JP2002540228A - オルガノボランアミン錯体開始剤システムおよびこれを用いて製造される重合性組成物 - Google Patents

オルガノボランアミン錯体開始剤システムおよびこれを用いて製造される重合性組成物

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Abstract

(57)【要約】 組成物は、オルガノボランアミン錯体および1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質を含む。この組成物は、錯体のアミン部分に反応性を有する化合物をも含む重合開始剤システムの一部を形成することができる。前記システムを使用して、アクリル系モノマーの重合を開始し、低表面エネルギーポリマーに対して例外的に良好な接着性を有するアクリル系接着剤を形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 発明の分野 本発明は、一般にオルガノボランアミン錯体開始剤システム、より具体的には
、錯体が1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質内に担持されているシステム
に関する。本発明はさらに、それら、特に2液型アクリル接着剤組成物によって
製造される重合性組成物に関する。前記接着剤組成物は、様々な支持体、具体的
には低表面エネルギーポリマーに対して優れた粘着性を有する。
【0002】 関連技術の説明 ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリテトラフルオロエチレン(例えば、
TEFLON)などの低表面エネルギープラスチック支持体に粘着結合するため
の効率的、有効な手段は、かなり以前から求められていた。これらの物質に粘着
結合することの難点については周知である。例えば、Progress in
Rubber and Plastic Technology、第1巻、1頁
(1985)に記載のD.M.Brewis「ポリマー表面に関する粘着性の問
題」を参照のこと。
【0003】 従来のアプローチでは、しばしば、炎処理、コロナ放電、プラズマ処理、オゾ
ンまたは酸化酸による酸化、およびスパッタエッチングなどの複雑かつ費用のか
かる支持体表面調製技術が使用される。あるいは、支持体表面を高表面エネルギ
ー物質で被覆することによって、前記支持体表面を下塗りすることができる。し
かし、プライまーの適切な粘着を達成するためには、まず、上記の表面調製技術
を使用する必要である場合がある。これらの技術はすべて周知であり、Trea
tise on Adhesion and Adhesives (J.D.
Minford、Marcel Dekker編、1991,New York
、第7巻、333〜435頁)などで報告されている。既知のアプローチは、特
定の支持体を使用するために頻繁に要求に合わせられる。その結果、それらのア
プローチは、一般に、低表面エネルギープラスチック支持体に結合するには有用
ではない場合がある。
【0004】 さらに、現在公知のアプローチは複雑で費用もかかるため、末端消費者(例え
ば、家屋の修繕、日曜大工など)の使用に特に適しているとはいえない。1つ問
題となるのが、くずかご、洗濯かごおよび玩具などのポリエチレン、プリプロピ
レンまたはポリスチレン製の多くの安価な日用品の修繕である。
【0005】 従って、複雑な表面調製、下塗りなどを要することなく、広範な支持体、具体
的にはポリエチレン、プリプロピレンおよびポリテトラフルオロエチレンなどの
低表面エネルギー物質に容易に結合することができる接着剤を簡単かつ容易に使
用することが強くかつ長い間必要とされている。
【0006】 低表面エネルギープラスチックに結合することができる接着剤は確かに有利で
ある一方、前記接着剤の成分を簡便な混合比で組み合わせることができれば、そ
のような接着剤の商業上の有用性は高まるであろう。このことにより、研究室レ
ベルの手作業の秤量および異なる成分の混合を必要とすることなく、従来の接着
剤ディスペンサーを使用して接着剤を安易に適用することができる。しかし、混
合比を簡便にすることで保存安定性または性能を有意に低下させるべきではない
。従って、低表面エネルギープラスチックに結合することができる接着剤が必要
なだけではなく、簡便な混合比で容易に配合することができる接着剤が必要であ
る。
【0007】 そのような接着剤について他の属性を有することを所望しよもよい。例えば、
重合性アクリル系接着剤は、しばしば強力かつ不快なにおいを伴う。性能に影響
することはないが、そのようなにおいのために接着剤の使用をためらう人や、他
のおそらくはより高価な代替物を選択しようとする人もいる。さらに、特定の状
況では、前記重合性アクリル系接着剤は、構造的結合用途に要求される高い強度
の粘着結合を形成するための容易に架橋可能な接着剤を有するのに役立ち得る。
【0008】 さらに他の設定では、接着剤は棚置き寿命の延長を示し、即ち、長期間、室温
で安定を保持する。この様式では、製品の保存寿命を実質的に低下させることな
く、冷蔵保存などの特別な保存条件を回避することができる。また、棚置き寿命
を超えて保存したことが理由で製品を廃棄することを要する可能性も減少する。
同様に、接着剤が使用前に高温に暴露される場合、長期間の高温(例えば、15
0゜Fを超える)での安定性も所望される。このことは運送中、または空調施設
がない高温な気候に位置する倉庫もしくは他の保存施設で接着剤の在庫を確認す
る場合に発生し得る。
【0009】 いくつかの接着剤組成物は、熱または紫外線への暴露時に黄変または他の変色
になりやすい。接着剤組成物を透明もしくは半透明の支持体に結合させるために
使用する場合、またはそうでなくても接着剤の結合線が見える場合、このような
ことは所望され得ない。そのような用途の場合、熱または紫外線への暴露時に白
色または半透明を保持する接着剤組成物が好適であり得る。
【0010】 以下に詳細に説明するが、オルガノボランアミン錯体開始剤システムならびに
(1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質およびアクリル系接着剤を重合する
ことができるアクリルモノマーを含む)本発明の関連組成物は、これらの要求に
対処することができ、他の多くの利点を提供する。
【0011】 トリブチルボランおよびトリエチルボランなどのオルガノボランについては、
ビニルモノマーの重合を開始して触媒することが報告されている(例えば、G.
S.Kolesnikovら、Bull.Acad.Sci.USSR,Div
.Chem.Sci.1957、653頁、J.Furakawaら、Jour
nal of Polymer Science、第26巻、113刷、234
頁、1957;およびFurakawaら、Journal of Polym
er Science、第28巻、116刷、1958を参照のこと)。これら
の参考文献に記載のタイプのオルガノボラン化合物は、かなりの自然発火性があ
り、平易な使用をも複雑にしている。
【0012】 ケミカルアブストラクト番号134385q(第80巻、1974)「ポリオ
レフィンまたはビニルポリマーへの結合」は、10部のメタクリル酸メチル、0
.2部のトリブチルボラン、および10部のポリ(メチルメタクリル酸)の混合
物を使用してポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリ(酢酸ビニル)ロッドを
結合することを報告している。
【0013】 米国特許第3,275,611号(E.H.Mottus)は、オルガノボラ
ン化合物、過酸化(peroxygen)化合物、およびアミンを含む触媒でオ
レフィン化合物(例えば、メタクリル酸モノマー)を重合する方法について開示
している。オルガノボラン化合物およびアミンを反応混合物に個別に添加しても
、またはそれらを好適な錯体として添加してもよい。
【0014】 英国特許明細書第1,113,722号「有気性重合性組成物」(1968年
5月15日公開)は、フリー基触媒(例えば、過酸化物)および一般式(R) B−Am[式中、Rはアリール基であり、Amはアミンである]を有するトリア
リールボラン錯体の使用を介するアクリレートモノマーの重合について開示して
いる。得られる組成物は、接着剤として有用であると報告されている。
【0015】 ケミカルアブストラクト番号88532r(第73、1970)「歯科用自己
硬化性樹脂」およびその文献全体は、トリブチルボランはアンモニアまたは特定
のアミンと複合することによって安定化し得ること、およびイソシアネート、酸
塩化物、塩化スルホニル、または酢酸無水物などのアミン供与体によって再活性
され得ることを報告している。その結果、複合体を使用して、メタクリル酸メチ
ルおよびポリ(メチルメタクリル酸)のブレンドを重合して歯科用接着剤を提供
することができる。
【0016】 米国特許第4,638,092号(Ritter)は、有機性ホウ素ポリマー
および高分子の開始のためのそれらの使用について開示している。オルガノホウ
素化合物は、ホウ素含有基が、大気中の酸素に暴露されてもほとんど反応性を示
さない有機性ポリマーマトリックスに連結することを特徴とする。ポリマーマト
リックスは、ジオレフィンを重合することによって、αオレフィンでジオレフィ
ンを共重合することによって、またはマレイン酸およびフマル酸などのジカルボ
ン酸含有オレフィン基によるジオールもしくはジアミンの重縮合によって得るこ
とができる。米国特許第4,639,498号(Ritter)は、2成分接着
剤を提供するためのオルガノホウ素化合物の使用について記載している。
【0017】 SkoultchiまたはSkoultchiらの一連の特許(米国特許第5
,539,070号;同第5,690,780号および同第5,691,065
号)は、アクリル系接着剤組成物、具体的にはエラストマー性アクリル系接着剤
において有用であることが報告されている2液型開始剤システムについて開示し
ている。2液型システムの第1の部は、安定なオルガノアミン錯体を含み、第2
部は、有機酸もしくはアルデヒドなどの脱安定化剤または活性化剤を含む。
【0018】 Zharovらの一連の特許(米国特許第5,539,070号;同第5,6
90,780号および同第5,691,065号)は、少なくとも1つのアクリ
ル系モノマー、有効量の特定のオルガノボランアミン錯体、およびアクリル系モ
ノマーの重合を開始するための有効量の酸について開示している。アクリル系組
成物は、低表面エネルギーポリマーを結合するためのアクリル系接着剤として特
に有用である。
【0019】 Pociusらの一連の特許(米国特許第5,616,796号;同第5,6
84,102号および同第5,795,657号)は、アクリル系モノマー、オ
ルガノボランポリアミン錯体、およびアミンに反応性を有する物質を含む重合性
アクリル系組成物について開示している。低表面エネルギーポリマーを結合する
ための接着剤として有用な重合性アクリル系モノマー組成物が好適であり得る。
ポリアミンは、第一級アミンを両末端基とする物質と、第一級アミンに反応性を
有する少なくとも2つの基を有する物質との反応生成物である。
【0020】 米国特許第5,621,143号、同第5,681,910号および同第5,
718,977号(Pocius)は、アクリル系モノマー、オルガノボランポ
リオキシアルキレンポリアミン錯体、およびアミン反応性化合物を含む重合性ア
クリル系モノマー組成物について開示している。前記化合物は、低表面エネルギ
ーポリマーを結合するための接着剤として有用である。
【0021】 米国特許第5,686,544号(Pocius)は、低表面エネルギーポリ
マーに例外的に良好な接着性を有するポリウレタン/ポリウレアアクリル系接着
剤組成物について開示している。前記接着剤組成物は、アクリル系モノマー、オ
ルガノボランポリアミン錯体、ポリオールおよびポリイソシアネートを含む。
【0022】 発明の概要 一般に、本発明は、2液型硬化性組成物、具体的にはアクリル系接着剤である
2液型硬化性組成物を提供するのに特に有用な重合開始剤システムに関する。広
範に述べれば、本発明の1つの態様において、重合開始システムは、オルガノボ
ランアミン錯体および1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質を含む。好まし
くは、前記錯体および1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質は、室温で溶液
(より好ましくは液体溶液)を形成する。
【0023】 様々なオルガノボランアミン錯体を本発明において使用することができ、以下
の構造:
【化5】 は、適切なオルガノボランアミン錯体の代表例である。
【0024】 本構造において、 Rは1〜10個の炭素原子を有するアルキル基であり; RおよびRは1〜10個の炭素原子を有するアルキル基およびフェニル含
有基から独立して選択され; Amは、アンモニア、モノアミン、アルキルポリアミン、ポリオキシアルキレン
ポリアミン、および第一級アミンを両末端基とする物質と第一級アミンに反応性
を有する少なくとも2つの基を有する物質との反応生成物を含む様々な物質から
選択されるアミンであり、前記反応混合物中の第一級アミン基の数は第一級アミ
ンに反応性を有する基の数よりも大きく; vは、前記錯体における第一級アミンの窒素原子対ホウ素原子の比である。
【0025】 1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質は、広範には、次の構造:
【化6】 を有する少なくとも1つの官能基を含む物質を指し、次の構造:
【化7】 を有する化合物によって示され得る。
【0026】 これらの構造において、RおよびRは協力してシクロアルキル基を独立し
て形成しても、または水素、アルキル基、アリール基、アルキルアリール基、お
よびハロゲンからなる群より独立して選択してもよい。Rは2価の有機結合基
であり;Rは水素以外の1価の有機基であり;Xは酸素、置換されたアミノ(
即ち、N−HまたはN−R)およびイオウからなる群から選択され;nは括弧
内の繰り返し単位の数である。
【0027】 より好ましくは、RおよびRは水素、および低級アルキル基から独立して
選択され、Rは独立して2価のアルキレン基または2価のアリーレン基であり
、Rは1価のアルキル、アリールまたはアルキルアリール基であり;Xは独立
して酸素または置換されたアミノ基であり、nは、1,4−ジオキソ−2−ブテ
ン官能性物質が約10,000以下の数平均分子量を有するように選択される。
およびRが水素またはメチル(両方とも水素であるのが最も好ましい)で
あり、nは、約400以下の数平均分子量を有する物質を生じる(n=0が最も
好ましい)のがより好ましい。
【0028】 様々な1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質を使用することができ、それ
らには、1,4−ジアルコキシ−1,4−ジオキソ−2−ブテン;1,4−ビス
(ジアルキルアミノ)−1,4−ジオキソ−2−ブテン;1,4−ジアルキルメ
ルカプト−1,4−ジオキソ−2−ブテン;1,4−ビス(アルキルアミノ)−
1,4−ジオキソ−2−ブテン;1−アルキルアミノ−4−アルコキシ−1,4
−ジオキソ−2−ブテン;1−ジアルキルアミノ−4−アルコキシ−1,4−ジ
オキソ−2−ブテン;1−アルキルメルカプト−4−アルコキシ−1,4−ジオ
キソ−2−ブテン;1−アルキルメルカプト−4−アルキルアミノ−1,4−ジ
オキソ−2−ブテン;1−アルキルメルカプト−4−ジアルキルアミノ−1,4
−ジオキソ−2−ブテン;および上記物質の組み合わせが含まれる。これらの1
,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質のうち特に好ましい物質は、マレイン酸
ジエチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジブチル、マレイン酸ジエチルヘキシ
ル、およびそれらの組み合わせなどの1,4−ジアルコキシ−1,4−ジオキソ
−2−ブテンである。
【0029】 本発明の重合開始剤システムは、さらに錯体のアミン成分に反応性を有する化
合物を含み得、アクリル系モノマーの重合を開始するためのオルガノボランを遊
離することができる。有用なアミン反応性化合物としては、酸、アルデヒドおよ
び無水物が挙げられる。イソシアネート、酸塩化物および塩化スルホニルを使用
してもよいが、それほど好ましくはない。
【0030】 もう1つの態様において、本発明はオルガノボランアミン錯体、1,4−ジオ
キソ−2−ブテン官能性物質、アミン反応性化合物、および重合性アクリル系モ
ノマーを含む重合性組成物に関する。重合性アクリル系モノマーは、好ましくは
一官能性アクリル酸エステルまたは一官能性メタクリル酸エステル(これらの物
質の置換された誘導体およびブレンドを含む)である。
【0031】 重合性組成物は、100%反応性、2液型、硬化性(室温で)接着剤組成物を
提供するのに特に有用である。一方の部はオルガノボランアミン錯体および1,
4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質(好ましくは溶液)を含む。他方の部は重
合性アクリル系モノマーおよびアミン反応性化合物を含む。アミン反応性化合物
は、アクリル系モノマーの重合を開始するためのオルガノボランを遊離するのに
十分な量で提供される。2液型接着剤は、それらが2液型接着剤ディスペンサー
で容易に使用することができるように、簡便かつ商業上有用な、1:10以下、
より好ましくは1:4、1:3、1:2または1:1の整数の混合比で容易に組
み合わせることができる。
【0032】 1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質におけるオルガノボランアミン錯体
の溶解性は、2液型接着剤の供給を可能にする。前記錯体が反応し得る他の構成
物から前記錯体を分離することができる。このことは、接着剤組成物の保存安定
性を改善ずることができるため、本発明の組成物の棚置き寿命は延長される。即
ち、前記組成物は、室温および高温(約150゜Fを超える)の両方において長
期間安定性を保持する。冷蔵保存などの特別な保存条件は必要ではない。
【0033】 本発明の組成物は、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリテトラフルオロ
エチレンなどの低表面エネルギー物質に対して優れた接着性を有する。従って、
もう1つの態様において、本発明は、本発明の硬化性接着剤組成物の層によって
ともに粘着結合した第1の支持体および第2の支持体(好ましくは、低表面エネ
ルギーポリマー物質)を含む結合型複合体に関する。そのような支持体に対する
接着は、有効量のオルガノボランアミン錯体を使用することによって促進され、
その量は、広範には、重合性組成物中の充填剤、非反応性の希釈剤、および他の
非反応性の成分を除く全組成物の重量に基づき約0.003〜1.5重量%のホ
ウ素である。より好ましくは、前記組成物は、約0.008〜0.5重量%のホ
ウ素、最も好ましくは0.01〜0.3重量%のホウ素を含有する。
【0034】 好ましい実施態様の詳細な説明 本発明は、2成分からなる硬化性組成物、具体的にはアクリル系接着剤に対し
て硬化性である(即ち、重合する)組成物を提供するのに特に有用である。広範
には、本発明の1つの態様において、重合開始剤システムは、オルガノボランア
ミン錯体および1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質を含む。以下に説明す
るように、1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質は、オルガノボランアミン
錯体のための担体(増量剤)および重合開始剤システムの他の構成物に反応性の
両方として有利である。より具体的には、本発明の重合開始剤システムは、オル
ガノボランアミン錯体、1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質、および前記
オルガノボランを有するためにアミンに反応性を有する物質を含み、より好まし
くは、それらから本質的になる。
【0035】 錯体のオルガノボラン成分は、アクリル系モノマーおよび1,4−ジオキソ−
2−ブテン官能性物質のフリー基共重合を開始し、アクリル系接着剤として有用
であり得るアクリル系ポリマーを形成する。未熟な酸化に対してオルガノボラン
を安定化させるために、前記オルガノボランをアミンと複合させる。錯体のアミ
ン部分とアミン反応性物質とを反応させることによって、オルガノボランは錯体
から遊離される。本発明のアクリル系接着剤は、広範な様々な支持体に結合する
ことができるが、これまで、複雑で費用のかかる表面調製技術を使用して結合し
ていた低表面エネルギープラスチック支持体(例えば、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリテトラフルオロエチレンなど)に例外的に良好な接着性を提供する
【0036】 1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質は、室温(約20〜22℃)および
高温(例えば、約150゜Fを超える)で安定に保存される開始剤システムの供
給を可能にする。開始剤システムは、簡便かつ商業上有用な、1:10以下の整
数の混合比で2液型接着剤のために直接重合性モノマーと組み合わせることがで
きる。さらにおよび相当有利に、1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質はア
クリル系モノマーに反応性であり、それと共重合することができる。従って、オ
ルガノボランアミン錯体の担体または増量剤を提供することに加えて、1,4−
ジオキソ−2−ブテン官能性物質は重合された物質に組み入れられる。1,4−
ジオキソ−2−ブテン官能性物質、アミン反応性物質、およびアクリル系モノマ
ーは、独立して、約10,000未満、より好ましくは約1,000未満、最も
好ましくは約750未満の数平均分子量を有する物質に反応性である。その結果
、本発明はまた、100%固体(即ち、十分に反応性)の重合性接着剤組成物を
提供する。得られる接着剤は、その使用において、熱または紫外線への暴露時に
黄変または他の所望されない変色を伴うことなく白色または半透明を保持する。
【0037】 本発明において有用なオルガノボランアミン錯体は、オルガノボランおよびア
ミンの錯体である。従って、それらは、オルガノボラン成分およびアミン成分の
複合混合物を提供する。錯体は、好ましくは、以下の一般構造:
【化8】 [式中、Rは1〜10個の炭素原子を有するアルキル基であり、RおよびR は1〜10個の炭素原子を有するアルキル基およびフェニル含有基から独立し
て選択される]を有する。より好ましくは、R、RおよびRは、メチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、およびペンチルな
どの1〜5個の炭素原子を有するアルキル基である。「独立して選択される」と
は、RおよびRが同じであっても、または異なっていてもよいことを意味す
る。RもRまたはRと同じであっても異なっていてもよい。好ましくは、
、RおよびRは同じである。最も好ましくは、R、RおよびR
それぞれエチル基である錯体である。
【0038】 錯体における第一級アミンの窒素原子対ホウ素原子の比は、「v」で表され、
好ましくは、有効な比の第一級アミンの窒素原子およびホウ素原子が提供される
ように選択される。錯体における第一級アミンの窒素原子対ホウ素原子比は、好
ましくは1:1である。1:1未満の第一級アミンの窒素原子対ホウ素原子比で
は、遊離のオルガノボラン(自然発火の傾向がある物質)が放出される可能性が
ある。1:1を超える第一級アミンの窒素原子対ホウ素原子比では、過剰の第一
級アミンと1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質とが反応して所望されない
副産物が生じる可能性がある。
【0039】 「Am」は錯体のアミン部分を表し、異なるアミンのブレンドを含む少なくと
も1つのアミン基を有する広範な様々な物質によって提供される。「Am」はポ
リアミン(2〜4個のアミン基などの2個以上のアミン基を有する物質)であっ
てもよい。
【0040】 1つの実施態様において、「Am」は第一級または第二級アミンであり、例え
ば、以下の構造:
【化9】 [式中、RおよびRは、水素、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、
アミン基がアリール基構造には直接結合していないアルキルアリール基、および
ポリオキシアルキレン基からなる群より独立して選択される]によって表される
。これらのアミンの特定の例としては、アンモニア、エチルアミン、ブチルアミ
ン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ベンジルアミン、およびポリオキシアル
キレンモノアミン(例えば、M715およびM2005などのHuntsman
Chemical Company由来のJEFFAMINES)が挙げられ
る。
【0041】 もう1つの実施態様において、アミンは、次の構造:HN−R−NH
式中、Rは、アルキル、アリールまたはアルキルアリール基からなる二価の有
機基である]によって記載されるポリアミンである。これらの物質のうち、アル
カンジアミンが好ましく、前記アルカンジアミンは、分岐していてもまたは直鎖
状であってもよく、以下の一般構造:
【化10】 [式中、xは1以上、より好ましくは約2〜12の整数であり、Rは水素また
はアルキル基である]を有する。アルカンジアミンの特に好ましい例としては、
1,2−エタンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,5−ペンタンジアミ
ン、1,6−ヘキサンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2−メチル−1
,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、およびこれ
らの物質の異性体が挙げられる。アルカンジアミンは好適であるが、トリエチレ
ンおよびジエチレントリアミンなどの他のアルキルポリアミンも使用することが
できる。
【0042】 有用なポリアミンは、ポリオキシアルキレンポリアミンによっても提供され得
る。本発明の錯体を製造するのに適切なポリオキシアルキレンポリアミンは、以
下の構造: HNR(RO)−(R10O)−(RO)−RNH (即ち、ポリオキシアルキレンジアミン);または [HNR−(RO)−R11 から選択することができる。R、RおよびR10は、1〜10個の炭素原子
を有するアルキレン基であり、これらは同じであっても異なっていてもよい。好
ましくは、Rは、エチレン、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチルまたは
イソブチルなどの2〜4個の炭素原子を有するアルキル基である。好ましくは、
およびR10は、エチレン、n−プロピルまたはイソプロピルなどの2また
は3個の炭素原子を有するアルキル基である。R11は、ポリオキシアルキレン
ポリアミンを調製するために使用されるポリオールの残基である(即ち、水酸基
が脱離する場合に保持される有機構造)。R11は、分岐していてもまたは直鎖
状であってもよく、置換されていてもまたは置換されていなくてもよい(但し、
置換基は、オキシアルキル化反応を妨害すべきではない)。
【0043】 wの値は≧1、より好ましくは約1〜150、最も好ましくは約1〜20であ
る。wは2、3または4である構造も有用である。xおよびyの値は両方とも≧
0である。zの値は、(それぞれ、ポリオキシアルキレントリアミンおよびテト
ラアミンを供給するように)>2、より好ましくは3または4である。w、x、
yおよびzの値は、得られる複合体が室温(「室温」とは、本明細書においては
約20〜22℃を指す)で液体であるように選択されることが好ましく、このこ
とにより前記錯体の取り扱いおよび混合が簡便になる。通常、ポリオキシアルキ
レンポリアミン自体は液体である。ポリオキシアルキレンポリアミンについては
、約5,000未満の分子量を使用することができるが、約1,000以下の分
子量が好ましく、約140〜1,000の分子量が最も好ましい。
【0044】 特に好ましいポリオキシアルキレンポリアミンの例としては、ポリエチレンオ
キシドジアミン、ポリプロピレンオキシドジアミン、ポリプロピレンオキドトリ
アミン、ジエチレングリコールジプロピルアミン、トリエチレングリコールジプ
ロピルアミン、ポリテトラメチレンオキシドジアミン、ポリ(エチレンオキシド
−コ−プロピレンオキシド)ジアミン、およびポリ(エチレンオキシド−コ−プ
ロピレンオキシド)トリアミンが挙げられる。
【0045】 適切な市販のポリオキシアルキレンポリアミンの例としては、D、ED、およ
びEDR系列のジアミン(例えば、D−400、D−2000、D−5000、
ED−600、ED−900、ED−2001、およびEDR−148)および
T系列のトリアミン(例えば、T−403)などのHuntsman Chem
ical Company由来の様々なJEFFAMINES、ならびにDix
ie Chemical Company由来のDCA−221が挙げられる。
【0046】 ポリアミンはまた、第一級アミンを両末端基とする物質(即ち、2つの末端基
が第一級アミンである)と第一級アミンに反応性を有する少なくとも2つの基を
含有する1つ以上の物質(本明細書では時々「二官能性アミン反応性物質」を指
す)との縮合反応生成物を含むことができる。そのような物質は、好ましくは実
質的に直鎖状であり、そのため次の構造:E−(L−E)−L−E[式中、各
Eは第一級アミンを両末端基とする物質の残基であり、各Lは、二官能性第一級
アミン反応性物質の残基である結合基である]を有する。(「残基」とは、第一
級アミンを両末端基とする物質およびに官能性第一級アミン反応性物質の部分を
意味し、ポリアミン付加物を形成するための反応後も保持される。)
【0047】 EおよびL基は独立して選択される。即ち、各E基は同じであってもまたは異
なっていてもよく、各Lもまた同様であるが、各E基は同じで、各L基も同じで
あることが好ましい。好ましくは、EおよびLは、アクリル系モノマーに可溶な
錯体が形成されるように選択される。ポリアミンの末端基の大部分(50%より
大きい)は、第一級アミンであるべきである。
【0048】 uの値は、ポリアミンおよび複合体の両方に有用な粘度を提供するように選択
される。好ましくは、ポリアミンおよび複合体の両方は、室温で液体である。従
って、uの値は0以上であってもよいが、約0〜5の値がより好ましく、0また
は1の値が最も好ましい。
【0049】 第一級アミンを両末端基とする物質は、アルキル二重第一級アミン、アルキル
アリール二重第一級アミン、ポリオキシアルキレンジアミン(例えば、上記のも
の)またはそれらの混合物であってもよい。有用なアルキル二重第一級アミンは
、構造NH−R12−NH[式中、R12は、1,3−プロパンジアミン、
1,6−ヘキサンジアミン、および1,12−ドデカンジアミンなどの約1〜1
2個の炭素原子を有する直鎖状または分岐のアルキル基である]を有するアルキ
ル二重第一級アミンである。他の有用なアルキル二重第一級アミンは、トリエチ
レンテトラアミンおよびジエチレントリアミンを含む。有用なアルキルアリール
二重第一級アミンの例としては、m−テトラメチルキシレンジアミンがある。
【0050】 二官能性第一級アミン反応性物質は、第一級アミンに反応性を有する少なくと
も2つの基を含有する。反応性基は異なっていてもよいが、それらは同じである
ことが好ましい。2の官能性(即ち、第一級アミンに反応性を有する2つの基)
を有する二官能性第一級アミン反応性物質も好ましい。有用な二官能性第一級ア
ミン反応性物質は、一般に次の式Y−R13−Z[R13は、アルキル、アリー
ルまたはアルキルアリール基またはそれらの組み合わせなどの二価の有機基であ
り、YおよびZは、第一級アミンに反応性を有する基であって、YおよびZは同
じであってもまたは異なっていてもよい]によって表され得る。第一級アミンに
反応性を有する有用なYおよびZは基の例としては、カルボン酸(−COOH)
、カルボン酸ハロゲン化物(−COX、式中、Xはハロゲン、例えば、塩素であ
る)、エステル(−COOR)、アルデヒド(−CHO)、エポキシド
【化11】 アミンアルコール(NHCHOH)、およびアクリル基
【化12】 が挙げられる。
【0051】 適切なカルボン酸官能性物質は、好ましくは、ポリアミドを形成するのに有用
なカルボン酸官能性物質、例えば、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸およ
び次の構造HOOC−R14−COOH[式中、R14は約2〜21個の炭素原
子を有する直鎖状アルキル基である]を有するジカルボン酸である。芳香族性ジ
カルボン酸(例えば、テレフタル酸およびイソフタル酸)を使用してもよく、特
にアルキルジカルボン酸との組み合わせでアルキルアリールジカルボン酸であり
得る。
【0052】 有用なカルボン酸ハロゲン化物官能性物質およびエステル官能性物質は、上記
のカルボン酸官能性物質を誘導することによって得られる物質を含む。
【0053】 適切なアルデヒド官能性物質としては、オキサアルデヒド、プロパンジアルデ
ヒド、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、アジポアルデヒド、2−ヒド
ロキシヘキサンジアール、フタルアルデヒド、1,4−ベンゼンジアセトアルデ
ヒド、4,4’−(エチレンジオキシ)ジベンゼンアルデヒド、および2,6−
ナフタレンジカルボアルデヒドなどのアルキル、アリールおよびアルキルアリー
ルジアルデヒドが挙げられる。グルタルアルデヒドおよびアジポアルデヒドが最
も好ましい。
【0054】 適切なエポキシド官能性物質としては、ビスフェノールAおよびビスフェノー
ルFを基材とするジエポキシドなどのグリシジルエーテルジエポキシドが挙げら
れる。
【0055】 有用なアクリル官能性物質は、好ましくはジアクリル酸であり、広範な様々な
そのような物質は、本発明において首尾よく用いることができる。
【0056】 既知の技術を用いて、オルガノボランアミン錯体を用意に使用することができ
る。典型的に、アミンは、徐々に攪拌しながら不活性大気(例えば、窒素で締め
出して100ppm未満の酸素を有する環境にしたグローブボックス)中でオル
ガノボランと組み合わせられる。アミンが予め秤量されているフラスコに、圧均
等滴下漏斗からオルガノボランを添加することができる。しばしば発熱が認めら
れるため、混合物の冷却が薦められる。発熱を制御するかまたは発煙時のために
オルガノボランの添加を監視してもよい。成分が高い蒸発圧を有する場合、約7
0〜80℃より低い反応温度を維持するのが望ましい。一旦、物質が良好に混合
されたら、錯体を室温まで冷却することが可能である。特別な保存条件は必要な
いが、冷暗所で蓋付の容器内に錯体を保存するのが好ましい。錯体の結晶塊を、
油浴により窒素環境外で加熱する(例えば、約55℃まで)して、錯体を液化し
て保存バイアルに移すことができ、前記バイアルは窒素で締め出すことができる
【0057】 オルガノボランアミン錯体は、所望される目的の用途のために十分な高分子量
のアクリル系ポリマーが得られるように容易にアクリル系モノマーの重合が生じ
得るのに十分多量であるような有効量で使用される。オルガノボランアミン錯体
の量が少な過ぎる場合、重合が不十分であり得るか、または接着剤の場合は得ら
れる組成物は、不十分な接着性を有し得る。一方、オルガノボランアミン錯体の
量が多過ぎる場合、重合の促進が非常に速過ぎて有効な混合ができず、得られる
組成物を使用することができない。
【0058】 大量の錯体により、接着剤の場合に結合線(bondline)を弱め得る大
量のボランを生じさせることもできる。重合の有用な速度は、組成物を基体に適
用する方法に一部依存する。従って、手動のアプリケーターで組成物を適用した
り、組成物を手作業で混合したりするよりも、高速の自動化された産業用接着剤
アプリケーターを使用することによって重合の速度は速くなる。
【0059】 これらのパラメーターのうち、オルガノボランアミンの有効量は、好ましくは
約0.003〜1.5重量%のホウ素、より好ましくは約0.008〜0.5重
量%のホウ素、最も好ましくは約0.01〜0.3重量%のホウ素を提供する量
である。組成物中のホウ素の重量%は、充填剤、非反応性の希釈剤、および他の
非反応性の物質を除く組成物の全重量に基づく。従って、存在すれば、アクリル
基含有物質、1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質、および有機増粘剤(例
えば、ポリ(メタクリル酸メチル)またはコア−シェル(core−shell
)ポリマー)が含まれるが、取り出し可能な(abstractable)水素
原子を含まない成分または不飽和は認められない。組成物中のホウ素の重量%は
、以下の式:
【数1】 により算出することができる。
【0060】 相当有利に、オルガノボランアミン錯体は、1,4−ジオキソ−2−ブテン官
能性物質または2以上の異なる1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質のブレ
ンドに(溶解もしくは希釈することによって)担持され得る。1,4−ジオキソ
−2−ブテン官能性物質は、錯体のアミン部分および錯体のための増量剤として
の機能に対して反応性であったり、配位結合したり、または複合するべきではな
い。1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質はまた、硬化性混合物(オルガノ
ボランアミン錯体および1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質)の自発燃焼
温度を上昇させる。
【0061】 1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質は、組成物に含まれるアクリル系モ
ノマーに可溶であるべきである。「可溶である」とは、室温での全体相(gro
ss phase)の分離が裸眼で認められないことを意味する。同様に、オル
ガノボランアミン錯体は1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質に可溶である
べきであるが、前記錯体と1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質との混合物
をわずかに加温することは、室温で前記2つの物質の溶液を形成するのに役立ち
得る。好ましくは、1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質は、室温または室
温付近(即ち、約10℃もしくは20〜22℃)で液体であるか、または室温ま
たは室温付近でオルガノボランアミン錯体と液体溶液を形成する。より高い粘度
の1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質も有用である。22℃で約1,00
0,000cpまでのBrookfield粘度を有する物質は、本発明におい
て首尾よく使用することができるが、約100,000cpの粘度を有する物質
がより好ましい。
【0062】 本発明における担体または増量剤としての1,4−ジオキソ−2−ブテン官能
性物質の有用性は、室温で揮発性をほとんどかまたは全く示さない物質を用いる
ことによって増強される(室温での保存の6ヵ月後の容量の変化は、認められな
いかまたは若干認められる程度である)。そのような物質は、一般に約160℃
を超える、より好ましくは約190℃、最も好ましくは約120℃の沸点を有す
る。
【0063】 1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質は、開始システムならびにそれによ
って製造される重合性組成物に対して優れた保存安定性および長期の棚置き寿命
を付与する。即ち、開始剤システムおよび重合性組成物は、長期間室温で安定性
を保持する。従って、製品の保存寿命を実質的に犠牲にすることなく、冷蔵など
の特別な保存条件を回避することができる。
【0064】 相当有利に、錯体の実質量(例えば、75重量%より多く、100重量%まで
)を1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質に溶解することができ、それによ
り商業上有用な混合比で組み合わせることができる2液型接着剤を提供すること
が可能である。1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質はまた、反応性の増量
剤として機能することができる。何故なら、エチレン不飽和は、この物質がアク
リル系モノマーとフリー基による共重合することを可能にするからである。有利
なことに、これにより完全な(即ち、100%)反応性システムが生じ、これは
、しばしば本明細書において100%固体システムを指す。望ましくは、これは
、接着剤の場合、重合性組成物において結合界面の表面をブルームにし粘着結合
の強度を減少する可能性のある低分子量の移動性成分のレベルを減少することが
できる。
【0065】 「1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質」は、以下の一般構造:
【化13】 [式中、R15およびR16は1価の基であり、同じであってもまたは異なって
いてもよい]を有する少なくとも1つの官能基を含有する有機化合物を指す。さ
らに、前記一般構造は、R15およびR16に対するシスおよびトランス配置の
両方を包含する。
【0066】 R15およびR16は、水素(H)、アルキル基(好ましくは、例えば、1〜
4個の炭素原子を有する低級アルキルであって、直鎖状であってもまたは分岐し
ていてもよい)、アリール基、アルキルアリール基、およびハロゲン(例えば、
臭素、塩素、フッ素およびヨウ素)を含む広範な列から独立して選択される。さ
らに、R15およびR16は、協力して(即ち、接合して)シクロアルキル基(
好ましくは5または6員環を有するシクロアルキル基)を形成し得る。様々な1
価の基を他の部分によって随意的に置換することができるが、特に、それらが、
1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質がアクリル系モノマーと共重合する速
度を低下するのであれば、これらの置換はそれほど好ましくない。
【0067】 これらの様々な化合物のうち好適なのは、R15およびR16のうち一方が水
素であり、他方がアルキル基、より好ましくは(例えば、1〜4個の炭素原子を
有する)低級アルキル基である化合物である。R15およびR16のうち一方が
水素であり、他方がメチル(CH)である化合物がより好ましい。しかし、最
も好適なのは、R15およびR16の両方がHであり、アクリル系モノマーとの
迅速な共重合を促進する化合物である。
【0068】 上記の1,4−ジオキソ−2−ブテニル官能基を組み込む化合物であって、本
発明において使用することができる化合物は、一般に以下の構造:
【化14】 で表すことができる。
【0069】 本構造において、R15およびR16は上記の通りである。R17は、アルキ
レンおよびアリーレン基の両方を含む2価の有機結合基であり、各R18は、例
えば、アルキル、アリール、およびアルキルアリール基などのH以外の1価の基
から独立して選択される。
【0070】 括弧内の繰り返し単位の数はnで表され、上記により詳細に記載したように、
1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質について所望される粘度特性に依存し
て広範な範囲で変動し得る。「n」の値はまた、1,4−ジオキソ−2−ブテン
官能性物質の分子量に関連し、好ましくは、約10,000以下、より好ましく
は約400以下の数平均分子量を生じるように選択される。しかし、最も好まし
くは、「n」の値はモノマー物質が提供されるように0である。
【0071】 各「X」は、酸素(O)、置換されたアミノ(NR19)(式中、R19は水
素、アルキル基またはアリール基などの1価の基である)、またはイオウ(S)
から独立して選択され、それぞれエステル、アミド、およびチオエステル結合が
生じるようにする。各Xが酸素であるか、またはいくつかのXが酸素であり、そ
していくつかのXが(エステルアミド結合を生じる)置換されたアミノである化
合物が特に好ましい。
【0072】 有用な1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質の広範なクラスは、1,4−
ジアルコキシ−1,4−ジオキソ−2−ブテン;1,4−ビス(ジアルキルアミ
ノ)−1,4−ジオキソ−2−ブテン;1,4−ジアルキルメルカプト−1,4
−ジオキソ−2−ブテン;1,4−ビス(アルキルアミノ)−1,4−ジオキソ
−2−ブテン;1−アルキルアミノ−4−アルコキシ−1,4−ジオキソ−2−
ブテン;1−ジアルキルアミノ−4−アルコキシ−1,4−ジオキソ−2−ブテ
ン;1−アルキルメルカプト−4−アルコキシ−1,4−ジオキソ−2−ブテン
;1−アルキルメルカプト−4−アルキルアミノ−1,4−ジオキソ−2−ブテ
ン;1−アルキルメルカプト−4−ジアルキルアミノ−1,4−ジオキソ−2−
ブテン;および上記物質の組み合わせを含む。これらの広範なクラスの物質は、
モノマー化合物およびポリマー化合物の両方を含む。これらのうち、1,4−ジ
アルコキシ−1,4−ジオキソ−2−ブテン;1,4−ビス(ジアルキルアミノ
)−1,4−ジオキソ−2−ブテンおよび1−ジアルキルアミノ−4−アルキル
オキシ−1,4−ジオキソ−2−ブテン、ならびにそれらの組み合わせが最も好
ましい。
【0073】 有用な1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質の特定の例としては、マレイ
ン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジブチル、マレイン酸ジエチルヘ
キシル、およびそれらの組み合わせが挙げられる。本発明の実施において使用す
ることができる市販の1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質の例としては、
それぞれC.P.Hall Co.(Chicago,Illinois)から
市販されているSTAFLEX DEMおよびSTAFLEX DBMが挙げら
れる。
【0074】 1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質は、重合した組成物の最終的な特性
(例えば、粘着性)に顕著な有害な影響を及ぼさない程度の有効量で使用される
。一般に、これは、組成物の全重量に基づき約50%を超えない、好ましくは約
25%を超えない、より好ましくは約10%を超えない、最も好ましくは約5%
を超えない量である。
【0075】 上記のように、本発明のオルガノアミン錯体は、特にアクリル系モノマーの重
合を開始するための重合開始剤として特に有用である。この場合、オルガノアミ
ン錯体は、有効量のオルガノアミン錯体および重合を開始するためのオルガノボ
ランを遊離するためのアミンに反応性を有する有効量の化合物を含む、より好ま
しくは、それらから本質的になる重合開始剤システムの1成分を形成する。
【0076】 アミン反応性化合物はアミンと反応し、それによってアミンを有する化学結合
からオルガノボランを取り出することによってオルガノボランを遊離する。広範
な様々な物質を使用して、様々な物質の組み合わせを含むアミン反応性化合物を
提供することができる。所望されるアミン反応性化合物は、大気条件下で容易に
使用および硬化することができる接着剤などの組成物が提供されるように、室温
(約20℃〜22℃)または室温以下(より好ましくは室温)でアミンにより容
易に反応生成物を形成することができる物質である。有用なアミン反応性化合物
の一般的なクラスとしては、酸、無水物およびアルデヒドが挙げられる。イソホ
ロンジイソシアネート、トルエンジイソシアネートおよび塩化メタクリロイルな
どのイソシアネート、酸塩化物、塩化スルホニルなども使用してよいが、それら
は、水分による所望されない未熟な反応を阻止するために、これらの成分を含有
するモノマー混合物を厳正に乾燥する必要があるため、それほど好ましくはない
【0077】 酸は好ましいアミン反応性化合物である。アミン基を塩処理することによって
オルガノボランを遊離することができる任意の酸を使用することができる。有用
な酸としては、ルイス酸(例えば、SnCl、TiClなど)およびブロン
ステッドの酸(例えば、カルボン酸、HCl、HSO、HPO、ホスフ
ィン酸、ケイ酸など)が挙げられる。有用なカルボン酸としては、一般式R20 −COOH[式中、R20は水素、1〜8個、好ましくは1〜4個の炭素原子か
らなるアルキレン基、または6〜10個、好ましくは6〜8個の炭素原子からな
るアリール基である]を有するカルボン酸が挙げられる。アルケニル基は直鎖を
含み得るか、またはそれらは分岐し得る。それらは飽和であってもまたは不飽和
であってもよい。アリール基は、アルキル、アルコキシまたはハロゲン部分を含
有してもよい。このタイプの例示的な酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、
酢酸、安息香酸、およびp−メトキシ安息香酸が挙げられる。
【0078】 においの少ない重合性組成物を提供すことが所望される場合、より大きな数の
炭素原子を有するアルケニル基が薦められる。この場合、R20は、直鎖または
分岐鎖、少なくとも9個の炭素原子、より好ましくは少なくとも約11個の炭素
原子、最も好ましくは少なくとも約15個の炭素原子からなる飽和または不飽和
のアルケニル基であってもよい。
【0079】 アミン反応性化合物として有用な他のカルボン酸としては、ジカルボン酸およ
びカルボン酸エステルが挙げられる。そのような化合物は、以下の一般構造:
【化15】 で表すことができる。
【0080】 R21は、水素、1価の有機基(水素を除いて、好ましくは、約18個以下の
原子、より好ましくは約8個以下の原子を有する)、または複数価の有機基(水
素を除いて、好ましくは約30個以下の原子、より好ましくは約10個以下の原
子を有する)である。R22は、複数価の有機基(水素を除いて、好ましくは約
8個以下の原子、より好ましくは約4個以下の原子を有する)である。R23
、水素または1価の有機基(水素を除いて、好ましくは、約18個以下の原子、
より好ましくは約8個以下の原子を有する)。「m」の整数値は0、1または2
であり、「n」の整数値は1以上、好ましくは1〜4、より好ましくは1または
2である。
【0081】 より好ましくは、以下の一般構造:
【化16】 [式中、R21、R22、およびnは、先に規定した通りである] で表されるカルボン酸が得られるように、mは0である。
【0082】 R21、R22およびR23により共に言及される「有機基」は、脂肪族基(
飽和であってもまたは不飽和であってもよく、かつ直鎖状であってもまたは分岐
していてもよい)、脂環式基、芳香族基、または酸素、窒素、もしくはイオウ含
有複素環式基であってもよい。R21が水素、mが0、nが1である場合、得ら
れる化合物はジカルボン酸であり、その有用な例としては、シュウ酸;マロン酸
;コハク酸;グルタル酸;アジピン酸;マレイン酸;フマル酸;フタル酸;イソ
フタル酸およびテレフタル酸が挙げられる。R21が脂肪族基、nが1、mが0
である場合、得られる化合物はカルボン酸エステルであり、その有用な例として
は、ビスマレイン酸1,2−エチレン;ビスマレイン酸1,2−プロピレン;ビ
スマレイン酸2,2’−ジエチレングリコール;ビスマレイン酸2,2’−ジプ
ロピレングリコールおよびトリスマレイン酸トリメチロールプロパンが挙げられ
る。
【0083】 また、少なくとも1つのアルデヒド基、例えば、以下の構造:
【化17】 または
【化18】 のうちの1つを好適に有する物質もアミン反応性化合物として好ましい。
【0084】 R24およびR25は、有機基であり、独立して脂肪族(飽和であってもまた
は不飽和であってもよい直鎖および分岐鎖を含む)、脂環式、または芳香族であ
り得る。好ましい脂肪族基は、1〜17個の炭素原子、より好ましくは2〜9個
の炭素原子を含む。好ましい芳香族基はベンゼンであって、1〜4個の炭素原子
の脂肪族で置換されていてもよい。
【0085】 R26は、無水物基によって環式構造を完成し、例えば、5または6員環を形
成する2価の有機基である。R26は、脂肪族基、脂環式基または芳香族基、好
ましくは1〜12個、好ましくは1〜4個の炭素原子を含む脂肪族基で置換され
ていてもよい。R26はまた、水素または窒素などのヘテロ原子を含有してもよ
い。但し、任意のヘテロ原子は、無水物官能基に隣接しない。R26はまた、脂
環式または芳香族が融合した環構造の一部であり得、それらのいずれも脂肪族基
で置換されていてもよい。無水物官能性アミン反応性化合物中にフリー基により
重合性基が存在すれば、前記基はアクリル系モノマーと重合することができる。
【0086】 アミン反応性化合物として有用な無水物は以下の式:R27−(CHO)
式中、R27は1価の有機基であり、1〜10個の炭素原子(好ましくは1〜4
個)からなるアルキル基、または6〜10個の炭素原子(好ましくは6〜8個)
、xは1または2(好ましくは1)]を有する。この式では、アルキル基は直鎖
であってもまたは分岐鎖であってもよく、ハロゲン、水酸基およびアルコキシな
どの置換基を含有し得る。アリール基は、ハロゲン、水酸基、アルコキシ、アル
キルおよびニトロなどの置換基を含有してもよい。好ましいR27基はアリール
である。このタイプの例示的な例としては、ベンズアルデヒド、o−、m−およ
びp−ニトロベンズアルデヒド、2,4−ジクロロベンズアルデヒド、p−トリ
ルアルデヒドおよび3−メトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒドが挙げられ
る。アセタールなどの保護されたアルデヒドも本発明において使用することがで
きる。
【0087】 アミン反応性化合物は、有効量、即ち、最終的に重合した組成物の特性に顕著
な有害な影響を及ぼすことなく錯体からオルガノボランを遊離させることによっ
て重合を促進するのに有効な量で、使用される。アミン反応性化合物がこれより
多くなると、重合の促進が速過ぎて、接着剤の場合、得られる物質は低エネルギ
ー表面に対して不適切な粘性を示す。大量のアミン反応性化合物を使用すること
で、重合された組成物の性能特性に有害な影響を及ぼすか、または重合された組
成物において所望されないほど高レベルの抽出可能物を生じる所望されない副反
応が生じ得る。一方、過剰の特定のアミン反応性化合物は、高エネルギー表面に
対する粘着性を促進し得る。少量のアミン反応性化合物を使用する場合、重合の
速度が遅すぎて、重合されるモノマーの分子量は適切に増大し得ない。しかし、
重合の速度が速すぎる場合、アミン反応性化合物の量を減少させることは前記速
度を遅くするのに役立つ。
【0088】 これらのパラメーター内で、アミン反応性化合物は、アミン反応基の等価物の
数が、オルガノボランアミン錯体におけるアミン基の数の2倍の化学量論(0.
4:1〜2:1の比が特に好ましい)である量で提供され得る。しかし、アミン
反応基の等価物の数がオルガノアミン錯体のアミン基の等価物の数を超えないこ
とがより好ましく、0.5:1〜1:1の比が最も好ましい。
【0089】 本発明のオルガノボランアミン錯体開始剤システムは、アクリル系モノマーを
重合するのに、特に重合性接着剤を製造するのに特に有用である。「アクリル系
モノマー」とは、1以上のアクリル系もしくは置換されたアクリル系部分、化学
基または官能基;即ち、以下の一般構造:
【化19】 [式中、Rは水素または有機基およびR’は有機基である]を有する重合性モノ
マーを意味する。RおよびR’が有機基である場合、それらは同じであってもま
たは異なっていてもよい。アクリル系モノマーのブレンドを使用することもでき
る。重合性アクリル系モノマーは、一官能性、多官能性またはそれらの組み合わ
せであってもよい。
【0090】 最も有用なモノマーは、一官能性(メタ)アクリル酸エステルならびにアミド
、シアノ、クロロ、およびシラン誘導体などのその置換された誘導体、ならびに
置換されたおよび置換されていない一官能性(メタ)アクリル酸エステルのブレ
ンドである。(括弧内の表現「メタ」は、メチル置換が最適であることを示す。
)特に好ましいモノマーとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸テト
ラヒドロフルフリル、およびそれらのブレンドが挙げられる。
【0091】 多官能性の重合性アクリル系モノマーは、クリープ耐性、温度耐性または最終
組成物の溶媒耐性を改善するための修飾剤として、少量(好ましくは重合性モノ
マー混合物の重量に基づいて約20%未満、より好ましくは約10重量%未満、
最も好ましくは約5重量%未満である)で特に有用である。修飾モノマーとして
有用な多官能性重合性アクリル系モノマーの1つのクラスは、以下の一般式に対
応する。
【化20】 28は、水素、メチル、エチル、および
【化21】 からなる群より選択され得る。R29は、水素、塩素、メチルおよびエチルから
なる群より選択され得る。R30は、水素、および
【化22】 からなる群より選択され得る。「a」の値は1以上、より好ましくは1〜約8、
最も好ましくは1〜4の整数である。「b」の整数値は、1以上、より好ましく
は1〜約20である。「c」の値は0または1である。
【0092】 修飾モノマーとして有用な多官能性重合性アクリル系モノマーの第2のクラス
としては、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジアクリル酸エチレングリコー
ル、ジアクリル酸ポリエチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレングリ
コール、ジアクリル酸ジグリセロール、ジメタクリル酸ジエチレングリコール、
トリアクリル酸ペンタエリスリトール、トリメタクリル酸トリメチロールプロパ
ン、ならびに他のジアクリル酸ポリエーテルおよびジメタクリル酸ポリエーテル
が挙げられる。
【0093】 修飾モノマーとして本発明において有用な多官能性重合性アクリル系モノマー
の第3のクラスは、一般式:
【化23】 を有する。 R31は、水素、塩素、メチルまたはエチルであり得る;R32は、2〜6個の
炭素原子を有するアルキレン基であり得る;R33は(CH(eは0〜8
の整数である)であるか、または以下:
【化24】 のうちの1つであり、フェニル基はオルト、メタまたはパラ位のいずれか1つで
置換可能である。「d」の値は1〜4の整数である。
【0094】 このクラスの典型的なモノマーとしては、アジピン酸ビス(エチレングリコー
ル)のジメチタクリル酸、マレイン酸ビス(エチレングリコール)のジメタクリ
ル酸、フタル酸ビス(エチレングリコール)のジメタクリル酸、フタル酸ビス(
テトラエチレングリコール)のジメタクリル酸、セバシン酸ビス(テトラエチレ
ングリコール)のジメタクリル酸、マレイン酸ビス(テトラエチレングリコール
)のジメタクリル酸、ならびにジメタクリル酸に対応するジアクリル酸およびク
ロロアクリル酸などが挙げられる。
【0095】 多官能性重合性アクリル系モノマー修飾剤のもう1つの有用なクラスは、イソ
シアネート−ヒドロキシアクリル酸またはイソシアネート−アミノアクリル酸反
応生成物である。これらは、アクリル酸末端化ポリウレタンおよびポリウレイド
またはポリ尿素として特徴づけされる。そのようなモノマーは、以下の一般式:
【化25】 [式中、WはOからなる群より選択され、NR34は水素および低級アルキル基
(例えば、1〜7個の炭素原子)からなる群より選択される]を有する。Tは、
活性な水素含有アクリル系エステルの有機残基であり、活性な水素は取り出され
ており、エステルはそのアルキル部分(メチル、エチルおよび塩素相同体)上で
水酸またはアミノ置換されている。「f」の整数値は1〜6である。Qは、アル
キル、アルキレン、シクロアルキル、シクロアルキレン、アリール、アラルキル
、アルカリール、ポリ(オキシアルキレン)、ポリ(カルボアルコキシアルキレ
ン)、および複素環式基(置換されたおよび置換されていない形の両方で)から
なる群より選択される1価または多価の有機基である。
【0096】 このクラスの典型的なモノマーとしては、モノイソシアネートまたはポリイソ
シアネート(例えば、トルエンジイソシアネート)とアクリル酸エステルの非ア
クリル酸部分において水酸基またはアミノ基を含有するアクリル酸エステル(例
えば、メタクリル酸ヒドロキシエチル)との反応生成物が挙げられる。
【0097】 特定のアクリル系モノマーの組み合わせは、においが少ない重合性組成物を提
供するのに特に有利であることを見出した。そのようなモノマーの組み合わせは
、好ましくは、約10〜90重量%のメタクリル酸テトラヒドロフルフリル;2
−メタクリル酸エトキシエチル、アクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロ
ヘキシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリ
ル酸2−エチルヘキシル、およびアクリル酸イソボルニルからなる群より選択さ
れる25〜70重量%の1以上のモノマー;ならびにメタクリル酸イソブチル、
メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸n−ヘキシ
ル、メタクリル酸イソボルニル、およびメタクリル酸イソデシルからなる群より
選択される0〜65重量%の1以上のモノマーを含み、ここで、それぞれの重量
百分率(重量%)はモノマーブレンドの全重量に基づく。
【0098】 本発明の組成物は、様々な最適な添加剤をさらに含む。1つの特に有用な添加
剤は、組成物の全重量に基づき約10〜40重量%の量で組み入れられ得る中間
の(約100,000)分子量のメタクリル酸ポリメチルなどの濃縮剤である。
濃縮剤を使用して、組成物の粘度を、より容易に室温が適用された粘性のシロッ
プ様の粘稠度まで増加させてもよい。
【0099】 もう1つの特に有用な添加剤は、エラストマー物質である。これらの物質は、
それから製造される組成物の破壊靭性を改善することができ、これは、例えば、
可撓性のポリマー基材などの他の物質ほど容易にエネルギーを機械的に吸収しな
い金属基材などの結合剛性で、高収率強度の物質の場合に有益であり得る。
【0100】 ゴムもしくはゴム様コアを含む粒子または比較的硬質なシェルに囲まれたネッ
トワークを含む特定のグラフトコポリマー樹脂(これらの物質はしばしば「コア
−シェル」ポリマーと呼ばれる)は特に有用なエラストマー添加剤である。アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレングラフトコポリマーが最も好ましい。組成
物の破壊靭性を改善することに加えて、コア−シェルポリマーはまた、硬化性組
成物に増強された拡散および流動特性を付与することができる。これらの増強さ
れた特性は、前記組成物が、シリンジタイプのアプリケーターからの計量分配時
の所望されない「ストリング」、または垂直表面に適用された後の撓み(sag
)もしくはスランプを残す傾向を軽減することによって、明らかにすることがで
きる。約10%を超えるコア−シェルポリマー添加剤を使用することが、撓み−
スランプ耐性の改善を達成するために所望される。
【0101】 もう1つの有用な補助剤は、アクリル系モノマー架橋剤である。アクリル系モ
ノマー架橋剤を使用して、粘着結合の溶媒耐性を増強することができるが、本発
明の特定の組成物は、外部から添加されるアクリル系モノマー架橋剤の非存在下
でも良好な溶媒耐性を有する。アクリル系モノマー架橋剤は、典型的に、組成物
の全重量に基づく約0.2〜10重量%の量で使用され、有用である前記アクリ
ル系モノマー架橋剤としては、可能なアクリル系修飾剤および他の物質として上
記で言及した様々なジアクリル酸塩およびジメタクリル酸塩が挙げられる。適切
なアクリル系モノマー架橋剤の特定の例としては、ジメタクリル酸エチレングリ
コール、ジアクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコ
ール、ビスメタクリルオキシ炭酸ジエチレングリコール、ジアクリル酸ポリエチ
レングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレングリコール、ジアクリル酸ジグ
リセロール、ジメタクリル酸ジエチレングリコール、トリアクリル酸ペンタエリ
スリトール、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、ならびに他のポリエー
テルジアクリル酸およびジメタクリル酸が挙げられる。
【0102】 例えば、保存中のアクリル系モノマーの分解を防止または軽減するために、ヒ
ドロキノンなどの少量の阻害剤を使用してもよい。重合の速度または接着剤もし
くはそれによって製造される他の組成物の最終特性を顕著に減少しない量、典型
的には、重合性モノマーの重量に基づいて約100〜10,000ppmで阻害
剤を添加してもよい。他の可能な添加剤としては、非反応性の着色料、充填剤(
例えば、カーボンブラック)などが挙げられる。
【0103】 様々な最適な添加剤が、重合プロセスまたは製造される組成物の所望される特
性に顕著に有害な影響を及ぼさない量で使用される。
【0104】 本発明の重合性組成物は、密閉剤、被覆剤、および注入成形樹脂を含む広範な
様々な方法で使用することができる。それらはまた、樹脂転移形成操作における
ようなガラスおよび金属繊維と共同でマトリックス樹脂として使用することもで
きる。それらはさらに、電気部品、印刷回路の基板などの製造などにおけるカプ
セル材料および注封化合物として使用することができる。かなり望ましくは、そ
れらは、ポリマー、木材、セラミック、コンクリート、および下塗りされた金属
を含む極めて多様な基材に結合することができる重合性接着剤組成物を提供する
【0105】 本発明の重合性組成物は、歴史的に、複雑な表面調製技術、下塗りなどを使用
せずに結合させるのは極めて困難であるとされている低表面エネルギープラスチ
ックまたはポリマー基材に粘着結合するのに特に有用である。低表面エネルギー
基材とは、45mJ/m未満、より典型的には40mJ/m未満または35
mJ/m未満の表面エネルギーを有する物質を意味する。そのような物質には
、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、
および20mJ/m未満の表面エネルギーを有するポリテトラフルオロエチレ
ン(TEFLON)などのフッ素化ポリマーが含まれる。(表現「表面エネルギ
ー」は、しばしば、他者によって「臨界ぬれ張力」と同義で使用される。)本発
明の組成物で有用に結合し得る若干高い表面エネルギーの他のポリマーとしては
、ポリカーボネート、メタクリル酸ポリメチル、およびポリ塩化ビニルが挙げら
れる。
【0106】 本発明の重合性組成物は、2液型接着剤として容易に使用することができる。
アクリル系モノマーが配合されるのは、そのような物質によって作用する場合に
、通常行われる。オルガノアミン錯体からアミン反応性化合物を分離して、2液
型組成物のうちの1部を提供することができるように、通常、アミン反応性化合
物がこのようなブレンドに含まれている。オルガノアミン錯体および1,4−ジ
オキソ−2−ブテン官能性物質は、組成物の第2の部を提供する。第1および第
2の部は、組成物の使用が所望される少し前に組み合わされる。
【0107】 本発明のような2液型接着剤を商業および産業環境において最も容易に使用す
るためには、組み合わされる2液型の割合を簡便な整数にするべきである。この
ようにすれば、接着剤を従来の市販のディスペンサーに適用することが可能であ
る。そのようなディスペンサーについては、米国特許第4,538,920号お
よび同第5,082,147号に記載されており、「Mixpac」の商品名で
ConProTec,Inc.(Salem NH)から市販されており、時々
二重シリンジタイプのアプリケーションとして記載されている。
【0108】 典型的に、これらのディスペンサーは、並べて配置された1対の管状容器を使
用し、それぞれの管は2液型接着剤のうちの1つを収容することが意図されてい
る。2つのプランジャー(それぞれの管に1つ)を同時に(手作業でまたは手動
のラチェット機構によって)前進させ、2液型の配合を容易にする静的混合機を
含有する共通の中空、長形の混合チャンバに管の内容物を排出する。配合された
接着剤を混合チャンバから基材上に押出す。一旦、管が空になれば、管は新鮮な
管に置き換えられ得、適用プロセスが継続する。
【0109】 接着剤の2液型を組み合わせる割合は、管の直径によって制御される。(それ
ぞれのプランジャーは固定された直径内で受容すべきサイズに規定され、プラン
ジャーは、同じ速度で管内を前進する。)単一のディスペンサーは、しばしば、
様々な異なる2液型接着剤についての用途を目的としており、プランジャーのサ
イズは、簡便な混合比で2液型接着剤が送達されるようなサイズに規定される。
いくつかの共通の混合比は、1:1、1:2、1:4および1:10である。
【0110】 2液型接着剤が端数を含む混合比で組み合わされる(例えば、3.5:100
)と、最終使用者は、おそらく手作業で2液型接着剤を秤量するであろう。従っ
て、商業および産業上の有用性のために、および現在入手可能な計量分配装置で
容易に使用するためには、2液型接着剤を、10:1以下、より好ましくは1:
4、1:3、1:2または1:1などの一般的な整数の混合比で組み合わせるこ
とを可能にすべきである。
【0111】 本発明の接着剤組成物は、2液型接着剤のための従来の市販の計量分配装置で
の使用に特有に適している。1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質における
オルガノアミン錯体の溶解性を有利に使用して、接着剤組成物の2液型混合比を
、最も商業上重要な整数、例えば、1:10、1:4、1:3、1:2または1
:1に改変することができる。
【0112】 有用な容器内寿命はアクリル系モノマーの混合、錯体の量、結合を実施する時
の温度、架橋剤の有無に依存して短くあり得るため、一旦、2液型を組み合わせ
たら、組成物を迅速に使用するべきである。
【0113】 重合性組成物は、室温で容易に適用することができ、硬化され得る。典型的に
、前記組成物は一方または両方の基材に適用され、基材は共に、過剰な組成物が
結合線から出るような力で圧力により接合される。このことは、空気に暴露され
、酸化が始まっている可能性のある組成物を移動するのに有利である。一般に、
結合は、結合は、組成物が適用されたら直ちに、好ましくは約60分内に製造さ
れるべきである。典型的な結合線の厚さは約0.1〜0.3mm。結合プロセス
は室温で容易に行うことができる。
【0114】 結合は、合理的な作動範囲内の強度で好適に硬化するため、約2時間内は結合
成分の取り扱いが可能である。大気条件下で、約6〜7時間で十分な強度が好適
に達成されるが、所望であれば、加熱(典型的に約80℃)による硬化後処理を
行う。架橋剤または環式アルデヒド官能性もしくはビニル不飽和無水物官能性ア
ミン反応性化合物を高分子形成混合物中に含有させれば、より迅速な強度の形成
が可能になる。
【0115】 本発明は、以下の非制限的実施例によってより詳細に理解されるであろう。英
文で記載されている寸法の単位は名目的なものであって、メートル単位への変換
値は近似値である。
【0116】 実施例で使用されている様々な商品名および省略は、以下の記載に従って規定
されている。
【0117】
【表1】 説明
【0118】 実施例1 開始剤混合物の調製 実施例で使用する開始剤混合物のより詳細については、以下の表1に記載して
いる。しかし、一般的には、1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質のスラリ
ーおよび添加剤(例えば、ポリ(メタクリル酸メチル)またはポリエステル濃縮
剤)を調製し、これらを70℃で30分間、透明、無色の溶液が得られるまで攪
拌することによって、開始剤混合物を得た。得られた混合物を室温まで冷却させ
た。混合物が添加剤としてコアシェルゴム修飾剤を含有した場合は、70℃で1
8時間放置して、添加剤を膨潤させ、次いで、Premier Mill Co
rporation,Reading,PAより市販の実験用ディスペンサーの
鋸歯で、均質で塊を含まない混合物が得られるまで積極的に剪断した。次いで、
得られた混合物に、トリエチルボランおよび1,6−ヘキサンジアミン(それぞ
れ2:1のモル比)の錯体を添加して、加熱(約50℃)および錯体の結晶が溶
解するまで約10分間の攪拌を伴って溶解した。
【0119】
【表2】 表1 1 STAFLEX DBM、C.P. Hall Co, Chicago, ILより市販。2 STAFLEX DEM、C.P. Hall Co, Chicago, ILより市販。3 BlendexTM360、General Electric Specialty Chemicals, Parkersbury, WV
より市販のコア-シェルゴム修飾剤。4 中間分子量ポリ(メタクリル酸メチル)、ELVACITE 2010、ICI Acrylics, Wilmi
ngton, DEより市販。5 不飽和ポリエステル、McWhorter Technologies, Carpentersville, ILより市
販(711-9620 sansスチレンとして)。
【0120】 開始剤混合物I−10で用いたマレ(アミド)エステルを以下のようにして調
製した。2.413グラムの無水2−プロパノール(Aldrich Chem
ical Co.,Milwaukee,WIより市販)を0.056グラムの
二酢酸ジブチルチン(Air Products Co.,Allentown
,PAより市販)と組み合わせて、約5分間、混合した。次いで、6.405グ
ラムのtert−ブチルイソマレイミドを添加して、大気条件下で4日間、混合
した。
【0121】 tert−ブチルイソマレイミドを以下のようにして合成した。攪拌装置に固
定した12Lの4開口丸底フラスコに、温度計およびさらなる漏斗を添加し、窒
素下で、1072.6グラムの無水マレイン酸および6062グラムのアセトニ
トリルを添加した。混合物を攪拌して、固体を溶解し、−7℃に冷却した。これ
に、温度が0℃未満に保持されるような速度で、800グラムのt−ブチルアミ
ンを添加した(約2.5時間追加)。この添加後、混合物を−7℃で1時間攪拌
し、次いで、室温で1晩攪拌した。固体を濾過により回収し、500mLのアセ
トニトリルで洗浄し、乾燥させて、白色固体の1355グラムの(Z)−4−(
tert−ブチルアミノ)−4−オキソ−2−ブテン酸を得た。それぞれの生の
物質は、Aldrich Chemical Co.,Milwaukee,W
Iより市販されている。
【0122】 実施例2 重合性モノマー混合物の調製 重合性アクリル系モノマー、コア−シェルゴム修飾剤、および内部スペーサー
を含むマスターバスを調製した。より詳細には、138.00gのBlende
TM 360コア−シェルゴム修飾剤(General Electric
Specialty Chemicals,Parkersburg,WV.)
、324.00gのメタクリル酸テトラヒドロフルフリル(Aldrich C
hemical Co,Milwaukee,WIより市販)、および108.
00gの2−メタクリル酸エチルヘキシル(Aldrich Chemical
Co.,Milwaukee,WIより市販)を含むスラリーを調製し、コア
−シェルゴム修飾剤が膨潤して透明になるまで、70℃で4時間、放置した。得
られた不透明な分散物を室温まで冷却し、Premier Mill Corp
oration,Reading,PAより市販の実験用ディスペンサーの鋸歯
で、均質で塊を含まない混合物が得られるまで積極的に剪断した。次いで、セラ
ミックマイクロスフェア(38.50グラム、100〜350μmの直径、Z−
LIGHT W−1600の商品名でZeelan Industries I
nc.,St.Paul,MNより市販)を分散物に添加し、よく混合した。
【0123】 表2に示されるように、マスターバスの部分を異なるアミン反応性化合物と組
み合わせて、重合性モノマー混合物を得た。
【0124】
【表3】 表2 1 Aldrich Chemical Co., Milwaukee, WIより市販。2 NK Ester SAとしてShin Nakamura, Wakayama City, Japanより市販。3 Monomer, Polymer, Dajac, Southhampton, PAより市販。
【0125】 M5と命名された第5の重合性モノマー混合物を、スラリーが、メタクリル酸
2−メチルヘキシルではなく、201.52gのBlendexTM 360コ
ア−シェルゴム修飾剤および443.52gのメタクリル酸テトラヒドロフルフ
リルを含有したことを除いて、重合性モノマー混合物M1〜M4の場合の記載の
通りに調製した。スラリーを65℃で17時間放置した。得られた不透明な分散
物を、重合性モノマー混合物M1〜M4について記載の通りに積極的に剪断し、
その後、147.84gのメタクリル酸2−エチルヘキシルおよび40.48g
のセラミックマイクロスフェアを添加し、よく混合した。47.94g部の分散
物を2.06gの2−マレイン酸アクリルオイルオキシメチル(Rhom Te
ch or Huels,Somerset,NJより市販)と組み合わせた。
【0126】 実施例3〜23 2部からなるアクリル系接着剤組成物の調製および試験 接着剤組成物の調製 重合性モノマー混合物および実施例1および2に記載の開始剤混合物をMIX
PAC SYSTEM 50 10:1容量比二重シリンジアプリケーター(キ
ット番号:MP−050−10−09、ConProTec,Salem,NH
より市販)に包装した。大きい方の直径のシリンジには重合性モノマー混合物部
を保持させ、小さい方の直径のシリンジには開始剤混合物部を保持させた。2部
を、4インチ(10cm長)、17段階静的混合ノズル(部品番号:MX 4−
0−17−5、ConProTec,Salem,NHより市販)を介して、同
時押出しにより組み合わせた。異なる2液型であるアクリル系接着剤組成物につ
いては、以下の表3において詳細に説明する。
【0127】 次いで、以下にに記載の試験方法を使用して、重複剪断結合強度、剥離結合強
度および作用寿命について、接着剤組成物を評価し、結果を表3に示した。
【0128】 重複剪断結合強度試験方法 接着剤組成物を、未処理の1インチ×4インチ×1.8インチ(2.5cm×
10cm×0.3cm厚)の試験パネルに直接適用した。重複部分の面積が名目
上0.5インチ×1インチ(1.3cm×2.5cm)と測定されるように、同
じ物質からなる第2の未処理試験のパネル(但し、接着剤組成物を有さない)を
直ちに第1パネル上の接着剤組成物に対して配置した。クランプを重複領域に適
用して、結合を固定した。試験パネルを、高密度ポリエチレン(HDPE)もし
くはポリプロピレン(PP)(両方ともCadillac Plastics
Company,Minneapolis,MNより市販)、またはMonte
ll,USA Incorporated,Wilmington,DEより市
販の修飾されたポリプロピレン(Montell 186A)のいずれか一方で
あった。配合された複合体が固定され、これが保持されていたら、少量の結合性
組成物を重複領域から搾り出した。
【0129】 結合は、室温(約20℃〜22℃)で、少なくとも96時間硬化させた。次い
で、クランプをはずし、0.5インチ/分(1.27cm/分)で作動している
交差剪断速度で作動している張力試験機械上の剪断形態の破壊について重複結合
を試験した。試験は室温で行った。重複剪断値をポンドで記録し、次いで、十進
数の小数点を付した後、インチ平方あたりのポンド(psi)に最も近い整数お
よびメガパスカル(MPa)に変換し、2箇所に記入した。報告した重複剪断値
は3つの測定値の平均である。
【0130】 好ましくは、重複剪断値は、HDPEに対して少なくとも約500psi(3
.45MPa)、より好ましくは、少なくとも約700psi(4.83MPa
)であり、PPに対して少なくとも約600psi(4.14MPa)、より好
ましくは、少なくとも約800psi(5.52MPa)であり、Montel
186Aに対して少なくとも約200psi(1.38MPa)、より好まし
くは、少なくとも約300psi(2.07MPa)であった。より好ましくは
、重合性組成物は、これらのレベルでそれぞれHDPE、PP、Montel
186Aに結合することが可能であった。
【0131】 剥離結合強度試験方法 接着剤組成物を、2つの異なるポリオレフィンフィルム基材:30ミル(0.
8mm)厚の高密度ポリエチレン(HDPE)および30ミル(0.8mm)厚
の低密度ポリエチレン(LDPE)(両方とも、Cadillac Plast
ics Company,Minneapolis,MNより市販されている)
上で試験した。
【0132】 接着剤組成物を、ポリオレフィンフィルムの2インチ(5.1cm)幅×6イ
ンチ(15.2cm)長の片に適用し、同物質を含む第2のフィルムを2.7l
b(1.2kg)に秤量されたガラスプレートを使用して、接着剤組成物に緩和
した。ガラスプレートの1側面を第2のフィルムの1側面に約30℃の角度で適
用し、次いで、徐々に水平位置を降下させて、第2のフィルムを第1のフィルム
に逐次増加させて適用し、接着剤組成物中の泡の形成を回避するようにした。十
分な接着剤組成物を第1のフィルムに適用し、幅1インチ(2.5cm)×長さ
1.5インチ(3.8cm)の最小結合寸法を提供した。
【0133】 接着剤組成物を室温(即ち、約20℃〜22℃)で24時間硬化させた。次い
で、結合型複合体を1インチ(2.5cm)の幅に切り出し、室温でさらに24
時間硬化させた。次いで、4インチ/分(10.2cm/分)の交差剪断速度で
作動する張力試験機械を使用して、サンプルをT剥離形態の剥離結合強度につい
て試験した。サンプルの2つの重複を含まない末端を、張力試験機の挟持部にク
ランプした。一方の遊離末端を上部の挟持部に、他方の遊離末端を下方の挟持部
にクランプした。次いで、少なくとも1インチ(2.5cm)の接着剤が暴露さ
れるかまたは接着部分の破壊が認められるまで挟持部を引っ張った。試験は室温
で行った。接着後の試験中の幅あたりの平均の力は、ポンド/インチ幅(piw
)における剥離強度として記録し、ニュートン/cm(N/cm)に変換した。
報告した値は単一の測定値に基づき、十進数の小数点を付した後、1箇所に示し
た。
【0134】 好ましくは、接着剤の剥離強度値は、HDPEに対して少なくとも10piw
(17.5N/cm)、より好ましくは少なくとも約20piw(35N/cm
)であり、LDPEに対して少なくとも5piw(8.8N/cm)、より好ま
しくは少なくとも約10piw(17.5N/cm)であった。
【0135】 それぞれの接着剤組成物を直接第1の未処理HDPE試験パネルに適用し、そ
して第2のHDPE試験パネルを接着剤組成物に配置する前に接着剤組成物を室
温で5分間放置するかまたは10分間放置することを除いて、重複剪断結合強度
試験方法によって結合を調製した。
【0136】
【表4】
【0137】 データより、1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質を組み込んだ本発明の
組成物は、オルガノボランおよびアミン、ならびにアミンに反応性を有する物質
と組み合わせると、アクリル系モノマー重合開始剤システムを提供し得ることが
示される。それらから製造される重合性アクリル系組成物は、容易に分配される
2液型形態で包装され得るアクリル系接着剤を提供する。前記接着剤は、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、およびポリテトラフルオロエチレンなどの歴史的に結
合が非常に困難であるとされている低表面エネルギー基材に対して良好な粘着性
を示す。
【0138】 本発明の多くの修正および変更は貼付された請求項により定義された本発明の
範囲から逸脱することなく、当業者にとって容易に理解できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,Z W

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オルガノボランアミン錯体および1,4−ジオキソ−2−ブ
    テン官能性物質を含む組成物。
  2. 【請求項2】 前記1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質は、以下の構
    造: 【化1】 [式中、RおよびRは協力してシクロアルキル基を形成するかまたは水素、
    アルキル基、アリール基、アルキルアリール基、およびハロゲンからなる群より
    独立して選択される] を有する官能基を含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 RおよびRは水素およびアルキル基から独立して選択さ
    れる、請求項2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 Rは水素であり、Rは低級アルキル基である、請求項3
    に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 Rは水素であり、RはCHである、請求項4に記載の
    組成物。
  6. 【請求項6】 RおよびRはそれぞれ水素である、請求項2に記載の組
    成物。
  7. 【請求項7】 前記1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質は、以下の構
    造: 【化2】 [式中、RおよびRは協力してシクロアルキル基を独立して形成するかまた
    は水素、アルキル基、アリール基、アルキルアリール基、およびハロゲンからな
    る群より独立して選択され; Rは2価の有機結合基であり; Rは水素以外の1価の有機基であり; Xは酸素、置換されたアミノおよびイオウからなる群から選択され; nは括弧内の繰り返し単位の数である] を有する、請求項1に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 RおよびRは水素および低級アルキル基から独立して選
    択され; Rは2価のアルキレンおよび2価のアリーレン基からなる群より独立して選
    択され; Rは1価のアルキル、1価のアリールおよび1価のアルキルアリール基から
    なる群より独立して選択され; Xは酸素および置換されたアミノ基からなる群より独立して選択され; nは、1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質が約10,000以下の数平
    均分子量を有するように選択される、請求項7に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 RおよびRは水素およびメチルから独立して選択され; Rは2価のアルキレンおよび2価のアリーレン基からなる群より独立して選
    択され; Rは1価のアルキル、1価のアリールおよび1価のアルキルアリール基から
    なる群より独立して選択され、 Xは酸素および置換されたアミノ基からなる群より独立して選択され; nは、1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質が約400以下の数平均分子
    量を有するように選択される、請求項8に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質は、1,4−ジ
    アルコキシ−1,4−ジオキソ−2−ブテン;1,4−ビス(ジアルキルアミノ
    )−1,4−ジオキソ−2−ブテン;1,4−ビス(アルキルアミノ)−1,4
    −ジオキソ−2−ブテン;1−アルキルアミノ−4−アルコキシ−1,4−ジオ
    キソ−2−ブテン;および1−ジアルキルアミノ−4−アルコキシ−1,4−ジ
    オキソ−2−ブテン;ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される、
    請求項1に記載の組成物。
  11. 【請求項11】 (a)オルガノボランアミノ錯体; (b)前記オルガノボランを遊離する前記錯体のアミノ成分に反応性を有する
    化合物;および (c)1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質 からなる重合開始剤システム。
  12. 【請求項12】 1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質は、1,4−ジ
    アルコキシ−1,4−ジオキソ−2−ブテン;1,4−ビス(ジアルキルアミノ
    )−1,4−ジオキソ−2−ブテン;1,4−ジアルキルメルカプト−1,4−
    ジオキソ−2−ブテン;1,4−ビス(アルキルアミノ)−1,4−ジオキソ−
    2−ブテン;1−アルキルアミノ−4−アルコキシ−1,4−ジオキソ−2−ブ
    テン;1−ジアルキルアミノ−4−アルコキシ−1,4−ジオキソ−2−ブテン
    ;1−アルキルメルカプト−4−アルコキシ−1,4−ジオキソ−2−ブテン;
    1−アルキルメルカプト−4−アルキルアミノ−1,4−ジオキソ−2−ブテン
    ;1−アルキルメルカプト−4−ジアルキルアミノ−1,4−ジオキソ−2−ブ
    テン;および上記物質の組み合わせからなる群より選択される、請求項11に記
    載の重合開始剤システム。
  13. 【請求項13】 1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質は、1,4−ジ
    アルコキシ−1,4−ジオキソ−2−ブテン;1,4−ビス(ジアルキルアミノ
    )−1,4−ジオキソ−2−ブテン;1,4−ビス(アルキルアミノ)−1,4
    −ジオキソ−2−ブテン;1−アルキルアミノ−4−アルコキシ−1,4−ジオ
    キソ−2−ブテン;および1−ジアルキルアミノ−4−アルキルオキシ−1,4
    −ジオキソ−2−ブテン;ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択され
    る、請求項12に記載の重合開始剤システム。
  14. 【請求項14】 1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質は、マレイン酸
    ジエチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジブチル、マレイン酸ジエチルヘキシ
    ル、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項13に記載の
    重合開始剤システム。
  15. 【請求項15】 前記錯体のアミノ成分に反応性を有する化合物は、酸、無
    水物およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項11に記載の
    重合開始剤システム。
  16. 【請求項16】 前記錯体のアミノ成分に反応性を有する化合物は、メタク
    リル酸無水物、コハク酸無水物、2−メタクリロイルオキシエチルスクシネート
    モノエステル、グルタル酸、マレイン酸2−エチルヘキシルモノエステル、およ
    びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項11に記載の重合開始
    剤システム。
  17. 【請求項17】 前記錯体のアミン部分は、モノアミンであるか、またはア
    ルキルポリアミン、ポリオキシアルキレンポリアミン、および第一級アミンを両
    末端基とする物質と第一級アミンに反応性を有する少なくとも2つの基を有する
    物質との反応生成物からなる群より選択されるポリアミンであり、前記反応混合
    物中の第一級アミン基の数は第一級アミンに反応性を有する基の数よりも大きい
    上記反応生成物からなる群より選択されるポリアミンである、請求項11に記載
    の重合開始剤システム。
  18. 【請求項18】 (a)重合性アクリルモノマー; (b)オルガノボランアミン錯体; (c)1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質;および (d)前記錯体のアミン部分に反応性を有する化合物、 を含む、重合性組成物。
  19. 【請求項19】 前記重合性アクリルモノマーは、一官能性アクリル酸エス
    テル、一官能性メタクリル酸エステル、上記エステルの置換された誘導体、およ
    び上記物質のブレンドからなる群より選択される、請求項18に記載の重合性組
    成物。
  20. 【請求項20】 前記組成物は、非反応性成分を除く前記重合性組成物の全
    重量に基づき約0.003〜1.5重量%のホウ素を含む、請求項18に記載の
    重合性組成物。
  21. 【請求項21】 前記オルガノボランアミン錯体は、以下の構造: 【化3】 [式中、Rは1〜10個の炭素原子を有するアルキル基であり; RおよびRは1〜10個の炭素原子を有するアルキル基およびフェニル含
    有基から独立して選択され; Amはモノアミンであるか、またはアルキルポリアミン、ポリオキシアルキレ
    ンポリアミン、および第一級アミンを両末端基とする物質と第一級アミンに反応
    性を有する少なくとも2つの基を有する物質との反応生成物からなる群より選択
    されたポリアミンであり、前記反応混合物中の第一級アミン基の数は第一級アミ
    ンに反応性を有する基の数よりも大きく; vは、前記錯体における第一級アミンの窒素原子対ホウ素原子の比である] を有する、請求項18に記載の重合性組成物。
  22. 【請求項22】 前記1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質は、1,4
    −ジアルコキシ−1,4−ジオキソ−2−ブテン;1,4−ビス(ジアルキルア
    ミノ)−1,4−ジオキソ−2−ブテン;1,4−ジアルキルメルカプト−1,
    4−ジオキソ−2−ブテン;1,4−ビス(アルキルアミノ)−1,4−ジオキ
    ソ−2−ブテン;1−アルキルアミノ−4−アルコキシ−1,4−ジオキソ−2
    −ブテン;1−ジアルキルアミノ−4−アルコキシ−1,4−ジオキソ−2−ブ
    テン;1−アルキルメルカプト−4−アルコキシ−1,4−ジオキソ−2−ブテ
    ン;1−アルキルメルカプト−4−アルキルアミノ−1,4−ジオキソ−2−ブ
    テン;1−アルキルメルカプト−4−ジアルキルアミノ−1,4−ジオキソ−2
    −ブテン;および上記物質の組み合わせからなる群より選択される、請求項18
    に記載の重合性組成物。
  23. 【請求項23】 前記1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質は、1,4
    −ジアルコキシ−1,4−ジオキソ−2−ブテン;1,4−ビス(ジアルキルア
    ミノ)−1,4−ジオキソ−2−ブテン;1,4−ビス(アルキルアミノ)−1
    ,4−ジオキソ−2−ブテン;1−アルキルアミノ−4−アルコキシ−1,4−
    ジオキソ−2−ブテン;および1−ジアルキルアミノ−4−アルキルオキシ−1
    ,4−ジオキソ−2−ブテン;ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択
    される、請求項22に記載の重合開始剤システム。
  24. 【請求項24】 前記1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質は、マレイ
    ン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジブチル、マレイン酸ジエチルヘ
    キシル、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項23に記
    載の重合開始剤システム。
  25. 【請求項25】 前記錯体のアミン部分に反応性を有する化合物は、酸、酸
    塩化物、アルデヒド、無水物、イソシアネート、およびスルホニル塩化物からな
    る群より選択される、請求項18に記載の重合性組成物。
  26. 【請求項26】 室温で適用および硬化され得る接着剤組成物であって、 (a)アルキル(メタ)アクリレートモノマー; (b)任意の有機増粘剤; (c)非反応性成分を除く接着剤組成物の全重量に基づき約0.008〜0.
    5重量%のホウ素を提供するオルガノボランポリアミン錯体であって、以下の構
    造: 【化4】 [式中、Rは1〜10個の炭素原子を有するアルキル基であり; RおよびRは1〜10個の炭素原子を有するアルキル基およびフェニル含
    有基から独立して選択され; Amは、アルキルポリアミン、ポリオキシアルキレンポリアミン、および第一
    級アミンを両末端基とする物質と第一級アミンに反応性を有する少なくとも2つ
    の基を有する物質との反応生成物からなる群より選択されたポリアミンであり、
    前記反応混合物中の第一級アミン基の数は第一級アミンに反応性を有する基の数
    よりも大きく; vは、前記錯体における第一級アミンの窒素原子対ホウ素原子の比である] を有する錯体; (d)前記オルガノボランポリアミン錯体は可溶性である1,4−ジオキソ−
    2−ブテン官能性物質;および (e)前記ポリアミンと反応して、前記アルキル(メタ)アクリレートモノマ
    ーの重合を開始するためのオルガノボランを遊離する有効量の化合物 を含む、接着剤組成物。
  27. 【請求項27】 前記ポリアミンに反応性を有する化合物はさらにアルキル
    (メタ)アクリレートモノマーにより共重合され得る、請求項26に記載の接着
    剤組成物。
  28. 【請求項28】 前記接着剤組成物は、 (a)前記オルガノボランポリアミン錯体および前記1,4−ジオキソ−2−
    ブテン官能性物質の溶液を含む第一部であって、前記1,4−ジオキソ−2−ブ
    テン官能性物質はオルガノボランアミン錯体に反応性ではない第1部;ならびに (b)(1)前記アルキル(メタ)アクリレートモノマー;および (2)前記ポリアミンに反応する前記化合物、 を含む第2部、 を含む十分に反応性の2液型硬化性接着剤組成物である、請求項26に記載の接
    着剤組成物。
  29. 【請求項29】 前記1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性物質は、マレイ
    ン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジブチル、マレイン酸ジエチルヘ
    キシル、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項28に記
    載の接着剤組成物。
  30. 【請求項30】 ポリアミンと反応する前記化合物は、酸、無水物およびカ
    ルボン酸エステルからなる群より選択される、請求項29に記載の接着剤組成物
  31. 【請求項31】 前記第1部および第2部は、1:1〜1:10の整数比で
    組合される、請求項28に記載の接着剤組成物。
  32. 【請求項32】 前記第1部および第2部は、2液型接着剤ディスペンサー
    のそれぞれの異なる容器内にある、請求項31に記載の接着剤組成物。
  33. 【請求項33】 請求項26に記載の硬化接着剤組成物の層によってともに
    粘着結合した第1の支持体および第2の支持体を含む結合型複合体。
  34. 【請求項34】 前記第1および第2の支持体の少なくとも1つは、低表面
    エネルギーポリマー物質である、請求項33に記載の結合型複合体。
  35. 【請求項35】 前記第1および第2の支持体は、それぞれ低エネルギーポ
    リマー物質から独立して選択される、請求項34に記載の結合型複合体。
  36. 【請求項36】 前記第1および第2の支持体は、それぞれポリエチレン、
    ポリプロピレンおよびポリテトラフルオロエチレンからなる群より独立して選択
    される、請求項35に記載の結合型複合体。
  37. 【請求項37】 少なくとも1つの物質は、ポリエチレン、ポリプロピレン
    およびポリテトラフルオロエチレンからなる群より選択される、請求項34に記
    載の結合型複合体。
  38. 【請求項38】 請求項28に記載の硬化組成物の層によってともに粘着結
    合した第1の支持体および第2の支持体を含む結合型複合体。
  39. 【請求項39】 前記第1および第2の支持体は、それぞれ低表面エネルギ
    ーポリマー物質から独立して選択される、請求項38に記載の結合型複合体。
  40. 【請求項40】 前記第1および第2の支持体は、それぞれポリエチレン、
    ポリプロピレンおよびポリテトラフルオロエチレンからなる群より独立して選択
    される、請求項39に記載の結合型複合体。
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