JP2003012707A - 加熱成型用表面材 - Google Patents

加熱成型用表面材

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JP2003012707A
JP2003012707A JP2001198433A JP2001198433A JP2003012707A JP 2003012707 A JP2003012707 A JP 2003012707A JP 2001198433 A JP2001198433 A JP 2001198433A JP 2001198433 A JP2001198433 A JP 2001198433A JP 2003012707 A JP2003012707 A JP 2003012707A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、SMCやBMC等から成型品を製造
する際に、成型品表面に模様や、抗菌性などの特殊機能
を付与し、成型品の付加価値を高めることができるシー
ト状の加熱成型用表面材を提供することにある。 【解決手段】液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂を水と
混合し水相中に樹脂粒子を均一に分散させてなるO/W
型水性分散体を補強材の存在下に硬化させた微細な連続
気孔を有するシート状硬化樹脂粒子集合体からなる加熱
成型用表面材に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラジカル重合型熱
硬化性樹脂成型用の表面材に関する。さらに詳しくは、
シートモールディングコンパウンド(以下SMCと記
す)、バルクモールディングコンパウンド(以下BMC
と記す)等の成型材料から成型品を製造する際に成型品
表面に模様や、抗菌性等の特殊機能を付与し成型品の付
加価値を高めることができるシート状の加熱成型用表面
材に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、一般にSMCやBMC等の成型材
料からの成型品へ模様を施す方法としては、SMCやB
MCの製造時に粒状の模様材を練り込む方法。または、
ダップ紙、チタン紙、加飾プリプレグ、シート状加飾樹
脂硬化物等を模様付け用表面材としてSMCやBMCの
成型と同時成形する方法等が使用されている。後者のシ
ート状の模様材は模様の多様性と同一模様の製品が得ら
れることから広く使用され始めている。ところで、上記
模様材としては、熱型へのセット後に位置合わせのため
の移動ができることが望ましく、型締めの際に型の凹凸
等の形状に対応でき破れたりしないこと、成型材料の流
動に伴って破れたり、伸びたり、あるいは模様材の端が
に滲み出ないこと、また表面が粘着性を有しなく、保存
中に変化せず、割れたりしないこと等が要求され、さら
に、模様の自由度が高いこと、深み感のある模様が形成
されることなどが望ましい。しかしながら、現在市販さ
れている模様材は幾つかの欠点がある。すなわち、成型
時に模様材が破れ易いこと、また模様材を加熱された型
にセットする場合、一旦セットすると熱溶融するため位
置合わせのために模様材を移動させることができない。
このために成型時に模様材をセットするには細心の注意
と熟練を要する。また成型型に凹凸溝がある場合、その
凹凸に対応し難いため模様材に亀裂が入ったり、破れた
りし良好な模様付き成型品が得られ難い。また成型に際
して成型押圧速度を十分にコントロールしなければ模様
等にズレが生じる。さらに深み感のある模様が得られな
い等の種々の問題点があるなど、現状では十分に満足で
きる模様付け等の表面材が見当たらないのが実状であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑み、SMCやBMC等の成型材料から模様付き成型
品を製造する際に、熱型へのセット後に位置合わせのた
めの移動が可能で、成型型の凹凸溝等に十分に対応でき
る柔軟性を有しながら、成型時に成型材料の流動による
模様材が破壊されたり、位置ズレを生じることなく、S
MCやBMC等の成型材料を用いた成型品に深み感のあ
る模様等を施すことができ、また、抗菌性等の特殊機能
を成型品表面に付与することができるシート状の加熱成
型用表面材を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、種々検討を
行った結果、ラジカル重合型熱硬化性樹脂を水と混合し
樹脂粒子が水相中に均一に分散されたO/W型水性分散
体の硬化物は、微粒子の硬化樹脂粒子が接触した状態で
結合した硬化樹脂粒子集合体で微細な連続気孔を有する
多孔質の硬化物であることに鑑み、該硬化物は、熱型へ
セットする際に溶融して型に融着せず位置合わせが容易
であり、位置ズレを起こすことがなく熱型へセットでき
ること、また成型型の凹凸等の形状に対応し易く亀裂や
破れを伴わず成型型の形状に相応した成型物を得ること
ができ、さらに上記O/W型水性分散体として着色され
た樹脂粒子水性分散体を使用した上記の硬化物は模様付
け用の表面材として使用し、SMCやBMCなどの成型
材料から得られる成型品への模様付け等が容易に行い得
る材料であることを見出し本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、(1)液状のラジカ
ル重合型熱硬化性樹脂を水と混合し水相中に樹脂粒子を
均一に分散させてなるO/W型水性分散体を補強材の存
在下に硬化させた微細な連続気孔を有するシート状硬化
樹脂粒子集合体からなることを特徴とする加熱成型用表
面材に関する。
【0006】また(2)微細な連続気孔を有するシート
状硬化樹脂粒子集合体が、無着色および/または着色さ
れたラジカル重合型熱硬化性樹脂のO/W型水性分散体
2種以上を補強材の存在下に硬化させ、模様が施された
硬化樹脂粒子集合体からなることを特徴とする上記
(1)記載の加熱成型用表面材に関する。
【0007】(3)微細な連続気孔を有するシート状硬
化樹脂粒子集合体が、表面に模様印刷が施された硬化樹
脂粒子集合体からなることを特徴とする上記(1)また
は(2)記載の加熱成型用表面材に関する。
【0008】(4)ラジカル重合型熱硬化性樹脂が、抗
菌性、防黴性または消臭性の少なくとも1種を付与した
樹脂であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいず
れかに記載の加熱成型用表面材に関する。
【0009】(5)ラジカル重合型熱硬化性樹脂が、液
状不飽和ポリエステル樹脂、液状エポキシ(メタ)アク
リレート樹脂、液状ウレタン(メタ)アクリレート樹
脂、および液状(メタ)アクリル樹脂から選ばれる液状
ラジカル重合型熱硬化性樹脂の少なくとも1種であるこ
とを特徴とする上記(1)〜(4)記載いずれかにの加
熱成型用表面材に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、ラジカル重合型熱硬化
性樹脂を水と混合し水相中に樹脂粒子を均一に分散させ
てなるO/W型水性分散体を、補強材の存在下に硬化さ
せた微細な連続気孔を有する硬化樹脂粒子集合体からな
る加熱成型用表面材に関する。
【0011】本発明の微細な連続気孔を有する硬化樹脂
粒子集合体からなる加熱成型用表面材は、上記O/W型
水性分散体をシート状の補強材に含浸させるなどした
後、常温下または加熱下に硬化させることにより容易に
製造される。
【0012】本発明の微細な連続気孔を有する硬化樹脂
粒子集合体からなる加熱成型用表面材(以下、単に「表
面材」ということがある)における、ラジカル重合型熱
硬化性樹脂からなるO/W型水性分散体は、液状のラジ
カル重合型熱硬化性樹脂と水とを、例えば、ディゾルバ
ー(高速回転ミキサー)、ホモミキサー、あるいは超音
波照射等による物理的手段により混合し、水相中に微粒
子の樹脂粒子が均一に分散させてなるO/W型水性分散
体である。該O/W型水性分散体の製造において、液状
のラジカル重合型熱硬化性樹脂と水との割合は、特に限
定するものではないが、ラジカル重合型熱硬化性樹脂と
水との重量比は、90:10〜60:40の範囲で好ま
しくは85:15〜70:30である。
【0013】本発明の表面材は、着色されたラジカル重
合型熱硬化性樹脂を水相中に分散させたO/W型水性分
散体の複数を用いてそれらを適宜組合わせて、補強材に
含浸させるなどし、補強材の存在下に硬化させ模様付け
された硬化樹脂粒子集合体は、SMCやBMC等の成型
材料を使用した成型品の表面に意匠性の高い模様付けを
行う表面材として使用することができる。また、本発明
における微細な連続気孔を有する硬化樹脂粒子集合体
は、微粒子の樹脂粒子硬化物からなり表面が平滑で印刷
性に優れており、印刷インキは微細な気孔内に浸透し摩
擦などにより容易に消滅することがないので、ラジカル
重合型熱硬化性樹脂を水相中に分散させたO/W型水性
分散体を補強材の存在下に硬化させた多孔質硬化物表面
に、適宜所望の模様、絵柄等を印刷し上記と同様にSM
CやBMC等の成型材料の成型品への模様付け表面材と
して使用することができる。
【0014】本発明の表面材は、硬化樹脂粒子集合体か
らなる多孔質硬化物であることから熱溶融しないので溶
融して型に融着することがなく移動が可能で、模様付け
用材料として用いた場合、熱型上での位置合わせのため
の移動が容易であり、また、コンパウンドの流動による
セット位置のずれも生じにくい。また、本発明の表面材
の硬化樹脂粒子集合体は、球状の粒子が接触した状態で
結合した構造のもであるので比較的変形に対する自由度
が高く、亀裂を伴わずに型の形状に相応した成形が可能
で凹凸溝等の形状を有する金型の形状への対応性が良好
である。また、O/W型水性分散体を形成する熱硬化性
樹脂として、所望の熱的特性を有する樹脂を選択するこ
とや、選択された補強材を使用することにより所望の柔
軟性を有するものとすることもでき、成型時における表
面材の成型型凹凸溝等への対応性が良好になる等の優れ
た性能を有する他、SMCやBMC等を成形する過程に
おいて、本発明の表面材の微細な気孔部分に成型材料の
樹脂が圧入または毛細管現象により充填されることによ
り、深み感のある模様が得られる。さらに、本発明の表
面材は、硬化樹脂粒子集合体からなることから、保存時
に変化することなく、作業時の表面粘着性や破れ等もな
く作業性も良好である等、本発明の表面材はSMCやB
MCなどの模様材とし要求される種々の性能を備えたも
のである。
【0015】本発明において、模様が施された表面材
は、シート状の多孔質硬化物の表面に印刷等の手段で模
様を施す方法や、連続気孔を有する多孔質硬化物である
ことを利用し、無着色および/または着色された樹脂の
水性分散体を2種以上の複数種を使用し、多色スプレー
ガン等の装置を利用して、例えば石目模様等の模様を施
した付加価値を高めた模様付きシート状多孔質硬化物を
製造する方法により得ることができる。
【0016】SMC等の成型品への模様付けは、模様が
施されたシート状の表面材からなる模様材を熱型にセッ
トし、正確に位置決めを行った後、その上にSMC等の
成型材料を設置し、定法により成型して模様付き成型品
を得る。本方法による模様付けは、成型時に多孔質硬化
物の気孔部分へ樹脂が充填されることを利用して、本発
明の硬化樹脂粒子集合体からなる多孔質硬化物に使用す
る樹脂とSMCなどの成型用コンパウンドに使用する樹
脂とをそれぞれ選択することにより、透明部分や半透明
を有する模様付け行うことが可能である。すなわち、多
孔質硬化物の樹脂とコンパウンド用樹脂の屈折率を調整
しておくことにより、表面材の多孔質硬化物は成形前に
は微細気孔による乱反射のため不透明であるが、成形時
に微細気孔部分に樹脂が充填され乱反射が少なくなり無
着色部分は半透明に、着色部分は着色の彩度が鮮明にな
り、また透明顔料を選択すれば着色された部分は有色半
透明となる。この現象を利用し、深み感のある模様付け
を行うことが可能で、より意匠性の高い模様付けを行う
ことができる。
【0017】本発明によるシート状の表面材を模様材と
して使用し、上記方法による模様付き成型品の成型を行
った場合、成型材料が顔料により調色されている場合
は、模様材部分まで着色され加飾性は低くなることが考
えられるが、本発明による表面材の硬化樹脂粒子集合体
からなる多孔質硬化物の微細な気孔は平均気孔径が1μ
m以下であるため、通常数μm以上の粒子径を持つ充填
材粒子は模様材の微細気孔を通過しないので成型品表面
に出て来ることはなく、無着色または透明顔料を使用し
た成型材料で成形することにより深み感のある模様付け
が可能である。
【0018】また、本発明の表面材に抗菌性、防黴性ま
たは消臭性等の特殊機能を付与することができる。この
ような特殊機能を付与した表面材を使用してSMCやB
MC等の成型品の表面のみに特殊機能を付与することが
できる。これにより、従来SMCやBMC等の成型品に
特殊機能を付与するためにはSMCやBMCなどの成型
材料全体に特殊機能付与剤を入れる必要があり、コスト
的にも高くなる不利があったが、本発明の特殊機能を付
与した表面材を利用することにより、特殊機能付与剤を
成型品表面にのみ局在化させることが可能でありコスト
低減を行うこともできる。
【0019】本発明の表面材に抗菌性、防黴性または消
臭性を付与する方法は、液状のラジカル重合型熱硬化性
樹脂に、抗菌性付与剤、防黴性付与剤または消臭性付与
剤の少なくとも1種を混合分散し抗菌性、防黴性または
消臭性を付与した液状ラジカル重合型熱硬化性樹脂を水
と混合し水相中に樹脂粒子を均一に分散させたO/W型
水性分散体を、補強材の存在下に常温下、または加熱下
に硬化させることにより容易に得ることができる。
【0020】すなわち、抗菌性を付与する方法は液状の
ラジカル重合型熱硬化性樹脂に抗菌性付与剤を混合分散
する方法と、抗菌性を発現する物質を原料成分の一成分
に用いてラジカル重合型熱硬化性樹脂を製造することに
より液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂に抗菌性を付与
する方法とがある。液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂
に混合分散して抗菌性を付与するための抗菌性付与剤と
しては、銀に代表される市販の金属系抗菌剤が使用され
る。この様な抗菌剤としては、例えば、東亞合成株式会
社から市販されている「ノバロンAGT300」、「ノ
バロンAG300」等が例示される。
【0021】また抗菌性を発現し得る物質を原料成分の
一成分に使用して抗菌性を有する液状のラジカル重合型
熱硬化性樹脂とする方法としては、例えば、不飽和ポリ
エステル樹脂を製造する際に、使用される二塩基酸の一
部を4級アンモニウム塩または4級ピリジニウム塩を含
む二塩基酸に変えて使用することにより、抗菌性を有す
る液状不飽和ポリエステル樹脂を得ることができる。
【0022】また、防黴性を有する表面材は、液状のラ
ジカル重合型熱硬化性樹脂に防黴性付与剤を混合分散し
て防黴性を有する液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂
を、上記と同様に硬化させて得ることができる。液状の
ラジカル重合型熱硬化性樹脂に混合分散して防黴性を付
与するための防黴付与剤としては市販されているものが
使用される。例えば、東亞合成株式会社から市販されて
いる「カビノン800」、「カビノン900」等が例示
される。
【0023】また、消臭性を有する表面材は、液状のラ
ジカル重合型熱硬化性樹脂に消臭性付与剤を混合分散し
て消臭性を有する液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂
を、上記と同様の方法で得ることができる。液状のラジ
カル重合型熱硬化性樹脂に混合分散して消臭性を付与す
るための消臭剤としては市販されているものが使用され
る。例えば、東亞合成株式会社から市販されている「ケ
スモンNS80E」,「ケスモンTNS200」等が例
示される。
【0024】本発明における液状のラジカル重合型熱硬
化性樹脂は、液状不飽和ポリエステル樹脂、液状エポキ
シ(メタ)アクリレート樹脂、液状ウレタン(メタ)ア
クリレート樹脂あるいは液状(メタ)アクリル樹脂(い
わゆるアクリルシラップ)が使用される。
【0025】液状不飽和ポリエステル樹脂は、グリコー
ル類を主成分とする多価アルコール類とα,β−不飽和
二塩基酸および/またはその無水物、さらに必要に応じ
て飽和二塩基酸および/またはその無水物とを重縮合さ
せて得られる不飽和ポリエステルをスチレン等のエチレ
ン性不飽和二重結合を有する重合性単量体に溶解した液
状樹脂である。
【0026】上記のグリコール類は、例えばエチレング
リコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ペンタエリスリトー
ル、ペンタエリスリットジアリエーテルのようなペンタ
エリスリトール誘導体、アリルグリシジルエーテル、水
素化ビスフェノールA、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールA誘導体、等が例示される。
【0027】また上記のα,β−不飽和二塩基酸および
/またはその無水物としては、例えば、マレイン酸また
はその無水物、フマル酸、イタコン酸またはその無水物
などが例示される。これらは単独で、または2種以上を
混合して使用することができる。
【0028】飽和二塩基酸および/またはその無水物と
しては、例えば、無水フタル酸、テレフタル酸、イソフ
タル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒド
ロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタ
ル酸、アジピン酸、セバシン酸、テトラブロム無水フタ
ル酸、ヘット酸、ヘキサハイドロ無水フタル酸、1,3
−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4―シクロヘキサ
ンジカルボン酸等が例示される。これらは単独で、また
は2種以上を混合して使用することができる。
【0029】先に記載した抗菌性を付与するために用い
られる4級アンモニウム塩または4級ピリジニウム塩を
含む二塩基酸としては、例えば、3,5−ジカルボキシ
メチル−ラウリルピリジニウムクロライド,3,5−ジ
カルボキシメチル−ベンジルトリメチルアンモニウムク
ロライド等が例示される。これらは単独で、または2種
以上を混合して使用することができる。
【0030】また、エチレン性不飽和二重結合を有する
重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトル
エン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル等のビニルモノマー、ジア
リルフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリル
イソシアヌレート、ジアリルテトラブロムフタレート等
のアリルモノマー、フェノキシエチルアクリレート、
1,6−ヘキサンジオールアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、2−ヒドロキシエチルア
クリレート等が例示される。これらは単独でまたは2種
以上を混合して使用することができる。またこれらのう
ちスチレン、ビニルトルエンなどのビニル系モノマーが
通常一般的に使用される。
【0031】なお、本発明における液状不飽和ポリエス
テル樹脂は、回収PET、すなわち高分子量ポリエチレ
ンテレフタレート製品の廃棄物、例えば、使用済みペッ
トボトル、シート、フィルム等の廃棄物、成型屑、切断
屑等を、原料の一部に使用して製造された不飽和ポリエ
ステルを上記同様にエチレン性不飽和二重結合を有する
重合性単量体に溶解した液状不飽和ポリエステル樹脂も
使用することができる。
【0032】本発明における液状エポキシ(メタ)アク
リレート樹脂としては、1分子中に2個以上のグリシジ
ルエーテル基を有するエポキシ樹脂にアクリル酸または
メタクリル酸を付加反応させて得られる分子末端にエポ
キシ基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂を、
エチレン性α,β−不飽和二重結合を有する重合性単量
体に溶解した液状樹脂である。上記1分子中に2個以上
のグリシジルエーテル基を有するエポキシ樹脂は、例え
ば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノ
ールS等、あるいはこれらの誘導体からのビスフェノー
ル型エポキシ樹脂、ビキシレノールおよびその誘導体か
らのビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノールおよ
びその誘導体からのビフェノール型エポキシ樹脂、ある
いはナフタレンおよびその誘導体からのナフタレン型エ
ポキシ樹脂、さらにはノボラック型エポキシ樹脂などの
エポキシ樹脂が挙げられ、これらは単独で、または2種
以上を混合して使用することができる。エチレン性α,
β−不飽和二重結合を有する重合性単量体は、上記した
不飽和ポリエステル樹脂に使用されると同様の重合性単
量体を使用することができる。液状エポキシアクリレー
トまたはエポキシメタクリレート樹脂は、上記のエポキ
シアクリレートまたはエポキシメタクリレートを、例え
ばスチレン、ジエチレングリコールジメタクリレートな
どの液状の重合性単量体に溶解した液状樹脂である。
【0033】また本発明における液状ウレタン(メタ)
アクリレート樹脂は、ポリアルコールおよび/またはポ
リエーテルポリオールとジイソシアネートとを反応させ
分子末端をイソシアネートと反応させてイソシアネート
化し、これにアルコール性水酸基を有するアクリレート
またはメタクリレートを反応させるか、または先ずアル
コール性水酸基を有するアクリレートまたはメタクリレ
ートとイソシアネートとをイソシアネート基を残してポ
リアルコールおよび/またはポリエーテルポリオールと
を反応させて得られる分子末端にアクリレートまたはメ
タクリレートの二重結合を有するウレタンアクリレー
ト、またはウレタンメタクリレートを、例えばスチレ
ン、ジエチレングリコールジメタクリレートなどの液状
の重合性単量体に溶解した液状樹脂である。これらは単
独で、または2種以上の混合物で使用することができ
る。
【0034】また本発明に使用される液状のアクリル樹
脂またはメタクリル樹脂としては、メチルメタクリレー
トを主成分とし部分的に他の重合性単量体を共重合体さ
せたメチルメタクリレート共重合体、またはこの共重合
体をメチルメタクリレートに溶解した液状樹脂であっ
て、通常アクリルシラップと呼ばれるものである。な
お、これらの液状樹脂は熱硬化性とするには、例えば、
エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリ
コールジメタクリレートのような多官能性メタクリレー
トまたはアクリレート系の単量体が併用される。
【0035】本発明に使用する抗菌性、防黴性または消
臭性等の機能を付与するために配合される抗菌性付与
剤、防黴性付与剤、消臭性付与剤は、一般に微粉末状態
で市販されており、本発明における液状樹脂にはこれら
付与剤を粉末で添加撹拌することにより容易に混合分散
され、所望の機能を付与した液状樹脂を得ることができ
るが、長期間の放置により沈降分離する場合もあるの
で、O/W型水性分散体の製造直前に添加分散すること
が望ましい。またO/W型水性分散体の調製後は高い揺
変性を有するため、付与物質が沈降分離することなく長
期間安定に所望の機能を保持することができる。
【0036】本発明に使用されるO/W型水性分散体に
は、硬化剤および必要に応じ促進剤を添加して使用され
るが、必要に応じ添加される促進剤は予め液状樹脂に添
加してO/W型水性分散体を調製することが望ましい。
硬化剤は通常は使用するに際して添加される。硬化剤が
粉末あるいはペースト状で樹脂への均一溶解に時間がか
かる場合は、硬化剤を予め液状樹脂に添加してO/W型
水性分散体を調製することが望ましい。その場合、必要
に応じて添加される促進剤は使用するに際して添加され
る。
【0037】本発明に使用される硬化剤としては、通常
有機過酸化物が使用される。そのような硬化剤として代
表的なものは、メチルエチルケトンパーオキサイドで代
表されるケトンパーオキサイド類、1,1−ビス(t−
ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサンで代表されるパーオキシケタール類、クメンハイ
ドロパーオキサイドで代表されるハイドロパーオキサイ
ド類、ジクミルパーオキサイドで代表されるジアルキル
パーオキサイド類、ベンゾイルパーオキサイドで代表さ
れるジアシルパーオキサイド類、ビス(4−t−ブチル
シクロヘキシル)パーオキシジカーボネートで代表され
るパーオキシジカーボネート類、t−ブチルパーオキシ
ベンゾエートで代表されるパーオキシベンゾエート類な
どを挙げられる。このような硬化剤は、通常、液状樹脂
100重量部に対して0.5〜3.0重量部の範囲で使
用され、好ましくは0.5〜2.0重量部が使用され
る。
【0038】上記の促進剤は、ナフテン酸コバルトで代
表される有機酸の金属塩(金属石鹸)類、N,N−ジメ
チルアニリン、N,N−ジメチルパラトルイジンなどの
3級アミン類、フェロセン等、不飽和ポリエステル樹脂
の室温硬化に通常使用される促進剤が使用される。これ
らの促進剤は、例えば、硬化剤としてケトンパーオキサ
イド、やハイドロパーオキサイドを使用した場合はナフ
テン酸コバルトのような金属石鹸との組合せが好まし
く、硬化剤がジアシルパーオキサイドである場合には3
級アミンとの組合せが好ましく、硬化剤がパーオキシカ
ーボネートである場合にはフェロセンとの組合せが好ま
しい。このような促進剤は、金属石鹸類は液状樹脂10
0重量部に対して金属含有量6%のものに換算して0.
02〜2.0重量部の範囲で使用され、好ましくは0.
2〜1.0重量部が使用される。3級アミン類は液状樹
脂100重量部に対して0.05〜1.0重量部の範囲
で使用され、好ましくは0.1〜0.5重量部が使用さ
れる。
【0039】本発明のO/W型水性分散体の調製に際し
て、必要に応じて界面活性剤を使用することができる。
界面活性剤の使用は本発明のO/W型水性分散体の安定
性を高めることができるので、本発明の水性分散体を調
整後直ぐに使用することなく数日間放置した後に硬化物
とするような場合には界面活性剤を添加することが望ま
しい。
【0040】本発明に使用される界面活性剤としては、
非イオン系界面活性剤が望ましい。非イオン系界面活性
剤としては、(1)エステル型、(2)エーテル型、
(3)アルキルフェノール型、(4)ソルビタンエステ
ル型、(5)ポリオキシエチレンソルビタンエステル
型、および(6)特殊非イオン型のいずれのタイプでも
使用することができる。このような界面活性剤の添加量
は液状樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部の
範囲で使用され、好ましくは0.5〜2.0重量部で使
用される。界面活性剤の添加量が0.1重量部よりも少
ない場合は添加の効果が発揮されず、10重量部を超え
る量を添加した場合には耐水性が低下する虞があり好ま
しくない。
【0041】本発明のO/W型水性分散体から得られる
硬化物に強度、耐久性などを付与するために使用される
補強材は、主としてシート状の補強材が使用され、この
ような補強材としては、例えば、ガラスクロス、カーボ
ンクロス、ガラスチョップストランドマット、アラミド
繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリプロピレ
ン繊維のような合成繊維クロス、あるいはこれら合成繊
維不織布、レイヨン系不織布等が挙げられる。
【0042】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0043】実施例1 内径10cm、高さ15cmの金属製容器に、液状不飽
和ポリエステル樹脂(日本ユピカ(株)製、ユピカ65
10)500gを秤量し、硬化促進剤として市販のジメ
チルアニリン1g(樹脂に対して0.2PHR)、界面
活性剤としてイオネットT−20C(ポリオキシエチレ
ンソルビタンラウレート系、三洋化成(株)製)5gを
加えよく混合したのち、水道水167g(樹脂75gに
対して25g)を加え,羽根の外径が4cmのディゾル
バーを使用して回転数5000rpmで2分間高速撹拌
してO/W型水性分散体(A−1)を得た。別途、上記
に使用した液状不飽和ポリエステル樹脂(ユピカ651
0)に黒色トナーを2PHR添加し調色した樹脂500
gを使用して上記と同様の操作によりO/W型水性分散
体(A−2)を得た。同様に黒色トナー替え、白色トナ
ーを使用したO/W型水性分散体(A−3)、茶色トナ
ーを使用したO/W型水性分散体(A−4)をそれぞれ
製造し、各々の水性分散体に硬化剤として市販の50重
量%濃度の過酸化ベンゾイルを10g(樹脂に対し純分
で1PHR)添加混合し、多色ガンを使用し金属石鹸を
離型剤として塗布したガラス板上に石目模様に0.5m
m厚に塗布した。塗布後直ちに塗布面に70g/m
ポリエステル不織布を載置しローラーで軽く押圧してポ
リエステル不織布に石目模様を含浸させた。含浸作業後
水の蒸発を防ぐためにセロハン紙およびポリエステルフ
ィルムで覆い常温で1時間放置後、80℃の熱風炉で3
0分硬化させた。得られたシート状の硬化樹脂粒子集合
体からなる多孔質硬化物は80℃で2時間乾燥させて、
厚さ0.5mmのシート状の模様材(C−1)を得た。
【0044】上記で得られたシート状模様材(C−1)
を、145℃に加熱した幅280mm、長さ720mm
で,深さ8mmの溝が掘られた金型にセットし、その上
にシートモールディングコンパウンド(日本ユピカ
(株)製、SMC 5110TJN)を載置し、成形圧
力70kg/cmで480秒加圧加熱して模様付きS
MC成型品を得た。得られた成型品は溝部分においても
模様切れのない大理石調で、半透明部を有する深み感の
ある成型品であった。
【0045】実施例2 内径30cm、高さ40cmの金属製容器に、液状エポ
キシアクリレート樹脂(日本ユピカ(株)製、ネオポー
ル8250H)3000gを秤量し、硬化剤として市販
のジメチルアニリン6g(樹脂に対して0.2PH
R)、界面活性剤としてプルロニックL61(ポリオキ
シエチレンプロピレンエーテル型、旭電化工業(株)
製)45gを加えよく混合したのち、水道水1000g
(樹脂75gに対して25g)を加え羽根の外径が6c
mのディゾルバーを使用して回転数5000rpmで3
分間高速撹拌してO/W型水性分散体(A−5)を得
た。得られたO/W型水性分散体に硬化剤として市販の
50重量%濃度の過酸化ベンゾイルを60g(樹脂に対
し純分で1PHR)添加混合し、金属石鹸を離型剤とし
て塗布したガラス板上で30g/mのポリエステル不
織布1プライ、および230g/mチョップドストラ
ンドガラスマット1プライに、上記の硬化剤を含有した
水性分散体を含浸させた。含浸作業後水の蒸発を防ぐた
めにナイロンフィルムで覆い常温で1時間放置後、80
℃の熱風炉で30分硬化させた。得られた硬化樹脂粒子
集合体からなるシート状の多孔質硬化物は80℃で2時
間乾燥させた後、得られたシート状の多孔質硬化物の表
面に印刷を施し、厚さ0.8mmのシート状の模様材
(C−2)を得た。
【0046】145℃に加熱した幅950mm、長さ1
920mmで深さ2mmの溝が掘られた金型に幅850
mm、長さ1500mmにカットされたシート模様材
(C−2)を載置し、金型上を移動させ決められた位置
に正確にセットした。その上にシートモールディングコ
ンパウンド(日本ユピカ(株)製、SMC 5110T
JN)を載置して成形圧力50kg/cmで640秒
加圧加熱して模様付きSMC成型品を得た。得られた成
型品は溝部分に於いても模様切れのない石目調で、位置
および寸法が予定された通りの成型品であった。
【0047】実施例3 内径10cm、高さ15cmの金属製容器に、液状不飽
和ポリエステル樹脂(日本ユピカ(株)製、ユピカ65
10)500gを秤量し、硬化促進剤として市販のジメ
チルアニリン1g(樹脂に対して0.2PHR)、界面
活性剤としてイオネットT−20C(ポリオキシエチレ
ンソルビタンラウレート系、三洋化成(株)製)5g、
防黴性付与剤として「カビノンCV800」(東亞合成
(株)製)を2.5g、を加えよく混合したのち、水道
水167g(樹脂75gに対して25g)を加え羽根の
外径が4cmのディゾルバーを使用して回転数5000
rpmで2分間高速撹拌してO/W型水性分散体(A−
6)を得た。得られた水性分散体に硬化剤として市販の
50重量%濃度の過酸化ベンゾイルを10g(樹脂に対
し純分で1PHR)添加混合し、金属石鹸を離型剤とし
て塗布したガラス板上で30g/mのポリエステル不
織布1プライ、および230g/mチョップドストラ
ンドガラスマット1プライに含浸させた。含浸作業後水
の蒸発を防ぐためにセロハン紙およびポリエステルフィ
ルムで覆い常温で1時間放置後、80℃の熱風炉で30
分硬化させた。得られた硬化樹脂粒子集合体からなるシ
ート状多孔質硬化物は80℃で2時間乾燥させた後、多
孔質硬化物の表面に印刷を施し、厚さ1mmのシート状
の模様材(C−3)を得た。
【0048】145℃に加熱した幅280mm、長さ7
20mmで深さ8mmの溝が掘られた金型にシート模様
材(C−3)をセットし、その上にシートモールディン
グコンパウンド(日本ユピカ(株)製、SMC 511
0TJN)を置き成形圧力70kg/cmで480秒
加圧加熱して模様付きSMC成型品を得た。得られた成
型品は溝部分に於いても模様切れのない石目調で、浴室
内に2ヶ月放置したがカビの発生は全く認められなかっ
た。
【0049】比較例1 145℃に加熱した幅280mm、長さ720mmで深
さ8mmの溝が掘られた金型に市販の模様紙をセット
し、その上にシートモールディングコンパウンド(日本
ユピカ(株)製、SMC 5110TJN)を置き成形
圧力70kg/cmで480秒加圧加熱して模様付き
SMC成型品を得た。得られた成型品は溝部分に模様の
切れが認められた。また深み感もなく意匠性に乏しい成
型品であった。
【0050】比較例2 内径10cm、高さ15cmの金属製容器に、液状不飽
和ポリエステル樹脂(日本ユピカ(株)製、ユピカ65
10)500gを秤量し、硬化促進剤として市販のジメ
チルアニリン1g(樹脂に対して0.2PHR)、揺変
性付与剤としてアエロジール#200(日本アエロジー
ル(株)製)15gを秤量し、羽根の外径が4cmのデ
ィゾルバーを使用して回転数5000rpmで8分間高
速撹拌して不飽和ポリエステル樹脂組成物(D−1)を
得た。別途、上記に使用したと同様の不飽和ポリエステ
ル樹脂(ユピカ6510)に黒色トナーを2PHR添加
し調色して上記と同様操作を行い不飽和ポリエステル樹
脂組成物(D−2)を得た。同様に白色トナーを使用し
た不飽和ポリエステル樹脂組成物(D−3)、茶色トナ
ーを使用した不飽和ポリエステル樹脂組成物(D−4)
をそれぞれ製造し、各々の組成物に硬化剤として市販の
50重量%濃度の過酸化ベンゾイルを10g(樹脂に対
し純分で1PHR)添加混合し、多色ガンを使用しポリ
エステルフィルム上に石目模様に0.5mm厚に塗布し
た。塗布後直ちに塗布面に70g/m のポリエステル
不織布を載置しローラーで軽く押圧して石目模様をポリ
エステル不織布に含浸させた。含浸作業後スチレンの蒸
発を防ぐためにポリエステルフィルムで覆い常温で1時
間放置後、80℃の熱風炉で30分硬化させて、厚さ
0.5mmのシート状の模様材(C−4)を得た。
【0051】145℃に加熱した幅280mm、長さ7
2mmで深さ8mmの溝が掘られた金型にシート模様材
(C−4)をセットし、その上にシートモールディング
コンパウンド(日本ユピカ(株)製、SMC 5110
TJN)を置き成形圧力70kg/cmで480秒加
圧加熱して模様付きSMC成型品を得た。得られた成型
品は溝部分および平面部にも一部模様切れが見られる成
型品で、成型前に比べ模様材は少し大きくなっているこ
とが認められた。
【0052】
【発明の効果】本発明の表面材は、SMCやBMCから
の成型物の模様付け材として、また成型品表面に局在的
に抗菌性、防黴性または消臭性などを付与することがで
きる表面材として有用である。本発明の模様を施された
表面材を模様材としてSMCやBMCなどの成型に使用
することにより、従来より使用されているダップ紙やチ
タン紙に、比べ深み感を有する模様付けが可能である。
また本発明の表面材は、型への対応性が良く成型時に型
の深溝部分にも模様材が切れることなく成形が可能で、
従来では模様付けが困難であった形状の成型品にも良好
な模様付けを行うことができる。更に多孔質硬化物の樹
脂とコンパウンド用樹脂の屈折率を調整しておくことに
より、多孔質硬化物の気孔部分に成形時成型材料の樹脂
が充填され、部分的に半透明な模様付けを行うことが可
能であり、深み感のある意匠性の高い模様付けも可能で
ある。本発明の表面材からなる模様材は、熱型にセット
後も移動が可能で、しかも位置ズレが生じ難く、従来の
模様材に比べ飛躍的に作業性の良い模様材として使用す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 33:04 B29K 33:04 101:10 101:10 105:04 105:04 C08L 101:00 C08L 101:00 Fターム(参考) 4F072 AB05 AB29 AD09 AD34 AD38 AD43 AF05 AG03 AH03 AK05 4F074 AA69 AD05 AD08 AD11 AD13 AG06 CB37 CB47 CC04Z CC10X 4F204 AJ03 AJ10 FA15 FB01 FQ17 4J011 AA05 LB00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂を水と
    混合し水相中に樹脂粒子を均一に分散させてなるO/W
    型水性分散体を補強材の存在下に硬化させた微細な連続
    気孔を有するシート状硬化樹脂粒子集合体からなること
    を特徴とする加熱成型用表面材。
  2. 【請求項2】微細な連続気孔を有するシート状硬化樹脂
    粒子集合体が、無着色および/または着色されたラジカ
    ル重合型熱硬化性樹脂のO/W型水性分散体2種以上を
    補強材の存在下に硬化させ、模様が施された硬化樹脂粒
    子集合体からなることを特徴とする請求項1記載の加熱
    成型用表面材。
  3. 【請求項3】微細な連続気孔を有するシート状硬化樹脂
    粒子集合体が、表面に模様印刷が施された硬化樹脂粒子
    集合体からなることを特徴とする請求項1または2記載
    の加熱成型用表面材。
  4. 【請求項4】ラジカル重合型熱硬化性樹脂が、抗菌性、
    防黴性または消臭性の少なくとも1種を付与した樹脂で
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の加熱成型用表面材。
  5. 【請求項5】ラジカル重合型熱硬化性樹脂が、液状不飽
    和ポリエステル樹脂、液状エポキシ(メタ)アクリレー
    ト樹脂、液状ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、およ
    び液状(メタ)アクリル樹脂から選ばれる液状ラジカル
    重合型熱硬化性樹脂の少なくとも1種であることを特徴
    とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の加熱成型用
    表面材。
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