JPH0797642A - アルミニウムの精製方法及び装置 - Google Patents
アルミニウムの精製方法及び装置Info
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- JPH0797642A JPH0797642A JP24498893A JP24498893A JPH0797642A JP H0797642 A JPH0797642 A JP H0797642A JP 24498893 A JP24498893 A JP 24498893A JP 24498893 A JP24498893 A JP 24498893A JP H0797642 A JPH0797642 A JP H0797642A
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- aluminum
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
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- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 Al溶湯を偏析凝固させ、純度の高い精製A
lを得る。 【構成】 ルツボ10に収容した溶湯Mに、回転冷却体
10及び押圧板36を浸漬する。冷却体10は、晶出し
たα−Alが表面から振り落される遠心力が働く速度で
回転する。振り落されたα−Alは、溶湯M内を沈降し
てルツボ10の底部に精製アルミニウムRとして堆積す
る。精製アルミニウムRに取り込まれている不純物濃縮
液は、押圧板36で精製部界面Iを押圧することにより
精製アルミニウムRから絞り出される。1回の押圧ごと
に押圧板36の回転位置を変えることにより、精製部界
面Iの全域が均等に押圧される。 【効果】 不純物の混入がない精製Alが高い効率よく
得られる。
lを得る。 【構成】 ルツボ10に収容した溶湯Mに、回転冷却体
10及び押圧板36を浸漬する。冷却体10は、晶出し
たα−Alが表面から振り落される遠心力が働く速度で
回転する。振り落されたα−Alは、溶湯M内を沈降し
てルツボ10の底部に精製アルミニウムRとして堆積す
る。精製アルミニウムRに取り込まれている不純物濃縮
液は、押圧板36で精製部界面Iを押圧することにより
精製アルミニウムRから絞り出される。1回の押圧ごと
に押圧板36の回転位置を変えることにより、精製部界
面Iの全域が均等に押圧される。 【効果】 不純物の混入がない精製Alが高い効率よく
得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、α−Alの晶出反応に
伴って不純物が濃縮した残湯と精製されたアルミニウム
とを効率よく分離する精製方法及び装置に関する。
伴って不純物が濃縮した残湯と精製されたアルミニウム
とを効率よく分離する精製方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】不純物を含んでいるアルミニウム溶湯を
冷却するとき、溶湯温度が液相線まで降下すると、その
液相線温度に応じて固相の晶出が開始する。たとえば、
α−Alが初晶として晶出する系では、Alが優先的に
固相に取り込まれ、Si,Fe,Mn等の不純物が残液
に濃縮する。この偏析凝固を利用して、アルミニウムス
クラップ等の溶解原料を精製する種々の方法が検討され
ている。たとえば、特開昭50−20536号公報で
は、溶湯中に冷却管を浸漬し、冷却管の表面にα−Al
を初晶として晶出させ、環状の掻取り板で晶出物を冷却
管表面から掻き取る方法が紹介されている。分離した晶
出物は、精製容器の底部に沈降し、掻取り板で搗き固め
られ生成アルミニウムとなる。また、特開昭58−16
7733号公報では、精製容器の内壁一部に冷却機構を
組み込み、内壁面に晶出したα−Alを掻き取る方法が
紹介されている。この方法では、精製容器の内壁と接触
する掻取り板を周期的に昇降させ、α−Alを掻き取っ
ている。内壁面から分離したα−Alは、精製容器の底
部に集められ、下降した掻取り板によって押し固められ
る。これにより、不純物溶湯がα−Alから絞り出さ
れ、純度の高い精製アルミニウムが得られる。
冷却するとき、溶湯温度が液相線まで降下すると、その
液相線温度に応じて固相の晶出が開始する。たとえば、
α−Alが初晶として晶出する系では、Alが優先的に
固相に取り込まれ、Si,Fe,Mn等の不純物が残液
に濃縮する。この偏析凝固を利用して、アルミニウムス
クラップ等の溶解原料を精製する種々の方法が検討され
ている。たとえば、特開昭50−20536号公報で
は、溶湯中に冷却管を浸漬し、冷却管の表面にα−Al
を初晶として晶出させ、環状の掻取り板で晶出物を冷却
管表面から掻き取る方法が紹介されている。分離した晶
出物は、精製容器の底部に沈降し、掻取り板で搗き固め
られ生成アルミニウムとなる。また、特開昭58−16
7733号公報では、精製容器の内壁一部に冷却機構を
組み込み、内壁面に晶出したα−Alを掻き取る方法が
紹介されている。この方法では、精製容器の内壁と接触
する掻取り板を周期的に昇降させ、α−Alを掻き取っ
ている。内壁面から分離したα−Alは、精製容器の底
部に集められ、下降した掻取り板によって押し固められ
る。これにより、不純物溶湯がα−Alから絞り出さ
れ、純度の高い精製アルミニウムが得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】冷却管の表面に晶出し
たα−Alを掻き取る作業は、精製容器の底部に沈降し
た晶出物を搗き固める作業と交互に行われる。そのた
め、効率的な搗固めができず、不純物溶湯が晶出物に取
り込まれることが避けられない。したがって、精製効率
が低い。また、掻取り板及び冷却管を昇降させる機構が
必要となり、設備構成が複雑化する欠点もある。精製容
器の内壁に晶出したα−Alを掻き取り、押し固める方
法においても、掻取り作業及び押し固め作業が交互に行
われることから、同様な問題が存在する。何れの方法に
おいても、冷却管の表面又は精製容器の内壁から晶出物
を掻き取ること、及び掻き取られた晶出物の搗固め又は
押し固めに掻取り板を兼用している。そのため、掻取り
板の関係上、精製容器の大きさが制限され、大型の精製
設備を設計することができない。すなわち、炉単位の生
産性が低く、大量生産に向かない。本発明は、このよう
な問題を解消すべく案出されたものであり、初晶を晶出
させる機能及び晶出物を押し固める機能を独立させるこ
とにより、高生産性で多量のアルミニウムを精製するこ
とを目的とする。
たα−Alを掻き取る作業は、精製容器の底部に沈降し
た晶出物を搗き固める作業と交互に行われる。そのた
め、効率的な搗固めができず、不純物溶湯が晶出物に取
り込まれることが避けられない。したがって、精製効率
が低い。また、掻取り板及び冷却管を昇降させる機構が
必要となり、設備構成が複雑化する欠点もある。精製容
器の内壁に晶出したα−Alを掻き取り、押し固める方
法においても、掻取り作業及び押し固め作業が交互に行
われることから、同様な問題が存在する。何れの方法に
おいても、冷却管の表面又は精製容器の内壁から晶出物
を掻き取ること、及び掻き取られた晶出物の搗固め又は
押し固めに掻取り板を兼用している。そのため、掻取り
板の関係上、精製容器の大きさが制限され、大型の精製
設備を設計することができない。すなわち、炉単位の生
産性が低く、大量生産に向かない。本発明は、このよう
な問題を解消すべく案出されたものであり、初晶を晶出
させる機能及び晶出物を押し固める機能を独立させるこ
とにより、高生産性で多量のアルミニウムを精製するこ
とを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の精製方法は、そ
の目的を達成するため、精製容器に収容した溶湯に回転
冷却体及び昇降可能な押圧板を浸漬し、前記回転冷却体
による冷却で前記溶湯から前記回転冷却体の表面に晶出
したα−Alの晶出物を前記回転冷却体の遠心力で前記
回転冷却体の表面から分離させ、前記溶湯中を沈降して
前記精製容器の底部に溜った前記晶出物を前記押圧板で
押し固めることにより、前記晶出物に取り込まれている
不純物濃縮液を絞り出して精製アルミニウムとし、1回
の押し固めごとに前記押圧板を所定角度回転させること
を特徴とする。このとき、押圧板を介して精製部界面を
検出し、検出された精製部界面の位置に基づいて精製速
度を制御することができる。精製アルミニウムは、溶融
状態の残湯から分離することができる。この場合、精製
終了後に精製容器を傾倒し、精製容器の底部に溜った精
製アルミニウムを残した状態で、残湯を排出する。或い
は、残湯を凝固させた後で精製アルミニウムから分離し
ても良い。この場合、精製終了後、精製アルミニウムと
共に残湯を精製容器内で凝固し、凝固した残湯及び精製
アルミニウムを精製容器から取り出し、残湯及び精製ア
ルミニウムを切断分離する。
の目的を達成するため、精製容器に収容した溶湯に回転
冷却体及び昇降可能な押圧板を浸漬し、前記回転冷却体
による冷却で前記溶湯から前記回転冷却体の表面に晶出
したα−Alの晶出物を前記回転冷却体の遠心力で前記
回転冷却体の表面から分離させ、前記溶湯中を沈降して
前記精製容器の底部に溜った前記晶出物を前記押圧板で
押し固めることにより、前記晶出物に取り込まれている
不純物濃縮液を絞り出して精製アルミニウムとし、1回
の押し固めごとに前記押圧板を所定角度回転させること
を特徴とする。このとき、押圧板を介して精製部界面を
検出し、検出された精製部界面の位置に基づいて精製速
度を制御することができる。精製アルミニウムは、溶融
状態の残湯から分離することができる。この場合、精製
終了後に精製容器を傾倒し、精製容器の底部に溜った精
製アルミニウムを残した状態で、残湯を排出する。或い
は、残湯を凝固させた後で精製アルミニウムから分離し
ても良い。この場合、精製終了後、精製アルミニウムと
共に残湯を精製容器内で凝固し、凝固した残湯及び精製
アルミニウムを精製容器から取り出し、残湯及び精製ア
ルミニウムを切断分離する。
【0005】本発明の精製装置は、側壁及び底部にヒー
タを備えた精製容器と、該精製容器に挿入され、内部に
冷却媒体の通路が形成された単数又は複数の回転冷却体
と、前記精製容器の中心部に回転軸が配置され、前記回
転軸の下端に押圧板が取り付けられた昇降可能な押圧機
構とを備え、前記押圧板は、前記回転軸に関して非対称
に広がった面積をもち、垂直方向に伸びる複数の通液孔
が形成されている。回転冷却体は、回転軸を垂直方向に
伸ばした有底円筒体であり、内部に冷却媒体を循環させ
る流路が形成されている。また、表面積を大きくして冷
却効率を向上させるため、有底円筒体の周面に複数の凹
凸が形成されているものを使用することもできる。押圧
機構は、所定角度で押圧板を間欠回転させる回転用モー
タ及び前記押圧板を周期的に上下動させる昇降用モータ
に接続されている。回転冷却体及び押圧板は、アルミニ
ウム溶湯による侵食に耐え耐熱性に優れた黒鉛等の材質
で作られる。
タを備えた精製容器と、該精製容器に挿入され、内部に
冷却媒体の通路が形成された単数又は複数の回転冷却体
と、前記精製容器の中心部に回転軸が配置され、前記回
転軸の下端に押圧板が取り付けられた昇降可能な押圧機
構とを備え、前記押圧板は、前記回転軸に関して非対称
に広がった面積をもち、垂直方向に伸びる複数の通液孔
が形成されている。回転冷却体は、回転軸を垂直方向に
伸ばした有底円筒体であり、内部に冷却媒体を循環させ
る流路が形成されている。また、表面積を大きくして冷
却効率を向上させるため、有底円筒体の周面に複数の凹
凸が形成されているものを使用することもできる。押圧
機構は、所定角度で押圧板を間欠回転させる回転用モー
タ及び前記押圧板を周期的に上下動させる昇降用モータ
に接続されている。回転冷却体及び押圧板は、アルミニ
ウム溶湯による侵食に耐え耐熱性に優れた黒鉛等の材質
で作られる。
【0006】押圧板を介して検出された精製部界面の状
態に基づいて、加熱条件,冷却条件等を制御することも
可能である。この場合、回転用モータのトルクをトルク
検出器で検出し、昇降用モータの回転数から押圧板の位
置を位置検出器で検出する。そして、トルク検出器から
のトルク情報及び位置検出器からの位置情報を温度制御
装置に入力し、精製容器の側壁及び底部に設けたヒータ
への加熱電流及び溶湯に浸漬された回転冷却体の抜熱能
を調製する制御信号を出力される温度制御装置からそれ
ぞれヒータの電源及び回転冷却体の流量調製弁に出力す
る。本発明に従った精製装置は、たとえば図1に示す設
備構成を持っている。精製容器としてのルツボ10は、
ヒータ11で取り囲まれ、ルツボ10に収容されたアル
ミニウム溶湯Mを加熱する。ヒータ11は、更に保温材
12で取り囲まれており、溶湯M及びヒータ11からの
熱放散が抑制される。ルツボ10の底部には別のヒータ
13が配置されており、溶湯Mから晶出した精製アルミ
ニウムRをAlの融点より若干高い温度に保持する。ヒ
ータ11,13には、交流電源14から加熱用電流が供
給される。交流電源14から出力される電流は、温度制
御装置15からの制御信号に基づいて定められる。
態に基づいて、加熱条件,冷却条件等を制御することも
可能である。この場合、回転用モータのトルクをトルク
検出器で検出し、昇降用モータの回転数から押圧板の位
置を位置検出器で検出する。そして、トルク検出器から
のトルク情報及び位置検出器からの位置情報を温度制御
装置に入力し、精製容器の側壁及び底部に設けたヒータ
への加熱電流及び溶湯に浸漬された回転冷却体の抜熱能
を調製する制御信号を出力される温度制御装置からそれ
ぞれヒータの電源及び回転冷却体の流量調製弁に出力す
る。本発明に従った精製装置は、たとえば図1に示す設
備構成を持っている。精製容器としてのルツボ10は、
ヒータ11で取り囲まれ、ルツボ10に収容されたアル
ミニウム溶湯Mを加熱する。ヒータ11は、更に保温材
12で取り囲まれており、溶湯M及びヒータ11からの
熱放散が抑制される。ルツボ10の底部には別のヒータ
13が配置されており、溶湯Mから晶出した精製アルミ
ニウムRをAlの融点より若干高い温度に保持する。ヒ
ータ11,13には、交流電源14から加熱用電流が供
給される。交流電源14から出力される電流は、温度制
御装置15からの制御信号に基づいて定められる。
【0007】ルツボ10内の溶湯Mに、単数又は複数の
回転冷却体20,20がルツボ10の中心位置を外して
配置されている。回転冷却体20は、回転軸21の上端
に従動プーリ22が固着されている。従動プーリ22に
は、モータ23で回転される駆動プーリ24の回転力が
ベルト25を介して伝達される。駆動力の伝達は、この
方式に限らずギヤの噛合い等の種々の方式を採用するこ
とができる。回転軸21は、内部が空洞になっており、
冷却媒体26が回転冷却体20内部の下端近傍まで送り
込まれる。冷却媒体26の流量は、流量調整弁27の開
度に応じて調節される。流量調整弁27は、温度制御装
置15から出力された制御信号で制御される。ルツボ1
0の中心部に、押圧機構30の回転軸31が配置され
る。回転軸31は、上端が回転用モータ32に接続され
ている。昇降用アーム33は、一端で回転軸31を支持
し、昇降用モータ34で回転される送りネジ35に他端
が装着されている。送りネジ35の回転によって昇降ア
ーム33がピッチ送りされ、押圧機構30が昇降する。
このときの送りネジ35又は昇降用モータ32の回転数
をカウントすることにより、押圧機構30の昇降量が算
出される。
回転冷却体20,20がルツボ10の中心位置を外して
配置されている。回転冷却体20は、回転軸21の上端
に従動プーリ22が固着されている。従動プーリ22に
は、モータ23で回転される駆動プーリ24の回転力が
ベルト25を介して伝達される。駆動力の伝達は、この
方式に限らずギヤの噛合い等の種々の方式を採用するこ
とができる。回転軸21は、内部が空洞になっており、
冷却媒体26が回転冷却体20内部の下端近傍まで送り
込まれる。冷却媒体26の流量は、流量調整弁27の開
度に応じて調節される。流量調整弁27は、温度制御装
置15から出力された制御信号で制御される。ルツボ1
0の中心部に、押圧機構30の回転軸31が配置され
る。回転軸31は、上端が回転用モータ32に接続され
ている。昇降用アーム33は、一端で回転軸31を支持
し、昇降用モータ34で回転される送りネジ35に他端
が装着されている。送りネジ35の回転によって昇降ア
ーム33がピッチ送りされ、押圧機構30が昇降する。
このときの送りネジ35又は昇降用モータ32の回転数
をカウントすることにより、押圧機構30の昇降量が算
出される。
【0008】回転軸31の下端には、押圧板36が取り
付けられている。押圧板36は、ルツボ10の内部形状
に合せる必要はなく、図2に示すように回転軸31に関
し非対称に広がった面積をもっている。図2の例では、
回転軸31に対する接続部を除き、ほぼ半円状の板体に
なっている。この押圧板36には、垂直方向に伸びる複
数の通液孔37が形成されている。大きな面積をもつ押
圧板36は、精製部界面Iを広範囲にカバーできるた
め、1ストロークで押圧される精製部界面Iの面積が大
きくなり、精製量が増加する。押圧により精製アルミニ
ウムRから絞り出された不純物濃縮液や残湯等は、通液
孔37を経由して溶湯Mに送り出される。押圧後、押圧
板36を上昇させ、回転用モータ32で設定角度だけ回
転させ、次の回転位置において押圧板36の下降を繰り
返す。これにより、精製部界面Iの全面が均一に押圧さ
れ、精製アルミニウムRの純度が向上する。このとき、
押圧板36の面積が広いほど、精製効率が向上する。
付けられている。押圧板36は、ルツボ10の内部形状
に合せる必要はなく、図2に示すように回転軸31に関
し非対称に広がった面積をもっている。図2の例では、
回転軸31に対する接続部を除き、ほぼ半円状の板体に
なっている。この押圧板36には、垂直方向に伸びる複
数の通液孔37が形成されている。大きな面積をもつ押
圧板36は、精製部界面Iを広範囲にカバーできるた
め、1ストロークで押圧される精製部界面Iの面積が大
きくなり、精製量が増加する。押圧により精製アルミニ
ウムRから絞り出された不純物濃縮液や残湯等は、通液
孔37を経由して溶湯Mに送り出される。押圧後、押圧
板36を上昇させ、回転用モータ32で設定角度だけ回
転させ、次の回転位置において押圧板36の下降を繰り
返す。これにより、精製部界面Iの全面が均一に押圧さ
れ、精製アルミニウムRの純度が向上する。このとき、
押圧板36の面積が広いほど、精製効率が向上する。
【0009】ルツボ10内における押圧板36の高さ
は、送りネジ35の回転量を送り距離に換算して位置検
出器38で検出される。押圧板36が下降して精製部界
面Iに達すると昇降用モータ34のトルクが大きくな
る。トルク変化は、トルク検出器39で検出される。こ
のときの高さが位置検出器38で検出され、精製部凝固
界面Iの位置を知ることができる。精製部凝固界面Iの
位置を継続的に測定することにより、精製アルミニウム
Rの成長速度、すなわち精製速度が判る。検出された精
製部界面Iの位置情報は、位置検出器38から温度制御
装置15に出力される。温度制御装置15には、全精製
工程を通じて精製アルミニウムRがほぼ同一の純度を維
持するように、精製部界面Iの位置に対応した適切な精
製速度で精製アルミニウムRを成長させる温度条件が設
定されたプログラムが予め入力されている。
は、送りネジ35の回転量を送り距離に換算して位置検
出器38で検出される。押圧板36が下降して精製部界
面Iに達すると昇降用モータ34のトルクが大きくな
る。トルク変化は、トルク検出器39で検出される。こ
のときの高さが位置検出器38で検出され、精製部凝固
界面Iの位置を知ることができる。精製部凝固界面Iの
位置を継続的に測定することにより、精製アルミニウム
Rの成長速度、すなわち精製速度が判る。検出された精
製部界面Iの位置情報は、位置検出器38から温度制御
装置15に出力される。温度制御装置15には、全精製
工程を通じて精製アルミニウムRがほぼ同一の純度を維
持するように、精製部界面Iの位置に対応した適切な精
製速度で精製アルミニウムRを成長させる温度条件が設
定されたプログラムが予め入力されている。
【0010】温度制御装置15では、このプログラムに
従って設定温度条件に基づいて位置検出器38及びトル
ク検出器39から入力された信号から加熱条件及び冷却
条件を演算する。演算結果は、それぞれヒータ11の交
流電源14及び回転冷却体20の流量調整弁27に出力
される。たとえば、実際の精製速度が設定精製速度より
早い場合には、溶湯Mの冷却を緩慢にする指令をヒータ
11,13及び冷却体20の流量調製弁27に出力す
る。逆に、実際の精製速度が設定精製速度より遅い場
合、溶湯Mの冷却を促進させる指令をヒータ11,13
及び冷却体20の流量調製弁27に出力する。ヒータ1
1は、ルツボ10の高さ方向に関して複数のブロックに
分割されている。温度制御装置15から入力された制御
信号に基づき、それぞれのブロックにおける発熱量が制
御される。流量調整弁27は、温度制御装置15から出
力された制御信号に基づいて開度が調節され、それに応
じて冷却媒体26の流量を制御する。これにより、回転
冷却体20の抜熱能が制御され、精製部界面Iに応じた
適切な精製アルミニウムRの成長速度が得られる。
従って設定温度条件に基づいて位置検出器38及びトル
ク検出器39から入力された信号から加熱条件及び冷却
条件を演算する。演算結果は、それぞれヒータ11の交
流電源14及び回転冷却体20の流量調整弁27に出力
される。たとえば、実際の精製速度が設定精製速度より
早い場合には、溶湯Mの冷却を緩慢にする指令をヒータ
11,13及び冷却体20の流量調製弁27に出力す
る。逆に、実際の精製速度が設定精製速度より遅い場
合、溶湯Mの冷却を促進させる指令をヒータ11,13
及び冷却体20の流量調製弁27に出力する。ヒータ1
1は、ルツボ10の高さ方向に関して複数のブロックに
分割されている。温度制御装置15から入力された制御
信号に基づき、それぞれのブロックにおける発熱量が制
御される。流量調整弁27は、温度制御装置15から出
力された制御信号に基づいて開度が調節され、それに応
じて冷却媒体26の流量を制御する。これにより、回転
冷却体20の抜熱能が制御され、精製部界面Iに応じた
適切な精製アルミニウムRの成長速度が得られる。
【0011】本発明においては、溶湯Mを冷却体20,
20で冷却し、晶出したα−Alを冷却体20,20の
表面に凝固層として成長させることなく、溶湯M中を沈
降させルツボ10の底部に精製アルミニウムRとして成
長させている。そのため、冷却体表面で精製アルミニウ
ムを成長させる方式に比較して、冷却体20,20の回
転速度を大きく設定している。すなわち、晶出したα−
Alを回転による遠心力で冷却体20,20の表面から
離脱させる。したがって、冷却体表面に晶出したα−A
lを掻き取る方式にみられた冷却体と掻取り板との位置
関係に関する制約等がなく、冷却体20,20から独立
して押圧板36を設けることが可能となる。また、昇降
機構も、基本的には押圧機構30が必要とするだけであ
る。冷却体20,20の回転速度は、アルミニウム原料
の純度,α−Alの晶出量等に応じて、外周速1〜5m
/秒の範囲で選定することができる。外周速が1m/秒
より遅いとき、冷却体20の遠心力により晶出物を振り
落す作用が弱くなる。逆に外周速が5m/秒を超える大
きな回転速度では、溶湯Mの湯面における波立ちや溶湯
Mの飛散等のトラブルが発生し易くなる。冷却体20,
20の回転速度は、精製アルミニウムRの成長速度,温
度制御装置15における加熱条件及び冷却条件等に応じ
て変えることもできる。
20で冷却し、晶出したα−Alを冷却体20,20の
表面に凝固層として成長させることなく、溶湯M中を沈
降させルツボ10の底部に精製アルミニウムRとして成
長させている。そのため、冷却体表面で精製アルミニウ
ムを成長させる方式に比較して、冷却体20,20の回
転速度を大きく設定している。すなわち、晶出したα−
Alを回転による遠心力で冷却体20,20の表面から
離脱させる。したがって、冷却体表面に晶出したα−A
lを掻き取る方式にみられた冷却体と掻取り板との位置
関係に関する制約等がなく、冷却体20,20から独立
して押圧板36を設けることが可能となる。また、昇降
機構も、基本的には押圧機構30が必要とするだけであ
る。冷却体20,20の回転速度は、アルミニウム原料
の純度,α−Alの晶出量等に応じて、外周速1〜5m
/秒の範囲で選定することができる。外周速が1m/秒
より遅いとき、冷却体20の遠心力により晶出物を振り
落す作用が弱くなる。逆に外周速が5m/秒を超える大
きな回転速度では、溶湯Mの湯面における波立ちや溶湯
Mの飛散等のトラブルが発生し易くなる。冷却体20,
20の回転速度は、精製アルミニウムRの成長速度,温
度制御装置15における加熱条件及び冷却条件等に応じ
て変えることもできる。
【0012】押圧板36の上下動は、一定した周期で行
われる。押圧板36は、常に一定した移動速度で上下動
させる必要はなく、上昇速度と下降速度とを異ならせる
ことも可能である。具体的には、0.05〜2m/秒,
好ましくは0.1〜1.2m/分の速度範囲で、押圧板
36を上下動させる。昇降速度が0.05m/分より遅
いと、押圧板36によって精製部界面Iを押圧する単位
時間当りの回数が少なくなる。その結果、特に初晶の堆
積速度が早いような場合、精製部における濃縮液の効率
的な排出が行えなくなる。しかし、2m/分を超える昇
降速度では、押圧板36の昇降に起因した撹拌流が溶湯
M内に生じ、精製アルミニウムRの表層部に晶出した初
晶が巻き上げられる。その結果、精製効率が低下する。
また、押圧板36を破損する危険も高くなる。
われる。押圧板36は、常に一定した移動速度で上下動
させる必要はなく、上昇速度と下降速度とを異ならせる
ことも可能である。具体的には、0.05〜2m/秒,
好ましくは0.1〜1.2m/分の速度範囲で、押圧板
36を上下動させる。昇降速度が0.05m/分より遅
いと、押圧板36によって精製部界面Iを押圧する単位
時間当りの回数が少なくなる。その結果、特に初晶の堆
積速度が早いような場合、精製部における濃縮液の効率
的な排出が行えなくなる。しかし、2m/分を超える昇
降速度では、押圧板36の昇降に起因した撹拌流が溶湯
M内に生じ、精製アルミニウムRの表層部に晶出した初
晶が巻き上げられる。その結果、精製効率が低下する。
また、押圧板36を破損する危険も高くなる。
【0013】押圧板36は、回転用モータ32によって
回転位置を変える。この回転位置の変更は、押圧板36
の上下動と同時に或いは切り離して行う何れの方式であ
っても良い。ただし、下降時に押圧板36を回転させる
方式を採用するとき、精製部界面Iに押圧板36が接触
する前に回転を終了させることが好ましい。押圧板36
の形状にもよるが、具体的には押圧1回当り5〜180
度,好ましくは10〜45度の回転角度で押圧板36を
回転させる。押圧板36で精製部界面Iに加える押圧力
は、不純物濃縮液を精製アルミニウムIから効率よく絞
り出すために、0.1〜1.0kg/cm2 の範囲で設
定することが好ましい。押圧力が0.1kg/cm2 未
満であると、十分な絞り出し効果が得られない、逆に、
1.0kg/cm2 を超える押圧力では、黒鉛製の押圧
板36が破損し易くなる。精製部界面Iに加わる押圧力
は、押圧板36を下降させる昇降用モータ34のトルク
変化から知ることができる。トルク変化は、電流値の変
化として現れる。そこで、押圧板36に加わる圧力と電
流値変化との関係を予め求めておき、実際の精製工程で
昇降用モータ34の電流値上昇を検出し、電流値の上昇
度合いを圧力−電流値の関係に当て嵌めて押圧板36に
加わった圧力を算出する。また、この電流値が設定値を
超えないように、昇降用モータ34への通電を制御する
電流設定記を設けることもできる。
回転位置を変える。この回転位置の変更は、押圧板36
の上下動と同時に或いは切り離して行う何れの方式であ
っても良い。ただし、下降時に押圧板36を回転させる
方式を採用するとき、精製部界面Iに押圧板36が接触
する前に回転を終了させることが好ましい。押圧板36
の形状にもよるが、具体的には押圧1回当り5〜180
度,好ましくは10〜45度の回転角度で押圧板36を
回転させる。押圧板36で精製部界面Iに加える押圧力
は、不純物濃縮液を精製アルミニウムIから効率よく絞
り出すために、0.1〜1.0kg/cm2 の範囲で設
定することが好ましい。押圧力が0.1kg/cm2 未
満であると、十分な絞り出し効果が得られない、逆に、
1.0kg/cm2 を超える押圧力では、黒鉛製の押圧
板36が破損し易くなる。精製部界面Iに加わる押圧力
は、押圧板36を下降させる昇降用モータ34のトルク
変化から知ることができる。トルク変化は、電流値の変
化として現れる。そこで、押圧板36に加わる圧力と電
流値変化との関係を予め求めておき、実際の精製工程で
昇降用モータ34の電流値上昇を検出し、電流値の上昇
度合いを圧力−電流値の関係に当て嵌めて押圧板36に
加わった圧力を算出する。また、この電流値が設定値を
超えないように、昇降用モータ34への通電を制御する
電流設定記を設けることもできる。
【0014】
【作用】溶湯Mを冷却体20で冷却するとき、晶出した
α−Alは、冷却体20の表面に付着しようとする。し
かし、α−Alは、冷却体20の回転によって生じた遠
心力で冷却体20の表面から振り落され、溶湯M中を沈
降してルツボ10の底部に堆積する。α−Alの堆積に
随伴して不純物濃縮液が精製アルミニウムRに取り込ま
れるが、この不純物濃縮液は、押圧板36で周期的に加
えられる押圧力により精製アルミニウムRから絞り出さ
れる。したがって、得られた精製アルミニウムRは、純
度の高いものとなる。このとき、α−Alを遠心力で冷
却体20から振り落しているので、従来のように冷却体
20の表面を摺擦する掻取り板等を必要とせず、冷却体
20から独立して押圧板36を操作することができる。
α−Alは、冷却体20の表面に付着しようとする。し
かし、α−Alは、冷却体20の回転によって生じた遠
心力で冷却体20の表面から振り落され、溶湯M中を沈
降してルツボ10の底部に堆積する。α−Alの堆積に
随伴して不純物濃縮液が精製アルミニウムRに取り込ま
れるが、この不純物濃縮液は、押圧板36で周期的に加
えられる押圧力により精製アルミニウムRから絞り出さ
れる。したがって、得られた精製アルミニウムRは、純
度の高いものとなる。このとき、α−Alを遠心力で冷
却体20から振り落しているので、従来のように冷却体
20の表面を摺擦する掻取り板等を必要とせず、冷却体
20から独立して押圧板36を操作することができる。
【0015】
実施例1:内径300mm及び深さ600mmの黒鉛製
ルツボを、図1に示した精製装置に組み込んだ。ルツボ
10の側壁に設けるヒータ11としては、上下方向に3
分割されたものを使用した。冷却体20としては、外径
60mmの筒状で平滑な表面を持ち、冷却媒体26とし
て常温の空気が導入されるものを1本使用した。押圧機
構30としては、半径140mmの半円状(図2b参
照)の押圧板36を回転辞意区31の下端に取り付けた
ものを使用した。Si:754ppm,Fe:646p
pm及びCu:130ppmを含むアルミニウム原料6
0kgをルツボ10に装入し、平均温度750℃で加熱
することによりアルミニウム溶湯Mを調製した。この溶
湯Mに、ルツボ10の底部から50mmの高さに位置す
るように押圧板36を浸漬し、湯面からの浸漬深さ15
0mmで冷却体20を浸漬した。
ルツボを、図1に示した精製装置に組み込んだ。ルツボ
10の側壁に設けるヒータ11としては、上下方向に3
分割されたものを使用した。冷却体20としては、外径
60mmの筒状で平滑な表面を持ち、冷却媒体26とし
て常温の空気が導入されるものを1本使用した。押圧機
構30としては、半径140mmの半円状(図2b参
照)の押圧板36を回転辞意区31の下端に取り付けた
ものを使用した。Si:754ppm,Fe:646p
pm及びCu:130ppmを含むアルミニウム原料6
0kgをルツボ10に装入し、平均温度750℃で加熱
することによりアルミニウム溶湯Mを調製した。この溶
湯Mに、ルツボ10の底部から50mmの高さに位置す
るように押圧板36を浸漬し、湯面からの浸漬深さ15
0mmで冷却体20を浸漬した。
【0016】冷却体20に冷却用空気を一定流量100
Nl/分で導入しながら、外周速3m/秒で冷却体20
を回転させた。押圧板36は、50mmのストローク及
び0.4m/分の速度で上下動させ、上昇時に20度づ
つ回転させた。また、精製部界面Iに加える圧力が0.
6kg/cm2 となるように押圧板36の下降運動を制
御し、押圧回数を3.5回/分に設定した。この条件下
で操業したところ、精製アルミニウムRは、平均精製速
度35mm/時で成長した。5時間後に溶湯Mの約50
%が精製され、27kgの精製アルミニウムRが得られ
た。得られた精製アルミニウムRの不純物濃度を、アル
ミニウム原料及び残湯と対比して表1に示す。なお、表
1には、原料溶湯に対する精製Alの割合を、分配率
(%)として合せ示している。
Nl/分で導入しながら、外周速3m/秒で冷却体20
を回転させた。押圧板36は、50mmのストローク及
び0.4m/分の速度で上下動させ、上昇時に20度づ
つ回転させた。また、精製部界面Iに加える圧力が0.
6kg/cm2 となるように押圧板36の下降運動を制
御し、押圧回数を3.5回/分に設定した。この条件下
で操業したところ、精製アルミニウムRは、平均精製速
度35mm/時で成長した。5時間後に溶湯Mの約50
%が精製され、27kgの精製アルミニウムRが得られ
た。得られた精製アルミニウムRの不純物濃度を、アル
ミニウム原料及び残湯と対比して表1に示す。なお、表
1には、原料溶湯に対する精製Alの割合を、分配率
(%)として合せ示している。
【0017】
【表1】
【0018】実施例2:冷却体20として、周面全域に
幅5mm及び深さ5mmの突出部を付けた外径60mm
の黒鉛製円筒を使用した。その他は実施例1と同じ条件
を採用して、アルミニウム原料を精製した。この冷却体
20は、表面積が大きなことから溶湯Mに対する抜熱能
に優れている。そのため、約4時間で実施例1と同様な
精製重量の精製アルミニウムが得られた。精製アルミニ
ウムの不純物濃度は、Si:43ppm,Fe:27p
pm及びCu:15ppmであり、実施例1とほぼ同じ
値を示した。
幅5mm及び深さ5mmの突出部を付けた外径60mm
の黒鉛製円筒を使用した。その他は実施例1と同じ条件
を採用して、アルミニウム原料を精製した。この冷却体
20は、表面積が大きなことから溶湯Mに対する抜熱能
に優れている。そのため、約4時間で実施例1と同様な
精製重量の精製アルミニウムが得られた。精製アルミニ
ウムの不純物濃度は、Si:43ppm,Fe:27p
pm及びCu:15ppmであり、実施例1とほぼ同じ
値を示した。
【0019】実施例3:同じ精製装置を使用して、S
i:3.2%,Fe:0.78%及びCu:0.27%
のアルミニウム原料60kgを精製した。冷却体20に
導入する冷却用空気の流量を200Nl/分の一定値に
保ち、冷却体20の外周速を2.25m/秒に設定し
た。この条件下で精製したところ、平均精製速度は43
mm/時であった。そして、4時間後に溶湯Mの45%
が精製され、23kgの精製アルミニウムRが得られ
た。得られた精製アルミニウムRは、不純物濃度がS
i:0.23%,Fe:0.18%及びCu:0.08
%であり、極めて純度が高いものであった。
i:3.2%,Fe:0.78%及びCu:0.27%
のアルミニウム原料60kgを精製した。冷却体20に
導入する冷却用空気の流量を200Nl/分の一定値に
保ち、冷却体20の外周速を2.25m/秒に設定し
た。この条件下で精製したところ、平均精製速度は43
mm/時であった。そして、4時間後に溶湯Mの45%
が精製され、23kgの精製アルミニウムRが得られ
た。得られた精製アルミニウムRは、不純物濃度がS
i:0.23%,Fe:0.18%及びCu:0.08
%であり、極めて純度が高いものであった。
【0020】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、アルミニウム溶湯を偏析凝固させて純度の高いアル
ミニウムを精製するとき、晶出した初晶を精製容器の底
部に集め、初晶間に取り込まれている多量の不純物を含
む溶液を押圧によって絞り出している。初晶から絞り出
された不純物濃縮液は、凝固界面から排出され、残湯に
拡散される。そのため、精製容器の底部には、純度の高
い初晶Alだけが精製物として残り、精製アルミニウム
の純度が向上する。このとき、精製段階全般を通じ予め
設定された精製純度に従って各精製位置に即した精製速
度に制御するとき、目標とする組成を持ち均一な組織の
精製アルミニウムが安定して得られる。
は、アルミニウム溶湯を偏析凝固させて純度の高いアル
ミニウムを精製するとき、晶出した初晶を精製容器の底
部に集め、初晶間に取り込まれている多量の不純物を含
む溶液を押圧によって絞り出している。初晶から絞り出
された不純物濃縮液は、凝固界面から排出され、残湯に
拡散される。そのため、精製容器の底部には、純度の高
い初晶Alだけが精製物として残り、精製アルミニウム
の純度が向上する。このとき、精製段階全般を通じ予め
設定された精製純度に従って各精製位置に即した精製速
度に制御するとき、目標とする組成を持ち均一な組織の
精製アルミニウムが安定して得られる。
【図1】 本発明に従った精製装置
【図2】 同精製装置に組み込まれる押圧板の側面図
(a)及び平面図(b)
(a)及び平面図(b)
10:ルツボ(精製容器) 11,13:ヒータ
15:温度制御装置 20:回転冷却体 26:冷却媒体 30:押圧機
構 31:回転軸 32:回転用モータ 34:昇降用モータ 36:
押圧板 37:通液孔 38:位置検出器 39:トルク検出器 M:溶湯 R:精製アルミニウム I:精製部界面
15:温度制御装置 20:回転冷却体 26:冷却媒体 30:押圧機
構 31:回転軸 32:回転用モータ 34:昇降用モータ 36:
押圧板 37:通液孔 38:位置検出器 39:トルク検出器 M:溶湯 R:精製アルミニウム I:精製部界面
Claims (8)
- 【請求項1】 精製容器に収容した溶湯に回転冷却体及
び昇降可能な押圧板を浸漬し、前記回転冷却体による冷
却で前記溶湯から前記回転冷却体の表面に晶出したα−
Alの晶出物を前記回転冷却体の遠心力で前記回転冷却
体の表面から分離させ、前記溶湯中を沈降して前記精製
容器の底部に溜った前記晶出物を前記押圧板で押し固め
ることにより、前記晶出物に取り込まれている不純物濃
縮液を絞り出して精製アルミニウムとし、1回の押し固
めごとに前記押圧板を所定角度回転させることを特徴と
するアルミニウムの精製方法。 - 【請求項2】 押圧板を介して精製部界面を検出し、検
出された精製部界面の位置に基づいて精製速度を制御す
る請求項1記載の精製方法。 - 【請求項3】 精製終了後、精製容器を傾倒して残湯を
排出し、前記精製容器の底部に溜った精製アルミニウム
から前記残湯を分離する請求項1又は2記載の精製方
法。 - 【請求項4】 精製終了後、精製アルミニウムと共に残
湯を精製容器内で凝固し、凝固した前記残湯及び前記精
製アルミニウムを前記精製容器から取り出し、前記残湯
及び前記精製アルミニウムを切断分離する請求項1又は
2記載の精製方法。 - 【請求項5】 側壁及び底部にヒータを備えた精製容器
と、該精製容器に挿入され、内部に冷却媒体の通路が形
成された単数又は複数の回転冷却体と、前記精製容器の
中心部に回転軸が配置され、前記回転軸の下端に押圧板
が取り付けられた昇降可能な押圧機構とを備え、前記押
圧板は、前記回転軸に関して非対称に広がった面積をも
ち、垂直方向に伸びる複数の通液孔が形成されているこ
とを特徴とするアルミニウムの精製装置。 - 【請求項6】 請求項5記載の回転冷却体は、回転軸を
垂直方向に伸ばした有底円筒体であり、前記有底円筒体
の周面に複数の凹凸が形成されている精製装置。 - 【請求項7】 請求項5記載の押圧機構は、所定角度で
押圧板を間欠回転させる回転用モータ及び前記押圧板を
周期的に上下動させる昇降用モータに接続されている精
製装置。 - 【請求項8】 回転用モータのトルクを検出するトルク
検出器と、昇降用モータの回転数から押圧板の位置を検
出する位置検出器と、前記トルク検出器からのトルク情
報及び前記位置検出器からの位置情報が入力され、精製
容器の側壁及び底部に設けたヒータへの加熱電流及び溶
湯に浸漬された回転冷却体の抜熱能を調製する制御信号
が出力される温度制御装置とを備えている請求項7記載
の精製装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24498893A JPH0797642A (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | アルミニウムの精製方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24498893A JPH0797642A (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | アルミニウムの精製方法及び装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0797642A true JPH0797642A (ja) | 1995-04-11 |
Family
ID=17126916
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24498893A Pending JPH0797642A (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | アルミニウムの精製方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0797642A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008266703A (ja) * | 2007-04-18 | 2008-11-06 | Showa Denko Kk | 金属精製方法、金属精製装置、精製金属、鋳造品、金属製品及び電解コンデンサ |
KR100892425B1 (ko) * | 2008-12-03 | 2009-04-10 | 에스비씨(주) | 금속간 화학반응을 이용한 고순도 아연 제조장치 |
JP2012201931A (ja) * | 2011-03-25 | 2012-10-22 | Kobe Steel Ltd | Alスクラップの精製方法 |
JP2014156618A (ja) * | 2013-02-14 | 2014-08-28 | Showa Denko Kk | 金属精製方法および金属精製装置 |
CN115138315A (zh) * | 2022-07-11 | 2022-10-04 | 浙江国盛源实业有限公司 | 一种肌酸的提纯装置及提纯方法 |
-
1993
- 1993-09-30 JP JP24498893A patent/JPH0797642A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008266703A (ja) * | 2007-04-18 | 2008-11-06 | Showa Denko Kk | 金属精製方法、金属精製装置、精製金属、鋳造品、金属製品及び電解コンデンサ |
KR100892425B1 (ko) * | 2008-12-03 | 2009-04-10 | 에스비씨(주) | 금속간 화학반응을 이용한 고순도 아연 제조장치 |
JP2012201931A (ja) * | 2011-03-25 | 2012-10-22 | Kobe Steel Ltd | Alスクラップの精製方法 |
JP2014156618A (ja) * | 2013-02-14 | 2014-08-28 | Showa Denko Kk | 金属精製方法および金属精製装置 |
CN115138315A (zh) * | 2022-07-11 | 2022-10-04 | 浙江国盛源实业有限公司 | 一种肌酸的提纯装置及提纯方法 |
CN115138315B (zh) * | 2022-07-11 | 2023-08-25 | 浙江国盛源实业有限公司 | 一种肌酸的提纯装置及提纯方法 |
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