JP2004157221A - 電子写真装置用無端ベルト - Google Patents

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Masami Yanagida
Tomohiro Ozuru
智博 大▲づる▼
Hitoshi Nojiri
仁志 野尻
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Abstract

【課題】レーザービームプリンターあるいはファクシミリなどの電子写真装置に用いられる電子写真装置用無端ベルトに関し、トナーのクリーニング性を向上させた電子写真装置用無端ベルトを提供することにある。
【解決手段】ポリイミド樹脂を含有してなる電子写真装置の中間転写体として用いられる無端ベルトであって、外表面における水の静的接触角が80°以上、かつ、外表面における動摩擦係数が0.40以下であることを特徴とする、電子写真装置用無端ベルトである。本発明の電子写真装置用無端ベルトは、トナーのクリーニング性が著しく向上しており、電子写真装置用無端ベルトとして極めて好適に使用可能となる。
【選択図】 無し

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ、これらの複合装置などに代表される電子写真装置に用いる無端ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真装置は、導電性材料からなる感光体上に一様な電荷を形成し、画像信号を変調したレーザー光などで静電潜像を形成した後、帯電したトナーにより静電潜像を現像してトナー像とする。次いでこのトナー像を直接または中間転写体を介して用紙などの記録媒体に転写することにより所望の画像を得る装置である。
【0003】
ここで、感光体上のトナー像を中間転写体に一次転写し、次いで中間転写体上のトナー像を紙などの記録媒体へ二次転写する方法、即ち中間転写方式を採用した電子写真装置に用いられる中間転写体材料は、例えば、ポリフッ化ビニリデン(例えば、特許文献1参照)、ポリカーボネート(例えば、特許文献2参照)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体とポリカーボネートとのブレンド(例えば、特許文献3参照)などの熱可塑性樹脂にカーボンブラック等の導電剤を分散させた導電性樹脂無端ベルトが開示されている。
【0004】
しかしながら上記中間転写体材料では、機械強度不足によるクラック発生や、駆動時の中間転写体の負荷で変形し、良好な転写画像が得られない問題があった。この問題を解決するために、高い機械強度を有するポリイミド樹脂を中間転写体材料として用いることが、例えば、特許文献4に提案されている。
【0005】
ところで、中間転写体材料に要求される特性の一つに、トナーのクリーニング性が挙げられる。トナーのクリーニング性は、トナーの剥離性と、中間転写体に接触するクリーニングブレードの滑り性に大きく影響され、それらが高い程トナーの剥離性が良いとされている。
【0006】
しかしながら、ポリイミド樹脂は一般に表面自由エネルギーが高く、そのため、ポリイミド樹脂を含む中間転写体はトナーの剥離性に劣るという問題があった。また同時に、ポリイミド樹脂は動摩擦係数も高く、そのため、ポリイミド樹脂を含む中間転写体は、クリーニングブレードの滑り性が低い傾向があった。これらの点から、ポリイミド樹脂を含む中間転写体は、トナーのクリーニング性に劣るという問題が顕在化していた。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−200904号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平3−89357号公報
【0009】
【特許文献3】
特開平6−149083号公報
【0010】
【特許文献4】
特開平10−171265号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、トナーの剥離性やクリーニングブレードの滑り性を改善し、電子写真装置の中間転写用若しくは定着用又はその両方の用途に良好に用いられうる電子写真装置用無端ベルトを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリイミドを含有してなる無端ベルトの外表面における水の静的接触角及び動摩擦係数が、一定範囲に制御された無端ベルトを電子写真装置用無端ベルトとして用いることにより、トナーの剥離性やクリーニングブレードの滑り性を著しく向上せしめ、電子写真装置用無端ベルトとして極めて良好に用いることが可能なことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
即ち、本発明は、ポリイミド樹脂を含有してなる電子写真装置の中間転写体として用いられる無端ベルトであって、外表面における水の静的接触角が80°以上、かつ、外表面における動摩擦係数が0.40以下であることを特徴とする、電子写真装置用無端ベルトに関する。
【0014】
好ましい実施態様は、単層構造であることを特徴とする、前記の電子写真装置用無端ベルトに関する。
【0015】
更に好ましい実施態様は、フッ素樹脂を分散してなることを特徴とする、前記いずれかに記載の電子写真装置用無端ベルトに関する。
【0016】
更に好ましい実施態様は、フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体から選ばれる、少なくとも1種以上の樹脂を含むことを特徴とする、前記いずれかに記載の電子写真装置用無端ベルトに関する。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の電子写真装置用無端ベルトに係る実施の形態をより詳しく説明する。
【0018】
本発明は、電子写真複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ、若しくはこれらの複合装置などの電子写真装置に用いる無端ベルトに関する。詳しくは、本発明の電子写真装置用無端ベルトは、その転写方式が中間転写方式であれば、組み込まれる装置は特に限定されない。例えば、装置内に単色(通常は黒色)のみを有するモノカラー電子写真装置や、感光体上に担持されたトナー像を中間転写体に順次一次転写を繰り返すカラー電子写真装置や、各色毎の現像器を備えた複数の潜像担持体を中間転写体上に直列に配列した、タンデム型カラー電子写真装置のいずれであってもよい。
【0019】
本発明に係る電子写真装置用無端ベルトは、樹脂の主成分がポリイミドであることが重要である。ここで、樹脂の主成分とは、全樹脂成分中、ポリイミドが50重量%以上であることを言い、更には70重量%以上であることが好ましい。
ポリイミドは、ポリアミック酸の硬化反応により得られるものであり、ポリアミック酸は、酸二無水物成分、好ましくは芳香族テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分とを有機極性溶媒中で重合反応させて得られるものである。
【0020】
テトラカルボン酸二無水物成分としては特に制限はなく、例えば、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族または脂環式テトラカルボン酸二無水物;ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3′,4,4′−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4′−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4′−ジフェニルメタン二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物;1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン等の芳香環を有する脂肪族テトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。これらのテトラカルボン酸二無水物は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。単独で用いる場合には、ピロメリット酸二無水物若しくはビフェニルテトラカルボン酸類二無水物が機械強度を好適な範囲に制御しやすいので好ましく、2種以上組み合わせて用いる場合においても、全酸二無水物成分を基準として50モル%以上のピロメリット酸二無水物若しくは50モル%以上のビフェニルテトラカルボン酸類二無水物を用いることが好ましい。上記ビフェニルテトラカルボン酸類二無水物は、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、若しくは、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が特に好ましい。
【0021】
次に用いられるジアミン成分は、ジアミンであれば特に限定されないが、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルエタン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノジフェニルスルフォン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4′−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4′−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、4,4′−ジアミノベンズアニリド、3,5−ジアミノ−3′−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,5−ジアミノ−4′−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、2,7−ジアミノフルオレン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4′−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2′,5,5′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノビフェニル、2,2′−ジクロロ−4,4′−ジアミノ−5,5′−ジメトキシビフェニル、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、4,4′−ジアミノ−2,2′−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)−ビフェニル、1,3′−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4′−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4′−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2′−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4′−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル等の芳香族ジアミン;ジアミノテトラフェニルチオフェン等の芳香環に結合された2個のアミノ基と当該アミノ基の窒素原子以外のヘテロ原子を有する芳香族ジアミン;1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソフォロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6,2,1,02.7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等の脂肪族ジアミンおよび脂環式ジアミン等を挙げることができる。これらのジアミン化合物は単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。単独で用いる場合には、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル若しくはフェニレンジアミン類が機械強度を好適な範囲に制御しやすいので好ましく、2種以上組み合わせて用いる場合においても、全ジアミン成分を基準として50モル%以上の4,4′−ジアミノジフェニルエーテル若しくは50モル%以上のフェニレンジアミン類を用いることが好ましい。上記フェニレンジアミン類は、p−フェニレンジアミン、若しくは、m−フェニレンジアミンが特に好ましい。
【0022】
ここで該ポリアミック酸の重合反応に使用される有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−、またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどをあげることができ、これらを単独または混合物として用いるのが望ましいが、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素も使用可能である。溶媒は、ポリアミック酸を溶解するものであれば特に限定されない。また、水は、ポリアミック酸の分解を促進するため、可能な限り除去されねばならない。
【0023】
ポリアミック酸の硬化反応は、熱による方法、ポリアミック酸を含む原料溶液中に触媒及び硬化剤を導入する方法、光による方法など、従来既知の方法を好適に用いることができる。しかしながら、生産性向上や、弾性率などのその他物性を好適に制御できることから、ポリアミック酸を含む原料溶液中に触媒及び硬化剤を導入する方法を、硬化反応の少なくとも一部に導入することが好ましい。触媒及び硬化剤を、ポリアミック酸を含む原料溶液中に導入する方法は特に限定されず、原料溶液中に触媒及び硬化剤を混練する方法、原料溶液中に触媒のみを混練した後、硬化剤若しくは硬化剤を含む溶液を噴霧、塗布、浸漬などの方法で原料溶液に接触させる方法、原料溶液に触媒と硬化剤を含む溶液を接触させる方法などが挙げられる。
【0024】
ここでいう硬化剤とは、ポリアミック酸に対する脱水閉環剤であれば制限無く用いることが可能で、例えばその主成分として、脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物、N,N′−ジアルキルカルボジイミド、低級脂肪族ハロゲン化物、ハロゲン化低級脂肪族酸無水物、アリールスルホン酸ジハロゲン化物、チオニルハロゲン化物またはそれら2種類以上の混合物が、好ましく用いうる。その中でも特に、脂肪族酸無水物及び芳香族酸無水物が良好に作用する。
【0025】
また、ここでいう触媒とは硬化剤のポリアミック酸に対する脱水閉環作用を促進する効果を有する成分であり、その主成分として、脂肪族3級アミン、芳香族3級アミン、複素環式3級アミンが好ましく例示されうる。そのうち、イミダゾ−ル、ベンズイミダゾ−ル、イソキノリン、キノリン、またはβ−ピコリンなどの置換ピリジンなどの置換もしくは非置換の含窒素複素環化合物であることが好ましい。
【0026】
さらに、硬化剤及び触媒を含有する溶液中に、有機極性溶媒を導入することも適宜選択され得る。
【0027】
電子写真装置用無端ベルトにおけるトナーの剥離性及びクリーニングブレードの滑り性は、それらが高い程、トナーのクリーニング性が良い。トナーの剥離性及びクリーニングブレードの滑り性を向上せしめるためには、外表面の表面自由エネルギー及び動摩擦係数を低減する方法が極めて効果的である。
【0028】
表面自由エネルギーは、水の静的接触角を測定することでその高低を見積もることができ、水の静的接触角が大きいほど、表面自由エネルギーが低い関係を有する。実用的なトナーの剥離性を考慮した場合、当該電子写真装置用無端ベルト外表面における水に対する静的接触角が、80°以上、更には90°以上であることで、トナーの剥離性をより好ましく向上せしめることが可能となる。
【0029】
本発明に係る水の静的接触角とは、試験片を23℃、55%RHの雰囲気に24時間静置した後、同雰囲気下において、試験片表面に蒸留水20μLを滴下して、その接触角度を、例えば、協和界面科学社製の静的接触角計CA−DT型を用いて1分後の値を直読することにより測定される値である。
【0030】
動摩擦係数に関しては、実用的には、当該電子写真装置用無端ベルト外表面の動摩擦係数が0.40以下であることで、良好なトナーのクリーニング性を実現することが可能である。動摩擦係数の下限は特に規定されないが、実質的な下限としては、0.10である。
【0031】
本発明に係る動摩擦係数とは、JIS K7125に準じた以下の方法で得られるものである。即ち、滑り片の接触面にJIS L3201に規定されたフェルトを接着する代わりに、電子写真装置用無端ベルトから切り出した同面積の試験片を平滑に固定することを除いて、JIS K7125に従って得られる値である。従って、得られる動摩擦係数は、電子写真装置用無端ベルトの外面同士の動摩擦係数となる。
【0032】
電子写真装置用無端ベルトの外表面の動摩擦係数を所定の範囲内に設定する方法は特に限定されず、該無端ベルトの外表面にフッ素樹脂を塗布した複数層構造とする方法、該無端ベルト中にフッ素樹脂を分散せしめる方法など、従来既知の方法を用いることができる。しかしながら、長期運転におけるフッ素樹脂層の剥離等を考慮すると、単層構造とする方法が特に好ましい。そのため、電子写真装置用無端ベルト中にフッ素樹脂を分散せしめることで、特に好ましく目的が達成されうる。ここでいう単層構造とは、電子写真装置用無端ベルトの厚み方向において、明確な界面が存在しない構造のことを指す。従って、電子写真装置用無端ベルトの厚み方向において、フッ素樹脂やその他電子写真装置用無端ベルトの性能を規定する添加物の濃度が、連続的に変化する構造であっても構わない。
【0033】
上記電子写真装置用無端ベルト中にフッ素樹脂を分散せしめる方法は特に限定されず、ポリアミック酸溶液とフッ素樹脂若しくはフッ素樹脂の分散液を混合する方法、フッ素樹脂の分散液中で、ポリアミック酸の重合反応を行う方法などが例示されうる。フッ素樹脂が溶剤に可溶である場合、当然、分散液の代わりに溶媒を用いることとなるが、特に問題なく使用できる。
【0034】
上記フッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレンなど、その分子中にフッ素原子を有する重合体であれば、問題なく使用可能である。しかしながら、電子写真装置用無端ベルト焼成のために与えられる熱に耐えうることや、耐磨耗性などの観点から、フッ素樹脂が、少なくともポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体から選ばれる、少なくとも1種以上の樹脂を含むことで、特に好ましく目的が達成されうる。
【0035】
フッ素樹脂の導入量は、多すぎると最終的に得られる電子写真装置用無端ベルトの機械特性が低下する恐れがあり、逆に少なすぎると該無端ベルトの動摩擦係数を好適な範囲に制御できない恐れがある。上記要請から、ポリイミド樹脂の乾燥重量100重量部に対して、フッ素樹脂が、3〜50重量部、更には5〜40重量部導入されていることが好ましい。
【0036】
本発明に係る電子写真装置用無端ベルトは、ポリイミド樹脂を含めば、その他の成分は特に限定されず、最終的に得られる電子写真装置用無端ベルトの特性を制御するために、有機若しくは無機材料を問わず、さまざまな材料を含有することができる。例えば、抵抗値の制御の目的には、カーボンブラックをはじめとする導電性無機粉体を樹脂中に適量混合する方法が最も効果的である。カーボンブラック以外にも小径金属粒体、金属酸化物粒体、また酸化チタンや各種無機粒体・ウイスカーを金属酸化物など導電性物質で皮膜形成したもの等でも同様の効果を得ることができる。さらには、LiCl等のイオン導電性物質の添加も可能である。熱伝導性を制御する目的には、例えば窒化アルミニウム、窒化ホウ素、アルミナ、炭化珪素、珪素、シリカ、グラファイト等を用いることができる。中でも、熱伝導機能が高く、離型効果を発揮し、化学的に安定で、無害であるという点で、窒化ホウ素が特に好ましい。導入される無機粉体の量は、少なすぎるとその効果を十分に発揮できない恐れがあり、多すぎると電子写真装置用無端ベルトの機械特性を著しく低下せしめる恐れがある。そのため、電子写真装置用無端ベルトに導入される無機粉体の量は、ポリイミド樹脂100重量部に対し、3〜90重量部、好ましくは5〜80重量部、より好ましくは10〜70重量部であることで、得られる電子写真装置用無端ベルトの特性を好適に制御しうる。
【0037】
また、本発明に係る電子写真装置用無端ベルトとは、中空状成形体を意味し、その径や厚みの大小を問わない。従ってベルトと呼ばれる事の多い大口径のものにも、チューブと呼ばれる事の多い小口径のものについても適用することができる。また、シームレスの成形体であっても、フィルムを重ねあわせや突き合わせの手段を用いつなぎ合わせ中空状成形体としたものについても適用することができる。但し、本発明の電子写真装置用無端ベルトを、例えば電子写真装置の中間転写体として用いる場合には、微細な段差であっても画質の低下に繋がるおそれがあるため、フィルムの重ね合わせや突き合わせの手段でつなぎ合わせた無端ベルトよりもシームレスの成形体の方が好ましい。
【0038】
電子写真装置用無端ベルトの厚さは、厚すぎると靭性が著しく低下するため好ましくなく、薄すぎると座屈が発生しやすくなるため好ましくない。この要請から、本発明の電子写真装置用無端ベルトの厚さは、50〜150μm、より好ましくは60〜100μmであることで、電子写真装置用無端ベルトとして良好に用いることができる。電子写真装置用無端ベルトの厚さは、例えば、マイクロゲージ等を用いて容易に測定できる。
【0039】
本発明に係る電子写真装置用無端ベルトの体積抵抗率は、その用途を考慮すると10〜1011Ω・cmであることが好ましい。該無端ベルトをレーザービームプリンターの中間転写体として用いた場合、体積抵抗率が上記範囲より小さすぎると白抜けが発生し、また、逆に大きすぎると転写チリが発生するため好ましくない。
【0040】
同様に、本発明に係る電子写真装置用無端ベルトの表面抵抗率は、その用途を考慮すると10〜1012Ω/□であることが好ましい。該無端ベルトをレーザービームプリンターの中間転写体として用いた場合、表面抵抗率が上記範囲より小さすぎると白抜けが発生し、また、逆に大きすぎると転写チリが発生するため好ましくない。
【0041】
また、電子写真装置用無端ベルトの表面粗さを小さくすることを目的として、表面を研磨することも適宜選択されうる。
【0042】
次に電子写真装置用無端ベルトを製造する具体的方法について、一例を示して説明する。
【0043】
テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分を有機溶媒中で重合反応させてポリイミド樹脂前駆体酸溶液、すなわちポリアミック酸溶液を調製する。この場合、前述した理由により、50モル%以上のピロメリット酸二無水物若しくは50モル%以上のビフェニルテトラカルボン酸類二無水物と、50モル%以上の4,4′−ジアミノジフェニルエーテル若しくは50モル%以上のフェニレンジアミン類を含むジアミン成分とを反応させて得たポリアミック酸が好ましい。
【0044】
またこの際、該溶液に針状フィラーやカーボンブラックをはじめとする無機粉体を適量混入せしめることも適宜選択され得る。針状フィラー、無機紛体等の添加物を混入せしめる手法としては、有機溶媒中に添加物を混入せしめ、しかる後に該有機溶媒中で上記成分を重合反応せしめる方法、重合反応の途中段階もしくは反応終了後の溶液に前記添加物もしくはその分散液を混入せしめる方法等が挙げられる。針状フィラーや無機紛体を分散させ、その凝集体のサイズを縮小化する手法としては、ミキサーや攪拌子による攪拌、平行ロール、超音波分散、ボールミルなどの物理的手法、さらには分散剤の導入などの化学的手法が例示されうるが、これらに限定されるものではない。
【0045】
このようにして得られたポリアミック酸を含有する有機溶媒溶液と、フッ素樹脂を混合する。その方法については特に限定されず、フッ素樹脂の有機溶媒分散液中若しくは有機溶媒溶液中でポリアミック酸の重合反応を行う方法、重合反応の途中段階もしくは反応終了後の溶液にフッ素樹脂の有機溶媒分散液若しくは有機溶媒溶液を混入せしめる方法が挙げられる。ポリアミック酸を含有する有機溶媒溶液とフッ素樹脂の有機溶媒分散液若しくは有機溶媒溶液を均一混合する方法については、ミキサーや攪拌子による攪拌、平行ロール、超音波分散、ボールミルなど従来既知の方法を好適に用いることができる。
【0046】
電子写真装置用無端ベルトの表面にフッ素樹脂層を設ける場合は、ポリアミック酸を含有する有機溶媒溶液とフッ素樹脂を混合する工程を省略することが可能である。フッ素樹脂層を設ける手段としては、フッ素樹脂分散液若しくは溶液を、電子写真装置用無端ベルトの表面にスプレーや浸漬などの方法で塗布することが挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0047】
上述の手段で得られた電子写真装置用無端ベルト原料を、筒状やフィルム状に成形する。電子写真装置用無端ベルト原料をその形状に成形する方法は特に限定されず、電子写真装置用無端ベルト原料をダイスから押し出す方法、金型を電子写真装置用無端ベルト原料に浸漬する方法、該原料を円筒状塗布型に噴霧する方法等が挙げられる。さらに、筒状の場合には、遠心力を応用して筒状塗布膜の厚みを一定化させる、所謂遠心成形法も用いることができる。この工程で電子写真装置用無端ベルト原料を100℃程度、実質的には70℃〜140℃の温度範囲で加熱することで、硬化反応を促進させることも適宜選択されうる。
【0048】
上記硬化反応は、熱のみで行う方法や、触媒及び硬化剤を用いる方法、光照射による方法等を単独で、若しくは併用して行うことができる。
【0049】
上述のプロセスを経て自己支持性が発現し半硬化状態になった塗布膜を、さらに加熱することにより、溶媒を除去するとともに硬化反応をほぼ完全に終了させる。加熱の工程は、樹脂の収縮に起因する厚みムラや成形不良を防ぐため、筒状に成形した場合は、筒状塗布膜の内部に円筒若しくは円柱成形型を挿入することが好ましく、また、フィルム状に成形した場合は、平面方向にある張力を掛けた状態で加熱することが好ましい。フィルム状に成形した場合は、適当な大きさにスリットし、その端部を重ね合わせや突き合わせにより筒状に加工する。
【0050】
このようにして、目的の電子写真装置用無端ベルトを得ることができる。
【0051】
【実施例】
本発明に係る実施例を以下に説明する。
【0052】
(実施例1)
攪拌翼がついた容器に、モレキュラーシーブにて十分に脱水したジメチルホルムアミド(DMF)を1500g入れ、4、4′−ジアミノジフェニルエーテル200gを加え、完全に溶解するまで攪拌した。この系を約0℃に冷却し、ピロメリット酸二無水物218gを徐々に加え、よく攪拌した。系の粘度が約3×10Pa・sになったところで攪拌を停止し、ポリイミド前駆体溶液を得た。
【0053】
次に大塚化学社製フィラーBK−400HRを60gとDMF300gを別の容器に入れ、よく攪拌し、さらに超音波分散機にかけることで分散液中のフィラーを均一に分散させた。BK−400HRはその表面にカーボンをコートしたチタン酸カリウムからなる針状フィラーである。
【0054】
上記で得られた針状フィラー分散液を、118g採取し、よく攪拌した。このビーカー中に、上記で得られたポリイミド前駆体溶液300gを溶かし入れた。
次いで該溶液中に、ダイキン工業(株)製のポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFE)の有機溶媒分散液(商品名:ポリフロンPTFEタフコートエナメル)TC−7809BK(固形成分21重量%)を、91g混練した。このようにして、硬化後のポリイミド樹脂100重量部に対して、針状フィラーを約30重量部、及び、PTFEを約30重量部含有する、ポリアミック酸を含有する溶液を調製した。
【0055】
更に、上記溶液に、触媒であるイソキノリンを20g、硬化剤である無水酢酸を32g混練した。
【0056】
上記で得られたポリアミック酸を含有する溶液を、内径82mm、外径83.5mm、長さ450mmの筒状空間中に均一に注入し、塗布膜に自己支持性が発現するまで23℃・55%RHの雰囲気中に10分間静置した。前記筒状空間は、外径82mm、長さ450mmのSUS製内筒を、内径83.5mm、長さ450mmのSUS製外筒に挿入することで形成されるものである。次いで、該塗布膜を前記内筒及び外筒から取り外し、外径80mmのSUS製円筒焼成型に装着し、100℃から380℃まで、約30分かけて昇温した。最後に系を室温まで冷却し、PTFEを分散してなる単層構造の電子写真装置用無端ベルトを得た。
【0057】
得られた電子写真装置用無端ベルトに対し、中間転写体として用いた場合の画像評価、トナーのクリーニング性評価、動摩擦係数測定、水の静的接触角測定を行った。
【0058】
画像評価は、以下の手順で行った。得られた電子写真装置用無端ベルトを、複写機である(株)リコー製フルカラー複写機プリテールに搭載し中間転写体として用い、A4サイズの画像を10000枚形成せしめた。その後、さらに1枚の画像を形成せしめ、その画像の評価を行った。白抜け、転写チリ、転写ずれ、ボソツキがない良好な画像を○、それ以外を×とした。
【0059】
トナーのクリーニング性は、以下の手順で評価した。前述した10001枚の画像形成の後、電子写真装置用無端ベルトの外表面に粘着セロハンテープを貼り、次いで、当該テープを剥がして、目視にてセロハンテープ上のトナーの有無を確認した。上記複写機は、樹脂ブレードにより電子写真装置用無端ベルト上のトナーをクリーニングする機構になっており、トナーの剥離性及びクリーニングブレードの滑り性が劣ると、電子写真装置用無端ベルト上にトナーが残存する。従って、セロハンテープ上にトナーがほとんど確認できない場合はクリーニング性○、トナーが付着している場合はクリーニング性×とした。
【0060】
動摩擦係数は、最大2kgf測定可能なロードセルを装着した島津製作所社製オートグラフS−100−Cを用いて行った。
【0061】
水の静的接触角は、試験片を23℃、55%RHの雰囲気に24時間静置した後、同雰囲気下にて、試験片表面にヤマト科学社製純水製造装置WG−23により作成された蒸留水20μLを滴下し、協和界面科学社製の静的接触角計CA−DT型を用いて1分後の値を直読することにより測定した。
【0062】
上記の評価を行った結果、画像、トナーのクリーニング性はいずれも○、動摩擦係数は0.34、水の静的接触角は91°であった。
【0063】
(実施例2)
触媒及び硬化剤を含まないことを除いて、実施例1と同様の原料溶液を内径82mm、長さ450mmのガラス管の内壁に均一に流延塗布し、100℃の熱風に40分間晒すことで溶媒を揮散させた。次いで、塗布膜を該ガラス管から取り外し、外径80mmのSUS製金型に装着し、100℃から380℃まで、約30分間かけて昇温した。最後に系を室温まで冷却し、PTFEを分散してなる単層構造の電子写真装置用無端ベルトを得た。
【0064】
得られた電子写真装置用無端ベルトに対し、実施例1と同様の画像評価、トナーのクリーニング性評価、動摩擦係数測定、水の静的接触角測定を行った。その結果、画像、トナーのクリーニング性はいずれも○、動摩擦係数は0.35、水の静的接触角は94°であった。
【0065】
(実施例3)
TC−7809BKの代わりに、以下の手順で調製したポリフッ化ビニリデン(以下、PVDF)溶液を65g混練することを除いて、実施例1と同様に電子写真装置用無端ベルトを調製した。
【0066】
ポリフッ化ビニリデン溶液は、ダイキン工業(株)製PVDFパウダー(商品名:ネオフロンPVDFパウダー)VP−850を100gと、DMF90gを混合、攪拌することで調製した。
【0067】
上述の手段により、硬化後のポリイミド樹脂100重量部に対して、針状フィラーを約30重量部、及び、PVDFを約10重量部含有する、ポリアミック酸を含有する溶液を調製した。
【0068】
上述の手順により得られたPVDFを分散してなる単層構造の電子写真装置用無端ベルトに対し、実施例1と同様の画像評価、トナーのクリーニング性評価、動摩擦係数測定、水の静的接触角測定を行った。その結果、画像、トナーのクリーニング性はいずれも○、動摩擦係数は0.31、水の静的接触角は91°であった。
【0069】
(比較例1)
TC−7809BKを混合しないことを除いて、実施例1と同様に電子写真装置用無端ベルトを調製した。
【0070】
得られた電子写真装置用無端ベルトに対し、実施例1と同様の画像評価、トナーのクリーニング性評価、動摩擦係数測定、水の静的接触角測定を行った。その結果、画像評価は○であったが、トナーのクリーニング性は×、また、動摩擦係数は0.42、水の静的接触角は78°であった。
【0071】
上記の如く、実施例の電子写真装置用無端ベルトは、トナーのクリーニング性も良く、電子写真記録装置の中間転写体として用いた場合にも、安定して良好な画像を提供可能な電子写真装置用無端ベルトを提供することができる。これに対して、比較例の電子写真装置用無端ベルトではクリーニング性不良が生じており、良好な電子写真装置用無端ベルトが得られなかった。
【0072】
以上、本発明に係る電子写真装置用無端ベルトについて説明したが、本発明は上述の形態に限定されるものではない。例示するまでもなく記述した範囲内で種々の変形を加えた態様で実施できるものである。
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、トナーのクリーニング性が良好な電子写真装置用無端ベルトを提供することができる。そのため、本発明に係る電子写真装置用無端ベルトは、電子写真装置の中間転写体として用いられる無端ベルトとして極めて好適に使用できる。その他、従来技術に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大である。

Claims (4)

  1. ポリイミド樹脂を含有してなる電子写真装置の中間転写体として用いられる無端ベルトであって、外表面における水の静的接触角が80°以上、かつ、外表面における動摩擦係数が0.40以下であることを特徴とする、電子写真装置用無端ベルト。
  2. 実質的に単層構造であることを特徴とする、請求項1記載の電子写真装置用無端ベルト。
  3. フッ素樹脂を分散してなることを特徴とする、請求項1ないし2に記載の電子写真装置用無端ベルト。
  4. フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体から選ばれる、少なくとも1種以上の樹脂を含むことを特徴とする、請求項3に記載の電子写真装置用無端ベルト。
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