JPH0797641A - アルミニウムスクラップの精製方法 - Google Patents

アルミニウムスクラップの精製方法

Info

Publication number
JPH0797641A
JPH0797641A JP5244987A JP24498793A JPH0797641A JP H0797641 A JPH0797641 A JP H0797641A JP 5244987 A JP5244987 A JP 5244987A JP 24498793 A JP24498793 A JP 24498793A JP H0797641 A JPH0797641 A JP H0797641A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solidification
molten metal
cooling
refining
cooling body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5244987A
Other languages
English (en)
Inventor
Terumi Kanamori
照己 金森
Takaaki Murakami
高明 村上
Tomoo Dobashi
倫男 土橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Light Metal Co Ltd
Original Assignee
Nippon Light Metal Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Light Metal Co Ltd filed Critical Nippon Light Metal Co Ltd
Priority to JP5244987A priority Critical patent/JPH0797641A/ja
Publication of JPH0797641A publication Critical patent/JPH0797641A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Landscapes

  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 Alスクラップの溶湯を偏析凝固させ、精度
良く精製Alを得る。 【構成】 黒鉛ルツボ10に収容したスクラップ溶湯M
をAlの融点以上に保持し、α−Alが晶出する条件下
で溶湯M中に冷却体20を浸漬し、冷却体20を回転さ
せながら溶湯Mを冷却する。精製Alは、凝固体Aとし
て冷却体20の表面に成長する。このとき、溶湯Mの降
温速度の変曲点を求め、変曲点を凝固開始時点として定
め、凝固量,凝固速度,凝固継続時間,精製品質等の操
業条件を制御する。 【効果】 凝固開始点が正確に検出されるため、凝固
量,凝固速度,冷却終了時間,精製品質等が高精度で制
御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウムスクラッ
プを溶解した溶湯を偏析凝固させながら、目標組成のア
ルミニウムを精製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】不純物を含んでいるアルミニウム溶湯を
冷却するとき、溶湯温度が液相線まで降下すると、その
液相線温度に応じて固相の晶出が開始する。たとえば、
α−Alが初晶として晶出する系では、Alが優先的に
固相に取り込まれ、Si,Fe,Mn等の不純物が残液
に濃縮する。この偏析凝固を利用して、アルミニウムス
クラップを精製する種々の方法が検討されている。たと
えば、特開昭57−82437号公報,特開昭56−1
27735号公報等では、容器に収容したアルミニウム
溶湯に回転冷却体を浸漬し、回転冷却体による冷却でア
ルミニウム溶湯を降温する。降温に伴って溶湯から晶出
したα−Alは、回転冷却体の表面に精製アルミニウム
として成長する。溶湯の冷却凝固を一定時間継続させた
後、溶湯から回転冷却体を引き上げることにより、不純
物が濃縮した残液から精製アルミニウムが回収される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】冷却体を使用した従来
の精製法では、冷却体の表面に晶出したα−Alの凝固
量を操業中に計測できない。そこで、多数回の操業試験
から経験的に割り出した操業時間に基づいて凝固速度,
操業終了等を定めていることから、操業条件のバラツキ
が避けられない。その結果、製品の品質や生産量にバラ
ツキが発生することになる。精製アルミニウムの品質が
不安定になる原因は、アルミニウム溶湯が凝固するとき
の不純物元素の実効分配係数が凝固速度に依存するにも
拘らず、操業中の凝固量が不明なため凝固速度を制御で
きないことにある。
【0004】生産量のバラツキは、精製する原料アルミ
ニウムの組成変動によって融点が一定にならず、α−A
lの凝固が開始するまでの時間が変動することに起因す
る。たとえば、操業時間を一定にした条件下では、実際
の凝固継続時間が変動し、1回の操業による生産量にバ
ラツキが生じる。また、1回の操業での生産量変動は、
原料に対する製品歩留りが変動することであり、製品に
おける不純物元素の濃度が不規則に変わる要因ともな
る。本発明は、このような問題を解消すべく案出された
ものであり、回転冷却体を使用した偏析凝固によりアル
ミニウム溶湯を精製する際、冷却速度の変化から求めた
凝固開始時点に基づいて凝固量,凝固速度,凝固継続時
間等を制御し、安定した品質の精製アルミニウムを得る
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、その目的を達
成するため、精製容器に収容したスクラップ溶湯をアル
ミニウムの融点以上に保持し、α−Alが晶出する条件
下で前記溶湯中に冷却体を浸漬し、該冷却体を回転させ
ながら前記溶湯を冷却することにより、精製アルミニウ
ムを凝固体として前記冷却体の表面に成長させる際、前
記溶湯の降温速度の変曲点を求め、該変曲点を凝固開始
時点として定める。そして、この凝固開始時点に基づい
て、凝固量,凝固速度,凝固継続時間,精製品質等の操
業条件の単数又は複数を制御する。通常の偏析法による
精製は、(1)原料の調達,(2)原料の溶解,(3)
精製容器への原料移湯,(4)溶湯への冷却体の浸漬,
(5)冷却開始,(6)凝固開始まで冷却継続,(7)
凝固開始,(8)所定量に達するまで凝固継続,(9)
冷却体の取出し,(10)容器から残湯の払出し,(1
1)工程(3)以降の繰り返しからなる操業形態を採
る。高純度アルミニウムを精製する場合のように、不純
物濃度が低く、原料が実質的に一定した組成を持つもの
であれば、操業サイクルが安定化する。そして、品質が
安定した精製アルミニウムが得られる。
【0006】他方、アルミニウムスクラップを原料とす
る場合、原料の組成が一定であることは期待できない。
そのため、前掲した操業サイクルを適用すると、次のよ
うな不都合が生じる。溶湯の融点が原料ごとに変動する
ため、原料を精製容器に移湯する温度を一定に維持して
も凝固開始温度が変化し、それに伴って凝固開始までの
時間が変化する。その結果、工程(6)の所要時間が変
化する。また、工程(7)の開始時間にズレを生じる。
そのため、冷却開始から終了までの時間を一定にした操
業管理では、工程(8)の継続時間が変動する。このこ
とは、1回の操業における凝固量を変動させる原因とな
る。 凝固量の変動は、操業終了時に溶湯から冷却体を
取り出し、凝固した精製アルミニウムを回収するまで生
産量が確定できないことを意味し、生産量の管理を困難
にする。また、製品歩留りにも変動を来すことになる。
【0007】原料であるアルミニウムスクラップを溶解
した後、組成を分析し、分析値から推定した融点に基づ
き原料溶湯の移湯温度を決定することにより、凝固開始
時間を制御することは原理的に可能である。しかし、そ
のために必要な分析サンプルの採取,分析時間,分析機
器等を考慮すると、多数の手間や費用がかかり、実用的
な解決策とはならない。また、原料溶解炉の設定温度を
その都度変更することも、操業上での困難を伴うと共
に、操業サイクル時間内における原料溶湯の温度追従性
に問題が残る。仮に組成分析によって凝固開始時間の制
御が可能になったとしても、組成が種々変化する原料溶
湯に十分対応できるものではない。たとえば、同一冷却
条件でも不純物元素の含有量に応じて凝固速度が変化す
ることが観察されており、安定した精製アルミニウムを
得ることが難しい。本発明者等は、この問題を解決する
ために、操業中の冷却体に凝固する精製アルミニウムの
量を連続的に又は間欠的に計測できる方法を検討した。
【0008】
【作用】精製容器に収容した原料溶湯に冷却体を浸漬
し、冷却媒体を流しながら冷却体を回転させて原料溶湯
を冷却するとき、溶湯温度は、一般的に図1に示した時
間依存性を示す。溶湯温度は、冷却媒体を流し始めた時
点t1 から凝固が始まる時点t2 までは一定の勾配で直
線的に下降する。凝固が始まると、凝固潜熱が溶湯に放
出される。そのため、溶湯は、期間t1 →t2 よりも低
い冷却速度で降温する。したがって、溶湯温度の時間依
存性から凝固開始時点t2 を知ることができる。本発明
者等の研究によると、凝固開始時点t2 における溶湯温
度T2 は、原料であるアルミニウムスクラップに含まれ
ている不純物元素の濃度に依存していることが判った。
凝固の進行に伴って、精製アルミニウムとしてα−Al
が冷却体表面に晶出する分だけ、残湯に含まれる不純物
元素の濃度が上昇する。溶湯の融点は、不純物濃度の上
昇に応じて低下する。残湯の温度も、この融点低下に比
例して下がる。したがって、操業中に溶湯の温度を連続
的に又は間欠的に継続して測定するとき、変曲点P2
検出される。
【0009】変曲点P2 は、状態図から原料溶湯の不純
物レベルを算出することにも利用される。変曲点P2
は、実効状態図における液相線との交点であることか
ら、変曲点P2 が検出されたときの温度T2 に基づき残
湯の不純物濃度が算出される。アルミニウムスクラップ
の溶湯を冷却するときの状態図は、スクラップの代表的
な不純物であるSi以外の不純物元素の影響を受け、A
l−Si二元系状態図と異なる傾向を示す。すなわち、
図2に点線で示したAl−Si二元系における液相線に
比較して、本発明が対象とする溶湯は、若干低い液相線
(実線)をもっている。この液相線は、通常入手できる
アルミニウムスクラップを溶解した溶湯では実質的に同
じ傾向を示す。いま、組成が不明な原料溶湯を635℃
に調製し、冷却開始したとき、593℃に変曲点P2
検出されたとすると、溶解原料のSi含有量は、状態図
から7.9重量%であることが判る。このことは、原料
を組成分析することなく、精製条件を設定できることを
意味する。また、次回に精製する原料溶湯を、593℃
より僅かに高い温度、具体的には593℃+10℃程度
の温度に調製しておけば良いことをも示す。
【0010】更に、溶湯温度がT3 まで低下する時点t
3 まで冷却を継続すると、溶湯は、α−Alを晶出しな
がら、図2に実線で示した液相線に沿って降温する。期
間t2 →t3 では、その時々の残湯温度から不純物レベ
ルが算出される。温度T3 が586℃になった点P3
冷却を終了すると、このときの残湯には、状態図から
8.9重量%のSiが含まれていることになる。また、
期間t2 →t3 における温度降下量ΔT(T2 −T3
が凝固量に比例する。各時点における凝固量は、原料溶
湯の不純物レベルと既に知られている不純物の分配係数
から、式(1)に従って求めることができる。式(1)
は、本発明者等が多数の実験の結果として見い出した関
係式であり、Wは凝固量,W0 は原料溶湯の重量,C0
は原料溶湯中の不純物濃度,C1 は残湯中の不純物濃
度,KEは不純物の分配係数をそれぞれ示す。 W=W0 (C1 −C0 )/(C1 −C0 ×KE ) ・・・・(1)
【0011】分配係数KE は、操業条件によっても変わ
るものであるが、通常0.2〜0.6の範囲にある。た
とえば、冷却速度が1kg−Al/分の条件下では、K
E =0.5となる。不純物としては一元素を特定するだ
けで十分であり、アルミニウムスクラップに最も多く含
まれているSiを指標として通常使用する。なお、溶湯
温度が共晶点575℃に達すると、一律な凝固が始ま
り、偏析による精製作用が得られない。したがって、溶
湯温度が575℃に達する以前に、冷却体を溶湯から引
き上げることが必要とされる。このように、凝固開始点
2 及び操業中の凝固量Wが検出されるため、次に例示
するようにアルミニウム精製の効率化が図られる。原料
溶湯を精製容器に移湯する際、原料溶湯の温度T1 を早
期に決定できる。また、温度差(T1 −T2 )を小さく
することも可能となり、原料溶湯を過度に加熱する必要
がなくなる。その結果、前掲した工程(6)の冷却時間
が安定化し、一定条件下で凝固が継続され、必要とする
凝固量の精製アルミニウムが得られる。分析等の操作を
必要とすることなく、原料中の不純物濃度が簡単に確認
されるため、凝固量を制御することにより目標品質に対
応する精製アルミニウムが得られる。
【0012】凝固開始点P2 及び凝固量Wは、凝固速度
の制御にも利用される。この場合、溶湯温度から不純物
濃度C0 及びC1 が得られ、C0 からC1 に移行する時
間(t3 −t2 )が判っているので、式(1)に基づき
凝固量Wを算出する。得られた凝固量Wを時間tで微分
すると、凝固速度W/tになる。したがって、凝固速度
W/tが最適値になるように冷却体の冷却能を調整する
ことにより、品質安定性に優れた精製アルミニウムが得
られる。また、凝固速度W/tを制御するとき、操業停
止時間が定まり、次工程の準備及び立上げが無駄なく行
われる。精製アルミニウムの不純物濃度を目標値に制御
する場合、目標値に対応した残湯の不純物濃度C1 が図
2の状態図から得られる。そこで、不純物濃度C1 に達
するまで溶湯Mを冷却する。このとき、凝固速度が一定
であれば、不純物濃度C1 に到達するまでの凝固時間が
判る。したがって、次のチャージ時間が定まり、操業ス
ケジュールや保持溶湯の温度管理が容易に行われる。
【0013】溶湯を冷却しながらα−Alを精製アルミ
ニウムとして偏析凝固するとき、凝固体の体積が溶湯の
60%に達した時点で操業を停止することが作業効率上
から好ましい。この場合、原料溶湯の重量W0 ,原料溶
湯中の不純物濃度C0 及び凝固量Wが予め判ることにな
るので、式(1)から残湯中の不純物濃度C1 が算出さ
れる。したがって、算出値C1 を状態図に入れると、そ
の時点の溶湯温度T3が定まり、操業停止温度が決定さ
れる。本発明は、α−Al又は金属間化合物が溶湯から
最初に晶出する何れの組成をもつアルミニウムスクラッ
プに対しても適用できる。ただし、初晶として金属間化
合物が晶出する組成の原料溶湯では、初期段階では冷却
体を浸漬することなく溶湯を降温させる。降温に伴って
晶出した金属間化合物が精製容器の炉底に溜る。そし
て、α−Alが晶出する状態になったときに、冷却体を
溶湯に浸漬し、冷却体表面にα−Alの凝固層を成長さ
せる。
【0014】本発明は、たとえば図3に示す精製装置を
使用して実施される。この精製装置は、黒鉛ルツボ10
を外容器11に入れ、バーナ12を備えた蓋体13を装
着する。外容器11の外周を取り囲んでヒータブロック
14を配置し、底部にもヒータブロック15を配置す
る。精製されるアルミニウムスクラップは、黒鉛ルツボ
10に装入された後、ヒータブロック14,15からの
加熱によって溶解され、α−Alの凝固点より僅かに高
い温度に保持される。或いは、別個の溶解炉でアルミニ
ウムスクラップを溶解し、調製された溶湯を黒鉛ルツボ
10に移湯しても良い。溶湯Mの温度は、溶湯Mに浸漬
している熱電対16等の温度計で直接測定する。
【0015】溶融状態に保持された溶湯Mに、冷却体2
0が浸漬される。冷却体20は、軸方向にガス通路21
が形成されており、蓋体13を貫通して上方に延び、回
転モータ22の出力軸に接続されている。回転モータ2
2から延びたアーム23は、昇降モータ24で回転され
る送りネジ25に嵌挿されている。これにより、冷却体
20は、黒鉛ルツボ10の内部で昇降自在に回転する。
ガス通路21に送り込まれた冷却媒体gは、冷却体20
の内部を軸方向に流動した後、反転して炉内に放出さ
れ、雰囲気ガスとして必要に応じ排気される。冷却媒体
gには、空気,非酸化性ガス,霧状の水分を含む空気等
が使用される。冷却媒体gの流動により、冷却体20の
壁を介して溶湯Mが冷却され、冷却体20の周囲に凝固
体Aが成長する。溶湯Mの温度及び凝固体Aの成長速度
は、冷却媒体gの流量制御によって最適に維持される。
溶湯Mの降温に従って、Al−Si−Fe−Mn系等の
金属間化合物として不純物Iが晶出する。晶出した不純
物Iは、溶湯Mより大きな比重をもっているので、溶湯
M中を下降して黒鉛ルツボ10の底部に沈積する。金属
間化合物Iの沈積量は、溶湯Mの冷却に応じて多くな
る。
【0016】
【実施例】アルミニウムスクラップを溶解し、溶湯の組
成を分析したところ、Fe:0.6重量%,Si:7.
9重量%及びCu:2.5重量%を含んでいた。この溶
湯150kgを、内径400mm及び高さ800mmの
黒鉛ルツボ10にチャージした。溶湯Mの温度が635
℃になった時点で、冷却媒体gとして空気を流量300
0リットル/分の一定量で流しながら、冷却体20を外
周の回転速度0.6m/秒で回転させた。この条件下で
溶湯Mの温度を測定したところ、図1に示す時間依存性
を示した。なお、熱電対16は、セラミックス製の保護
管に入れて溶湯Mに浸漬した。また、熱電対16で得ら
れた温度情報は、計算機で処理した。冷却開始後、35
分経過した時点で溶湯Mが593℃まで降温していた。
このとき、図1に示した変曲点P2 が検出された。そこ
で、冷却体20を溶湯Mから引き上げ、冷却体20の表
面を観察したところ、表面に精製アルミニウムAが薄く
凝固していることが確認された。温度593℃は、図2
の状態図からSi濃度7.9重量%に相当する。
【0017】この条件下で冷却を更に30分継続したと
ころ、残湯の温度が586℃になった。温度586℃
は、図2の状態図からSi濃度8.9重量%に相当す
る。この例において、原料溶湯の重量W0 は150k
g,原料溶湯中の不純物濃度C0 は7.9%(Siで代
表),残湯中の不純物濃度C1 は8.9%(同)であっ
た。不純物の分配係数KE を0.5として、それぞれを
式(1)に代入すると、計算による凝固量Wは30.3
kgとなる。他方、操業終了後に冷却体20から回収し
た精製アルミニウムは、27kgであった。また、冷却
体20を取り出した後、黒鉛ルツボ10を傾動して残湯
を排出したところ、ルツボ底部に4kgのα−Alが残
湯と共に残っていた。このα−Alは、操業中の冷却体
20から脱離したものと推察される。したがって、偏析
凝固したα−Alの総量は、27+4=31kgとな
り、算出値30.3kgに対して高い一致性を示した。
このことは、前掲した式(1)が、溶湯からα−Alが
晶出する過程を正確に表していることを意味する。した
がって、式(1)に基づき操業条件を制御すると、より
適格に且つ安定した条件下で目標品質の精製アルミニウ
ムが得られることが判る。精製アルミニウムの組成を、
精製前の原料溶湯と比較して表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、溶湯の凝固開始時点を基準として種々の操業条件を
定めているので、操業条件が精度良く制御され、ばらつ
きなく一定品質の精製アルミニウムが得られる。また、
操業中の凝固量が算出されるため、操業条件の設定に過
去の実績を多数蓄積する必要がなく、溶湯及び残湯の組
成も簡単に把握され、安定した操業条件の下で精製が進
行する。しかも、凝固継続時間、すなわち1バッチの操
業終了時間が求められるため、次工程の準備や立上げが
効率よく行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アルミニウムスクラップを溶解して得た溶湯
を冷却したときの温度の時間依存性を示すグラフ
【図2】 アルミニウムスクラップを溶解した原料溶湯
の実効状態図
【図3】 本発明を実施する精製装置の一例
【符号の説明】
10:黒鉛ルツボ 16:熱電対 20:冷却体
g:冷却媒体 M:溶湯 A:凝固体 I:不
純物

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精製容器に収容したスクラップ溶湯をア
    ルミニウムの融点以上に保持し、α−Alが晶出する条
    件下で前記溶湯中に冷却体を浸漬し、該冷却体を回転さ
    せながら前記溶湯を冷却することにより、精製アルミニ
    ウムを凝固体として前記冷却体の表面に成長させる際、
    前記溶湯の降温速度の変曲点を求め、該変曲点を凝固開
    始時点として定め、凝固量,凝固速度,凝固継続時間,
    精製品質等の操業条件を制御するアルミニウムスクラッ
    プの精製方法。
  2. 【請求項2】 式(1)で定まる凝固量Wが目標値に達
    したとき、冷却を中止して冷却体を残湯から引き上げる
    請求項1記載の精製方法。 【数1】
  3. 【請求項3】 式(1)で求められた凝固量Wから算出
    された凝固速度が一定となるように、冷却体の冷却能を
    調整する請求項1記載の精製方法。 【数2】
  4. 【請求項4】 精製中に溶湯温度を測定し、測定値を設
    定値と比較することにより凝固継続時間を決定する請求
    項1記載の精製方法。
  5. 【請求項5】 精製中に測定された溶湯温度に対応する
    不純物濃度C1 が設定値に達したとき、精製を終了する
    請求項1記載の精製方法。
JP5244987A 1993-09-30 1993-09-30 アルミニウムスクラップの精製方法 Pending JPH0797641A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5244987A JPH0797641A (ja) 1993-09-30 1993-09-30 アルミニウムスクラップの精製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5244987A JPH0797641A (ja) 1993-09-30 1993-09-30 アルミニウムスクラップの精製方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0797641A true JPH0797641A (ja) 1995-04-11

Family

ID=17126901

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5244987A Pending JPH0797641A (ja) 1993-09-30 1993-09-30 アルミニウムスクラップの精製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0797641A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008266703A (ja) * 2007-04-18 2008-11-06 Showa Denko Kk 金属精製方法、金属精製装置、精製金属、鋳造品、金属製品及び電解コンデンサ
CN104630480A (zh) * 2013-11-15 2015-05-20 林州市林丰铝电有限责任公司 一种铝屑回收工艺
CN106795581A (zh) * 2014-08-04 2017-05-31 派瑞泰克有限公司 用于精炼熔融铝合金的设备

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008266703A (ja) * 2007-04-18 2008-11-06 Showa Denko Kk 金属精製方法、金属精製装置、精製金属、鋳造品、金属製品及び電解コンデンサ
CN104630480A (zh) * 2013-11-15 2015-05-20 林州市林丰铝电有限责任公司 一种铝屑回收工艺
CN106795581A (zh) * 2014-08-04 2017-05-31 派瑞泰克有限公司 用于精炼熔融铝合金的设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4747906A (en) Process and apparatus for purifying silicon
US4094731A (en) Method of purifying silicon
SE444817B (sv) Forfarande for framstellning av gjutgods av gjutjern
JPH0770666A (ja) アルミニウムスクラップの連続精製方法及び装置
JPS6021957B2 (ja) 複合酸化物単結晶の製造方法
US4948102A (en) Method of preparing high-purity metal and rotary cooling member for use in apparatus therefor
JPH07206420A (ja) 高純度ケイ素の製造方法
RU2234545C2 (ru) Способ очистки алюминия методом сегрегации и устройство для его осуществления
JPH0797641A (ja) アルミニウムスクラップの精製方法
JP3237330B2 (ja) アルミニウム合金スクラップの精製方法
JP2002534603A5 (ja)
JPH10182137A (ja) 太陽電池用シリコンの凝固精製方法及び装置
JP2008163419A (ja) 金属精製方法及び装置、精製金属、鋳造品、金属製品及び電解コンデンサ
JP4134836B2 (ja) アルミニウムまたはアルミニウム合金の精製方法
JP4378820B2 (ja) アルミニウムの精製方法とその用途
EP0459303A1 (en) Method for producing aluminum material for use as electronic material
JP2916645B2 (ja) 金属の精製方法
JPH05295462A (ja) アルミニウム精製方法及び装置
JPH0873959A (ja) アルミニウム精製方法及び装置
JP3718989B2 (ja) アルミニウム精製方法及び精製装置
JP3237438B2 (ja) アルミニウムスクラップの精製方法
JPH0754063A (ja) アルミニウムスクラップの精製装置
JPH11172345A (ja) アルミニウムの精製方法
JPH05295461A (ja) アルミニウム精製方法及び装置
JPH0754074A (ja) アルミニウムスクラップの精製方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees