JP4380696B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、与えられる入力画像データ例えばR,G,G画像データを、出力用の画像データたとえばc,m,yとブラックbkの画像データに変換する画像処理装置,これに該入力画像データを与えるカラースキャナを組合せた画像読取装置,該画像処理装置にプリンタを組合せた画像形成装置,該画像処理装置にカラースキャナおよびカラープリンタを組合せたカラー複写装置、ならびに、該カラー複写装置に、パソコンなどの外部機器から与えられる画像情報およびプリント指示に対応して該カラープリンタを使用して画像情報をプリントアウトするプリンタコントローラを組合せたカラー複合複写装置、に関し、特に、入力画像データが表す文字画および線画(これら2値的な画像を単に文字と称す)とその背景を高品質な画像にするための画像データ処理に関する。
特開平10− 23251号公報 特開平10−108012号公報 特開平 5−292312号公報 特許第2856867号明細書 特開平 7− 95397号公報。
引用文献1には、画像データを3値化して白領域および黒領域を抽出し、これらの領域にパターンマッチングを適用して線画エッジを抽出する画像処理装置が開示されている。引用文献2には、入力画像データがエッジ領域,網点領域あるいは白背景領域であるかを検出して、各領域検出の結果から文字領域か絵柄領域かを判定する像域分離装置が開示されている。なお、引用文献3には、網点ピーク画素を検出し、検出した網点ピーク画素の、小領域上の分布数を計数し計数値を閾値と比較して、該小領域が網点領域か否かを判定する網点領域分離装置が開示されている。引用文献4には、黒文字エッジ領域に囲まれた絵柄領域を黒文字領域としてそこに黒単色を割り付けるカラー画像処理装置が開示されている。引用文献5には、単色画像処理において、高濃度太文字の太線内部の白ぬけを防ぎしかも小文字のボケを防ぐために、エッジおよび高濃度領域を検出し、所定距離内のエッジで挟まれた高濃度領域を文字領域と識別しそれ以外の高濃度領域は非文字領域と識別して、各領域対応の画像処理を施す原稿読取り装置が開示されている。
ところで、従来技術では、白地に囲まれた領域のみ文字エッジの対象領域としている。ところが、実際の文字は線幅は一定ではないので、文字の大きさによっては、文字エッジ判定したり、しなかったりしてしまう。文字エッジ判定の漏れが多いと、文字エッジに誤って中間調表現用の画像データ処理が施されて文字エッジがぼけてしまう等の画質劣化を生じやすい。
従来の像域分離では、薄い色地上の文字や新聞などで文字エッジまわりを白領域と判定することがある。原因は、文字のボケを復元するために画像データにエッジ強調のフィルタ処理をするが、下地色に色がついていると、文字の周りの下地のレベルが下がって、白地レベルとなってしまう。白領域の判定を行う際にはこの文字エッジ周辺を白地レベルとして処理するので、文字の周りの下地色を白領域と判定することがある。また、白判定しないような白領域検出用のマッチングパターンを作ると、線が密集していると線間領域の白地を白領域と判定しなくなる。
特許文献1の文字エッジの検出は白領域検出と組み合わせで行っており、複雑で、検出処理に用いるためのラインメモリが多く必要となっている。また、細線と太線を別々に扱っているので、込み入った文字領域では文字エッジ検出漏れを生ずることがある。
文字エッジの検出に、濃度の高低,輝度,G(グリーン)信号など、黒濃度に感度が高い画像データを使用すると、色と相関のない信号であるために、特にY(イエロー:黄色)の検出が困難であった。また、従来技術では、カラースキャナが発生するR(レッド),G(グリーン),B(ブルー)各色成分信号の最小値を取ったりして、特徴量を抽出していたが、3つの信号を使用すると読み取り時の位置ずれなどの影響を受けるので、原稿の明るいところや暗いところは、読み取り位置がずれるためエッジ強調気味になる。特に印刷物の網点スクリーン角があるので、影響力は大きい。また、エッジ抽出時には、読み取った時の画像データのボケを基に戻すためにエッジ強調フィルタ処理を行うが、色毎にボケ特性が違うので、処理フィルタは色毎に行ったほうがよい。
本発明は、文字およびその周りの再現画質を高くすることを第1の目的とする。具体的には、文字エッジを非文字エッジと誤判定する可能性を低減して文字エッジの再現信頼性を高くすることを第2の目的とする。画像データをエッジ強調処理する結果、薄い色地上の文字や新聞などで文字のエッジまわりを白領域と誤処理する可能性を低減することを第3の目的とし、線が密集しているところの文字エッジ検出精度を高くし再現信頼性を高くすることを第4の目的とする。エッジ検出に用いる画像データの感度が低い色地上、たとえば黄色地上、の文字を非文字エッジ処理(絵柄処理)することを第5の目的とし、該色地の網点上文字を非エッヂ文字処理(絵柄処理)することを第6の目的とする。
(1)画像データに基づいて、それが表す画像の低濃度領域を検出する白地検出手段(323a〜323d)および高濃度領域を検出する黒地検出手段(323e,f)と、
前記低濃度領域と高濃度領域の境界領域を検出して境界領域を白領域とする〔6.)白領域判定〕白補正手段(323g)、を含む白領域検出手段1(323g)と、
低濃度領域で囲まれた領域を検出し、該領域も白領域とする〔4.)白ブロック補正〕白領域検出手段2(323g)と、
前記白領域検出手段1、または、前記白領域検出手段2が前記白領域と検出しない領域を非文字エッジ領域とする非文字エッジ判定手段(326a)と、
を備え、前記白地検出手段(323a〜323d)は、
エツジ強調処理したG画像データに基づき低濃度である2値化白を検出する白データ検出手段(323a)
RGB画像データの組合せに基づき低濃度である白地を検出する白地検出手段(323b)
注目画素の周辺画素の、白の程度を示すデータである白地情報の最も白程度が高い白地情報を注目画素の白地情報(MS)に設定し、注目画素が前記白地との検出であると白地情報(MS)を高い白を表す値(MS=15)に設定し、前記白地を検出しない場合は、前記2値化白との検出であるときには前記白地情報(MS)を高白側に更新し(MS=MS+1)、前記2値化白が非検出であるときには前記白地情報(MS)を低白側に更新して(MS=MS−1)、1ライン前かつ注目画素の主走査位置より前の画素の白地情報のほうが注目画素の白地情報よりも白程度が低いものであると、該前の画素の白地情報をそれが表す白程度より弱い白程度に更新(白伝播処理)する、白判定手段(323c)および、
生成された白地情報(MS)に基づいて画素が低濃度領域であるかを検出する低濃度領域検出手段(323d)を含む、
画像処理装置(IPU300)。
なお、理解を容易にするためにカッコ内には、図面に示し後述する実施例の対応要素の符号または対応事項を、参考までに付記した。以下も同様である。
これによれば、低濃度領域(白領域)と高濃度領域(黒領域)との境界を、文字エッジが存在する可能性がある白領域と検出し、該白領域と検出しない領域を非文字エッジ領域(絵柄領域または文字中なか領域)と判定するので、文字エッジ領域を非文字エッジ領域と誤判定してしまう可能性が低減し、文字の線幅に関わらず文字エッジを正しく検出することが可能となる。これにより、文字の再現画質を高くすること換言すると文字を鮮明に再現すること、が可能になる。白地すなわち低濃度領域に囲まれた領域も白領域と検出し、線が密集しているところは白領域と判定できる。白領域と判定することにより、文字エッジとして検出できる。
(1)前記低濃度領域検出手段(323d)は、注目画素の前記白地情報(MS)が閾値(thw1,thw2)よりも低濃度側であると白パターンマッチング(323d)により低濃度領域であるかを検出する、上記(1)に記載の画像処理装置。
(2)エッジを検出するエッジ検出手段(322)を更に備え、前記非文字エッジ判定手段(326a)は、該エッジ判定手段(322)がエッジと検出しない領域を非文字エッジ領域と検出する、上記(1)又は(1a)に記載の画像処理装置。
エッジ検出手段(322)によるエッジ検出をも参照して非文字エッジ判定手段(326a)が非文字エッジ領域の判定を行うので、文字エッジ領域を非文字エッジ領域と誤判定してしまう可能性が更に低減し、文字の線幅に関わらず文字エッジを正しく検出する信頼性が更に高くなる。
(3)網点を検出する網点検出手段(324)を更に備え、前記非文字エッジ判定手段(326a)は、該網点検出手段(324)が網点と検出した領域を非文字エッジ領域と検出する、上記(1)又は(2)の画像処理装置。
上記(1)又は(2)に加え、網点検出手段(324)が網点と検出した領域を非文字エッジ領域とするので、非文字エッジ判定の信頼性が更に向上する。
(4)エッジを検出するエッジ検出手段(322)および網点を検出する網点検出手段(324)を更に備え、前記非文字エッジ判定手段(326a)は、前記白領域検出手段(323)が前記白領域と検出し、エッジ検出手段(322)がエッジと検出し、しかも網点検出手段(324)は網点と検出しない領域を文字エッジ領域と検出し、前記白領域検出手段(323)が前記白領域とは検出しない領域,エッジ検出手段(322)がエッジと検出しない領域および網点検出手段(324)が網点と検出した領域を非文字エッジ領域と検出する、上記(1)乃至(3)のいずれか1つの画像処理装置。
これによれば、非文字エッジ検出および文字エッジ検出の両者ともに信頼性が高く、両領域ともに高品質画像となる出力画像データを得ることができる。
(5)前記網点検出手段(324)は、カラー画像の黒濃度に敏感な第1画像データ(G)が表す画像の網点ピークを検出する第1網点ピーク検出手段(324a),第1画像データ(G)の感度が低い色成分(Y)に感度がある第2画像データ(B)が表す画像の網点ピークを検出する第2網点ピーク検出手段(324)、および、第1および第2網点ピーク検出手段(324a,324b)が検出した網点ピークの数を小領域毎にカウントして網点領域か否を判定する手段(324c)、を含む上記(3)又は(4)の画像処理装置。
濃度の濃い薄いを示す第1画像データ(G)とそれの感度が低い色(Y)に対して感度がある第2画像データ(B)を使用するので、第1画像データ(G)に基づいては検出できなかった色(黄色)の網点も検出することが、可能となった。網点ピーク検出のみ第1画像データ(G)と第2画像データ(B)と別々で、網点ピーク検出以降の処理は、1つパスなのでハード量は、それほどかからない。
(6)第1画像データ(G)はG(グリーン)画像データである、上記(5)の画像処理装置。これによれば、G信号を使用すること、輝度信号などの変換がいらなくなる。
(7)第2画像データ(B)は、B(ブルー)画像データである、上記(6)の画像処理装置。G(グリーン)画像データは、Y(イエロー:黄色)に対して感度がなく、それに基づいたピーク検出はYピークが漏れたものとなる。B画像データすなわちB信号は、Yに感度があるので、それに基づいたピーク検出が、G信号を用いるピーク検出の漏れを補う。したがって網点検出の精度が高い。
(8) 上記(1)〜(7)のいずれか1つの画像処理装置(IPU300)と、原稿画像を色分解して読み取って画像データを生成して該画像処理装置(IPU300)に与えるカラースキャナ(200)と、を備える画像読取装置(200+IPU300)。この画像読取装置は、文字の再現が鮮明になる画像データを出力する。具体的には、上記(1)〜(7)に記述した作用効果を発揮する。
(9) 上記(1)〜(7)のいずれかの画像処理装置(IPU300)と、その出力画像データを用紙上にプリントアウトするカラープリンタ(400)を備える、画像形成装置(400+IPU300)。この画像形成装置は、文字を鮮明に再現する。具体的には、上記(1)〜(7)に記述した作用効果を発揮する。
(10) 上記(1)〜(7)のいずれかの画像処理装置(IPU300)と、原稿画像を色分解して読み取って画像データを生成して該画像処理装置(IPU300)に与えるカラースキャナ(200)と、該画像処理装置(IPU300)の出力画像データを用紙上にプリントアウトするカラープリンタ(400)を備える、カラー複写装置(200+IPU300+400)。このカラー複写装置は、文字を鮮明に複写する。具体的には、上記(1)〜(7)に記述した作用効果を発揮する。
(11) 外部からのプリント指示コマンドを解析して前記プリンタ(400)にて外部からの画像情報をプリントアウトするプリンタコントローラ(16)を更に備える、上記(10)のカラー複写装置(200+16+IPU300+400)。このカラー複写装置は、パソコンなど外部から与えられる画像情報を、文字を鮮明にしてプリントアウトする。具体的には、上記(1)〜(7)に記述した作用効果を発揮する。
(12)色分解した複数色のカラー画像データ(R,G,B)を、ブラック(bk)およびそれとは異なる色(c,m,y)のそれぞれの出力画像データ(bk,c,m,y)に変換する、上記(1)の画像処理装置であつて、前記画像認識手段(320)は更に、
前記カラー画像データの注目画素が文字エッジ領域であるか否かを検出する文字エッジ検出手段(322,326a)と、文字エッジ領域のブラックに隣接する非文字領域に文字エッジ領域のブラックを拡張する画像データ変換手段(326b)と、を含む、画像処理装置(IPU300)。
これによれば、例えばカラー原稿の読取における原稿上の同一点にたいするR,G,B画像データの相対的ずれや、R,G,B画像データそれぞれに対するエッジ抽出結果の微妙なずれ等によって、黒エッジ領域に宛てられるブラックbkのそとに、該領域に整合すべきc,mあるいはyがずれるときでも、該ブラックをそこにも及んで拡張するので、黒文字エッジが鮮明になりその外にc,mあるいはyの色ずれが現われない。黒文字の再現画質が高くなる。具体的には、黒文字エッジの外側に隣接して薄い黒または他色があらわれることがなくなる。
(13)前記画像データ変換手段(326b)は、文字エッジ領域のブラックに隣接する非文字領域に文字エッジ領域のブラックを大きい膨張量で拡張し、ブラックとは異なる色(c,m,y)では、文字エッジ領域の該色に隣接する非文字領域に文字エッジ領域の該色を小さい膨張量で拡張する、上記(12)の画像処理装置(IPU300)。
これによれば、上記(12)に記述した通り、黒文字エッジが鮮明になりその外にc,mあるいはyの色ずれが現われない。黒文字の再現画質が高くなる。具体的には、黒文字エッジの外側に隣接して薄い黒または他色があらわれることがなくなる。また、ブラックbkとは異なる色(c,m,y)でも、文字エッジ領域の該色に隣接する非文字領域に文字エッジ領域の該色を小さい膨張量で拡張するので、黒エッジの内部と黒エッジとの境界が薄くならない。
(14)色分解した複数色のカラー画像データ(R,G,B)を、ブラック(bk)およびそれとは異なる色(c,m,y)のそれぞれの出力画像データ(bk,c,m,y)に変換する、上記(1)の画像処理装置であつて、前記画像認識手段(320)は更に、
前記カラー画像データが表す画素が文字エッジ領域であるか否かを検出する文字エッジ検出手段(322,326a),前記カラー画像データが表す画素が無彩(B/C=1)か否かを検出する色判定手段(325)、および、前記文字エッジ検出手段,白領域検出手段および色判定手段の検出に基づいて、黒文字エッジ(黒文字信号C)を判定し、この判定を加えて更に文字なか領域(C/P=1)を判定する、文字なか判定手段(326c,326d)、を含む、画像処理装置(IPU300)。
これによれば、前記文字エッジ検出,白領域検出,色判定および黒文字エッジ判定の組合せで文字なか領域判定を行うので、黒文字の線幅内か否を高い信頼度で判定することが出きる。この判定に従った高画質処理で、例えば黒文字の線幅内をスケルトンブラック処理にすれば、黒文字が鮮明に再現する。具体的には、たとえば従来はc,m,y,bkの色材間の位置ずれが大きくなって黒エッジの内部と黒エッジとの境界が薄くなるときや文字の線幅が大きくなるときでも、黒文字のなかの黒が薄くならず、黒エッジの内部と黒エッジとの境界が薄くならない。
(15)色分解した複数色のカラー画像データ(R,G,B)を、ブラック(bk)およびそれとは異なる色(c,m,y)のそれぞれの出力画像データ(bk,c,m,y)に変換する、上記(1)の画像処理装置であつて、前記画像認識手段(320)は更に、
前記カラー画像データが表す画素が文字エッジ領域であるか否かを検出する文字エッジ検出手段(322,326a),前記カラー画像データが表す画素が無彩(B/C=1)か否かを検出する色判定手段(325),前記カラー画像データが表す画素が網点領域か否かを検出する網点検出手段(324)、および、前記文字エッジ検出手段,白領域検出手段,色判定手段および網点検出手段の検出に基づいて、高濃度黒領域(高濃度黒領域信号B)を判定し、この判定を加えて更に文字なか領域(C/P=1)を判定する、文字なか判定手段(326c,326d)、を含む、画像処理装置(IPU300)。
これによれば、網点検出をも参照して上記(26)と同様に文字なか判定をするので、文字なか判定の信頼度が更に高く、上記(26)に記述した効果がより確実にもたらされる。
(16)前記文字なか判定手段(326c,326d)は、黒文字エッジ(黒文字信号C)の内側の黒であって濃度の濃い領域で、網点領域でない領域を高濃度黒領域(高濃度黒領域信号B)と判定する、上記(15)記載の画像処理装置(IPU300)。これによれば、文字なか判定の信頼度が更に高くなる。
(17)前記文字なか判定手段(326c,326d)は、前記文字エッジ検出手段,白領域検出手段および色判定手段の検出に基づいて、文字エッジか(白ブロック黒文字信号A)を判定し、文字エッジあり(A21&A22&A23&A24)のときに、前記黒文字エッジ(黒文字信号C)または高濃度黒領域(高濃度黒領域信号B)かの判定を開始する、上記(14)または(15)記載の画像処理装置(IPU300)。これによれば、無駄な判定処理を開始する可能性が低減する。
(18)高画質にするための処理を画像データに施す手段(330〜390)は、文字なか判定手段(326c,326d)が判定した文字なか領域(C/P=1)にスケルトンブラック処理を行う加色除去手段(UCR360)を含む、上記(14)または(15)記載の画像処理装置(IPU300)。これによれば、黒文字が鮮明に再現する。具体的には、黒文字のなかの黒が薄くならず、黒エッジの内部と黒エッジとの境界が薄くならない。
(19)前記色判定手段(325)は、有彩(B/C=0)と検出したブロックに隣接する無彩領域(B/C=1)に有彩(B/C=0)を拡張する膨張手段(325f11)を含む、上記(14)または(15)記載の画像処理装置(IPU300)。これによれば、色画素の周辺を、黒文字(フルブラツク)処理してしまうことがない。
(20)前記色判定手段(325)は、画像データをそれぞれが2値のc,m,yおよび色判定用白(w)信号に変換する色相分割手段(325a),変換した各色信号を一時保持するメモリ(325b−e)、および、注目画素を中心とする所定複数画素(5×5画素)における各画素宛てのc,m,yおよび色判定用白(w)信号の分布を所定の複数のパターンと照合して注目画素が色画素かを判定して(325f6,325f1,325f8)無彩/有彩(B/C=1/0)領域を検出する色画素判定手段(325f)、を含む、上記(14)または(15)の画像処理装置(IPU300)。これによれば、有彩(B/C=0)領域を正確に検出することが可能である。
(21)前記色画素判定手段(325f)は、所定複数画素(4×4画素)のブロックにすくなくとも1つの色画素があると、該ブロックを色画素ブロックと色画素を拡張し(325f9)、隣り合うブロックに色画素ブロックがない色画素ブロックは非色画素ブロックに変更し(325f10)、そして、色画素ブロックを中心とする所定複数ブロック(5×5ブロック)を色画素ブロックとし、色画素ブロックを有彩(B/C=0)領域とする(325F11)、上記(20)の画像処理装置(IPU300)。これによれば、有彩(B/C=0)領域を正確に検出することが可能である。
(22)前記色判定手段(325)は、画像データをそれぞれが2値のc,m,yおよび色判定用白(w)信号に変換する色相分割手段(325a),変換した各色信号を一時保持するメモリ(325b−e)、および、注目画素を中心とする所定複数画素(5×5画素)における各画素宛てのc,m,yおよび色判定用白(w)信号の分布を所定の複数のパターンと照合して注目画素が黒画素かを判定(325f4,325f7,325f18)して無彩/有彩(B/C=1/0)領域を検出する色画素判定手段(325f)、を含む上記(14)または(15)の画像処理装置(IPU300)。これによれば、無彩(B/C=1)領域を正確に検出することが可能である。
(23)前記色画素判定手段(325f)は、所定複数画素(4×4画素)のブロックにすくなくとも1つが黒画素であると、該ブロックを黒画素ブロックと黒画素を拡張し(325f19)、そして、黒画素ブロックを中心とする所定複数ブロック(3×3ブロック)の該黒画素ブロック以外のブロックが色画素ブロックのときには、該黒画素ブロックも色画素ブロックとし、残った黒画素ブロックを無彩(B/C=1)領域とする(325F20)、上記(22)の画像処理装置(IPU300)。これによれば、無彩/有彩(B/C=1/0)領域を正確に検出することが可能である。
(24)前記画像認識手段(320)は、画像データに、それが表す画像のエッジを強調するフィルタ処理を施すフィルタ手段(321)および該フィルタ処理をした画像データに基づいて画像のエッジを検出するエッジ抽出手段(322)を含み、画像データが文字領域(C/P=3)か絵柄領域(C/P=0)かを判定し;
前記フィルタ手段(321)は、画像データが表すレベルの高低の周期的分布(図6のA,B)に対しては強調を抑制する、複数のエッジ強調フィルタ処理(係数グループA,B)を含み、画像データが表すレベルの高低の周期的分布(図6のA,B)を検出し、検出した周期的分布に対応するエッジ強調フィルタ処理を画像データに施す;上記(1)の画像処理装置(IPU300)。
これによれば、画像データが表すレベルの高低の周期的分布に対応したエッジ強調フィルタ処理が自動的に行われるので、万線パターンなどを画像エッジとして強調してしまうことがなく、文字エッジの検出精度が高い。これにより文字の再現画質を確実に高くすることが可能となる。
(25)前記周期的分布は、万線パターンである、上記(24)の画像処理装置(IPU300)。これによれば、万線パターンを画像エッジとして強調してしまうことがなく、文字エッジの検出精度が高い。これにより文字の再現画質を確実に高くすることが可能となる。
(26) 上記(12)〜(25)のいずれかの画像処理装置(IPU300)と、原稿画像を色分解して読み取って画像データを生成して該画像処理装置(IPU300)に与えるカラースキャナ(200)と、を備える画像読取装置(200+IPU300)。この画像読取装置は、文字の再現が鮮明になる画像データを出力する。具体的には、上記(12)〜(25)に記述した作用効果を発揮する。
(27) 上記(12)〜(25)のいずれかの画像処理装置(IPU300)と、その出力画像データを用紙上にプリントアウトするカラープリンタ(400)を備える、画像形成装置(400+IPU300)。この画像形成装置は、文字を鮮明に再現する。具体的には、上記(12)〜(25)に記述した作用効果を発揮する。
(28)上記(12)〜(25)のいずれかの画像処理装置(IPU300)と、原稿画像を色分解して読み取って画像データを生成して該画像処理装置(IPU300)に与えるカラースキャナ(200)と、該画像処理装置(IPU300)の出力画像データを用紙上にプリントアウトするカラープリンタ(400)を備える、カラー複写装置(200+IPU300+400)。このカラー複写装置は、文字を鮮明に複写する。具体的には、上記(12)〜(25)に記述した作用効果を発揮する。
(29)外部からのプリント指示コマンドを解析して前記プリンタ(400)にて外部からの画像情報をプリントアウトするプリンタコントローラ(16)を更に備える、上記(40)のカラー複写装置(200+16+IPU300+400)。このカラー複写装置は、パソコンなど外部から与えられる画像情報を、文字を鮮明にしてプリントアウトする。具体的には、上記(12)〜(25)に記述した作用効果を発揮する。
(30)カラー原稿をデジタル的に読み取り、読み取られたカラー(R,G,B)画像データを基に、イエロー(y)、シアン(c)、マゼンタ(m)、ブラック(bk)の色材を用いて多色重ねによってカラー画像を再生する、上記(1)のカラー画像処理装置であって、
前記、カラー画像データの注目画素が文字エッジ領域であるか否かを検出する文字検出手段(321,322,326a)とブラック作像時に文字エッジ領域に囲まれた非文字領域である場合は、文字エッジ領域に変換する変換手段(326b)を備えることを特徴とする画像処理装置。
これによれば、bk作像のみ文字エッジ領域に囲まれた絵柄領域を、文字エッジ領域に補正するので、スキャン毎に文字エッジ領域結果がばらついても、文字エッジ領域に囲まれた絵柄領域は、良好に再現できる。
(31) カラー原稿をデジタル的に読み取り、読み取られたカラー(R,G,B)画像データを基に、イエロー(y)、シアン(c)、マゼンタ(m)、ブラック(bk)の色材を用いて多色重ねによってカラー画像を再生する、上記(1)のカラー画像処理装置であって、
前記、カラー画像データの注目画素が文字エッジ領域であるか否かを検出する文字検出手段(321,322,326a)と、
ブラック作像時に文字エッジ領域と処理する大きさと、ブラック作像時以外にに文字エッジ領域と処理する大きさとを、異ならせる変換手段(326b)と、を備えることを特徴とする画像処理装置。これによれば、スキャン毎に文字エッジ領域結果がばらついても、文字エッジ領域とそれに囲まれた絵柄領域を、ともに良好に再現できる。
(32)上記(31)において、文字エッジと処理する面積は、bk作像のとき大きくブラック作像時以外のとき小さいことを特徴とする画像処理装置。これによれば、bk作像時とbk以外の作像時で、黒文字のエッジ周辺の処理する大きさ面積を変えることにより、黒文字のエッジとエッジ周辺が薄くなることがなくなる。例えば、bk作像時にエッジ周辺領域の大きさを8として、黒単色再生する。bk作像時以外にエッジ周辺領域をエッジ周辺領域の大きさを5とする。
(33)カラー原稿をデジタル的に読み取り、読み取られたカラー(R,G,B)画像データを基に、イエロー(y)、シアン(c)、マゼンタ(m)、ブラック(bk)の色材を用いて多色重ねによってカラー画像を再生する、上記(1)のカラー画像処理装置であって、
1).黒文字エッジを検出する黒文字エッジ検出手段(321,322,326a)と、
2).絵柄に囲まれた黒エッジを検出(白ブロック黒文字信号A)する絵柄上黒エッジ検出手段(326c)と、
3).絵柄上黒エッジ検出に基づいて、黒文字エッジの内部検出(高濃度領域信号B)する黒文字検出手段(326c)と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
これによれば、文字にしかない特徴量(濃度の薄い(白)で囲まれた文字エッジ)を検出(白ブロック黒文字信号A)して、その検出した結果により、文字エッジ内部の判定を行い、周辺画素に文字エッジ内部ありとなると、今度は文字内部の特徴量(濃度が濃い)を含めて文字エッジ内部検出(高濃度領域信号B)を行うので文字の幅に関わらず、文字エッジ内部の検出が可能となる。
(34)黒文字エッジ文字の内部の色は黒であって濃度の濃い領域であることを特徴とする上記(33)の画像処理装置。
(35)黒文字エッジ文字の内部の色は黒であって濃度の濃い領域で、網点領域でないことを特徴とする、上記(13)の画像処理装置。
(36)絵柄は濃度の薄い領域であることを特徴とする上記(33)の画像処理装置。
(37)黒文字検出手段(326c)は、絵柄上黒エッジ検出手段で文字エッジあり(A21&A22&A23&A24)のときに黒文字を検出し、検出処理(高濃度領域信号B)を開始して、周辺画像領域の上記1)項の検出結果を参照して黒文字検出(黒文字信号C)を行うことを特徴とする上記(33)の画像処理装置。
(38) 1).画像データを補正するフィルタ処理を行うフィルタ処理手段(321)と、
2).上記フィルタ処理手段(321)のフィルタ係数を複数(A,B)備え、画像の状態により係数を選択する係数選択手段(321)と、
3).上記フィルタ処理手段のフィルタ処理結果でエッジを検出するエッジ抽出手段(322)と、
を備えることを特徴とする上記(1)の画像処理装置。
これによれば、たとえば600dpi,400dpiの万線ピッチを検出して、その結果により、フィルタ係数を切り替える。万線パターンの周期を検出することに、万線パターンを強調しない係数を選択して万線パターンを文字エッジ判定しないようにすることが可能となる。
(39)上記(38)の画像の状態とは、万線パターンのピッチである。万線パターンを強調しない係数を選択して万線パターンを文字エッジと判定しないようにすることが可能となる。
本発明の他の目的および特徴は、図面を参照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
本発明の一実施例の機構の概要を図1に示す。この実施例は、デジタルフルカラー複写機である。カラー画像読み取り装置(以下、スキャナという)200は、コンタクトガラス202上の原稿180の画像を照明ランプ205、ミラー群204A、204B、204Cなど、およびレンズ206を介してカラーセンサ207に結像して、原稿のカラー画像情報を、例えば、ブルー(以下、Bという)、グリーン(以下、Gという)およびレッド(以下、Rという)の色分解光毎に読み取り、電気的な画像信号に変換する。カラーセンサ207は、この例では、3ラインCCDセンサで構成されており、B、G、Rの画像を色ごとに読取る。スキャナ200で得たB、G、Rの色分解画像信号強度レベルをもとにして、図示省略された画像処理ユニットにて色変換処理を行い、ブラック(以下、Bkという)、シアン(以下、Cという)、マゼンダ(以下、Mという)およびイエロー(以下、Yという)の記録色情報を含むカラー画像データを得る。
このカラー画像データを用い、次に述べるカラー画像記録装置(以下、カラープリンタという)400によって、Bk、C、M、Yの画像を中間転写ベルト上に重ね形成し、そして転写紙に転写する。スキャナ200は、カラープリンタ400の動作とタイミングをとったスキャナースタート信号を受けて、照明ランプ205やミラー群204A、204B、204Cなどからなる照明・ミラー光学系が左矢印方向へ原稿走査し、1回走査毎に1色の画像データを得る。そして、その都度、カラープリンタ400で順次、顕像化しつつ、これらを中間転写ベルト上に重ね合わせて、4色のフルカラー画像を形成する。
カラープリンタ400の、露光手段としての書き込み光学ユニット401は、スキャナ200からのカラー画像データを光信号に変換して、原稿画像に対応した光書き込みを行い、感光体ドラム414に静電潜像を形成する。光書き込み光学ユニット401は、レーザー発光器441、これを発光駆動する発光駆動制御部(図示省略)、ポリゴンミラー443、これを回転駆動する回転用モータ444、fθレンズ442、反射ミラー446などで構成されている。感光体ドラム414は、矢印で示す如く反時計廻りの向きに回転するが、その周りには、感光体クリーニングユニット421、除電ランプ414M、帯電器419、感光体ドラム上の潜像電位を検知する電位センサー414D、リボルバー現像装置420の選択された現像器、現像濃度パターン検知器414P、中間転写ベルト415などが配置されている。
リボルバー現像装置420は、BK現像器420K、C現像器420C、M現像器420M、Y現像器420Yと、各現像器を矢印で示す如く反時計回りの向きに回転させる、リボルバー回転駆動部(図示省略)などからなる。これら各現像器は、静電潜像を顕像化するために、現像剤の穂を感光体ドラム414の表面に接触させて回転する現像スリーブ420KS、420CS、420MS、420YSと、現像剤を組み上げ・撹拌するために回転する現像パドルなどで構成されている。待機状態では、リボルバー現像装置420はBK現像器420で現像を行う位置にセットされており、コピー動作が開始されると、スキャナ200で所定のタイミングからBK画像データの読み取りがスタートし、この画像データに基づき、レーザー光による光書き込み・潜像形成が始まる。以下、Bk画像データによる静電潜像をBk潜像という。C、M、Yの各画像データについても同じ。このBk潜像の先端部から現像可能とすべく、Bk現像器420Kの現像位置に潜像先端部が到達する前に、現像スリーブ420KSを回転開始して、Bk潜像をBkトナーで現像する。そして、以後、Bk潜像領域の現像動作を続けるが、潜像後端部がBk潜像位置を通過した時点で、速やかに、Bk現像器420Kによる現像位置から次の色の現像器による現像位置まで、リボルバー現像装置420を駆動して回動させる。この回動動作は、少なくとも、次の画像データによる潜像先端部が到達する前に完了させる。
像の形成サイクルが開始されると、感光体ドラム414は矢印で示すように反時計回りの向きに回動し、中間転写ベルト415は図示しない駆動モータにより、時計回りの向きに回動する。中間転写ベルト415の回動に伴って、BKトナー像形成、Cトナー像形成、Mトナー像形成およびYトナー像形成が順次行われ、最終的に、BK、C、M、Yの順に中間転写ベルト415上に重ねてトナー像が形成される。BK像の形成は、以下のようにして行われる。すなわち、帯電器419がコロナ放電によって、感光体ドラム414を負電荷で約−700Vに一様に帯電する。つづいて、レーザーダイオード441は、Bk信号に基づいてラスタ露光を行う。このようにラスタ像が露光されたとき、当初、一様に荷電された感光体ドラム414の露光された部分については、露光光量に比例する電荷が消失し、静電潜像が形成される。リボルバー現像装置420内のトナーは、フェライトキャリアとの撹拌によって負極性に帯電され、また、本現像装置のBK現像スリーブ420KSは、感光体ドラム414の金属基体層に対して図示しない電源回路によって、負の直流電位と交流とが重畳された電位にバイアスされている。この結果、感光体ドラム414の電荷が残っている部分には、トナーが付着せず、電荷のない部分、つまり、露光された部分にはBkトナーが吸着され、潜像と相似なBk可視像が形成される。中間転写ベルト415は、駆動ローラ415D、転写対向ローラ415T、クリーニング対向ローラ415Cおよび従動ローラ群に張架されており、図示しない駆動モータにより回動駆動される。さて、感光体ドラム414上に形成したBkトナー像は、感光体と接触状態で等速駆動している中間転写ベルト415の表面に、ベルト転写コロナ放電器(以下、ベルト転写部という。)416によって転写される。以下、感光体ドラム414から中間転写ベルト415へのトナー像転写を、ベルト転写と称する。感光体ドラム414上の若干の未転写残留トナーは、感光体ドラム414の再使用に備えて、感光体クリーニングユニット421で清掃される。ここで回収されたトナーは、回収パイプを経由して図示しない排トナータンクに蓄えられる。
なお、中間転写ベルト415には、感光体ドラム414に順次形成する、Bk、C、M、Yのトナー像を、同一面に順次、位置合わせして、4色重ねのベルト転写画像を形成し、その後、転写紙にコロナ放電転写器にて一括転写を行う。ところで、感光体ドラム414側では、BK画像の形成工程のつぎに、C画像の形成工程に進むが、所定のタイミングから、スキャナ200によるC画像データの読み取りが始まり、その画像データによるレーザー光書き込みで、C潜像の形成を行う。C現像器420Cは、その現像位置に対して、先のBk潜像後端部が通過した後で、かつ、C潜像先端が到達する前に、リボルバー現像装置の回転動作を行い、C潜像をCトナーで現像する。以降、C潜像領域の現像をつづけるが、潜像後端部が通過した時点で、先のBk現像器の場合と同様にリボルバー現像装置420を駆動して、C現像器420Cを送り出し、つぎのM現像器420Mを現像位置に位置させる。この動作もやはり、つぎのM潜像先端部が現像部に到達する前に行う。なお、MおよびYの各像の形成工程については、それぞれの画像データの読み取り、潜像形成、現像の動作が、上述のBk像や、C像の工程に準ずるので、説明は省略する。
ベルトクリーニング装置415Uは、入口シール、ゴムブレード、排出コイルおよび、これら入口シールやゴムブレードの接離機構により構成される。1色目のBk画像をベルト転写した後の、2、3、4色目を画像をベルト転写している間は、ブレード接離機構によって、中間転写ベルト面から入口シール、ゴムブレードなどは離間させておく。
紙転写コロナ放電器(以下、紙転写器という。)417は、中間転写ベルト415上の重ねトナー像を転写紙に転写するべく、コロナ放電方式にて、AC+DCまたは、DC成分を転写紙および中間転写ベルトに印加するものである。
給紙バンク内の転写紙カセット482には、各種サイズの転写紙が収納されており、指定されたサイズの用紙を収納しているカセットから、給紙コロ483によってレジストローラ対418R方向に給紙・搬送される。なお、符号412B2は、OHP用紙や厚紙などを手差しするための給紙トレイを示している。像形成が開始される時期に、転写紙は前記いずれかの給紙トレイから給送され、レジストローラ対418Rのニップ部にて待機している。そして、紙転写器417に中間転写ベルト415上のトナー像の先端がさしかかるときに、丁度、転写紙先端がこの像の先端に一致する如くにレジストローラ対418Rが駆動され、紙と像との合わせが行われる。このようにして、転写紙が中間転写ベルト上の色重ね像と重ねられて、正電位につながれた紙転写器417の上を通過する。このとき、コロナ放電電流で転写紙が正電荷で荷電され、トナー画像の殆どが転写紙上に転写される。つづいて、紙転写器417の左側に配置した図示しない除電ブラシによる分離除電器を通過するときに、転写紙は除電され、中間転写ベルト415から剥離されて紙搬送ベルト422に移る。中間転写ベルト面から4色重ねトナー像を一括転写された転写紙は、紙搬送ベルト422で定着器423に搬送され、所定温度にコントロールされた定着ローラ423Aと加圧ローラ423Bのニップ部でトナー像を溶融定着され、排出ロール対424で本体外に送り出され、図示省略のコピートレイに表向きにスタックされる。
なお、ベルト転写後の感光体ドラム414は、ブラシローラ、ゴムブレードなどからなる感光体クリーニングユニット421で表面をクリーニングされ、また、除電ランプ414Mで均一除電される。また、転写紙にトナー像を転写した後の中間転写ベルト415は、再び、クリーニングユニット415Uのブレード接離機構でブレードを押圧して表面をクリーニングする。リピートコピーの場合には、スキャナの動作および感光体への画像形成は、1枚目の4色目画像工程にひきつづき、所定のタイミングで2枚目の1色目画像工程に進む。中間転写ベルト415の方は、1枚目の4色重ね画像の転写紙への一括転写工程にひきつづき、表面をベルトクリーニング装置でクリーニングされた領域に、2枚目のBkトナー像がベルト転写されるようにする。その後は、1枚目と同様動作になる。
図1に示すカラー複写機は、パ−ソナルコンピュ−タ等のホストから、LAN又はパラレルI/Fを通じてプリントデ−タが与えられるとそれをカラープリンタ400でプリントアウト(画像出力)でき、しかもスキャナ200で読取った画像データを遠隔のフアクシミリに送信し、受信する画像データもプリントアウトできる複合機能つきのカラー複写機である。この複写機は、構内交換器PBXを介して公衆電話網に接続され、公衆電話網を介して、ファクシミリ交信やサ−ビスセンタの管理サ−バと交信することができる。
図2に、図1に示す複写機の電気システムの概要を示す。図2はメインコントローラ10を中心に、複写機の制御装置を図示したものである。メインコントローラ10は、複写機全体を制御する。メインコントローラ10には、オペレータに対する表示と、オペレータからの機能設定入力制御を行う操作/表示ボードOPB、エディタ15、スキャナ200およびオプションのADFの制御、原稿画像を画像メモリに書き込む制御、および、画像メモリからの作像を行う制御等を行う、スキャナコントローラ12、プリンタコントローラ16、画像処理ユニット(IPU)40、ならびに、カラープリンタ400内にあって荷電、露光、現像、給紙、転写、定着ならびに転写紙搬送を行う作像エンジンの制御を行うエンジンコントローラ13、等の分散制御装置が接続されている。各分散制御装置とメインコントローラ10は、必要に応じて機械の状態、動作指令のやりとりを行っている。また、紙搬送等に必要なメインモータ、各種クラッチも、メインコントロ−ラ10内の図示しないドライバに接続されている。
カラープリンタ400には、給紙トレイからの給紙をはじめとして、感光体414の荷電、レーザ書込みユニットによる画像露光、現像、転写、定着および排紙を行なう機構要素を駆動する電気回路および制御回路、ならびに各種センサ等がある。
プリンタコントローラ16は、パソコンなど外部からの画像及びプリント指示するコマンドを解析し、画像データとして、印刷できる状態にビットマップ展開し、メインコントローラ10を介して、プリンタ400を駆動して画像データをプリントアウトする。画像及びコマンドをLAN及びパラレルI/Fを通じて受信し動作するために、LANコントロール19とパラレルI/F18がある。
FAXコントローラ17は、フアクシミリ送信指示があるときには、メインコントローラ10を介してスキャナ200およびIPU300を駆動して原稿の画像を読んで、画像データを、通信コントロール20およびPBXを介して、ファクシミリ通信回線に送出する。通信回線からファクシミリの呼びを受け画像データを受信すると、メインコントローラ10を介して、プリンタ400を駆動して画像データをプリントアウトする。
図3には、画像処理ユニット(IPU)300の構成を示す。スキャナ200が発生するR、G、B画像データが、インターフェイス351を介してIPU300に与えられる。なお、B又はR単色の記録をBRユニット355が指示する時には、R、G、B画像データの選択と集成が行われるが、このモードの画像記録処理の説明は省略する。IPU300に与えられたR、G、B画像データは、RGBγ補正310で、反射率データ(R、G、Bデータ)から濃度データ(R、G、Bデータ)に変換される。
原稿認識320が、この濃度R、G、Bデータに基づいて、それらのデータが宛てられる画像領域が文字領域(文字や線画の領域)か絵柄領域(写真や絵の領域&文字領域でない領域)かを判定し、C/P信号およびB/C信号を、RGBフィルタ330、ならびに、インターフェイス353を介してメインコントローラ10に与える;
C/P信号:2ビット信号であり、3を意味する2ビット「11」が
文字エッジ領域を示し、1を意味する2ビット「01」が
文字なか領域を示し、0を意味する2ビット「00」が
絵柄領域を示す;
B/C信号:1ビット信号であり、H(「1」)が無彩領域を示し、
L(「0」)が有彩領域を示す。
−原稿認識320(図4)−
図4に、原稿認識320の機能をブロック区分で示す。原稿認識320は、文字エッジ検出,文字なか検出,絵柄検出及び有彩/無彩検出を行って、文字エッジ領域,文字なか領域あるいは絵柄領域を表すC/P信号および有彩領域/無彩領域を表すB/C信号を発生する。ここで「文字なか」とは、文字エッジの内側すなわち文字線幅内を意味する。
原稿認識320は、大別すると、フィルタ321,エッジ抽出322,白領域抽出323,網点抽出324,色判定325および総合判定326からなる。なお、ここでは、スキャナ200の読み取り密度が600dpi程度の場合を例として説明する。
−フィルタ321−
フィルタ321は、主に文字のエッジの抽出ために、スキャナ200が発生するG画像データを補正する。ここで、スキャナ200で読み取ったデータは、レンズなどの性能でボケていることがあるので、エッジ強調フィルタをかける。ただ、ここでは、単純に原稿上の像エッジを強調し、複写機に広く普及している、階調表現のための万線パターンを強調しない必要がある。万線パターンを強調してしまうと、絵柄(万線パターンによる階調表現領域)をエッジとして抽出して、最終的に文字エッジと誤判定する可能性があるので、強調しないようにする必要がある。また、図6に示すように、600dpiの万線パターンAと400dpiの万線パターンBは、繰返し周期が異なるので、同一のフィルタ係数で強調しないようにするのは難しい。そのため、画像パターンの周期を検出して、フィルタの係数を切換える。なお図6において、主走査方向xの白一ブロック幅とそれに接する黒一ブロック幅との和が、万線ピッチ(定幅:所定数の画素)すなわち万線周期であり、低濃度中間調の時には白ブロック幅が広がり黒ブロック幅が狭くなる。高濃度中間調になるにつれて、白ブロック幅が狭くなり黒ブロック幅が広がる。
この実施例では、フィルタ処理321の画素マトリクスを、主走査方向xの画素数7×副走査方向y(スキャナ200の機械的な原稿走査方向)の画素数5として、図4上のフィルタ321のブロックに示すように、各画素宛てに各重み付け係数a1〜a7,b1〜b7,c1〜c7,d1〜d7,e1〜e7を宛てた2組の係数グループ(係数マトリクス)A,Bがある。次の係数グループAは、図6の600dpiの万線パターンAの強調は抑制ししかも文字のエッジを強調するフィルタ処理用の係数であり、係数グループBは、図6の400dpiの万線パターンBの強調は抑制ししかも文字のエッジを強調するフィルタ処理用の係数である。
係数グループA
0 ー1 0 ー2 0 ー1 0
0 ー1 0 ー2 0 ー1 0
0 ー1 ー1 20 ー1 ー1 0
0 ー1 0 ー2 0 ー1 0
0 ー1 0 ー2 0 ー1 0。
係数グループB
ー1 0 0 ー2 0 0 ー1
ー1 0 0 ー2 0 0 ー1
ー1 0 −1 20 ー1 0 ー1
ー1 0 0 ー2 0 0 ー1
ー1 0 0 ー2 0 0 ー1。
なお、横方向が主走査方向xの並び、縦方向が副走査方向yの並びである。係数グループA,Bの、グループ内第1行の係数が、図4上のフイルタ321のブロックの係数マトリクスの、第1行の係数a1〜a7であり、係数グループA,Bの第3行の中央の「20」が、フイルタ321のブロックの係数マトリクスの第3行c1〜c7の中央の画素の係数即ち注目画素の係数c4である。係数マトリクスの各係数に、それに宛てられる画素の画像データが表す値を乗算した積(総計7×5=35個)の総和(積和値)が、注目画素(c4が宛てられた画素)の、フィルタ321で処理した画像データ値として、エッジ抽出322および白領域抽出323に与えられる。ここで注目画素とは、現在処理対象の画素であり、それが順次にx方向にそしてy方向に位置が異なるものに更新される。
係数グループAは、図6に示す600dpiの万線パターンAの万線ピッチで負の係数(小さい値の係数)が分布しそれらの間に0(やや大きい値の係数)が分布し、そしてエッジ強調のために注目画素には20(極めて大きな係数)が宛てられている。これにより、画像データ(注目画素)が万線パターンAの領域の黒/白間エッジである時には、それにあてて導出される荷重平均値(積和値)は、万線パターンAでない文字エッジである時に比べて、かなり低い値になる。
係数グループBは、図6に示す400dpiの万線パターンAの万線ピッチで負の係数(小さい値の係数)が分布しそれらの間に0(やや大きい値の係数)が分布し、そしてエッジ強調のために注目画素には20(極めて大きな係数)が宛てられている。これにより、画像データ(注目画素)が万線パターンBの領域の黒/白間エッジである時には、それにあてて導出される荷重平均値(積和値)は、万線パターンBでない文字エッジである時に比べて、かなり低い値になる。
なお、フィルタ321では、下記条件1,2のどちらかが成立したとき、即ち、図6の400dpiの万線パターンBである可能性が高い時に、係数グループBによるフィルタ処理を行い、そうでないときに係数グループAによるフィルタ処理を行なう:
−条件1−〔400dpi系の万線パターンBの薄いところ
(図6上の白区間)かを見る条件〕
(D[3][1] < D[3][2]) &
(D[3][7] < D[3][6]) &
(ABS(D[3][2] - D[3][4]) > ABS(D[3][4] - D[3][1])) &
(ABS(D[3][6] - D[3][4]) > ABS(D[3][4] - D[3][7]))
−条件2−〔400dpi系の万線パターンBの濃いところ
(図6上の黒区間)かを見る条件〕
(D[3][1] > D[3][2]) &
(D[3][7] > D[3][6]) &
(ABS(D[3][2] - D[3][4]) > ABS(D[3][4] - D[3][1])) &
(ABS(D[3][6] - D[3][4]) > ABS(D[3][4] - D[3][7]))
なお、D[i][j]は、x,y分布の画素マトリクス上の、x=i,y=jの位置の画素の画像データが表す値を意味し、例えば、D[3][1]は、図4上のフィルタ321のブロックに示す係数マトリクスの係数a3が宛てられる画素の画像データが表す値である。「&」は「論理積:AND」を意味し、「ABS」は、絶対値演算子を意味する。注目画素は、D[4][3]である。
上記条件1又は2が成立すると、その時の注目画素が、図6に示す、600dpi読み取り時の400dpiの万線パターンBの領域のものである、と見なして、係数グループBを用いて、文字エッジ強調のフィルタ処理を行う。条件1および2のいずれも成立しないと、図6に示す、600dpi読み取り時の600dpiの万線パターンAが強調されるのを避ける係数グループAを用いて、文字エッジ強調のフィルタ処理を行う。即ち、画像周期(ピッチ)を検出して、特定周期の画像パターンを強調しないようにしている。万線パターンを強調せずに、文字のエッジを強調することが可能となる。なお、図4には、エッジ処理にG画像データを参照する態様を示すが、G画像データに限らず、輝度データであってもよい。濃い薄いを表現する信号なら適応可能である。
−エッジ抽出322−
文字領域は、高レベル濃度の画素と低レベル濃度の画素(以下、黒画素、白画素と呼ぶ)が多く、かつ、エッジ部分では、これらの黒画素及び白画素が連続している。エッジ抽出322は、このような黒画素及び白画素それぞれの連続性に基づいて文字エッジを検出する。
−3値化322a−
先ず、3値化322aで、2種の閾値TH1およびTH2を用いて、フィルタ321が文字エッジ強調のフィルタ処理をしたG画像データ(エッジ抽出322の入力データ)を3値化する。閾値TH1およびTH2は、例えば、画像データが0から255までの256階調(0=白)を表す場合、例えばTH1=20、TH2=80に設定する。3値化322aでは、入力データ<TH1であると、該データが宛てられる画素を白画素と、TH1≦入力データ<TH2であると中間調画素と、TH2≦入力データであると黒画素と、表す3値化データに入力データを変換する。
−黒画素連続検出322b,白画素連続検出322c−
黒画素連続検出322bおよび白画素連続検出322cが、3値化データに基づいて、黒画素が連続する箇所および白画素が連続する箇所を、それぞれパターンマッチングにより検出する。このパターンマッチングには、本実施例では、図7に示す3×3画素マトリクスのパターンBPa〜BPdおよびWPa〜WPdを用いる。図7に示すパターンにおいて、黒丸は上述の黒画素であることを示し、白丸は上述の白画素であることを示し、いずれの丸印もない空白画素は、黒画素,中間調画素,白画素のいずれであるか問わないものである。3×3画素マトリクスの中心の画素が注目画素である。
黒画素連続検出322bは、3値化データの内容の分布が、図7に示す黒画素分布パターンBPa〜BPdのいずれかにマッチングすると、その時の注目画素を「黒連続画素」としてそれをあらわすデータを該注目画素に与える。同様に、白画素連続検出322cは、図7に示す白画素分布パターンWPa〜WPdのいずれかにマッチングすると、その時の注目画素を「白連続画素」としてそれをあらわすデータを該注目画素に与える。
−近傍画素検出322d−
次の近傍画素検出322dは、黒画素連続検出322bおよび白画素連続検出322cの検出結果について、この近傍画素検出322dでの注目画素の近傍に黒連続画素又は白連続画素があるか否かを調べることにより、該注目画素が、エッジ領域と非エッジ領域のいずれにあるかを判定する。より具体的に述べれば、本実施例にあっては、5×5画素マトリクスのブロックで、その内部に黒連続画素と白連続画素がそれぞれ1つ以上存在するときに、そのブロックをエッジ領域と判定し、そうでないときに、そのブロックを非エッジ領域と判定する。
−孤立点除去322e−
さらに、文字エッジは連続して存在するので、孤立点除去322eにて孤立しているエッジを非エッジ領域に補正する。そして、エッジ領域と判定した画素に対して”1”(エッジ領域)なるedge信号を出力し、非エッジ領域と判定した画素に対応して”0”(非エッジ領域)なるedge信号を出力する。
−白領域抽出323−
白領域抽出323は、2値化323a,RGB白抽出323b,白判定323c,白パターンマッチング323d,黒判定323e,黒パターンマッチング323fおよび白補正323gからなる。
−2値化323a−
2値化323aは、フィルタ321のエッジ強調出力を2値化して、白パターンマッチング323dが参照する白データの生成のための2値信号を発生する。
−RGB白抽出323b−
RGB白抽出323bは、1.)RGB白地検出,2.)仮想白画素検出および3.)谷白画素検出を行って、画像データが白領域かを判定する:
1.)RGB白地検出
該RGB白地検出では、R,G,B画像データで白地領域を検出することにより、白背景分離の動作をアクティブにする。すなわち白背景分離の処理を起動する。具体的には、図9のパターンWBPに示すように、3×3画素マトリックスのR,G,B画像データのすべてが閾値thwssより小さければ、注目画素(3×3画素マトリックスの中心画素)が白領域と判定して白パターンマッチング323dをアクティブにする。これは、ある程度の広がりの白画素領域があるかを検出するものである。
2.)仮想白画素検出
次に、仮想白画素検出では、黄色地を白背景としないために、仮想白画素を定める。ここでは注目画素を中心とする5×5画素マトリックスのどこかに、閾値thwc以下のB画像データが存在すれば、注目画素を仮想白画素とする。特に、B画像データのみで見ているのは、後述の白判定323cが、G画像データのみに基づいて判定を行っているので、G画像データでは検出できないYをB画像データにて検出する。
3.)谷白画素検出
次に、谷白画素検出では、上記RGB白地検出で検出できない小さな白領域の谷白画素を、図9に示すG画像データの5×5画素マトリクス分布RDPaおよびRDPbに基づいて検出する。具体的には、5×5画素マトリクス分布RDPaに基づいて、
miny=min(G[1][2],G[1][3],G[1][4],G[5][2],G[5][3],G[5][4])を算出する。即ち、図9に示す5×5画素マトリクス分布RDPaの、黒丸を付した画素群の中の最低濃度minyを摘出する。そして、
maxy=max(G[3][2],G[3][3],G[3][4])
を算出する。即ち、図9に示す5×5画素マトリクス分布RDPaの、白丸を付した画素群の中の最高濃度maxyを摘出する。次に、
mint=min(G[2][1],G[3][1],G[4][1],G[2][5],G[3][5],G[4][5])を算出する。即ち、図9に示すもう1つの5×5画素マトリクス分布RDPbの、黒丸を付した画素群の中の最低濃度mintを摘出する。そして、
maxt=max(G[2][3],G[3][3],G[4][3])を算出する。即ち、図9に示す5×5画素マトリクス分布RDPbの、白丸を付した画素群の中の最高濃度maxtを摘出する。ここで、min( )は最小値を検出する関数である。max( )は、最大値を検出する関数である。次に、
OUT=((miny-maxy) > 0) # ((mint-maxt) > 0)
を算出する。即ち、(miny-maxy)と(mint-maxt)のうち、正値であって大きいほうの値を谷検出値OUTとし、このOUTの値がある閾値以上であると、注目画素(RDPaまたはRDPbの中心画素)を谷白画素と検出する。このように画像の谷状態を検出して、1.)RGB白地検出では、検出しにくいところを補う。
−白判定323c−
ここでは、白判定にもちいる状態変数MS,SS[I]の更新を行う。その内容を図10に示す。ここで、状態変数MSは処理対象ライン(注目ライン)の画素宛てのもの、状態変数SS[I]は処理対象ラインの1ライン前(処理済ライン)の画素宛てのものであり、いずれも白地の白の程度を表す4bitの白地情報であり、図10の処理によって生成されるものである。状態変数MSおよびSS[I]が表す値の最高値は15に定めており、これが最も白い程度を意味し、最低値は0である。すなわち状態変数MSおよびSS[I]は、白の程度を示すデータであり、それが表す値が大きいほど、強い白を意味する。複写動作開始時に、状態変数MSおよびSS[I]は共に0に初期化される。
図10の処理においてはまず、処理対象である注目画素の1ライン前の状態変数すなわち白地情報SS[I]と注目画素の同一ライン上の1画素前の画素(先行画素:処理済画素)の状態変数すなわち白地情報MSとを比較して(ステップ1)、1ライン前の白地情報SS[I]の方が大きければ、それを注目画素の仮の白地情報MSとする(ステップ2)が、そうでないと先行画素の状態変数MSを、注目画素の仮の白地情報MSとする。これは、周辺画素の白地情報の、より白に近い情報を選択することを意味する。
複写動作を開始してから、前記1.)RGB白地検出で白領域すなわち白地を検出すると、注目画素の1ライン前の画素の白地情報SS[I]を15に更新し(ステップ3,4)、注目画素の白地情報MSも15とする(ステップ5)。そして、注目画素の白地情報MSは、図11に示すラインメモリLMPの、現ライン(注目ライン)用のラインメモリの注目画素の主走査位置(F)に書込み、1ライン前の画素宛ての白地情報SS[I]は、図11に示すラインメモリLMPの、前1ライン用のラインメモリの、注目画素の主走査位置(F)に書込む(ステップ3,4,5)。次に、1ライン前の画素宛ての白地情報SS[I]を、1ライン前の画素に、次のように、伝搬させる(ステップ14〜17)。なお、[I]は注目画素の主走査位置を意味し、[I−1]は主走査方向xでそれより1画素前の画素(注目画素の直前の画素)の位置を意味する。
SS[I−1]<SS[I]−1の時、SS[I−1]=SS[I]−1をラインメモリにセットする(ステップ14,15)。即ち、注目画素より1ライン前のラインにおいて、主走査方向で注目画素の位置(F)より1画素前(E)の白地情報SS[I−1]よりも注目画素の位置(F)の白地情報SS[I]から1を減算した値「SS[I]−1」のほうが大きい(白程度が強い)と、1ライン前のライン上の注目画素の位置(F)より1画素前の画素(E)宛ての白地情報SS[I−1]を、注目画素の位置(F)の白地情報SS[I]より1だけ白強度を下げた値に更新する。
次に、SS[I−2]<SS[I]−2の時、SS[I−2]=SS[I]−2をラインメモリにセットする(ステップ16,17−14,15);
次に、SS[I−3]<SS[I]−3の時、SS[I−3]=SS[I]−3をラインメモリにセットする(ステップ16,17−14,15)。
以下同様にして、最後に、SS[I−15]<SS[I]−15の時、SS[I−15]=SS[I]−15をラインメモリにセットする(ステップ16,17−14,15)。これらの白地情報SS[I]の値の下限値MINは0であり、0未満になるときには、0にとどめる。これは後述のステップ13においても同様である。
これらのステップ14〜17の処理により、1ライン前かつ注目画素の主走査位置より前の白地情報SSが、注目画素の白地情報MSを、それから主走査方向xの1画素の位置ずれにつき1の低減率で下げた値に更新され、注目画素の白地情報が1ライン前の主走査方向xで主走査の後方に、前記低減率で伝搬する(白伝搬処理)。但しこれは、1ライン前の白地情報のほうが小さい値である場合である。例えば1ライン前の画素が、前記1.)RGB白地検出で白地(白領域)と検出したものであるときにはそれの白地情報は15であって最高値であるので書換えは行われない。
注目画素を更新してそれが白地でないものになると、ステップ3からステップ6以下に進み、注目画素が、仮想白画素かつ2値化323aの出力が白かつステップ1,2で仮に定めた注目画素の状態変数すなわち白地情報MSが閾値thw1(13)以上、である時に、注目画素宛ての白地情報MSを+1する(ステップ6〜10)。すなわち、1だけ白程度が強い値に更新する。白地情報MSの最高値maxは15に定めており、15を超える時には15にとどめる(ステップ9,10)。この経路を進んできたときにも、前述の、ステップ5および14〜17を実行する。すなわち、白伝搬処理を行う。
注目画素が仮想白画素かつ2値化323aの出力が白かつ白地情報MSがthw1(13)未満、thw2(1)以上、かつ、谷白画素である時に、状態変数MSをそのままの値に保持する(ステップ8,11,12)。この経路を進んできたときにも、前述の、ステップ5および14〜17を実行する。すなわち、白伝搬処理を行う。
上記条件のいずれにも一致しないときは、注目画素の白地情報MSをー1する(ステップ13)。すなわち白程度が1だけ弱い白地情報に更新する。白地情報MSの最低値MINは0であり、0未満になる時には0にとどめる。この経路を進んできたときにも、前述の、ステップ5および14〜17を実行する。すなわち、白伝搬処理を行う。
以上の処理により、ラインメモリLMP上において、状態変数(白地情報)MSを介して周辺画素に白情報を伝搬させることができる。この白判定323cは、まずRGB白抽出323bの中の1.)RGB白地検出で、白領域を検出するまでは動作(ステップ4の実行)をしない。これは、白領域との判定が得られない領域を、フィルタ321のエッジ強調処理後G画像データの後述する白パターンマッチングにて白画素(白ブロック)と誤判定することを防ぐためである。
薄い色地上の文字にエッジ強調フィルタ321をかけると、文字周辺のデータが本来の画像データ(色地)より、レベルの低い値(白)となるので、フィルタ321のエッジ強調処理後のデータで白パターンマッチングをすると色地上の文字周辺を白地と誤判定しやすいが、上述の処理(ステップ3,4)によって白領域との判定が得られる領域に後述する、白画素(白ブロック)を判定するための白パターンマッチングを適用するように白地情報MSを最高値とし、ステップ3で白地でないときには、更にステップ6以下で詳細に白地条件をチエックして白パターンマッチングを適用するか否を決定するための1つのパラメータである白地情報MSを調整するので、フィルタ321のエッジ強調処理後G画像データの後述する白パターンマッチングにて白画素(白ブロック)と誤判定することを防いでいる。
例えば、色画素の可能性が高いときには、白地情報MSを下げ(ステップ13)、色画素の疑いもありえるときには白地情報MSをホールド(変更無し)にして(ステップ11〜13)、後述する白パターンマッチングにて白画素(白ブロック)と誤判定することを防いで、文字周辺のデータが本来の画像データ(色地)より、レベルの低い値(白)となるのを防止している。
文字が密なところは上述の処理(ステップ3〜5,6〜10および14〜17)によって白地情報MSを更新し伝搬させるので、密な文字領域が絵柄と誤判定される可能性が低減する。また、込み入った文字(例えば、「書」)などの文字の中は、1.)RGB白地検出で白検出ができない場合があるが、そのときに3.)谷白画素検出にて、白と検出し、白地情報MSを、ステップ12のYES出力がステップ5に直進する経路でホールドして、白地傾向にとどめるので、込み入った文字の中が絵柄と誤判定される可能性が低減する。
−白パターンマッチング323d−
注目画素を中心とする5×5画素単位のブロックで連続した白画素が存在するか否かで、背景が白かを判断する。そのために、注目画素に関して、次式が満たされる時に、白パターンマッチングを行う:
(仮想白画素&(白地情報SS≧thw1(13))&2値化白)#
(仮想白画素&(白地情報SS≧thw2(1))&谷白画素&2値化白)
ここで、この条件式を満たすかのチエックを行う注目画素は、図10のステップ5および14〜17の白伝搬処理の対象となってその処理過程を経たものであり、上記条件式の中の「白地情報SS」が、白伝搬処理後の、上記チエックを行う注目画素の白地情報SS[I]である。但し、このSS[I]は白伝搬処理を終えた白地情報であって、そのIは、上記チエックを行う注目画素の主走査方向xの位置であり、上述の白判定323cで状態変数MSを算出する注目画素の主走査方向xの位置とは別物である。
上記条件式の中の#は論理和(オア:又は)を意味する。白パターンマッチングは、2値化323a後の出力に対し、図11の縦横斜めの連続性パターンPMPa〜PMPdのいずれかに該当するかをチェックするものである。パターンPMPa〜PMPdに付した白丸は、白画素であることを意味する。他の空白画素は、白画素であるか否か不問である。
注目画素を中心とする5×5画素マトリクスの白画素分布が図11のパターンPMPa,PMPb,PMPcまたはPMPdに該当すると、注目画素が白パターン画素であると判定し、この白パターンマッチングの結果を4×4画素を1ブロック単位としてブロック化する。即ち、4×4画素の中に一つ以上白パターン画素が存在する時、そのブロックは白ブロックとする。つまり、4×4画素のすべての画素を、白画素とする。
−黒判定323e−
G画像データが閾値thbkを越える画素を黒画素と判定する。thbk未満の画素を白画素とする。
−黒パターンマッチング323f−
黒判定323eでの画素単位の黒/白画素判定結果を用いて、黒パターンマッチングを行う。目下処理対象である注目画素を中心とする3×3画素マトリクスのすべての画素が、図9のパターンBBPに示すように全て黒画素であると、注目画素は黒パターン画素であると判定する。そして、この黒パターンマッチングの結果を4×4画素を1ブロック単位としてブロック化する。即ち、4×4画素の中に一つ以上黒パターン画素が存在する時、そのブロックは黒ブロックとする。つまり、4×4画素のすべての画素を、黒画素とする。
−白補正323g−
ここでは、4.)白ブロック補正,5.)黒ブロック補正および6.)白領域判定により、白領域を抽出する。図11にブロックパターンBCPを示す。このパターンBCPの1つの桝目が1ブロックであり、1ブロックは4×4画素である。
4.)白ブロック補正
白ブロック補正では、ブロックパターンBCPの×を付した注目ブロックを中心とした15×11ブロックにおいて、四隅の各6×4ブロック領域それぞれに1つ以上の白候補ブロックが存在するときに、注目ブロックに白ブロック補正データを与える。このことにより、白地に囲まれた領域を白領域とする。
5.)黒ブロック補正
黒ブロック補正では、注目ブロックを中心とする3×3ブロックマトリクスにおいて白ブロックが一個以上存在し、かつ、該注目ブロックを中心とする5×5ブロックマトリクスにおいて黒ブロックが1以上存在すれば、該注目ブロックに黒ブロック補正データを与える。このことにより、白ブロックと黒ブロックの境界を白領域とする。
6.)白領域判定
次に、白領域判定では、黒ブロック補正データまたは、白ブロック補正データが存在すれば、白領域とする。
図12に、丸Bp1〜Bp4で囲んだ黒の突出部は、上述の、注目ブロックを中心とした15×11ブロックにおいて四隅の各6×4ブロック領域それぞれに1つ以上の白候補ブロックが存在するときに注目ブロックに白ブロック補正データを与える白ブロック補正、によって白ブロックに置きかえられる。丸Bp1〜Bp4で囲んだ黒の突出部のように白地で囲まれた黒領域を、白領域とすることは、そこを絵柄部と判定する可能性を低減する。後述する総合判定326では、非白領域は絵柄と判定するが、丸Bp1〜Bp4で囲んだ黒の突出部のように白地で囲まれた黒領域を絵柄と誤判定する可能性が減る。さらに、5.)黒ブロック補正にて、黒地と白地境界を白領域(文字領域)と判定するので、文字エッジは、文字の太さにかかわらず白地判定するので、文字エッジを正しく文字エッジと判定することが可能となる。
−網点抽出324−
第1網点ピーク検出324aは、G画像データを用いて、所定の大きさの二次元局所領域内の画素濃度情報から、網点ドットの一部を形成する画素(網点ピーク画素と呼ぶ)を検出する回路である。局所領域に関して、次の二つの条件が同時に成立するときに、領域の中心画素を網点ピーク画素として検出する:
条件1:中心画素の濃度レベルが局所領域内で最大(山ピーク)または最小(谷ピーク)である;
条件2:中心画素に対し点対称関係にある全ての画素のペアについて、画素ペアの濃度レベルの平均と中心画素の濃度レベルとの差の絶対値が、閾値Th以上であること。
図8を参照して、第1網点ピーク検出324aの検出処理を具体的に説明する。局所領域として5×5画素マトリクス(一般化して示すとM×M画素マトリクス)のマスクを採用した例である。5×5画素マトリクスの各画素の符号を、パターンMPpに示す。注目画素となる中心画素c3の濃度Lcが、その周囲画素の濃度L1〜L8と比較して最大または最小であるとともに、
abs(2Lc−L1−L8)≧Lth
かつ abs(2Lc−L2−L7)≧Lth
かつ abs(2Lc−L3−L6)≧Lth
かつ abs(2Lc−L4−L5)≧Lth
のときに、マスクの中心画素(Lc)を網点ピーク画素として検出する。abs関数は絶対値をとることを意味する。Lthは閾値(固定値)である。
具体的には、周囲画素は、図8に示す周囲画素分布パターンMPaまたはMPbの、4角形を付記した画素とする。周囲画素分布パターンMPaとMPbに基づいた上述の網点ピーク画素検出のどちらかが、網点ピーク画素と検出した時に、そのときの注目画素(中心画素c3)に網点ピーク画素を表す検出信号を与える。2つのパターンを用いるのは、網点の線数に幅広く対応するためである。
パターンMPaは、 L1=b2, L2=b3, L3=b4,
L4=c2, L5=c4, L6=d2,
L7=d3, L8=d4、
と定めたものである。ここで、L1=b2とは、画素b2の濃度を、上述の網点ピーク画素検出演算のL1の値とすることを意味する。
パターンMPbは、 L1=b2, L2=a3, L3=b4,
L4=c1, L5=c5, L6=d2,
L7=e3, L8=d4、
と定めたものである。
また、複写の場合、副走査方向yの拡大,縮小はスキャナ200の原稿走査速度の低,高で行うので、スキャナ200からは、副走査方向yの拡大,縮小があった画像データが与えられる。そこで、縮小のときには、上述のパターンMPa,MPbにかえて、図8上に示すパターンMPc,MPdを用いる。拡大のときには、図8上に示すパタ―ンMPe,MPfを用いる。なお、パタ―ンMPe,MPfにおいて、三角印を与えた画素も、上述の「周囲画素」に加えても良い。
第2網点ピーク検出324bは、Bデータを用いて網点ピーク検出するものであって、機能は、第1網点ピーク検出324aと同じである。第1網点ピーク検出324aは、G画像データを用いるのでほとんどの色に対して反応するが、Yに対しては反応しないので第2網点ピーク検出324cでは、B画像データを使用して、Yの網点ピークを検出することを目的としている補助的なものである。
網点領域検出324cは、第1網点ピーク画素検出324a,第2網点ピーク画素検出324bのどちらかにより検出された山と谷の網点ピーク画素を、所定の大きさの二次元の小領域毎に計数し、山と谷の網点ピーク画素の合計を小領域の計数値Pとする。この計数値Pが閾値Pthより大きいときに、小領域の全画素(あるいは画素単位の処理の場合、小領域の中心画素のみ)を網点領域と判定する。判定の結果は一時メモリ324dに記憶される。
注目している小領域の近傍の処理済み領域の網点/非網点判定結果(周辺の特徴情報)に応じ適応的に閾値Pthを変化させる。本実施例においては、閾値Pthとして、二つの値TH1,TH2(ただしTH1>TH2)が用意され、一時メモリ324dに記憶されている注目小領域近傍の処理済み領域の判定結果によって、その一方の値を選択する。すなわち、近傍の領域が非網点領域と判定されていた場合には、線画領域である可能性が高いので、誤検出を減らすために条件が厳しくなるTH1のほうを閾値Pthとして選択する。これに対し、近傍領域が網点領域であると判定されていた場合には、網点領域である可能性が高いので、条件が緩くなるTH2のほうを閾値Pthとして用いる。なお、閾値Pthの初期値としてはTH1を選択する。
図8上のAMPに、上述の小領域の分布を示す。小領域分布パターンAMPのS1〜S4のそれぞれは、例えば4×4画素の大きさの小領域(ブロック)であり、S4が注目している小領域、S1,S2およびS3は処理済みの小領域であるとする。S1,S2およびS3のすべてが網点領域であると判定されている時には、Th2がS4の判定のための閾値Pthとして用いられる。S1,S2およびS3の一つでも非網点領域と判定されているときは、閾値PthとしてTH1が選択される。網点領域と判定したときに“1”で、非網点と判定した時に“0”の網点領域検出信号htが網点抽出324から出力される。ただし、これは一例であって、S1,S2およびS3のいずれか一つの小領域でも網点領域と判定されたときにTH2を選択し、すべてが非網点領域と判定されたときにのみTH1を選択するようにしてもよい。さらに、参照する近傍領域をS1のみ、あるいはS2のみとすることもできる。
−色判定325−
原稿中の色(有彩)画素や黒(無彩)画素を検出する際には、R,G,Bの相対的な読み取りずれが、各色画像データのサンプリングや機械的精度のために存在する。図13を用いて説明する。図13の(a)は、画像濃度信号で、黒濃度信号は理想的には、R,B,G濃度信号ともレベルの高低が一致したとき理想の黒である。ところが、実際の画像データは、レンズでCCD上に画像を結像し、CCDの画像信号をデジタル化したもので、図13の(b)が理想の高低波形となる。しかし、一般的なスキャナでは、3ラインCCDセンサを用いているため、画像データのR,G,Bの各画像を時間的に同時に読み取るのではなく、R,G,Bの各ラインセンサは等間隔で配置され、時間的に同時に読むことができないので、どうしても読み取り位置ずれが生じてしまう。例えば、図13の(b)に示すレベル変化の黒を表すR,G,B各色濃度信号は、図13の(c)に示すように、相対的にずれる。このずれが大きいと、黒領域の周縁に色ずれが現われる。
−色相分割325a−
色判定325は、有彩色領域を見つけるものである。入力データR,G,Bは、色相分割325aにて、c,m,yおよび色判定用w(白)の信号に変換される。色相分割の例としては、それぞれの色の境界を求め、1画素内のR,G,Bそれぞれの画像データの最大値と最小値の差をRGB差と定義して、以下のようにした。ここでは、R,G,B画像データは、数字が大きくなると黒くなる(濃くなる):
1).R−Y色相領域境界(ry)
R - 2 * G + B > 0
2).Y−G色相領域境界(yg)
11 * R - 8 * G - 3 * B > 0
3).G−C色相領域境界(gc)
1 * R - 5 * G + 4 * B < 0
4).C−B色相領域境界(cb)
8 * R - 14 * G + 6 * B < 0
5).B−M色相領域境界(bm)
9 * R - 2 * G - 7 * B < 0
6).M−R色相領域境界(mr)
R + 5 * G - 6 * B < 0。
7).色判定用w(白)画素判定:
(R < thwa) & (G < thwa) & (B < thwa)ならば、y=m=c=0とする。thwaは閾値である。
8).Y画素判定:
(ry == 1) & (yg == 0) & (RGB差 > thy)ならば、y=1、m=c=0とする。thyは閾値である。
9).G画素判定:
(yg == 1) & (gc == 0) & (RGB差 > thg)ならば、c=y=1、m=0とする。thgは閾値である。
10).C画素判定:
(gc == 1) & (cb == 0) & (RGB差 > thc)ならば、c=1、m=y=0とする。thcは閾値である。
11).B画素判定:
(cb == 1) & (bm == 0) & (RGB差 > thb)ならば、m=c=1、y=0とする。thbは閾値である。
12).M画素判定:
(bm == 1) & (mr == 0) & (RGB差 > thm)ならば、m=1、y=c=0とする。thmは閾値である。
13).R画素判定:
(mr == 1) & (ry == 0) & (RGB差 > thr)ならば、y=m=1、c=0とする。thrは閾値である。
14).BK画素判定:7).〜13).に該当しない時、y=m=c=1とする。
さらに、色判定用w画素の判定を行う。条件は以下のようになる:
(R < thw) & (G < thw) & (B < thw)ならば、色画素用w画素とし、wとして出力する。thwは閾値である。ここで、7)〜14)の優先順位は、数の小さい方を優先する。上述の閾値thwa,thy,thm,thc,thr,thg,thbは、複写(処理)前に決まる閾値である。thwとthwaの関係は、thw>thaとなっている。出力信号は、c,m,yに各1ビットの3ビットデータと、さらに、色判定用色画素検出のwの1ビットである。ここで色相毎に閾値をかえているのは、色相領域毎に、有彩範囲が異なる時に色相領域に応じた閾値を決定する。この色相分割は、一例であって、どんな式を使用してもよい。
色相分割325aの出力c,m,y,wは、ラインメモリ325b〜325eに5ライン蓄え、色画素判定325fに入力する。
−色画素判定325f−
図5に、色画素判定325fの内容を示す。5ライン分の、c,m,y,wのデータは、パターンマッチング325f5〜325f7と、カウント325f1〜325fに入力する。ここでまず、B/C信号を求める流れの中のパターンマッチング325f6について説明する。
−パターンマッチング325f6−
色画素用w画素が存在する時は、その画素のc=m=y=0に補正する。この補正により、注目画素を中心とする5×5画素マトリクスの白レベルが大きくなる。次に注目画素が、色相分割325aで判定した画素のc,m,yの全てが1(c=m=y=1)または全てが0(c=m=y=0)以外の画素(色画素)であるかを、該5×5画素マトリクスがつぎのパターンにマッチングするかをチェックすることによつて、判定する:
1).色画素パターン群
1―1).パターン1―1(pm1)
D23 & D33 & D43
1―2).パターン1―2(pm2)
D32 & D33 & D34
1―3).パターン1―3(pm3)
D22 & D33 & D44
1―4).パターン1―4(pm4)
D24 & D33 & D42
中心画素(注目画素)は、D33である。図14にこれらのパターンpm1〜pm4を示す。これらのパターン上の白丸は、c,m,yの少なくとも一者が1であることを示す。パターンマッチングを採用するのは、孤立点などを拾わないようにするためである。逆に、網点などの、小面積色検出する際には、中心画素が1(c=m=y=1)または全てが0(c=m=y=0)以外の画素(色画素)であるかで、判定すればよい。
2).色細線用パターン群
白に囲まれた色線を検出する。これに用いるパターンを図15に示す。図15において、白丸を付した画素は、c,m,yが全て0の画素である。注目画素(中心画素)を中心とする5×5画素マトリクスのデータ(c,m,y)の分布が、図15のパターンpw11a〜pw14dのいずれかにマッチングすると、そのときの注目画素(中心画素)を色線画素と見なす:
2―1).パターン2―1(pw11a〜pw11d)
((D12&D13&D14)&(D42&D43&D44))#
((D12&D13&D14)&(D52&D53&D54))#
((D22&D23&D42)&(D42&D43&D44))#
((D22&D23&D42)&(D52&D53&D54))
2―2).パターン2―2(pw12a〜pw12d)
((D21&D31&D41)&(D24&D34&D44))#
((D21&D31&D41)&(D25&D35&D45))#
((D22&D23&D24)&(D24&D34&D44))#
((D22&D23&D24)&(D25&D35&D45))
2―3).パターン2―3(pw13a〜pw13d)
((D11&D21&D12)&(D35&D44&D53))#
((D11&D21&D12)&(D45&D44&D55))#
((D13&D22&D31)&(D35&D44&D53))#
((D13&D22&D31)&(D45&D44&D55))
2―4).パターン2―4(pw14a〜pw14d)
((D13&D24&D35)&(D41&D51&D52))#
((D14&D15&D25)&(D41&D51&D52))#
((D13&D24&D35)&(D31&D42&D53))#
((D14&D15&D25)&(D31&D42&D53))。
3).白領域パターン群
c,m,yが全て0のところのパターンマッチングを行う。これに用いるパターンを図16に示す。図16において、白丸を付した画素は、c,m,yが全て0の画素である。注目画素(中心画素)を中心とする5×5画素マトリクスのデータ(c,m,y)の分布が、図16のパターンpw21a〜pw24dのいずれかにマッチングすると、そのときの注目画素(中心画素)を白領域画素と見なす:
3―1).パターン3―1(pw21a〜pw21d)
(D21&D31&D41)#
(D22&D32&D42)#
(D24&D34&D44)#
(D25&D35&D45)
3―2).パターン3―2(pw22a〜pw22d)
(D12&D13&D14)#
(D22&D23&D24)#
(D42&D43&D44)#
(D52&D53&D54)
3―3).パターン3―3(pw23a〜pw23d)
(D52&D51&D41)#
(D53&D42&D31)#
(D35&D24&D13)#
(D25&D15&D14)
3―4).パターン3―4(pw24a〜pw24d)
(D54&D55&D45)#
(D53&D44&D35)#
(D31&D22&D13)#
(D21&D11&D12)。
4).色画素候補2の判定
上記で抽出したパターンマッチング結果が以下のパターンに一致すれば、注目画素を、色判定用色画素候補2とする:
((pm1 == 1) & ((pw11 == 1) # (pw21 != 1))) #
((pm2 == 1) & ((pw12 == 1) # (pw22 != 1))) #
((pm3 == 1) & ((pw13 == 1) # (pw23 != 1))) #
((pm4 == 1) & ((pw14 == 1) # (pw24 != 1)))
ここで、(pm1 == 1)は、注目画素を中心とするデータ分布が、パターンpm1にマッチングすることを意味し、(pw11 == 1)はパターンpw11a〜pw11dのいずれかにマッチングすることを意味し、(pw21 != 1)はパターンpw21a〜pw21dのいずれかにマッチングすることを意味する。&は論理積を、#は論理和を意味する。このパターンマッチングにより、白領域に囲まれた色画素を色画素候補として、それ以外で白領域が存在する時は、色画素としない。白領域がない色画素パターンマッチングで一致したものは、色画素候補となる。
−カウント325f1−
注目画素を中心とする5×5画素マトリクス内に、色判定用w画素が存在する時は、その画素の色相分割325aで判定したc,m,yデータをc=m=y=0に補正する。この補正により、該画素マトリクスの白レベルが大きくなる。そして、該画素マトリクス内の各画素のc,m,yの1(c=1,m=1,y=1)の数をカウントする。c,m,yそれぞれについてのカウント値の最大値と最小値との差が、thcnt以上でかつ最小値がthmin未満ならば、色画素候補1とする。thcnt,thminは、複写(処理)前に設定する閾値である。y,m,cにプレーン展開して、N×Nのマトリクスにおいてのそれぞれのプレーン毎に数を数えて、最少値をブラックと仮定している。このことにより、黒画素の読み取りが漏れても補正が可能となる。そして最大値と最小値の差で有彩画素を判定している。このことにより、黒画素が読取りから外れた画素を補正して、有彩画素を抽出する。注目画素を中心とする5×5画素マトリクス内に一定画素の有彩画素があると注目画素を有彩画素としている。
−色画素判定325f8−
パターンマッチング325f6とカウント325f1の出力にもとづいて、色画素判定325f8で、色画素か否かを判定する。色画素候補1でかつ色画素候補2であれば、色画素1とする。
−ブロック化325f9−
色画素判定325f8の出力をブロック化325f9にてブロック化をする。ブロック化とは、4×4画素のマトリックスにおいて、1画素以上の色画素1があれば、該4×4画素マトリックス全体を色画素1ブロックとして、出力する。ブロック化325f9以降の処理は、4×4画素を1ブロックとしてブロック単位出力する。
−孤立点除去325f10−
ブロック化したデータを孤立点除去325f10にて、注目ブロックの隣り合うブロックに色画素1ブロックがなければ孤立点として、除去する。
−膨張325f11−
孤立点除去325f10の出力を、膨張325f11にて、色画素1ブロックが存在する場合は、5×5ブロックに膨張する。膨張するのは、色画素の周辺を、黒文字処理をしないようにするためである。ここで、出力するB/C信号は、色画素1ブロックの時にL(有彩)を出力し、それ以外の時は、H(無彩)を出力する。
−カウント325f2−
注目画素を中心とする5×5画素マトリクス内に色判定用w画素が存在する時は、その画素の色相分割325aで判定したc,m,yデータをc=m=y=0に補正する。この補正により、該画素マトリクスの白レベルが大きくなる。そして、該画素マトリクス内の各画素の、c,m,yの1(c=1,m=1,y=1)の数をカウントする。c,m,yそれぞれについてのカウント値の最大値と最小値との差が、thacnt以上でかつ最小値がthamin未満ならば、注目画素を色画素候補1とする。thacnt,thaminは、複写(処理)前に設定する閾値である。
−色画素判定325f12−
パターンマッチング325f6とカウント325f2の出力にもとづいて、色画素判定325f12で、色画素か否かを判定する。色画素候補1でかつ色画素候補2であれば、色画素2とする。
−ブロック化325f13−
色画素判定325f12の出力をブロック化325f13にてブロック化をする。即ち、4×4画素のマトリックスにおいて、1画素以上の色画素2があれば、該4×4画素マトリックの全体を色画素2ブロックとして、出力する。ブロック化325f13以降の処理は、4×4画素を1ブロックとしてブロック単位出力する。
−密度325f14−
孤立ブロックの除去のために、3×3ブロックの中のアクティブ条件(色画素2ブロック)が3個以上あり、注目ブロックがアクティブ(色画素)ならば、注目ブロックをアクティブブロック(色画素2ブロック)とする。
−カウント325f3−
注目画素を中心とする5×5画素マトリクス内の各画素の、c,m,yの1(c=1,m=1,y=1)の数をカウントする。c,m,yそれぞれについてのカウント値の最大値と最小値との差が、tha1cnt以上で、かつカウントしたc,m,yの最小値が、tha1min未満ならば、色画素候補3とする。tha1cnt,tha1minは、複写(処理)前に設定する閾値である。
−パターンマッチング325f5−
色画素検出で判定した画素(c、m、y)が色画素かを、5×5画素マトリクスを用いるパターンマッチングで判定する。パターンはパターンマッチング325f6のものと同じである。パターンマッチングで一致した画素は、色画素候補4とする。
−色画素判定325f15−
色画素候補3でかつ色画素候補4であれば、色画素3とする。
−ブロック化325f16−
色画素判定325f15の出力をブロック化325f16にてブロック化をする。すなわち、4×4画素のマトリックスにおいて、1画素以上の色画素3があれば、該4×4画素マトリックスの全体を色画素3ブロックとして、出力する。ブロック化325f16以降の処理は、4×4を1ブロックとしてブロック単位出力する。
−密度325f17−
孤立ブロックの除去のために、3×3ブロックの中のアクティブ条件(色画素3ブロック)が3個以上あり、注目ブロックがアクティブ(色画素3)ならば、注目ブロックをアクティブブロック(色画素3ブロック)とする。
−カウント325f4−
注目画素を中心とする5×5画素マトリクス内の各画素の、色相分割325aで判定したc,m,yの1(c=1,m=1,y=1)の数をカウントする。c,m,yの各カウント値の最小値が、thabk以上ならば、注目画素を黒画素候補1とする。thabkは、複写(処理)前に設定する閾値である。
−パターンマッチング325f7−
注目画素を中心とする5×5画素マトリクスにおいて、c=m=y=1の画素のパターンマッチングを行う。
1―1).パターン1―1(pm1)
D23&D33&D43
1―2).パターン1―2(pm2)
D32&D33&d34
1―3).パターン1―3(pm3)
D22&D33&D44
1―4).パターン1―4(pm4)
D42&D33& D24
これらのパターンは図14に示すものであり、図中に丸印を付した画素が、c=m=y=1の画素である。これらのパターンのどれかに一致した時に、注目画素を黒画素候補2とする。
−無彩判定325f18−
注目画素が、黒画素候補1でかつ黒画素候補2であれば、黒画素とする。
−ブロック化325f19−
黒画素の出力をブロック化325f19にてブロック化をする。ここでのブロック化とは、4×4画素のマトリックスにおいて、1画素以上の黒画素があれば、該4×4画素マトリックスの全体を黒画素ブロックとして、出力する。ブロック化325f19以降の処理は、4×4画素を1ブロックとしてブロック単位出力する。
−膨張325f20−
3×3ブロックのマトリックス内において、注目ブロックがアクティブ(黒画素ブロック)で、その周辺画素がノンアクティブ(非黒画素)ならば、注目ブロックをノンアクティブ(非黒画素ブロック)にする。
−総合色画素判定325f21−
注目ブロックが、色画素判定325f12でアクティブ(色画素2)と判定されかつ無彩判定325f18でアクティブ(黒画素)と判定されていなければ、注目ブロックは色(色ブロック)と判定する。また、色画素判定325f15がアクティブ(色画素)の時も色と判定する。
−膨張325f22−
総合色画素判定325f21で、色と判定したブロックに対して小さな文字を連続と見なすために、注目ブロックを中心とする9×9ブロックのマトリックス内に1ブロックでもアクティブブロックがあれば、注目ブロックをアクティブブロックとする。ここで、大きく膨張させるのは、文字同士のすき間を埋めるためである。
−連続カウント325f23−
連続カウント325f23では、色画素ブロックの連続性を見て、カラー原稿か白黒原稿かを判定する。膨張325f22の出力データ(色画素ブロック)の中の色画素の連続数をカウントすることにより、カラー原稿かどうか判定する。
注目画素が色画素ブロックにある時に注目画素の左上,上,右上および左の画素の色画素連続数を参照して、注目画素の色画素連続数を算出する。ここで、注目画素を、例えば図8の画素分布パターンMPpのc3画素とすると、左上,上,右上および左の画素はそれぞれ、b2,b3,b4およびc2の画素である。注目画素が色画素ブロックにないときには、それには0なる色画素連続数を与える。
注目画素が色画素ブロックにある場合は、先ず注目画素(c3)の上画素(b3)の色画素連続数をチェックしてそれが0であると、参照値Aに右上画素(b4)の色画素連続数に1を加えた値を与え、上画素(b3)の色画素連続数が0であると参照値Aに右上画素(b4)の色画素連続数を与える。次に、参照値Bに左上画素(b2)の色画素連続数に1を加えた値を与え、参照値Cには上画素(b3)の色画素連続数に1を加えた値を与え、また参照値Dには左画素(c2)の色画素連続数に1を加えた値を与える。そして、参照値A,B,CおよびDのうちの最高値を、注目画素(c3)の色画素連続数とする。
注目画素(c3)に色画素連続数を上述のように与えると、この色画素連続数が設定値thacs以上であるかをチェックして、thacs以上であると、カラー原稿であると決定して、そこで連続カウント325f23の処理を終える。色画素連続数が設定値thacs未満であると、注目画素を走査方向x,yの次の画素に更新して、上述の処理を繰返す。原稿全面について上述の処理をした結果、最後まで色画素連続数が設定値thacs未満であったときには、原稿は白黒画像であると決定する。
上述の色画素連続数は、ほぼたての色付き線分と横の色付き線分の和となる。右上の色画素連続数が、他と異なるのは二重カウントを防ぐためである。色画素連続数の具体的なデータを、図17に示した。図17に示す数字を入れた小四角が色画素であり、数字が該画素に与えた色画素連続数である。数字を入れた小四角が連なったブロックが色画素群であり、同一原稿上のどれかの色画素群のなかの色画素連続数が1つでも設定値thacs以上になるとそこで、カラー原稿である、とカラーか白黒かの判定を確定する。
色画素判定1〜3(325f8−325f15)と分けたのは、カラー原稿か白黒原稿かの判定精度を高くするためである。黒文字処理のための色画素判定は、誤判定をしても局所的でさほど目立たない。しかし、カラー原稿か白黒原稿かの判定は、誤判定をすると原稿全体に影響する。そこで、カウント325f1−f4を独立とした。本来ならば、色相分割325aから独立にした方がよいが色相分割325aを独立にすると、パターンマッチング325f5−f7のメモリが増えるので、好ましくない。カウント325f1−f4のパラメータ(色画素候補1,3,黒画素候補1)で、色画素のパラメータ(色画素1−3)を変更している事により、メモリ量の増加を少なくしている。色画素判定2,3(325f12,325f15)を設けているのは蛍光ペンの黄色のような濃度の低い色を検出するためで、さらに、無彩判定(黒画素判定)325f18を備えたのは濃度を低くすると誤検出した際に補正するためである。蛍光ペンなど濃度の薄い色は、ある程度の幅で黒データで補正しても問題はない。複数の色画素を抽出する際に、w(白)のレベルを変えているだけなので、色画素検出のために2つ分のメモリを持つ必要がなく、1つ分+1ラインの容量で可能である。
連続カウント325f23で、1ライン前のカウントデータと現在のラインのカウントデータを参照してカウント値を数えているので、確実に周辺画素の連続を正確に数えることができるので色画素の連続を数えることが可能となる。本実施例は、R,G,B画像データに対して色相判定を行ったが、R,G,B画像データに限定するものではなく、輝度色差(例えばLab)などに対して、色相判定することは、容易である。
−総合判定326−
総合判定326は、文字判定326a,膨張処理326b,文字なか判定326cおよびデコード326dからなる。
−文字判定326a−
文字判定326aでは、エッジ抽出322の結果がエッジありで、網点抽出324の結果が網点なしで白領域抽出323の結果が白領域ありのときは、文字エッジと判定する。そうでないときには非文字エッジ(絵柄又は文字なか)と判定する。
−膨張処理326b−
膨張処理326bでは、文字判定326bの結果を8×8ブロックのOR処理をして、その後に3×3ブロックのAND処理をして4ブロックの膨張処理を行う。すなわち、注目ブロックを中心とする8×8ブロックのいずれかのブロックが文字エッジであると、注目ブロックも文字エッジブロックであると仮定し、該注目ブロックを中心とする3×3ブロックのすべてが文字エッジであると注目ブロックを文字エッジと確定し、そして、注目ブロックとそれに隣接する3ブロック、計4ブロックを文字エッジと見なす。OR処理してからAND処理するのは、特に黒文字の場合、黒文字の領域の周辺に小領域の非黒文字領域が存在すると、処理の差により違和感が感じられることがある。例えば黒が薄く見える。これを防ぐために、OR処理で非黒文字領域を大きくしている。AND処理は、望むべき膨張量にするために行っている。
ところでカラー複写機は、1枚の複写をするのに、4回スキャンをするので、スキャン毎に、微妙に文字判定結果が異なる。特に、ブラック作像時に非黒文字判定をし、ブラック作像以外のときに黒文字判定をすると、この黒文字領域は薄くなってしまうので、bk時には8×8ブロックのOR処理をして、その後に3×3ブロックのAND処理をしてbk以外の作像時は、5×5ブロックのOR処理をして、その後は1×1ブロックのAND処理をする。なお、1×1のAND処理をする、と言うことは、その結果が処理前と同一になるので、何の処理もしないと言うことと同義である。膨張処理の結果は、文字エッジ信号としてデコード326dに出力する。
このように膨張処理をすることにより、分離結果が異なって文字の領域が薄くなることがなくなる。この膨張処理によって、文字の中部分が濃くなることがあるが、文字のエッジに対して文字のなかは薄いのと濃度は飽和しているので、違和感はない。
図18に、カラー複写によるカラー色剤の重なりを、模式的に拡大して示す。図18の(d)が、4色とも黒文字処理した理想の場合を示す。図18の(e)が、4色とも黒文字処理して、bkのみ補正がかからず、bk以外で補正がかかって薄くなった場合を示す。図18の(f)が、本実施例によってbkのみ黒文字処理した、好適な場合を示し、図18の(g)が、本実施例によってbkのみ黒文字処理して、bkのみ補正がかからず、bk以外で補正がかかった好適な場合を示す。
図18の(a)が、膨張量は同一で黒文字処理した理想の場合を示す。図18の(b)は、膨張量は同一で黒文字処理して印字位置がずれた場合(白く抜ける)を示す。図18の(c)が、bkの膨張量が大きい場合で、本実施例によって黒文字処理して印字位置がずれた場合を示す。
−文字なか判定326c−
文字なか判定326cは、エッジ抽出322,白領域抽出323,網点抽出324,色判定325および文字判定326aの結果を用いて、文字のなか領域か否を表す文字なか信号を生成する。文字なか信号を生成するために用いる処理と信号を、次に示す。
文字なか用文字信号:文字判定326aの、文字エッジ/非文字エッジをあらわす出力信号を5×5ブロックのOR処理をする。この出力を文字なか用文字信号と言う;
白ブロック黒文字信号A:文字なか用文字信号がアクティブ(文字エッジ)で、白領域抽出323の白ブロック補正323gの出力が白ブロック補正データありで、色判定325の結果がノンアクティブ(無彩:黒画素ブロック)の時に、白ブロック黒文字信号Aをアクティブとする。すなわち、「白ブロック黒文字」を示すものとする。この場合(白地に囲まれた黒文字)は、文字である確率が非常に高い;
高濃度黒領域信号B:白領域抽出323の黒ブロック化の3×3ブロックのORがアクティブ(黒)で、色判定325の結果がノンアクティブ(無彩)で、網点抽出324の結果がノンアクティブ(非網点)で、さらに、文字なか用文字信号がノンアクティブ(非文字エッジ)の時に、高濃度黒領域信号Bをアクティブにする。すなわち、「高濃度黒領域」を示すものとする。黒文字のなかは、濃度が濃いので、他の条件と組み合わせて文字なか判定をする;
黒文字信号C:文字なか用文字信号がアクティブ(文字エッジ)で、色判定325の結果がノンアクティブ(無彩)の時に、黒文字信号Cはアクティブ(黒文字)になる。このアクティブの黒文字部分は、文字のエッジである可能性が高く、その周辺に文字なかがある可能性が高い。
ここで、文字なか候補の判定について説明する。白ブロック黒文字信号A,高濃度黒領域信号Bおよび黒文字信号Cを用いて、文字なか候補信号Qを表現すると、次式のようになる:
Q24=(A21&A22&A23&A24)
#((Q13#Q23#Q14#Q15)&(B24#C24))
位置関係は図19に示した。記号の2桁の数字の上桁の数字の2は現在のラインy2を示し、1は1ライン前y1を示す。下桁の数字は、ライン上の画素位置xを示す。上式が表す処理を簡単に説明すると、白ブロック黒文字信号Aが連続して存在するとすなわちA21〜A24が全てアクティブであると、注目画素を文字なか候補であると仮定し、次に、文字なか候補確定の処理を開始する。すなわち、高濃度黒領域信号B24か黒文字信号C24の周辺に文字なか候補ありと判定した画素(Q13,Q23,Q14またはQ15)があると、注目画素も、文字なか候補と、判定を確定する。つまり、白ブロック文字信号A(アクティブ)が連続して存在するとこの条件をトリガーにして、文字なか候補の判定を開始する。
白地に囲まれた黒文字(白ブロック黒文字信号Aがアクティブ)の場合は、そこが文字である確率が非常に高く、白ブロック黒文字信号A(アクティブ)が連続して存在するのは、ほとんどすべて文字であるからである。黒文字信号A(アクティブ)は、文字のエッジである可能性が高く、「文字なか」がその周辺にある可能性が高いので、上述のように、文字なか候補(Q24:アクティブ)としている。この結果を文字なか候補として、デコード326dに出力する。文字なか候補が「文字なか」であるか否かを、デコード326dが最終的に判定する。
−デコード326d−
ここでは、文字なか候補(信号Q:アクティブ)から文字なか信号をつくる。文字なか信号は、文字エッジ信号でなく、文字なか候補であれば、文字なか信号あり(文字なか信号:アクティブ)と判定する。デコード326dが最終的に出力するC/P信号は、以下の表のようになる:
C/P信号 文字エッジ信号 文字なか信号 領域判定内容
0 なし なし 絵柄領域
1 なし あり 文字なか領域
2 − − −
3 あり × 文字エッジ領域
C/P=2を出力するケースは存在しない。
次に、再度図3を参照する。原稿認識320が発生するC/P信号およびB/C信号は、RGBフィルタ330,色補正340,変倍350,インターフェース352,UCR360,CMYBkフィルタ370,CMYBkγ補正380および階調処理390に、画像データに同期してカスケードに与えられる。
RGBフィルタ330は、RGBデータをMTF補正するフィルタであり、N×Nの画素マトリックスに対応する係数マトリクスと、各係数に各画像データを乗じて重み付け平均値を得るロジックで構成されている。C/P信号が3を表すもの(文字エッジ領域)である時には、鮮鋭化処理用の係数マトリクスを用い、0又は1を表すもの(文字なか領域又は絵柄領域)である時には平滑化処理用の係数マトリクスを用いて、重み付け平均値を導出し色補正340に出力する。色補正340は、R,G,Bデータを一次のマスキング処理等でC,M,Yデータに変換する。変倍350は、画像データに、主走査方向xの拡大・縮小または等倍処理を施す。
UCR360は、画像データの色再現を向上させるためのものであり、色補正340から入力したC,M,Yデータの共通部分をUCR(加色除去)処理してBkデータを生成し、C,M,Y,Bkデータを出力する。ここで、C/P信号が3(文字エッジ領域)以外の時(文字なか領域又は絵柄領域のとき)は、スケルトンブラック処理を行う。C/P信号が3(文字エッジ領域)の時は、フルブラック処理を行う。さらにC/P信号が3(文字エッジ領域)かつB/C信号がH(無彩領域)の時は、C,M,Yのデータをイレースする。これは、黒文字の時、黒成分のみで表現するためである。
また、UCR360の出力画像信号IMGは、一時点はC,M,Y,Bkのうち一色であり、面順次の一色出力である。すなわち、4回原稿読み取りを行うことにより、フルカラー(4色)データを生成する。また、白黒複写のときは、Bk作像一回でよいので、1回の原稿読み取りでよい。カラー原稿か、白黒原稿かの判定機構があれば、原稿に応じた読み取り回数ですむので、操作者が、原稿に応じてカラー原稿か白黒原稿かを判断して複写する必要がなくなる。本実施例では、B/C信号がカラー原稿か、白黒原稿かの判定に参照する信号である。原稿全面でB/C信号がH(無彩領域)であったときにメインコントローラ10が、白黒原稿と判定する。
CMYBkフィルタ370は、カラープリンタ400の周波数特性やC/P信号に応じて、N×Nの空間フィルタを用い、平滑化や鮮鋭化処理を行う。CMYBkγ補正380は、カラープリンタ400の周波数特性やC/P信号に応じて、γカーブを変更し処理する。C/P信号が0(絵柄領域)又は1(文字なか領域)の時は画像を忠実に再現するγカーブを用い、C/P信号が3(文字エッジ領域)の時はγカーブを立たせてコントラストを強調する。
階調処理390は、カラープリンタ400の階調特性やC/P信号に応じて、ディザ処理,誤差拡散処理等の量子化を行う。Bk作像の時は、C/P信号が0(絵柄領域)の時は階調重視の処理を行い、それ以外の時は解像力重視の処理を行う。Bk以外の作像の時は、C/P信号が0(絵柄領域)又は1(文字なか領域)の時は階調重視の処理を行い、それ以外の時は解像力重視の処理を行う。以上の処理をした画像データは、バッフアメモリを有するビデオコントロール359からカラープリンタ400に、その画像データ書込み動作に同期して、与えられる。
上記IPU300は、絵柄処理(C/P信号=0)の時は、RGBフィルタ330で平滑化処理を行い、UCR360でスケルトンブラックの処理を行い、CMYBkγ補正380ではリニア(階調性)を重視したカーブを選択し、CMYBkフィルタ370および階調処理390では階調を重視した処理を行う。
一方、文字処理(C/P信号=3でB/C信号=L)の時は、RGBフィルタ330でエッジ強調処理を行い、UCR360でフルブラック処理を行い、CMYBkγ補正380ではコントラストを重視したカーブを選択し、CMYBkフィルタ370および階調処理390では解像度を重視した処理を行う。
また、黒文字処理(C/P信号=3でB/C信号=H)として、Bkを除くC,M,Yの画像形成時には、C,M,Yデータを印字しない。これは、黒文字の周りが位置ずれのために色付くのを防ぐためである。また、この時のBkデータのRGBフィルタ330は色文字のときより、エッジ強調を強めにおこなってくっきりさせても良い。
さらに、文字なか処理(C/P信号=1)の時は、RGBフィルタ330で平滑化処理を行い、UCR360でスケルトンブラックの処理を行い、CMYBkγ補正380ではリニア(階調性)を重視したカーブを選択し、CMYBkフィルタ370では階調を重視した処理を行う。
このようにIPU300では、絵柄,文字エッジ,絵柄上の文字および文字なか処理の4種の処理を行う。
本発明の一実施例であるカラー複合機能複写装置の、機構の概要を示す縦断面図である。 図1に示す複写装置の電気系統のシステム構成を示すブロック図である。 図2に示すIPU300の機能構成を示すブロック図である。 図3に示す原稿認識320の機能構成を示すブロック図である。 図4に示す色画素判定325fの機能構成を示すブロック図である。 複写機で中間調表現に用いられることが多い万線パターンを示す拡大平面図である。 図4に示す黒画素連続検出322bおよび白画素連続検出322cで検出する画素分布を示す3×3画素マトリクスの拡大平面図である。 図4に示す第1網点ピーク検出324aが、網点検出に参照する画素を示す5×5画素マトリクスMPp,MPa〜MPfの拡大平面図、および、網点をカウントする4×4画素マトリクスを1ブロックがとする2×2ブロックパターンAMPの拡大平面図である。 注目画素の白/黒判定に参照する3×3画素マトリクスWBp/BBpと、図4に示すRGB白抽出323bの中の、3.)谷白画素検出で検出する画素分布を示す5×5画素マトリクスRDPa,RDPbの拡大平面図である。 図4に示す白判定323Cでの、周辺画素に白情報を伝播させる情報処理を示すフロチャートである。 LPAは白情報の伝播に使用するラインメモリのデータ書込み一を示す平面図、PMPa〜PMPdは、図4に示す白パターンマッチング323dで検出する画素分布を示す5×5画素マトリクスの拡大平面図、BCPは、図4に示す白補正323gで、4隅方向を白で囲まれているかを検出するために用いるブロックマトリクスの拡大平面図ある。 図4に示す白補正323gで、黒として間違いなく処理される黒突出領域Bp1〜とBp4を示す、黒画像の拡大平面図である。 カラー画像をカラースキャナで読んでR、G、B画像データを得るときの、画像データ間のずれを示すグラフであり、(a)は原稿上の黒領域を、(b)はそれを記録表現するブラック色材bkに宛てる画像データを、(c)はc,m,yの色材に当てる画像データを、模式的に示す。 図5に示すパターンマッチング325f6で、注目画素が色画素と判定する画素分布を示す5×5画素マトリクスの拡大図である。 図5に示すパターンマッチング325f6で、注目画素が色細線画素と判定する画素分布を示す5×5画素マトリクスの拡大図である。 図5に示すパターンマッチング325f6で、注目画素が白領域画素と判定する画素分布を示す5×5画素マトリクスの拡大図である。 図5に示す連続カウント325f23による色画素連続数の値を具体的に示す平面図である。 カラー複写によるカラー色剤の重なりを、模式的に拡大して示す拡大縦断面図である。 図4に示す文字なか判定326cで判定に参照するデータの分布を示す平面図である。
符号の説明
200:スキャナ 300:画像処理装置
400:プリンタ

Claims (1)

  1. 画像データに基づいて、それが表す画像の低濃度領域を検出する白地検出手段および高濃度領域を検出する黒地検出手段と、
    前記低濃度領域と高濃度領域の境界領域を検出して境界領域を白領域とする白補正手段、を含む白領域検出手段1と、
    低濃度領域で囲まれた領域を検出し、該領域も白領域とする白領域検出手段2と、
    前記白領域検出手段1、または、前記白領域検出手段2が前記白領域と検出しない領域を非文字エッジ領域とする非文字エッジ判定手段と、
    を備え、前記白地検出手段は、
    エツジ強調処理したG画像データに基づき低濃度である2値化白を検出する白データ検出手段
    RGB画像データの組合せに基づき低濃度である白地を検出する白地検出手段
    注目画素の周辺画素の、白の程度を示すデータである白地情報の最も白程度が高い白地情報を注目画素の白地情報に設定し、注目画素が前記白地との検出であると白地情報を高い白を表す値に設定し、前記白地を検出しない場合は、前記2値化白との検出であるときには前記白地情報を高白側に更新し、前記2値化白が非検出であるときには前記白地情報を低白側に更新して、1ライン前かつ注目画素の主走査位置より前の画素の白地情報のほうが注目画素の白地情報よりも白程度が低いものであると、該前の画素の白地情報をそれが表す白程度より弱い白程度に更新する、白判定手段および、
    生成された白地情報に基づいて画素が低濃度領域であるかを検出する低濃度領域検出手段を含む、
    画像処理装置。
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