JP2009108722A - 内燃機関の可変動弁機構制御装置 - Google Patents

内燃機関の可変動弁機構制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ノンスロットル運転を行う内燃機関において、可変動弁機構の耐久性を低下させることなく、減速時にポンピングロスを増大させる。
【解決手段】吸気側可変動弁機構12を有し、吸気側可変動弁機構12により吸入空気量を制御する内燃機関1の可変動弁機構制御装置20において、減速状態であるか否かを判定する減速判定手段20と、吸気側可変動弁機構12の耐久性が低下する運転状態を吸気弁10の作動角及び機関回転数に基づいて算出する耐久性低下状態算出手段20と、を備え、減速判定手段20により減速状態であると判定した場合に、吸気弁10の作動角が減速開始前よりも小さく、かつ吸気側可変動弁機構12の耐久性が低下する運転状態を回避できる大きさになるように吸気側可変動弁機構12を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の可変動弁機構の制御に関し、特にノンスロットル運転を行う内燃機関の減速時における可変動弁機構の制御に関する。
スロットルバルブの開度を制御することにより吸入空気量を制御する従来の内燃機関では、減速時にスロットルバルブが全閉になることで吸入行程におけるポンピングロスが増大し、これにより機関回転数が低下していた。この減速時のポンピングロスをさらに増大させるための技術として、特許文献1には、吸気弁のバルブ特性を可変制御可能な可変動弁機構を備える内燃機関において、減速時にスロットルバルブを全閉にすることに加え、例えば吸気弁リフト量を小さくしてポンピングロスの増大を図る技術が開示されている。
特開平10−9005号公報
ところで、近年では吸気弁の作動角や開閉時期(バルブ特性)を連続的に可変制御可能な可変動弁装置が知られている。そして、この可変動弁装置によりアクセル踏込み量に応じてバルブ特性を変化させることによって、スロットルバルブを用いずに吸入空気量を制御する、いわゆるノンスロットル運転を行う内燃機関が知られている。このようなノンスロットル運転を行う内燃機関では、スロットルバルブで吸気通路面積を絞ることにより生じていたポンピングロスが低減されるため、燃費性能が向上する。
しかしながら、アクセルオフでの減速時には、ポンピングロスが低減された分だけ機関回転数の低下が遅くなり、十分なエンジンブレーキが得られないという問題がある。
そこで、機関回転数を速やかに低下させるために、減速時にはポンピングロスが増大するよう吸気弁の作動角を小さくすると、バルブスプリングの伸縮量、つまりバネ力が小さくなる。そのため、例えば機関回転数の高回転域からの減速時には吸気弁の運動特性が低下してバルブジャンプやバウンス等が生じ、結果として可変動弁機構の耐久性が低下するという問題がある。
一方、可変動弁機構の強度を確保するために、より高強度の部材を使用したり、部品寸法を大きくすると、コストが増大したり、可変動弁機構が大型化してしまうという問題がある。
そこで、本発明では、ノンスロットル運転を行う内燃機関において、可変動弁機構の耐久性を低下させることなく、減速時にポンピングロスを増大させることを目的とする。
本発明は、吸気弁の作動角及び開閉時期を連続的に可変制御可能な吸気側可変動弁機構を有し、運転状態に応じた吸入空気量となるように前記吸気側可変動弁機構を制御する内燃機関の可変動弁機構制御装置に関するものである。そして、減速状態であるか否かを判定する減速判定手段と、吸気側可変動弁機構の耐久性が低下する運転状態を吸気弁の作動角及び機関回転数に基づいて算出する耐久性低下状態算出手段と、を備え、減速判定手段により減速状態であると判定した場合に、吸気弁の作動角が減速開始前よりも小さく、かつ吸気側可変動弁機構の耐久性が低下する運転状態を回避できる大きさになるように吸気側可変動弁機構を制御する。
本発明によれば、減速時に吸気弁の作動角を小さくすることにより、ノンスロットル運転を行う内燃機関においても減速時のポンピングロスを増大させることができる。そして、作動角は可変動弁機構の耐久性が低下する運転状態を回避できる大きさなので、吸気側可変動弁機構の耐久性が低下することを防止できる。
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本実施形態を適用するエンジンの構成を表す図である。1はエンジン、2は吸気ポート、3は排気ポート、4は吸気ポート2に接続する吸気通路、5は排気ポート3に接続する排気通路、6は吸気通路4に介装する吸気コレクタ、8は吸入空気量を計測するエアフローセンサ、9は吸気ポート2に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁、10は吸気ポート2を開閉する吸気弁、11は排気ポート3を開閉する排気弁、12は吸気弁10を駆動する吸気側可変動弁装置(吸気側可変動弁機構)、13は排気弁11を駆動する排気側可変動弁装置(排気側可変動弁機構)、14は点火栓、15はエンジン1のシリンダ内に収装するピストン、16はピストン15と図示しないクランクシャフトとを連結するコネクティングロッド、17はエンジン冷却水温を検出する水温センサ、18は排気通路5に介装する排気浄化装置、19は排気浄化装置18通過後の排気空燃比を検出するλセンサ、20はコントロールユニット(減速判定手段、耐久性低下状態算出手段、耐久性低下判定手段(以下ECUという))、21はアクセル開度センサ、22は図示しないクランクシャフトの回転数を検出するクランク角センサである。
吸気側可変動弁装置12は、吸気弁10のリフト量及び作動角を連続的に可変制御可能な機構であり、運転車のアクセル開度に応じて、バルブリフト量を連続的に変化させることで吸入空気量を調節するものである。なお、構成及び制御については後述する。
排気側可変動弁装置13は、図示しないクランクシャフトの回転に対する排気弁11を駆動する排気カムシャフトの回転の位相のずれを変化させることにより、排気弁11の開閉時期を連続的に可変制御可能な機構である。
ECU20は、エアフローセンサ8、クランク角センサ22、ラムダセンサ19、水温センサ17、アクセル開度センサ21、その他図示しない車速センサ等の検出信号に基づいて、燃料噴射弁9の噴射量や点火栓14の点火時期の制御を行う。また、後述する吸気側可変動弁装置12、排気側可変動弁装置13の制御も行う。
図2は吸気側可変動弁装置12の構成を表す図である。
吸気側可変動弁装置12は、上記のようにリフト量等を連続的に可変制御可能な機構である。なお、ここでいうリフト量とは最大リフト量のことをいう。また、リフト量の可変制御とは最大リフト量を可変制御することをいい、クランクシャフトの回転に同期して開閉する際のリフト量変化は除くものである。
吸気側可変動弁装置12は、吸気弁10のリフト量及び作動角を変化させるリフト・作動角可変機構43と、そのリフトの中心角の位相(クランクシャフトに対する位相)を進角もしくは遅角させる位相可変機構42と、が組み合わされて構成されている。
なお、このリフト・作動角可変機構43は、本出願人が先に提案し、位相可変機構42とともに特開2002−89303号公報や特開2002−89341号公報等によって公知となっているので、その概要のみを説明する。
リフト・作動角可変機構43は、シリンダヘッド上部の図示せぬカムブラケットに回転自在に支持された中空状の駆動軸31と、この駆動軸31に圧入等により固定された偏心カム32と、駆動軸31の上方位置に同じカムブラケットによって回転自在に支持されるとともに駆動軸31と平行に配置された制御軸37と、この制御軸37の偏心カム部38に揺動自在に支持された可変動弁用ロッカーアーム34と、一方の端部付近が可変動弁用ロッカーアーム34の一方の端部付近と連結ピン39を介して連結されるリンク部材35と、駆動軸31と同軸状に配置されリンク部材35の他方の端部付近と連結ピン41で連結された揺動カム36と、を備えている。また、駆動軸31の回転角を検出する駆動軸角センサ47と、制御軸37の回転角を検出する制御軸角センサ48とを備える。これらのセンサの検出値はECU20に読み込まれる。
駆動軸31は、タイミングチェーンないしはタイミングベルトを介して機関のクランクシャフトによって駆動されるものである。
偏心カム32は、円形外周面を有し、該外周面の中心が駆動軸31の軸心から所定量だけオフセットしているとともに、この外周面に、リンクアーム33の環状部33aが回転可能に嵌合している。
可変動弁用ロッカーアーム34は、略中央部を上記偏心カム部38が回転可能に貫通している。偏心カム部38は、制御軸37の軸心から偏心しており、従って、制御軸37の角度位置に応じて可変動弁用ロッカーアーム34の揺動中心は変化する。
揺動カム36は、駆動軸31の外周に嵌合して回転自在に支持されており、駆動軸31の軸方向に対して直角方向へ延びた端部付近に、前述したようにリンク部材35の下端部が連結ピン41を介して連結している。この揺動カム36の下面には、駆動軸31と同心状の円弧をなす基円面と、該基円面から上記端部へと所定の曲線を描いて延びるカム面と、が連続して形成されており、これらの基円面ならびにカム面が、揺動カム36の揺動位置に応じて吸気弁10上部に備えたバルブリフタ10aに接触するようになっている。
すなわち、基円面はベースサークル区間として、リフト量がゼロとなる区間であり、揺動カム36が揺動してカム面がバルブリフタ10aに接触すると、吸気弁10は徐々にリフトしていくことになる。なお、ベースサークル区間とリフト区間との間には若干のランプ区間が設けられている。
制御軸37は、一方の端部に設けられたリフト・作動角制御用モータ(以下、単に「モータ」という)44によって所定角度範囲内で回転するように構成されている。このモータ44への電力供給は、ECU20からの制御信号に基づいて制御されている。
また、モータ44は、作動角を変更する際に制御軸37を目標角度に回転させるのみならず、運転中に制御軸37の角度が目標角度からずれないように保持する機能も有する。この目標角度を保持するためにモータ44に流す電流、つまり目標角度を保持するために必要なトルク(保持トルク)を発生させるのに必要な電流を保持電流とよぶ。
このリフト・作動角可変機構43の作用を説明する。駆動軸31が回転すると、偏心カム32のカム作用によってリンクアーム33が上下動し、これに伴って可変動弁用ロッカーアーム34が制御軸37を揺動軸として揺動する。この可変動弁用ロッカーアーム34の揺動は、リンク部材35を介して揺動カム36へ伝達され、該揺動カム36が揺動する。この揺動カム36のカム作用によって、吸気弁10がリフトする。
ここで、モータ44を介して制御軸37の角度が変化すると、可変動弁用ロッカーアーム34の揺動中心位置が変化し、ひいては揺動カム36の初期揺動位置が変化する。
例えば、偏心カム部38が上方に位置しているとすると、可変動弁用ロッカーアーム34は全体として上方へ位置し、連結ピン41が相対的に上方へ引き上げられた状態となる。つまり、揺動カム36の初期揺動位置は、そのカム面36bがバルブリフタ10aから離れる方向に傾く。従って、駆動軸31の回転に伴って揺動カム36が揺動した際に、基円面が長い間バルブリフタ10aに接触し続け、カム面がバルブリフタ10aに接触する期間は短い。このためリフト量が全体として小さくなり、かつ、その開時期から閉時期までの角度範囲、すなわち作動角も縮小する。
逆に、偏心カム部38が下方へ位置しているとすると、可変動弁用ロッカーアーム34は全体として下方へ位置し、揺動カム36の端部が相対的に下方へ押し下げられた状態となる。つまり、揺動カム36の初期揺動位置は、そのカム面がバルブリフタ10aに近付く方向に傾く。従って、駆動軸31の回転に伴って揺動カム36が揺動した際に、バルブリフタ10aと接触する部位が基円面からカム面へと直ちに移行する。このためリフト量が全体として大きくなり、かつその作動角も拡大する。
上記の偏心カム部38の初期位置は連続的に変化させ得るので、これに伴って、バルブリフト特性も連続的に変化する。つまり、リフト量ならびに作動角を、両者同時にかつ連続的に拡大,縮小させることができる。なお、この実施例では、リフト量・作動角の大小変化に伴い、吸気弁10の開時期と閉時期がほぼ対称に変化する。
位相可変機構42は、駆動軸31の前端部に設けられたスプロケット45と、このスプロケット45と駆動軸31とを、所定の角度範囲内において相対的に回転させる位相制御用アクチュエータ46と、から構成されている。
スプロケット45は、図示せぬタイミングチェーンもしくはタイミングベルトを介して、クランクシャフトと同期して回転している。位相制御用アクチュエータ46は、ECU20からの制御信号に基づいて制御される。この位相制御用アクチュエータ46の制御によって、スプロケット45と駆動軸31とが相対的に回転し、リフト中心角が遅進する。つまり、リフト特性の曲線自体は変わらずに、全体が進角もしくは遅角する。また、この変化も連続的に得ることができる。位相可変機構42としては、油圧式、電磁式アクチュエータを利用したものなど、種々の構成が可能であるが、本実施形態では油圧式アクチュエータを用いることとする。
なお、排気側可変動弁装置13は位相可変機構42からなり、排気弁11の開閉時期を可変に制御することが可能となっている。
上記のような構成の吸気側可変動弁装置12において、吸気弁10の作動角は、ECU20により、作動角をエンジン1の回転数及び負荷に割り付けた制御用マップに基づいて制御される。制御用マップは、例えば図3に示すように、高回転・高負荷になるほど作動角が大きくなるように設定したマップを用いる。
本実施形態では、この可変動弁機構を用いて、運転状態に適した吸入空気量となるようにバルブ特性を変化させる。すなわち、スロットルバルブを用いずに可変動弁機構により吸入空気量の制御を行う、いわゆるスロットルレス運転を行う。
スロットルレス運転は、運転状態に応じた吸入空気量を設定した目標吸入空気量マップと、目標吸入空気量を実現するための吸気弁10の作動角、リフト量、開閉時期を設定するための各マップを予め作成しておき、機関回転数、車速、アクセル開度等を検出するセンサを備え、これら各センサの検出値に基づいて目標吸入空気量を設定し、目標吸入空気量を実現するための吸気弁10の作動角、リフト量、開閉時期の目標値を設定することにより行う。例えば、アクセル踏込み量が大きくなるほど目標吸入空気量は相対的に多くなり、吸気弁10のバルブリフト量及び作動角が大きくなる。
このようなスロットルバルブレス運転によれば、従来はスロットルバルブで吸入通路断面積を絞ることで生じていたポンピングロスがなくなる分だけ、スロットルバルブを備える内燃機関に比べて機関全体としてのポンピングロスが小さくなるため、燃費性能を向上する。
ところで、アクセルオフにして車両が減速する場合に、機関回転数に応じたバルブリフト量、作動角、開閉時期のままにしておくと、前述したようにポンピングロスが小さいので機関回転数が低下しにくくなる。減速時に可変動弁機構によりバルブリフト量、作動角を小さくすれば、ポンピングロスを大きくすることができるが、このような制御を行うと、バルブスプリング(図示せず)の伸縮量、つまりバネ力が小さくなる。
そのため、例えば機関回転数の高回転域からの減速時には、バルブジャンプやバウンスといった、いわゆる吸気弁10の運動性低下の問題が生じ、これにより可変動弁機構の耐久性が低下するおそれがある。なお、ここでいう「可変動弁機構の耐久性」とは、可変動弁機構が、吸気弁10の運動に伴って入力される荷重に対する耐性のことをいう。すなわち、所定の機関回転数及び所定の作動角の場合に、可変動弁機構に入力される荷重が大きくなるほど耐久性が低下する。図1に示した可変動弁機構の場合には、連結ピン39〜41による連結部分の強度が低いため、この部分の強度により可変動弁機構の耐久性が決まる。
一方、例えば連結ピン40によるリンクアーム33と可変動弁用ロッカーアーム34との連結部分の強度を向上させるために、リンクアーム33及び可変動弁用ロッカーアーム34の連結ピン40挿入用のボス部分の肉厚や連結ピン40の径を増大させると、可変動弁機構全体として大型化してしまうという問題がある。また、リンクアーム33及び可変動弁用ロッカーアーム34の素材の強度を増大させると、コストが増加してしまうという問題がある。
そこで、本実施形態では、上記問題を解決するために、以下に説明する制御を行う。
図4はECU20が減速時に実行する制御ルーチンのフローチャートであり、減速中であると判定した場合に実行する。減速中であるか否かの判定は、例えば、アクセル開度センサ21と車速センサ(図示せず)の検出信号を読み込み、車両走行中かつアクセル開度(踏み込み量)が略ゼロであれば減速中であると判定する。
ステップS100では、運転状態として機関回転数、吸気弁10の作動角を読み込む。機関回転数はクランク角センサ(図示せず)の検出値を読み込み、吸気弁10の作動角は上述した可変動弁機構の制御信号に基づいて算出する。
ステップS110では、可変動弁機構の耐久性が低下する領域(以下、NG領域という)であるか否かの判定を行う。NG領域とは、吸気弁10の作動角と機関回転数とで定まる運転領域の中で、吸気弁10の運動性が低下し吸気側可変動弁装置12の耐久性が低下する領域である。このNG領域はリンクアーム33、可変動弁用ロッカーアーム34、リンク部材35等や連結ピン39〜41等の寸法、配置等により異なるので、適用する可変動弁機構ごとに、予めシミュレーション等により求めておく。
判定の結果、NG領域であればステップS120に進み、そうでなければ処理を終了する。
ステップS120では、吸気弁10の作動角が所定角度以下にならないように制限し、かつ排気側可変動弁装置13によって、排気弁11の閉時期を進角させて排気上死点前に排気弁11を閉弁させる。
吸気弁10の作動角が所定角度以下にならないように制限するのは、吸気弁10のジャンプやバウンスを抑制し得るだけのバルブスプリングのバネ力を確保するためである。そこで、例えば、機関回転数ごとに吸気弁10のジャンプやバウンスを抑制するのに必要なバネ力を得るためのバルブスプリングの伸縮量を求め、この伸縮量を得るのに必要な作動角を所定角度としてマップ化しておき、通常運転時と同様の制御により設定された作動角が所定角度より小さい場合には、このマップに基づいて所定角度以上となるように作動角を補正する。
なお、「所定角度」を機関回転数によらず確実に吸気弁10のジャンプやバウンスを抑制し得る作動角して、機関回転数によらず一律にこの値に制限するようにしてもよい。これによれば、演算負荷を軽減することができる。
排気弁11を排気上死点前で閉弁すると、筒内に排気ガスが閉じ込められた状態でピストン15が上昇することとなるので、排気上死点まで排気弁11が開弁している状態と比べて、ポンピングロスが増大して機関回転数の低下が早まる。これにより、早期にNG領域から脱することができる。
ここでの進角量は、運転状態に応じて進角量を設定したマップを予め作成しておき、このマップに基づいて設定する。進角量のマップは、例えば、高速走行状態からの減速時であれば、より強いエンジンブレーキを得るため、つまり、より大きなポンピングロスを発生させるために、排気側可変動弁装置13の構造上可能な最大進角量とし、一方、低速走行状態ではエンジンブレーキが強いと運転性が低下するため、進角量を小さく設定する。
なお、機関回転数が高回転であっても、強いエンジンブレーキが必要ない運転状態であれば、排気弁11の閉弁時期進角を行わず、吸気弁10の作動角の制限のみ行うようにしてもよい。
ステップS130では、機関回転数がアイドル回転数まで低下したか否かの判定を行う。アイドル回転数まで低下していたらステップS140に進み、そうでなければリターンする。
ステップS140では、筒内の燃焼が急速燃焼となるように点火時期を進角補正する。これにより、ステップS120の処理によって筒内の残留ガス量が増大した状態でも、燃焼安定性を確保することができるので、アイドル回転数での運転を維持することができる。
また、上記制御ルーチン終了後に、アイドル状態から加速状態に移行した場合にも、少なくとも1サイクルは同様の点火時期進角補正を行い、残ガス量が多い状態での燃焼安定性を確保する。ここでの進角量は、通常の加速時における進角量よりも大きくする。
なお、本実施形態では、吸気ポート内に噴射するいわゆるポート噴射式の内燃機関について説明したが、燃焼室内に直接噴射するいわゆる筒内直接噴射式の内燃機関にも同様に適用することができる。また、排気側可変動弁装置13は、少なくとも開閉時期の位相を変化させることができればよく、吸気側可変動弁装置12と同様の可変動弁機構を用いてもよい。
以上により本実施形態では、次のような効果を得ることができる。
(1)吸気側可変動弁装置12と、排気側可変動弁装置13とを有し、ノンスロットル運転を行う内燃機関において、減速時には吸気側可変動弁装置12により吸気弁10の作動角を小さくし、かつ吸気弁10の作動角及び機関回転数が耐久性低下領域に入った場合には、この領域から外れるよう吸気側可変動弁装置12又は排気側可変動弁装置13の少なくとも一方を制御するので、減速時にポンピングロスが大きくなり、機関回転数が速やかに低下する。さらに、NG領域に入った場合には、NG領域から外れるように吸気弁10の作動角の増大、又は期間回転数の低下の少なくとも一方を実行するので、吸気側可変動弁装置12の耐久性が低下することを防止できる。
(2)NG領域に入った場合には、吸気弁10の作動角を通常の減速時における作動角よりも大きくするので、バルブスプリングの伸縮量の増大によりバネ力が増大し、吸気弁10の運動特性の低下を抑制することができる。
(3)NG領域に入った場合には、排気弁11の閉時期を排気上死点より進角側まで進角させるので、筒内に残留ガスが残った状態でピストン15が上昇することとなり、ポンピングロスが増大する。
(4)NG領域から外れるようにするための制御を伴う減速により機関回転数がアイドル回転となった場合には、点火時期を通常のアイドル回転での運転時よりも進角させるので、当該制御により筒内の残留ガスが増大していても、燃焼安定性を確保することができる。
(5)NG領域から外れるようにするための制御を伴う減速により機関回転数がアイドル回転となった後の加速時には、点火時期を通常の加速時よりも大きく進角させるので、当該制御により筒内の残留ガスが増大した状態からでも、速やかに加速することができる。
なお、図4ではステップS120でNG領域であるか否かを判定し、NG領域の場合にはステップS130で吸気弁10の作動角を制限するという処理を行っているが、他の方法を用いてもよい。例えば、減速時には機関回転数毎に最小作動角を制限する作動角リミッタを設け、通常運転時と同様に作動角マップを用いたマップ制御を行うようにしてもよい。これによれば、初めからNG領域に突入することがなくなる。
また、本発明は上記の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
本実施形態を適用する内燃機関の構成図である。 本実施形態を適用する吸気側可変動弁装置の一例を示す図である。 吸気弁の作動角マップの一例を示す図である。 本実施形態の制御ルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
1 エンジン
10 吸気弁
11 排気弁
12 吸気側可変動弁装置
13 排気側可変動弁装置
14 点火栓
15 ピストン
20 コントロールユニット(ECU)
21 アクセル開度センサ
22 クランク角センサ

Claims (6)

  1. 吸気弁の作動角及び開閉時期を連続的に可変制御可能な吸気側可変動弁機構を有し、
    運転状態に応じた吸入空気量となるように前記吸気側可変動弁機構を制御する内燃機関の可変動弁機構制御装置において、
    減速状態であるか否かを判定する減速判定手段と、
    前記吸気側可変動弁機構の耐久性が低下する運転状態を前記吸気弁の作動角及び機関回転数に基づいて算出する耐久性低下状態算出手段と、
    を備え、
    前記減速判定手段により減速状態であると判定した場合に、前記吸気弁の作動角が減速開始前よりも小さく、かつ前記吸気側可変動弁機構の耐久性が低下する運転状態を回避できる大きさになるように前記吸気側可変動弁機構を制御することを特徴とする内燃機関の可変動弁機構制御装置。
  2. 排気弁の少なくとも開閉時期を連続的に可変制御可能な排気側可変動弁機構と、
    減速時に前記吸気側可変動弁機構の耐久性が低下する運転状態になっているか否かを判定する耐久性低下判定手段を備え、
    前記減速判定手段により減速状態であると判定した場合に、前記吸気弁の作動角を減速開始前に比べて小さくし、かつ前記耐久性低下判定手段により耐久性が低下する運転状態になっていると判定した場合には、当該運転状態から外れるよう前記吸気側可変動弁機構又は前記排気側可変動弁機構の少なくとも一方を制御することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁機構制御装置。
  3. 前記耐久性が低下する運転状態となった場合には、前記吸気弁の作動角が大きくなる方向に前記吸気側可変動弁機構を制御することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の可変動弁機構制御装置。
  4. 前記耐久性が低下する運転状態となった場合には、前記排気弁の閉時期を排気上死点より進角側まで進角させるように前記排気側可変動弁機構を制御することを特徴とする請求項2または3に記載の内燃機関の可変動弁機構制御装置。
  5. 前記耐久性が低下する運転状態から外れるようにするための制御を伴う減速により機関回転数がアイドル回転となった場合には、点火時期を通常のアイドル回転での運転時よりも進角させることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の可変動弁機構制御装置。
  6. 前記耐久性低下する運転状態から外れるようにするための制御を伴う減速により機関回転数がアイドル回転となった後の加速時には、点火時期を通常の加速時よりも大きく進角させることを特徴とする請求項4または5に記載の内燃機関の可変動弁機構制御装置。
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