JP2005017720A - 熱伝導性シームレスベルト - Google Patents
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Abstract
【課題】熱伝導性シームレスベルトに関し、高強度、高熱伝導性のシームレスベルトを供給することを目的とする。
【解決手段】熱伝導性無機微粉末を含有してなるポリイミド管状体であって、熱伝導性無機微粉末が球状の窒化アルミニウムであり、含有量が所定の範囲にあることを特徴とする。このとき、前記熱伝導性無機微粉末の1次粒子の平均粒子径が一定の範囲であることが好適である。また、機能層が少なくとも1層積層されてなる熱伝導性シームレスベルトが好適である。このとき、前記機能層が、ゴム状弾性層あるいはフッ素樹脂離型層であることが好適である。また、上記シームレスベルトにおいて、イミド化触媒、あるいは脱水剤とイミド化触媒を含んだポリアミド酸溶液を用い、イミド転化したポリイミド樹脂で構成することが好適である。
【選択図】 なし
【解決手段】熱伝導性無機微粉末を含有してなるポリイミド管状体であって、熱伝導性無機微粉末が球状の窒化アルミニウムであり、含有量が所定の範囲にあることを特徴とする。このとき、前記熱伝導性無機微粉末の1次粒子の平均粒子径が一定の範囲であることが好適である。また、機能層が少なくとも1層積層されてなる熱伝導性シームレスベルトが好適である。このとき、前記機能層が、ゴム状弾性層あるいはフッ素樹脂離型層であることが好適である。また、上記シームレスベルトにおいて、イミド化触媒、あるいは脱水剤とイミド化触媒を含んだポリアミド酸溶液を用い、イミド転化したポリイミド樹脂で構成することが好適である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱伝導性シームレスベルトに関するもので、例えば、高熱伝導を有する定着ベルト、転写定着ベルトとして特に有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ポリイミド樹脂材料は、その高い機械的強度、耐熱性等の理由から宇宙航空分野から電気電子材料まで幅広い分野において実用化されている。その中でもポリイミド樹脂製シームレス状管状体は、複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ等の電子写真画像形成装置の定着ベルト、転写ベルト、中間転写ベルト、搬送ベルト、感光体ベルト等の機能性ベルト及びこれらの基材として使用されている。特に、定着ベルトでは未定着トナー像を加圧加熱しながら転写体を搬送するため、ロール間の張設に耐えうる強度、ロールの加熱温度に耐えうる耐熱性、ベルト端部で寄りを制御する際、座屈を起こさないような剛性、過剰トナーを分離させるために必要なフレキブル性の要求が強くなっている。さらに近年、省エネルギーを考慮し、ベルト内側に設置したヒーターからの熱を効率よくベルト表面に伝えるために、ベルトの熱伝導性も求められている。これを解決する方法として、熱伝導性無機粒子を溶液に加え、超音波処理を施した後、ポリイミド前駆体溶液と混合した液を中円筒状金型に浸漬塗布し、次いで円筒状金型に対し所定の内径を有する外金型を自重落下させて塗布した後、加熱硬化させるベルトの製造方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−186162号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、熱伝導性無機粒子を溶液に加え、超音波処理を施した後、ポリイミド前駆体溶液と混合した液では、熱伝導性無機粒子の凝集を分散することができても、粒子そのものの形状までは制御できず、これによるベルトの表面粗さ、機械強度には限界があった。
【0005】
そこで、本発明は、上述の欠点を解決しようとするものであり、高強度、高熱伝導性のシームレスベルトを供給することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、以下に示す熱伝導性のシームレスベルトにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0007】
本発明は、熱伝導性無機微粉末を含有してなるポリイミド管状体であって、熱伝導性無機微粉末が球状の窒化アルミニウムであり、ポリイミド樹脂100重量部に対する熱伝導性無機粉末の含有量が10〜40重量部の範囲にあることを特徴とする。こうした構成によって従来にない、高強度、高熱伝導性のシームレスベルトを提供することができる。
【0008】
このとき、前記熱伝導性無機微粉末の1次粒子の平均粒子径が0.01〜2μmであることが好適である。窒化アルミニウムの粒子を一定範囲に制限することで、高い熱伝導性を確保しつつ、優れた表面平滑性、機械的強度を得ることができる。
【0009】
また、機能層が少なくとも1層積層されてなる熱伝導性シームレスベルトが好適である。各種の機能層を有する複合管状体を形成することで、種々の用途に応じた最適な特性を確保することが可能となり、かつ、高強度、高熱伝導性のシームレスベルトを提供することができる。
【0010】
このとき、前記機能層が、ゴム状弾性層あるいはフッ素樹脂離型層であることが好適である。ベルトの滑性やトナーの定着性あるいは離型性といった優れた機能性を確保しつつ、管状物の変形や座屈などのおそれがない熱伝導性のシームレスベルトを提供することができる。
【0011】
また、上記シームレスベルトにおいて、イミド化触媒、あるいは脱水剤とイミド化触媒を含んだポリアミド酸溶液を用い、イミド転化したポリイミド樹脂で構成することが好適である。イミド化触媒あるいは脱水剤の使用で、素早く化学イミド化・固定化することができることから、熱伝導性や機械的強度のばらつきの少ない熱伝導性シームレスベルトを提供することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、説明する。
本発明は、熱伝導性無機微粉末を含有してなるポリイミド管状体であって、熱伝導性無機微粉末が球状の窒化アルミニウムであり、ポリイミド樹脂100重量部に対する熱伝導性無機粉末の含有量が10〜40重量部の範囲にあることを特徴とする。本発明者は、熱伝導性シームレスベルトにおいて、ポリイミドを主成分として、熱伝導性無機微粉末として球状の窒化アルミニウムを所定量添加することによって、優れた強度と熱伝導性を確保することができることを見出したもので、従来にない高強度、高熱伝導性のシームレスベルトを提供することができる。
【0013】
既述のように、シームレスベルトには、所定の強度とともに熱伝導性が求められているが、本発明者は、ベルトにおけるポリイミド樹脂の熱伝導率は0.28W/m・K以上が好ましいとの知見を得た。熱伝導率0.28W/m・Kより小さいと、発熱体であるヒーターからベルト表面への熱の伝わりが悪く、未融着トナーが、十分溶融されず、定着後トナー部を擦ると、トナーが離脱し、濃淡ムラが発生してしまう。また、定着ベルトの場合、機械的強度は、25℃雰囲気の引張弾性率5000Mpa以上が好ましいとの知見を得た。加熱ロール、分離ロール、搬送ロール等で張設され、更に150℃を超える加熱ロールに常時接した状態でベルトが駆動するため、上記引張強度以下では、ベルトが座屈しやすく好ましくない。
【0014】
ここで、熱伝導率は、熱伝導性無機粒子の大きさ、ポリイミド樹脂中の分布、充填量によって左右されるが、その中でも最も影響の大きい充填量はポリイミド樹脂100重量部に対し10〜40重量部が好ましい。10重量部より小さいと熱伝導率が劣り、40重量部を超えると機械強度が低下し好ましくない。
【0015】
また、ポリアミド酸溶液に添加される熱伝導性無機粒子は、高熱伝導性を有する窒化アルミニウムが好ましく、形状は球形が好ましい。ここでいう球形とは、真球である必要はなく、例えば、室化ホウ素等で見られる鱗偏状、角のある立方体等を除くものである。窒化ホウ素等のように非球形であるとベルトにした時、表面凹凸を起こし好ましくない。また、物質固有の熱伝導性は、窒化アルミニウムに比べ、室化ホウ素等、室化アルミニウム以外のセラミックスは劣るため、同じ熱伝導を得るために必要な充填量が多くなり、そのためポリイミド本来の機械特性が維持できず、好ましくない。
【0016】
このとき、前記熱伝導性無機微粉末の1次粒子の平均粒子径が0.01〜2μmであることが好適である。熱伝導性無機微粉末である窒化アルミニウムの粒子が0.01μmより小さいと表面平滑性、機械特性は良いが、熱伝導性が劣る傾向があり、2μmを超えると熱伝導性は良いが、表面平滑性、機械特性が劣る傾向がある。このように、窒化アルミニウムの粒子を一定範囲に制限することで、高い熱伝導性を確保しつつ、優れた表面平滑性、機械的強度を得ることができる。
【0017】
なお、本発明ではポリイミドベルトに熱伝導性無機粒子以外にも、導電性、帯電防止性、半導電性、耐磨耗性等所望の機能を付与するために、適宜無機粒子、無機酸化物、金属酸化物、界面活性剤等充填材を混入することが可能である。
【0018】
また、機能層が少なくとも1層積層されてなる熱伝導性シームレスベルトが好適である。ベルトの用途によっては、ポリイミド樹脂の諸特性に加え各種の機能層を有する複合管状体を形成することで、種々の用途に応じた最適な特性を確保することが可能となり、かつ、高強度、高熱伝導性のシームレスベルトを提供することができる。各種機能層は、要求される機能に応じて、材質や厚みなどが選定され、単層だけでなく複数の層を積層することが可能である。
【0019】
このとき、前記機能層が、ゴム状弾性層あるいはフッ素樹脂離型層であることが好適である。ベルトの用途によっては、ポリイミド樹脂の諸特性に加え弾性を必要とすることから、ポリイミド樹脂層と離型層との間にゴム状弾性層を設けることで、対応することが可能となる。さらに、カラー定着用の高画質化に対応してポリイミド樹脂管状体の外周面にシリコーンゴムまたはフッ素ゴムなどのゴム状弾性層を積層した複合管状物が可能となる。また、ベルトの滑性やベルト表面のトナーとの離型性を向上させる目的から、定着用ベルトとしてポリイミド樹脂管状体の外周面にフッ素樹脂離型層が積層されてなる複合管状物が可能となる。このように、ベルトの滑性やトナーの定着性あるいは離型性といった優れた機能性を確保しつつ、管状物の変形や座屈などのおそれがない熱伝導性のシームレスベルトを提供することができる。なお、ゴム状弾性層あるいはフッ素樹脂離型層の詳細は後述する。
【0020】
また、上記シームレスベルトにおいて、イミド化触媒、あるいは脱水剤とイミド化触媒を含んだポリアミド酸溶液を用い、イミド転化したポリイミド樹脂で構成することが好適である。イミド化触媒あるいは脱水剤の使用で、素早く化学イミド化・固定化することができることから、熱伝導性や機械的強度のばらつきの少ない熱伝導性シームレスベルトを提供することができる。
【0021】
本発明における化学イミド化触媒については、触媒自体の安定性が高く、イミド化の制御が容易で、かつ、急激な反応を生じることがないことが好ましく、第3級アミンを含む触媒は好適であるといえる。第3級アミンの具体的な化合物については、後述する。
【0022】
また、化学イミド化触媒に加え、適正な量の脱水剤を添加することによって比較的短時間で化学イミド化を行うことができるとともに、成膜時にできる強固な分子鎖によって、優れた機械的強度及び寸法安定性を有することができる。脱水剤の具体的な化合物は、後述する。
【0023】
以下、本発明の熱伝導性シームレスベルト、つまりポリイミドシームレスベルトに関し詳細に説明する。
本発明のポリイミドシームレスベルトは、例えば、次の2工程によって作製される。
【0024】
(1)熱伝導性無機粉末を含有したポリアミド酸溶液を円筒状金型の内表面に、円筒状金型が回転しながらディスペンサーの供給部の軸方向に移動することにより塗布し、遠心法でレベリング及び脱泡する。尚、塗布に関しては、ディスペンサー等で、ポリアミド酸溶液を金型の内表面に付着させた後、剛球等で所定の厚さに仕上げても良い。
(2)次いで、ポリアミド酸溶液を加熱或いは溶媒抽出等により固化または硬化し、更に高温で加熱することでイミド転化することにより得られる。
【0025】
ここで、ポリアミド酸溶液は、公知のものを使用することができ、酸二無水物とジアミンを溶媒中で重合反応させてなるポリアミド酸溶液が使用される。芳香族ポリイミド樹脂であると、得られるベルトの機械的強度や耐熱性が好適なものが得られる。
【0026】
好適な酸二無水物の例として、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
【0027】
一方、ジアミンの例としては、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジメチル4,4’−ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン等が挙げられる。
【0028】
これらの酸無水物とジアミンを重合反応させる際の溶媒としては適宜なものを用いうるが、溶解性等の点から極性溶媒が好ましく用いられ、具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアゼトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルフォン、ジメチルテトラメチレンスルフォン等が考えられる。これらは単独で用いても構わないし、併せて用いても差し支えない。さらに、上記有機極性溶媒にクレゾール、フェノール、キシレノール等のフェノール類、ベンゾニトリル、ジオキサン、フチロラクトン、キシレン、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等を単独もしくは併せて混合することもできる。なお水の存在によってポリアミド酸が加水分解して低分子量化するので、ポリアミド酸の合成、保存は無水環境下で行うのが好ましい。上記の酸無水物(a)とジアミン(b)とを有機極性溶媒中で反応させることによりポリアミド酸溶液が得られる。その際のモノマー濃度(溶媒中における(a)+(b)の濃度)は、種々の条件に応じて設定されるが、5〜30重量%が好ましい。また、反応温度は80℃以下に設定することが好ましく、特に好ましくは5〜50℃であり、反応時間は0. 5〜10時間が好ましい。
【0029】
熱伝導性無機粒子の添加方法としては、ポリアミド酸溶液に直接添加しても良いが、熱伝導性無機粒子を溶剤に分散させた後、上記に示したジアミン、酸二無水物を順じ添加し.重合を開始しても良い。
【0030】
イミド化触媒としては3級アミンが好ましく、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ピリジン、ピコリン、キノリン、イソキノリン、ルチジン等があげられ、さらに好ましくは、ピリジン、β−ピコリン、γ−ピコリン、キノリン、イソキノリンが挙げられる。
【0031】
3級アミンの量は、最終的に塗布されるポリアミド酸溶液のポリアミド1モルに対してモル比で0.1モル以上2モル以下、さらに好ましくは0.2〜1モルである。3級アミンの量がポリアミド酸溶液のポリアミド1モルに対してモル比で0.1モルより少ない場合には、得られるポリイミドベルトの機械物性が大きく低下する。2.0モルを超える量ではフィルム中に3級アミンが残留し、ベルト工程ラインを汚染したり、余分なイミド化触媒を蒸発させるためにベルト温度を上げる必要があるため2.0モル以下が好ましい。
【0032】
脱水剤は、例えば、有機カルボン酸無水物、N,N’−ジアルキルカルボジイミド類、低級脂肪酸ハロゲン化物、ハロゲン化低級脂肪酸無水物、アリールホスホン酸ジハロゲン化物、及びチオニルハロゲン化物が挙げられ、これらのなかで、有機カルボン酸無水物が好ましい。
【0033】
有機カルボン酸無水物として、例示すると、無水酢酸、プロピオン酸無水物、酪酸無水物、吉草酸無水物、及びこれらの分子間無水物、有機カルボン酸無水物の混合物を含む。また、芳香族モノカルボン酸例えば安息香酸、ナフトエ酸等の無水物、これらの混合物および有機カルボン酸無水物の混合物、及び炭酸及び蟻酸並びに脂肪族ケテン類(ケテン、及びジメチルケテン)の無水物、これらの混合物および有機カルボン酸無水物などが挙げられる。これらのなかで、無水酢酸が好ましい。
【0034】
脱水剤の量は、最終的に塗布されるポリアミド酸溶液のポリアミド1モルに対して0.5モル以上4モル以下が好ましく、特には1〜3モルであることが好ましい。脱水剤の量が最終的に塗布されるポリアミド酸溶液のポリアミド1モルに対して0.5モルより少ない場合には、イミド化反応が十分に進行せず、得られるポリイミドベルトの機械物性が大きく低下する。一方、脱水剤の量が4モルより多い場合には、余分な脱水剤を蒸発させるためにベルト温度を上げる必要があるため、結果として得られるポリイミドフィルムの機械物性が大きく低下する。
【0035】
ポリイミドベルトに積層されるゴム状弾性層としては、シリコーンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。またこれらゴムにはポリイミド同様、シリカ、ベンガラ等の充填剤を添加することができる。具体的に、このときのゴム状弾性層の厚みは、用途によって100〜500μmが好適である。ゴム状弾性層の厚みが100μm未満の場合には弾性効果が十分に得られないおそれがあり、500μmを超える場合にはベルトの曲率半径の拡大とともにベルトに必要な硬度が得られなくなり座屈や破損が生じるおそれがある。
【0036】
フッ素樹脂離型層の材料としては、分子内にフッ素原子を含むものであればよく特に限定されるものではない。具体的にはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とその変性物、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−へキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体(TFE/VdF)、テトラフルオロエチレン−へキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(EPA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE)、クロロトリフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体(CTFE/VdF)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニル(PVF)などが挙げられる。耐摩耗性、トナーとの離型性、耐熱性の点からPTFE、PFA、これら混合系が好ましい。充填剤を添加する場合、その量は0.1〜50wt%が好ましい。0.1wt%末満だと、充填剤の持つ機能が十分発揮されず、50wt%を超えると摺動性、離型性等のフッ素に起因する効果が十分発揮できない。このときのフッ素樹脂離型層の厚みは、用途によって5〜50μmが好適である。フッ素樹脂離型層の厚みが5μm未満の場合にはベルトの滑性や離型効果が十分に得られないおそれがあり、50μmを超える場合にはベルトの曲率半径の拡大とともにベルトに必要な硬度が得られなくなり座屈や破損が生じるおそれがある。
【0037】
ポリイミドベルトにゴム状弾性層やフッ素樹脂離型層を積層する方法は、スプレーコート、浸漬、ディスペンサー塗布等が挙げられる。また、積層工程は、ポリイミドベルトを成形した後、外側にゴム状弾性層、フッ素樹脂離型層を重ねていく工程をとっても良いし、金型内面にフッ素樹脂離型層、ゴム状弾性層、ポリイミドの順で積層し、ベルト化した後金型から取り出す工程をとっても良い。これら工程はベルトの寸法精度、特性、成形コストに応じて自由に選べる。また、フッ素樹脂離型層の積層の際には、ゴム状弾性層との接着力を強化するために中間にプライマーを施しても良い。更にフッ素樹脂離型層はチューブ状のものをゴム状弾性層上に被せた後、加熱収縮させて積層させても良い。
【0038】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。また、実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行った。なお、本発明がかかる実施例、評価方法に限定されるものでないことはいうまでもない。
【0039】
<評価方法>
(1)引張特性
引張弾性率をテンシロン(オリエンテック社製、UTM1000)によって評価した。
・サンプル形状:3号形ダンベル(JIS K6301)
・打抜き:サンプル長手方向
・チャック間:30mm
・引張速度:100mm/min
(2)熱伝導率
熱抵抗測定用セルと発熱体の間に無垢のポリイミドの小片を入れ、3kgfcmの圧力をかける。発熱体に電圧5.1V、電流0.8Aを流し、発熱させる。熱抵抗測定用セルの温度を測定し、熱伝導率を求める。
【0040】
<実施例1>
酸成分として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を、アミン成分としてp−フェニレンジアミンと4、4’−ジアミノジフェニルエーテルとの混合物(モル比7:3)の略当モルを窒化アルミニウム(三井化学社製、製品名MAN−10、球形/SEM観察、粒子径0.2μm)を分散させたN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解(モノマー濃度20重量%)し、室温で攪拌しながら反応させ、次いで75℃に加温しつつ攪拌して、23℃におけるB型粘度計による粘度が2000ポイズのポリアミド酸溶液を作製した。なお、窒化アルミニウムは、ポリイミド樹脂100重量部に対し15重量部とした。次いで、直径30mmφの円筒状金型を回転させながら、上記ポリアミド酸溶液を円筒状金型内面の一方端から他方端まで供給しつつ移動させ、円筒状金型内面にスパイラル状に乾燥後50μmとなるように塗布した。次いで、220℃まで段階的に加熱し、イミド転化の促進と溶媒の除去を行った。これにポリイミド系プライマー(三井デュポン社製、K001−02)を乾燥後1μmとなるようにスプレー塗布した上に、PFAデイスパージョン液(三井デュポン社製、511CL)を乾燥後厚さ10μmとなるようにスプレー塗布し、アルミパイプに挿し替え400℃60minシンターした。同時にプライマーとPFAをコートしない、無垢のポリイミドベルトも400℃60min加熱し、作成した。得られた無垢のポリイミドベルトの引張弾性率、熱伝導率を評価したところ、引張弾性率5900Mpa、熱伝導率0.30W/m・Kとなった。次に、PFAをコートしたベルト内側に棒状のセラミックヒーターを入れ、直径30mmのシリコーンゴムで被覆したアルミニウム製加熱ロールとベルトを介して圧接した。ヒーター温度170℃に設定し、ベルトの線速120mm/secで駆動させ、ベルト表面に未融着トナーが来るようにベルトとロールの間に記録紙を流した。
【0041】
<比較例1>
実施例1の窒化アルミニウムを窒化ホウ素(三井化学社製、製品名MBN−010T、鱗偏状/SEM観察、粒子径1μm)に代え、ポリイミド樹脂100重量部に対し40重量部とした。このポリイミドベルトの引張弾性率、熱伝導率を評価したところ、引張弾性率5000Mpa、熱伝導率0.27W/m・Kとなった。更に、PFAをコートしたベルトでトナーを定着した。
【0042】
<比較例2>
実施例1の窒化アルミニウムを窒化ホウ素(三井化学社製、製品名MBN−010T、鱗偏状/SEM観察、粒子径1μm)に代え、ポリイミド樹脂100重量部に対し50重量部とした。このポリイミドベルトの引張弾性率、熱伝導率を評価したところ、引張弾性率4000Mpa、熱伝導率0.35W/m・Kとなった。更に、PFAをコートしたベルトでトナーを定着した。
【0043】
<試験結果>
実施例1において、トナー定着後、クリーン紙で擦ったがトナーの離脱は起きず、よって濃淡ムラも発生しなかった。更に、10万枚紙を流したが、座屈は見られなかった。
一方、比較例1において、トナー定着後の紙による磨耗テストで、濃淡ムラが発生した。また、比較例2において、トナー定着後の紙による磨耗テストでは濃淡ムラは発生しなかったが、2万枚紙を流したところで座屈が発生した。
【0044】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、熱伝導性無機微粉末として球状の窒化アルミニウムを含有し、ポリイミド樹脂100重量部に対する熱伝導性無機粉末の含有量が10〜40重量部の範囲とすることによって、従来にない、高強度、高熱伝導性のシームレスベルトを提供することができる。
【0045】
このとき、窒化アルミニウムの粒子を一定範囲に制限することで、高い熱伝導性を確保しつつ、優れた表面平滑性、機械的強度を得ることができる。
【0046】
また、各種の機能層を有する複合管状体を形成することで、種々の用途に応じた最適な特性を確保することが可能となり、かつ、高強度、高熱伝導性のシームレスベルトを提供することができる。
【0047】
このとき、前記機能層が、ゴム状弾性層あるいはフッ素樹脂離型層とすることで、ベルトの滑性やトナーの定着性あるいは離型性といった優れた機能性を確保しつつ、管状物の変形や座屈などのおそれがない熱伝導性のシームレスベルトを提供することができる。
【0048】
また、イミド化触媒、あるいは脱水剤とイミド化触媒を含んだポリアミド酸溶液を用い、イミド転化したポリイミド樹脂で構成することによって、素早く化学イミド化・固定化することができることから、熱伝導性や機械的強度のばらつきの少ない熱伝導性シームレスベルトを提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱伝導性シームレスベルトに関するもので、例えば、高熱伝導を有する定着ベルト、転写定着ベルトとして特に有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ポリイミド樹脂材料は、その高い機械的強度、耐熱性等の理由から宇宙航空分野から電気電子材料まで幅広い分野において実用化されている。その中でもポリイミド樹脂製シームレス状管状体は、複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ等の電子写真画像形成装置の定着ベルト、転写ベルト、中間転写ベルト、搬送ベルト、感光体ベルト等の機能性ベルト及びこれらの基材として使用されている。特に、定着ベルトでは未定着トナー像を加圧加熱しながら転写体を搬送するため、ロール間の張設に耐えうる強度、ロールの加熱温度に耐えうる耐熱性、ベルト端部で寄りを制御する際、座屈を起こさないような剛性、過剰トナーを分離させるために必要なフレキブル性の要求が強くなっている。さらに近年、省エネルギーを考慮し、ベルト内側に設置したヒーターからの熱を効率よくベルト表面に伝えるために、ベルトの熱伝導性も求められている。これを解決する方法として、熱伝導性無機粒子を溶液に加え、超音波処理を施した後、ポリイミド前駆体溶液と混合した液を中円筒状金型に浸漬塗布し、次いで円筒状金型に対し所定の内径を有する外金型を自重落下させて塗布した後、加熱硬化させるベルトの製造方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−186162号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、熱伝導性無機粒子を溶液に加え、超音波処理を施した後、ポリイミド前駆体溶液と混合した液では、熱伝導性無機粒子の凝集を分散することができても、粒子そのものの形状までは制御できず、これによるベルトの表面粗さ、機械強度には限界があった。
【0005】
そこで、本発明は、上述の欠点を解決しようとするものであり、高強度、高熱伝導性のシームレスベルトを供給することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、以下に示す熱伝導性のシームレスベルトにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0007】
本発明は、熱伝導性無機微粉末を含有してなるポリイミド管状体であって、熱伝導性無機微粉末が球状の窒化アルミニウムであり、ポリイミド樹脂100重量部に対する熱伝導性無機粉末の含有量が10〜40重量部の範囲にあることを特徴とする。こうした構成によって従来にない、高強度、高熱伝導性のシームレスベルトを提供することができる。
【0008】
このとき、前記熱伝導性無機微粉末の1次粒子の平均粒子径が0.01〜2μmであることが好適である。窒化アルミニウムの粒子を一定範囲に制限することで、高い熱伝導性を確保しつつ、優れた表面平滑性、機械的強度を得ることができる。
【0009】
また、機能層が少なくとも1層積層されてなる熱伝導性シームレスベルトが好適である。各種の機能層を有する複合管状体を形成することで、種々の用途に応じた最適な特性を確保することが可能となり、かつ、高強度、高熱伝導性のシームレスベルトを提供することができる。
【0010】
このとき、前記機能層が、ゴム状弾性層あるいはフッ素樹脂離型層であることが好適である。ベルトの滑性やトナーの定着性あるいは離型性といった優れた機能性を確保しつつ、管状物の変形や座屈などのおそれがない熱伝導性のシームレスベルトを提供することができる。
【0011】
また、上記シームレスベルトにおいて、イミド化触媒、あるいは脱水剤とイミド化触媒を含んだポリアミド酸溶液を用い、イミド転化したポリイミド樹脂で構成することが好適である。イミド化触媒あるいは脱水剤の使用で、素早く化学イミド化・固定化することができることから、熱伝導性や機械的強度のばらつきの少ない熱伝導性シームレスベルトを提供することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、説明する。
本発明は、熱伝導性無機微粉末を含有してなるポリイミド管状体であって、熱伝導性無機微粉末が球状の窒化アルミニウムであり、ポリイミド樹脂100重量部に対する熱伝導性無機粉末の含有量が10〜40重量部の範囲にあることを特徴とする。本発明者は、熱伝導性シームレスベルトにおいて、ポリイミドを主成分として、熱伝導性無機微粉末として球状の窒化アルミニウムを所定量添加することによって、優れた強度と熱伝導性を確保することができることを見出したもので、従来にない高強度、高熱伝導性のシームレスベルトを提供することができる。
【0013】
既述のように、シームレスベルトには、所定の強度とともに熱伝導性が求められているが、本発明者は、ベルトにおけるポリイミド樹脂の熱伝導率は0.28W/m・K以上が好ましいとの知見を得た。熱伝導率0.28W/m・Kより小さいと、発熱体であるヒーターからベルト表面への熱の伝わりが悪く、未融着トナーが、十分溶融されず、定着後トナー部を擦ると、トナーが離脱し、濃淡ムラが発生してしまう。また、定着ベルトの場合、機械的強度は、25℃雰囲気の引張弾性率5000Mpa以上が好ましいとの知見を得た。加熱ロール、分離ロール、搬送ロール等で張設され、更に150℃を超える加熱ロールに常時接した状態でベルトが駆動するため、上記引張強度以下では、ベルトが座屈しやすく好ましくない。
【0014】
ここで、熱伝導率は、熱伝導性無機粒子の大きさ、ポリイミド樹脂中の分布、充填量によって左右されるが、その中でも最も影響の大きい充填量はポリイミド樹脂100重量部に対し10〜40重量部が好ましい。10重量部より小さいと熱伝導率が劣り、40重量部を超えると機械強度が低下し好ましくない。
【0015】
また、ポリアミド酸溶液に添加される熱伝導性無機粒子は、高熱伝導性を有する窒化アルミニウムが好ましく、形状は球形が好ましい。ここでいう球形とは、真球である必要はなく、例えば、室化ホウ素等で見られる鱗偏状、角のある立方体等を除くものである。窒化ホウ素等のように非球形であるとベルトにした時、表面凹凸を起こし好ましくない。また、物質固有の熱伝導性は、窒化アルミニウムに比べ、室化ホウ素等、室化アルミニウム以外のセラミックスは劣るため、同じ熱伝導を得るために必要な充填量が多くなり、そのためポリイミド本来の機械特性が維持できず、好ましくない。
【0016】
このとき、前記熱伝導性無機微粉末の1次粒子の平均粒子径が0.01〜2μmであることが好適である。熱伝導性無機微粉末である窒化アルミニウムの粒子が0.01μmより小さいと表面平滑性、機械特性は良いが、熱伝導性が劣る傾向があり、2μmを超えると熱伝導性は良いが、表面平滑性、機械特性が劣る傾向がある。このように、窒化アルミニウムの粒子を一定範囲に制限することで、高い熱伝導性を確保しつつ、優れた表面平滑性、機械的強度を得ることができる。
【0017】
なお、本発明ではポリイミドベルトに熱伝導性無機粒子以外にも、導電性、帯電防止性、半導電性、耐磨耗性等所望の機能を付与するために、適宜無機粒子、無機酸化物、金属酸化物、界面活性剤等充填材を混入することが可能である。
【0018】
また、機能層が少なくとも1層積層されてなる熱伝導性シームレスベルトが好適である。ベルトの用途によっては、ポリイミド樹脂の諸特性に加え各種の機能層を有する複合管状体を形成することで、種々の用途に応じた最適な特性を確保することが可能となり、かつ、高強度、高熱伝導性のシームレスベルトを提供することができる。各種機能層は、要求される機能に応じて、材質や厚みなどが選定され、単層だけでなく複数の層を積層することが可能である。
【0019】
このとき、前記機能層が、ゴム状弾性層あるいはフッ素樹脂離型層であることが好適である。ベルトの用途によっては、ポリイミド樹脂の諸特性に加え弾性を必要とすることから、ポリイミド樹脂層と離型層との間にゴム状弾性層を設けることで、対応することが可能となる。さらに、カラー定着用の高画質化に対応してポリイミド樹脂管状体の外周面にシリコーンゴムまたはフッ素ゴムなどのゴム状弾性層を積層した複合管状物が可能となる。また、ベルトの滑性やベルト表面のトナーとの離型性を向上させる目的から、定着用ベルトとしてポリイミド樹脂管状体の外周面にフッ素樹脂離型層が積層されてなる複合管状物が可能となる。このように、ベルトの滑性やトナーの定着性あるいは離型性といった優れた機能性を確保しつつ、管状物の変形や座屈などのおそれがない熱伝導性のシームレスベルトを提供することができる。なお、ゴム状弾性層あるいはフッ素樹脂離型層の詳細は後述する。
【0020】
また、上記シームレスベルトにおいて、イミド化触媒、あるいは脱水剤とイミド化触媒を含んだポリアミド酸溶液を用い、イミド転化したポリイミド樹脂で構成することが好適である。イミド化触媒あるいは脱水剤の使用で、素早く化学イミド化・固定化することができることから、熱伝導性や機械的強度のばらつきの少ない熱伝導性シームレスベルトを提供することができる。
【0021】
本発明における化学イミド化触媒については、触媒自体の安定性が高く、イミド化の制御が容易で、かつ、急激な反応を生じることがないことが好ましく、第3級アミンを含む触媒は好適であるといえる。第3級アミンの具体的な化合物については、後述する。
【0022】
また、化学イミド化触媒に加え、適正な量の脱水剤を添加することによって比較的短時間で化学イミド化を行うことができるとともに、成膜時にできる強固な分子鎖によって、優れた機械的強度及び寸法安定性を有することができる。脱水剤の具体的な化合物は、後述する。
【0023】
以下、本発明の熱伝導性シームレスベルト、つまりポリイミドシームレスベルトに関し詳細に説明する。
本発明のポリイミドシームレスベルトは、例えば、次の2工程によって作製される。
【0024】
(1)熱伝導性無機粉末を含有したポリアミド酸溶液を円筒状金型の内表面に、円筒状金型が回転しながらディスペンサーの供給部の軸方向に移動することにより塗布し、遠心法でレベリング及び脱泡する。尚、塗布に関しては、ディスペンサー等で、ポリアミド酸溶液を金型の内表面に付着させた後、剛球等で所定の厚さに仕上げても良い。
(2)次いで、ポリアミド酸溶液を加熱或いは溶媒抽出等により固化または硬化し、更に高温で加熱することでイミド転化することにより得られる。
【0025】
ここで、ポリアミド酸溶液は、公知のものを使用することができ、酸二無水物とジアミンを溶媒中で重合反応させてなるポリアミド酸溶液が使用される。芳香族ポリイミド樹脂であると、得られるベルトの機械的強度や耐熱性が好適なものが得られる。
【0026】
好適な酸二無水物の例として、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
【0027】
一方、ジアミンの例としては、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジメチル4,4’−ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン等が挙げられる。
【0028】
これらの酸無水物とジアミンを重合反応させる際の溶媒としては適宜なものを用いうるが、溶解性等の点から極性溶媒が好ましく用いられ、具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアゼトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルフォン、ジメチルテトラメチレンスルフォン等が考えられる。これらは単独で用いても構わないし、併せて用いても差し支えない。さらに、上記有機極性溶媒にクレゾール、フェノール、キシレノール等のフェノール類、ベンゾニトリル、ジオキサン、フチロラクトン、キシレン、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等を単独もしくは併せて混合することもできる。なお水の存在によってポリアミド酸が加水分解して低分子量化するので、ポリアミド酸の合成、保存は無水環境下で行うのが好ましい。上記の酸無水物(a)とジアミン(b)とを有機極性溶媒中で反応させることによりポリアミド酸溶液が得られる。その際のモノマー濃度(溶媒中における(a)+(b)の濃度)は、種々の条件に応じて設定されるが、5〜30重量%が好ましい。また、反応温度は80℃以下に設定することが好ましく、特に好ましくは5〜50℃であり、反応時間は0. 5〜10時間が好ましい。
【0029】
熱伝導性無機粒子の添加方法としては、ポリアミド酸溶液に直接添加しても良いが、熱伝導性無機粒子を溶剤に分散させた後、上記に示したジアミン、酸二無水物を順じ添加し.重合を開始しても良い。
【0030】
イミド化触媒としては3級アミンが好ましく、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ピリジン、ピコリン、キノリン、イソキノリン、ルチジン等があげられ、さらに好ましくは、ピリジン、β−ピコリン、γ−ピコリン、キノリン、イソキノリンが挙げられる。
【0031】
3級アミンの量は、最終的に塗布されるポリアミド酸溶液のポリアミド1モルに対してモル比で0.1モル以上2モル以下、さらに好ましくは0.2〜1モルである。3級アミンの量がポリアミド酸溶液のポリアミド1モルに対してモル比で0.1モルより少ない場合には、得られるポリイミドベルトの機械物性が大きく低下する。2.0モルを超える量ではフィルム中に3級アミンが残留し、ベルト工程ラインを汚染したり、余分なイミド化触媒を蒸発させるためにベルト温度を上げる必要があるため2.0モル以下が好ましい。
【0032】
脱水剤は、例えば、有機カルボン酸無水物、N,N’−ジアルキルカルボジイミド類、低級脂肪酸ハロゲン化物、ハロゲン化低級脂肪酸無水物、アリールホスホン酸ジハロゲン化物、及びチオニルハロゲン化物が挙げられ、これらのなかで、有機カルボン酸無水物が好ましい。
【0033】
有機カルボン酸無水物として、例示すると、無水酢酸、プロピオン酸無水物、酪酸無水物、吉草酸無水物、及びこれらの分子間無水物、有機カルボン酸無水物の混合物を含む。また、芳香族モノカルボン酸例えば安息香酸、ナフトエ酸等の無水物、これらの混合物および有機カルボン酸無水物の混合物、及び炭酸及び蟻酸並びに脂肪族ケテン類(ケテン、及びジメチルケテン)の無水物、これらの混合物および有機カルボン酸無水物などが挙げられる。これらのなかで、無水酢酸が好ましい。
【0034】
脱水剤の量は、最終的に塗布されるポリアミド酸溶液のポリアミド1モルに対して0.5モル以上4モル以下が好ましく、特には1〜3モルであることが好ましい。脱水剤の量が最終的に塗布されるポリアミド酸溶液のポリアミド1モルに対して0.5モルより少ない場合には、イミド化反応が十分に進行せず、得られるポリイミドベルトの機械物性が大きく低下する。一方、脱水剤の量が4モルより多い場合には、余分な脱水剤を蒸発させるためにベルト温度を上げる必要があるため、結果として得られるポリイミドフィルムの機械物性が大きく低下する。
【0035】
ポリイミドベルトに積層されるゴム状弾性層としては、シリコーンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。またこれらゴムにはポリイミド同様、シリカ、ベンガラ等の充填剤を添加することができる。具体的に、このときのゴム状弾性層の厚みは、用途によって100〜500μmが好適である。ゴム状弾性層の厚みが100μm未満の場合には弾性効果が十分に得られないおそれがあり、500μmを超える場合にはベルトの曲率半径の拡大とともにベルトに必要な硬度が得られなくなり座屈や破損が生じるおそれがある。
【0036】
フッ素樹脂離型層の材料としては、分子内にフッ素原子を含むものであればよく特に限定されるものではない。具体的にはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とその変性物、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−へキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体(TFE/VdF)、テトラフルオロエチレン−へキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(EPA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE)、クロロトリフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体(CTFE/VdF)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニル(PVF)などが挙げられる。耐摩耗性、トナーとの離型性、耐熱性の点からPTFE、PFA、これら混合系が好ましい。充填剤を添加する場合、その量は0.1〜50wt%が好ましい。0.1wt%末満だと、充填剤の持つ機能が十分発揮されず、50wt%を超えると摺動性、離型性等のフッ素に起因する効果が十分発揮できない。このときのフッ素樹脂離型層の厚みは、用途によって5〜50μmが好適である。フッ素樹脂離型層の厚みが5μm未満の場合にはベルトの滑性や離型効果が十分に得られないおそれがあり、50μmを超える場合にはベルトの曲率半径の拡大とともにベルトに必要な硬度が得られなくなり座屈や破損が生じるおそれがある。
【0037】
ポリイミドベルトにゴム状弾性層やフッ素樹脂離型層を積層する方法は、スプレーコート、浸漬、ディスペンサー塗布等が挙げられる。また、積層工程は、ポリイミドベルトを成形した後、外側にゴム状弾性層、フッ素樹脂離型層を重ねていく工程をとっても良いし、金型内面にフッ素樹脂離型層、ゴム状弾性層、ポリイミドの順で積層し、ベルト化した後金型から取り出す工程をとっても良い。これら工程はベルトの寸法精度、特性、成形コストに応じて自由に選べる。また、フッ素樹脂離型層の積層の際には、ゴム状弾性層との接着力を強化するために中間にプライマーを施しても良い。更にフッ素樹脂離型層はチューブ状のものをゴム状弾性層上に被せた後、加熱収縮させて積層させても良い。
【0038】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。また、実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行った。なお、本発明がかかる実施例、評価方法に限定されるものでないことはいうまでもない。
【0039】
<評価方法>
(1)引張特性
引張弾性率をテンシロン(オリエンテック社製、UTM1000)によって評価した。
・サンプル形状:3号形ダンベル(JIS K6301)
・打抜き:サンプル長手方向
・チャック間:30mm
・引張速度:100mm/min
(2)熱伝導率
熱抵抗測定用セルと発熱体の間に無垢のポリイミドの小片を入れ、3kgfcmの圧力をかける。発熱体に電圧5.1V、電流0.8Aを流し、発熱させる。熱抵抗測定用セルの温度を測定し、熱伝導率を求める。
【0040】
<実施例1>
酸成分として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を、アミン成分としてp−フェニレンジアミンと4、4’−ジアミノジフェニルエーテルとの混合物(モル比7:3)の略当モルを窒化アルミニウム(三井化学社製、製品名MAN−10、球形/SEM観察、粒子径0.2μm)を分散させたN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解(モノマー濃度20重量%)し、室温で攪拌しながら反応させ、次いで75℃に加温しつつ攪拌して、23℃におけるB型粘度計による粘度が2000ポイズのポリアミド酸溶液を作製した。なお、窒化アルミニウムは、ポリイミド樹脂100重量部に対し15重量部とした。次いで、直径30mmφの円筒状金型を回転させながら、上記ポリアミド酸溶液を円筒状金型内面の一方端から他方端まで供給しつつ移動させ、円筒状金型内面にスパイラル状に乾燥後50μmとなるように塗布した。次いで、220℃まで段階的に加熱し、イミド転化の促進と溶媒の除去を行った。これにポリイミド系プライマー(三井デュポン社製、K001−02)を乾燥後1μmとなるようにスプレー塗布した上に、PFAデイスパージョン液(三井デュポン社製、511CL)を乾燥後厚さ10μmとなるようにスプレー塗布し、アルミパイプに挿し替え400℃60minシンターした。同時にプライマーとPFAをコートしない、無垢のポリイミドベルトも400℃60min加熱し、作成した。得られた無垢のポリイミドベルトの引張弾性率、熱伝導率を評価したところ、引張弾性率5900Mpa、熱伝導率0.30W/m・Kとなった。次に、PFAをコートしたベルト内側に棒状のセラミックヒーターを入れ、直径30mmのシリコーンゴムで被覆したアルミニウム製加熱ロールとベルトを介して圧接した。ヒーター温度170℃に設定し、ベルトの線速120mm/secで駆動させ、ベルト表面に未融着トナーが来るようにベルトとロールの間に記録紙を流した。
【0041】
<比較例1>
実施例1の窒化アルミニウムを窒化ホウ素(三井化学社製、製品名MBN−010T、鱗偏状/SEM観察、粒子径1μm)に代え、ポリイミド樹脂100重量部に対し40重量部とした。このポリイミドベルトの引張弾性率、熱伝導率を評価したところ、引張弾性率5000Mpa、熱伝導率0.27W/m・Kとなった。更に、PFAをコートしたベルトでトナーを定着した。
【0042】
<比較例2>
実施例1の窒化アルミニウムを窒化ホウ素(三井化学社製、製品名MBN−010T、鱗偏状/SEM観察、粒子径1μm)に代え、ポリイミド樹脂100重量部に対し50重量部とした。このポリイミドベルトの引張弾性率、熱伝導率を評価したところ、引張弾性率4000Mpa、熱伝導率0.35W/m・Kとなった。更に、PFAをコートしたベルトでトナーを定着した。
【0043】
<試験結果>
実施例1において、トナー定着後、クリーン紙で擦ったがトナーの離脱は起きず、よって濃淡ムラも発生しなかった。更に、10万枚紙を流したが、座屈は見られなかった。
一方、比較例1において、トナー定着後の紙による磨耗テストで、濃淡ムラが発生した。また、比較例2において、トナー定着後の紙による磨耗テストでは濃淡ムラは発生しなかったが、2万枚紙を流したところで座屈が発生した。
【0044】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、熱伝導性無機微粉末として球状の窒化アルミニウムを含有し、ポリイミド樹脂100重量部に対する熱伝導性無機粉末の含有量が10〜40重量部の範囲とすることによって、従来にない、高強度、高熱伝導性のシームレスベルトを提供することができる。
【0045】
このとき、窒化アルミニウムの粒子を一定範囲に制限することで、高い熱伝導性を確保しつつ、優れた表面平滑性、機械的強度を得ることができる。
【0046】
また、各種の機能層を有する複合管状体を形成することで、種々の用途に応じた最適な特性を確保することが可能となり、かつ、高強度、高熱伝導性のシームレスベルトを提供することができる。
【0047】
このとき、前記機能層が、ゴム状弾性層あるいはフッ素樹脂離型層とすることで、ベルトの滑性やトナーの定着性あるいは離型性といった優れた機能性を確保しつつ、管状物の変形や座屈などのおそれがない熱伝導性のシームレスベルトを提供することができる。
【0048】
また、イミド化触媒、あるいは脱水剤とイミド化触媒を含んだポリアミド酸溶液を用い、イミド転化したポリイミド樹脂で構成することによって、素早く化学イミド化・固定化することができることから、熱伝導性や機械的強度のばらつきの少ない熱伝導性シームレスベルトを提供することができる。
Claims (5)
- 熱伝導性無機微粉末を含有してなるポリイミド管状体であって、熱伝導性無機微粉末が球状の窒化アルミニウムであり、ポリイミド樹脂100重量部に対する熱伝導性無機粉末の含有量が10〜40重量部の範囲にあることを特徴とする熱伝導性シームレスベルト。
- 前記熱伝導性無機微粉末の1次粒子の平均粒子径が0.01〜2μmであることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性シームレスベルト。
- 機能層が少なくとも1層積層されてなる請求項1または2に記載の熱伝導性シームレスベルト。
- 前記機能層が、ゴム状弾性層あるいはフッ素樹脂離型層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱伝導性シームレスベルト。
- イミド化触媒、あるいは脱水剤とイミド化触媒を含んだポリアミド酸溶液を用い、イミド転化したポリイミド樹脂で構成することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱伝導性シームレスベルト。
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