JP2003019763A - プリフォーム、成形方法、炭素繊維強化プラスチックおよび航空機構造部材 - Google Patents

プリフォーム、成形方法、炭素繊維強化プラスチックおよび航空機構造部材

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Abstract

(57)【要約】 【課題】安価で、生産性が良く、かつ靭性および信頼性
に優れるCFRPが得られるプリフォーム、その成形方
法、炭素繊維強化プラスチックおよび航空機構造部材を
提供すること。 【解決手段】引張弾性率が210GPa以上で、かつ破
壊歪みエネルギーが40MJ/m3 以上の炭素繊維から
なる多軸布帛が複数枚積層され、該多軸布帛の層間には
層間靭性補強材が配置されていることを特徴とするプリ
フォーム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は繊維強化プラスチッ
ク(以下FRPと呼称することがある)の成形に用いる
プリフォームに関し、さらに詳しくは炭素繊維強化プラ
スチック(以下CFRPと呼称することがある)の成形
に用いるプリフォーム、その成形方法、およびCFRP
からなる航空機構造部材に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、スーパジャンボ機の開発や亜音速
機の開発などが矢継ぎ早に発表され、民間航空機も大き
く変革しようとしている。これらの革新機の材料および
構造材の技術的課題は、機械的特性を十分に満足してか
つ画期的な軽量化と徹底したコストダウンであり、とく
に軽量化を達成するため、主翼や胴体などの、これまで
CFRPが使用されていなかった1次構造材まで材料転
換を図る必要に駆られている。さて、連続炭素繊維から
なる繊維強化プラスチックは、繊維軸方向の機械的特性
には優れるが、繊維軸から離れるに従い、機械的特性は
急激に低下する。この対策として、たとえば、機械的特
性が疑似等方性基材となるように、一方向に並行に繊維
配列し、あらかじめマトリックス樹脂が含浸された一方
向プリプレグを用い、繊維軸方向がFRP成形体の長さ
(0゜)方向、幅(90゜)方向や斜めの−45゜方向
および+45゜方向となるようにプリプレグが積層さ
れ、成形されたものが使用されている。しかし、航空機
の構造材には、滑走の際の胴体主翼や尾翼への小石の飛
散、主翼への鳥の衝突や、航空機の組み立てや修理の際
の主翼上面への工具の落下などにより部分的な衝撃が加
わることがある。このような衝撃が、上記した炭素繊維
シートが積層されたCFRP板の厚さ方向に加わると、
各層の機械的特性に大きな異方性があるため、衝撃によ
って炭素繊維の破壊と同時にCFRP板の層間にクラッ
クが発生し層間が剥離することがある。このような層間
が剥離したCFRP板に圧縮力が作用すると、クラック
が進展して圧縮強度が大幅に低下する現象が発生するこ
とがある。この対策として、たとえばプリプレグの表面
に熱可塑性粒子を付着させ、成形した積層体の層間に粒
子を配すことで、衝撃によるクラックの伝播エネルギー
を粒子に吸収させたり、粒子の存在によって形成される
層間の樹脂層を破壊させることによってエネルギー吸収
し、層間剥離の面積を小さくすることが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た層間剥離の面積を小さくする方法では、下記a〜fの
ような理由によりCFRP構造材の製造コストが高くな
る等の問題があった。 a.樹脂をあらかじめ含浸させるプリプレグ工程が必要
である。 b.熱可塑性粒子の粒子径を小さくする必要があるが、
粒子径が均一な熱可塑性粒子を製造するコストが高い。 c.各方向に配列した全てのプリプレグに熱可塑性粒子
層が必要となり、粒子の使用量が多くなる。 d.熱可塑性粒子をプリプレグの樹脂表面に均一に付着
させるため、プリプレグの加工速度が遅くなったり、ま
た、マトリックス樹脂に粒子が分散した樹脂フイルムを
作製することが必要で、工程が煩雑となる。 e.航空機の1次構造材として使用する場合、板厚が厚
くなる。 f.オートクレーブ成形されるから、大きなオートクレ
ーブが必要となり、設備費用がかさみ、またオートクレ
ーブの大きさによっ成形体の寸法の制約があった。
【0004】本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、
安価で、生産性が良く、かつ靭性および信頼性に優れる
CFRPが得られるプリフォーム、その成形方法、炭素
繊維強化プラスチックおよび航空機構造部材を提供せん
とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、 (1)引張弾性率が210GPa以上で、かつ破壊歪み
エネルギーが40MJ/m3 以上の炭素繊維からなる多
軸布帛が複数枚積層され、該多軸布帛の層間には層間靭
性補強材が配置されていることを特徴とするプリフォー
ム。 (2)前記炭素繊維の引張弾性率が280GPaを超え
500GPa未満であり、かつ破壊歪みエネルギーが5
3MJ/m3 以上であることを特徴とする(1)に記載
のプリフォーム。 (3)前記多軸布帛が布帛の長さ方向に対して0゜、+
α゜、90゜、−α゜(ここでαは0を越え90未満で
ある)を含む方向に配列した層をステッチ糸で一体化さ
れている多軸ステッチ布帛であることを特徴とする
(1)または(2)に記載のプリフォーム。 (4)前記多軸布帛が布帛の長さ方向に対して0゜、+
α゜、90゜、−α゜(ここでαは0を越え90未満で
ある)を含む方向に配列した層を、0゜方向に配列する
連結糸の交錯により一体化されてなる多軸織物であるこ
とを特徴とする(1)または(2)に記載のプリフォー
ム。 (5)前記バイアス角度α゜が45゜であることを特徴
とする(3)または(4)に記載のプリフォーム。 (6)多軸布帛と層間靭性補強材がステッチ手段または
接着手段で一体化していることを特徴とする(1)〜
(6)のいずれかに記載のプリフォーム。 (7)前記層間靭性補強材が不織布であることを特徴と
する(1)〜(6)のいずれかに記載のプリフォーム。 (8)前記層間靭性補強材が熱可塑性樹脂からなるメッ
シュであることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか
に記載のプリフォーム。 (9)前記層間靭性補強材が熱可塑性樹脂からなる粒子
であることを特徴とする(1)から(6)のいずれかに
記載のプリフォーム。 (10)(1)〜(9)のいずれかに記載のプリフォー
ムを使用し、炭素繊維強化プラスチックを成形する方法
であって、下記A.B.C.のいずれかの方法で樹脂を
真空含浸させることを特徴とする成形方法。 A.プリフォームを成形型に積層し、これらをバックフ
イルムで覆い、バックフイルム内部を真空に保ちながら
樹脂を注入、含浸させる方法。 B.プリフォームを雌型(または雄型)に積層した後、
雄型(または雌型)で型締めし、キャビティ内を真空に
保ちながら樹脂を注入し、含浸させる方法。 C.プリフォームを成形型に積層し、さらに前記積層体
にマトリックス樹脂となる樹脂フイルム層を積層し、こ
れらをバックフイルムで覆い、バックフイルム内部を真
空に保ちながら樹脂を注入し、含浸させる方法。 (11)(10)に記載の成形方法によって得られる炭
素繊維強化プラスチック。 (12)(11)に記載の炭素繊維強化プラスチックか
らなることを特徴とする航空機構造部材。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いる炭素繊維はマルチ
フィラメント糸であって、PAN系の炭素繊維や、ピッ
チ系の炭素繊維などのいずれであってもよいが、下記の
特性を有する高靭性炭素繊維が使用される。すなわち、
JIS R7601に準拠して測定される引張弾性率
(E:GPa)が210GPa以上であり、かつ、破壊
歪みエネルギー(W:MJ/m3 =106 ×J/m3
が40MJ/m3 以上の炭素繊維である。
【0007】なお、ここで、破壊歪みエネルギー(W)
とは、JIS R7601に準拠して測定される引張強
度(σ:GPa)と、上記した引張弾性率(E)とを用
いて、次式:W=σ2 /2Eに基づいて算出される値の
ことをいう。引張弾性率(E)が210GPa未満の炭
素繊維を用いた場合、構造材の撓み量が許容されるよう
にするには、構造材の板厚を大きくしなければならず、
重くなってしまう。また、衝撃が加わった場合、積層板
の撓み量が大きくなり、交差積層された層間に大きな引
き剥がし力が働き、クラックが大きくなり、衝撃による
圧縮強度低下も大きいため好ましくない。より好ましく
は、炭素繊維の引張弾性率は280GPaを超え500
GPa未満である。500GPa以上になると炭素繊維
の破断伸度が小さくなることがある。
【0008】また、本発明には破壊歪みエネルギー
(W:MJ/m3 )が40MJ/m3 以上の炭素繊維を
使用する。破壊歪みエネルギーが40MJ/m3 未満で
あると、積層板に衝撃が加わった際、炭素繊維の破壊に
よって吸収される衝撃エネルギーが小さいので、エネル
ギーは層間のマトリックス樹脂層の破壊によって吸収さ
れ、クラックも大きくなるので好ましくない。40MJ
/m3 以上であると炭素繊維の破壊によって吸収される
衝撃エネルギーが大きくなり、クラック発生に費やされ
るエネルギーが小さく、したがってクラックの大きさも
小さく、圧縮強度の低下も小さくすることができる。よ
り好ましくは、破壊歪みエネルギーが53MJ/m3
上であると、衝撃による損傷面積も小さくなり、信頼性
に優れた構造部材となる。
【0009】本発明に使用する炭素繊維を糸条とした炭
素繊維糸条の太さはとくに限定されないが、好ましくは
3,000〜100,000フイラメント程度である。
とくに、太い炭素繊維糸条を用いると、炭素繊維が安く
なるので安価な布帛が得られ好ましい。炭素繊維糸条の
太さは、より好ましくは12,000〜100,000
フイラメントであり、この場合は、ステッチ糸による一
体化加工前に炭素繊維糸条をローラの揺動操作やエアー
・ジェット噴射で薄く拡げると、布帛の全面にわたり炭
素繊維の密度が均一となり、表面が平滑なFRPが得ら
れるので好ましい。炭素繊維糸条の太さが12,000
〜24,000フイラメンであると、安価でかつ繊維分
散が均一な多軸布帛が得られるので特に好ましい。
【0010】上記した炭素繊維糸条には0.2〜0.8
重量%以下のサイジング剤を付着させておくことが好ま
しい。サイジング剤の付着量が0.2重量%未満である
と、炭素繊維糸条が巻かれたボビンをカートンケースか
ら取り出す際や、ボビンをステッチm/cや織機のクリ
ールに掛ける際のハンドリングで、ボビンの最外層や側
面の炭素繊維が毛羽立つことがある。また、0.8重量
%を超えると、炭素繊維糸条内での炭素繊維同士のサイ
ジング剤による付着が強いので、ステッチ・ニードルが
高速で貫通すると、ニードル貫通部の炭素繊維がニード
ルの左右に動くことによって逃げることができず、まと
もに炭素繊維がニードルと衝突して、切断してしまうこ
とがある。また、とくに航空機の1次構造材の場合、部
材厚みが大きくなるので、プリフォームも厚くなり、樹
脂の含浸も悪くなる傾向となる。0.2〜0.8重量%
以下のサイジング剤量であれば、炭素繊維同士のサイジ
ング剤による付着が適度であり、ステッチ・ニードルが
高速で貫通しても、ニードル貫通部の炭素繊維が左右に
動くことによって逃げることができるので好ましい。ま
た、炭素繊維同士のサイジング剤による付着が適度であ
るから、ニードルやステッチ糸の挿入によって、糸束が
拡がり、凸凹が少ない、表面が平滑な布帛が得られるの
で、成形で表面が平滑なFRPとなる。また、プリフォ
ームが厚くなっても比較的樹脂の含浸が容易である。
【0011】本発明に使用する多軸布帛は、引張弾性率
が210GPa以上で、かつ破壊歪みエネルギーが40
MJ/m3 以上の炭素繊維からなる多軸布帛である。本
発明のプリフォームは、該多軸布帛が複数枚積層された
ものであり、該多軸布帛の層間には層間靭性補強材が配
置されているものである。該層間靭性補強材によって衝
撃エネルギーの吸収が可能となり、高強度の成形品を与
えるプリフォームを得ることができる。
【0012】次に図を使用して、本発明の好ましい態様
を説明する。図1は、本発明に係るプリフォームの好ま
しい1態様を示す概略斜視図である。炭素繊維からなる
多軸布帛21 と多軸布帛22 が積層され、多軸布帛21
と多軸布帛22 の層間には層間靭性補強材3が配置され
てプリフォーム1が形成されている。ここで、図1では
多軸布帛が2層の例について説明したが、本発明では2
層に限定するものではなく、構造材のCFRPの厚みに
より積層数を適宜選択することが出来る。なお、積層す
る多軸布帛の種類は特に限定されないが、好ましくは同
種の布帛、つまりステッチ布帛の場合は全てがステッチ
布帛であり、織物の場合は全てが織物であることが好ま
しい。なお、多軸布帛21 ,22 は、層間靭性補強材3
とステッチ手段または接着手段で一体化しているのが好
ましい。たとえば層間靭性補強材3に使用するタッキフ
ァイヤーや芯鞘型繊維の低融点成分による融着などで、
多軸布帛2と層間靭性補強材3を接着または付着により
一体化させておくと、プリフォームの運搬などで、炭素
繊維糸条の配向が乱れたり多軸布帛の積層位置がずれる
ことがないので、成形が容易となり好ましいものであ
る。
【0013】図2は、本発明に使用する多軸布帛として
の多軸ステッチ布帛の好ましい1態様を示す概略斜視図
である。図2は、詳しくは、多軸布帛が布帛の長さ方向
に対して0゜、+α゜、90゜、−α゜(ここでαは0
を越え90未満である)を含む方向に配列した層をステ
ッチ糸で一体化されている多軸ステッチ布帛である例で
ある。多軸ステッチ布帛4の下面から、まず長さ方向イ
に対して斜め方向に多数本の炭素繊維糸条5が並行に配
列して+α゜層9を構成し、次いで布帛の幅方向に多数
本の炭素繊維糸条6が並行に配列して90゜層10を構
成し、次いで斜め方向に多数本の炭素繊維糸条7が並行
に配列して−α゜層11を構成し、次いで布帛の長さ方
向に多数本の炭素繊維糸条8が並行に配列して0゜層1
2を構成し、互いに配列方向が異なる4層が積層された
状態で、ステッチ糸13でこれら4層が縫合一体化され
ている。縫合一体化にあたってのステッチ糸13が形成
する縫い組織としては、単環縫い、1/1のトリコット
編みが挙げられる。
【0014】なお、図2で、あたかも断面形状が楕円で
示されている繊維の集合体が1糸条で、この糸条間にス
テッチ糸13が配列しているかに見えるが、ステッチ糸
13は糸条に対してはランダムに挿入され、楕円で示さ
れている繊維の集合体はステッチ糸の拘束によって形成
されているのである。なお、図2に示した多軸ステッチ
布帛の炭素繊維の構成は+α゜層/90゜層/−α゜層
/0゜層の4層構成について説明したが、これに限定す
るものではない。たとえば0°層/+45°層/0°層
/−45°層/90°層/−45°層/0°層/+45
°層/0°層のように、0°層が多く含まれるような、
0゜、+α゜、−α゜、90゜の4方向を含むものであ
ってもよい。
【0015】ここで、バイアス角α゜は、炭素繊維ステ
ッチ布帛をFRP成形体の長さ方向に積層し、炭素繊維
による剪断補強を効果的に行う観点から45゜が好まし
い。また、積層角の順序は特に限定されないが、各層の
機械的特性の異方性に伴う積層板の厚さ方向への衝撃に
よるCFRPの層間にクラックを出来るだけ小さくし、
CFRP板の圧縮強度の低下を小さくするという観点
で、隣接する各層の炭素繊維の交角が45°であること
が好ましい。
【0016】図3は、本発明に使用する別の多軸布帛と
しての多軸織物の好ましい1態様を示す概略斜視図であ
る。図3は、詳しくは多軸布帛が布帛の長さ方向に対し
て0゜、+α゜、90゜、−α゜(ここでαは0を越え
90未満である)を含む方向に配列した層を、0゜方向
に配列する連結糸の交錯により一体化されてなる多軸織
物である例である。多軸織物14の下面から、まず織物
の幅方向に多数本の炭素繊維糸条15が並行に配列して
90゜層20を構成し、次いで織物の長さ方向イに多数
本の炭素繊維糸条16が並行に配列して0゜層21を構
成し、長さ方向イに対して斜め方向に多数本の炭素繊維
糸条17が並行に配列して+α゜層22を構成し、次い
で斜め方向に多数本の炭素繊維糸条18が並行に配列し
て−α゜層23を構成し、互いに配列方向が異なる4層
が、炭素繊維糸条が真直ぐな状態で積層され、織物の長
さ方向に配列する多数本の連結糸191、192、193
・・・ が、これら4層の糸条間に挿入されている。こ
の連結糸19は、上面の炭素繊維糸条18と下面の炭素
繊維糸条15と1本交互に交錯し、上面→下面→上面→
下面・・・と浮き沈みしながら4層が織組織で一体化さ
れている。なお、図3に示した多軸織物の炭素繊維の構
成は+α゜層/90゜層/−α゜層/0゜層の4層構成
について説明したが、これに限定するものではない。た
とえば、0°層が多く含まれるような、0゜、+α゜、
−α゜、90゜の4方向を含むものであってもよい。な
お、バイアス角α゜は、多軸織物をFRP成形体の長さ
方向に積層し、炭素繊維による剪断補強を効果的に行う
観点から45゜が好ましい。
【0017】ここで、図2または図3で説明した多軸ス
テッチ布帛ならびに多軸織物の層方向の炭素繊維糸条は
クリンプすることなく真っ直ぐに配列しているから、F
RPにしたとき、炭素繊維糸条やマトリックス樹脂に応
力集中が働かないから、強度や弾性率の低下がほとんど
無く、好ましいものである。また、従来の層間靭性付与
方法では、各層に粒子を散布したプリプレグを使用して
いたが、図2または図3に示したプリフォームは、多軸
ステッチ布帛や多軸織物の多軸布帛を構成する各層は、
ステッチ糸や連結糸で一体化されているから、FRPに
したとき多軸布帛内の各層は、衝撃が加わってもステッ
チ糸や連結糸で層間でのクラック発生を抑制することが
出来るので、層間強化が必要となる層数を大幅に減らす
ことが出来るため、好ましいものである。
【0018】本発明に使用する多軸布帛において用いら
れるステッチ糸や連結糸は、多軸布帛の形成と同時に、
多軸布帛内の層間の剥離を抑制する役割を担うものであ
り、たとえばポリエステル繊維、ナイロン6繊維、ナイ
ロン66繊維、ナイロン610繊維、ナイロン612繊
維、ナイロン11繊維、ナイロン12繊維、およびこれ
らの共重合繊維、ポリアラミド繊維、ビニロン繊維、低
融点繊維、ガラス繊維、炭素繊維などが使用できる。な
かでも、ガラス繊維、炭素繊維、ポリアラミド繊維は引
張弾性率が大きいので、少量でもクラックの発生を抑止
することができるため好ましく用いられる。特に、ガラ
ス繊維や炭素繊維は、ほとんど吸水しないので航空機構
造材のプリフォーム用に好ましく用いられる。ステッチ
糸や連結糸の太さはステッチ糸や連結糸の繊維の種類に
もよるが、通常7を超え150テックス未満が好まし
い。7テックス以下であると、多軸布帛内の層間の剥離
を抑制する効果が小さくなる。一方、150テックス以
上になるとステッチ糸や連結糸が布帛の表面に出るの
で、布帛の表面が凸凹し、成形してもFRPの表面が凸
凹し、表面が平滑なFRPが得られないことがある。ス
テッチ糸や連結糸の太さは、より好ましくは10テック
スを超え70テックス未満である。
【0019】また、ステッチ布帛におけるステッチ糸の
配列間隔は2〜8mm、ピッチは1〜4mm程度が好適
である。ステッチ糸の配列間隔やピッチが小さいと、ス
テッチ糸による炭素繊維糸条の拘束が強くなり、ドレー
プ性が失われることがある。また、配列間隔やピッチを
大きくするとドレープ性が良くなり、深絞り賦形が可能
となるが、ステッチ糸挿入間隔内で炭素繊維糸条が部分
的に蛇行することがある。より好ましくは、ステッチ糸
の配列間隔が2〜5mm、ピッチは2〜3.3mmであ
る。
【0020】本発明における多軸布帛の各層の炭素繊維
目付は100g/m2 を超え500g/m2 未満のもの
が好ましい。ステッチ糸や連結糸の挿入部には部分的に
炭素繊維の存在しない箇所ができ、層方向からの樹脂含
浸が可能となるので、通常の織物などの布帛に比べて比
較的高目付の布帛としても樹脂含浸が阻害されることは
ないが、500g/m2 以上となると樹脂含浸速度が遅
くなることがある。また、100g/m2 以下になる
と、所定の厚みを得るために必要となる布帛枚数が多く
なり、積層に手間がかかることがある。各層の炭素繊維
目付のより好ましい範囲は、150g/m2 を超え40
0g/m2 未満のものである。
【0021】本発明に使用する層間靭性補強材は、多軸
布帛の層間に配置されプリフォームの靭性を向上させる
ものであれば特に限定されず、たとえばシート、フィル
ム、不織布、メッシュ、編み物、粒子などであるが、好
ましくは不織布、熱可塑性樹脂からなるメッシュ、熱可
塑性樹脂からなる粒子の1種以上である。
【0022】層間靭性補強材が不織布、メッシュ、編み
物などの場合、その原料としては好ましくはポリエステ
ル繊維、ナイロン6繊維、ナイロン66繊維、ナイロン
610繊維、ナイロン11繊維、ナイロン12繊維、お
よびこれらの共重合繊維、ポリアラミド繊維、ビニロン
繊維、低融点繊維、ガラス繊維、炭素繊維などであり、
なかでもナイロン繊維は樹脂との接着に優れ、より好ま
しく用いられる。とくに、芯鞘型繊維にし、鞘部を低融
点熱可塑性樹脂、芯部を高融点熱可塑性樹脂にすると、
プリフォームを作製する際、低融点熱可塑性樹脂を溶融
させることによって、多軸布帛との靭性補強材接着、な
らびに多軸布帛同士の接着が容易となり、また高融点熱
可塑性樹脂は高い衝撃エネルギーを吸収するので好まし
いものである。また、層間靭性補強材は高融点熱可塑性
樹脂繊維と低融点熱可塑性樹脂繊維との混繊や交織、交
編や高融点熱可塑性樹脂繊維と低融点熱可塑性樹脂粉末
の付着であってもよい。
【0023】ここで、上記した層間靭性補強材は、多軸
布帛製造の際、炭素繊維層と同時にステッチ一体化して
もよいし、低融点熱可塑性樹脂の溶融や、低融点の熱硬
化性樹脂からなるタッキファーヤーの付着で多軸布帛と
一体化してもよい。また、低融点熱可塑性樹脂の溶融
や、タッキファーヤーは、多軸布帛同士の付着一体化に
も使うことができる。
【0024】また、層間靭性補強材が粒子の場合は、平
均粒子直径が1〜150ミクロンが好ましい。1ミクロ
ン未満になると粒子が多軸布帛を形成する炭素繊維間に
入り込み、多軸布帛と多軸布帛の層間に介在する粒子量
が少なくなったり、また均一に散布した粒子が局部的に
炭素繊維間に入り込むことによって層間に介在する粒子
量がばらついたりすることがある。また、150ミクロ
ンを越えると、粒子直径が大きくなるので、所定の粒子
散布重量に対して、散布される粒子数が少なくなり、均
一な散布が困難となることがある。
【0025】層間靭性補強材の粒子として用いられる原
料は、熱可塑性樹脂が好ましく、たとえばポリアミド、
ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルフォン、ポ
リエーテルスルフォン、ポリフェニレンエーテル、ポリ
エーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン等
が挙げられ、なかでも非晶性ポリアミド(特に芳香族お
よび/または脂環式の共重合ポリアミド)は吸収エネル
ギーが大きく、ASTM D570における平衡吸水率
が小さいため(好ましくは平衡吸水率は3重量%以下、
より好ましくは2重量%以下)、とくに航空機の1次構
造材に求められる吸水時の力学的特性において、強度低
下が小さいので好ましいものである。ここで、層間靭性
補強材として用いる粒子は、低融点の熱可塑性樹脂粉末
や熱硬化性樹脂粉末、いわゆるタッキファーヤーで、多
軸布帛に付着一体化しておくことが好ましい。また、こ
れらタッキファーヤーは、多軸布帛同士の付着一体化に
も使用することができる。なお、熱硬化性樹脂からなる
タッキファーヤーは、好ましくは融点が50〜100℃
程度であり、エポキシ樹脂からなり、かつ硬化剤の入っ
たものである。硬化剤の入ったタッキファーヤーは、マ
トリックス樹脂を硬化させる際、タッキファーヤーも硬
化するので好ましいものである。
【0026】本発明における層間靭性補強材の使用量は
5g/m2 を超え30g/m2 未満が好ましい。5g/
2 未満であると多軸布帛間の層間靭性補強効果が小さ
くなることがある。また、30g/m2 以上であると成
形品としたときの耐熱性や吸水させたときの強度が低下
することがある。より好ましくは、7g/m2 を超え2
0g/m2 未満である。
【0027】本発明のプリフォームを使用し炭素繊維強
化プラスチックを成形する方法は特に限定されないが、
好ましくは、下記したA、B、Cのいずれかの方法で樹
脂を真空含浸させる方法が用いられる。 A.プリフォームを成形型に積層し、これらをバックフ
イルムで覆い、バックフイルム内部を真空に保ちながら
樹脂を注入、含浸させる方法である。ここで、樹脂を含
浸させた後、樹脂を硬化させ、その後脱型することによ
って、本発明の炭素繊維強化プラスチック成形品が成形
される。好ましくは、プリフォームの上面の全体または
下面の全体、または上面と下面の全体に、ポリエステル
繊維やガラス繊維からなるブリーダクロスを積層し、そ
の上に注入樹脂が全面に拡散するメッシュ状の樹脂拡散
媒体を積層して樹脂注入する方法が用いられる。該方法
を用いると、樹脂は一気に樹脂拡散媒体によってプリフ
ォーム全面に拡がり、その後プリフォームの厚さ方向へ
の樹脂含浸が進むので、樹脂パスが短くなるから、プリ
フォーム全体への樹脂が均一に行われ、また含浸時間を
短くすることが出来、好ましいものである。したがっ
て、航空機の構造部材のように面積が大きくて、板厚の
大きなFRPにとくに好適である。脱型の後、ブリーダ
クロスを剥がすことによって、樹脂拡散媒体および媒体
の隙間に溜まった硬化樹脂を除去することが出来る。 B.プリフォームを雌型(または雄型)に積層した後、
雄型(または雌型)で型締めし、キャビティ内を真空に
保ちながら樹脂を注入し、含浸させる方法である。ここ
で、樹脂を含浸させた後、樹脂を硬化させ、その後、脱
型することによって、本発明の炭素繊維強化プラスチッ
ク成形品が成形される。この場合も上記Aと同様、ブリ
ーダクロスおよび樹脂拡散媒体の使用によって、樹脂含
浸を早くすることが出来るし、また、型に樹脂の流路と
なる溝を設けておくと、大型のFRPが容易に成形する
ことが出来る。なお、上記A、Bの方法では、通常、常
温で液状の熱硬化性樹脂、たとえばエポキシ樹脂、ビニ
ルエステル樹脂、フェノール樹脂や不飽和ポリエステル
樹脂などを使用するが、樹脂含浸が容易でかつ高性能で
耐熱性の高いCFRPとするために、エポキシ樹脂が好
ましく用いられる。ここで、樹脂粘度が小さいと、一般
的に耐熱性が悪くなるので、注入の際の型温度、プリフ
ォームおよび樹脂の温度を好ましくは70〜100℃と
し、注入樹脂の粘度を下げて、樹脂粘度を200mPa
・s以下とするのが好ましい。続いて、樹脂注入後12
0℃程度でポストキュアして、エポキシ樹脂の重合を進
めて、少なくともゲル化状態とし、その後180℃程度
の高温でアフターキュアするのが好ましい。この方法に
より、樹脂含浸が良好で、耐熱性に優れ、かつ靭性に優
れるCFRPからなる成形品を成形することができる。 C.プリフォームを成形型に積層し、さらに前記積層体
にマトリックス樹脂となる樹脂フイルム層を積層し、こ
れらをバックフイルムで覆い、バックフイルム内部を真
空に保ちながら樹脂を注入し、含浸させる方法である。
ここで、樹脂を含浸させた後、脱型することによって、
本発明の炭素繊維強化プラスチックが成形される。樹脂
フイルムは、上記Bで記載したエポキシ樹脂、たとえば
航空機材のプリプレグに用いられているエポキシ樹脂が
好ましく、フイルムの厚さはプリフォームへの樹脂含浸
に必要な樹脂量となるよう設定すればよい。ここで、プ
リフォームの全面に樹脂フイルム層があるから、プリフ
ォームへの含浸は厚さ方向に樹脂が流れることによって
行われ、樹脂パスが短くなり、プリフォーム全体への樹
脂が均一に行われ、また含浸時間を短くすることが出来
るため好ましいものである。
【0028】本発明の炭素繊維強化プラスチックは、本
発明のプリフォームを使用し、上述した成形方法で得ら
れるものである。
【0029】本発明の炭素繊維強化プラスチックの用途
は特に限定されないが、好ましくは航空機構造部材であ
る。
【0030】図4は本発明の航空機構造部材を用いた航
空機24の概略斜視図である。各種フェアリング、メイ
ン・ランデング・ギアドア、テイルコーン、エンジン・
ナセルなどの2次構造部材のほか、本発明の航空機構造
部材は安価で、靭性に優れ、機械的特性に優れるので、
主翼25、尾翼26、フロアービーム27、胴体28、
ウイング・ボックス (図示せず)、 キール(図示せ
ず)などの1次構造部材にも使用することができる。
【0031】図5、図6は本発明の構造要素29として
の実施例である。従来はスキン材30、桁材31、リブ
材32を別々に成形し、これをリベット止めしていた
が、本発明によればスキン材30と桁材31やリブ材3
2を一体に成形することが可能となった。
【0032】
【発明の効果】本発明により、安価で、生産性が良く、
かつ靭性および信頼性に優れるCFRPが得られるプリ
フォーム、その成形方法、炭素繊維強化プラスチックお
よび航空機構造部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプリフォームの好ましい1態様を
示す概略斜視図である。
【図2】本発明に使用する多軸布帛としての多軸ステッ
チ布帛の好ましい1態様を示す概略斜視図である。
【図3】本発明に使用する別の多軸布帛としての多軸織
物の好ましい1態様を示す概略斜視図である。
【図4】本発明の航空機構造部材を使用している航空機
の概略斜視図である。
【図5】本発明の構造要素としての実施例を示す概略斜
視図である。
【図6】本発明の構造要素としての別の実施例を示す概
略斜視図である。
【符号の説明】
1:プリフォーム 21 、22 :多軸布帛 3:層間靭性補強材 4:ステッチ布帛 5:+α゜層の炭素繊維糸条 6:90゜層の炭素繊維糸条 7:−α゜層の炭素繊維糸条 8:0゜層の炭素繊維糸条 9:布帛を形成する+α゜の炭素繊維層 10:布帛を形成する90゜の炭素繊維層 11:布帛を形成する−α゜の炭素繊維層 12:布帛を形成する0゜の炭素繊維層 13:ステッチ糸 14:多軸織物 15:90゜層の炭素繊維糸条 16:0゜層の炭素繊維糸条 17:+α゜層の炭素繊維糸条 18:−α゜層の炭素繊維糸条 19:連結糸 191、192、193・・・:結節糸(連結糸) 20:織物を形成する90゜の炭素繊維層 21:織物を形成する0゜の炭素繊維層 22:織物を形成する+α゜の炭素繊維層 23:織物を形成する−α゜の炭素繊維層 24:航空機 25:主翼 26:尾翼 27:フロアービーム 28:胴体 29:構造要素 30:スキン材 31:桁材 32:リブ材 イ:布帛長さ方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D03D 15/12 B29K 101:10 4L048 D04B 21/14 105:08 D06M 17/00 B29L 31:30 // B29K 101:10 D06M 17/00 L 105:08 B29C 67/14 X B29L 31:30 G Fターム(参考) 4F100 AD11A AK01B AR00B BA02 BA07 BA08 BA11 DC16B DE01B DG11A DG15B EC092 EC152 GB31 JB16B JK07A JK20 JK20B JL02 YY00A 4F201 AA39 AB11 AB24 AC03 AD16 AD20 AG03 AH31 AJ03 AM01 AM28 AR07 AR12 BA03 BC01 BC12 BC33 BC37 BD03 BM07 BM13 BM16 BN01 BN36 BN50 BQ09 4F205 AA39 AB11 AB24 AC03 AD16 AD20 AG03 AH31 AM01 AM28 AR07 AR12 HA09 HA14 HA24 HA33 HA34 HA37 HA44 HB11 HC04 HC05 HC06 HC10 HC17 HF01 HF30 HG01 HG04 HK16 HK23 HL15 HM04 HM06 HM13 HT02 HT13 HT26 4L002 AA00 AB02 AC00 CB04 DA00 FA06 4L032 AA04 AB02 AB03 AB04 AB07 AC03 AC06 BA03 BD01 CA01 DA00 EA06 4L048 AA05 AB06 AC09 BA16 CA01 DA41 EB00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】引張弾性率が210GPa以上で、かつ破
    壊歪みエネルギーが40MJ/m3 以上の炭素繊維から
    なる多軸布帛が複数枚積層され、該多軸布帛の層間には
    層間靭性補強材が配置されていることを特徴とするプリ
    フォーム。
  2. 【請求項2】前記炭素繊維の引張弾性率が280GPa
    を超え500GPa未満であり、かつ破壊歪みエネルギ
    ーが53MJ/m3 以上であることを特徴とする請求項
    1に記載のプリフォーム。
  3. 【請求項3】前記多軸布帛が布帛の長さ方向に対して0
    ゜、+α゜、90゜、−α゜(ここでαは0を越え90
    未満である)を含む方向に配列した層をステッチ糸で一
    体化されている多軸ステッチ布帛であることを特徴とす
    る請求項1または2に記載のプリフォーム。
  4. 【請求項4】前記多軸布帛が布帛の長さ方向に対して0
    ゜、+α゜、90゜、−α゜(ここでαは0を越え90
    未満である)を含む方向に配列した層を、0゜方向に配
    列する連結糸の交錯により一体化されてなる多軸織物で
    あることを特徴とする請求項1または2に記載のプリフ
    ォーム。
  5. 【請求項5】前記バイアス角度α゜が45゜であること
    を特徴とする請求項3または4に記載のプリフォーム。
  6. 【請求項6】多軸布帛と層間靭性補強材がステッチ手段
    または接着手段で一体化していることを特徴とする請求
    項1〜6のいずれかに記載のプリフォーム。
  7. 【請求項7】前記層間靭性補強材が不織布であることを
    特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のプリフォー
    ム。
  8. 【請求項8】前記層間靭性補強材が熱可塑性樹脂からな
    るメッシュであることを特徴とする請求項1〜6のいず
    れかに記載のプリフォーム。
  9. 【請求項9】前記層間靭性補強材が熱可塑性樹脂からな
    る粒子であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか
    に記載のプリフォーム。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれかに記載のプリフ
    ォームを使用し炭素繊維強化プラスチックを成形する方
    法であって、下記A.B.C.のいずれかの方法で樹脂
    を真空含浸させることを特徴とする成形方法。 A.プリフォームを成形型に積層し、これらをバックフ
    イルムで覆い、バックフイルム内部を真空に保ちながら
    樹脂を注入、含浸させる方法。 B.プリフォームを雌型(または雄型)に積層した後、
    雄型(または雌型)で型締めし、キャビティ内を真空に
    保ちながら樹脂を注入し、含浸させる方法。 C.プリフォームを成形型に積層し、さらに前記積層体
    にマトリックス樹脂となる樹脂フイルム層を積層し、こ
    れらをバックフイルムで覆い、バックフイルム内部を真
    空に保ちながら樹脂を注入し、含浸させる方法。
  11. 【請求項11】請求項10に記載の成形方法によって得
    られる炭素繊維強化プラスチック。
  12. 【請求項12】請求項11の炭素繊維強化プラスチック
    からなることを特徴とする航空機構造部材。
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