JP3721804B2 - アルミニウムの精製方法およびその用途 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウムの精製方法およびその用途に関する。詳しくは、偏析原理を利用して、工業的に有利な、Si、Fe等の共晶不純物の精製効率の優れた、高純度アルミニウムの製造方法および該方法により得られた精製アルミニウムの用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
偏析原理を利用したアルミニウムの精製方法としては、容器内に保持した原料溶融アルミニウムを下方または側面から冷却凝固させる際に,その凝固界面近傍の溶融アルミニウムを攪拌する方法や、原料溶融アルミニウムを保持する容器の内壁や原料溶融アルミニウム中に浸漬した冷却体の表面に晶出したアルミニウム結晶をかき落して原料溶融アルミニウムの保持容器の底部にピストン等により押し固める方法、原料溶融アルミニウム中に浸漬した冷却体を回転させながら、冷却体の表面に純度の高いアルミニウムを晶出させる方法等が知られている。
【0003】
特公昭59−41500号公報には、撹拌子を備えたるつぼ内に精製すべき溶融アルミニウムを入れ、るつぼ底部より冷却し、攪拌子を回転、上昇させながらアルミニウムを凝固成長させる高純度アルミニウムの製造方法が開示されている。
【0004】
また、特公平1−37458号公報には、水平な床を備え、側壁が断熱構造となっている容器に溶融アルミニウムを収容し、該溶融アルミニウム中に攪拌機を挿入して攪拌しながら、一方では該床内部の冷却媒体流通管に冷却媒体を流通させ、他方では該溶融アルミニウムの表面を加熱することにより、該床表面にアルミニウム結晶を晶出させるアルミニウムの純化方法が開示されている。
【0005】
また、特開平5−125462号公報には、原料溶融アルミニウムを容器中に保持し、該容器の上部および側部を制御された温度条件下に保温管理し、該容器底部より冷却しながら、該容器をその垂直軸を中心に回転させると同時に、該容器中の溶融アルミニウムを該容器回転方向と逆方向に攪拌子により回転させることにより容器底部に純度の高いアルミニウムを晶出させるアルミニウムの精製方法が開示されている。
【0006】
また、特開昭59−170227号公報には、溶融アルミニウムを保持した容器の内壁に純度の高いアルミニウム結晶を晶出させ、該結晶を容器底部に掻き落とし、沈積した結晶を押し固めるアルミニウムの精製方法が開示されている。
【0007】
また、特開昭62−158830号公報には、溶融アルミニウム中に浸漬した冷却体の表面に晶出したアルミニウム結晶をピストンによって容器底部に圧縮し、残留する溶融アルミニウムを排出するアルミニウムの精製方法が開示されている。
【0008】
また、特公昭61−3385号公報には、溶融アルミニウム中に浸漬した冷却体を特定の条件で回転させながら、その表面に純度の高いアルミニウムを晶出させるアルミニウムの精製方法が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの従来の技術においては、得られる精製アルミニウム中の不純物を必ずしも十分には低減できない。その理由は、偏析原理を利用したこれらのアルミニウムの精製方法においては、1回の精製操作で低減できる共晶不純物の割合に限界があることにある。
【0010】
偏析原理を利用した精製方法において、不純物の低減割合は、精製効率(=精製アルミニウム中の不純物元素の濃度/原料アルミニウム中の不純物元素の濃度)で表わすことができる。例えば、Si、Fe等の共晶不純物を含む原料アルミニウムを精製する場合、これら共晶元素の精製効率は通常1よりも小さいので低減は可能であるが、Al−Si、Al−Fe等の状態図等で示される平衡分配係数(=精製アルミニウム中の不純物元素の平衡濃度/溶融アルミニウム中の不純物元素の平衡濃度)未満に低減することは一般的には不可能である。実際には、平衡分配係数よりも大きい実効分配係数(不純物元素の濃度が凝固界面の溶融アルミニウム側で平衡濃度よりも増大する場合の分配係数)未満に低減することは一般的には不可能である。また、工業的にアルミニウムの精製を行なう場合は、原料溶融アルミニウムの30〜70%程度を晶出させるため、晶出量の増大にともない、溶融アルミニウム中の共晶不純物元素の濃度が増大する結果、精製効率はより大きい値となり、得られる精製アルミニウム中の不純物を十分には低減できないのである。
【0011】
本発明の目的は、工業的に有利な、Si、Fe等の共晶不純物の精製効率の優れた、高純度アルミニウムの製造方法および該方法により得られた精製アルミニウムの用途を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、かかる状況を鑑み偏析原理を利用したアルミニウムの精製方法について鋭意検討した結果、精製工程を連続化することにより、工業的に有利な、共晶不純物を極めて効率よく低減し得るアルミニウムの精製方法を見出し本発明を完成させるに至った。
【0013】
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(4)を提供する。
(1)偏析原理を利用したアルミニウムの精製方法において、原料溶融アルミニウムを保持した容器内で冷却して純度の高いアルミニウムを晶出させた後、該容器内部に残存する純度の低い溶融アルミニウムを排出する工程(工程1)と、該容器に新たに原料アルミニウムを供給し、工程1において晶出させたアルミニウムとともに溶融状態とした後、再度該容器内で冷却して純度の高いアルミニウムを晶出させ、次いで該晶出アルミニウムを該容器内部に残存する純度の低い溶融アルミニウムから分離する工程(工程2)からなるアルミニウムの精製方法。
(2)偏析原理を利用したアルミニウムの精製方法が、原料溶融アルミニウムを保持した容器の底部を冷却し、該容器底部に純度の高いアルミニウムを晶出させる精製方法である上記(1)に記載のアルミニウムの精製方法。
(3)工程2において、原料アルミニウムを溶融状態で供給し、その顕熱によって、工程1において晶出させたアルミニウムとともに溶融状態とする上記(1)又は(2)に記載のアルミニウムの精製方法。
(4)上記(1)乃至(3)に記載の方法により得られた精製アルミニウムを原料として用いた電解コンデンサー用アルミニウム箔。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の方法の工程1について説明する。
本発明の方法の工程1において、原料として用いるアルミニウムは、状態図のアルミニウム隅で共晶反応を示すSi、Fe等の共晶元素を不純物として含む。その外に、Ti、V等の包晶元素を含む場合もあるが、包晶元素は偏析原理を利用した精製方法においては除去が困難で、逆に濃縮する傾向がある。従って、これらの包晶元素の低減が必要な場合には、溶融アルミニウムにB(硼素)を添加してTi、V等のホウ化物を形成させ、分離する所謂ボロン処理を実施することが好ましい。ボロン処理については、例えば「アルミニウム材料の基礎と工業技術」(社団法人軽金属協会)の第343頁に記載されているように、硼弗化カリやAl−Bの形でBを投入しTi、V等のホウ化物を形成させ、沈降、除去することが多い。
本発明の方法の工程1において、原料として用いるアルミニウムの純度については特に限定はないが、99wt%から99.99wt%程度である。
原料アルミニウムは、例えば、別途溶解炉等にて融解され、精製に用いられる容器に溶融状態で供給され保持されるが、固体状態で容器に供給された後、容器内で融解しても何ら差し支えない。溶解効率の良い専用の溶解炉での融解は、ドロス(酸化アルミニウム)の発生、混入が少ない原料アルミニウムが得られ、また、アルミニウムのロスも少ないため、工業的に有利である。
【0015】
本発明の方法の工程1において、偏析原理を利用したアルミニウムの精製方法を採用するが、その方法については特に限定はなく、容器内に保持した原料溶融アルミニウムを下方または側面から冷却凝固させる際に,その凝固界面近傍の溶融アルミニウムを攪拌する方法や、原料溶融アルミニウムを保持する容器の内壁や原料溶融アルミニウム中に浸漬した冷却体の表面に晶出したアルミニウム結晶をかき落して原料溶融アルミニウムの保持容器の底部にピストン等により押し固める方法、原料溶融アルミニウム中に浸漬した冷却体を回転させながら、冷却体の表面に純度の高いアルミニウムを晶出させる方法等が採用可能である。
操作の簡便さからは、原料溶融アルミニウムを保持した容器の底部を冷却し、該容器底部に純度の高いアルミニウムを晶出させる精製方法が好ましい。
なお、収率(=晶出アルミニウム量/初期溶融アルミニウム量)が大きいほど晶出したアルミニウムの純度は低下する。従って、通常収率は0.2〜0.8の範囲にあることが好ましく、0.3〜0.7の範囲にあることがより好ましい。
【0016】
本発明の方法の工程1において、溶融アルミニウムを保持した容器内で純度の高いアルミニウムを晶出させた後、該容器内部に残存する純度の低い溶融アルミニウムを排出するが、排出の方法については特に限定はない。例えば、容器を傾動させたりメタルポンプを利用する等の方法が採用可能である。
【0017】
次に、本発明の方法の工程2について説明する。
本発明の方法の工程2において、工程1を終了した該容器に新たに原料アルミニウムを供給する。原料として用いるアルミニウムは工程1の場合と同様、共晶元素を不純物として含む、純度99wt%から99.99wt%程度のアルミニウムである。但し、工程2において晶出させるアルミニウムの純度を、工程1において晶出させるアルミニウムの純度よりも高くするためには、工程2で原料として用いるアルミニウム中の不純物濃度は、工程1で原料として用いるアルミニウム中の不純物濃度と同等か、あるいはそれ以下であることが好ましい。
また、工程2において新たに供給する原料アルミニウムの量は、工程1で晶出させたアルミニウムの量に対して、好ましくは0.5〜2倍である。この範囲を外れる場合には、本発明の効果が小さくなる。
【0018】
本発明の方法の工程2において、新たに供給した原料アルミニウムを、工程1で晶出させたアルミニウムとともに溶融状態とする。工程2で供給する原料アルミニウムは、工程1の場合と同様、例えば、別途溶解炉等にて融解され、工程1で晶出させたアルミニウムを保有する容器に溶融状態で供給されてもよいし、固体状態で供給された後、容器内で融解されても何ら差し支えない。但し、工程2において、原料アルミニウムを溶融状態で供給し、その顕熱によって、工程1において晶出させたアルミニウムとともに溶融状態とするという、本発明の方法の好ましい態様を実現するためには、工程2で供給する原料アルミニウムは、別途溶解炉等にて融解され、その顕熱により工程1において晶出させたアルミニウムを融解するに足る温度に加熱されていることが必要である。
【0019】
本発明の方法の工程2において実施される精製方法についても、工程1の場合と同様、特に限定はなく、容器内に保持した原料溶融アルミニウムを下方または側面から冷却凝固させる際に,その凝固界面近傍の溶融アルミニウムを攪拌する方法や、原料溶融アルミニウムを保持する容器の内壁や原料溶融アルミニウム中に浸漬した冷却体の表面に晶出したアルミニウム結晶をかき落して原料溶融アルミニウムの保持容器の底部にピストン等により押し固める方法、原料溶融アルミニウム中に浸漬した冷却体を回転させながら、冷却体の表面に純度の高いアルミニウムを晶出させる方法等が採用可能である。また、工程1と工程2においてそれぞれ異なった精製方法を採用することも可能である。
操作の簡便さからは、原料溶融アルミニウムを保持した容器の底部を冷却し、該容器底部に純度の高いアルミニウムを晶出させる精製方法が好ましい。
なお、収率については、工程1の場合と同様に大きいほど晶出したアルミニウムの純度は低下する。従って、通常収率は0.2〜0.8の範囲にあることが好ましく、0.3〜0.7の範囲にあることがより好ましい。
【0020】
本発明の方法の工程2において、得られた純度の高いアルミニウムを容器内部に残存する純度の低い溶融アルミニウムから分離するが、その方法については特に限定はない。例えば、容器を傾動させたりメタルポンプを利用する等して純度の低い溶融アルミニウムのみを排出してもよいし、得られた純度の高いアルミニウムのみを容器から取り出してもよい。本発明において、純度の低い溶融アルミニウムから分離され、最終的に得られる純度の高いアルミニウムを精製アルミニウムと呼ぶ。
なお、工程2において、純度の低い溶融アルミニウムのみを排出した後、再度工程2と同じ工程を繰り返して行なうことも可能である。工程2と同じ工程を繰り返して行なうことにより、さらに純度の高いアルミニウムを得ることが可能となる。
【0021】
本発明の方法によれば、共晶不純物が極めて効率よく低減される。例えば、従来技術による偏析原理を利用した精製方法においては、収率を0.5程度とした場合、Si、Feの精製効率はそれぞれおよそ0.2、0.1程度である。
一方、本発明の方法において、工程1の収率を0.5とし、工程2で原料として用いるアルミニウム中の不純物濃度を、工程1で原料として用いたアルミニウム中の不純物濃度と同等とし、工程2において供給する原料アルミニウムの量を、工程1で晶出させたアルミニウムの量と同量とし、工程2の収率を0.5とした場合、Si、Feの精製効率はそれぞれおよそ0.12、0.06程度となり、従来技術の約60%程度となる。すなわち、本発明の方法によれば、Si、Fe等の共晶不純物が、従来技術に比較して約40%程度余計に低減されることになり、より純度の高い精製アルミニウムを得ることが可能となる。
なお、本発明の精製効率は、工程1の収率、工程2で原料として用いるアルミニウム中の不純物濃度、工程2において供給する原料アルミニウムの量、工程2の収率により多少変動するが、工程2で原料として用いるアルミニウム中の不純物濃度が、工程1で原料として用いるアルミニウム中の不純物濃度と同等か、あるいはそれ以下であれば、同様の収率の従来技術に比較して小さい数値となり、共晶不純物が極めて効率よく低減される。
【0022】
本発明の方法により得られる精製アルミニウムは、電解コンデンサー用アルミニウム箔の原料として使用することができる。
本発明の方法により得られる精製アルミニウムは、例えば「アルミニウム材料の基礎と工業技術」(社団法人軽金属協会)の第347頁〜第350頁に記載されているように、スラブ鋳造、熱間圧延、冷間圧延、箔圧延等の工程を経て電解コンデンサー用アルミニウム箔に加工される。
【0023】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0024】
実施例1
側壁および蓋部に保温用加熱ヒーターを有し、耐火煉瓦を内張りした鉄製容器を、容器底部が空気冷却可能なターンテーブル上に固定した。また、ターンテーブルとは別に、昇降可能な攪拌子を容器上部から吊るした。
(工程1)該容器に、不純物としてSiを0.02wt%、Feを0.037wt%含有する原料溶融アルミニウム280kgを供給し、670℃に保持し、攪拌子を溶融アルミニウム中に浸漬した。ターンテーブルの回転数25rpm、攪拌子の回転数200rpmで双方を逆に回転させながら、容器底部を空気冷却して容器底部からアルミニウムを晶出させた。晶出の進行とともに、容器底部の晶出アルミニウムの表面と攪拌子の間隔が約100mmになるように、攪拌子を上昇させながら、6時間かけて精製を行なった。その後、攪拌子の回転を停止し、攪拌子を溶融アルミニウムから引き上げるとともに、ターンテーブルの回転を停止し、直ちに該容器を傾動して内部に残存する溶融アルミニウムを排出した。排出した溶融アルミニウムの重量は130kgであった。従って、該容器内に晶出したアルミニウムは150kgであった。
(工程2)次いで、工程1において溶融アルミニウムを排出し、晶出したアルミニウムを底部に保有する該容器に、工程1で用いた原料アルミニウムと同じ不純物濃度のアルミニウム220kgを、溶解炉にて融解し、900℃に加熱して供給した。その顕熱により、該容器底部に晶出していたアルミニウムは融解し、該容器内のアルミニウムは溶融状態となった。その後、工程1と同様の方法で8時間かけて精製を行い、残存する溶融アルミニウムの排出を行なった。排出した溶融アルミニウムの重量は170kgであった。従って、晶出したアルミニウムは200kgであった。
実験終了後、該容器に晶出したアルミニウムを再融解して精製アルミニウムとして採取した。精製アルミニウムを分析したところ、不純物としてSiを0.003wt%、Feを0.002wt%含有していた。精製効率はSi、Feそれぞれ0.15、0.05であった。工程1、2で供給した原料アルミニウムは合計で500kg、精製アルミニウムは200kgで、全体の収率は40%であった。
【0025】
比較例1
原料溶融アルミニウムの重量を500kg、精製時間を8時間とした以外は実施例の工程1と同様にして、精製ならびに残存する溶融アルミニウムの排出を行なった。排出した溶融アルミニウムの重量は300kgであった。従って、容器内に晶出したアルミニウムは200kgであった。
実験終了後、該容器に晶出したアルミニウムを再融解して精製アルミニウムとして採取した。精製アルミニウムを分析したところ、不純物としてSiを0.004wt%、Feを0.003wt%含有していた。精製効率はSi、Feそれぞれ0.2、0.08であった。供給した原料アルミニウムは500kg、精製アルミニウムは200kgで、収率は40%であった。
【0026】
上記に示された結果から明らかなように、本発明によれば、Si、Feの精製効率ならびに精製アルミニウム中のSi、Feの濃度は比較例に比べてそれぞれ75%、67%に低減されており、共晶不純物が効率よく除去できることがわかる。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、Si,Fe等の共晶不純物を含む溶融アルミニウムから効率よく純度の高いアルミニウムを晶出させてアルミニウムを精製することができる。
また、得られた高純度アルミニウムは、電解コンデンサー用箔、スパッタリングターゲット、ハードディスク用基板、超伝導安定化材、ボンディングワイヤー等に好適に使用される。

Claims (3)

  1. 偏析原理を利用したアルミニウムの精製方法において、原料溶融アルミニウムを保持した容器内で冷却して純度の高いアルミニウムを晶出させた後、該容器内部に残存する純度の低い溶融アルミニウムを排出する工程(工程1)と、
    該容器に新たに原料アルミニウムを溶融状態で供給し、その顕熱によって、工程1において晶出させたアルミニウムとともに溶融状態とした後、再度該容器内で冷却して純度の高いアルミニウムを晶出させ、次いで該晶出アルミニウムを該容器内部に残存する純度の低い溶融アルミニウムから分離する工程(工程2)
    からなるアルミニウムの精製方法。
  2. 偏析原理を利用したアルミニウムの精製方法が、原料溶融アルミニウムを保持した容器の底部を冷却し、該容器底部に純度の高いアルミニウムを晶出させる精製方法である請求項1に記載のアルミニウムの精製方法。
  3. 原料アルミニウムを請求項1または請求項2に記載の方法により精し、次いでスラブ鋳造、熱感圧延、冷間圧延および箔圧延の工程を経て加工することを特徴とする電解コンデンサー用アルミニウム箔の製造方法
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