JP3695287B2 - アルミニウムの精製方法およびその用途 - Google Patents

アルミニウムの精製方法およびその用途 Download PDF

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  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウムの精製方法およびその用途に関する。詳しくは、偏析原理を利用して工業的に有利で、Si、Feなどの共晶不純物を十分に低減しうる、高純度アルミニウムの製造方法および該方法により得られた精製アルミニウムの用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
偏析原理を利用したアルミニウムの精製方法としては、容器内に保持した原料溶融アルミニウムを下方または側面から冷却凝固させる際に,その凝固界面近傍の溶融アルミニウムを攪拌する方法や、原料溶融アルミニウムを保持する容器の内壁や原料溶融アルミニウムに浸漬した冷却体の表面に晶出したアルミニウム結晶をかき落として原料溶融アルミニウムの保持容器の底部にピストンなどにより押し固める方法、原料溶融アルミニウムに浸漬した冷却体を回転させながら、冷却体の表面に純度の高いアルミニウムを晶出させる方法などが知られている。
【0003】
特公昭59−41500号公報には、撹拌子を備えたるつぼ内に精製すべき溶融アルミニウムを入れ、るつぼ底部より冷却し、攪拌子を回転、上昇させながらアルミニウムを凝固成長させる高純度アルミニウムの製造方法が開示されている。
【0004】
また、特公平1−37458号公報には、水平な床を備え、側壁が断熱構造となっている容器に溶融アルミニウムを収容し、該溶融アルミニウムに攪拌機を挿入して攪拌しながら、一方では該床内部の冷却媒体流通管に冷却媒体を流通させ、他方では該溶融アルミニウムの表面を加熱することにより、該床表面にアルミニウム結晶を晶出させるアルミニウムの純化方法が開示されている。
【0005】
また、特開平5−125462号公報には、原料溶融アルミニウムを容器内に保持し、該容器の上部および側部を制御された温度条件下に保温管理し、該容器底部より冷却しながら、該容器をその垂直軸を中心に回転させると同時に、該容器中の溶融アルミニウムを該容器回転方向と逆方向に攪拌子により回転させることにより容器底部に純度の高いアルミニウムを晶出させるアルミニウムの精製方法が開示されている。
【0006】
また、特開昭59−170227号公報には、溶融アルミニウムを保持した容器の内壁に純度の高いアルミニウム結晶を晶出させ、該結晶を容器底部に掻き落とし、沈積した結晶を押し固めるアルミニウムの精製方法が開示されている。
【0007】
また、特開昭62−158830号公報には、溶融アルミニウムに浸漬した冷却体の表面に晶出したアルミニウム結晶をピストンによって容器底部に圧縮し、残留する溶融アルミニウムを排出するアルミニウムの精製方法が開示されている。
【0008】
また、特公昭61−3385号公報には、溶融アルミニウムに浸漬した冷却体を特定の条件で回転させながら、その表面に純度の高いアルミニウムを晶出させるアルミニウムの精製方法が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの従来の技術においては、得られる精製アルミニウム中の不純物を必ずしも十分には低減できない。その理由は、偏析原理を利用したこれらのアルミニウムの精製方法においては、1回の精製操作で低減できる共晶不純物の割合に限界があることにある。
【0010】
偏析原理を利用した精製方法において、不純物の低減割合は、精製係数(=精製アルミニウム中の不純物元素の濃度/原料アルミニウム中の不純物元素の濃度)で表わすことができる。例えば、Si、Feなどの共晶不純物を含む原料アルミニウムを偏析原理を利用した精製方法により精製する場合、これら共晶元素の精製係数は通常1よりも小さいので低減は可能であるが、Al−Si、Al−Fe等の状態図等で示される平衡分配係数(=精製アルミニウム中の不純物元素の平衡濃度/溶融アルミニウム中の不純物元素の平衡濃度)未満に低減することは一般的には困難である。実際には、平衡分配係数よりも大きい実効分配係数(不純物元素の濃度が凝固界面の溶融アルミニウム側で平衡濃度よりも増大する場合の分配係数)未満に低減することは一般的には困難である。また、工業的にアルミニウムの精製を行なう場合は、原料溶融アルミニウムの20〜70%程度を晶出させるが、晶出量の増大にともない、溶融アルミニウム中の共晶不純物元素の濃度が増大する結果、精製係数はより大きい値となり、得られる精製アルミニウム中の不純物を十分には低減できないのである。
【0011】
2回以上の精製操作を工業的に実施する方法として、雑誌「省エネルギー、35巻、4号、45頁(1983年)」に、コージュナルプロセスなる方法が開示されている。
【0012】
本発明の目的は、全体プロセスにおける製品歩留まり(=回収製品量/投入原料)が更に向上し、しかもSi、Feなどの共晶不純物が十分に低減された、高純度アルミニウムの製造方法および該方法により得られた精製アルミニウムの用途を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、かかる状況を鑑み、偏析原理を利用したアルミニウムの精製方法について鋭意検討した結果、精製工程を特殊な方法により連続化することにより、工業的に有利な、共晶不純物を極めて効率よく低減し得るアルミニウムの精製方法を見出し本発明を完成させるに至った。
【0014】
すなわち、本発明は、以下の1〜13から成る。
1.溶融アルミニウムの保持容器N+1個(Nは2以上の整数)と、純度の高いアルミニウムを表面に晶出させる冷却体N個を、それぞれ順に配置し、最初にN+1個の保持容器に精製の原料となるアルミニウムを溶融状態で保持した後、以下の一連の工程(1)から(4)を2回以上繰り返し行うアルミニウムの精製方法。
(1)N個の冷却体を、それぞれ、n番目(nは1からNまでの整数)の冷却体が、n番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムに浸されるように、該溶融アルミニウムに浸漬するとともに、冷却体の表面に純度の高いアルミニウムを晶出させる工程、
(2)純度の高いアルミニウムが表面に晶出したN個の冷却体を溶融アルミニウムから引き上げた後、n+1番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムにn番目の冷却体が浸漬できるように保持容器と冷却体を相対的に移動させ、また、1番目の保持容器に精製の原料となるアルミニウムを補給する工程(但し、一連の工程(1)から(4)の繰り返しの最終回は補給の必要はない)、
(3)純度の高いアルミニウムが表面に晶出したN個の冷却体を、n+1番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムにn番目の冷却体が浸漬するように浸漬するとともに加熱して、冷却体の表面に晶出した純度の高いアルミニウムを融解する工程、
(4)表面に晶出した純度の高いアルミニウムが融解したN個の冷却体を溶融アルミニウムから引き上げた後、n番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムにn番目の冷却体が浸漬できるように保持容器と冷却体を相対的に移動させ、また、N+1番目の保持容器から精製された溶融アルミニウムを回収する工程。
2.一連の工程(1)から(4)を2回以上繰り返し行い、その後1番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムを排出し、該1番目の保持容器に工程(4)にて回収された、精製されたアルミニウムの一部を溶融状態で供給した後、該1番目の保持容器をN+1番目の保持容器とし、溶融アルミニウムを保持するその他のn+1番目(nは1からNまでの整数)の保持容器をn番目の保持容器とするまでを1サイクルとし、2サイクル以降はN+1個の保持容器に前のサイクルの終了時のアルミニウムを溶融状態で保持した後、1サイクルにおける最初にN+1個の保持容器に精製の原料となるアルミニウムを溶融状態で保持した後の操作を1サイクルと同様に行う1.に記載のアルミニウムの精製方法(但し、一連の工程(1)から(4)の繰り返しの最終回は工程(4)の精製された溶融アルミニウムの回収の必要はない)。
【0015】
3.N+1個の保持容器を1番目からN+1番目まで直線状に順に配置し、サイクル終了時に1番目の保持容器をN+1番目の保持容器の最後尾に移動する上記2.に記載のアルミニウムの精製方法。
4.N+1個の保持容器を1番目からN+1番目まで円形状に順に等間隔に配置し、サイクル終了時に全ての保持容器を該円形中心を中心として360/(N+1)度公転させる上記2に記載のアルミニウムの精製方法。
5.Nが2または3である上記1〜4のいずれかに記載のアルミニウムの精製方法。
6.最初にN+1個の保持容器に、純度が精製の原料となるアルミニウムよりも高く、n+1番目の保持容器に保持するアルミニウムの純度がn番目の保持容器に保持するアルミニウムの純度よりも高い所定の純度以上であるアルミニウムを溶融状態で保持する上記2〜5のいずれかに記載のアルミニウムの精製方法。
7.1つのサイクルにおいて、一連の工程(1)から(4)を5ないし15回繰り返し行う上記2〜6のいずれかに記載のアルミニウムの精製方法。
8.工程(1)において、n番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムにn番目の冷却体を浸漬する前に、1番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムを排出し、該1番目の保持容器に精製の原料となるアルミニウムを溶融状態で供給する工程を、1つのサイクルにおいて1ないし2回実施する上記2〜7のいずれかに記載のアルミニウムの精製方法。
【0016】
9.工程(1)において、n番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムにn番目の冷却体を浸漬するとともに、冷却体を中心に冷却体の周囲で溶融アルミニウムを旋回させ、かつ、溶融アルミニウム中でガス気泡を形成するガスを溶融アルミニウム中に導入して冷却体の表面に純度の高いアルミニウムを晶出させる上記1〜8のいずれかに記載のアルミニウムの精製方法。
10.ガス気泡を形成するガスの種類が空気である上記9に記載のアルミニウムの精製方法。
11.工程(1)において、n番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムに、n番目の冷却体を浸漬するとともに、冷却体を回転させて冷却体の表面に純度の高いアルミニウムを晶出させる上記1〜10のいずれかに記載のアルミニウムの精製方法。
12.工程(1)において、n番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムに、周面がアルミニウムの融点未満の温度のn番目の冷却体を回転させながら溶融アルミニウムに浸漬する、及び/又は、工程(2)において、純度の高いアルミニウムが表面に晶出したN個の冷却体を、回転させながら溶融アルミニウムから引き上げる上記1〜11のいずれかに記載のアルミニウムの精製方法。
13.全体プロセスにおけるSi、Feの精製係数(=精製アルミニウム中の不純物元素の濃度/原料アルミニウム中の不純物元素の濃度)がそれぞれ0.1以下、0.05以下であり、かつ、製品歩留まり(=回収製品量/投入原料量)が0.4を超える上記1〜12のいずれかに記載のアルミニウムの精製方法。
14.上記1〜13のいずれかに記載の方法により得られた精製アルミニウムを原料として用いた電解コンデンサー用アルミニウム箔。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の方法においては、溶融アルミニウムの保持容器をN+1個と、該保持容器に保持された溶融アルミニウムに浸漬し、表面に純度の高いアルミニウムを晶出させる冷却体N個を用いる。N+1個の保持容器は1番目からN+1番目まで、N個の冷却体は1番目からN番目までそれぞれ順に配置される。
保持容器ならびに冷却体の構造については特に制限はないが、溶融アルミニウムとの接触面は、アルミニウムを汚染しないか、または、汚染が生じても晶出するアルミニウムの純度にほとんど影響しないような材質で構成されていることが好ましい。溶融アルミニウムとの接触面を構成する材質としては、例えば、アルミナ、マグネシア、カルシアなどの酸化物セラミックス、窒化けい素、炭化けい素、窒化ほう素などの非酸化物セラミックス、および黒鉛、炭素などが採用可能である。さらに、上記材質を複合化して用いたり、表面処理して用いることも可能である。また、通常、鉄、ステンレスなどの金属は溶融アルミニウムと接触して溶融アルミニウムを汚染するが、上述したような非汚染物質を金属の表面に処理して用いることも可能である。
【0018】
本発明の方法においては、まず最初にN+1個の保持容器に精製の原料となるアルミニウムを溶融状態で保持する。
精製の原料として用いるアルミニウムは、状態図のアルミニウム隅で共晶反応を示すSi、Feなどの共晶元素を不純物として含む。その外に、Ti、Vなどの包晶元素を含む場合もあるが、偏析原理を利用した精製方法において、包晶元素を共晶元素と同時に除去することは困難で、逆に濃縮する傾向がある。従って、これらの包晶元素の低減が必要な場合には、溶融アルミニウムにB(ほう素)を添加してTi、Vなどのほう化物を形成させ、分離する所謂ボロン処理を実施することが好ましい。ボロン処理については、例えば「アルミニウム材料の基礎と工業技術」(社団法人軽金属協会)の第343頁(1985年)に記載されているように、ほう弗化カリやAl−B合金の形でBを投入しTi、Vなどのほう化物を形成させ、沈降、除去することが多い。
本発明の方法において、原料として用いるアルミニウムの純度については特に制限はないが、98wt%から99.99wt%程度である。
原料となるアルミニウムは、例えば、別途溶解炉などにて融解し、精製に用いられる容器に溶融状態で供給して保持するが、固体状態で容器に供給した後、容器内で融解しても何ら差し支えない。
【0019】
本発明の方法において、まず最初にN+1個の保持容器に精製の原料となるアルミニウムを溶融状態で保持した場合、一連の工程(1)から(4)を繰返すに従い、n+1番目の保持容器に保持されるアルミニウムの純度はn番目の保持容器に保持されるアルミニウムの純度よりも高くなっていく。
本発明の好ましい態様においては、最初にN+1個の保持容器に、純度が精製の原料となるアルミニウムよりも高く、n+1番目の保持容器に保持するアルミニウムの純度が、n番目の保持容器に保持するアルミニウムの純度よりも高い所定の純度以上であるアルミニウムを溶融状態で保持した後、一連の工程(1)から(4)を2回以上繰り返し行う。
ここで言う所定の純度とは、本発明の方法において、N+1個の保持容器に溶融状態で保持されるアルミニウムの純度が、各精製サイクルの開始時にn番目の保持容器に保持される溶融アルミニウム同士でそれぞれ等しくなるような純度である。
該所定の純度は、最初にN+1個の保持容器に精製の原料となるアルミニウムを溶融状態で保持して、本発明の方法を数サイクル以上繰返し実施した後に、サイクル開始時の保持容器N+1個にそれぞれ保持された溶融アルミニウムの純度である。
【0020】
また、該所定の純度は、工程(2)において1番目の保持容器に補給する原料となるアルミニウム中の不純物濃度、工程(1)での回収率(%)(=晶出アルミニウム量/初期溶融アルミニウム量×100)、1回の精製操作における不純物元素の精製係数(=晶出アルミニウム中の不純物元素の濃度/晶出前の溶融アルミニウム中の不純物元素の濃度)、一連の工程(1)から(4)の繰り返し回数を決めれば、例えばパーソナルコンピューター等による収束計算にて求めることも可能である。
好ましい態様に示すように、最初に、N+1個の保持容器に、純度が精製の原料となるアルミニウムよりも高く、n+1番目の保持容器に保持するアルミニウムの純度が、n番目の保持容器に保持するアルミニウムの純度よりも高い所定の純度以上であるアルミニウムを溶融状態で保持しておくことにより、一連の工程(1)から(4)を繰り返す場合に、繰返しの初回から極めて純度が高い、精製されたアルミニウムが回収され、かつ、一連の工程(1)から(4)の繰返しにより回収される精製されたアルミニウムの純度の変化が小さくなる。また、1つの精製サイクルで回収される精製されたアルミニウムの純度の平均値の、精製のサイクル間での変化も小さくなる。
【0021】
本発明の方法における一連の工程(1)から(4)について、以下に説明する。
工程(1)においては、n番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムに、n番目の冷却体を浸漬するとともに、冷却体の表面に純度の高いアルミニウムを晶出させる。
冷却体を溶融アルミニウムに浸漬する方法については特に制限はなく、保持容器を移動させても、冷却体を移動させても、両方を移動させてもよい。
冷却体には何らかの冷却手段が付加されていることが望ましく、例えば、中空構造にして内部に冷却媒体を循環させるなどの方法が採用可能である。冷却体の内部に循環させる冷却媒体については特に制限はないが、例えば、空気、窒素、二酸化炭素、不活性ガスなどの気体、水、シリコンオイルなどの液体が採用可能である。冷却能力を増大させるために、気体を加湿してもよい。
また、冷却体の表面に晶出するアルミニウムの純度をより高くするための好ましい態様として以下の方法が実施可能である。
【0022】
(1)冷却体を中心に冷却体の周囲で溶融アルミニウムを旋回させ、かつ、溶融アルミニウム中でガス気泡を形成するガスを溶融アルミニウム中に導入して冷却体の表面に純度の高いアルミニウムを晶出させる方法。
また、冷却体を中心に冷却体の周囲で溶融アルミニウムに働く遠心加速度が、0.01m/s2以上、1500m/s2以下の範囲になるように溶融アルミニウムを旋回させ、かつガス気泡を形成するガスの導入量が晶出させるアルミニウム1kg当たりにつき0.01〜150リットル(25℃、1気圧)の範囲になるようにガス気泡を溶融アルミニウム中に導入して冷却体の表面に純度の高いアルミニウムを晶出させる方法。
これらの場合、溶融アルミニウム中でガス気泡を形成するガスの種類としては、基本的にはその温度で溶融アルミニウム中で気体状態であり、溶融アルミニウム中に多量に溶解しないガスが好ましく、ヘリウム、アルゴン等の溶融アルミニウムに対して不活性なガス、窒素等の溶融アルミニウムに対して実質的に不活性なガス、空気、塩素、塩化物ガス、またはこれらの混合ガスが利用可能である。ガス気泡を形成するガスの種類が空気であることがより好ましい。冷却体の周囲で溶融アルミニウムを旋回させるにあたっては、例えば、冷却体を回転させる、保持容器を回転させる、攪拌子または電磁力により溶融アルミニウムを旋回させるなどの方法が採用可能である。
(2)冷却体を回転させて冷却体の表面に純度の高いアルミニウムを晶出させる方法。
(3)冷却体を回転させながら溶融アルミニウムに浸漬していく方法。この場合、周面がアルミニウムの融点未満の温度の冷却体を回転させながら溶融アルミニウムに浸漬していくことにより、精製時間の短縮もはかることができる。
好ましくは、工程(1)において、n番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムに、周面がアルミニウムの融点未満の温度のn番目の冷却体を、該冷却体の外周表面と溶融アルミニウムとの相対速度が、1000mm/s以上、8000mm/s未満となるように回転させながら溶融アルミニウムに浸漬するとともに冷却体の表面に純度の高いアルミニウムを晶出させる。
該冷却体を回転させながら溶融アルミニウムに浸漬する場合、溶融アルミニウムは融点以上、好ましくは670℃以上に加熱されている必要がある。
冷却体の表面に晶出させる純度の高いアルミニウムの量、即ち単位精製工程での回収率(%)(=晶出アルミニウム量/初期溶融アルミニウム量×100)は、通常20%〜70%程度であり、好ましくは20%〜50%、より好ましくは20%〜35%である。
【0023】
工程(2)においては、純度の高いアルミニウムが表面に晶出したN個の冷却体を溶融アルミニウムから引き上げた後、n+1番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムにn番目の冷却体が浸漬できるように、保持容器と冷却体を相対的に移動させ、また、1番目の保持容器に精製の原料となるアルミニウムを補給する。
精製されたアルミニウムの純度をより高くするための好ましい態様として、純度の高いアルミニウムが表面に晶出したN個の冷却体を、回転させながら溶融アルミニウムから引き上げていく方法が実施可能である。
工程(2)において、純度の高いアルミニウムが表面に晶出したN個の冷却体を、該冷却体の外周表面と溶融アルミニウムとの相対速度が500mm/s以上、4000mm/s未満となるように回転させながら溶融アルミニウムから引き上げる方法がさらに好ましい。
また、工程(1)および工程(2)において、冷却体を回転させながら溶融アルミニウムに浸漬していく方法[工程(1)]と、純度の高いアルミニウムが表面に晶出したN個の冷却体を回転させながら溶融アルミニウムから引き上げる方法[工程(2)]の何れか一方の方法を採用しても良く、また、双方の方法を採用しても良い。
【0024】
冷却体を溶融アルミニウムから引き上げる方法、ならびに、保持容器と冷却体を相対的に移動させる方法については特に制限はなく、保持容器を移動させても、冷却体を移動させても、両方を移動させてもよい。例えば、各冷却体と各保持容器を等間隔に配置しておき、各冷却体を同時に引き上げ、その後、各保持容器を同時に移動させるなどの方法が採用可能である。
1番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムの量は、工程(1)において1番目の冷却体の表面に晶出した純度の高いアルミニウムの量が精製の原料として投入したアルミニウムの量よりも減少しているため、原料となるアルミニウムをその減少分だけ補給する。但し、一連の工程(1)から(4)の繰り返しの最終回は、その後1番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムを排出するため、補給の必要はない。
【0025】
工程(3)においては、純度の高いアルミニウムが表面に晶出したN個の冷却体を、n+1番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムにn番目の冷却体が浸漬するように浸漬するとともに加熱して、冷却体の表面に晶出した純度の高いアルミニウムを融解する。
冷却体を溶融アルミニウムに浸漬する方法については、工程(1)と同様に特に制限はなく、保持容器を移動させても、冷却体を移動させても、両方を移動させてもよい。
冷却体の表面に晶出した純度の高いアルミニウムを融解する際の加熱手段については特に制限はないが、重油、軽油、灯油などの燃料油、プロパンガス、液化石油ガスなどの燃料ガスなどの燃焼、あるいは電気による抵抗加熱ヒーター等を用いて、容器の外周面から間接的に、あるいは溶融アルミニウム表面から直接的に溶融アルミニウムを加熱することが可能である。冷却体の内部に加熱手段を装備しておき、冷却体を加熱しても何ら差し支えない。
なお、冷却体の表面に晶出した純度の高いアルミニウムを融解する際に、冷却体の周囲で溶融アルミニウムを旋回させたり、溶融アルミニウムに浸漬した冷却体を回転させることによって融解を促進することも可能である。
【0026】
工程(4)においては、表面に晶出した純度の高いアルミニウムが融解したN個の冷却体を、溶融アルミニウムから引き上げた後、n番目の保持容器に保持された溶融アルミニウム中に、n番目の冷却体が浸漬できるように、保持容器と冷却体を相対的に移動させ、また、N+1番目の保持容器から精製された溶融アルミニウムを回収する。
冷却体を溶融アルミニウムから引き上げる方法、ならびに、保持容器と冷却体を相対的に移動させる方法については、工程(2)と同様に特に制限はない。
N+1番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムの量は、工程(3)においてN番目の冷却体の表面から融解した純度の高いアルミニウムの量が増加しているため、精製されたアルミニウムとしてその増加分を回収する。但し、一連の工程(1)から(4)の繰り返しの最終回は、その後N+1番目の保持容器がN番目の保持容器となるため、回収の必要はない。
【0027】
本発明の方法においては、以上に詳述した一連の工程(1)から(4)を2回以上繰返して行う。
n番目の保持容器でn番目の冷却体の表面に晶出させた純度の高いアルミニウムを、n+1番目の保持容器で融解することの繰返しにより、より大きい番号の保持容器に保持された溶融アルミニウムほど純度が高くなり、N+1番目の保持容器から回収される精製された溶融アルミニウムは、極めて純度が高い高純度アルミニウムとなるのである。
一連の工程(1)から(4)の繰返しの回数については、2回以上であれば特に制限はないが、繰返し回数が少な過ぎると製品歩留まり(回収製品量/投入原料量)が低く、また、繰返し回数が増大するにつれてより小さい番号の保持容器に保持された溶融アルミニウムほど純度が低くなり、結果としてN+1番目の保持容器から回収される精製された溶融アルミニウムの純度が低下する。好ましい繰返し回数は5〜15回である。
【0028】
本発明の方法において、Nは2以上の整数であり、特に制限はない。Nが大きいほど、N+1番目の保持容器から回収される精製された溶融アルミニウムの純度は高くなるが、あまりNを大きくすると多大な設備が必要となる。通常原料として用いられるアルミニウムの不純物濃度(100〜10000ppm)と、通常使用される精製されたアルミニウムの不純物濃度(10〜100ppm)から勘案して、好ましいNは2または3である。
【0029】
本発明の方法においては、一連の工程(1)から(4)を2回以上繰り返し行った後、1番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムを排出し、該1番目の保持容器に工程(4)にて回収された、精製されたアルミニウムの一部を溶融状態で供給した後、該1番目の保持容器をN+1番目の保持容器とし、溶融アルミニウムを保持するその他のn+1番目(nは1からNまでの整数)の保持容器をn番目の保持容器とするまでを1サイクルとし、2サイクル以降はN+1個の保持容器に前のサイクルの終了時のアルミニウムを溶融状態で保持した後、一連の工程(1)から(4)を2回以上繰り返し行う。
上述したように、一連の工程(1)から(4)の繰返し回数が増大するにつれて、より小さい番号の保持容器に保持された溶融アルミニウムほど純度が低くなる。一連の工程(1)から(4)を所定の回数繰返した後、1番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムの純度は、それ以上一連の工程(1)から(4)を繰返しても所望の純度まで精製されたアルミニウムが得られない程度に低下しているため、1番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムを排出し、該保持容器をN+1番目の保持容器として、既に繰返された工程(4)にて回収された、精製された溶融アルミニウムの一部を該保持容器に供給する。2番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムの純度は比較的高いので、該保持容器を1番目の保持容器とし、同様にしてn+1番目の保持容器をn番目の保持容器とする。
これらの保持容器の順番変更と溶融アルミニウムの排出、供給までを1サイクルとし、2サイクル以降はN+1個の保持容器に前のサイクルの終了時のアルミニウムを溶融状態で保持した後、一連の工程(1)から(4)を2回以上繰り返し行うことにより、連続的かつ安定したアルミニウムの精製が可能となる。
【0030】
本発明の好ましい態様においては、N+1個の保持容器を1番目からN+1番目まで直線状に順に配置し、サイクル終了時に1番目の保持容器をN+1番目の保持容器の最後尾に移動する。また、本発明のもう一つの好ましい態様においては、N+1個の保持容器を1番目からN+1番目まで円形状に順に等間隔に配置し、サイクル終了時に全ての保持容器を該円形中心を中心として360/(N+1)度公転させる。これらの態様をとることにより、より迅速に次のサイクルに移行することが可能となり、生産性の増大が可能となる。
なお、本発明の好ましい態様においてはサイクル終了時に保持容器を移動させるが、これに代えて冷却体を相対的に移動させる方法も採用可能である。
【0031】
また、一連の工程(1)から(4)を所定の回数繰り返す途中で、工程(1)において、n番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムにn番目の冷却体を浸漬する前に、1番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムを排出し、該1番目の保持容器に精製の原料となるアルミニウムを溶融状態で供給することも本発明の好ましい態様の一つであり、その場合にはN+1番目の保持容器から回収される精製されたアルミニウムの純度はさらに向上する。
【0032】
本発明の方法のうち、N+1個の保持容器を1番目からN+1番目まで直線状に順に配置した方法を図1に、Nを2とした場合の方法を図2に示す。
【0033】
本発明の方法によれば、0.4を超える高い製品歩留まり(=回収製品量/投入原料量)において、共晶不純物が極めて効率よく低減される。
従来技術による偏析原理を利用した精製方法において、1回の精製操作におけるSi、Feの精製係数(=精製アルミニウム中の不純物元素の濃度/原料アルミニウム中の不純物元素の濃度)は、製品歩留まりを0.2〜0.5程度とした場合、それぞれおよそ0.2、0.1程度である。さらに小さい精製係数を得るためには、2回の精製操作を実施する必要があり、その結果Si、Feのトータルの精製係数はそれぞれおよそ0.1以下、0.05以下程度に向上するが、製品歩留まりは0.25以下程度に減少してしまう。
一方、本発明の、最初にN+1個の保持容器に、純度が精製の原料となるアルミニウムよりも高く、n+1番目の保持容器に保持するアルミニウムの純度が、n番目の保持容器に保持するアルミニウムの純度よりも高い所定の純度以上であるアルミニウムを溶融状態で保持した後、一連の工程(1)から(4)を2回以上繰り返し行う方法において、工程(1)での回収率(%)(=晶出アルミニウム量/初期溶融アルミニウム量×100)を0.25程度とし、単位精製操作におけるSi、Feの精製係数を従来技術と同じ0.2、0.1程度とし、さらにNを2、一連の工程(1)から(4)の繰り返しの回数を10回とした場合、Si、Feのトータルの精製係数はそれぞれおよそ0.1以下、0.05以下に向上し、しかも0.4を超える高い製品歩留まりを達成することが可能となる。
また、本発明においては、最初に、所定の純度以上ではなく、N+1個の全ての保持容器に精製の原料となるアルミニウムを溶融状態で保持した後、一連の工程(1)から(4)を2回以上繰り返し行う方法においても、サイクル数を増大させるに従いSi、Feのトータルの精製係数はそれぞれおよそ0.1以下、0.05以下に向上し、しかも0.4を超える高い製品歩留まりを達成することが可能となる。
【0034】
本発明の方法により得られる精製アルミニウムは、電解コンデンサー用アルミニウム箔の原料として使用することができる。
本発明の方法により得られる精製アルミニウムは、例えば「アルミニウム材料の基礎と工業技術」(社団法人軽金属協会)の第347頁〜第350頁(1985年)に記載されているように、スラブ鋳造、熱間圧延、冷間圧延、箔圧延等の工程を経て電解コンデンサー用アルミニウム箔に加工される。
【0035】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、下記の実施例のうち5、6は、参考例において実験により求められた工程(1)における1回の精製操作における不純物元素Si、Feの精製係数(=晶出アルミニウム中の不純物元素の濃度/晶出前の溶融アルミニウム中の不純物元素の濃度)0.2および0.08用い、最初にそれぞれの保持容器に溶融状態で保持するアルミニウム中の不純物濃度、工程(2)において1番目の保持容器に補給する原料となるアルミニウム中の不純物濃度、工程(1)での回収率(%)(=晶出アルミニウム量/初期溶融アルミニウム量×100)、一連の工程(1)から(4)の繰り返し回数を決め、パーソナルコンピューターによる収束計算にて求めたシミュレーション結果である。
【0036】
実施例1
3個の保持容器を1番目から3番目まで円形状に順に等間隔に配置した本発明の方法において、Si、Feの濃度がそれぞれ130、65ppmのアルミニウムを1番目の保持容器に、15、4ppmのアルミニウムを2番目の保持容器に、12、2ppmのアルミニウムを3番目の保持容器にそれぞれ溶融状態で保持した。
その後、以下の一連の工程(1)から(4)を10回繰り返し実施した。
[工程(1)]1番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムに1番目の冷却体を、2番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムに2番目の冷却体を浸漬してそれぞれ回収率が約25%に達するまで、冷却体の表面にアルミニウムを晶出させた。
[工程(2)]アルミニウムが表面に晶出した2個の冷却体を、溶融アルミニウムから引き上げた後、2番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムに1番目の冷却体が、3番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムに2番目の冷却体が浸漬できるように、保持容器が載せてある円盤を120度回転させ、また、1番目の保持容器にSi、Feの濃度がそれぞれ210、270ppmの精製の原料となるアルミニウムを、工程(1)での晶出量分だけ補給した。(但し、一連の工程(1)から(4)の繰返しの最終回は補給しなかった。)
[工程(3)]アルミニウムが表面に晶出した2個の冷却体を、2番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムに1番目の冷却体が、3番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムに2番目の冷却体が浸漬するように浸漬するとともに加熱して、冷却体の表面に晶出したアルミニウムを融解した。
[工程(4)]表面に晶出したアルミニウムが融解した2個の冷却体を、溶融アルミニウムから引き上げた後、1番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムに1番目の冷却体が、2番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムに2番目の冷却体が浸漬できるように、保持容器が載せてある円盤を120度回転させ、また、3番目の保持容器から精製された溶融アルミニウムを、工程(1)での晶出量分だけ回収した。(但し、一連の工程(1)から(4)の繰返しの最終回は回収しなかった。)
【0037】
なお、工程(1)においては、溶融アルミへの浸漬時に冷却体を回転させ、また、アルミニウム晶出時に冷却体を回転させて冷却体の周囲で溶融アルミニウムを旋回させるとともに、空気を気泡状態で溶融アルミニウム中に導入した。工程(2)においては、溶融アルミからの引上げ時に冷却体を回転させた。
また、一連の工程(1)から(4)を10回繰り返したうちの7回目には、工程(1)において、1番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムに1番目の冷却体を浸漬する前に、1番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムを排出し、該1番目の保持容器にSi、Feの濃度がそれぞれ210、270ppmの精製の原料となるアルミニウムを溶融状態で供給した。
その後1番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムを排出し、工程(4)にて9回回収される精製されたアルミニウムの内の3回分を1番目の保持容器に溶融状態で供給するとともに、保持容器が載せてある円盤を120度(360度/(N=3))回転させ、1番目の保持容器を3番目の保持容器、2番目の保持容器を1番目の保持容器、3番目の保持容器を2番目の保持容器とした。ここまでを1サイクル目とし、2サイクル目以降は3個の保持容器に前のサイクルの終了時のアルミニウムを溶融状態で保持した後、上記の一連の工程(1)から(4)を1サイクル目と同じく10回ずつ繰り返し実施した。
1つのサイクルにおいて、工程(4)において回収された精製されたアルミニウムに含まれるSi、Feの平均濃度はそれぞれ9、4ppmであり、その濃度はサイクルによらずほぼ一定であった。トータルの精製係数はSi、Feそれぞれ0.04、0.01であった。また、工程(4)において9回回収された精製されたアルミニウムから、一連の工程(1)から(4)を10回繰り返し行った後に、1番目の保持容器に供給したアルミニウムを差し引いた製品量に対して、工程(1)において1回供給、工程(2)において9回補給された精製の原料となるアルミニウムの量を考慮して、トータルの製品歩留まりは0.5であった。
【0038】
実施例2
3個の保持容器を1番目から3番目まで円形状に順に等間隔に配置した本発明の方法において、Si、Feの濃度がそれぞれ110、50ppmのアルミニウムを1番目の保持容器に、12、4ppmのアルミニウムを2番目の保持容器に、10、3ppmのアルミニウムを3番目の保持容器にそれぞれ溶融状態で保持した。
一連の工程(1)から(4)の繰り返し回数を9回とし、また、一連の工程(1)から(4)の繰り返しの6回目に、工程(1)において、1番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムに1番目の冷却体を浸漬する前に、1番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムを排出し、該1番目の保持容器にSi、Feの濃度がそれぞれ210、270ppmの精製の原料となるアルミニウムを溶融状態で供給した以外は実施例1と同様にしてアルミニウムの精製を実施した。
1つのサイクルにおいて、工程(4)において回収された精製されたアルミニウムに含まれるSi、Feの平均濃度はそれぞれ7、3ppmであり、その濃度はサイクルによらずほぼ一定であった。トータルの精製係数はSi、Feそれぞれ0.03、0.01であった。また、工程(4)において8回回収された精製されたアルミニウムから、一連の工程(1)から(4)を9回繰り返し行った後に、1番目の保持容器に供給したアルミニウムを差し引いた製品量に対して、工程(1)において1回供給、工程(2)において8回補給された精製の原料となるアルミニウムの量を考慮して、トータルの製品歩留まりは0.45であった。
【0039】
実施例3
3個の保持容器を1番目から3番目まで円形状に順に等間隔に配置した本発明の方法において、Si、Feの濃度がそれぞれ120、70ppmのアルミニウムを1番目の保持容器に、15、4ppmのアルミニウムを2番目の保持容器に、12、3ppmのアルミニウムを3番目の保持容器にそれぞれ溶融状態で保持した。
工程(1)において、空気を溶融アルミニウム中に導入しなかった以外は実施例2と同様にしてアルミニウムの精製を実施した。
1つのサイクルにおいて、工程(4)において回収された精製されたアルミニウムに含まれるSi、Feの平均濃度はそれぞれ9、3ppmであり、その濃度はサイクルによらずほぼ一定であった。トータルの精製係数はSi、Feそれぞれ0.04、0.01であった。また、工程(4)において8回回収された精製されたアルミニウムから、一連の工程(1)から(4)を9回繰り返し行った後に、1番目の保持容器に供給したアルミニウムを差し引いた製品量に対して、工程(1)において1回供給、工程(2)において8回補給された精製の原料となるアルミニウムの量を考慮して、トータルの製品歩留まりは0.45であった。
【0040】
実施例4
3個の保持容器を1番目から3番目まで円形状に順に等間隔に配置した本発明の方法において、Si、Feの濃度がそれぞれ150、70ppmのアルミニウムを1番目の保持容器に、17、4ppmのアルミニウムを2番目の保持容器に、13、3ppmのアルミニウムを3番目の保持容器にそれぞれ溶融状態で保持した。
一連の工程(1)から(4)を9回繰り返したうちの6回目に、工程(1)において、1番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムに1番目の冷却体を浸漬する前に、1番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムを排出せず、該1番目の保持容器にSi、Feの濃度がそれぞれ210、270ppmの精製の原料となるアルミニウムを溶融状態で供給しなかった以外は実施例2と同様にしてアルミニウムの精製を実施した。
1つのサイクルにおいて、工程(4)において回収された精製されたアルミニウムに含まれるSi、Feの平均濃度はそれぞれ10、5ppmであり、その濃度はサイクルによらずほぼ一定であった。トータルの精製係数はSi、Feそれぞれ0.05、0.02であった。また、工程(4)において8回回収された精製されたアルミニウムから、一連の工程(1)から(4)を9回繰り返し行った後に、1番目の保持容器に供給したアルミニウムを差し引いた製品量に対して、工程(2)において8回補給された精製の原料となるアルミニウムの量を考慮して、トータルの製品歩留まりは0.63であった。
【0041】
参考例
Si、Feの濃度がそれぞれ200、330ppmのアルミニウムを保持容器に溶融状態で保持し、冷却体を浸漬して回収率が約25%に達するまで、冷却体の表面にアルミニウムを晶出させた。なお、溶融アルミニウムへの浸漬時に冷却体を回転させ、また、アルミニウム晶出時に冷却体を回転させて冷却体の周囲で溶融アルミニウムを旋回させるとともに、空気を気泡状態で溶融アルミニウム中に導入した。アルミニウムが表面に晶出した冷却体を、溶融アルミニウムから引き上げた後、冷却体の表面に晶出したアルミニウムを精製されたアルミニウムとして冷却体から分離回収した。なお、溶融アルミニウムからの引上げ時に冷却体を回転させた。
精製されたアルミニウムに含まれるSi、Feの濃度はそれぞれ39、26ppmであり、精製係数はSi、Feそれぞれ0.2、0.08であった。
【0042】
実施例5
3個の保持容器を1番目から3番目まで円形状に順に等間隔に配置した本発明の方法において、Si、Feの濃度がそれぞれ140、85ppmのアルミニウムを1番目の保持容器に、18、4ppmのアルミニウムを2番目の保持容器に、14、2ppmのアルミニウムを3番目の保持容器にそれぞれ溶融状態で保持する。
[工程(1)]1番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムに1番目の冷却体を、2番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムに2番目の冷却体を浸漬してそれぞれ回収率が約25%に達するまで、冷却体の表面にアルミニウムを晶出させる。
[工程(2)]アルミニウムが表面に晶出した2個の冷却体を、溶融アルミニウムから引き上げた後、2番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムに1番目の冷却体が、3番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムに2番目の冷却体が浸漬できるように、保持容器が載せてある円盤を120度回転させ、また、1番目の保持容器にSi、Feの濃度がそれぞれ200、330ppmの精製の原料となるアルミニウムを、工程(1)での晶出量分だけ補給する。(但し、一連の工程(1)から(4)の繰返しの最終回は補給しない。)
[工程(3)]2番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムに1番目の冷却体が、3番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムに2番目の冷却体が浸漬するように浸漬するとともに加熱して、冷却体の表面に晶出したアルミニウムを融解する。
[工程(4)]表面に晶出したアルミニウムが融解した2個の冷却体を、溶融アルミニウムから引き上げた後、1番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムに1番目の冷却体が、2番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムに2番目の冷却体が浸漬できるように、保持容器が載せてある円盤を120度回転させ、また、3番目の保持容器から精製された溶融アルミニウムを、工程(1)での晶出量分だけ回収する。(但し、一連の工程(1)から(4)の繰返しの最終回は回収しない。)
【0043】
以上の一連の工程(1)から(4)を10回繰り返し行う。
その後1番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムを排出し、工程(4)にて9回回収された、精製されたアルミニウムの内の3回分を1番目の保持容器に溶融状態で供給するとともに、保持容器が載せてある円盤を120度回転させ、1番目の保持容器を3番目の保持容器、2番目の保持容器を1番目の保持容器、3番目の保持容器を2番目の保持容器とする。ここまでを1サイクル目とし、2サイクル目以降は3個の保持容器に前のサイクルの終了時のアルミニウムを溶融状態で保持した後、上記の一連の工程(1)から(4)を10回繰り返し行う。
1つのサイクルにおいて、工程(4)において回収される精製されたアルミニウムに含まれるSi、Feの平均濃度はそれぞれ10、1ppmとなり、その濃度はサイクルによらずほぼ一定となる。トータルの精製係数はSi、Feそれぞれ0.05、0.006となる。また、工程(4)において9回回収された精製されたアルミニウムから、一連の工程(1)から(4)を10回繰り返し行った後に、1番目の保持容器に移したアルミニウムを差し引いた製品量に対して、工程(2)において9回補給された精製の原料となるアルミニウムを考慮して、トータルの製品歩留まりは0.67となる。
【0044】
実施例6
3個の保持容器を1番目から3番目まで円形状に順に等間隔に配置した本発明の方法において、Si、Feの濃度がそれぞれ200、330ppmのアルミニウムを1番目、2番目、3番目の保持容器にそれぞれ溶融状態で保持する。
実施例5と同様の一連の工程(1)から(4)を10回繰り返し行う。
その後1番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムを排出し、工程(4)にて9回回収された、精製されたアルミニウムの内の3回分を1番目の保持容器に溶融状態で供給するとともに、保持容器が載せてある円盤を120度回転させ、1番目の保持容器を3番目の保持容器、2番目の保持容器を1番目の保持容器、3番目の保持容器を2番目の保持容器とする。ここまでを1サイクル目とし、2サイクル目以降は3個の保持容器に前のサイクルの終了時のアルミニウムを溶融状態で保持した後、上記の一連の工程(1)から(4)を10回繰り返し行う。
1回目のサイクルにおいて、工程(4)において回収される精製されたアルミニウムに含まれるSi、Feの平均濃度はそれぞれ110、150ppmとなるが、2回目のサイクルではSi、Feの平均濃度はそれぞれ34、27ppm 、3回目のサイクルではSi、Feの平均濃度はそれぞれ18、6ppm となり、その後のサイクルではそれ以下の濃度となる。3回目のサイクル以降では、トータルの精製係数はSi、Feそれぞれ0.1以下、0.02以下となる。また、トータルの製品歩留まりは、実施例1と同様0.67となる。
【0045】
比較例1
Si、Feの濃度がそれぞれ210、270ppmのアルミニウムを保持容器に溶融状態で保持し、冷却体を浸漬して回収率が約25%に達するまで、冷却体の表面にアルミニウムを晶出させた。なお、溶融アルミニウムへの浸漬時に冷却体を回転させ、また、アルミニウム晶出時に冷却体を回転させて冷却体の周囲で溶融アルミニウムを旋回させるとともに、空気を気泡状態で溶融アルミニウム中に導入した。アルミニウムが表面に晶出した冷却体を、溶融アルミニウムから引き上げた後、冷却体の表面に晶出したアルミニウムを精製されたアルミニウムとして冷却体から分離回収した。なお、溶融アルミニウムからの引上げ時に冷却体を回転させた。
精製されたアルミニウムに含まれるSi、Feの濃度はそれぞれ38、16ppmであり、精製係数はSi、Feそれぞれ0.18、0.06であった。また、製品歩留まりは0.25であった。
【0046】
比較例2
比較例1と同様にしてアルミニウムの精製を実施した。これにより得られた、精製されたアルミニウムを原料とし、同様の操作を再度繰り返して、さらに精製されたアルミニウムを得た。
回収されたアルミニウムに含まれるSi、Feの濃度はそれぞれ7、2ppmであり、トータルの精製係数はSi、Feそれぞれ0.03、0.01であった。また、トータルの製品歩留まりは0.13であった。
【0047】
以上の結果を表1にまとめる。
【0048】
【表1】
Figure 0003695287
【0049】
上記に示された結果から明らかなように、本発明によれば、Si、Feの精製係数はそれぞれ0.1以下、0.05以下となり、かつ、0.4を超える高い製品歩留まりを確保することが可能である。製品歩留まりが0.25である比較例1に比べて精製係数は50%以下に低減されており、共晶不純物が効率よく除去できることがわかる。また、精製係数が同程度である比較例2に比べて製品歩留まりが3.5倍以上に増大しており、高い生産性、経済性を有することが明らかである。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、Si,Fe等の共晶不純物を含む溶融アルミニウムから効率よく純度の高いアルミニウムを晶出させてアルミニウムを精製することができる。
また、得られた高純度アルミニウムは、電解コンデンサー用箔、スパッタリングターゲット、ハードディスク用基板、超伝導安定化材、ボンディングワイヤー等に好適に使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】N+1個の保持容器を1番目からN+1番目まで直線状に順に配置した方法を示した図。
【図2】N+1個の保持容器を1番目からN+1番目まで直線状に順に配置した方法において、Nを2とした場合の方法を示した図。

Claims (14)

  1. 溶融アルミニウムの保持容器N+1個(Nは2以上の整数)と、純度の高いアルミニウムを表面に晶出させる冷却体N個を、それぞれ順に配置し、最初にN+1個の保持容器に精製の原料となるアルミニウムを溶融状態で保持した後、以下の一連の工程(1)から(4)を2回以上繰り返し行うアルミニウムの精製方法。
    (1)N個の冷却体を、それぞれ、n番目(nは1からNまでの整数)の冷却体が、n番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムに浸されるように、該溶融アルミニウムに浸漬するとともに、冷却体の表面に純度の高いアルミニウムを晶出させる工程、
    (2)純度の高いアルミニウムが表面に晶出したN個の冷却体を溶融アルミニウムから引き上げた後、n+1番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムにn番目の冷却体が浸漬できるように保持容器と冷却体を相対的に移動させ、また、1番目の保持容器に精製の原料となるアルミニウムを補給する工程(但し、一連の工程(1)から(4)の繰り返しの最終回は補給の必要はない)、
    (3)純度の高いアルミニウムが表面に晶出したN個の冷却体を、n+1番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムにn番目の冷却体が浸漬するように浸漬するとともに加熱して、冷却体の表面に晶出した純度の高いアルミニウムを融解する工程、
    (4)表面に晶出した純度の高いアルミニウムが融解したN個の冷却体を溶融アルミニウムから引き上げた後、n番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムにn番目の冷却体が浸漬できるように保持容器と冷却体を相対的に移動させ、また、N+1番目の保持容器から精製された溶融アルミニウムを回収する工程。
  2. 一連の工程(1)から(4)を2回以上繰り返し行い、その後1番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムを排出し、該1番目の保持容器に工程(4)にて回収された、精製されたアルミニウムの一部を溶融状態で供給した後、該1番目の保持容器をN+1番目の保持容器とし、溶融アルミニウムを保持するその他のn+1番目(nは1からNまでの整数)の保持容器をn番目の保持容器とするまでを1サイクルとし、2サイクル以降はN+1個の保持容器に前のサイクルの終了時のアルミニウムを溶融状態で保持した後、1サイクルにおける最初にN+1個の保持容器に精製の原料となるアルミニウムを溶融状態で保持した後の操作を1サイクルと同様に行う請求項1に記載のアルミニウムの精製方法(但し、一連の工程(1)から(4)の繰り返しの最終回は工程(4)の精製された溶融アルミニウムの回収の必要はない)。
  3. N+1個の保持容器を1番目からN+1番目まで直線状に順に配置し、サイクル終了時に1番目の保持容器をN+1番目の保持容器の最後尾に移動する請求項2に記載のアルミニウムの精製方法。
  4. N+1個の保持容器を1番目からN+1番目まで円形状に順に等間隔に配置し、サイクル終了時に全ての保持容器を該円形中心を中心として360/(N+1)度公転させる請求項2に記載のアルミニウムの精製方法。
  5. Nが2または3である請求項1〜4のいずれかに記載のアルミニウムの精製方法。
  6. 最初にN+1個の保持容器に、純度が精製の原料となるアルミニウムよりも高く、n+1番目の保持容器に保持するアルミニウムの純度がn番目の保持容器に保持するアルミニウムの純度よりも高い所定の純度以上であるアルミニウムを溶融状態で保持する請求項2〜5のいずれかに記載のアルミニウムの精製方法。
  7. 1つのサイクルにおいて、一連の工程(1)から(4)を5ないし15回繰り返し行う請求項2〜6のいずれかに記載のアルミニウムの精製方法。
  8. 工程(1)において、n番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムにn番目の冷却体を浸漬する前に、1番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムを排出し、該1番目の保持容器に精製の原料となるアルミニウムを溶融状態で供給する工程を、1つのサイクルにおいて1ないし2回実施する請求項2〜7のいずれかに記載のアルミニウムの精製方法。
  9. 工程(1)において、n番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムにn番目の冷却体を浸漬するとともに、冷却体を中心に冷却体の周囲で溶融アルミニウムを旋回させ、かつ、溶融アルミニウム中でガス気泡を形成するガスを溶融アルミニウム中に導入して冷却体の表面に純度の高いアルミニウムを晶出させる請求項1〜8のいずれかに記載のアルミニウムの精製方法。
  10. ガス気泡を形成するガスの種類が空気である請求項9に記載のアルミニウムの精製方法。
  11. 工程(1)において、n番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムに、n番目の冷却体を浸漬するとともに、冷却体を回転させて冷却体の表面に純度の高いアルミニウムを晶出させる請求項1〜10のいずれかに記載のアルミニウムの精製方法。
  12. 工程(1)において、n番目の保持容器に保持された溶融アルミニウムに、周面がアルミニウムの融点未満の温度のn番目の冷却体を、回転させながら浸漬する、及び/又は、工程(2)において、純度の高いアルミニウムが表面に晶出したN個の冷却体を、回転させながら溶融アルミニウムから引き上げる請求項1〜11のいずれかに記載のアルミニウムの精製方法。
  13. 全体プロセスにおけるSi、Feの精製係数(=精製アルミニウム中の不純物元素の濃度/原料アルミニウム中の不純物元素の濃度)がそれぞれ0.1以下、0.05以下であり、かつ、製品歩留まり(=回収製品量/投入原料量)が0.4を超える請求項1〜12のいずれかに記載のアルミニウムの精製方法。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の方法により得られた精製アルミニウムを原料として用いた電解コンデンサー用アルミニウム箔。
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