JP5030304B2 - 鉛フリーはんだ中の過剰銅の析出分離装置 - Google Patents

鉛フリーはんだ中の過剰銅の析出分離装置 Download PDF

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Description

本発明は、銅箔を有するプリント基板、銅リード線を有する実装部品等の鉛フリーはんだ付け工程において、錫を主成分とする鉛フリーはんだ中に溶出する過剰銅を、金属間化合物として析出させて分離する装置に関する。
鉛フリーはんだは、錫(Sn)を主体とし、これに銅、銀、亜鉛、ニッケル、コバルト、ビスマス、インジウム、リン、ゲルマニウム等を適量含有させたものであり、融点以上の通常250℃程度の温度域でぬれ作用が生じる。従って、はんだ付け工程は、このような温度域に加熱したはんだ槽にプリント基板等の部材をどぶ漬けしたり、はんだ槽内に形成した溶解はんだの噴流にプリント基板等の部材を接触させたりして実施される。
しかし、プリント基板や、部品のリード線等に用いられる銅は、上記のはんだ付け工程において、上記温度域に熱せられ、はんだ中に溶け出す。これがいわゆる「銅食われ」である。この銅食われが生じると、はんだ槽中の銅濃度が急激に上昇して、はんだの融点を上昇させるので、はんだの表面張力、流動性に影響を与える。その結果、はんだレベラーの表面の荒れ、はんだブリッジ、穴あき、未はんだ、ツノ、ツララ等の不具合が生じ、はんだの品質不良を招く。
このため、はんだ槽中の銅濃度が上昇した場合には、はんだ槽中のはんだの一部または全部を入れ替えることが行われる。このとき、抜き取られた使用済みのはんだは、そのまま廃棄されるか、或いは何らかの処理を加えて過剰銅を分離して錫を回収し、これをはんだ原料として再利用する。
従来、錫の回収方法としては、融点差を利用する方法、電解精錬法などが用いられてきた。
しかしながら、従来の錫の回収方法では、大掛かりな設備を必要とするので、設備の設置面積を広くする必要が生じ、また、被精錬物の温度を高く保つためには、火炎の問題や大電力を消費するヒーターや電解槽等の装備が必要である。このため、環境に悪く、危険かつ非効率な作業を強いられていた。
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであって、安全かつ効率的に錫を回収すべく、鉛フリーはんだ中に溶出した過剰銅を析出させて分離する装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明者が鋭意研究を行ったところ、次のような知見が得られた。
(1)過剰な銅が溶出した鉛フリーはんだ槽中に金属であるNi、Co、Fe等の元素を、純錫で高濃度に希釈した母合金によって適量添加すると、錫銅溶融合金がこれと反応して金属間化合物、すなわち(CuX)Sn系化合物(但し、Xは、Ni、Co、Fe等、添加した元素)として析出する。したがって、この(CuX)Sn系化合物を分離すれば、残った錫(Sn)を回収できる。
(2)一方、上記(CuX)Sn系化合物は、粒が小さく、溶融はんだ中を浮遊するため、その回収は容易ではない。長時間放置しておけば、やがて微細な(CuX)Sn系化合物は沈殿して回収しやすくなるが、はんだが溶融する230〜250℃という温度を長時間維持することはエネルギーコストの上昇を招く。それ故、(CuX)Sn系化合物を効率的に分離、除去するためには、この微細な化合物を粗大化して沈降速度を速めることが有用である。
そして本発明者は、上記知見に基づき更なる研究を重ねた結果、微小な孔を多数形成した多孔板に、金属間化合物が析出した溶融はんだを通過させると、微細な化合物が微小孔を通過する際、相互に結合して粗大化することを見出した。この粗大化した金属間化合物は、結合前の微細な金属間化合物に比して溶融はんだ中での沈降速度は速くなる。
それ故、本発明が解決手段として採用したところは、錫を主成分とする鉛フリーはんだ中に溶出した銅を金属間化合物として析出させて分離する装置であって、銅が溶出した鉛フリーはんだを溶融状態に維持しつつ、外部から投入される金属及び溶融はんだ中の銅と、前記溶融はんだ中の錫との間で金属間化合物を析出させる析出槽と、多孔板を有し、溶融した鉛フリーはんだを前記多孔板に通過させることにより前記金属間化合物を相互に結合させて粒径を大きくする造粒槽と、粗大化した金属間化合物を溶融した鉛フリーはんだ中に沈降させて分離する分離槽とを備える点にある。
また造粒槽は、溶融はんだの流路に対して、小径の孔を多数設けた第1の多孔板と、大径の孔を多数設けた第2の多孔板をこの順に配置し、溶融した鉛フリーはんだを第1の多孔板に通過させた後、第2の多孔板に通過させることが好ましい。これにより、小径の孔を通過する際に結合した金属間化合物は、大径の孔を通過する際にも結合し、次第に粒径を大きくしていくので、分離槽での沈降分離を更に効率的に行うことができる。
また造粒槽は、多孔板を筒状に設け、その筒状の上下端部を封止すると共に、その筒状多孔板の内側に金属間化合物を析出した鉛フリーはんだを供給する供給管を接続して成る構成とすれば、筒状多孔板の内側から外側に溶融した鉛フリーはんだが流出する際に、金属間化合物同士が互いに結合し、その粒径が大きくなる。
また造粒槽は、第1及び第2の多孔板を筒状板として設け、第2の多孔板を第1の多孔板の外側に配置すると共に各筒状板の上下端部を封止し、第1の多孔板の内側に金属間化合物を析出した鉛フリーはんだを供給する供給管を接続して成る構成とすれば、溶融はんだは、第1の多孔板と第2の多孔板をこの順に通過していくので、小径の孔を通過する際に結合した金属間化合物は、大径の孔を通過する際にも再度結合し、次第に粒径が大きくなり、第2の多孔板から流出する金属間化合物の粒径を更に大きくできるので、分離槽での沈降分離を更に効率的に行うことができる。
但し、造粒槽に設ける多孔板の数は任意であり、溶融はんだの流路に対して少なくとも1枚の多孔板を配置していればよい。また複数枚の多孔板を配置する場合には、それぞれの多孔板で金属間化合物を互いに結合させ、その粒径を次第に大きくしていくことができる。この場合には、溶融はんだの流路に対し、上流側に設けられる多孔板の孔の内径が下流側に設けられる多孔板の孔の内径より小さいことが好ましい。
一方、分離槽は、槽内の底部中心部に粗大化した金属間化合物を沈積させるために、槽内の溶融はんだに渦流を生じさせる渦流発生手段を設けた構成とし、その渦流によって槽の中心部に粗大化した金属間化合物を導くことが好ましい。この渦流発生手段は、分離槽の内部に撹拌手段を設けることによって実現しても良いが、その場合には分離槽に対して撹拌手段とその駆動機構を別途設ける必要がある。そこで、粗大化した金属間化合物を含む溶融した鉛フリーはんだを分離槽に供給する際のノズルを鉛直軸に対して傾斜させて配置することにより、そのノズル自体を渦流発生手段として構成することが好ましい。
尚、上記構成において、析出槽に投入する金属は、溶融はんだ中の銅と共に、溶融はんだ中の錫との間で金属間化合物を析出するものであれば良いが、その元素Xは、Ni、CoおよびFe等の遷移金属から選択される1種以上であることが好ましい。
本発明によれば、析出槽に投入される金属及び溶融はんだ中の過剰銅と、溶融はんだ中の錫との間で形成される金属間化合物が析出槽で析出し、その微細な粒の金属間化合物が造粒槽で粗大化するので、分離槽での金属間化合物の沈降速度が速くなり、過剰銅を効率的に分離できる。したがって、従来のように大がかりな設備を必要とすることなく、安全かつ効率的に錫を回収できるようになる。
鉛フリーはんだ中の過剰銅の析出分離装置の一構成例を示す概念図である。 鉛フリーはんだ中の過剰銅の析出分離装置による錫回収処理の概要を説明するプロセス図である。 析出槽の一例を示す概念図である。 造粒槽の概念的構成を示す図である。 造粒槽に設けられる造粒手段の一構成例を示す一部切欠図である。 分離槽の概念的構成を示す図である。 分離槽における沈降分離の様子を示す図であり、(a)は渦流による撹拌時の状態を示しており、(b)は渦流停止後の状態を示している。
符号の説明
1 過剰銅の析出分離装置
2 析出槽
3 造粒手段
4 造粒槽
5 分離槽
10 ノズル
31,32,33 多孔板
50 渦流発生手段
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明に係る鉛フリーはんだ中の過剰銅の析出分離装置1の一構成例を示す概念図である。この析出分離装置1は、溶融はんだ中に溶出した過剰銅を金属間化合物として析出させる析出槽2と、造粒手段3を備えた造粒槽4と、過剰銅の金属間化合物を沈降分離する分離槽5から成り、析出槽2と造粒槽4はバルブ6を備えた供給管7によって接続され、析出槽2から溶融はんだを造粒槽4に供給すると共に、造粒槽4と分離槽5はバルブ8を備えた供給管9によって接続され、造粒槽4から分離槽5に溶融はんだを供給する。分離槽5に溶融はんだを供給する供給管9の先端にはノズル10が設けられ、このノズル10の先端開口から溶融はんだが分離槽5に流入する。尚、分離槽5には更に過剰銅が分離除去された鉛フリーはんだ(主成分は錫)を回収するためのバルブ11と管12が設けられている。
図2は、析出分離装置1による錫回収処理の概要を説明するプロセス図である。この装置1では、まず、プリント基板等の銅食われにより、過剰に溶出した銅を含む溶融はんだを析出槽2に供給する(プロセスP1)。但し、はんだ付け工程を行うためのはんだ槽自体を析出槽2として利用してもよい。そして析出槽2に金属を添加し、過剰銅を所定の金属間化合物として析出させる(プロセスP2)。具体的には、元素Xを添加した場合、元素Xは銅及び錫との間で(CuX)Sn系化合物として析出する。この金属間化合物を含む溶融はんだは造粒槽4に供給され、そこで造粒が行われる(プロセスP3)。すなわち、上記の金属間化合物は粒が小さいため、造粒手段3によってこれを造粒して粗大化する。そして粗大化した金属間化合物を含む溶融はんだを分離槽5に供給し、そこで金属間化合物を分離する(プロセスP4)。そして分離槽5から錫(Sn)の回収と、分離した金属間化合物の回収が行われる(プロセスP5,P6)。回収された錫は例えば新たなはんだ原料として再利用できる。また過剰銅の金属間化合物は廃棄されるか、或いはその後の精錬により、銅、錫その他の原料として再利用される。
図3は析出槽2の一例を示す概念図である。例えば、析出槽2に過剰な銅が溶出した鉛フリーはんだ13を流入させ、これをヒーター21で所定の温度範囲に加熱して鉛フリーはんだ13を溶融状態に維持する。この状態で、析出槽2に金属である所定の元素Xを、純錫で高濃度に希釈した母合金によって適量投入添加する。元素Xの金属を添加することにより、(CuX)Sn系化合物14が析出槽2に析出する。尚、ヒーター21による加熱温度は、はんだが溶解する温度以上であって、析出した(CuX)Sn系化合物が溶解しない温度以下に設定すればよい。即ち、230〜250℃とすればよい。
元素Xとしては、銅(Cu)とは金属間化合物を形成せず、錫(Sn)と金属間化合物を形成する元素であればよく、例えば、Ni、Co、Fe、Pt等が挙げられる。また、より好ましくはNi、Co、Fe等の遷移金属である。これらの元素が適量添加されると、溶融はんだ中で、はんだより融点の高い結晶構造を有する金属間化合物である(CuX)Snが形成される。但し、添加する元素Xは1種である必要はなく、Ni、Co、Fe等から選択した2種以上の元素Xを添加しても良い。そして金属間化合物を析出させた後、析出槽2の底部に設けた排出口22に接続された供給管7を介して溶融はんだ13を造粒槽4に導く。
図4は造粒槽4の概念的構成を示す図であり、図5は造粒槽4に設けられる造粒手段3の一構成例を示す一部切欠図である。図4に示すように造粒槽4は、その内部に造粒手段3を有すると共に、造粒槽4を加熱するヒーター41を備えており、ヒーター41は造粒槽4内の温度を230〜250℃に加熱して鉛フリーはんだを溶融状態に保つようにしてある。そして造粒槽4内の造粒手段3に溶融はんだを通過させることにより、溶融はんだに含まれる微細な金属間化合物を粗大化し、溶融はんだと分離しやすい大粒の金属間化合物に造粒する。造粒手段3は複数の多孔板31,32,33を有しており、多孔板31,32,33のそれぞれには表裏を貫通する多数の孔が設けられている。多孔板31,32,33は溶融はんだの流路に沿って上流側からこの順に配置され、上流側から下流側に向かうに従って、孔径が次第に大きくなるように形成することが好ましい。そのため、多孔板31に形成される孔の孔径は他の多孔板32,33の孔径に比して最も小さくなり、多孔板32に形成される孔の孔径は多孔板31の孔径よりも大きく、多孔板33の孔径よりも小さくなり、多孔板33に形成される孔の孔径は他の多孔板31,32の孔径に比して最も大きくなるように形成される。供給管7から供給される溶融はんだはこの造粒手段3に導入され、多孔板31,32,33を順次通過して造粒手段3から流出する。
多孔板31,32,33の形態は特に限定されるものではなく、平板を順次並列させてもよいし、筒状板であってもよい。例えば本実施形態では、図5に示すように多孔板31,32,33は同心円状に配置される筒状板として設けられており、各多孔板31,32,33は内側からこの順に配置されている。そして各筒状多孔板31,32,33の上下端部は上板3a及び下板3bによって封止されており、供給管7は最も内側に配置された多孔板31の内側に接続され、析出槽2からの金属間化合物を含む溶融はんだは多孔板31の内側に流入する。そして多孔板31の内側に流入した溶融はんだは、多孔板31の孔31aを通って多孔板31と32の間の流れ込み、その後、多孔板32の孔32aを通って多孔板32と33の間に流れ込む。そして更に、多孔板33の孔33aを通って造粒手段3の外側に流出する。
各多孔板31,32,33に多数設けた孔31a,32a,33aは、造粒手段3の内側から外側に向かうに従って、孔径が次第に大きくなる。即ち、造粒手段3の最も内側(即ち、溶融はんだの流路の上流側)に配置された第1の多孔板31の孔31aの孔径は第2の多孔板32の孔32aの孔径よりも小さく、第2の多孔板32の孔32aの孔径は第3の多孔板33の孔33aの孔径よりも小さく形成されている。例えば、第1の多孔板31の孔31aの孔径を2mm、第2の多孔板32の孔32aの孔径を3mm、第3の多孔板33の孔33aの孔径を4mmとしても良い。尚、多孔板としては、金網のようなものであっても良いが、強度の観点、内径寸法制度の観点からは、図5に示すように、金属板に対して複数の孔をパンチング形成した、いわゆるパンチングメタルを用いるのが好ましい。
このような複数の多孔板31,32,33に、溶融はんだと共に金属間化合物、即ち(CuX)Sn系化合物14を順次通過させることにより、(CuX)Sn系化合物14は、多孔板31,32,33の孔31a,32a,33aを通過するたびに結合し、少しずつその粒径が大きくなっていく。そして造粒槽4で造粒され、粗大化した金属間化合物を含む溶融はんだは、造粒槽4の底部に設けた排出口42に接続された供給管9を介して分離槽5に供給される。
尚、本実施形態では、造粒手段3として多孔板を3枚配置する場合を例示しているが、多孔板の数は任意である。例えば多孔板が1枚であったとしても、多孔板に設けた孔を通過する際に金属間化合物は結合して粒径を大きくすることができる。また多孔板を2枚にしても良いし、4枚以上を配置した構成としても良い。
図6は分離槽5の概念的構成を示す図である。分離槽5は溶融はんだ13中の粗大化した金属間化合物を沈降分離する槽であり、槽内温度を230〜250℃に加熱してはんだを溶融状態に保つためのヒーター51を備えている。また分離槽の底部中央には、錫(溶融はんだ)を回収するための管12が接続される排出口53が設けられており、その排出口53の上部には沈積した金属間化合物を受けるために金網等で構成された受皿52が設けられる。したがって、金属間化合物を沈降させる際には、金属間化合物を底部中央の受皿52に向かって沈降させることが好ましい。そこで、この分離槽5は槽内の溶融はんだ13に渦流55を発生させ、その渦流55により金属間化合物を槽中心部に集中させるように構成している。この渦流発生手段50として、本実施形態では図6に示す如く、粗大化した金属間化合物14を含む溶融した鉛フリーはんだを分離槽5に供給する供給管9の先端に設けたノズル10を鉛直軸に対して傾斜させており、分離槽5の内壁に沿って溶融はんだを供給することにより、槽内の溶融はんだ13に渦流55を発生させている。但し、このような形態に限定されるものではなく、分離槽5の内部に撹拌手段を設けることによって渦流55を発生させても良い。
図7は分離槽5における沈降分離の様子を示す図であり、(a)は渦流による撹拌時の状態を、(b)は渦流停止後の状態をそれぞれ示している。図7(a)に示す如く、分離槽5内に渦流55が発生している状態では、金属間化合物14、即ち(CuX)Sn系化合物はその渦流55に引き寄せられ、次第に分離槽5の中心部の下部に集まっていく。その後、分離槽5への溶融はんだの供給を止めて渦流を停止させると、同図(b)に示す如く、分離槽5の底部中央の受皿52上に沈積する。このような状態で、分離槽5の排出口53に接続された管12のバルブ11(図1参照)を開けば、高純度の錫から成る溶融はんだ13を回収できる。尚、溶融はんだ13として残った高純度の錫を回収するための排出口を分離槽5の側壁上部に設け、溶融した錫の上澄みだけを排出して、回収するように構成しても良い。
尚、図例では、排出口53の上部に受皿52を設け、該受皿52で金属間化合物を回収する場合を例示したが、このような態様に限られるものはない。例えば受皿52を設けることなく、排出口53から金属間化合物を直接排出させ、分離槽5に高純度の錫から成る溶融はんだを残留させるように構成してもよい。また分離槽5の底部中央に金属間化合物を沈積させた後、分離槽5の内部に別途吸引手段を配置して金属間化合物を上方から吸引するように構成してもよい。
上述のように鉛フリーはんだ中の過剰銅の析出分離装置1は、過剰銅が溶出した溶融はんだを、析出槽2、造粒槽4及び分離槽5において順次処理していくことにより、過剰銅を分離して高純度の錫を効率的に回収できるように実現されている。特に、造粒槽4では、造粒手段3により過剰銅から生成される金属間化合物の微細な粒を粗大化するので、分離槽5での金属間化合物の沈降速度が速くなり、過剰銅を効率的に分離できるようになっている。そして金属間化合物の分離に際し、エネルギーコストの上昇が抑えられる。また、この装置設備は、従来の錫の回収方法で使用されていた設備に比して極めて規模が小さく、また危険な設備を伴わないので、作業の安全性が確保されるという利点もある。
また、ディップはんだ槽または噴流はんだ槽から使用済みはんだを回収し、リサイクル工場において上記の装置1を用いて錫を回収することもできるし、別の場所に移すことなく、即ち、ディップはんだ槽または噴流はんだ槽の横に装置1を設置し、はんだ付けの作業と並行して錫の回収を行うこともできる。後者の場合には、過剰に溶出した銅を連続的に分離することができるので、はんだ槽内の銅濃度の調整にも有用である。
本発明によれば、鉛フリーはんだ槽中に溶出した過剰銅を分離して、高効率に錫を回収することができる。このようにして回収された錫は、はんだ資源として再利用できる。

Claims (7)

  1. 錫を主成分とする鉛フリーはんだ中に溶出した銅を金属間化合物として析出させて分離する装置であって、
    銅が溶出した鉛フリーはんだを溶融状態に維持しつつ、外部から投入される金属及び溶融はんだ中の銅と、前記溶融はんだ中の錫との間で金属間化合物を析出させる析出槽と、
    多孔板を有し、溶融した鉛フリーはんだを前記多孔板に通過させることにより前記金属間化合物を相互に結合させて粒径を大きくする造粒槽と、
    粗大化した金属間化合物を溶融した鉛フリーはんだ中に沈降させて分離する分離槽とを備えることを特徴とする鉛フリーはんだ中の過剰銅の析出分離装置。
  2. 前記造粒槽は、小径の孔を多数設けた第1の多孔板と、大径の孔を多数設けた第2の多孔板を備え、溶融した鉛フリーはんだを前記第1の多孔板に通過させた後、前記第2の多孔板に通過させる請求の範囲第1項記載の鉛フリーはんだ中の過剰銅の析出分離装置。
  3. 前記造粒槽は、前記多孔板を筒状に設け、その筒状の上下端部を封止すると共に、前記多孔板の内側に金属間化合物を析出した鉛フリーはんだを供給する供給管を接続して成る請求の範囲第1項記載の鉛フリーはんだ中の過剰銅の析出分離装置。
  4. 前記造粒槽は、前記第1及び第2の多孔板を筒状板として設け、第2の多孔板を第1の多孔板の外側に配置すると共に各筒状板の上下端部を封止し、前記第1の多孔板の内側に金属間化合物を析出した鉛フリーはんだを供給する供給管を接続して成る請求の範囲第2項記載の鉛フリーはんだ中の過剰銅の析出分離装置。
  5. 前記分離槽は、槽内に渦流を生じさせる渦流発生手段を有し、渦流の中心部に粗大化した金属間化合物を導くようにした請求の範囲第1項乃至第4項のいずれかに記載の鉛フリーはんだ中の過剰銅の析出分離装置。
  6. 前記渦流発生手段は、粗大化した金属間化合物を含む溶融した鉛フリーはんだを前記分離槽に供給する際のノズルを鉛直軸に対して傾斜させて成る請求の範囲第5項記載の鉛フリーはんだ中の過剰銅の析出分離装置。
  7. 前記金属は遷移金属である請求の範囲第1項乃至第6項のいずれか記載の鉛フリーはんだ中の過剰銅の析出分離装置。
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