JP2002534603A5 - - Google Patents

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JP2002534603A5
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【特許請求の範囲】
【請求項1】母液とよばれる、ある量の液状アルミニウムを原料とした、極めて高純度の、ブルームと呼ばれる、固体塊を成長させることによって形成することを目的とする偏析によるアルミニウム精製法であって、前記方法は、耐火坩堝と、前記坩堝の加熱手段と、少なくとも一つの押圧手段と、押圧手段またはそれぞれの押圧手段を上下に移動させる手段と、剥離手段とから成る装置内で実施され、前記方法は、前記坩堝の底前記ブルームを前記坩堝内で成長させる作業を含み、前記成長作業は、
―温度が前記母液の液相線温度より低い、前記装置の少なくとも一つの、結晶化区域と呼ばれる、特定表面上での結晶化によるアルミニウム結晶の形成、
―前記剥離手段による前記結晶の剥離、
―重力の力の作用による前記坩堝の底に向かう前記結晶の移行、
―前記固体塊の上部表面への前記結晶の堆積、
―前記押圧手段またはそれぞれの押圧手段による前記堆積結晶と前記固体塊の押圧、
―前記加熱手段による、成長の過程での前記固体塊の部分的再溶融、
を含み、前記方法は、
―前記成長作業の過程で前記ブルームの高さHの測定、
―経時的に減少する高さの進行速度を得るような、測定高さHに応じた加熱出力Pの調節、
を含むことを特徴とする、アルミニウム精製法
【請求項2】前記調節が、測定高さHと基準値Hoの間の偏差、すなわちH−Hoによって決まり、Hoを所定の、経時的に変化する基準値とすることを特徴とする、請求項1に記載の精製法。
【請求項3】前記高さHが前記押圧手段によって測定されることを特徴とする、請求項1または2に記載の精製法。
【請求項4】成長作業の終わりに、残留母液と最終ブルームの物理的分離作業を含んでいることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一つに記載の精製法。
【請求項5】前記分離作業は、ブルームが所定の高さHfに達したときに実施されることを特徴とする、請求項4に記載の精製法。
【請求項6】前記結晶が、坩堝の内壁と同時に押圧手段またはそれぞれの押圧手段の一部の上に形成されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一つに記載の精製法。
【請求項7】押圧手段またはそれぞれの押圧手段の一部が交互に浸漬、浮上させられ、前記押圧手段またはそれぞれの押圧手段上の結晶の形成のために、結晶化区域と呼ばれる押圧手段またはそれぞれの押圧手段の特定の部分を、浮上の際に母液の液相線温度未満の温度まで冷却し、浸漬の際に前記区域内に結晶を形成させることを特徴とする、請求項6に記載の精製法。
【請求項8】前記押圧手段の前記一部の浮上時間Teが前記部分の浸漬時間Tiを上回ることを特徴とする、請求項7に記載の精製法。
【請求項9】前記押圧が、押圧手段またはそれぞれの押圧手段による固体塊の加圧と、浸漬時間Tiにほぼ等しい時間の間の圧力維持を含んでいることを特徴とする、請求項7または8に記載の精製法。
【請求項10】坩堝と押圧手段またはそれぞれの押圧手段からの結晶の前記剥離は押圧手段またはそれぞれの押圧手段が浮上したときに実施されることを特徴とする、請求項7から9のいずれか一つに記載の精製法。
【請求項11】押圧手段またはそれぞれの押圧手段からの結晶の前記剥離が、押圧手段またはそれぞれの押圧手段の浮上の過程で実施されることを特徴とする、請求項7から9のいずれか一つに記載の精製法。
【請求項12】坩堝の底への結晶の移行が押圧手段またはそれぞれの押圧手段の前記浮上時間Teの間に行われることを特徴とする、請求項7から11のいずれか一つに記載の精製法。
【請求項13】押圧手段またはそれぞれの押圧手段および坩堝の寸法は、
押圧手段が浸漬されるとき、液状アルミニウムの自由表面が上昇して坩堝の内壁上の結晶化区域のほぼ全表面を覆い、押圧手段またはそれぞれの押圧手段が浮上するとき、液状アルミニウムの自由表面が下降して、前記区域内に形成される結晶のリングの上部が液体金属から少なくとも部分的に浮上し、結晶が、剥離手段が液体金属内に侵入することなしに引き剥がされることができるような寸法であることを特徴とする、請求項7から12のいずれか一つに記載の精製法。
【請求項14】粗ブルームの脚部および/または頭部切断作業を含むことを特徴とする、請求項1から13のいずれか一つに記載の精製法。
【請求項15】母液と呼ばれるある量の液状アルミニウムから極めて高純度の、ブルームと呼ばれる固体アルミニウム塊を成長によって形成するのに適した、偏析によるアルミニウム精製装置であって、前記装置は、耐火坩堝と、坩堝加熱手段を備えた炉と、結晶化区域と呼ばれる、特定の表面上で部分的結晶化によって結晶を形成するための手段と、前記結晶の剥離手段と、前記結晶と前記ブルームを押圧するための少なくとも一つの押圧手段と、押圧手段またはそれぞれの押圧手段を上下に移動させるための手段と、ブルームの成長の過程で加熱によって前記ブルームの再溶融を発生させる手段から成り、前記固体塊の高さHの測定手段と、前記測定高さHに応じて前記加熱手段の加熱出力を制御するための手段を含み、経時的に減少する高さの進行速度を得ることを特徴とする、アルミニウム精製装置
【請求項16】押圧手段またはそれぞれの押圧手段(12)がロッド(9)と前記ロッドと一体の押圧先端(10)を有し、結晶化区域と呼ばれる区域(29,29a)内で前記ロッド(9)上と前記坩堝の内壁(26)上で同時に部分的結晶化によって結晶を形成するための手段を備え、前記ロッドと前記内壁から前記結晶を剥離させるための手段(13,14)を備え、先端(10)と前記坩堝の内壁(26)の間に、結晶が重力の作用で坩堝の下に向かって移行するときに、前記剥離手段によって剥がされる結晶が通過できるのに十分な自由空間(28)が存在することを特徴とする、請求項15に記載の装置。
【請求項17】加熱出力Pが、HとHoの間の差に応じて制御され、Hoは所定の、または経時的に変化する基準値であることを特徴とする、請求項15または16に記載の装置。
【請求項18】単一の押圧手段を備えることを特徴とする、請求項15から17のいずれか一つに記載の装置。
【請求項19】押圧手段によって押圧された塊の高さHを測定する手段を備えていることを特徴とする、請求項18に記載の装置。
【請求項20】結晶を形成するための前記手段が、熱シンク効果による前記内壁の温度の低下を含み、前記内壁の結晶化区域内に結晶の形成を引き起こすことを特徴とする、請求項16から19のいずれか一つに記載の装置。
【請求項21】結晶を形成するための前記手段が、ロッドが浮上するときの放射および/または対流による前記ロッドの冷却を含み、ロッドが浸漬するときに、前記ロッドの結晶化区域内に結晶の形成を引き起こすことを特徴とする、請求項16から19のいずれか一つに記載の装置。
【請求項22】先端と坩堝の前記内壁の間の自由空間(28)が先端の周辺と壁の間の距離によって確定され、該距離はほぼ一定で、50と100mmの間に含まれることを特徴とする、請求項16から21のいずれか一つに記載の装置。
【請求項23】ロッド(9)と先端(10)が、全体または一部が黒鉛製であることを特徴とする、請求項16から22のいずれか一つに記載の装置。
【請求項24】ロッド(9)が酸化および/または摩耗に対して保護されていることを特徴とする、請求項16から23のいずれか一つに記載の装置。
【請求項25】ロッドが、全体または一部が燐酸アルミニウムまたは亜鉛、燐酸またはそれらの混合物、またはホウ酸などの化合物の含浸によって空気酸化防止処理をした黒鉛製であることを特徴とする、請求項16から23のいずれか一つに記載の装置。
【請求項26】ロッドの表面区域がSiCなどの摩耗防止化合物によって含浸されていることを特徴とする、請求項16から23のいずれか一つに記載の装置。
【請求項27】ロッドが珪素炭化物またはサイアロンの被覆などの、その酸化と摩耗を防止するコーティングまたはセラミックの被覆を備えていることを特徴とする、請求項16から23のいずれか一つに記載の装置。
【請求項28】先端(10)の上部(27)が円錐台形であることを特徴とする、請求項16から27のいずれか一つに記載の装置。
【請求項29】先端(10)が、突き固め表面(15)と呼ばれる下部表面と前記先端の上部表面(27)の間に管路手段(11)を備えることを特徴とする、請求項16から28のいずれか一つに記載の装置。
【請求項30】先端(10)とロッド(9)が一体ではあるが2つの別個の部品を形成し、これら2つの部品の間の継ぎ目の熱伝導率は低く、すなわち前記ロッドの熱伝導率の少なくとも10分の1であるので、ロッドと先端の間に少なくとも部分的に断熱が成立することを特徴とする、請求項16から29のいずれか一つに記載の装置。
【請求項31】押圧手段またはそれぞれの押圧手段および坩堝の寸法が、押圧手段またはそれぞれの押圧手段が低い位置にあるとき、液状アルミニウムの自由表面が上昇して坩堝の内壁上の結晶化区域のほぼ全表面を覆い、押圧手段またはそれぞれの押圧手段が高い位置にあるとき、液状アルミニウムの自由表面が下降して、前記区域内に形成された結晶のリングの上部が液体金属から少なくとも部分的に浮上し、また前記結晶が、剥離手段が液体金属内に侵入することなしに引き剥がされることができるような寸法であることを特徴とする、請求項16から30のいずれか一つに記載の装置。
【請求項32】押圧手段またはそれぞれの押圧手段が上昇中のときには、ロッドから結晶剥離作業を実施するための手段を備えており、押圧手段またはそれぞれの押圧手段が高位置にあるときには、坩堝表面上で、結晶剥離作業を実施するための手段を備えていることを特徴とする、請求項16から31のいずれか一つに記載の装置。
【請求項33】坩堝(2)が、回転軸と呼ばれる軸Cを中心に円筒対称を有し、前記装置が回転軸Cを中心に坩堝を回転させるための手段(17)を備え、坩堝上の結晶化区域(29)の全周辺の掻き取りが剥離手段(14)の上下の往復運動と前記坩堝の回転運動の組合せ作用によって得られることを特徴とする、請求項16から32のいずれか一つに記載の装置。
【請求項34】坩堝(2)がつば(30)を備えた鋼鉄製の鋳型(3)内に挿入され、鋳型(3)は坩堝・鋳型の全体を支えるプレート(16)を介して、傾斜円錐台形ローラー(18)の上に置かれることを特徴とする、請求項16から33のいずれか一つに記載の装置。
【請求項35】熱スクリーンが坩堝と炉の上部の加熱手段との間に置かれることを特徴とする、請求項15から34のいずれか一つに記載の装置。
【請求項36】純度が少なくとも99.97%に等しいアルミニウムを、最低純度が99.998%のアルミニウムへ超精製するための、請求項1から14のいずれか一つに記載の方法。
【請求項37】純度が少なくとも99.97%に等しいアルミニウムを、最低純度が99.998%のアルミニウムへ超精製するための、請求項15から35のいずれか一つに記載の装置。
出願人は更に、工業的に得られたブルームは一般的に中心と周辺の間に純度の変化があり、周辺部の金属はブルームの中心部の金属より純度が高いことを確認した。一般的に、大型坩堝のより高い生産性は得られた製品の純度と反対方向に変動する。例えば、直径800mmの坩堝で、鉄と素について得られた(それぞれのブルームの全体に対する)実質精製率K(鉄の精製率をKFe、珪素の精製率をKSiとする)は、直径600mmの坩堝のそれに対して(同じ上昇速度で)約50%未満であった。とりわけ径方向の性格の、このようなばらつきがあるので、高純度の金属を単なる切断作業で採取することは困難である。
発明の目的
本発明の第一の目的は、「母液」とよばれるある量の不純な液状アルミニウムから、極めて高純度の(つまり99.95%を越えるアルミニウムを含む)固体(または「ブルーム」)を形成するための偏析によるアルミニウム精製法であって、部分的結晶化による結晶形成と、ブルームの定期的押圧と、成長過程での加熱によるブルームの特に連続的な再溶融とから成り、成長の過程でのブルームの高さHの定期的測定と、測定高さHに応じた加熱出力の調節を含むことを特徴とする。
くわえて、成長作業の終わりに、該方法は残留母液と最終ブルームの物理的分離作業を一般的に備えている。この分離作業は好適にはブルームが所定の高さHfに達したときに実施される。それはまた初期液状アルミニウム総量に対する%で表される所定の部分Fが固化したときに実施することもできる、ここでFは好適には50と80%の間に含まれ、更に好適には60と75%の間に含まれる。
この物理的分離は、さまざまな仕方で実施することができる。好適には、坩堝を傾け、それに続いて、結晶の間に隠れたままの不純な液体(すなわち残留母液)を時間をかけて、坩堝を傾け、その開口部を下に向け、固体から液体を滴らせる作業である、水切りすることによって実施される。有利には、精製作業の後に、坩堝はその補強リングと共に炉から取り出され、不純な残留母液を排出し、結晶間に含まれる液を水切りすることのできる放下装置の上に置かれる。この水切りの間、残留不純液内に一番含漬されている区域を除去するために、例えば、黒鉛製のスクリュウによってブルームの上部を掻き取ることもできる。
押圧手段の浸漬深さは固体塊の高さHの関数とする。精製作業開始時点では大きく、固体塊の成長につれて次第に減少する。押圧作業では固体塊(22)を圧縮し、上表面に堆積した結晶(21)を押しつぶして、結晶の間に含まれる不純液の一部を排出する。くわえて、この押圧は、ブルームを押しつぶして、新しい固体部分を高温壁に接触させ、部分的再溶融を促進する。押圧作業は、好適には時間Tc内に前記押圧手段またはそれぞれの押圧手段の圧縮運動を一回だけ含み、押圧された固体塊の高さH(t)の前記測定がそれに続く。実際には、押圧手段で高さを測定するとき、押圧手段が達することができる最も低い点に対応するある最低高さHmに固体塊が達したときからしか高さは測定できない。この時間は「衝突」と呼ばれる(図5に文字Gで識別した)。衝突後の時間tを測定するのが実用的である。
坩堝の底への結晶の移行は、押圧手段またはそれぞれの押圧手段の浮上時間Teの間にほぼ行われることが望ましい。
かかる再溶融率は非線形で凸型の、すなわち傾きが減少またはゼロの固体塊の目標成長曲線Ho(t)に至る(かかる曲線は図5に図示した)。言い換えれば、高さH(t)の進行速度は経時的に減少する。本発明による成長曲線は有利には、基本サイクルごとに測定した固体塊の高さH(t)の値を、基準値Ho(t)(経時的に押圧される質量の所望の成長型の曲線に対応)と比較して、加熱手段の出力の調節によって得られる。典型的には、連続するいくつかの基本サイクルで測定した値H(t)が基準値Ho(t)を越えるとき、加熱出力を上昇させる。反対の場合はそれを低下させる。好適には、前記調節は、実測高さH(t)(好適には、数分間または連続する数基本サイクルの平均(スライド平均))と基準値Ho(t)の間の偏差と、この偏差の経時的増加または減少傾向を同時に考慮して、特に調節の「振動」と呼ばれる現象を防止する。したがって、Hoが衝突からの経過時間に依存する予め決められた基準値である、測定高さHと基準値Hoの間の差に応じて加熱出力Pを調節すること、すなわちH−Hoに応じて出力Pを制御することが有利であることが分かった
好適には、時間tで課される出力増分ΔPは、
ΔP(t)=A×[H(t)−Ho(t)]+B×{Δ[Ht(t)−Ho(t)]/Δt}
の形を取り、ここでAとBは経験的な正の係数で、基準高さをすぐに回復できるように、ただし不可避的な装置の熱慣性にもかかわらず(出力増分が結晶上昇曲線の変曲点に反映されるには一般的に数分が必要)、この基準高さの前後で「振動」を発生させずに、調節される。加熱出力の調節は有利には情報化システムによって保証される。
出願人は、意外なことに、所与の生産性のために、すなわち完全な分離操作のために所与の時間を固定することによって(それによって、所定の重量のブルームを得るために)、サイクルを実施する仕方および、特に、ブルームの成長率をすでに押圧されたブルーム(または固体塊)の高さに応じて表した法則、得られた最終ブルームの平均純度に大きな影響があることを発見した。言い換えれば、意外なことに、特定の規則に従って、押圧されるブルームの高さを増加するために加熱出力を制御することで、所与の生産性のために得られる精製率を大幅に向上させることができる
本発明の変型によれば、押圧手段またはそれぞれの押圧手段および坩堝の寸法は、押圧手段またはそれぞれの押圧手段が低い(浸漬)位置にあるとき、液状アルミニウムの自由表面が上昇して坩堝の内壁上の結晶化区域の表面をほぼ全体的に覆い、押圧手段またはそれぞれの押圧手段が高い(浮上)位置にあるとき、液状アルミニウムの自由表面が下降して前記区域内に形成された結晶のリング(25)の上部が液状金属から、少なくとも部分的に浮上し、これらの結晶が、剥離手段(より正確にはその削り道具)が液体金属内に侵入することなしに、引き剥がされるような寸法である。本発明のこの変型は、削り道具の摩耗を減らして剥離手段への介入頻度を減らし、装置の保守を容易にし、母液の汚染の恐れを減らすので、精製率が高くなり、よりよく制御される。
前記結晶化区域は坩堝の長さZ1と押圧手段またはそれぞれの押圧手段のロッドの長さZ2とにわたる
本発明によれば、母液と呼ばれるある量の液状アルミニウムから極めて高純度の固体アルミニウム塊(または「ブルーム」)を成長によって形成するのに適した、偏析によるアルミニウム精製装置は、耐火坩堝と、坩堝加熱手段を備えた炉と、結晶化区域と呼ばれる、特定の表面上で部分的結晶化によって結晶を形成するための手段と、前記結晶の剥離手段と、前記結晶と前記ブルームの少なくとも一つの押圧手段と、押圧手段またはそれぞれの押圧手段を上下に移動させるための手段と、成長の過程で加熱によって前記ブルームの再溶融を発生させる手段から成り、前記固体塊の高さHの測定手段と、前記測定高さHに応じて前記加熱手段の加熱出力を制御するための手段を含むことを特徴とする。好適には、制御は所定の高さの進行速度が得られるように実行され、更に好適には所定の高さの進行速度が経時的に低減する。再溶融手段は、好適には、ブルームの周辺表面でほぼ連続的な再溶融を可能にする。
炉(4)は好適には断熱隔壁(40)と金属製のケーソン(41)を備えている。加熱手段(5,5a、6、6a、7,7a)は好適には坩堝(2)にそって配分されている。有利には、坩堝にそって所定の仕方で加熱出力が調節できるように、前記加熱手段を個別に、あるいはまとめて、制御できる。特に、加熱手段のこの配置はブルーム全体の付近に加えられる加熱出力の調節を可能にする。
ロッド上に結晶を形成するための前記手段は、ロッドが高い(水面から出た)位置にあるとき、放熱および/または自然または強制対流によるロッドの冷却からなる。坩堝内壁に結晶を形成するための前記手段は、熱シンク効果による前記壁の温度の低下を含む。結晶区域(29)内の坩堝の壁は、特に放熱または対流による熱損失を引き起こすのに十分な長さだけ、加熱区域の上に、または炉(4)の外に坩堝の壁を延長することによって効果的に冷却される。このとき坩堝の空中にそびえる(または、突き出ている)部分(32)は放射フィン効果によって、熱シンクとしての役割を果たす。管(3)の上部(33)から測定される、前記空中にそびえる部分(32)の長さ(Le)は、2トンの容量を有する装置で、壁の厚さTが5cmのとき、典型的に2〜15cmである
部分的結晶化は、坩堝の壁とロッドの表面温度が母液の液相線温度未満であるときに、結晶化区域(29)と(29a)内で発生し、結晶を形成させる。これらの区域内で、正味熱流動はこのとき液体金属から坩堝の壁に向かって、またロッドに向かって導かれる。
坩堝の上の結晶化区域(29)の下限は温度が液相線温度に等しくなる内壁の場所に対応する。結晶化区域の下に位置する区域は再溶融区域(31)と呼ばれる区域に対応する(図3)。結晶化区域と再溶融区域の間の狭い転位区域は「中性点」と呼ばれる。再溶融区域内では、熱流動は坩堝の壁から金属に向かって導かれ、壁の温度は金属の液相線の温度を超える。坩堝において、結晶化区域の高さ(Lc)と再溶融区域の高さ(Lr)の間の比は好適には0.3未満、更に好適には0.25未満である。実際には、再溶融は押圧される固体塊(22)の周囲でしか起きないので、実質的再溶融区域(23)は坩堝の底とその壁から高さHまで広がる。したがって、この表面の上部を含む、ブルームの周辺表面のほぼ全体が再溶融する。
先端(10)の上部(27)は有利には、図a)に示したごとく、円錐台形である。円錐の角度、すなわちロッドの軸Cと円錐の表面(27)の間の角度αは好適には30度と60度の間に含まれ、更に好適には40度と50度の間に含まれる。円錐の角度が大きすぎると、すなわち結晶の自然な崩落面の角度より大きいと、結晶が円錐台表面(27)に堆積し、装置の全体的効率を落とすことがある、なぜならこれらの結晶はブルーム(22)の形成と再溶融による予備精製に関与しないからである。円錐の角度が小さすぎると、先端が長く成りすぎて、坩堝の有効体積のかなりの部分を使用し、結果的に、坩堝内に充填され、精製作業を受けることのできるアルミニウムの量が減る。他方で、先端が長くなると、皮剥ぎ可能な結晶、すなわち剥離手段(13)によって容易に剥がすことのできる結晶の形成に使用できるロッドの長さが大幅に減少する。
本発明の変型によれば、押圧手段またはそれぞれの押圧手段および坩堝の寸法は、押圧手段またはそれぞれの押圧手段が低い位置にあるとき、液状アルミニウムの自由表面が上昇して坩堝の内壁上の結晶化区域(29)の表面をほぼ全体的に覆い、押圧手段またはそれぞれの押圧手段が高い位置にあるとき、液状アルミニウムの自由表面が下降して前記区域内に形成された結晶のリング(25)の上部が液状金属から少なくとも部分的に浮上し、剥離手段(特にその削り道具)が液状金属内に侵入することなしに、これらの結晶が、引き剥がされるような寸法である。本発明のこの変型は、削り道具の摩耗を減らして剥離手段への介入頻度を減らし、装置の保守を容易にし、母液の汚染のおそれを減らすので、精製率が高くなり、よりよく制御される(特に本発明を、99.999%を越える純度を得るために、すでに精製した金属の精製、すなわち「超精製」に用いるとき)。
この実施態様の推奨変型によれば、坩堝(2)はつば(30)を備えた鋼鉄の鋳型(3)内に挿入され、鋳型(3)は坩堝・管の全体を支えるプレート(16)を介して、傾斜円錐台形ローラー(18)の上に置かれる。円錐台形のローラーは坩堝の回転を容易にするだけでなく、装置の軸に対してプレート(16)を自動的に中心にすることも保証する。坩堝は円錐台形ローラーのうちの一つのモーター装置によって効果的に回転させることができる
本発明のブルームは本発明による装置によって工業的に得ることができるが、特に、母液と呼ばれる、精製するある初期量の液体アルミニウムを耐火坩堝に充填し、ロッド(29a)上と坩堝の壁(29)上の結晶化区域内での前記母液の部分的結晶化による結晶形成と、剥離手段(13)と(14)による結晶の剥離と、「ブルーム」と呼ばれる、圧縮された固体塊を段階的に成長させるように、押圧手段(12)によって前記坩堝の底に堆積した結晶(21)と固体塊(22)の定期的押圧と、固体塊を更に精製するような前記固体塊の段階的部分再溶融と、好適には所定の低減するHの進行速度を得るように、Hに応じたブルーム成長過程での加熱手段(5から7a)の加熱出力の制御と、母液と、最終ブルームと呼ばれる最終固体塊の物理的分離によって得ることができる。
精製基本サイクルにおいて、先端(10)は、先端の上面または下面における結晶の形成を避けるために、好適には常に母液の中に浸かっており、結晶は残留母液の体積を減らすのに貢献し、それゆえに、押圧された精製結晶塊の形成に関与しない残留不純物濃度を増加させるのに貢献する
本発明は、純度が99.97%以上のアルミニウムから出発して、最低純度が99.998%のアルミニウムを得ることを可能にするアルミニウムの超精製にも適用される。かかる金属は特に集積回路の金属配線技術のために使用される。かかる精製度を得るための、さらなる困難は、放射性の不純物、特にウランとトリウムをできるだけ完全に除去する必要があることである。一般的に、精製開始金属は電解によってすでに精製され、Ti、V、ZrおよびCrなどの包晶元素の含有率が極めて低く(合計1ppm未満)、Fe、Si、Cuなどの通常の共晶不純物が少ない(それぞれ5ppm未満)金属である。この金属は、反対に、集積回路の金属配線技術に重大な障害となるウラニウムとトリウムを、例えば、0.1ppmを越えるトリウム、0.01ppmを越えるウラニウムの含有率で含んでいるが、集積回路の製造者の要求は現在U+Thの合計が0.0007ppm未満に制限された含有率に対応している。放射性不純物の極めて低い含有率に対するこの制限は、回路を構成する基本トランジスタのサイズが減少するにつれて厳しくなる一方で、製造者の希望は、U+Thの合計について、0.0001ppm未満の限度に推移しており、精製金属のこれらの不純物の初期含有率を1000以上で分割することが必要になる。先行技術の方法によって、放射性不純物がこのように制限された含有率を得ることは、カスケード式に(例えば、連続する2つの偏析)精製を実施することでしか実現できず、それによって生産コストは大幅に上昇し、開始の電気精製金属に対して、最終精製金属の収率を極めて顕著に下げる。
出願人は、極めて凸状の結晶上昇曲線(すなわち、すでに押圧された高さが増加するにつれて極めて減少する上昇速度)を用いて得られる、ブルームの平均純度の驚くべき改善の元を理解しようと試みた。この目的において、例3に従って製作されたブルームと例7に従って製作されたブルームから直径の区分(ブルームの軸方向「カット」)を採取した。珪素と鉄の含有率の閃光分光分析をこれらの区分の全表面から採取した一連の標本について実施した。この分析によって、ブルームの軸方向のそれぞれの区分内の標本の位置に応じて、金属の鉄および珪素含有率の地図を作製できた。図6は珪素含有率の場合の、得られた結果を珪素の「等レベル曲線」(「等含有率」)の形で示している。これらの曲線は、例3(図6a)で作成したブルーム内で、珪素含有率が坩堝の底から押圧された高さと共に大きく増加し、高さに伴う珪素含有率のこの成長が例7(図6b)に従って作成したブルームの場合はるかに低いことを示している。この最後の場合、更に、特にブルームの「上」部において、第一の場合に比較してブルームの外側リングのより高い純度が認められた。
JP2000592460A 1999-01-08 2000-01-05 偏析によるアルミニウム精製法と装置 Expired - Lifetime JP4335463B2 (ja)

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