JP2004217848A - ポリイミド管状成形体の製造方法 - Google Patents

ポリイミド管状成形体の製造方法 Download PDF

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正美 ▲柳▼田
Masami Yanagida
Tomohiro Ozuru
智博 大▲づる▼
Hitoshi Nojiri
仁志 野尻
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Abstract

【課題】例えば、電子写真装置の中間転写体等に用いられるポリイミド管状成形体の製造方法に関し、良好なトナーのクリーニング性と、優れた力学的耐久性を併有したポリイミド管状成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】ポリイミド樹脂を含有してなる管状成形体の外表面を、少なくとも含フッ素化合物を用いて、好ましくは含フッ素化合物と不活性ガスの混合ガスを用いて、大気圧グロープラズマ処理することを特徴とする、ポリイミド管状成形体の製造方法である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、電子写真装置の中間転写体等に用いられる、ポリイミド樹脂を含有する管状成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
中間転写体を使用した電子写真装置は、多色画像情報の複数の成分色画像を順次積層転写して多色画像を合成再現した画像形成物を出力する多色画像形成装置として有効であり、各成分色画像の色ズレの無い画像を得ることが可能である。また、薄い紙から厚い紙まで選択可能である点、紙の大小に関わらず転写が可能である点等、優れた利点を有することから、中間転写体を使用した電子写真装置は、市場に急速に広がりつつある。
【0003】
中間転写体としては、例えばドラム状、筒状等が知られているが、装置の小型化などの要望から、ベルトと称されることの多い、薄肉筒状の中間転写体が主流となっている。また、上記中間転写体の材料としては、引張弾性率が高いこと、表面の平滑性が高いことなどの要請から、ポリイミド樹脂を中間転写体材料として用いることが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ところで、中間転写体材料に要求される特性の一つに、トナーのクリーニング性が挙げられる。トナーのクリーニング性を決定する重要な要素の一つは、中間転写体外表面の表面自由エネルギーであり、それが低い方がトナーのクリーニング性が良好となる。しかしながら、ポリイミド樹脂は一般に表面自由エネルギーが高く、そのため、ポリイミド樹脂を含む中間転写体は、トナーのクリーニング性に劣るという問題があった。
【0005】
この問題を解決するために、ポリイミドを主成分とする管状成形体の表面に、低自由エネルギー成分である、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと略す)などのフッ素樹脂を主成分とする層を設ける方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながらこの方法は、長期間の使用によりフッ素樹脂層が磨耗し削り取られてしまう点、また、長期間の使用により前記フッ素樹脂層とポリイミドを主成分とする層間で剥離が生じてしまう点等の問題が顕在化している。
【0006】
上記の問題を解決する手段として、ポリイミド管状成形体中に、フッ素樹脂粉末を分散せしめる手法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。この手法を用いる限り、上述の問題は解決される。しかしながら、ポリイミド管状成形体中に、フッ素樹脂粉末を分散せしめることで、ポリイミド管状成形体の力学強度、特に力学的な耐久性が低減することが問題視されていた。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−171265号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平5−84848号公報
【0009】
【特許文献3】
特開平3−353273号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、トナーのクリーニング性を向上せしめると同時に、高い力学耐久性を実現可能なポリイミド管状成形体の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリイミド樹脂を含有してなるポリイミド管状成形体の力学耐久性を落とすことなく、表面自由エネルギーを好適に低減せしめる方法を見出し、本発明を完成させるに至ったのである。
【0012】
即ち、本発明は、ポリイミド樹脂を含有してなる管状成形体の外表面を、少なくとも含フッ素化合物を用いて大気圧グロープラズマ処理することを特徴とする、ポリイミド管状成形体の製造方法に関する。
【0013】
好ましい実施態様は、含フッ素化合物と不活性ガスの混合ガスを用いて大気圧グロープラズマ処理することを特徴とする、前記のポリイミド管状成形体の製造方法に関する。
【0014】
更に好ましい実施態様は、ポリイミド管状成形体外表面の、水に対する静的接触角を80°以上とすることを特徴とする、前記何れかに記載のポリイミド管状成形体の製造方法に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のポリイミド管状成形体の製造方法に係る実施の形態をより詳しく説明する。
【0016】
ポリイミド管状成形体の外表面の表面自由エネルギーを低減せしめる方法としては、ポリイミド管状成形体の外表面にフッ素原子を配置せしめることが好ましい。上記手段の一つとして、ポリイミド管状成形体中へフッ素樹脂を分散する手段が挙げられるが、フッ素樹脂とポリイミド樹脂は相容性が極めて低く、両樹脂の界面で剥離を生じやすい傾向がある。この樹脂界面における剥離が、フッ素樹脂を分散してなるポリイミド管状成形体の力学耐久性を落とす主要因となっている。
【0017】
一方、本発明に係る含フッ素化合物を用いた大気圧グロープラズマ処理を用いてポリイミド管状成形体を製造する方法においては、ポリイミド管状成形体の外表面の極近傍のみにフッ素原子を配置せしめることが可能となる。この方法を用いれば、フッ素樹脂導入時に必然的に形成される、フッ素樹脂とポリイミド樹脂との界面が存在せず、従って、前記樹脂界面における剥離を解消せしめることが可能となる。そのため本発明によれば、ポリイミド管状成形体の力学耐久性を落とすことなく、表面自由エネルギーを好適に低減せしめることが可能となる。
【0018】
本発明に係る含フッ素化合物は、フッ素を含有する化合物であれば特に問題なく使用可能であるが、例えば、4フッ化メタン、6フッ化エタン、4フッ化エチレン、6フッ化プロピレン、6フッ化ブタジエン等のフッ化炭素化合物、2フッ化メタン、4フッ化エタン、4フッ化プロピレン、3フッ化プロピレン等のフッ化炭化水素化合物、さらに、1塩化3フッ化メタン、1塩化2フッ化メタン、2塩化4フッ化シクロブタン等のフッ化炭化水素化合物のハロゲン化物、及び、アルコール酸、ケトン等の有機化合物のフッ素置換体、またさらに、6フッ化硫黄、3フッ化窒素等が挙げられる。しかしながら、工程中の安全性を考慮すると、低毒性で不燃性のフッ化炭素化合物、若しくは、不燃性で非腐食性の6フッ化硫黄、3フッ化窒素が好ましい。
【0019】
次に、本発明に係る不活性ガスについては、ヘリウム、アルゴン、窒素、ネオン等またはそれらを混合したもの等、不活性ガスであれば問題なく使用可能である。しかしながら、発生するプラズマの安定性を考慮すると、ヘリウムを含むガスであることがより好ましい。
【0020】
本発明に係るポリイミド管状成形体は、樹脂の主成分がポリイミドであることが重要である。ここで、樹脂の主成分とは、全樹脂成分中、ポリイミドが50重量%以上であることを言い、更には60重量%以上であることが好ましい。ポリイミドは、ポリアミック酸の硬化反応により得られるものであり、ポリアミック酸は、酸二無水物成分、好ましくは芳香族テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分とを有機極性溶媒中で重合反応させて得られるものである。
【0021】
テトラカルボン酸二無水物成分としては特に制限はなく、例えば、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族または脂環式テトラカルボン酸二無水物;ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3′,4,4′−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4′−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4′−ジフェニルメタン二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物;1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン等の芳香環を有する脂肪族テトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。これらのテトラカルボン酸二無水物は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。単独で用いる場合には、ピロメリット酸二無水物若しくはビフェニルテトラカルボン酸類二無水物が機械強度を好適な範囲に制御しやすいので好ましく、2種以上組み合わせて用いる場合においても、全酸二無水物成分を基準として50モル%以上のピロメリット酸二無水物若しくは50モル%以上のビフェニルテトラカルボン酸類二無水物を用いることが好ましい。上記ビフェニルテトラカルボン酸類二無水物は、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、若しくは、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が特に好ましい。
【0022】
次に用いられるジアミン成分は、ジアミンであれば特に限定されないが、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルエタン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノジフェニルスルフォン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4′−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4′−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、4,4′−ジアミノベンズアニリド、3,5−ジアミノ−3′−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,5−ジアミノ−4′−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、2,7−ジアミノフルオレン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4′−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2′,5,5′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノビフェニル、2,2′−ジクロロ−4,4′−ジアミノ−5,5′−ジメトキシビフェニル、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、4,4′−ジアミノ−2,2′−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)−ビフェニル、1,3′−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4′−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4′−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2′−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4′−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル等の芳香族ジアミン;ジアミノテトラフェニルチオフェン等の芳香環に結合された2個のアミノ基と当該アミノ基の窒素原子以外のヘテロ原子を有する芳香族ジアミン;1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソフォロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6,2,1,02.7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等の脂肪族ジアミンおよび脂環式ジアミン等を挙げることができる。これらのジアミン化合物は単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。単独で用いる場合には、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル若しくはフェニレンジアミン類が機械強度を好適な範囲に制御しやすいので好ましく、2種以上組み合わせて用いる場合においても、全ジアミン成分を基準として50モル%以上の4,4′−ジアミノジフェニルエーテル若しくは50モル%以上のフェニレンジアミン類を用いることが好ましい。上記フェニレンジアミン類は、p−フェニレンジアミン、若しくは、m−フェニレンジアミンが特に好ましい。
【0023】
ここで該ポリアミック酸の重合反応に使用される有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−、またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどをあげることができ、これらを単独または混合物として用いるのが望ましいが、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素も使用可能である。溶媒は、ポリアミック酸を溶解するものであれば特に限定されない。また、水は、ポリアミック酸の分解を促進するため、可能な限り除去されねばならない。
【0024】
ポリアミック酸の硬化反応は、熱による方法、ポリアミック酸を含む原料溶液中に触媒及び硬化剤を導入する方法、光による方法など、従来既知の方法を好適に用いることができる。しかしながら、生産性向上や、弾性率などのその他物性を好適に制御できることから、ポリアミック酸を含む原料溶液中に触媒及び硬化剤を導入する方法を、硬化反応の少なくとも一部に導入することが好ましい。触媒及び硬化剤を、ポリアミック酸を含む原料溶液中に導入する方法は特に限定されず、原料溶液中に触媒及び硬化剤を混練する方法、原料溶液中に触媒のみを混練した後、硬化剤若しくは硬化剤を含む溶液を噴霧、塗布、浸漬などの方法で原料溶液に接触させる方法、原料溶液に触媒と硬化剤を含む溶液を接触させる方法などが挙げられる。
【0025】
ここでいう硬化剤とは、ポリアミック酸に対する脱水閉環剤であれば制限無く用いることが可能で、例えばその主成分として、脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物、N,N′−ジアルキルカルボジイミド、低級脂肪族ハロゲン化物、ハロゲン化低級脂肪族酸無水物、アリールスルホン酸ジハロゲン化物、チオニルハロゲン化物またはそれら2種類以上の混合物が、好ましく用いうる。その中でも特に、脂肪族酸無水物及び芳香族酸無水物が良好に作用する点から好ましい。
【0026】
また、ここでいう触媒とは硬化剤のポリアミック酸に対する脱水閉環作用を促進する効果を有する成分であり、その主成分として、脂肪族3級アミン、芳香族3級アミン、複素環式3級アミンが好ましく例示されうる。そのうち、イミダゾ−ル、ベンズイミダゾ−ル、イソキノリン、キノリン、またはβ−ピコリンなどの置換もしくは非置換の含窒素複素環化合物であることが好ましい。
【0027】
さらに、硬化剤及び触媒を含有する溶液中に、有機極性溶媒を導入することも適宜選択され得る。
【0028】
表面自由エネルギーは、水の静的接触角を測定することでその高低を見積もることができ、水の静的接触角が大きいほど、表面自由エネルギーが低い関係を有する。実用的なトナーのクリーニング性を考慮した場合、当該ポリイミド管状成形体の外表面における水に対する静的接触角が、80°以上、更には90°以上であることで、トナーのクリーニング性をより好ましく向上せしめることが可能となる。
【0029】
本発明に係る水の静的接触角とは、試験片を23℃、55%RHの雰囲気に24時間静置した後、同雰囲気下において、試験片表面に蒸留水20μLを滴下して、その接触角度を、例えば、協和界面科学社製の静的接触角計CA−DT型を用いて1分後の値を直読することにより測定される値である。
【0030】
本発明に係るポリイミド管状成形体は、ポリイミド樹脂を含めば、その他の成分は特に限定されず、最終的に得られるポリイミド管状成形体の特性を制御するために、有機若しくは無機材料を問わず、さまざまな材料を含有することができる。例えば、抵抗値の制御の目的には、カーボンブラックをはじめとする導電性無機粉体を樹脂中に適量混合する方法が最も効果的である。カーボンブラック以外にも小径金属粒体、金属酸化物粒体、また酸化チタンや各種無機粒体・ウイスカーを金属酸化物など導電性物質で皮膜形成したもの等でも同様の効果を得ることができる。さらには、LiCl等のイオン導電性物質の添加も可能である。熱伝導性を制御する目的には、例えば窒化アルミニウム、窒化ホウ素、アルミナ、炭化珪素、珪素、シリカ、グラファイト等を用いることができる。中でも、熱伝導機能が高く、離型効果を発揮し、化学的に安定で、無害であるという点で、窒化ホウ素が特に好ましい。導入される無機粉体の量は、少なすぎるとその効果を十分に発揮できない場合があり、多すぎるとポリイミド管状成形体の機械特性を著しく低下せしめる場合がある。そのため、ポリイミド管状成形体に導入される無機粉体の量は、ポリイミド樹脂100重量部に対し、3〜90重量部、好ましくは5〜80重量部、より好ましくは10〜70重量部であることで、得られるポリイミド管状成形体の特性を好適に制御しうる。
【0031】
また、本発明に係る管状成形体とは、中空状成形体を意味し、その径の大小を問わない。従ってベルトと呼ばれる事の多い大口径のものにも、チューブと呼ばれる事の多い小口径のものについても適用することができる。また、シームレスの成形体であっても、フィルムを重ねあわせや突き合わせの手段を用いつなぎ合わせ中空状成形体としたものについても適用することができる。但し、本発明のポリイミド管状成形体を、例えば電子写真装置の中間転写体として用いる場合には、微細な段差であっても画質の低下に繋がるおそれがあるため、フィルムの重ね合わせや突き合わせの手段でつなぎ合わせた無端ベルトよりもシームレスの成形体の方が好ましい。
【0032】
ポリイミド管状成形体の厚さは、厚すぎると靭性が著しく低下するため好ましくなく、薄すぎると座屈が発生しやすくなるため好ましくない。この要請から、本発明のポリイミド管状成形体の厚さは、50〜150μmであることが好ましく、より好ましくは60〜100μmであることで、例えば電子写真装置の中間転写体として良好に用いることができる。ポリイミド管状成形体の厚さは、例えば、マイクロゲージ等を用いて容易に測定できる。
【0033】
本発明に係るポリイミド管状成形体の用途は特に限定されない。しかしながら、含フッ素化合物を用いて大気圧グロープラズマ処理することにより得られる、該管状成形体外表面における表面自由エネルギーの低減効果を考慮すると、電子写真装置の中間転写体や定着ベルトが、該管状成形体の用途としては特に好ましい。ここでいう定着ベルトとは、直接若しくは間接的に加熱された該ベルトと、トナーが仮着された記録媒体を接触させることで、記録媒体上に仮着されたトナーを熱定着せしめる作用を示すものである。
【0034】
本発明に係るポリイミド管状成形体の体積抵抗率は、その用途を考慮すると10〜1011Ω・cmであることが好ましい。該管状成形体を電子写真装置の中間転写体として用いた場合、体積抵抗率が上記範囲より小さすぎると白抜けが発生し、また、逆に大きすぎると転写チリが発生するため好ましくない。
【0035】
同様に、本発明に係るポリイミド管状成形体の表面抵抗率は、その用途を考慮すると10〜1012Ω/□であることが好ましい。該管状成形体を電子写真装置の中間転写体として用いた場合、表面抵抗率が上記範囲より小さすぎると白抜けが発生し、また、逆に大きすぎると転写チリが発生するため好ましくない。
【0036】
次にポリイミド管状成形体を製造する具体的方法について、一例を示して説明する。
【0037】
テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分を有機溶媒中で重合反応させてポリイミド樹脂前駆体酸溶液、すなわちポリアミック酸溶液を調製する。この場合、前述した理由により、50モル%以上のピロメリット酸二無水物若しくは50モル%以上のビフェニルテトラカルボン酸類二無水物と、50モル%以上の4,4′−ジアミノジフェニルエーテル若しくは50モル%以上のフェニレンジアミン類を含むジアミン成分とを反応させて得たポリアミック酸が好ましい。
【0038】
またこの際、該溶液に針状フィラーやカーボンブラックをはじめとする無機粉体を適量混入せしめることも適宜選択され得る。針状フィラー、無機紛体等の添加物を混入せしめる手法としては、有機溶媒中に添加物を混入せしめ、しかる後に該有機溶媒中で上記成分を重合反応せしめる方法、重合反応の途中段階もしくは反応終了後の溶液に前記添加物もしくはその分散液を混入せしめる方法等が挙げられる。針状フィラーや無機紛体を分散させ、その凝集体のサイズを縮小化する手法としては、ミキサーや攪拌子による攪拌、平行ロール、超音波分散、ボールミルなどの物理的手法、さらには分散剤の導入などの化学的手法が例示されうるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
上記により得られたポリイミド管状成形体原料を管状に成形する。ポリイミド管状成形体を作成する方法に関しては特に限定されず、ポリイミド管状成形体原料をダイスから押し出す方法、金型をポリイミド管状成形体原料に浸漬する方法、該原料を円筒状塗布型に噴霧する方法、遠心力を応用して筒状塗布膜の厚みを一定化させる所謂遠心成形法、筒状空間中に該原料を注入した後硬化させる方法、予めフィルム状に成形し、次いで端部を接合することにより筒状に加工する方法など、従来既知のあらゆる方法を用いることができる。
【0040】
上記手段にて作成したポリイミド管状成形体の外表面を、含フッ素化合物を用いた大気圧グロープラズマにより処理する。その方法について、次に具体的に一例を挙げて説明する。図1は、本発明に係る大気圧グロープラズマ処理の概念図である。プラズマ発生系12に接続された上部電極13及び下部電極14(アノード側)が平行に設置されており、この下部電極14上と複数のロールによって架張されたポリイミド管状成形体11の一部が接触するように設置する。大気圧で安定なグロープラズマを発生させる目的で、上部電極若しくは下部電極を誘電体で被覆することも適宜選択されうる。電極の形状は、平行平板型、多針型、湾曲板型などが例示される。次いで、ガス供給路16から少なくとも含フッ素化合物を含むガス、好ましくは含フッ素化合物と前記不活性ガスとの混合ガスを供給する。この際、電極近傍のガス圧が、5×10Pa〜5×10Paになるよう、ガス排気路17を適宜開閉してもよい。さらに、プラズマ発生系から電極間に電力を印加しプラズマを発生させることで、含フッ素化合物が分解して励起されたフッ素ラジカルが生成する。該フッ素ラジカルがポリイミド管状成形体の外表面に化学吸着されることで、ポリイミド管状成形体の外表面にフッ素原子が配置される。この際、ポリイミド管状成形体を架張しているロールに回転運動を付与することにより、ポリイミド管状成形体を回転駆動せしめることも適宜選択されうる。
【0041】
最終的に、系からポリイミド管状成形体を取り外し、目的のポリイミド管状成形体を得ることができる。
【0042】
【実施例】
本発明に係る実施例を以下に説明する。
【0043】
(実施例1)
攪拌翼がついた容器に、モレキュラーシーブにて十分に脱水したジメチルホルムアミド(DMF)を1500g入れ、4、4′−ジアミノジフェニルエーテル200gを加え、完全に溶解するまで攪拌した。この系を約0℃に冷却し、ピロメリット酸二無水物218gを徐々に加え、よく攪拌した。系の粘度が約3×10Pa・sになったところで攪拌を停止し、ポリイミド前駆体溶液を得た。
【0044】
次に大塚化学社製フィラーBK−400HRを60gとDMF300gを別の容器に入れ、よく攪拌し、さらに超音波分散機にかけることで分散液中のフィラーを均一に分散させた。BK−400HRはその表面にカーボンをコートしたチタン酸カリウムからなる針状フィラーである。
【0045】
上記で得られた針状フィラー分散液を、118g採取し、上記で得られたポリイミド前駆体溶液300gを溶かし入れた。このようにして、硬化後のポリイミド樹脂100重量部に対して、針状フィラーを約30重量部含有する、ポリアミック酸を含有する溶液を調製した。
【0046】
更に、上記溶液に、触媒であるイソキノリンを20g、硬化剤である無水酢酸を32g混練した。
【0047】
上記で得られたポリアミック酸を含有する溶液を、内径82mm、外径83.5mm、長さ450mmの筒状空間中に均一に注入し、塗布膜に自己支持性が発現するまで23℃・55%RHの雰囲気中に10分間静置した。前記筒状空間は、外径82mm、長さ450mmのSUS製内筒を、内径83.5mm、長さ450mmのSUS製外筒に挿入することで形成されるものである。次いで、該塗布膜を前記内筒及び外筒から取り外し、外径80mmのSUS製円筒焼成型に装着し、100℃から380℃まで、約30分かけて昇温した。最後に系を室温まで冷却し、ポリイミド管状成形体を得た。
【0048】
前述の手段で作成したポリイミド管状成形体の外表面に対し、以下の手順で大気圧グロープラズマ処理を行った。外形20mm、長さ450mmの2本のロールに架張せしめ、一方のロールに外部モーターを用いて回転運動を付与することで、ポリイミド管状成形体を2rpmの速度で回転駆動せしめた。前述の状態を保持したまま、図1に示される系にポリイミド管状成形体を組み込み、ガス供給路に4フッ化炭素:ヘリウム=1:50の混合ガスを供給した。この際、電極近傍の圧力が1×10Paとなるよう、ガス排気路を調節した。次いで、プラズマ発生装置より、15kHz、40W/cmの電力を電極に印加した。
【0049】
上記の状態を10分間保持し、2本のロールからポリイミド管状成形体を取り外した。得られたポリイミド管状成形体外表面の、水に対する静的接触角を、協和界面科学社製の静的接触角計CA−DT型を用いて測定したところ、103°であった。なお、上記の大気圧グロープラズマ処理を行う前における、ポリイミド管状成形体外表面の水に対する静的接触角は78°であった。
【0050】
当該ポリイミド管状成形体に対し、中間転写ベルトとして用いた場合の画像評価及びトナーのクリーニング性評価、耐久性評価を行った。
【0051】
画像評価は、以下の手順で行った。得られたポリイミド管状成形体を、複写機である(株)リコー製フルカラー複写機プリテールに搭載し中間転写ベルトとして用い、A4サイズの画像を10000枚形成せしめた。その後、さらに1枚の画像を形成せしめ、その画像の評価を行った。白抜け、転写チリ、転写ずれ、ボソツキがない良好な画像を○、それ以外を×とした。
【0052】
トナーのクリーニング性は、以下の手順で評価した。前述した10001枚の画像形成の後、ポリイミド管状成形体の外面に粘着セロハンテープを貼り、次いで、当該テープを剥がして、目視にてセロハンテープ上のトナーの有無を確認した。上記複写機は、樹脂ブレードによりポリイミド管状成形体上のトナーをクリーニングする機構になっており、トナーのクリーニング性が劣ると、ポリイミド管状成形体上にトナーが残存する。従って、セロハンテープ上にトナーがほとんど確認できない場合はクリーニング性○、トナーが付着している場合はクリーニング性×とした。
【0053】
力学的な耐久性は、以下の手順で評価した。ポリイミド管状成形体を、(株)リコー製フルカラー複写機プリテールに搭載し中間転写ベルトとして用い、A4サイズの画像を500000枚形成せしめた。その後、ポリイミド管状成形体の変形の有無を目視で確認した。目視で確認できる変形や、破断が発生してない場合は耐久性○、それ以外は×とした。
【0054】
上記の評価を行った結果、画像、トナーのクリーニング性、力学的な耐久性のいずれも○であった。
【0055】
(実施例2)
実施例1と同様の手順でポリイミド前駆体溶液を調製した。次に、ライオン社製カーボンブラックEC−600JDを6gとDMF300gを別の容器に入れ、よく攪拌し、さらに超音波分散機にかけることで分散液中のカーボンブラックを均一に分散させた。
【0056】
上記で得られたカーボンブラック分散液を100g採取し、上記で得られたポリイミド前駆体溶液300gを溶かし入れた。このようにして、硬化後のポリイミド樹脂100重量部に対して、カーボンブラックを約3重量部含有する、ポリアミック酸を含有する溶液を調製した。
【0057】
上記溶液を、内径82mm、長さ450mmのガラス管の内壁に均一に流延塗布し、100℃の熱風に40分間晒すことで溶媒を揮散させた。次いで、塗布膜を該ガラス管から取り外し、外径80mmのSUS製金型に装着し、100℃から380℃まで、約30分間かけて昇温した。最後に系を室温まで冷却し、ポリイミド管状成形体を得た。
【0058】
前述の手段で作成したポリイミド管状成形体の外表面に対し、実施例1と同様の手順で、大気圧グロープラズマ処理を行った。
【0059】
得られたポリイミド管状成形体外表面の、水に対する静的接触角を測定したところ、109°であった。なお、上記の大気圧グロープラズマ処理を行う前における、ポリイミド管状成形体外表面の水に対する静的接触角は76°であった。
【0060】
当該ポリイミド管状成形体に対し、実施例1と同様の画像評価、トナーのクリーニング性評価、力学的な耐久性評価を行った。その結果、画像、トナーのクリーニング性、力学的な耐久性のいずれも○であった。
【0061】
(比較例1)
大気圧グロープラズマ処理を行わないことを除いて、実施例1と同様にポリイミド管状成形体を調製した。得られたポリイミド管状成形体外表面の、水に対する静的接触角を測定したところ、78°であった。当該ポリイミド管状成形体に対し、実施例1と同様の画像評価、トナーのクリーニング性評価、力学的な耐久性評価を行った。その結果画像及び力学的な耐久性は○であったが、トナーのクリーニング性は×であった。
【0062】
(比較例2)
大気圧グロープラズマ処理を行わないことを除いて、実施例2と同様にポリイミド管状成形体を調製した。得られたポリイミド管状成形体外表面の、水に対する静的接触角を測定したところ、76°であった。当該ポリイミド管状成形体に対し、実施例1と同様の画像評価、トナーのクリーニング性評価、力学的な耐久性評価を行った。その結果画像及び力学的な耐久性は○であったが、トナーのクリーニング性は×であった。
【0063】
(比較例3)
実施例1と同様の手順でポリイミド前駆体溶液を調製した。次に、大塚化学社製フィラーBK−400HRを60gとDMF300gを別の容器に入れ、よく攪拌し、さらに超音波分散機にかけることで分散液中のフィラーを均一に分散させた。さらに別の容器に、セントラル硝子社製フッ素樹脂粉末セフラルルーブーIを100とDMF90gを入れ、よく攪拌した。セフラルルーブーIは、末端フッ素化ポリテトラフルオロエチレンである。
【0064】
上記で得られた針状フィラー分散液を118gと、上記で得られたフッ素樹脂分散液を65g採取し、上記で得られたポリイミド前駆体溶液300gを溶かし入れた。このようにして、硬化後のポリイミド樹脂100重量部に対して、針状フィラーを約30重量部、及び、フッ素樹脂を約10重量部含有する、ポリアミック酸を含有する溶液を調製した。
【0065】
上記溶液を用いて、大気圧グロープラズマ処理を行わないことを除いて、実施例1と同様の手順でポリイミド管状成形体を調製した。得られたポリイミド管状成形体外表面の、水に対する静的接触角を測定したところ、108°であった。
【0066】
当該ポリイミド管状成形体に対し、実施例1と同様の画像評価、トナーのクリーニング性評価、力学的な耐久性評価を行った。その結果、画像及びトナーのクリーニング性は○であったが、約350000枚印刷後にポリイミド管状成形体が破断したため、力学的な耐久性は×であった。
【0067】
上記の如く、実施例のポリイミド管状成形体は、トナーのクリーニング性及び耐久性も良く、電子写真記録装置の中間転写体として用いた場合にも、安定して良好な画像を提供可能なポリイミド管状成形体であった。これに対して、比較例1及び2のポリイミド管状成形体ではクリーニング性不良が、さらに比較例3のポリイミド管状成形体では力学的な耐久性不良が生じており、良好なポリイミド管状成形体が得られなかった。
【0068】
以上、本発明に係るポリイミド管状成形体の製造方法について説明したが、本発明は上述の形態に限定されるものではない。例示するまでもなく記述した範囲内で種々の変形を加えた態様で実施できるものである。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、トナーのクリーニング性及び力学的な耐久性が良好なポリイミド管状成形体の製造方法を提供することができる。そのため、本発明に係るポリイミド管状成形体は、電子写真装置の中間転写体として用いられる無端ベルトとして極めて好適に使用できる。これにより、電子写真装置全体の製造コスト、当該装置のランニングコストを劇的に低減させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリイミド管状成形体の製造方法において、ポリイミド管状成形体の外表面に対し、大気圧グロープラズマ処理を行う工程の一具体例の側面断面模式図である。
【符号の説明】
1;大気圧グロープラズマ処理を行う工程の一具体例
11;ポリイミド管状成形体
12;プラズマ発生系
13;上部電極
14;下部電極
15;回転ロール
16;ガス供給路
17;ガス排気路

Claims (3)

  1. ポリイミド樹脂を含有してなる管状成形体の外表面を、少なくとも含フッ素化合物を用いて大気圧グロープラズマ処理することを特徴とする、ポリイミド管状成形体の製造方法。
  2. 含フッ素化合物と不活性ガスの混合ガスを用いて大気圧グロープラズマ処理することを特徴とする、請求項1記載のポリイミド管状成形体の製造方法。
  3. ポリイミド管状成形体外表面の、水に対する静的接触角を80°以上とすることを特徴とする、請求項1乃至2に記載のポリイミド管状成形体の製造方法。
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