JP7227683B2 - 抗菌性複合成形体とその製造方法 - Google Patents

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本発明は、繊維強化樹脂成形体に抗菌性を付与した抗菌性複合成形体とその製造方法に関する。
従来、繊維強化樹脂成形体は、高強度且つ高剛性であるという点から、スポーツ、レジャー、航空機などの幅広い産業分野で使用されている。
繊維強化樹脂成形体は、強化繊維に熱硬化性樹脂を含浸したプリプレグやシートモールディングコンパウンド(SMC)などの繊維強化樹脂材を、加熱・圧縮することにより製造されている。特に、繊維強化樹脂成形体にリブやボスなどの複雑形状が要求される場合、成形の容易性からシートモールディングコンパウンドが使用されることが多い。
近年、繊維強化樹脂成形体においても、抗菌性が要求される用途が増加している。繊維強化樹脂成形体に抗菌性を付与する方法として、プリプレグやシートモールディングコンパウンドなどのマトリックス樹脂(熱硬化性樹脂)に抗菌剤を添加して成形する方法が一般的である。しかし、マトリックス樹脂に抗菌剤を添加した場合、添加した抗菌剤の一部が成形体の表面に現れるだけであって、添加した抗菌剤の殆どが成形体の内部に存在するため、成形体の表面では抗菌効果が小さくなる。その結果、表面の抗菌性を高めるには、多量の抗菌剤を添加する必要があり、その場合は抗菌剤がマトリックス樹脂に均一に混合されなかったり、成形性が低下したり、コストアップになったりする問題がある。
また、成形後の繊維強化樹脂成形体の表面に、抗菌コート剤をコーティングする方法(特許文献1)や、抗菌性を付与した表面材を、金型内に正確に位置決めして配置し、その上にシートモールディングコンパウンド等の成形材料を配置して成形する方法(特許文献2)がある。
特開平11-228908号公報 特開2003-12707号公報
しかし、成形後の繊維強化樹脂成形体の表面に、抗菌コート剤を塗布する方法では、成形体の成形後に、後工程としてコーティング工程と抗菌コート剤の硬化工程が必要になり、コストアップの要因になる。
また、抗菌性を付与した表面材を金型内に正確に位置決めして配置し、その上にシートモールディングコンパウンド等の成形材料を配置して成形する方法では、金型内での成形材料の流動長が長い場合、成形材料の流動によって表面材が破れることがあり、良好な抗菌性が得られなくなる。
本発明は、前記の点に鑑みなされたものであり、繊維強化樹脂成形体の表面に良好な抗菌性能を付与した抗菌性複合成形体と、その抗菌性複合成形体の製造を効率的に行うことのできる製造方法の提供を目的とする。
請求項1の発明は、シート状繊維強化樹脂材が圧縮されて硬化した基材と、前記基材の少なくとも一面側に設けられた抗菌性樹脂とよりなり、前記抗菌性樹脂は、抗菌剤含有熱硬化性樹脂が、前記シート状繊維強化樹脂材と一体に加熱・圧縮されて硬化したものからなることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1において、前記シート状繊維強化樹脂材は、シートモールディングコンパウンドからなることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記抗菌剤は、前記抗菌性複合成形体の表面における量が0.1~8.0g/mであることを特徴とする。
請求項4の発明は、シート状繊維強化樹脂材が圧縮されて硬化した基材と、前記基材の少なくとも一面側に設けられた抗菌性樹脂とよりなる抗菌性複合成形体の製造方法において、前記シート状繊維強化樹脂材の少なくとも一面側に抗菌剤含有熱硬化性樹脂を付着させる付着工程と、前記抗菌剤含有熱硬化性樹脂が付着したシート状繊維強化樹脂材を、加熱・圧縮して硬化させる加熱圧縮硬化工程と、により、前記シート状繊維強化樹脂材が圧縮されて硬化した基材の少なくとも一面側に、前記抗菌剤含有熱硬化性樹脂が硬化した抗菌性樹脂を形成することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4において、前記付着工程は、前記シート状繊維強化樹脂材の少なくとも一面側に抗菌剤含有熱硬化性樹脂を塗布することにより、前記シート状繊維強化樹脂材の少なくとも一面側に前記抗菌剤含有熱硬化性樹脂を付着させ、前記加熱圧縮硬化工程は、前記抗菌剤含有熱硬化性樹脂が付着したシート状繊維強化樹脂材を金型で加熱・圧縮して硬化させることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項4において、前記付着工程は、金型の少なくとも一型面に抗菌剤含有熱硬化性樹脂を塗布し、前記シート状繊維強化樹脂材を金型にセットし、前記型面に塗布されている抗菌剤含有熱硬化性樹脂を、前記シート状繊維強化樹脂材の少なくとも一面側に接触させて付着させ、前記加熱圧縮硬化工程は、前記抗菌剤含有熱硬化性樹脂が付着したシート状繊維強化樹脂材を金型で加熱・圧縮して硬化させることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項4から6の何れか一項において、前記シート状繊維強化樹脂材は、シートモールディングコンパウンドからなることを特徴とする。
本発明によれば、抗菌性複合成形体は、シート状繊維強化樹脂材が圧縮されて硬化した基材の少なくとも一面側に抗菌性樹脂を有するため、抗菌剤が抗菌性複合成形体の表面に集中的に含まれることになり、効果の高い抗菌性能を得ることができる。
また、本発明によれば、抗菌性複合成形体の製造に際し、シート状繊維強化樹脂材の少なくとも一面に抗菌剤含有熱硬化性樹脂を付着させて、抗菌剤含有熱硬化性樹脂付着後のシート状繊維強化樹脂材を圧縮・硬化させるため、シート状繊維強化樹脂材の硬化と抗菌剤含有熱硬化性樹脂の硬化との両方を同時に行うことができ、製造作業を効率化することができる。
本発明における抗菌性複合成形体の一実施形態の断面図である。 各実施例の構成と抗菌性能を示す表である。
以下、本発明の抗菌性複合成形体及びその製造方法について説明する。
図1に示す抗菌性複合成形体10は、基材11とその一面側に形成された抗菌性樹脂21とよりなる。
基材11は、シート状繊維強化樹脂材が圧縮されて硬化したものからなる。基材11の厚みは、抗菌性複合成形体10の用途に応じて異なるが、例として0.7~5.0mmを挙げる。
シート状繊維強化樹脂材は、ガラス繊維や炭素繊維などの繊維材に熱硬化性樹脂が含浸したシート状のものであり、シートモールディングコンパウンド(以下SMCと記す)が好ましい。SMCは、不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂に充填材や硬化剤などを含んだコンパウンドを、ガラス繊維や炭素繊維などの繊維材に含浸させたシート状の成形材料をいう。
抗菌性樹脂21は、抗菌剤含有熱硬化性樹脂が前記シート状繊維強化樹脂材の少なくとも一面に付着して、シート状繊維強化樹脂材と共に圧縮されて硬化したものからなり、基材11の表面及びその表面から内部に含浸した表面付近に形成されている。なお、抗菌性樹脂21は、基材11の両面に設けてもよい。
抗菌剤含有熱硬化性樹脂は、抗菌剤を熱硬化性樹脂に含有させたものであり、抗菌剤の所定量を熱硬化性樹脂に配合して混合装置で混合することにより得られる。
抗菌剤としては、無機系抗菌剤と有機系抗菌剤が存在するが、無機系抗菌剤は有機系抗菌剤よりも一般的に安全性が高く、耐久性、耐熱性に優れるため、好ましいものである。無機系抗菌剤は、無機系担持体に抗菌性金属イオンを担持させたものである。無機系担持体としては、ゼオライト、粘土鉱物、ガラス、シリカゲル、アルミナ、リン酸ジルコニウム、リン酸カルシウム等が挙げられる。抗菌性金属イオンとしては、銀イオン、銅イオン、亜鉛イオン等が挙げられる。
抗菌剤を含有させる熱硬化性樹脂としては、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等のラジカル重合型の熱硬化性樹脂が好ましい。
抗菌剤の濃度は、0.1~5.0wt%が好ましい。抗菌剤の濃度が低すぎると抗菌作用が低くなり、その逆に抗菌剤の濃度が高すぎると、コストが嵩むようになる。
また、抗菌性複合成形体10表面に対する抗菌剤の量は、抗菌性複合成形体10の表面1m当たり0.1~8.0g/mが好ましい。抗菌性複合成形体10の表面積に対する抗菌剤の量が少なすぎると、抗菌作用が低くなり、その逆に抗菌剤量が多すぎるとコストが嵩むようになる。
抗菌剤含有熱硬化性樹脂には、必要に応じて、硬化剤、分散剤、難燃剤、UV吸収剤等を添加してもよい。
本発明における抗菌剤含有熱硬化性樹脂は、シート状繊維強化樹脂材の少なくとも一面に付着して、シート状繊維強化樹脂材と共に圧縮された際にシート状繊強化成形材の熱硬化性樹脂の硬化剤と混ざり合うため、硬化剤を含まなくても、シート状繊強化成形材の熱硬化性樹脂に含まれる硬化剤によって硬化することができる。その場合、抗菌剤含有熱硬化性樹脂に用いられる熱硬化性樹脂は、シート状繊維強化樹脂材の熱硬化性樹脂に含まれる硬化剤によって硬化する樹脂とされる。抗菌剤含有熱硬化性樹脂は、硬化剤を含まないことにより、使用するまでの間に硬化反応が進行するポットライフの問題が無くなり、安定した性能が得られる。
抗菌剤含有熱硬化性樹脂に硬化剤を含まない場合、抗菌性複合成形体の発明は、シート状繊維強化樹脂材が圧縮されて硬化した基材と、前記基材の少なくとも一面側に設けられた抗菌性樹脂とよりなり、前記抗菌性樹脂は、硬化剤を含まない抗菌剤含有熱硬化性樹脂が、前記シート状繊維強化樹脂材と一体に加熱・圧縮されて硬化したものからなることを特徴とする。
抗菌性複合成形体10の製造方法について説明する。抗菌性複合成形体10の製造方法は、付着工程と、加熱圧縮硬化工程とからなる。
付着工程では、シート状繊維強化樹脂材の少なくとも一面側に抗菌剤含有熱硬化性樹脂を付着させる。
抗菌剤含有熱硬化性樹脂を付着させる方法には、第1の付着方法と第2の付着方法がある。
第1の付着方法は、シート状繊維強化樹脂材の少なくとも一面側に、抗菌剤含有熱硬化性樹脂を塗布する。
第2の付着方法は、金型の少なくとも一型面に抗菌剤含有熱硬化性樹脂を塗布し、シート状繊維強化樹脂材を金型にセットし、前記型面に塗布されている抗菌剤含有熱硬化性樹脂を、シート状繊維強化樹脂材の少なくとも一面側に接触させて付着させる。金型は、下型と上型からなり、例えば下型の型面に抗菌材含有熱硬化性樹脂を塗布する。
シート状繊維強化樹脂材は、抗菌性複合成形体10において説明したとおりである。なお、ここで使用するシート状繊維強化樹脂材の大きさは、製品(抗菌性複合成形体10)よりも、平面寸法が30~100%で、厚み寸法が100~300%であるのが好ましい。
シート状繊維強化樹脂材の少なくとも一面に付着させる抗菌剤含有熱硬化性樹脂は、抗菌性複合成形体10において説明したとおりであり、未硬化の液状で使用される。抗菌剤含有熱硬化性樹脂における抗菌剤の濃度は、0.1~5.0wt%が好ましい。また、シート状繊維強化樹脂材の少なくとも一面に対する抗菌剤含有熱硬化性樹脂の付着量は、抗菌剤の量が、抗菌性複合成形体10の表面1m当たり0.1~8.0g/mとなるようにするのが好ましい。
抗菌剤含有熱硬化性樹脂の塗布方法は、刷毛塗り、ローラ塗り、スプレー塗り等により行うことができる。
加熱圧縮硬化工程では、抗菌剤含有熱硬化性樹脂付着後のシート状繊維強化樹脂材を、金型で加熱・圧縮して硬化させる。
なお、付着工程を第1の付着方法により行った場合、抗菌剤含有熱硬化性樹脂塗布後(付着後)のシート状繊維強化樹脂材を、金型にセットして、加熱・圧縮する。
金型は、下型と上型とからなり、下型には、抗菌剤含有熱硬化性樹脂塗布後のシート状繊維強化樹脂材を配置するためのキャビティが形成されている。キャビティの大きさは、抗菌性複合成形体10のサイズと等しくされている。
抗菌剤含有熱硬化性樹脂塗布後のシート状繊維強化樹脂材を金型にセットする際、シート状繊維強化樹脂材の片面のみに抗菌剤含有熱硬化性樹脂が塗布されている場合、抗菌剤含有熱硬化性樹脂が塗布されている表面の向きは、上向きと下向きの何れでもよい。
また、付着工程を第2の付着方法により行った場合は、付着工程時にシート状繊維強化樹脂材が金型にセットされているため、付着工程で使用した金型を用いて、抗菌剤含有熱硬化性樹脂付着後のシート状繊維強化樹脂材を加熱・圧縮する。
金型の押圧により、シート状繊維強化樹脂材の表面に押し付けられた抗菌剤含有熱硬化性樹脂は、シート状繊維強化樹脂材の表面及びその付近の熱硬化性樹脂と混ざり合って硬化する。その際、抗菌剤含有熱硬化性樹脂は、硬化剤が含まれていなくても、シート状繊維強化樹脂材の熱硬化性樹脂に含まれている硬化剤と混ざり合うことで硬化する。
加熱圧縮硬化工程時の加熱は、金型に設けた電熱ヒータ等の加熱手段により、あるいは予め金型を加熱炉等に収容して加熱しておく方法などにより行う。加熱温度は、シート状繊維強化樹脂材の熱硬化性樹脂及び抗菌剤含有熱硬化性樹脂の熱硬化性樹脂が硬化する温度とされる。
加熱圧縮硬化工程により、シート状繊維強化樹脂材が圧縮されて硬化した基材が形成され、その少なくとも一面側に、抗菌剤含有熱硬化性樹脂が硬化した抗菌性樹脂が形成され、図1に示した基材11とその表面の抗菌性樹脂21とからなる抗菌性複合成形体10が得られる。
なお、抗菌性複合成形体の製造方法の発明は、抗菌剤含有熱硬化性樹脂に硬化剤を含まない場合、シート状繊維強化樹脂材が圧縮されて硬化した基材と、前記基材の少なくとも一面側に設けられた抗菌性樹脂とよりなる抗菌性複合成形体の製造方法において、前記シート状繊維強化樹脂材の少なくとも一面側に硬化剤を含まない抗菌剤含有熱硬化性樹脂を付着させる付着工程と、前記抗菌剤含有熱硬化性樹脂が付着したシート状繊維強化樹脂材を、加熱・圧縮して硬化させる加熱圧縮硬化工程と、により、前記シート状繊維強化樹脂材が圧縮されて硬化した基材の少なくとも一面側に、前記抗菌剤含有熱硬化性樹脂が硬化した抗菌性樹脂を形成することを特徴とする。
・実施例1
<抗菌剤含有熱硬化性樹脂の作製>
ビニルエステル樹脂(昭和電工株式会社社製、品名:リポキシR-806)の980gに銀系抗菌剤(株式会社シナネンゼオミック社製、品名:IM10D-L)を20g添加し、攪拌機(アズワン株式会社製、品名:高速撹拌機ST-200)を用いて回転数1000rpmで5分間撹拌し、抗菌剤濃度が2.0wt%の抗菌剤含有熱硬化性樹脂(硬化剤含まず)を作製した。
<付着工程>
炭素繊維からなる短繊維がランダムな繊維方向となるように分散した強化繊維シートに、ビニルエステル樹脂組成物(硬化剤含有)が含浸した厚み2.0mmのSMC材(三菱ケミカル社製、品名:STR120N131)を、150×200mm(重量90g)の大きさに切り出し、その一側表面に、抗菌剤含有熱硬化性樹脂の12gを乗せ、刷毛を使って均一に塗布した。塗布後のSMC材の重量は102gであった。
<加熱圧縮硬化工程>
抗菌剤含有熱硬化性樹脂塗布後のSMC材を、予め130℃に加熱しておいた金型の下型キャビティ(200×300mm)の中央部に配置し、下型と上型の間の四隅に配置したスペーサでキャビティの厚みを1mmに設定し、上型を載置して金型を閉じ、10MPaの圧力で10分間、加熱・加圧を加えた。その後、金型を開き、実施例1の抗菌性複合成形体を取り出した。実施例1の抗菌性複合成形体のサイズは、200×300mm×厚み1mmであった。
実施例1の抗菌性複合成形体について、その外観の判断と抗菌性能の測定を行った。
外観の判断は、抗菌性複合成形体の表面のべたつき有無、加圧時の伸び不良による表面の皺などの不具合の有無を観察し、何れも無い場合に「◎」、いずれかでも存在する場合「×」とした。
抗菌性能の試験は、抗菌性複合成形体の四隅と中央から、50×50mmの抗菌性試験片を合計5枚切り出し、その抗菌性試験片を用い、JIS Z2801:2012「抗菌加工製品―抗菌性試験方法・抗菌効果」5試験方法にしたがい、大腸菌と黄色ブドウ球菌に対して測定した。抗菌性能の評価は、抗菌活性値が2.0以上の場合に抗菌効果があると判断した。
・実施例2
ビニルエステル樹脂(昭和電工株式会社社製、品名:リポキシR-806)の998gに添加する抗菌剤の量を2gにして、抗菌剤濃度が0.2wt%の抗菌剤含有熱硬化性樹脂(硬化剤含まず)を作製した。その他は実施例1と同様にして実施例2の抗菌性複合成形体を作製した。
実施例2の抗菌性複合成形体について、実施例1と同様に外観の判断と抗菌性能を測定した。
・実施例3
不飽和ポリエステル樹脂(昭和電工株式会社社製、品名:RIGOLAC T-543TPA)の980gに銀系抗菌剤(株式会社シナネンゼオミック社製、品名:IM10D-L)を20g添加し、実施例1と同様に撹拌して抗菌剤濃度が2.0wt%の抗菌剤含有熱硬化性樹脂(硬化剤含まず)を作製した。その他は、実施例1と同様にして実施例3の抗菌性複合成形体を作製した。
実施例3の抗菌性複合成形体について、実施例1と同様に外観の判断と抗菌性能を測定した。
各実施例の構成と、成形品外観及び抗菌性能の結果を図2に示す。
実施例1は、ビニルエステル樹脂に銀系抗菌剤を濃度2.0wtで混合した抗菌剤含有熱硬化性樹脂を、SMC材の一側表面に12g塗布した例であり、SMC材の表面に塗布された抗菌剤量は、SMC材の一枚当たり0.24g/枚、SMC材の表面積当たり4.0g/mである。
実施例1の成形品外観は、べたつきや成形不具合が無く、成形品外観の評価「◎」であった。また、抗菌性能は、抗菌活性値が大腸菌について6.0以上、黄色ブドウ球菌について4.8以上であり、何れも抗菌効果の判断基準である2.0を大きく上回っておおり、抗菌性の高いものであった。
実施例2は、ビニルエステル樹脂に銀系抗菌剤を濃度0.2wtで混合した抗菌剤含有熱硬化性樹脂を、SMC材の一側表面に12g塗布した例であり、SMC材の表面に塗布された抗菌剤量は、SMC材の一枚当たり0.02g/枚、SMC材の表面積当たり0.4g/mである。
実施例2の成形品外観は、べたつきや成形不具合が無く、成形品外観の評価「◎」であった。また、抗菌性能は、抗菌活性値が大腸菌について6.0以上、黄色ブドウ球菌について4.8以上であり、何れも抗菌効果の判断基準である2.0を大きく上回っておおり、抗菌性の高いものであった。
実施例3は、不飽和ポリエステル樹脂に銀系抗菌剤を濃度2.0wtで混合した抗菌剤含有熱硬化性樹脂を、SMC材の一側表面に12g塗布した例であり、SMC材の表面に塗布された抗菌剤量は、SMC材の一枚当たり0.24g/枚、SMC材の表面積当たり4.0g/mである。
実施例3の成形品外観は、べたつきや成形不具合が無く、成形品外観の評価「◎」であった。また、抗菌性能は、抗菌活性値が大腸菌について6.0以上、黄色ブドウ球菌について4.8以上であり、何れも抗菌効果の判断基準である2.0を大きく上回っておおり、抗菌性の高いものであった。
なお、抗菌剤を含有する熱硬化性樹脂による効果を確認するため、抗菌剤を含まないビニルエステル樹脂を、実施例1の抗菌剤含有熱硬化性樹脂に代えて使用し、他を実施例1と同様にして比較例の複合成形体を作製し、抗菌性能を測定した。その結果、抗菌活性値は、大腸菌と黄色ブドウ球菌の何れについても2.0未満となり、抗菌効果が得られなかった。
このように、本発明の抗菌性複合成形体は、良好な抗菌性能を有するものであり、また、抗菌性複合成形体の製造方法は、良好な抗菌性を有する抗菌性複合成形体を、効率よく製造することができる。
10 抗菌性複合成形体
11 基材
21 抗菌性樹脂

Claims (7)

  1. シート状繊維強化樹脂材と熱硬化性樹脂を含む基材と、前記基材の少なくとも一面側に設けられた抗菌性樹脂とよりなり、
    前記抗菌性樹脂は、前記熱硬化性樹脂を含むことを特徴とする抗菌性複合成形体。
  2. 前記シート状繊維強化樹脂材は、シートモールディングコンパウンドからなることを特徴とする請求項1に記載の抗菌性複合成形体。
  3. 前記抗菌剤は、前記抗菌性複合成形体の表面における量が0.1~8.0g/mであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の抗菌性複合成形体。
  4. シート状繊維強化樹脂材が圧縮されて硬化した基材と、前記基材の少なくとも一面側に設けられた抗菌性樹脂とよりなる抗菌性複合成形体の製造方法において、
    前記シート状繊維強化樹脂材の少なくとも一面側に硬化剤を含まない抗菌剤含有熱硬化性樹脂を付着させる付着工程と、
    前記抗菌剤含有熱硬化性樹脂が付着したシート状繊維強化樹脂材を、加熱・圧縮して硬化させる加熱圧縮硬化工程と、
    により、
    前記シート状繊維強化樹脂材が圧縮されて硬化した基材の少なくとも一面側に、前記抗菌剤含有熱硬化性樹脂が硬化した抗菌性樹脂を形成することを特徴とする抗菌性複合成形体の製造方法。
  5. 前記付着工程は、前記シート状繊維強化樹脂材の少なくとも一面側に硬化剤を含まない抗菌剤含有熱硬化性樹脂を塗布することにより、前記シート状繊維強化樹脂材の少なくとも一面側に前記抗菌剤含有熱硬化性樹脂を付着させ、
    前記加熱圧縮硬化工程は、前記抗菌剤含有熱硬化性樹脂が付着したシート状繊維強化樹脂材を金型で加熱・圧縮して硬化させることを特徴とする請求項4に記載の抗菌性複合成形体の製造方法。
  6. 前記付着工程は、金型の少なくとも一型面に硬化剤を含まない抗菌剤含有熱硬化性樹脂を塗布し、前記シート状繊維強化樹脂材を金型にセットし、前記型面に塗布されている抗菌剤含有熱硬化性樹脂を、前記シート状繊維強化樹脂材の少なくとも一面側に接触させて付着させ、
    前記加熱圧縮硬化工程は、前記抗菌剤含有熱硬化性樹脂が付着したシート状繊維強化樹脂材を金型で加熱・圧縮して硬化させることを特徴とする請求項4に記載の抗菌性複合成形体の製造方法。
  7. 前記シート状繊維強化樹脂材は、シートモールディングコンパウンドからなることを特徴とする請求項4から6の何れか一項に記載の抗菌性複合成形体の製造方法。
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