JP2004107658A - ポリイミドフィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 絶縁信頼性を損なうことなく、帯電防止作用を付与したポリイミドおよびその製造方法の提供。
【解決手段】 特定の半径と螺旋ピッチを持つカーボンナノチューブを含有し、表面抵抗率が1.0×105〜1.0×1012Ωの範囲にあり、かつ体積抵抗率が1.0×105〜1.0×1012Ω・cmの範囲にあり、また絶縁破壊電圧100KV/mm以上であるポリイミドフィルム、およびポリアミック酸溶液に、特定の半径と螺旋ピッチを持つカーボンナノチューブを分散させ、該ポリアミック酸溶液を製膜した後、イミド化閉環処理することを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 特定の半径と螺旋ピッチを持つカーボンナノチューブを含有し、表面抵抗率が1.0×105〜1.0×1012Ωの範囲にあり、かつ体積抵抗率が1.0×105〜1.0×1012Ω・cmの範囲にあり、また絶縁破壊電圧100KV/mm以上であるポリイミドフィルム、およびポリアミック酸溶液に、特定の半径と螺旋ピッチを持つカーボンナノチューブを分散させ、該ポリアミック酸溶液を製膜した後、イミド化閉環処理することを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ポリイミドおよびその製造方法に関する。
さらに詳細には、絶縁信頼性を損なうことなく、帯電防止作用を持つポリイミドおよびその製造方法に関するものである。
ポリイミドフィルムは、優れた絶縁性と耐熱性を有していることから、銅箔などの金属箔と積層したフレキシブル回路基板用のベースフィルムおよびその周辺部、例えばカバーレイフィルムとして幅広く利用されているが、その優れた絶縁性に起因する静電気の帯電が大きな問題となっている。これはポリイミドフィルムをロールで巻き取る際に摩擦に起因する静電気によって皺が入りやすくなったり、埃が吸着されやすくなる問題がある。従来から、フィルムの帯電を防止するには界面活性剤などの有機系帯電防止剤を添加や塗布することが知られているが、ポリイミドはポリアミック酸から閉環する際に350〜450℃の加熱処理を必要とするために、有機系帯電防止剤は熱分解を起こしその効果を発揮しない。このため高い耐熱性を有し、かつ帯電防止作用を持つポリイミドフィルムが望まれていた。
また、ファクシミリやカラー複写機等の電子写真方式で画面を形成する記録装置では、転写ベルトを用いて記録シート状に像担持体の帯電トナーを直接転写する方式が採用されているが、長期的に高画質を維持するためには中間転写用ベルトは走行時に生じる帯電を除去しなければならない。そこで適度な絶縁性を保持し帯電防止作用を持つ半導電性のベルトが使用されてきた。このような半導電性ベルトとしてはポリフッ化ビニリデン、ポリカーボネート等が使用されてきたが、これらのものは機械的強度が劣るといった欠点があった。例えば機械的強度に優れるポリイミドフィルムに導電性カーボンブラックとpKb≧5の塩基性有機化合物とを添加することで半導電ポリイミド中間転写用ベルトについては知られている(特許文献1)が、5〜20重量%の導電性カーボンブラックの添加が必要であり、それによりポリイミドの機械的特性が損なわれる問題があった。
また、自由体積が0.001〜1000nm3である中空構造を有するカーボンナノチューブを含有する絶縁材料用ポリイミド樹脂についても知られている(特許文献2)が、これから得られるポリイミド樹脂は絶縁性のために帯電防止作用を有しない問題があった。
特開2002−72703号公報
特開2001−98160号公報
本発明は、前述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
したがって、本発明の目的は、絶縁性信頼性を損なうことなく、帯電防止作用を有するポリイミドおよびその製造方法を提供することにある。
本発明のポリイミドフィルムは、前記課題を解決するために、以下の解決手段を採用する。
すなわち、カーボンナノチューブを含有し、該カーボンナノチューブが下記関係を満足し、(m-n)が3の倍数でないことを特徴とするポリイミドフィルムである。
(カイラルベクトルCh=ma1+na2、炭素単結合距離ac-c=0.142 nm)
また、本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、前記課題を解決するために、以下の解決手段を採用する。
また、本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、前記課題を解決するために、以下の解決手段を採用する。
すなわち、ポリアミック酸溶液に、下記関係を満足し、(m-n)が3の倍数でないカーボンナノチューブを分散させ、該ポリアミック酸溶液を製膜した後、イミド化閉環処理することを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法である。
(カイラルベクトルCh=ma1+na2、炭素単結合距離ac-c=0.142 nm)
本発明によれば、絶縁信頼性を損なうことなく、帯電防止性を発現する半導電ポリイミドフィルムを得ることができ、この半導電ポリイミドフィルムは、銅箔などの金属箔と積層したフレキシブル回路基板用のベースフィルムや、フレキシブル印刷回路保護用カバーレイフィルム、またはファクシミリやカラー複写機等の中間転写用ベルトなどとして幅広く利用することが可能である。
以下、本発明のポリイミドフィルムを詳細に説明する。
本発明のポリイミドフィルムはカーボンナノチューブを含有する。カーボンナノチューブを含有しないと優れた帯電防止作用が得られない問題がある。
本発明で使用されるカーボンナノチューブの生成法としてはアーク放電法、レーザー蒸発法、化学気相等が好ましい。
本発明で使用されるカーボンナノチューブとは、グラファイト状炭素からなる長手方向長さが1〜10μm程度であり、密度が400kg/m3以下であり、比表面積が1.5×105m2/kg以上の円筒状物質であり、その両端または一方が塞がれているもの、塞がれていないものが用いられるが、塞がれているものが好ましく用いられる。
そして、カーボンナノチューブは、炭素のみからなるもの、もしくは構造の一部を他の元素で置換したもの、または化学的に修飾したもののいずれであっても好ましく用いられる さらにカーボンナノチューブはチューブ内に金属化合物が内包されることも好ましく、また、本発明が回路基板用途に用いられる際には絶縁信頼性の観点から、金属化合物が内包されないものを使用するのが好ましい。 カーボンナノチューブは生成時にナノポリへドロンと呼ばれる少量の炭素微粒子も副生する。導電性の観点からナノポリへドロンは含まないことが好ましいが、少量であれば含まれていてもかまわない。
本発明で使用されるカーボンナノチューブの前記カイラルベクトルChとは、「フラーレンの化学と物性」(名古屋大学出版社)第242頁および第243頁2000年3月15発行に記載されている。具体的には、図1に示されるようにカーボンナノチューブ円筒軸に垂直に円筒面を一周するベクトルで、円筒面を展開した際、等価な格子点AとA’を結ぶベクトルを意味する。
また平均螺旋ピッチは図2のように表される。
本発明で使用されるカーボンナノチューブは下記方法で合成した。直径6mmのグラファイト棒に直径約3mmの穴を空けた。次に、グラファイト粉末に対しコバルトを2重量%添加し、これをグラファイト棒に空けた穴に詰め込んだ。このグラファイト棒をアーク溶接機に取り付けた。ヘリウム雰囲気下8.0×104Paで、直流電流70Aを5分間流しアーク放電した。放電後、チャンバー内壁に付着しているカーボンナノチューブを集めた。得られたカーボンナノチューブを透過型電子顕微鏡により平均半径と平均螺旋ピッチを測定した。この平均半径は1.3nm、平均螺旋ピッチは28°であった。これから計算するとm=10,n=9となり(m-n)は3の倍数ではなかった。
優れた帯電防止作用を得る観点と伸度低下等の物性低下を防止する観点から、前記カーボンナノチューブのフィルム中の含有量は0.01重量%以上10重量%以下の範囲にあるのが好ましい。
本発明のポリイミドフィルムは、表面抵抗率が1.0×105〜1.0×1012Ωの範囲にあり、かつ体積抵抗率が1.0×105〜1.0×1012Ω・cmの範囲にある。さらに半導電用途の一部には表面抵抗率が1.0×108〜1.0×1012Ωの範囲にあり、かつ体積抵抗率が1.0×108〜1.0×1012Ω・cmの範囲が好ましい。また、絶縁破壊電圧が100kV/mm以上であるのが好ましい。
表面抵抗率が1×108Ω未満になり、かつ体積抵抗率が1×108Ω・cm未満になると絶縁破壊電圧が100kV/mm以下に低下し、回路基板としての性能を低下させる傾向がある。
なお、本発明でいう上記「表面抵抗率および体積抵抗率」とは、ポリイミドフィルムについて、アジレントテクノロジー(株)社製pA METER/DC VOLTA GE SOURCE 414OBを用い、かつ測定電極としてADVANTEST社製R12702Aを用いて、JISのK6911に準拠した方法で測定した値を意味する。また「絶縁破壊電圧」とは、ポリイミドフィルムについて、交流電圧を用いJIS C 2318に準拠した方法で測定した値を意味する。
次に、本発明のポリイミドフィルムの構成成分について説明する。
本発明のポリイミドフィルムにおけるポリイミドは、芳香族テトラカルボン酸類と芳香族ジアミン類とからなるポリアミック酸を前駆体としてなり、次式(I)および(II)に示される繰り返し単位で構成されものである。
(ただし、式中のR1 は、下記一般式で示される基のいずれかであり、
式中のR2 は下記一般式で示される基のいずれかである。
さらに、式中のX:Yのモル比は0:100〜100:00である。)
前記前駆体としてのポリアミック酸を形成する芳香族テトラカルボン酸類の具体例としては、ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンジカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、ピリジンー2,3,5,6−テトラカルボン酸およびこれらのアミド形成性誘導体が挙げられる。ポリアミック酸の製造にあたっては、これらの芳香族テトラカルボン酸類の酸無水物が好ましく使用される。
前記前駆体としてのポリアミック酸を形成する芳香族テトラカルボン酸類の具体例としては、ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンジカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、ピリジンー2,3,5,6−テトラカルボン酸およびこれらのアミド形成性誘導体が挙げられる。ポリアミック酸の製造にあたっては、これらの芳香族テトラカルボン酸類の酸無水物が好ましく使用される。
前記前駆体としてのポリアミック酸を形成する芳香族ジアミン類の具体例としては、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ベンチジン、パラキシリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3’−ジメトキシベンチジン、1,4−ビス(3メチル−5アミノフェニル)ベンゼンおよびこれらのアミド形成性誘導体が挙げられる。
また、本発明において、ポリイミドフィルムの前駆体であるポリアミック酸溶液の形成に使用される有機溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−,m−,またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどの非プロトン性極性溶媒が好ましく、これらを単独又は混合物として用いるのが望ましいが、さらにはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の使用も可能である。
本発明で用いるポリアミック酸の有機溶媒溶液(ポリアミック酸溶液)は、固形分を5〜40重量%を含有するのが好ましく、10〜30重量%を含有するのがより好ましい。またその粘度はブルックフィールド粘度計による測定値で10〜2000Pa・sの範囲が好ましく、100〜1000Pa・sの範囲がより好ましい。
また、有機溶媒溶液中のポリアミック酸は部分的にイミド化されていてもよい。
本発明においてポリアミック酸を構成する芳香族テトラカルボン酸類と芳香族ジアミン類とは、それぞれのモル数が大略等しくなる割合で重合されるが、その一方が10モル%の範囲内で他方に対して過剰に配合されることが好ましく、5モル%の範囲内で他方に対して過剰に配合されることもより好ましい。
重合反応は、有機溶媒中で撹拌そして/または混合しながら、0〜80℃の温度の範囲で、10分〜30時間連続して進められるのが好ましく、必要により重合反応を分割したり、温度を上下させてもかまわない。両反応体の添加順序には特に制限はないが、芳香族ジアミン類の溶液中に芳香族テトラカルボン酸類を添加することが好ましい。重合反応中に真空脱泡することは、良質なポリアミック酸の有機溶媒溶液を製造するのに有効な方法である。
また、重合反応の前に芳香族ジアミン類に少量の末端封止剤を添加することによって、重合反応の制御を行ってもよい。
次に、本発明のポリイミドフィルムの製造方法について説明する。
本発明においては、まずカーボンナノチューブ含有ポリアミック溶液を調製するのが好ましい。
予め重合したポリアミック酸溶液にカーボンナノチューブを添加し分散させることにより、回転粘度計で測定した25℃における粘度が10Pa・s以上500Pa・s以下程度のポリアミック酸溶液中に、カーボンナノチューブを得られるポリイミド当たり0.01重量%以上10重量%以下の濃度で均一に分散させるのが好ましく、0.5以上10重量%以下の濃度で均一に分散させるのがより好ましい。
なお、ここで使用するポリアミック酸溶液は、予め重合したポリアミック酸溶液であっても、カーボンナノチューブを含有させる際に順次重合したものであってもよい。
本発明においては、カーボンナノチューブをポリアミック酸溶液に添加することによりカーボンナノチューブ含有ポリアミック酸溶液を調製するが、このときのポリアミック酸溶液を得るための反応手順としては、有機極性溶媒中に芳香族ジアミンを添加し溶解したのち、芳香族テトラカルボン酸二無水物を添加する方法、または有機極性溶媒中に芳香族テトラカルボン酸二無水物を添加したのち、芳香族ジアミンを添加する方法などいずれの方法でも可能である。このとき芳香族テトラカルボン酸に無水物と芳香族ジアミンの添加量は、実質的に等モルとすることができる。
前記ポリアミック酸溶液を支持体上にキャストして自己支持性のポリアミック酸フィルムを得る。次いで、得られたポリアミック酸フィルムの端部を固定し、200℃以上400℃以下の温度で熱処理を行うことにより多層ポリイミドゲルフィルムを得るのが好ましい。
なお、支持体とはガラス、金属、高分子フィルムなど平面を有し、ポリアミック酸をこの上にキャストした場合に、キャストされたポリアミック酸を支持することができるものを意味する。
また、キャストとはポリアミック酸を支持体上に展開することを意味する。キャストの一例としては、バーコート、スピンコート、あるいは任意の空洞形状を有するパイプ状物質からポリアミック酸を押し出し、支持体上に展開する方法が挙げられる。
得られたポリアミック酸をイミド化閉環環化させて芳香族ポリイミドフィルムにする際には、脱水剤と触媒を用いて脱水する化学閉環法、熱的に脱水する熱閉環法、あるいはその両者を併用した閉環法のいずれで行ってもよい。
化学閉環法で使用する脱水剤としては、無水酢酸などの脂肪族酸無水物、フタル酸無水物などの酸無水物などが好ましく、これらを単独あるいは混合して使用するのが好ましい。
また触媒としては、ピリジン、ピコリン、キノリンなどの複素環式第3級アミン類、トリエチルアミンなどの脂肪族第3級アミン類、N,N−ジメチルアニリンなどの第3級アミン類などが好ましく、これらを単独あるいは混合して使用するのが好ましい。
本発明のポリイミドフィルムの厚みは3〜250μmであることが好ましい。
すなわち、厚みが3μm未満では形状を保持することが困難となる傾向があり、また250μmを越えると屈曲性に欠けるため、フレキシブル回路基板用途には不向きとなる傾向がある。
フィルムは延伸および未延伸のものをいずれも使用することができる。
また、加工性改善などを目的として10重量%以下の無機質または有機質の添加物を含有することも可能である。
かくして得られる本発明のポリイミドフィルムは、機械的特性を損なうことなく、表面抵抗率が1.0×105〜1.0×1012Ωの範囲にあり、かつ、体積抵抗率が1.0×105〜1.0×1012Ω・cmの範囲である様に電気抵抗が改良され、更に絶縁破壊電圧が100kV/mm以上保持されたものであることから銅箔などの金属箔と積層したフレキシブル回路基板用のベースフィルムや、フレキシブル印刷回路保護用カバーレイフィルム、ICキャリアテープおよび複写機の回転部分、ファクシミリやカラー複写機等の中間転写用ベルトなどとして幅広く利用することが可能である。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
なお、実施例中の各種特性値は、下記の方法により測定した値である。
[粘度]
ポリアミド酸の粘度は回転粘度計で測定する。粘度計はビスメトロン(単一円筒型回転粘度計、型式VS−A1、芝浦システム株式会社製)を用いた。
ポリアミド酸の粘度は回転粘度計で測定する。粘度計はビスメトロン(単一円筒型回転粘度計、型式VS−A1、芝浦システム株式会社製)を用いた。
[絶縁破壊電圧]
ポリイミドフィルムについて、交流電圧を用いJIS C 2318に準拠した方法で測定した。
ポリイミドフィルムについて、交流電圧を用いJIS C 2318に準拠した方法で測定した。
[表面抵抗率]
ポリイミドフィルムについて、アジレントテクノロジー(株)社製pA METER/DC VOLTA GE SOURCE 414OBを用い、かつ測定電極としてADVANTEST社製R12702Aを用いて、JIS K6911に準拠した方法で測定した。
ポリイミドフィルムについて、アジレントテクノロジー(株)社製pA METER/DC VOLTA GE SOURCE 414OBを用い、かつ測定電極としてADVANTEST社製R12702Aを用いて、JIS K6911に準拠した方法で測定した。
[体積抵抗率]
ポリイミドフィルムについて、アジレントテクノロジー(株)社製pA METER/DC VOLTA GE SOURCE 414OBを用い、かつ測定電極としてADVANTEST社製R12702Aを用いて、JISの6911に準拠した方法で測定した。
ポリイミドフィルムについて、アジレントテクノロジー(株)社製pA METER/DC VOLTA GE SOURCE 414OBを用い、かつ測定電極としてADVANTEST社製R12702Aを用いて、JISの6911に準拠した方法で測定した。
[実施例1]
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル29.15g(146mmol)およびN,N’−ジメチルアセトアミド224gを入れ、窒素雰囲気下に室温で攪拌した。
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル29.15g(146mmol)およびN,N’−ジメチルアセトアミド224gを入れ、窒素雰囲気下に室温で攪拌した。
次に、30分から1時間かけてピロメリット酸二無水物30.7988g(141mmol)を数回に分けて投入し、1時間撹拌した後、ピロメリット酸二無水物のN,N’−ジメチルアセトアミド溶液(6重量%)15.87gを30分かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。ここで得られたポリアミック酸溶液の粘度は240Pasであった。
また、直径6mmのグラファイト棒に直径約3mmの穴を空けた。次に、グラファイト粉末に対しコバルトを2重量%添加し、これをグラファイト棒に空けた穴に詰め込んだ。このグラファイト棒をアーク溶接機に取り付けた。ヘリウム雰囲気下8.0×104Paで、直流電流70Aを5分間流しアーク放電した。放電後、チャンバー内壁に付着しているカーボンナノチューブを集めた。得られたカーボンナノチューブを透過型電子顕微鏡により平均半径と平均螺旋ピッチを測定した。この平均半径は1.3nm、平均螺旋ピッチは28°であった。これから計算するとm=10,n=9となり(m-n)は3の倍数ではなかった。
得られたポリアミック酸溶液99.5gと、カーボンナノチューブ0.5gとを、(株)キーエンス製ハイブリッドミキサー(HM−500)を用いて撹拌、脱泡を行った。
次いで、得られたカーボンナノチューブ添加ポリアミック酸溶液の一部を、ポリエステルフィルム上に取り、スピンコーターを用いて均一な膜を形成した。これをβ−ピコリン200mL、無水酢酸200mLを混合したステンレスバットに5分間浸浸し、自己保持性のポリアミック酸フィルムを得た。
さらに、上記ポリアミック酸フィルムについて、200℃30分、300℃20分、400℃5分の条件で熱処理を行うことによりポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの機械特性および電気特性を測定した結果を表1に示した。
[実施例2]
実施例1記載のポリアミック酸溶液99.3gと、実施例1記載のカーボンナノチューブ0.7gとを、(株)キーエンス製ハイブリッドミキサーHM−500を用いて撹拌、脱泡を行った。これをβ−ピコリン200mL、無水酢酸200mLを混合したステンレスバットに5分間浸浸し、自己保持性のポリアミック酸フィルムを得た。
実施例1記載のポリアミック酸溶液99.3gと、実施例1記載のカーボンナノチューブ0.7gとを、(株)キーエンス製ハイブリッドミキサーHM−500を用いて撹拌、脱泡を行った。これをβ−ピコリン200mL、無水酢酸200mLを混合したステンレスバットに5分間浸浸し、自己保持性のポリアミック酸フィルムを得た。
次いで、得られたカーボンナノチューブ添加ポリアミック酸溶液の一部をポリエステルフィルム上に取り、スピンコーターを用いて均一な膜を形成した。これを100℃で1時間加熱することにより、自己保持性のポリアミック酸フィルムを得た。
さらに、上記ポリアミック酸フィルムについて、200℃30分、300℃20分、400℃5分の条件で熱処理を行うことによりポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの機械特性および電気特性を測定した結果を表1に示した。
[実施例3]
実施例1記載のポリアミック酸99.0gと、実施例1記載のカーボンナノチューブ1.0gとを、(株)キーエンス製ハイブリッドミキサーHM−500を用いて撹拌、脱泡を行った。
実施例1記載のポリアミック酸99.0gと、実施例1記載のカーボンナノチューブ1.0gとを、(株)キーエンス製ハイブリッドミキサーHM−500を用いて撹拌、脱泡を行った。
次いで、得られたカーボンナノチューブ添加ポリアミック酸溶液の一部をポリエステルフィルム上に取り、スピンコーターを用いて均一な膜を形成した。これをβ−ピコリン200mL、無水酢酸200mLを混合したステンレスバットに5分間浸浸し、自己保持性のポリアミック酸フィルムを得た。
さらに、上記ポリアミック酸フィルムについて、200℃30分、300℃20分、400℃5分の条件で熱処理を行うことによりポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの機械特性および電気特性を測定した結果を表1に示した。
[比較例1]
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル29.15g(146mmol)およびN,N’−ジメチルアセトアミド224gを入れ、窒素雰囲気下に室温で撹拌した。
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル29.15g(146mmol)およびN,N’−ジメチルアセトアミド224gを入れ、窒素雰囲気下に室温で撹拌した。
次に、30分から1時間かけてピロメリット酸二無水物30.7988g(141mmol)を数回に分けて投入し、1時間撹拌した後、ピロメリット酸二無水物のN,N’−ジメチルアセトアミド溶液(6重量%)15.87gを30分かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。ここで得られたポリアミック酸溶液の粘度は240Pasであった。
次いで、得られたポリアミック酸溶液の一部をポリエステルフィルム上に取り、スピンコーターを用いて均一な膜を形成した。これをβ−ピコリン200mL、無水酢酸200mLを混合したステンレスバットに5分間浸浸し、自己保持性のポリアミック酸フィルムを得た。
さらに、上記ポリアミック酸フィルムについて、200℃30分、300℃20分、400℃5分の条件で熱処理を行うことによりポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの機械特性および電気特性を測定した結果を表1に示した。
表1の結果から明らかなように、本発明のポリイミドフィルム(実施例1〜3)は、比較例1のポリイミドフィルムに比べて、絶縁信頼性を損なうことなく、電気特性が著しく改善されたものである。
本発明の半導電ポリイミドフィルムは、銅箔などの金属箔と積層したフレキシブル回路基板用のベースフィルムや、フレキシブル印刷回路保護用カバーレイフィルム、またはファクシミリやカラー複写機等の中間転写用ベルトなどとして幅広く利用することが可能である。
Claims (9)
- 表面抵抗率が1.0×105〜1.0×1012Ωの範囲にあり、かつ、体積抵抗率が1.0×105〜1.0×1012Ω・cmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のポリイミドフィルム。
- 絶縁破壊電圧が100kV/mm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリイミドフィルム。
- 前記カーボンナノチューブの含有量が0.01重量%以上10重量%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれが1項に記載のポリイミドフィルム。
- 製膜したポリイミドフィルムの表面抵抗率を1.0×105〜1.0×1012Ωの範囲とし、かつ、体積抵抗率を1.0×105〜1.0×1012Ω・cmの範囲とすることを特徴とする請求項6に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
- 製膜したポリイミドフィルムの絶縁破壊電圧が100kV/mm以上とすることを特徴とする請求項6または7に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
- 前記カーボンナノチューブをスラリー状とした後、前記ポリアミック酸溶液に分散させることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
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