JP2003046772A - 画像処理装置、低線数網点部検出装置、画像読み取り装置、画像形成装置およびカラー複写装置 - Google Patents

画像処理装置、低線数網点部検出装置、画像読み取り装置、画像形成装置およびカラー複写装置

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JP2003046772A
JP2003046772A JP2002137710A JP2002137710A JP2003046772A JP 2003046772 A JP2003046772 A JP 2003046772A JP 2002137710 A JP2002137710 A JP 2002137710A JP 2002137710 A JP2002137710 A JP 2002137710A JP 2003046772 A JP2003046772 A JP 2003046772A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小さな文字と網点の切り分けが容易な画像処
理装置を提供する。 【解決手段】 入力された画像データに対して所定の処
理を施して出力する画像処理装置において、M×M画素
からなるマトリックスの中心画素の近傍画素のうちいず
れかの画素を選択し、前記中心画素の近傍画素の画素デ
ータの最大値または最小値を検出し、前記マトリクスの
中の前記中心画素に対して対称の位置にある対となる画
素のうちいずれかを対角画素として選択し、対角画素と
して選択された2つの画素の画素データと前記選択され
た中心画素の近傍画素の画素データとを比較して予め設
定した閾値より大きいか否かを検出し、前記検出された
最大値または最小値と、前記検出された閾値との比較条
件を満たす画素を極点画素として検出し、注目2次元領
域の極点画素数とその周囲の2次元領域の極点画素数と
の関係から前記検出された極点画素を含む近傍画素を網
点部として小さな文字と網点との切り分けを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像データの中の
文字を検出して適切な画像処理、特に大きな網点を検出
して適切な画層処理を施す画像処理装置、この画像処理
装置を備えた画像読み取り装置、前記画像処理装置を備
えた画像形成装置、および画像処理装置を備えたカラー
複写装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の技術として、例えば、特許登録
第2778669号公報に開示された発明が公知であ
る。この発明は、網点検出する際に、予め決められた位
置関係の画素に対して極点画素を算出するようにしてい
る。
【0003】また、特開平8−149294号公報に開
示された発明も知られている。この発明は、複数のマト
リックスで、予め決められた位置関係の画素に対して極
点画素を算出するようにしている。また、特開平8−1
49289号公報、特開平8−204968号公報、特
開平8−149291号公報などに開示された発明も知
られている。これらの発明は、周期を検出して網点とす
るものである。さらに、特開平9−51432号公報に
開示された発明も知られている。この発明は、所定の周
期の差が小さいときに網点とするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、低線数網点
(100線以下)を検出する際に、低線数網点と小さな
文字との差が非常に小さくなり、小さな文字と網点の切
り分けが難しくなるが、前記各発明では、このような小
さな文字と網点の切り分けまで配慮されてはいなかっ
た。
【0005】本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、小さな文字と網点の切り分けが容易な
画像処理装置を提供することにある。
【0006】また、他の目的は、低線数網点部と通常網
点部とを切り分け、両者間で画像処理を切り換えること
により画像品質の向上を図ることができる画像処理装置
を提供することにある。
【0007】さらに、他の目的は、小さな文字と網点の
切り分けが容易な画像処理装置を使用し、画像品質に優
れた画像を出力可能な画像読み取り装置、画像形成装置
およびカラー複写装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、第1の手段は、入力された画像データに対して所定
の処理を施して出力する画像処理装置において、M×M
画素(Mは正の整数)からなるマトリックスの中心画素
の濃度がマトリックス内で最大または最小であるか否か
を検出する最大最小濃度検出手段と、前記中心画素の近
傍画素のうちいずれかの画素を中心画素として選択する
中心画素選択手段と、前記マトリクスの中の前記中心画
素に対して対称の位置にある対となる画素のうちいずれ
かを対角画素として選択する対角画素選択手段と、前記
中心画素に対して前記マトリクス中で前記対角画素選択
手段によって選択された対称の位置にある全ての対とな
る画素の濃度の各々の平均値と前記中心画素の濃度の差
の絶対値が予め設定した閾値より大きいか否かを判定す
る比較判定手段と、前記最大最小濃度検出手段によって
最大あるいは最小濃度と検出され、前記比較判定手段に
よって前記閾値より大きいと判定された中心画素を極点
画素とする極点画素検出手段と、注目2次元領域の極点
画素数とその周囲の2次元領域の極点画素数との関係か
ら前記検出された極点画素を含む近傍画素を網点部とし
て検出する網点部検出手段とを備えていることを特徴と
する。
【0009】第2の手段は、第1の手段において、前記
中心画素選択手段は、最大または最小の画素濃度の画素
を選択することを特徴とする。
【0010】第3の手段は、第1の手段において、前記
対角画素選択段は、最大または最小の画素濃度の画素を
選択することを特徴とする。
【0011】第4の手段は、M×M画素からなるマトリ
ックスの中心画素の濃度がマトリックス内で最大または
最小であるか否かを検出する最大最小濃度検出手段と、
前記中心画素に対して前記マトリクス中で対称の位置に
ある全ての対となる画素の濃度の各々の平均値と前記中
心画素の濃度の差の絶対値が予め設定した閾値より大き
いか否かを判定する比較判定手段と、前記最大最小濃度
検出手段によって最大あるいは最小濃度と検出され、前
記比較判定手段によって前記閾値より大きいと判定され
た中心画素を極点画素とする極点画素検出手段と、極点
画素と極点画素の周期が一定の値以下であるときに、極
点画素を無効とする極点画素イレース手段と、注目の2
次元領域の極点画素数とその周囲の2次元領域の極点画
素数の関係から当該注目画素を含む近傍データを低線数
網点部として検出する低線数網点部検出手段とを含んで
低線数網点部検出装置を構成したことを特徴とする。
【0012】第5の手段は、第4の手段において、前記
比較判定手段は、中心画素を核として中心画素に隣接す
る画素とからなる中心画素群と、前記中心画素に対して
対称の位置にある複数の隣接画素を1つのグループとす
る周囲画素群との濃度を比較することを特徴とする。
【0013】第6の手段は、第5の手段において、前記
周囲画素群が、原稿走査速度で規定される拡大複写と縮
小複写に応じて選択されることを特徴とする。
【0014】第7の手段は、第4の手段において、前記
極点画素と極点画素の周期は、最大濃度の極点画素の周
期を検出する第1の周期チェック部と、最小濃度の極点
画素の周期を検出する第2の周期チェック部とからな
り、それぞれの周期チェックは独立して行われることを
特徴とする。
【0015】第8の手段は、第7の手段において、前記
第1の周期チェック部は、主走査1次元方向の網点の濃
度の最大値の間隔を検出し、前記第2の周期チェック部
は、主走査1次元方向の網点の濃度の最小値の間隔を検
出することを特徴とする。
【0016】第9の手段は、第4の手段において、前記
極点画素イレース手段によって無効にされる一定の値
は、低線数の理論値に基づいて設定された値であること
を特徴とする。
【0017】第10の手段は、第4ないし第9のいずれ
かの手段に係る低線数網点部検出装置と、入力された画
像データに対して所定の処理を施して出力する画像処理
手段とを含んで画像処理装置を構成し、前記画像処理手
段は、前記低線数網点部検出装置によって検出された低
線部網点部と、それ以外の網点部とに応じて異なる処理
を行うことを特徴とする。
【0018】第11の手段は、入力された画像データに
対して所定の処理を施して出力する画像処理装置におい
て予め設定された低線数範囲の網点部を検出する検出手
段と、N×N画素(Nは正の整数)からなるマトリック
スの中心画素の濃度がマトリックス内で最大または最小
であるか否かを検出する最大最小濃度検出手段と、前記
中心画素に対して前記マトリクス中で対称の位置にある
全ての対となる画素の濃度の平均値と前記中心画素の濃
度の差の絶対値が予め設定した閾値より大きいか否かを
判定する比較判定手段と、前記最大最小濃度検出手段に
よって最大あるいは最小濃度と検出され、前記比較判定
手段によって前記閾値より大きいと判定された中心画素
を極点画素とする極点画素検出手段と、注目の2次元領
域の極点画素数とその周囲の2次元領域の極点画素数の
関係から当該注目画素を含む近傍データを網点部として
検出する網点検出手段と、前記低線数網点検出装置およ
び前記網点検出手段の検出結果に基づいて画像処理を切
り換える切り換え手段とを備えていることを特徴とす
る。
【0019】第12の手段は、入力された画像データに
対して所定の処理を施して出力する画像処理装置におい
て、予め設定された低線数範囲の網点部を検出する検出
手段と、N×N画素からなるマトリックスの中心画素に
対して前記マトリクス中で対称の位置にある全ての対と
なる画素の濃度の各々の平均値と中心画素の濃度との差
の絶対値が予め設定した閾値より大きいか否かを判定す
る比較判定手段と、前記比較判定手段によって前記閾値
より大きいと判定された画素を極点画素とする極点画素
検出手段と、注目の2次元領域の極点画素数とその周囲
の2次元領域の極点画素数の関係から当該注目画素を含
む近傍データを網点部として検出する網点部検出手段
と、前記低線数網点部検出装置および前記網点部検出手
段の検出結果に基づいて画像処理を切り換える切り換え
手段とを備えていることを特徴とする。
【0020】第13の手段は、第11または第12の手
段において、前記画像処理切り換え手段がフィルタから
なり、低線数網点部の方がそうでない網点部よりも平滑
化の係数を大きく設定したことを特徴とする。
【0021】第14の手段は、第11または第12の手
段において、前記比較判定手段は、中心画素を核として
中心画素に隣接する画素とからなる中心画素群と、前記
中心画素に対して対称の位置にある複数の隣接画素を1
つのグループとする周囲画素群との濃度を比較すること
を特徴とする。
【0022】第15の手段は、第14の手段において、
前記周囲画素群の選択が、原稿走査速度で規定される拡
大複写と縮小複写によって切り換えられることを特徴と
する。
【0023】第16の手段は、第11または第12の手
段において、前記極点画素と極点画素の周期は、最大濃
度の極点画素の周期を検出する第1の周期チェックと、
最小濃度の極点画素の周期を検出する第2の周期チェッ
クとからなり、それぞれの周期チェックは独立して行わ
れることを特徴とする。
【0024】第17の手段は、第16の手段において、
前記第1の周期チェックは、主走査1次元方向の網点の
濃度の最大値の間隔を検出し、前記第2の周期チェック
は、主走査1次元方向の網点の濃度の最小値の間隔を検
出することを特徴とする。
【0025】第18の手段は、第11または第12の手
段において、前記検出手段が、M×M画素からなるマト
リックスの中心画素の濃度がマトリックス内で最大また
は最小であるか否かを検出する最大最小濃度検出手段
と、前記中心画素に対して前記マトリクス中で対称の位
置にある全ての対となる画素の濃度の各々の平均値と前
記中心画素の濃度の差の絶対値が予め設定した閾値より
大きいか否かを判定する比較判定手段と、前記最大最小
濃度検出手段によって最大あるいは最小濃度と検出さ
れ、前記比較判定手段によって前記閾値より大きいと判
定された中心画素を極点画素とする極点画素検出手段
と、極点画素と極点画素の周期が一定の値以下であると
きに、極点画素を無効とする極点画素イレース手段と、
注目の2次元領域の極点画素数とその周囲の2次元領域
の極点画素数の関係から当該注目画素を含む近傍データ
を低線数網点部として検出する低線数網点部検出手段と
からなることを特徴とする。
【0026】第19の手段は、第1、第10、第11お
よび第12のいずれかの手段に係る画像処理装置と、前
記画像処理装置から出力された画像データに基づいて作
像し、作像された画像を用紙上に形成し、画像出力する
画像出力手段とを含んで画像形成装置を構成したことを
特徴とする。
【0027】第20の手段は、第19の手段において、
外部からのプリント指示コマンドを解析して前記画像出
力手段によって外部からの画像情報をプリント出力させ
る制御手段を更に備えていることを特徴とする。
【0028】第21の手段は、第1、第10、第11お
よび第12のいずれかの手段に係る画像処理装置と、原
稿画像を色分解して読み取って生成した画像データを前
記画像処理装置に入力する画像読み取り手段と、前記画
像処理装置から出力された画像データに基づいて作像
し、作像された画像を用紙上に形成し、画像出力する画
像出力手段とを含んでカラー複写装置を構成したことを
特徴とする。
【0029】第1の手段のように極点画素を算出する時
に、あらかじめ決めた決められた画素位置のデータから
算出するのではなく、複数の画素位置の中からデータを
選択するようにすると、小さな文字と網点の切り分けが
容易となり、小さな文字を網点として間違えにくく、低
線数網点を良好に検出することが可能となる。
【0030】第2の手段のように中心画素を選択する際
に、最大値または最小値の画像データを有する画素の画
素データを中心画素データとして選択すると、画像のノ
イズや孤立点などの誤検出を減らすことができる。
【0031】第3の手段のように対角画素を選択する際
に、最大値または最小値の画像データを有する画素の画
素データを対角画素データとして選択すると、画像のノ
イズや孤立点などの誤検出を減らすことができる。
【0032】第4の手段のようにイレース手段によって
極点画素と極点画素の周期が一定の値以下であるときに
極点画素を無効とすると、すなわち、極点画素を算出す
る時に、極点画素間の周期が短い場合には非極点画素と
して処理をすると、小さな文字を網点として間違えにく
く、低線数網点を良好に検出することが可能となる。
【0033】第5および第14の手段のように、1画素
との濃度比較で閾値との関係を決定するのではなく周辺
画素を参照するようにすると、ノイズ(ごみ)の影響を
少なくし、かつ、算術演算量を減らし、他のブロックを
共通に演算式を使えるようにすることが可能となり、ハ
ード化も容易となる。
【0034】第6および第15の手段のように周囲画素
群を原稿走査速度で規定される拡大複写と縮小複写に応
じて選択するようにすると、副走査方向の速度に対応し
た画素群によって濃度検知が実行できる。
【0035】第7、第8、第16および第17の手段の
ように第1および第2の周期チェック部を独立して設
け、一方が最大濃度の網点の間隔と、他方が最小濃度の
網点の間隔を検出するようにしたのは、網点面積率50
%近傍においては、網点の最大濃度のピークと網点の最
小濃度のピークが交互に現れ、正確な周期が現れないた
めである。このように最大濃度のピーク間隔と最小濃度
のピーク間隔を独立して検出することにより、網点ピー
クを精度良く検出することが可能となる。
【0036】第9の手段のように低線数の理論値に基づ
いた設定された数以下の周期を極点画素イレース手段に
よって無効にすると、低線数網点の場合に小さな文字を
誤判定する場合がほとんどなくなる。
【0037】第10の手段のように低線数網点部検出装
置と、入力された画像データに対して所定の処理を施し
て出力する画像処理手段とを含んで画像処理装置を構成
すると、網点部の低線数部と通常網点の処理を切り換え
ることが可能となり、低線数網点部とそれ以外(通常網
点部)で画像処理を切り換え、適切な画像処理を行うこ
とができる。
【0038】第11および第12の手段のような切り換
え手段を備えていると、網点部の低線数部と通常網点の
処理を切り換えることが可能となり、低線数網点部とそ
れ以外(通常網点部)で画像処理を切り換え、適切な画
像処理を行うことができる。
【0039】第13の手段ようにフィルタ処理の切り換
えにより処理を変更すると、簡単な処理で低線数部のモ
アレを防ぐことができる。
【0040】第18の手段のように検出手段を構成する
と、極点画素を算出する時に、極点画素間の周期が短い
場合には非極点画素として処理をすると、小さな文字を
網点として間違えにくく、低線数網点を良好に検出し、
低線網点部とそうでない網点部とを切り分けて適切な画
像処理を行うことができる。
【0041】第19の手段のように画像形成装置を構成
すると、第1、第10、第11および第12の手段に係
る画像処理装置によって処理された画像データに基づい
て画像形成を行うので、小さな文字と低線数網点部とを
切り分け、画像品質の高い画像形成が可能になる。な
お、小さな文字や低線数網点部との切り分けは、白黒画
像であってもカラー画像であっても同様に実行できる。
【0042】第20の手段のように構成すると、ネット
ワークや他のPCから通信回線を介して入力された画像
データについても、小さな文字と低線数網点部とを切り
分け、画像品質の高い画像形成が可能になる。
【0043】第21の手段のように構成すると、カラー
の画像を複写する場合においても、第1、第10、第1
1および第12の手段に係る画像処理装置によって処理
された画像データに基づいて画像形成を行うので、小さ
な文字と低線数網点部とを切り分け、画像品質の高い画
像形成が可能になる。
【0044】なお、前記最大最小濃度検出手段、中心画
素選択手段、対角画素選択手段、比較判定手段、極点画
素検出手段、網点部検出手段および低線数網点検出手段
は、後述の実施形態では、網点ピーク検出部324a〜
c、324c’および網点領域検出部324d,eの各
機能に対応し、1.6.1の網点抽出部324および
2.2の網点抽出部324’の項に詳細に説明されてい
る。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照して詳細に説明する。
【0046】1.第1の実施形態 1.1 デジタルフルカラー複写機 本発明の一実施形態の機構の概要を図1に示す。図1は
本実施形態に係る画像処理装置を備えたデジタルフルカ
ラー複写機の概略構成図である。
【0047】本実施形態に係るデジタルフルカラー複写
機は、カラー画像読み取り装置(以下、スキャナとい
う)200とカラー画像記録装置(以下、カラープリン
タという)400とからなる。
【0048】スキャナ200は、コンタクトガラス20
2上の原稿180の画像を照明ランプ205、ミラー群
204A、204B、204C、およびレンズ206を
介してカラーセンサ207に結像して、原稿のカラー画
像情報を、例えば、ブルー(以下、Bという)、グリー
ン(以下、Gという)およびレッド(以下、Rという)
の色分解光毎に読み取り、電気的な画像信号に変換す
る。カラーセンサ207は、この例では、3ラインCC
Dセンサで構成されており、B、G、Rの画像を色ごと
に読取る。スキャナ200で得たB、G、Rの色分解画
像信号強度レベルをもとにして、図示省略された画像処
理ユニットにて色変換処理を行い、ブラック(以下、B
kという)、シアン(以下、Cという)、マゼンダ(以
下、Mという)およびイエロー(以下、Yという)の記
録色情報を含むカラー画像データを得る。
【0049】このカラー画像データを用い、カラープリ
ンタ400によって、Bk、C、M、Yの画像を中間転
写ベルト上に重ね形成し、そして転写紙に転写する。ス
キャナ200は、カラープリンタ400の動作とタイミ
ングをとったスキャナスタート信号を受けて、照明ラン
プ205やミラー群204A、204B、204Cなど
からなる照明・ミラー光学系が左矢印方向へ原稿走査
し、1回走査毎に1色の画像データを得る。そして、そ
の都度、カラープリンタ400で順次、顕像化しつつ、
これらを中間転写ベルト上に重ね合わせて、4色のフル
カラー画像を形成する。
【0050】カラープリンタ400の露光手段としての
書き込み光学ユニット401は、スキャナ200からの
カラー画像データを光信号に変換して、原稿画像に対応
した光書き込みを行い、感光体ドラム414上に静電潜
像を形成する。光書き込み光学ユニット401は、レー
ザ発光器441、これを発光駆動する発光駆動制御部
(図示省略)、ポリゴンミラー443、これを回転駆動
する回転用モータ444、fθレンズ442、反射ミラ
ー446などで構成されている。感光体ドラム414
は、矢印で示すように図示反時計方向に回転するが、そ
の周りには、感光体クリーニングユニット421、除電
ランプ414M、帯電器419、感光体ドラム上の潜像
電位を検知する電位センサ414D、リボルバ現像装置
420のうちの選択された現像器、現像濃度パターン検
知器414P、中間転写ベルト415などが配置されて
いる。
【0051】リボルバ現像装置420は、BK現像器4
20K、C現像器420C、M現像器420M、Y現像
器420Yと、各現像器を矢印で示すように図示反時計
方向に回転させるリボルバ回転駆動部(図示省略)など
からなる。これら各現像器は、静電潜像を顕像化するた
めに、現像剤の穂を感光体ドラム414の表面に接触さ
せ、回転する現像スリーブ420KS、420CS、4
20MS、420YSと、現像剤を組み上げ・撹拌する
ために回転する現像パドルなどで構成されている。待機
状態では、リボルバ現像装置420はBK現像器420
Kで現像を行う位置にセットされており、コピー動作が
開始されると、スキャナ200で所定のタイミングから
BK画像データの読み取りがスタートし、この画像デー
タに基づき、レーザ光による光書き込み・潜像形成が始
まる。以下、Bk画像データによる静電潜像をBk潜像
という。C、M、Yの各画像データについても同様であ
る。このBk潜像の先端部から現像可能とすべく、Bk
現像器420Kの現像位置に潜像先端部が到達する前
に、現像スリーブ420KSの回転を開始させ、Bk潜
像をBkトナーで現像する。そして、以後、Bk潜像領
域の現像動作を続けるが、潜像後端部がBk潜像位置を
通過した時点で、速やかに、Bk現像器420Kによる
現像位置から次の色の現像器による現像位置まで、リボ
ルバ現像装置420を駆動して回動させる。この回動動
作は、少なくとも次の画像データによる潜像先端部が到
達する前に完了させる。
【0052】像の形成サイクルが開始されると、感光体
ドラム414は矢印で示すように反時計方向に回転し、
中間転写ベルト415は図示しない駆動モータにより、
時計方向に回転する。中間転写ベルト415の回転動作
に伴って、BKトナー像形成、Cトナー像形成、Mトナ
ー像形成およびYトナー像形成が順次行われ、最終的
に、BK、C、M、Yの順に中間転写ベルト415上に
重ねてトナー像が形成される。BK像の形成は、以下の
ようにして行われる。すなわち、帯電器419がコロナ
放電によって、感光体ドラム414を負電荷で約−70
0Vに一様に帯電する。続いて、レーザダイオード44
1は、Bk信号に基づいてラスタ露光を行う。このよう
にラスタ像が露光されたとき、当初、一様に荷電された
感光体ドラム414の露光された部分については、露光
光量に比例する電荷が消失し、静電潜像が形成される。
リボルバ現像装置420内のトナーは、フェライトキャ
リアとの撹拌によって負極性に帯電され、また、本現像
装置のBK現像スリーブ420KSは、感光体ドラム4
14の金属基体層に対して図示しない電源回路によっ
て、負の直流電位と交流とが重畳された電位にバイアス
されている。この結果、感光体ドラム414の電荷が残
っている部分には、トナーが付着せず、電荷のない部
分、つまり、露光された部分にはBkトナーが吸着さ
れ、潜像と相似なBk可視像が形成される。中間転写ベ
ルト415は、駆動ローラ415D、転写対向ローラ4
15T、クリーニング対向ローラ415Cおよび従動ロ
ーラ415F群に張架されており、図示しない駆動モー
タにより回動駆動される。さて、感光体ドラム414上
に形成したBkトナー像は、感光体と接触状態で等速駆
動している中間転写ベルト415の表面に、ベルト転写
コロナ放電器(以下、ベルト転写部という。)416に
よって転写される。以下、感光体ドラム414から中間
転写ベルト415へのトナー像転写を、ベルト転写と称
する。感光体ドラム414上の若干の未転写残留トナー
は、感光体ドラム414の再使用に備えて、感光体クリ
ーニングユニット421で清掃される。ここで回収され
たトナーは、回収パイプを経由して図示しない排トナー
タンクに蓄えられる。
【0053】なお、中間転写ベルト415には、感光体
ドラム414上に順次形成するBk、C、M、Yのトナ
ー像を、同一面に順次、位置合わせして、4色重ねのベ
ルト転写画像を形成し、その後、転写紙にコロナ放電転
写器によって一括転写を行う。ところで、感光体ドラム
414側では、BK画像の形成工程の次に、C画像の形
成工程に進むが、所定のタイミングから、スキャナ20
0によるC画像データの読み取りが始まり、その画像デ
ータによるレーザ光書き込みで、C潜像の形成を行う。
C現像器420Cは、その現像位置に対して、先のBk
潜像後端部が通過した後で、かつ、C潜像先端が到達す
る前に、リボルバ現像装置の回転動作を行い、C潜像を
Cトナーで現像する。以降、C潜像領域の現像を続ける
が、潜像後端部が通過した時点で、先のBk現像器の場
合と同様にリボルバ現像装置420を駆動して、C現像
器420Cを送り出し、次のM現像器420Mを現像位
置に位置させる。この動作もやはり、次のM潜像先端部
が現像部に到達する前に行う。なお、MおよびYの各像
の形成工程については、それぞれの画像データの読み取
り、潜像形成、現像の動作が、前述のBk像や、C像の
工程に準ずるので、説明は省略する。
【0054】ベルトクリーニング装置415Uは、入口
シール、ゴムブレード、排出コイルおよび、これら入口
シールやゴムブレードの接離機構により構成される。1
色目のBk画像をベルト転写した後の、2、3、4色目
を画像をベルト転写している間は、ブレード接離機構に
よって、中間転写ベルト面から入口シール、ゴムブレー
ドなどは離間させておく。
【0055】紙転写コロナ放電器(以下、紙転写器とい
う。)417は、中間転写ベルト415上の重ねトナー
像を転写紙に転写するべく、コロナ放電方式にて、AC
+DCまたは、DC成分を転写紙および中間転写ベルト
に印加するものである。
【0056】給紙バンク内の転写紙カセット482に
は、各種サイズの転写紙が収納されており、指定された
サイズの用紙を収納しているカセットから、給紙コロ4
83によってレジストローラ対418R方向に給紙・搬
送される。なお、符号412B2は、OHP用紙や厚紙
などを手差しするための給紙トレイを示している。像形
成が開始されるタイミングで、転写紙は前記いずれかの
給紙トレイから給送され、レジストローラ対418Rの
ニップ部にて待機している。そして、紙転写器417に
中間転写ベルト415上のトナー像の先端がさしかかる
ときに、丁度、転写紙先端がこの像の先端に一致する如
くにレジストローラ対418Rが駆動され、紙と像との
合わせが行われる。このようにして、転写紙が中間転写
ベルト上の色重ね像と重ねられて、正電位につながれた
紙転写器417の上を通過する。このとき、コロナ放電
電流で転写紙が正電荷で荷電され、トナー画像の殆どが
転写紙上に転写される。つづいて、紙転写器417の左
側に配置した図示しない除電ブラシによる分離除電器を
通過するときに、転写紙は除電され、中間転写ベルト4
15から剥離されて紙搬送ベルト422に移る。中間転
写ベルト面から4色重ねトナー像を一括転写された転写
紙は、紙搬送ベルト422で定着器423に搬送され、
所定温度にコントロールされた定着ローラ423Aと加
圧ローラ423Bのニップ部でトナー像を溶融定着さ
れ、排出ロール対424で本体外に送り出され、図示省
略のコピートレイに表向きにスタックされる。
【0057】なお、ベルト転写後の感光体ドラム414
は、ブラシローラ、ゴムブレードなどからなる感光体ク
リーニングユニット421で表面をクリーニングされ、
また、除電ランプ414Mで均一除電される。また、転
写紙にトナー像を転写した後の中間転写ベルト415
は、再び、クリーニングユニット415Uのブレード接
離機構でブレードを押圧して表面をクリーニングする。
リピートコピーの場合には、スキャナの動作および感光
体への画像形成は、1枚目の4色目画像工程にひきつづ
き、所定のタイミングで2枚目の1色目画像工程に進
む。中間転写ベルト415の方は、1枚目の4色重ね画
像の転写紙への一括転写工程にひきつづき、表面をベル
トクリーニング装置でクリーニングされた領域に、2枚
目のBkトナー像がベルト転写されるようにする。その
後は、1枚目と同様動作になる。
【0058】図1に示すデジタルフルカラー複写機は、
パーソナルコンピュ−タ等のホストから、LANまたは
パラレルI/Fを通じてプリントデ−タが与えられると
それをカラープリンタ400でプリントアウト(画像出
力)でき、しかもスキャナ200で読取った画像データ
を遠隔のフアクシミリに送信し、受信する画像データも
プリントアウトできる複合機能つきのカラー複写機であ
る。この複写機は、構内交換器PBXを介して公衆電話
網に接続され、公衆電話網を介して、ファクシミリ交信
やサ−ビスセンタの管理サ−バと交信することができ
る。
【0059】1.2 電気システム 1.2.1 システムの概要 図2に、図1に示すデジタルフルカラー複写機の電気シ
ステムの概要を示す。
【0060】図2はメインコントローラ10を中心に、
デジタルフルカラー複写機の制御装置を図示したもので
ある。メインコントローラ10は、複写機全体を制御す
る。メインコントローラ10には、オペレータに対する
表示と、オペレータからの機能設定入力制御を行う操作
/表示ボードOPB、エディタ15、スキャナ200お
よびオプションのADFの制御、原稿画像を画像メモリ
に書き込む制御、および、画像メモリからの作像を行う
制御等を行うスキャナコントローラ12、プリンタコン
トローラ16、画像処理ユニット(IPU)300、な
らびにカラープリンタ400内にあって荷電、露光、現
像、給紙、転写、定着、および転写紙搬送を行う作像エ
ンジンの制御を行うエンジンコントローラ13等の分散
制御装置が接続されている。各分散制御装置とメインコ
ントローラ10は、必要に応じて機械の状態、動作指令
のやりとりを行っている。また、紙搬送等に必要なメイ
ンモータ、各種クラッチも、メインコントロ−ラ10内
の図示しないドライバに接続されている。なお、11は
ICカード、14はソータコントローラであり、ICカ
ード11は、例えば部署毎の複写枚数の管理などに使用
される。
【0061】カラープリンタ400には、給紙トレイか
らの給紙をはじめとして、感光体414の荷電、レーザ
書込みユニットによる画像露光、現像、転写、定着およ
び排紙を行なう機構要素を駆動する電気回路および制御
回路、および各種センサ等が設けられている。
【0062】プリンタコントローラ16は、パソコンな
ど外部からの画像およびプリント指示するコマンドを解
析し、画像データとして、印刷できる状態にビットマッ
プ展開し、メインコントローラ10を介して、プリンタ
400を駆動して画像データをプリントアウトする。画
像およびコマンドをLANおよびパラレルI/Fを通じ
て受信し動作するために、LANコントロール19とパ
ラレルI/F18を備えている。
【0063】FAXコントローラ17は、フアクシミリ
送信指示があるときには、メインコントローラ10を介
してスキャナ200およびIPU300を駆動し、原稿
の画像を読んで画像データを通信コントロール20およ
びPBXを介してファクシミリ通信回線に送出する。通
信回線からファクシミリの呼びを受け、画像データを受
信すると、メインコントローラ10を介してプリンタ4
00を駆動し、画像データをプリントアウトする。
【0064】図3に、画像処理ユニット(IPU)30
0の構成を示す。同図において、スキャナ200から出
力されるR、G、B画像データが、インターフエイス
(1)351を介してIPU300に与えられる。な
お、BまたはR単色の記録をBRユニット355が指示
する時には、R、G、B画像データの選択と集成が行わ
れるが、このモードの画像記録処理の説明は省略する。
IPU300に与えられたR、G、B画像データは、R
GBγ補正部310で、反射率データ(R、G、Bデー
タ)から濃度データ(R、G、Bデータ)に変換され
る。
【0065】原稿認識部320が、この濃度R、G、B
データに基づいて、それらのデータが宛てられる画像領
域が文字領域(文字や線画の領域)か絵柄領域(写真や
絵の領域&文字領域でない領域)かを判定し、C/P信
号およびB/C信号を、RGBフィルタ部330、なら
びに、インターフェイス(3)353を介してメインコ
ントローラ10に与える。なお、C/P信号およびB/
C信号は、 C/P信号:1ビット信号であり、1が文字エッジ領域
を示し、0が絵柄領域を示す。
【0066】B/C信号:1ビット信号であり、H
(「1」)が無彩領域を示し、L(「0」)が有彩領域
を示す。
【0067】1.2.2 原稿認識部320(図4) 図4に、原稿認識部320の機能をブロック区分で示
す。原稿認識部320は、文字エッジ検出、絵柄検出お
よび有彩/無彩検出を行って、文字エッジ領域あるいは
絵柄領域を表すC/P信号および有彩領域/無彩領域を
表すB/C信号を発生する。
【0068】原稿認識部320は、大別すると、フィル
タ部321、エッジ抽出部322、白領域抽出部32
3、網点抽出部324、色判定部325および総合判定
部326からなる。なお、ここでは、スキャナ200の
読み取り密度が600dpi程度の場合を例として説明
する。
【0069】1.2.3 フィルタ部321 フィルタ部321は、主に文字のエッジの抽出ために、
スキャナ200が発生するG画像データを補正する。こ
こで、スキャナ200で読み取ったデータは、レンズな
どの性能でボケていることがあるので、エッジ強調フィ
ルタをかける。ただ、ここでは、単純に原稿上のエッジ
を強調し、複写機に広く普及している階調表現のための
万線パターンを強調しない必要がある。万線パターンを
強調してしまうと、絵柄(万線パターンによる階調表現
領域)をエッジとして抽出して、最終的に文字エッジと
誤判定する可能性があるので、強調しないようにする必
要がある。また、図8に示すように、600dpiの万
線パターンAと400dpiの万線パターンBは、繰返
し周期が異なるので、同一のフィルタ係数で強調しない
ようにするのは難しい。そのため、画像パターンの周期
を検出して、フィルタの係数を切換える。なお、図8に
おいて、主走査方向xの白1ブロック幅とそれに接する
黒1ブロック幅との和が、万線ピッチ(定幅:所定数の
画素)すなわち万線周期であり、低濃度中間調の時には
白ブロック幅が広がり黒ブロック幅が狭くなる。高濃度
中間調になるにつれて、白ブロック幅が狭くなり黒ブロ
ック幅が広がる。
【0070】この実施形態では、フィルタ部321の画
素マトリクスを、主走査方向xの画素数7×副走査方向
y(スキャナ200の機械的な原稿走査方向)の画素数
5として、図4上のフィルタ部321のブロックに示す
ように、各画素宛てに各重み付け係数a1〜a7、b1
〜b7、c1〜c7、d1〜d7、e1〜e7を宛てた
2組の係数グループ(係数マトリクス)A、Bがある。
次の係数グループAは、図8の600dpiの万線パタ
ーンAの強調は抑制し、しかも文字のエッジを強調する
フィルタ処理用の係数であり、係数グループBは、図8
の400dpiの万線パターンBの強調は抑制し、しか
も文字のエッジを強調するフィルタ処理用の係数であ
る。
【0071】フィルタ処理とは、係数グループA、また
はBとの演算結果/16+注目画素である。このことに
より、画像データを強調する。 係数グループA 0 −1 0 −2 0 −1 0 0 −1 0 −2 0 −1 0 0 −1 −1 20 −1 −1 0 0 −1 0 −2 0 −1 0 0 −1 0 −2 0 −1 0。
【0072】 係数グループB −1 0 0 −2 0 0 −1 −1 0 0 −2 0 0 −1 −1 0 −1 20 −1 0 −1 −1 0 0 −2 0 0 −1 −1 0 0 −2 0 0 −1。
【0073】なお、横方向が主走査方向xの並び、縦方
向が副走査方向yの並びである。係数グループA、B
の、グループ内第1行の係数が、図4上のフィルタ32
1のブロックの係数マトリクスの、第1行の係数a1〜
a7であり、係数グループA、Bの第3行の中央の「2
0」が、フィルタ部321のブロックの係数マトリクス
の第3行c1〜c7の中央の画素の係数即ち注目画素の
係数c4である。係数マトリクスの各係数に、それに宛
てられる画素の画像データが表す値を乗算した積(総計
7×5=35個)の総和(積和値)が、注目画素(c4
が宛てられた画素)の、フィルタ部321で処理した画
像データ値として、エッジ抽出部322および白領域抽
出部323に与えられる。ここで注目画素とは、現在処
理対象の画素であり、それが順次にx方向にそしてy方
向に位置が異なるものに更新される。
【0074】係数グループAは、図8に示す600dp
iの万線パターンAの万線ピッチで負の係数(小さい値
の係数)が分布しそれらの間に0(やや大きい値の係
数)が分布し、そしてエッジ強調のために注目画素には
20(極めて大きな係数)が宛てられている。これによ
り、画像データ(注目画素)が万線パターンAの領域の
黒/白間エッジである時には、それにあてて導出される
加重平均値(積和値)は、万線パターンAでない文字エ
ッジである時に比べて、かなり低い値になる。
【0075】係数グループBは、図8に示す400dp
iの万線パターンBの万線ピッチで負の係数(小さい値
の係数)が分布し、それらの間に0(やや大きい値の係
数)が分布し、そして、エッジ強調のために注目画素に
は20(極めて大きな係数)が宛てられている。これに
より、画像データ(注目画素)が万線パターンBの領域
の黒/白間エッジである時には、それにあてて導出され
る加重平均値(積和値)は、万線パターンBでない文字
エッジである時に比べて、かなり低い値になる。
【0076】なお、フィルタ部321では、下記条件
1、2のどちらかが成立したとき、即ち、図8の400
dpiの万線パターンBである可能性が高い時に、係数
グループBによるフィルタ処理を行い、そうでないとき
に係数グループAによるフィルタ処理を行なう: −条件1−〔400dpi系の万線パターンBの薄いと
ころ(図8上の白区間)かを見る条件〕 (D[3][1]<D[3][2])& (D[3][7]<D[3][6])& (ABS(D[3][2]−D[3][4]) >ABS(D[3][4]−D[3][1]))& (ABS(D[3][6]−D[3][4]) >ABS(D[3][4]−D[3][7])) −条件2−〔400dpi系の万線パターンBの濃いと
ころ(図8上の黒区間)かを見る条件〕 (D[3][1]>D[3][2])& (D[3][7]>D[3][6])& (ABS(D[3][2]− D[3][4]) >ABS(D[3][4]−D[3][1]))& (ABS(D[3][6]−D[3][4]) >ABS(D[3][4]−D[3][7])) なお、D[i][j]は、x、y分布の画素マトリクス
上の、x=i、y=jの位置の画素の画像データが表す
値を意味し、例えば、D[3][1]は、図4上のフィ
ルタ部321のブロックに示す係数マトリクスの係数a
3が宛てられる画素の画像データが表す値である。
「&」は「論理積:AND」を意味し、「ABS」は、
絶対値演算子を意味する。注目画素は、D[4][3]
である。
【0077】前記条件1または2が成立すると、その時
の注目画素が、図8に示す600dpi読み取り時の4
00dpiの万線パターンBの領域のものである、と見
なして、係数グループBを用いて文字エッジ強調のフィ
ルタ処理を行う。条件1および2のいずれも成立しない
と、図8に示す600dpi読み取り時の600dpi
の万線パターンAが強調されるのを避ける係数グループ
Aを用いて文字エッジ強調のフィルタ処理を行う。即
ち、画像周期(ピッチ)を検出して、特定周期の画像パ
ターンを強調しないようにしている。万線パターンを強
調せずに、文字のエッジを強調することが可能となる。
なお、図4には、エッジ処理にG画像データを参照する
態様を示すが、G画像データに限らず、輝度データであ
ってもよい。濃い薄いを表現する信号なら適応可能であ
る。
【0078】1.2.4 エッジ抽出部322 文字領域は、高レベル濃度の画素と低レベル濃度の画素
(以下、黒画素、白画素と呼ぶ)が多く、かつ、エッジ
部分では、これらの黒画素および白画素が連続してい
る。エッジ抽出部322は、このような黒画素および白
画素それぞれの連続性に基づいて文字エッジを検出す
る。
【0079】1.2.5 3値化部322a まず、3値化部322aで、2種の閾値TH1およびT
H2を用いて、フィルタ部321が文字エッジ強調のフ
ィルタ処理をしたG画像データ(エッジ抽出部322の
入力データ)を3値化する。閾値TH1およびTH2
は、例えば、画像データが0から255までの256階
調(0=白)を表す場合、例えばTH1=20、TH2
=80に設定する。3値化部322aでは、 入力データ<TH1 であると、該データが宛てられる画素を白画素と表す3
値化データに入力データを変換し、 TH1≦入力データ<TH2 であると中間調画素と表す3値化データに入力データを
変換し、 TH2≦入力データ であると黒画素と表す3値化データに入力データを変換
する。
【0080】1.2.6 黒画素連続検出部322b、
白画素連続検出部322c 黒画素連続検出部322bおよび白画素連続検出部32
2cが、3値化データに基づいて黒画素が連続する箇所
および白画素が連続する箇所を、それぞれパターンマッ
チングにより検出する。このパターンマッチングには、
本実施形態では、図9に示す3×3画素マトリクスのパ
ターンBPa〜BPdおよびWPa〜WPdを用いる。
図9に示すパターンにおいて、黒丸は前述の黒画素であ
ることを示し、白丸は前述の白画素であることを示し、
いずれの丸印もない空白画素は、黒画素、中間調画素、
白画素のいずれであるか問わないものである。3×3画
素マトリクスの中心の画素が注目画素である。
【0081】黒画素連続検出部322bは、3値化デー
タの内容の分布が、図9に示す黒画素分布パターンBP
a〜BPdのいずれかにマッチングすると、その時の注
目画素を「黒連続画素」としてそれを表すデータを該注
目画素に与える。同様に、白画素連続検出部322c
は、図9に示す白画素分布パターンWPa〜WPdのい
ずれかにマッチングすると、その時の注目画素を「白連
続画素」としてそれをあらわすデータを該注目画素に与
える。
【0082】1.2.7 近傍画素検出部322d 次の近傍画素検出部322dは、黒画素連続検出部32
2bおよび白画素連続検出部322cの検出結果につい
て、この近傍画素検出部322dでの注目画素の近傍に
黒連続画素または白連続画素があるか否かを調べること
により、該注目画素が、エッジ領域と非エッジ領域のい
ずれにあるかを判定する。より具体的に述べれば、本実
施形態にあっては、5×5画素マトリクスのブロック
で、その内部に黒連続画素と白連続画素がそれぞれ1つ
以上存在するときに、そのブロックをエッジ領域と判定
し、そうでないときに、そのブロックを非エッジ領域と
判定する。
【0083】1.2.8 孤立点除去部322e さらに、文字エッジは連続して存在するので、孤立点除
去部322eにて孤立しているエッジを非エッジ領域に
補正する。そして、エッジ領域と判定した画素に対して
“1”(エッジ領域)なるedge信号を出力し、非エ
ッジ領域と判定した画素に対して“0”(非エッジ領
域)なるedge信号を出力する。
【0084】1.3 白領域抽出 1.3.1 白領域抽出部323 図4における白領域抽出部323は、図21に示すよう
に2値化部323a、RGB白抽出部323b、白判定
部323c、白パターンマッチング部323d、白パタ
ーン補正部323j、白膨張部323h、白収縮部32
3l、白補正部323g、グレーパターンマッチング部
323h、グレー膨張部323iおよび判定部323m
からなる。なお、図4における白領域抽出部323は図
21のMの部分を置換したものである。
【0085】1.3.2 2値化部323a 2値化部323aは、フィルタ部321の画像濃度デー
タ(G画像データ)のエッジ強調出力を、閾値thws
bで2値化して、白パターンマッチング部323d(の
処理を表す図5のステップSS7)が参照する白データ
の生成のための2値化白判定信号を発生する。なお、エ
ッジ強調出力は、この実施形態では0から255の25
6階調であり、0が濃度の無い白であり、閾値thws
bの一例は50であって、エッジ強調出力の値がthw
sb=50より小さければ、2値化部323aが「2値
化白」と判定し、2値化白判定信号「1」を発生する。
エッジ強調出力の値がthwsb=50以上のときは2
値化白判定信号「0」を発生する。
【0086】1.3.3 RGB白抽出部323b RGB白抽出部323bは、 1)RGB白地検出 2)色地検出 3)グレー画素検出 を行って、画像データが白領域かグレー領域(中濃度領
域)か否かを判定する。
【0087】1)RGB白地検出 該RGB白地検出では、R,G,B画像データで白地領
域を検出することにより、白背景分離の動作をアクティ
ブにする。すなわち白背景分離の処理を起動する。具体
的には、図10のパターンWBPに示すように、3×3
画素マトリックスのR,G,B画像データのすべてが閾
値thwssより小さければ、注目画素(3×3画素マ
トリックスの中心画素)を白領域と判定して白パターン
マッチング部323d(の処理を表す図10のステップ
S3が参照する白地判定信号)をアクティブ(「1」)
にする。これは、ある程度の広がりの白画素領域がある
かを検出するものである。なお、R,G,B画像データ
のそれぞれも、この実施形態では0から255の256
階調であり、0が濃度の無い基底レベルであり、閾値t
hwss<thwsbであって、thwssの一例は4
0であって、R,G,B画像データのすべてがthws
s=40より小さいと、「白地」と判定し白地判定信号
「1」を発生する。R,G,B画像データのいずれかが
thwss=40以上のときは白地判定信号「0」を発
生する。
【0088】2)色地検出 薄い色を白背景と判定しないようにするために、色地を
検出する。
【0089】A.ここでは先ず、注目画素を中心とする
5×5画素マトリックスの各画素の符号を、図11のパ
ターンMPpに示すものとすると、注目画素となる中心
画素c3(MCa〜MCdの×印画素)のRGB差(1
画素宛てのR,G,B画像データの最大値と最小値との
差)が閾値thcより大きいと色画素判定信号aを
「1」(色画素)とし、閾値thc以下のときは「0」
(白黒画素)とする。
【0090】B.注目画素の片側の周辺画素群△(図1
1のMCa〜MCdの中)のいずれかの画素のR,G,
B画像データがすべて閾値thwc以下であると、一方
側白判定信号bを「1」(白画素)とし、閾値thwc
を超えるときは「0」(非白画素)とする。閾値thw
cは例えば20である。
【0091】C.注目画素の他方側の周辺画素群□(図
11のMCa〜MCdの中)のいずれかの画素のR,
G,B画像データがすべて閾値thwc以下であると他
方側白判定信号cを「1」(白画素)とし、閾値thw
cを超えるときは「0」(非白画素)とする。
【0092】D.図11のパターンMCa〜MCdのい
ずれかにおいて、 a AND (bとcのエクスクルーシブノア)=
「1」 が成立すると、すなわち、a=「1」(注目画素が色画
素)、かつ、bとcが一致(注目画素の両側ともに白画
素、または、両側ともに非白画素)のとき、注目画素宛
ての色地判定信号dを「1」(色地)とする。この色地
判定信号dは、白パターンマッチング部323d(の処
理を表す図10のステップS6)で参照される。
【0093】前述のパターンマッチングA〜Dを行うの
は、黒文字のまわりがRGB読取り位置ずれでわずかな
がらに色付きになるとき、そこを色と拾わないためであ
る。黒文字のまわりの色付きの位置では、(bとcのエ
クスクルーシブノア)か゛「0」(注目画素の両側の一
方が白画素、他方が非白画素)となり、この場合は、色
地判定信号d=「0」(非色地)となる。加えて、注目
画素が、周辺を白地で囲まれた色画素のときには、色地
判定信号d=「1」(色地)となり、線が込み入ったと
ころでも、薄い色画素を色地として検出することができ
る。すなわち、線が込み入ったところでは、本来白いと
ころが完全に白に読取られないが、前記処理A.でRG
B差が小さい場合には色画素と判定しないので、閾値t
hwcを、濃度を見るべき白地よりも厳しく設定して
(たとえばthwss=40、thwsb=50に対
し、thwc=20)、B〜Dの処理で白背景か否を厳
密にチエックして薄い色画素を色地として正確に検出す
ることができる。
【0094】なお、色時検出に際し、谷白画素検出を行
う場合もある。谷白画素検出は、前記RGB白地検出で
検出できない小さな白領域の谷白画素を図10に示すG
画像データの5×5画素マトリクス分布RDPaおよび
RDPbに基づいて検出する。具体的には、5×5画素
マトリクス分布RDPaに基づいて、 miny=min(G[1][2]、G[1][3]、
G[1][4]、G[5][2]、G[5][3]、G
[5][4]) を算出する。即ち、図10に示す5×5画素マトリクス
分布RDPaの、黒丸を付した画素群の中の最低濃度m
inyを摘出する。そして、 maxy=max(G[3][2]、G[3][3]、
G[3][4]) を算出する。即ち、図10に示す5×5画素マトリクス
分布RDPaの、白丸を付した画素群の中の最高濃度m
axyを摘出する。次に、 mint=min(G[2][1]、G[3][1]、
G[4][1]、G[2][5]、G[3][5]、G
[4][5]) を算出する。即ち、図10に示すもう1つの5×5画素
マトリクス分布RDPbの、黒丸を付した画素群の中の
最低濃度mintを摘出する。そして、 maxt=max(G[2][3]、G[3][3]、
G[4][3]) を算出する。即ち、図10に示す5×5画素マトリクス
分布RDPbの、白丸を付した画素群の中の最高濃度m
axtを摘出する。ここで、min( )は最小値を検
出する関数である。max( )は、最大値を検出する
関数である。次に、 OUT=((miny−maxy) > 0) #
((mint−maxt) > 0) を算出する。即ち、(miny−maxy)と(min
t−maxt)のうち、正値であって大きいほうの値を
谷検出値OUTとし、このOUTの値がある閾値以上で
あると、注目画素(RDPaまたはRDPbの中心画
素)を谷白画素と検出する。このように画像の谷状態を
検出して、1)RGB白地検出では、検出しにくいとこ
ろを補う。
【0095】1.3.4 白判定部323c ここでは、白判定に用いる状態変数MS、SS[I]の
更新を行う。その内容を図5のフローチャートに示す。
ここで、状態変数MSは処理対象ライン(注目ライン)
の画素宛てのもの、状態変数SS[I]は処理対象ライ
ンの1ライン前(処理済ライン)の画素宛てのものであ
り、いずれも白地の白の程度を表す4bitの白地情報
であり、図5のフローチャートに示す処理によって生成
されるものである。状態変数MSおよびSS[I]が表
す値の最高値は15に定めており、これが最も白い程度
を意味し、最低値は0である。すなわち状態変数MSお
よびSS[I]は、白の程度を示すデータであり、それ
が表す値が大きいほど、強い白を意味する。複写動作開
始時に、状態変数MSおよびSS[I]は共に0に初期
化される。
【0096】図5の処理においてはまず、処理対象であ
る注目画素の1ライン前の状態変数すなわち白地情報S
S[I]と注目画素の同一ライン上の1画素前の画素
(先行画素:処理済画素)の状態変数すなわち白地情報
MSとを比較して(ステップS1)、1ライン前の白地
情報SS[I]の方が大きければ、それを注目画素の仮
の白地情報MSとする(ステップS2)が、そうでない
と先行画素の状態変数MSを注目画素の仮の白地情報M
Sとする。これは、周辺画素の白地情報の、より白に近
い情報を選択することを意味する。
【0097】複写動作を開始してから、前記1)RGB
白地検出で白領域すなわち白地を検出すると〔前記1)
RGB白地検出の出力である白地判定信号=「1」〕、
注目画素の1ライン前の画素の白地情報SS[I]を1
5に更新し(ステップS3、4)、注目画素の白地情報
MSも15とする(ステップS5)。そして、注目画素
の白地情報MSは、図12に示すラインメモリLMPの
現ライン(注目ライン)用のラインメモリの注目画素の
主走査位置(F)に書込み、1ライン前の画素宛ての白
地情報SS[I]は、図12に示すラインメモリLMP
の前1ライン用のラインメモリの注目画素の主走査位置
(F)に書込む(ステップS3、4、5)。次に、1ラ
イン前の画素宛ての白地情報SS[I]を、1ライン前
の画素に、次のように、伝搬させる(ステップS14〜
17)。なお、[I]は注目画素の主走査位置を意味
し、[I−1]は主走査方向xでそれより1画素前の画
素(注目画素の直前の画素)の位置を意味する。
【0098】SS[I−1]<SS[I]−1 の時、 SS[I−1]=SS[I]−1 をラインメモリにセットする(ステップS14、1
5)。即ち、注目画素より1ライン前のラインにおい
て、主走査方向で注目画素の位置(F)より1画素前
(E)の白地情報SS[I−1]よりも注目画素の位置
(F)の白地情報SS[I]から1を減算した値「SS
[I]−1」のほうが大きい(白程度が強い)と、1ラ
イン前のライン上の注目画素の位置(F)より1画素前
の画素(E)宛ての白地情報SS[I−1]を、注目画
素の位置(F)の白地情報SS[I]より1だけ白強度
を下げた値に更新する。
【0099】次に、 SS[I−2]<SS[I]−2 の時、 SS[I−2]=SS[I]−2 をラインメモリにセットする(ステップS16、17−
14、15);次に、 SS[I−3]<SS[I]−3 の時、 SS[I−3]=SS[I]−3 をラインメモリにセットする(ステップS16、17−
14、15)。
【0100】以下同様にして、最後に、 SS[I−15]<SS[I]−15 の時、 SS[I−15]=SS[I]−15 をラインメモリにセットする(ステップS16、17−
14、15)。これらの白地情報SS[I]の値の下限
値MINは0であり、0未満になるときには、0にとど
める。これは後述のステップS13においても同様であ
る。
【0101】これらのステツプ14〜17の処理によ
り、1ライン前かつ注目画素の主走査位置より前の白地
情報SSが、注目画素の白地情報MSを、それから主走
査方向xの1画素の位置ずれにつき1の低減率で下げた
値に更新され、注目画素の白地情報が1ライン前の主走
査方向xで主走査の後方に、前記低減率で伝搬する(白
伝搬処理)。但しこれは、1ライン前の白地情報のほう
が小さい値である場合である。例えば1ライン前の画素
が、前記1.)RGB白地検出で白地(白領域)と検出
したものであるときにはそれの白地情報は15であって
最高値であるので書換えは行われない。
【0102】注目画素を更新してそれが白地でないもの
になると〔前記1)RGB白地検出の出力である白地判
定信号=「0」〕、ステップS3からステップS6以下
に進み、注目画素が、色地〔前記2)色地検出の出力で
ある色地判定信号d=「1」〕でなく(非色地であ
り)、2値化白〔前記2値化部323aの出力である2
値化白判定信号=「1」〕であり、しかも、ステツプ
1、2で仮に定めた注目画素の状態変数すなわち白地情
報MSが閾値thw1(例えば13)以上、である時
に、注目画素宛ての白地情報MSを+1する(ステップ
S6〜10)。すなわち、1だけ白程度が強い値に更新
する。白地情報MSの最高値maxは15に定めてお
り、15を超える時には15にとどめる(ステップS
9、10)。この経路を進んできたときにも、前述のス
テップS5および14〜17を実行する。すなわち、白
伝搬処理を行う。
【0103】注目画素が非色地かつ2値化白ではある
が、白地情報MSがthw1(たとえば7)未満、th
w2(例えば1)以上、かつ、谷白画素である時には、
状態変数MSをそのままの値に保持する(ステップS
8、11、12)。この経路を進んできたときにも、前
述のステップS5および14〜17を実行する。すなわ
ち、白伝搬処理を行う。
【0104】前記条件のいずれにも一致しないとき、す
なわち注目画素が色地または非2値化白のときは、注目
画素の白地情報MSを−1する(ステップS13)。す
なわち、白程度が1だけ弱い白地情報に更新する。白地
情報MSの最低値MINは0であり、0未満になる時に
は0にとどめる。この経路を進んできたときにも、前述
のステップS5および14〜17を実行する。すなわ
ち、白伝搬処理を行う。
【0105】以上の白地情報MSの生成により、ライン
メモリLMP上において、状態変数(白地情報)MSを
介して周辺画素に白情報を伝搬させることができる。こ
の白地情報MSの生成は前述のように、色データ(R,
G,B画像データのすべて)が閾値thwss=40よ
り小さいとき白地と表すRGB白地判定信号に基づいた
図5のステップS3−4−5−14〜17の系統の色対
応の白地情報MSの生成を含み、しかも、濃度データ
(G画像データ)のエッジ強調出力(フィルタ部321
の出力)が、閾値thwsb=50より小さいとき、白
地と2値化白判定信号に基づいた図5のステップS7〜
13−5−14〜17の系統の濃度対応の白地情報MS
の生成を含む。
【0106】この白判定部323cは、まずRGB白抽
出部323bの中の1)RGB白地検出で、白領域を検
出するまで、すなわち前記1)RGB白地検出が白地判
定信号「1」を発生しこれに対応して色対応の白地情報
MSの生成(ステップS3−4−5−14〜17)を開
始するまでは動作(ステップS4の実行)を行わない。
これは、白領域との判定が得られない領域をフィルタ部
321のエッジ強調処理後G画像データの後述する白パ
ターンマッチングにて白画素(白ブロック)と誤判定す
ることを防ぐためである。
【0107】薄い色地上の文字にエッジ強調フィルタ部
321をかけると、文字周辺のデータが本来の画像デー
タ(色地)よりレベルの低い値(白)となるので、フィ
ルタ部321のエッジ強調処理後のデータで白パターン
マッチングをすると、すなわち、濃度対応の白地情報M
Sの生成(ステップS7〜13−5−14〜17)のみ
に基づいて白領域判定をすると、色地上の文字周辺を白
地と誤判定しやすいが、前述の色対応の白地情報MSの
生成(ステップS3−4−5−14〜17)によって白
領域との判定が得られる領域に後述する白画素(白ブロ
ック)を判定するための白パターンマッチングを適用す
るように白地情報MSを最高値とし、ステツプ3で白地
でないときには、更にステップS6以下で詳細に白地条
件をチエックして白パターンマッチングを適用するか否
を決定するための1つのパラメータである白地情報MS
を調整するので、フィルタ部321のエッジ強調処理後
G画像データの後述する白パターンマッチングにて白画
素(白ブロック)と誤判定することを防いでいる。
【0108】例えば、色画素の可能性が高いときには、
白地情報MSを下げ(ステップS13)、色画素の疑い
もあり得るときには白地情報MSをホールド(変更無
し)にして(ステップS11〜13)、後述する白パタ
ーンマッチングによって白画素(白ブロック)と誤判定
することを防ぎ、文字周辺のデータが本来の画像データ
(色地)よりレベルの低い値(白)となるのを防止して
いる。
【0109】文字が密なところは前述の処理(ステップ
S3〜5、6〜10および14〜17)によって白地情
報MSを更新し伝搬させるので、密な文字領域が絵柄と
誤判定される可能性が低減する。また、込み入った文字
(例えば、「書」)などの文字の中は、1)RGB白地
検出で白検出ができない場合があるが、そのときには、
3)谷白画素検出によって白と検出し、白地情報MSを
ステップS12のYES出力がステップS5に直進する
経路でホールドして白地傾向にとどめるので、込み入っ
た文字の中が絵柄と誤判定される可能性が低くなる。
【0110】また、先に触れたように、注目画素が周辺
を白地で囲まれた色画素のときには、前記2)色地検出
の出力である色地判定信号d=「1」(色地)となり、
線が込み入ったところでも、薄い色画素を色地として検
出することができ、注目画素周辺が白かを見る閾値th
wcを低く設定して(thwc=20)、薄い色画素
(注目画素)の周辺が白背景か否を厳密にチエックして
薄い色画素を色地として検出することができるので、込
み入った文字の中が絵柄と誤判定される可能性を更に低
くすることができる。
【0111】前述のように、薄い色画素を色地としてよ
り厳密に検出できることにより、色地と検出したときに
は図5のステップS6からステップS13に進んで、状
態変数MSを下げて色地を白と判定する可能性を低くで
きるのに加えて、ステップS3で参照する白地判定信号
を生成する時の閾値thwss(例えば40)に対し
て、ステップS7で参照する2値化白判定信号を生成す
る時の閾値thwsb(例えば50)を大きい値とし
て、色地と判定しなかった場合(ステップS6:NO)
には、前記2値化部323aで白と見なす確率を高くし
て、図5のステップS7から10に進んで状態変数MS
を上げて白領域と判定する可能性を高くしている。
【0112】すなわち、前記1)RGB白地検出で閾値
thwss=40で、白と判定する確率が低い厳しい白
判定を行って、そこで白地と判定すると、図5のステッ
プS3から4以下の処理により、状態変数MSを上げて
文字背景を白と判定する可能性を高くしている。前記厳
しい白判定で白地との判定が出なかったときには、逆に
色地であるかの薄い色画素も色地として検出する信頼性
が高い厳しい色地判定、すなわち、前記2)色地検出の
結果を参照し、それが色地との判定にならないときに
は、もう一度、今度は白と判定する確率が高い閾値th
wsb=50の甘い白判定、すなわち、前記2値化部3
23aを参照してそれが白の判定であると、状態変数M
Sを上げて文字背景を白と判定する可能性を高くしてい
る(ステップS7〜10)。この処理(ステップS6〜
10)があるので、色地と検出される薄い色画素よりも
更に薄い背景濃度ムラ、例えば裏映りのような原稿の地
にムラがある場合に、原稿の細かい地ムラに連動して状
態変数MSが2値的に大きく変化するのが抑制され、次
の白パターンマッチング部323dでの白画素か否かの
判定が走査方向に細かく変動するのが抑制される。その
結果、背景が薄い色地のときに、裏映りのような原稿の
細かい地ムラに連動して細かい色抜け(白背景)が現わ
れることがなくなる。
【0113】1.3.5 白パターンマッチング部32
3d 注目画素を中心とする5×5画素単位のブロックで連続
した白画素が存在するか否かで、背景が白かを判断す
る。そのために、注目画素に関して、次式が満たされる
時に、注目画素を白画素と仮に定めて、白パターンマッ
チングを行う: (非色画素&(白地情報MS≧thw1(13))&2
値化白)# (非色画素&(白地情報MS≧thw2(1))&谷白
画素&2値化白) ここで、この条件式を満たすかのチエックを行う注目画
素は、図5のステップS5および14〜17の白伝搬処
理の対象となってその処理過程を経たものであり、前記
条件式の中の「白地情報MS」が、白伝搬処理後の前記
チエックを行う注目画素の白地情報MS[I]である。
但し、このMS[I]は白伝搬処理を終えた白地情報で
あって、そのIは、前記チエックを行う注目画素の主走
査方向xの位置であり、前述の白判定部323cで状態
変数MSを算出する注目画素の主走査方向xの位置とは
別物である。
【0114】前記条件式の中の、「非色画素」は前記
2)色地検出の出力である色地判定信号dが「0」であ
ること、「2値化白」は前記2値化部323aの2値化
白判定信号が「1」(2値化白)であること、および、
「谷白画素」は、前記3)谷白画素検出の検出結果が谷
白画素であること、をそれぞれ意味し、#は論理和(オ
ア:または)を意味する。白パターンマッチングは、前
記条件式で判定した出力(白画素か否)に対し、図12
の縦横斜めの連続性パターンPMPa〜PMPdのいず
れかに該当するかをチェックするものである。パターン
PMPa〜PMPdに付した白丸は、白画素であること
を意味する。他の空白画素は、白画素であるか否か不問
である。
【0115】注目画素を中心とする5×5画素マトリク
スの白画素分布が図12のパターンPMPa,PMP
b,PMPcまたはPMPdに該当すると、注目画素が
白パターン画素であると判定する。
【0116】1.4 グレー判定 1.4.1 グレー画素検出 R,G,B,Y,M,C,Bkの色相分割を行い、色相
毎に濃度の低い画素を検出する。色相分割は、後述する
色判定と同一である。ここで、フィルタ後のGデータを
thgrと比較して、Gデータより大きいか、RGB白
抽出の色画素検出で色画素であるかのどちらかを満たし
ていれば、下記の演算を行い、下記条件を満たしていれ
ば、グレー画素とする。ここで、色毎に閾値を変えてい
るのは各インクの最大濃度が異なるためである。
【0117】4.1)R−Y色相領域境界(ry) R−2 * G+B>0 4.2)Y−G色相領域境界(yg) 11*R−8*G−3*B>0 4.3)GーC色相領域境界(gc) 1*R−5*G+4*B<0 4.4)CーB色相領域境界(cb) 8*R−14*G+6*B<0 4.5)BーM色相領域境界(bm) 9*R−2*G−7*B<0 4.6)MーR色相領域境界(mr) R+5*G−6*B<0 4.8)Y画素画素判定(gry) (色画素である)&(ry==1)&(yg==0)&
(RGBの最大値<thmaxy) 4.9)G画素判定(grg) (色画素である)&(yg==1)&(gc==0)&
(RGBの最大値<thmaxg) 4.10)C画素判定(grc) (色画素である)&(gc==1)&(cb==0)&
(RGBの最大値<thmaxc) 4.11)B画素判定(grb) (色画素である)&(cb==1)&(bm==0)&
(RGBの最大値<thmaxb) 4.12)M画素判定(grm) (色画素である)&(bm==1)&(mr==0)&
RGBの最大値<thmaxm) 4.13)R画素判定(grr) (色画素である)&(mr==1)&(ry==0)&
(RGBの最大値 <thmaxr) 4.14)色画素でない時(grbk) (RGBの最大値<thmaxbk) 4.15)グレー画素判定 4.8)〜4.15)のいずれかの条件を満たす時にグ
レー画素とする。なお、「==」はC言語の表記であ
る。
【0118】この処理は図21のグレー画素検出部32
3b−1で行われる。前述のようにRGB白抽出部32
3bをグレー画素検出部323b−1、色画素検出部3
23b−2、RGB白地検出部323b−3から構成
し、これら各部にR,G,Bの各画像データを入力す
る。グレー画素検出部323b−1の出力はグレーパタ
ーンマッチング部323hに入力され、グレーパターン
マッチングのパターンマッチング結果はグレー膨張部3
23iに入力され、膨張処理を行った後、判定部323
mに入力される。また、白判定部323cには、色画素
検出部323b−2、RGB白地検出部323b−3お
よび2値化部323aの出力が入力され、白判定部32
3cの判定結果は白パターンマッチング部323dに入
力され、そのパターンマッチング結果は、白パターン補
正部323jおよび白補正部323gに入力される。白
パターン補正部323hの補正結果はさらに白膨張部3
23kおよび白収縮部323lで処理された後、判定部
323mに入力され、また、白補正部323gの処理結
果はそのまま判定部323mに入力される。なお、グレ
ー膨張部323iで膨張処理する前に、収縮処理を施し
ておけば、孤立点の除去が可能となる。また、白パター
ンマッチング部323d、白パターン補正部323j、
白膨張部323k、白収縮部323lおよび白補正部3
23gは、白と白でない境界領域を検出するための構成
で、白補正部323gの出力は線幅を示し、白収縮部3
23lの出力は白領域を示し、前記グレー膨張部323
iの出力は中濃度であることを示す。そこで、判定部3
23mでは、これら3つの出力に対して優先順位を付け
て判定し、判定結果を後段に出力する。この場合、優先
順位1は白補正部323gからの線幅情報であり、優先
順位2はグレー膨張部323iからの中濃度情報であ
り、優先順位3は、白収縮部323lからの白領域情報
である。
【0119】1.4.2 グレーパターンマッチング部
323h グレーパターンマッチング部323hでは、Dをグレー
画素として、bkはグレー画素より濃いところとして下
記パターンマッチングを行う。複写原稿は、薄い200
線の万線パターン、300銭の万線であるので、複写原
稿もグレー検出するように下記のようなパターンを採用
している。
【0120】下記パターンに一致したものは、グレー画
素となる。図22(a)、図22(b)にこのときのパ
ターンを示す。図22(a)は200線用のパターンで
あり、図22(b)は300線用のパターンである。
【0121】 ( D15 & D25 & D35 & D32 & D45 & D38 & !BK41 & D42 & !BK43 & !BK44 & D55 & !BK46 & !BK47& D48 & !BK49 D52 & D65 & D58 & D75 & D85 & D95 ) #( D05 & D15 & D25 & D31 & D33 & D35 & D37 & D38& D41 & !BK42 & D43 & !BK44 & D45 & !BK46 & D47 & !BK48 & D48 && D51 & D53 & D55 & D57 & D58 & D65 & D75 & D85 ) 1.4.3 白パターン補正部323j 白パターン補正部323jでは、白画素パターンマッチ
ングで孤立(1×1、1×2、2×1、2×2、1×
3、3×1の白画素)しているアクティブ画素を非アク
ティブにする。このことにより、孤立している画素を除
去する。
【0122】1.4.4 白膨張部323k 白膨張部323kでは、 白画素パターンマッチングの
補正の結果を7×41のORを行う。
【0123】1.4.5 白収縮部323l 白収縮部323lでは、白膨張部323hにおける白膨
張の結果の1×33のANDを行う。白膨張と白収縮を
行うことにより、白画素パターンマッチング部323d
での補正結果に対して膨張と小面積で存在する非アクテ
ィブ画素を除去する。この判定結果は、白地と境界部分
に対して、非白地側の境界領域を含む結果となる。言い
かえれば、白地よりも大きな領域となる。
【0124】1.4.6 白補正部323g 白補正部323gでは、図12のブロックパターンBC
Pの×を付した注目画素を中心とした15×11画素に
おいて、四隅の各6×4画素領域それぞれに1つ以上の
白候補ブロックが存在するときに、注目ブロックに白ブ
ロック補正データを与える。このことにより、白地に囲
まれた領域を白領域とする。
【0125】1.4.7 グレー膨張部323i グレー膨張部323iでは、グレーパターンマッチング
の結果に対して、11×11のOR処理をする。このこ
とにより、グレー領域に対してやや大きな領域となる。
【0126】1.4.8 判定部323m 判定部323mでは、白補正部323gの結果がアクテ
ィブまたは、白収縮部323lの結果がアクティブでか
つグレー膨張部323iの結果が非アクティブの時に白
背景とする。式で表現すると次式のようになる。 白補正の結果 # (白収縮の結果 & !グレー膨張
の結果) ここで、白補正の結果では、白地に囲まれた領域を確実
に白領域と判定して、白収縮の結果 & !グレー膨張
の結果 の結果では、濃い黒文字周辺を白領域として、濃度の薄
いところを非白領域としている。
【0127】図13において、丸Bp1〜Bp4で囲ん
だ黒の突出部は、前述の注目ブロックを中心とした15
×11画素において四隅の各6×4画素領域それぞれに
1つ以上の白候補ブロックが存在するとき、注目ブロッ
クに白ブロック補正データを与える白ブロック補正によ
って白ブロックに置きかえられる。丸Bp1〜Bp4で
囲んだ黒の突出部のように白地で囲まれた黒領域を、白
領域とすることは、そこを絵柄部と判定する可能性を低
くする。後述する総合判定部326では、非白領域は絵
柄と判定するが、丸Bp1〜Bp4で囲んだ黒の突出部
のように白地で囲まれた黒領域を絵柄と誤判定する可能
性が減る。さらに、白収縮の結果、グレー膨張の結果に
よって黒地と白地境界を白領域(文字領域)と判定する
ので、濃い文字エッジは、文字の太さにかかわらず白地
判定するので、文字エッジを正しく文字エッジと判定す
ることが可能となる。濃度の薄い部分は文字エッジ判定
しなくなる。
【0128】1.5 文字/写真判定レベルの調整 前述のように白領域抽出部323では、白判定部323
cでRGB白抽出部323bの白地判定信号、色地判定
信号dおよび谷白画素判定信号、ならびに、2値化部3
23aの2値化白判定信号に対応する白の程度をあらわ
す状態変数である白地情報MSを生成する。そして白パ
ターンマッチング部323dで、前記色地判定信号d、
白地情報MS、2値化白判定信号および谷白画素判定信
号に基づいて注目画素が白画素か否を仮に定めて、注目
画素を含む画素マトリスクに対する白画素分布パターン
マッチングによって白画素か否を確定する。この結果
と、黒判定部323eおよび黒パターンマッチング部3
23fの結果を用いて、白補正部323gが注目画素が
黒地と白地境界との境界(白領域:文字領域)であるか
どうかを判定する。なお、白領域抽出部323は、グレ
ー画素の判定の場合図21の回路構成であるが、白黒判
定については、図4の回路構成で処理される。
【0129】RGB白抽出部323bの白地判定信号
(図5のステップS3で参照)は、注目画素のR、G、
B画像データのすべてが閾値thwss=40より小さ
いと「1」(白地)である。この閾値thwssを大き
くすると、大きい値の白地情報MSを定める確率が高く
なり、前記「白領域」(黒地と白地境界との境界:文字
領域)を摘出する確率が高くなる(すなわち絵柄領域を
摘出する確率が低下する)。閾値thwssを小さくす
るとこの逆となる。
【0130】2値化部323aの2値化白判定信号(図
5のステップS7で参照)は、フィルタ部321のG画
像データのエッジ強調出力が閾値thwsb=50より
小さければ、「1」(2値化白)である。この閾値th
wsbを大きくすると、大きい値の白地情報MSを定め
る確率が高くなり、前記「白領域」を摘出する確率が高
くなる(すなわち絵柄領域を摘出する確率が低下す
る)。閾値thwsbを小さくするとこの逆となる。
【0131】「白領域」の画像データには後工程で、文
字画像を鮮明に表すための画像処理が施されるので、閾
値thwssおよびthwsbを大きくすると、文字に
優先度が高い画像処理が施される。非白領域すなわち絵
柄(写真)領域の画像データには後工程で、写真や絵柄
を忠実に表すための画像処理が施されるので、閾値th
wssおよびthwsbを小さくすると、絵柄(写真)
に優先度が高い画像処理が施される。
【0132】ところで、RGB白抽出部323bの色地
判定信号d(図5のステップS6で参照)が「1」(色
地)であると白地情報MSを低くし、前記「白領域」を
摘出する確率が低くなる(すなわち絵柄領域を摘出する
確率が高くなる)。前記2)色地検出で色地判定信号d
を生成する処理B.、C.で用いる閾値thwc(例え
ば20)を小さくすると、周辺画素(図11の△と□)
を同時に色画素と検出する確率すなわち(bとcのエク
スクルーシブノア)=「1」となる確率が高くなって色
地判定信号d=「1」(色地)を得る確率が高くなり、
前記「白領域」を摘出する確率が低くなる(すなわち絵
柄領域を摘出する確率が高くなる)。
【0133】そこで本実施形態では、図2の操作/表示
部OPBにて、キー入力による入力モードのメニュー表
示ならびに液晶ディスプレに表示されたメニュー画面上
のキー画像(パラメータ指定キーおよびアップ、ダウン
キー)の操作によって調整するパラメータ調整の中の
「文字/写真レベル」の調整によって、閾値thws
s、thwsbおよびthwcを次のように調整するよ
うにしている: パラメータ 文字側調整値 標準 写真側調整値 6 5 4 3 2 1 0 thwss 46 44 42 40 38 36 34 thwsb 56 54 52 50 48 46 44 thwc 26 24 22 20 18 16 14 すなわち、オペレータが操作/表示部OPBで調整設定
するパラメータ「文字/写真レベル」の標準値(デフォ
ルト)は「3」であり、このデフォルト値が、前記の文
字/写真レベルと閾値thwss、thwsbおよびt
hwcとの関係を表す変換テーブルと共に、図3に示す
ROM358に書き込まれており、図3に示すIPU3
00に電源が投入され、CPU357がIPU300の
初期化をするときに、CPU357がROM358から
文字/写真レベルのデフォルト値を読み出して、それに
対応する閾値thwss、thwsbおよびthwcを
変換テーブルから読み出してRAM356の、各閾値宛
てレジスタに書きこんで、白領域抽出部323での前述
の処理に用いる。その後、操作ボードOPBからの入力
で文字/写真レベルの調整があり、調整後の値Aがメイ
ンコントローラ10からCPU357に与えられると、
CPU357は、調整後の値Aに対応するパラメータt
hwss、thwsbおよびthwcの各値を、ROM
358の変換テーブルから読み出してRAM356のパ
ラメータ宛てレジスタに書きこむ。
【0134】閾値を標準値thwss=40、thws
b=50、thwc=20に設定しているときに、操作
ボードOPBを使ってオペレータが「文字/写真レベ
ル」の値をi(例えば1)だけ大きく「Up」すると、
閾値thwss、thwsbおよびthwcが2i
(2)分、文字優先方向に変更した値に定められる。逆
に、オペレータが「文字/写真レベル」の値をi(例え
ば1)だけ小さく「Down」すると、閾値thws
s、thwsbおよびthwcが2i(2)分、写真優
先方向に変更した値に定められる。
【0135】1.6 網点抽出 1.6.1 網点抽出部324 網点抽出部324は、図23に示すように第1網点ピー
ク検出部324a、第2網点ピーク検出部324b、第
3網点ピーク検出部324c、第1網点領域検出部32
4d、第3網点領域検出部324eおよび一時記憶手段
(一時メモリ)324fからなる。第1網点ピーク検出
部324aおよび第3網点ピーク検出部324cには、
G画像データが入力され、第2網点ピーク検出部324
bにはB画像データが入力される。第1網点領域検出部
324dには、第1網点ピーク検出部324aおよび第
2網点ピーク検出部324bの検出結果が入力され、第
2網点領域検出部324eには、第3網点ピーク検出部
324cの検出結果が入力される。また、一時メモリ3
24fは、第1および第2網点領域検出部324d、3
24fの検出結果が一時保存される。なお、図4におけ
る網点抽出部324は図23におけるNに対応する。
【0136】第1網点ピーク検出部324aは、G画像
データを用いて所定の大きさの二次元局所領域内の画素
濃度情報から、網点ドットの一部を形成する画素(網点
ピーク画素と呼ぶ)を検出する回路である。局所領域に
関して次の二つの条件が同時に成立するときに、領域の
中心画素を網点ピーク画素として検出する。
【0137】条件1:中心画素の濃度レベルが局所領域
内で最大(山ピーク)または最小(谷ピーク)である。
【0138】条件2:中心画素に対し点対称関係にある
全ての画素のペアについて、画素ペアの濃度レベルの平
均と中心画素の濃度レベルとの差の絶対値が、閾値Th
以上である。
【0139】図14を参照して、第1網点ピーク検出部
324aの検出処理を具体的に説明する。局所領域とし
て5×5画素マトリクス(一般化して示すとM×M画素
マトリクス)のマスクを採用した例である。5×5画素
マトリクスの各画素の符号を、図11のパターンMPp
に示すものとすると、注目画素となる中心画素c3の濃
度Lcが、その周囲画素の濃度L1〜L8と比較して最
大または最小であるとともに、 abs(2Lc−L1−L8)≧Lth かつ abs(2Lc−L2−L7)≧Lth かつ abs(2Lc−L3−L6)≧Lth かつ abs(2Lc−L4−L5)≧Lth のときに、マスクの中心画素(Lc)を網点ピーク画素
として検出する。abs関数は絶対値をとることを意味
する。Lthは閾値(固定値)である。
【0140】具体的には、周囲画素は、図14に示す周
囲画素分布パターンMPaまたはMPbの4角形を付記
した画素とする。周囲画素分布パターンMPaとMPb
に基づいた前述の網点ピーク画素検出のどちらかが、網
点ピーク画素と検出した時に、そのときの注目画素(中
心画素c3)に網点ピーク画素を表す検出信号を与え
る。2つのパターンを用いるのは、網点の線数に幅広く
対応するためである。
【0141】 パターンMPaは、 L1=b2、 L2=b3、 L3=b4、 L4=c2、 L5=c4、 L6=d2、 L7=d3、 L8=d4、 と定めたものである。ここで、L1=b2とは、画素b
2の濃度を、前述の網点ピーク画素検出演算のL1の値
とすることを意味する。
【0142】 パターンMPbは、 L1=b2、 L2=a3、 L3=b4、 L4=c1、 L5=c5、 L6=d2、 L7=e3、 L8=d4、 と定めたものである。
【0143】また、複写の場合、副走査方向yの拡大、
縮小はスキャナ200の原稿走査速度の低、高で行うの
で、スキャナ200からは、副走査方向yの拡大、縮小
があった画像データが与えられる。そこで、縮小のとき
には、前述のパターンMPa、MPbに代えて、図14
上に示すパタン―ンMPc、MPdを用いる。拡大のと
きには、図14上に示すパタ―ンMPe、MPfを用い
る。なお、パタ―ンMPe、MPfにおいて、三角印を
与えた画素も、前述の「周囲画素」に加えても良い。
【0144】第2網点ピーク検出部324bは、Bデー
タを用いて網点ピーク検出するものであって、機能は、
第1網点ピーク検出部324aと同じである。第1網点
ピーク検出部324aは、G画像データを用いるのでほ
とんどの色に対して反応するが、Yに対しては反応しな
いので、第2網点ピーク検出部324cでは、B画像デ
ータを使用してYの網点ピークを検出することを目的と
している補助的なものである。
【0145】網点領域検出324cは、第1網点ピーク
画素検出324a、第2網点ピーク画素検出324bの
どちらかにより検出された山と谷の網点ピーク画素を所
定の大きさの二次元の小領域毎に計数し、山と谷の網点
ピーク画素の合計を小領域の計数値Pとする。この計数
値Pが閾値Pthより大きいときに、小領域の全画素
(あるいは画素単位の処理の場合、小領域の中心画素の
み)を網点領域と判定する。判定の結果は一時メモリ3
24fに記憶される。
【0146】図24(a)を参照して、第3網点ピーク
検出部324cの検出処理を具体的に説明する。
【0147】この第3網点ピーク検出部324cの検出
処理は、100線以下、65線(新聞の網点)以上の検
出を目的とし、局所領域として7×7画素マトリクス
(一般化して示すとM×M画素マトリクス)のマスクを
採用した例である。図24(c)のパターンに示すもの
とすると、注目画素となる中心画素群の濃度Lcが、そ
の周囲画素の濃度群L1〜L8と比較して最大または最
小であるとともに、 abs(2Lc−L1−L8)≧Lth かつ abs(2Lc−L2−L7)≧Lth かつ abs(2Lc−L3−L6)≧Lth かつ abs(2Lc−L4−L5)≧Lth のときに、マスクの中心画素(Lc)を網点ピーク画素
(極点画素)として検出する。abs関数は前述のよう
に絶対値をとることを意味する。Lthは閾値(固定
値)である。
【0148】具体的には、周囲画素は、図24(a)に
示す周囲画素分布パターンした画素とする。周囲画素分
布パターンに基づいた前述の第1および第2網点ピーク
検出部324a,324bのどちらかが網点ピーク画素
と検出した時に、そのときの注目画素(中心画素d4)
に網点ピーク画素を表す検出信号を与える。2つのパタ
ーンを用いるのは、網点の網点面積率に幅広く対応する
ためである。
【0149】中心画素Lcの濃度は周辺画素を参照して
以下のように求める。
【0150】Lc=Min(d4,d3,d5,c4,
e4) このLcが周辺画素に対して最大値の時は、パターン
は、 L1=Max(a1,a2,b1) L2=Max(a3,a4,a5) L3=Max(a6,a7,c7) L4=Max(c1,d1,e1) L5=Max(c7,d7,e7) L6=Max(f1,g1,g2) L7=Max(g3,g4,g5) L8=Max(g6,g7,f7) と定めたものである。ここで、L1=Max(a1,a
2,b1)とは、画素a1,a2,b1の濃度の最大値
を、前述の網点ピーク画素検出演算のL1の値とするこ
とを意味する。
【0151】Lc=Min(d4,d3,d5,c4,
e4)とは、Lcがd4、d3、d5、c4、e4の中
の最小のものであることを意味する。
【0152】また、 Lc=Max(d4,d3,d5,c4,e4) このLcが周辺画素に対して最小値の時は、パターン
は、 L1=Min(a1,a2,b1) L2=Min(a3,a4,a5) L3=Max(a6,a7,c7) L4=Max(c1,d1,e1) L5=Max(c7,d7,e7) L6=Max(f1,g1,g2) L7=Max(g3,g4,g5) L8=Max(g6,g7,f7) と定めたものである。
【0153】また、複写の場合、副走査方向yの拡大、
縮小はスキャナ200の原稿走査速度の低、高で行うの
で、スキャナ200からは、副走査方向yの拡大、縮小
があった画像データが与えられる。そこで、縮小のとき
には、図14(b)に示すパタン―ンを用いる。拡大の
ときには、図14(a)に示すパタ―ンを用いる。
【0154】第3網点ピーク検出部324cの演算式
は、1画素のデータで演算するのではなく、複数の画素
(min、maxの演算)で、対象となる画素を参照す
る。これは、低線数の網点は濃淡の周期が大きくなる
(面積が大きくなる)ので、1画素で決定するのでは周
辺画素を参照することにより、ノイズ(ごみ)の影響を
少なくし、かつ、算術演算量を減らし、他のブロックを
共通に演算式を使えるようになる。これにより、ハード
化が容易になる。
【0155】第1網点領域検出部324dは、第1網点
ピーク検出部324aによって検出された山と谷の網点
ピーク画素を、所定の大きさの二次元の小領域毎に計数
し、山と谷の網点ピーク画素の合計を小領域の計数値P
とする。この計数値Pが閾値Pthより大きいときに、
小領域の全画素(あるいは画素単位の処理の場合、小領
域の中心画素のみ)を網点領域と判定する。判定の結果
は一時メモリ324fに記憶される。
【0156】第1網点領域検出部324dまたは第2網
点領域検出部324eのどちらかが網点領域ならば、注
目している小領域の近傍の処理済み領域の網点/非網点
判定結果(周辺の特徴情報)に応じ適応的に閾値Pth
を変化させる。本実施形態においては、閾値Pthとし
て、2つの値TH1,TH2(ただしTH1>TH2)
が用意され、一時メモリ324fに記憶されている注目
小領域近傍の処理済み領域の判定結果によって、その一
方の値を選択する。すなわち、近傍の領域が非網点領域
と判定されていた場合には、線画領域である可能性が高
いので、誤検出を減らすために条件が厳しくなるTH1
のほうを閾値Pthとして選択する。これに対し、近傍
領域が網点領域であると判定されていた場合には、網点
領域である可能性が高いので、条件が緩くなるTH2の
ほうを閾値Pthとして用いる。なお、閾値Pthの初
期値としてはTH1を選択する。
【0157】図14上のAMPに、前述の小領域の分布
を示す。小領域分布パターンAMPのS1〜S4のそれ
ぞれは、例えば4×4画素の大きさの小領域(ブロッ
ク)であり、S4が注目している小領域、S1,S2お
よびS3は処理済みの小領域であるとする。S1,S2
およびS3のすべてが網点領域であると判定されている
時には、Th2がS4の判定のための閾値Pthとして
用いられる。S1,S2およびS3の1つでも非網点領
域と判定されているときは、閾値PthとしてTH1が
選択される。網点領域と判定したときに“1”で、非網
点と判定した時に“0”の網点領域検出信号htが網点
抽出部324から出力される。ただし、これは一例であ
って、S1,S2およびS3のいずれか1つの小領域で
も網点領域と判定されたときにTH2を選択し、すべて
が非網点領域と判定されたときにのみTH1を選択する
ようにしてもよい。さらに、参照する近傍領域をS1の
み、あるいはS2のみとすることもできる。
【0158】1.6.2 色判定部325 原稿中の色(有彩)画素や黒(無彩)画素を検出する際
には、R,G,Bの相対的な読み取りずれが、各色画像
データのサンプリングや機械的精度のために存在する。
図15を用いて説明する。図15の(a)は、画像濃度
信号で、黒濃度信号は理想的には、R,B,G濃度信号
ともレベルの高低が一致したとき理想の黒である。とこ
ろが、実際の画像データは、レンズ206でCCD20
7上に画像を結像し、CCD207の画像信号をデジタ
ル化したもので、図15の(b)が理想の高低波形とな
る。しかし、一般的なスキャナでは、3ラインCCDセ
ンサを用いているため、画像データのR,G,Bの各画
像を時間的に同時に読み取るのではなく、R,G,Bの
各ラインセンサは等間隔で配置され、時間的に同時に読
むことができないので、どうしても読み取り位置ずれが
生じてしまう。例えば、図15の(b)に示すレベル変
化の黒を表すR,G,B各色濃度信号は、図15の
(c)に示すように相対的にずれる。このずれが大きい
と、黒領域の周縁に色ずれが現われる。
【0159】1.6.3 色相分割部325a 色判定部325は、有彩色領域を見つけるものである。
入力データR,G,Bは、色相分割部25aにて、c,
m,yおよび色判定用w(白)の信号に変換される。色
相分割の例としては、それぞれの色の境界を求め、1画
素内のR,G,Bそれぞれの画像データの最大値と最小
値の差をRGB差と定義して、以下のようにした。ここ
では、R,G,B画像データは、数字が大きくなると黒
くなる(濃くなる)。
【0160】1)R−Y色相領域境界(ry) R−2*G+B>0 2)Y−G色相領域境界(yg) 11*R−8*G−3*B> 0 3)G−C色相領域境界(gc) 1*R−5*G+4*B<0 4)C−B色相領域境界(cb) 8*R−14*G+6*B<0 5)B−M色相領域境界(bm) 9*R−2*G−7*B<0 6)M−R色相領域境界(mr) R+5*G−6*B<0 7)色判定用w(白)画素判定: (R<thwa)&(G<thwa)&(B<thw
a) ならば、y=m=c=0とする。thwaは閾値であ
る。
【0161】8)Y画素判定: (ry==1)&(yg==0)&(RGB差>th
y) ならば、y=1、m=c=0とする。thyは閾値であ
る。
【0162】9)G画素判定: (yg==1)&(gc==0)&(RGB差>th
g) ならば、c=y=1、m=0とする。thgは閾値であ
る。
【0163】10)C画素判定: (gc==1)&(cb==0)&(RGB差>th
c) ならば、c=1、m=y=0とする。thcは閾値であ
る。
【0164】11)B画素判定: (cb==1)&(bm==0)&(RGB差>th
b) ならば、m=c=1、y=0とする。thbは閾値であ
る。
【0165】12)M画素判定: (bm==1)&(mr==0)&(RGB差>th
m) ならば、m=1、y=c=0とする。thmは閾値であ
る。
【0166】13)R画素判定: (mr==1)&(ry==0)&(RGB差>th
r) ならば、y=m=1、c=0とする。thrは閾値であ
る。
【0167】14)BK画素判定:7)〜13)に該当
しない時、y=m=c=1とする。
【0168】さらに、色判定用w画素の判定を行う。条
件は、 (R<thw)&(G<thw)&(B<thw) ならば、色画素用w画素とし、wとして出力する。th
wは閾値である。ここで、7)〜14)の優先順位は、
数の小さい方を優先する。前述の閾値thwa、th
y、thm、thc、thr、thg、thbは、複写
(処理)前に決まる閾値である。thwとthwaの関
係は、thw>thaとなっている。出力信号は、c,
m,yに各1ビットの3ビットデータと、さらに、色判
定用色画素検出のwの1ビットである。ここで色相毎に
閾値をかえているのは、色相領域毎に、有彩範囲が異な
る時に色相領域に応じた閾値を決定する。この色相分割
は、一例であって、どんな式を使用してもよい。
【0169】色相分割部325aの出力c,m,y,w
は、ラインメモリ325b〜325eに5ライン蓄え、
色画素判定部325fに入力する。
【0170】1.6.4 色画素判定部325f 図6に、色画素判定部325fの内容を示す。5ライン
分のc,m,y,wのデータは、パターンマッチング部
325f5〜325f7と、カウント部325f1〜3
25f4に入力する。ここでまず、B/C信号を求める
流れの中のパターンマッチング部325f6について説
明する。
【0171】≪パターンマッチング部325f6≫色画
素用w画素が存在する時は、その画素のc=m=y=0
に補正する。この補正により、注目画素を中心とする5
×5画素マトリクスの白レベルが大きくなる。次に注目
画素が、色相分割部325aで判定した画素のc,m,
yの全てが1(c=m=y=1)または全てが0(c=
m=y=0)以外の画素(色画素)であるかを、該5×
5画素マトリクスが次のパターンにマッチングするかを
チェックすることによつて、判定する。
【0172】1)色画素パターン群 1―1) パターン1―1(pm1) D23 & D33 & D43 1―2) パターン1―2(pm2) D32 & D33 & D34 1―3) パターン1―3(pm3) D22 & D33 & D44 1―4) パターン1―4(pm4) D24 & D33 & D42 中心画素(注目画素)はD33である。図16にこれら
のパターンpm1〜pm4を示す。これらのパターン上
の白丸は、c,m,yの少なくとも一者が1であること
を示す。パターンマッチングを採用するのは、孤立点な
どを拾わないようにするためである。逆に、網点など
の、小面積色検出する際には、中心画素が1(c=m=
y=1)または全てが0(c=m=y=0)以外の画素
(色画素)であるかで、判定すればよい。
【0173】2)色細線用パターン群 白に囲まれた色線を検出する。これに用いるパターンを
図17に示す。図17において、白丸を付した画素は、
c,m,yが全て0の画素である。注目画素(中心画
素)を中心とする5×5画素マトリクスのデータ(c,
m,y)の分布が、図17のパターンpw11a〜pw
14dのいずれかにマッチングすると、そのときの注目
画素(中心画素)を色線画素と見なす。
【0174】2―1)パターン2―1(pw11a〜p
w11d) ((D12&D13&D14)&(D42&D43&D
44))# ((D12&D13&D14)&(D52&D53&D
54))# ((D22&D23&D42)&(D42&D43&D
44))# ((D22&D23&D42)&(D52&D53&D
54)) 2―2)パターン2―2(pw12a〜pw12d) ((D21&D31&D41)&(D24&D34&D
44))# ((D21&D31&D41)&(D25&D35&D
45))# ((D22&D23&D24)&(D24&D34&D
44))# ((D22&D23&D24)&(D25&D35&D
45)) 2―3)パターン2―3(pw13a〜pw13d) ((D11&D21&D12)&(D35&D44&D
53))# ((D11&D21&D12)&(D45&D44&D
55))# ((D13&D22&D31)&(D35&D44&D
53))# ((D13&D22&D31)&(D45&D44&D
55)) 2―4)パターン2―4(pw14a〜pw14d) ((D13&D24&D35)&(D41&D51&D
52))# ((D14&D15&D25)&(D41&D51&D
52))# ((D13&D24&D35)&(D31&D42&D
53))# ((D14&D15&D25)&(D31&D42&D
53)) 3)白領域パターン群 c,m,yが全て0のところのパターンマッチングを行
う。これに用いるパターンを図18に示す。図18にお
いて、白丸を付した画素は、c,m,yが全て0の画素
である。注目画素(中心画素)を中心とする5×5画素
マトリクスのデータ(c,m,y)の分布が、図18の
パターンpw21a〜pw24dのいずれかにマッチン
グすると、そのときの注目画素(中心画素)を白領域画
素と見なす。
【0175】3―1)パターン3―1(pw21a〜p
w21d) (D21&D31&D41)# (D22&D32&D42)# (D24&D34&D44)# (D25&D35&D45) 3―2)パターン3―2(pw22a〜pw22d) (D12&D13&D14)# (D22&D23&D24)# (D42&D43&D44)# (D52&D53&D54) 3―3)パターン3―3(pw23a〜pw23d) (D52&D51&D41)# (D53&D42&D31)# (D35&D24&D13)# (D25&D15&D14) 3―4)パターン3―4(pw24a〜pw24d) (D54&D55&D45)# (D53&D44&D35)# (D31&D22&D13)# (D21&D11&D12) 4)色画素候補2の判定 前記で抽出したパターンマッチング結果が以下のパター
ンに一致すれば、注目画素を、色判定用色画素候補2と
する: ((pm1 == 1) & ((pw11 == 1) # (pw21 != 1))) # ((pm2 == 1) & ((pw12 == 1) # (pw22 != 1))) # ((pm3 == 1) & ((pw13 == 1) # (pw23 != 1))) # ((pm4 == 1) & ((pw14 == 1) # (pw24 != 1))) ここで、(pm1 == 1)は、注目画素を中心とす
るデータ分布が、パターンpm1にマッチングすること
を意味し、(pw11 == 1)はパターンpw11
a〜pw11dのいずれかにマッチングすることを意味
し、(pw21!= 1)はパターンpw21a〜pw
21dのいずれかにマッチングすることを意味する。&
は論理積を、#は論理和を意味する。このパターンマッ
チングにより、白領域に囲まれた色画素を色画素候補と
して、それ以外で白領域が存在する時は、色画素としな
い。白領域がない色画素パターンマッチングで一致した
ものは、色画素候補となる。
【0176】1.6.5 カウント部325f1 注目画素を中心とする5×5画素マトリクス内に、色判
定用w画素が存在する時は、その画素の色相分割部32
5aで判定したc,m,yデータをc=m=y=0に補
正する。この補正により、該画素マトリクスの白レベル
が大きくなる。そして、該画素マトリクス内の各画素の
c,m,yの1(c=1、m=1、y=1)の数をカウ
ントする。c,m,yそれぞれについてのカウント値の
最大値と最小値との差が、thcnt以上でかつ最小値
がthmin未満ならば、色画素候補1とする。thc
nt、thminは、複写(処理)前に設定する閾値で
ある。y,m,cにプレーン展開して、N×Nのマトリ
クスにおいてのそれぞれのプレーン毎に数を数えて、最
少値をブラックと仮定している。このことにより、黒画
素の読み取りが漏れても補正が可能となる。そして最大
値と最小値の差で有彩画素を判定している。このことに
より、黒画素が読取りから外れた画素を補正して、有彩
画素を抽出する。注目画素を中心とする5×5画素マト
リクス内に一定画素の有彩画素があると注目画素を有彩
画素としている。
【0177】1.6.6 色画素判定部325f8 パターンマッチング部325f6とカウント部325f
1の出力にもとづいて、色画素判定部325f8で、色
画素か否かを判定する。色画素候補1でかつ色画素候補
2であれば、色画素1とする。
【0178】1.6.7 ブロック化部325f9 色画素判定部325f8の出力をブロック化部325f
9にてブロック化をする。ブロック化とは、4×4画素
のマトリックスにおいて、1画素以上の色画素1があれ
ば、該4×4画素マトリックス全体を色画素1ブロック
として出力するものである。ブロック化部325f9以
降の処理は、4×4画素を1ブロックとしてブロック単
位出力する。
【0179】1.6.8 孤立点除去部325f10 ブロック化したデータを孤立点除去部325f10に
て、注目ブロックの隣り合うブロックに色画素1ブロッ
クがなければ孤立点として、除去する。
【0180】1.6.9 膨張部325f11 孤立点除去部325f10の出力を、膨張部325f1
1にて、色画素1ブロックが存在する場合は、5×5ブ
ロックに膨張する。膨張するのは、色画素の周辺を黒文
字処理をしないようにするためである。ここで、出力す
るB/C信号は、色画素1ブロックの時にL(有彩)を
出力し、それ以外の時は、H(無彩)を出力する。
【0181】1.6.10 カウント部325f2 注目画素を中心とする5×5画素マトリクス内に色判定
用w画素が存在する時は、その画素の色相分割部325
aで判定したc,m,yデータをc=m=y=0に補正
する。この補正により、該画素マトリクスの白レベルが
大きくなる。そして、該画素マトリクス内の各画素の、
c,m,yの1(c=1,m=1,y=1)の数をカウ
ントする。c,m,yそれぞれについてのカウント値の
最大値と最小値との差が、thacnt以上でかつ最小
値がthamin未満ならば、注目画素を色画素候補1
とする。thacnt、thaminは、複写(処理)
前に設定する閾値である。
【0182】1.6.11 色画素判定部325f12 パターンマッチング部325f6とカウント部325f
2の出力にもとづいて、色画素判定部325f12で、
色画素か否かを判定する。色画素候補1でかつ色画素候
補2であれば、色画素2とする。
【0183】1.6.12 ブロック化部325f13 色画素判定部325f12の出力をブロック化部325
f13にてブロック化をする。即ち、4×4画素のマト
リックスにおいて、1画素以上の色画素2があれば、該
4×4画素マトリックの全体を色画素2ブロックとし
て、出力する。ブロック化部325f13以降の処理
は、4×4画素を1ブロックとしてブロック単位出力す
る。
【0184】1.6.13 密度部325f14 孤立ブロックの除去のために、3×3ブロックの中のア
クティブ条件(色画素2ブロック)が3個以上あり、注
目ブロックがアクティブ(色画素)ならば、注目ブロッ
クをアクティブブロック(色画素2ブロック)とする。
【0185】1.6.14 カウント部325f3 注目画素を中心とする5×5画素マトリクス内の各画素
のc,m,yの1(c=1、m=1、y=1)の数をカ
ウントする。c,m,yそれぞれについてのカウント値
の最大値と最小値との差が、tha1cnt以上で、か
つカウントしたc,m,yの最小値が、tha1min
未満ならば、色画素候補3とする。tha1cnt、t
ha1minは、複写(処理)前に設定する閾値であ
る。
【0186】1.6.15 パターンマッチング部32
5f5 色画素検出で判定した画素(c,m,y)が色画素かど
うかを5×5画素マトリクスを用いるパターンマッチン
グで判定する。パターンはパターンマッチング部325
f6のものと同じである。パターンマッチングで一致し
た画素は、色画素候補4とする。
【0187】1.6.16 色画素判定部325f15 色画素候補3でかつ色画素候補4であれば、色画素3と
する。
【0188】1.6.17 ブロック化部325f16 色画素判定部325f15の出力をブロック化部325
f16にてブロック化をする。すなわち、4×4画素の
マトリックスにおいて、1画素以上の色画素3があれ
ば、該4×4画素マトリックスの全体を色画素3ブロッ
クとして、出力する。ブロック化部325f16以降の
処理は、4×4を1ブロックとしてブロック単位出力す
る。
【0189】1.6.18 密度部325f17 孤立ブロックの除去のために、3×3ブロックの中のア
クティブ条件(色画素3ブロック)が3個以上あり、注
目ブロックがアクティブ(色画素3)ならば、注目ブロ
ックをアクティブブロック(色画素3ブロック)とす
る。
【0190】1.6.19 カウント部325f4 注目画素を中心とする5×5画素マトリクス内の各画素
の、色相分割部325aで判定したc、m、yの1(c
=1、m=1、y=1)の数をカウントする。
【0191】c、m、yの各カウント値の最小値が、t
habk以上ならば、注目画素を黒画素候補1とする。
thabkは、複写(処理)前に設定する閾値である。
【0192】1.6.20 パターンマッチング部32
5f7 注目画素を中心とする5×5画素マトリクスにおいて、
c=m=y=1の画素のパターンマッチングを行う。
【0193】1―1)パターン1―1(pm1) D23&D33&D43 1―2)パターン1―2(pm2) D32&D33&d34 1―3)パターン1―3(pm3) D22&D33&D44 1―4)パターン1―4(pm4) D42&D33& D24 これらのパターンは図16に示すものであり、図中に丸
印を付した画素が、c=m=y=1の画素である。これ
らのパターンのどれかに一致した時に、注目画素を黒画
素候補2とする。
【0194】1.6.21 無彩判定部325f18 注目画素が、黒画素候補1でかつ黒画素候補2であれ
ば、黒画素とする。
【0195】1.6.22 ブロック化部325f19 黒画素の出力をブロック化部325f19にてブロック
化をする。ここでのブロック化とは、4×4画素のマト
リックスにおいて、1画素以上の黒画素があれば、該4
×4画素マトリックスの全体を黒画素ブロックとして、
出力する。ブロック化部325f19以降の処理は、4
×4画素を1ブロックとしてブロック単位出力する。
【0196】1.6.23 膨張部325f20 3×3ブロックのマトリックス内において、注目ブロッ
クがアクティブ(黒画素ブロック)で、その周辺画素が
ノンアクティブ(非黒画素)ならば、注目ブロックをノ
ンアクティブ(非黒画素ブロック)にする。
【0197】1.6.24 総合色画素判定部325f
21 注目ブロックが、色画素判定部325f12でアクティ
ブ(色画素2)と判定されかつ無彩判定部325f18
でアクティブ(黒画素)と判定されていなければ、注目
ブロックは色(色ブロック)と判定する。また、色画素
判定部325f15がアクティブ(色画素)の時も色と
判定する。
【0198】1.6.25 膨張部325f22 総合色画素判定部325f21で、色と判定したブロッ
クに対して小さな文字を連続と見なすために、注目ブロ
ックを中心とする9×9ブロックのマトリックス内に1
ブロックでもアクティブブロックがあれば、注目ブロッ
クをアクティブブロックとする。ここで、大きく膨張さ
せるのは、文字同士のすき間を埋めるためである。
【0199】1.6.26 連続カウント部325f2
3 連続カウント部325f23では、色画素ブロックの連
続性を見て、カラー原稿か白黒原稿かを判定する。膨張
部325f22の出力データ(色画素ブロック)の中の
色画素の連続数をカウントすることにより、カラー原稿
かどうか判定する。
【0200】図7に、この判定処理の内容を示す。注目
画素が色画素ブロックにある時に注目画素の左上、上、
右上および左の画素の色画素連続数を参照して、注目画
素の色画素連続数を算出する(ステップS21〜2
6)。ここで、注目画素を、例えば図11の5×5画素
分布パターンMPpのc3画素とすると、左上、上、右
上および左の画素はそれぞれ、b2,b3,b4および
c2の画素である。注目画素が色画素ブロックにないと
きには、それには0なる色画素連続数を与える(ステッ
プS21〜27)。
【0201】注目画素が色画素ブロックにある場合は、
先ず注目画素(c3)の上画素(b3)の色画素連続数
をチェックして(ステップS22)、それが0である
と、参照値Aに右上画素(b4)の色画素連続数に1を
加えた値を与え(ステップS24)、上画素(b3)の
色画素連続数が0であると参照値Aに右上画素(b4)
の色画素連続数を与える(ステップS23)。次に、参
照値Bに左上画素(b2)の色画素連続数に1を加えた
値を与え、参照値Cには上画素(b3)の色画素連続数
に1を加えた値を与え、また参照値Dには左画素(c
2)の色画素連続数に1を加えた値を与える(ステップ
S25)。そして、参照値A、B、CおよびDのうちの
最高値を注目画素(c3)の色画素連続数とする(ステ
ップS26)。
【0202】注目画素(c3)に色画素連続数を前述の
ように与えると、この色画素連続数が設定値THACS
以上であるかをチエックして(ステップS28)、TH
ACS以上であると、カラー原稿であると決定して(ス
テップS29)、そこで連続カウント部325f23の
処理を終える。色画素連続数が設定値THACS未満で
あると、注目画素を走査方向x、yの次の画素に更新し
て、前述の処理を繰返す。原稿全面について前述の処理
をした結果、最後まで色画素連続数が設定値THACS
未満であったときには(ステップS30〜34)、原稿
は白黒画像であると決定する。
【0203】前述の色画素連続数は、ほぼ縦の色付き線
分と横の色付き線分の和となる。右上の色画素連続数
が、他と異なるのは二重カウントを防ぐためである。色
画素連続数の具体的なデータを図19に示した。図19
に示す数字を入れた小四角が色画素であり、数字が該画
素に与えた色画素連続数である。数字を入れた小四角が
連なったブロックが色画素群であり、同一原稿上のどれ
かの色画素群のなかの色画素連続数が1つでも設定値T
HACS以上になるとそこで、カラー原稿であるとカラ
ーか白黒かの判定を確定する(ステップS28、2
9)。
【0204】色画素判定部1〜3(325f8−325
f15)と分けたのは、カラー原稿か白黒原稿かの判定
精度を高くするためである。黒文字処理のための色画素
判定は、誤判定をしても局所的でさほど目立たない。し
かし、カラー原稿か白黒原稿かの判定は、誤判定をする
と原稿全体に影響する。そこで、カウント部325f1
−f4を独立とした。本来ならば、色相分割部325a
から独立にした方がよいが色相分割部325aを独立に
すると、パターンマッチング部325f5−f7のメモ
リが増えるので、好ましくない。カウント部325f1
−f4のパラメータ(色画素候補1、3、黒画素候補
1)で、色画素のパラメータ(色画素1−3)を変更し
ている事により、メモリ量の増加を少なくしている。色
画素判定部2,3(325f12、325f15)を設
けているのは蛍光ペンの黄色のような濃度の低い色を検
出するためで、さらに、無彩判定(黒画素判定)部32
5f18を備えたのは濃度を低くすると誤検出した際に
補正するためである。蛍光ペンなど濃度の薄い色は、あ
る程度の幅で黒データで補正しても問題はない。複数の
色画素を抽出する際に、w(白)のレベルを変えている
だけなので、色画素検出のために2つ分のメモリを持つ
必要がなく、1つ分+1ラインの容量で可能である。
【0205】連続カウント部325f23で、1ライン
前のカウントデータと現在のラインのカウントデータを
参照してカウント値を数えているので、確実に周辺画素
の連続を正確に数えることができ、これにより色画素の
連続を数えることが可能となる。本実施形態では、R,
G,B画像データに対して色相判定を行ったが、R,
G,B画像データに限定するものではなく、輝度色差
(例えばLab)などに対して、色相判定することは、
容易である。
【0206】1.6.27 総合判定部326 総合判定部326は、図4に示すように文字判定部32
6a、膨張処理部326b、文字なか判定部326cお
よびデコード部326dからなる。
【0207】1.6.28 文字判定部326a 文字判定部326aでは、エッジ抽出部322の結果が
エッジありで、網点抽出部324の結果が網点なしで白
領域抽出部323の結果が白領域ありのときは、文字エ
ッジと判定する。そうでないときには非文字エッジ(絵
柄または文字なか)と判定し、その結果を図25に示す
ように膨張処理部326bに出力する。
【0208】1.6.29 膨張処理部326b 膨張処理部326bでは、文字判定部326aの結果を
8×8ブロックのOR処理をして、その後に3×3ブロ
ックのAND処理をして4ブロックの膨張処理を行う。
すなわち、注目ブロックを中心とする8×8ブロックの
いずれかのブロックが文字エッジであると、注目ブロッ
クも文字エッジブロックであると仮定し、該注目ブロッ
クを中心とする3×3ブロックのすべてが文字エッジで
あると注目ブロックを文字エッジと確定し、注目ブロッ
クとそれに隣接する3ブロック、計4ブロックを文字エ
ッジと見なす。OR処理してからAND処理するのは、
特に黒文字の場合、黒文字の領域の周辺に小領域の非黒
文字領域が存在すると、処理の差により違和感が感じら
れることがあり、例えば黒が薄く見えるからである。こ
れを防ぐために、OR処理で非黒文字領域を大きくして
いる。AND処理は、望むべき膨張量にするために行っ
ている。
【0209】ところでカラー複写機は、1枚の複写をす
るのに、4回スキャンをするので、スキャン毎に、微妙
に文字判定結果が異なる。特に、ブラック作像時に非黒
文字判定をし、ブラック作像以外のときに黒文字判定を
すると、この黒文字領域は薄くなってしまうので、bk
時には8×8ブロックのOR処理をして、その後に3×
3ブロックのAND処理をしてbk以外の作像時は、5
×5ブロックのOR処理をして、その後は1×1ブロッ
クのAND処理をする。なお、1×1のAND処理をす
る、と言うことは、その結果が処理前と同一になるの
で、何の処理もしないと言うことと同義である。膨張処
理の結果は、文字エッジ信号としてデコード部326d
に出力する。
【0210】このように膨張処理をすることにより、分
離結果が異なって文字の領域が薄くなることがなくな
る。この膨張処理によって、文字の中部分が濃くなるこ
とがあるが、文字のエッジに対して文字のなかが薄いと
濃度は飽和しているので、違和感はない。
【0211】図20に、カラー複写によるカラー色剤の
重なりを模式的に拡大して示す。図20の(d)が、4
色とも黒文字処理した理想の場合を示す。図20の
(e)が、4色とも黒文字処理して、bkのみ補正がか
からず、bk以外で補正がかかって薄くなった場合を示
す。図20の(f)が、本実施形態によってbkのみ黒
文字処理した、好適な場合を示し、図20の(g)が、
本実施形態によってbkのみ黒文字処理して、bkのみ
補正がかからず、bk以外で補正がかかった好適な場合
を示す。
【0212】図20の(a)が、膨張量は同一で黒文字
処理した理想の場合を示す。図20の(b)は、膨張量
は同一で黒文字処理して印字位置がずれた場合(白く抜
ける)を示す。図20の(c)が、bkの膨張量が大き
い場合で、本実施形態によって黒文字処理して印字位置
がずれた場合を示す。
【0213】1.6.30 デコード部326d デコード部326dが最終的に出力するC/P信号は、
下記のようになる: C/P信号 文字エッジ信号 0 なし 1 あり 文字エッジ領域 また、色判定部325からは図4および図25に示すよ
うにB/C信号が出力される。
【0214】次に、再度図3を参照する。原稿認識部3
20が発生するC/P信号およびB/C信号は、RGB
フィルタ部330、色補正部340、変倍部350、イ
ンターフェイス部352、UCR部360、CMYBk
フィルタ部370、CMYBkγ補正部380および階
調処理部390に、画像データに同期してカスケードに
与えられる。
【0215】RGBフィルタ部330は、RGBデータ
をMTF補正するフィルタであり、N×Nの画素マトリ
ックスに対応する係数マトリクスと、各係数に各画像デ
ータを乗じて重み付け平均値を得るロジックで構成され
ている。C/P信号が3を表すもの(文字エッジ領域)
である時には、鮮鋭化処理用の係数マトリクスを用い、
0または1を表すもの(文字なか領域または絵柄領域)
である時には平滑化処理用の係数マトリクスを用いて、
重み付け平均値を導出し色補正部340に出力する。色
補正部340は、R、G、Bデータを一次のマスキング
処理等でC、M、Yデータに変換する。変倍部350
は、画像データに、主走査方向xの拡大・縮小または等
倍処理を施す。
【0216】UCR部360は、画像データの色再現を
向上させるためのものであり、色補正部340から入力
したC、M、Yデータの共通部分をUCR(加色除去)
処理してBkデータを生成し、C、M、Y、Bkデータ
を出力する。ここで、C/P信号が1(文字エッジ領
域)以外の時(文字なか領域または絵柄領域のとき)
は、スケルトンブラック処理を行う。C/P信号が3
(文字エッジ領域)の時は、フルブラック処理を行う。
さらにC/P信号が1(文字エッジ領域)かつB/C信
号がH(無彩領域)の時は、C、M、Yのデータをイレ
ースする。これは、黒文字の時、黒成分のみで表現する
ためである。
【0217】また、UCR部360の出力画像信号IM
Gは、一時点はC、M、Y、Bkのうち一色であり、面
順次の一色出力である。すなわち、4回原稿読み取りを
行うことにより、フルカラー(4色)データを生成す
る。また、白黒複写のときは、Bk作像一回でよいの
で、1回の原稿読み取りでよい。カラー原稿か、白黒原
稿かの判定機構があれば、原稿に応じた読み取り回数で
すむので、操作者が、原稿に応じてカラー原稿か白黒原
稿かを判断して複写する必要がなくなる。本実施形態で
は、B/C信号がカラー原稿か、白黒原稿かの判定に参
照する信号である。原稿全面でB/C信号がH(無彩領
域)であったときにメインコントローラ10が、白黒原
稿と判定する。
【0218】CMYBkフィルタ部370は、カラープ
リンタ400の周波数特性やC/P信号に応じて、N×
Nの空間フィルタを用い、平滑化や鮮鋭化処理を行う。
CMYBkγ補正部380は、カラープリンタ400の
周波数特性やC/P信号に応じて、γカーブを変更し処
理する。C/P信号が0(絵柄領域)の時は画像を忠実
に再現するγカーブを用い、C/P信号が3(文字エッ
ジ領域)の時はγカーブを立たせてコントラストを強調
する。
【0219】階調処理部390は、カラープリンタ40
0の階調特性やC/P信号に応じて、ディザ処理、誤差
拡散処理等の量子化を行う。Bk作像の時は、C/P信
号が0(絵柄領域)の時は階調重視の処理を行い、それ
以外の時は解像力重視の処理を行う。Bk以外の作像の
時は、C/P信号が0(絵柄領域)の時は階調重視の処
理を行い、それ以外の時は解像力重視の処理を行う。以
上の処理をした画像データは、バッフアメモリを有する
ビデオコントロール359からカラープリンタ400
に、その画像データ書込み動作に同期して、与えられ
る。
【0220】前記IPU300は、絵柄処理(C/P信
号=0)の時は、RGBフィルタ部330で平滑化処理
を行い、UCR部360でスケルトンブラックの処理を
行い、CMYBkγ補正部380ではリニア(階調性)
を重視したカーブを選択し、CMYBkフィルタ部37
0および階調処理部390では階調を重視した処理を行
う。
【0221】一方、文字処理(C/P信号=1でB/C
信号=L)の時は、RGBフィルタ部330でエッジ強
調処理を行い、UCR部360でフルブラック処理を行
い、CMYBkγ補正部380ではコントラストを重視
したカーブを選択し、CMYBkフィルタ部370およ
び階調処理部390では解像度を重視した処理を行う。
【0222】また、黒文字処理(C/P信号=1でB/
C信号=H)として、Bkを除くC、M、Yの画像形成
時には、C、M、Yデータを印字しない。これは、黒文
字の周りが位置ずれのために色付くのを防ぐためであ
る。また、この時のBkデータのRGBフィルタ部33
0は色文字のときより、エッジ強調を強めに行ってくっ
きりさせても良い。
【0223】このように本実施形態に係るIPU300
は、絵柄、文字エッジ、絵柄上の文字および文字なか処
理の4種の処理を行う。
【0224】2.第2の実施形態 この第2の実施形態は、100線以下、65線以上の低
線数網点の検出を行い、検出された網点の線数に応じて
適切な画像処理を行うことができるように構成した例で
あり、基本的には、前述の第1の実施形態における1.
2.3のフィルタ部、1.6.2の網点抽出部、1.
6.2の色判定部の項において説明したことと同等であ
る。そこで、以下、前記1.2.3のフィルタ部、第1
の実施形態の1.6.1の網点抽出部、1.6.2の色
判定部で説明した事項と異なる点のみ説明する。
【0225】なお、この実施形態では、前述の図3に示
す原稿認識部320が、濃度R、G、Bデータに基づい
て、それらのデータが宛てられる画像領域が文字エッヂ
領域(文字や線画のエッジ領域)、網点領域、低線数網
点領域か絵柄領域(写真や絵の領域&文字領域でない領
域&網点領域でない&網点領域でない)かを判定し、C
/P信号およびB/C信号を、RGBフィルタ330、
ならびに、インターフェイス353を介してメインコン
トローラ10に与える。ここで、 C/P信号:2ビット信号であり、3が低線数網点領域
を示し、2が網点領域を示し、1が文字エッジ領域を示
し、0が絵柄領域を示す。また、 B/C信号:1ビット信号であり、H(「1」)が無彩
領域を示し、L(「0」)が有彩領域を示す。
【0226】2.1 フィルタ部321 フィルタ部321は、主に文字のエッジの抽出ために、
スキャナ200が発生するG画像データを補正する。こ
こで、スキャナ200で読み取ったデータは、レンズな
どの性能でボケていることがあるので、エッジ強調フィ
ルタをかける。ただ、ここでは、単純に原稿上の像エッ
ジを強調し、複写機に広く普及している、階調表現のた
めの万線パターンを強調しない必要がある。万線パター
ンを強調してしまうと、絵柄(万線パターンによる階調
表現領域)をエッジとして抽出して、最終的に文字エッ
ジと誤判定する可能性があるので、強調しないようにす
る必要がある。また、図8に示すように、600dpi
の万線パターンAと400dpiの万線パターンBは、
繰返し周期が異なるので、同一のフィルタ係数で強調し
ないようにするのは難しい。そのため、後段の特徴量検
出(エッジ抽出、白領域検出)に応じて2つ係数の演算
結果の最大値または、最小値のどちらかを使用する。な
お、図8において、主走査方向xの白1ブロック幅とそ
れに接する黒1ブロック幅との和が、万線ピッチ(定
幅:所定数の画素)すなわち万線周期であり、低濃度中
間調の時には白ブロック幅が広がり黒ブロック幅が狭く
なる。高濃度中間調になるにつれて、白ブロック幅が狭
くなり黒ブロック幅が広がる。
【0227】この実施例では、フィルタ処理部321の
画素マトリクスを、主走査方向xの画素数7×副走査方
向y(スキャナ200の機械的な原稿走査方向)の画素
数5として、図4上のフィルタ321のブロックに示す
ように、各画素宛てに各重み付け係数a1〜a7,b1
〜b7,c1〜c7,d1〜d7,e1〜e7を宛てた
2組の係数グループ(係数マトリクス)A,Bがある。
次の係数グループAは、図8の600dpiの万線パタ
ーンAの強調は抑制ししかも文字のエッジを強調するフ
ィルタ処理用の係数であり、係数グループBは、図8の
400dpiの万線パターンBの強調は抑制ししかも文
字のエッジを強調するフィルタ処理用の係数である。こ
れらの係数グループについては、前述の第1の実施形態
の1.2.3のフィルタ部321で説明した係数グルー
プAおよびBと同じである。
【0228】なお、フィルタ部321では、係数グルー
プAと係数グループBの演算を行い、エッジ抽出部32
2に、 演算結果の最小値/16+注目画素 を出力して、白領域抽出部323には、 演算結果の最大値/16+注目画素 を出力する。係数A、Bは、ラプラシアンなので所定の
係数(16)で除算し、注目画素に加算して補正する。
【0229】エッジ抽出部322に、演算結果の最小値
を出力するのは、文字の構造が万線形状をしている場合
に、白レベルが十分に抽出できないことがあるのを避け
るためである。白領域抽出部323に、演算結果の最大
値を出力するのは、絵柄が万線パターンの構造の時(例
えば複写機の出力)により絵柄になりやすいようにする
ためである。このようにすることにより、エッジ抽出部
322では、よりエッジを拾いやすくし、白領域検出部
323では、より絵柄として拾いやすくしている。本実
施形態では、2つの係数を例に取って説明したが、3つ
以上の係数でも同様の効果が得られる。なお、図4に
は、エッジ処理にG画像データを参照する態様を示す
が、Gデータに限らず、輝度データであってもよい。濃
い薄いを表現する信号なら適用可能である。
【0230】2.2 網点抽出部324’ この実施形態に係る網点抽出部324’は、図23に示
した網点抽出部324(N)を図26に示すように構成
する。
【0231】すなわち、第3網点ピーク検出部324c
の後段に第1周期チェック部324gおよび第2周期チ
ェック部324hを並列に設け、両周期チェック部32
4g,324hに直列にOR回路324iを設けてOR
回路324iの出力が第2網点検出部324eに入力さ
れるように構成し、さらに、第2網点領域検出部324
eの出力が第2の一時記憶手段324jに入力されるよ
うに構成している。この第2の一時記憶手段324jに
は、前記100線以下、65線以上の低線数網点の検出
結果が格納される。
【0232】図26を参照して、第2の実施形態に係る
第3網点ピーク検出部324c’の検出処理について具
体的に説明する。
【0233】この第3網点ピーク検出部324c’は、
100線以下、65線(新聞の網点)以上を検出を目的
としている。
【0234】局所領域として7×7画素マトリクス(一
般化して示すとM×M画素マトリクス)のマスクを採用
した例である。低線数網点を分離するのに7×7のマト
リクスを採用したのは次のような理由による。すなわ
ち、65線でスクリーン角0度の時に600dpiで読
み取ると、周期は9.23となる。ここで、周期が最も
離れる白黒網点は、スクリーン角45度であるので、白
黒網点は1.41倍して周期13となる。この周期13
の網点のピークを検出しようとすると、13/2=6.
5のマトリクスとなる。そして、山と谷(濃度が濃い網
点と薄い網点)で網点を分けて検出するので、50%網
点のマトリクスサイズが最大マトリクスとなる。そこ
で、周期の1/2に対応するマトリクスがあればよい。
このような理由で、7×7の画素マトリクスとしたもの
である。
【0235】前記7×7の画素マトリクスは前述の図2
4(c)のパターンに示すものとすると、注目画素とな
る中心画素群の濃度Lcが、その周囲画素の濃度群L1
〜L8と比較して最大または最小であるとともに、 abs(2Lc−L1−L8)≧Lth かつ abs(2Lc−L2−L7)≧Lth かつ abs(2Lc−L3−L6)≧Lth かつ abs(2Lc−L4−L5)≧Lth のときに、マスクの中心画素(Lc)を網点ピーク画素
として検出する。abs関数は絶対値をとることを意味
する。Lthは閾値(固定値)である。
【0236】ここで、マスクの中心画素(Lc)が最大
値の時の網点ピーク画素を網点山ピーク画素として、第
1周期チェック部234gに出力する。また、マスクの
中心画素(Lc)が最小値の時の網点ピーク画素を網点
谷ピーク画素として、第2周期チェック324hに出力
する。
【0237】具体的には、周囲画素は図24(a)に示
す周囲画素分布パターンした画素とする。周囲画素分布
パターンに基づいた上述の網点ピーク画素検出のどちら
かが、網点ピーク画素と検出した時に、そのときの注目
画素(中心画素d4)に網点ピーク画素を表す検出信号
を与える。2つのパターンを用いるのは、網点の網点面
積率に幅広く対応するためである。
【0238】Lcの濃度は周辺画素を参照して以下のよ
うに求める。 Lc=Min(d4,d3、d5、c4、e4) このLcが周辺画素に対して最大値の時は、パターン
は、 L1=Max(a1、a2、b1) L2=Max(a3、a4、a5) L3=Max(a6、a7、c7) L4=Max(c1、d1、e1) L5=Max(c7、d7、e7) L6=Max(f1、g1、g2) L7=Max(g3、g4、g5) L8=Max(g6、g7、f7) と定めたものである。ここで、L1=Max(a1、a
2、b1)とは、画素a1、a2、b1の濃度の最大値
を、上述の網点ピーク画素検出演算のL1の値とするこ
とを意味する。Lc=Min(d4,d3、d5、c
4、e4)とは、d4,d3、d5、c4、e4の濃度
(画像データ)の最小値を意味する。
【0239】また、 Lc=Max(d4,d3、d5、c4、e4) このLcが周辺画素に対して最小値の時は、パターン
は、 L1=Min(a1、a2、b1) L2=Min(a3、a4、a5) L3=Max(a6、a7、c7) L4=Max(c1、d1、e1) L5=Max(c7、d7、e7) L6=Max(f1、g1、g2) L7=Max(g3、g4、g5) L8=Max(g6、g7、f7) と定めたものである。
【0240】また、複写の場合、副走査方向yの拡大、
縮小はスキャナ200の原稿走査速度の低,高で行うの
で、スキャナ200からは、副走査方向yの拡大、縮小
があった画像データが与えられる。そこで、縮小のとき
には、図24(b)に示すパタン―ンを用いる。拡大の
ときには、図24(a)に示すパタ―ンを用いる。
【0241】第3網点ピーク検出部324c’の演算式
は、1画素のデータで演算するのではなく、複数の画素
(min、maxの演算)で、対象となる画素を参照す
る。低線数の網点は濃淡の周期が大きくなるので、この
ように1画素で決定するのではなく周辺画素を参照する
ようにすると、ノイズ(ごみ)の影響を少なくし、か
つ、算術演算量を減らし、他のブロックを共通に演算式
を使えるようにすることが可能となり、ハード化も容易
となる。
【0242】第1周期チェック1部324gでは、網点
山ピークと網点山ピークの周期がチェックされる。すな
わち、主走査1次元方向の網点山ピークの間隔がチェッ
クされる。網点ピーク検出の検出対象の網点は、検出線
数100線以下なので、網点山ピークは、8以上とな
る。8未満の場合は小さな文字を誤判定する場合がほと
んどである。これは600dpi読み取り時の場合であ
る。
【0243】例えば図27(a)に示すように、L1が
6で、L2が10であれば、L1間隔の網点山ピークは
小さな文字である場合がほとんどなので、網点山ピーク
を除去する。L2間隔は、低線数網点である場合がほと
んどなので、除去はしない。低線数網点を100線以下
とした場合、周期判定の閾値は次のように計算すること
ができる。
【0244】すなわち、100線でスクリーン角0度の
ときに、600dpiで読み取ると周期6となる。低線
数網点は、一般に白黒原稿しか存在しないので、白黒の
みに限定すると、白黒網点はスクリーン角45度である
ので、白黒網点は周期を1.41倍すると、周期8.4
6となる。このことは、周期が8以下の場合には100
線以下の網点であるので、ここでは入力データを無効と
する。これにより、第1周期チェック部324gで、図
27(a)のような網点の状態であったものが、周期8
以下を無効とすることにより図27(b)に示すように
網点がないという状態に補正される。なお、周期8は上
記のような読み取り条件で選択した周期であり、設計条
件に応じて適宜変更できることはいうまでもない。
【0245】また、第2周期チェック部324hでは、
網点谷ピークの検出を第1周期チェック部324gと同
様に行う。網点山ピークの周期検出と網点谷ピークの周
期検出を独立に行うのは、網点面積率50%近傍におい
ては、網点山ピークと網点谷ピークが交互に現れ正確な
周期が、現れないためである。
【0246】このようにして周期チェックが行われた第
1周期チェック部324g、第2周期チェック部324
hの出力は、or回路324iに入力され、論理和が取
られた後、第2網点領域検出部324eに入力される。
【0247】第2網点領域検出324eでは、第1およ
び第2周期チェック部324g,324hからの出力が
orされ、山と谷の網点ピーク画素が所定の大きさの二
次元の小領域毎に計数され、山と谷の網点ピーク画素の
合計が小領域の計数値Pとされる。この計数値Pが閾値
Pthより大きいときに、小領域の全画素(あるいは画
素単位の処理の場合、小領域の中心画素のみ)が網点領
域と判定され、判定結果は一時記憶手段324fに記憶
される。
【0248】さらに、第2の網点領域検出部324eで
は第1および第2周期チェック324g,324eの論
理和をとって山と谷の網点ピーク画素が、所定の大きさ
の二次元の小領域毎に計数され、山と谷の網点ピーク画
素の合計が小領域の計数値Pされる。そして、この計数
値Pが閾値Pthより大きいときに、小領域の全画素
(あるいは画素単位の処理の場合、小領域の中心画素の
み)が網点領域と判定され、判定結果は第2の一時記憶
手段(一時メモリB)324jに記憶される。
【0249】第1網点領域検出部324dまたは第2網
点領域検出部324eのどちらかが、網点領域ならば、
注目している小領域の近傍の処理済み領域の網点/非網
点判定結果(周辺の特徴情報)に応じ適応的に閾値Pt
hを変化させる。本実施形態においては、閾値Pthと
して、2つの値TH1,TH2(ただしTH1>TH
2)が用意され、一時記憶手段(一時メモリ)324d
に記憶されている注目小領域近傍の処理済み領域の判定
結果によって、その一方の値を選択する。すなわち、近
傍の領域が非網点領域と判定されていた場合には、線画
領域である可能性が高いので、誤検出を減らすために条
件が厳しくなるTH1のほうを閾値Pthとして選択す
る。これに対し、近傍領域が網点領域であると判定され
ていた場合には、網点領域である可能性が高いので、条
件が緩くなるTH2のほうを閾値Pthとして用いる。
なお、閾値Pthの初期値としてはTH1を選択する。
【0250】図14上のAMPに、前述の小領域の分布
を示す。小領域分布パターンAMPのS1〜S4のそれ
ぞれは、例えば4×4画素の大きさの小領域(ブロッ
ク)であり、S4が注目している小領域、S1,S2お
よびS3は処理済みの小領域であるとする。S1,S2
およびS3のすべてが網点領域であると判定されている
時には、Th2がS4の判定のための閾値Pthとして
用いられる。S1,S2およびS3の1つでも非網点領
域と判定されているときは、閾値PthとしてTH1が
選択される。網点領域と判定したときに“1”で、非網
点と判定した時に“0”の網点領域検出信号htが網点
抽出部324から出力される。ただし、これは一例であ
って、S1,S2およびS3のいずれか1つの小領域で
も網点領域と判定されたときにTH2を選択し、すべて
が非網点領域と判定されたときにのみTH1を選択する
ようにしてもよい。さらに、参照する近傍領域をS1の
み、あるいはS2のみとすることもできる。この出力結
果は、網点抽出結果である。網点抽出結果との処理の違
いは、網点ピーク検出では、低線数の入力のみて網点抽
出をしているので、低線数網点のみの抽出が可能となっ
ている。
【0251】2.3 総合判定部326 総合判定部326は図4に示すように文字判定部326
a、膨張処理部326b、文字なか判定部326cおよ
びデコード326dからなる。また、図28はこれらの
各部の処理を示す図である。
【0252】2.3.1 文字判定部326a 文字判定部326aでは、エッジ抽出部322の結果が
エッジありで、網点抽出部324の結果が網点なしで白
領域抽出部323の結果が白領域ありのときは、文字エ
ッジと判定する。そうでないときには非文字エッジ(絵
柄又は文字なか)と判定する。その結果を図28に示す
ように膨張処理部326bに出力する。
【0253】2.3.2 膨張処理326b 膨張処理部326bでは、文字判定部326bの結果を
8×8ブロックのOR処理をして、その後に3×3ブロ
ックのAND処理をして4ブロックの膨張処理を行う。
すなわち、注目ブロックを中心とする8×8ブロックの
いずれかのブロックが文字エッジであると、注目ブロッ
クも文字エッジブロックであると仮定し、該注目ブロッ
クを中心とする3×3ブロックのすべてが文字エッジで
あると注目ブロックを文字エッジと確定し、そして、注
目ブロックとそれに隣接する3ブロック、計4ブロック
を文字エッジと見なす。OR処理してからAND処理す
るのは、特に黒文字の場合、黒文字の領域の周辺に小領
域の非黒文字領域が存在すると、処理の差により違和感
が感じられることがある。例えば黒が薄く見える。これ
を防ぐために、OR処理で非黒文字領域を大きくしてい
る。AND処理は、望むべき膨張量にするために行って
いる。
【0254】ところでカラー複写機は、1枚の複写をす
るのに、4回スキャンをするので、スキャン毎に、微妙
に文字判定結果が異なる。特に、ブラック作像時に非黒
文字判定をし、ブラック作像以外のときに黒文字判定を
すると、この黒文字領域は薄くなってしまうので、bk
時には8×8ブロックのOR処理をして、その後に3×
3ブロックのAND処理をしてbk以外の作像時は、5
×5ブロックのOR処理をして、その後は1×1ブロッ
クのAND処理をする。なお、1×1のAND処理をす
る、と言うことは、その結果が処理前と同一になるの
で、何の処理もしないと言うことと同義である。膨張処
理の結果は、文字エッジ信号としてデコード326dに
出力する。
【0255】このように膨張処理をすることにより、分
離結果が異なって文字の領域が薄くなることがなくな
る。この膨張処理によって、文字の中部分が濃くなるこ
とがあるが、文字のエッジに対して文字のなかは薄いの
と濃度は飽和しているので、違和感はない。
【0256】図20に、カラー複写によるカラー色剤の
重なりを、模式的に拡大して示す。図20の(d)が、
4色とも黒文字処理した理想の場合を示す。図20の
(e)が、4色とも黒文字処理して、bkのみ補正がか
からず、bk以外で補正がかかって薄くなった場合を示
す。図20の(f)が、本実施例によってbkのみ黒文
字処理した、好適な場合を示し、図20の(g)が、本
実施例によってbkのみ黒文字処理して、bkのみ補正
がかからず、bk以外で補正がかかった好適な場合を示
す。
【0257】図20の(a)が、膨張量は同一で黒文字
処理した理想の場合を示す。図20の(b)は、膨張量
は同一で黒文字処理して印字位置がずれた場合(白く抜
ける)を示す。図20の(c)が、bkの膨張量が大き
い場合で、本実施例によって黒文字処理して印字位置が
ずれた場合を示す。
【0258】2.3.3 デコード326dデコード3
26dが最終的に出力するC/P信号は、以下の表のよ
うになる: C/P信号 文字エッジ信号 網点抽出結果 低線数 説明 網点抽出結果 0 なし なし なし 絵柄領域 1 あり × × 文字エッジ領域 2 なし あり なし 網点領域 3 なし なし あり 低線数網点領域 ×は、どんな値を取ってもよい。
【0259】次に、再度図3を参照する。原稿認識部3
20が発生するC/P信号およびB/C信号は、RGB
フィルタ部330、色補正部340、変倍部350、イ
ンターフェース352部、UCR部360、CMYBk
フィルタ部370、CMYBkγ補正部380および階
調処理部390に、画像データに同期してカスケードに
与えられる。
【0260】RGBフィルタ部330は、RGBデータ
をMTF補正するフィルタであり、N×Nの画素マトリ
ックスに対応する係数マトリクスと、各係数に各画像デ
ータを乗じて重み付け平均値を得るロジックで構成され
ている。C/P信号が1を表すもの(文字エッジ領域)
である時には、鮮鋭化処理用の係数マトリクスを用い、
0または2、3を表すもの(絵柄領域、低線数網点領
域、網点領域)である時には平滑化処理用の係数マトリ
クスを用いて、重み付け平均値を導出し、色補正部34
0に出力する。ここでの平滑化フィルタは、平滑化量の
強い順に並べると、低線数網点領域、網点領域、絵柄領
域となる。これは、網点は平滑を強くしないと網点構造
が残り、モアレの原因となるためのである、さらに低線
数の網点は、高線数の網点より強く平滑化してやる必要
がある。色補正部340は、R,G,Bデータを1次の
マスキング処理等でC,M,Yデータに変換する。変倍
部350は、画像データに、主走査方向xの拡大・縮小
または等倍処理を施す。
【0261】UCR部360は、画像データの色再現を
向上させるためのものであり、色補正部340から入力
したC,M,Yデータの共通部分をUCR(加色除去)
処理してBkデータを生成し、C,M,Y,Bkデータ
を出力する。ここで、C/P信号が1(文字エッジ領
域)以外の時(文字なか領域又は絵柄領域のとき)は、
スケルトンブラック処理を行う。C/P信号が3(文字
エッジ領域)の時は、フルブラック処理を行う。さらに
C/P信号が1(文字エッジ領域)かつB/C信号がH
(無彩領域)の時は、C,M,Yのデータをイレースす
る。これは、黒文字の時、黒成分のみで表現するためで
ある。
【0262】また、UCR部360の出力画像信号IM
Gは、一時点はC,M,Y,Bkのうち一色であり、面
順次の一色出力である。すなわち、4回原稿読み取りを
行うことにより、フルカラー(4色)データを生成す
る。また、白黒複写のときは、Bk作像一回でよいの
で、1回の原稿読み取りでよい。カラー原稿か、白黒原
稿かの判定機構があれば、原稿に応じた読み取り回数で
すむので、操作者が、原稿に応じてカラー原稿か白黒原
稿かを判断して複写する必要がなくなる。本実施形態で
は、B/C信号がカラー原稿か、白黒原稿かの判定に参
照する信号である。原稿全面でB/C信号がH(無彩領
域)であったときにメインコントローラ10が、白黒原
稿と判定する。
【0263】CMYBkフィルタ部370は、カラープ
リンタ400の周波数特性やC/P信号に応じて、N×
Nの空間フィルタを用い、平滑化や鮮鋭化処理を行う。
CMYBkγ補正部380は、カラープリンタ400の
周波数特性やC/P信号に応じて、γカーブを変更し処
理する。C/P信号が1(文字エッジ領域以外)以外の
時は画像を忠実に再現するγカーブを用い、C/P信号
が1(文字エッジ領域)の時はγカーブを立たせてコン
トラストを強調する。
【0264】階調処理部390は、カラープリンタ40
0の階調特性やC/P信号に応じて、ディザ処理,誤差
拡散処理等の量子化を行う。Bk作像の時は、C/P信
号が1以外(文字エッジ領域以外)の時は階調重視の処
理を行い、それ以外の時は解像力重視の処理を行う。B
k以外の作像の時は、C/P信号が0(絵柄領域)の時
は階調重視の処理を行い、それ以外の時は解像力重視の
処理を行う。以上の処理をした画像データは、バッフア
メモリを有するビデオコントロール部359からカラー
プリンタ400に、その画像データ書込み動作に同期し
て、与えられる。
【0265】上記IPU300は、文字領域以外(C/
P信号=1以外)の時は、RGBフィルタ部330で平
滑化処理を行い、UCR部360でスケルトンブラック
の処理を行い、CMYBkγ補正部380ではリニア
(階調性)を重視したカーブを選択し、CMYBkフィ
ルタ部370および階調処理部390では階調を重視し
た処理を行う。
【0266】一方、文字処理(C/P信号=1でB/C
信号=L)の時は、RGBフィルタ部330でエッジ強
調処理を行い、UCR部360でフルブラック処理を行
い、CMYBkγ補正部380ではコントラストを重視
したカーブを選択し、CMYBkフィルタ部370およ
び階調処理部390では解像度を重視した処理を行う。
【0267】また、黒文字処理(C/P信号=1でB/
C信号=H)として、Bkを除くC,M,Yの画像形成
時には、C,M,Yデータを印字しない。これは、黒文
字の周りが位置ずれのために色付くのを防ぐためであ
る。また、この時のBkデータのRGBフィルタ330
は色文字のときより、エッジ強調を強めに行ってくっき
りさせても良い。
【0268】このように処理することにより、本実施形
態に係るIPU300は、絵柄、文字エッジ、網点、低
線数網点の4種の処理を行う。
【0269】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、極点画素
を算出する時に、あらかじめ決めた決められた画素位置
のデータから算出するのではなく、複数の画素位置の中
からデータを選択するので、小さな文字と網点の切り分
けが容易となり、小さな文字を網点として間違えにく
く、低線数網点を良好に検出することが可能となる。
【0270】また、本発明によれば、低線数網点部と通
常網点部とを切り分け、両者間で画像処理を切り換える
ことにより画像品質の向上を図ることができる。
【0271】さらに、本発明によれば、小さな文字と網
点の切り分けが容易な画像処理装置を使用し、画像品質
に優れた画像を出力可能な画像読み取り装置、画像形成
装置およびカラー複写装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置を
備えたデジタルフルカラー複写機の概略構成図である。
【図2】図1に示すデジタルフルカラー複写機の電気シ
ステムの概要を示すブロック図である。
【図3】図2における画像処理ユニット(IPU)の構
成を示すブロック図である。
【図4】図3の原稿認識部の構成を示す機能ブロック図
である。
【図5】白判定に用いる状態変数MS、SS[I]の更
新の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】図3における色画素判定部の内容を示す機能ブ
ロック図である。
【図7】図6における連続カウント部におけるカラー原
稿か白黒原稿かを判定する判定処理の処理手順を示すフ
ローチャートである。
【図8】600dpiの万線パターンと400dpiの
万線パターンを比較して示す図である。
【図9】図4における黒画素連続検出部および白画素連
続検出部で行うパターンマッチングに使用する3×3画
素マトリクスのパターンを示す図である。
【図10】図4におけるRGB白地検出部の白背景分離
に使用するパターン例を示す図である。
【図11】図4における色地検出時に使用するパターン
例を示す図である。
【図12】ラインメモリLMPの現ライン(注目ライ
ン)を模式的に示す図である。
【図13】図4における白領域抽出部の処理を説明する
ための領域を示す図である。
【図14】図4における網点抽出部の第1網点ピーク検
出部の検出処理を説明するための図である。
【図15】図4における色判定部の処理を説明するため
の図である。
【図16】図6の色画素判定におけるパターンマッチン
グを説明するための図である。
【図17】白に囲まれた色線を検出する色細線用パター
ンを示す図である。
【図18】c,m,yが全て0のところのパターンマッ
チングを行うための白領域パターンを示す図である。
【図19】色画素連続数の具体的なデータを示す図であ
る。
【図20】カラー複写によるカラー色剤の重なりを模式
的に拡大して示す図である。
【図21】図4における白領域抽出部の詳細を示すブロ
ック図である。
【図22】グレー画素を検出するための万線パターンと
のパターンマッチングのパターン例を示す図で、(a)
は200線用のパターンであり、(b)は300線用の
パターンである。
【図23】図4における網点抽出部の詳細を示すブロッ
ク図である。
【図24】第3網点ピーク検出部の検出処理を説明する
ための図である。
【図25】図4における総合判定部の処理内容を示す説
明図である。
【図26】第2の実施形態に係る網点抽出部の詳細を示
すブロック図である。
【図27】第2の実施形態における第3の網点ピーク検
出部における網点ピーク値の除去の状態を示す図であ
る。
【図28】第2の実施形態における総合判定部の処理を
示す図である。
【符号の説明】
10 メインコントローラ 12 スキャナコントローラ 16 プリンタコントローラ 17 FAXコントローラ 18 パラレルI/F 19 LANコントロール 20 通信コントローラ 40 画像処理ユニット(IPU) 200 カラー画像読み取り装置(スキャナ) 300 画像処理ユニット(IPU) 320 原稿認識部 321 フィルタ部 322 エッジ抽出部 323 白領域抽出部 323a 2値化部 323b RGB白抽出部 323b−1 グレー画素検出部 323b−2 色画素検出部 323b−3 RGB白地検出部 323c 白判定部 323d 白パターンマッチング部 323g 白補正部 323h グレーパターンマッチング部 323i グレー膨張部 323j 白パターン補正部 323k 白膨張部 323l 白収縮部 323m 判定部 324 網点抽出部 324’ 網点抽出部 324a 第1網点ピーク検出部 324b 第2網点ピーク検出部 324c 第3網点ピーク検出部 324c’ 第3網点ピーク検出部 324d 第1網点領域検出部 324e 第2網点領域検出部 324f 一時記憶手段(一時メモリ) 324g 第1周期チェック部 324h 第2周期チェック部 324i OR回路 324j 第2の一時記憶手段(第2の一時メモリ) 325 色判定部 326 総合判定 326a 文字判定部 326b 膨張処理部 326d デコード部 330 RGBフィルタ 400 カラー画像記録装置(カラープリンタ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C077 MP02 MP06 MP08 PP27 PP32 PP33 PP46 PP54 PP61 PQ08 PQ20 SS01 SS02 TT06 5C079 HB01 HB03 HB12 LA06 LA31 PA02 5L096 BA07 FA14 FA32 FA43 GA10

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された画像データに対して所定の処
    理を施して出力する画像処理装置において、 M×M画素からなるマトリックスの中心画素の濃度がマ
    トリックス内で最大または最小であるか否かを検出する
    最大最小濃度検出手段と、 前記中心画素の近傍画素のうちいずれかの画素を中心画
    素として選択する中心画素選択手段と、 前記マトリクスの中の前記中心画素に対して対称の位置
    にある対となる画素のうちいずれかを対角画素として選
    択する対角画素選択手段と、 前記中心画素に対して前記マトリクス中で前記対角画素
    選択手段によって選択された対称の位置にある全ての対
    となる画素の濃度の各々の平均値と前記中心画素の濃度
    の差の絶対値が予め設定した閾値より大きいか否かを判
    定する比較判定手段と、 前記最大最小濃度検出手段によって最大あるいは最小濃
    度と検出され、前記比較判定手段によって前記閾値より
    大きいと判定された中心画素を極点画素とする極点画素
    検出手段と、 注目2次元領域の極点画素数とその周囲の2次元領域の
    極点画素数との関係から前記検出された極点画素を含む
    近傍画素を網点部として検出する網点部検出手段と、を
    備えていることを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記中心画素選択手段は、画素濃度が最
    大または最小の画素を選択することを特徴とする請求項
    1記載の画像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記対角画素選択手段は、画素濃度が最
    大または最小の画素を選択することを特徴とする請求項
    1記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】 M×M画素からなるマトリックスの中心
    画素の濃度がマトリックス内で最大または最小であるか
    否かを検出する最大最小濃度検出手段と、 前記中心画素に対して前記マトリクス中で対称の位置に
    ある全ての対となる画素の濃度の各々の平均値と前記中
    心画素の濃度の差の絶対値が予め設定した閾値より大き
    いか否かを判定する比較判定手段と、 前記最大最小濃度検出手段によって最大あるいは最小濃
    度と検出され、前記比較判定手段によって前記閾値より
    大きいと判定された中心画素を極点画素とする極点画素
    検出手段と、 極点画素と極点画素の周期が一定の値以下であるとき
    に、極点画素を無効とする極点画素イレース手段と、 注目の2次元領域の極点画素数とその周囲の2次元領域
    の極点画素数の関係から当該注目画素を含む近傍データ
    を低線数網点部として検出する低線数網点部検出手段
    と、を備えていることを特徴とする低線数網点部検出装
    置。
  5. 【請求項5】 前記比較判定手段は、中心画素を核とし
    て中心画素に隣接する画素とからなる中心画素群と、前
    記中心画素に対して対称の位置にある複数の隣接画素を
    1つのグループとする周囲画素群との濃度を比較するこ
    とを特徴とする請求項4に記載の低線数網点部検出装
    置。
  6. 【請求項6】 前記周囲画素群が、原稿走査速度で規定
    される拡大複写と縮小複写に応じて選択されることを特
    徴とする請求項5記載の低線数網点部検出装置。
  7. 【請求項7】 前記極点画素と極点画素の周期は、最大
    濃度の極点画素の周期を検出する第1の周期チェック部
    と、最小濃度の極点画素の周期を検出する第2の周期チ
    ェック部とからなり、それぞれの周期チェックは独立し
    て行われることを特徴とする請求項4記載の低線数網点
    部検出装置。
  8. 【請求項8】 前記第1の周期チェックは、主走査1次
    元方向の網点の濃度の最大値の間隔を検出し、前記第2
    の周期チェックは、主走査1次元方向の網点の濃度の最
    小値の間隔を検出することを特徴とする請求項7記載の
    低線数網点部検出装置。
  9. 【請求項9】 前記極点画素イレース手段によって無効
    にされる一定の値は、低線数の理論値に対応する値であ
    ることを特徴とする請求項4記載の低線数網点部検出装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項4ないし9のいずれか1項に記
    載の低線数網点部検出装置と、 入力された画像データに対して所定の処理を施して出力
    する画像処理手段と、を備え、前記画像処理手段は、前
    記低線数網点部検出装置によって検出された低線部網点
    部と、それ以外の網点部とに応じて異なる処理を行うこ
    とを特徴とする画像処理装置。
  11. 【請求項11】 入力された画像データに対して所定の
    処理を施して出力する画像処理装置において、 予め設定された低線数範囲の網点部を検出する検出手段
    と、 N×N画素からなるマトリックスの中心画素の濃度がマ
    トリックス内で最大または最小であるか否かを検出する
    最大最小濃度検出手段と、 前記中心画素に対して前記マトリクス中で対称の位置に
    ある全ての対となる画素の濃度の平均値と前記中心画素
    の濃度の差の絶対値が予め設定した閾値より大きいか否
    かを判定する比較判定手段と、 前記最大最小濃度検出手段によって最大あるいは最小濃
    度と検出され、前記比較判定手段によって前記閾値より
    大きいと判定された中心画素を極点画素とする極点画素
    検出手段と、 注目の2次元領域の極点画素数とその周囲の2次元領域
    の極点画素数の関係から当該注目画素を含む近傍データ
    を網点部として検出する網点検出手段と、 前記低線数網点検出装置および前記網点検出手段の検出
    結果に基づいて画像処理を切り換える切り換え手段と、
    を備えていることを特徴とする画像処理装置。
  12. 【請求項12】 入力された画像データに対して所定の
    処理を施して出力する画像処理装置において、 予め設定された低線数範囲の網点部を検出する検出手段
    と、 N×N画素からなるマトリックスの中心画素に対して前
    記マトリクス中で対称の位置にある全ての対となる画素
    の濃度の各々の平均値と中心画素の濃度との差の絶対値
    が予め設定した閾値より大きいか否かを判定する比較判
    定手段と、 前記比較判定手段によって前記閾値より大きいと判定さ
    れた画素を極点画素とする極点画素検出手段と、 注目の2次元領域の極点画素数とその周囲の2次元領域
    の極点画素数の関係から当該注目画素を含む近傍データ
    を網点部として検出する網点部検出手段と、 前記低線数網点部検出装置および前記網点部検出手段の
    検出結果に基づいて画像処理を切り換える切り換え手段
    と、を備えていることを特徴とする画像処理装置。
  13. 【請求項13】 前記画像処理切り換え手段がフィルタ
    からなり、低線数網点部の方がそうでない網点部よりも
    平滑化の係数を大きく設定したことを特徴とする請求項
    11または12記載の画像処理装置。
  14. 【請求項14】 前記比較判定手段は、中心画素を核と
    して中心画素に隣接する画素とからなる中心画素群と、
    前記中心画素に対して対称の位置にある複数の隣接画素
    を1つのグループとする周囲画素群との濃度を比較する
    ことを特徴とする請求項11または12記載の画像処理
    装置。
  15. 【請求項15】 前記周囲画素群の選択が、原稿走査速
    度で規定される拡大複写と縮小複写によって切り換えら
    れることを特徴とする請求項14記載の画像処理装置。
  16. 【請求項16】 前記極点画素と極点画素の周期は、最
    大濃度の極点画素の周期を検出する第1の周期チェック
    と、最小濃度の極点画素の周期を検出する第2の周期チ
    ェックとからなり、それぞれの周期チェックは独立して
    行われることを特徴とする請求項11または12記載の
    画像処理装置。
  17. 【請求項17】 前記第1の周期チェックは、主走査1
    次元方向の網点の濃度の最大値の間隔を検出し、前記第
    2の周期チェックは、主走査1次元方向の網点の濃度の
    最小値の間隔を検出することを特徴とする請求項16記
    載の画像処理装置。
  18. 【請求項18】 前記検出手段が、 M×M画素からなるマトリックスの中心画素の濃度がマ
    トリックス内で最大または最小であるか否かを検出する
    最大最小濃度検出手段と、 前記中心画素に対して前記マトリクス中で対称の位置に
    ある全ての対となる画素の濃度の各々の平均値と前記中
    心画素の濃度の差の絶対値が予め設定した閾値より大き
    いか否かを判定する比較判定手段と、 前記最大最小濃度検出手段によって最大あるいは最小濃
    度と検出され、前記比較判定手段によって前記閾値より
    大きいと判定された中心画素を極点画素とする極点画素
    検出手段と、 極点画素と極点画素の周期が一定の値以下であるとき
    に、極点画素を無効とする極点画素イレース手段と、 注目の2次元領域の極点画素数とその周囲の2次元領域
    の極点画素数の関係から当該注目画素を含む近傍データ
    を低線数網点部として検出する低線数網点部検出手段
    と、からなることを特徴とする請求項11または12記
    載の画像処理装置。
  19. 【請求項19】 前記請求項1、10、11および12
    のいずれか1項に記載の画像処理装置と、 前記画像処理装置から出力された画像データに基づいて
    作像し、作像された画像を用紙上に形成し、画像出力す
    る画像出力手段と、を備えていることを特徴とする画像
    形成装置。
  20. 【請求項20】 外部からのプリント指示コマンドを解
    析して前記画像出力手段によって外部からの画像情報を
    プリント出力させる制御手段を更に備えていることを特
    徴とする請求項19記載の画像形成装置。
  21. 【請求項21】 前記請求項1、10、11および12
    のいずれか1項に記載の画像処理装置と、 原稿画像を色分解して読み取って生成した画像データを
    前記画像処理装置に入力する画像読み取り手段と、 前記画像処理装置から出力された画像データに基づいて
    作像し、作像された画像を用紙上に形成し、画像出力す
    る画像出力手段と、を備えていることを特徴とするカラ
    ー複写装置。
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