JP2001226721A - アルミニウムの精製方法とその用途 - Google Patents

アルミニウムの精製方法とその用途

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Abstract

(57)【要約】 【課題】回転冷却体を用いる偏析原理を利用したAlの精
製において、工業的に有利な、Fe等の共晶不純物を含む
溶融Alから効率良く高純度のAlを晶出させるAlの精製方
法を提供する。 【解決手段】溶融Al中に冷却体を浸漬し、該冷却体を回
転させながら、該冷却体の外周表面の温度が該溶融Alの
液相線温度未満になるように冷却して該冷却体の外周表
面に精製されたAlを晶出成長させた後、晶出したAlを溶
融Al中から該冷却体とともに引き上げて回収するAlの精
製方法において、該冷却体の外周表面と溶融Alとの相対
速度が1000mm/sec以上、8000mm/sec未満となるように該
冷却体を回転させながら溶融Al中に浸漬していく、およ
び/または、該冷却体の外周表面と溶融Alとの相対速度
が500mm/sec以上、4000mm/sec未満となるように該冷却
体を回転させながら溶融Al中から引き上げていくことを
特徴とするAlの精製方法、及びその方法により得られた
精製Alを原料として用いた電解コンデンサー用Al箔。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルミニウムの精製
方法に関する。詳しくは、偏析原理を利用して、Si、
Fe等の共晶不純物を含む溶融アルミニウムから、より
高純度なアルミニウムを晶出させてアルミニウムを精製
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】これ迄、偏析原理を利用したアルミニウ
ムの精製方法としては、溶融アルミニウムを下方または
周辺から冷却凝固させる際に,その凝固界面近傍の該溶
融アルミニウムを攪拌する方法や、該溶融アルミニウム
中に冷却体を浸漬し、その冷却体内に冷却媒体を供給し
つつこの冷却体を回転し、その周面に高純度の精製アル
ミニウムを晶出させる方法等が知られている。
【0003】偏析原理を利用した精製方法においては、
凝固界面近傍の溶融アルミニウム中に排出された不純物
の濃縮層をできる限り除去することにより薄くし、溶融
アルミニウム全体に不純物を分散させることにより精製
効率が向上するが、凝固速度が速いと不純物の分散が十
分でないうちに晶出するので、十分な精製効率を得るこ
とができない。比較的速い生産速度で十分な精製効率を
達成するためには晶出したアルミニウムと溶融アルミニ
ウムとの相対速度を増加させ、濃縮された不純物を不純
物の少ない溶融アルミニウム中に洗い流し去る効果を高
める手法が提案されている。例えば、特公昭61−33
85号公報には、冷却体の外周表面と溶融アルミニウム
との相対速度が1600mm/s〜8000mm/s
(秒)となるように冷却体を回転させることによって凝
固界面近傍の不純物の濃縮層を薄くし、精製アルミニウ
ムの純度を高くすることが提案されている。この精製方
法においては、冷却体を溶融アルミニウム中に浸漬する
際にその冷却体の温度がアルミニウムの融点よりも低い
場合に、冷却体を回転させる前に冷却体の外周表面にア
ルミニウムが晶出しはじめる。その後アルミニウムを凝
固成長させても、冷却体の外周表面に近い部分に晶出し
た部分では不純物濃度が高く、この部分が晶出したアル
ミニウム中の不純物濃度を高める要因になるため、十分
な精製効率が得られない。
【0004】特公平6−8471号公報には、この問題
を解決するために、冷却体の周面が精製すべき金属の融
点よりも高い温度に保持されている冷却体を溶融金属中
に浸漬する方法が提案されている。上記精製方法におい
ては、大きな熱伝導速度を得るために冷却体としては比
較的熱伝導度が大きな材料、例えば、鋼、炭化珪素、窒
化珪素、窒化アルミニウム、黒鉛等が用いられる。従来
の技術においては、冷却体が溶融アルミニウム中に浸漬
されるまでの間はアルミニウムの融点よりも高い温度で
保持する必要があるので冷却体を加熱するヒーターやバ
ーナーなどの加熱源を必要とし、さらに冷却体を溶融ア
ルミニウムに浸漬するまでに冷却体の温度がアルミニウ
ムの融点以下にならないように精密な温度管理を行なう
必要がある。また、溶融アルミニウムを汚染しないとい
うことから冷却体として黒鉛が用いられることが多い
が、黒鉛を高温で大気中に放置すると酸化消耗しやす
く、従来の技術においては、黒鉛製の冷却体が溶融アル
ミニウム中に浸漬されるまでの間はアルミニウムの融点
よりも高い温度で大気中に放置されるため、酸化消耗に
より、長期の使用に耐えられない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、回転
冷却体を用いる偏析原理を利用したアルミニウムの精製
において、工業的に有利な、Fe等の共晶不純物を含む
溶融アルミニウムから効率良く高純度のアルミニウムを
晶出させるアルミニウムの精製方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、回転冷却体を溶融ア
ルミニウムに浸漬して引き上げる際に特定の条件下で操
業することにより、本発明の目的が達成されることを見
出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】すなわち、本発明者等は、以下の(1)お
よび(2)を提供する。 (1)溶融アルミニウム中に冷却体を浸漬し、該冷却体
を回転させながら、該冷却体の外周表面の温度が該溶融
アルミニウムの液相線温度未満になるように冷却して該
冷却体の外周表面に精製されたアルミニウムを晶出成長
させた後、晶出したアルミニウムを溶融アルミニウム中
から該冷却体とともに引き上げて回収するアルミニウム
の精製方法において、該冷却体の外周表面と溶融アルミ
ニウムとの相対速度が1000mm/s以上、8000
mm/s未満となるように該冷却体を回転させながら溶
融アルミニウム中に浸漬していく、および/または、該
冷却体の外周表面と溶融アルミニウムとの相対速度が5
00mm/s以上、4000mm/s未満となるように
該冷却体を回転させながら溶融アルミニウム中から引き
上げていくことを特徴とするアルミニウムの精製方法。 (2)上記(1)に記載の方法により得られた精製アル
ミニウムを原料として用いた電解コンデンサー用アルミ
ニウム箔。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、溶融アルミニウム中に冷却体を浸漬し、該冷
却体を回転させながら、該冷却体の外周表面の温度が該
溶融アルミニウムの液相線温度未満になるように冷却し
て該冷却体の外周表面に精製されたアルミニウムを晶出
成長させた後、晶出したアルミニウムを溶融アルミニウ
ム中から該冷却体とともに引き上げて回収するアルミニ
ウムの精製方法において、冷却体の内部に冷却媒体を供
給し、冷却体の外周表面をアルミニウムの液相線温度以
下に冷却して、その冷却体の外周表面に精製されたアル
ミニウムを晶出させるものであり、その際、回転冷却体
を特定の条件下で溶融アルミニウムに浸漬して引き上げ
るものである。
【0009】溶融アルミニウムに浸漬する前の冷却体の
温度を融点未満にすれば、黒鉛製のの冷却体の消耗を抑
制することができるが、溶融アルミニウムの温度が融点
直上の場合には、冷却体を溶融アルミニウム中に浸漬し
ていく途中や浸漬した直後のように冷却体の回転を開始
するまでの間に冷却体の外周表面にアルミニウムが晶出
し易い。本発明のように冷却体を回転させながら溶融ア
ルミニウム中に浸漬すると、冷却体が溶融アルミニウム
と接触しているときは必ず冷却体の外周表面と溶融アル
ミニウムが相対的な運動をしているので、冷却体の外周
表面に晶出し始める部分から十分に精製されたアルミニ
ウムが晶出する。冷却体を回転させないで溶融アルミニ
ウム中に浸漬させる場合には、冷却体の外周表面の近傍
に晶出するアルミニウム中の不純物濃度が高いが、冷却
体を回転させながら浸漬すると、この部分の不純物濃度
が低くなる。その結果、晶出したアルミニウム全体の不
純物濃度が低くなり、精製効率が高くなるのである。
【0010】冷却体を溶融アルミニウム中に浸漬すると
きの冷却体の回転速度はできるだけ速い方が好ましい
が、冷却体の外周表面と溶融アルミニウムとの相対速度
が、1000mm/s以上、8000mm/s未満の範
囲であることが好ましく、より好ましくは1500mm
/s以上、4000mm/s未満の範囲である。相対速
度が1000mm/s未満の場合には冷却体の外周表面
の近傍で晶出するアルミニウム中の不純物濃度が高く、
晶出したアルミニウム中の不純物濃度を高めるため好ま
しくない。8000mm/s以上では晶出したアルミニ
ウムが冷却体の外周表面から剥離しやすいため好ましく
ない。
【0011】溶融アルミニウムに冷却体を浸漬する際の
所用時間は特に限定されないが、通常0.5〜10分間
であり、好ましくは1〜3分間である。
【0012】溶融アルミニウムに浸漬する直前の冷却体
と溶融アルミニウムの温度は、冷却体の大きさ、材質、
溶融アルミニウムの保持量によって条件は異なっている
が、溶融アルミニウム中へ冷却体を浸漬して溶融アルミ
ニウムと融点以下の温度の冷却体が同じ温度になるまで
保持したときに、溶融アルミニウムの温度がその融点直
上になるように冷却体の温度と溶融アルミニウム温度を
設定しておくことが好ましく、具体的な範囲としては、
661℃以上、700℃未満であることが好ましい。6
61℃以下の場合には、冷却体の外周表面に晶出するア
ルミニウムの凝固速度が極めて速くなるので初期に晶出
したアルミニウム中の不純物濃度が高くなり、700℃
以上の場合にはアルミニウムの晶出の開始までに長時間
を要するため好ましくない。冷却体の温度が高いほど、
あるい溶融アルミニウムの温度が高いほど、冷却体を溶
融アルミニウムに浸漬していく途中あるいは浸漬直後
に、冷却体の外周表面に晶出するアルミニウムの凝固速
度が遅くなるので、溶融アルミニウム中へ冷却体を浸漬
していくときの回転速度が小さい場合でも、冷却体の外
周表面近傍に晶出したアルミニウム中の不純物濃度を低
くすることができるからである。
【0013】該冷却体を回転させながら溶融アルミニウ
ムに浸漬する場合、溶融アルミニウムは融点以上、好ま
しくは670℃以上に加熱されてい必要がある。
【0014】冷却体と溶融アルミニウムの温度の組み合
わせは、冷却体の材質や冷却体の温度管理の範囲に応じ
て適宜組み合わせることが可能である。たとえば、冷却
体の材質が黒鉛の場合には、酸化消耗を防止するために
溶融アルミニウムに浸漬する直前の冷却体の温度を酸化
消耗しない温度まで低く保持し、その代わりに、冷却体
を浸漬した後の溶融アルミニウムの温度が融点直上とな
るようにあらかじめ溶融アルミニウムの温度を保持して
おく。
【0015】次に、冷却体の外周表面に所定量のアルミ
ニウムが晶出後、冷却体の回転を停止させてから溶融ア
ルミニウム中から引き上げると、晶出したアルミニウム
の外周表面との相対運動が停止してしまうため、冷却媒
体を停止したとしても引き上げが完了するまでに晶出し
たアルミニウムの外周表面に不純物濃度の高いアルミニ
ウムが晶出する上、晶出したアルミニウムの外周表面に
不純物濃度の高い溶融アルミニウムが付着したりするた
め、精製効率が悪化する。本発明では、冷却体を回転さ
せながら溶融アルミニウム中から引き上げることで、晶
出したアルミニウムの外周表面と溶融アルミニウムとの
相対運動が常に行なわれる状態を保つことができ、晶出
したアルミニウム中の不純物濃度を極めて低くすること
ができるのである。溶融アルミニウム中から冷却体を引
き上げるときに冷却体を回転していれば、晶出したアル
ミニウムの外周表面に溶融アルミニウムが付着しにくく
なり、晶出したアルミニウム中の不純物濃度が高くなる
ことがなくなるのである。
【0016】冷却体を溶融アルミニウム中から引き上げ
るときの冷却体の回転速度はできるだけ速い方が好まし
いが、冷却体の外周表面と溶融アルミニウムとの相対速
度が500mm/s以上、4000mm/s未満の範囲
であることが好ましく、より好ましくは700mm/s
以上、2000mm/s未満の範囲である。相対速度が
500mm/s未満の場合には晶出したアルミニウムの
外周表面に晶出したアルミニウム中の不純物濃度が高
く、4000mm/s以上では遠心力が大きすぎるた
め、晶出したアルミニウムの外周表面に付着した溶融ア
ルミニウムが溶融アルミニウムの液面の上方で周辺へ飛
散して危険であるため好ましくない。
【0017】 溶融アルミニウムから冷却体を引き上げる
際の所用時間は特に限定されないが、通常0.5〜10
分間であり、好ましくは1〜3分間である。
【0018】 冷却体を溶融アルミニウム中へ浸漬する手
段および溶融アルミニウム中から引き上げる手段として
は、冷却体の上下に移動する、溶融アルミニウムの保持
容器を移動する、冷却体と保持容器の両方を移動する等
など特に限定されない。
【0019】溶融アルミニウム中に浸漬しているときの
冷却体の回転速度は、冷却体の外周表面と溶融アルミニ
ウムとの相対速度が1500mm/s以上、8000m
m/s未満の範囲であることが好ましい。1500mm
/s未満では不純物が十分に除去されず、8000mm
/s以上では晶出したアルミニウムが冷却体の外周表面
から剥離しやすいため好ましくない。
【0020】さらに精製効率を向上させるために、溶融
アルミニウム中で回転している冷却体の外周表面にアル
ミニウムを晶出させると同時に、晶出したアルミニウム
の凝固界面近傍に作用するように溶融アルミニウム中に
ガス気泡を形成するをガスを導入してもよい。
【0021】溶融アルミニウム中に導入するガス気泡を
形成するガスの種類としては、基本的にはその温度で溶
融アルミニウム中で気体状態であり、溶融アルミニウム
中に多量に溶解しないガスが好ましく、ヘリウムガス、
アルゴンガス等の溶融アルミニウムに対して不活性なガ
ス、窒素ガス等の溶融アルミニウムに対して実質的に不
活性なガス、空気、塩素ガス、塩化物ガス、またはこれ
らの混合ガスが利用可能である。
【0022】また、特公昭61−3385号公報、特開
平11−124637号公報、特開平11−12463
8号公報等に記載の溶融アルミニウム中に冷却体を浸漬
して回転させながら冷却体表面に精製アルミニウムを晶
出させるアルミニウムの精製方法においても適応可能で
ある。
【0023】本発明方法により得られた精製アルミニウ
ムを原料として電解コンデンサー用アルミニウム箔に用
いる場合には、例えば「アルミニウム材料の基礎と工業
技術」(社団法人軽金属協会)の第347頁〜第350
頁(1985年)に記載されているように、スラブ鋳
造、熱間圧延、冷間圧延、箔圧延等の工程を経て電解コ
ンデンサー用アルミニウム箔とする。また、得られた精
製アルミニウムは、電解コンデンサー用箔以外に、スパ
ッタリングターゲット、ハードディスク用基板、超伝導
安定化材、ボンディングワイヤー等に好適にも使用され
る。
【0024】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。 実施例1 黒鉛製の坩堝に不純物としてFe370ppmを含む溶
融アルミニウムを入れてヒーターによって680℃に加
熱保持した。室温で放置した外径100mmの円筒形状
の黒鉛製の冷却体を回転速度375rpm(相対速度1
960mm/s)で回転させながら上記溶融アルミニウ
ム中に浸漬していった。冷却体をそのままの回転速度で
回転させながら、冷却体の内部に窒素ガスを供給し、冷
却体の外周表面に精製されたアルミニウムを晶出させ
た。このようにして100分間冷却体の外周表面にアル
ミニウムを晶出成長させた後、窒素ガスの供給を停止し
て、冷却体を150rpm(相対速度785mm/s)
の回転速度で回転させながら溶融アルミニウム中から引
き上げていき、晶出したアルミニウムを回収した。回収
したアルミニウム中のFe濃度を測定したところ18p
pm、精製係数(精製アルミニウム中のFe濃度/原料
中のFe濃度)は0.048であった。このときの凝固
率は25%、凝固速度は70mm/h(時)であった。
【0025】 実施例2 冷却体の回転を停止して溶融アルミニウム中から引き上
げていったほかは実施例1と同じ条件で実施した。回収
したアルミニウム中のFe濃度を測定したところ28p
pm、精製係数(精製アルミニウム中のFe濃度/原料
中のFe濃度)は0.076であった。このときの凝固
率は25%、凝固速度は70mm/hであった。
【0026】 実施例3 冷却体を回転させずに溶融アルミニウム中に浸漬してい
ったほかは実施例1と同じ条件で実施さた。回収したア
ルミニウム中のFe濃度を測定したところ21ppm、
精製係数は0.057であった。このときの凝固率は2
5%、凝固速度は70mm/hであった。
【0027】 比較例1 冷却体を回転させずに溶融アルミニウム中に浸漬してい
ったほかは実施例2と同じ条件で実施した。回収したア
ルミニウム中のFe濃度を測定したところ31ppm、
精製係数は0.084であった。このときの凝固率は2
5%、凝固速度は70mm/hであった。
【0028】 比較例2 冷却体を90rpm(相対速度471mm/s)の回転
速度で回転させながら溶融アルミニウム中から引き上げ
ていったほかは実施例3と同じ条件で実施した。回収し
たアルミニウム中のFe濃度を測定したところ31pp
m、精製係数は0.084であった。このときの凝固率
は25%、凝固速度は70mm/hであった。
【0029】上記の実施例に示された結果から明らかな
ように、本発明によれば、冷却体を回転させながら溶融
アルミニウム中に浸漬すること、および/または冷却体
を回転させながら溶融アルミニウム中から引き上げるこ
とにより、アルミニウム中の共晶不純物を効率よく除去
できる。これに対して、比較例のように冷却体を回転さ
せないで溶融アルミニウムに浸漬し、冷却体を回転させ
ずに溶融アルミニウム中から引き上げるとアルミニウム
中の共晶不純物は十分には除去できない。以上の結果を
下表に纏める。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】 本発明は、回転冷却体を用いる偏析原理
を利用したアルミニウムの精製において、工業的に有利
な、Fe等の共晶不純物を含む溶融アルミニウムから効
率よく高純度のアルミニウムを晶出させてアルミニウム
を精製することができる。 また、得られた高純度アルミ
ニウムは、電解コンデンサー用箔、スパッタリングター
ゲット、ハードディスク用基板、超伝導安定化材、ボン
ディングワイヤー等に好適に使用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 明彦 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内 Fターム(参考) 4K001 AA02 EA05 GB05 GB11

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融アルミニウム中に冷却体を浸漬し、該
    冷却体を回転させながら、該冷却体の外周表面の温度が
    該溶融アルミニウムの液相線温度未満になるように冷却
    して該冷却体の外周表面に精製されたアルミニウムを晶
    出成長させた後、晶出したアルミニウムを溶融アルミニ
    ウム中から該冷却体とともに引き上げて回収するアルミ
    ニウムの精製方法において、該冷却体の外周表面と溶融
    アルミニウムとの相対速度が1000mm/s以上、8
    000mm/s未満となるように該冷却体を回転させな
    がら溶融アルミニウム中に浸漬していく、および/また
    は、該冷却体の外周表面と溶融アルミニウムとの相対速
    度が500mm/s以上、4000mm/s未満となる
    ように該冷却体を回転させながら溶融アルミニウム中か
    ら引き上げていくことを特徴とするアルミニウムの精製
    方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の方法により得られた精製
    アルミニウムを原料として用いた電解コンデンサー用ア
    ルミニウム箔。
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