JP2009521729A - 中間体転写ベルトおよびその製造方法 - Google Patents

中間体転写ベルトおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザープリンタ、ファクシミリおよび複写機などに用いられる中間体転写ベルトおよびその製造方法を開示する。
【解決手段】シリコン変性ポリイミド系樹脂を含む中間体転写ベルトおよびその製造方法を提供することにより、電気的特性、撥水性および放熱特性に優れるうえ、適切な機械的強度を持つ単層の中間体転写ベルトを提供することができ、従来のようにフッ素系樹脂層およびフッ素計樹脂との接着のための接着層などを追加しなくても、中間体転写ベルトとして十分な物性を提供することができ、工程上の効率を極大化することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、レーザープリンタ、ファクシミリおよび複写機などに用いられる中間体転写ベルトおよびその製造方法に関し、さらに詳しくは、シリコン変性ポリイミド系樹脂で製造された中間体転写ベルトおよびその製造方法に関する。
一般に、レーザープリンタ、ファクシミリおよび複写機などの中間体転写ベルトとして使用されるためには、放熱特性、撥水性、撥油性、耐汚染性、耐熱性、弾性率、紙との離型性、帯電防止特性、および耐久性に優れなければならない。
特に、前記機器の長時間運転の際に、印刷過程中に発生する中間体転写ベルトと給紙された用紙との摩擦熱によって、これらが接触する界面に相当の熱が発生するので、これらの熱を効率よく放出させることが可能な放熱特性が重要である。このような放熱特性が効果的に満足されない場合、長時間運転中に発生する摩擦熱によって転写ベルトの変形をもたらすことにより、製品の信頼性を失ってしまうおそれがあるとともに、狭い空間内に放出されないで残留する高温の残熱によって周辺部品素子に影響を及ぼすことにより、これらの周辺部品素子の寿命低下および故障などをもたらすおそれがある。
また、中間体転写ベルトのトナーを転写させる機能のために、適切な体積抵抗値を備える特性が要求されるが、要求される体積抵抗値より低いまたは高い場合、これらの帯電防止特性、転写性、画像特性、離型性および耐汚染性などの物性が低下し、これによる画像不良の致命的な欠陥が発生するおそれがある。
従来、中間体転写ベルトとして主に用いられるポリイミドフィルムは、熱安定性および機械的・電気的特性に優れるという利点を持つ一方で、水分に非常に敏感であって時間経過に伴って電気絶縁性の信頼性が減少し、高いガラス転移温度によって加工上多くの制約が伴ううえ、比較的帯電し易いという特性を持つ。その上、ポリイミドフィルムは、中間体転写ベルトとして要求される抵抗値より高い体積抵抗値を持っているため、過度な抵抗値により中間体転写ベルトとしては使用し難い。
このため、特開2003−270967号公報、特開2002−218339号公報および特開2004−255828号公報はは、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸溶液を重合し、これをモールドにコートし、熱処理した後、紙との離型性、撥水性および撥油性が改善されるようにフッ素系高分子化合物を再びコートし、これをさらに熱処理する転写ベルト製造方法を開示している。
ところが、このような従来の方法は、その製造方法的な側面で、例えばフッ素系高分子化合物を半硬化したポリアミド酸溶液に再びコートしなければならない煩わしさ、これらの中間体転写ベルトの基材として用いられるポリイミド層とフッ素系高分子層との接着のための適切なプライマーの選定、およびこれらの接着不良特性による剥離問題など、実質的に使用するには多くの時間的、経済的および物理化学的制約がある。また、実質的にポリイミド層、プライマー層およびフッ素系高分子化合物層の3層構造による工程上の非効率性および複雑性などの問題がある。すなわち、スプレーコートされたプライマーおよびフッ素系高分子化合物の厚さが作業環境およびその他の要因によって不均一である可能性が多いうえ、数回の反復作業による作業能力の効率性が低下するという問題点がある。
一方、レーザープリンタ、ファクシミリおよび複写機などの中間体転写ベルトは、トナーを転写させる役割を果たすので、継ぎ目がないように製造しなければならない。従来では中間体転写ベルトを継ぎ目なしに作るために遠心成形法を用いて高速回転させる洗濯桶方式を用いたが、このような方法で継ぎ目のない中間体転写ベルトを製造することは困難さがあった。
そこで、本発明者は、レーザープリンタ、ファクシミリおよび複写機などの中間体転写ベルトとして用いられる従来のポリイミド系管状ベルトの工程上の非効率性などを克服し、放熱性、帯電防止特性、撥水性、撥油性、経済性および転写性などに優れた一種の単層形態である継ぎ目のない管状の中間体転写ベルトを製造するために鋭意研究したところ、狭い空間内で長時間運転中に発生する熱の効率的な放熱を成し遂げることができ、撥水特性、撥油特性、帯電防止特性、紙との離型性などに優れた継ぎ目のない管状の中間体転写ベルトを製造することができるという事実を確認し、本発明を完成するに至った。
したがって、本発明の目的は、撥水性を改善したポリイミド系樹脂からなる中間体転写ベルトを提供することにある。
本発明の他の目的は、放熱特性に優れたポリイミド系樹脂からなる単層の中間体転写ベルトを提供することにある。
本発明の別の目的は、撥水性を改善した中間体転写ベルトの製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、放熱特性に優れるうえ、ポリイミド系樹脂からなり、単層の継ぎ目のない管状に製造することができる中間体転写ベルトの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、シリコン変性ポリイミド系樹脂を含む中間体転写ベルトを提供する。
前記中間体転写ベルトは、熱伝導度20W/mK以上および電気抵抗度10Ωcm以上の熱伝導性フィラーをさらに含むことが好ましい。
前記熱伝導性フィラーは粒径0.2〜20μmの球状フィラーであり、球状フィラーは、粒径が5〜20μmと相対的に大きい粒子Aと、粒径が0.2〜5μmと相対的に小さい粒子Bとを6〜7:4〜3(A:B)の割合で含むことが好ましい。
前記熱伝導性フィラーは、全体溶質に対し0.01〜30質量%で含まれることが好ましい。
前記熱伝導性フィラーは、単一壁炭素ナノチューブ(single wall carbon nanotube)、多重壁炭素ナノチューブ(multi wall carbon nanotube)、シリカ、アルミナ、ホウ酸アルミニウム、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化ホウ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化チタン、雲母、チタン酸カリウム、チタン酸ベリリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、および水酸化アルミニウムよりなる群から選ばれた1種または2種以上の組み合わせであることが好ましい。
前記中間体転写ベルトは、熱伝導度が5.1〜7.4W/mKであることが好ましい。
前記中間体転写ベルトは、電気伝導性フィラーをさらに含むことが好ましい。
前記中間体転写ベルトは、体積抵抗値が10〜1013Ωcmであり、接触角が105°〜113°であり、弾性率が0.8〜4.5GPaであることが好ましい。
前記シリコン変性ポリイミド系樹脂は、ジアンヒドリド、ジアミンおよびシリコン樹脂を含む共重合体であることが好ましい。
前記シリコン樹脂は、600〜2000の数平均分子量を有し、ジアミン含量に対して10〜30質量%で含むことが好ましい。
前記シリコン樹脂は、ポリジメチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、およびこれらの共重合体であるポリメチルフェニルシロキサンの中から選ばれた1種または2種以上の組み合わせであることが好ましい。
本発明は、ジアンヒドリド、ジアミンおよびシリコン樹脂を非プロトン性超極性溶媒に溶解させてシリコン変性ポリアミド酸溶液を製造する段階と、製造されたシリコン変性ポリアミド酸溶液をモールドに投入し、熱処理してイミド化する段階とを含んでなる、中間体転写ベルトの製造方法を提供する。
前記シリコン変性ポリアミド酸溶液を製造する段階において、20W/mK以上の熱伝導度および10Ωcm以上の電気抵抗度を持つ熱伝導性フィラーをさらに含ませることが好ましい。
前記モールドとしては、外筒と内筒の二重構造をした円筒状のモールドを使用することが好ましい。
前記シリコン変性ポリアミド酸溶液を製造する段階において、電気伝導性フィラーをさらに含ませることが好ましい。
前記イミド化する段階における熱処理は60〜400℃で行うことが好ましい。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の中間体転写ベルトのためのポリイミド系樹脂は、シリコン樹脂と共重合されたシリコン変性ポリイミド系樹脂を含む。
前記シリコン変性ポリイミド系樹脂は、ジアンヒドリド、ジアミンおよびシリコン樹脂を非プロトン性超極性溶媒に溶解させてシリコン変性ポリアミド酸溶液を製造した後、これを熱処理してイミド化することにより得られる。
シリコン変性ポリイミド系樹脂を製造するためのジアンヒドリドおよびジアミンは、ポリアミド樹脂の製造の際に使用されるものであれば特に限定されない。例えば、ジアミンとしては、1,4−フェニレンジアミン(1,4−PDA)、1,3−フェニレンジアミン(1,3−PDA)、4,4’−メチレンジアニリン(MDA)、4,4’−オキシジアニリン(ODA)、4,4’−オキシフェニレンジアミン(OPDA)などを使用することができ、前記ジアンヒドリドとしては、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物(PMDA)、3,3,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物などを使用することができる。通常、ジアミンとジアンヒドリドは同モル量で使用される。
シリコン樹脂は、有機および無機化合物の性質を同時に持っており、耐汚染性、撥水性、撥油性、および紙との離型性を与えるために使用するが、ポリジメチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、およびこれらの共重合体であるポリメチルフェニルシロキサンの中から選ばれた1種以上を使用することができ、数平均分子量が600〜2000であることが、ポリイミド重合の際に発生する微細相分離現象を最小化することができる。シリコン樹脂は、前記ジアミン含量に対して10〜30質量%の含量で使用することが好ましい。
特に、本発明で好適なシリコン樹脂は、SiとO原子の結合からなるSi−O結合が高分子主鎖をなし、Siの原子に、2つのバルキーな有機置換基であるメチル基が結合しているポリジメチルシロキサン、およびフェニール基が結合しているポリジフェニルシロキサンである。シリコン産業では、ポリジメチルシロキサンが最も多く用いられている。このポリジメチルシロキサンは、ガラス転移温度が−123℃であって、これまで知られている弾性体の中でも最も低い。また、ポリジフェニルシロキサンは、ポリジメチルシロキサンに比べて高いガラス転移温度、熱安定性および機械的特性に優れるものと知られている。これらは、非極性特性と低い表面エネルギーによってシロキサンに変性させた高分子化合物において、シロキサン成分が重合体から分離されて空気と重合体との界面に移動するので、各種重合体の表面にシロキサン成分が出てくる。これにより、高分子の表面が優れた撥水特性、撥油特性および離型性などを有し、このような特性はtwo−phase共重合体とブレンドなどからも観測される。ところが、本発明では、シリコン樹脂がポリジメチルシロキサンおよびポリジフェニルシロキサンに限定されない。
シリコン変性ポリアミド酸溶液を製造するにおいて、シリコン樹脂をジアミン含量に対して10質量%未満で使用する場合には、撥水特性および撥油特性が大きく向上せず、ポリイミドの欠点である水分に対する抵抗性を改善するのに効果が足りず、シリコン樹脂をジアミン含量に対して30質量%未満で使用する場合には、ポリイミドに比べて相対的に柔軟な性質を持つシリコン樹脂の影響によって機械的強度が急激に低下するという問題がある。
重合の際に、溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、およびN−メチルピロリジオン(NMP)などの非プロトン性超極性溶媒の中から選択して使用することができる。
製造される中間体転写ベルトの熱伝導度は、放熱特性を考慮して5.1〜7.4W/mKであることが好ましい。このような点を考慮し、シリコン変性ポリアミド酸溶液の製造の際に熱伝導性フィラーをさらに含むことができ、0〜30℃で30分〜12時間反応させる。
優れた放熱特性を持つ複合材料を製造するためには、熱伝導性フィラーを複合材料のマトリクス内に効率的に高充填させる方法が必要である。この際、充填された熱伝導性フィラーの形態、大きさおよび投入された含量比などによってこれらの充填密度が異なる。熱伝達は温度差により起るエネルギーの伝達であって、熱伝達の方法は伝導、対流および複写などの3種の伝達方法があり、これらの全ては伝達現象が起っている面積に比例して熱伝導度が増加する。
これらの中でも、放熱特性を持つ複合材料の場合、伝導および熱伝達によって熱が伝達される。伝達される熱量は、複合材料の断面積に比例して増加し、厚さに反比例し、温度差に比例する。
このような現象をまとめると、下記式のようなフーリエの熱伝導式で表すことができる。
q=−kA(dT/dX)
ここで、Aは複合材料の面積、Tは温度、Xは複合材料の厚さ、qは伝導によって伝達される熱量であり、kは物質の複合材料の熱伝導度である。
以上説明した事項を考慮し、前記熱伝導性フィラーは20W/mK以上の熱伝導度を持つことが好ましい。
熱伝導性フィラーは10Ωcm以上の電気抵抗度を持つことが好ましいが、電気抵抗度がこの値より低い場合、転写ベルトの体積抵抗値が非常に低下し、転写ベルトとしての使用に適しない体積抵抗値を持つという問題がある。
前記熱伝導性フィラーは、例えば単一壁炭素ナノチューブ(single wall carbon nanotube)、多重壁炭素ナノチューブ(multi wall carbon nanotube)、シリカ、アルミナ、ホウ酸アルミニウム、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化ホウ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化チタン、雲母、チタン酸カリウム、チタン酸ベリリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、および水酸化アルミニウムなどの無機フィラーの中から選ばれた1種または2種以上の組み合わせを使用する。
前記熱伝導性フィラーは、その形態が特に限定されず、球状、針状および板状などの形態が全て可能である。但し、前記熱伝導性フィラーが針状の場合、効率よく高充填されずにパッキング密度が減少するという点があり、前記熱伝導性フィラーが板状の場合、各軸方向に相異なる熱伝導度を持っていて高充填されないという点があるので、球状の形態が最も好ましい。
球状フィラーの場合には0.2〜20μmの粒径、針状フィラーの場合には0.5〜5μmの粒径、板状フィラーの場合には0.5〜10μmの粒径を持つことが好ましい。特に、球状フィラーの場合、粒径が5〜20μmと相対的に大きい粒子Aと、粒径が0.2〜5μmと相対的に小さい粒子Bを6〜7:4〜3(A:B)の割合で使用することが好ましい。これは、粒子サイズが大きいフィラーの空間の間に相対的に小さい粒子のフィラーが効率よくパッキングされて高充填されることにより、放熱させることが可能な熱伝導ネットワークが均一に形成されるためである。
中間体転写ベルトでは、これらの熱伝導性フィラーのそれぞれの固有な熱伝導度だけでなく、これらが適切な含量比を維持した状態でベルトに均一に分散されたとき、放熱させることが可能な熱伝達経路を形成する。
また、効率的な熱伝導のための熱伝導性フィラーの含量は、全体溶質に対し0.01〜30質量%であることが好ましい。
一方、前記熱伝導性フィラー以外にも、ポリイミド樹脂の体積抵抗値を調節することが可能な電気伝導性フィラーをさらに含むことができる。前記電気伝導性フィラーとしては、ケッチェンブラック(ketjen black)、アセチレンブラック(acetylene black)およびファーネスブラック(furnace black)の中から選ばれた1種またはそれ以上を全体溶質に対して2〜35質量%で使用することが好ましい。ここで、さらにアルミニウム、ニッケル、銀または雲母にアンチモンがドープされた(担持された)Dentall TM−200のような金属フィラーをさらに含むことができ、全体溶質に対して0.1〜5質量%で使用することが好ましい。
前記製造されたシリコン変性ポリアミド酸溶液をモールドに投入させ、熱処理してイミド化する。
前記モールドは、特に限定されないが、本発明の中間体転写ベルトを継ぎ目なしにするために、円筒状のモールドを使用し、好ましくは外筒と内筒の二重構造をした円筒状のテフロン(登録商標)モールドを使用する。したがって、ベルトの厚さ調節を外筒と内筒の直径間の差を用いて行うことができ、ベルトの厚さは30〜300μmであることが好ましいが、中間体転写ベルトの製造の際に放熱特性を改善させる目的でベルトの厚さをあまり薄くすると、ベルトの剛性が大幅減少するという現象が発生するので、印刷過程中に反復的な回転応力によってベルトに亀裂または歪み現象が発生するおそれがある。中間体転写ベルトの長時間運転の際に、必然的に発生する熱の効率的な放熱を誘導するためには熱伝導性フィラーをベルト樹脂内に導入させて放熱効果を誘導することができる。
前記熱処理は50〜400℃で段階的に行われるが、まず、プリベーキング(pre−baking)を50〜100℃で10〜120分間行い、表面に残存している溶媒および水分を一次に除去する。その後、分当り2〜10℃の昇温速度を維持させて350〜400℃まで最終的に後硬化(post−curing)させることにより、表面に存在する溶媒および水分を完全に除去してイミド化を進行および完了させると同時に、固相化されたフィルムの転写ベルトを製造する。
製造された転写ベルトは、一般に5.1〜7.4W/mKの熱伝導度、および中間抵抗値である10〜1013Ωcm範囲の体積抵抗値を持つ。したがって、帯電防止性および印刷性などが向上した半導電性形態のレーザープリンタ、ファクシミリおよび複写機用中間体転写ベルトを製造することができる。
また、前記製造された転写ベルトは、接触角が105°〜113°であることが好ましい。ここで、接触角は、液体が固体表面上で熱力学的に平衡をなすときに持つ角度をいうもので、固体の表面に固着された液体滴によって測定され、低い接触角は試料が親水性を持つことを示し、高い接触角は試料が疎水性を持つことを示す。一般に、ポリイミド系高分子化合物の場合、20°〜70°未満の接触角を持つことにより、撥水特性および撥油特性が低下し、これにより非常に水分に脆弱な特性を示しているので、これらの接触角を増加させて水分に対する抵抗性を向上させる必要がある。
しかも、本発明の転写ベルトは0.8〜4.5GPaの弾性率を持つことが好ましい。弾性率が低ければ、中間体転写ベルトして長時間使用するときに機械的な変形が懸念され、弾性率が高ければ、機械的な強度が低下するという問題がある。
以下、本発明の実施例によってさらに詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
<実施例1>
機械的撹拌器、還流冷却器および窒素流入口が取り付けられた4口フラスコに窒素を流入させながら、PMDA47gと4,4−オキシジアニリン43gを380gの非プロトン性超極性溶媒としてのDMFに溶解させ、ここに、両末端にアミノプロピル基が導入された数平均分子量600のポリジメチルシロキサンを4,4−オキシジアニリンの質量に対して10質量%で投入して完全に溶解させた。電気伝導性フィラーとして全体溶質の質量に対してケッチェンブラック2質量%、Dentall TM−200 0.5質量%を超音波分散器を介して前記溶液に分散させながら、常温で1時間反応させて電気伝導性フィラー含有のポリジメチルシロキサン変性ポリアミド酸溶液を製造した。
前記製造されたポリジメチルシロキサン変性ポリアミド酸溶液を、外筒と内筒の二重構造をした円筒状のテフロン(登録商標)モールドに投入した後、70℃で1時間プリベーキングし、ベルトの表面に残存する溶媒および水分を一次除去した後、内筒を外筒から分離させた。その後、分当り5℃の昇温速度を維持させながら、350℃まで最終的に後硬化(post−curing)させることにより、表面および内部に残存する溶媒および水分を完全に除去した。
製造されたポリジメチルシロキサン変性ポリイミド系中間体転写ベルトは、厚さが65μmであった。
<実施例2>
電気伝導性フィラーとしてDentall TM−200を使用しなかった以外は、実施例1と同一の方法でポリジメチルシロキサン変性ポリイミド系中間体転写ベルトを製造した。
<実施例3>
ポリジメチルシロキサンを4,4−オキシジアニリンの質量に対して30質量%で投入した以外は、実施例1と同一の方法でポリジメチルシロキサン変性ポリイミド系中間体転写ベルトを製造した。
<実施例4>
両末端にアミノプロピル基が導入された数平均分子量620のポリジメチルシロキサンを使用し、熱伝導性フィラーとして熱伝導度105W/mKおよび電気抵抗度10Ωcmの球状アルミナ(Al)を全体溶質質量に対して3質量%で投入し、この際、粒径6μmのアルミナAと粒径0.5μmのアルミナBを7:3(A:B)の配合比で混合し、また、電気伝導性フィラーとして全体溶質質量に対してケッチェンブラック1.5質量%を混合した以外は、実施例1と同一の方法でポリジメチルシロキサン変性ポリイミド系中間体転写ベルトを製造した。
<実施例5>
熱伝導性フィラーであるアルミナを投入しなかった以外は、実施例4と同一の方法でポリジフェニルシロキサン変性ポリイミド系中間体転写ベルトを製造した。
<実施例6>
両末端にアミノプロピル基が導入された数平均分子量750のポリジフェニルシロキサンを使用した以外は、実施例4と同一の方法でポリジフェニルシロキサン変性ポリイミド系中間体転写ベルトを製造した。
<実施例7>
熱伝導性フィラーとして粒径6μmのアルミナAと粒径0.5μmのアルミナBを6:4(A:B)の配合比にした以外は、実施例6と同一の方法でポリジフェニルシロキサン変性ポリイミド系中間体転写ベルトを製造した。
<実施例8>
熱伝導性フィラーとして粒径6μmのアルミナAと粒径0.5μmのアルミナBを3:7(A:B)の配合比にした以外は、実施例6と同一の方法でポリジフェニルシロキサン変性ポリイミド系中間体転写ベルトを製造した。
<実施例9>
熱伝導性フィラーとして、5μmの長さ、100W/mKの熱伝導度および10Ωcmの電気抵抗度を持つ針状のアルミナを単独で3質量%投入した以外は、実施例6と同一の方法でポリジフェニルシロキサン変性ポリイミド系中間体転写ベルトを製造した。
<実施例10>
熱伝導性フィラーとして、5μmの長さ、156W/mKの熱伝導度および10Ωcmの電気抵抗度を持つ板状の窒化ホウ素を単独で3質量%投入した以外は、実施例6と同一の方法でポリジフェニルシロキサン変性ポリイミド系中間体転写ベルトを製造した。
<実施例11>
熱伝導性フィラーとして粒径6μmのアルミナAと粒径0.5μmのアルミナBを7:3(A:B)の配合比で混合し、全体溶質質量に対して1.5質量%で投入した以外は、実施例6と同一の方法でポリジフェニルシロキサン変性ポリイミド系中間体転写ベルトを製造した。
<実施例12>
熱伝導性フィラーとして粒径6μmのアルミナAと粒径0.5μmのアルミナBを7:3(A:B)の配合比で混合し、全体溶質質量に対して0.01質量%で投入した以外は、実施例6と同一の方法でポリジフェニルシロキサン変性ポリイミド系中間体転写ベルトを製造した。
<実施例13>
電気伝導性フィラーとしてケッチェンブラックを含んでいない以外は、実施例6と同一の方法でポリジフェニルシロキサン変性ポリイミド系中間体転写ベルトを製造した。
<実施例14>
アルミナの代わりに、5μmの長さ、20W/mKの熱伝導度および10Ωcmの電気抵抗度を持つ針状のマイカを使用した以外は、実施例6と同一の方法でポリジフェニルシロキサン変性ポリイミド系中間体転写ベルトを製造した。
<実施例15>
ポリジフェニルシロキサンを4,4−オキシジアニリンの質量に対して5質量%で投入した以外は、実施例6と同一の方法でポリジフェニルシロキサン変性ポリイミド系中間体転写ベルトを製造した。
<実施例16>
ポリジフェニルシロキサンを4,4−オキシジアニリンの質量に対して35質量%で投入した以外は、実施例6と同一の方法でポリジフェニルシロキサン変性ポリイミド系中間体転写ベルトを製造した。
<実施例17>
熱伝導性フィラーとしてアルミナを36質量%で投入した以外は、実施例6と同一の方法でポリジフェニルシロキサン変性ポリイミド系中間体転写ベルトを製造した。
<実施例18>
アルミナの代わりに、75W/mKの熱伝導度および10Ωcmの電気抵抗度を持つケッチェンブラックを使用した以外は、実施例6と同一の方法でポリジフェニルシロキサン変性ポリイミド系中間体転写ベルトを製造した。
<実施例19>
アルミナの代わりに、12W/mKの熱伝導度および10Ωcmの電気抵抗度を持つモリブデン粉末を使用した以外は、実施例6と同一の方法でポリジフェニルシロキサン変性ポリイミド系中間体転写ベルトを製造した。
<比較例1>
ポリジメチルシロキサンを投入させなかった以外は、実施例1と同一の方法でポリイミド系中間体転写ベルトを製造した。
<比較例2>
比較例1と同様の方法でポリイミド系中間体転写ベルトを製造し、シリコン系成分としてのプライマーをスプレー方式で塗布した後、ケッチェンブラック2質量%およびDentall TM−200 0.5質量%が含有されたポリジメチルシロキサンを3回繰り返してスプレーコートした。最終的に、スプレーコーティング済みのサンプルを350℃以下で10〜60分間硬化させてポリイミド、プライマーおよびポリジメチルシロキサンの3層形態のシリコン変性ポリイミド系中間体転写ベルトを製造した。
<比較例3>
ポリジフェニルシロキサンを投入しなかった以外は、実施例6と同一の方法でポリイミド系中間体転写ベルトを製造した。
<比較例4>
比較例3と同様の方法でポリイミド系中間体転写ベルトを製造し、シリコン系成分としてのプライマーをスプレー方式で塗布した後、ケッチェンブラック2質量%およびDentall TM−200 0.5質量%が含有されたポリジメチルシロキサンを3階繰り返してスプレーコートした。最終的に、スプレーコーティング済みのサンプルを350℃以下で10〜60分間硬化させてポリイミド、プライマーおよびポリジメチルシロキサンの3層形態のシリコン変性ポリイミド系中間体転写ベルトを製造した。
これらの実施例および比較例で製造された中間体転写ベルトの物性を下記の方法で評価し、その結果を表1に示した。
(1)熱伝導度
FL5000 thermal conductivity analyzerを用いてASTM E1461基準でポリエチレンフォーム(Polyethylene foam)、シリコーンゴム(Silicone rubber)、石英ガラス(Quartz glass)、ジルコニア(Zirconia)を基準として測定した。
(2)体積抵抗
Mitsubishi Chemical社製の抵抗測定器を用いて連続的に電圧を試料に加えて測定した。この際、試料への電圧を10V、100V、250V、500Vおよび1000Vに変えながら、測定を行った。また、体積抵抗を測定するために金属素材の基板上に試料を設置し、試料当り10〜30秒の間隔で測定した。この際、環状のプローブを使用した。
(3)接触角
シリコン変性ポリイミド系中間体転写ベルトの撥水特性および撥油特性を測定するために、これらの接触角を測定した。これらの接触角の測定は、25℃の室温で、CAHN社のDynamic Contact Angle MeterであるDCA3115を用いて行った。溶液は、脱イオン蒸留水およびエチレングリコール6μLを固着滴り(Sessile drop)の形で試料の表面に滴下して試料の表面と溶液滴りの界面が拡大されて示されたモニターを介して接触角を測定し、これを10回連続して測定することにより平均値を求めた。
(4)弾性率
シリコン変性ポリイミド系中間体転写ベルトの弾性率の場合、Instron社のuniversal Testing Machine Model1000を用いてJIS K 6301に基づいて測定した。
Figure 2009521729
前記物性測定の結果、シリコンをポリイミド主鎖にジアミン含量に対し10質量%以上導入させることにより、共重合体形態のシリコン変性ポリイミド系中間体転写ベルトの接触角が全て105°以上に増加したことが分かる。すなわち、シリコン変性によって疎水性性質を与えることにより、ポリイミドの致命的な欠点である水分に対する低い抵抗性を増加させ、給紙された紙との離型性も増加させることが分かる。これに対し、シリコンが変性されていない比較例1および比較例3の場合、体積抵抗値は中間体転写ベルト用として満足するが、接触角がそれぞれ46°および67°であって、ポリイミドの欠点である水分脆弱性が全く改善されていないことが分かる。一方、シリコン樹脂を導入したが、その導入量が少ない実施例15の場合、接触角が103°であって水分脆弱性が十分改善されなかったことが分かる。比較例2および4の場合、ポリイミド主鎖内にシリコン化合物を化学的に導入させた実施例と比較するとき、接触角においてある程度改善がなされたが、3層構造によって数回繰り返し作業による工程上の効率性が低下するうえ、弾性率が減少して中間体転写ベルトとしての長時間使用時に機械的な変形が懸念される。
シリコン樹脂を導入した本発明の実施例は大抵、電気的特性、水分に対する抵抗性および機械的強度の面で好ましかったが、熱伝導性フィラーをさらに含む場合に熱伝導度がより向上しており、熱伝導性フィラーの導入量が過多な実施例17では熱伝導度があまり高く、体積抵抗が非常に低下してカラーレーザープリンタでトナーの画像を実現し難くなるという側面がある。
熱伝導性フィラーの場合、それぞれ粒径6μmの球状アルミナAと粒径0.5μmの球状アルミナBを7:3或いは6:4の割合(A:B)で導入させた場合、最も優れた熱伝導度を持つ。
一方、粒径の大きいアルミナが粒径の小さいアルミナに比べて相対的に多い量で投入された実施例6および7の場合、実施例8に示されたように粒径の小さいアルミナが粒径の大きいアルミナに比べて相対的に多い量で投入された場合と比較して熱伝導度が高いことが分かる。よって、実施例6および7の場合、アルミナパッキング密度が実施例8に比べて効率的であることが分かる。
そして、球状のアルミナを使用した実施例6の場合、針状のアルミナを使用した実施例9および板状の窒化ホウ素を導入した実施例10と比較したとき、同一の含量比である3質量%が導入されており、フィラー自体はほぼ同様の熱伝導度を持っているにも拘らず、作られた伝導性フィルムにおいて放熱特性が相対的に優れたことが分かる。これは、同じアルミナの場合でも、針状形態は効率よく高充填されないため、パッキング密度が減少して熱伝導ネットワークの形成が均一になされていないことを示唆し、球状のアルミナに比べて固有熱伝導度が一層優れた板状の窒化ホウ素はこれらの粒子形態が板状構造を呈しており、a軸方向には156W/mKの優れた放熱特性を持っているが、c軸方向には2W/mKの低い熱伝導度を持っているので、これらが中間体転写ベルトマトリクス内に構造的に高充填されないため、針状または板状のアルミナを使用する場合より球状のアルミナを使用した実施例が相対的に高い放熱特性を示したことを示唆する。
また、75W/mKの熱伝導度および10Ωcmの電気抵抗度を持つフィラーを使用した実施例18の場合、体積抵抗値が2.56×10Ωcmと非常に低下し、電気抵抗度は10Ωcmであるが、12W/mKの熱伝導度を持つフィラーを使用した実施例19の場合、熱伝導度が4.53W/mLと非常に低下し、それぞれ中間体転写ベルトとして使用するには適しないことが分かる。
そして、電気伝導性フィラーを投入した場合には、10〜1013Ωcm範囲の体積抵抗値を示しており、レーザープリンタ、ファクシミリおよび複写機などの中間体転写ベルトとして使用するに適した体積抵抗値を示している。ところが、電気伝導性フィラーを投入しなかった実施例13では体積抵抗値が非常に増加し、これにより帯電防止特性、転写性、画像特性、離型性および耐汚染性などの物性低下による画像不良の欠陥が発生するおそれもあることが分かる。
上述したように、本発明は、中間体転写ベルトおよびその製造方法を提供する。本発明によれば、シリコン変性ポリイミド系樹脂を用いた単層の中間体転写ベルトを提供しながらも、放熱特性、電気的特性および撥水性に優れるうえ、適切な機械的強度を持っている中間体転写ベルトを提供することができる。
また、本発明は、フッ素系樹脂層とフッ素系樹脂との接着のための接着層などを追加しなくても、中間体転写ベルトとして十分な物性を提供することができ、放熱特性、電気的特性および撥水性に優れた中間体転写ベルトを効率よく製造することが可能な製造方法を提供することができるため、工程上の効率を極大化することができる。
以上、本発明の好適な実施例について説明の目的で開示したが、当業者であれば、添付した請求の範囲に開示された本発明の精神と範囲から逸脱することなく、様々な変形、追加または置換を加え得ることを理解するであろう。

Claims (20)

  1. シリコン変性ポリイミド系樹脂を含む中間体転写ベルト。
  2. 20W/mK以上の熱伝導度および10Ωcm以上の電気抵抗度を持つ熱伝導性フィラーをさらに含む請求項1に記載の中間体転写ベルト。
  3. 熱伝導性フィラーは、粒径0.2〜20μmの球状フィラーである請求項2に記載の中間体転写ベルト。
  4. 球状フィラーは、粒径5〜20μmの粒子Aと粒径0.2〜5μmの粒子Bとを6〜7:4〜3(A:B)の割合で含む請求項3に記載の中間体転写ベルト。
  5. 前記熱伝導性フィラーは、全体溶質に対して0.01〜30質量%で含む請求項2に記載の中間体転写ベルト。
  6. 熱伝導性フィラーは、単一壁炭素ナノチューブ、多重壁炭素ナノチューブ、シリカ、アルミナ、ホウ酸アルミニウム、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化ホウ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化チタン、雲母、チタン酸カリウム、チタン酸ベリリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、および水酸化アルミニウムよりなる群から選ばれた1種または2種以上の組み合わせである請求項2に記載の中間体転写ベルト。
  7. 熱伝導度が5.1〜7.4W/mKである請求項2に記載の中間体転写ベルト。
  8. 電気伝導性フィラーをさらに含む請求項1または2に記載の中間体転写ベルト。
  9. 体積抵抗値が10〜1013Ωcmである請求項1に記載の中間体転写ベルト。
  10. 接触角が105°〜113°である請求項1に記載の中間体転写ベルト。
  11. 弾性率が0.8〜4.5GPaである請求項1に記載の中間体転写ベルト。
  12. シリコン変性ポリイミド系樹脂は、ジアンヒドリド、ジアミンおよびシリコン樹脂を含む共重合体である請求項1に記載の中間体転写ベルト。
  13. シリコン樹脂は、600〜2000の数平均分子量を持つ請求項12に記載の中間体転写ベルト。
  14. シリコン樹脂は、ジアミン含量に対して10〜30質量%で含む請求項12に記載の中間体転写ベルト。
  15. シリコン樹脂は、ポリジメチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、およびこれらの共重合体であるポリメチルフェニルシロキサンからなる群から選ばれた1種または2種以上の組み合わせである請求項12に記載の中間体転写ベルト。
  16. ジアンヒドリド、ジアミンおよびシリコン樹脂を非プロトン性超極性溶媒に溶解させてシリコン変性ポリアミド酸溶液を製造する段階と、
    製造されたシリコン変性ポリアミド酸溶液をモールドに投入し、熱処理してイミド化する段階とを含む中間体転写ベルトの製造方法。
  17. シリコン変性ポリアミド酸溶液を製造する段階において、20W/mK以上の熱伝導度および10Ωcm以上の電気抵抗度を持つ熱伝導性フィラーをさらに含ませる請求項16に記載の中間体転写ベルトの製造方法。
  18. モールドは、外筒と内筒との二重構造をした円筒状のモールドである請求項16に記載の中間体転写ベルトの製造方法。
  19. シリコン変性ポリアミド酸溶液を製造する段階において、電気伝導性フィラーをさらに含ませる請求項16に記載の中間体転写ベルトの製造方法。
  20. イミド化する段階における熱処理は60〜400℃で行う請求項16に記載の中間体転写ベルトの製造方法。
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