JP2003001628A - ポリイミド管状体の製造方法 - Google Patents

ポリイミド管状体の製造方法

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JP2003001628A
JP2003001628A JP2001190379A JP2001190379A JP2003001628A JP 2003001628 A JP2003001628 A JP 2003001628A JP 2001190379 A JP2001190379 A JP 2001190379A JP 2001190379 A JP2001190379 A JP 2001190379A JP 2003001628 A JP2003001628 A JP 2003001628A
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polyimide tubular
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polyimide
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JP2001190379A
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English (en)
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正美 ▲柳▼田
Masami Yanagida
Hitoshi Nojiri
仁志 野尻
Yoshio Sakata
嘉男 坂田
Koji Sezaki
好司 瀬崎
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザービームプリンターあるいはファクシ
ミリなどの電子写真装置に用いられるポリイミド管状体
に関し、気泡のないポリイミド管状体を製造することで
ある。 【解決手段】 円形ダイから液状原料を押し出すことに
よる、ポリイミド管状体の製造方法において、円形ダイ
に液状原料を適量充填した後、円形ダイを回転させて脱
泡することを特徴とする、ポリイミド管状体の製造方法
を示すことができる。本発明によれば、極めて簡便な手
法で、ダイ内の気泡を除去することができる。そのた
め、ポリイミド管状体の製造歩留まりが飛躍的に向上
し、ポリイミド管状体の製造コストを激減させることが
可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリイミド樹脂か
らなる管状成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリイミド樹脂は、優れた耐熱性、寸法
安定性、機械強度、化学的安定性を有し、フレキシブル
プリント基板、耐熱電線絶縁材料等、種々の用途に使用
されている。また、その管状形成体は、例えば複写機や
レーザービームプリンターなどの電子写真装置におい
て、熱定着用ベルト、中間転写ベルト等へ応用されてい
る。以下、電子写真装置の熱定着用ベルトを例に挙げて
説明する。
【0003】従来、電子写真装置の定着装置としては、
加熱ローラー方式が一般的であった。しかし近年、加熱
ローラー方式に代わり、ポリイミド管状体を用いた方式
が注目されている。この方式は、薄膜ポリイミド管状体
の内側にヒーターを設け、ポリイミド層を介してヒータ
ーと接触している紙上のトナー像を定着せしめるもので
ある。この定着装置の利点としては、紙が薄膜ポリイミ
ド管状体を介してヒーターと接触しているため、ローラ
ーを加熱しなければならない加熱ローラー方式に比べ
て、予備加熱する時間及び電力を低減でき、装置の電源
投入後、速やかに装置が使用可能な状態になる点にあ
る。また、必要とするヒーターの熱容量も加熱ローラー
方式と比較して小さく、総じて消費電力の低減にも繋が
る技術である。
【0004】ポリイミド管状体の製造方法は、内塗り法
と外塗り法に大別される。
【0005】内塗り法は、円筒状成形管の内面に液状原
料を塗布し、しかる後に加熱や減圧などの手法により溶
媒をある程度除去し半乾燥させた塗布膜に自己支持性を
発現させて、該成形管から塗布膜を剥離し、さらにイミ
ド化用成形管の外側に装着して加熱・イミド化を行う手
法である。
【0006】一方、外塗り法は、円筒状成形管の外面に
液状原料を塗布し、乾燥・イミド化を同一成形管上で行
う手法である。
【0007】外塗り法は、内塗り法と比較して以下の利
点を有する。すなわち、半乾燥させた塗布膜をイミド化
用成形管に移し替える必要が無い。つまり、半乾燥させ
た塗布膜を円筒状成形管から取り外す工程では、塗布膜
の破断が頻発するおそれがあるが、これがポリイミド管
状体製造歩留まりの低下、ひいてはポリイミド管状体製
造コストの増大を引き起こしていた。しかし、外塗り法
にはこの問題は存在しない。また、内塗り法では必須と
も言える上記工程が無いことで、内塗り法ではバッチ式
で行わざるを得なかいポリイミド管状体製造工程を、連
続工程で行うことが可能である。そのため、製造コスト
に大きく反映される工数を削減することが可能であり、
また同時に、生産性に極めて優れている。さらに、内塗
り法において半乾燥させた塗布膜をイミド化用成形管に
装着するには、塗布膜の内径がイミド化用成形管の外形
よりも大であることが必須である。このため、イミド化
の際に生じる塗布膜の不均一収縮に起因して、最終的に
得られるポリイミド管状体中にシワが発生しやすいが、
外塗り法ではこの問題は皆無である。
【0008】従来、外塗り法によるポリイミド管状体製
造は、1)円筒金型を液状原料に浸漬させ、しかる後に
該金型をリング状金型に通過させることで厚みを規制
し、乾燥・イミド化する方法、2)円形ダイを用いて円
筒金型の外面に塗布する方法などが代表的であった。特
に、円形ダイを用いる後者の方法は、連続工程が可能で
ある点で工業的に優れている。
【0009】しかしながら、円形ダイを用いたポリイミ
ド製造方法には、以下の問題点がある。
【0010】塗布後の液状原料の垂れに起因するポリイ
ミド管状体の厚みムラを防ぐためには、高粘度の液状原
料を用いる必要がある。しかしながら、高粘度の原料溶
液中には、極めて気泡が残存しやすいという問題点が有
る。気泡が残存した状態で液状原料の塗布を行った場
合、最終的に得られるポリイミド管状体中に局所的に厚
みの薄い部分や穴、すなわち欠陥点が発生する。従っ
て、気泡の残存は、ポリイミド管状体の製造歩留まりを
低下させる主たる要因となっている。しかしながら、円
形ダイに導入する前の液状原料をいかに脱泡処理して
も、該液状原料を円形ダイに導入した際には、物理的に
必ず気泡が残留する。それを除去するために従来は、液
状原料をダイ開放部から大量に押し出し、捨てることで
解決していたが、この手法はポリイミド管状体の原料費
を増大させるため、極めて問題視されていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みなされたものであり、円形ダイを用いたポリ
イミド製造方法において、気泡が残存することなく安価
なポリイミド管状体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のポリイミド管状体の製造方法は、円形ダイ
から液状原料を押出すことによるポリイミド管状体の製
造方法において、円形ダイに液状原料を充填した後、円
形ダイを回転させて脱泡することを特徴とする。
【0013】円形ダイの回転数は、好ましくは、102
〜104rpmである。
【0014】また、円形ダイを回転させる際の、円形ダ
イの周辺雰囲気の圧力は、大気圧よりも低い方が好まし
く、104〜10-2Paが、より好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリイミド管状体
とは、主にポリイミド樹脂からなるシームレスの中空状
成型体を意味し、本発明の製造方法や製造装置はその径
や厚みの大小を問わない。従ってベルトと呼ばれる事の
多い大口径のものにも、チューブと呼ばれる事の多い小
径のものについても適用することができるものである。
【0016】ここで、本発明に係る円形ダイとは、円形
開放部を有する金型であり、該円形開放部から実質的に
一様に液状原料を押し出すことで、液状原料を均一厚に
塗布するものである。前述の通り、円形ダイを用いたポ
リイミド管状体成形の優位点は、外塗り法を用いた場合
に、より多く発揮されるが、本発明の趣旨を考慮する
と、本発明に係る円形ダイとは、外塗り法に用いられる
もののみならず、内塗り法に用いられるものでも有効に
作用しうる。
【0017】図1は、回転している円形ダイの模式図で
ある。本発明によれば、円形ダイが回転することで本発
明の効果が発揮されるが、その回転とは、自転、公転の
いずれでもよく、好ましくはその両方が同時に行われる
ことが望ましい。ここでいう自転とは、円形ダイの重心
もしくはその近傍を通過する軸(自転軸という)を中心
として回転する運動のことである。また公転とは、ある
軸(公転軸という)を中心として、円形ダイの重心と公
転軸がある半径をもって回転する運動のことである。ま
た、公転軌道面に対し、自転軸が鋭角(例えば45°)
に傾斜した構造であることも適宜選択されうる。回転数
は、小さすぎると遠心力が十分に発現せず、脱泡が不十
分となるおそれがある。また、回転数が大きすぎると、
発熱による液状原料の予期しない化学的変化や粘度変化
が起こるおそれがあるばかりでなく、回転運動に要する
モーター設備費の増大、及びそれに必要な電力の増大を
引き起こす可能性がある。上述の要請から、自転、公転
を問わず、回転数は102〜104rpmであることが好
ましい。
【0018】また、円形ダイを回転させる際の円形ダイ
周辺雰囲気の圧力を、大気圧よりも低く設定すること
で、本発明の効果が好ましく発揮されうる。円形ダイ周
辺雰囲気の圧力は、高ければ本発明の効果を十分に発揮
できないおそれがあり、低ければ溶媒を不必要に揮散さ
せるおそれがある。上述の要請から、該圧力は、104
〜10-2Paの範囲であることが望ましい。
【0019】本発明に係るポリイミド管状体の製造方法
において、液状原料は、ポリアミック酸及び/又はポリ
イミドを含む溶液であれば、その他の成分は特に限定さ
れず、最終的に得られるポリイミド管状体の特性を制御
するために、有機、無機材料を問わず、さまざまな材料
を導入することができる。例えば、抵抗値の制御の目的
にはカーボンブラックをはじめとする導電性無機粉体を
樹脂中に適量混合する方法が最も効果的である。カーボ
ンブラック以外にも小径金属粒体、金属酸化物粒体、ま
た酸化チタンや各種無機粒体・ウイスカーを金属酸化物
など導電性物質で皮膜形成したもの等により、同様の効
果を得ることができる。さらには、LiCl等のイオン
導電性物質の添加も可能である。熱伝導性を制御する目
的には、例えば窒化アルミニウム、窒化ホウ素、アルミ
ナ、炭化珪素、珪素、シリカ、グラファイト等があげら
れる。なかでも、熱伝導機能が高く、離型効果を発揮
し、化学的に安定で、無害であるという点で、窒化ホウ
素が好ましい。
【0020】本発明に係るポリイミド管状体の製造方法
において、ポリアミック酸は、例えば芳香族テトラカル
ボン酸成分とジアミン成分を有機極性溶媒中で重合反応
させて得られるものである。
【0021】芳香族テトラカルボン酸成分としては特に
制限はなく、例えば、ブタンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二
無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブ
タンテトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロペンタ
ンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボ
キシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカ
ルボキシノルボナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,
5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、5
−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチ
ル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水
物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,
3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族また
は脂環式テトラカルボン酸二無水物;ピロメリット酸二
無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルス
ルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナ
フタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−
ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,
4′−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、
3,3′,4,4′−ジメチルジフェニルシランテトラ
カルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−テトラフェ
ニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4
−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4′−ビス
(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフ
ィド二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4′−
ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプ
ロパン二無水物、3,3′,4,4′−パーフルオロイ
ソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3′,4,
4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フ
タル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−
フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、
m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水
物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4′−ジフェ
ニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)
−4,4′−ジフェニルメタン二無水物等の芳香族テト
ラカルボン酸二無水物;1,3,3a,4,5,9b−
ヘキサヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナ
フト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,
3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5−
(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−
ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,
3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−
5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニ
ル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン等
の芳香環を有する脂肪族テトラカルボン酸二無水物等を
挙げることができる。これらのテトラカルボン酸二無水
物は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることが
できる。
【0022】次に用いられるジアミンは、ジアミンであ
れば特に限定されないが、例えば、p−フェニレンジア
ミン、m−フェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジ
フェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルエタ
ン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′
−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノ
ジフェニルスルフォン、1,5−ジアミノナフタレン、
3,3−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、5
−アミノ−1−(4′−アミノフェニル)−1,3,3
−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4′−アミ
ノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、4,
4′−ジアミノベンズアニリド、3,5−ジアミノ−
3′−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,5−ジ
アミノ−4′−トリフルオロメチルベンズアニリド、
3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、2,7−ジア
ミノフルオレン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)
ヘキサフルオロプロパン、4,4′−メチレン−ビス
(2−クロロアニリン)、2,2′,5,5′−テトラ
クロロ−4,4′−ジアミノビフェニル、2,2′−ジ
クロロ−4,4′−ジアミノ−5,5′−ジメトキシビ
フェニル、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノ
ビフェニル、4,4′−ジアミノ−2,2′−ビス(ト
リフルオロメチル)ビフェニル、2,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2
−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキ
サフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノ
キシ)ベンゼン、4,4′−ビス(4−アミノフェノキ
シ)−ビフェニル、1,3′−ビス(4−アミノフェノ
キシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)
フルオレン、4,4′−(p−フェニレンイソプロピリ
デン)ビスアニリン、4,4′−(m−フェニレンイソ
プロピリデン)ビスアニリン、2,2′−ビス[4−
(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フ
ェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4′−ビス[4
−(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキ
シ]−オクタフルオロビフェニル等の芳香族ジアミン;
ジアミノテトラフェニルチオフェン等の芳香環に結合さ
れた2個のアミノ基と当該アミノ基の窒素原子以外のヘ
テロ原子を有する芳香族ジアミン;1,1−メタキシリ
レンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチ
レンジアミン、ペンタメチレンジアミン、オクタメチレ
ンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノ
ヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキ
サン、イソフォロンジアミン、テトラヒドロジシクロペ
ンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタ
ノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6,
2,1,02.7]−ウンデシレンジメチルジアミン、
4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等の
脂肪族ジアミンおよび脂環式ジアミン等を挙げることが
できる。これらのジアミン化合物は単独でまたは2種以
上組み合わせて用いることができる。ジアミンは、芳香
族ジアミンを用いることが好ましいが、特に限定される
ものではない。
【0023】ここで該ポリアミック酸の生成反応に使用
される有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホ
キシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶
媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチル
ホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメ
チルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなど
のアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、
N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、
フェノール、o−、m−、またはp−クレゾール、キシ
レノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフ
ェノール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジ
オキソラン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノー
ル、ブタノール等のアルコール系溶媒、ブチルセロソル
ブ等のセロソルブ系あるいはヘキサメチルホスホルアミ
ド、γ−ブチロラクトンなどをあげることができ、これ
らを単独または混合物として用いるのが望ましいが、更
にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素も使用
可能である。溶媒は、ポリアミック酸を溶解するもので
あれば特に限定されない。また、水は、ポリアミック酸
の分解を促進するため、可能な限り除去されねばならな
い。
【0024】また、本発明のポリイミド管状体の前駆体
溶液中に、3級アミン化合物を導入することも適宜選択
され得る。これは、3級アミン化合物であれば特に限定
はされないが、イミダゾ−ル、ベンズイミダゾ−ル、イ
ソキノリン、キノリン、またはβ−ピコリンなどの置換
ピリジンなどの置換もしくは非置換の含窒素複素環化合
物であることが好ましい。これにより、最終的に得られ
るポリイミド管状体の靭性が好ましく向上され得る。
【0025】ポリアミック酸のイミド化反応には、熱の
みでなく、化学的脱水剤と3級アミンなどの触媒を導入
することで達成される、所謂化学硬化法を同時に使用す
ることも適宜選択されうる。
【0026】また、このポリイミド管状体において、他
の成分を有する層を外層に積層することも適宜選択され
うる。外層は、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリ
(フッ化ビニリデン)などが例示されるが、これに限定
されるものではない。
【0027】次にポリイミド管状体を製造する具体的方
法について一例を示す。
【0028】芳香族テトラカルボン酸成分とジアミン成
分を有機溶媒中で重合反応させて得られたポリイミド前
駆体溶液に、無機紛体を該溶液のの乾燥重量100重量
部に対して5〜60重量部含有せしめる。この際、該溶
液に3級アミンを適量混入せしめることも適宜選択され
得る。無機紛体を含有せしめる手法としては、有機溶媒
中に無機紛体を混入せしめ、しかる後に該有機溶媒中で
モノマーを重合反応させる方法、重合反応の途中段階も
しくは反応終了後に溶液に無機紛体もしくはその分散液
を混入せしめる方法が挙げられる。無機紛体を分散さ
せ、その凝集体のサイズを縮小する手法としては、ミキ
サーや攪拌子による攪拌、平行ロール、超音波分散、ボ
ールミルなどの物理的手法、さらには分散剤の導入など
の化学的手法が例示されるが、これに限定されるもので
はない。
【0029】上述の手段で得られたポリイミド管状体液
状原料を、円形ダイ内に流延、押し出しなどの手法で導
入する。次いで、円形ダイを回転させることで液状原料
中に残存している気泡を除去する。この際、円形ダイの
周辺雰囲気の圧力を、大気圧よりも低く設定することも
適宜選択されうる。回転は、円形ダイの自転若しくは公
転のいずれでもよく、さらにはその両方が同時に行われ
ることがより好ましい。
【0030】次に、液状原料を円形ダイから押出し、円
筒形金型の内面もしくは外面に塗布する。円形ダイから
液状原料を押し出す方法としては、圧縮空気や、液体、
また、過剰な液状原料を円形ダイに導入することなどに
よって達成されるが、その方法については限定されな
い。金型の代わりに、耐熱性樹脂製、ガラス製、セラミ
ック製など、従来既知の様々な素材の成形型が、本発明
に係る成形型として良好に動作し得る。また、成形型の
表面にガラスコートやセラミックコートなどを施すこ
と、また、シリコーン系やフッ素系の剥離剤を使用する
ことも適宜選択されうる。更に、円筒金型に対するクリ
アランス調整がなされた膜厚制御用金型を、円筒金型に
通し平行移動させることで、余分な溶液を排除し円筒金
型上の溶液の厚みを均一にすることも可能である。円筒
金型上への溶液塗布の段階で、溶液の均一な厚み制御が
なされていれば、特に膜厚制御用金型を用いなくてもよ
い。次に、ポリイミド前駆体溶液を塗布したこの円筒金
型を、加熱もしくは真空環境中に置くことで、含有溶媒
の30%以上好ましくは50%以上を揮発させる。その
後、成形型からポリイミド前駆体を取り外し、もしくは
成形型のまま最終到達温度200℃〜450℃で加熱
し、イミド転化反応を進行させる。その後、成形型から
樹脂を取り外し、目的のポリイミド管状体を得ることが
できる。
【0031】
【実施例】次に、本発明に係わるポリイミド管状体およ
びその製造方法を実施例により、詳しく説明する。
【0032】(実施例1)攪拌翼がついた容器に、モレ
キュラーシーブにて十分に脱水したジメチルホルムアミ
ド(DMF)を1500g入れ、4、4′−ジアミノジ
フェニルエーテル200gを加え、完全に溶解するまで
攪拌した。この系を約0℃に冷却し、ピロメリット酸二
無水物218gを徐々に加え、よく攪拌した。系の粘度
が約3×102Pa・sになったところで攪拌を停止
し、ポリアミック酸溶液を得た。
【0033】次に大塚化学社製金属フィラーTM−20
0 60gとDMF300gを別の容器に入れ、よく攪
拌し、さらに超音波分散機にかけることで分散液中の金
属フィラーを均一に分散させた。また、さらに別の容器
に三菱化学社製カーボンブラック3030Bを15gと
DMF300gを入れよく攪拌し、超音波分散機にかけ
た。
【0034】上記で得られた金属フィラー分散液とカー
ボンブラック分散液を、同一のビーカー中にそれぞれ9
8gおよび45g採取し、よく攪拌した。このビーカー
中に、上記で得られたポリアミック酸溶液300gを溶
かし入れ、さらによく攪拌した。このようにして、ポリ
アミック酸樹脂の乾燥重量100重量部に対して、金属
フィラー約25重量部、カーボンブラック約3重量部含
有する混合溶液を得た。さらにこの溶液に、15gのイ
ソキノリンを触媒として混ぜ入れることで、液状原料を
調製した。
【0035】このようにして得られた液状原料を、内容
積200mlの外塗り法用円形ダイに流し入れた。該円
形ダイは、その中心部に円筒金型を通過させるための内
径80.5mmの開放部を有し、該開放部の先端にクリ
アランス1.0mmの円状の液状原料吐出部を有する。
その直後、シンキー社製攪拌脱泡機AR−500L−1
に円形ダイを設置し、自転数1000rpm、公転数1
000rpmで3分間回転させることで、脱泡処理を行
った。同処理においては、公転軸に対して自転軸を約4
5°傾斜させた。また、該処理中の円形ダイの周辺圧力
は、油回転式真空ポンプを用いて、103Paとした。
【0036】次に、該円形ダイに3×105Paの圧縮
空気を導入し、同時に該円形ダイを日本精工社製アクチ
ュエータを用いて5mm/sの速度で平行移動させるこ
とで、外径80mm、長さ450mmの円筒状SUS製
金型の外面に、液状原料を均一に塗布した。また、この
円筒状金型には、外面にフッ素系の離型剤を予め塗布す
ることで、ポリイミド管状体成形後の剥離性を向上させ
た。
【0037】該円筒状SUS製金型を100℃に設定し
た熱風オーブンに投入し、10分間加熱乾燥させた。次
いで、100℃から380℃まで、約30分かけて昇温
することで、イミド転化反応を進行させた。その後、金
型を室温で放冷し、該円筒状SUS製金型から樹脂を取
り外し、目的のポリイミド管状体を得た。
【0038】上述の手段で得られたポリイミド管状体に
は、残存気泡に起因する欠陥点は存在せず、ポリイミド
管状体の外観は極めて良好であった。
【0039】(実施例2)円形ダイを、内容積180m
lの内塗り法用円形ダイとすることを除いて、実施例1
と同様にポリイミド管状体を調製した。該円形ダイの外
径は79.5mmであり、先端にクリアランス1.0m
mの円状の液状原料吐出部を有する。
【0040】上述の手段で得られたポリイミド管状体に
は、残存気泡に起因する欠陥点は存在せず、ポリイミド
管状体の外観は極めて良好であった。
【0041】(実施例3)自転数0rpm、公転数10
00rpmとすることを除いて、実施例1と同様にポリ
イミド管状体を調製した。
【0042】上述の手段で得られたポリイミド管状体に
は、残存気泡に起因する欠陥点は存在せず、ポリイミド
管状体の外観は極めて良好であった。
【0043】(実施例4)自転数0rpm、公転数30
0rpmとすることを除いて、実施例1と同様にポリイ
ミド管状体を調製した。
【0044】上述の手段で得られたポリイミド管状体に
は、残存気泡に起因する欠陥点は存在せず、ポリイミド
管状体の外観は極めて良好であった。
【0045】(実施例5)自転数1000rpm、公転
数0rpmとすることを除いて、実施例1と同様にポリ
イミド管状体を調製した。
【0046】上述の手段で得られたポリイミド管状体に
は、残存気泡に起因する欠陥点は存在せず、ポリイミド
管状体の外観は極めて良好であった。
【0047】(実施例6)自転数300rpm、公転数
0rpmとすることを除いて、実施例1と同様にポリイ
ミド管状体を調製した。
【0048】上述の手段で得られたポリイミド管状体に
は、残存気泡に起因する欠陥点は存在せず、ポリイミド
管状体の外観は極めて良好であった。
【0049】(実施例7)脱泡処理中の円形ダイ周辺雰
囲気の圧力を、105Paとすることを除いて、実施例
1と同様にポリイミド管状体を調製した。
【0050】上述の手段で得られたポリイミド管状体に
は、残存気泡に起因する欠陥点は存在せず、ポリイミド
管状体の外観は極めて良好であった。
【0051】(比較例1)自転数0rpm、公転数0r
pmとすることを除いて、実施例1と同様にポリイミド
管状体を調製した。
【0052】上述の手段で得られたポリイミド管状体に
は、1cmあたり1〜2個の残存気泡に起因する欠陥点
が存在した。
【0053】以上、本発明に係わるポリイミド管状体に
ついて説明したが、本発明は上述の形態に限定されるも
のではない。例示するまでもなく記述した範囲内で種々
の変形を加えた態様で実施できるものである。
【0054】
【発明の効果】本発明に係るポリイミド管状体の製造方
法は、以上説明したように、極めて簡便な手法で、ダイ
内の気泡を除去することができる。そのため、ポリイミ
ド管状体の製造歩留まりが飛躍的に向上し、ポリイミド
管状体の製造コストを激減させることが可能となる。
【0055】このように、この種の従来例に存在した課
題の殆どすべてが解決される等、本発明の発揮する効果
は、顕著にして大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 回転している円形ダイの模式図である。
【符号の説明】
1 円形ダイ 2 自転軸 3 公転軸

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円形ダイから液状原料を押し出すことに
    よる、ポリイミド管状体の製造方法において、円形ダイ
    に液状原料を充填した後、円形ダイを回転させて脱泡す
    ることを特徴とする、ポリイミド管状体の製造方法。
  2. 【請求項2】 円形ダイの回転数が、102〜104rp
    mであることを特徴とする、請求項1記載のポリイミド
    管状体の製造方法。
  3. 【請求項3】 円形ダイを回転させる際の、円形ダイの
    周辺雰囲気の圧力が、大気圧よりも低いことを特徴とす
    る、請求項1ないし2記載のポリイミド管状体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 円形ダイを回転させる際の、円形ダイの
    周辺雰囲気の圧力が、104〜10-2Paであることを
    特徴とする、請求項1ないし2記載のポリイミド管状体
    の製造方法。
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