JP3718989B2 - アルミニウム精製方法及び精製装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、アルミニウム又はアルミニウムスクラップを精製し、純度の高いアルミニウムを得る方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウム溶湯が凝固する際、高融点金属間化合物が優先的に晶出し、比重の大きな晶出物は溶湯中を沈降するため、残りの原料溶湯の純度が高くなる。
本発明者等は、この偏析凝固を利用してアルミの純度を高める精製方法を特開平5−295465号公報で紹介した。紹介した精製方法では、原料溶湯を収容した精製容器に冷却体を浸漬し、精製されたアルミを冷却体の底部に晶出させている。冷却体を精製容器から連続的に引き上げることによって、精製塊が得られる。このとき、精製容器外部に電磁撹拌装置を配置すると、溶湯の撹拌によって精製反応が促進される。しかし、電磁撹拌装置のセッティングは、設備費を必要とし、精製コストを上昇させる原因となる。
電磁撹拌装置を省略可能なものとして、原料溶湯から晶出した金属間化合物を精製容器底部に重力落下させ、冷却体近傍を精製に好適な環境に維持する方法を特開平8−73959号公報で紹介した。しかし、冷却体が精製容器内部に維持されたままであるため、精製反応を連続化できず、生産性の面で改善の余地がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者等は、鋳型を用い、精製されたアルミ晶出物を連続的に引き上げることにより精製反応を連続化することを特願平9−33952号で提案した。使用される鋳型は、上広りのテーパを付けた貫通孔の下部に下広りの傾斜底面をもち、精製容器内の原料溶湯に浸漬される。精製されたアルミは、鋳型の貫通孔を介して挿入されているダミーバーのヘッドに晶出し、ダミーバーの上昇運動によって精製容器内から取り出される。
しかし、精製容器の内部に鋳型が配置されることから、使用可能な鋳型のサイズに制約が加わり、結果として得られる精製品の外径が制約される。生産性を上げる上では、可能な限り大径の精製品を原料溶湯から引き上げることが好ましいが、そのためには鋳型、ひいては精製容器を大型化する必要がある。しかし、鋳型や精製容器を単純に大型化するだけでは、アルミの精製に有効な反応域を確保することが困難になり、精製品の収率が却って低下し易い。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、連続的に上昇可能な回転冷却体を採用することにより、精製反応を連続化し、且つ生産効率の向上に有効な大径の精製品を得ることを目的とする。
本発明のアルミニウム精製方法は、その目的を達成するため、精製容器に収容した原料溶湯の湯面を一定高さに維持し、溶湯温度をα−Alの晶出温度とAl−Siの共晶温度との間に維持し、湯面上方の雰囲気温度を(初晶晶出温度−90℃)から(初晶晶出温度−10℃)の間に維持し、原料溶湯に浸漬した回転冷却体を底面外周の回転速度として0.5〜5m/秒で回転させ、回転冷却体の底面に晶出した精製塊をその外周面に形状制御棒を接触させながら連続的に引き上げることを特徴とする。
発熱体を内蔵した形状制御棒を精製塊の外面に接触させながら引上げ操作を継続するとき、形状不揃いのない円柱状の精製品が得られる。
【0005】
湯面の上方に引き上げられた精製塊の周面に補助冷却管から冷気を吹き付け、精製塊を冷却することが好ましい。
この方法に使用されるアルミニウム精製装置は、注湯口から供給された原料溶湯の湯面が一定高さに維持されるように過剰量の原料溶湯を排出する出湯口をもつ精製容器と、原料溶湯に浸漬され、冷却機構を内蔵した回転冷却体と、回転冷却体の底面に晶出し、原料溶湯の湯面から上方に引き上げられた精製塊の周面に冷気を吹き付ける補助冷却管と、補助冷却管と前記精製塊との間に配置された形状制御棒とを備えている。
形状制御棒としては、発熱体を内蔵したものが好ましい。
【0006】
【実施の形態】
本発明では、たとえば設備構成を図1に示す精製装置を使用する。
ルツボ炉等の精製容器10は、ヒータ11が埋め込まれた側壁及び底壁をもっている。一方の側壁に注湯口12が、他方の側壁に出湯口13が設けられている。底壁は一方に傾斜した底面をもち、下位側にプラグ14で閉塞される排滓口15が設けられている。
原料溶湯Mは、注湯口12から精製容器10に送り込まれ、一部が回転冷却体20に精製塊Rとして晶出する。原料溶湯Mは、別途の溶解炉でアルミスクラップ等の原料を溶解することにより用意される。
精製容器10に収容された原料溶湯Mを徐々に冷却するとき、不純物がAl−Fe−Mn−Si系等の金属間化合物Iとして晶出する。比重の大きな金属間化合物Iは、原料溶湯M中を炉底に沈降・堆積する。
【0007】
精製塊Rの晶出に先立って、金属間化合物Iを可能な限り原料溶湯Mから分離させることが好ましい。そのため、溶湯温度T1 が620〜600℃の温度域にある状態が0.1〜8時間となるように、原料溶湯Mを緩冷却する。具体的には、原料溶湯Mに浸漬した温度計16で原料溶湯Mの温度T1 を検出し、湯面Fより上方に配置した温度計17で湯面Fと炉蓋18との間の雰囲気温度T2 を検出する。温度計16,17で検出された溶湯温度T1 及び雰囲気温度T2 は演算器(図示せず)で処理されて制御信号として出力され、溶湯温度T1 及び雰囲気温度T2 がそれぞれ設定降下速度に沿うようにヒータ11の投入電力を制御する。原料溶湯Mには、回転冷却体20が浸漬される。回転冷却体20は、冷気が送り込まれる給気口21を備えている。給気口21から吹き込まれた冷気は、回転冷却体20の内部を循環した後、熱空気となって排気口22から排出される。回転冷却体20の底面には、原料溶湯Mから晶出した生成アルミRが回転中に脱落しないようにトラップ23が設けられている。
【0008】
回転冷却体20は、回転用モータ24の出力軸に連結された回転軸25に接続されている。回転用モータ24から突出するアーム26は、昇降用モータ27の出力軸に連結されている送りネジ28に螺合されるカップリング29を先端に備えている。回転冷却体20は、モータ24からの出力でd1 方向に回転し、モータ27からの出力でd2 方向に昇降する。回転冷却体20の回転速度及び昇降速度は、それぞれモータ24,27の出力を調整することにより制御される。
溶湯温度T1 が600〜575℃になった原料溶湯Mに回転冷却体20を浸漬すると、金属間化合物Iの晶出によって純度が高められた原料溶湯Mからα−Alが回転冷却体20の底面に晶出する。晶出したα−Alは、精製塊Rに成長する。
【0009】
精製中には、底面の外周速度が0.5〜5m/秒となるように回転冷却体20を回転させる。底面の外周速度が0.5m/秒に達しないと、精製塊Rに不純物が取り込まれ、精製効率が悪くなる。精製効率は冷却体の回転速度が早くなるに従って向上する。しかし、5m/秒を超える外周速度では、回転冷却体20に付着している精製塊Rがちぎれて飛散することや、湯面Fの変動が激しくなって酸化物が原料溶湯Mに巻き込まれること等の欠陥が発生し易くなる。
湯面Fと炉蓋18との間の雰囲気は、温度計17で検出された雰囲気温度T2 に応じてヒータ11の投入電力を調整することにより、(初晶晶出温度−90℃)から(初晶晶出温度−10℃)の温度範囲に維持される。雰囲気温度T2 がこの温度範囲にあると、回転冷却体20に付着している精製塊Rに付随してくる純度の低い残湯が少なくなる。(初晶晶出温度−10℃)を超える雰囲気温度T2 では、引上げ途中で精製塊Rが外面から溶け始め、精製品の回収効率が低下する。逆に、(初晶晶出温度−90℃)に達しない雰囲気温度T2 では、精製塊Rに付着している残湯の粘性が増加し、分離されることなく精製品に持ち込まれる割合が高くなる。
【0010】
精製塊Rは、回転しながらモータ27でd2 方向に引き上げられる。精製塊Rの引上げに伴って原料溶湯Mが消費されるため、注湯口12から常に原料溶湯を補給し、所定量の原料溶湯Mを精製容器10内に確保しておく。過剰量の原料溶湯Mは、オーバーフローして出湯口13から外部に排出される。これにより、原料溶湯Mの湯面Fは、精製容器10内で常に一定の高さに維持される。精製塊Rの引上げ速度は、目標とする精製品の純度に応じて定められる。引上げ速度が遅くなるほど、凝固速度も遅くなり精製効率が向上するが、100mm/時未満では生産性が低くなる。逆に400mm/時を超える引上げ速度では、生産性は上昇するが、精製効率が悪くなる。そこで、精製効率及び生産性を考慮して、100〜400mm/時の範囲で引上げ速度が決定される。
【0011】
精製塊Rの引上げ中、溶湯温度T1 及び雰囲気温度T2 を適正に管理することが重要である。溶湯温度T1 は、α−Alの晶出温度からAl−Si系の共晶温度(575℃)の範囲に調整され、精製の進行に応じて精製開始時の温度から徐々に低下させる。他方、雰囲気温度T2 は、前述したように(初晶晶出温度−90℃)から(初晶晶出温度−10℃)の範囲に維持される。
精製の進行に伴って精製塊Rの底面にある凝固界面Sから回転冷却体20の底面までの距離Hが大きくなる。距離Hが大きくなると、回転冷却体20の冷却能が凝固界面Sに及ぼす影響が小さくなる。冷却能の低下は、冷気を精製塊Rに直接吹き付けることによって補償される。
冷気の吹付けには、精製塊Rの周面に対向する複数のノズル32を備えたリング状の補助冷却管31が使用される。補助冷却管31は、必要に応じて上下方向に多段配置される。ノズル32は、吹き出した冷気が原料溶湯Mに直接触れて原料溶湯Mを冷却することがないように、上向き角度45度程度で設けることが好ましい。
【0012】
補助冷却管31から精製塊Rに冷気を吹き付けると、雰囲気温度T2 が低下する。そこで、雰囲気温度T2 の低下を相殺するようにヒータ11に投入する電力量を増加させ、雰囲気温度T2 を(初晶晶出温度−90℃)から(初晶晶出温度−10℃)の範囲に維持し、温度変化を抑制する。このようにして溶湯温度T1 及び雰囲気温度T2 を制御することによりα−Alの晶出反応が適正に管理される。因みに、雰囲気温度T2 に変動があると、変動の影響が湯面Fを介して溶湯温度T1 に伝わり、凝固界面Sから湯面Fまでの距離hを変動させる原因になる。距離hの変動は、凝固条件が不安定であることを意味し、精製効率や得られた精製塊Rの形状に悪影響を及ぼし、操業を不安定化させる。
【0013】
補助冷却管31から吹き付けられる冷気の流量は、凝固界面Sから湯面Fまでの距離hが常に一定になるように、精製の進行に応じて変化させる。しかし、実操業で溶湯温度T1 及び雰囲気温度T2 を高精度に目標値に一致させることは困難であり、結果として溶湯温度T1 及び雰囲気温度T2 が波打つように変動し易い。温度変動の影響を受けた精製塊Rは、円柱状ではなく、膨らみや凹みのある波状周面をもった形状になる。形状不安定な精製塊Rは、製品としては精製されているものの、後の取り扱いに支障を来す。
精製品の形状劣化は、精製塊Rの外周近傍に配置した形状制御棒35により防止される。形状制御棒35としては、原料溶湯Mに常に浸漬された状態で使用されることから、原料溶湯Mによる侵食に対して抵抗力のあるSiC−Si34 等のセラミックス製が使用される。
【0014】
形状制御棒35は、回転中の精製塊Rの周面に接触し、成長方向に沿った表面を若干削り取る。これにより、円柱状に整形された精製品が得られる。削取りにより、生産量はその分だけ減少するが、精製塊Rの表面に付着している不純物の多い溶湯が少なくなるので精製効率が向上する。
形状制御棒35は、耐久性を向上させ精製品外周部の急冷を防止するため、それ自体が発熱していることが好ましい。この点では、発熱体内蔵型の形状制御棒35の使用が好適である。発熱体内蔵型では、温度差に起因して形状制御棒35に加えられる熱衝撃が緩和されるため、形状制御棒35に割れ等の欠陥発生が抑制される。また、精製塊Rの外周部を急冷することがないので、形状不揃いのない良好な形状をもつ精製品が得られる。更には、精製塊Rの外周部冷却速度を遅くするため、濃縮液が精製塊Rデンドライトアームスペーシングにトラップされることが防止され、精製効率も向上する。
所定長さに成長した円柱状の精製塊Rは、回転冷却体20の回転速度を精製時よりも落とし且つ引上げ速度を精製時よりも上げて原料溶湯Mから引き上げられる。これにより、精製作業を終了する。精製中に原料溶湯Mから沈降分離して炉底に堆積した金属間化合物Iは、適宜プラグ14を外し、排滓口15から排出される。
精製塊Rが付着している回転冷却体20は、精製塊Rが冷却する前にそのまま別の炉に搬送され、加熱される。精製塊Rは、加熱によって溶融し、回転冷却体20から分離する。溶融した精製塊Rは、所定の鋳型に流し込んで製品とされる。精製塊Rから分離された回転冷却体20は、精製装置に返送され、再使用される。
以上の作業によって、精製塊が連続的に且つ工業的規模で生産される。
【0015】
【実施例】
アルミニウムスクラップを溶解し、750℃の原料溶湯Mを用意した。上部内径638mm,下部内径621mm,深さ約800mmの黒鉛ルツボを精製容器10として使用し、原料溶湯Mを精製容器10に供給した。回転冷却体20としては、底面の外径が200mmのものを使用した。また、補助冷却管31としては、直径27.2mmのSUSステンレス鋼管でできた直径400mmの円形状リングの内側に上向き45度の角度で20個のノズル32を開口したものを、炉蓋18の底面から20mm下方の位置に配置した。
【0016】
原料溶湯Mを605℃で120分静置した後、溶湯温度T1 =595℃まで冷却した。流量2500リットル/分で冷気を供給しながら、回転冷却体20を冷却後の原料溶湯Mに浸漬し、精製を開始した。精製中、炉蓋18の底面から370mm下方に湯面Fが常に位置するように、注湯口12を介して原料溶湯Mを補給した。底面の外周回転速度が1m/秒となるように回転冷却体20を回転させ、雰囲気温度T2 を510℃に制御した。そして、雰囲気温度T2 及び溶湯温度T1 の変化をみながら、表1に示す引上げ速度で回転冷却体20を原料溶湯Mから引き上げた。
精製塊Rが湯面Fから70mm上昇したとき、流量1000リットル/分で冷気を精製塊Rの外周に補助冷却管31のノズル32から吹き付けた。冷気の流量は、溶湯温度T1 及び雰囲気温度T2 に応じ徐々に3500リットル/分まで増加させた。
得られた精製塊Rを分析したところ、引上げ条件に応じて表2に示すように成分が異なっていた。
【0017】
Figure 0003718989
【0018】
Figure 0003718989
【0019】
引上げ速度が遅い引上げ条件1では、表2にみられるように精製効率は良いものの、溶湯温度T1 が下がりすぎたため精製塊Rが下開きに成長した。そして、引上げ開始後104分経過した時点で補助冷却管31に精製塊Rが接触したため、引上げ作業を中止した。
引上げ速度が早い引上げ条件2では、逆に溶湯温度T1 が上がりすぎ、精製塊Rが下細りになった。そして、引上げ開始から33分経過した頃から精製塊Rが湯面Fから離れるようになったため、引上げ作業を中止した。得られた精製塊Rは、引上げ速度が早い分だけ引上げ条件1で得られた精製塊Rに比較して低い精製効率を示した。
【0020】
引上げ条件1及び2による結果は、何れも溶湯温度T1 及び雰囲気温度T2 の正確な制御を欠くため、精製品の安定した生産ができないことを示している。これに対し、SiC−Si34 系セラミックスでできた直径15mmの形状制御棒35を補助冷却管31の内側に1本セットして精製する引上げ条件3では、精製塊Rが下開き方向に成長したが、精製塊Rの外周面が形状制御棒35に接触して削り落とされたため、100分間継続して精製塊Rを安定条件下で引上げることができた。次いで、回転冷却体20の回転速度を30rpmに下げ、引上げ速度を100mm/分まで上昇させ、精製塊Rを湯面Fから引上げ、操業を終了した。得られた精製塊Rは、形状が整った円柱状の精製品であり、精製効率も良好であった。引上げ条件3の結果から、溶湯温度T1 及び雰囲気温度T2 の変動が精製塊Rの形状に及ぼす影響が形状制御棒35で吸収され、操業が安定化することが判った。
【0021】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明においては、湯面高さ,溶湯温度及び雰囲気温度を制御しながら安定条件下で回転冷却体の底面に精製塊としてα−Alを晶出させ、回転冷却体の上昇によって精製塊を原料溶湯から連続して引き上げている。このようにして引上げ作業が連続化されるため、生産性良く精製塊が得られる。また、形状制御棒で周面形状を整形しながら精製塊を引き上げるとき、得られた精製品の形状が安定化し、精製効率も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で使用する精製装置の概略
【符号の説明】
10:精製容器 11:ヒータ 12:注湯口 13:出湯口 14:プラグ 15:排滓口 16,17:温度計 18:炉蓋
20:回転冷却体 21:給気口 22:排気口 23:トラップ
24:回転用モータ 25:回転軸 26:アーム 27:昇降用モータ
28:送りネジ 29:カップリング
31:補助冷却管 32:ノズル 35:形状制御棒
M:原料溶湯 R:精製塊 F:湯面 I:金属間化合物 S:凝固界面
H:凝固界面から回転冷却体底面までの距離
h:凝固界面から湯面までの距離
1 :溶湯温度 T2 :雰囲気温度
1 :回転冷却体の回転方向 d2 :回転冷却体の昇降方向

Claims (5)

  1. 精製容器に収容した原料溶湯の湯面を一定高さに維持し、溶湯温度をα−Alの晶出温度とAl−Siの共晶温度との間に維持し、湯面上方の雰囲気温度を(初晶晶出温度−90℃)から(初晶晶出温度−10℃)の間に維持し、原料溶湯に浸漬した回転冷却体を底面外周の回転速度として0.5〜5m/秒で回転させ、回転冷却体の底面に晶出した精製塊をその外周面に形状制御棒を接触させながら連続的に引き上げることを特徴とするアルミニウム精製方法。
  2. 発熱体が内蔵された形状制御棒を使用する請求項1記載のアルミニウム精製方法。
  3. 回転冷却体の底面に晶出し湯面の上方に引き上げられた精製塊の周面に冷気を吹き付ける請求項1又は2記載のアルミニウム精製方法。
  4. 注湯口から供給された原料溶湯の湯面が一定高さに維持されるように過剰量の原料溶湯を排出する出湯口をもつ精製容器と、原料溶湯に浸漬され、冷却機構を内蔵した回転冷却体と、回転冷却体の底面に晶出し、原料溶湯の湯面から上方に引き上げられた精製塊の周面に冷気を吹き付ける補助冷却管と、補助冷却管と前記精製塊との間に配置された形状制御棒とを備え、回転冷却体の上昇により精製塊を連続的に引き上げるアルミニウム精製装置。
  5. 形状制御棒には発熱体が内蔵されている請求項4記載のアルミニウム精製装置。
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