン起動時における吸気弁のリ
フト量が小さくなり吸気弁のバルブ駆動力が低減され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸気弁のリフト・
作動角を拡大,縮小制御するいわゆる可変動弁機構を備
えた車両用内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】機関低速時から高速時に亙って、筒内燃
焼と筒内の充填効率の最適化を図り、燃費性能の向上を
実現するために、吸気弁のリフト・作動角及び中心角を
可変制御するいわゆる可変動弁機構を備えた内燃機関が
従来から知られている(特開平11−036906号公
報参照)。
【0003】このような可変動弁機構は、吸気弁へのバ
ルブ駆動力の伝達経路が複雑で、多くのリンク、摺動部
位を有し、上記各摺動部位で摩擦抵抗が発生する。
【0004】また、内燃機関の回転数が低下すると軸受
部などの荷重を受ける摺動面に油膜が形成されにくくな
るため、摩擦係数が上昇し、バルブ駆動トルクが低速側
で上昇する傾向がある。
【0005】図11は、可変動弁機構及び固定動弁機構
の双方のエンジン回転数によるバルブ系の駆動トルク特
性を示したものである。また、図12は、可変動弁機構
及び固定動弁機構の双方のクランク角によるバルブリフ
ト量の特性を示したものである。尚、図12の各特性線
A,B,Cは、図11中のA,B,Cにそれぞれ対応し
ている。
【0006】バルブ駆動トルクが低速側で上昇する傾向
は、カム駆動による固定動弁機構においても同様にある
ものの、上記可変動弁機構において低速時に大リフト制
御を行うと、特に著しい駆動トルクの上昇を招くことに
なる。
【0007】この理由は、摩擦係数のオーダーによって
も異なるが、各摺動部位の摩擦トルクが伝達の過程で累
積され、拡大されて結果的にこのような上昇になるもの
である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、摩擦係
数が最大となるのは停止時であるから、低速時に大リフ
ト制御を行うと、機関停止からの起動時にはこのバルブ
駆動力は極めて大となり、駆動系の信頼性を確保するた
めには上記可変動弁機構の各部強度の余裕を大きく観る
必要がある他、スタータモータ等の容量が過大となる問
題があった。
【0009】本発明はかかる課題に着目してなされたも
のであり、エンジン起動時におけるバルブ駆動力を十分
小さな値に抑えるよう吸気弁のリフト・作動角を制御
し、かつそのような条件において確実に良好な初爆が得
られるような吸気弁位相角を制御する車両用内燃機関の
制御装置に関するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項1に記載
の発明は、吸気弁のリフト・作動角を同時にかつ連続的
に拡大,縮小制御可能なリフト・作動角可変機構と、内
燃機関の回転数および負荷を検出する手段と、この機関
回転数および負荷に応じて上記吸気弁のリフト・作動角
を制御する制御手段と、を備えた車両用内燃機関の制御
装置において、機関停止時には、機関回転が完全に停止
する前に、上記吸気弁のリフト・作動角が所定値以下に
なるように制御することを特徴としている。上記リフト
・作動角可変機構は、作動角を拡大すると、同時にリフ
トが大となり、逆に作動角を縮小すると、同時にリフト
が小となる構成となっている。また、上記リフト・作動
角可変機構においては、リフト量の増加に伴って吸気弁
の駆動トルクは増大する。これによって、内燃機関の起
動時には、吸気弁のリフト量が相対的に小さくなり、起
動時の吸気弁のリフトによるフリクションが低減され
る。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、上記制御手段は、機関無負荷運転条件
において、上記吸気弁を常に所定値以下の小リフト・小
作動角に制御することを特徴としている。通常、内燃機
関は車両を停止させた状態で停止させる。つまり、通常
は、内燃機関を停止させる前段階で機関無負荷状態とな
る。これによって、内燃機関の起動時には、吸気弁は確
実に小リフトとなり、起動時の吸気弁のフリクションが
確実に低減される。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の発明において、吸気弁のリフトの中心角の位
相を遅進させる位相可変機構を備え、機関無負荷運転条
件において,上記吸気弁の閉時期が下死点近傍に位置す
るように、上記吸気弁の中心角を制御することを特徴と
している。吸気弁閉時期を下死点付近に設定することに
より、実圧縮比は最大となるから、吸気弁のリフト量を
小さくしても、筒内の燃焼を安定させることが出来る。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の発明において、機関回転が低下し停止に至る過程にお
いては、上記吸気弁のリフト・作動角の縮小制御は上記
吸気弁の中心角制御よりも優先的に行われるようにした
ことを特徴としている。
【0014】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
いずれかに記載の発明において、上記吸気弁のリフト・
作動角は機関回転数の増大に応じて、漸次使用範囲を拡
大するようにしたことを特徴としている。これによっ
て、燃費及び出力性能を向上させつつ、不意のエンスト
に際しても確実に小リフトで内燃機関は起動する。
【0015】請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の
いずれかに記載に発明において、上記吸気弁のリフト・
作動角は機関負荷の増大に応じて、漸次使用範囲を拡大
するようにしたことを特徴としている。
【0016】請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の
いずれかに記載の発明において、上記リフト・作動角可
変機構は、駆動軸により回転駆動される偏心カムと、こ
の偏心カムの外周に相対回転可能に嵌合したリンクアー
ムと,上記駆動軸と平行に設けられ、かつ偏心カム部を
備えた回動可能な制御軸と、この制御軸の偏心カム部に
回転可能に装着され、かつ上記リンクアームにより揺動
されるロッカアームと、上記駆動軸に回転可能に支持さ
れるとともに、上記ロッカアームにリンクを介して連結
され、該ロッカアームに伴って揺動することにより吸気
弁のタペットを押圧する揺動カムと、を備えており、上
記制御軸の偏心カム部の回動位置を変化させることによ
り吸気弁のリフト・作動角が同時に増減変化するように
構成されていることを特徴としている。
【0017】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の発明において、上記制御軸を回転駆動し、該制御軸の
偏心カム部の回動位置を制御するアクチュエータは、該
アクチュエータの駆動動力源がOFFの条件において、
上記吸気弁を小リフト・小作動角側に付勢するように構
成したことを特徴としている。
【0018】請求項9に記載の発明は、請求項7に記載
の発明において、上記位相可変機構は、上記駆動軸と同
心に回転可能に配置され、かつチエーンもしくはタイミ
ングベルトを介してクランクシャフトに従動するスプロ
ケットと、このスプロケットと上記駆動軸との間に装着
され、両者の相対的な位相を変化させる手段と、を備え
ていることを特徴としている。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、内燃機関の起動時に吸
気弁のリフト量が所定値以下となるよう制御することに
より、起動時の吸気弁のリフトによるフリクションが低
減されるので、起動時の吸気弁の駆動トルクを低減する
ことができる。
【0020】特に、請求項2の発明では、起動時に吸気
弁が小リフト・小作動角となるため、起動時の吸気弁の
リフトによるフリクションが確実に低減され、起動時の
吸気弁の駆動トルクを確実に低減することができる。
【0021】また、請求項3の発明では、エンジン起動
直後の筒内の燃焼を安定させることができるので、良好
な初爆を確実に得ることができる。
【0022】請求項5及び請求項6の発明では、燃費及
び出力性能の向上を図りつつ、エンストに際しては、吸
気弁を小リフト・小作動角として内燃機関を起動させる
ことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0024】図1は、内燃機関の吸気弁側可変動弁機構
の構成を示す構成説明図であり、この可変動弁機構は、
吸気弁4のリフト・作動角を変化させるリフト・作動角
可変機構1と、そのリフトの中心角の位相(図示せぬク
ランクシャフトに対する位相)を進角もしくは遅角させ
る位相可変機構2と、が組み合わされて構成されてい
る。
【0025】図2は、リフト・作動角可変機構1のみを
示しており、図1および図2に基づいて、このリフト・
作動角可変機構1を説明する。なお、このリフト・作動
角可変機構1は、本出願人が先に提案したものである
が、例えば特開平11−107725号公報等によって
公知となっているので、その概要のみを説明する。
【0026】リフト・作動角可変機構1は、シリンダヘ
ッド3に図示せぬバルブガイドを介して摺動自在に設け
られた吸気弁4と、シリンダヘッド3上部のカムブラケ
ット5に回転自在に支持された中空状の駆動軸6と、こ
の駆動軸6に、圧入等により固定された偏心カム7と、
上記駆動軸6の上方位置に同じカムブラケット5に回転
自在に支持されるとともに駆動軸6と平行に配置された
制御軸8と、この制御軸8の偏心カム部9に揺動自在に
支持されたロッカアーム10と、各吸気弁4の上端部に
配置されたタペット11に当接する揺動カム12と、を
備えている。上記偏心カム7とロッカアーム10とはリ
ンクアーム13によって連係されており、ロッカアーム
10と揺動カム12とは、リンク部材14によって連係
されている。
【0027】上記駆動軸6は、後述するように、タイミ
ングチェーンないしはタイミングベルトを介して機関の
クランクシャフトによって駆動されるものである。
【0028】上記偏心カム7は、円形外周面を有し、該
外周面の中心が駆動軸6の軸心から所定量だけオフセッ
トしているとともに、この外周面に、リンクアーム13
の環状部13aが回転可能に嵌合している。
【0029】上記ロッカアーム10は、略中央部が上記
偏心カム部9によって支持されており、その一端部に、
上記リンクアーム13の延長部13bが連係していると
ともに、他端部に、上記リンク部材14の上端部が連係
している。上記偏心カム部9は、制御軸8の軸心から偏
心しており、従って、制御軸8の角度位置に応じてロッ
カアーム10の揺動中心は変化する。
【0030】上記揺動カム12は、駆動軸6の外周に嵌
合して回転自在に支持されており、側方へ延びた端部1
2aに、上記リンク部材14の下端部が連係している。
この揺動カム12の下面には、駆動軸6と同心状の円弧
をなす基円面15aと、該基円面15aから上記端部1
2aへと所定の曲線を描いて延びるカム面15bと、が
形成されており、これらの基円面15aならびにカム面
15bが、揺動カム12の揺動位置に応じてタペット1
1の上面に当接するようになっている。
【0031】すなわち、上記基円面15aはベースサー
クル区間として、リフト量が0となる区間であり、揺動
カム12が揺動してカム面15bがタペット11に接触
すると、徐々にリフトしていくことになる。なお、ベー
スサークル区間とリフト区間との間には若干のランプ区
間が設けられている。
【0032】上記制御軸8は、図1に示すように、一端
部に設けられたリフト・作動角制御用油圧アクチュエー
タ16によって所定回転角度範囲内で回転するように構
成されている。このリフト・作動角制御用油圧アクチュ
エータ16への油圧供給は、エンジンコントロールユニ
ット17からの制御信号に基づき、第1油圧制御部18
によって制御されている。尚、アクチュエータ16は、
このアクチュエータ16の駆動電源がOFFの条件にお
いて、吸気弁4を小リフト・小作動角側に付勢するよう
構成されている。
【0033】このリフト・作動角可変機構1の作用を説
明すると、駆動軸6が回転すると、偏心カム7のカム作
用によってリンクアーム13が上下動し、これに伴って
ロッカアーム10が揺動する。このロッカアーム10の
揺動は、リンク部材14を介して揺動カム12へ伝達さ
れ、該揺動カム12が揺動する。この揺動カム12のカ
ム作用によって、タペット11が押圧され、吸気弁4が
リフトする。
【0034】ここで、リフト・作動角制御用油圧アクチ
ュエータ16を介して制御軸8の角度が変化すると、ロ
ッカアーム10の初期位置が変化し、ひいては揺動カム
12の初期揺動位置が変化する。
【0035】例えば偏心カム部9が図の上方へ位置して
いるとすると、ロッカアーム10は全体として上方へ位
置し、揺動カム12の端部12aが相対的に上方へ引き
上げられた状態となる。つまり、揺動カム12の初期位
置は、そのカム面15bがタペット11から離れる方向
に傾く。従って、駆動軸6の回転に伴って揺動カム12
が揺動した際に、基円面15aが長くタペット11に接
触し続け、カム面15bがタペット11に接触する期間
は短い。従って、リフト量が全体として小さくなり、か
つその開時期から閉時期までの角度範囲つまり作動角も
縮小する。
【0036】逆に、偏心カム部9が図の下方へ位置して
いるとすると、ロッカアーム10は全体として下方へ位
置し、揺動カム12の端部12aが相対的に下方へ押し
下げられた状態となる。つまり、揺動カム12の初期位
置は、そのカム面15bがタペット11に近付く方向に
傾く。従って、駆動軸6の回転に伴って揺動カム12が
揺動した際に、タペット11と接触する部位が基円面1
5aからカム面15bへと直ちに移行する。従って、リ
フト量が全体として大きくなり、かつその作動角も拡大
する。
【0037】上記の偏心カム部9の位置は連続的に変化
させ得るので、これに伴って、バルブリフト特性は、図
3に示すように、連続的に変化する。つまり、リフトな
らびに作動角を、両者同時に、連続的に拡大,縮小させ
ることができる。特に、このものでは、リフト・作動角
の大小変化に伴い、吸気弁4の開時期と閉時期とがほぼ
対称に変化する。
【0038】次に、位相可変機構2は、図1に示すよう
に、上記駆動軸6の前端部に設けられたスプロケット1
9と、このスプロケット19と上記駆動軸6とを、所定
の角度範囲内において相対的に回転させる位相制御用油
圧アクチュエータ20と、から構成されている。上記ス
プロケット19は、図示せぬタイミングチェーンもしく
はタイミングベルトを介して、クランクシャフトに連動
している。上記位相制御用油圧アクチュエータ20への
油圧供給は、エンジンコントロールユニット17からの
制御信号に基づき、第2油圧制御部21によって制御さ
れている。この位相制御用油圧アクチュエータ20への
油圧制御によって、スプロケット19と駆動軸6とが相
対的に回転し、図4に示すように、リフト中心角が遅進
する。つまり、リフト特性の曲線自体は変わらずに、全
体が進角もしくは遅角する。また、この変化も、連続的
に得ることができる。位相可変機構2としては、油圧式
のものに限られず、電磁式アクチュエータを利用したも
のなど、種々の構成が可能である。
【0039】なお、リフト・作動角可変機構1ならびに
位相可変機構2の制御としては、実際のリフト・作動角
あるいは位相を検出するセンサを設けて、クローズドル
ープ制御するようにしても良く、あるいは運転条件に応
じて単にオープンループ制御するようにしても良い。
【0040】尚、本実施例においては、クランク角セン
サによって内燃機関の回転数を、スロットル弁の開度に
よって内燃機関の負荷を、それぞれ検出している。尚、
これらの各検出値は、上記エンジンコントロールユニッ
ト17へ入力される。
【0041】図5に示すのはエンジンの起動時に確実に
小リフトとなるよう吸気弁開閉時期の最適制御を行った
場合の各運転条件に対応した吸気弁4の開閉時期を示
す。 ・アイドリング時 エンジン停止のステップを考えればこの運転条件におい
て、小リフトに制御するのは基本となる.停止・起動の
頻度も他の条件に比べれば格段に大きく、確実に十分な
小リフトにすることが必要である。従って、小リフト・
小作動角とアイドリング燃費、安定度が両立させる制御
法が不可欠となる。アイドリング時はそのままエンジン
キーを切れば直ちにエンジン回転が停止するため、小リ
フト化に移行する時間の余裕は少ない。従って十分に小
リフト・小作動角でも、安定した燃焼と少ないポンプ損
失による最小限の燃料消費で運転される必要がある。こ
こでは図5のに示すように、極小作動角(極小リフ
ト)とし、中心角Φを遅角させ、吸気弁開時期(IVO)
を上死点後に遅らせた設定とし、吸気弁閉時期(IVC)
は下死点近傍に設定している。IVOを遅らせることに
より、吸入初期には残留ガスの断熱膨張が可能となるた
め、通常の上死点付近のIVOに比べれば、筒内が吸入
負圧レベルの負圧になる時期が遅れるため、ポンプ損失
が低減される。また、IVCを下死点付近に設定するこ
とにより、実圧縮比は最大となるから、燃焼を安定させ
ることが出来る。吸気弁4のリフト量はアイドリング条
件では小さい方がガス流動が促進されて燃焼改善に有利
となるため、このように中心角を遅らせたIVO,IV
Cの設定により、十分な小リフトで理想的な燃焼、燃費
特性を得ることが出来る。ただし、このように中心角を
遅らせることは起動直後でも良いが、吸気弁4のリフト
によるフリクションは起動時が問題になるため、アイド
リング以外の条件でも、エンスト時など、予期しないエ
ンジン停止の際にも、十分な余裕を持って小リフトにな
っていることが必要になる。 ・R/L時 図5の他の条件〜の吸気弁開閉時期は、エンスト時
など、予期しないエンジン停止の際にも、十分な余裕を
持って小リフトになっていることを考慮した設定となっ
ている。
【0042】低速の定常走行時(R/L)においては、
に示すように、吸気弁4のリフト・作動角はアイドリン
グよりは大きくなっているが、小リフト設定とし、中心
角を進角させた設定としている。この場合、実圧縮比は
低下するが、実ストロークも低下するため、大幅なポン
プ損失低減効果が得られる。ただし、このレベルの実圧
縮比低下は燃焼条件がさらに厳しいアイドリング運転に
は適さない。このリフト設定であればエンスト時にも、
そのままの小リフトでも十分トラブルは回避できる。中
心角は起動後直ちにアイドリングの設定に遅角させれ
ば、支障無く良好なアイドリング運転に移行できる。
【0043】大リフト・大作動角でポンプ損失低減を狙
った設定では、IVCが図中の破線で示す位置とな
り、このような設定では、エンスト時に十分な小リフト
に移行することは出来ない。また、バルブ駆動に要する
フリクションも大きく、小リフト時のようなガス流動の
強化も期待出来ないから、燃費性能上も不利である。こ
のような大リフト.作動角設定は固定リフト方式の場
合、しばしば用いられている。 ・加速時 加速時は、に示すように、中心角Φを進角させた条件
で、吸気弁4のリフト・作動角もR/Lのの条件に比
べれば微増している。バルブオーバラップを拡大してポ
ンプ損失の低減と、NOx低減を両立させるのが、この
設定の狙いである。加速時はさらにエンストし難い上、
万一エンストしてもエンジン停止までの時間的な余裕も
多少あることから、このようなリフト設定でもアイドリ
ング時のような極小リフト・作動角に移行することはで
きる。仮にそのような余裕が無くても、頻度が少なけれ
ば問題無い。
【0044】大リフト・大作動角でポンプ損失低減を狙
った設定では、IVCが図中の破線で示す位置とな
り、やはりこの設定ではエンスト時に十分な小リフトに
移行することは出来ない。バルブ駆動に要するフリクシ
ョンも大きく、小リフト時のようなガス流動の強化も期
待出来ない点も同様である。 ・全開(低速)時 この条件では充填効率を最大とするため、に示すよう
に、IVCは下死点近傍、IVOは上死点近傍とするこ
とが必要であり、リフト・作動角も中程度の設定となっ
ている。エンスト時の余裕は上述した加速時よりもさら
に大となるため、中程度のリフト・作動角から小リフト
化への移行時間は確保できる。 ・全開(高速)時 この条件では、に示すように、吸気弁4のリフト・作
動角は最大の設定とし、機関の性能ポテンシャルを最大
限に発揮できるような設定が必要となる。エンジン停止
までの余裕時間も長いため、このような設定が可能とな
る。
【0045】図6に以上述べてきたような、吸気弁4の
吸排時期の全体制御マップを示す。吸気弁4のリフト・
作動角はエンジン回転数の増大に応じて、またエンジン
負荷の増大に応じて、漸次使用範囲を拡大するような特
性としており、これが上述したように燃費、出力性能の
向上と、不意のエンストに際しても確実に小リフトでの
エンジン起動を両立させる特性を与える。
【0046】図7に減速時のバルブ制御特性を示す。こ
の場合は高速からのゆっくりした減速の条件であり、エ
ンジン回転数の低下に対応して、バルブリフト、作動角
を漸減させているが、アイドリングに入るまではIVO
を上死点近傍に保ち、吸気弁4の閉時期をR/L運転と
同様に下死点から進角させている。そのために中心角Φ
を小リフト・作動角になるに従って進角させるが、アイ
ドリングに移行した時点で大幅に遅角させ、IVCを下
死点近傍として実圧縮比を確保している。この条件では
吸入負圧が大であるため、IVOは上死点から大幅に遅
らせた方がポンプ損失が少ないことは前述の通りであ
る。
【0047】図8に示すのは固定動弁機構と本願の対象
となる可変動弁機構の場合の駆動トルク特性を比較した
ものである.リフト、作動角の関係は上述した図3に示
す特性に従っている。固定動弁機構の場合、バルブリフ
ト量は可変ではないため、リフト・作動角の異なる(図
3の特性に合わせたもの)多くのカムのデータを集約し
たものとなる。
【0048】例えば、固定動弁機構が最大リフト量Pと
なるよう設定されているとすると、可変動弁機構をバル
ブリフト量Qよりも高い状態で使用した場合には、固定
動弁機構に比べ可変動弁機構の吸気弁の駆動トルクは大
きくなる。しかし、可変動弁機構をバルブリフト量Qよ
りも低い小リフトに制御することにより、固定動弁機構
に比べて、吸気弁の駆動トルクを小さくすることができ
る。
【0049】図9は、吸気弁4のリフト・作動角の制御
のフローチャートを示している。
【0050】ステップ11では、機関回転数、スロット
ル開度等のエンジンの運転条件を検出する。
【0051】ステップ12では、ステップ11で検出さ
れた運転条件に基づいて、制御マップよりIVO、IV
Cの設定値を読み込む。
【0052】そして、ステップ13及びステップ14に
て、IVO、IVC及び中心角Φがステップ6で読み込
まれた設定値となるようアクチュエータ16,20を作
動させる。
【0053】図10は、エンスト時における吸気弁4の
リフト制御のフローチャートを示している。
【0054】ステップ21では、エンジン回転数が所定
値以上、例えば500rpm以上あるか否かを判別し、
所定値以下の場合はステップ22に進み、アクチュエー
タ16を作動させ、吸気弁4のリフト量が最小となるよ
う制御する。
【0055】尚、本実施例では、リフト・作動角を所定
値以下に設定するという例を示して説明しているが、仮
に所定値を有さずに、機関停止時に次の始動を考慮し
て、リフト・作動角を小リフト・小作動角側に移行制御
するものについても、本願の技術思想と同義であること
は言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内燃機関の制御装置に用いられる
吸気弁の可変動弁機構を示す斜視図。
【図2】リフト・作動角可変機構を示す断面図。
【図3】リフト・作動角可変機構によりリフト・作動角
の特性変化を示す特性図。
【図4】位相可変機構によるバルブリフト特性の位相変
化を示す特性図。
【図5】エンジンの運転条件の変化に伴う吸気弁の開閉
特性変化を示す説明図。
【図6】エンジンの運転条件に対応したバルブリフト特
性を示す説明図。
【図7】減速時の各部動作を示すタイミングチャート。
【図8】可変動弁機構と固定動弁機構との駆動トルク特
性を示す説明図。
【図9】リフト・作動角制御のフローチャート。
【図10】エンスト時におけるリフト制御のフローチャ
ート。
【図11】エンジン回転数によるバルブ系の駆動トルク
特性を示す説明図。
【図12】図11における可変動弁機構の大リフト及び
小リフト制御時のリフト・作動角の特性変化と、固定動
弁機構のリフト・作動角の特性変化とを比較した特性
図。
【符号の説明】
1…リフト・作動角可変機構 2…位相可変機構 6…駆動軸 7…偏心カム 8…制御軸 9…偏心カム部 10…ロッカーアーム 13…リンクアーム 14…リンク部材 16…リフト・作動角制御用アクチュエータ 17…エンジンコントロールユニット 20…位相制御用油圧アクチュエータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹村 信一 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3G018 AB05 AB19 BA06 BA09 BA13 BA17 BA19 BA24 BA36 CA07 CB03 CB05 DA03 DA11 DA15 DA19 DA70 FA01 FA06 FA07 GA08 GA11 GA21 3G092 AA11 DA05 EA09 EC03 FA18 FA24 FA25 FA31 FA50 GA01 GA10 GA17 HA06Z HA11Z HE01Z

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気弁のリフト・作動角を同時にかつ連
    続的に拡大,縮小制御可能なリフト・作動角可変機構
    と、内燃機関の回転数および負荷を検出する手段と、こ
    の機関回転数および負荷に応じて上記吸気弁のリフト・
    作動角を制御する制御手段と、を備えた車両用内燃機関
    の制御装置において、 機関停止時には、機関回転が完全に停止する前に、上記
    吸気弁のリフト・作動角が所定値以下になるように制御
    すること特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 【請求項2】 上記制御手段は、機関無負荷運転条件に
    おいて、上記吸気弁を常に所定値以下の小リフト・小作
    動角に制御することを特徴とする請求項1に記載の車両
    用内燃機関の制御装置。
  3. 【請求項3】 吸気弁のリフトの中心角の位相を遅進さ
    せる位相可変機構を備え、機関無負荷運転条件におい
    て、上記吸気弁の閉時期が下死点近傍に位置するよう
    に、上記吸気弁の中心角を制御することを特徴とする請
    求項1または2に記載の車両用内燃機関の制御装置。
  4. 【請求項4】 機関回転が低下し停止に至る過程におい
    ては、上記吸気弁のリフト・作動角の縮小制御は上記吸
    気弁の中心角制御よりも優先的に行われるようにしたこ
    とを特徴とする請求項3に記載の車両用内燃機関の制御
    装置。
  5. 【請求項5】 上記吸気弁のリフト・作動角は機関回転
    数の増大に応じて、漸次使用範囲を拡大するようにした
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車両
    用内燃機関の制御装置。
  6. 【請求項6】 上記吸気弁のリフト・作動角は機関負荷
    の増大に応じて、漸次使用範囲を拡大するようにしたこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車両用
    内燃機関の制御装置。
  7. 【請求項7】 上記リフト・作動角可変機構は、駆動軸
    により回転駆動される偏心カムと、この偏心カムの外周
    に相対回転可能に嵌合したリンクアームと,上記駆動軸
    と平行に設けられ、かつ偏心カム部を備えた回動可能な
    制御軸と、この制御軸の偏心カム部に回転可能に装着さ
    れ、かつ上記リンクアームにより揺動されるロッカアー
    ムと、上記駆動軸に回転可能に支持されるとともに、上
    記ロッカアームにリンクを介して連結され、該ロッカア
    ームに伴って揺動することにより吸気弁のタペットを押
    圧する揺動カムと、を備えており、上記制御軸の偏心カ
    ム部の回動位置を変化させることにより吸気弁のリフト
    ・作動角が同時に増減変化するように構成されているこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の車両用
    内燃機関の制御装置。
  8. 【請求項8】 上記制御軸を回転駆動し、該制御軸の偏
    心カム部の回動位置を制御するアクチュエータは、該ア
    クチュエータの駆動動力源がOFFの条件において、上
    記吸気弁を小リフト・小作動角側に付勢するように構成
    したことを特徴とする請求項7に記載の車両用内燃機関
    の制御装置。
  9. 【請求項9】 上記位相可変機構は、上記駆動軸と同心
    に回転可能に配置され、かつチエーンもしくはタイミン
    グベルトを介してクランクシャフトに従動するスプロケ
    ットと、このスプロケットと上記駆動軸との間に装着さ
    れ、両者の相対的な位相を変化させる手段と、を備えて
    いることを特徴とする請求項7に記載の車両用内燃機関
    の制御装置。
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