JP2016182924A - 航空機構造体、航空機構造体の製造方法及び航空機構造体の設計情報の作成方法 - Google Patents

航空機構造体、航空機構造体の製造方法及び航空機構造体の設計情報の作成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複合材の航空機構造体の強度を一層向上させる方法を提供する。【解決手段】航空機構造体は、複合材層2A〜2E及び不織布8を有する。不織布は、前記複合材層の荷重が集中する位置に局所的に挿入される。また、航空機構造体は、第1の複合材部2B、第2の複合材部2C,2D及び前記第1の複合材部と前記第2の複合材部との間に挿入された不織布8を有する。第1の複合材部は、積層された第1の複数のプリプレグに対応する。第2の複合材部は、積層された第2の複数のプリプレグに対応する。第2の複合材部は、前記第1の複合材部と一体化される。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、航空機構造体、航空機構造体の製造方法及び航空機構造体の設計情報の作成方法に関する。
航空機構造体を設計する場合には、構造体の重量を小さくする一方、構造体の強度を確保することが重要である。そのため、近年では、航空機構造体の材料として、軽くて強度が大きい炭素繊維強化プラスチック(CFRP: Carbon Fiber Reinforced Plastics)やガラス繊維強化プラスチック(GFRP: Glass fiber reinforced plastics)等の複合材が使用されている。
複合材で構成される航空機構造体は、強化繊維を樹脂に含浸させたプリプレグと呼ばれる薄いシートを積層させ、加熱硬化することにより成形される。このため、複合材の積層方向における強度は、プリプレグの面に沿う方向における強度に比べて小さい。そこで、複合材で構成される航空機構造体には、複合材の積層方向における強度を確保するために、チタンやCFRP等を素材とする補強材が設けられる場合もある。
しかしながら、補強材を設けると、航空機構造体の重量及び製造コストの増加に繋がる。そこで、複合材で構成される構造体又は複合材自体の強度を向上させるために様々な試みがなされている。
例えば、強度の確保が重要となる典型的な構造体であるストリンガー(縦通材)のプルオフ強度を向上させるために、ストリンガーを構成するために組合される積層後のプリプレグの間にカーボン繊維又はグラファイト繊維を織り込んだ状態又は編み込んだ状態で挿入する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この技術によれば、ストリンガーのウェブとフランジとの間に形成されるフィラー(充填材)に塗布される接着剤が、カーボン繊維又はグラファイト繊維ににじみやすいため、フィラーをウェブ及びフランジに強力に接着できると説明されている。
また、複合材自体の強度を向上させるために、積層前におけるプリプレグに靭性を向上させるための層間補強シートを挟む技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。靭性を向上させる観点から好適な層間補強シートとしては、不織布、熱可塑性樹脂からなるメッシュ及び熱可塑性樹脂からなる粒子が挙げられると説明されている。
同様に、複合材自体の強度を向上させるために、積層前におけるプリプレグに繊維及び樹脂の他に2種類の不織布を1層以上の不織布層の状態として含有させる技術も提案されている(例えば、特許文献3参照)。この技術によれば、複合材の層間における剥離強度を向上できると説明されている。
特表2011−520690号公報 特開2003−019763号公報 特表2014−502569号公報
本発明は、航空機構造体の強度を一層向上させることを目的とする。
本発明の実施形態に係る航空機構造体は、複合材層及び不織布を有する。不織布は、前記複合材層の荷重が集中する位置に局所的に挿入される。
また、本発明の実施形態に係る航空機構造体は、第1の複合材部、第2の複合材部及び前記第1の複合材部と前記第2の複合材部との間に挿入された不織布を有する。第1の複合材部は、積層された第1の複数のプリプレグに対応する。第2の複合材部は、積層された第2の複数のプリプレグに対応する。第2の複合材部は、前記第1の複合材部と一体化される。
また、本発明の実施形態に係る航空機構造体の設計情報の作成方法は、積層された第1の複数のプリプレグに対応する第1の複合材部を決定するステップと、積層された第2の複数のプリプレグに対応する第2の複合材部であって前記第1の複合材部と一体化される第2の複合材部を決定するステップと、前記第1の複合材部と前記第2の複合材部との間に挿入される不織布の種類を決定することにより前記第1の複合材部、前記第2の複合材部及び前記不織布を構成要素とする航空機構造体の設計情報を作成するステップとを有するものである。
また、本発明の実施形態に係る航空機構造体の設計情報の作成方法は、一体化される複数の複合材部を決定するステップと、前記航空機構造体の破壊試験又は応力解析の結果に基づいて前記複数の複合材部への不織布の挿入位置を決定することにより前記複数の複合材部及び前記不織布を構成要素とする航空機構造体の設計情報を作成するステップとを有するものである。
また、本発明の実施形態に係る航空機構造体の製造方法は、第1の複数のプリプレグを積層して第1の積層体を作成するステップと、第2の複数のプリプレグを積層して第2の積層体を作成するステップと、硬化前又は再硬化前における前記第1の積層体と前記第2の積層体との間に不織布を挿入するステップと、前記不織布が挿入された硬化前又は再硬化前における前記第1の積層体及び前記第2の積層体を硬化するステップとを有するものである。
本発明の実施形態に係る航空機構造体の構成を示す横断面図。 不織布の種類別のモードI層間破壊靭性値GIC及びモードII層間破壊靭性値GIICを示すグラフ。 図2に示す不織布の性質を示す表。 フィラーに掛かる主たる荷重が引張荷重であるかせん断荷重であるかによって不織布の種類を変える例を示す図。 フィラーに掛かる主たる荷重が引張荷重であるかせん断荷重であるかによって種類が異なる複数の不織布を異なる位置に挿入する例を示す図。
本発明の実施形態に係る航空機構造体、航空機構造体の製造方法及び航空機構造体の設計情報の作成方法について添付図面を参照して説明する。
(航空機構造体の構造)
図1は本発明の実施形態に係る航空機構造体の構成を示す横断面図である。
航空機構造体1は、航空機を構成する桁(スパー)、小骨(リブ)、外板(パネル)(スキンとも言う)及びストリンガー等の構造体であり、かつ複合材で構成された構造体である。図1は、一例として航空機構造体1が複合材で構成されたI型ストリンガー2である場合を示している。
I型ストリンガー2は、図1に示すように横断面形状がI字型のストリンガーである。すなわち、I型ストリンガー2は、2つのフランジ3を、ウェブ4で連結した構造を有する。I型ストリンガー2は、パネル5に補強材として取付けられる。典型的には、I型ストリンガー2のパネル5側におけるフランジ3がファスナ6によってパネル5に固定される。また、必要に応じて、パネル5側におけるフランジ3とウェブ4との間に形成されるR面取り部分を補強するためのラディアスフィラー7が、パネル5側におけるフランジ3とともにファスナ6によって固定される。
I型ストリンガー2は、シート状の複数のプリプレグの積層体を組立てた後、加熱硬化することによって製造される。従って、I型ストリンガー2は、プリプレグの積層方向、すなわち繊維の方向が互いに異なる複数の複合材層2A、2B、2C、2D、2E、2Fを有する。具体的には、図1に示すように、I型ストリンガー2は、6つの複合材層2A、2B、2C、2D、2E、2Fを有する。
第1の複合材層2Aは、パネル5から離れた側のフランジ3の上面側を形成する板状の複合材層である。第2の複合材層2Bは、パネル5側のフランジ3の下面側を形成する板状の複合材層である。第3の複合材層2Cは、パネル5から離れた側のフランジ3の下面側、ウェブ4の片側及びパネル5側のフランジ3の上面側を形成する横断面が逆C字型の複合材層である。第4の複合材層2Dは、パネル5から離れた側のフランジ3の下面側、ウェブ4の片側及びパネル5側のフランジ3の上面側を形成する横断面がC字型の複合材層である。
横断面が逆C字型の第3の複合材層2C及び横断面がC字型の第4の複合材層2Dは、それぞれウェブ4及び2つのフランジ3の内側の左側及び右側として互いに組合される。第3の複合材層2C及び第4の複合材層2Dは、第2の複合材層2Bの上に組合わせられる。第3の複合材層2C及び第4の複合材層2Dの上には、第1の複合材層2Aが組合わせられる。
そうすると、第1の複合材層2A、第3の複合材層2C及び第4の複合材層2Dの間には、横断面が概ね逆三角形の空隙が生じる。そこで、第1の複合材層2A、第3の複合材層2C及び第4の複合材層2Dの間に生じる空隙に、横断面が概ね逆三角形の棒状の第5の複合材層2Eが設けられる。
同様に、第2の複合材層2B、第3の複合材層2C及び第4の複合材層2Dの間には、横断面が概ね三角形の空隙が生じる。そこで、第2の複合材層2B、第3の複合材層2C及び第4の複合材層2Dの間に生じる空隙に、横断面が概ね三角形の棒状の第6の複合材層2Fが設けられる。
このように、I型ストリンガー2は、積層された複数のプリプレグに対応する複数の複合材層2A、2B、2C、2D、2E、2Fを有する。これは、ストリンガーとパネルとが一体となった構造、スパー或いはリブ等の平板構造でない他の航空機構造体についても同様である。
尚、第5の複合材層2E及び第6の複合材層2Fのように、ウェブ4とフランジ3との間に生じる空隙を埋めるためのフィラーはヌードルとも呼ばれる。I型ストリンガー2をパネル5に組合わせた状態で同時に加熱硬化する場合には、第2の複合材層2Bが設けられない場合もある。その場合には、ヌードルは、ウェブ4、フランジ3及びパネル5の間に生じる空隙を充填するために設けられる。
I型ストリンガー2は、パネル5から引離す方向の荷重が負荷された場合に、破壊が生じないように強度設計される必要がある。I型ストリンガー2に、パネル5から引離す方向の荷重が負荷された場合に局所的に荷重が負荷される部分は、パネル5側におけるヌードルの周辺である。I型ストリンガー2に、パネル5から引離す方向の荷重が負荷された場合にヌードルの周辺で破壊が生じる時の荷重は、プルオフ荷重と呼ばれる。そして、I型ストリンガー2は、プルオフ荷重が、実際に想定される荷重に対して十分に大きい荷重となるように強度設計される。これは、同様な条件で使用されるT型ストリンガーやZ型ストリンガー等の他のストリンガーについても同様である。つまり、ストリンガーは重量の増加を抑えつつ、プルオフ荷重ができるだけ大きくなるように設計することが重要である。
そこで、I型ストリンガー2にパネル5から引離す方向の荷重が負荷された場合に局所的に応力が集中する第6の複合材層2Fの周囲には、強度を向上させるための不織布8が挿入される。不織布8は、繊維を織らずに絡み合わせたシート状の素材である。特に、熱可塑性を有する不織布8を挿入することが強度を向上させる観点から好適であることが試験によって確認された。
不織布8は、第6の複合材層2Fと第2の複合材層2Bとの間、第6の複合材層2Fと第3の複合材層2Cとの間及び第6の複合材層2Fと第4の複合材層2Dとの間の少なくとも1箇所に挿入することができる。適切な種類の不織布8を挿入すると、I型ストリンガー2に生じる局所的な引張応力及びせん断応力に対抗する強度を向上させることができる。
I型ストリンガー2への不織布8の挿入位置は、第6の複合材層2Fの周囲に限らず、他の隣接する複合材層2A、2B、2C、2D、2E間を対象としてもよい。また、各複合材層2A、2B、2C、2D、2Eの内部に局所的に不織布8を挿入してもよい。更に、I型ストリンガー2に限らず、複合材で構成される他の航空機構造体についても隣接する少なくとも2つの複合材層間の必要な位置に不織布を挿入することによって航空機構造体の強度を向上させることができる。また、積層方向が同じ複合材層の内部の必要な位置に局所的に不織布を挿入することによって所望の航空機構造体の強度を向上させることもできる。
すなわち、任意の航空機構造体を、積層された第1の複数のプリプレグに対応する第1の複合材部と、積層された第2の複数のプリプレグに対応する第2の複合材部とを一体化して構成することができる。そして、第1の複合材部と、第2の複合材部との間に不織布を挿入することによって航空機構造体の機械的特性を改善することができる。つまり、航空機構造体を構成する複合材層の荷重が集中する位置に、局所的に不織布を挿入することができる。
尚、一般には、複数のプリプレグの積層体を組合わせた後に、加熱硬化することによって複合材の構造体が製造されるが、硬化後のプリプレグの積層体と、硬化前のプリプレグの積層体とを組合わせて再硬化することによって複合材の構造体が製造される場合もある。例えば、パネルにストリンガーを取付けた構造を有する構造体を製造する場合に、ストリンガーの積層体を硬化させた後に、硬化後のストリンガーの接着面をフィルム接着剤で硬化前のパネルの上に接着した状態で加熱硬化する場合もある。この場合には、ストリンガーが再硬化されることになる。従って、不織布は、製造時において硬化前又は再硬化前における隣接するプリプレグの積層体の間に挿入されることになる。
また、積層方向が同じ複合材層の内部に局所的に不織布を挿入する場合には、一定枚数のプリプレグを積層した後に不織布を挿入し、その後再びプリプレグを一定枚数積層した後に加熱硬化することになる。従って、硬化後には、第1の複数のプリプレグに対応する第1の複合材部と、第1の複数のプリプレグと同じ積層方向に積層された第2の複数のプリプレグに対応する第2の複合材部との間に不織布が挿入されることになる。
一方、上述のように、プリプレグの積層方向が異なる複数の積層体を組合わせ、積層体の間に不織布を挿入する場合には、硬化後に、第1の複数のプリプレグに対応する第1の複合材部と、第1の複数のプリプレグと異なる積層方向に積層された第2の複数のプリプレグに対応する第2の複合材部との間に不織布が挿入されることになる。
航空機構造体がI型ストリンガー2等のストリンガーである場合には、航空機構造体は、ストリンガーの少なくともウェブを構成する第1の複合材部と、ストリンガーの取付対象となるパネル又はストリンガーのフランジとウェブとの間に形成される隙間を充填するフィラーを構成する第2の複合材部とを有する。そこで、フィラーとウェブとの間、フィラーとパネルとの間及びフィラーとフランジとの間の少なくとも1箇所に不織布を挿入することができる。もちろん、必要に応じてウェブの内部やフランジの内部に局所的に不織布を挿入することもできる。
尚、ストリンガーのフィラーには局所的に引張応力及びせん断応力が負荷されるため、フィラーの内部にも不織布を挿入することがストリンガーのプルオフ荷重の増加に繋がる。フィラーは、プリプレグを渦巻状に重ねて構成することができる。従って、渦巻状のプリプレグの間に渦巻状に不織布を挿入することができる。このような、不織布を挿入したフィラーは、例えば、プリプレグと不織布を重ねて丸めることによって製作することができる。
(航空機構造体の設計方法)
次に、不織布の種類の決定を含む航空機構造体の設計情報の作成方法について説明する。
図1に例示されるような航空機構造体の設計情報を作成する場合には、航空機構造体の板厚や断面積等のサイズに基づいて、積層された第1の複数のプリプレグに対応する第1の複合材部、例えば、ウェブやフランジ等を構成する第1の複合材部が決定される。また、第1の複合材部と一体化されるフィラー等の第2の複合材部が決定される。第2の複合材部は、積層された第2の複数のプリプレグに対応する複合材部である。第2の複数のプリプレグの積層方向は、第1の複数のプリプレグの積層方向と同一であっても良いし、異なっていてもよい。
次に、第1の複合材部と第2の複合材部との間に挿入される不織布の種類が決定される。これにより、第1の複合材部、第2の複合材部及び不織布を構成要素とする機械的強度が改善された航空機構造体の設計情報を作成することができる。そして、作成した航空機構造体の設計情報を設計依頼者や設計者等に提供することができる。
不織布の種類は、第1の複合材部と第2の複合材部との間に負荷される主たる荷重が引張荷重であるかせん断荷重であるのかによって決定することができる。第1の複合材部と第2の複合材部との間に負荷される主たる荷重が引張荷重であるかせん断荷重であるのかは、航空機構造体の応力解析を行うことによって判定することができる。
例えば、航空機構造体が図1に示すようなI型ストリンガー2であれば、有限要素法(FEM :Finite Element Method)等による応力解析によってI型ストリンガー2に、パネル5から離れた側におけるフランジ3をパネル5から引き離す方向の引張荷重を負荷したときの応力分布を求めることができる。これにより、フィラーである第6の複合材層2Fと第2の複合材層2Bとの間、第6の複合材層2Fと第3の複合材層2Cとの間及び第6の複合材層2Fと第4の複合材層2Dとの間における各引張応力及び各せん断応力を求めることができる。そして、第6の複合材層2Fと第2の複合材層2Bとの間、第6の複合材層2Fと第3の複合材層2Cとの間及び第6の複合材層2Fと第4の複合材層2Dとの間における主たる荷重が引張荷重であるかせん断荷重であるのかを判定することができる。加えて、特に引張応力又はせん断応力が集中する箇所も特定することができる。
尚、航空機構造体が主翼等の空気の圧力を受ける構造体であれば、空気の圧力分布を負荷する条件で応力解析を実行することによって航空機構造体を構成する第1の複合材部と第2の複合材部との間における引張応力及びせん断応力を求めるようにしてもよい。
また、航空機構造体の破壊試験を行えば、応力分布を求めるための数値解析を必ずしも行わずに、応力集中が起こる箇所を確認することができる。実際に、横断面が逆L字型の左右対称な2つの複合材層と、平板状の複合材層とを組合わせて空隙をフィラーで充填したT型ストリンガーに引張荷重を付与して破壊試験を行った。
その結果、プリプレグを20ply積層した厚みを有するT型ストリンガーの場合には、破壊の起点がフィラーの内部となることが確認された。その後、引張荷重を増加すると、亀裂がウェブの内部及びフィラーのフランジ側における面に生じ、次第に亀裂が進展していくことが確認された。
一方、プリプレグを56ply積層した厚みを有するT型ストリンガーの場合には、逆L字型の複合材層のR面取り部分において複合材の剥離が発生した。その後、引張荷重を増加すると、R面取り部分における剥離とは別にフィラーと平板状の複合材層との間において新たな剥離が発生した。
このように、航空機構造体の各部の寸法や断面積等のサイズに依存して航空機構造体の破壊モードが変化する。航空機構造体の破壊モードは、負荷される外部荷重の分布及び向きに加えて、ファスナの位置や種類等の他の強度に影響を及ぼす要因によっても変化すると考えられる。すなわち、局所的に荷重が掛かる位置と、主たる荷重が引張荷重であるかせん断荷重であるかが、航空機構造体のサイズ及び構造並びに航空機構造体に負荷される外部荷重の分布及び向きに依存して変化する。
航空機構造体の応力解析を行う場合においても、解析モデルを適切に作成すれば、破壊試験と同様な結果を得ることができると考えられる。すなわち、航空機構造体に負荷される外部荷重の分布及び向きと、航空機構造体のサイズ及び構造とに応じて解析モデルが変化し、応力解析の結果も変化すると考えられる。
このような航空機構造体の応力解析又は破壊試験を行うと、応力解析又は破壊試験の結果に基づいて適切な不織布の種類及び不織布の適切な挿入位置を決定することが可能となる。すなわち、荷重が集中する位置に不織布を挿入すればよいことになる。具体的には、一体化される複数の複合材部を決定し、航空機構造体の破壊試験又は応力解析の結果に基づいて複数の複合材部への不織布の挿入位置、すなわち複合材部の間及び複合材部の内部の少なくとも一方への不織布の挿入位置を決定することにより複数の複合材部及び不織布を構成要素とする航空機構造体の設計情報を作成することができる。
また、引張荷重が支配的な複合材層間には、引張強度の向上効果のある不織布を選択する一方、せん断荷重が支配的な複合材層間には、せん断強度の向上効果のある不織布を選択すればよいということになる。
図2は不織布の種類別のモードI層間破壊靭性値GIC及びモードII層間破壊靭性値GIICを示すグラフであり、図3は図2に示す不織布の性質を示す表である。
図2(A)の棒グラフの縦軸はモードI層間破壊靭性値GICを示し、図2(B)の棒グラフの縦軸はモードII層間破壊靭性値GIICを示す。また、各棒グラフに記載されている数字は、当該棒グラフに対応する条件で測定した複数のデータの平均値を示し、各棒グラフに記載されている線分の幅は、当該棒グラフに対応する条件で測定した複数のデータの最大値と最小値との間における幅を示す。
図3に示すように、呉羽テック株式会社製の品番LNS0030、LNS1225、G5025、G4020及びRD13−0003でそれぞれ特定される不織布から選択した不織布を複合材層間に挿入してそれぞれモードI層間破壊靭性値GIC及びモードII層間破壊靭性値GIICを測定した。
品番LNS0030で特定される不織布は、目付が30g/m、融点が115℃、160℃における溶融粘度が650Pa・sの、ポリアミドを主原料とする不織布である。品番LNS1225で特定される不織布は、目付が25g/m、融点が115℃、160℃における溶融粘度が1100Pa・sの、ポリアミドを主原料とする不織布である。品番G5025で特定される不織布は、目付が25g/m、融点が150℃、190℃における溶融粘度が300Pa・sの、ポリエステルを主原料とする不織布である。品番G4020で特定される不織布は、目付が20g/m、融点が143℃、190℃における溶融粘度が590Pa・sの、ポリエステルを主原料とする不織布である。品番RD13−0003で特定される不織布は、目付が15g/m、融点が95℃から103℃、160℃における溶融粘度が230Pa・sの、共重合ポリエステルを主原料とする不織布である。尚、目付は、単位面積当たりの重量であり、通常、1m当たりの重量が目付として表示される。
図2(A)、(B)の棒グラフにおいて一番左のデータは、複合材層間に不織布を挿入せずに測定したデータである。その他のデータは、複合材層間に不織布を挿入して測定したデータである。尚、モードII層間破壊靭性値GIICについては挿入する不織布の枚数を変えてデータを取得した。
図2(A)によれば、品番LNS0030で特定されるポリアミドを主原料とする不織布、品番LNS1225で特定されるポリアミドを主原料とする不織布、品番G5025で特定されるポリエステルを主原料とする不織布、品番RD13−0003で特定される共重合ポリエステルを主原料とする不織布のいずれを複合材層間に挿入しても、複合材層間に不織布を挿入しない場合に比べてモードI層間破壊靭性値GICが増加することが確認できる。特に、品番LNS0030で特定されるポリアミドを主原料とする不織布を複合材層間に挿入すると、他の不織布を挿入する場合に比べてモードI層間破壊靭性値GICの増加量が大きいことも確認できる。
一方、図2(B)によれば、品番RD13−0003で特定される共重合ポリエステルを主原料とする不織布を3ply積層して複合材層間に挿入すれば、複合材層間に不織布を挿入しない場合に比べてモードII層間破壊靭性値GIICが増加することが確認できる。
以上の結果、品番RD13−0003で特定される共重合ポリエステルを主原料とする不織布を複合材層間に挿入すれば、モードI層間破壊靭性値GIC及びモードII層間破壊靭性値GIICの双方を向上できることが分かる。但し、モードI層間破壊靭性値GICを増加させるためには、品番LNS0030で特定されるポリアミドを主原料とする不織布を複合材層間に挿入することがより効果的であることが分かる。
モードI層間破壊靭性値GICが大きいということは、モードIの引張荷重に対する強度が大きいということを意味する。一方、モードII層間破壊靭性値GIICが大きいということは、モードIIのせん断荷重に対する強度が大きいということを意味する。
このため、第1の複合材部と第2の複合材部との間に負荷される主たる荷重が引張荷重であってもせん断荷重であっても共重合ポリエステルを主原料とする不織布を第1の複合材部と第2の複合材部との間に挿入すれば航空機構造体の強度を向上させることができる。従って、第1の複合材部と第2の複合材部との間に負荷される主たる荷重が引張荷重となる部分と、第1の複合材部と第2の複合材部との間に負荷される主たる荷重がせん断荷重となる部分が混在する場合であっても、共重合ポリエステルを主原料とする不織布を使用すれば、同種の不織布を用いることができる。このため、例えば、ヌードルフィラーの内部及び周囲に共重合ポリエステルを主原料とする不織布を挿入することができる。
一方、異なる種類の複数の不織布を第1の複合材部と第2の複合材部との間に挿入したり、或いは、異なる種類の複数の不織布から選択された最適な不織布を第1の複合材部と第2の複合材部との間に挿入したりすることもできる。そのために、様々な不織布を複合材層間に挿入してモードI層間破壊靭性値GIC及びモードII層間破壊靭性値GIICを測定すれば、候補の数を増やすことができる。すなわち、図3にリストアップされた不織布に限らず、他の不織布を用いることもできる。
図4は、フィラーに掛かる主たる荷重が引張荷重であるかせん断荷重であるかによって不織布の種類を変える例を示す図である。
一般に、フランジやウェブを構成する複合材層の厚さが薄い場合には、複合材層の破壊モードがモードIとなる。すなわち、複合材層の厚さが薄い場合には、引張応力が支配的となる。逆に、複合材層の厚さが厚い場合には、複合材層の破壊モードがモードIIとなる。すなわち、複合材層の厚さが厚い場合には、せん断応力が支配的となる。
従って、図4(A)に示すように、フィラー10と組合わせられる複合材層11の厚さが薄い場合には、引張強度が高い不織布12をフィラー10と複合材層11との間に挿入することが適切である。このため、例えば、図3に示す品番LNS0030で特定されるポリアミドを主原料とする引張強度が高い不織布をフィラー10と複合材層11との間に挿入することができる。
逆に、図4(B)に示すように、フィラー10と組合わせられる複合材層11の厚さが厚い場合には、せん断強度が高い不織布12IIをフィラー10と複合材層11との間に挿入することが適切である。このため、例えば、図3に示す品番RD13−0003で特定される共重合ポリエステルを主原料とする不織布を3ply積層してフィラー10と複合材層11との間に挿入することができる。
このように、第1の複合材部と第2の複合材部との間に負荷される主たる荷重がせん断荷重である場合には、第1の複合材部と第2の複合材部との間に挿入することでせん断強度を高められるような第1の不織布を選択することができる。一方、第1の複合材部と第2の複合材部との間に負荷される主たる荷重が引張荷重である場合には、第1の複合材部と第2の複合材部との間に挿入することで引張強度を高められるような第2の不織布を選択することができる。
図5は、フィラー10に掛かる主たる荷重が引張荷重であるかせん断荷重であるかによって種類が異なる複数の不織布を異なる位置に挿入する例を示す図である。
図5に示すように、フィラー10の異なる面に引張荷重と、せん断荷重とがそれぞれ主たる荷重として負荷される場合もある。また、フィラー10の内部に負荷される主たる荷重は、引張荷重となる場合が多い。
そこで、せん断荷重が支配的となるフィラー10と複合材層11Aとの間には、せん断強度が高い不織布12IIを挿入することができる。例えば、図3に示す品番RD13−0003で特定される共重合ポリエステルを主原料とする不織布を3ply積層してフィラー10と複合材層11Aとの間に挿入することができる。
一方、引張荷重が支配的となるフィラー10の内部及びフィラー10と複合材層11Bとの間には、引張強度が高い不織布12を挿入することができる。例えば、図3に示す品番LNS0030で特定されるポリアミドを主原料とする不織布をフィラー10の内部及びフィラー10と複合材層11Bとの間に挿入することができる。
このように、第1の複合材部と第2の複合材部との間に負荷される主たる荷重がせん断荷重となる部分については、第1の複合材部と第2の複合材部との間に挿入することでせん断強度を高められるような第1の不織布を選択することができる。一方、第1の複合材部と第2の複合材部との間に負荷される主たる荷重が引張荷重となる部分については、第1の複合材部と第2の複合材部との間に挿入することで引張強度を高められるような第2の不織布を選択することができる。
つまり、主たる荷重の方向に応じて異なる種類の不織布を異なる位置に挿入することができる。この場合、同種の不織布を挿入する場合に比べて、航空機構造体の強度を一層向上させることができる。フィラー10の内部についても、主たる荷重の方向に応じて、フィラー10の周囲に挿入される不織布と同一又は異なる種類の不織布を挿入することができる。
上述したように、主たる荷重の方向、すなわち主たる荷重が引張荷重であるかせん断荷重であるかは、航空機構造体を構成する各部材の板厚等の寸法に依存して変化する。例えば、航空機構造体がストリンガーであれば、ウェブ、フランジ、R面取りの周辺部位及びフィラー等の部位ごとに主たる荷重の方向が異なる。また、引張荷重又はせん断荷重の集中が起こる位置も航空機構造体を構成する各部材の板厚等の寸法に依存して変化する。
そこで、予め航空機構造体を構成する各部材の板厚等の寸法と、各部材に負荷される主たる荷重の方向との関係を調べて参照情報として記録しておくことができる。或いは、航空機構造体を構成する各部材の板厚等の寸法と、挿入すべき不織布の種類とを直接関連付けて参照情報として保存するようにしてもよい。その場合には、挿入すべき不織布の種類とともに挿入すべき位置についても関連付けて参照情報として保存しておくことができる。
すなわち、航空機構造体を構成する各部材の板厚等の寸法、挿入すべき不織布の種類及び不織布を挿入すべき位置の関係を参照情報として保存することができる。そうすると、参照情報を参照するのみで、航空機構造体を構成する各部材の板厚等の寸法に基づいて、応力解析や破壊試験を行うことなく不織布の種類及び挿入位置を決定することが可能となる。
但し、航空機構造体を構成する各部材の全ての寸法をパラメータとすると、パラメータの数が非常に多くなる。このため、航空機構造体の少なくとも1部のサイズと、航空機構造体を構成する第1の複合材部と第2の複合材部との間に負荷される主たる荷重が引張荷重であるかせん断荷重であるのかとの関係を表す参照情報を作成しておくことができる。或いは、航空機構造体の少なくとも1部のサイズと不織布の適切な種類との関係を表す参照情報を作成しておくことができる。これにより、参照情報を参照して簡易に適切な不織布の種類を決定することが可能となる。すなわち、主たる荷重の方向に対して高い強度を有する熱可塑性の不織布を、ウェブ、フランジ、R面取りの周辺部位及びフィラー等の適切な複合材層間に挿入することが可能となる。
(航空機構造体の製造方法)
次に上述の方法で設計された航空機構造体の製造方法について説明する。
航空機構造体を製造する場合には、一体化される対象となる少なくとも2つのプリプレグの積層体が作成される。すなわち、第1の複数のプリプレグを積層して第1の積層体が作成される。一方、第2の複数のプリプレグを積層して第2の積層体が作成される。尚、第2の複数のプリプレグの積層方向は、第1の複数のプリプレグの積層方向と同一であっても良いし、異なっていてもよい。
具体例として、航空機構造体が図1に示すI型ストリンガー2であれば、複数のプリプレグを積層することによって、6つの複合材層2A、2B、2C、2D、2E、2Fにそれぞれ対応する6つのプリプレグの積層体が作成される。尚、荷重が集中するヌードルフィラーである第6の複合材層2Fに対応するプリプレグの積層体ついては、内部に不織布を挿入してもよい。
次に、第1の積層体と第2の積層体との間への不織布の挿入を伴って第1の積層体及び第2の積層体の組立てが行われる。すなわち、硬化前におけるプリプレグの積層体を組立てる際に、プリプレグの積層体間の適切な位置に、予め荷重の方向に応じて種類が決定された熱可塑性の不織布が挿入される。
具体例として、航空機構造体が図1に示すI型ストリンガー2であれば、6つの複合材層2A、2B、2C、2D、2E、2Fにそれぞれ対応する6つのプリプレグの積層体が組合わせられる。この時、荷重が集中するヌードルフィラーである第6の複合材層2Fに対応するプリプレグの積層体の周囲には、不織布8が挿入される。尚、第6の複合材層2Fには、接着剤を塗布した後に、不織布8を被せるようにしてもよい。
次に、不織布が挿入された状態で組立てられた硬化前におけるプリプレグの第1の積層体及び第2の積層体が硬化される。具体的には、プリプレグの第1の積層体及び第2の積層体がバギングされた状態で、オートクレーブ装置内に搬入される。そして、オートクレーブ処理によって第1の積層体及び第2の積層体が、加圧下において加熱硬化される。
これにより、硬化後における航空機構造体を得ることができる。例えば、図1に示すようにヌードルフィラーである第6の複合材層2Fの周囲に不織布8が挿入された状態で、6つの複合材層2A、2B、2C、2D、2E、2Fが一体化したI型ストリンガー2を製作することができる。
尚、上述したようにストリンガー等の一部の部品を硬化した後にパネルと組合わせて再硬化するようにしてもよい。従って、硬化前又は再硬化前における第1の積層体と第2の積層体との間に不織布を挿入することができる。そして、不織布が挿入された硬化前又は再硬化前における第1の積層体及び第2の積層体を硬化することができる。
また、プリプレグの積層方向が同じ積層体の間に局所的に不織布を挿入する場合には、プリプレグの積層中において不織布を挿入するようにしてもよい。すなわち、必ずしもプリプレグの積層後に不織布を挿入しなくてもよい。例えば、第1の複数のプリプレグを積層して第1の積層体を製作した後に第1の積層体の上に不織布を重ね、不織布の上に第2の複数のプリプレグを積層して第2の積層体を製作するようにしてもよい。
(効果)
以上の航空機構造体の製造方法及び航空機構造体の設計情報の作成方法によれば、不織布を荷重が集中する複合材層の位置に局所的に挿入することによって、ストリンガーで補強されたパネル等の複合材で構成される航空機構造体の強度を従来よりも向上させることができる。例えば、航空機構造体がストリンガーであれば、ストリンガーのプルオフ強度を向上させることができる。このため、図1に例示されるI型ストリンガー2において、ラディアスフィラー7を省略できる場合もある。
特に、航空機構造体を構成するために積層されるプリプレグの数は、最大で80plyに達することもある。このため、従来提案されているように、プリプレグ自体や全てのプリプレグ間に不織布を挿入すると、構造体の板厚の増加に繋がる。
これに対して、上述の方法では、不織布が局所的に荷重が集中する特定の複合材層間に選択的に挿入される。従って、航空機構造体の不用意な板厚の増加を防ぐことができる。加えて、必要最小限の不織布で、必要な航空機構造体の強度を確保することができる。このため、プリプレグ自体や全てのプリプレグ間に不織布を挿入する場合に比べて、不織布の使用量を抑制することもできる。換言すれば、不織布が挿入されていない従来のプリプレグを用いて航空機構造体を構成しつつ、簡易に航空機構造体に必要な強度を付与することができる。
以上、特定の実施形態について記載したが、記載された実施形態は一例に過ぎず、発明の範囲を限定するものではない。ここに記載された新規な方法及び装置は、様々な他の様式で具現化することができる。また、ここに記載された方法及び装置の様式において、発明の要旨から逸脱しない範囲で、種々の省略、置換及び変更を行うことができる。添付された請求の範囲及びその均等物は、発明の範囲及び要旨に包含されているものとして、そのような種々の様式及び変形例を含んでいる。
1 航空機構造体
2 I型ストリンガー
2A、2B、2C、2D、2E、2F 複合材層
3 フランジ
4 ウェブ
5 パネル
6 ファスナ
7 ラディアスフィラー
8 不織布
10 フィラー
11、11A、11B 複合材層
12、12II 不織布

Claims (11)

  1. 複合材層と、
    前記複合材層の荷重が集中する位置に局所的に挿入された不織布と、
    を有する航空機構造体。
  2. 積層された第1の複数のプリプレグに対応する第1の複合材部と、
    積層された第2の複数のプリプレグに対応する第2の複合材部であって、前記第1の複合材部と一体化される第2の複合材部と、
    前記第1の複合材部と前記第2の複合材部との間に挿入された不織布と、
    を有する航空機構造体。
  3. 前記第1の複合材部は、ストリンガーの少なくともウェブを構成する一方、前記第2の複合材部は、前記ストリンガーの取付対象となるパネル又は前記ストリンガーのフランジと前記ウェブとの間に形成される隙間を充填するフィラーを構成し、
    前記不織布は、前記フィラーと前記ウェブとの間、前記フィラーと前記パネルとの間及び前記フィラーと前記フランジとの間の少なくとも1箇所に挿入される請求項2記載の航空機構造体。
  4. 前記フィラーの内部に、前記不織布と同一又は異なる種類の不織布を挿入した請求項3記載の航空機構造体。
  5. 積層された第1の複数のプリプレグに対応する第1の複合材部を決定するステップと、
    積層された第2の複数のプリプレグに対応する第2の複合材部であって、前記第1の複合材部と一体化される第2の複合材部を決定するステップと、
    前記第1の複合材部と前記第2の複合材部との間に挿入される不織布の種類を決定することにより前記第1の複合材部、前記第2の複合材部及び前記不織布を構成要素とする航空機構造体の設計情報を作成するステップと、
    を有する航空機構造体の設計情報の作成方法。
  6. 前記第1の複合材部と前記第2の複合材部との間に負荷される主たる荷重がせん断荷重である場合には、前記第1の複合材部と前記第2の複合材部との間に挿入することでせん断強度を高められる第1の不織布を選択する一方、前記第1の複合材部と前記第2の複合材部との間に負荷される主たる荷重が引張荷重である場合には、前記第1の複合材部と前記第2の複合材部との間に挿入することで引張強度を高められる第2の不織布を選択する請求項5記載の航空機構造体の設計情報の作成方法。
  7. 前記第1の複合材部と前記第2の複合材部との間に負荷される主たる荷重がせん断荷重となる部分については、前記第1の複合材部と前記第2の複合材部との間に挿入することでせん断強度を高められる第1の不織布を選択する一方、前記第1の複合材部と前記第2の複合材部との間に負荷される主たる荷重が引張荷重となる部分については、前記第1の複合材部と前記第2の複合材部との間に挿入することで引張強度を高められる第2の不織布を選択する請求項5記載の航空機構造体の設計情報の作成方法。
  8. 前記航空機構造体の応力解析を行うことによって前記主たる荷重が引張荷重であるかせん断荷重であるのかを判定する請求項6又は7項記載の航空機構造体の設計情報の作成方法。
  9. 一体化される複数の複合材部を決定するステップと、
    前記航空機構造体の破壊試験又は応力解析の結果に基づいて前記複数の複合材部への不織布の挿入位置を決定することにより前記複数の複合材部及び前記不織布を構成要素とする航空機構造体の設計情報を作成するステップと、
    を有する航空機構造体の設計情報の作成方法。
  10. 前記航空機構造体の少なくとも1部のサイズと、前記第1の複合材部と前記第2の複合材部との間に負荷される主たる荷重が引張荷重であるかせん断荷重であるのかとの関係を表す参照情報又は前記航空機構造体の少なくとも1部のサイズと前記不織布の適切な種類との関係を表す参照情報を作成しておき、前記参照情報を参照して前記不織布の種類を決定する請求項5記載の航空機構造体の設計情報の作成方法。
  11. 第1の複数のプリプレグを積層して第1の積層体を作成するステップと、
    第2の複数のプリプレグを積層して第2の積層体を作成するステップと、
    硬化前又は再硬化前における前記第1の積層体と前記第2の積層体との間に不織布を挿入するステップと、
    前記不織布が挿入された硬化前又は再硬化前における前記第1の積層体及び前記第2の積層体を硬化するステップと、
    を有する航空機構造体の製造方法。
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