JPH11172345A - アルミニウムの精製方法 - Google Patents

アルミニウムの精製方法

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JPH11172345A
JPH11172345A JP9340243A JP34024397A JPH11172345A JP H11172345 A JPH11172345 A JP H11172345A JP 9340243 A JP9340243 A JP 9340243A JP 34024397 A JP34024397 A JP 34024397A JP H11172345 A JPH11172345 A JP H11172345A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 精製品から不純物濃度の高い残湯の分離を促
進させ、純度の高いアルミニウム精製品を偏析凝固法で
得る。 【構成】 (初晶晶出温度−90℃)〜(初晶晶出温度
−10℃)の温度域に雰囲気温度を維持した精製炉にア
ルミニウムの原料溶湯を保持し、原料溶湯に浸漬した冷
却体にα−Al晶を晶出させ、所定量のα−Al晶が付
着した冷却体を原料溶湯から引き上げて原料溶湯と炉蓋
との間の炉内空間に保持し、冷却体に付着したα−Al
晶を原料溶湯から分離して精製品として回収する。不純
物濃度の高い残湯は、引上げ時に外周周速0.1〜0.
4m/秒で冷却体を回転させることによっても精製品か
ら遠心分離される。冷却体の回転を炉内の雰囲気制御と
組み合わせるとき、不純物濃度の高い残湯の分離が一層
促進される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミ原料やアルミス
クラップの溶湯から純度の高い精製品を得る精製方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】溶湯からα−Al晶が最初に晶出する系
では、母液に比較して純化されたアルミニウム凝固体が
得られることを利用して純度の高い精製品を得る偏析法
が知られている。また、溶湯から金属間化合物が最初に
晶出する系では、晶出温度付近で溶湯を保持し、金属間
化合物を沈降・分離すれば、晶出後の溶湯の純度が高く
なり、偏析法が適用可能なα−Al晶が最初に晶出する
系となる。なかでも、アルミ溶湯に浸漬した冷却体を回
転させながら、α−Al晶を冷却体の表面に晶出させる
方法は、アルミ原料やアルミスクラップを溶解原料とし
て用い、簡単な操作で精製品が得られる利点をもつ。本
発明者等も、回転冷却体を使用した精製法に関し、金属
間化合物の沈降物収集用受け皿を下端に備えた回転冷却
体(特開平7−54063号公報),金属間化合物を回
転冷却体の表面に晶出させる温度管理(特開平7−54
074号公報),脱Feと組み合わせた亜共晶Al−S
i合金及び過共晶Al−Si合金の製造プロセス(特開
平7−70666号公報),晶出反応を促進させる電磁
力の印加(特開平8−295963号公報)等を提案し
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】比較的純度の高い原料
溶湯を使用する場合、原料溶湯中で回転している冷却体
にα−Al晶が晶出する。α−Al晶が付着した冷却体
を原料溶湯から引き上げることにより、純度の高い精製
品が得られる。しかし、本発明者等による調査・研究の
結果、冷却体の引上げ方法によっては精製品の純度が大
きく変化することが判った。本発明者等は、精製品の純
度が低下する理由を次のように推察した。すなわち、原
料溶湯に浸漬されている冷却体に凝固付着した精製品の
周囲は不純物濃度の高い溶湯に接している。不純物濃度
の高い溶湯が精製品に付着又は巻き込まれて精製品と共
に原料溶湯から引き上げられると、純度のよい精製品に
不純物が持ち込まれ、全体として精製品の純度が低下す
る。本発明は、このような問題を解消すべく案出された
ものであり、引上げ時に炉内の雰囲気温度を適正に管理
すること及び/又は冷却体の回転速度を調整することに
より、不純物濃度の高い溶湯が精製品に付着残存するこ
とを防止し、純度の良好なアルミ精製品を得ることを目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のアルミニウム精
製方法は、その目的を達成するため、(初晶晶出温度−
90℃)〜(初晶晶出温度−10℃)の温度域に雰囲気
温度を維持した精製炉にアルミニウムの原料溶湯を保持
し、該原料溶湯に浸漬した冷却体にα−Al晶を晶出さ
せ、所定量のα−Al晶が付着した冷却体を原料溶湯か
ら引き上げて原料溶湯と炉蓋との間の炉内空間に保持
し、冷却体に付着したα−Al晶を原料溶湯から分離し
て精製品として回収することを特徴とする。精製品に付
着した不純物濃度の高い溶湯は、引上げ時に外周周速
0.1〜0.4m/秒で冷却体を回転させることによ
り、冷却体から遠心分離される。冷却体の回転を炉内の
雰囲気制御と組み合わせるとき、不純物濃度の高い溶湯
の分離が一層促進される。更に、冷却体の引上げに際し
ては、精製品から溶湯の滴下を促すため、引上げ速度5
0〜250mm/分で冷却体を溶湯原料から引き上げる
ことが好ましい。
【0005】
【実施の形態】本発明では、たとえば図1に設備構成の
概略を示した精製炉が使用される。この精製炉は、外径
500mmまでの冷却体1が使用できるように、内径6
21〜638mmの丸型カーボンルツボ2を備えたルツ
ボ炉であり、約400kgの原料溶湯3を保持できる。
カーボンルツボ2は耐熱レンガでできた炉殻4で支持さ
れており、カーボンルツボ2と炉殻4との間に発熱体5
が介装されている。発熱体5は、装入された原料溶湯3
を50℃/時以上の加熱速度で昇温できる能力を備えて
いる。冷却体1は、原料溶湯3の湯面6近傍に浸漬さ
れ、炉蓋7の開口部を貫通する回転軸8を備えている。
回転軸8には、冷却媒体9が送給・排出される孔部が形
成されている。冷却媒体9は、冷却体1の内部を循環し
た後、回転軸8の孔部から系外に排出される。
【0006】湯面6から炉蓋7までの高さHは、精製品
10(図2参照)が凝固付着した冷却体1を原料溶湯か
ら引き上げたとき、冷却体1が湯面6〜炉蓋7の空間に
納まり、且つ冷却体1に付着している精製品10が湯面
6に接触しない高さに設定されている。しかし、高さH
を過度に大きく設定すると、精製炉のサイズが大きくな
るばかりでなく、原料溶湯3の高温保持に必要な熱量も
増加する。たとえば、高さ100mmの冷却体1の下面
に100〜150mmの厚みで精製品10が凝固付着す
る場合、湯面6から炉蓋7までの高さHを250〜40
0mmに設定する。精製炉に炉蓋7を設けているので、
湯面6の上方にある炉内雰囲気は、精製に適した温度域
に調整される。本発明者等による調査・研究の結果、こ
の炉内雰囲気をα−Al晶の(初晶晶出温度−90℃)
〜(初晶晶出温度−10℃)の温度域に維持するとき、
冷却体1に凝固付着している精製品10に付随してくる
純度の低い残湯が少なくなることが判明した。
【0007】炉内雰囲気温度が(初晶晶出温度−10
℃)を超えると、引上げ途中で精製品10が外面から溶
け始めるため、精製品10の回収率が低下する。逆に
(初晶晶出温度−90℃)を下回る炉内雰囲気温度で
は、精製品10に付着している残湯の粘性が増加し、分
離せずに精製品10に持ち込まれる割合が高くなる。ち
なみに、炉蓋7を取り外して冷却体1を引上げると、炉
内の雰囲気温度が200〜300℃に低下し、原料溶湯
3の温度が低下する。その結果、精製品10の外周に多
量の溶湯が付着し、全体として精製品10の純度を低下
させる。このように、精製品10の純度を確保するた
め、炉内の雰囲気温度が原料溶湯3の温度に悪影響を与
えないように炉蓋7を外すことなく、冷却体1を原料溶
湯3から引き上げ、引き上げた冷却体1を湯面6から炉
蓋7までの炉内空間に保持する。炉内空間に引き上げら
れた精製品10は、湯面6からの熱輻射を受けて緩冷却
されるため、流動状態にある溶湯部分を原料溶湯3の浴
に落下させる。炉内空間で冷却体1を暫時保持して付着
溶湯の滴下が無くなった後で炉蓋7を外し、冷却体1を
炉外に取り出し、精製品10と共に次工程に搬送する。
次工程では、精製品10を再溶解し、必要形状に鋳造し
た製品を得る。
【0008】原料溶湯3からの引上げに際しては、冷却
体1に適度な回転を与えることが好ましい。冷却体1は
原料溶湯3に浸漬された精製工程では周速0.5〜3m
/秒で回転しているが、原料溶湯3から引き上げられた
後も冷却体1を高速回転させると、冷却体1に凝固付着
している精製品10が振り落され、精製品10の回収効
率が低下する。他方、精製品10の外面近傍にはデンド
ライト状の晶出物があり、デンドライトの間にFe分等
の多い溶湯が巻き込まれているので、引き上げられた冷
却体1を回転させることなく炉内空間に保持すると、巻
き込まれた溶湯がそのままで凝固し、結果として精製品
10の純度を低下させる。精製品10が冷却体1から脱
落することなく、且つ取り込まれている不純物濃度の高
い溶湯を分離する上では、外周周速0.1〜0.4m/
秒で冷却体1を回転させることが好ましい。回転速度を
このように規制することにより、冷却体1から精製品1
0が振り落されることなく、精製品10に巻き込まれて
いる不純物濃度の高い溶湯が遠心力で精製品10から分
離される。0.4m/秒を超える周速では、精製品10
に作用する遠心力が大き過ぎ、精製品10に亀裂を発生
させ、ひいては冷却体1から精製品10を脱落させるこ
とにもなる。
【0009】原料溶湯3から冷却体1を引き上げると
き、冷却体1の引上げ速度も精製品10の純度に影響す
る。本発明者等による調査・研究の結果、50〜250
mm/分の引上げ速度で冷却体1を原料溶湯3から引き
上げることが純度及び操業性の観点から好ましいことが
判った。冷却体1の引上げ速度が遅いほど、精製品10
に付着している溶湯が雫となって原料溶湯3内に落下
し、精製品10の純度が確保される。溶湯の落下は、冷
却体1の引上げ速度が遅いほど有効であるが、50mm
/分未満になると引上げ速度の低下に見合った溶湯落下
の促進がみられず、却って操業の長時間化を招く。逆
に、250mm/分を超える早い速度で冷却体1を引き
上げると、不純物濃度の高い溶湯が精製品10の外周面
から滴下しないまま、精製品10が湯面6〜炉蓋7間の
炉内空間に保持される。その結果、炉内空間に保持され
た精製品10から不純物濃度の高い溶湯を落下させるた
め、精製品10を長時間炉内空間に保持することが必要
になるばかりでなく、残留溶湯による精製品10の純度
低下を引き起こす。
【0010】
【実施例】表1に示した組成をもつアルミニウムスクラ
ップ300kgを溶解し、上部内径638mm,底部内
径621中mm,深さ798mmのカーボンルツボ2を
備えた精錬炉に装入した。カーボンルツボ2に装入され
た原料溶湯3を605℃に120分間静置したところ、
原料溶湯3に含まれている高融点で比重の大きな不純物
や金属間化合物が沈降し、原料溶湯3の不純物濃度が表
1に示すように変化した。
【0011】
【0012】次いで、半径100mm,高さ100mm
の底面部をもつ冷却体1を挿通させた炉蓋7を装着し、
湯面6から炉蓋7までの高さHを370mmに設定し
た。冷却体1を原料溶湯3に浸漬し、次の条件下で精製
した。 冷却体の回転周速:2m/秒 冷却体への冷却空気送風量:2500リットル/分 精製開始時の溶湯温度:595.4℃(初晶晶出温度) 炉内雰囲気温度:510℃ 精製を40分間継続させた後、表2に示す引上げ条件で
精製品10が凝固付着した冷却体1を原料溶湯3から引
き上げ、付着溶湯が滴下しなくなるまで湯面6〜炉蓋7
の炉内空間に精製品10を2分間保持した。
【0013】
【0014】引上げ中及び引き上げ後の精製品10の外
観を観察したところ、引上げ条件に応じて次のような変
化がみられた。炉蓋及び炉内の雰囲気温度による影響 炉蓋7を取り外して冷却体1を回転せずに原料溶湯3か
ら引き上げた試験番号1では、外気の侵入により炉内の
温度雰囲気が287℃まで低下し、それに伴って原料溶
湯3の温度も低下した。そのため、引き上げられた精製
品10には不純物濃度の高い残湯が多量に付着してい
た。これに対し、炉蓋7を装着したまま原料溶湯3から
冷却体1を引き上げた試験番号2では、精製品10に付
着している不純物濃度の高い残湯の付着量が大幅に少な
くなった。炉蓋7を装着したままで冷却体を原料溶湯か
ら引き上げたものでも、雰囲気温度が(初晶晶出温度−
10℃)を超える試験番号9では、引上げ途中で精製品
10が外面から溶け始めていることが観察され、得られ
た精製品10の回収量が少なかった。この場合、生産性
の低下はみられたが、得られた精製品10の純度は良好
であった。
【0015】冷却体の回転速度による影響 冷却体1を回転することなく原料溶湯から引き上げた試
験番号1,2では、精製品10の表面に大きな凹凸が生
じていた。特に炉蓋7を取り外した試験番号1では、不
純物の多い残湯が精製品10表面にべったりと付着して
いることが観察された。また、精製品10の下面に残湯
の雫が付着凝固していた。これに対し、本発明で規定し
た範囲0.1〜0.4m/秒の回転周速で冷却体1を回
転させながら引き上げたものでは、精製品10の表面に
凸凹が少なくなり、精製品10表面に付着している不純
物濃度の高い残湯も少なかった。更には、精製最終段階
でデンドライトとデンドライトとの間に取り込まれた不
純物濃度の高い残湯が冷却体1の回転で精製品10から
遠心分離される現象が観察された。しかし、過度に大き
な速度で冷却体1を回転させた試験番号6では、まだ完
全に凝固していない精製品10の外側部分がちぎれて飛
散したり、精製品10の自重と遠心力によって精製品1
0に亀裂が発生し冷却体1から精製品10が脱落する現
象が散見された。その結果、精製品10の回収量が少な
くなった。
【0016】冷却体の引上げ速度による影響 引上げ速度100mm/分,200mm/分で冷却体1
を原料溶湯3から引上げたものでは、引上げ速度が残湯
の付着量に及ぼす実質的な影響はみられなかった。これ
に対し、引上げ速度を500mm/分と速くした試験番
号10では、不純物濃度の高い残湯が付着したままで精
製品10が原料溶湯3から引き上げられたため、湯面6
から炉蓋7までの炉内空間に精製品10を10分間保持
することにより残湯の滴下を終了させる必要があり、生
産性に支障を来した。また、雰囲気温度が初晶晶出温度
より低いため、滴下せず表面に凝固した残湯もあった。
しかも、回転させながら引上げる時間が短いため、デン
ドライトとデンドライトの間にある不純物に富んだ残湯
が遠心力で完全には排出されていなかった。そのため、
残湯の滴下終了後に得られた精製品10は、適正な速度
で引き上げられた精製品10に比較して純度の低いもの
であった。
【0017】試験番号2,4,5で得られた精製品10
について、Fe分を階層分析した。具体的には、原料溶
湯3から引き上げられた精製品10は、図2に示すよう
に冷却体1に付着していたので、冷却体1の下面中心か
ら60mmの位置に付着している精製品10の厚み方向
(下方向)に沿った数点でFe含有量を分析した。図3
の分析結果にみられるように、冷却体1を回転させるこ
となく原料溶湯3から引き上げたものでは、外表面から
約15mmまでの範囲でFe濃度が高く、デンドライト
層の間にFe濃度の高い残湯が残存していることが判
る。これに対し、原料溶湯3から引き上げられている冷
却体1の回転させると、回転で生じた遠心力でFe濃度
の高い残湯が精製品10の表面側に移行し、回転速度の
上昇に伴って移行程度が進行している。このことは、冷
却体1の回転速度上昇に伴ってデンドライト層の間にあ
るFe濃度の高い残湯が遠心力で外部に移動しているこ
とを意味する。
【0018】精製品10の表面に付着している不純物濃
度の高い溶湯の付着量は、得られる精製品10の純度に
大きな影響を与える。引上げ条件の影響をみるため、表
2に掲げた各試験番号の精製品10を再溶解し、得られ
た溶湯を分析した。なお、試験番号6は、引上げ途中で
精製品10が割れ、冷却体1から脱落したため、再溶解
に供しなかった。表3の分析結果にみられるように、何
れの試験番号でも、表1に掲げた精製前の不純物濃度と
比較すると、程度の差こそあれ精製されていることが判
る。しかし、試験番号1では、引上げ中に冷却体1を回
転させず、また炉蓋7を取り外して冷却体1を引き上げ
たため、精製品10の外周部に不純物濃度の高い残湯が
多量に付着残存した結果、他の試験番号に比較して精製
品10の純度が低くなっていた。
【0019】試験番号2は、炉蓋7を外すことなく炉内
の雰囲気温度を高く維持して冷却体1を引き上げた例で
あり、精製品10の外表面に対する不純物濃度の高い溶
湯の付着量が少ないことから、Si及びFeの濃度が低
下している。試験番号3は、炉蓋7を外して冷却体1を
回転させながら引きあげた例であり、不純物濃度の高い
残湯が表面に付着しているものの、回転して引上げてい
る分だけ残湯が遠心分離されたため、試験番号1に比較
して低いSi及びFeの濃度として現れている。試験番
号4は、試験番号3の引上げ条件に更に炉蓋7の装着を
加えた例であり、Si及びFe濃度が更に低くなってい
ることから炉蓋7の装着及び冷却体1の回転に相乗効果
があることが窺われる。試験番号5は、試験番号3の引
上げ条件のうち冷却体1の回転速度を大きくした例であ
り、回転速度の上昇によって更に低Si化,低Fe化が
進行していることが判る。試験番号7は、試験番号5の
引上げ条件のうち冷却体1の引上げ速度を大きくした例
であるが、この程度の速度変化では精製品の純度に大き
な差がみられなかった。しかし、炉蓋7を取り外す以外
は試験番号5と同じ条件下で冷却体1を引き上げた試験
番号8では、炉蓋7の除去によって炉内に外気が侵入し
原料溶湯3の温度が降下したことから、得られた精製品
10の純度が試験番号5に比較して低下した。炉蓋7を
装着したまま冷却体1を回転させることなく引き上げた
試験番号9は精製品10の回収率の点で、冷却体1を急
速に引き上げた試験番号10は回収時間や純度の点で問
題があった。以上の結果から、炉蓋7を装着したままで
冷却体1を原料溶湯3から引き上げ、或いは冷却体1を
回転させながら原料溶湯3から引き上げ、更には引上げ
時に炉蓋7の装着及び冷却体1の回転を併用するとき、
冷却体1に凝固付着した精製品10から不純物濃度の高
い残湯の分離が促進され、純度の高い精製品が得られる
ことが確認された。
【0020】
【0021】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、偏析凝固で冷却体に晶出した精製品を原料溶湯から
引き上げる際、炉内雰囲気の温度制御,冷却体の回転或
いは両者の組合せにより、精製品に付着残留している不
純物濃度の高い溶湯の分離を促進させている。これによ
り、不純物濃度の低い精製品が高い回収効率で得られ
る。また、原料溶湯から冷却体の引上げ速度を規制する
とき、精製品からの湯切れが良くなり、精製品の純度や
生産性が一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で使用する精製炉の概略断面図
【図2】 冷却体に凝固付着した精製品のFe分を分析
した測定点を示す断面図
【図3】 精製品の外表面にあるFe濃度の高い表層が
冷却体の回転により薄くなっていることを示すグラフ
【符号の説明】
1:冷却体 2:カーボンルツボ 3:原料溶湯
4:炉殻 5:発熱体 6:湯面 7:炉蓋
8:回転軸 9:冷却媒体 10:精製品 H:湯面から炉蓋までの高さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保田 昇 静岡県庵原郡蒲原町蒲原161番地 日本軽 金属株式会社蒲原工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (初晶晶出温度−90℃)〜(初晶晶出
    温度−10℃)の温度域に雰囲気温度を維持した精製炉
    にアルミニウムの原料溶湯を保持し、該原料溶湯に浸漬
    した冷却体にα−Al晶を晶出させ、所定量のα−Al
    晶が付着した冷却体を原料溶湯から引き上げて原料溶湯
    と炉蓋との間の炉内空間に保持し、冷却体に付着したα
    −Al晶を原料溶湯から分離して精製品として回収する
    ことを特徴とするアルミニウムの精製方法。
  2. 【請求項2】 精製炉に保持したアルミニウムの原料溶
    湯に冷却体を浸漬して回転させ、所定量のα−Al晶が
    付着した冷却体を外周周速0.1〜0.4m/秒で冷却
    体を回転させながら原料溶湯から引き上げ、冷却体に付
    着したα−Al晶を原料溶湯から分離して精製品として
    回収することを特徴とするアルミニウムの精製方法。
  3. 【請求項3】 (初晶晶出温度−90℃)〜(初晶晶出
    温度−10℃)の温度域に雰囲気温度を維持した精製炉
    にアルミニウムの原料溶湯を保持し、該原料溶湯に浸漬
    した冷却体にα−Al晶を晶出させ、所定量のα−Al
    晶が付着した冷却体を外周周速0.1〜0.4m/秒で
    冷却体を回転させながら原料溶湯から引き上げ、原料溶
    湯と炉蓋との間の炉内空間に保持し、冷却体に付着した
    α−Al晶を原料溶湯から分離して精製品として回収す
    ることを特徴とするアルミニウムの精製方法。
  4. 【請求項4】 引上げ速度50〜250mm/分で冷却
    体を原料溶湯から引き上げる請求項1〜3の何れかに記
    載のアルミニウムの精製方法。
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