JPH05295461A - アルミニウム精製方法及び装置 - Google Patents

アルミニウム精製方法及び装置

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JPH05295461A
JPH05295461A JP12420192A JP12420192A JPH05295461A JP H05295461 A JPH05295461 A JP H05295461A JP 12420192 A JP12420192 A JP 12420192A JP 12420192 A JP12420192 A JP 12420192A JP H05295461 A JPH05295461 A JP H05295461A
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aluminum
container
molten
intermetallic compound
refining
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JP12420192A
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English (en)
Inventor
Terumi Kanamori
照己 金森
Tomoo Dobashi
倫男 土橋
Yoshiteru Miyasaka
禧輝 宮坂
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Nikkei Techno Research Co Ltd
Nippon Light Metal Co Ltd
Original Assignee
Nikkei Techno Research Co Ltd
Nippon Light Metal Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 偏析を利用して不純物,金属間化合物等を分
離しながら、アルミニウム材料の純度を高める。 【構成】 最初に不純物が金属間化合物として晶出する
組成をもつアルミニウム溶湯をルツボ20に装入し、金
属間化合物の晶出温度とアルミニウムの融点との間の温
度に溶融アルミニウム浴10を保持する。撹拌子30に
よって溶融アルミニウム浴10を同一方向に回転撹拌
し、晶出した金属間化合物が凝集し且つ不純物が濃縮し
た凝集濃縮液11をルツボ20の底部中心近傍に集め
る。凝集濃縮液11は、その近傍に吸込み口41が開口
した不純物吸引管40によって系外に排出される。晶出
金属間化合物及び不純物濃縮液の除去により精製された
アルミニウムは、ルツボ20の下方から抜熱することに
より、凝固体12として得ることもできる。 【効果】 金属間化合物の晶出温度とアルミニウムの融
点との間に保持した溶融アルミニウム浴を撹拌するだけ
の簡単な作業によって、純度の良い精製アルミニウムが
高い歩留りで製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、偏析を利用して不純
物,金属間化合物等を晶出分離しながら、アルミニウム
材料を純化する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム材料に含まれているFe等
の不純物を分離除去するため、添加されたMnと不純物
との間で金属間化合物を生成させ、晶出した金属間化合
物を分離する方法が採用されている。たとえば、特開昭
57−2134号公報ではAl−Mn系金属間化合物を
添加し、特開昭59−12731号公報ではMn又はA
l−Mn及びMg又はAl−Mgを併用添加している。
何れの方法においても、不純物であるFeは、Al−F
e−Mn系金属間化合物として分離除去される。
【0003】Mnの添加によって不純物を分離除去する
とき、過剰のMnを添加することから、精製後のアルミ
ニウム材料に多量のMnが不純物として含まれる。ま
た、FeのようにMnとの間で金属間化合物を精製しな
い不純物は、アルミニウム材料から分離除去できない。
しかも、晶出した金属間化合物をアルミニウム材料から
分離除去することは非常に困難であり、回収率自体も低
く、実用的な精製法ではない。
【0004】ところで、特開昭57−92148号公報
では、偏析凝固を利用してアルミニウム材料を純化する
方法が紹介されている。この方法においては、ルツボに
収容した溶融アルミニウムを撹拌子で撹拌しながら、溶
融アルミニウムをルツボ底部から順次冷却凝固させる。
凝固界面にある高濃度不純物溶液は、撹拌子で与えられ
た溶融アルミニウムの撹拌流動によって、凝固体に巻き
込まれることなく凝固界面から上部に拡散する。そのた
め、高純度のアルミニウム材料がルツボの底部に凝固体
として生成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】凝固体から放出された
高濃度不純物溶液は、溶融アルミニウム全体に拡散す
る。そのため、凝固体が成長するに従って、残りの溶融
アルミニウムに不純物が濃縮される。この不純物濃度が
高くなった状態では、凝固体に不純物が取り込まれるこ
とを防止することができない。
【0006】したがって、特開昭57−92148号公
報記載の方法でアルミニウム材料を精製する場合、ルツ
ボに注入したアルミニウム材料の溶湯量のほぼ半分程度
が凝固したとき、ルツボから残りのアルミニウム溶湯を
排出せざるをえない。すなわち、ルツボに装入されたア
ルミニウム材料の全量が凝固体として精製されるもので
なく、歩留りが悪い精製方法である。また、凝固体とし
て精製されないアルミニウム材料も加熱・溶融するた
め、無駄に消費する熱エネルギーも大きい。
【0007】本発明は、このような問題を解消すべく案
出されたものであり、アルミニウム溶湯を撹拌するとき
高温で晶出した金属間化合物が凝集し且つ不純物が濃縮
した凝集濃縮液が容器中心部に集まる現象を利用するこ
とによって、アルミニウム溶湯から晶出した金属間化合
物や不純物の分離除去を効率よく行うと共に、高い歩留
りで純度の良いアルミニウムを精製することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のアルミニウム精
製方法は、その目的を達成するため、溶湯温度の降下に
伴って最初に不純物が金属間化合物として晶出する組成
をもつアルミニウム溶湯を容器に装入し、前記アルミニ
ウム溶湯を金属間化合物の晶出温度とアルミニウムの融
点との間の温度に保持し、前記金属間化合物を晶出させ
ながら前記アルミニウム溶湯を同一方向に回転撹拌し、
前記容器の底部中心近傍に晶出金属間化合物が凝集し且
つ不純物が濃縮した凝集濃縮液を集めることを特徴とす
る。
【0009】また、精製装置としては、アルミニウム溶
湯を収容する容器と、前記アルミニウム溶湯から晶出す
る金属間化合物の晶出温度とアルミニウムの融点との間
の温度に前記アルミニウム溶湯を加熱保持するヒータ
と、前記アルミニウム溶湯に浸漬され、前記アルミニウ
ム溶湯に同一方向の回転力を与える撹拌子とを備えたも
のが使用される。前記アルミニウム溶湯から晶出した金
属間化合物が凝集し且つ不純物が濃縮した凝集濃縮液
は、撹拌作用によって容器の底部中央に集められ、たと
えば前記容器の底部中央近傍に吸込み口が開口した不純
物吸引管によって系外に排出される。
【0010】
【作 用】本発明者等は、比重が液体よりも若干大きな
粉粒体を入れた液体を撹拌したとき、粉粒体がどのよう
に液体中を流動するか、水を使用してシミュレーション
テストした。その結果、粉粒体は、撹拌速度(撹拌力)
に応じて種々の流動形態になることが判明した。
【0011】撹拌速度が小さな場合、粉粒体1は、図1
(a)に示すように水2中に浮遊することなくビーカ3
の底部に均等に分配された。撹拌羽根4の回転速度を上
げて水2の撹拌を大きくすると、粉粒体1は、図1
(b)に示すように、ビーカ3の底部中央に若干盛り上
がった形態で集合した。更に撹拌速度を大きくすると、
粉粒体1の盛上りが図1(c)に示すように高くなり、
水2中に粉粒体1の一部が巻き上げられる現象が盛上り
周縁部でみられた。回転速度がある値を超えたとき、図
1(d)に示すように、ビーカ3の底部に集合している
粉粒体1は激しく巻き上げられ、また水面も激しく波動
した。
【0012】粉粒体1が撹拌速度の如何によって異なる
挙動を示すのは、次の理由によるものと推察される。す
なわち、撹拌羽根4を適度の回転速度で回転させると
き、水2の内部に図2に示す水流f1 が生じる。水流f
1 は、水2を上方から下方に流動させ、ビーカ3の底部
近傍で水平外向きの流れとなった後、ビーカ3の内壁に
沿った上昇流となる。水流f1 が水平方向から上方に向
かうところで、傍流f2が発生する。傍流f2 は、ビー
カ3の中心に向かった求心力をもっており、ビーカ3の
底部にある粉粒体1は、傍流f2 に乗って流動し、ビー
カ3の底部中央に集合する。その結果、粉粒体1は、ビ
ーカ3の底部中央で盛り上がった状態になる。
【0013】粉粒体1がビーカ3の底部中央に盛り上が
って集合する現象は、液体より粉粒体の比重が大きい場
合及び比重の大きな他の液体を使用した場合にも同様に
生じる。そこで、溶湯から晶出する金属間化合物が凝集
し且つ不純物が濃縮した凝集濃縮液が一般的にアルミニ
ウム溶湯より大きな比重をもつことに着目し、アルミニ
ウム材料の精製に利用する可能性を検討した。そして、
アルミニウムの溶融点より若干高い温度のアルミニウム
溶湯を撹拌しながら、容器底部に吸引管の開口部を臨ま
せ、容器の半径方向に関し複数の箇所から溶湯を吸い出
し、その組成を分析した。その結果、容器内壁近傍から
吸い出された溶液に比較して、容器の中心部から吸い出
された溶液は、多量の不純物,金属間化合物等を含んで
いることが判った。
【0014】この知見を基にして本発明は、完成された
ものである。すなわち、適度の回転速度でアルミニウム
溶湯を撹拌しながら、金属間化合物の晶出温度とアルミ
ニウムの融点との間の温度にアルミニウム溶湯を保持す
るとき、アルミニウム溶湯から晶出した金属間化合物
は、不純物が濃縮された溶湯と共に回転中心近傍に集ま
り、凝集濃縮液となる。そこで、凝集濃縮液をアルミニ
ウム溶湯から分離するとき、純度の良い精製アルミニウ
ムが得られるものと推察した。この推察は、後述する実
施例によって裏付けられた。
【0015】得られた精製アルミニウムは、不純物がA
l−Fe−Mn−Si,Al−Fe−Si,Al−Fe
−Mn,Al−Fe−Mn−Si−Cu,Fe−Mn−
Si−Cu等の金属間化合物として分離除去された純度
の良いものである。不純物は、次に例示するように、種
々の方法で精製アルミニウムから分離することができ
る。 凝集濃縮液を凝固させて容器内に残し、容器の傾倒
によって精製アルミニウムを溶湯として排出する方法。
仮に、溶湯温度の降下によってアルミニウムの晶出が生
じる場合、再溶解によってアルミニウムを溶解分離した
後、溶湯として排出することもできる。 容器底部で凝集濃縮液を精製アルミニウムと共に凝
固させた後、容器から取り出し、凝集濃縮液から凝固し
た部分を精製アルミニウムから切断分離する方法。 冷却体によって容器下方から精製アルミニウムを凝
固させ、且つ凝固界面中央に集められた凝集濃縮液を残
湯と共に容器内で凝固させた後、容器から取り出し、凝
集濃縮液及び残湯が凝固した部分を精製アルミニウムか
ら切断分離する方法。 容器の中央部に集められた凝集濃縮液を吸引除去し
ながら、容器底部に配置した冷却体によってアルミニウ
ム溶湯を冷却し、凝固体を成長させる方法。この場合、
吸引除去される凝集濃縮液の量に見合ったアルミニウム
溶湯原料を補給することが好ましい。 凝固界面に集められた凝集濃縮液を吸引除去しなが
ら、下部の凝固体を下方に引き出す連続鋳造タイプ。こ
の場合、鋳型機能をもつ下部が開放された容器が使用さ
れ、凝固体の引出し量及び凝縮濃縮液の吸出し量に見合
った量のアルミニウム溶湯原料が補充される。
【0016】何れの方法においても、凝縮濃縮液は、再
び未凝固のアルミニウム溶湯に拡散し、精製アルミニウ
ム溶湯を汚染することがない。そのため、ルツボ等の容
器に装入されたアルミニウム溶湯は、精製アルミニウム
に高い比率で変換される。すなわち、精製歩留りも、不
純物,金属間化合物等が濃縮した未凝固アルミニウムを
排出する従来法に比較して大幅に向上する。また、この
方法を繰返すことによって、より高い純度のアルミニウ
ムに精製される。
【0017】本発明では、たとえば図3に概略を示した
装置が使用される。アルミニウム溶湯は、ルツボ20に
収容される。ルツボ20の側壁を取り囲んで設けられて
いる側壁ヒータ21に、電源22から加熱保温用電流が
供給される。側壁ヒータ21の外側は、熱エネルギーの
逸散を防止するため保温材23で囲まれている。
【0018】ルツボ20としては一般的に黒鉛ルツボが
使用される。側壁ヒータ21は、複数の区分に分割され
ており、精製中の溶融アルミニウム浴10が金属間化合
物の晶出温度とアルミニウムの融点との間の温度に維持
されるように、それぞれの区分が制御される。
【0019】ルツボ20内の溶融アルミニウム浴10
に、撹拌子30が浸漬されている。撹拌子30は、ルツ
ボ20内を垂下した回転軸31を介してモータ32に接
続されている。また、ルツボ20内における撹拌子30
の高さが調節されるように、昇降装置33がモータ32
に設けられている。アルミニウム溶湯の撹拌は、機械的
な撹拌を行うインペラータイプの撹拌子30に代え、電
磁力を使用した電磁撹拌を採用することもできる。
【0020】溶融アルミニウム浴10が金属間化合物の
晶出温度より低い温度に維持されているため、Al−F
e−Mn−Si,Al−Fe−Si,Al−Fe−M
n,Al−Fe−Mn−Si−Cu,Fe−Mn−Si
−Cu等の金属間化合物として不純物が晶出する。これ
らの金属間化合物は、アルミニウム溶湯よりも比重が大
きいため、ルツボ20の底部に沈降する。そして、溶融
アルミニウム浴10が撹拌作用を受けていることから、
アルミニウム溶湯に作用する求心力のため、凝集した金
属間化合物は、ルツボ20の底部中央に盛り上がった状
態で集められる。また、不純物が濃縮した濃縮液も、ア
ルミニウム溶湯に比較して比重が大きいため、同様にル
ツボ20の底部中央に集められる。その結果、晶出金属
間化合物が凝集し且つ不純物が濃縮した凝集濃縮液11
が形成される。
【0021】撹拌子30による溶融アルミニウム浴10
の撹拌条件は、凝集濃縮液11がルツボ20の底部中央
に集まるように設定される。溶湯温度,アルミニウム溶
湯の粘性,容器のサイズ等に応じ撹拌条件が変動するた
め、撹拌子30の回転速度を一義的に定めることはでき
ないが、撹拌羽根先端部の周速0.3〜2.5m/秒、
好ましくは1〜2m/秒の範囲で設定される。また、精
製初期から精製後期で回転速度を変えることもできる。
一般的にいって、あまり小さな撹拌作用では、晶出した
金属間化合物を凝集させる効果が小さい。しかし、逆に
撹拌作用を大きくしすぎると、溶融アルミニウム浴10
の液面に浮遊している酸化皮膜が凝固界面に巻き込まれ
ることがあり、酸化皮膜の噛込みに起因する欠陥が凝固
体11に生じたり、凝集濃縮液11を溶融アルミニウム
浴10に舞い上げてしまうことになる。
【0022】凝集濃縮液11を吸引除去するため、不純
物吸引管40をルツボ20内に垂下させ、下端の吸込み
口41を凝集濃縮液11の近くに位置させる。不純物吸
引管40は、撹拌子30の回転軸31と同軸状に設ける
こともできる。凝集濃縮液11は、ルツボ20の底部中
央から不純物吸引管40で吸い出される。そのため、凝
集濃縮液11が溶融アルミニウム浴10に再び拡散する
ことがない。
【0023】なお、凝集濃縮液11の排出によって減少
したアルミニウム溶湯を補償するように、必要に応じて
溶湯補給管42を介しアルミニウム原料がルツボ20に
送り込まれる。
【0024】晶出した金属間化合物及び濃縮不純物が分
離された精製アルミニウムは、凝固体として得ることも
可能である。本発明で精製アルミニウムを凝固体として
得る場合、ルツボ20の底部に冷却体を配置し、アルミ
ニウム溶湯を下方から抜熱する。
【0025】たとえば図4に概略を示した装置におい
て、アルミニウム溶湯を収容するルツボ20の側壁を取
り囲んで側壁ヒータ21が設け、ルツボ20の底部に冷
却体22を配置する。側壁ヒータ21及び冷却体22の
外側は、熱エネルギーの逸散を防止するため保温材23
で囲まれている。なお、符番24は、側壁ヒータ21に
加熱電流を供給する電源を示す。
【0026】ルツボ20としては一般的に黒鉛ルツボが
使用され、アルミニウム溶湯の凝固開始時に冷却体22
の抜熱能を調節し凝固速度を一定に維持する。また、側
壁ヒータ21は、複数の区分に分割されており、撹拌さ
れているアルミニウム溶湯が常に所定の温度を維持する
ように、それぞれの区分が制御される。また、ルツボ2
0内の溶融アルミニウム浴10に浸漬された撹拌子30
は、図3の場合と同様に、ルツボ20内を垂下した回転
軸31を介してモータ32に接続される。
【0027】溶融アルミニウム浴10は、底部に配置し
た冷却体22で抜熱されるため、ルツボ20の底部に凝
固体12が形成される。不純物,金属間化合物等は、溶
湯の回転によって凝固体12から溶融アルミニウム浴1
0に放出される。アルミニウム溶湯は、撹拌子30によ
って回転されており、中心部に渦を巻くように流動す
る。アルミニウム溶湯よりも比重が大きい不純物,金属
間化合物等は、アルミニウム溶湯に作用する求心力のた
め、凝固体12と溶融アルミニウム浴10との間の凝固
界面13近傍に集められ凝集濃縮液11を形成する。
【0028】撹拌子30による溶融アルミニウム浴10
の撹拌条件は、凝集濃縮液11が中央部に集まるように
設定される。この撹拌に伴って、溶融アルミニウム浴1
0と凝固体12との間の凝固界面に新鮮なアルミニウム
溶湯が送り込まれ、凝固体12の結晶間に濃縮している
母液との間の濃度差が大きくなり、母液から溶融アルミ
ニウム浴10への不純物,金属間化合物等の拡散が促進
される。しかし、溶湯温度,アルミニウム溶湯の粘性,
容器のサイズ等に応じて撹拌条件が変動するため、撹拌
子30の回転速度を一義的に定めることはできない。
【0029】一般的にいって、あまり小さな撹拌作用で
は、晶出した金属間化合物を凝集させる効果が小さい。
また、ルツボ20の底部から凝固成長した凝固体12の
結晶間に濃縮している母液の拡散効果が低下することか
らも、好ましくない。逆に撹拌作用を大きくしすぎる
と、溶融アルミニウム浴10の液面に浮遊している酸化
皮膜が凝固界面13に巻き込まれることがあり、酸化皮
膜の噛込みに起因する欠陥が凝固体12に生じ、凝集濃
縮液11をアルミニウム浴10に再拡散させることにも
なる。
【0030】凝集濃縮液11を吸引除去するため、回転
軸31に同軸状に挿通した不純物吸引管40をルツボ2
0内に垂下させ、下端の吸込み口41を凝集濃縮液11
に位置させる。図4の例では、不純物吸引管を撹拌子3
0の回転軸31に同軸状に挿通しているが、図3に示す
ように撹拌子30と別個に設けることもできる。
【0031】結晶方位の相違から、晶出した不純物,金
属間化合物等は、凝固体12でトラップされることな
く、溶湯温度が低過ぎてアルミニウム溶湯からα−アル
ミニウムが晶出した場合にはα−アルミニウムのみが凝
固体12にトラップされ、凝固体12が成長する。しか
し、金属間化合物の凝集や不純物の濃縮が進行すると、
成長しつつある凝固体12に取り込まれる虞れがある。
そこで、凝固体12としての精製アルミニウム回収率を
上げるため、溶融アルミニウム浴10と凝固体12との
界面近傍にある凝集濃縮液11を不純物吸引管40で吸
い出す。この吸出しにより、凝集濃縮液11が凝固体1
2に取り込まれることなく、純度の良い凝固体12が得
られる。
【0032】不純物吸引管40は、凝固の進行に伴った
凝固体12の成長に対応して引き上げられる。また、回
転子30も、同様に凝固条件に対応して引き上げられ
る。他方、凝集濃縮液11の排出により減少したアルミ
ニウム溶湯を補償するように、溶湯補給管44を介して
アルミニウム原料がルツボ20に送り込まれる。そのた
め、最終凝固時における精製メタルの回収歩留り及び純
度は、不純物吸引管40を使用することなく精製を行っ
た場合に比較して格段に改善されている。
【0033】撹拌流によって晶出金属間化合物や不純物
濃縮液を効率よく集めるためには、凝固体12と液相と
の間の凝固界面13に撹拌子30を接近させることが好
ましい。他方、凝固体12は、アルミニウム溶湯から晶
出するα−アルミニウムも取り込んで成長している。そ
こで、凝固体12の成長に応じて、撹拌子30を上昇さ
せる方式、或いは凝固体12を下降させる方式が採用さ
れる。
【0034】撹拌子30を上昇させる方式としては、た
とえば図4に示す制御系50が使用される。ルツボ20
内には、アルミニウム溶湯10に浸漬された撹拌子30
が配置されている。撹拌子30の回転軸31と同軸状に
設けられている不純物吸引管40は、下端の吸込み口4
1が凝固界面13の中央部に集められている凝集濃縮液
11の近傍に開口している。
【0035】撹拌子30は、昇降装置33により上下動
可能な回転軸31の下端に装着されており、回転用モー
タ32で回転動力が伝えられる。また、回転軸31の途
中に、回転軸31を回転可能に支持する軸受けを介して
昇降アーム34の一端が接続されている。昇降アーム3
4の他端に形成された螺合部35には、昇降用モータ3
6からの動力を受けて回転するボールネジ37が螺合さ
れている。
【0036】回転用モータ32のトルクは、制御系50
の検知器51で検出される。また、検知器51は、ボー
ルネジ37の回転量を基にしてルツボ20内における撹
拌子30の高さを検出する。アルミニウム溶湯10中で
回転している撹拌子30が下降して凝固体12との凝固
界面13に達すると、凝固成長した結晶アルミニウムに
撹拌子30の羽根が接触する。そのため、トルク検知器
51で検出されるトルクが大きくなり、このときの撹拌
子30の高さが検出され、凝固界面13の位置を知るこ
とができる。
【0037】検出された凝固界面13の位置情報は、制
御機構52に出力される。制御機構52には、全凝固過
程を通じて精製アルミニウムがほぼ同一の純度を維持す
るように、凝固界面13の位置に対応した適切な凝固速
度で凝固体12を成長させる温度条件が設定されたプロ
グラムが予め入力されている。制御機構52では、設定
温度条件を基にして検知器51から入力された信号から
加熱条件及び冷却条件を演算する。
【0038】演算結果は、それぞれ側壁ヒータ21の電
源24及び冷却体22の流量調製弁22aに出力され
る。側壁ヒータ21は、ルツボ20の高さ方向に関し複
数のブロックに分割されており、制御機構52から出力
された制御信号に基づいて側壁ヒータ21それぞれのブ
ロックにおける発熱量が制御される。また、制御機構5
2から出力された制御信号に基づいて流量調整弁22a
の開度が調節され、配管22bを流れる冷却水,冷風等
の冷却媒体の流量が調節される。これにより、冷却体2
2の抜熱能が制御され、凝固界面13に応じた適切な凝
固体12の成長速度が得られる。また、制御機構52か
ら昇降用モータ36に制御信号を出力し、ボールネジ3
7を回転させることにより、凝固体12の成長に応じて
撹拌子30の高さ方向位置を調整する。
【0039】たとえば、精製初期に凝固速度を比較的大
きく、精製後期に凝固速度を比較的小さく設定すること
により、凝固体12における不純物濃度を凝固方向に沿
って均一化することもできる。なお、精製したアルミニ
ウムの純度が目標値内であればよい場合、析出速度を一
定にした条件下で凝固体12の成長を行うことも可能で
ある。
【0040】凝固体12を下降させる方式としては、た
とえば図5に示す連続鋳造タイプが採用される。ルツボ
に代え、下部が開口した鋳型60を使用する。鋳型60
の下部開口に、冷却機構を内蔵した下型61を装着す
る。下型61は、支持杆62を介して下降可能になって
いる。
【0041】スタート時には、図5(a)に示すよう
に、下部が下型61で閉塞された鋳型60内に溶湯原料
を装入し、側壁ヒータ21で所定温度に加熱し、溶融ア
ルミニウム浴10を調製する。溶融アルミニウム浴10
に浸漬した撹拌子30を回転させながら、下型61に内
蔵させた冷却機構によって下部から溶融アルミニウム浴
10を抜熱する。
【0042】アルミニウム溶湯から晶出したα−アルミ
ニウムは、凝固体12となって鋳型60の底部に成長す
る。また、溶融アルミニウム浴10に含まれていた不純
物は、金属間化合物となって晶出し、撹拌子30の作用
により凝固体12の凝固界面13中央部に集められる。
比重が大きな不純物濃縮液も、同様に凝固体12の凝固
界面13中央部に集められる。このようにして形成され
た凝集濃縮液11を、不純物吸引管40によって系外に
吸引除去する。
【0043】凝固体12が所定の厚みに成長したとき、
図5(b)に示すように鋳型60から下型61を下降さ
せる。下型61の下降速度を凝固体12の成長速度に一
致させ、鋳型61内の設定位置に凝固界面13を位置さ
せる。また、凝固体12の引抜き量及び凝集濃縮液11
の吸引除去量に応じて、溶湯補給管44から原料溶湯が
補充され、鋳型60内の湯面14を常に一定高さに維持
し、凝固条件を安定化させる。
【0044】鋳型60から引き抜かれた凝固体12に
は、冷却帯63に凝固体12の引抜き方向に沿って複数
個配置されている冷媒噴出管64から冷却水,冷風等の
冷媒が吹き付けられる。冷媒噴射条件の調整によって、
凝固体12内部からの抜熱量、ひいては凝固速度が制御
される。
【0045】何れの場合も、撹拌子30の回転速度は、
常に一定である必要はなく、凝固精製の初期及び後期で
異ならせても良い。たとえば、直径が150mmの撹拌
子30では、回転速度を40〜300r.p.m(羽根
先端の周速で0.3〜2.5m/秒),好ましくは13
0〜240r.p.m(羽根先端の周速で1〜2m/
秒)の範囲で選択される。
【0046】本発明が適用されるアルミニウム材料に
は、初晶として金属間化合物が晶出するものである限
り、純アルミニウム、Fe,Si,Cu,Mn,Zn,
Ti,Ni等の元素を含むアルミニウム合金がある。ま
た、金属間化合物の晶出を促進させるため、従来と同様
にMn等の晶出促進元素を添加する方法を併用すること
も可能である。ただし、晶出促進元素の添加は、アルミ
ニウム溶湯中における晶出促進元素の濃度を高めるの
で、精製されるアルミニウム材料の種類に応じて採用さ
れ、また添加量もできるだけ低く設定することが好まし
い。
【0047】撹拌子30に冷却機構を内蔵させると、ア
ルミニウム溶湯が撹拌子30によっても抜熱されるた
め、不純物,金属間化合物等の凝集分離が促進される。
更に、アルミニウム材料の溶融,凝固を繰返し行うと
き、精製アルミニウムの純度が更に高められる。
【0048】
【実施例】実施例1 :内径200mm,高さ550mmの黒鉛製ル
ツボ20を、図3に示すように保温材23に埋設し、直
径150mmの黒鉛製撹拌子30をルツボ20内にセッ
トした。ルツボ20内に、Si:4.88%,Fe:
0.75%及びCu:0.51%を含むアルミニウム材
料30kgを装入し、温度700℃に加熱し、溶融アル
ミニウム浴10を形成した。
【0049】撹拌子30を2m/秒の周速度で回転させ
ながら、ルツボ20の底部中央から不純物吸引管40を
介して溶湯を3kg/時の流量で吸い出した。この条件
下で、精製を1時間継続し、溶融アルミニウム浴10の
組成及び不純物吸引管40を介して吸い出された溶湯の
組成を定期的に分析した。溶融アルミニウム浴10の組
成の経時的変化を表1に示し、吸い出された溶湯の組成
の経時的変化を表2に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】表2から明らかなように、精製開始後10
分経過したところで、凝集濃縮液のSi,Fe,Cu等
の不純物含有量に増加がみられた。不純物含有量は、精
製開始から10分経過したとき最大値に達し、20分ま
でこの値を維持し、その後下降した。この不純物濃度の
変化に対応し、溶融アルミニウム浴10の組成も表1に
示すように経時的に変化した。そして、1時間の精製後
に、Si:1.23%,Fe:0.61%及びCu:
0.48%の精製アルミニウム27kgが得られた。こ
のときの回収率は、90%と極めて高いものであった。
【0053】実施例2:溶融アルミニウム浴10の温度
を変えた他は、実施例1と同じ条件下で精製を1時間継
続した。精製されたアルミニウム材料を成分分析し、溶
湯温度との関係を調べた。調査結果を示す表3から明ら
かなように、溶湯温度に応じて不純物の低減量に差があ
る。このことから、アルミニウムの融点660℃から2
5℃の範囲に溶融アルミニウム浴10の温度を設定する
とき、最も効率よく不純物が除去されることが判る。
【0054】
【表3】
【0055】実施例3:図4に示す装置に組み込んだ内
径200mm,高さ550mmの黒鉛製ルツボ20に、
Si:3.34%,Fe:0.72%及びCu:0.9
2%を含むアルミニウム材料30kgを装入し、温度6
80℃に加熱し、溶融アルミニウム浴10を形成した。
ルツボ20の底部に配置した冷却体22の抜熱能は、凝
固体12の成長速度を当初の30mm/時から10mm
/時まで低下するように変化させた。また、凝固体12
の成長に対応して、撹拌子30を上昇させた。
【0056】撹拌子30を2m/秒の周速度で回転させ
ながら、ルツボ20の底部中央から不純物吸引管40を
介して溶湯を0.5kg/時の流量で吸い出した。この
条件下で、精製を8時間継続し、得られた凝固体12の
成分を調べたところ、ルツボ20の底部から150mm
の範囲において、Si:1.74%以下,Fe:0.2
3%以下及びCu:0.39%以下と極めて低い不純物
濃度に抑えられていた。また、凝固体12の成長方向に
関する不純物の濃度分布も変動が実質的にみられず、均
一な組成を持つ凝固体12であった。
【0057】実施例4:図5に示した精製装置に組み込
んだ内径200mm及び高さ550mmの黒鉛製鋳型に
Si:3.33%,Fe:0.75%及びCu:0.8
9%を含むアルミニウム原料30kgを装入し、平均温
度680℃に加熱することによりアルミニウム溶湯10
を調製した。そして、撹拌子30を、凝固界面13から
の距離150mmの位置に設定し、羽根先端部における
周速度2m/秒で回転させた。このとき、平均凝固速度
は、30mm/時であった。
【0058】アルミニウム溶湯10は、ルツボ20の底
部に配置した下型61によって抜熱され、凝固体12が
成長した。凝固体12の厚みが30mmになったところ
で鋳型60から下型61を下降させ、引抜き速度0.5
mm/分で凝固体11を引き抜いた。引き抜かれた凝固
体12に対しては、流量3Nl/分で冷却水を吹き付け
た。
【0059】不純物濃縮液11は、不純物吸引管40を
介して流量3kg/時で吸引排出した。凝固体12の引
抜き量及び不純物濃縮液11の排出量を補償し、溶融ア
ルミニウム浴10の湯面14が一定に維持されるよう
に、同じ組成のアルミニウム原料溶湯を溶湯補給管44
から3kg/時の流量で補充した。
【0060】この条件下で操業したところ、7時間後に
長さ205mmの凝固体12が得られた。凝固体12に
含まれている不純物は、Siが1.8%以下,Feが
0.28%以下及びCuが0.37%以下と極めて低い
濃度であった。また、不純物吸引管40から吸い出され
た凝集濃縮液は、Siが3〜12%,Feが0.8〜4
%及びCuが0.9〜1%と多量の不純物が濃縮された
ものであった。この凝集濃縮液の吸引排出によって、ル
ツボ内20内の溶融アルミニウム浴は、全期間を通じて
Siが3〜4%,Feが0.6〜0.8%及びCuが
0.8〜0.9%と実質的に一定した濃度に維持されて
いた。
【0061】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、金属間化合物の晶出温度とアルミニウムの融点との
間に保持した溶融アルミニウム浴を撹拌するだけで、ア
ルミニウム溶湯からFe,Mn,Si,Cu等の不純物
が除去され、純度の良いアルミニウム材料が得られる。
晶出した金属間化合物や不純物が濃縮された濃縮液は、
撹拌作用によって容器の底部中央に集められるので、容
器の底部中央から凝集濃縮液を排出しながら精製を行う
と、凝集分離した不純物がアルミニウム溶湯に拡散する
ことなく、純度の良いアルミニウムが高い歩留りで得ら
れる。また、精製されたアルミニウムを抜熱して凝固体
を成長させるときにも、凝集分離した金属間化合物や不
純物が凝固体に取り込まれることなく、純度の良いアル
ミニウムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を完成する過程で行ったシミュレーシ
ョンテスト
【図2】 シミュレーションテストにおける粉粒体の流
動状態を説明する図
【図3】 実施例1,2で使用した精製装置
【図4】 実施例3で使用した精製装置
【図5】 実施例4で使用した精製装置
【符号の説明】
10 溶融アルミニウム浴 11 凝集濃縮液
12 凝固体 13 凝固界面 20 ルツボ(容器)
21 側壁ヒータ 30 撹拌子 40 不純物吸引管
50 制御系 60 鋳型 61 下型
フロントページの続き (72)発明者 宮坂 禧輝 東京都港区三田3丁目13番12号 日本軽金 属株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶湯温度の降下に伴って最初に不純物が
    金属間化合物として晶出する組成をもつアルミニウム溶
    湯を容器に装入し、前記アルミニウム溶湯を金属間化合
    物の晶出温度とアルミニウムの融点との間の温度に保持
    し、前記金属間化合物を晶出させながら前記アルミニウ
    ム溶湯を同一方向に回転撹拌し、晶出金属間化合物が凝
    集し且つ不純物が濃縮した凝集濃縮液を前記容器の底部
    中心近傍に集めることを特徴とするアルミニウム精製方
    法。
  2. 【請求項2】 金属間化合物をアルミニウム溶湯から晶
    出させた後、容器を傾倒することにより、凝集濃縮液を
    容器に残したまま精製アルミニウムを溶湯として排出す
    ることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム精製方
    法。
  3. 【請求項3】 容器の底部中心近傍に集められた凝集濃
    縮液を吸引除去することを特徴とする請求項1記載のア
    ルミニウム精製方法。
  4. 【請求項4】 請求項1の精製方法において、容器の底
    部に配置した冷却体によってアルミニウム溶湯を冷却凝
    固することを特徴とするアルミニウム精製方法。
  5. 【請求項5】 容器を傾倒させることにより残湯を排出
    することを特徴とする請求項4記載のアルミニウム精製
    方法。
  6. 【請求項6】 請求項4の精製方法において、凝集濃縮
    液を残湯と共に容器内で凝固した後、精製アルミニウム
    と共に前記容器から取り出し、前記凝集濃縮液及び前記
    残湯が凝固した部分を精製アルミニウムから切断分離す
    ることを特徴とするアルミニウム精製方法。
  7. 【請求項7】 請求項4の精製方法において、凝固界面
    近傍に開口した不純物吸引管を介して凝集濃縮液を吸引
    除去しながら精製アルミニウムを凝固させることを特徴
    とするアルミニウム精製方法。
  8. 【請求項8】 請求項4の精製方法において、凝固界面
    に集められた凝集濃縮液を吸引除去しながら、下部が開
    放された鋳型状容器の下方に凝固体を引き出すことを特
    徴とするアルミニウム精製方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れかに記載の精製方法
    において、凝固体の成長状態に応じ凝固速度を制御する
    ことを特徴とするアルミニウム精製方法。
  10. 【請求項10】 アルミニウム溶湯を収容する容器と、
    前記アルミニウム溶湯から晶出する金属間化合物の晶出
    温度とアルミニウムの融点との間の温度に前記アルミニ
    ウム溶湯を加熱保持するヒータと、前記アルミニウム溶
    湯に浸漬され、前記アルミニウム溶湯に同一方向の回転
    力を与える撹拌子とを備え、前記アルミニウム溶湯から
    晶出した前記金属間化合物が凝集し且つ不純物が濃縮し
    た凝集濃縮液を前記容器の底部中央に集めるように前記
    回転力が調整されることを特徴とするアルミニウム精製
    装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の容器の底部に、精製
    アルミニウムを冷却凝固する冷却体を配置たことを特徴
    とするアルミニウム精製装置。
  12. 【請求項12】 容器底部又は凝固界面の中央に集めら
    れた金属間化合物が凝集し且つ不純物が濃縮した凝集濃
    縮液又はその近傍に吸込み口が開口する不純物吸引管を
    備え、該不純物吸引管を介して前記凝集濃縮液を吸引除
    去しながらアルミニウム溶湯を精製することを特徴とす
    る請求項10又は11記載のアルミニウム精製装置。
  13. 【請求項13】 下部が開口された鋳型と下部開口を閉
    塞する下型とをアルミニウム溶湯収容容器として使用
    し、凝固体の成長速度に応じて前記下型を前記鋳型から
    下降させ、前記凝固体を前記鋳型から引き抜くことを特
    徴とする請求項10記載のアルミニウム精製装置。
  14. 【請求項14】 容器底部又は凝固界面の中央に集めら
    れた凝集濃縮液に吸込み口が開口する不純物吸引管を備
    え、該不純物吸引管を介して前記凝集濃縮液を吸引除去
    しながらアルミニウム溶湯を精製することを特徴とする
    請求項13記載のアルミニウム精製装置。
  15. 【請求項15】 撹拌子を回転させる機構のトルク及び
    位置を検出する検知器と、該検知器で検出されたトルク
    情報及び位置情報に基づいて前記撹拌子を上昇させると
    共に、側壁ヒータへの加熱電流及び冷却体の抜熱能を調
    整する制御信号を出力する制御機構とを備えていること
    を特徴とする請求項8〜14の何れかに記載のアルミニ
    ウム精製装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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