JP4609513B2 - プリフォームの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維強化プラスチック(以下FRPと呼称)の成形に用いるプリフォームの製造方法に関する。
より詳しくは、マトリックス樹脂の注入成形時に樹脂の含浸性に優れ、かつ、力学特性および軽量化効果を高く発現し、品質が安定したFRPを高い生産性で得られるプリフォームの製造方法に関する。
最近、亜音速機の開発等が矢継ぎ早に発表され、民間航空機も大きく変革しようとしている。これらの革新機の材料および構造材の技術的課題は、機械的特性を十分に満足してかつ画期的な軽量化と徹底したコストダウンであり、とくに軽量化を達成するため、主翼や胴体などの、これまでFRPが使用されていなかった1次構造材まで材料転換を図る必要に駆られている。また、最近、自動車のボデー、ドアやシャーシなども軽量化を求めてFRP化の動きがあり、航空機以上にコストダウンの要求が強い。
これらFRPの代表的な製造方法としては、オートクレーブ成形が知られている。オートクレーブ成形では、予め強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させたプリプレグを、目的とする形状の成形型に積み重ねて加熱・加圧し、FRPを成形する。ここで用いる中間基材としてのプリプレグは、極めて信頼性が高い、即ち強化繊維体積率Vが高度に制御された力学特性に優れるFRPが得られる利点があるが、プリプレグの製造に高いコストがかかることとFRPの低い生産性に問題があった。
一方、FRPの生産性に優れる成形法としては、レジン・トランスファー成形法(RTM)等の注入成形が挙げられる。かかる注入成形では、マトリックス樹脂が含浸されていない(ドライな)強化繊維を成形型の中に配置して、マトリックス樹脂を注入し、強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させてFRPを成形する。
ここで、例えば、熱硬化樹脂の粘着性付与剤を強化布帛に付与し、FRPよりも小さい体積に圧縮したプリフォームを用いてFRPを得る方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら上記提案によると、プリフォームをFRPよりも小さい体積に圧縮するため強化繊維糸条が密に充填され過ぎ、注入成形時にプリフォームへのマトリックス樹脂の含浸性に著しく劣るといった問題があった。一方、含浸性を改善するためにFRPより嵩高すぎるプリフォームを用いると、得られるFRPの品質が安定しない、即ち強化繊維体積率Vが高度に制御できないといった問題が引き起こされていた。
この他にも、上記提案によると、FRPの生産性には優れるが、注入成形では用いるマトリックス樹脂が低粘度なものに制限されるためFRPが脆く、衝撃付与後の常温圧縮強度(Compression After Impact、以下CAIと呼称)等に代表される特に衝撃や靱性に関する力学特性に劣る問題があり、特に航空機の1次構造材等への適応には制限があるが、その問題については解決されたものではなかった。
ここで、CAIの重要性について説明する。例えば航空機の構造材には、鳥の衝突や航空機の組立・修理の際にFRPへの工具の落下等により衝撃が加わることがある。強化繊維が積層されたFRPの厚さ方向に衝撃が加わると、FRPの層間が剥離してクラックが発生し、衝撃エネルギーが吸収される。このような層間剥離したFRPに圧縮力が作用すると、クラックが進展して圧縮強度が大幅に低下する現象があり、特に航空機の構造部材では重要視されるものである。
この力学特性の問題に対して、例えば、ガラス転移点が100℃以上のプラスチックを用いて靭性に優れたFRPを得る方法についての提案がある(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、上記提案によると、プラスチックのガラス転移点が高く、硬いものであるため、強化布帛同士の接着および賦形が難しく、強化布帛をプリフォーム化することが著しく困難であるという問題点を有していた。
更には、以上の提案では、二方向性織物を用いているが、例えば航空機の一次構造部材においては、非常に高い力学特性(特に、CAI、湿熱処理後の高温圧縮強度、Compression at Hot/Wet)が要求される。二方向性織物では、強化繊維を二方向に織組織するため、それぞれ一方向における強化繊維量は本質的に半分となること、たて糸とよこ糸とがほぼ同じ繊度であるため、たて糸とよこ糸の交錯点では強化繊維の大きな屈曲(クリンプ)が発生することにより、一方向に強化繊維を配列したプリプレグの約半分レベルの力学特性しか発現し得なかった。
つまり、注入成形時にマトリックス樹脂の含浸性に優れ、かつ衝撃付与後または湿熱処理後の圧縮強度等の力学特性および軽量化効果を高く発現し、品質が安定したFRPを高い生産性で得られるプリフォームおよびそれからなるFRPは得られておらず、これら要求を満たす技術が渇望されていた。
特表平9−508082号公報 特開平8−300395号公報
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、マトリックス樹脂の注入成形時に樹脂の含浸性に優れ、かつ、CAIやCHW等の力学特性および軽量化効果を高く発現し、品質が安定した(強化繊維体積率が高度に制御された)プリフォームを高い生産性で(低コストに)製造する方法を提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、
(1)少なくとも次の工程(A)〜(D)を経て製造することを特徴とするプリフォームの製造方法。
(A)少なくとも強化繊維糸条によって形成され、その少なくとも一方の表面に、強化布帛以外のガラス転移点が100℃以上の熱可塑性樹脂を主成分とし、熱硬化性樹脂を副成分として、そのガラス転移点が100℃未満の樹脂材料を予め接着している強化布帛を、プリフォーム型に複数枚積層する積層工程、
(B)積層体をプリフォーム型内に配置する配置工程、
(C)積層体を加熱および加圧する加熱工程、
(D)積層体を冷却する冷却工程。
(2)(A)積層工程において、樹脂材料の形態が、有機繊維布帛、粒子もしくはフィルムであることを特徴とする前記(1)に記載のプリフォームの製造方法。
(3)(B)配置工程において、配置するプリフォーム型の一方がバッグ材であり、もう一方が雄型または雌型のいずれかであることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のプリフォームの製造方法。
(4)(C)加熱工程において、予め(B)配置工程で積層体をプリフォーム型内に密閉してプリフォーム型内を大気圧以下に減圧することにより、大気圧でプリフォームを加圧することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のプリフォームの製造方法。
本発明のプリフォームの製造方法によると、注入成形時にマトリックス樹脂の含浸性に優るプリフォーム、および力学特性(特にCAI、CHW)および軽量化効果を高く発現し、品質が安定した(高度にVfが制御された)FRPを高い生産性で(低コストに)製造できる。このようなFRPは、航空機、自動車、船舶等の輸送機器における一次構造部材、二次構造部材、外装部材、内装部材等を始め、特に航空機の一次構造部材に好適である。
本発明で得られるプリフォームについて説明する。本発明で得られるプリフォームは、少なくとも強化繊維糸条によって形成された強化布帛を複数枚積層してなるプリフォームであって、プリフォーム内の層間に強化布帛以外のガラス転移点が100℃以上の熱可塑性樹脂を主成分とし、熱硬化性樹脂を副成分として、そのガラス転移点が100℃未満の樹脂材料を有し、かつ、強化布帛と樹脂材料とを含む各層が接着しており、プリフォームにおける強化繊維体積率VPfが45〜62%の範囲内にあるものである。
本発明をさらに、図面を用いて説明する。
図1は、本発明で得られるプリフォーム11の一態様を説明する概略断面図である。この例のものは、強化繊維糸条によって形成された強化布帛12が複数枚、所定の方向に所定の枚数が積層されてプリフォーム11を構成している。そして、強化布帛12の間に位置する樹脂材料13は少なくともプリフォーム内の前記層間に存在している。各強化布帛12と樹脂材料13とは、樹脂材料13自体および/または後述の強化繊維糸条や強化布帛に付着している粘着性付与剤等で接着されているものである。
また、図2は、本発明で得られるプリフォーム21の別の一態様を説明する概略断面図である。この例のものは、強化繊維糸条によって形成された強化布帛22が複数枚積層され、樹脂材料23は各強化布帛22の表面、すなわちプリフォーム内の層間に存在し、各強化布帛22と樹脂材料23とは、後述の粘着性付与剤24によって接着されているものである。
本発明で得られるプリフォームにおける一つの特徴は、プリフォーム内の層間に強化布帛以外の熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材料を有する処にある。樹脂材料をプリフォーム内の層間に存在させることにより、(イ)プリフォームを得る際の強化布帛同士の接着性を付与することができる。
(ロ)プリフォームに適度なコシ(剛性)を付与することができる。
(ハ)プリフォーム中の強化布帛の目ズレを防止する等の形態安定効果を付与することができる。等、プリフォームの取り扱い性の向上ができる。特に、本発明の樹脂材料は、その主成分が熱可塑性樹脂であることから、熱硬化性樹脂を主成分にする場合に比べてさらに、(ニ)樹脂材料がスペーサーとなり、強化布帛層間に後述のマトリックス樹脂スペースの確保(マトリックス樹脂による強化布帛層間の塑性変形能の付与)することができる。
(ホ)樹脂材料が強化布帛層間に発生するクラックのストッパーとなる。等、衝撃を受けた時に、布帛層間の損傷を抑制することができ、特に優れた力学特性(特にCAI)を達成することができるという効果を発現する。
上記効果以外にも、(ヘ)樹脂材料がスペーサーとなって、プリフォームの強化布帛層間にマトリックス樹脂の流路が確保され、注入成形に供した際にマトリックス樹脂の含浸が容易になるだけでなく、その含浸速度も速くなり、FRPの生産性により優れる、といった全く新しい効果をも発現する。
かかる樹脂材料は、強化布帛の各層と接着し、少なくともプリフォーム内の層間に存在していればよく、強化布帛の内部に存在(強化繊維糸条に付着)していても、その表面に存在していてもよい。好ましくは、前述の理由で強化布帛の表面にその50重量%以上(より好ましくは70重量%以上)が偏在しているのが好ましい。
また、本発明で得られるプリフォームにおけるもう一つの特徴は、かかる樹脂材料をプリフォーム内の層間に有しながら、プリフォームにおける強化繊維体積率VPfを45〜62%の範囲内、より好ましくは50〜58%、特に好ましくは52〜56%の範囲内に制御するところにある。
強化繊維体積率VPfが45%未満であると、特に真空圧によりマトリックス樹脂を含浸させるような真空注入成形では、成形の際に大気圧以上の圧力がプリフォームにはかからないので、プリフォームの嵩、すなわち強化繊維体積率VPfが所望の範囲に制御できず、得られるFRPにおける強化繊維体積率Vfも力学特性に最適な45〜62%範囲内に制御することができない。すなわち、力学特性に優れ軽量化効果を高く発現し、品質が安定したFRPが得られない。また、62%を超えると、注入成形の場合には、密に充填され過ぎた強化繊維がマトリックス樹脂の流れを阻害する結果、含浸性が悪くなり、未含浸部分(ボイド)を有する力学特性に劣るFRPしか得られない。かかる強化繊維体積率VPfを45〜62%の範囲内に制御することにより、得られるFRPにおける強化繊維体積率Vfを所望の範囲に厳密に制御することが可能となるのである。
本発明では、かかる樹脂材料が熱可塑性樹脂であるために、加熱により樹脂材料による強化繊維の拘束を一旦解放し、強化布帛、強化繊維糸条ひいては強化繊維の単繊維を所望の範囲まで充填、冷却によりそれらの充填レベルにて再拘束することができる。このメカニズムにより、プリフォームにおける強化繊維体積率VPfを上記範囲内にすることができるのである。
なお、本発明でいうプリフォームにおける強化繊維体積率VPfとは、次式で求めた値をいう(単位は%)。なお、ここで用いた記号は下記に準ずる。ここで、測定に供するプリフォームは、プリフォーム化した後、少なくとも24時間以上経過し、プリフォームのスプリングバック量が実質的に飽和したものとする。
Pf=(W1×100)/(ρ×T1) (%)
W1:プリフォームにおける平面方向の1mから算出されるプリフォーム1cm当たりの強化繊維の重量(g/cm
ρ :強化繊維の密度(g/cm
T1:JIS R 7602に準拠し、0.1MPaの荷重下で測定したプリフォームの厚さ(cm)
本発明で使用する樹脂材料は、プリフォームに対して1〜20重量%の範囲内で含まれているのがよい。VPfを上記範囲に容易に制御する観点からは1〜10重量%、より好ましくは2〜8重量%、特に好ましくは3〜6重量%の範囲内である。かかる樹脂材料が1重量%未満であると、上記の効果を発現できないため好ましくない。また、樹脂材料が20重量%を超えると、プリフォームにおける強化繊維体積率VPfが45〜62%の範囲内にすることが困難となる場合があるため好ましくない。
また、別の視点からは、本発明で使用する樹脂材料は、2〜50g/m2の範囲内で含まれているのがよい。好ましくは2〜20g/m2、より好ましくは4〜20g/m2、特に好ましくは6〜15g/m2の範囲内で強化布帛に接着しているのがよい。2g/m2未満であると、力学特性(特にCAI)の向上効果が小さくなるため好ましくない。また、50g/m2を超えると、FRPの耐熱性、耐薬品性やCHWが低下するので好ましくない場合がある。
次に、本発明で使用する樹脂材料の好ましい形態について説明する。かかる樹脂材料としては、有機繊維糸によって形成された有機繊維布帛、粒子またはフィルムの形態を有するものを使用することができる。かかる形態のものであれば、何れの形態であっても、本発明の課題を解決することができる。なお、フィルムとしては、穿孔フィルムや多孔フィルムの様に、プリフォームの厚み方向にマトリックス樹脂の流路を確保できるものが好ましく使用される。
これらの中でも、後述のプリフォームを製造する際に樹脂材料としての取り扱い性やマトリックス樹脂の含浸性の面から有機繊維布帛の形態であるのが好ましい。かかる有機繊維布帛とは、例えば不織布、マット、ネット、メッシュ、織物、編物、短繊維群等の、強化布帛の積層と垂直方向に樹脂流路を確保できるものを指し、これらを組み合わせたものも含まれる。中でも不織布、マットまたはメッシュは安価に入手でき、かつ、上述の効果が高く発現するためとりわけ好ましい。
また、プリフォームにおける強化繊維体積率VPfを特に高くするといった視点からは、樹脂材料は粒子の形態であるが好ましい。粒子の形態であると、有機繊維布帛やフィルムとは異なり、樹脂材料の配合量が容易に設定できるだけでなく、布帛化やフィルム化が困難(または加工費が高価)な熱可塑性樹脂を使用することができるため好ましい。この場合の平均粒子直径は1〜500μmの範囲内であるのが好ましい。力学特性の観点からは1〜150μm、より好ましくは5〜100μm、特に好ましくは8〜50μmの範囲内である。すなわち、平均粒子直径が1μm未満であると、粒子が強化繊維間に入り込むことによって、層間に介在する粒子の量がばらついたりする。また、平均粒子直径が500μmを超えると、所定の粒子の散布重量に対して、散布される粒子数が少なくなり、均一な粒子の散布が困難となるため好ましくない。なお、平均粒子直径はレーザー回折・散乱法にて測定したD50とし、本発明での測定はセイシン企業株式会社製LMS−24にて行った。
かかる樹脂材料は、熱可塑性樹脂を主成分とするものである。かかる熱可塑性樹脂としては、マトリックス樹脂との相性がよく、本発明の課題を解決できるものを選択できる。特に、CHWを高く発現するためには、ガラス転移点が100℃以上の高いガラス転移点(好ましくは150℃以上)を有するものであり、例えば、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルエーテルケトンおよびポリエーテルケトンケトン、これらの変性樹脂、共重合樹脂等を使用することができる。
その中でも更に好ましくは共重合ポリアミド樹脂である。かかる共重合ポリアミド樹脂は、高い本発明の効果を安価に達成することができる。かかる共重合ポリアミド樹脂としては、ポリアミド6、66、12、610、612などのポリアミドと、イソフタル酸やテレフタル酸やパラキシレンジアミンやメタキシレンジアミン等の芳香族のジカルボン酸またはジアミン、ジメチルビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン等の脂環式のジカルボン酸またはジアミンから選ばれる少なくとも1種の成分、とりわけ好ましくは2種からから構成される共重合ポリアミド樹脂が使用される。かかる共重合ポリアミド樹脂としては、例えば、東洋紡績株式会社製透明ナイロンT−714EやT−714H、ダイセル・ヒュルス製トロガミドT5000やCX7323、株式会社EMS昭和電工製グリルアミドTR55、TR90、株式会社クラレ製ジェネスタ等を使用することができるが、これに制限されるものではない。なお、これらポリアミドのDSCにより測定されるガラス転移点は100℃以上である。より好ましくは125℃以上、特に好ましくは150℃以上であるものを使用するのがよい。かかるガラス転移点が100℃以上の高いガラス転移点を有するポリアミドであると、FRPの成形時に対する耐熱性が充分であり、かつ、吸水による影響を最小限に抑えて、CHWを高く発現するので好ましい。
また、かかる樹脂材料は、更なる機能付与(特に強化布帛への接着性、樹脂材料自体の柔軟性、耐薬品性、耐水性、耐熱性等)のために熱可塑性樹脂以外の副成分を有することができる。かかる副成分としては、少なくとも熱硬化性樹脂が含まれる。その他にも、滑剤、可塑剤、熱安定剤等の樹脂以外の化合物等が含まれてもよい。
かかる副成分自体、または副成分を有する樹脂材料が、プリフォーム形態の時には低いガラス転移点で、FRPに成形された後は高いガラス転移点になっていると、プリフォーム化が可能で、かつ優れた力学特性を付与することができる。かかる要件から、副成分として熱硬化性樹脂を含むものである。熱硬化性樹脂により主成分である熱可塑性樹脂が被覆されていたり、熱硬化性樹脂が少なくとも部分的(好ましくは全面的)にアロイ(好ましくは相互侵入網目構造(IPN))化されていると、マトリックス樹脂との化学的相互作用を制御できることにより、強化布帛への接着性や力学特性(特にCAI)を一層高めることができるだけでなく、樹脂材料の耐薬品性や耐熱性の向上、吸水の抑制といった効果も発現する。
すなわち、本発明で使用する樹脂材料は、主成分の熱可塑性樹脂のガラス転移点が100℃以上の高いものであっても、その副成分により樹脂材料としてのガラス転移点が100℃未満(好ましくは90℃未満、更に好ましくは85℃未満)となっていることにより、容易に本発明の課題は解決されるのである。
本発明で得られるプリフォームは、少なくとも複数の強化布帛と熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材料とによって形成されるが、更にプリフォーム内の層間に粘着性付与剤を含んでもよい。かかる粘着性付与剤を層間に配置したり、強化繊維糸条や強化布帛に付着させておくと、各強化布帛同士の接着や強化布帛と樹脂材料との接着がさらに効率的にできるだけでなく、特に樹脂材料が粒子の場合はそれを確実に強化布帛に接着できる。
かかる粘着性付与剤は、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよいが、熱可塑性を有するもの(熱可塑性樹脂のみでなく硬化前の熱硬化性樹脂等をも含む)であると、上述の樹脂材料と同様の理由でプリフォームにおけるVPfを45〜62%の範囲内にし易いため好ましい。中でも熱硬化性樹脂を主成分とすると、得られるFRPの力学特性(特にCHW)が一弾と高く発現するため好ましい。かかる熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ、不飽和ポリエステル、フェノール等が挙げられ、熱可塑性樹脂としては、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン等が挙げられる。これらの中では、エポキシ、ポリウレタン、ポリアミドから選ばれる少なくとも1種であるのが好ましい。なお、かかる粘着性付与剤は硬化剤、硬化促進剤、触媒などを含んでもよい。
かかる粘着性付与剤は、特に強化繊維糸条に付着させると、強化繊維の集束とプリフォームにおける粘着性付与との機能を兼ね備えることができ、強化布帛としての取り扱い性、各強化布帛層の接着性等を兼ね備えることができるため好ましい。この場合、0.4〜1.5重量%の範囲内であるのが好ましい。より好ましくは0.5〜1.2重量%、更に好ましくは0.6〜1重量%の範囲内である。かかる粘着性付与剤が0.4重量%未満であると、強化繊維糸条が巻かれたボビンの取り扱い時にボビンの最外層や側面の強化繊維が毛羽立つため好ましくない。また、1.5重量%を超えると、強化繊維糸条の表面に強固な被膜を形成するため、マトリックス樹脂の含浸にも悪影響を及ぼすため好ましくない。
次に本発明で使用する少なくとも強化繊維糸条によって形成された強化布帛について説明する。かかる強化布帛としては、織物(一方向性、二方向性、多軸)、編物、組物、一方向に引き揃えられたシート(一方向シート)、一方向シートを2層以上重ね合わせた多軸シート等が挙げられ、これら布帛はステッチ糸、結節糸、粗布、バインダー等の樹脂等による各種接合手段により複数のものを一体化したものであってもよい。特に輸送機器(特に航空機)の構造(特に一次構造)部材として用いる場合には、一方向シート、一方向性織物、または多軸シート(特にステッチ接合したもの)であるのが好ましい。
図3は、本発明に用いる強化布帛としての一方向性織物31を示す概略斜視図である。強化繊維糸条32が強化布帛31の長さ方向、つまりたて方向に配列し、よこ方向には強化繊維糸条より細い補助糸33が配列し、たて糸32とよこ糸33が交錯し、図3に示す織組織を有する一方向性織物である。かかる補助糸としては低収縮性のものであることが好ましく、例えば、ガラス繊維糸、アラミド繊維糸、炭素繊維糸等が挙げられ、補助糸の繊度は10〜150texの範囲内であるのが好ましい。特に150texを超えると、補助糸が太くなるので、補助糸によって強化繊維糸条がクリンプし、FRPにした際に若干強化繊維の強度低下をもたらす。上記範囲の繊度であると、強度低下を最小限にし、かつ成形の際に補助糸と強化繊維糸条の交錯によって形成される間隙が樹脂流路となり、マトリックス樹脂の含浸が促進できるので好ましい。
また、別の視点からは、樹脂材料としてガラス転移点が100℃以上の熱可塑性樹脂を主成分とし、熱硬化性樹脂を副成分として、ガラス転移点が100℃未満のものによって形成された補助糸を用いるのも、本発明の好ましい形態の一つである。本発明の樹脂材料は、かかる熱可塑性樹脂を主成分とし、熱硬化性樹脂を副成分としたものによって形成された補助糸であってもその効果を発現する。上記補助糸はカバリング、混繊、交織等の加工されたものであってもよい。
図4は、本発明に用いる強化布帛としての二方向性織物41を示す概略斜視図である。強化繊維糸条42が強化布帛41の長さ方向、つまりたて方向に配列し、よこ方向に強化繊維糸条43が配列し、たて糸42とよこ糸43が交錯し、図4に示す織組織を有する二方向性織物である。
一方向シート、一方向性および二方向性織物における好ましい強化繊維目付は50〜800g/m2の範囲内である。より好ましくは100〜800g/m2、更に好ましくは190〜800g/m2の範囲内である。50g/m2未満であると所定のFRPの厚みを得るための積層枚数が増え、成形の作業性が悪く好ましくない。また、800g/m2を超えるとマトリックス樹脂の含浸性が悪くなるので好ましくない。
図5は、本発明に用いる強化布帛としてのステッチ布帛51を示す概略斜視図である。ステッチ布帛51の下面から、まず長さ方向イに対して斜め方向に多数本の強化繊維糸条が並行に配列して+α゜層52を構成し、次いで強化布帛の幅方向に多数本の強化繊維糸条が並行に配列して90゜層53を構成し、次いで斜め方向に多数本の強化繊維糸条が並行に配列して−α゜層54を構成し、次いで強化布帛の長さ方向に多数本の強化繊維糸条が並行に配列して0゜層55を構成し、互いに配列方向が異なる4つの層が積層された状態で、ステッチ糸56でこれら4層が縫合一体化されている。縫合一体化にあたってのステッチ糸56が形成する縫い組織としては、例えば単環縫い、1/1のトリコット編みが挙げられる。なお、図5で、あたかも断面形状が楕円で示されている繊維の集合体が1糸条で、この糸条間にステッチ糸56が配列しているかに見えるが、ステッチ糸56は糸条に対してはランダムに挿入され、楕円で示されている繊維の集合体はステッチ糸の拘束によって形成されているのである。
ここで、図5に示した多軸ステッチ布帛の強化繊維の構成は+α゜層/90゜層/−α゜層/0゜層の4層構成について説明したが、これに限定するものではない。たとえば0°層/+45°層/0°層/−45°層/90°層/−45°層/0°層/+45°層/0°層のように、0°層が多く含まれるような、0゜、+α゜、−α゜、90゜の4方向を含むものであってもよい。また、0゜、+α゜、−α゜、90゜のいずれかを含むものであってもよい。なお、バイアス角α゜は、ステッチ布帛をFRPの長さ方向に積層し、強化繊維による剪断補強を効果的に行う観点から45゜が好ましい。
図6は、本発明に用いる強化布帛としての多軸織物61を示す概略斜視図である。多軸織物61の下面から、まず織物の幅方向に多数本の強化繊維糸条62が並行に配列して90゜層を構成し、次いで織物の長さ方向に多数本の強化繊維糸条63が並行に配列して0゜層を構成し、長さ方向イに対して斜め方向に多数本の強化繊維糸条64が並行に配列して+α゜層を構成し、次いで斜め方向に多数本の強化繊維糸条65が並行に配列して−α゜層を構成し、互いに配列方向が異なる4つの層が、強化繊維糸条が真直ぐな状態で積層され、織物の長さ方向に配列する多数本の結節糸661、662、663・・・が、これら4層の糸条間に挿入されている。この結節糸66は、上面の強化繊維糸条65と下面の強化繊維糸条62と1本交互に交錯し、上面、下面、上面、下面の順で浮き沈みしながら4つの層が織組織で一体化されている。
なお、図6に示した多軸織物61の強化繊維の構成は+α゜層/90゜層/−α゜層/0゜層の4層構成について説明したが、これに限定するものではない。たとえば、0°層が多く含まれるような、0゜、+α゜、−α゜、90゜の4方向を含むものであってもよい。なお、バイアス角α゜は、多軸織物61をFRPの長さ方向に積層し、強化繊維による剪断補強を効果的に行う観点から45゜が好ましい。
本発明におけるステッチ布帛および多軸織物の各層の強化繊維目付は100〜1000g/m2の範囲内ものが好ましい。より好ましくは100〜800g/m2、更に好ましくは100〜500g/m2の範囲内である。ステッチ糸や結節糸の挿入部には部分的に強化繊維の存在しない箇所ができ、層方向からの樹脂含浸が可能となるので、通常の織物などの強化布帛に比べて比較的高目付の強化布帛としてもマトリックス樹脂の含浸が阻害されることはないが、1000g/m2を超えるとなると含浸速度が遅くなるので好ましくない。また、100g/m2未満になると所定の厚みを得るために必要となる強化布帛枚数が多くなり、積層に手間がかかり好ましくない。各層の強化繊維目付より好ましい範囲は、150〜400g/m2の範囲内ものである。
なお、上記に説明したステッチ布帛ならびに多軸織物は、その層方向の強化繊維糸条はクリンプすることなく真っ直ぐに配列しているから、FRPにしたとき、強化繊維糸条やマトリックス樹脂に応力集中が働かないため、強度や弾性率の低下が無く、本発明で使用する好ましい強化布帛といえる。
本発明に使用する強化繊維糸条は、マルチフイラメント糸であってガラス繊維糸、有機(アラミド、PBO、PVA、PE等)繊維糸、炭素繊維(PAN系、ピッチ系等)糸等である。炭素繊維は比強度および比弾性率に優れ、殆ど吸水しないので、航空機構造材や自動車の強化繊維として好ましく用いられる。なかでも、下記の高靭性炭素繊維糸であると、FRPの衝撃吸収エネルギーが大きくなるので、航空機の1次構造材としても使えるようになる。すなわち、JIS R7601に準拠して測定される引張弾性率E(GPa)が210GPa以上、破壊歪エネルギーW(MJ/m3=106×J/m3)が40MJ以上であると好ましい。より好ましくは、引張弾性率280GPa以上、かつ破壊歪エネルギーが53MJ/m3以上である。引張弾性率Eが210GPa未満の炭素繊維糸を用いると、構造材としてのFRPの撓み量が許容される様にするために、FRPを構造材として用いる場合に板厚を厚くせねばならず、結果的に重くなってしまう。また、破壊歪エネルギーが40MJ/m3未満であると、FRPに衝撃が付与される際、炭素繊維の破壊によって吸収される衝撃エネルギーが小さいので、余剰のエネルギーは層間のマトリックス樹脂層の破壊に費やされ、層間のクラックも大きくなるので好ましくない。また、信頼性にも劣ったFRPとなる。ここで、破壊歪エネルギーとは、JIS R 7601に準拠して測定される引張強度σ(GPa)と、上記したE値とを用いて、式W=σ2 /2Eに基づいて算出される値のことをいう。
本発明に使用する炭素繊維糸条の太さは12,000〜24,000フイラメントであるのが好ましい。とくに、これら太い炭素繊維糸条を用いると、炭素繊維が安くなるので安価な強化布帛が得られ好ましい。
一方、一層当たりの強化繊維の目付が小さいと、層内の強化繊維糸条と強化繊維糸条の間に隙間ができ、強化繊維体積率Vfが部分的に不均一となり、成形すると強化繊維体積率Vfが大きなところはFRPが厚くなり、また強化繊維体積率Vfが小さなところはFRPが薄くなり、表面が凸凹したFRPとなる。このような場合には、製織寸前やステッチ糸による一体化加工前に、または/および強化布帛加工後に強化繊維糸条をローラの揺動操作やエアー・ジェット噴射で薄く拡げると、強化布帛の全面にわたり強化繊維の体積比が均一となり、表面が平滑なFRPが得られるので好ましい。
次に、本発明のFRPについて説明する。本発明のFRPは、上述のプリフォームにマトリックス樹脂が含浸したものである。かかるマトリックス樹脂は必要に応じて固化(硬化または重合)される。かかるマトリックス樹脂の好ましい例としては、例えば、熱硬化性樹脂、RIM用熱可塑性樹脂等が挙げられるが、中でも注入成形に好適であるエポキシ、フェノール、ビニルエステル、不飽和ポリエステル、シアネートエステル、ビスマレイミドおよびベンゾオキサジンから選ばれる少なくとも1種であるのが好ましい。
かかるFRPにおける強化繊維体積率Vfは45〜70%の範囲内であると、本発明の課題である力学特性(特にCAI、CHW)、軽量化効果を高く発現できるため好ましい。より好ましくは45〜62%、さらに好ましくは50〜60%の範囲内である。かかるFRPは、予めプリフォームの段階でVPfを制御しておくことにより、Vfを上記範囲に安定して制御でき、品質が安定したFRPを得ることができる。なお、FRPにおける強化繊維体積率Vfとは、次式で求めた値をいう(単位は%)。なお、ここで用いた記号は下記に準ずる。
f=(W2×100)/(ρ×T2) (%)
W2:FRP1cm2当たりの強化繊維の重量(g/cm2
ρ:強化繊維の密度(g/cm3
T2:FRPの厚さ(cm)
また、本発明のFRPは優れた力学特性を有し、かつ軽量であるため、その用途が航空機、自動車、船舶の輸送機器のいずれかにおける一次構造部材、二次構造部材、外装部材または内装部材であることが好ましい。
以下、具体的に図面を用いて説明する。
図7は、本発明で得られるFRPを用いた航空機71の概略図である。各種フェアリング、メインランデングギアドア、テイルコーン、エンジンナセルなどの2次構造材以外に、主翼72、床支持桁73、胴体74、垂直尾翼75、水平尾翼76、ウイング・ボックス (図示せず)、 キール(図示せず)等の1次構造材として本発明のプリフォームを成形したFRPを使用すると、優れた特にCAI、CHW等の力学特性、軽量化効果を発現するだけでなく、高い生産性でこれら製造でき、品質が安定しているため、これら航空機の構造部材は本発明のFRPの特に好ましい用途といえる。
図8、図9は、本発明の構造要素81、91としての実施例で、従来はスキン材82、92,桁材83、93,リブ材84、94を別々に成形し、これをリベットまたはボルトナット止め、接着剤による接着を施し、組み立てていたが、本発明のFRPおよびその製造方法によれば、スキン材と桁材やリブ材とを一体成形することが可能となり、成形コストを大幅に低減することができる。
次に、本発明のプリフォームの製造方法について説明する。本発明のプリフォームの製造方法は、少なくとも次の工程(A)〜(D)を経て製造する。
まず、(A)積層工程にて、少なくとも強化繊維糸条によって形成され、その少なくとも一方の表面に、強化布帛以外のガラス転移点が100℃以上の熱可塑性樹脂を主成分とし、熱硬化性樹脂を副成分として、そのガラス転移点が100℃未満の樹脂材料を予め接着している強化布帛を、プリフォーム型に複数枚積層する。
次に、(B)配置工程にて、積層体をプリフォーム型内に配置し、更に、(C)加熱工程にて、プリフォームが強化繊維体積率VPfの範囲内になるように積層体を加熱および加圧して、(D)冷却工程にて、積層体を冷却する。
ここで、(A)積層工程において、樹脂材料の形態が、有機繊維布帛、粒子もしくはフィルムであると、その優れた形態安定性により積層時間を短くできるため好ましい。かかる樹脂材料は、それ自体で強化布帛に接着していてもよいし、前述の粘着性付与剤にて接着していてもよいが、VPfを本発明の範囲内にするためには、前者の方が好ましい態様といえる。
(A)積層工程において、強化布帛の少なくとも一方の表面に粘着性付与剤が予め接着されている強化布帛を積層したり、粘着性付与剤により被覆された強化繊維糸条によって形成された強化布帛を用い、強化布帛の層間に、ガラス転移点が100℃以上の熱可塑性樹脂を主成分とし、熱硬化性樹脂を副成分として、ガラス転移点が100℃未満の有機繊維布帛、粒子もしくはフィルム等を同時に積層または塗布して接着すると、積層時間や製造コストの面から若干不利なるものの、所望のFRP特性を自由に設計することができるため、好ましい方法といえる。
(B)配置工程において、プリフォーム型は、その一方がバッグ材(例えば、フィルム、予め型形状が賦形されている柔軟ラバー等)であり、もう一方が雄型または雌型(例えば、金型、木型、樹脂型またはFRP型等)のいずれかであってもよいし、バッグ材を用いない雄型および雌型(共に金型、木型、樹脂型またはFRP型等)であってもよい。また、プリフォーム型は成形型として用いられても何ら問題はなく、特に大型FRPの場合には、設備費を安価にするためプリフォーム化と成形とに兼用できる型を用いるのが好ましい。
かかる積層体は、(C)加熱工程において、プリフォーム型を加圧して、積層体を強化繊維体積率VPfが45〜62%の範囲内にするのが好ましい。プリフォーム型の加圧方法としては、積層体をプリフォーム型内に密閉し、プリフォーム型内を大気圧以下に減圧することにより、大気圧でプリフォームを加圧する方法が挙げられ、特にプリフォーム型としてバッグ材と雄型または雌型とを用いる場合に特に好適である。かかる加圧方法は、設備を安価に抑えることができるため、本発明の好ましい態様ということができる。また、プリフォーム型が、雄型および雌型である場合には、積層体の厚み方向に対して機械的に加圧する方法を用いることができ、かかる方法によると設備が高価になるものの、更に正確にVPfが制御できる。
上記(C)加熱工程において、積層された強化布帛および樹脂材料を、60〜200℃の範囲内で加熱すると、樹脂材料や粘着性付与剤が可塑化し、強化布帛を形成している強化繊維を適度な範囲に充填できる様に移動させることができるため、VPfが45〜62%の範囲内のものが得られ易く、高いVfで且つ品質が安定したFRPを得ることができる。樹脂材料や粘着性付与剤の種類にもよるが、生産性を鑑みるとより好ましい加熱温度は80〜160℃、更に好ましくは100〜140℃の範囲内である。
次に、本発明で得られるプリフォームを用いてFRPを製造する方法について説明する。
本発明で得られるプリフォームを用いてFRPを製造する方法は、少なくとも強化繊維糸条によって形成された強化布帛を複数枚積層してなる強化繊維体積率VPfのプリフォームにマトリックス樹脂を注入して強化繊維体積率VfのFRPを成形するFRPの製造方法であって、プリフォーム内の層間に強化布帛以外のガラス転移点が100℃以上の熱可塑性樹脂を主成分とし、熱硬化性樹脂を副成分として、そのガラス転移点が100℃未満の樹脂材料を有し、かつ、強化布帛と樹脂材料とを含む各層が少なくとも部分的に接着しているプリフォームを用い、FRPの強化繊維体積率Vfをプリフォームの強化繊維体積率VPf〜(VPf+10)%の範囲内となるように成形する。より好ましくは(VPf+2)〜(VPf+8)%、更に好ましくは(VPf+3)〜(VPf+6)%の範囲内である。従来は、Vfよりも小さいVPfのプリフォームを成形することによりVfを制御していたが、その高いVPfのためにマトリックス樹脂の含浸性に劣る問題があった。VPfとVfがかかる範囲内になるように成形を行う、すなわちマトリックス樹脂を注入した後に強化繊維を更に密に充填させる(Vfを高める)ことにより、前記問題を解決することが可能となる。一方、所望のVfより10%を越えて低いVPfのプリフォームを用いると、含浸性には優れるものの、所望のVfに成形することが困難となるだけでなく、FRP中のVfの不均一性が大きくなり好ましくない。
かかるVPfは45〜62%であり、かつVfは45〜70%の範囲内であるのが好ましい。より好ましくはVPfが50〜58%であり、かつVfが50〜65%の範囲内、更に好ましくはVPfが52〜56%であり、かつVfが55〜60%の範囲内である。なお、VPfやVfは上述の方法で測定したものである。
かかるプリフォームは、その層間に強化布帛以外のガラス転移点が100℃以上の熱可塑性樹脂を主成分とし、熱硬化性樹脂を副成分として、ガラス転移点が100℃未満の樹脂材料を有し、かつ強化布帛と樹脂材料とを含む各層が少なくとも部分的に接着していることにより、前述の(イ)〜(ヘ)の効果を発現できる。
また、異なる視点からは、本発明で得られるFRPは、本発明で得られるプリフォームを用いて、少なくとも次の工程からなる方法にて製造する。
まず、(E)セット工程にて、本発明のプリフォームを成形型に配置する。
次いで、(F)注入工程にて、液体化しているマトリックス樹脂を、成形型に注入してプリフォームにマトリックス樹脂を含浸させる。
更に、(G)固化工程にて、マトリックス樹脂を固化(硬化または重合)させる。なお、固化させる際、固化効率を上げるために加熱するのが好ましい。必要に応じて、マトリックス樹脂の固化を確実なものにするために、FRPを再度加熱して固化するアフターキュア(二次固化)工程を経てもよい。
ここで、上記(E)セット工程において、成形型が雄型および雌型を含む2つから形成されると、マトリックス樹脂の注入時に大気圧以上の圧力をかけることができるため、短サイクルで成形でき、成形コストを低減することが可能となる。
また、上記(E)セット工程において、成形型が少なくとも雄型または雌型のいずれかとバック材(例えばフィルム状、型形状を賦形されている柔軟ラバー等)からなり、プリフォームの少なくとも最表面に樹脂拡散媒体を積層し、上記(F)注入工程において、まずマトリックス樹脂を優先的に樹脂拡散媒体(例えばメッシュ、金網等)に注入した後に、プリフォームの厚み方向に含浸させると、成形型費を安くすることができ、成形コストを低減することが可能となる。なお、この場合は樹脂拡散媒体とFRPを成形後に簡単に分離できるようにピールプライ(例えば熱収縮が小さくなる処理を行った熱可塑性繊維によって形成された離型織物等)を樹脂拡散媒体とプリフォームとの間に積層しておくのが好ましい。
更に、上記(F)注入工程において、成形型内を真空ポンプ等で脱気して、真空に保ちながらマトリックス樹脂を注入すると、プリフォームへのマトリックス樹脂の含浸が容易となり、より品質の高いFRPを、短サイクルで成形でき、成形コストをより低減することができるため好ましい。
また、本発明で得られるFRPは、本発明で得られるプリフォームを用いて少なくとも次の工程からなる方法で製造してもよい。かかる方法でも本発明の課題を解決できる。
まず、(H)セット工程にて、上述のプリフォームとマトリックス樹脂とによって形成された樹脂フィルムとを成形型に配置し、成形型(一方が雌型または雄型で、一方がバッグ材であるのが好ましい)内を真空に減圧する。
次いで、(I)浸透工程にて、成形型を加熱して樹脂フィルムを溶融させ、プリフォームにマトリックス樹脂を浸透させる。
更に、(J)固化工程にて、マトリックス樹脂を固化(硬化または重合)させる。
以下、実施例によって更に詳細に説明する。実施例における原材料は次の通りである。
強化布帛A:PAN系炭素繊維束[TEX=800、引張弾性率=235GPa、破壊歪エネルギー=52MJ/m3、粘着性付与剤:ポリウレタン樹脂とエポキシ樹脂との混合物を炭素繊維束に対して1重量%]をたて糸(2.4本/cm)とした一方向性織物[補助よこ糸:ガラスヤーン(ECE225 1/01Z、バインダータイプDP、日東紡績株式会社製)3本/cm、炭素繊維目付=193g/m3]。
強化布帛B:PAN系炭素繊維束[TEX=1030、引張強度5830MPa、引張弾性率294GPa、破壊歪エネルギー58MJ/m3、]をたて糸(1.9本/cm)とした一方向性織物[補助よこ糸および炭素繊維目付は強化布帛Aと同様]。
強化布帛C:強化布帛Bに用いたPAN系炭素繊維をたて糸(2.8本/cm)とした一方向性織物[補助よこ糸は強化布帛Aと同様、炭素繊維目付は295g/m2]。
樹脂材料A:芯鞘型ポリアミド繊維によって形成された不織布[芯部:ポリアミド6、鞘部:融点110℃の共重合ポリアミド、目付=10g/m2]。
樹脂材料B:ポリエーテルスルフォン樹脂(住友化学工業株式会社製スミカエクセル5003Pの微粉砕品)60重量%と、エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製AK−601)40重量%とを溶融混練して相溶化させ、粉砕した塊状粒子[レーザー回折・散乱法による平均粒径(D50)が124μm、樹脂材料としてのガラス転移点は68℃の1ピーク]。
樹脂材料C:ポリアミド樹脂(株式会社EMS昭和電工製グリルアミドTR55、ガラス転移点=162℃)90重量%とエポキシ樹脂および硬化剤10重量%とをアロイ化(IPN化)した球状粒子(D50=13μm)100重量部を、エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製エピコート1004AF)80重量部とを溶融混練して粉砕した塊状粒子[D50=46μm、樹脂材料としてのガラス転移点は68℃と155℃との2ピーク]。
樹脂材料D:エポキシ樹脂[3M Company製PT500]
マトリックス樹脂A:RTM用エポキシ樹脂[東レ株式会社製TR−A31]
マトリックス樹脂B:主液100重量部に硬化液を32重量部加えた液状エポキシ樹脂[70℃におけるE型粘度計による初期粘度が250mPa・s]。
主液:Vantico GmbH製”アラルダイト”MY−721を30重量部、ジャパンエポキシレジン株式会社製”エピコート”825を20重量部、日本化薬株式会社製AK−601を20重量部、大日本インキ化学工業株式会社製”エピクロン”HP−7200Lを30重量部、および硬化促進剤としてp−トルエンスルホン酸−n−プロピル1.4重量部が均一になるまで攪拌されたもの。
硬化液:ジャパンエポキシレジン株式会社製”エピキュア”Wを18.1重量部、三井化学ファイン株式会社製3,3’−ジアミノジフェニルスルホンを7.2重量部、住友化学工業株式会社製”スミキュア”Sを7.2重量部が均一になるまで撹拌されたもの。
本発明のプリフォームおよびそれを成形して得られたFRPに関する評価項目およびその方法は次の通りである。
<プリフォーム(FRP)における強化繊維体積率VPf(V)>
プリフォームまたはFRP平板の厚みを測定し、VPf=(W×100)/(ρ×T)またはV=(W×100)/(ρ×T)の式に基づき算出した(単位は%)。上式に用いた記号は下記の通り。なお、プリフォームについては、プリフォーム化した後、少なくとも24時間経過したものを測定に供した。
(W):プリフォーム(FRP)における平面方向の1mから算出されるプリフォーム(FRP)1cm当たりの強化繊維の重量(g/cm
ρ:強化繊維の密度(g/cm
(T):JIS R 7602に基づいた0.1MPaの荷重下で測定したプリフォーム(FRP)の厚さ(cm)
<衝撃後の常温圧縮試験(CAI)>
得られたFRP平板1〜3および5を長152mm×幅102mmに切り出しクーポンを得た。そのクーポンの中心に5.44kg(12ポンド)の錘を0.586mの高さから落下させて6.7kJ/m(1500in・lb/in)の落錘衝撃を与えた後、衝撃後の常温圧縮強度を測定した(負荷速度1.3mm/min)。なお、本測定では4サンプル測定し、それらの平均値をVfで割った値に55を乗じた値(Vf=55%換算)を用いた。なお、本試験の詳細は、SACMA SRM 2R−94中に記載がある。
<湿熱処理後の高温圧縮強度(CHW)>
得られたFRP平板4、6からSACMA SRM 1R−94に準拠したクーポンを得た。クーポンを70℃の温水中に14日間浸漬し(湿熱処理)、直ちに高温(82℃)0°圧縮強度を測定した。なお、本測定では5サンプル測定し、それらの平均値をVfで割った値に55を乗じた値(Vf=55%換算)を用いた。
参考例1
強化布帛Aと樹脂材料Aである不織布とを遠赤外線ヒーターとホットローラーとで加熱して接着し、複合布帛Aを得た。かかる樹脂材料Aは、樹脂材料A自体および強化繊維束に予め付着させておいた粘着性付与剤により接着していた。複合布帛Aを[−45°/0°/+45°/90°]3Sの構成で積層して積層体を得た。この積層体を平面状のプリフォーム型とバッグフィルムとシーラントとにて密閉して真空に減圧した状態で、140℃のオーブンに60分間放置した。その後、オーブンから取り出し、プリフォーム型を室温まで冷却した後に放圧してプリフォーム1を得た。
実施例1
樹脂材料Bを強化布帛B上に27g/m2塗布し、遠赤外線ヒーターで加熱して接着し、複合布帛Bを得た。複合布帛Bを参考例1と同様に積層した積層体を得た。この積層体を80℃の平面状のプリフォーム型にてプレス(150kPa、5分間)し、プリフォーム型を室温まで冷却した後に放圧してプリフォーム2を得た。
実施例2
樹脂材料Cを強化布帛C上に26g/m2塗布し、遠赤外線ヒーターで加熱して接着し、複合布帛Cを得た。複合布帛Cを[−45/0/+45/90]2Sの構成で積層した積層体を得た。オーブンの温度を130℃にする以外は参考例1と同様にして、この積層体をプリフォーム化してプリフォーム3を得た。
実施例3
複合布帛Cを用い、[0]4の構成で積層した以外は実施例2と同様にして、プリフォーム4を得た。
以上の参考例1、実施例1〜3で得られたプリフォーム1〜4は、強化布帛同士が樹脂材料により少なくとも部分的に接着され、バラバラにならない強固にバルク化されたものであり、プリフォームとしての取り扱いが可能なものであった。
参考例2
得られたプリフォーム1を、40℃のキャビティが平面状の成形金型(雌型)内に配置し、次いで成形金型(雄型)にて型締して−80kPa以下に減圧した。予め準備していたマトリックス樹脂Aを40℃に保ちながら成形金型に、圧力をかけながら注入した。樹脂が含浸した後、80℃に昇温し、12時間放置して硬化させて脱型した。脱型した後、更に180℃にて2時間、フリースタンドでアフターキュアして更に硬化させて、FRP平板1を得た。
実施例4
得られたプリフォーム2〜4上に樹脂拡散媒体(アルミ金網)を積層し、平面状の成形金型とバッグ材とでシーラントを用いて密閉することによりキャビティを形成し、80℃のオーブン中に入れる。プリフォームの温度が80℃に達した後に密閉したキャビティを真空に減圧して、マトリックス樹脂Bを80℃に保ちながら大気圧との差圧のみで注入した。樹脂が含浸した後、減圧を続けながら130℃に昇温し、2時間放置して硬化させて脱型した。その後、参考例2と同様にアフターキュアを行って、FRP平板2〜4を得た。
比較例1
参考例1で用いた積層体を真空減圧して加熱せずに積層して、そのままをプリフォーム5を得た。
比較例2
樹脂材料Cに替えて樹脂材料Dを10g/m2用い、オーブンの温度を100℃にした以外は実施例2と同様にしてプリフォーム6を得た。得られたプリフォーム6を実施例4と同様に成形してFRP平板5を得た。
比較例3
樹脂材料Cを用いなかった以外は実施例2と同様にしてプリフォーム7を得た。得られたプリフォーム7を実施例4と同様に成形してFRP平板6を得た。
比較例4
樹脂材料Cを用いなかった以外は実施例3と同様にしてプリフォーム8を得た。得られたプリフォーム8を実施例4と同様に成形してFRP平板7を得た。
以上の比較例で得られたプリフォーム5、7、8は、強化布帛同士が接着できずにバラバラになり、プリフォーム自体を形成することができなかった。
比較例5
プレスによる加圧条件を110℃で500kPa、15分間にした以外は実施例1と同様にしてプリフォーム8を得た。このように得られたプリフォーム8を実施例4と同様に成形したが、VPfが高過ぎ、マトリックス樹脂Bが含浸出来ず、FRP平板を得ることができなかった。
評価結果を次の表1に示す。各参考例、実施例、比較例にて用いた材料種類と配合率は表1に示した通りである。
Figure 0004609513
表1から明らかなように、参考例1、実施例1〜3のプリフォームを成形したFRPは、樹脂材料に熱可塑性樹脂を用いていない比較例2や、樹脂材料そのものを用いていない比較例3のFRPに比して、著しく高いCAIを有した。また、本発明の強化繊維体積率VPf範囲外のプリフォームを成形した比較例4のFRPよりもマトリックス樹脂の含浸性に優れ、かつ強化繊維体積率Vfを高くすることができ、軽量化を達成することができた。なお、参考例1は実施例1、2に比べてCAIに相対的に劣り、実施例1〜3に比べて強化繊維体積率Vを高くすることができなかった。
本発明のプリフォームの一態様を説明する概略断面図である。 本発明のプリフォームの別の一態様を説明する概略断面図である。 本発明に係る強化布帛としての一方向性織物を示す概略斜視図である。 本発明に係る強化布帛としての二方向性織物を示す概略斜視図である。 本発明に係る強化布帛としてのステッチ布帛を示す概略斜視図である。 本発明に係る強化布帛としての多軸織物を示す概略斜視図である。 本発明のFRPを使用している航空機の概略斜視図である。 本発明の構造要素としての実施例を示す概略斜視図である。 本発明の構造要素としての別の実施例を示す概略斜視図である。
符号の説明
11、21:プリフォーム
12、22:強化布帛
13、23:樹脂材料
24:粘着性付与剤
31:一方向性織物
32、42:強化繊維糸条(たて糸)
33:補助糸(よこ糸)
41:二方向性織物
43:強化繊維糸条(よこ糸)
51:ステッチ布帛
52:強化布帛を形成する+α゜の強化繊維層
53:強化布帛を形成する90゜の強化繊維層
54:強化布帛を形成する−α゜の強化繊維層
55:強化布帛を形成する0゜の強化繊維層
56:ステッチ糸
61:多軸織物
62:90゜層の強化繊維糸条
63:0゜層の強化繊維糸条
64:+α゜層の強化繊維糸条
65:−α゜層の強化繊維糸条
66:結節糸
661、662、663・・・:結節糸
71:航空機
72:主翼
73:床支持桁
74:胴体
75:垂直尾翼
76:水平尾翼
81、91:構造要素
82、92:スキン材
83、93:桁材
84、94:リブ材
イ :強化布帛の長さ方向

Claims (4)

  1. 少なくとも次の工程(A)〜(D)を経て製造することを特徴とするプリフォームの製造方法。
    (A)少なくとも強化繊維糸条によって形成され、その少なくとも一方の表面に、強化布帛以外のガラス転移点が100℃以上の熱可塑性樹脂を主成分とし、熱硬化性樹脂を副成分として、そのガラス転移点が100℃未満の樹脂材料を予め接着している強化布帛を、プリフォーム型に複数枚積層する積層工程、
    (B)積層体をプリフォーム型内に配置する配置工程、
    (C)積層体を加熱および加圧する加熱工程、
    (D)積層体を冷却する冷却工程。
  2. (A)積層工程において、樹脂材料の形態が、有機繊維布帛、粒子もしくはフィルムであることを特徴とする請求項1に記載のプリフォームの製造方法。
  3. (B)配置工程において、配置するプリフォーム型の一方がバッグ材であり、もう一方が雄型または雌型のいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載のプリフォームの製造方法。
  4. (C)加熱工程において、予め(B)配置工程で積層体をプリフォーム型内に密閉してプリフォーム型内を大気圧以下に減圧することにより、大気圧でプリフォームを加圧することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプリフォームの製造方法。
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