JP3736627B2 - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の吸気バルブまたは排気バルブの開閉時期を可変するバルブタイミング調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、内燃機関の吸気バルブまたは排気バルブの位相を変化させて出力の向上や燃費を改善する技術が公知である。例えば、内燃機関の高回転域では、ピストンが上死点に向かい始めても、吸気が慣性により更にシリンダ内へ入り込もうとするため、吸気バルブの閉時期をピストン下死点より遅らせることにより、体積効率が向上して内燃機関の出力向上を図ることができる。
【0003】
しかし、ピストン下死点より遅く吸気バルブを閉じると、エンジン暖機後の出力は向上するが、エンジン始動時には、吸気に慣性がないため、圧縮比が上がらず(実圧縮比が不足する)、ピストン上死点での空気温度が十分上昇しないため、エンジンの始動が困難になる。また、アイドリングの安定性も悪くなるという問題がある。即ち、吸気バルブの位相を変化させる場合に、エンジン始動時に最適なバルブタイミングと、エンジン暖機後の燃費出力向上に最適なバルブタイミングとは異なるのである。
【0004】
上記の問題を解決するために、本出願人が先に出願したバルブタイミング調整装置がある(特願2001-285280 )。このバルブタイミング調整装置は、ロータが最遅角位相から所定角度だけ進角側に回転した位置(ロック位相と呼ぶ)にロータを保持できるロックピンを有し、このロックピンを専用の油圧制御弁にて制御する構成である。
ロックピンは、エンジン停止時にロック凹部に嵌合してロータをロック位相に保持することにより、エンジン始動時に適した所定のバルブタイミングが得られる。また、エンジン始動後は、ロックピンがロック凹部から離脱することでロータがロック位相より更に遅角側へ回転することが可能となり、遅角側及び進角側の双方にバルブタイミングを変更できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の先願技術では、エンジン始動後、アイドリング時にエンスト等によりエンジンが異常停止すると、カムトルクによりロータが最遅角位相まで移動して停止するため、次回のエンジン始動が困難になるという問題があった。本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、エンスト等によりエンジンが異常停止した時に、次回始動時の始動性が極端に悪化することを防止できるバルブタイミング調整装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の手段)
本発明のバルブタイミング調整装置は、ロータをロック位相に拘束できるロックピンと、このロックピンを作動させるための油圧を制御する第2の油圧制御弁と、ロック位相に向かってロータを進角制御する際に、ロックピンの頭部がベーンから突出した状態で移動できる様に、ロックピンの頭部を案内する案内溝とを有し、この案内溝は、遅角側の端部が、ロック位相と最遅角位相との間でエンジンを始動可能な始動可能位相に設定され、第2の油圧制御弁は、アイドリング時にロックピンの頭部がベーンから突出して案内溝に嵌合する様にロックピンに対する油圧を制御する。
【0007】
この構成によれば、アイドリング時にロックピンの頭部がベーンから突出して案内溝に嵌合しているので、アイドリング時にエンスト等によりエンジンが異常停止した場合でも、ロータが最遅角位相まで移動することはなく、ロックピンの頭部が案内溝の遅角側の端部に当接する始動可能位相で停止することができる。この始動可能位相は、最遅角位相より進角側(最遅角位相とロック位相との間)に設定されることにより、エンジンを始動可能なバルブタイミングを得ることができる。 この結果、アイドリング時にエンジンが異常停止しても、次回始動時のエンジン始動性が極端に悪化することを防止できる。
【0008】
(請求項2の手段)
請求項1に記載したバルブタイミング調整装置において、
第1の油圧制御弁は、アイドリング時に、始動可能位相に設定された案内溝の端部にロックピンを押圧させるべく、ロータに対し遅角圧を付与することを特徴とする。
この場合、ロックピンを案内溝の端部に押し当てることでロータの挙動を安定させることができ、バルブタイミングのずれを防止できる。
【0009】
(請求項3の手段)
請求項2に記載したバルブタイミング調整装置において、
第1の油圧制御弁は、アイドリング時の油温またはエンジン冷却水温が所定温度以上の時に、ロータに対し遅角圧を付与することを特徴とする。
油温が高くなる程、油圧が低下してロータのバタツキを抑え難くなるため、油温が高い時(油温またはエンジン冷却水温が所定温度以上の時)は、ロータに対し遅角圧を付与してロックピンを案内溝の端部に押し当てることにより、カム軸のトルク変動によるロータのバタツキを防止できる。
【0010】
(請求項4の手段)
請求項1〜3に記載した何れかのバルブタイミング調整装置において、
ロックピンは、スプリングによってベーンから押し出される方向に付勢されると共に、第2の油圧制御弁より供給される油圧がスプリングの付勢力に抗してロックピンをベーンの内部に押し戻す方向に作用し、第2の油圧制御弁は、アイドリング時にロックピンに対する油圧の供給を停止することを特徴とする。
この構成では、第2の油圧制御弁によりロックピンに対する油圧の供給を停止すると、スプリングの付勢力でロックピンがベーンから押し出されてピン頭部が案内溝に嵌合する。従って、アイドリング時には、第2の油圧制御弁への通電を停止することにより、電力消費が軽減されて燃費向上に寄与できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
図1はバルブタイミング調整装置の内部構造を示す軸方向平面図、図2はバルブタイミング調整装置(径方向断面図)と油圧回路を示すシステム図である。
バルブタイミング調整装置1(以下VVTと呼ぶ)は、エンジンの回転力が伝達されて回転するハウジング部材2と、エンジンの吸気弁または排気弁を開閉駆動するためのカムシャフト3に固定されるロータ4とを備え、油圧回路(図2参照)に設けられる第1の油圧制御弁5と第2の油圧制御弁6とを介して油圧制御される。
【0012】
ハウジング部材2は、ロータ4が固定されるカムシャフト3の端部に回転可能な状態で嵌合し、エンジンの駆動軸(図示しない)からチェーン駆動により回転力が伝達され、駆動軸と同期して回転する。
このハウジング部材2には、図1に示す様に、内側に扇状の凹部2aが周方向に4箇所設けられ、この凹部2aとロータ4との間に油圧室(遅角室7と進角室8)を形成している。
【0013】
ロータ4は、カムシャフト3の端面に自身のボス部4aを当接させ、そのボス部4aの中央部に挿通されたボルト9(図2参照)によりカムシャフト3に固定されている。このロータ4には、ボス部4aの周囲に4枚のベーン10が設けられ、各ベーン10がハウジング部材2に設けられた扇状の凹部2aに収容されて、油圧室を遅角室7と進角室8とに二分している。また、このロータ4は、図2に示す様に、ハウジング部材2とロータ4との間に介在されたスプリング11により進角側へ付勢されている。
【0014】
1枚のベーン10には、遅角制限ピン12とロックピン13とが組み込まれている。
遅角制限ピン12は、エンジン停止時(エンスト等による異常停止を除く)にロータ4がロック位相(下述する)から更に遅角側へ回転することを阻止するもので、図3に示す様に、ベーン10の内部に進退可能に組み込まれ、スプリング14の付勢力と遅角制限ピン12の鍔部に掛かる油圧とのバランスによって作動する。具体的には、遅角制限ピン12の鍔部に油圧が加わると、スプリング14の付勢力に抗して遅角制限ピン12がベーン10の内部に押し戻され、油圧が解除されると、スプリング14に付勢されて、遅角制限ピン12の頭部がベーン10から突出する。
【0015】
ロックピン13は、エンジン停止時にロータ4をロック位相に拘束すると共に、アイドリング時にエンジンが異常停止した場合に、ロータ4を始動可能位相(下述する)に保持するものであり、図3に示す様に、ベーン10の内部に進退可能に組み込まれ、スプリング15の付勢力とロックピン13の鍔部に掛かる油圧とのバランスによって作動する。具体的には、ロックピン13の鍔部に油圧が加わると、スプリング15の付勢力に抗してロックピン13がベーン10の内部に押し戻され、油圧が解除されると、スプリング15に付勢されて、ロックピン13の頭部がベーン10から突出する。
【0016】
上記のロック位相とは、エンジンを始動するのに最適なバルブタイミングを実現できるロータ位置(図6(b) 参照)である。また、上記の始動可能位相とは、ロック位相と最遅角位相との間に設定され、エンジン始動が可能なバルブタイミングを実現できるロータ位置(図6(a) 参照)である。なお、本実施例では、始動可能位相より若干進角側にアイドル位相(アイドリング時のロータ位置)が設定されている。
【0017】
ハウジング部材2には、遅角制限ピン12の頭部がベーン10から突出した状態で移動できる様に、遅角制限ピン12の頭部を案内する遅角制限溝16と、同様にロックピン13の頭部がベーン10から突出した状態で移動できる様に、ロックピン13の頭部を案内する進角制限溝17(本発明の案内溝)とが設けられている。
但し、遅角制限溝16は、ロータ4がロック位相と最進角位相との間を移動できる範囲に設けられ、進角制限溝17は、ロータ4がロック位相と始動可能位相との間を移動できる範囲に設けられている。
また、ハウジング部材2のロック位相には、ロックピン13の頭部が嵌合できるロック凹部18が設けられ、進角制限溝17より一段深く形成されている(図3参照)。
【0018】
第1の油圧制御弁5は、図2に示す様に、進角油路19と遅角油路20とを介して遅角室7及び進角室8の油圧を制御するもので、内蔵するスプール(図示しない)を駆動する電磁式アクチュエータ5aを備え、この電磁式アクチュエータ5aに対する通電電流が図示しないECU(電子制御装置)によりデューティー制御される。
第2の油圧制御弁6は、ピン制御用油路21を介して遅角制限ピン12及びロックピン13に対する油圧を制御するもので、内蔵するスプール(図示しない)を駆動する電磁式アクチュエータ6aを備え、この電磁式アクチュエータ6aに対する通電電流がECUによりON/OFF制御される。
【0019】
次に、本実施例の作動を説明する。
a)通常運転時。
通常運転時は、ロータ4が遅角側または進角側へ回転できる様に、遅角制限ピン12及びロックピン13によるロータ4の回転制限を解除する。即ち、図4に示す様に、第2の油圧制御弁6に対する通電電流をONすることにより、遅角制限ピン12及びロックピン13に油圧が加わり、その油圧がそれぞれスプリングの付勢力に打ち勝つと、遅角制限ピン12及びロックピン13がベーン10の内部に押し戻されて、ロータ4の回転制限を解除する。
また、ECUは、エンジンの運転状態に応じて第1の油圧制御弁5に対する通電電流をデューティー制御する。
【0020】
b)通常の停止時。
通常、アイドル位相はロック位相より遅角側であるため、エンジン停止時にVVT1をロック位相まで進角させる必要がある。このため、イグニッションOFF と同時に進角制御を行い、所定の位相まで進角した後、燃料カット、点火カットによりエンジン停止することが考えられている。
【0021】
そこで、アイドリング状態から通常にエンジンを停止した時は、イグニッションOFF と同時に進角制御を行うとともに、第2の油圧制御弁6をOFF してロックピン13に対する油圧を解除し、ロックピン13を進角制限溝17に嵌合させる(図5参照)。この状態にてVVT1を進角制御すると、ロックピン13が進角制限溝17の進角側端部に当接してロータ4の回転が停止し、ロックピン13の頭部がロック凹部18に嵌合してロータ4をロック位相に拘束する。
【0022】
c)ロータ4が進角側に停止した時。
VVT1の位相がエンスト、フェール等により進角側にて停止した場合(図6(c) 参照)、ロータ位置をECUに記憶させることが可能である。
この場合、次回始動時にVVT1を遅角制御すると共に、第2の油圧制御弁6をOFF して遅角制限ピン12に対する油圧を解除し、遅角制限ピン12を遅角制限溝16に嵌合させる。この状態にてVVT1を遅角制御すると、始動時の油圧がない状態でもカムシャフト3の駆動トルクによりロータ4が遅角側に回転させられるため、遅角制限ピン12が遅角制限溝16の遅角側端部に当接してロータ4の回転が停止する。
【0023】
ロックピン13と遅角制限ピン12とは、図6(b) に示す様に、ロックピン13の頭部がロック凹部18に嵌合するロック位相において、遅角制限ピン12が遅角制限溝16の遅角側端部より若干進角側に位置している。このため、遅角制限ピン12が遅角制限溝16の遅角側端部に当接する位置までロータ4が回転すると、ロックピン13が進角制限溝17に嵌合することができる。この状態で、カムシャフト3の変動トルクによりロータ4が変動して進角側に移動すると、ロックピン13が進角制限溝17の進角側端部に当接してロック可能となり、ロックピン13の頭部がロック凹部18に嵌合してロータ4をロック位相に拘束する。
【0024】
d)ロータ4が遅角側に停止した時。
VVT1の位相がエンスト、フェール等により遅角側にて停止した場合(図6(a) 参照)、ロータ位置をECUに記憶させることが可能である。
この場合、次回始動時にVVT1を進角制御すると共に、第2の油圧制御弁6をOFF してロックピン13に対する油圧を解除し、ロックピン13を進角制限溝17に嵌合させる。この状態にてVVT1を進角制御すると、ロックピン13が進角制限溝17の進角側端部に当接してロータ4の回転が停止し、ロックピン13の頭部がロック凹部18に嵌合してロータ4をロック位相に拘束する。なお、始動時の油圧がない状態でも、スプリング11(図2参照)の付勢力により進角可能である。
【0025】
e)アイドリング時にエンスト等により停止した時。
これは、ロータ4が遅角側に停止する場合は、アイドリング時にエンスト等により異常停止することが多い。
この場合、基本的な動作は上記d)の場合と同じであるが、アイドリング時に第2の油圧制御弁6をOFF してロックピン13に対する油圧を解除し、ロックピン13を進角制限溝17に嵌合させる点が異なる。この状態でエンスト等によりエンジンが異常停止しても、既にロックピン13が進角制限溝17に嵌合しているので、進角制限溝17の遅角側端部である始動可能位相より遅角側(最遅角側)へロータ4が回転することを阻止できる。
【0026】
(本実施例の効果)
本案では、アイドリング時にロックピン13の頭部がベーン10から突出して進角制限溝17に嵌合しているので、エンスト等によりエンジンが異常停止した場合でも、ロータ4が最遅角位相まで移動することはなく、ロックピン13の頭部が進角制限溝17の遅角側端部に当接する始動可能位相で停止することができる。この始動可能位相は、最遅角位相より進角側(最遅角位相とロック位相との間)に設定されることにより、エンジンを始動可能なバルブタイミングを得ることができ、次回始動時の始動性を極端に悪化させることを防止できる。
【0027】
また、従来のVVTでは、進角制限溝が最遅角位相まで設けられているため、図7に示す様に、エンジンが異常停止すると最遅角位相までロータ4が遅角し、その後、進角制御によりロック位相まで進角されるため、ロータ4の揺動が大きくなり、スムーズに進角させることができない。これに対し、本実施例のVVT1は、エンジンが異常停止しても、ロータ4が始動可能位相で停止するので、図8に示す様に、進角制御の際にロータ4の揺動を抑えることができ、スムーズに進角させることが可能である。
【0028】
更に、第2の油圧制御弁6への通電を停止すると、ロックピン13に掛かる油圧が解除されて、スプリング15の付勢力でロックピン13がベーン10から押し出され、ロックピン13の頭部が進角制限溝17に嵌合する。従って、アイドリング時には、ロックピン13をベーン10から押し出すために第2の油圧制御弁6への通電を停止するので、電力消費が軽減されて燃費向上に寄与できる。
【0029】
(第2実施例)
本実施例は、アイドリング時に進角制限溝17の端部にロックピン13を押圧させるべく、ロータ4に対し遅角圧を付与する場合の一例である。
油温が高くなると油圧が低下してロータ4のバタツキを抑え難くなるため、油温が高い時は、ロータ4に対し遅角圧を付与してロックピン13を進角制限溝17の端部に押し当てることにより、カムシャフト3のトルク変動によるロータ4のバタツキを防止することができる。
【0030】
この場合、例えば油圧回路の油温を油温センサ22(図2参照)で検出し、その検出温度が予め設定された設定温度以上の時に、第1の油圧制御弁5よりロータ4に対し遅角圧を付与する。また、油温以外にもエンジン冷却水の温度に基づいて第1の油圧制御弁5を制御しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】バルブタイミング調整装置の内部構造を示す軸方向平面図である。
【図2】バルブタイミング調整装置と油圧回路を示すシステム図である。
【図3】遅角制限ピンとロックピンの構成を示す模式図である。
【図4】通常運転時の作動説明図である。
【図5】通常停止時の作動説明図である。
【図6】進角側及び遅角側に停止した時の作動説明図である。
【図7】始動時の進角制御に伴うロータの挙動を表すグラフである(従来のVVT)。
【図8】始動時の進角制御に伴うロータの挙動を表すグラフである(本案のVVT)。
【符号の説明】
1 VVT(バルブタイミング調整装置)
2 ハウジング部材
3 カムシャフト(カム軸)
4 ロータ
5 第1の油圧制御弁
6 第2の油圧制御弁
7 遅角室
8 進角室
10 ベーン
13 ロックピン
15 スプリング
17 進角制限溝(案内溝)
18 ロック凹部

Claims (4)

  1. 内燃機関の駆動軸から回転力が伝達されて回転するハウジング部材と、
    前記内燃機関のカム軸に固定され、且つ前記ハウジング部材に対し所定の角度範囲で相対回転可能に設けられたロータと、
    前記ハウジング部材の内部で前記ロータとの間に形成される油圧室と、
    前記ロータと一体に設けられ、前記油圧室に収容されて前記油圧室を進角室と遅角室とに二分するベーンと、
    前記進角室と前記遅角室の油圧を制御する第1の油圧制御弁と、
    前記ハウジング部材に対する前記ロータの最進角位相と最遅角位相との間にエンジンを始動するのに最適なロック位相が設定され、このロック位相に対応して前記ハウジング部材に凹設されたロック凹部と、
    前記ベーンに進退可能に組み込まれ、自身の頭部が前記ベーンから突出して前記ロック凹部に嵌合することにより前記ロータを前記ロック位相に拘束するロックピンと、
    このロックピンを作動させるための油圧を制御する第2の油圧制御弁と、
    前記ロック位相に向かって前記ロータを進角制御する際に、前記ロックピンの頭部が前記ベーンから突出した状態で移動できる様に、前記ロックピンの頭部を案内する案内溝とを有するバルブタイミング調整装置であって、
    前記案内溝は、遅角側の端部が、前記ロック位相と前記最遅角位相との間でエンジンを始動可能な始動可能位相に設定され、
    前記第2の油圧制御弁は、アイドリング時に前記ロックピンの頭部が前記ベーンから突出して前記案内溝に嵌合する様に前記ロックピンに対する油圧を制御することを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 請求項1に記載したバルブタイミング調整装置において、
    前記第1の油圧制御弁は、アイドリング時に、前記始動可能位相に設定された前記案内溝の端部に前記ロックピンを押圧させるべく、前記ロータに対し遅角圧を付与することを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  3. 請求項2に記載したバルブタイミング調整装置において、
    前記第1の油圧制御弁は、アイドリング時の油温またはエンジン冷却水温が所定温度以上の時に、前記ロータに対し遅角圧を付与することを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  4. 請求項1〜3に記載した何れかのバルブタイミング調整装置において、
    前記ロックピンは、スプリングによって前記ベーンから押し出される方向に付勢されると共に、前記第2の油圧制御弁より供給される油圧が前記スプリングの付勢力に抗して前記ロックピンを前記ベーンの内部に押し戻す方向に作用し、
    前記第2の油圧制御弁は、アイドリング時に前記ロックピンに対する油圧の供給を停止することを特徴とするバルブタイミング調整装置。
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