JP4415788B2 - 内燃機関の可変動弁装置及びその制御方法 - Google Patents

内燃機関の可変動弁装置及びその制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、吸・排気弁(吸気弁又は排気弁)のリフト量を可変とするリフト可変機構と吸・排気弁のリフト中心角を遅進させる位相可変機構と、を併用する内燃機関の可変動弁装置に関する。
特許文献1には、吸気弁のリフト量及び作動角を連続的に拡大・縮小可能なリフト可変機構と、吸気弁のリフト量や作動角を変えることなく、そのリフト中心角、すなわちクランク角に対するリフト中心角の位相を遅角・進角させる位相可変機構と、を併用した内燃機関の可変動弁装置が記載されている。この特許文献1では、機関停止時であってクランクシャフトの回転が完全に停止する前に、リフト・作動角を所定値以下に抑制することにより、次回の機関始動時のフリクションを低減している。
特開2002−089303号公報
主として初爆時の燃焼安定性を図るために、典型的には特許文献1にも記載されているように、機関始動時における吸気弁のリフト中心角の目標値は(最)遅角位置である。従って、通常、機関停止時には予めリフト中心角を遅角位置に戻した状態となるように制御が行われる。しかしながら、後述するような理由によって、万が一にも、上記リフト中心角が所定の遅角位置に復帰する前、つまりこの遅角位置よりも進角した位置で機関が停止してしまうと、次回の機関起動時に、十分な有効圧縮比が得られず、良好な初爆が得られないおそれがある。
上記理由の典型的な例として、クランクシャフトにより回転駆動される油圧ポンプから供給される油圧を利用して、位相可変機構によるリフト中心角を変更させるものでは、機関回転数の低下に応じて油圧ポンプの油圧が低下していくので、機関停止直前のように機関回転数がアイドル回転数よりも低い極低回転域では、油圧そのものが低くなり、この油圧を利用した位相可変機構によるリフト中心角の変更が良好に行われない。従って、仮にこのような機関停止直前の状況で未だ所定の遅角位置に復帰していないと、油圧制御のみによっては遅角位置に復帰させることができないおそれがある。
このような油圧駆動式の位相可変機構として、周知のベーンやスプラインを利用してクランクシャフトに対するカムシャフトの位相を遅進させる形式のものでは、その構造上、吸気弁のバルブスプリング等の動弁反力が遅角側に作用する。従って、吸気弁のリフト量が大きくなるほど、上記リフト中心角を遅角側へ復帰させようとする反トルクが大きくなる。但し、上記特許文献1に記載されているように、アイドル運転時のような機関停止直前の運転状態では、次回の機関始動時のバルブ駆動力(動弁反力)を十分に小さな値に抑制するように、リフト量の目標値を極小値としていると、遅角側へ作用する反トルクも極めて小さくなり、上述したように遅角位置への復帰はやはり困難なものとなる。排気弁側に可変動弁装置を適用した場合にも、同様の課題が存在する。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、機関停止状態へ向けて機関回転数が低下する機関停止過渡期に、次回の機関始動時に確実かつ良好な初爆が得られるように、リフト可変機構を利用して位相可変機構によるリフト中心角を所定の遅角位置に確実に復帰させることを可能とする新規な内燃機関の可変動弁装置及びその制御方法を提供するものである。
すなわち、吸・排気弁のリフト量を拡大・縮小可能なリフト可変機構と、上記吸・排気弁のリフト量を変化させることなく、上記吸・排気弁のリフト中心角を遅角・進角可能な位相可変機構と、を備え、機関始動時でのリフト中心角の目標値が所定の遅角位置である内燃機関の可変動弁装置において、機関停止状態へ向けて機関回転数が低下する機関停止過渡期に、上記吸・排気弁のリフト量を一時的に拡大した後に縮小するリフト拡大手段を有することを特徴としている。
本発明によれば、機関停止状態へ向けて機関回転数が低下する機関停止過渡期に、リフト可変機構を利用して吸・排気弁のリフト量を拡大することによって、位相可変機構によるリフト中心角を所定の遅角位置に確実に復帰させることが可能となり、次回の機関始動時に確実かつ良好な初爆・始動を行うことができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る内燃機関の可変動弁装置を吸気弁側に適用した例を示す構成説明図である。この可変動弁装置は、吸気弁4のリフト・作動角を連続的に変更可能なリフト・作動角可変機構1と、吸気弁のリフト曲線・プロフィールを変化させることなく、そのリフト・作動角のリフト中心角の位相(クランク角に対する位相)を連続的に進角もしくは遅角させる位相可変機構2と、が組み合わされて構成されている。
リフト・作動角可変機構1は、クランクシャフトにより回転駆動される中空状の駆動軸6と、この駆動軸6に圧入等により固定された偏心カム7と、駆動軸6と平行に配置された制御軸8と、この制御軸8の制御偏心カム9に揺動自在に支持されたロッカアーム10と、吸気弁4の上端部に配置されたタペット11に当接する揺動カム12と、を備えている。上記偏心カム7とロッカアーム10とは第1リンク13によって繋がれており、ロッカアーム10と揺動カム12とは第2リンク14によって繋がれている。
上記吸気弁4は、周知のように、シリンダヘッドの吸気ポートの開口を開閉するものであって、シリンダヘッドにバルブガイドを介して摺動自在に設けられている。上記駆動軸6は、後述するように、タイミングチェーン30(図4参照)ないしはタイミングベルトを介して機関のクランクシャフトによって回転駆動される。上記偏心カム7は、円形外周面を有し、該外周面の中心が駆動軸6の軸心から所定量だけオフセットしているとともに、この外周面に、第1リンク13の環状部が回転可能に嵌合している。上記ロッカアーム10は、略中央部が上記制御偏心カム9によって支持されており、その一端部に、上記第1リンク13の延長部が連係しているとともに、他端部に、上記第2リンク14の上端部が連係している。上記制御偏心カム9は、制御軸8の軸心から偏心しており、従って、制御軸8の角度位置に応じてロッカアーム10の揺動中心位置がシリンダヘッド等の機関固定体に対して変位する。上記揺動カム12は、駆動軸6の外周に嵌合して回転自在に支持されており、側方へ延びた端部に、上記第2リンク14の下端部が連係している。この揺動カム12の外周面には、揺動カム12の揺動位置に応じてタペット11の上面に接触してこれを押圧するカムプロフィールが形成されている。
上記制御軸8は、一端部に設けられたリフト・作動角変更用アクチュエータとしての電動モータ16によって、所定回転角度範囲内で回転位置が変更・保持される。この電動モータ16の動作はエンジンコントロールユニット17からの制御信号によって制御される。
このリフト・作動角可変機構1の作用を説明する。クランクシャフトの回転に連動して駆動軸6が回転すると、偏心カム7のカム作用によって第1リンク13が略上下動し、これに伴ってロッカアーム10が揺動する。このロッカアーム10の揺動は、第2リンク14を介して揺動カム12へ伝達され、該揺動カム12が揺動する。この揺動カム12のカム作用によって、タペット11が押圧され、吸気弁4がリフトする。
電動モータ16を介して制御軸8の角度位置を変更すると、制御偏心カム9の初期位置、つまりはロッカアーム10の揺動支点位置が変化する。これにより、吸気弁4のバルブリフト量(最大リフト量)及び作動角の双方が連続的に拡大又は縮小する。特に、このリフト・作動角可変機構1にあっては、リフト・作動角の大小変化に伴い、吸気弁4の開時期と閉時期とがほぼ対称に変化し、つまりリフト中心角は実質的に変化しない。
位相可変機構2は、図2にも示すように、クランクシャフトにより回転駆動されるスプロケット19を備えた第1回転体20と、駆動軸6の前端部に固定され、この駆動軸6とともに回転する第2回転体21と、を有している。スプロケット19は、タイミングチェーン30(図4参照)を介して、クランクシャフトに連動してクランクシャフトの半分の回転速度で回転する。第2回転体21は、第1回転体20の内部に同軸上に収容配置されている。第1回転体20には、径方向内方へ張り出した凸部22が4箇所に形成されており、隣り合う凸部22間の空間が、第2回転体21に設けられた4つのベーン24によって、それぞれ、進角室25と遅角室26とに液密に隔てられている。
再び図1を参照して、油圧制御弁27には、進角室25及び遅角室26へ通ずる油路Y1,Y2と、油圧源である油圧ポンプ28から油圧が供給される油圧供給油路Y3と、オイルパン29側へ作動油を排出するドレーン油路Y4とが接続されている。エンジンコントロールユニット17からの制御信号により油圧制御弁27をON−OFF駆動(デューティー制御)することにより、上記油路Y1〜Y4の接続状態が切り換えられて、進角室25及び遅角室26の油圧がそれぞれ調整され、第1回転体20と第2回転体21との相対回転位置が変化し、スプロケット19と駆動軸6とが相対的に回転して、吸気弁の作動角が一定のまま、そのリフト中心角の位相が遅進する。上記の油圧ポンプ28は、周知のように、クランクシャフトによって回転駆動されることにより作動油を加圧する機械式のポンプである。従って、油圧ポンプ28からの供給油圧は、機関回転数に応じて変化する。
リフト・作動角可変機構1ならびに位相可変機構2の制御としては、実際のリフト・作動角あるいは位相を検出するセンサを設けて、クローズドループ制御するようにしても良く、あるいは運転条件に応じて単にオープンループ制御するようにしても良い。内燃機関の回転数は、例えばクランク角センサ18を利用して検出・演算され、内燃機関の負荷は、例えばスロットル弁の開度によって推定・検出される。これらの各検出値は、上記エンジンコントロールユニット17へ入力される。
このようにリフト・作動角可変機構1と位相可変機構2とを併用することにより、機関運転条件に応じて吸気弁の開時期と閉時期とをそれぞれ独立して適切に設定することが可能となる。図3は、代表的な5つの運転条件における吸気弁開閉時期の設定例を示している。図中、IVOは吸気弁開時期、IVCは吸気弁閉時期、Φは吸気弁のリフト中心角の位相をそれぞれ表している。なお、各設定の詳細な説明については、上記の特開2002−89303号公報に詳しく開示されている。
図中(1)のアイドル運転条件におけるリフト中心角Φの目標値は、位相可変機構2によるリフト中心角の変換範囲の中で最も遅角した最遅角位置Φ1に設定されている。他の(2)〜(5)の運転条件では、リフト中心角の目標値Φが最遅角位置Φ1よりも進角した位置に設定されている。
機関始動時でのリフト中心角Φの目標値は、初爆時の燃焼安定性を確保するためにできるだけ遅角側が望ましく、ここではアイドル目標値と同じく最遅角位置Φ1に設定される。一般的に、機関停止直前の運転条件はアイドル運転条件であり、この場合、機関停止状態でのリフト中心角が既に最遅角位置Φ1となっているため、機関始動時にリフト中心角を変換する必要がない。
ここで、図3の(2)に示すR/L(ロード/ロード)域のように、リフト・作動角可変機構1のリフト・作動角が小さく、かつ位相可変機構2のリフト中心角が最遅角よりも大幅に進角した状態で、万が一機関が停止する場合を想定する。
位相可変機構2の構造上、吸気弁のバルブスプリング等からの反力によって、駆動軸6と一体的に回転する第2回転体21に対し、遅角側への反トルクが作用する。この反トルクは、図4に示されるように、特にバルブリフト量(最大リフト量)と大きく関連しており、リフト量が大きくなるほど反トルクも増大する。一般的な固定動弁系で使用されるリフト量と同じ中程度(例えば、図3の加速域(3)程度)のリフト・作動角では、十分に大きな反トルクが得られるため、機関の燃焼(作動)停止後、エンジン回転数がアイドル回転数よりも低下していき、最終的に「0」(零)となって機関が完全に停止するまでの機関停止過渡期において、仮にリフト中心角が最遅角位置Φ1より進角していたとしても、上記の反トルクにより最遅角位置Φ1まで復帰させることが可能である。以下、この理由について説明を加える。
図5は、回転軸6及び位相可変機構2の第2回転体21に加わる反トルクを、リフト・作動角可変機構1によるリフト・作動角と機関回転数との関係で整理したものであって、Aは小リフト・作動角、Bは大リフト・作動角、及びCは固定動弁系の設定相当の中間リフト・作動角での設定状態にそれぞれ対応している。また、tTqは、機関回転数がアイドル回転数iNeよりも低下して停止に至る機関停止過渡期に、位相可変機構2を最遅角位置Φ1に復帰させるために必要な最小限のトルクしきい値に相当する。
この図5に示すように、小リフトAの場合には、機関回転数全域にわたって、トルクしきい値tTqを下回っている。そのため、小リフトAの状態では、機関停止過渡期に位相可変機構2を遅角側へ変換することができず、最遅角位置Φ1よりも進角した位置で停止してしまうおそれがある。一方、中リフトBや大リフトCの設定状態では、上記の小リフトAに比して反トルクが大きく、特に、機関回転数がアイドル回転数iNeよりも低い回転数領域では反トルクが急激に増大する。したがって、機関回転数がアイドル回転数よりも更に低く低下していき「0」に至る機関停止過渡期において、万が一リフト中心角が最遅角位置Φ1よりも進角した位置であっても、大リフト・作動角(B)や中間リフト・作動角(C)の場合のようにリフト量がある程度大きければ、反トルクがトルクしきい値tTqを上回ることとなり、機関停止過渡期において位相可変機構2を最遅角位置Φ1まで確実に復帰させることが可能となる。
そこで、本発明に係る実施例では、機関回転数がアイドル回転数iNeよりも更に低く低下していき、完全な機関停止状態である「0」に至るまでの機関停止過渡期には、後述するようにリフト量を上記のトルクしきい値tTqに対応する所定のリフトしきい値tVLよりも拡大する。このリフトしきい値tVLは、位相可変機構2を最遅角位置Φ1に復帰させるために最低限必要な反トルクが得られるように、それぞれの内燃機関の仕様に応じて実験的に設定するのが望ましい。
図6は、本発明の第1実施例に係る制御の流れを示すフローチャートであり、上記のエンジンコントロールユニット17により記憶及び実行される。S(ステップ)1では、リフト中心角が最遅角位置Φ1(又はその近傍)であるかを判定する。リフト中心角が既に最遅角位置Φ1にあれば、後述するS3のリフト・作動角の拡大処理を行うことなく本ルーチンを終了しており、つまりリフト・作動角の拡大処理を禁止している。このS1の判定処理を行うことにより、リフト中心角が既に機関始動時の目標値である最遅角位置Φ1にある場合に、リフト・作動角可変機構1によるリフト中心角の拡大・縮小動作が無駄に行われることを確実に回避することができる。但し、制御の簡素化を図るために、上記S1の処理を省略しても良い。
S2では、機関停止過渡期(機関停止中)であるかを判定する。例えば、運転者のキー操作による機関停止要求に応じて機関停止を開始した場合に、機関停止過渡期であると判定する。また、好ましくは、失火等に起因して運転者の意図にかかわらず不用意に機関回転数が「0」へ向かって低下していく場合にも、機関回転数及びその低下速度に基づいて機関停止過渡期であることを推定する。このようにして機関停止過渡期であると判定されると、S3へ進み、吸気弁のリフト量及び作動角を一時的に拡大するように、リフト・作動角制御用アクチュエータ16へ制御信号を出力して、その動作を制御する。
このS3のリフト・作動角の拡大制御処理の一例を図7に示す。機関停止過渡期には、先ずS3Aにおいて、リフト・作動角を予め定めたリフトしきい値tVLよりも高くなるように拡大し、その後、リフト・作動角を機関始動時の目標値である最小リフト側へ向けて縮小・復帰させる。このように、リフト・作動角を拡大した後、機関回転数が完全に停止する(0となる)前に、リフト・作動角を機関始動時の目標値である最小リフト・作動角側へ縮小することにより、機関停止状態でのリフト・作動角が必要以上に大きくなることを防止でき、上記の特開2002−089303号公報にも記載されているように、起動時のフリクションを確実に低減することができる。
この図7の制御処理を適用した場合のタイムチャートを図8に示す。図中、Aはリフト量、Bは機関回転数、Cは位相可変機構2によるリフト中心角Φに対応する。同図に示すように、機関回転数が低下し停止に至るまでの機関停止過渡期ΔTendには、リフト量の目標値を、所定期間ΔTend1だけ所定の拡大リフト量kVLとした後、機関始動時の目標値に相当する最小リフト量VLminへ戻す。上記の拡大リフト量kVLは、上記のトルクしきい値tTqが得られる最小限のリフト量しきい値tVLよりも大きな値であり、このリフト量しきい値tVLは、少なくともアイドル時の目標リフト量よりも大きな値である。これにより、実際のバルブリフト量は、図8の矢印A1に示すように一時的にトルクしきい値tTqに対応するリフトしきい値tVLよりも拡大した後、最小リフト量VLminまで縮小することとなる。
このように機関停止過渡期ΔTendに、リフト・作動角を所定のリフトしきい値tVLよりも拡大しているので、図8(C)に示すようにリフト中心角を初期の最遅角位置Φ1まで確実かつ迅速に復帰させることができる。また、このようなリフト拡大後であって、機関が完全に停止する前に、吸気弁のリフト量を、機関始動時の目標値である最小リフト量VLminへ向けて予め縮小しているので、次回の機関始動時にリフト・作動角を変換する必要がなく、始動応答性が向上する。
図6のS3のリフト・作動角拡大制御処理の他の例を図9に示す。機関停止過渡期ΔTendにおいて、先ずS3Cにおいて、リフト量の検出値又は推定値である実リフト量rVLが所定値、例えば上記のリフトしきい値tVLよりも低いかを判定する。上記の実リフト量rVLは、例えば制御軸8の角度を検出するセンサの検出信号に基づいて得ることができる。実リフト量rVLがリフトしきい値tVLよりも低ければ、S3Dへ進み、リフト量を拡大・増加させる。例えば、図8に示すように、リフトしきい値tVLを越える上記の拡大リフト量kVLを目標値としてリフト・作動角可変機構1を駆動制御する。一方、実リフト量rVLがリフトしきい値tVL以上であれば、S3Eへ進み、リフト量を縮小・減少させる。例えば、図8に示すように、機関始動時のリフト量の目標値である最小リフト量VLminへ向けてリフト・作動角可変機構1を駆動制御する。このように、実リフト量rVLがリフトしきい値tVLよりも低い場合にのみ、リフト量の拡大制御を行うことにより、不必要にリフト量の拡大が行われることを無くし、無駄なリフト拡大動作が行われることを回避できる。
図10及び図11は、本発明の第2実施例に係る制御の流れを示すフローチャート及びタイムチャートである。S11では、機関回転数がアイドル回転数よりも低い所定の極低回転域ΔNe_Lowにあるかを判定する。機関回転数は上述したようにクランク角センサ18等により検出・演算される。
S12では、機関回転数が低下中であるかを判定する。機関回転数が極低回転域ΔNe_Low内にある状況としては、機関始動直後に機関回転数が上昇する機関始動直後と、上記の機関停止過渡期ΔTendと、がある。このS12の判定処理を行うことにより、機関始動直後に誤ってS13のリフト・作動角の拡大処理が行われることを確実に回避することができる。従って、次回の機関始動・初爆時におけるリフト・作動角が不用意に高くなって吸入空気量が過多となり、回転数が一時的に上昇する、いわゆるオーバーシュートを確実に防止することができる。但し、制御の簡素化のために、このS12の処理を省略しても良い。
機関回転数が極低回転域ΔNe_Lowにあり、かつ、機関回転数が低下している状況では、S13へ進み、リフト・作動角を拡大する。例えば、上述したように、上記のリフトしきい値tVLを越える拡大リフト量kVLを目標値としてリフト・作動角可変機構1を駆動制御する。
このようにリフト量を拡大する極低回転域ΔNe_Lowに所定のバンド幅を持たせることによって、結果的に、機関回転数が「0」へ向かって低下する機関停止過渡期ΔTendには、機関回転数が極低回転域ΔNe_Lowまで低下するとリフト量が拡大し、機関回転数が更に低下して回転域ΔNe_Lowよりも低くなると、リフト量が縮小することとなる。極低回転域ΔNe_Lowのバンド幅は、個々の内燃機関の要求・仕様に応じて最適な値となるように予め設定される。
このように第2実施例では、機関回転数が所定の極低回転域ΔNe_Lowにある場合にリフト量を拡大することにより、結果的に、第1実施例と同様、機関停止過渡期ΔTendにリフト量が一時的に拡大した後に縮小することとなり、上述した種々の効果が得られることに加え、リフト拡大の実行判定を、機関制御において汎用的に用いられる機関回転数のみに基づいて行うことができるので、センサ部品等の追加が不要で、かつ、判定処理が容易で演算負荷やメモリ使用量を軽減することができる。
以上のように、本発明を具体的な実施例に基づいて説明してきたが、本発明は、図示実施例の構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変形・変更を含むものである。例えば、本発明に係る可変動弁装置を吸気弁側に適用した場合について説明してきたが、これと同様に排気弁側にも適用可能である。
また、本発明の「所定の遅角位置」とは、好ましくは上記実施例のように制御上又は機構上の変換範囲の中で最も遅角側の最遅角位置Φ1であるが、広義には最遅角位置よりも適宜進角している範囲内の値を含むものである。更に、本発明の「位相可変機構」は、好ましくは上記実施例のように油圧ポンプからの供給油圧を駆動源とする油圧駆動式であるが、広義には電動式のもの等を含んでいる。
以上の説明より把握し得る発明の特徴的な技術思想について以下に列記する。但し、本発明は参照符号により特定される図示実施例の構成に限定されるものではない。
(1)吸・排気弁のリフト量を拡大・縮小可能なリフト可変機構1と、上記吸・排気弁のリフト量を変化させることなく、上記吸・排気弁のリフト中心角Φを遅角・進角可能な位相可変機構2と、を有し、機関始動時での上記リフト中心角の目標値が所定の遅角位置Φ1である内燃機関の可変動弁装置において、機関停止状態へ向けて機関回転数が低下する機関停止過渡期ΔTendに、上記リフト可変機構1によりリフト量を拡大するリフト拡大手段(S3,S13)を有する。
(2)典型的には、図8に示すように、上記リフト量が所定のリフトしきい値tVLよりも低い場合に、上記リフト量を上記リフトしきい値tVLよりも高くする。
(3)上記リフトしきい値tVLは、リフト中心角を所定の遅角位置Φ1へ復帰させるのに必要な反トルクが得られるように、少なくともアイドル時の目標リフト量よりも大きい値である。
(4)好ましくは、図8の符号A1に示すように、上記吸・排気弁のリフト量を一時的に拡大した後に、機関始動時の設定に近づけるように縮小させる。これにより、次回の機関始動時にリフト量を変換する必要がなく、始動応答性が向上する。
(5)更に好ましくは、上記吸・排気弁のリフト中心角が既に上記遅角位置Φ1又はその近傍にある場合に、リフト中心角を遅角位置Φ1へ復帰するためのリフト量の拡大が無駄に行われることのないように、このようなリフト量の拡大を禁止する。
(6)図10及び図11に示す第2実施例のように、機関回転数がアイドル回転数よりも低い所定の極低回転域ΔNe_Lowにある場合に、上記リフト量を拡大することにより、結果的に、上述したように機関停止過渡期にリフト量が一時的に拡大した後に縮小することとなる。
(7)好ましくは、クランクシャフトにより回転駆動される油圧ポンプ28を備え、上記位相可変機構2が、上記油圧ポンプ28からの油圧を利用して上記リフト中心角の位相を吸・排気弁のバルブ反力に抗して進角させるものである。
本発明に係る内燃機関の可変動弁装置を吸気弁側に適用した例を示す概略構成図。 本発明に係る位相可変機構の一例を示す断面図。 代表的な5つの運転条件での吸気弁の開閉時期の設定を示す説明図。 吸気弁側からの反トルクと吸気弁のリフト量との関係を示す説明図。 3つのリフト設定条件での反トルクと機関回転数との関係を示す説明図。 本発明の第1実施例に係る制御の流れを示すフローチャート。 上記第1実施例のリフト・作動角の拡大制御の一例を示すフローチャート。 上記第1実施例に係る機関停止過渡期近傍のタイムチャート。 上記第1実施例のリフト・作動角の拡大制御の他の例を示すフローチャート。 本発明の第2実施例に係る制御の流れを示すフローチャート。 上記第2実施例に係る機関停止過渡期近傍のタイムチャート。
符号の説明
1…リフト可変機構
2…位相可変機構
17…エンジン・コントロール・ユニット

Claims (7)

  1. 吸・排気弁のリフト量を拡大・縮小可能なリフト可変機構と、
    上記吸・排気弁のリフト量を変化させることなく、上記吸・排気弁のリフト中心角を遅角・進角可能な位相可変機構と、を有し、
    機関始動時でのリフト中心角の目標値が所定の遅角位置である内燃機関の可変動弁装置において、
    機関停止状態へ向けて機関回転数が低下する機関停止過渡期に、上記吸・排気弁のリフト量を一時的に拡大した後に縮小するリフト拡大手段を有することを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 上記リフト拡大手段は、上記リフト量が所定のリフトしきい値よりも低い場合に、上記リフト量を上記リフトしきい値よりも高くすることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  3. 上記リフトしきい値が、少なくともアイドル時の目標リフト量よりも大きい値であることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  4. 上記リフト中心角が既に上記遅角位置又はその近傍にある場合に、上記リフト拡大手段によるリフト量の拡大を禁止することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置。
  5. 上記リフト拡大手段は、機関回転数がアイドル回転数よりも低い所定の極低回転域にある場合に、上記リフト量を拡大することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置。
  6. クランクシャフトにより回転駆動される油圧ポンプを備え、
    上記位相可変機構が、上記油圧ポンプからの油圧を利用して上記リフト中心角の位相を吸・排気弁の動弁反力に抗して進角させるものであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置。
  7. 吸・排気弁のリフト量を拡大・縮小可能なリフト可変機構と、
    上記吸・排気弁のリフト量を変化させることなく、上記吸・排気弁のリフト中心角を遅角・進角可能な位相可変機構と、を有し、
    機関始動時での吸・排気弁のリフト中心角の目標値が所定の遅角位置である内燃機関の可変動弁装置において、
    機関停止状態へ向けて機関回転数が低下する機関停止過渡期に、上記リフト可変機構によりリフト量を一時的に拡大し、次いでリフト量を縮小することを特徴とする内燃機関の可変動弁装置の制御方法。
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