JP4609513B2 - プリフォームの製造方法 - Google Patents
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Description
(1)少なくとも次の工程(A)〜(D)を経て製造することを特徴とするプリフォームの製造方法。
(A)少なくとも強化繊維糸条によって形成され、その少なくとも一方の表面に、強化布帛以外のガラス転移点が100℃以上の熱可塑性樹脂を主成分とし、熱硬化性樹脂を副成分として、そのガラス転移点が100℃未満の樹脂材料を予め接着している強化布帛を、プリフォーム型に複数枚積層する積層工程、
(B)積層体をプリフォーム型内に配置する配置工程、
(C)積層体を加熱および加圧する加熱工程、
(D)積層体を冷却する冷却工程。
W1:プリフォームにおける平面方向の1m2から算出されるプリフォーム1cm2当たりの強化繊維の重量(g/cm2)
ρ :強化繊維の密度(g/cm3)
T1:JIS R 7602に準拠し、0.1MPaの荷重下で測定したプリフォームの厚さ(cm)
本発明で使用する樹脂材料は、プリフォームに対して1〜20重量%の範囲内で含まれているのがよい。VPfを上記範囲に容易に制御する観点からは1〜10重量%、より好ましくは2〜8重量%、特に好ましくは3〜6重量%の範囲内である。かかる樹脂材料が1重量%未満であると、上記の効果を発現できないため好ましくない。また、樹脂材料が20重量%を超えると、プリフォームにおける強化繊維体積率VPfが45〜62%の範囲内にすることが困難となる場合があるため好ましくない。
W2:FRP1cm2当たりの強化繊維の重量(g/cm2)
ρ:強化繊維の密度(g/cm3)
T2:FRPの厚さ(cm)
また、本発明のFRPは優れた力学特性を有し、かつ軽量であるため、その用途が航空機、自動車、船舶の輸送機器のいずれかにおける一次構造部材、二次構造部材、外装部材または内装部材であることが好ましい。
マトリックス樹脂A:RTM用エポキシ樹脂[東レ株式会社製TR−A31]
マトリックス樹脂B:主液100重量部に硬化液を32重量部加えた液状エポキシ樹脂[70℃におけるE型粘度計による初期粘度が250mPa・s]。
<プリフォーム(FRP)における強化繊維体積率VPf(Vf)>
プリフォームまたはFRP平板の厚みを測定し、VPf=(WP×100)/(ρ×TP)またはVf=(Wf×100)/(ρ×Tf)の式に基づき算出した(単位は%)。上式に用いた記号は下記の通り。なお、プリフォームについては、プリフォーム化した後、少なくとも24時間経過したものを測定に供した。
ρ:強化繊維の密度(g/cm3)
TP(Tf):JIS R 7602に基づいた0.1MPaの荷重下で測定したプリフォーム(FRP)の厚さ(cm)
<衝撃後の常温圧縮試験(CAI)>
得られたFRP平板1〜3および5を長152mm×幅102mmに切り出しクーポンを得た。そのクーポンの中心に5.44kg(12ポンド)の錘を0.586mの高さから落下させて6.7kJ/m(1500in・lb/in)の落錘衝撃を与えた後、衝撃後の常温圧縮強度を測定した(負荷速度1.3mm/min)。なお、本測定では4サンプル測定し、それらの平均値をVfで割った値に55を乗じた値(Vf=55%換算)を用いた。なお、本試験の詳細は、SACMA SRM 2R−94中に記載がある。
<湿熱処理後の高温圧縮強度(CHW)>
得られたFRP平板4、6からSACMA SRM 1R−94に準拠したクーポンを得た。クーポンを70℃の温水中に14日間浸漬し(湿熱処理)、直ちに高温(82℃)0°圧縮強度を測定した。なお、本測定では5サンプル測定し、それらの平均値をVfで割った値に55を乗じた値(Vf=55%換算)を用いた。
強化布帛Aと樹脂材料Aである不織布とを遠赤外線ヒーターとホットローラーとで加熱して接着し、複合布帛Aを得た。かかる樹脂材料Aは、樹脂材料A自体および強化繊維束に予め付着させておいた粘着性付与剤により接着していた。複合布帛Aを[−45°/0°/+45°/90°]3Sの構成で積層して積層体を得た。この積層体を平面状のプリフォーム型とバッグフィルムとシーラントとにて密閉して真空に減圧した状態で、140℃のオーブンに60分間放置した。その後、オーブンから取り出し、プリフォーム型を室温まで冷却した後に放圧してプリフォーム1を得た。
樹脂材料Bを強化布帛B上に27g/m2塗布し、遠赤外線ヒーターで加熱して接着し、複合布帛Bを得た。複合布帛Bを参考例1と同様に積層した積層体を得た。この積層体を80℃の平面状のプリフォーム型にてプレス(150kPa、5分間)し、プリフォーム型を室温まで冷却した後に放圧してプリフォーム2を得た。
樹脂材料Cを強化布帛C上に26g/m2塗布し、遠赤外線ヒーターで加熱して接着し、複合布帛Cを得た。複合布帛Cを[−45/0/+45/90]2Sの構成で積層した積層体を得た。オーブンの温度を130℃にする以外は参考例1と同様にして、この積層体をプリフォーム化してプリフォーム3を得た。
複合布帛Cを用い、[0]4の構成で積層した以外は実施例2と同様にして、プリフォーム4を得た。
得られたプリフォーム1を、40℃のキャビティが平面状の成形金型(雌型)内に配置し、次いで成形金型(雄型)にて型締して−80kPa以下に減圧した。予め準備していたマトリックス樹脂Aを40℃に保ちながら成形金型に、圧力をかけながら注入した。樹脂が含浸した後、80℃に昇温し、12時間放置して硬化させて脱型した。脱型した後、更に180℃にて2時間、フリースタンドでアフターキュアして更に硬化させて、FRP平板1を得た。
得られたプリフォーム2〜4上に樹脂拡散媒体(アルミ金網)を積層し、平面状の成形金型とバッグ材とでシーラントを用いて密閉することによりキャビティを形成し、80℃のオーブン中に入れる。プリフォームの温度が80℃に達した後に密閉したキャビティを真空に減圧して、マトリックス樹脂Bを80℃に保ちながら大気圧との差圧のみで注入した。樹脂が含浸した後、減圧を続けながら130℃に昇温し、2時間放置して硬化させて脱型した。その後、参考例2と同様にアフターキュアを行って、FRP平板2〜4を得た。
参考例1で用いた積層体を真空減圧して加熱せずに積層して、そのままをプリフォーム5を得た。
樹脂材料Cに替えて樹脂材料Dを10g/m2用い、オーブンの温度を100℃にした以外は実施例2と同様にしてプリフォーム6を得た。得られたプリフォーム6を実施例4と同様に成形してFRP平板5を得た。
樹脂材料Cを用いなかった以外は実施例2と同様にしてプリフォーム7を得た。得られたプリフォーム7を実施例4と同様に成形してFRP平板6を得た。
樹脂材料Cを用いなかった以外は実施例3と同様にしてプリフォーム8を得た。得られたプリフォーム8を実施例4と同様に成形してFRP平板7を得た。
プレスによる加圧条件を110℃で500kPa、15分間にした以外は実施例1と同様にしてプリフォーム8を得た。このように得られたプリフォーム8を実施例4と同様に成形したが、VPfが高過ぎ、マトリックス樹脂Bが含浸出来ず、FRP平板を得ることができなかった。
12、22:強化布帛
13、23:樹脂材料
24:粘着性付与剤
31:一方向性織物
32、42:強化繊維糸条(たて糸)
33:補助糸(よこ糸)
41:二方向性織物
43:強化繊維糸条(よこ糸)
51:ステッチ布帛
52:強化布帛を形成する+α゜の強化繊維層
53:強化布帛を形成する90゜の強化繊維層
54:強化布帛を形成する−α゜の強化繊維層
55:強化布帛を形成する0゜の強化繊維層
56:ステッチ糸
61:多軸織物
62:90゜層の強化繊維糸条
63:0゜層の強化繊維糸条
64:+α゜層の強化繊維糸条
65:−α゜層の強化繊維糸条
66:結節糸
661、662、663・・・:結節糸
71:航空機
72:主翼
73:床支持桁
74:胴体
75:垂直尾翼
76:水平尾翼
81、91:構造要素
82、92:スキン材
83、93:桁材
84、94:リブ材
イ :強化布帛の長さ方向
Claims (4)
- 少なくとも次の工程(A)〜(D)を経て製造することを特徴とするプリフォームの製造方法。
(A)少なくとも強化繊維糸条によって形成され、その少なくとも一方の表面に、強化布帛以外のガラス転移点が100℃以上の熱可塑性樹脂を主成分とし、熱硬化性樹脂を副成分として、そのガラス転移点が100℃未満の樹脂材料を予め接着している強化布帛を、プリフォーム型に複数枚積層する積層工程、
(B)積層体をプリフォーム型内に配置する配置工程、
(C)積層体を加熱および加圧する加熱工程、
(D)積層体を冷却する冷却工程。 - (A)積層工程において、樹脂材料の形態が、有機繊維布帛、粒子もしくはフィルムであることを特徴とする請求項1に記載のプリフォームの製造方法。
- (B)配置工程において、配置するプリフォーム型の一方がバッグ材であり、もう一方が雄型または雌型のいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載のプリフォームの製造方法。
- (C)加熱工程において、予め(B)配置工程で積層体をプリフォーム型内に密閉してプリフォーム型内を大気圧以下に減圧することにより、大気圧でプリフォームを加圧することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプリフォームの製造方法。
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