JP4900175B2 - 画像処理装置及び方法並びにプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、画像処理装置及び方法並びにプログラムに関するものである。
従来より、種々の画像処理技術が知られている。例えば、コピー機、イメージスキャナ、ファクシミリなどで読み取った画像データを、より高画質に出力するために、画像補正処理を施す技術が知られている。また、このような技術に関連して、文字や網点といった画像の属性を判定する技術も知られている。
特開平4−304776号公報 特開平7−220072号公報
ところが、画像を表す画像データには多くの画素が含まれているので、画像属性判定処理の負荷が高い場合が多かった。なお、このような問題は、画像の属性を判定する場合に限らず、マトリクス状に配置された複数の画素で構成される画像の各画素の階調値を表す階調値データを処理する場合に共通の問題であった。
本発明は、上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、階調値データの処理の負荷を軽減することができる技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]マトリクス状に配置された複数の画素で構成される画像の各画素の階調値を表す階調値データを処理する画像処理装置であって、前記画像の所定の頂点の画素である基準画素と各画素とを対角とする矩形内の前記階調値の合計値に対応付けられた値を表す第1積分データを生成する積分データ生成部と、前記画像において、隣接する画素間の境界線を表す画素境界線で構成される任意の対象矩形で囲まれた対象矩形領域内の合計階調値と相関のある第1算出値を、前記第1積分データを用いて算出する処理を含む算出処理を実行する算出部と、前記算出処理の結果に従って、前記対象矩形領域に関する画像処理を実行する画像処理部と、を備え、前記第1算出値を算出する処理では、前記第1積分データにおける、前記画素境界線上にある前記対象矩形の4つの頂点に対して前記基準画素方向にそれぞれ隣接する4つの算出画素のそれぞれの階調値を用いて前記第1算出値を算出する、画像処理装置。
この構成によれば、第1積分データにおける4つの算出画素のそれぞれの階調値を利用することによって、対象矩形領域内の合計階調値と相関のある第1算出値が算出されるので、階調値データの処理の負荷を軽減することができる。
[適用例2]適用例1に記載の画像処理装置であって、前記積分データ生成部は、さらに、前記基準画素と各画素とを対角とする矩形内の前記階調値の2乗和に対応付けられた値を表す第2積分データを生成し、前記算出処理は、前記第2積分データにおける前記4つの算出画素のそれぞれの階調値を用いて、前記対象矩形領域内の前記階調値の2乗和と相関のある第2算出値を算出する処理を含む、画像処理装置。
この構成によれば、第2積分データにおける4つの算出画素のそれぞれの階調値を利用することによって、対象矩形領域内の階調値の2乗和と相関のある第2算出値が算出されるので、階調値データの処理の負荷を軽減することができる。
[適用例3]適用例2に記載の画像処理装置であって、前記算出処理は、さらに、前記第1算出値と前記第2算出値とを用いて、前記対象矩形領域内の前記階調値の分散と相関のあるバラツキ指標を算出する処理を含む、画像処理装置。
この構成によれば、対象矩形領域内の階調値の分散と相関のあるバラツキ指標の算出の負荷を軽減することができる。
[適用例4]適用例3に記載の画像処理装置であって、前記画像処理部は、前記バラツキ指標に従って、前記対象矩形領域内の所定位置の画素である対象画素に関し、前記対象画素が表す画像領域の種類に関する属性を判定する、画像処理装置。
この構成によれば、対象画素が表す画像領域の種類に関する属性の判定の負荷を軽減することができる。
[適用例5]適用例4に記載の画像処理装置であって、前記算出処理は、共通の対象画素に対応付けられるとともに、形状と大きさとの少なくとも一方が異なるN個(Nは2以上の整数)の対象矩形領域のそれぞれに関するバラツキ指標を算出する処理を含み、前記画像処理部は、前記N個のバラツキ指標に従って前記属性を判定する、画像処理装置。
この構成によれば、N個のバラツキ指標に従って属性が判定されるので、処理負荷を軽減しつつ、判定の精度を向上させることができる。
[適用例6]マトリクス状に配置された複数の画素で構成される画像の各画素の階調値を表す階調値データを処理する画像処理方法であって、前記画像の所定の頂点の画素である基準画素と各画素とを対角とする矩形内の前記階調値の合計値に対応付けられた値を表す第1積分データを生成する工程と、前記画像において、隣接する画素間の境界線を表す画素境界線で構成される任意の対象矩形で囲まれた対象矩形領域内の合計階調値と相関のある第1算出値を、前記第1積分データを用いて算出する処理を含む算出処理を実行する工程と、前記算出処理の結果に従って、前記対象矩形領域に関する画像処理を実行する工程と、を備え、前記第1算出値を算出する処理は、前記第1積分データにおける、前記画素境界線上にある前記対象矩形の4つの頂点に対して前記基準画素方向にそれぞれ隣接する4つの算出画素のそれぞれの階調値を用いて前記第1算出値を算出する処理を含む、画像処理方法。
[適用例7]マトリクス状に配置された複数の画素で構成される画像の各画素の階調値を表す階調値データを処理するためのコンピュータプログラムであって、前記画像の所定の頂点の画素である基準画素と各画素とを対角とする矩形内の前記階調値の合計値に対応付けられた値を表す第1積分データを生成する機能と、前記画像において、隣接する画素間の境界線を表す画素境界線で構成される任意の対象矩形で囲まれた対象矩形領域内の合計階調値と相関のある第1算出値を、前記第1積分データを用いて算出する処理を含む算出処理を実行する機能と、前記算出処理の結果に従って、前記対象矩形領域に関する画像処理を実行する機能と、をコンピュータに実現させるとともに、前記第1算出値を算出する処理は、前記第1積分データにおける、前記画素境界線上にある前記対象矩形の4つの頂点に対して前記基準画素方向にそれぞれ隣接する4つの算出画素のそれぞれの階調値を用いて前記第1算出値を算出する処理を含む、コンピュータプログラム。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、画像処理方法および装置、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、等の形態で実現することができる。
A.第1実施例:
本発明の実施例について説明する。
A−1.プリンタ10の概略構成:
図1は、本願の画像処理装置の実施例としてのプリンタ10の概略構成を示す説明図である。プリンタ10は、印刷機能の他に、スキャナ機能、コピー機能を備えた、いわゆる複合機プリンタである。プリンタ10は、制御ユニット20、キャリッジ移動機構60、キャリッジ70、紙送り機構80、スキャナ91、操作パネル96を備えている。
キャリッジ移動機構60は、キャリッジモータ62、駆動ベルト64、摺動軸66を備えており、摺動軸66に移動自在に保持されたキャリッジ70を、主走査方向に駆動させる。キャリッジ70は、インクヘッド71とインクカートリッジ72とを備えており、インクカートリッジ72からインクヘッド71に供給されたインクを、印刷用紙Pに吐出する。紙送り機構80は、紙送りローラ82、紙送りモータ84、プラテン86を備えており、紙送りモータ84が紙送りローラ82を回転させることで、プラテン86の上面に沿って印刷用紙Pを搬送する。スキャナ91は、光学的に画像を読み込むイメージスキャナであり、本実施例においては、CCD(Charge Coupled Devices)方式を用いたが、CIS(Contact Image Sensor)方式など種々の方式を用いることができる。
上述した各機構は、制御ユニット20により制御される。制御ユニット20は、CPU30、RAM40、ROM50を備えるマイクロコンピュータとして構成されており、ROM50に記憶されたプログラムをRAM40に展開して実行することで、上述の各機構の制御のほか、図1に示す機能部として機能する。これらの機能部の詳細については、後述する。
以上のような構成を有するプリンタ10は、スキャナ91によって読み取った画像を、印刷用紙Pに印刷することで、コピー機として機能する。なお、上述の印刷機構は、インクジェット式に限らず、レーザ式、熱転写式など、種々の印刷方式を用いることができる。
A−2.画像複製処理:
プリンタ10を用いて所定の画像のコピーを行う画像複製処理の流れを示すフローチャートを図2に示す。この処理は、ユーザが、コピーの対象とする画像(例えば、印刷物等の原稿)をプリンタ10にセットし、操作パネル96を用いてコピーの指示操作を行うことにより開始される。この処理が開始されると、CPU30は、画像入力処理として、スキャナ91を用いて、結像された光学像を電気信号に変換する(ステップS100)。そして、画像変換処理として、得られたアナログ信号をAD変換回路でデジタル信号に変換し、更に、画像全体が一様な明るさとなるようにシェーディング補正を行う(ステップS110)。
そして、得られた画像データ(「対象画像データ」とも呼ぶ)に対して、画素単位で領域の分類を行う(ステップS120)。この処理は、画像を構成する画素を、エッジ部分を構成する画素と、網点部分を構成する画素とに分類する処理であり、その詳細については、「A−3.領域分類処理」で後述する。
次に、CPU30は、画像補正部34の処理として、分類されたそれぞれの領域について、それに適した補正処理を行う(ステップS130)。この処理は、例えば、エッジ構成領域に分類された画素に対しては強調フィルタを用いて、網点構成領域に分類された画素に対しては平滑フィルタを用いて、空間フィルタリングを行う処理である。このような補正処理を行うことで、後述するステップS150の画像出力処理において、エッジ構成部分に対してはより鮮鋭に、網点構成部分に対してはモアレを抑制して出力することができる。
領域別補正処理を行うと、CPU30は、出力時に色合い等が再現できるように、ガンマ補正や、入力画像と出力画像の色情報の誤差を小さくする色補正などの全体補正処理を行い(ステップS140)、印刷制御部35の処理として、キャリッジ移動機構60、キャリッジ70、紙送り機構80等を駆動させて、画像を印刷用紙P上に出力する(ステップS150)。このようにして、画像の複製処理は完了する。
A−3.領域分類処理:
図2のステップS120に示した領域分類処理の流れを示すフローチャートを図3に示す。この処理が開始されると、CPU30は、まず、画像入力部31の処理として、上記ステップS110で得られた画像データ(ここでは、RGBデータ)をRAM40に読み込む(ステップS200)。
次のステップS205では、CPU30は、積分データ生成部32の処理として、対象画像データを解析することによって第1積分データID1(図1)と第2積分データID2(図1)とを生成する。画像データの読み込みをバンド単位で行う場合には、バンド単位で積分データID1、ID2を生成してもよい。CPU30は、生成した積分データID1、ID2をRAM40に格納する。積分データID1、ID2の詳細については、「A−4.積分データを利用した計算」で後述する。
次のステップS210では、CPU30は、領域分類部33に含まれる特徴量算出部332の処理として、注目画素を含む部分領域における輝度値の統計的分散(以下、単に「分散」と呼ぶ)を算出する。図4は、対象画像データSIと注目画素pix_kを示す概略図である。対象画像データSIは、水平方向(x方向)と垂直方向(y方向)に沿ってマトリクス状に配置された複数の画素pixのそれぞれの階調値を表している。以下、左上の頂点(隅)の画素(「基準画素pix_s」と呼ぶ)を基準に、+x方向と+y方向とのそれぞれの方向に画素が並んでいることとする。
図4中には、注目画素pix_kが示されている。注目画素pix_kは、その画素が、エッジ部分と網点部分とのいずれに該当するかという属性判定の対象の画素である。本実施例では、CPU30は、画像の左上隅の画素から右下隅の画素まで注目画素を順番に移動させて、各画素の属性を判定する。
後述するように、注目画素pix_kの判定には、注目画素pix_kを含む3つの部分領域SAk0、SAk1、SAk2のそれぞれにおける輝度値の分散が利用される。各領域SAk0〜SAk2は、注目画素pix_kを中心とする正方形の領域である(第1部分領域SAk0は5×5画素に対応し、第2部分領域SAk1は7×7画素に対応し、第3部分領域SAk2は9×9画素に対応している)。
CPU30は、以下の数式1に従って、各部分領域SAk0、SAk1、SAk2の分散を算出する。
Figure 0004900175
後述するように、CPU30は、第1積分データID1(図1)を利用することによって輝度値fの平均値E(f)を算出し、第2積分データID2を利用することによって輝度値fの2乗の平均値E(f2)を算出する。算出された分散は、次のステップS220で利用される。
次に、CPU30は、領域分類部33の領域判定部334(属性判定部334とも呼ぶ)の処理として領域判定処理(属性判定処理とも呼ぶ)を行い、注目画素がエッジ構成部分であるのか、それとも網点構成部分であるのかを判定する(ステップS220)。この属性判定処理の詳細については、「A−5.属性判定処理」において後述する。
そして、注目画素の属性を判定すると、CPU30は、その結果をRAM40に書き込む(ステップS240)。そして、対象画像データによって表される対象画像の全ての画素について、上記の処理が終了したか否かを判断し(ステップS250)、終了していなければ(ステップS250:NO)、処理を上記ステップS210に戻し、終了していれば(ステップS250:YES)、領域分類処理を終了して、処理を図2の画像複製処理に戻す。
A−4.積分データを利用した計算:
図5は、対象画像データSIと第1積分データID1との概略図である。以下、基準画素pix_sからx方向にxa番目、y方向にya番目の画素を、pix(xa、ya)で表す。また、その画素の輝度値をf(xa、ya)で表す。なお、xaの範囲は1〜Nxであり、yaの範囲は1〜Nyである(Nx、Nyは整数であり、対象画像データSIに応じて決まる)。また、画素が表す輝度値は、画素が表すRGBの階調値から公知の手法により求めることができる。
第1積分データID1は、対象画像データSIの各画素pixの輝度積分値(輝度値の合計値)を表している。或る画素pix(xt、yt)の輝度積分値p(xt、yt)は、以下の数式2で表される。
Figure 0004900175
この輝度積分値p(xt、yt)は、基準画素pix_sと、画素pix(xt、yt)との2つの画素が対角画素である矩形領域IAt内の輝度値の合計値を表している(図5では、矩形領域IAtにハッチングが付されている)。
図6は、第1積分データID1を利用した平均値算出を示す概略図である。図6は、図5と同じ対象画像データSIと第1積分データID1とを示している。各画像データSI、ID1には、注目画素pix_k(=pix(xk、yk))を中心とする対象矩形領域Adが示されている。この対象矩形領域Adのx方向の画素数Wは「2×dx+1」であり、y方向の画素数Hは「2×dy+1」である(dxは1以上の整数、dyは1以上の整数)。
また、図中には、対象矩形領域Adの4つの隅画素pix_a〜pix_dが示されている。第1隅画素pix_aは、基準画素pix_sに最も近い隅画素である。第4隅画素pix_dは、基準画素pix_sから最も遠い隅画素である。第2隅画素pix_bは、第1隅画素pix_aと同じ画素行に含まれる他の隅画素であり、第3隅画素pix_cは、第1隅画素pix_aと同じ画素列に含まれる他の隅画素である。
また、図6には、隅矩形領域ALが示されている。この隅矩形領域ALは、基準画素pix_sと第4隅画素pix_dとの2つの画素が対角画素である矩形領域である。この隅矩形領域ALは、直交する2本の直線L1、L2によって4つの領域Aa、Ab、Ac、Adに分割される。第1直線L1は、対象矩形領域Adの−y側の辺(隣接する画素間の境界線を表す画素境界線)を通るx方向と平行な直線であり、第2直線L2は、対象矩形領域Adの−x側の辺(画素境界線)を通るy方向と平行な直線である。第1領域Aaは、基準画素pix_sを含み、対象矩形領域Adの対角方向の左上(−xかつ−y側)に位置する矩形領域である。第2領域Abは、対象矩形領域Adの−y側に位置する矩形領域である。第3領域Acは、対象矩形領域Adの−x側に位置する矩形領域である。
図6の上部は、平均値E(f)の算出の比較例を示している。平均値E(f)は、対象矩形領域Adにおける輝度値fの平均値を表している。比較例では、対象矩形領域Ad内の各画素の輝度値が対象画像データSIから読み出され、合計値が算出される。そして、合計値を総画素数(W×H)で割ることによって、平均値E(f)が算出される。この場合には、1つの注目画素pix_kに関する平均値E(f)の算出に、H×W回の対象画像データSI(RAM40)に対するアクセスが必要である。例えば、H=9、W=9の場合には、81回のアクセスが要る。そして、81個の値の演算(加算)も要る。
図6の下部は、本実施例における平均値E(f)の算出を示している。図中には、平均値E(f)の算出に利用される4つの算出画素pix_1〜pix_4が示されている。CPU30は、これら4つの算出画素pix_1〜pix_4を、4つの隅画素pix_a〜pix_dの位置に従って選択する。
第1算出画素pix_1は、第1隅画素pix_aから、行(y方向位置)と列(x方向位置)とを基準画素pix_s側に1つずつシフトした位置の画素である。この第1算出画素pix_1の輝度積分値p(x1、y1)は、第1領域Aa内の輝度値の合計値を表している。
第2算出画素pix_2は、第2隅画素pix_bから、行(y方向位置)を基準画素pix_s側に1だけシフトした位置の画素である。この第2算出画素pix_2の輝度積分値p(x2、y2)は、第1領域Aaと第2領域Abとの全体の内の輝度値の合計値を表している。
第3算出画素pix_3は、第3隅画素pix_cから、列(x方向位置)を基準画素pix_s側に1だけシフトした位置の画素である。この第3算出画素pix_3の輝度積分値p(x3、y3)は、第1領域Aaと第3領域Acとの全体の内の輝度値の合計値を表している。
第4算出画素pix_4は、第4隅画素pix_dと同じである。第4算出画素pix_4の輝度積分値p(x4、y4)は、隅矩形領域AL全体の内の輝度値の合計値を表している。
これら4つの算出画素pix_1〜pix_4は、対象矩形領域Adの輪郭線(対象矩形領域Adを囲む矩形状の画素境界線)上の4つの頂点に対して基準画素pix_sの方向にそれぞれ隣接している。そして、CPU30は、これらの算出画素pix_1〜pix_4を利用し、以下の数式3に従って、平均値E(f)を算出する。
Figure 0004900175
この実施例では、HとWとの大きさに拘わらずに、第1積分データID1(RAM40)に対する4回のアクセスで、1つの注目画素pix_kに関する平均値E(f)を算出することができる。このように、実施例では、上述の比較例と比べて、RAM40に対するアクセス数を大幅に低減することができる。また、4つの値の演算(加算)で分子を算出することができるので、演算負荷を大幅に軽減することができる。
輝度値fの2乗(f2)の平均値E(f2)の算出も、輝度値fの平均値E(f)の算出と同様である。図3のステップS205で生成される第2積分データID2(図1)は、対象画像データSIの各画素pixの輝度2乗積分値psを表している。ある画素pix(xt、yt)の輝度2乗積分値ps(xt、yt)は、以下の数式4で表される。
Figure 0004900175
図3のステップS210では、CPU30は、上述した4つの算出画素pix_1〜pix_4の輝度2乗積分値psを第2積分データID2(RAM40)から取得し、以下の数式5に従って輝度値fの2乗の平均値E(f2)を算出する。
Figure 0004900175
図3のステップS210では、CPU30は、算出した平均値E(f)、E(f2)を利用して分散V(f)を算出する(数式1)。なお、第1部分領域SAk0(図4)の分散VAR0の算出では、dx=dy=2である(図6)。第2部分領域SAk1の分散VAR1の算出では、dx=dy=3である。第3部分領域SAk2の分散VAR2の算出では、dx=dy=4である。
A−5.属性判定処理:
図7は、図3のステップS220に示した領域判定処理(属性判定処理)の流れを示すフローチャートである。CPU30は、図7に示す各ステップS500〜S520の処理を、領域分類部33に含まれる領域判定部334の処理として実行する。このような属性判定処理も画像処理の一種である。そして、領域判定部334が、特許請求の範囲における「画像処理部」に相当する。
最初のステップS500では、CPU30は、注目画素が、網点部分を表しているか否かを、輝度値の分散を利用して判断する。
図8は、エッジ部分と網点部分との2つの部分領域における輝度値の例を示している。注目画素pix_kがエッジ部分を表す場合は、部分領域内で色が大きく変化するので、通常は輝度値の分散は大きい。注目画素pix_kが網点部分を表す場合は、部分領域内で色が周期的に変化する。ただし、網点部分での色の変化はエッジ部分と比べて小さい場合が多いので、通常は輝度値の分散はエッジ部分と比べて小さい。
図9(A)、9(B)、9(C)は、それぞれ、5×5画素、7×7画素、9×9画素の部分領域における分散のヒストグラムの例を示している(横軸は、標準偏差(分散の正の平方根)が均等に並ぶように設定されている)。各ヒストグラムは、網点部分とエッジ部分とのそれぞれの分散を示している。これらのヒストグラムは、様々な画像データの様々な領域の解析結果に従って作成されている。図示するように、網点部分とエッジ部分との間では、分散分布の偏りが互いに異なっている。従って、分散の大きさを閾値で判定することによって、エッジ部分と網点部分とを、或る程度の精度で判定できる。
さらに、複数の部分領域の分散を総合することによって、判定の精度を向上させることもできる。図10は、網点部分を表す部分領域の一例を示している。図中には、5×5画素、7×7画素、9×9画素のそれぞれの分散VARx0〜VARx2が示されている。図9の各ヒストグラムに示す分散VARx0〜VARx2は、図10に示すこれらの分散を示している。
図9に示すように、5×5画素の分散VARx0は、網点部分の典型的な分散分布における特に大きい値(頻度の比較的少ない値)を示している。その結果、この分散VARx0のみを利用する場合には、注目画素pix_kがエッジ部分であると誤判定する可能性が高くなる。一方、7×7画素の分散VARx1と、9×9画素の分散VARx2とは、典型的な分散分布におけるピークに近い値(頻度の比較的多い値)を示している。その結果、これらの分散VARx1、VARx2を利用すれば、誤判定の可能性を低減できる。
複数の部分領域のそれぞれの分散は、注目画素pix_kの周辺における色変化パターン(例えば、対象画像が表す被写体や網点サイズ)に従って変わる。その結果、複数の部分領域の内の判定に適した部分領域は、色変化パターンに従って変わり得る。例えば、9×9画素の分散よりも、5×5画素の分散を利用した方が、誤判定の可能性を低減できる場合もあり得る。
そこで、本実施例では、色変化パターンに拘わらずに判定精度を高めるために、CPU30は、サイズの異なる3つの部分領域SAk0、SAk1、SAk2(図4)のそれぞれの分散VAR0、VAR1、VAR2を利用して判定を行う。具体的には、CPU30は、以下の数式6に従って算出される評価値EVaが0以上の場合に、注目画素pix_kがエッジ部分であると判定し、評価値EVaが0未満の場合に、網点部分であると判定する。
Figure 0004900175
識別子tは、部分領域の識別子である。本実施例では、t=0が5×5画素に対応し、t=1は7×7画素に対応し、t=2は9×9画素に対応している。最大値Tは、識別子tの最大値である(本実施例では2)。係数Catは、各部分領域に対する重みを表す所定の正値である。閾値THatは、部分領域毎に予め決められた分散の閾値である。分散VARtは、各部分領域での分散である。符号関数signは、引数の符号を返す関数である。VARt>THatの場合にはsign=+1であり、VARt=THatの場合にはsign=0であり、VARt<THatの場合にはsign=−1である。
評価値EVaは、分散VARtが閾値THatよりも大きいか否かの判定結果を、各部分領域毎に重みを付けて足し合わせた値を表している。従って、図10に示す例のように一部の部分領域からは正しい判定結果が得られない場合であっても、さらに他の部分領域を利用することによって、正しい判定結果を得ることができる。これらの結果、色変化パターンに拘わらずに判定精度を高めることができる。なお、閾値THa0、THa1、THa2と係数Ca0、Ca1、Ca2とのそれぞれは、多数の画像を分析することで、予め、実験的、経験的に求められる。
CPU30は、評価値EVaを算出し、評価値EVaが0未満であるか否かを判定する(図7:S500)。CPU30は、評価値EVaが0未満であれば注目画素を網点部分と判断し(S510)、評価値EVaが0以上であれば注目画素をエッジ部分と判断する(S520)。そして、CPU30は、属性判定処理を終了し、図3に示した領域分類処理に処理を戻す。
以上のように、第1実施例では、サイズの異なる複数の部分領域のそれぞれの分散を利用して属性が判定される。すなわち、局所的な視点と大域的な視点との両方を考慮して属性が判定される。その結果、判定精度を高めることができる。また、積分データを利用して分散が算出されるので、対象画像データSIの複数の画素位置のそれぞれに関する分散を算出する場合であっても、メモリに対するアクセス数が過剰に多くなることを抑制できる。そして、演算負荷を軽減できる。
なお、本実施例においては、変化を検知しやすいことから、RGBの階調値から輝度の階調値を算出し、算出した輝度の階調値を用いて属性判定を行ったが、階調値は輝度に限るものではなく、色を表す階調値であればよい。例えば、画像データがYCbCr形式で与えられる場合には、輝度の階調値として画像データのY成分を直接用いてもよいし、Cb成分やCr成分を用いてもよいし、画素の階調値がRGB形式で与えられる場合にはR成分などを用いてもよい。
かかる構成のプリンタ10は、注目画素の周辺の所定範囲の画素群の分散を算出し、これを基に評価値EVaを算出し、その結果に基づいて注目画素の属性を判定する。したがって、分散計算を中心とした簡単な演算処理で、エッジ構成部分、網点構成部分といった画素の属性の判定を行うことができる。また、当該判定技術は、簡単な演算処理で構成されることから、ソフトウェアで安価に構成することができる。また、簡単な演算処理の組合せで構成されるので、SIMD(Single Instruction Multiple Data)向き並列処理として実装でき、高速処理が可能となる。例えば、画像データの読み込みと領域分類(判定)とを並列化してもよい。
B.第2実施例:
図11は、図3のステップS220に示した領域判定処理(属性判定処理)の別の実施例を示すフローチャートである。図7の実施例との差違は、網点部分とエッジ部分とに加えて、文字内部とその他との4種類の判定が行われる点である。なお、CPU30(図1)は、図11に示す各ステップS400〜S445の処理を、領域分類部33に含まれる領域判定部334の処理として、実行する。
最初のステップS400では、CPU30は、注目画素の色が背景色範囲に含まれているか否かを判定する。注目画素の色が背景色範囲に含まれている場合には、CPU30は、その注目画素を「その他」と判断する(S445)。背景色範囲は、対象画像の背景部分を表す色の範囲を示している。CPU30は、例えば、対象画像中の所定の縁部分(例えば、縁からの距離が20画素以内の部分)の平均色を中心とする所定サイズの色範囲を背景色範囲として採用する。例えば、白い紙を用いた印刷物を対象画像が表す場合には、紙の白色を表す色範囲が背景色範囲として採用される。この代わりに、所定の色範囲(例えば、輝度値が所定の閾値以上の色範囲)が背景色範囲として採用されてもよい。
次のステップS410、S420、S430では、CPU30は、注目画素が、文字内部、網点部分、エッジ部分のいずれに該当するかを、輝度値の分散を利用して判断する。
図12は、3つの部分領域における輝度値の例を示している。図8との差異は、文字内部が追加されている点だけである。注目画素pix_kが文字内部を表す場合は、しばしば部分領域内の各画素の色がほぼ同じであるので、通常は輝度値の分散は、網点部分と比べて小さい。
図13(A)、13(B)、13(C)は、それぞれ、3つの部分領域における分散のヒストグラムの例を示している。図9との差異は、文字内部のヒストグラムが追加されている点だけである。図示するように、文字内部と網点部分との間では、分散分布の偏りが互いに異なっている。従って、網点部分とエッジ部分との判定と同様に、分散の大きさを閾値THb0、THb1、THb2で判定することによって、文字内部と網点部分とを、或る程度の精度で判定できる。
図11のステップS410では、CPU30(図1)は、図7と同様の方法で、注目画素が「文字内部」であるか否かを判定する。ステップS420は、図7のステップS500と同じである(注目画素が「網点部分」であるか否かの判定)。ステップS430では、CPU30は、図7と同様の方法で、注目画素が「エッジ部分」であるか否かを判定する。ステップS430では、分散が過剰に大きい場合に、注目画素がエッジ部分では無いと判定される。ただし、ステップS430を省略してもよい。この場合には、背景でもなく文字内部でもなく網点部分でもないと判断された画素の全てが、エッジ部分であると判断される。
なお、ステップS410、S430のそれぞれの判定には、上述の評価値EVa(数式6)と同様の評価値が利用される。ステップS410では、CPU30は、評価値が0未満の場合に、注目画素が文字内部であると判定し、評価値が0以上の場合に、文字内部では無いと判定する。ステップS430では、CPU30は、評価値が0未満の場合に、注目画素がエッジ部分であると判定し、評価値が0以上の場合に、エッジ部分では無いと判定する。各評価値の算出に利用される係数(係数Catに相当)と閾値(閾値THatに相当)とは、多数の画像を分析することで、予め、実験的、経験的に求められる。
図14は、文字と網点とを表す画像部分IPの判定結果の概略図である。第1パターンP1は、各画素がエッジ部分か否かを表す2値パターンである。第2パターンP2は、各画素が文字内部か否かを表す2値パターンである。第3パターンP3は、各画素が網点部分か否かを表す2値パターンである。第4パターンP4は、各画素がその他か否かを表す2値パターンである。図中では、各部分に該当する画素が実線またはハッチングで表されている。図示するように、文字の輪郭を表す画素はエッジ部分と判定され、文字の内部を表す画素は文字内部と判定され、網点画像を表す画素は網点部分と判定され、背景はその他と判定される。
図3のステップS240では、CPU30は、領域判定部334の処理として判定結果をRAM40に書き込む。書き込まれる判定結果としては、例えば、図14に示す4つの2値パターンデータを採用してもよく、また、各画素が4つの属性のいずれであるかを示す4値パターンデータを採用してもよい。
図2のステップS130では、CPU30は、RAM40に格納された判定結果を利用して各画素の属性を特定し、各画素に対してその属性に適した補正処理を行う。例えば、「文字内部」に対して平滑化処理を実行してもよい。こうすれば、文字内の色のバラツキを低減し、文字を見やすくすることができる。ただし、「文字内部」に対する補正処理を省略してもよい。また、「その他」に対しては、平滑化処理を実行してもよい。こうすれば、背景のノイズを低減できる。ただし、その他に対する処理を省略してもよい。
C.変形例:
なお、上記各実施例における構成要素の中の、独立クレームでクレームされた要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
変形例1:
上述の各実施例において、判定される属性の総数は2や4に限らず、任意の複数を採用可能である。例えば、図11の実施例において、ステップS400、S430、S445を省略してもよい。なお、画素の属性としては、画素が表す画像領域の種類に関する種々の属性を採用可能であり、例えば、文字内部、エッジ部分、網点部分、写真画像部分などを採用可能である。
変形例2:
上述の各実施例において、1つの部分領域を利用して判定を行ってもよい。ただし、N個(Nは2以上の整数)の部分領域を利用すれば、精度を向上できる。また、N個の部分領域としては、図4に示す部分領域SAk0、SAk1、SAk2に限らず、形状と大きさとの少なくとも一方が異なる種々の矩形領域を採用可能である。例えば、9×9画素と11×11画素と13×13画素との3つの部分領域を利用してもよい。また、正方形に限らず縦と横の長さが異なる長方形を採用してもよい。例えば、5×7画素と7×5画素との2つの部分領域を採用してもよい。いずれの場合も、注目画素pix_kが部分領域の中心画素でなくてもよい。ただし、注目画素pix_kを含む矩形領域を採用することが好ましい。
また、属性判定に利用される値としては、分散に限らず、分散と相関のある種々の値(「バラツキ指標」に相当する)を採用可能である。例えば、標準偏差を利用してもよい。この場合も、CPU30は、積分データを利用して平均値E(f)、E(f2)を算出し、これらの平均値E(f)、E(f2)を利用して標準偏差を算出すれば、高速に判定を実行可能である。
また、上述の各実施例において、属性判定に利用される評価値としては、数式6に示す値に限らず、M個(Mは1以上の整数)の部分領域のM個のバラツキ指標(例えば分散)を総合することによって算出される種々の値を採用可能である。例えば、M個のバラツキ指標の重み付き合計値を評価値として採用してもよい。いずれの場合も、評価値と所定の閾値との比較結果に従って、その閾値に対応付けられた属性を注目画素が表しているか否かを判定可能である。そして、複数の属性のそれぞれに関してこのような判定を行うことによって、複数の属性の判定が可能である。ここで、評価値の算出方法が、属性毎に異なっていても良い。
また、M個(Mは1以上の整数)のバラツキ指標を利用した属性判定方法としては、上述のような評価値と閾値とを比較する方法に限らず、種々の方法を採用可能である。例えば、M個のバラツキ指標と属性との対応関係を表すルックアップテーブルを利用してもよい。このようなテーブルは、多数の画像を分析することで、予め、実験的、経験的に求められる。
変形例3:
上述の各実施例において、第1積分データID1の各画素値(階調値)としては、輝度積分値p(合計輝度値)そのものに限らず、輝度積分値pに対応付けられた種々の値を採用可能である。すなわち、輝度積分値pに換算可能な種々の値を採用可能である。例えば、輝度積分値pを、矩形領域IAt(図5)の総画素数で割った値(すなわち、平均値)を採用してもよい。こうすれば、第1積分データID1の格納に要するメモリ容量を大幅に低減できる。また、この場合も、CPU30は、画素位置から総画素数を容易に特定することができるので、第1積分データID1の各画素値(平均値)から、輝度積分値pを容易に算出可能である。このように、第1積分データID1の画素値としては、その画素値と画素位置(行位置と列位置との少なくとも一方)との関数によって輝度積分値pが算出され得るような値を採用してもよい。
また、第1積分データID1から算出される第1算出値としては、平均輝度値E(f)に限らず、対象矩形領域Ad(図6)内の合計階調値と相関のある種々の値を採用可能である。例えば、対象矩形領域Ad内の合計輝度値を採用してもよい。
また、第1積分データID1から第1算出値を算出する方法としては、第1積分データID1から得られる4つの算出画素の輝度積分値pを利用する方法に限らず、種々の方法を採用可能である。例えば、第1積分データID1が平均輝度値を表している場合を考える。この場合には、4つの算出画素pix_1〜pix_4(図6)の平均輝度値のそれぞれに矩形領域IAt(図5)の総画素数に応じた重みを付して加減算することによって、対象矩形領域Ad内の平均輝度値を算出してもよい。例えば、120画素の平均輝度値が30であり、その120画素の内の40画素の平均輝度値が50であると仮定する。ここで、残りの80画素の平均輝度値は以下の演算で算出される。平均輝度値=30×(120/80)−50×(40/80)=30×1.5−50×0.5=45−25=20。このような演算を4つの算出画素について繰り返すことによって、対象矩形領域Ad内の平均輝度値を算出することができる。さらに、得られた平均輝度値に対象矩形領域Adの総画素数を乗じることによって、対象矩形領域Ad内の合計輝度値を算出することもできる。
以上の第1積分データID1に関する説明は、第2積分データID2についても同様である。この場合、以上の説明において、輝度積分値(合計輝度値)が輝度値の2乗和に置換され、平均輝度値が2乗の平均値に置換される。また、以上の説明は、階調値として輝度値以外の値(例えば、Cb成分やCr成分や色相値や彩度値)を利用する場合についても同様である。
変形例4:
上述の各実施例において、積分データを利用した算出結果に従った画像処理としては、属性判定に限らず、対象矩形領域に関する種々の画像処理を採用可能である。例えば、ユーザによって指定された矩形領域の明るさを調整する処理を採用可能である。ここで、その矩形領域内の平均輝度値に対する所定の目標値の比率を、その矩形領域内の各画素の輝度値に乗じる場合がある。この場合には、平均輝度値の算出に積分データを利用すればよい。ここで、平均輝度値の代わりに、矩形領域内の合計輝度値と、矩形領域内の輝度値の2乗和と、矩形領域内の輝度値の2乗の平均値との内のいずれか1つを利用してもよい。これらのいずれのパラメータも、上述したように、積分データを利用することによって容易に算出することができる。また、ユーザによって指定された矩形領域のコントラストを調整する処理を採用可能である。ここで、その矩形領域内の輝度値のバラツキ指標(例えば分散)が小さいほどコントラスト調整の強度が強い強度に設定される場合がある。この場合には、バラツキ指標の算出に積分データを利用すればよい。
変形例5:
上述の各実施例において、分類された領域(属性)毎の処理としては、画像補正処理(画質調整処理)に限らず、種々の処理を採用可能である。例えば、各属性毎に異なる圧縮率でデータを圧縮してもよい。
また、積分データを利用した算出結果に従った画像処理後の階調値データの用途としては、印刷に限らず、種々の用途を採用可能である。例えば、ディスプレイ装置に画像を表示してもよく、画像データを含むデータファイルをユーザに提供してもよい。この場合、属性毎の補正処理後の画像をディスプレイに表示してもよい。また、属性毎の補正処理後の階調値データを含むデータファイルをユーザに提供してもよい。また、各画素の属性を表すフラグが付加された画像データを含むデータファイルをユーザに提供してもよい。
変形例6:
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこうした実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を脱しない範囲において、種々なる態様で実施できることは勿論である。例えば、本発明の画像処理装置は、実施例に示したプリンタ複合機に限らず、プリンタ単独機、デジタル複写機、イメージスキャナなど各種デジタル機器に搭載することができる。また、画像処理装置としての構成に限らず、画素が表す画像領域の種類に関する属性を判定する判定方法や、コンピュータプログラム等の形態でも実現することができる。
変形例7:
上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、図1の特徴量算出部332の機能を、論理回路を有するハードウェア回路によって実現してもよい。
また、本発明の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータプログラム)は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
本願の画像処理装置の実施例としてのプリンタ10の概略構成を示す説明図である。 画像複製処理の流れを示すフローチャート。 領域分類処理の流れを示すフローチャート。 対象画像データSIと注目画素を示す概略図である。 対象画像データSIと第1積分データID1との概略図である。 第1積分データID1を利用した平均値算出を示す概略図である。 領域判定処理(属性判定処理)の流れを示すフローチャートである。 部分領域における輝度値の例を示す説明図。 分散のヒストグラムの例を示す説明図。 網点部分を表す部分領域の一例を示す説明図。 領域判定処理(属性判定処理)の別の実施例を示すフローチャートである。 3つの部分領域における輝度値の例を示す説明図。 分散のヒストグラムの例を示す説明図。 文字と網点とを表す画像部分IPの判定結果の概略図である。
符号の説明
10…プリンタ
20…制御ユニット
30…CPU
31…画像入力部
32…積分データ生成部
33…領域分類部
34…画像補正部
35…印刷制御部
40…RAM
50…ROM
60…キャリッジ移動機構
62…キャリッジモータ
64…駆動ベルト
66…摺動軸
70…キャリッジ
71…インクヘッド
72…インクカートリッジ
80…紙送り機構
82…ローラ
84…モータ
86…プラテン
91…スキャナ
96…操作パネル
332…特徴量算出部
334…領域判定部(属性判定部)
P…印刷用紙
ID1…第1積分データ
ID2…第2積分データ

Claims (7)

  1. マトリクス状に配置された複数の画素で構成される画像の各画素の階調値を表す階調値データを処理する画像処理装置であって、
    前記画像の所定の頂点の画素である基準画素と各画素とを対角とする矩形内の前記階調値の合計値に対応付けられた値を表す第1積分データを生成する積分データ生成部と、
    前記画像において、隣接する画素間の境界線を表す画素境界線で構成される任意の対象矩形で囲まれた対象矩形領域内の合計階調値と相関のある第1算出値を、前記第1積分データを用いて算出する処理を含む算出処理を実行する算出部と、
    前記算出処理の結果に従って、前記対象矩形領域に関する画像処理を実行する画像処理部と、
    を備え、
    前記第1算出値を算出する処理では、前記第1積分データにおける、前記画素境界線上にある前記対象矩形の4つの頂点に対して前記基準画素方向にそれぞれ隣接する4つの算出画素のそれぞれの階調値を用いて前記第1算出値を算出する、
    画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置であって、
    前記積分データ生成部は、さらに、前記基準画素と各画素とを対角とする矩形内の前記階調値の2乗和に対応付けられた値を表す第2積分データを生成し、
    前記算出処理は、前記第2積分データにおける前記4つの算出画素のそれぞれの階調値を用いて、前記対象矩形領域内の前記階調値の2乗和と相関のある第2算出値を算出する処理を含む、
    画像処理装置。
  3. 請求項2に記載の画像処理装置であって、
    前記算出処理は、さらに、前記第1算出値と前記第2算出値とを用いて、前記対象矩形領域内の前記階調値の分散と相関のあるバラツキ指標を算出する処理を含む、
    画像処理装置。
  4. 請求項3に記載の画像処理装置であって、
    前記画像処理部は、前記バラツキ指標に従って、前記対象矩形領域内の所定位置の画素である対象画素に関し、前記対象画素が表す画像領域の種類に関する属性を判定する、
    画像処理装置。
  5. 請求項4に記載の画像処理装置であって、
    前記算出処理は、共通の対象画素に対応付けられるとともに、形状と大きさとの少なくとも一方が異なるN個(Nは2以上の整数)の対象矩形領域のそれぞれに関するバラツキ指標を算出する処理を含み、
    前記画像処理部は、前記N個のバラツキ指標に従って前記属性を判定する、
    画像処理装置。
  6. マトリクス状に配置された複数の画素で構成される画像の各画素の階調値を表す階調値データを処理する画像処理方法であって、
    前記画像の所定の頂点の画素である基準画素と各画素とを対角とする矩形内の前記階調値の合計値に対応付けられた値を表す第1積分データを生成する工程と、
    前記画像において、隣接する画素間の境界線を表す画素境界線で構成される任意の対象矩形で囲まれた対象矩形領域内の合計階調値と相関のある第1算出値を、前記第1積分データを用いて算出する処理を含む算出処理を実行する工程と、
    前記算出処理の結果に従って、前記対象矩形領域に関する画像処理を実行する工程と、
    を備え、
    前記第1算出値を算出する処理は、前記第1積分データにおける、前記画素境界線上にある前記対象矩形の4つの頂点に対して前記基準画素方向にそれぞれ隣接する4つの算出画素のそれぞれの階調値を用いて前記第1算出値を算出する処理を含む、
    画像処理方法。
  7. マトリクス状に配置された複数の画素で構成される画像の各画素の階調値を表す階調値データを処理するためのコンピュータプログラムであって、
    前記画像の所定の頂点の画素である基準画素と各画素とを対角とする矩形内の前記階調値の合計値に対応付けられた値を表す第1積分データを生成する機能と、
    前記画像において、隣接する画素間の境界線を表す画素境界線で構成される任意の対象矩形で囲まれた対象矩形領域内の合計階調値と相関のある第1算出値を、前記第1積分データを用いて算出する処理を含む算出処理を実行する機能と、
    前記算出処理の結果に従って、前記対象矩形領域に関する画像処理を実行する機能と、
    をコンピュータに実現させるとともに、
    前記第1算出値を算出する処理は、前記第1積分データにおける、前記画素境界線上にある前記対象矩形の4つの頂点に対して前記基準画素方向にそれぞれ隣接する4つの算出画素のそれぞれの階調値を用いて前記第1算出値を算出する処理を含む、
    コンピュータプログラム。
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