JP2004291440A - ポリイミド管状成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】例えば、レーザービームプリンターあるいはファクシミリなどの電子写真装置に用いられるポリイミド管状成形体に関し、ポリイミド管状成形体を容易に取り外すことのできる該管状成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】ポリイミド管状成形体の前駆体を成形管の外表面に接触した状態で焼成せしめる工程を含むポリイミド管状成形体の製造方法において、前記成形管からポリイミド管状成形体を取り外す方法が、(1)成形管の少なくとも一部に貫通孔を有すること、かつ(2)該貫通孔からポリイミド管状成形体に向けて流体を噴出せしめることにより該ポリイミド管状成形体を拡張させることを特徴とする、ポリイミド管状成形体の製造方法。
【選択図】 図1
【解決手段】ポリイミド管状成形体の前駆体を成形管の外表面に接触した状態で焼成せしめる工程を含むポリイミド管状成形体の製造方法において、前記成形管からポリイミド管状成形体を取り外す方法が、(1)成形管の少なくとも一部に貫通孔を有すること、かつ(2)該貫通孔からポリイミド管状成形体に向けて流体を噴出せしめることにより該ポリイミド管状成形体を拡張させることを特徴とする、ポリイミド管状成形体の製造方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリイミド樹脂を含有する管状成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
中間転写体を使用した電子写真装置は、多色画像情報の複数の成分色画像を順次積層転写して多色画像を合成再現した画像形成物を出力する多色画像形成装置として有効であり、各成分色画像の色ズレの無い画像を得ることが可能である。また、薄い紙から厚い紙まで選択可能である点、紙の大小に関わらず転写が可能である点等、優れた利点を有することから、中間転写体を使用した電子写真装置は、市場に急速に広がりつつある。
【0003】
中間転写体としては、例えばドラム状、筒状等が知られているが、装置の小型化などの要望から、ベルトと称されることの多い、薄肉管状の中間転写体が主流となっている。また、上記中間転写体の材料としては、引張弾性率が高いこと、表面の平滑性が高いことなどの要請から、ポリイミド樹脂を中間転写体材料として用いることが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
従来、ポリイミド管状成形体は、内塗り法と外塗り法に大別される以下の方法で製造されていた。内塗り法は、円筒状金型の内面に原料溶液を塗布し、しかる後溶媒をある程度揮散せしめる、及び/又は部分イミド化を行うことで、塗布膜に自己支持性を発現せしめ、次いで、該金型から塗布膜を剥離し、さらにイミド化用の円筒状成形管の外側に装着して加熱・イミド化を行う手法である。一方、外塗り法は、円筒状成形管の外面に原料溶液を塗布し、乾燥・イミド化を同一成形管上で行う手法である。
【0005】
いずれの方法においても最も困難である工程は、乾燥・イミド化によって得られるポリイミド管状成形体を、成形管から取り外す工程である。即ち、既存の手法では、成形管からポリイミド管状成形体を抜き取る作業が非常に困難であり、上述の作業中、ポリイミド管状成形体の破損による歩留まり低下の問題があった。そこで、成形管とポリイミド管状成形体との剥離性を向上させ、成形管からのポリイミド管状成形体の抜き取りを容易にするため、セラミックコーティングや樹脂コーティングなどの手法が用いられてきた。しかしながらこれらの方法は、コーティングの作業が煩雑になることやコーティング剤が高価であることから、最終的にポリイミド管状成形体のコストを高める原因となっていた。さらにはこの方法では、これらコーティング剤がポリイミド管状成形体に移り、ポリイミド管状成形体の特性を低減させるという致命的欠陥を有していた。
【0006】
また、成形管からポリイミド管状成形体を抜き取る手法として、柔軟性円筒体に樹脂フィルムをかぶせ、しかる後に熱硬化させる手法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この手法では柔軟性円筒体の強度が弱く、小さい力で挫屈などの永久変形を形成してしまうこと、また、繰り返しの加熱に対する耐性が低いため、柔軟性円筒体が数回の使用で熱疲労破壊すること、さらには該柔軟性円筒体の単価が非常に高いことなどから、最終的に得られるポリイミド管状成形体のコストを著しく引き上げてしまうことが問題であった。
【0007】
上記問題を解決する方法として、成形管として通気性金属若しくは通気性セラミックスを用い、成形管内部と外部に圧力差を生じさせることにより、ポリイミド管状成形体を抜き取る手法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら当該手法における前記通気性金属は、その単価が高く、また破損し易い傾向があった。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−171265号公報
【0009】
【特許文献2】
特開平10−296761号公報
【0010】
【特許文献3】
特開2002−172627号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、安価かつ簡便なポリイミド管状成形体の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、安価かつ簡便なポリイミド管状成形体の製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
即ち、本発明は、ポリイミド管状成形体の前駆体を成形管の外表面に接触した状態で焼成せしめる工程を含むポリイミド管状成形体の製造方法において、前記成形管からポリイミド管状成形体を取り外す方法が、(1)成形管の少なくとも一部に貫通孔を有すること、かつ(2)該貫通孔からポリイミド管状成形体に向けて流体を噴出せしめることにより該ポリイミド管状成形体を拡張させることを特徴とする、ポリイミド管状成形体の製造方法に関する。
【0014】
好ましい実施態様は、前記流体が空気であることを特徴とする、前記のポリイミド管状成形体の製造方法に関する。
【0015】
更に好ましい実施態様は、成形管が、平均径が2×10−4〜1×10−2mの貫通孔を有することを特徴とする、前記いずれかに記載のポリイミド管状成形体の製造方法に関する。
【0016】
更に好ましい実施態様は、成形管の長軸をLとした場合、貫通孔が、成形管の片端部から0.2L以内の位置にのみ存在することを特徴とする、前記いずれかに記載のポリイミド管状成形体の製造方法に関する。
【0017】
更に好ましい実施態様は、ポリイミド管状成形体の前駆体を成形管の外表面に接触せしめる方法が、ポリイミド管状成形体原料溶液の前記成形管の外表面への塗布であることを特徴とする、前記いずれかに記載のポリイミド管状成形体の製造方法に関する。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明に係るポリイミド管状成形体の製造方法は、ポリイミド管状成形体の前駆体をポリイミド管状成形体の成形管の外表面に接触した状態で焼成せしめる工程を含むポリイミド管状成形体の製造方法において、前記成形管からポリイミド管状成形体を取り外す方法が、(1)ポリイミド管状成形体の成形管の少なくとも一部に貫通孔を有すること、かつ(2)該貫通孔からポリイミド管状成形体に向けて流体を噴出せしめることにより該ポリイミド管状成形体を拡張させることを特徴とする。前記手段により、ポリイミド管状成形体を、極めて容易に成形管から抜き取ることが可能となり、もって当該抜き取り時におけるポリイミド管状成形体の破損に起因する歩留まり低下を低減せしめることが可能となる。さらに、前記手段に用いられるポリイミド管状成形体の成形管は、簡便かつ安価に形成可能な貫通孔を有する以外に、特別なコーティングを必須としない。そのため、ポリイミド管状成形体の製造コストに大きく関与するポリイミド管状成形体の成形管を、極めて安価に作製することが可能となる。
【0019】
上記のポリイミド管状成形体の前駆体とは、ポリイミド管状成形体原料溶液、或いはポリイミド管状成形体原料溶液を筒状に塗布した後乾燥若しくは硬化反応等の手段により当該塗布膜に自己支持性を付与した塗布膜などが挙げられる。ここで、ポリイミド管状成形体原料溶液とは、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸及び/又はポリイミドを含有する溶液を指す。
【0020】
本発明において、流体とは、流体であれば、液体、気体等を問わず、あらゆる物質を使用可能である。しかしながら、乾燥除去する工程を必要としない点から、空気、窒素、不活性ガスなどの気体であることがより好ましい。さらには、安価に用意可能である点から、空気であることが特に好ましい。
【0021】
本発明に係る貫通孔とは、少なくとも成形管の内面若しくは側面のある一点と外面のある一点を結んだ直線部分を含むものである。従って、通気性セラミックス、若しくは微細な金属粉体を焼結することで得られる通気性金属において形成されている、非直線的な連続孔とは異なる。また、貫通孔の形状は特に問わず、円型、多角形、不定形など、多様な形状を取ることができる。また、貫通孔の深さ方向の断面は、その径に変化がないものや、その径が連続的若しくは不連続的に変化するものであっても構わない。さらには、貫通孔の数についても特に限定はされない。
【0022】
本発明に係る成形管は、貫通孔を有していれば材料の種別を問わず、金属製やセラミックス製など、公知のあらゆる材料を用いることができる。しかしながら、その耐久性を考慮すると、金属製のものが特に好ましい。また、該成形管の形状も特に限定はされないが、例えば、単純筒状のものや、端部にテーパー加工を施したもの、片端部にギア加工を施したもの、中心部にシャフトを固定したものなど、公知の形状のものが好適に用いられ得る。
【0023】
貫通孔の位置についても特に限定はされないが、貫通孔がポリイミド管状成形体の成形管全面に渡って存在する場合、該貫通孔の形状が、得られるポリイミド管状成形体の全面に渡って転写されることがある。特に、ポリイミド管状成形体の原料溶液を該成形管の外面に直接塗布する工程を含む場合には、上記の問題が顕著となる。ポリイミド管状成形体の原料溶液を該成形管に塗布する場合にのみ、貫通孔を何らかの治具で塞ぐことも可能であるが、該成形管の全面に貫通孔がある場合、該貫通孔を塞ぐために必要な機構を付与するコストが大きくなり、また成形管の強度も低下する傾向がある。上述の要請から、ポリイミド管状成形体の成形管が有する貫通孔は、成形管の長軸をLとした場合、貫通孔が、成形管の片端部から0.2L以内の位置にのみ存在することが好ましい。これにより、該貫通孔から流体を噴出せしめることで、ポリイミド管状成形体を効果的に抜き取ることが可能になると同時に、該成形管の外面に直接ポリイミド管状成形体原料溶液を塗布する工程を含む場合にも、該貫通孔の形状が、得られるポリイミド管状成形体の全面に渡って転写されることがないため特に好ましい。なお、上記場合にも、ポリイミド管状成形体の端部近傍には、該貫通孔の形状が転写されることがあるが、通常、ポリイミド管状成形体の端部は、幅長合わせの目的で切り落とされることが多いため、端部近傍に転写された該貫通孔の形状は、実質的に特に問題とならない。さらには、成形管の端部近傍にのみ貫通孔が存在することで、貫通孔の数を必要最小限に抑えることができ、該貫通孔形成のためのコストを抑制することが可能となる。
【0024】
ポリイミド管状成形体の前駆体を成形管の外表面に接触せしめる方法としては、ポリイミド管状成形体原料溶液を該成形管の外表面に塗布する方法、自己支持性を有するポリイミド管状成形体の前駆体を、該成形管に装着する方法などが例示されるが、特に限定はされない。しかしながら、本発明の効果を十分に発揮できることから、ポリイミド管状成形体の前駆体を成形管の外表面に接触せしめる方法は、ポリイミド管状成形体原料溶液を、該成形管の外表面に塗布する方法であることが特に好ましい。ポリイミド管状成形体原料溶液を、該成形管の外表面に塗布する手段としては、流延塗布、スプレー塗布のほか、該成形管の外径よりも大きい内径を有する金型を該成形管外部に装着し、形成された空間中にポリイミド管状成形体原料溶液を押し出し充填する方法などが挙げられる。また、ポリイミド管状成形体原料溶液を、該成形管の外表面に塗布した後、厚み規定用治具を通過させる等の手段を用いてもよい。
【0025】
成形管の貫通孔の平均径が小さすぎると、ポリイミド管状成形体を拡張せしめるための流体の効果的な噴出が困難となる恐れがある。また、成形管の貫通孔の平均径が大きすぎると、得られるポリイミド管状成形体に貫通孔の形状が転写される恐れがある。この要請から、該成形管の貫通孔の平均径は、2×10−4〜1×10−2m、より望ましくは5×10−4〜5×10−3m、さらに望ましくは8×10−4〜3×10−3mであることが特に好ましい。さらに、貫通孔の形成法についても規定されず、レーザー加工や、ドリル加工、またはそれらを組み合わせた方法など、公知の方法を用いることができる。
【0026】
ここでいう管状成形体とは、シームレスの中空状成形体を意味する。本発明の製造方法は、管状成形体の径や厚みの大小を問わない。従ってベルトと呼ばれることの多い大径のものにも、チューブと呼ばれることの多い小径のものについても適用することができる。
【0027】
本発明に係るポリイミド管状成形体は、樹脂の主成分がポリイミドであることを特徴とする。ここで、樹脂の主成分とは、全樹脂成分中、ポリイミドが50重量%以上であることを言い、更には60重量%以上であることが好ましい。ポリイミドは、ポリアミック酸の硬化反応により得られるものであり、ポリアミック酸は、酸二無水物成分、好ましくは芳香族テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分とを有機極性溶媒中で重合反応させて得られるものである。
【0028】
テトラカルボン酸二無水物成分としては特に制限はなく、例えば、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族または脂環式テトラカルボン酸二無水物;ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3′,4,4′−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4′−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4′−ジフェニルメタン二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物;1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン等の芳香環を有する脂肪族テトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。これらのテトラカルボン酸二無水物は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。単独で用いる場合には、ピロメリット酸二無水物若しくはビフェニルテトラカルボン酸類二無水物が機械強度を好適な範囲に制御しやすいので好ましく、2種以上組み合わせて用いる場合においても、全酸二無水物成分を基準として50モル%以上のピロメリット酸二無水物若しくは50モル%以上のビフェニルテトラカルボン酸類二無水物を用いることが好ましい。上記ビフェニルテトラカルボン酸類二無水物は、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、若しくは、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が特に好ましい。
【0029】
次に用いられるジアミン成分は、ジアミンであれば特に限定されないが、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルエタン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノジフェニルスルフォン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4′−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4′−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、4,4′−ジアミノベンズアニリド、3,5−ジアミノ−3′−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,5−ジアミノ−4′−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、2,7−ジアミノフルオレン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4′−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2′,5,5′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノビフェニル、2,2′−ジクロロ−4,4′−ジアミノ−5,5′−ジメトキシビフェニル、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、4,4′−ジアミノ−2,2′−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)−ビフェニル、1,3′−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4′−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4′−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2′−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4′−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル等の芳香族ジアミン;ジアミノテトラフェニルチオフェン等の芳香環に結合された2個のアミノ基と当該アミノ基の窒素原子以外のヘテロ原子を有する芳香族ジアミン;1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソフォロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6,2,1,02.7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等の脂肪族ジアミンおよび脂環式ジアミン等を挙げることができる。これらのジアミン化合物は単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。単独で用いる場合には、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル若しくはフェニレンジアミン類が機械強度を好適な範囲に制御しやすいので好ましく、2種以上組み合わせて用いる場合においても、全ジアミン成分を基準として50モル%以上の4,4′−ジアミノジフェニルエーテル若しくは50モル%以上のフェニレンジアミン類を用いることが好ましい。上記フェニレンジアミン類は、p−フェニレンジアミン、若しくは、m−フェニレンジアミンが特に好ましい。
【0030】
ここで該ポリアミック酸の重合反応に使用される有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−、またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどをあげることができ、これらを単独または混合物として用いるのが望ましいが、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素も使用可能である。溶媒は、ポリアミック酸を溶解するものであれば特に限定されない。また、水は、ポリアミック酸の分解を促進するため、可能な限り除去されねばならない。
【0031】
ポリアミック酸の硬化反応は、熱による方法、ポリアミック酸を含む原料溶液中に触媒及び硬化剤を導入する方法、光による方法など、公知の方法を好適に用いることができる。しかしながら、生産性向上や、弾性率などのその他物性を好適に制御できることから、ポリアミック酸を含む原料溶液中に触媒及び硬化剤を導入する方法を、硬化反応の少なくとも一部に導入することが好ましい。触媒及び硬化剤を、ポリアミック酸を含む原料溶液中に導入する方法は特に限定されず、原料溶液中に触媒及び硬化剤を混練する方法、原料溶液中に触媒のみを混練した後、硬化剤若しくは硬化剤を含む溶液を噴霧、塗布、浸漬などの方法で原料溶液に接触させる方法、原料溶液に触媒と硬化剤を含む溶液を接触させる方法などが挙げられる。
【0032】
ここでいう硬化剤とは、ポリアミック酸に対する脱水閉環剤であれば制限無く用いることが可能で、例えばその主成分として、脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物、N,N′−ジアルキルカルボジイミド、低級脂肪族ハロゲン化物、ハロゲン化低級脂肪族酸無水物、アリールスルホン酸ジハロゲン化物、チオニルハロゲン化物またはそれら2種類以上の混合物を好ましく用いることができる。その中でも特に、脂肪族酸無水物及び芳香族酸無水物が良好に作用する点から好ましい。
【0033】
また、ここでいう触媒とは硬化剤のポリアミック酸に対する脱水閉環作用を促進する効果を有する成分であり、その主成分として、脂肪族3級アミン、芳香族3級アミン、複素環式3級アミンが好ましく例示されうる。そのうち、イミダゾ−ル、ベンズイミダゾ−ル、イソキノリン、キノリン、またはβ−ピコリンなどの置換もしくは非置換の含窒素複素環化合物であることが好ましい。
【0034】
さらに、硬化剤及び触媒を含有する溶液中に、有機極性溶媒を導入することも適宜選択され得る。
【0035】
本発明に係るポリイミド管状成形体には、抵抗値、強度、耐紫外線性、耐湿性等の制御のために、一般的に樹脂の特性向上に用いられている方法を応用することができる。例えば、ポリイミド管状成形体が中間転写能力を発現するためには、その体積抵抗値を1×106〜1013Ω・cm好ましくは1×107〜1011Ω・cmの範囲に制御することが極めて重要であるが、これを実現するための具体的方法としては、一般的に絶縁性樹脂の導電化・抵抗値低下・静電気防止などの手段に用いられる、カーボンブラックをはじめとする導電性無機粉体を樹脂中に適量混合する方法が最も効果的である。カーボンブラック以外にも小径金属粒体、金属酸化物粒体、また酸化チタンや各種無機粒体・ウイスカーを金属酸化物など導電性物質で皮膜形成したもの等が、同様の効果を得ることができる。さらには、LiCl等の無機イオン導電性物質や、エチルメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート等の有機イオン導電性物質の添加も可能である。また例えば、ポリイミド管状成形体中に熱伝導性の無機紛体を導入することで、その熱定着能力を向上することができる。熱伝導性無機粉体としては、熱伝導機能を有する無機粉体であれば特に制限はなく、例えば窒化アルミニウム、窒化ホウ素、アルミナ、炭化珪素、珪素、シリカ、グラファイト等があげられる。なかでも、熱伝導機能が高く、離型効果を発揮し、化学的に安定で、無害であるという点で、窒化ホウ素がより好ましい。上述の無機紛体は、単独または複数の混合系で用いることが可能で、ポリイミド管状成形体の用途に応じて適宜選択されうる。
【0036】
次にポリイミド管状成形体を製造する具体的方法について、一例を示して説明する。
【0037】
ポリイミド管状成形体の前駆体を、少なくとも一部に貫通孔を有する円筒型成形管の外面に、塗布、装着などの方法で接触させる。次に、ポリイミド管状成形体の前駆体をその外表面に接触せしめた該成形管を、熱風送付、赤外線照射、誘導加熱などの方法で加熱・焼成し、溶媒を除去すると共に硬化反応を実質的に完了せしめる。その際の温度は、最終的に得られるポリイミド管状成形体の特性、用いる溶媒の種類、ポリイミドの組成等によって適宜選択されうる。
【0038】
次に、焼成せしめたポリイミド管状成形体を、次に示す手法で成形管から取り外す。先ず、該成形管の両端から又はどちらか一端を密封した他端から、流体を注入する装置に繋がる機構を設ける。該成形管に設けられた貫通孔から直接、流体を注入する装置に繋がる機構であっても構わない。次に、流体を注入する装置から流体を注入し続けることで、貫通孔から噴出する流体がポリイミド管状成形体の径を押し拡げ、ポリイミド管状成形体を成形管から抜き出すことができる。前記流体は、流体であれば、液体、気体を問わず、あらゆる物質を使用可能である。しかしながら、乾燥除去する工程を必要としないことから、空気、窒素、不活性ガスなどの気体であることがより好ましい。さらには、安価に用意可能であることから、空気であることが特に好ましい。従って、前記の流体を注入する装置は、エアコンプレッサであることが特に好ましいが、この限りではない。
【0039】
【実施例】
本発明に係る実施例を以下に説明する。
【0040】
(実施例1)
攪拌翼がついた容器に、モレキュラーシーブにて十分に脱水したジメチルホルムアミド(DMF)を1500g入れ、4、4′−ジアミノジフェニルエーテル200gを加え、完全に溶解するまで攪拌した。この系を約0℃に冷却し、ピロメリット酸二無水物218gを徐々に加え、よく攪拌した。系の粘度が約3×102Pa・sになったところで攪拌を停止し、ポリイミド前駆体溶液を得た。
【0041】
次に大塚化学社製フィラーBK−400HR60gとDMF300gを別の容器に入れ、よく攪拌し、さらに超音波分散機にかけることで分散液中のフィラーを均一に分散させた。BK−400HRはその表面にカーボンをコートしたチタン酸カリウムからなる針状フィラーである。
【0042】
上記で得られた針状フィラー分散液を、118g採取し、よく攪拌した。このビーカー中に、上記で得られたポリイミド前駆体溶液300gを溶かし入れ、さらによく攪拌した。このようにして、硬化後のポリイミド樹脂100重量部に対して、針状フィラーを約30重量部含有するポリイミド管状成形体原料溶液を調製した。
【0043】
該ポリイミド管状成形体原料溶液中に、触媒であるイソキノリンを20g、硬化剤である無水酢酸を32g混練した。
【0044】
上記で得られたポリイミド管状成形体原料溶液を、内径82mm、外径83.5mm、長さ450mmの筒状空間中に均一に注入し、塗布膜に自己支持性が発現するまで23℃・55%RHの雰囲気中に10分間静置した。前記筒状空間は、外径82mm、長さ450mmのSUS製内筒を、内径83.5mm、長さ450mmのSUS製外筒に挿入することで形成されるものである。
【0045】
次に、該塗布膜を前記内筒及び外筒から取り外し、外径80mm、長さ450mmのSUS製成形管の外面に装着した。該成形管は、一方の端部より30mmの位置に、等間隔で4箇所貫通孔が形成されており、該形成孔の平均径は1mmである。尚、該塗布膜は十分に溶剤を含有しているため柔軟性がある。従って焼成前のこの段階では、前記内筒から該塗布膜を容易に取り外すことができる。
【0046】
該成形管をオーブンに封入し、100℃から380℃まで約30分の時間をかけて連続的に温度を上昇させることで、イミド転化反応を進行せしめた。次に、該成形管を380℃から室温まで徐冷して、オーブンから取り出した。
【0047】
次に、該成形管の片端を金属製の蓋で密閉し、他端をエアコンプレッサに繋いだ。エアコンプレッサで該成形管内部の圧力を1×105Pa以上にすることで、該貫通孔の内周方向から外周方向に向けて噴出された空気により該ポリイミド管状成形体が拡張され、該ポリイミド管状成形体を容易に取り出すことができた。
【0048】
(実施例2)
成形管が有する貫通孔の平均径が10mmであることを除いて、実施例1と同様にポリイミド管状成形体を調製した。
【0049】
該成形管の片端を金属製の蓋で密閉し、他端をエアコンプレッサに繋いだ。エアコンプレッサで該成形管内部の圧力を2×105Pa以上にすることで、該貫通孔の内周方向から外周方向に向けて噴出された空気により該ポリイミド管状成形体が拡張され、該ポリイミド管状成形体を容易に取り出すことができた。
【0050】
(実施例3)
実施例1と同様の手段で、ポリイミド管状成形体原料溶液を調製した。該ポリイミド管状成形体原料溶液中に、触媒であるイソキノリンを20g、硬化剤である無水酢酸を32g混練した。
【0051】
上記で得られたポリイミド管状成形体原料溶液を、内径82mm、外径83.5mm、長さ450mmの筒状空間中に均一に注入した。前記筒状空間は、内径83.5mm、長さ450mmのSUS製外筒に、下記の成形管を挿入することで形成されるものである。該成形管は、外径82mm、長さ450mmのSUS製円筒状金型である。また、該成形管は、一方の端部より30mmの位置に、等間隔で4箇所のネジ状貫通孔が形成されており、該形成孔の平均径は3mmである。尚、ポリイミド管状成形体原料溶液を上記筒状空間中に注入する際には、当該ネジ状貫通孔からポリイミド管状成形体原料溶液が流れ込まぬよう、当該ネジ状貫通孔の全てを、M3のネジで塞いだ。この状態で、塗布膜に自己支持性が発現するまで23℃・55%RHの雰囲気中に10分間静置した。
【0052】
次に、前記外筒、及び、成形管のネジ状貫通孔を塞いでいるM3のネジの全てを取り外し、塗布膜が密着した成形管をオーブンに封入した。次いで、100℃から380℃まで約30分の時間をかけて連続的に温度を上昇させることで、イミド転化反応を進行せしめた。次に、該成形管を380℃から室温まで徐冷して、オーブンから取り出した。
【0053】
次に、該成形管の片端を金属製の蓋で密閉し、他端をエアコンプレッサに繋いだ。エアコンプレッサで該成形管内部の圧力を1×105Pa以上にすることで、該貫通孔の内周方向から外周方向に向けて噴出された空気により該ポリイミド管状成形体が拡張され、該ポリイミド管状成形体を容易に取り出すことができた。
【0054】
(比較例1)
実施例1と同様の作業において、成形管内部の圧力を変化させないままで樹脂ベルトを取り外そうと試みたが、樹脂の密着性が強く、ベルトの一部を破損させるまで取り外すことはできなかった。
【0055】
以上、本発明に係わるポリイミド管状成形体の製造方法について説明したが、本発明は上述の形態に限定されるものではない。例示するまでもなく記述した範囲内で種々の変形を加えた態様で実施できるものである。
【0056】
【発明の効果】
本発明に係るポリイミド管状成形体の製造方法は、ポリイミド管状成形体の成形管からポリイミド管状成形体を取り外す方法が、(1)ポリイミド管状成形体の成形管の少なくとも一部に厚み方向に対する貫通孔を有すること、かつ(2)該貫通孔の内周方向から外周方向に向けて流体を噴出せしめることにより該ポリイミド管状成形体を拡張させることを特徴としており、次の効果を発揮する。
【0057】
ポリイミド管状成形体の製造歩留まり低下は、成形管からポリイミド管状成形体を取り外す工程が困難であり、ポリイミド管状成形体の取り外しの際に、ポリイミド管状成形体が破損することが主たる原因のひとつであった。本発明では、貫通孔から流体を噴出せしめることにより成形管からポリイミド管状成形体を極めて容易に取り外すことが可能であり、これにより、ポリイミド管状成形体の製造歩留まりが飛躍的に向上する。さらに、前記手段に用いられるポリイミド管状成形体の成形管は、簡便かつ安価に形成可能な貫通孔を有する以外に特別なコーティングを必要としない。そのため、ポリイミド管状成形体の製造コストに大きく関与する該成形管を、極めて簡便かつ安価に作製することが可能となる。上記理由から、総じてポリイミド管状成形体の製造コストが低減し、もってポリイミド管状成形体を安価に提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリイミド管状成形体の製造方法において、ポリイミド管状成形体を成形管から抜き取る工程の一具体例の側面断面模式図である。
【図2】ポリイミド管状成形体の成形管の一具体例の側面断面模式図である。
【図3】ポリイミド管状成形体の成形管の一具体例の側面断面模式図である。
【図4】ポリイミド管状成形体の成形管の一具体例の側面断面模式図である。
【図5】ポリイミド管状成形体の成形管の一具体例の側面断面模式図である。
【符号の説明】
1;ポリイミド管状成形体を成形管から抜き取る工程の一具体例
11;ポリイミド管状成形体
12;成形管
13;貫通孔
21;成形管
22;貫通孔
31;成形管
32;貫通孔
41;成形管
42;貫通孔
51;成形管
52;貫通孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリイミド樹脂を含有する管状成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
中間転写体を使用した電子写真装置は、多色画像情報の複数の成分色画像を順次積層転写して多色画像を合成再現した画像形成物を出力する多色画像形成装置として有効であり、各成分色画像の色ズレの無い画像を得ることが可能である。また、薄い紙から厚い紙まで選択可能である点、紙の大小に関わらず転写が可能である点等、優れた利点を有することから、中間転写体を使用した電子写真装置は、市場に急速に広がりつつある。
【0003】
中間転写体としては、例えばドラム状、筒状等が知られているが、装置の小型化などの要望から、ベルトと称されることの多い、薄肉管状の中間転写体が主流となっている。また、上記中間転写体の材料としては、引張弾性率が高いこと、表面の平滑性が高いことなどの要請から、ポリイミド樹脂を中間転写体材料として用いることが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
従来、ポリイミド管状成形体は、内塗り法と外塗り法に大別される以下の方法で製造されていた。内塗り法は、円筒状金型の内面に原料溶液を塗布し、しかる後溶媒をある程度揮散せしめる、及び/又は部分イミド化を行うことで、塗布膜に自己支持性を発現せしめ、次いで、該金型から塗布膜を剥離し、さらにイミド化用の円筒状成形管の外側に装着して加熱・イミド化を行う手法である。一方、外塗り法は、円筒状成形管の外面に原料溶液を塗布し、乾燥・イミド化を同一成形管上で行う手法である。
【0005】
いずれの方法においても最も困難である工程は、乾燥・イミド化によって得られるポリイミド管状成形体を、成形管から取り外す工程である。即ち、既存の手法では、成形管からポリイミド管状成形体を抜き取る作業が非常に困難であり、上述の作業中、ポリイミド管状成形体の破損による歩留まり低下の問題があった。そこで、成形管とポリイミド管状成形体との剥離性を向上させ、成形管からのポリイミド管状成形体の抜き取りを容易にするため、セラミックコーティングや樹脂コーティングなどの手法が用いられてきた。しかしながらこれらの方法は、コーティングの作業が煩雑になることやコーティング剤が高価であることから、最終的にポリイミド管状成形体のコストを高める原因となっていた。さらにはこの方法では、これらコーティング剤がポリイミド管状成形体に移り、ポリイミド管状成形体の特性を低減させるという致命的欠陥を有していた。
【0006】
また、成形管からポリイミド管状成形体を抜き取る手法として、柔軟性円筒体に樹脂フィルムをかぶせ、しかる後に熱硬化させる手法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この手法では柔軟性円筒体の強度が弱く、小さい力で挫屈などの永久変形を形成してしまうこと、また、繰り返しの加熱に対する耐性が低いため、柔軟性円筒体が数回の使用で熱疲労破壊すること、さらには該柔軟性円筒体の単価が非常に高いことなどから、最終的に得られるポリイミド管状成形体のコストを著しく引き上げてしまうことが問題であった。
【0007】
上記問題を解決する方法として、成形管として通気性金属若しくは通気性セラミックスを用い、成形管内部と外部に圧力差を生じさせることにより、ポリイミド管状成形体を抜き取る手法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら当該手法における前記通気性金属は、その単価が高く、また破損し易い傾向があった。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−171265号公報
【0009】
【特許文献2】
特開平10−296761号公報
【0010】
【特許文献3】
特開2002−172627号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、安価かつ簡便なポリイミド管状成形体の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、安価かつ簡便なポリイミド管状成形体の製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
即ち、本発明は、ポリイミド管状成形体の前駆体を成形管の外表面に接触した状態で焼成せしめる工程を含むポリイミド管状成形体の製造方法において、前記成形管からポリイミド管状成形体を取り外す方法が、(1)成形管の少なくとも一部に貫通孔を有すること、かつ(2)該貫通孔からポリイミド管状成形体に向けて流体を噴出せしめることにより該ポリイミド管状成形体を拡張させることを特徴とする、ポリイミド管状成形体の製造方法に関する。
【0014】
好ましい実施態様は、前記流体が空気であることを特徴とする、前記のポリイミド管状成形体の製造方法に関する。
【0015】
更に好ましい実施態様は、成形管が、平均径が2×10−4〜1×10−2mの貫通孔を有することを特徴とする、前記いずれかに記載のポリイミド管状成形体の製造方法に関する。
【0016】
更に好ましい実施態様は、成形管の長軸をLとした場合、貫通孔が、成形管の片端部から0.2L以内の位置にのみ存在することを特徴とする、前記いずれかに記載のポリイミド管状成形体の製造方法に関する。
【0017】
更に好ましい実施態様は、ポリイミド管状成形体の前駆体を成形管の外表面に接触せしめる方法が、ポリイミド管状成形体原料溶液の前記成形管の外表面への塗布であることを特徴とする、前記いずれかに記載のポリイミド管状成形体の製造方法に関する。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明に係るポリイミド管状成形体の製造方法は、ポリイミド管状成形体の前駆体をポリイミド管状成形体の成形管の外表面に接触した状態で焼成せしめる工程を含むポリイミド管状成形体の製造方法において、前記成形管からポリイミド管状成形体を取り外す方法が、(1)ポリイミド管状成形体の成形管の少なくとも一部に貫通孔を有すること、かつ(2)該貫通孔からポリイミド管状成形体に向けて流体を噴出せしめることにより該ポリイミド管状成形体を拡張させることを特徴とする。前記手段により、ポリイミド管状成形体を、極めて容易に成形管から抜き取ることが可能となり、もって当該抜き取り時におけるポリイミド管状成形体の破損に起因する歩留まり低下を低減せしめることが可能となる。さらに、前記手段に用いられるポリイミド管状成形体の成形管は、簡便かつ安価に形成可能な貫通孔を有する以外に、特別なコーティングを必須としない。そのため、ポリイミド管状成形体の製造コストに大きく関与するポリイミド管状成形体の成形管を、極めて安価に作製することが可能となる。
【0019】
上記のポリイミド管状成形体の前駆体とは、ポリイミド管状成形体原料溶液、或いはポリイミド管状成形体原料溶液を筒状に塗布した後乾燥若しくは硬化反応等の手段により当該塗布膜に自己支持性を付与した塗布膜などが挙げられる。ここで、ポリイミド管状成形体原料溶液とは、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸及び/又はポリイミドを含有する溶液を指す。
【0020】
本発明において、流体とは、流体であれば、液体、気体等を問わず、あらゆる物質を使用可能である。しかしながら、乾燥除去する工程を必要としない点から、空気、窒素、不活性ガスなどの気体であることがより好ましい。さらには、安価に用意可能である点から、空気であることが特に好ましい。
【0021】
本発明に係る貫通孔とは、少なくとも成形管の内面若しくは側面のある一点と外面のある一点を結んだ直線部分を含むものである。従って、通気性セラミックス、若しくは微細な金属粉体を焼結することで得られる通気性金属において形成されている、非直線的な連続孔とは異なる。また、貫通孔の形状は特に問わず、円型、多角形、不定形など、多様な形状を取ることができる。また、貫通孔の深さ方向の断面は、その径に変化がないものや、その径が連続的若しくは不連続的に変化するものであっても構わない。さらには、貫通孔の数についても特に限定はされない。
【0022】
本発明に係る成形管は、貫通孔を有していれば材料の種別を問わず、金属製やセラミックス製など、公知のあらゆる材料を用いることができる。しかしながら、その耐久性を考慮すると、金属製のものが特に好ましい。また、該成形管の形状も特に限定はされないが、例えば、単純筒状のものや、端部にテーパー加工を施したもの、片端部にギア加工を施したもの、中心部にシャフトを固定したものなど、公知の形状のものが好適に用いられ得る。
【0023】
貫通孔の位置についても特に限定はされないが、貫通孔がポリイミド管状成形体の成形管全面に渡って存在する場合、該貫通孔の形状が、得られるポリイミド管状成形体の全面に渡って転写されることがある。特に、ポリイミド管状成形体の原料溶液を該成形管の外面に直接塗布する工程を含む場合には、上記の問題が顕著となる。ポリイミド管状成形体の原料溶液を該成形管に塗布する場合にのみ、貫通孔を何らかの治具で塞ぐことも可能であるが、該成形管の全面に貫通孔がある場合、該貫通孔を塞ぐために必要な機構を付与するコストが大きくなり、また成形管の強度も低下する傾向がある。上述の要請から、ポリイミド管状成形体の成形管が有する貫通孔は、成形管の長軸をLとした場合、貫通孔が、成形管の片端部から0.2L以内の位置にのみ存在することが好ましい。これにより、該貫通孔から流体を噴出せしめることで、ポリイミド管状成形体を効果的に抜き取ることが可能になると同時に、該成形管の外面に直接ポリイミド管状成形体原料溶液を塗布する工程を含む場合にも、該貫通孔の形状が、得られるポリイミド管状成形体の全面に渡って転写されることがないため特に好ましい。なお、上記場合にも、ポリイミド管状成形体の端部近傍には、該貫通孔の形状が転写されることがあるが、通常、ポリイミド管状成形体の端部は、幅長合わせの目的で切り落とされることが多いため、端部近傍に転写された該貫通孔の形状は、実質的に特に問題とならない。さらには、成形管の端部近傍にのみ貫通孔が存在することで、貫通孔の数を必要最小限に抑えることができ、該貫通孔形成のためのコストを抑制することが可能となる。
【0024】
ポリイミド管状成形体の前駆体を成形管の外表面に接触せしめる方法としては、ポリイミド管状成形体原料溶液を該成形管の外表面に塗布する方法、自己支持性を有するポリイミド管状成形体の前駆体を、該成形管に装着する方法などが例示されるが、特に限定はされない。しかしながら、本発明の効果を十分に発揮できることから、ポリイミド管状成形体の前駆体を成形管の外表面に接触せしめる方法は、ポリイミド管状成形体原料溶液を、該成形管の外表面に塗布する方法であることが特に好ましい。ポリイミド管状成形体原料溶液を、該成形管の外表面に塗布する手段としては、流延塗布、スプレー塗布のほか、該成形管の外径よりも大きい内径を有する金型を該成形管外部に装着し、形成された空間中にポリイミド管状成形体原料溶液を押し出し充填する方法などが挙げられる。また、ポリイミド管状成形体原料溶液を、該成形管の外表面に塗布した後、厚み規定用治具を通過させる等の手段を用いてもよい。
【0025】
成形管の貫通孔の平均径が小さすぎると、ポリイミド管状成形体を拡張せしめるための流体の効果的な噴出が困難となる恐れがある。また、成形管の貫通孔の平均径が大きすぎると、得られるポリイミド管状成形体に貫通孔の形状が転写される恐れがある。この要請から、該成形管の貫通孔の平均径は、2×10−4〜1×10−2m、より望ましくは5×10−4〜5×10−3m、さらに望ましくは8×10−4〜3×10−3mであることが特に好ましい。さらに、貫通孔の形成法についても規定されず、レーザー加工や、ドリル加工、またはそれらを組み合わせた方法など、公知の方法を用いることができる。
【0026】
ここでいう管状成形体とは、シームレスの中空状成形体を意味する。本発明の製造方法は、管状成形体の径や厚みの大小を問わない。従ってベルトと呼ばれることの多い大径のものにも、チューブと呼ばれることの多い小径のものについても適用することができる。
【0027】
本発明に係るポリイミド管状成形体は、樹脂の主成分がポリイミドであることを特徴とする。ここで、樹脂の主成分とは、全樹脂成分中、ポリイミドが50重量%以上であることを言い、更には60重量%以上であることが好ましい。ポリイミドは、ポリアミック酸の硬化反応により得られるものであり、ポリアミック酸は、酸二無水物成分、好ましくは芳香族テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分とを有機極性溶媒中で重合反応させて得られるものである。
【0028】
テトラカルボン酸二無水物成分としては特に制限はなく、例えば、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族または脂環式テトラカルボン酸二無水物;ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3′,4,4′−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4′−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4′−ジフェニルメタン二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物;1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン等の芳香環を有する脂肪族テトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。これらのテトラカルボン酸二無水物は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。単独で用いる場合には、ピロメリット酸二無水物若しくはビフェニルテトラカルボン酸類二無水物が機械強度を好適な範囲に制御しやすいので好ましく、2種以上組み合わせて用いる場合においても、全酸二無水物成分を基準として50モル%以上のピロメリット酸二無水物若しくは50モル%以上のビフェニルテトラカルボン酸類二無水物を用いることが好ましい。上記ビフェニルテトラカルボン酸類二無水物は、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、若しくは、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が特に好ましい。
【0029】
次に用いられるジアミン成分は、ジアミンであれば特に限定されないが、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルエタン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノジフェニルスルフォン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4′−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4′−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、4,4′−ジアミノベンズアニリド、3,5−ジアミノ−3′−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,5−ジアミノ−4′−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、2,7−ジアミノフルオレン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4′−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2′,5,5′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノビフェニル、2,2′−ジクロロ−4,4′−ジアミノ−5,5′−ジメトキシビフェニル、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、4,4′−ジアミノ−2,2′−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)−ビフェニル、1,3′−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4′−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4′−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2′−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4′−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル等の芳香族ジアミン;ジアミノテトラフェニルチオフェン等の芳香環に結合された2個のアミノ基と当該アミノ基の窒素原子以外のヘテロ原子を有する芳香族ジアミン;1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソフォロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6,2,1,02.7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等の脂肪族ジアミンおよび脂環式ジアミン等を挙げることができる。これらのジアミン化合物は単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。単独で用いる場合には、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル若しくはフェニレンジアミン類が機械強度を好適な範囲に制御しやすいので好ましく、2種以上組み合わせて用いる場合においても、全ジアミン成分を基準として50モル%以上の4,4′−ジアミノジフェニルエーテル若しくは50モル%以上のフェニレンジアミン類を用いることが好ましい。上記フェニレンジアミン類は、p−フェニレンジアミン、若しくは、m−フェニレンジアミンが特に好ましい。
【0030】
ここで該ポリアミック酸の重合反応に使用される有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−、またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどをあげることができ、これらを単独または混合物として用いるのが望ましいが、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素も使用可能である。溶媒は、ポリアミック酸を溶解するものであれば特に限定されない。また、水は、ポリアミック酸の分解を促進するため、可能な限り除去されねばならない。
【0031】
ポリアミック酸の硬化反応は、熱による方法、ポリアミック酸を含む原料溶液中に触媒及び硬化剤を導入する方法、光による方法など、公知の方法を好適に用いることができる。しかしながら、生産性向上や、弾性率などのその他物性を好適に制御できることから、ポリアミック酸を含む原料溶液中に触媒及び硬化剤を導入する方法を、硬化反応の少なくとも一部に導入することが好ましい。触媒及び硬化剤を、ポリアミック酸を含む原料溶液中に導入する方法は特に限定されず、原料溶液中に触媒及び硬化剤を混練する方法、原料溶液中に触媒のみを混練した後、硬化剤若しくは硬化剤を含む溶液を噴霧、塗布、浸漬などの方法で原料溶液に接触させる方法、原料溶液に触媒と硬化剤を含む溶液を接触させる方法などが挙げられる。
【0032】
ここでいう硬化剤とは、ポリアミック酸に対する脱水閉環剤であれば制限無く用いることが可能で、例えばその主成分として、脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物、N,N′−ジアルキルカルボジイミド、低級脂肪族ハロゲン化物、ハロゲン化低級脂肪族酸無水物、アリールスルホン酸ジハロゲン化物、チオニルハロゲン化物またはそれら2種類以上の混合物を好ましく用いることができる。その中でも特に、脂肪族酸無水物及び芳香族酸無水物が良好に作用する点から好ましい。
【0033】
また、ここでいう触媒とは硬化剤のポリアミック酸に対する脱水閉環作用を促進する効果を有する成分であり、その主成分として、脂肪族3級アミン、芳香族3級アミン、複素環式3級アミンが好ましく例示されうる。そのうち、イミダゾ−ル、ベンズイミダゾ−ル、イソキノリン、キノリン、またはβ−ピコリンなどの置換もしくは非置換の含窒素複素環化合物であることが好ましい。
【0034】
さらに、硬化剤及び触媒を含有する溶液中に、有機極性溶媒を導入することも適宜選択され得る。
【0035】
本発明に係るポリイミド管状成形体には、抵抗値、強度、耐紫外線性、耐湿性等の制御のために、一般的に樹脂の特性向上に用いられている方法を応用することができる。例えば、ポリイミド管状成形体が中間転写能力を発現するためには、その体積抵抗値を1×106〜1013Ω・cm好ましくは1×107〜1011Ω・cmの範囲に制御することが極めて重要であるが、これを実現するための具体的方法としては、一般的に絶縁性樹脂の導電化・抵抗値低下・静電気防止などの手段に用いられる、カーボンブラックをはじめとする導電性無機粉体を樹脂中に適量混合する方法が最も効果的である。カーボンブラック以外にも小径金属粒体、金属酸化物粒体、また酸化チタンや各種無機粒体・ウイスカーを金属酸化物など導電性物質で皮膜形成したもの等が、同様の効果を得ることができる。さらには、LiCl等の無機イオン導電性物質や、エチルメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート等の有機イオン導電性物質の添加も可能である。また例えば、ポリイミド管状成形体中に熱伝導性の無機紛体を導入することで、その熱定着能力を向上することができる。熱伝導性無機粉体としては、熱伝導機能を有する無機粉体であれば特に制限はなく、例えば窒化アルミニウム、窒化ホウ素、アルミナ、炭化珪素、珪素、シリカ、グラファイト等があげられる。なかでも、熱伝導機能が高く、離型効果を発揮し、化学的に安定で、無害であるという点で、窒化ホウ素がより好ましい。上述の無機紛体は、単独または複数の混合系で用いることが可能で、ポリイミド管状成形体の用途に応じて適宜選択されうる。
【0036】
次にポリイミド管状成形体を製造する具体的方法について、一例を示して説明する。
【0037】
ポリイミド管状成形体の前駆体を、少なくとも一部に貫通孔を有する円筒型成形管の外面に、塗布、装着などの方法で接触させる。次に、ポリイミド管状成形体の前駆体をその外表面に接触せしめた該成形管を、熱風送付、赤外線照射、誘導加熱などの方法で加熱・焼成し、溶媒を除去すると共に硬化反応を実質的に完了せしめる。その際の温度は、最終的に得られるポリイミド管状成形体の特性、用いる溶媒の種類、ポリイミドの組成等によって適宜選択されうる。
【0038】
次に、焼成せしめたポリイミド管状成形体を、次に示す手法で成形管から取り外す。先ず、該成形管の両端から又はどちらか一端を密封した他端から、流体を注入する装置に繋がる機構を設ける。該成形管に設けられた貫通孔から直接、流体を注入する装置に繋がる機構であっても構わない。次に、流体を注入する装置から流体を注入し続けることで、貫通孔から噴出する流体がポリイミド管状成形体の径を押し拡げ、ポリイミド管状成形体を成形管から抜き出すことができる。前記流体は、流体であれば、液体、気体を問わず、あらゆる物質を使用可能である。しかしながら、乾燥除去する工程を必要としないことから、空気、窒素、不活性ガスなどの気体であることがより好ましい。さらには、安価に用意可能であることから、空気であることが特に好ましい。従って、前記の流体を注入する装置は、エアコンプレッサであることが特に好ましいが、この限りではない。
【0039】
【実施例】
本発明に係る実施例を以下に説明する。
【0040】
(実施例1)
攪拌翼がついた容器に、モレキュラーシーブにて十分に脱水したジメチルホルムアミド(DMF)を1500g入れ、4、4′−ジアミノジフェニルエーテル200gを加え、完全に溶解するまで攪拌した。この系を約0℃に冷却し、ピロメリット酸二無水物218gを徐々に加え、よく攪拌した。系の粘度が約3×102Pa・sになったところで攪拌を停止し、ポリイミド前駆体溶液を得た。
【0041】
次に大塚化学社製フィラーBK−400HR60gとDMF300gを別の容器に入れ、よく攪拌し、さらに超音波分散機にかけることで分散液中のフィラーを均一に分散させた。BK−400HRはその表面にカーボンをコートしたチタン酸カリウムからなる針状フィラーである。
【0042】
上記で得られた針状フィラー分散液を、118g採取し、よく攪拌した。このビーカー中に、上記で得られたポリイミド前駆体溶液300gを溶かし入れ、さらによく攪拌した。このようにして、硬化後のポリイミド樹脂100重量部に対して、針状フィラーを約30重量部含有するポリイミド管状成形体原料溶液を調製した。
【0043】
該ポリイミド管状成形体原料溶液中に、触媒であるイソキノリンを20g、硬化剤である無水酢酸を32g混練した。
【0044】
上記で得られたポリイミド管状成形体原料溶液を、内径82mm、外径83.5mm、長さ450mmの筒状空間中に均一に注入し、塗布膜に自己支持性が発現するまで23℃・55%RHの雰囲気中に10分間静置した。前記筒状空間は、外径82mm、長さ450mmのSUS製内筒を、内径83.5mm、長さ450mmのSUS製外筒に挿入することで形成されるものである。
【0045】
次に、該塗布膜を前記内筒及び外筒から取り外し、外径80mm、長さ450mmのSUS製成形管の外面に装着した。該成形管は、一方の端部より30mmの位置に、等間隔で4箇所貫通孔が形成されており、該形成孔の平均径は1mmである。尚、該塗布膜は十分に溶剤を含有しているため柔軟性がある。従って焼成前のこの段階では、前記内筒から該塗布膜を容易に取り外すことができる。
【0046】
該成形管をオーブンに封入し、100℃から380℃まで約30分の時間をかけて連続的に温度を上昇させることで、イミド転化反応を進行せしめた。次に、該成形管を380℃から室温まで徐冷して、オーブンから取り出した。
【0047】
次に、該成形管の片端を金属製の蓋で密閉し、他端をエアコンプレッサに繋いだ。エアコンプレッサで該成形管内部の圧力を1×105Pa以上にすることで、該貫通孔の内周方向から外周方向に向けて噴出された空気により該ポリイミド管状成形体が拡張され、該ポリイミド管状成形体を容易に取り出すことができた。
【0048】
(実施例2)
成形管が有する貫通孔の平均径が10mmであることを除いて、実施例1と同様にポリイミド管状成形体を調製した。
【0049】
該成形管の片端を金属製の蓋で密閉し、他端をエアコンプレッサに繋いだ。エアコンプレッサで該成形管内部の圧力を2×105Pa以上にすることで、該貫通孔の内周方向から外周方向に向けて噴出された空気により該ポリイミド管状成形体が拡張され、該ポリイミド管状成形体を容易に取り出すことができた。
【0050】
(実施例3)
実施例1と同様の手段で、ポリイミド管状成形体原料溶液を調製した。該ポリイミド管状成形体原料溶液中に、触媒であるイソキノリンを20g、硬化剤である無水酢酸を32g混練した。
【0051】
上記で得られたポリイミド管状成形体原料溶液を、内径82mm、外径83.5mm、長さ450mmの筒状空間中に均一に注入した。前記筒状空間は、内径83.5mm、長さ450mmのSUS製外筒に、下記の成形管を挿入することで形成されるものである。該成形管は、外径82mm、長さ450mmのSUS製円筒状金型である。また、該成形管は、一方の端部より30mmの位置に、等間隔で4箇所のネジ状貫通孔が形成されており、該形成孔の平均径は3mmである。尚、ポリイミド管状成形体原料溶液を上記筒状空間中に注入する際には、当該ネジ状貫通孔からポリイミド管状成形体原料溶液が流れ込まぬよう、当該ネジ状貫通孔の全てを、M3のネジで塞いだ。この状態で、塗布膜に自己支持性が発現するまで23℃・55%RHの雰囲気中に10分間静置した。
【0052】
次に、前記外筒、及び、成形管のネジ状貫通孔を塞いでいるM3のネジの全てを取り外し、塗布膜が密着した成形管をオーブンに封入した。次いで、100℃から380℃まで約30分の時間をかけて連続的に温度を上昇させることで、イミド転化反応を進行せしめた。次に、該成形管を380℃から室温まで徐冷して、オーブンから取り出した。
【0053】
次に、該成形管の片端を金属製の蓋で密閉し、他端をエアコンプレッサに繋いだ。エアコンプレッサで該成形管内部の圧力を1×105Pa以上にすることで、該貫通孔の内周方向から外周方向に向けて噴出された空気により該ポリイミド管状成形体が拡張され、該ポリイミド管状成形体を容易に取り出すことができた。
【0054】
(比較例1)
実施例1と同様の作業において、成形管内部の圧力を変化させないままで樹脂ベルトを取り外そうと試みたが、樹脂の密着性が強く、ベルトの一部を破損させるまで取り外すことはできなかった。
【0055】
以上、本発明に係わるポリイミド管状成形体の製造方法について説明したが、本発明は上述の形態に限定されるものではない。例示するまでもなく記述した範囲内で種々の変形を加えた態様で実施できるものである。
【0056】
【発明の効果】
本発明に係るポリイミド管状成形体の製造方法は、ポリイミド管状成形体の成形管からポリイミド管状成形体を取り外す方法が、(1)ポリイミド管状成形体の成形管の少なくとも一部に厚み方向に対する貫通孔を有すること、かつ(2)該貫通孔の内周方向から外周方向に向けて流体を噴出せしめることにより該ポリイミド管状成形体を拡張させることを特徴としており、次の効果を発揮する。
【0057】
ポリイミド管状成形体の製造歩留まり低下は、成形管からポリイミド管状成形体を取り外す工程が困難であり、ポリイミド管状成形体の取り外しの際に、ポリイミド管状成形体が破損することが主たる原因のひとつであった。本発明では、貫通孔から流体を噴出せしめることにより成形管からポリイミド管状成形体を極めて容易に取り外すことが可能であり、これにより、ポリイミド管状成形体の製造歩留まりが飛躍的に向上する。さらに、前記手段に用いられるポリイミド管状成形体の成形管は、簡便かつ安価に形成可能な貫通孔を有する以外に特別なコーティングを必要としない。そのため、ポリイミド管状成形体の製造コストに大きく関与する該成形管を、極めて簡便かつ安価に作製することが可能となる。上記理由から、総じてポリイミド管状成形体の製造コストが低減し、もってポリイミド管状成形体を安価に提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリイミド管状成形体の製造方法において、ポリイミド管状成形体を成形管から抜き取る工程の一具体例の側面断面模式図である。
【図2】ポリイミド管状成形体の成形管の一具体例の側面断面模式図である。
【図3】ポリイミド管状成形体の成形管の一具体例の側面断面模式図である。
【図4】ポリイミド管状成形体の成形管の一具体例の側面断面模式図である。
【図5】ポリイミド管状成形体の成形管の一具体例の側面断面模式図である。
【符号の説明】
1;ポリイミド管状成形体を成形管から抜き取る工程の一具体例
11;ポリイミド管状成形体
12;成形管
13;貫通孔
21;成形管
22;貫通孔
31;成形管
32;貫通孔
41;成形管
42;貫通孔
51;成形管
52;貫通孔
Claims (5)
- ポリイミド管状成形体の前駆体を成形管の外表面に接触した状態で焼成せしめる工程を含むポリイミド管状成形体の製造方法において、前記成形管からポリイミド管状成形体を取り外す方法が、(1)成形管の少なくとも一部に貫通孔を有すること、かつ(2)該貫通孔からポリイミド管状成形体に向けて流体を噴出せしめることにより該ポリイミド管状成形体を拡張させることを特徴とする、ポリイミド管状成形体の製造方法。
- 前記流体が空気であることを特徴とする、請求項1に記載のポリイミド管状成形体の製造方法。
- 成形管が、平均径が2×10−4〜1×10−2mの貫通孔を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のポリイミド管状成形体の製造方法。
- 成形管の長軸をLとした場合、貫通孔が、成形管の片端部から0.2L以内の位置にのみ存在することを特徴とする、請求項1乃至3に記載のポリイミド管状成形体の製造方法。
- ポリイミド管状成形体の前駆体を成形管の外表面に接触せしめる方法が、ポリイミド管状成形体原料溶液の前記成形管の外表面への塗布であることを特徴とする、請求項1乃至4に記載のポリイミド管状成形体の製造方法。
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- 2003-03-27 JP JP2003087691A patent/JP2004291440A/ja active Pending
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