JP2002537766A - ブタ組換えアデノウイルスをベースとするウイルス性ベクターおよびワクチン - Google Patents
ブタ組換えアデノウイルスをベースとするウイルス性ベクターおよびワクチンInfo
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Abstract
Description
デノウイルス(adenovirus)に関するものである。このアデノウイルスはインビ
ボで自己複製してヘテロな塩基配列を発現することができる。 本発明はさらに、上記アデノウイルスを用いて得られるブタワクチンと、この
ワクチンを用いてブタを免疫する方法と、欠失した複製アデノウイルスベクター
と、これらアデノウイルス、ワクチンおよびベクターの製造方法とに関するもの
である。 なお、本明細書で引用する文献およびそれらの文献で引用された文献は本願明
細書の一部をなす。
ルスである。アデノウイルスはアデノウイルス科の一部であり、多くの種族、例
えばサル、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、ネズミ、イヌ、トリに発症する病気の原
因である。種およびアデノウイルスの種類によってアデノウイルス感染症は脳炎
、肺炎、腎病変、下痢および肝炎の徴候で特徴付けられる。
Virol.1986,91,277−290)、(J.Hamlin達、J.
Clin.Microbiol,1988,26,31−33)、(R.Ass
af達、Can.J.Comp.Med.1983,47,460−463)、
(T.Kurokawa達、J.Virol.1978,28,212−218
)、(S.−L.Hu達、J.Virol.1984,51,880−883)
(L.Zsak達、Intervirology 1984,22,110−1
14)]。動物のアデノウイルスはヒトのアデノウイルスとは違って宿主が極め
て限られ、起源種に属する動物にのみ感染することが多い。
g達、J.Comp.Pathol.1964,74,81−84)。その後、
5つのブタアデノウイルスセロタイプが同定され、報告されている(Hirah
ara達、J.Vet.Sci.1990,52,407−409)。セロタイ
プ1およびセロタイプ2のアデノウイルスは下痢に関係があり、セロタイプ4の
アデノウイルスは肺炎および脳炎の症状に関係がある。ブタアデノウイルスはセ
ロタイプ1〜セロタイプ4PAVに特有の抗血清による交差中和がないため、第
5のセロタイプに分類されてきた。PAV−5のゲノムは分析され、制限地図が
確立している(Tuboly達、Virus Res.1995,37,49−
54)。この分析からPAV−5制限地図と他のセロタイプのPAV、すなわち
PAV−1およびPAV−2(Reddy 達、Arch.Virol.199
5、140、195−200)、PAV−3(Reddy 達、Intervi
rology 1993,36,161−168)およびPAV−4(Klei
boeker達、Arch.Virol.1993、133、357−368)
の制限地図との間に類似点がないことが分かっている。セロタイプ3〜5の中に
はブタにとっては本来非病原性の株が存在する。
の大きさは約33.5kbpであり、PAV−2のゲノムの大きさは約33.3
kbpである。PAV−3ウイルスの完全な配列は最近確立され、遺伝子データ
バンクに番号AF083132(P.S.Reddy 達、Virol.199
8、251、414−426)で寄託され、大きさは34094塩基対(bp)
である。PAV−4のゲノムの大きさは約32kbpであり、PAV−5のゲノ
ムの大きさは約33.2kbpである。PAV−5のE3領域の完全なゲノムは
配列決定はされておらず、開示もされていない。 アデノウイルスの主要な用途はヒトの遺伝子治療分野であり、極めて多くの構
築物および系が提案されている。アデノウイルスはヒトおよび動物を多くの病原
性ウイルスから守るための免疫組成物の組換えベクターとしても提案されている
。
M.Eloit&M.Adam,J,Gen.Virol.1995,76,1
583−1589)。 第1の方法はアデノウイルスの複製に必須な領域に発現カセットを挿入する方
法であるが、それと同時にウイルスの複製を確実に行うために超相補系(system
s des transcomplementation)を開発する必要がある。ブタアデノウイルスでは
挿入部位としてE1領域が提案されている(P.S.Reddy 達、Viru
s.Res.1998、58、97−106)。しかし、この方法で作られた組
換えベクターは投与した宿主内で複製されないため「非複製」とよばれる。
RV gD発現カセットがブタでは非複製であるセロタイプ5のヒトアデノウイ
ルスのE1A領域に挿入されている(M.Monteil.達、J,Gen.V
irol.1997,78,3303−3310;A.Ambriovic達、
Virol.1997,238,327−335)。 第2の方法は、アデノウイルスの複製に必須でないウイルス性ゲノムの領域に
発現カセットを挿入する方法である。アデノウイルスの必須でない領域を決定す
るのが難しく、リジドなキャプシドが存在するため、この第2の方法は実施が困
難である。
、形成されるDNA分子の大きさが厳密に制限されることにある。一般に、ゲノ
ムの大きさの105〜114%に対応するDNA分子(これはゲノムの寸法では
約1.7〜約3.9kbpの挿入断片に相当する)はキャプシド形成(encapside
r)できると考えられる。過度に大きな場合には、組換えゲノム中で望ましくない
欠失および/または再編成が起こることになる。 E3領域は大きさの点でも特定種のアデノウイルス間の遺伝的機構の点でも、
各種ステレオタイプのブタアデノウイルス間で保存されない(S.Kleibo
eker、Virus Res.1994,31,17−25)。
も3個のオープンリーディングフレーム(ORF)をコードする複雑な領域であ
る。これらのORFは互いに重複し、さらに第1のORFの一部は必須蛋白であ
るpVIII蛋白をコードする遺伝子と重複している(P.S.Reddy 達
、Virus.Res.1995、36、97−106)。 E3領域のこれらの重複するORFは組換えアデノウイルスがブタ内で複製を
維持する挿入部位および/または欠失限界を決定する際に大きな問題となる。
ルスとHAV−2アデノウイルス(セロタイプ2のヒトアデノウイルス)と相同
性がなく、現在知られている他のいずれのアデノウイルス蛋白(P.S.Red
dy 達、Virus.Res.1995、36、97−106)とも相同性が
ないことを示している。PAV−3のE3領域の第1ORFの塩基配列から予測
されるアミノ酸配列はセロタイプ2のイヌアデノウイルス(CAV−2)との同
一性はわずか33.3%である。種々のアデノウイルスのE3領域でコードされ
た蛋白が相同でないだけでなく、E3領域のORFでコードされた蛋白もPAV
−3とPAV−4アデノウイルスとの間で相同性を示さない(S.B.Klei
boeker、Virus Res.1994,31,17−25)。
り、(5個のORFを有する)PAV−2では1222bp(P.S.Redd
y 達、Virus.Res.1995、36、97−106)であり、(6個
のORFを有する)PAV−4では1879bpである。(13.2kDa蛋白
に対応する)PAV−4ウイルスのE3領域の第4ORFのみがE3領域の別の
公知ORFと相同性を示し、タイプ5のヒトアデノウイルス(ヒトアデノウイル
ス5またはHAV−5とよばれる)の14.7kDa蛋白をコードする。PAV
−4のE3領域は他のブタアデノウイルスのE3領域、特にPAV−3およびP
AV−5のE3領域との配列の相同性を全く示さない。
内の欠失には危険が伴う。E3領域内の欠失は実際には組換えアデノウイルスの
病原性に何らかの影響を与えると思える。すなわち、HAV−5ウイルスのE3
領域内の欠失がこのウイルス肺の病原性を増やすことが感染実験モデルのコトン
ラットで示されている(Ginsberg達、Proc.Natl.Acad.
Sci.USA 1989,86,3823−3827)。 このことから、アデノウイルスのE3領域での欠失の影響は実施した一つの特
定のアデノウイルスで観察した結果を単に他のアデノウイルスに置きかえること
はできず、ケースバイケースで考慮しなければならないことがわかる。PAV−
3のE3領域の遺伝子機構は独特であり、PAV−5のE3領域の遺伝子機構も
独特である。
ライシング領域とポリアデニレーション領域とが存在するため、さらに複雑であ
る(Imperiale達、Curr.Top.Microbial.Immu
nol.1995,199,139−171)。E3領域のスプライシング領域
はE3領域の外側の配列によってコードされた多くの重要なメッセンジャーRN
Aの成熟にとって重要である。E3領域は高転写活性条件のゲノム領域内に位置
する(P.シャープ達、1984、The Adenovirus,Ed。H.
S.Ginsberg,Plenun Press,Newyork and L
ondon,173−204)ので、E3領域でのヘテロな塩基配列の挿入は組
換えウィルスの生態学的活性に有害な影響を与える。さらに、E3領域は主要な
後期プロモータ(MLP)の下流に位置する。この位置では挿入断片の転写とM
LPで始まる転写との間に干渉が存在することが分かっている(Xu達、J.G
en.Virol.1995,76,1971−1980)。 従って、他の種(ヒト、ウシ、ヒツジ等)由来のアデノウイルスで得られた結
果をブタアデノウイルスに置きかえることはできない。従って、現在までブタア
デノウイルスから複製可能な組換えベクターは製造されていない。
をPAV−3およびPAV−5ウイルスのゲノムに挿入ずきるようにすることに
ある。 本発明の他の目的は、複製能力に問題を与えずに、欠失させることができる挿
入部位を提供して、ウイルスへの挿入能力を高めることにある。 本発明のさらに別の目的は、インビボで複製能力を保存する組換えPAV−3
およびPAV−5ウイルスを提供し、これらのウイルスを、粘膜経路および/ま
たは母体起源の抗体の存在下で投与されるワクチンを含む組換え生ワクチンとし
て使用できるようにすることにある。 本出願人はインビボでの複製能力を保存したままPAV−3およびPAV−5
のE3領域を修飾することに成功した。さらに、この領域に挿入された遺伝子の
インビボ発現も証明できたので、PAV−3およびPAV−5を複製発現ベクタ
ーとして用いることが可能になった。
も1つのヘテロな塩基配列を有するセロタイプ3または5のブタアデノウイルス
であって、上記のヘテロな塩基配列は、得られた組換えウイルスがブタでインビ
ボで複製でき且つ挿入された塩基配列を発現できるような条件下で挿入されたブ
タアデノウイルスにある。 本発明の改質ウイルスはワクチン接種において大きな利点を有し、特に、母体
の抗体の存在下でも有効であり、粘膜経路で有効に使用できる。 上記のヘテロな塩基配列はゲノムのE3領域の本質的でない領域、特にE3領
域に挿入するのが好ましい。「ある領域を欠失する」とは挿入領域の完全または
部分的な欠失、好ましくは完全な欠失を意味する。換言すれば、上記のヘテロな
塩基配列は挿入領域の全部または一部の代わりに、好ましくはこの領域の全部の
代わりに挿入される。
番号Ul0433に開示の配列位置27794〜28712に対応するP.S.
Reddy et al.Virus Research 1995.36−97−
106が開示した配列のヌクレオチド706〜1624を含む領域の全部または
一部を含む領域である。換言すれば、この挿入領域および可能な欠失は配列70
6〜1624の全部または一部のみを含むことができ、および/またはE3領域
内で限界706および/または限界1624を超えて延びることができ、必要に
応じてさらにE3全体を含むことができる。この領域はE3領域、ヌクレオチド
706〜1624、ヌクレオチド1002〜1624または配列706〜100
2の全部または一部からなるか、これらを含むのが好ましい。特に、この領域は
少なくとも配列1002〜1624を含む。
42で定義される。この挿入領域および可能な欠失はE3領域を含み、且つ、配
列ID番号5のヌクレオチド2064〜4083の全部または一部、例えばヌク
レオチド2389〜3861の全部または一部を含む(図13)。換言すれば、
この挿入領域および可能な欠失は配列2389〜3861の一部のみを含むこと
ができ、および/またはE3領域内で限界2389および/または限界3861
を超えて延びることができ、必要に応じてさらにE3全体を含むことができる。
ヌクレオチド4083まで欠失したときは、ヌクレオチド4083にスプライス
アクセプター部位を挿入するのが好ましい。この挿入領域は本質的にヌクレオチ
ド2389〜3861からなるのが好ましい。
の株の塩基配列で定義される対応する領域への挿入も含むものであるということ
はいうまでもない。 本発明のさらに他の対象は、ブタでのインビボでの複製能力を維持したまま寸
法の大きなものを挿入することができるPAV−3またはPAV−5ウイルスに
ある。宿主内での複製性は最適な保護効果が得られるように維持されことが望ま
れ、特に粘膜経路および/または母体の抗体の存在下で、免疫組成物を用い行う
ことが望まれている。
する遺伝子と線維をコードする遺伝子との間のE3領域の欠失可能な一部の欠失
で達成される。特に、本発明では組換えウイルスの複製性を保存しながら、PA
V−3ウイルスのE3領域に形成することができる622bp〜919bpの欠
失ができる(実施例6〜10参照)。本発明ではさらに、PAV−5ウイルスの
E3領域内の1472bpの欠失で組換えウイルスに同じ表現型の特徴が得られ
ることが示される(実施例14〜17参照)。 本発明のPAV−3またはPAV−5組換えアデノウイルスは、PAV−3ウ
イルスでは最大寸法の約3.0kbpを挿入し、PAV−5ウイルスでは最大寸
法の約3.5kbpを挿入して、ブタ内で発現させるのが有利である。
の全部または一部、好ましくはこの領域の全部が欠失した、特にE3領域内で欠
失した複製可能性を保持したPAV−3およびPAV−5ベクターにある。 挿入可能なヘテロな塩基配列は免疫原または免疫学的活性断片または免疫原、
例えば免疫原のエピトープ、特にブタ病原体の免疫原をコードする遺伝子または
遺伝子断片(例えばエピトープ)をコードする配列である。 本発明では、同じウイルスに一つまたは複数のヘテロな塩基配列を挿入できる
ということは当然である。特に、同じウイルスまたは異なるウイルスに由来のヘ
テロな配列をそのウイルスに挿入することができる。
は異なる病原体に由来の複数の断片またはエピトープを組み合わせた人工配列を
挿入することができる。後者の場合は、ポリエピトープ配列を単一のプロモータ
の制御下に配置する。 さらに、免疫調節物質、特にサイトカイン、好ましくはブタサイトカイン、例
えば顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(poGM−CSF)、ブタインタ
ーロイキン4(poIL−4)、ブタIL−12またはブタIL−18をコード
する配列を挿入することができる。
た「IRES」(Internal Ribosome Entry Site、内部リボソーム侵入部位)と
よばれる配列を挿入座位に挿入することによって発現することもできる: 例えばブタの小嚢病ウイルス(SVDV;B.‐F. Chen et al.,
J.Virology,1993、67,2142−2148)、脳心筋炎ウ
イルス(EMCV;R.J.Kaufman et al., Nucleic A
cids Research, 1991、19,4485−4490)、手足口
病ウイルス(FMDV;N.Luz AND E.Beck,J.Virolog
y,1991、65,6486−6494)、または他に由来のウイルス。これ
ら3つの論文の内容は参考として本明細書の一部を成す。従って、2つの遺伝子
を発現するためのカセットはプロモータ(任意)−遺伝子1−IRES−遺伝子
2−ポリアデニレーションシグナルの最小構造を有する。従って、本発明の組換
え生ワクチンはプロモータと、IRESによって対で分離された2つまたはそれ
以上の遺伝子と、ポリアデニレーションシグナルとを順次含む発現カセットが挿
入部位に挿入された状態で有する。
、ブタインフルエンザウイルス(SIV)、ブタ生殖器および呼吸器症候群ウイ
ルス(PRRSウイルス)、パルボウィルス(PPV)、雄ブタコレラウイルス
(HCV)、ブタサーコウイルス、特にタイプ2のブタサーコウイルス(Por
cine CircoVirus type2、PCV2または子豚全身性萎縮症
候群ウイルス)、アクシノバシラス プルーノニューモニア(Actinobac
illus pleuropneumoniae)およびミコプラスマ ヒオニュ
ーモニア(Mycoplasma hyopneumonia)からなる群の中か
ら選択されるウイルス、バクテリアおよび寄生虫である。
J.Virol.1987,61,2691−2701 Genbank AN番
号M17321)、gC遺伝子(Ishikawa K.達Vet.Micro
biol.1996,49,267−272 Genbank AN番号D494
35)および/またはgD遺伝子(Riviere M.達、J.Virol.
1992,66,3424−3434およびHong W.Z.達、 Genba
nk AN番号AF086702)を未変成または分泌物の形で用いることがで
きる。
/03658、例10および例12)(未変成または分泌物)、NA遺伝子(N
erome K.達、J.Gen.Virol.1995,76,613−62
4 Genbank AN番号D21194)(未変成または分泌物)および/ま
たはNP遺伝子(国際出願第98/03658、例11および例13)を用いる
のが好ましい。
Virology,1993,192,62−72)およびアメリカ株(Mar
dassi H.達、Arch.Virol.1995,140,1405−1
418)に由来のORF4遺伝子、ORF3遺伝子(未変成または分泌物)、O
RF5遺伝子(未変成または分泌物)、ORF6遺伝子および/またはORF7
遺伝子を用いるのが好ましい。
たは分泌物)および/またはE2遺伝子(未変成または分泌物)(Meyers
G.達、Virology,1989,171,18−27)を用いるのが好
ましい。 パルボウィルスの結合価に関しては、VP2キャプシド遺伝子(Vasude
vacharya J.達、Virology,1990,178,611−6
16)を用いるのが好ましい。 PCV2の結合価に関しては、ORF1および/またはORF2遺伝子、好ま
しくはORF1およびORF2遺伝子(Meehan B.達、J.Gen.V
irol.1998,79,2171−2179)を用いるのが好ましい。
中に挿入される。しかし、これらのヘテロな配列をベクターの役目をするアデノ
ウイルスに固有の信号の制御下に発現することも考えられる。 強い真核生物プロモータとしては、例えばラウス肉腫ウイルスLTRプロモー
タ、好ましくはサイトメガロウイルス即時初期(immediate earl
y)(CMV−IE)プロモータ、特に、ネズミのプロモータ(MCMV−IE)
またはヒトのプロモータ(HCMV IE)、あるいは由来の異なるCMV−I
Eプロモータ、例えばブタ、サル、ラットまたはモルモット由来のプロモータを
使用するのが好ましい。
きる(米国特許第5,168,062号、米国特許第4,968,615号、米
国特許第4,963,481号)。プロモータ活性を保存するこれらのプロモー
タの断片を好ましくはエンハンサー、例えば国際特許第98/00166号に記
載の切断型CMV−IEプロモータと一緒に使用するのが有利である。これ以上
の説明が必要な場合には国際特許第98/00166号の特に例12を参照され
たい。
に応じてさらにアジュバント中に本発明の組換えアデノウイルスを含む免疫原性
または免疫学的製剤と、ブタワクチンとにある。定義上、免疫原性または免疫学
的製剤は動物に投与した後に少なくとも1つの免疫応答(細胞性および/または
体液性)を誘発するものをいう。
酸とアルケニル誘導体とのコポリマーの中から選択するのが好ましい。 特に好ましい化合物は糖のポリアルケニルエーテルまたはポリアルコールと架
橋したアクリルまたはメタクリル酸ポリマーである。これらの化合物は「カルボ
マー」(Pharmeuropa Vol.8、No.2、June1996)
として知られている。この種のアクリルポリマーを記載した米国特許第2,90
9,462号も参照されたい。この特許ではアクリルポリマーは少なくとも3個
、好ましくは8個以下のヒドロキシ基を含むポリヒドロキシ化合物と架橋し、少
なくとも3個のヒドロキシルの炭素原子が少なくとも2個の炭素原子を含む不飽
和脂肪族基に置換される。好ましい基は2〜4個の炭素原子を含む基、例えばビ
ニル基、アリル基および他の不飽和エチレン基である。不飽和基自体は他の置換
基、例えばメチルを含むことができる。商品名、カルボポル(Carbopol)
(登録商標)(BF Goodrich,Ohio,USA)で市販の製品が特
に適している。この製品はアリルスクロースまたはアリルペンタエリトリトール
で架橋される。中でも、Carbopol(登録商標)974P、934Pおよ
び971Pを挙げることができる。
ジビニルエーテルと架橋可能な無水マレイン酸とエチレンとのコポリマーである
EMA(登録商標)(Monsanto)が好ましい。J.Field達、Na
ture,186,778−780、June 4,1960を参照されたい。 構造の観点から、アクリル酸またはメタクリル酸のポリマーおよびEMA(登
録商標)は下記の化学式の基本単位から形成されるのが好ましい:
てアジュバント溶液にし、これに実際のワクチンを組み込む。この場合、ポリマ
ーのカルボキシル基の一部がCOO-型になる。 本発明のアジュバント溶液、特にカルボマーは得られる溶液が酸性pHになる
ように蒸留水中で好ましくは塩化ナトリウムの存在下で調製するのが好ましい。
(所望の最終濃度を得るのに)必要な量またはその大部分の量のNaClを含む
水、好ましくは生理食塩水(6g/lのNaCl)をこの材料溶液に添加し、一
段階以上の好ましくはNaOHによる同時または連続中和(pH7.3〜7.4
)で希釈する。 生理的pHの溶液をこれ以上改質せずに使用し、特に凍結乾燥型で貯蔵された
ワクチンに加える。
〜1%W/V、好ましくは0.1〜0.6%W/Vにする。 本発明の免疫原性製剤およびワクチンは、同一および/または異なる病原体に
由来する異なるヘテロな塩基配列を含む本発明の複数の組換えアデノウイルスを
含むことができる。 本発明のさらに他の対象は、上記の免疫原性製剤およびワクチンの有効量を投
与することを含む、一種または複数のブタの病原に対してブタを免疫化する方法
にある。有効量は例えば104〜107CCID50にする。
粘膜経路による投与および/または母体の抗体を有する未熟な動物に対して用い
ることができる。ブタのワクチン接種で一般的に用いられる他の経路(特に筋肉
経路、皮内経路等)も用いることができる。 本発明のさらに他の対象は、PAV−3およびPAV−5ベクターと、これら
を組み込んだ免疫原性製剤およびワクチンの製造方法とにある。 本発明のさらに他の対象は、粘膜経路および/または母体の抗体を有する未熟
な動物および/または一般的な経路で投与可能な本発明の免疫原性製剤およびワ
クチンでの上記ベクターの使用にある。
で下記の配列ID番号5の塩基配列を有するPAV−5DNA断片にある。本発
明はこの配列の任意の断片、特にPAV−5の特異性を保存する任意の断片にも
関するものである。従って、本発明の対象は配列2064〜4083およびその
断片、特に本発明で使用される特定の株でのヌクレオチド2382〜4042で
定義されるPAV−5のE3配列と、その断片、特に配列ID番号5の配列23
89〜3861の全部または一部にある。 本発明は上記と均等な配列すなわち上記配列の株の特徴または上記配列により
コードされるポリペプチドの機能を変更しない配列も含むものであるということ
は当然である。また、コードの欠失(degenerescence du code)により変化した配
列も含むということは理解できよう。
、および/または、本発明株と高い相同性、すなわち85%以上、特に90%以
上、さらには95%以上の相同性を有するという意味で均等なPAV−5に特有
な配列も含むものである。 以下、図面を参照して本発明の実施例をさらに詳細に説明するが、本発明が下
記実施例に限定されるものではない。
max−1で調製されたDulbeccoのMEM カタログ番号11360−
039)に1mMのナトリウムピルベート(カタログ番号11360−039)
、ゲンタマイシン(50μg/ml、カタログ番号10270−106、ロット
40Q5774K)を補った。 PK−15細胞(ATCCNo.CCL33)およびSTセル(ATCCNo
.CRL1756)をウイルス培養に用いた。
boratory of Dr.EVA Nagy(University of
Guelph,Pathology Department,50Stone
Guelph,Ontario,Canada,NIG 2W1)(Reddy
P.et al.、Virus Res.1996、43、99−109)から
得た。 ブタの非病原性野生型タイプ5のブタアデノウイルス(=PAV−5)はLa
boratory of Dr.Tadashi Hirahara(京都微研研
究室、獣医学微生物学部、日本国、611、京都、宇治市、槙島町24−16)
(HiraharaT.et al.、Vet.Sci.1990、52、40
7−409)から得た。
ログ番号14155−030)で1/50に希釈した(2.5%トリプシン溶液
(Sigma カタログ番号044−5075))でトリプシン処理し、培地(
希釈度1:6)中に再懸濁する。細胞は5%Co2の存在下で+37℃で培養し
、その後、再培養する。
なその他の酵素はNew England Biolab Inc.、Roche
Diagnostics and Gibco−BRLから提供された。 これら全ての酵素はメーカーの推奨法に従って用いた。標準的な分子生物学技
術は「分子生物学:研究室マニュアル」、第2版(Sambrook etal
., Cold spring Harbor Laboratory NewYor
k、1989)の説明に従って行った。
Biol.1983、166、557−580)は下記処方で調製した: 塩化カルシウム法(Sambrook etal.1989)に従って、これ
らのバクテリアの培養物60mlを対数期中に調製した。これらを最終体積2m
lの50mMCaCl2に回収した。このバクテリア懸濁液300μlを体積1
00μlの100mMTris−HCl pH7.4に含まれた種々の相同組換
えパートナーDNAと混合し、溶ける氷に30分間接触させ、次いでバクテリア
を45℃で2分間熱ショック処理し、溶ける氷の上に10分間置き、最後に選択
培地上でプレートに置く。
増幅する。CPEが完了したとき、細胞を回収して3回凍結/融解サイクルにか
け、次いでウイルス性懸濁液を低速で遠心分離する。PAV−3およびPAV−
5ウイルスを塩化セシウム勾配(1.34g/ml)で精製し、ウイルス帯を回
収し、精製し、次いでプロテナーゼKで処理し、フェノール/クロロホルム(S
ambrook etal.1989)で抽出した後、ウイルス性DNAが得る
。次いでこれらのDNAをクローニングまたはポリメラーゼ連鎖増幅(PCA)
の各段階で用いる。
理し、アガロースゲル電気泳動で245−bpEcoRI D断片を単離した。
この断片を予めEcoRIで処理して脱リン酸したpBlueScript K
Sプラスミド(pBS KS)(Stratagene Inc.La Joll
a,CA)に導入して「pKS−EcoDPAV3」プラスミドを得た。 pKS−EcoDPAV3プラスミドマトリクスと、下記のオリゴヌクレオチ
ドとを用いてPCA反応を行った:
ドを作り、次いでClaI酵素で処理して、予めClaIとEcoRVで処理し
たpBS−KSプラスミドに導入して、「pKS−Right ITR3」プラ
スミド(図1)を得た。 このpKS−Right ITR3プラスミドを酵素BamHIとKpnIで
処理してEcoRI D断片を単離した。353bpのBamHI−KpnI制
限断片を予めBamHIとKpnIで処理したpPolyIIプラスミド(La
the R.et al.、Gene,1987、57、193−201)(Ge
nbank番号G209113)に導入して「pPolyII−Right I
TR3」プラスミド(図1)を得た。
し、アガロースゲル電気泳動で939−bpKpnI F末端断片を単離した。
この断片を予めKpnIで処理して脱リン酸したpBS−KSプラスミドに導入
して「pKS−KpnFPAV3」プラスミドを得た。 pKS−KpnFPAV3プラスミドマトリクスと下記のオリゴヌクレオチド
とを用いてPCA反応を行った:
ンドを作り、次いでXhoI酵素で処理して、予めBglIIで処理し、T4D
NAポリメラーゼで処理し、次いでXhoIで処理したpPolyII−Rig
ht ITR3プラスミドに導入して、「pITRs PAV3」プラスミド(図
1)を得た。
と、実施例2で調製したPAV−3ウイルスゲノムDNAとをBJ5183コン
ピテントバクテリア中で同時形質転換(cotransfection)した。
この同時形質転換によってEscherichia coli(Chartie
r C.et al.、J.Virol.1996,70,4805−4810)
中で相同組換えが行われ、PAV−3の完全にクローニングしたゲノムを含むプ
ラスミドが得られた。このプラスミドを「pPAV3」とよぶ。
号305−1)をPacIで処理し、T4DNAポリメラーゼで処理し、次いで
自己再連結して「pNEBPac−」プラスミドを得た。
域を含む4344bpのKpnI−BamHI断片を単離した(Reddy e
t al.Virology,1998,251,414−426)。この断片
を予めKpnIとBamHIで処理したpNEBPac−プラスミドに導入して
「pE3PAV3」プラスミド(図2)を得た。KpnI−BamHI断片の配
列を調べると、Reddy P.et al.が開示した配列(Virus Re
search,1995,36,97−106およびVirology,199
8,251,414−426)(Genbank AN番号Ul0433および
AN番号AF083132)と同一であることがわかった。当業者はこれらの参
考文献を参照することができる。
e,1994,263,802−805;Clontechカタログ番号607
4−1)を修飾してポリリンカーを完全に除去した。この欠失はBamHIで処
理した後にT4DNAポリメラーゼで処理して得られた。こうして修飾されたベ
クターを自己再連結してpCMV−EGFPプラスミドを得た。次いで、pCM
V−EGFPプラスミドをAsnIとMluI酵素で処理し、次いでT4DNA
ポリメラーゼで処理して1.6−kbp AsnI(ブラントエンド)−Mlu
I(ブラントエンド)断片(=CMV−EGFP発現カセット)を単離した。こ
の断片を予めBsrGIとSnaBIで処理してT4DNAポリメラーゼで処理
したpE3PAV3プラスミドに導入してpE3dl622CMV−EGFPプ
ラスミド(図2)を得た。PAV3ウイルスのE3領域のBsrGI部位とSn
aBI部位との間に生じた欠失の大きさは622塩基対である。この欠失はP.
Reddy et al.が開示した配列のヌクレオチド1002〜1624(V
irus Research,1995,36,97−106)(Genban
k AN番号Ul0433)に及ぶ。
ogy,1997,238,327−335)をSnaBIとClaIで処理し
て1.8−kbpのSnaBI−ClaI断片(CMVプロモータの3'部分と
PRV gD遺伝子とを含む)を単離した。次いでこの断片をT4DNAポリメ
ラーゼで処理し、ブラントエンドを作り、次いで予めSnaBIとHpaIで処
理したpE3dl622CMV−EGFPプラスミドに導入して、pE3dl6
22CMV−gDプラスミド(図2)を得た。
644bpのSgrAI−SacI断片を単離した。この断片をT4DNAポリ
メラーゼで処理し、ブラントエンドを作り、次いで予めEcoRIで処理してT
4DNAポリメラーゼで処理し、次いでSacIで処理したpNEBPac−プ
ラスミド(6.1参照)に導入してpSgrAI−SacIプラスミドを得た。 pE3PAV3プラスミドをSnaBIとHindIIIで処理して2.4−
kbpのSnaBI−HindIII断片を単離した。この断片を予めPmeI
とHindIIIで処理したpSgrAI−SacIプラスミドに導入して、p
E3dl919プラスミド(図3)を得た。PAV3ウイルスのE3領域のSa
cI部位とSnaBI部位との間に生じた欠失の大きさは919塩基対である。
この欠失はP.Reddy et al.が開示した配列のヌクレオチド706〜
1624(Virus Research,1995,36,97−106)(
Genbank AN番号Ul0433)に及ぶ。
、1.8kbpのSnaBI−ClaI断片を単離した。この断片をDNAポリ
メラーゼのクレノウ断片で処理し、ブラントエンドを作り、予めSnaBIとH
paIで処理して脱リン酸したpCMV−EGFPプラスミド(実施例6.1)
に導入してpgDプラスミド(図4)を得た。 pCMV−EGFPプラスミド(実施例6.1)をAsnIとMluIで処理
して1.8−kbpのAsnI−MluI断片(CMV−EGFPカセット)を
単離した。この断片をDNAポリメラーゼのクレノウ断片で処理し、ブラントエ
ンドを作り、予めAscIで処理してDNAポリメラーゼのクレノウ断片で処理
してブラントエンドを作り脱リン酸したpE3dl919プラスミドに導入して
pE3dl919CMV−EGFPプラスミド(図5)を得た。
AsnI−MluI断片を単離した。この断片をT4DNAポリメラーゼで処理
し、ブラントエンドを作り、予めAscIで処理してDNAポリメラーゼのクレ
ノウ断片で処理してブラントエンドを作り脱リン酸したpE3dl919プラス
ミドに導入してpE3dl919CMV−gDプラスミド(図5)を得た。
BamHIで処理して5.5−kbpのKpnI−BamHI断片を単離した。
この断片と、SnaBI酵素で処理して直線化したpPAV3プラスミド(実施
例5)とをBJ5183コンピテントバクテリア中で同時形質転換した。この同
時形質転換によってEscherichia coli中で相同組換えが行われ
、pPAV3dl622CMV−EGFPプラスミドが得られた。 pE3CMVgDプラスミド(実施例6.1)をEcoRIとPmeIで処理
して6.0−kbpのEcoRI−PmeI断片を単離した。この断片と、Sn
aBI酵素で処理して直線化したpPAV3プラスミド(実施例5)とをBJ5
183コンピテントバクテリア中で同時形質転換した。この同時形質転換によっ
てEscherichia coli中で相同組換えが行われ、pPAV3dl
622CMVgDプラスミドが得られた。
IIで処理し、次いでSnaBI酵素で処理して直線化したpPAV3プラスミ
ド(実施例5)と、BJ5183コンピテントバクテリア中で同時形質転換した
。この同時形質転換によってEscherichia coli中で相同組換え
が行われ、pPAV3dl919CMV−EGFPプラスミドが得られた。 pE3dl919CMV−gDプラスミド(実施例6.2)をHindIII
で処理し、次いでSnaBI酵素で処理して直線化したpPAV3プラスミド(
実施例5)と、BJ5183コンピテントバクテリア中で同時形質転換した。こ
の同時形質転換によってEscherichia coli中で相同組換えが行
われ、pPAV3dl919CMV−gDプラスミドが得られた。
して1.0−kbpのNheI−MluI断片を単離した。この断片をDNAポ
リメラーゼのクレノウ断片で処理し、ブラントエンドを作り、予めBsrGIで
処理してDNAポリメラーゼのクレノウ断片で処理してブラントエンドを作り最
後にSnaBIで処理したpE3PAV3プラスミド(実施例6.1)に導入し
てpE3dl622EGFPプラスミド(図6)を得た。 pCMV−EGFPプラスミドをNheIとMluIで処理して1.0−kb
pのNheI−MluI断片を単離した。この断片をDNAポリメラーゼのクレ
ノウ断片で処理し、ブラントエンドを作り、予めAscIで処理してDNAポリ
メラーゼのクレノウ断片で処理して脱リン酸したpE3dl919プラスミドに
導入してpE3dl919EGFPプラスミド(図6)を得た。
kbpのXhoI−ClaI断片を単離した。この断片をDNAポリメラーゼの
クレノウ断片で処理し、ブラントエンドを作り、予めBsrGIで処理してDN
Aポリメラーゼのクレノウ断片で処理してSnaBIで処理したpE3PAV3
プラスミド(実施例6.1)に導入してpE3dl622gDプラスミド(図7
)を得た。 pgDプラスミド(実施例6.2)をXhoIとClaIで処理して1.5−
kbpのXhoI−ClaI断片を単離した。この断片をDNAポリメラーゼの
クレノウ断片で処理し、ブラントエンドを作り、予めAscIで処理してDNA
ポリメラーゼのクレノウ断片で処理して最後に脱リン酸したpE3dl919プ
ラスミド(実施例6.2)に導入してpE3dl919gDプラスミド(図7)
を得た。
Iで処理し、次いでSnaBI酵素で処理して直線化したpPAV3プラスミド
(実施例5)と、BJ5183コンピテントバクテリア中で同時形質転換した。
この同時形質転換によってEscherichia coli中で相同組換えが
行われ、pPAV3dl622EGFPプラスミドが得られた。 pE3dl622gDプラスミド(実施例9.2)をEcoRIとPmeIで
処理し、次いでSnaBI酵素で処理して直線化したpPAV3プラスミド(実
施例5)と、BJ5183コンピテントバクテリア中で同時形質転換した。この
同時形質転換によってEscherichia coli中で相同組換えが行わ
れ、pPAV3dl622gDプラスミドが得られた。
理して直線化し、次いで予めSnaBIで処理したpPAV3プラスミド(実施
例5)と、BJ5183コンピテントバクテリア中で同時形質転換した。この同
時形質転換によってEscherichia coli中で相同組換えが行われ
、pPAV3dl919EGFPプラスミドが得られた。 pE3dl919gDプラスミド(実施例9.2)をindIIIで処理して
直線化し、次いで予めSnaBIで処理したpPAV3プラスミド(実施例5)
と、BJ5183コンピテントバクテリア中で同時形質転換した。この同時形質
転換によってEscherichia coli中で相同組換えが行われ、pP
AV3dl919gDプラスミドが得られた。
のトランスフェクションによる組換えPAV3ウイルスの製造 PK−15またはST細胞(実施例1参照)と、予めPacIで処理して4〜
12μlのLipofectAMINE(Gibco−BRL,カタログ番号1
8324−012)の存在下で株細胞に依存して希釈された2μgの組換えPA
V−3ゲノムDNAとを6穴プレートで60〜80%の集密度までトランスフェ
クションする。 供給者が推奨する条件に従ってトランスフェクションした後、この細胞をウイ
ルス性CPEが現れるまで数日間培地に置く。次いでさらに細胞の継代培養を行
い、得られた組替えウイルスを増幅させる。
フェクションによって組換えウイルスvPAV3−1が得られた。 pPAV3dl622CMV−gDプラスミド(実施例7)とのトランスフェ
クションによって組換えウイルスvPAV3−2が得られた。 pPAV3dl919CMV−EGFPプラスミド(実施例8)とのトランス
フェクションによって組換えウイルスvPAV3−3が得られた。 pPAV3dl919CMV−gDプラスミド(実施例8)とのトランスフェ
クションによって組換えウイルスvPAV3−4が得られた。 pPAV3dl622EGFPプラスミド(実施例9.3)とのトランスフェ
クションによって組換えウイルスvPAV3−5が得られた。 pPAV3dl622gDプラスミド(実施例9.3)とのトランスフェクシ
ョンによって組換えウイルスvPAV3−6が得られた。 pPAV3dl919EGFPプラスミド(実施例9.3)とのトランスフェ
クションによって組換えウイルスvPAV3−7が得られた。 pPAV3dl919gDプラスミド(実施例9.3)とのトランスフェクシ
ョンによって組換えウイルスvPAV3−8が得られた。
、アガロースゲル電気泳動で0.9−kbpのEcoRI I右末端断片を単離
した。この断片を予めEcoRIで処理して脱リン酸したpBS−KSプラスミ
ドに導入して「pKS−Right ITR5」プラスミドを得た。 pKS−Right ITR5プラスミドマトリクスと、下記のオリゴヌクレ
オチドとを用いてPCA反応を行い、1.0kbp断片を作製した:
TA Cloning Kit,カタログ番号K2000−01)に導入して「p
CR−Right ITR5」プラスミド(図8)を得た。
理し、アガロースゲル電気泳動を行って、1.2−kbpのHindIII左末
端断片を単離した。この断片を予めHindIIIで処理して脱リン酸したpB
S−KSプラスミドに導入して「pKS−Left ITR5」プラスミドを得
た。 pKS−LeftITR5プラスミドマトリクスと、下記のオリゴヌクレオチ
ドとを用いてPCA反応を行い、1.3kbp断片を作製した:
プラスミド(図8)を得た。
HindIIIで処理して1.0kbpのBamHI−HindIII断片を単
離した。この断片を予めBamHIとHindIIIで処理したpPolyII
プラスミド(実施例4参照)に導入して、「pPolyII−Right IT
R5」プラスミド(図8)を得た。
indIIIで処理して1.3kbpのBamHI−HindIII断片を単離
した。この断片を予めBglIIとHindIIIで処理したpPolyII―
Rightプラスミドに導入して、「pITRs PAV5」プラスミド(図8
)を得た。
られた断片を次いで実施例3で調製したPAV−5ウイルスのゲノムDNAと、
BJ5183コンピテントバクテリア中で同時形質転換した。この同時形質転換
によって相同組換えが行われ、PAV−5ウイルスの全てのゲノムを含むプラス
ミドが得られた。このプラスミドは「pPAV5」と呼ばれる。
域を含む4372bpのSacI−MluI断片を単離した。この断片を予めS
maIとAscIで処理したpNEB193プラスミド(実施例6.1)に導入
して「pE3PAV5」プラスミド(図9)を得た。 pE3PAV5プラスミドにクローニングしたSacI−MluI断片は完全
に配列決定されていた。この配列と、pPAV5上に存在する隣接する配列の分
析から、クローニングされた断片が実際にPAV−5ウイルスのE3領域である
ことが確認された。この領域の配列(5614塩基対)(配列ID番号5)は図
13に示されている。
理し、次いでT4DNAポリメラーゼで処理して1.6kbpのAsnI(ブラ
ントエンド)−MluI(ブラントエンド)断片を単離した。この断片を予めP
vuIIとBglIで処理してT4DNAポリメラーゼで処理したpE3PAV
5プラスミド(実施例13.1参照)に導入して、pE3dl1472CMV−
EGFPプラスミド(図10)を得た。PvuII部位とBglI部位との間に
導入された欠失の大きさは1472bpである。この欠失は図13に示された配
列(配列ID番号5)のヌクレオチド2389〜3861である。
3kbpのAsnI−MluI断片を単離した。この断片をT4DNAポリメラ
ーゼで処理し、ブラントエンドを作り、予めPvuIIとBglIで処理してT
4DNAポリメラーゼで処理したpE3PAV5プラスミドに導入してpE3d
l1472CMVgDプラスミド(図10)を得た。 pCMV−EGFPプラスミドをNheIとMluIで処理して1.0−kb
pのNheI−MluI断片を単離した。この断片をDNAポリメラーゼのクレ
ノウ断片で処理し、ブラントエンドを作り、予めPvuIIとBglIで処理し
てT4DNAポリメラーゼで処理したpE3PAV5プラスミドに導入してpE
3dl1472EGFPプラスミド(図11)を得た。
−kbpのXhoI−ClaI断片を単離した。この断片をDNAポリメラーゼ
のクレノウ断片で処理し、ブラントエンドを作り、予めPvuIIとBglIで
処理してT4DNAポリメラーゼで処理したpE3PAV5プラスミドに導入し
てpE3dl1472gDプラスミド(図12)を得た。
例13.2)と、BamHI酵素で一部処理して直線化したpPAV5プラスミ
ド(実施例12)(制限細断片BamHIA−BamHI Dの連結部位、図1
2)とをBJ5183コンピテントバクテリア中で同時形質転換した。この同時
形質転換によってEscherichia coli中で相同組換えが行われ、
pPAV5dl1472CMV−EGFPプラスミドが得られた。 PmeIで処理したpE3dl1472CMVgDプラスミド(実施例13.
2)と、BamHI酵素で一部処理して直線化したpPAV5プラスミド(実施
例12)(制限細断片BamHIA−BamHI Dの連結部位、図12)とを
BJ5183コンピテントバクテリア中で同時形質転換した。この同時形質転換
によってEscherichia coli中で相同組換えが行われ、pPAV
5dl1472CMV−gDプラスミドが得られた。
2)と、BamHI酵素で一部処理して直線化したpPAV5プラスミド(実施
例12)(制限細断片BamHIA−BamHI Dの連結部位、図12)とを
BJ5183コンピテントバクテリア中で同時形質転換した。この同時形質転換
によってEscherichia coli中で相同組換えが行われ、pPAV
5dl1472EGFPプラスミドが得られた。 PmeIで処理したpE3dl1472gDプラスミド(実施例13.2)と
、BamHI酵素で一部処理して直線化したpPAV5プラスミド(実施例12
)(制限細断片BamHIA−BamHI Dの連結部位、図12)とをBJ5
183コンピテントバクテリア中で同時形質転換した。この同時形質転換によっ
てEscherichia coli中で相同組換えが行われ、pPAV5dl
1472gDプラスミドが得られた。
のトランスフェクションによる組換えPAV5ウイルスの製造 PK−15またはST細胞(実施例1参照)と、予めPacIで処理して4〜
12μlのLipofectAMINE(Gibco−BRL,カタログ番号1
8324−012)の存在下で株細胞に依存して希釈された2μgの組換えPA
V−5ゲノムDNAとを6穴プレートで60〜80%の集密度までトランスフェ
クションする。 供給者が推奨する条件に従って、トランスフェクションした後、この細胞をウ
イルス性CPEが現れるまで数日間培地に置く。次いで継代を行い、得られた組
替えウイルスを増幅させる。
ンスフェクションによって組換えウイルスvPAV5−1が得られた。 pPAV5dl1472CMV−gDプラスミド(実施例14)とのトランス
フェクションによって組換えウイルスvPAV5−2が得られた。 pPAV5dl1472EGFPプラスミド(実施例15)とのトランスフェ
クションによって組換えウイルスvPAV5−3が得られた。 pPAV5dl1472gDプラスミド(実施例15)とのトランスフェクシ
ョンによって組換えウイルスvPAV5−4が得られた。
。完全な細胞変性効果が見られた後に上澄みを回収した。低速での遠心分離によ
って清澄化し、細胞片を除去し、その後、遠心分離によってビリオンを濃縮し、
ウイルスのペレットを洗浄し、このペレットを培地溶液に取る。次いで、最終の
ウイルス力価が104 50%細胞培養感染投与量(CCID50)〜107CCI
D50/mlになるように、ウィルスの力価を必要に応じて希釈して調整する。 次いでウイルス懸濁液を凍結、好ましくは凍結乾燥基質の存在下で凍結乾燥す
る。
添加して注射用製剤を作り、各組換えウイルスを104〜107CCID50の投与
量でブタに接種する。このワクチンは異なる免疫原を発現する一つまたは複数の
組換えPAVウイルスを含んでいる。 ワクチンは注射針(筋肉経路)によって投与量2mlで投与されるか、粘膜経
路(鼻腔内経路または点眼)によって投与される(投与量は各経路に合わせる)
。 PIGJET装置(Societe Endoscoptic,Laon,F
rance)等の針のない注射器を用いて皮内投与することもできる。
V3−2ウイルス(本発明の実施例10)の懸濁液からなるワクチンの効力を評
価した。 妊娠初期に仮性狂犬病ウイルス(PRV)に対するワクチン接種をした雌豚か
ら生まれた8〜10才の6匹の子豚からなる複数の群を作った。全ての子豚がワ
クチン接種の日D0に母体の抗PRV抗体を有することは明らかである。1群お
よび2群の子豚にはD0の日に力価が107CCID50/ml(鼻孔当たり0.
5ml)の組換えウイルスvPAV3−2(PAV−3/PRV gD)の懸濁
液1ミリリットル(ml)を鼻腔内にワクチン接種した。2群には同じ日にワク
チン接種したが、D21の日にも2回目の投与を行った。3群にはD0の日に力
価が107CCID50/mlのPAV−3/gDのウイルス懸濁液1mlを筋肉
内投与した。4群には3群と同様にワクチン接種したが、D21の日に2回目の
ウイルス懸濁液の投与を行った。5群にはワクチン接種をせずに試験用の負対照
群の役目をさせた。
濁液2ml(鼻腔当たり1ml)を投与して全ての群を試験した。 試験後、重量変化の基準(delta G7)(Stellmann C.et
al.J.Biol.Standard,1989,17,1−11)(試験
後D0〜D7)および鼻腔粘膜経路によるウイルス排出レベルに基づいて、さら
に、ELISA抗体力価および抗PRV血清中和力価に基づいてブタを観察した
。 添付の請求の範囲によって定義される本発明は上記の特定の実施例に限定され
るものではなく、本発明の範囲および精神から逸脱しない変形例を包含するとい
うことは理解できよう。
TR3およびpITRsPAV3プラスミドの模式図
dl622CMV−gDプラスミドの模式図
式図
およびpE3dl919CMV−gDプラスミドの制限地図
ミドの制限地図
ミドの制限地図
olyII−Right ITR5およびpITR−PAV5プラスミドの制限
地図
CMV−gDプラスミドの制限地図
スミドの制限地図
ルスの配列)
Claims (29)
- 【請求項1】 ブタアデノウイルスのゲノムにヘテロな塩基配列が挿入され、
このヘテロな塩基配列はインビボで複製でき且つ発現できる条件下で挿入された
ものであり且つアデノウイルスゲノムがセロタイプ3または5のアデノウイルス
(PAV−3またはPAV−5)に由来することを特徴とするインビボで複製可
能な組換えブタアデノウイルス。 - 【請求項2】 ヘテロな塩基配列がブタアデノウイルスのE3領域の本質的で
ない領域に挿入される請求項1に記載のブタアデノウイルス。 - 【請求項3】 ヘテロな塩基配列がブタアデノウイルスのE3領域の本質的で
ない領域に欠失を伴って挿入される請求項1に記載のブタアデノウイルス。 - 【請求項4】 アデノウイルスゲノムがPAV−3に由来し、ヘテロな塩基配
列がE3領域のヌクレオチド706〜1624からなる領域に挿入される請求項
1〜3のいずれか一項に記載のブタアデノウイルス。 - 【請求項5】ヘテロな塩基配列がE3領域のヌクレオチド706〜1624の
代わりに挿入される請求項4に記載のブタアデノウイルス。 - 【請求項6】 アデノウイルスゲノムがPAV−5に由来し、ヘテロな塩基配
列が配列ID番号5のヌクレオチド2064〜4083、特に2389〜386
1の全部または一部を含む領域に挿入される請求項1〜3のいずれか一項に記載
のブタアデノウイルス。 - 【請求項7】 ヘテロな塩基配列が配列ID番号5のヌクレオチド2064〜
4083、特に2389〜3861の代わりに挿入される請求項6に記載のブタ
アデノウイルス。 - 【請求項8】 ヘテロな塩基配列が免疫原または免疫学的活性断片または免疫
原、ブタの病原のエピトープをコードし、および/または免疫調節物質をコード
する請求項1〜7のいずれか一項に記載のブタアデノウイルス。 - 【請求項9】 複数のヘテロな塩基配列が挿入されている請求項1〜8のいず
れか一項に記載のアデノウイルス。 - 【請求項10】 ポリエピトープ配列が挿入される請求項1〜8のいずれか一
項に記載のアデノウイルス。 - 【請求項11】 IRES配列が挿入される請求項1〜8のいずれか一項に記
載のアデノウイルス。 - 【請求項12】 ウイルス、バクテリアおよび寄生虫からなる群の中から選択
されるブタの病原物質に由来するヘテロな塩基配列からなる請求項1〜11のい
ずれか一項に記載のアデノウイルス。 - 【請求項13】 仮性狂犬病ウイルス、ブタインフルエンザウイルス、ブタ生
殖器および呼吸器症候群ウイルス、パルボウィルス、雄ブタコレラウイルス、タ
イプ2のブタサーコウイルス、アクシノバシラス プルーノニューモニア(Act
inobacillus pleuropneumoniae)およびミコプラス
マ ヒオニューモニア(Mycoplasma hyopneumonia)からな
る群の中から選択されるブタの病原物質に由来するヘテロな塩基配列を含む請求
項12に記載のアデノウイルス。 - 【請求項14】 ヘテロな塩基配列が仮性狂犬病ウイルスのgB遺伝子、gC
遺伝子またはgD遺伝子、ブタインフルエンザウイルスHA遺伝子、NA遺伝子
またはNP遺伝子、ブタ生殖器および呼吸器症候群ウイルスのORF4遺伝子ま
たはORF7遺伝子、雄ブタコレラウイルスのE1遺伝子またはE2遺伝子、パ
ルボウィルスのVP2遺伝子、タイプ2のブタサーコウイルスのORF1遺伝子
またはORF2遺伝子、およびこれらの遺伝子の免疫学的活性断片およびエピト
ープからなる群の中から選択される請求項13に記載のアデノウイルス。 - 【請求項15】 ブタサイトカインをコードするヘテロな塩基配列を含む請求
項1〜14のいずれか一項に記載のブタアデノウイルス。 - 【請求項16】 ブタサイトカインがGM−CSF、IL−4、IL−12お
よびIL−18からなる群の中から選択される請求項15に記載のアデノウイル
ス。 - 【請求項17】 請求項1〜16のいずれか一項に記載のブタアデノウイルス
と、獣医学上許容されるビヒクルまたは賦形剤とを含む組換えブタワクチン。 - 【請求項18】 異なるヘテロな塩基配列からなる請求項1〜16のいずれか
一項に記載の複数のブタアデノウイルスを含む請求項17に記載の組換えブタワ
クチン。 - 【請求項19】 アジュバントを含む請求項17または18に記載の組換えブ
タワクチン。 - 【請求項20】 アジュバントがアクリル酸またはメタクリル酸のポリマーま
たは無水マレイン酸とアルケニル誘導体とのコポリマーから選択される請求項1
9に記載の組換えブタワクチン。 - 【請求項21】 アジュバントがカルボマー(carbomere)である請求項20に
記載の組換えブタワクチン。 - 【請求項22】 インビボで複製可能で且つゲノムの本質的でない領域で欠失
しているセロタイプ3または5のアデノウイルス性ベクター。 - 【請求項23】 インビボで複製可能で且つE3領域で欠失しているセロタイ
プ3または5のアデノウイルス性ベクター。 - 【請求項24】 E3領域のヌクレオチド706〜1624を欠失したセロタ
イプ3のブタアデノウイルスを含む請求項23に記載のブタアデノウイルス性ベ
クター。 - 【請求項25】 E3領域内の欠失が本質的にヌクレオチド706〜1624
の欠失からなる請求項24に記載のブタアデノウイルス性ベクター。 - 【請求項26】 配列ID番号5のヌクレオチド2064〜4083、特に2
389〜3861の全部または一部を含む領域を欠失したセロタイプ5のブタア
デノウイルスを含む請求項23に記載のブタアデノウイルス性ベクター。 - 【請求項27】 配列ID番号5のヌクレオチド2064〜4083、特に2
389〜3861を欠失した請求項26に記載のブタアデノウイルス性ベクター
。 - 【請求項28】 E3領域を含み且つ特定のPAV−5株中に配列ID番号5
の塩基配列を有する、PAV−5の塩基配列の全部または一部を含むDNA断片
。 - 【請求項29】 E3領域に対応しかつ特定の株において配列ID番号5のヌ
クレオチド2382〜4042に定義のPAV−5の塩基配列を含むDNA断片
。
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