JP2003001638A - ポリイミド成形体の製造方法 - Google Patents

ポリイミド成形体の製造方法

Info

Publication number
JP2003001638A
JP2003001638A JP2001190377A JP2001190377A JP2003001638A JP 2003001638 A JP2003001638 A JP 2003001638A JP 2001190377 A JP2001190377 A JP 2001190377A JP 2001190377 A JP2001190377 A JP 2001190377A JP 2003001638 A JP2003001638 A JP 2003001638A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyimide precursor
polyimide
mold
space
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001190377A
Other languages
English (en)
Inventor
正美 ▲柳▼田
Masami Yanagida
Hitoshi Nojiri
仁志 野尻
Koji Sezaki
好司 瀬崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2001190377A priority Critical patent/JP2003001638A/ja
Publication of JP2003001638A publication Critical patent/JP2003001638A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザービームプリンターあるいはファクシ
ミリなどの電子写真装置に用いられる管状ポリイミド成
形体に関し、工業的に安価に管状ポリイミド成形体を製
造すること。 【解決手段】 ポリイミド前駆体溶液を、内型と外型の
間に設けられた管状の空間に充填若しくは通過させ、該
内型若しくは該外型の少なくとも一方が通気性材料から
形成されており、通気性材料から形成されている型か
ら、内型と外型の間に設けられたポリイミド前駆体溶液
が管状に充填している空間に、ポリイミド前駆体を化学
的に硬化せしめる液体を滲出させることを特徴とする、
管状ポリイミド成形体の製造方法を示すことができる。
本発明によれば、管状ポリイミド成形体の製造が極めて
低コストかつ高生産性を有し、その結果、管状ポリイミ
ド成形体を極めて安価に提供することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリイミド樹脂か
らなる管状成形体の製造方法及び製造用成形型に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリイミド樹脂は、優れた耐熱性、寸法
安定性、機械強度、化学的安定性を有し、フレキシブル
プリント基板、耐熱電線絶縁材料等、種々の用途に使用
されている。また、その管状形成体は、例えば複写機や
レーザービームプリンターなどの電子写真装置におい
て、熱定着用ベルト、中間転写ベルト等へ応用されてい
る。以下、電子写真装置の熱定着用ベルトを例に挙げて
説明する。
【0003】従来、電子写真装置の定着装置としては、
加熱ローラー方式が一般的であった。しかし近年、加熱
ローラー方式に代わり、管状ポリイミド成形体を用いた
方式が注目されている。この方式は、薄膜管状ポリイミ
ド成形体の内側にヒーターを設け、ポリイミド層を介し
てヒーターと接触している紙上のトナー像を定着せしめ
るものである。この定着装置の利点としては、紙が薄膜
管状ポリイミド成形体を介してヒーターと接触している
ため、ローラーを加熱しなければならない加熱ローラー
方式に比べて、予備加熱する時間及び電力を低減でき、
装置の電源投入後、速やかに装置が使用可能な状態にな
る点にある。また、必要とするヒーターの熱容量も加熱
ローラー方式と比較して小さく、総じて消費電力の低減
にも繋がる技術である。
【0004】従来、管状ポリイミド成形体は、内塗り法
と外塗り法に大別される以下の方法で製造されていた。
【0005】内塗り法は、円筒状成形管の内面に液状原
料を塗布し、しかる後に加熱や減圧などの手法により溶
媒をある程度除去し半乾燥させた塗布膜に自己支持性を
発現させて、該成形管から塗布膜を剥離し、さらにイミ
ド化用成形管の外側に装着して加熱・イミド化を行う手
法である。
【0006】一方、外塗り法は、円筒状成形管の外面に
液状原料を塗布し、乾燥・イミド化を同一成形管上で行
う手法である。
【0007】いずれの方法においても最も困難な工程
は、塗布膜の厚みを保持したまま塗布膜に自己支持性を
発現させる工程である。従来は、加熱による溶媒除去で
塗布膜に自己支持性を発現させていたが、塗布膜を加熱
すればその粘度は著しく減少し液ダレが生じ、その結
果、ベルトに厚みムラが生じる。これを防ぐために、特
開平5−77252号公報では、円筒状成形管を高速で
回転させつつ加熱することで液ダレを防ぐ手法が開示さ
れている。また、特開2000−263568号公報で
は、実質的に無遠心力の速度で回転している円筒状成形
管の内面にポリイミド前駆体溶液を噴霧し、該成形管を
回転させつつ加熱・乾燥させる手法が開示されている。
【0008】しかしながら、上述の手段では乾燥工程に
要する装置が非常に高価になる上に、連続工程をとるこ
とができないため生産性が極めて低いという、欠点を有
する。そのため、従来の管状ポリイミド成形体の製法は
極めて高コストであり、従って管状ポリイミド成形体が
極めて高価となっていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塗布膜の厚
みを保持したまま塗布膜に自己支持性を発現させる工程
について鋭意研究した結果生み出されたものであり、極
めて低コストでありかつ高生産性を有する管状ポリイミ
ド成形体の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】検討の結果、上記目的を
達成する以下の発明を完成した。
【0011】すなわち、本発明は、成形型内の空間にポ
リイミド前駆体を導入し、該空間内で該ポリイミド前駆
体の少なくとも一部を化学的に硬化せしめる工程を含む
ポリイミド成形体の製造方法であって、該空間の壁面の
少なくとも一部が通気性材料からなる壁面であり、該ポ
リイミド前駆体を化学的に硬化せしめる液体を該通気性
材料からなる壁面から滲出させ該ポリイミド前駆体に導
入することを特徴とする、ポリイミド成形体の製造方法
である。
【0012】また、本発明は、成形型内の空間にポリイ
ミド前駆体を導入し、該空間内で該ポリイミド前駆体の
少なくとも一部を化学的に硬化せしめる工程を含む管状
ポリイミド成形体の製造方法であって、該空間の壁面の
少なくとも一部が通気性材料からなる壁面であり、該ポ
リイミド前駆体を化学的に硬化せしめる液体を該通気性
材料からなる壁面から滲出させ該ポリイミド前駆体に導
入することを特徴とする、管状ポリイミド成形体の製造
方法である。
【0013】上記発明の一つの実施態様において、前記
成形型は、外型と内型の雌雄合わせ型であり、該合わせ
型を型合わせして得られる該外型と該内型の間の筒状の
空間に前記ポリイミド前駆体を導入することを特徴とす
る。
【0014】なお、前記のポリイミド前駆体を化学的に
硬化せしめる液体は、好ましくは、少なくとも脂肪族酸
無水物または芳香族酸無水物のいずれか一方を含む。
【0015】また、他の側面において、本発明は以下の
成形型を提供する。
【0016】すなわち、型内の空間にポリイミド前駆体
を導入し、該空間内で該ポリイミド前駆体の少なくとも
一部を化学的に硬化せしめる、ポリイミド成形体の製造
用成形型であって、該空間の壁面の少なくとも一部が、
通気性材料からなる壁面であることを特徴とする、ポリ
イミド成形体の製造用成形型を提供する。
【0017】また、一つの実施態様において、前記成形
型は、外型と内型の雌雄合わせ型であり、該合わせ型を
型合わせした際に、該外型と該内型の間に前記ポリイミ
ド前駆体を導入する筒状の空間が形成されることを特徴
とする。
【0018】
【発明の実施の形態】一般的なポリイミド成形体の製造
工程は、大別すると次の4工程からなる。すなわち、
(1)有機溶媒中でポリアミック酸の重合反応を行って
ポリアミック酸の有機溶媒溶液(本明細書中において
は、この溶液をポリイミド前駆体という)を調製する工
程、(2)このポリイミド前駆体を略最終成形形状にな
るように成形型内の空間に充填もしくは支持体上に流延
または塗布する工程、(3)前記充填もしくは流延また
は塗布されたポリイミド前駆体が自己支持性を発現する
まで乾燥および/または硬化を行わせる工程、(4)有
機溶媒乾燥とイミド化を完結させる工程、である。な
お、(3)の工程における硬化とはイミド化反応をさ
し、イミド化反応を進める方法としては、熱的方法と化
学的方法がよく知られている。
【0019】本発明の製造方法においては、上記(2)
の工程においてポリイミド前駆体を成形型内の空間に導
入して充填する方式を採用する。また、上記(3)の工
程における硬化は、主として化学的な方法によりポリイ
ミド前駆体の少なくとも一部を硬化せしめる方法を採用
する。
【0020】なお、「化学的な方法によりポリイミド前
駆体の少なくとも一部を硬化」とは、ポリイミド前駆体
に含まれるポリアミック酸の単位の全部、もしくは一部
をイミド化することをさし、成形型内に充填されたポリ
イミド前駆体の局部的な硬化(イミド化)を意味する用
語ではない。
【0021】さらに、本発明においては、ポリイミド前
駆体を化学的に硬化せしめる液体を、前記成形型内の空
間の壁面に設けられた通気性材料からなる壁面から滲出
させ前記ポリイミド前駆体に導入することを特徴とす
る。
【0022】ポリイミド前駆体を化学的に硬化せしめる
液体とは、代表的には、ポリアミック酸に対する脱水閉
環剤であり、その主成分として、脂肪族酸無水物、芳香
族酸無水物、N,N′−ジアルキルカルボジイミド、低
級脂肪族ハロゲン化物、ハロゲン化低級脂肪族酸無水
物、アリールスルホン酸ジハロゲン化物、チオニルハロ
ゲン化物またはそれら2種類以上の混合物が、好ましく
用いうる。その中でも特に、脂肪族酸無水物及び芳香族
酸無水物が良好に作用するので好ましい。これらの化合
物を無溶剤で、もしくは有機溶媒に溶解して、ポリイミ
ド前駆体を化学的に硬化せしめる液体とする。
【0023】ポリイミド前駆体の硬化反応に触媒を作用
させる場合には、触媒を上記のポリイミド前駆体を化学
的に硬化せしめる液体に添加しても良い。また他の方法
として、ポリイミド前駆体に予め触媒を添加しておく方
法もある。また、これらの方法を併用しても良い。
【0024】触媒としては、脂肪族3級アミン、芳香族
3級アミン、複素環式3級アミン等が用いられる。その
中でも、特に、イソキノリン、βピコリン、ピリジンが
良好に作用する。
【0025】ポリイミド前駆体を化学的に硬化せしめる
液体を滲出させるために成形型内の空間の壁面に設けら
れた通気性材料からなる壁面とは、その表面の孔径が、
1μm以上100μm以下、好ましくは3μm以上50
μm以下であることがのぞましい。孔径が小さいと通気
性(通液性)が悪くなり、微細孔からポリイミド前駆体
を化学的に硬化せしめる液体を滲出させることが困難に
なるおそれがある。一方、孔径が大きいとポリイミド成
形体の表面性が悪化したり、アンカー効果で剥がれにく
くなるおそれがある。
【0026】また、ポリイミド前駆体を化学的に硬化せ
しめる液体中に異物が存在すると、通気性材料が目詰ま
りするおそれがあるため、少なくとも通気性材料の孔径
よりも目開きの細かいフィルターで液体をろ過して異物
を取り除くことが好ましい。
【0027】ポリイミド前駆体を化学的に硬化せしめる
液体を滲出させる工程は、成形型内の空間内にポリイミ
ド前駆体を充填し固定した状態で行う方法の他、ポリイ
ミド前駆体を該成形型内の空間中を移動させつつ行って
もよい。これらの操作と同時に、あるいはこれらの操作
の後、ポリイミド前駆体を加熱することも適宜選択され
うる。この際の加熱温度は、溶媒の沸点以下であること
が望ましく、実質的には30〜150℃の範囲内の加熱
が好ましい。
【0028】上記の工程を経たポリイミド前駆体は、成
形型内で少なくともその一部が化学的に硬化している。
硬化が完結していない場合、さらに硬化を進める操作
は、成形型内でそのまま行っても良いし、成形型から取
り外して別の型枠に固定して行っても良い。ポリイミド
前駆体中の有機溶媒の乾燥を効率的に行うためには、成
形型から取り外して、別の型枠に固定して加熱する方法
が好ましい。
【0029】管状ポリイミド成形体を製造する場合にお
ける好ましい成形型を、より具体的に説明すると、ポリ
イミド前駆体を導入する内部空間を有する成形型は、外
型と内型の雌雄合わせ型であり、好ましくは外型は円筒
状であり、内型は円柱状である。そして、外型の内径は
内型の外径より大きくして、型合わせした際に外型と内
型の間得られる空間が筒状空間となるようにする。この
筒状空間にポリイミド前駆体を導入し、その導入中また
は導入後に外型または内型もしくは両方に設けられた通
気性材料からなる壁面より、ポリイミド前駆体を硬化せ
しめる液体を導入する。ここで説明した具体例に使用す
る成形型と、その成形型にポリイミド前駆体を充填した
様子を図1に示す。
【0030】なお、図示していないが、必要に応じて成
型用型には、ポリイミド前駆体を導入する際のエア抜き
孔や、ポリイミド前駆体を硬化せしめる液体の圧力調整
機構を設けて良い。
【0031】ポリイミド前駆体を一部硬化せしめ、自己
支持性が得たれた後、一旦成形型より取り外し、円柱状
の型枠に管状体を嵌めて、その後の硬化の完結および溶
媒の乾燥を行う方法は、生産効率が良く好ましい実施態
様である。
【0032】硬化の完結および乾燥は加熱による方法が
好ましい。この際の温度条件としては特に限定されない
が、まず溶媒の沸点以下の温度で溶媒をある程度揮散さ
せ、次いでさらに200℃〜500℃程度の高い温度ま
で上昇させることで、溶媒、脱水閉環剤、触媒をほぼ完
全に揮散させるとともに、イミド化をさらに進行させる
方法が一例として挙げられる。
【0033】その後、円柱状の型枠から樹脂を取り外
し、目的の管状ポリイミド成形体を得ることができる。
なお円柱状の型枠は、もとの成形型の内型をそのまま使
用しても良く、その場合には成形体を一旦取り外す工程
を省略可能である。
【0034】本発明における管状ポリイミド成形体と
は、主にポリイミドからなるシームレスの中空状成型体
を意味し、本発明の製造方法や製造装置はその径や厚み
の大小を問わない。従ってベルトと呼ばれる事の多い大
口径のものにも、チューブと呼ばれる事の多い小径のも
のについても適用することができる。
【0035】本発明に係る通気性材料とは、通気性を有
していれば材料の種別を問わず、三次元網目構造を有す
る材料や、貫通孔を有する金属体などを用いることがで
きる。その中でも特に、微細な金属粒子を圧着および/
または焼成することで得られるポーラス金属や、通気性
セラミック、通気性カーボン、通気性耐熱ガラスが、得
られる成形体の表面特性などに良好な結果をもたらす。
また、通気性材料の表面に研磨やサンドブラスト加工な
どの物理的処理を施すことも適宜採用されうる。また、
通気性材料の通気性を確保できれば、ガラスコーティン
グやセラミックコーティングなどの表面処理をおこなっ
てもよい。さらには、型との剥離性を補助する目的で、
型の表面に離型剤を使用してもよい。
【0036】本発明に係る管状ポリイミド成形体の製造
方法において、ポリイミド前駆体とは、ポリアミック酸
を含む溶液であれば、その他の成分は特に限定されず、
最終的に得られる管状ポリイミド成形体の特性を制御す
るために、有機、無機材料を問わず、さまざまな材料を
導入することができる。例えば、抵抗値の制御の目的に
はカーボンブラックをはじめとする導電性無機粉体を樹
脂中に適量混合する方法が最も効果的である。カーボン
ブラック以外にも小径金属粒体、金属酸化物粒体、また
酸化チタンや各種無機粒体・ウイスカーを金属酸化物な
ど導電性物質で皮膜形成したもの等により、同様の効果
を得ることができる。さらには、LiCl等のイオン導
電性物質の添加も可能である。熱伝導性を制御する目的
には、例えば窒化アルミニウム、窒化ホウ素、アルミ
ナ、炭化珪素、珪素、シリカ、グラファイト等があげら
れる。なかでも、熱伝導機能が高く、離型効果を発揮
し、化学的に安定で、無害であるという点で、窒化ホウ
素が好ましい。
【0037】本発明に係る管状ポリイミド成形体の製造
方法において、ポリアミック酸は、例えば芳香族テトラ
カルボン酸成分とジアミン成分を有機極性溶媒中で重合
反応させて得られるものである。
【0038】芳香族テトラカルボン酸成分としては特に
制限はなく、例えば、ブタンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二
無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブ
タンテトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロペンタ
ンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボ
キシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカ
ルボキシノルボナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,
5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、5
−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチ
ル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水
物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,
3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族また
は脂環式テトラカルボン酸二無水物;ピロメリット酸二
無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルス
ルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナ
フタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−
ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,
4′−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、
3,3′,4,4′−ジメチルジフェニルシランテトラ
カルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−テトラフェ
ニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4
−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4′−ビス
(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフ
ィド二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4′−
ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプ
ロパン二無水物、3,3′,4,4′−パーフルオロイ
ソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3′,4,
4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フ
タル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−
フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、
m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水
物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4′−ジフェ
ニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)
−4,4′−ジフェニルメタン二無水物等の芳香族テト
ラカルボン酸二無水物;1,3,3a,4,5,9b−
ヘキサヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナ
フト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,
3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5−
(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−
ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,
3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−
5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニ
ル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン等
の芳香環を有する脂肪族テトラカルボン酸二無水物等を
挙げることができる。これらのテトラカルボン酸二無水
物は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることが
できる。
【0039】次に用いられるジアミンは、ジアミンであ
れば特に限定されないが、例えば、p−フェニレンジア
ミン、m−フェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジ
フェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルエタ
ン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′
−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノ
ジフェニルスルフォン、1,5−ジアミノナフタレン、
3,3−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、5
−アミノ−1−(4′−アミノフェニル)−1,3,3
−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4′−アミ
ノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、4,
4′−ジアミノベンズアニリド、3,5−ジアミノ−
3′−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,5−ジ
アミノ−4′−トリフルオロメチルベンズアニリド、
3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、2,7−ジア
ミノフルオレン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)
ヘキサフルオロプロパン、4,4′−メチレン−ビス
(2−クロロアニリン)、2,2′,5,5′−テトラ
クロロ−4,4′−ジアミノビフェニル、2,2′−ジ
クロロ−4,4′−ジアミノ−5,5′−ジメトキシビ
フェニル、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノ
ビフェニル、4,4′−ジアミノ−2,2′−ビス(ト
リフルオロメチル)ビフェニル、2,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2
−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキ
サフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノ
キシ)ベンゼン、4,4′−ビス(4−アミノフェノキ
シ)−ビフェニル、1,3′−ビス(4−アミノフェノ
キシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)
フルオレン、4,4′−(p−フェニレンイソプロピリ
デン)ビスアニリン、4,4′−(m−フェニレンイソ
プロピリデン)ビスアニリン、2,2′−ビス[4−
(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フ
ェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4′−ビス[4
−(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキ
シ]−オクタフルオロビフェニル等の芳香族ジアミン;
ジアミノテトラフェニルチオフェン等の芳香環に結合さ
れた2個のアミノ基と当該アミノ基の窒素原子以外のヘ
テロ原子を有する芳香族ジアミン;1,1−メタキシリ
レンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチ
レンジアミン、ペンタメチレンジアミン、オクタメチレ
ンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノ
ヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキ
サン、イソフォロンジアミン、テトラヒドロジシクロペ
ンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタ
ノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6,
2,1,02.7]−ウンデシレンジメチルジアミン、
4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等の
脂肪族ジアミンおよび脂環式ジアミン等を挙げることが
できる。これらのジアミン化合物は単独でまたは2種以
上組み合わせて用いることができる。ジアミンは、芳香
族ジアミンを用いることが好ましいが、特に限定される
ものではない。
【0040】ここで該ポリアミック酸の生成反応に使用
される有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホ
キシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶
媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチル
ホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメ
チルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなど
のアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、
N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、
フェノール、o−、m−、またはp−クレゾール、キシ
レノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフ
ェノール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジ
オキソラン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノー
ル、ブタノール等のアルコール系溶媒、ブチルセロソル
ブ等のセロソルブ系あるいはヘキサメチルホスホルアミ
ド、γ−ブチロラクトンなどをあげることができ、これ
らを単独または混合物として用いるのが望ましいが、更
にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素も使用
可能である。溶媒は、ポリアミック酸を溶解するもので
あれば特に限定されない。また、水は、ポリアミック酸
の分解を促進するため、可能な限り除去されねばならな
い。
【0041】次に管状ポリイミド成形体を製造する具体
的方法について一例を示す。
【0042】芳香族テトラカルボン酸成分とジアミン成
分を有機溶媒中で重合反応させて得られたポリイミド前
駆体に、無機紛体をポリイミド前駆体の乾燥重量100
重量部に対して5〜60重量部含有せしめる。この際、
該ポリイミド前駆体に触媒を適量混入せしめることも適
宜選択され得る。無機紛体を含有せしめる手法として
は、有機溶媒中に無機紛体を混入せしめ、しかる後に該
有機溶媒中でモノマーを重合反応させる方法、重合反応
の途中段階もしくは反応終了後に溶液に無機紛体もしく
はその分散液を混入せしめる方法が挙げられる。無機紛
体を分散させ、その凝集体のサイズを縮小する手法とし
ては、ミキサーや攪拌子による攪拌、平行ロール、超音
波分散、ボールミルなどの物理的手法、さらには分散剤
の導入などの化学的手法が例示されるが、これらに限定
されるものではない。
【0043】上述の手段で得られたポリイミド前駆体
を、流延、押し出しなどの手法で、内型と外型の間に設
けられた管状の空間に導入する。次に、通気性材料から
なる、内型若しくは外型から、ポリイミド前駆体を化学
的に硬化せしめる液体を滲出させることで、ポリイミド
前駆体を硬化させ、自己支持性を有する筒状膜へ転化さ
せる。
【0044】
【実施例】次に、本発明に係わる管状ポリイミド成形体
の製造方法を実施例により詳しく説明する。
【0045】(実施例1)攪拌翼がついた容器に、モレ
キュラーシーブにて十分に脱水したジメチルホルムアミ
ド(DMF)を1500g入れ、4、4′−ジアミノジ
フェニルエーテル200gを加え、完全に溶解するまで
攪拌した。この系を約0℃に冷却し、ピロメリット酸二
無水物218gを徐々に加え、よく攪拌した。系の粘度
が約3×102Pa・sになったところで攪拌を停止
し、ポリイミド前駆体を得た。
【0046】次に石原産業社製金属フィラーFT−20
00 60gとDMF300gを別の容器に入れ、よく
攪拌し、さらに超音波分散機にかけることで分散液中の
金属フィラーを均一に分散させた。また、さらに別の容
器に三菱化学社製カーボンブラック3030Bを15g
とDMF300gを入れよく攪拌し、超音波分散機にか
けた。
【0047】上記で得られた金属フィラー分散液とカー
ボンブラック分散液を、同一のビーカー中にそれぞれ9
8gおよび45g採取し、よく攪拌した。このビーカー
中に、上記で得られたポリイミド前駆体300gを溶か
し入れ、さらによく攪拌した。このようにして、ポリイ
ミド前駆体の乾燥重量100重量部に対して、金属フィ
ラー約25重量部、カーボンブラック約3重量部含有す
る混合溶液を得た。さらにこの溶液に、15gのイソキ
ノリンを触媒として混ぜ入れることで、ポリイミド前駆
体を調製した。
【0048】このようにして得られたポリイミド前駆体
を、外表面における平均細孔径5μmの通気性金属から
なる内径70mmφ外径80mmφ長さ500mmの内
型を、内径81.4mmφ外径90mmφ長さ500m
mのSUS製外型に挿入して得られる、幅0.7mm内
径80mmφ長さ500mmの筒状空間に充填した。上
述の筒状空間に均一にポリイミド前駆体が充填された
後、内型の片端開放部を密閉し、他端開放部から無水酢
酸:DMF=5:1であるポリイミド前駆体を化学的に
硬化せしめる液体を、圧縮空気を用いて導入すること
で、内型がポリイミド前駆体と接している面から、上述
のポリイミド前駆体を化学的に硬化せしめる液体を滲出
させた。この際の液温は21℃であった。
【0049】10分放置後、外型を取り外し、内型と半
硬化状態にある筒状膜を、100℃に設定したオーブン
に投入し10分間加熱した。次いで、100℃から38
0℃まで100℃から380℃まで、約30分かけて昇
温することで、イミド転化反応を進行させた。その後、
金型を室温で放冷し、該内型から樹脂を取り外し、目的
の管状ポリイミド成形体を得た。
【0050】以上、本発明に係わる管状ポリイミド成形
体について説明したが、本発明は上述の形態に限定され
るものではない。例示するまでもなく記述した範囲内で
種々の変形を加えた態様で実施できるものである。
【0051】
【発明の効果】本発明に係る管状ポリイミド成形体の製
造方法ならびに管状ポリイミド成形体の製造用成形型
は、以上説明したように、極めて簡便な手法で、成形型
内のポリイミド前駆体に、ポリイミド前駆体を硬化せし
める液体を導入することができる。そのため、管状ポリ
イミド成形体の製造が容易になり、管状ポリイミド成形
体の製造コストを激減させることが可能となる。
【0052】このように、この種の従来例に存した課題
がほとんど解決される等、本発明の発揮する効果は、顕
著にして大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリイミド前駆体を化学的に硬化させる液体滲
出の一例の模式図である。
【符号の説明】
1 通気性金型からなる内型 2 ポリイミド前駆体 3 外型 4 ポリイミド前駆体を化学的に硬化させる液体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 79:08 C08L 79:08 A Fターム(参考) 4F071 AA60 AB03 AB06 AC09 AC19 AD02 AE02 BB01 BC05 4F203 AA40 AG08 AK01 DA12 DB01 DC02 DC23 DK01 DL14 DM03 DM08 DM23 4F204 AA40 AB03 AG08 AH33 AJ11 EA03 EA04 EB01 EF02 EF23 EK17 EK24

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形型内の空間にポリイミド前駆体を導
    入し、該空間内で該ポリイミド前駆体の少なくとも一部
    を化学的に硬化せしめる工程を含むポリイミド成形体の
    製造方法であって、該空間の壁面の少なくとも一部が通
    気性材料からなる壁面であり、該ポリイミド前駆体を化
    学的に硬化せしめる液体を該通気性材料からなる壁面か
    ら滲出させ該ポリイミド前駆体に導入することを特徴と
    する、ポリイミド成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 成形型内の空間にポリイミド前駆体を導
    入し、該空間内で該ポリイミド前駆体の少なくとも一部
    を化学的に硬化せしめる工程を含む管状ポリイミド成形
    体の製造方法であって、該空間の壁面の少なくとも一部
    が通気性材料からなる壁面であり、該ポリイミド前駆体
    を化学的に硬化せしめる液体を該通気性材料からなる壁
    面から滲出させ該ポリイミド前駆体に導入することを特
    徴とする、管状ポリイミド成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記成形型が、外型と内型の雌雄合わせ
    型であり、該合わせ型を型合わせして得られる該外型と
    該内型の間の筒状の空間に前記ポリイミド前駆体を導入
    することを特徴とする、請求項2に記載の管状ポリイミ
    ド成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリイミド前駆体を化学的に硬化せしめ
    る液体が、少なくとも脂肪族酸無水物または芳香族酸無
    水物のいずれか一方を含むことを特徴とする、請求項1
    〜3のいずれかに記載のポリイミド成形体の製造方法。
  5. 【請求項5】 型内の空間にポリイミド前駆体を導入
    し、該空間内で該ポリイミド前駆体の少なくとも一部を
    化学的に硬化せしめる、ポリイミド成形体の製造用成形
    型であって、該空間の壁面の少なくとも一部が、通気性
    材料からなる壁面であることを特徴とする、ポリイミド
    成形体の製造用成形型。
  6. 【請求項6】 前記成形型が、外型と内型の雌雄合わせ
    型であり、該合わせ型を型合わせした際に、該外型と該
    内型の間に前記ポリイミド前駆体を導入する筒状の空間
    が形成されることを特徴とする、請求項5に記載のポリ
    イミド成形体の製造用成形型。
JP2001190377A 2001-06-22 2001-06-22 ポリイミド成形体の製造方法 Pending JP2003001638A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001190377A JP2003001638A (ja) 2001-06-22 2001-06-22 ポリイミド成形体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001190377A JP2003001638A (ja) 2001-06-22 2001-06-22 ポリイミド成形体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003001638A true JP2003001638A (ja) 2003-01-08

Family

ID=19029155

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001190377A Pending JP2003001638A (ja) 2001-06-22 2001-06-22 ポリイミド成形体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003001638A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6865687B2 (ja) 気孔を有する粒子を用いたポリイミドフィルムの製造方法および低誘電率のポリイミドフィルム
JP5347306B2 (ja) シームレスベルト
JP5900868B2 (ja) 多孔質ポリイミドおよびその製造方法
CN112955497B (zh) 具有改善的尺寸稳定性的超薄聚酰亚胺薄膜及其制备方法
CN106750434B (zh) 一种聚酰亚胺多孔薄膜的制备方法
JP2005146243A (ja) 樹脂複合多孔質材料
CN113166451A (zh) 包括两组以上具有不同粒径的填料的聚酰亚胺膜及包括其的电子设备
JP2007090770A (ja) 芳香族ポリイミドフィルム及び該ポリイミドフィルムの製造方法
JP2010085450A (ja) シームレスベルトおよびシームレスベルトの製造方法
JP2003001638A (ja) ポリイミド成形体の製造方法
JP2004291440A (ja) ポリイミド管状成形体の製造方法
JP2002283366A (ja) ポリイミドベルトの製造方法
US20030090031A1 (en) Method and apparatus for producing polyimide molding
JP2003001628A (ja) ポリイミド管状体の製造方法
JP2003053742A (ja) ポリイミド管状体の製造方法及びポリイミド管状体製造装置
JP2003001651A (ja) ポリイミド管状体の製造方法及びポリイミド管状体製造装置
JP2004161821A (ja) ポリイミド管状成形体
JP2002127165A (ja) ポリイミド成型体の製造方法
JP2004217848A (ja) ポリイミド管状成形体の製造方法
JP2004148706A (ja) ポリイミド筒状体の製造方法
JP2002240063A (ja) ポリイミドベルト及びその製造方法
JP4449612B2 (ja) 多孔性炭素膜形成用組成物及び多孔性炭素膜の形成方法
JP2003320523A (ja) ポリイミド成型体の製造方法及びポリイミド成型体製造用装置
JP2002137308A (ja) ポリイミドベルトの製造方法
JP2002178344A (ja) ポリイミドベルトの製造方法