JP2004083896A - 非絶縁性ポリイミドフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

非絶縁性ポリイミドフィルムおよびその製造方法 Download PDF

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石橋 忠司
Hideki Moriyama
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Abstract

【課題】機械特性を損なうことなく、電気伝導度を制御したポリイミドおよびその製造方法の提供。
【解決手段】粉末状炭素繊維とポリイミドとを必須成分とし、かつ体積抵抗率が1.0×1015Ω・cm下であるポリイミドフィルム。粉末状炭素繊維をポリイミドの前駆体であるポリアミック酸溶液に分散させ、このポリアミド酸溶液を製膜した後イミド化することによりフィルムを製造する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機械特性を損なうことなく、電気伝導度を制御したポリイミドおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリイミドフィルムは、優れた機械的特性と耐熱性を有していることから、フレキシブル回路基板用のベースフィルムやモーターのマグネットワイヤー絶縁材料として幅広く利用されているが、その優れた絶縁性に起因する静電気の帯電が大きな問題となっている。これはポリイミドフィルムをロールで巻き取る際に摩擦に起因する静電気によって皺が入りやすくなったり、埃が吸着されやすくなる問題がある。従来から、フィルムの帯電を防止するには界面活性剤などの有機系帯電防止剤を添加や塗布することが知られているが、ポリイミドはポリアミック酸から閉環する際に350〜450℃の加熱処理を必要とするために、有機系帯電防止剤は熱分解を起こしその効果を発揮しない。このため高い耐熱性を有し、かつ帯電防止作用を持つポリイミドフィルムが望まれていた。
【0003】
また、ファクシミリやカラー複写機等の電子写真方式で画面を形成する記録装置では、転写ベルトを用いて記録シート状に像担持体の帯電トナーを直接転写する方式が採用されているが、長期的に高画質を維持するためには中間転写用ベルトは走行時に生じる帯電を除去しなければならない。そこで適度な絶縁性を保持し帯電防止作用を持つ半導電性のベルトが使用されてきた。このような半導電性ベルトとしてはポリフッ化ビニリデン、ポリカーボネート等が使用されてきたが、これらのものは機械的強度が劣ると行った欠点があった。このため機械的強度に優れ、かつ半導電性と示すポリイミドフィルムが望まれていた。
【0004】
従来から、ポリイミドフィルムに導電性を付与する手法としては、炭素粉末を添加する方法が知られている。しかしながら、例えばポリイミドフィルムの体積抵抗率を1×1016Ω・cm以下にするのにも、10重量%以上もの炭素粉末の添加が必要であるため、このような炭素粉末の大量添加物によって、機械的特性の低下やボイド発生の原因が招かれるという好ましくない問題があった。
【0005】
また、機械的強度に優れるポリイミドフィルムに導電性カーボンブラックと塩基性有機化合物とを添加する方法(例えば特許文献1参照)も知られているが、5〜20重量%の導電性カーボンブラックの添加が必要であり、それによりポリイミドの機械的特性が損なわれる問題があった。
【0006】
また、半導体のホットプレートや分析機器の熱源、または計測器やタンクローリーの保温用材料として、樹脂フィルム と金属箔層からなる面状発熱体 が用いられている。しかしながら、従来の樹脂フィルムからなる面状発熱体(例えば特許文献2参照)は、樹脂フィルムの耐熱性が十分ではないという問題点があった。また、耐熱性に優れたポリイミドフィルム と金属箔との積層体からなる面状発熱体 (例えば特許文献3参照)も知られているが、ポリイミドフィルム と金属箔を用いた積層体は、金属箔とポリイミドフィルムを接着剤を用いて張り合わせるため、工程数が増えるといった欠点を有していた。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−72703号公報
【特許文献2】
特開平1―128389号公報
【特許文献3】
特開平5―234666号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
【0009】
したがって、本発明の第1の目的は、機械特性を損なうことなく、電気伝導度を制御したポリイミドおよびその製造方法を提供することにある。また、本発明の第2の目的は、ポリイミドフィルムの電気伝導度を制御するための処理に、多くの試薬、時間、労力などを必要とせず大量生産に適し、低コストでかつ高品質の高剥離強度を有するポリイミドを製造する方法を確立することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のポリイミドフィルムは、粉末状炭素繊維とポリイミドとを必須成分とし、かつ体積抵抗率が1.0×1015Ω・cm以下であることを特徴とする。
【0011】
なお、本発明のポリイミドフィルムにおいては、
前記ポリイミドが、一般式(I)および(II)で示される構造単位を有すること、および
【0012】
【化5】
Figure 2004083896
【0013】
【化6】
Figure 2004083896
【0014】
[ただし、式中のR1 は、下記一般式で示される基から選ばれたいずれかであり、
【0015】
【化7】
Figure 2004083896
【0016】
式中のR2 は下記一般式で示される基から選ばれたいずれかである。
【0017】
【化8】
Figure 2004083896
【0018】
さらに、式中のX:Yのモル比は0:100〜100:0である。]
前記粉末状炭素繊維の含有量が0.01以上10重量%未満であることが、いずれも好ましい条件である。
【0019】
また、本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、粉末状炭素繊維を上記ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸溶液に分散させ、このポリアミド酸溶液を製膜した後イミド化することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のポリイミドフィルムを詳細に説明する。
【0021】
本発明のポリイミドフィルムは粉末状炭素繊維を含有する。粉末状炭素繊維を含有しないと電気導電性が制御されないといった問題がある。
【0022】
本発明で使用する粉末状炭素繊維とは、単層もしくは多層に積層したグラファイト状炭素からなる長手方向長さが0.01〜50μm程度の粉末状炭素繊維物質であり、その両端または一方の端がグラファイト状炭素によって塞がれているものであっても使用することができる。
【0023】
そして、粉末状炭素繊維は、炭素のみから成るものまたは、構造の一部を他の元素で置換したもの、あるいは化学的に修飾したもの、または金属化合物が内包されているもののいずれであってもも用いることができる。
【0024】
優れた帯電防止作用を得る観点と伸度低下等の物性低下を防止する観点から、前記粉末状炭素繊維のフィルム中の含有量は0.01重量%以上10重量%以下の範囲にあるのが好ましい。
【0025】
本発明のポリイミドフィルムは、体積抵抗率は1.0×1015Ω・cm以下であることを特徴とする。
【0026】
なお、本発明でいう上記「体積抵抗率」とは、ポリイミドフィルムについて、アジレントテクノロジー(株)社製pA METER/DC VOLTA GESOURCE 414OBを用い、かつ測定電極としてADVANTEST社製R12702Aを用いて、JISのK6911に準拠した方法で測定した値を意味する。
【0027】
次に、本発明のポリイミドフィルムの構成成分について説明する。
【0028】
本発明のポリイミドフィルムにおけるポリイミドは、芳香族テトラカルボン酸類と芳香族ジアミン類とからなるポリアミック酸を前駆体としてなり、次式(I)および(II)に示される繰り返し単位で構成されものである。
【0029】
【化9】
Figure 2004083896
【0030】
【化10】
Figure 2004083896
【0031】
(ただし、式中のR1 は、下記一般式で示される基のいずれかであり、
【0032】
【化11】
Figure 2004083896
【0033】
式中のR2 は下記一般式で示される基のいずれかである。
【0034】
【化12】
Figure 2004083896
【0035】
また、式中のX:Yのモル比は0:100〜100:0である。)
前記前駆体としてのポリアミック酸を形成する芳香族テトラカルボン酸類の具体例としては、ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンジカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、ピリジンー2,3,5,6−テトラカルボン酸およびこれらのアミド形成性誘導体が挙げられる。ポリアミック酸の製造にあたっては、これらの芳香族テトラカルボン酸類の酸無水物が好ましく使用される。
【0036】
前記前駆体としてのポリアミック酸を形成する芳香族ジアミン類の具体例としては、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ベンチジン、パラキシリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3’−ジメトキシベンチジン、1,4−ビス(3メチル−5アミノフェニル)ベンゼンおよびこれらのアミド形成性誘導体が挙げられる。
【0037】
また、本発明において、ポリイミドフィルムの前駆体であるポリアミック酸溶液の形成に使用される有機溶媒の具体例としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−,m−,またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどの非プロトン性極性溶媒を挙げることができ、これらを単独又は混合物として用いるのが望ましいが、さらにはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の使用も可能である。
【0038】
本発明で用いるポリアミック酸の有機溶媒溶液(ポリアミック酸溶液)は、固形分を5〜40重量%を含有するのが好ましく、10〜30重量%を含有するのがより好ましい。またその粘度は、安定した送液のため、ブルックフィールド粘度計による測定値で10〜2000Pa・sの範囲が好ましく、100〜1000Pa・sの範囲がより好ましい。
【0039】
また、有機溶媒溶液中のポリアミック酸は部分的にイミド化されていてもよい。
【0040】
本発明においてポリアミック酸を構成する芳香族テトラカルボン酸類と芳香族ジアミン類とは、それぞれのモル数が大略等しくなる割合で重合されるが、その一方が10モル%の範囲内で他方に対して過剰に配合されることが好ましく、5モル%の範囲内で他方に対して過剰に配合されることもより好ましい。
【0041】
重合反応は、有機溶媒中で撹拌そして/または混合しながら、0〜80度の温度の範囲で、10分〜30時間連続して進められるのが好ましく、必要により重合反応を分割したり、温度を上下させてもかまわない。両反応体の添加順序には特に制限はないが、芳香族ジアミン類の溶液中に芳香族テトラカルボン酸類を添加することが好ましい。重合反応中に真空脱泡することは、良質なポリアミック酸の有機溶媒溶液を製造するのにとって有効な方法である。
【0042】
また、重合反応の前に芳香族ジアミン類に少量の末端封止剤を添加することによって、重合反応の制御を行ってもよい。
【0043】
次に、本発明のポリイミドフィルムの製造方法について説明する。
【0044】
本発明においては、まず粉末状炭素繊維含有ポリアミック溶液を調製する。
【0045】
予め重合したポリアミック酸溶液に粉末状炭素繊維を添加し分散させることにより、回転粘度計で測定した25℃における粘度が10Pa・s以上500Pa・s以下程度のポリアミック酸溶液中に、粉末状炭素繊維を得られるポリイミド当たり0.01重量%以上10重量%以下の濃度で均一に分散させるのが好ましく、0.5以上10重量%以下の濃度で均一に分散させるのがより好ましい。
【0046】
なお、ここで使用するポリアミック酸溶液は、予め重合したポリアミック酸溶液であっても、粉末状炭素繊維を含有させる際に順次重合したものであってもよい。
【0047】
本発明においては、粉末状炭素繊維をポリアミック酸溶液に添加することにより粉末状炭素繊維含有ポリアミック酸溶液を調製するが、このときのポリアミック酸溶液を得るための反応手順としては、有機極性溶媒中に芳香族ジアミンを添加し溶解したのち、芳香族テトラカルボン酸二無水物を添加する方法、または有機極性溶媒中に芳香族テトラカルボン酸二無水物を添加したのち、芳香族ジアミンを添加する方法などいずれの方法でも可能である。このとき芳香族テトラカルボン酸に無水物と芳香族ジアミンの添加量は、実質的に等モルとすることができる。
【0048】
前記ポリアミック酸溶液を支持体上にキャストして自己支持性のポリアミック酸フィルムを得る。次いで、得られたポリアミック酸フィルムの端部を固定し、200℃以上400℃以下の温度で熱処理を行うことにより多層ポリイミドゲルフィルムを得るのが好ましい。
【0049】
なお、支持体とはガラス、金属、高分子フィルムなど平面を有し、ポリアミック酸をこの上にキャストした場合に、キャストされたポリアミック酸を支持することができるものを意味する。
【0050】
また、キャストとはポリアミック酸を支持体上に展開することを意味する。キャストの一例としては、バーコート、スピンコート、あるいは任意の空洞形状を有するパイプ状物質からポリアミック酸を押し出し、支持体上に展開する方法が挙げられる。
【0051】
得られたポリアミック酸をイミド化閉環環化させて芳香族ポリイミドフィルムにする際には、脱水剤と触媒を用いて脱水する化学閉環法、熱的に脱水する熱閉環法、あるいはその両者を併用した閉環法のいずれで行ってもよい。
【0052】
化学閉環法で使用する脱水剤としては、無水酢酸などの脂肪族酸無水物、フタル酸無水物などの酸無水物などが挙げられ、これらを単独あるいは混合して使用するのが好ましい。
【0053】
また触媒としては、ピリジン、ピコリン、キノリンなどの複素環式第3級アミン類、トリエチルアミンなどの脂肪族第3級アミン類、N,N−ジメチルアニリンなどの第3級アミン類などが挙げられ、これらを単独あるいは混合して使用するのが好ましい。
【0054】
本発明のポリイミドフィルムの厚みは3〜250μmであることが好ましい。
【0055】
すなわち、厚みが3μm未満では形状を保持することが困難となる傾向があり、また250μmを越えると屈曲性に欠けるためである。
【0056】
フィルムは延伸および未延伸のものをいずれも使用することができる。
【0057】
また、加工性改善などを目的として10重量%以下の無機質または有機質の添加物を含有することも可能である。
【0058】
かくして得られる本発明のポリイミドフィルムは、機械的特性を損なうことなく、体積抵抗率が1.0×1015Ω・cm以下と電気抵抗が改良されたことから、銅箔などの金属箔と積層したフレキシブル回路基板用のベースフィルムや、フレキシブル印刷回路保護用カバーレイフィルム、ICキャリアテープおよび複写機の回転部分、プリンターの可動電子部品部分、または半導体のホットプレートや分析機器の熱源、または計測器やタンクローリーの保温用面状発熱体 などとして幅広く利用することが可能である。
【0059】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
【0060】
なお、実施例中の各種特性値は、下記の方法により測定した値である。
【0061】
[粘度]
ポリアミド酸の粘度は回転粘度計で測定する。粘度計はビスメトロン(単一円筒型回転粘度計、型式VS−A1、芝浦システム株式会社製)を用いた。
【0062】
[表面抵抗率]
ポリイミドフィルムについて、アジレントテクノロジー(株)社製pA METER/DC VOLTA GE SOURCE 414OBを用い、かつ測定電極としてADVANTEST社製R12702Aを用いて、JISのK6911に準拠した方法で測定した。
【0063】
[体積抵抗率]
ポリイミドフィルムについて、アジレントテクノロジー(株)社製pA METER/DC VOLTA GE SOURCE 414OBを用い、かつ測定電極としてADVANTEST社製R12702Aを用いて、JISのK6911に準拠した方法で測定した。
【0064】
[ヤング率、破断点伸度]
破断伸度は、JISK7113に準じて、室温でORIENREC社製のテンシロン型引張試験器により、引張速度300mm/分にて得られる張力−歪み曲線において、試料が破断するときの伸度を取った。ヤング率は初期立ち上がり部の勾配から求めた。
【0065】
[実施例1]
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル29.15g(146mmol)およびN,N’−ジメチルアセトアミド224gを入れ、窒素雰囲気下に室温で攪拌した。
【0066】
次に、30分から1時間後にかけてピロメリット酸二無水物30.7988g(141mmol)を数回に分けて投入し、1時間撹拌した後、ピロメリット酸二無水物のN,N’−ジメチルアセトアミド溶液(6重量%)15.87gを30分かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。ここで得られたポリアミック酸溶液の粘度は240Pasであった。
【0067】
得られたポリアミック酸溶液99gと、粉末状炭素繊維(昭和電工(株)社製商品名VGC FR)1gとを、(株)キーエンス製ハイブリッドミキサー(HM−500)を用いて撹拌、脱泡を行った。
【0068】
次いで、得られた粉末状炭素繊維添加ポリアミック酸溶液の一部を、ポリエステルフィルム上に取り、スピンコーターを用いて均一な膜を形成した。これを100℃で1時間加熱することにより、自己保持性のポリアミック酸フィルムを得た。
【0069】
さらに、上記ポリアミック酸フィルムについて、200℃30分、300℃20分、400℃5分の条件で熱処理を行うことによりポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの機械特性および電気特性を測定した結果を表1に示した。
【0070】
[実施例2]
DCスターラーを備えた500mlのセパラブルフラスコ中に、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル29.15g(146mmol)およびN,N’−ジメチルアセトアミド224gを入れ、窒素雰囲気下に室温で撹拌した。
【0071】
次に、30分から1時間後にかけてピロメリット酸二無水物30.7988g(141mmol)を数回に分けて投入し、1時間撹拌した後、ピロメリット酸二無水物のN,N’−ジメチルアセトアミド溶液(6重量%)15.87gを30分かけて滴下し、さらに1時間撹拌する。ここで得られたポリアミック酸溶液の粘度は240Pasであった。
【0072】
得られたポリアミック酸99.3gと、粉末状炭素繊維(昭和電工(株)製 商品名VGC FR)0.7gとを、(株)キーエンス製ハイブリッドミキサーHM−500を用いて撹拌、脱泡を行った。
【0073】
次いで、得られた粉末状炭素繊維添加ポリアミック酸溶液の一部をポリエステルフィルム上に取り、スピンコーターを用いて均一な膜を形成した。これを100℃で1時間加熱することにより、自己保持性のポリアミック酸フィルムを得た。
【0074】
さらに、上記ポリアミック酸フィルムについて、200℃30分、300℃20分、400℃5分の条件で熱処理を行うことによりポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの機械特性および電気特性を測定した結果を表1に示した。
【0075】
[実施例3]
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル29.15g(146mmol)およびN,N’−ジメチルアセトアミド224gを入れ、窒素雰囲気下に室温で撹拌した。
【0076】
次に、30分から1時間後にかけてピロメリット酸二無水物30.7988g(141mmol)を数回に分けて投入し、1時間撹拌した後、ピロメリット酸二無水物のN,N’−ジメチルアセトアミド溶液(6重量%)15.87gを30分かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。ここで得られたポリアミック酸溶液の粘度は240Pasであった。
【0077】
得られたポリアミック酸溶液99.5gと、粉末状炭素繊維(昭和電工(株)製 商品名VGC FR)0.5gとを、(株)キーエンス製ハイブリッドミキサーHM−500を用いて撹拌、脱泡を行った。
【0078】
次いで、得られた粉末状炭素繊維添加ポリアミック酸溶液の一部をポリエステルフィルム上に取り、スピンコーターを用いて均一な膜を形成した。これを100℃で1時間加熱することにより、自己保持性のポリアミック酸フィルムを得た。
【0079】
さらに、得られたポリアミック酸フィルムについて、200℃30分、300℃20分、400℃5分の条件で熱処理を行うことによりポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの機械特性および電気特性を測定した結果を表1に示した。
【0080】
[比較例1]
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル29.15g(146mmol)およびN,N’−ジメチルアセトアミド224gを入れ、窒素雰囲気下に室温で撹拌した。
【0081】
次に、30分から1時間後にかけてピロメリット酸二無水物30.7988g(141mmol)を数回に分けて投入し、1時間撹拌した後、ピロメリット酸二無水物のN,N’−ジメチルアセトアミド溶液(6重量%)15.87gを30分かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。ここで得られたポリアミック酸溶液の粘度は240Pasであった。
【0082】
次いで、得られたポリアミック酸溶液の一部をポリエステルフィルム上に取り、スピンコーターを用いて均一な膜を形成した。これを100℃で1時間加熱することにより、自己保持性のポリアミック酸フィルムを得た。
【0083】
さらに、上記ポリアミック酸フィルムについて、200℃30分、300℃20分、400℃5分の条件で熱処理を行うことによりポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの機械特性および電気特性を測定した結果を表1に示した。
【0084】
[比較例2]
DCスターラーを備えた500mlセパラブルフラスコ中に、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル29.15g(146mmol)およびN,N’−ジメチルアセトアミド224gを入れ、窒素雰囲気下に室温で撹拌した。
【0085】
次に、30分から1時間後にかけてピロメリット酸二無水物30.7988g(141mmol)を数回に分けて投入し、1時間撹拌した後、ピロメリット酸二無水物のN,N’−ジメチルアセトアミド溶液(6重量%)15.87gを30分かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。ここで得られたポリアミック酸溶液の粘度は250Pasであった。
【0086】
得られたポリアミック酸98gと、炭素粉末(デンカブラック、粒状、電気化学工業(株)社製)2gとを、(株)キーエンス製ハイブリッドミキサーHM−500を用いて撹拌、脱泡を行った。
【0087】
次いで、得られた炭素粉末添加ポリアミック酸溶液の一部をポリエステルフィルム上に取り、スピンコーターを用いて均一な膜を形成した。これを100℃で1時間加熱することにより、自己保持性のポリアミック酸フィルムを得た。
【0088】
さらに、得られたポリアミック酸フィルムについて、200℃30分、300℃20分、400℃5分の条件で熱処理を行うことによりポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの機械特性および電気特性を測定した結果を表1に示した。
【0089】
【表1】
Figure 2004083896
【0090】
表1の結果から明らかなように、本発明のポリイミドフィルム(実施例1〜4)は、比較例1および比較例2のポリイミドフィルムに比べて、ヤング率および破断点伸度などの機械特性を損なうことなく、電気特性が著しく改善されたものである。
【0091】
一方、粉末状炭素繊維の代りに炭素粉末を含有してなる比較例2のポリイミドフィルムは、炭素粉末の配合量が多くても電気特性の改善効果が小さいばかりか、機械特性が著しく阻害されることが明らかである。
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ヤング率や破断点伸度などの機械的特性を損なうことなく、優れた導電性を発現するポリイミドフィルムを得ることができ、このポリイミドフィルムは、銅箔などの金属箔と積層したフレキシブル回路基板用のベースフィルムや、フレキシブル印刷回路保護用カバーレイフィルム、ICキャリアテープおよび複写機の回転部分、プリンターの可動電子部品部分、または半導体のホットプレートや分析機器の熱源、または計測器やタンクローリーの保温用面状発熱体 などとして幅広く利用することが可能である。

Claims (5)

  1. 粉末状炭素繊維とポリイミドとを必須成分とし、かつ体積抵抗率が1.0×1015Ω・cm以下であることを特徴とするポリイミドフィルム。
  2. 前記ポリイミドが、一般式(I)および(II)で示される構造単位を有することを特徴とする請求項1記載のポリイミドフィルム。
    Figure 2004083896
    Figure 2004083896
    [ただし、式中のR1 は、下記一般式で示される基から選ばれたいずれかであり、
    Figure 2004083896
    式中のR2 は下記一般式で示される基から選ばれたいずれかである。
    Figure 2004083896
    さらに、式中のX:Yのモル比は0:100〜100:0である。]
  3. 前記粉末状炭素繊維の含有量が0.01以上10重量%未満であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリイミドフィルム。
  4. 粉末状炭素繊維を請求項1または2に記載のポリイミドの前駆体であるポリアミック酸溶液に分散させ、このポリアミド酸溶液を製膜した後イミド化することを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法。
  5. 前記ポリイミドフィルムの体積抵抗率が1.0×1015Ω・cm以下であることを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法。
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