JP2002508739A - 立体配座的に制限のあるポリアミン類 - Google Patents

立体配座的に制限のあるポリアミン類

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Abstract

(57)【要約】 下記化学式(I)で表わされ、 ここでAはC2−C6アルケン、C3−C6シクロアルキル、シクロアルケニル、又はシクロアリールであり、Bは独立に単結合、C1−C6アルキルアルケニルであり、Dは独立にC1−C6アルキル又はアルケニル、又はC3−C6シクロアルキル、シクロアルケニル、又はシクロアリールであり、Eは独立にH,C1−C6アルキル又はアルケニルである化合物、及び薬学的に適するそれらの塩、これら化合物の合成方法、1つ又はそれ以上のこれら化合物を含む薬学的な投与形態、及び新生細胞成長の治療におけるこれら化合物の使用を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】 立体配座的に制限のあるポリアミン類 Benjamin J.Frydman Laurence J.Marton Vendohar K.Reddy Aldonia Valasinas Donald T.Witiak 優先権は1996年10月18日に出願された仮特許出願番号第60/028 、680号にある。 発明の分野 本発明は新規な立体配座的に制限のあるポリアミン類及び新生細胞成長の選択 的抑制におけるそれらの使用に関する。 参考文献 以下に述べる引用したすべての参考文献は、特許請求範囲の直前の引用文献一 覧に記載してある。以下に列挙したすべての参考文献は、全体の参考のために本 明細書中で引用される。 従来技術の説明 立体配座は官能基の空間的配列における決定要素であり、しかも酵素又は薬物 受容体は特定リガンドの立体配座又は立体配座の特定分布を好むことが1950 年代以降知られている。数例でその主題を照らすのに十分である。 アセチルコリンのようなもともと立体配座的にフレキシブルな物質の立体配座 的に拘束された類似体を合成することは、“生物活性 な立体配座”つまりムスカリン性及びニコチン性受容体において活性である配座 異性体を得ることに役に立った。アセチルコリンのトランス-シクロプロピル類 似体は、ムスカリン受容体により好まれることが分かった。ドーパミン、GAB A、グルタミン酸、ヒスタミン及びセロトニンの立体配座的に制限のある類似体 は、それらの構造に硬直な環を導入することにより得られた。立体的に拘束され た類似体は有用な化学療法効果を有している。 立体配座的な制限を利用することは、生物活性ポリペプチド類の設計において とても有用であることも分かっている。ポリペプチド類は多くのフレキシブルな ねじれ角を有しているので、溶液中において多くの数の立体配座が可能である。 直鎖のペプチド鎖へ環を導入することにより、立体配座の数は減少し、いくつか の生物学的に活性な物質の合成を可能とする。例えば、ソマトスタチン活性を有 する環状ヘキサペプチドが知られている。 アンギオテンシン変換酵素の2環式ラクタム抑制物質(エナラプリル(enalap ril)及びエナラプリラット(enalaprilat))のように、立体配座的に制限のあ るエンケファリン類似体が知られている。同様な戦略が少なくとも2つの立体配 座的制限を含むペプチドミメティックなベンゾジアゼピン(benzodiazepine)の 展開に最近用いられた。具体的には2環式複素環化合物及びアセチレンリンカー である。ベンゾジアゼピンは非タンパク質RGD(Arg-Gly-Asp)受容 体アンタゴニストである。 立体配座的制限の概念により、シクロスポリンA(CsA)における9-位置 及び10-位置残基の間のアミド結合がトランス体であるときに、免疫抑制物質 であるCsAの生物活性立体配座のみがシクロフィリン(cyclophylin)Aに結合 するという発見を導いた。 しかしながら先行技術には、ポリアミン骨格に1つ又はそれ以上の環構造を導 入することによる立体配座的に制限のある、生物学的に活性なポリアミン類に関 しては報告がない。発明の要約 本発明は化学式(I)の立体配座的に制限のあるポリアミン類に関する。 E-NH-D-NH-B-A-B-NH-D-NH-E (I) ここでAはC2-6アルケンとC3-6シクロアルキル、シクロアルケニル、とシクロ アリールから成る群から選ばれ、Bは単結合とC1-6アルキルとアルケニルから 成る群から独立に選ばれ、DはC1-C6アルキルとアルケニル、とC3-C6シクロ アルキル、シクロアルケニル、とシクロアリールから成る群から独立に選ばれ、 EはH,C1−C6アルキルとアルケニルから成る群から独立に選ばれる。本発明 はさらにそれらの薬学的に適した塩にも関する。 本発明は化学式I化合物の合成方法にも関する。ここで、化学式IIの化合物 は、 HO-B-A-B-OH (II) 保護試薬、好ましくはメシチレンスルホニルクロライドと反応し、化学式III の化合物が得られる。 PROT-O-B-A-B-O-PROT (III) ここでPROTは保護基である。 次に化学式III化合物は化学式IVの化合物と反応し、 E-N(PROT)-D-NH-PROT (IV) 化学式Vの化合物が得られる。 E-N(PROT)-D-N(PROT)-B-A-B-N(PROT)-D-N(PROT)-E(V) 化学式IIIと化学式IVの双方の中間体において、保護基、RPOTはメシチ レンスルホニル部であることがより好ましい。 それから化学式v化合物は脱保護されて、化学式Iの化合物が得られる。 本発明は上述したように薬学的に適するキャリアと組合せて、1つ又はそれ以 上の化学式Iの化合物を含む薬学的な単位投与量形態にも関する。 本発明はこれらの新規な立体配座的に制限のあるポリアミン類の使用にも関す る。これらのポリアミン類は人間を含む哺乳類における使用には、効能のある抗 腫瘍性物質として有用性がある。 さらにこれらのポリアミン類は、酵素及び/又はDNA相互作用への活性部位 形態の研究用の、形状に制限のあるプローブとして有用性がある。これらの分子 のバックボーンは立体配座的に制限されているので、3次元の形はかなり限られ た数しかとりえないと考えられる。これらの化合物の多様な酵素活性部位への結 合、又はDNAとの相互作用の能力を評価することにより、酵素アゴニスト、ア ンタゴニスト及びDNA結合剤に必要な特定な空間的形態に関する知見が得られ る。化合物自体及びそれらの使用の双方が新規である。 本発明は反増殖性病気の治療における化学療法剤として、ポリアミン化合物使 用の研究の過去失敗により励まされた。ポリアミン類であるスペルミジン及びス ペルミンは正常細胞の成長には不可欠であることが知られている。これらの化合 物の生合成を妨げる効能のある反増殖性物質が開発され、それにより細胞増殖は 予防される。これらの物質の1つであるジフルオロメチオルニチン(DFMO) は人間における化学予防剤として現在研究されている。 しかしながら、DFMOの治療的な成功は、ポリアミン輸送システムによる外 因性ポリアミン類の細胞摂取によりほとんど台無しにされる。細胞外環境からポ リアミン類を細胞摂取することは、DFMO効果による細胞性ポリアミンプール の内因性消耗を相殺する。多くの食べ物はポリアミン類が豊富にあるので(例え ばオレンジジュース100mLには約400ppmのスペルミン前駆体であるプ トレッシンを含む)、ポリアミン類の内因性プールを消耗させることにより作用 する合成類似体の抗腫瘍性効果はかなり減少する。 本発明はガン治療剤としてのポリアミン類似体利用への新しい手法を紹介する 。注目すべきことは、スペルミジンとスペルミン双方ともDNAと相互作用する 。これらの相互作用は分離されたDNAに構造的変化を引き起こす。コンピュー タモデリング及び物理化学的研究により、スペルミンは限定されたDNA配列に おける立体配座的な変化を引き起こすことが分かる。現在説明した天然ポリアミ ン類の類似体はスペルミンとは異なるDNA相互作用を示し、培養での腫瘍細胞 成長の抑制を引き起こす。 手短に言えば、作用の特定モードには結合しないが、ポリアミン類似体/DN A相互作用によるDNA立体配座がたぶん変化することにより、抑制されない細 胞増殖の問題を本発明は対象とする。本発明の新規な、立体配座的に制限のある ポリアミン類は効能のある反増殖活性を示す。 結果として、新規な、立体配座的に制限のある化合物を新生細胞成長の治療へ の利用を提供することが、本発明の主要な目的である。 本発明のこれら及び他の目的、目標、利点は以下の詳細な説明及び特許請求の 範囲を読めば明らかである。 図面の簡単な説明 図1は培養乳がん細胞MCF7の生存における増加するSL−1 1048(化合物57)濃度の生体外効果を表わすグラフである。 ED50=1.49μM 図2は培養乳がん細胞MCF7の生存における増加するSL−11038(化 合物23)濃度の生体外効果を表わすグラフである。 ED50=1.34μM 図3は培養乳がん細胞MCF7の生存における増加するSL−11037(化 合物28)濃度の生体外効果を表わすグラフである。 ED50=1.64μM 図4は培養乳がん細胞MCF7の生存における増加するSL−11043(化 合物48)濃度の生体外効果を表わすグラフである。 ED50=1.64μM 図5は培養乳がん細胞MCF7の生存における増加するSL−11047(化 合物58)濃度の生体外効果を表わすグラフである。 ED50=1.49μM 図6は培養乳がん細胞MCF7の生存における増加するSL−11044(化 合物47)濃度の生体外効果を表わすグラフである。 ED50=1.79μM 図7は悪性脳腫瘍(brain cancer)細胞U251MG−NCIの成長における SL−11033(13、■)、SL−11027(12、▲)、SL−110 34(36、▼)、とSL−11028(35、◆)の10μM濃度の生体外効 果を表わすグラフである。 ●はコントロールである。 図8は悪性脳腫瘍細胞U251MG−NCIの成長におけるSL−11033 (13、■)、SL−11027(12、▲)、SL−11034(36、▼) 、とSL−11028(35、◆)の40μM濃度の生体外効果を表わすグラフ である。●はコントロールである。 図9Aと9Bは培養ヒト結腸ガン細胞HT−29の生存における増加するSL −11037(化合物28、●)とSL−11038 (化合物23、○)濃度の生体外効果を表わすグラフである。 図10Aと10Bは培養ヒト結腸ガン細胞HT−29の生存における増加する SL−11043(化合物48、●)とSL−11044(化合物47、○)濃 度の生体外効果を表わすグラフである。 図11Aと11Bは培養ヒト結腸ガン細胞HT−29の生存における増加する SL−11047(化合物58、●)とSL−11048(化合物57、○)濃 度の生体外効果を表わすグラフである。 図12Aと12Bは培養ヒト悪性脳腫瘍細胞U251 MGの生存における増 加するSL−11037(化合物28、●)とSL−11038(化合物23、 ○)濃度の生体外効果を表わすグラフである。 図13Aと13Bは培養ヒト悪性脳腫瘍細胞U251 MGの生存における増 加するSL−11043(化合物48、●)とSL−11044(化合物47、 ○)濃度の生体外効果を表わすグラフである。 図14Aと14Bは培養ヒト悪性脳腫瘍細胞U251 MGの生存における増 加するSL−11047(化合物58、●)とSL−11048(化合物57、 ○)濃度の生体外効果を表わすグラフである。 図15Aと15Bは培養ヒト肺ガン細胞A549の生存における増加するSL −11037(化合物28、●)とSL−11038(化合物23、○)濃度の 生体外効果を表わすグラフである。 図16Aと16Bは培養ヒト肺ガン細胞A549の生存における増加するSL −11043(化合物48、●)とSL−11044(化合物47、○)濃度の 生体外効果を表わすグラフである。 図17Aと17Bは培養ヒト肺ガン細胞A549の生存における増加するSL −11047(化合物58、●)とSL−11048(化合物57、〇)濃度の 生体外効果を表わすグラフである。 図18Aと18Bは培養ヒト前立腺ガン細胞PC3の生存におけ る増加するSL−11037(化合物28、●)とSL−11038(化合物2 3、○)濃度の生体外効果を表わすグラフである。 図19Aと19Bは培養ヒト前立腺ガン細胞PC3の生存における増加するS L−11043(化合物48、●)とSL−11044(化合物47、O)濃度 の生体外効果を表わすグラフである。 図20Aと20Bは培養ヒト前立腺ガン細胞PC3の生存における増加するS L−11047(化合物58、●)とSL−11048(化合物57、○)濃度 の生体外効果を表わすグラフである。 発明の詳細な説明 本明細書中に含まれる詳細な説明の至る所にある多様な反応スキームと表に対 して、参考文献は引用される。明瞭さと簡潔さのために、参照数字は説明される 各固有の化学構造に帰属されている。これらの参照数字は、明細書の開示の至る 所で説明される化学的構成要素を明白に示すために、一貫して利用される。 1. 立体配座的に制限のあるポリアミン類:合成手法 クロマチン構造に影響を及ぼす生物活性なスペルミンリガンドの構築は、シク ロプロピル及びシクロブチルコンストレイン(constrains)をフレキシブルなス ペルミン分子に導入することにより説明される。スペルミンの化学構造式は以下 のようである。 第1の目標位置を中央の1,4−ジアミノブタン部にした。そのねじれ形配座 において、ジアミノブタン部の周りに4つの半重なり 配座の回転異性体が存在する。この4つは鏡像異性体の関係にある。中央のジア ミノブタン部のC-1とC-3位置の間又はC-2とC-4位置の間に結合が導入さ れると、シクロプロパン環が作られる。C-2とC-3位置の間にさらに結合が導 入されると立体配座的に制限のあるアルケン誘導体が作られる。シクロブチル、 シクロペンチル、及びシクロヘキシル部が同じ戦略に従い構造に導入できる。 この手法を用いて、スペルミンの四つの半重なり配座構造を模倣する4つの立 体配座的に半硬直な構造が得られた。半硬直な構造の2つは、他の2つのエピマ ーである。 本発明の目的のために、本発明の化合物のシス及びトランス異性体は中央に位 置した環構造又は不飽和によってもたらされる結合回転の制限のために、3次元 的に全く異なる立体配座をとりうることに注目することは重要てある。本発明の 化合物の純粋に分離されたシス異性体と純粋に分離されたトランス異性体、及び それらの混合物を含むすべての幾何異性体(光学活性またはその他)は、明らか に本発明の範囲内である。さらに、本発明の化合物のすべての位置異性体も、明 らかに本発明の範囲内である。A又はDが環状部であれば、2つのB置換基又は アミン部はお互いに関して、1,2又は1,3又は1,4位置に配向される。 (a)シクロプロピル環を含むスペルミン類似体 スペルミンのシス及びトランスシクロプロピル類似体はスキーム1-5Aに示 される反応により合成された。 スキーム1と2を参照するに、まずシクロプロピルジエステル1と2は、それ ぞれのヒドラジド103と104に変換され、該ヒドラジドはそれぞれジアミン 5と6に変換された。それからジアミン5と6はメシチル基で保護されアミド7 と8を与え、次に該アミドは9でアルキル化されて、それぞれ10と11を与え た。保護基の加水分解によりトランス類似体12とシス類似体13が得られた。 スキーム3を参照するに、別の反応において、トランスシクロプロピルジエス テル1はベンジルアミン(BnNH2)と反応させることによりアミド14へ変 換され、該アミドはアミン15へ還元され、該アミンはアルキル化され16に変 換された。それからフタリル残基はヒドラジンで分解され、17を与えた。次に 化合物17は水素化分解により脱保護されて18を与えるか又は完全にアルキル 化され19を与えるかのどちらかの合成経路をたどり、ベンジル残基は水素化分 解により20を与えた。 スキーム4を参照するに、アミン15は21でさらにアルキル化され22を与 えた。次に化合物22は脱保護されトランスシクロプロピル類似体23が得られ た。 化合物23への好ましい代わりの合成経路をスキーム4Aに示す。ここで、3 −エチルアミノプロピオニトリル101は相当するアミン102へ変換され、そ れからメシチル基で保護されて3を与えた。平行の合成において、シスジエステ ル1はジアルコール15’に還元され、それからメシチル基で保護されジメシチ ル誘導体16’を与えた。水素化ナトリウム存在下で3と16’を反応させると 22’が得られる。スキーム4と同様な方法で、それから22’は脱保護されて トランスシクロプロピル類似体23が得られた。 スキーム5を参照するに、別の反応において、シスプロピルジエステル2はジ アルコール24へ還元された。それから該ジアルコールはアミン25へ変換され 、メシチル化によりアミンを保護して26へ変換された。次に化合物26は9で アルキル化されて27を得て、それから脱保護されてシスプロピルテトラミン2 8が得られた。 化合物28への好ましい代わりの合成経路はスキーム5Aに示す。ここで、シ スシクロプロピルジエステル2は、スキーム5と同じ方法でジアルコール24へ 還元された。それから化合物24はメシチル化により保護され、25’が得られ た。次に化合物25’は3と反応して27が得られた。脱保護によりテトラミン 28を得る。 (b)シクロブチル環を含むスペルミン誘導体 スペルミンのシス及びトランスシクロブチル類似体はスキーム6−9Aに示さ れる反応により合成された。 スキーム6と7を参照するに、シクロブチル誘導体の合成は、それぞれトラン ス及びシス1,2−ジアミノブタン29と30を出発物質とした。まずこれらの 化合物はアミド31と32に変換され、それからアルキル化され、それぞれ33 と34へ変換された。次に化合物33と34は脱保護されてトランステトラミン 35(スキーム6)とシステトラミン36(スキーム7)に変換された。 スキーム8と9を参照するに、別の反応において、トランスシクロブチルジエ ステル37とシスシクロブチルジエステル38は、それぞれのジアルコール39 と40に還元され、該ジアルコールはジアミン41と42へ変換された。それか ら該ジアミン41と42はメシチル化により保護されて、それぞれ43と44が 得られた。それからこれらの化合物はアルキル化され45と46を与えた。次に 保護基は脱保護されトランスシクロブチルテトラミン47(スキーム8)とシス テトラミン48(スキーム8)が得られた。 化合物47と48への好ましい代わりの合成経路を、それぞれスキーム8Aと 9Aに示す。シスとトランスジエステル37と38は、スキーム8と9の同じ方 法によりそれぞれのジアルコール39と40に還元された。それから化合物39 と40はメシチル化され、それぞれ41’と42’が得られた。41’と42’ は3と反応させることにより45(スキーム8A)と46(スキーム9A)が得 られる。脱保護により所望の生成物47と48が得られる。 (c)不飽和を含むスペルミン類似体 スペルミンのシス及びトランス不飽和類似体はスキーム10、10A、11及 び11Aに示される反応により合成された。 スキーム10を参照するに、トランスジエステル49はジアルコール50へ還 元され、それからトランスジアミン51へ変換された。スキーム11を参照する に、シスジアミン52は商業的に入手可能なシスジアルコール43’から得られ た。スキーム10及びスキーム11の双方を参照するに、化合物51と52はメ シチル化により保護され、それぞれ53と54を与えた。化合物53と54はア ルキル化され55と56へ変換され、最終的に脱保護されてトランステトラミン 57(スキーム10)とシステトラミン58(スキーム11)が得られる。 57と58への好ましい代わりの合成経路は、それぞれスキーム10Aと11 Aに示す。シスとトランスジアルコール50’と50はスキーム10と11と同 じ方法で得られた。それから化合物50’と50はメシチル化され、それぞれ5 1’と52’が得られた。51’と52’は3との反応により55(スキーム1 0A)と56(スキーム11A)が得られる。脱保護により所望の生成物57と 58が得られる。 以上の一般的なプロトコールに従い、適切でよく知られた出発試薬を用いて、 AとDが独立にC5又はC6シクロアルキル、シクロアルケニル、又はシクロアリ ールであるものを含む化学式Iのすべての化合物は容易に得られる。化学式Iの 化合物の具体的なリストを表1に記載する。 表1に示された化合物の具体的な合成は、以下の例を参照する。 薬学的に適した塩だけでなく純粋な化合物も、明らかに本発明の範囲内である 。”薬学的に適した塩”という語は、選択された経路による投与に、より耐えら れるようにする本発明の化合物の塩の形であることを意味する。そのような幅広 い多様な塩は薬学技術にお ける通常の知識を有する者によってはよく知られている。好ましい薬学的に適し た塩はクロライド、ブロマイド、ヨード及びこれと同等なもののような酸添加塩 である。 2. 立体配座的に制限があることの有用性 抗腫瘍性物質としてのポリアミン類 新生細胞成長の治療における本発明の化合物の有用性を評価するために、一般 に用いられているガンモデルの成長を、生体外で本発明の化合物が抑制する能力 を研究した。本発明のポリアミン類は10μM以下の薬剤濃度ていくつかの新生 細胞系統における細胞死を誘発する。連続的な希釈において、本発明の立体配座 的に制限のあるポリアミン類は、科学文献に今までに説明されていない微量な濃 度で、ヒト乳ガン(MCF7)、悪性脳腫瘍(U251MG NCI)、肺ガン (A549)、結腸ガン(HT29)及び前立腺ガン(PC3)の、認められた 生体外テスト培養での細胞成長を抑制及び/又は細胞死を引き起こすことがわか った。 図には異なる新生細胞系統における細胞死を引き起こす本発明のポリアミン類 の能力を示す一連の実験の結果を表わすグラフがある。これらの図については以 下の例部分に詳細に説明される。 図1−6を参照するに、各グラフのX軸はテストされた特定の化合物の濃度で ある。図1−6に表わされるグラフのY軸は、テストされた各培養中での生存細 胞のフラクションを示す直線の目盛である。図1−6では新生細胞系統MCF7 を利用し、この細胞系統はヒト乳がん細胞系統である。これらの図は、本発明の ポリアミン類がヒト乳がんの成長を抑制するのに有用であることを明らかに示し ている。図1−6に表わされる6つの化合物は、ED50値は1.34から1.7 9μMの範囲で生体外活性を示す。 図7と8は、ヒト悪性腫瘍細胞系統U251MG-NCIの成長における本発 明の化合物の、それぞれ10μMと40μMに固定した投与での効果を示す。こ こで、X軸は日数を表わし、Y軸は生存している細胞の全数である。図7と8は さらに、本発明の化合物が新生細胞成長を抑制させるのに有用性があることをも 示す。 図9A、9B,10A、10B、11Aと11Bは、HT29細 胞におけるいくつかの本発明化合物の生体外効果を示す。図12A、12B、1 3A、13B、14Aと14Bは、U251MG細胞におけるいくつかの本発明 化合物の生体外効果を示す。図15A,15B、16A、16B、17A、と1 7Bは、A549細胞におけるいくつかの本発明化合物の生体外効果を示す。最 後に図18A,18B、19A、19B、20A,と21Bは、PC3細胞にお けるいくつかの本発明化合物の生体外効果を示す。 3. 投与及び薬学的な単位投与量形態 上述した化合物はガン細胞の成長を抑制するのに効果的であり、該化合物は人 間を含む哺乳類における新生物形成状態の治療に適する。薬理学的に許容な濃度 でのガン細胞成長の抑制が、ヒト乳がん、悪性脳腫瘍、肺ガン、結腸ガンと前立 腺ガン細胞系統において確認された。 本発明の立体配座的に制限のあるポリアミン類を人間又は非人間患者へ投与す ることは、既知の手段により行うことができる。好ましい投与経路は選択された 投与経路に適する薬学的なキャリアと組合せて、静脈内投与、動脈内投与、腫瘍 内投与、筋肉内投与、腹腔内投与、及び皮下投与を含む非経口投与てある。治療 方法は経口投与にもなじむ。 すべての薬と同様に投与されるポリアミンの濃度又は量は、治療されるべき病 気の深刻さ、投与方法、状態と治療が施される対象の年齢、と利用される特定の ポリアミン又はポリアミン類の組合せに依存して変化する。 本明細書にて説明される化合物は、タブレット、ピル、粉末混合物、カプセル 、注射液、溶液、坐薬、乳濁液、分散液、既混合食物の形、及び他の適当な形て 投与可能である。本明細書で説明される化合物を含む薬学的な投与形態は、毒性 のない薬学的な有機キャリア又は毒性のない薬学的な無機キャリアとともに都合 よく混合され る。典型的な薬学的に許容なキャリアには、例えばマンニトール、尿素、デキス トラン、ラクトース、ジャガイモ及びトウモロコシデンプン、ステアリン酸マグ ネシウム、タルク、植物オイル、ポリアルキレングリコール類、エチルセルロー ス、ポリ(ビニルピロリドン)、炭酸カルシウム、オレイン酸エチル、ミリスチ ン酸イソプロピル、安息香酸ベンジル、炭酸ナトリウム、ゼラチン、炭酸カリウ ム、ケイ酸、及び他の便利に利用されて薬学的に許容なキャリアがある。薬学的 な投与形態には、乳化剤、保存剤、加湿剤及びこれと同等なものの毒性のない補 助物質をも含む。 錠剤、カプセル及び粉末のような固体形態は、公知技術において知られている 従来の錠剤成形機及びカプセル充填機を用いて組立てられる。固体投与形態には 従来技術に知られている、賦形剤、潤滑剤、デシカント(dessicants)、結合剤 、着色剤、崩壊剤、ドライフロー改質剤、保存剤及びこれと同等なものを含む付 加的な不活性成分のいずれかを包含する。 経口摂取用の液体形態は、水溶性及び非水溶性キャリア、懸濁液、水中油型及 び/又は油中水型エマルジョン及びこれと同等なものを含む既知の液体キャリア を用いて配合される。液体配合は着色剤、香気、着香剤、粘度調節剤、保存剤、 安定剤及びこれと同等なものを含む付加的な不活性成分のいずれかをも含む。 非経口投与では、本発明の化合物は付加的な界面活性剤又は補助剤のある又は なしで、水又は油のような生理的に許容な希釈剤又は無菌の液体キャリア中の本 発明の化合物の溶液又は懸濁液の注射可能な投与量として投与される。キャリア 油の具体的なリストには、動物及び植物油(ピーナッツオイル、大豆油)、石油 から誘導された油(鉱油)及び合成油類が含まれる。一般に、注射可能な単位投 与には、水、生理用食塩水、水溶性デキストロース及び関連した糖質溶液、とエ タノール及びプロピレングリコール又はポリエチレングリコールのようなグリコ ール溶液が液体キャリアとして好ましい。 選択された薬学的な単位投与量は、ガン細胞と接触させる点で1μMから10 mMの薬濃度を与えるようにうまく組立てられ、投与される。より好ましく濃度 は1から100μMである。この濃度は選択された投与経路及び治療されるべき 対象の重量に依存することはもちろんである。 化学合成例: 以下の例は、除外したものはなく本発明による化合物の製造の具体的なリスト である。本発明のより完全な理解に役立つように本明細書中に単独で、合成例が 含まれる。本例は開示した発明の範囲及び同様に本明細書中の特許請求の範囲を 限定するものではない。参照数字は前記した反応スキームに関してのものである 。 すべての融点は補正されていない。NMRスペクトルは内部標準としてTMS を用いて300MHzスペクトロメータで記録された。生成物の精製はシリカゲ ル60(230−400メッシュ)と適当な溶媒系を用いて行われた。HPLC は逆相でアセトニトリルと酢酸ナトリウム緩衝液、pH4.5のグラジェントを 用いて、ウオーターズ8x10”NOVAPAK”カートリッジ(Millipore Co rporation,Marlboro,Massachusetts)で行った。 化合物1と2はAshtonら(1988)の方法に従い合成した。 化合物1 化合物2 化合物103:ヒドラジン1水和物(3.8mL,80mmol)をエタノール(10mL)中の エチルエステル1(3.5ml,20mmol)の溶液に滴下した。混合液を加熱し、1晩還 流させ白色固体として103を得た。反応液は室温(RT)に冷却され、20mLのクロ ロホルムで希釈され、固体物が濾過された。収率80%; 化合物4:本化合物は化合物103に上記した合成経路により合成した。収率は8 7%であった。 化合物5:125mlのコニカルフラスコへ濃塩酸を加え、9gの砕いた氷をその中 へ加えた。化合物103(1.58g,10mmol)をこの溶液に溶解させ、それからエチルエ ーテル(10mL)を加えた。温度を10℃以下に保ちながら、亜硝酸ナトリウム溶液(1 .73g,4mLの水に25mmol)をゆっくりと滴下した。有機層を分離し、水溶液層をエ ーテル(3x20mL)で抽出し、有機部分と混合させて、塩化カルシウムで乾燥させた 。エーテル溶液を濾過して250mLの丸底フラスコへ入れ、無水トルエン(30mL)で 希釈した。エーテルをフラクショニングカラム還流器を用いて蒸留留去させた。 残存するトルエン溶液を窒素発生が止まるまで85℃で加熱させた。85℃での攪拌 をさらに10分間継続した。まだ暖かいうちに、この溶液を前もって加熱させた(6 0℃)濃塩酸(8mL)へ注いだ。トルエンを減圧下で蒸留留去し、無水エタノール(15 mL)をフラスコへ加え、それから蒸留留去させた。この方法を2回繰り返し、ク リーム色した固体物が得られ、エタノールで浄化し、吸引濾過により純粋な5の 0.645g(収量45%)を得た。 化合物6:本化合物は5の合成と同じ方法で合成された。収率は58%であった。 化合物7:5%の水酸化カリウムを加えることによりpHを約11に保ったジオ キサン/水(1:1)の4mLに化合物5(145mg,1mmol)を溶解させた。それから5mLジオキ サン中のメシチレンスルホニルクロライド(875mg,4mmol)をゆっくりと滴下した 。混合液の上部層を注意深くデカントさせ、ゴム状の残存物をヘキサンですり砕 き白色固 体として7の330mg(収率76%)を得、クロロホルム/ヘキサンから再結晶させた。 化合物8:本化合物は7合成と同じ方法で合成された。収量は95%であった。 化合物10:本化合物はBergeronら(1994)の手順により合成された。0℃の 無水ジメチルホルムアミド(DMF,40mL)中の7(0.872g,2mmol)へ水素化ナトリウム (純度95%,0.111g,4.4mmol)を加えた。混合液を0℃で30分間攪拌させた。無水 DMF(50mL)中の化合物9(1.531g,4.4mmol)をゆっくりと滴下し、0℃でさらに15分 間攪拌させ、それから室温で1晩攪拌させた。反応混合液を水(8mL)で停止させ、 続いてエーテル(3x25mL)で抽出した。有機層をひとまとめにし、水(4x30mL)と飽 和食塩水(2x25mL)で洗浄した。溶媒を減圧下で取り除き、ゴムが得られ、8:1ヘ キサン:酢酸エチルを溶離液としてシリカゲルカラムで濾過させた。得られた生 成物は白色固体として10の1.7g(収率77%)であった。 化合物11:本化合物は化合物10で前述したように7から得られた(収率29%) 。 化合物12:本化合物はBergeronら(1994)の手順で合成され、収率は77%であ った。エタノールから再結晶を行った。 化合物13:本化合物は11から収率28%で得られた。 化合物14:化合物1(3.5mL,20mmol)をトルエン(30mL)に溶解させ、ベンジル アミン(4.61mL,44mmol)を溶液に加えた。混合液を80℃で1晩攪拌させ、白色固体 として14が得られ、濾過し、エタノールで洗浄した。収率85%;mp=237-238℃。 化合物15:水素化リチウムアルミニウム(200mg,5.26mmol)を無水テトラヒド ロフラン(THF)に懸濁させ、アルゴン雰囲気下に置いた。化合物14(500mg,1.62mm ol)を分けて懸濁液に滴下した。14は室 温では溶解しなかったが、1晩還流させている間にゆっくりと溶解した。反応は メタノールを加えて停止させ、溶媒を減圧下で蒸発させ、乾燥させた。それから 残存物はクロロホルム(2x15mL)で抽出された。有機層をアイスソルト(ice-salt) 上で冷却させ、副生成物を沈殿させて濾過した。それからクロロホルムを減圧下 で取り除き、15を得た。シリカゲルと溶離液として5:1のヘキサン:酢酸エチルを 用いて、カラムクロマトグラフィーにより精製された。厚いゴム状の15が収率45 %で得られた。 化合物16:化合物15(4.5g,16.1mmol)をジメチルプロピレンウレア(DMPU)(35mL )に溶解させ、炭酸カリウム(8.95g,64.8mmol)を加え、続いてDMPU(15mL)中の3- ブロモブロピルフタルイミド(8.67g,32.3mmol)を加え、反応溶液を110℃で1晩攪 拌させた。それから反応溶液を0℃に冷却し、沈殿した固体を水(50mL)に溶解さ せた。混合液をエーテル(3x50mL)で抽出し、有機層を水(3x25mL)で洗い、乾燥( 硫酸マグネシウム)させ、真空中で溶媒を蒸発させて厚いゴムを得た。このゴム は、ヘキサン:酢酸エチル(7:3)を溶離液として用いてシリカゲルカラムでカラム クロマトグラフィーにより精製され、6.1g(収率58%)の16を得た。 化合物17:化合物16(5.86g,8.96mmol)をメタノール(100mL)に 溶解させ、ヒドラジン1水和物(3.6mmol)を加え、混合液を加熱し、1晩還流させ た。メタノールを減圧下で蒸発させ、残存物に水酸化アンモニウム(4M,100mL)を 加えた。この溶液をクロロホルム(4x50mL)で激しく抽出し、有機層をひとまとめ にして、乾燥(硫酸マグネシウム)させ、クロロホルムを蒸発させて、ほとんど 純粋な17を厚いゴムとして得た(3.3g,収率94%); 化合物18:化合物17(0.5g,1.27mmol)を酢酸(10mL)に溶解させ、この溶液に 活性炭(200mg)の10%パラジウムを加え、混合液を60℃で1晩水素化させた。触媒 を濾過により取り除き、エーテル(10mL)中の1M塩酸を溶液に添加し、白色固体を 得、濾過し、メタノール/エーテルから再結晶して、18の0.210g(収率46%)を得た 。 化合物19:化合物17(1.5g,3.8mmol)をDMPU(10mL)に溶解させ、炭酸カリウム (1.52g,10.98mmol)をこの溶液に加え、続いて臭化エチル(0.56mL,7.6mmol)を加 えた。フラスコにドライアイス還流コンデンサーを取り付け、それから45℃で1 晩攪拌した。それから混合液を0℃に冷却し、沈殿した固体を水(100mL)に溶解さ せ、エーテル(3x100mL)で抽出し、有機層をひとまとめにして水(3x50mL)で洗い 、乾燥(硫酸マグネシウム)させ、溶媒を蒸発させて厚いゴムを得た。酢酸エチ ルを溶離液として用いて、シリカゲルによるカラム クロマトグラフィーにより、ゴムを精製した(収率95%)。 化合物20:本化合物は19から出発して、18の合成で説明したようにして得ら れた。(収率80%). 化合物22:化合物22は15を反応物として用いて、16の合成で説明したように 合成された(収率51%)。 化合物23(スキーム4):化合物23は18で利用した手順に従い合成された( 収率20%)。生成物はエタノール/エーテルから再結晶された。 化合物23(スキーム4A経由による):スキーム4Aを特に参照するに、3- エチルアミノプロピオニトリル101はIsraelら(1964)の方法により合成された。 N,1−エチルプロパン−1,3−ジアミン、102:水素化リチウムアルミニ ウム(2.54g,66.93mmol)を炎で乾燥させた3つ口フラスコへ入れた。THF(75ml)を ゆっくりと加え、室温で20分間アルゴン雰囲気下て攪拌させた。25mlTHF中の 化合物101(4.322g,44.1mmol)を1滴ずつ滴下し、内容物を80℃で1晩攪拌させた。 反応混合液を室温に冷却し、150mlの30%水酸化ナトリウム溶液で反応停止させた 。有機層を分離し、続いてクロロホルム(100ml)で水溶液層を抽出した。有機層 を1つにまとめ、硫酸ナトリウムで乾燥させた。真空下で溶媒を蒸発させて、オ イルとして3.28g(収率73%)の化合物102を得て、NMRスペクトルから比較的純度が よいことがわかったので、さらに精製せずに次の合成段階に用いた。 N−エチル−N−(3−メシチレンスルホニルアミノプロピル)−メシチレン スルホニルアミド 3:化合物102(2.12g,20.78mmol)を14mlのジオキサン/水(1 :1)へ入れ、5%水酸化ナトリウム溶液でpHを約12に保ちながら、7mlジオキサン中 のメシチレンスルホニルクロライド(11.82g,54.05mmol)の溶液を1滴ずつ(約0.5 時間で)滴下した。厚いゴム状の生成物が溶液から分離された。上澄液を取り除 いた。未精製生成物をヘキサンと酢酸エチル(4:1)を用いてカラム精製し、3.37g (収率35%)の生成物3を白色固体として得た。 化合物15’はAshtonら(1988),J.Med.Chem.31,2304の方法に従い合成された 。 メシチレンスルホン酸2−メシチレンスルホニロキシメチル−トランス−シク ロプロピルメチルエステル、16’:化合物15’(1.65g,16.18mmol)を10mlのピ リジンに溶解させ、0℃へ冷却させた。23mlのピリジン中のメシチレンスルホニ ルクロライド(9.13g,41.75mmol)溶液を約15分以上の時間をかけてゆっくりと滴 下し、室温で3時間攪拌させ、それから氷(75g)上に注いだ。白色固体が析出し、 濾過し、エタノールから再結晶させた。収量2.8g(収率37%); N−エチル−N−{3[(2−{[3−エチル−メシチレンスルホニルアミノ)プ ロピル]−メシチレンスルホニルアミノメチル}−(E)−シクロプロピルメチル )−メシチレンスルホニルアミノ]−プロピル}メシチレンスルホニルアミド、2 2’:化合物3(2.5g,5.37mmol)を炎で乾燥させた3つ口フラスコに入れ、40mlの 無水DMFに溶解させた。水素化ナトリウム(純度95%,300mg)を32℃でアルゴン雰囲 気下でゆっくりと滴下した。内容物を室温で0.5時間攪拌し、それから、35mlの 無水DMF中の16’(1.16g,2.49mmol)の溶液を10分以上かけて滴下した。反応混合 液を70℃へ加熱し、4時間撹拌させ、0℃に冷却し、続いて10mlの水で反応を停 止させた。それから反応停止した溶液をエーテル(3x30ml)で抽出し、1つにまと めた有機層を水(30mlx4)と飽和食塩水(2x25ml)で洗浄した。それから溶媒を取り 除き、未精製のオイルを得、カラムクロマトグラフィー で精製し、融点の低い白色の半固形22’を収率40%で得た(1.0g)。 N-エチル-N'-(2−(3’−エチルアミノ−プロピルアミノメチル)−トラン ス−シクロブロピルメチル)−プロパン−1,3−ジアミンテトラハイドロクロ ライド、23:氷酢酸(8.9mL)中のフェノール(1.68g,17.8mmol)と臭化水素(33%)を 、室温にて塩化メチレン(5mL)中の22’(447mg,0.45mmol)の溶液に逐次滴下した 。溶液を48時間攪拌させた。水(6mL)を加え、続いて塩化メチレン(3x8mL)で抽出 した。水溶液層を減圧下で蒸発させ、残存物に10N水酸化ナトリウム(3mL)を加え 、続いてクロロホルム(12x6mL)で抽出した。クロロホルムを蒸留留去させ厚いゴ ムを得て、無水エーテルを加えた。乾燥させた塩化水素ガスを溶液に通し,白色 固体として23のテトラハイドロクロライドを沈殿させた(140mg,収率75%)。生成 物はエタノール/エーテルから再結晶させた。 化合物24:化合物24はAshtonら(1988)の方法により合成され、無色のオイル として収率75%で得られた。 化合物25:化合物25はFabianoら(1987)の方法を用いて得られた。無水THF(1 0mL)中のジオール24(1.7g,17.01mmol)の溶液に、トルエン(102mL)中の0.4Mのア ンモニア溶液を加え、続いてTHF(15mL)中のジイソプロピルアジドジカルボキシ レイト(7.48g,36.99mmol)の溶液を添加した。生成した混合液にTHF(30mL)中のト リフェニルホスフィン(21.6g,92.35mmol)の溶液を攪拌しながら滴下した。この 反応は発熱反応なので、温度はトリフェニルホスフィン溶液の滴下速度により制 御された。室温で攪拌は1時間継続され、それから50℃で1晩行われた。水(3.5mL )を加え、さらに6時間50℃で攪拌した。溶媒を減圧下で取り除き、残存物は塩化 メチレン(100mL)と1N塩酸(100mL)の間に分離された。水溶液層は塩化メチレン(4 x100mL)で抽出された。減圧下(40℃)で水を取り除き、白色固体として25が得ら れ、メタノール/エーテルから再結晶された(0.650g,収率25%)。 化合物26:化合物26は手順7に従い25から得られた(収率93%)。 生成物はシリカゲルと溶離液としてヘキサン:酢酸エチル(3:2)を用いて、カラム クロマトグラフィーにより精製された。 化合物27:化合物27は26から収率64%で得られた。 化合物28(スキーム5):化合物28は27から収率75%で合成された。 化合物28(スキーム5A経由による):スキーム5Aを特に参照するに、化 合物24は前述のように合成された。メシチレンスルホン酸2−メシチレンスルホ ニロキシメチル−シス−シクロプロピルメチルエステル25’は化合物16’に説明 したように24から得られた。 N−エチル−N−{3[(2−{[3−エチル−メシチレンスルホニルアミノ) プロピル]−メシチレンスルホニルアミノメチル}−(Z)−シクロプロピルメ チル)−メシチレンスルホニルアミノ]−プロピル}メシチレンスルホニルアミ ド、27は25’と3を反応させて収率64%で得られた。 N−エチル−N’−(2−(3’−エチルアミノ−プロピルアミノメチル)− シス−シクロプロピルメチル)−プロパン 1,3−ジアミンテトラハイドロク ロライド、28:本化合物は化合物23(スキーム4A)で説明した手順に従い、収 率75%で合成された。白色固体、 化合物31:本化合物はBuchmanら(1942)の方法により合成された。ジオキサ ン(15mL)中のメシチレンスルホニルクロライド(4.55g,21mmol)を水酸化ナトリウ ム:ジオキサン(2:1)の混合液の20mL中の29(1.1g,6.9mmol)へ磁気攪拌させながら 、一滴ずつ滴下した。混合液は時々5%の水酸化カリウム溶液を添加しながらpH を10-11に維持させた。一旦添加が終了したら、反応混合液をさらに1時間攪拌 させた。白色固体を濾過し、乾燥させて31(2g,64%)を得た。 化合物32:化合物32(収率70%)はBuchmanら(1942)により説明された方法に従 い30から得られた。 化合物33:水素化ナトリウム(純度95%,115mg,4.8mmol)をDMF(20mL)中の31 (900mg,2mmol)の溶液に滴下した。混合液を0℃で30分間攪拌し、DMF(10mL)中の アルキル化試薬9(1.53g,4.4mmol)の溶液を1滴ずつ滴下した。反応混合液を0℃ で30分間攪拌し、それから1晩70-80℃で攪拌し、冷却後、水(5mL)で反応停止さ せた。溶媒を真空ポンプを用いて蒸留留去し、残存物はクロロホルム-水で抽出 された。有機層を乾燥させ、溶媒を蒸発させて残存物が残り、シリカゲル(ヘキ サン中に20%の酢酸エチルを含む溶離液で)を用いたフラッシュクロマトグラフィ ーで精製され、1.2g(収量60%)の33を無色のガラス状のオイルとして得た。 化合物34:化合物34は前述した手順に従い32から得られた。 化合物35:氷酢酸(14mL)中のフェノール(800mg,8.5mmol)と30%臭化水素を、 室温て塩化メチレン(14mL)中のテトラミド33(300mg,0.30mmol)の溶液に逐次滴下 させた。室温で48時間反応溶液を攪拌させた。水(20mL)を加え、続いてクロロホ ルム(3x20mL)で抽出した。水溶性部分は溶媒を蒸発させ乾燥し、残存物に10N水 酸化ナトリウム85mL)を加え、続いてクロロホルム(10x5mL)で抽出した。ひとま とめにした有機相を乾燥させ溶媒を蒸発させた。残った残存物をエタノール(3mL )に溶解させ、濃塩酸を3滴加えて酸性化させ、冷却し、濾過した。35の白色結 晶が得られた(50mg,収率40%)。 化合物36:化合物36(40mg,収率37%)は300mgの34を反応物として用いて、35 の合成で前述した手順に従い得られた。 化合物39:化合物39は前述した手順に従い37(Buchmanら(1942)を参照)か ら得られた。3.85gの37から無色オイルとして1.68g(収率65%)の39が得られた。 化合物40:水素化リチウムアルミニウム(2.8g,73.6mmol)を含む滴下ロート と還流管を備えた3つ口フラスコを氷浴内で冷却し、80mLの乾燥THFを窒素雰囲 気下で滴下した。氷浴を取り外し、30mLのTHF中の38(Buchmanら(1942)を参照)(6 .16g,36mmol)の溶液を1滴ずつ滴下しながら、混合液を室温で攪拌させた。反応 混合液を18 時間還流させ、攪拌させた。氷浴上で冷却させた後、反応混合液は注意深く塩化 アンモニウム飽和溶液(16mL)で処理し、それから酢酸エチル(16mL)で処理した。 不溶性塩を濾過により取り除き、濾液を減圧下で溶媒を蒸発させた。残存物を酢 酸エチルに溶解させ、乾燥(硫酸ナトリウム)、濾過、溶媒留去して無色のオイ ルの3.6g(収率86%)を得た。 化合物41:化合物41は直前に説明した手順に従い、39から得られた。1.97g( 17mmol)の39から、さらに精製する工程なしに、700mg(収率21%)の未精製結晶41 が得られた。 化合物42:THF(10mL)中のアルコール40(1.97g,17mmol)の溶液へ、0.95Mのヒ ドラゾ酸(HN3,39.8mmol)溶液の42mLを加え、続いてTHF(20mL)中のジイソプロピ ル−アゾジカルボキシレイト(7.45g,69mmol)の溶液を加えた。生じた混合液へTH F(85mL)中のトリフェニルホスフィン(19.6g,75mmol)の溶液を攪拌させながら加 えた。室温で1時間攪拌させた後、反応混合液を50℃で6時間加熱させ、溶媒を真 空中で取り除き、残存物を塩化メチレン(60mL)と1N塩酸(30mL)の間で分離させた 。水溶液相はさらに塩化メチレン(3x10mL)で抽出された。減圧下で水を除去する ことによりジアミノハイドロクロライド42(800mg,収率25%)が得られた。この化 合物はさらに精製することなく次の工程に利用された。 化合物44:攪拌させながら1N水酸化ナトリウムとジオキサン(1:1)の混合 溶液に溶解させた42(800mg,4.2mmol)へ、ジオキサン(10mL)中のメシチレンスル ホニルクロライド(2.70g,126mmol)を1滴ずつ滴下させた。時々5%の1N水酸化ナト リウム溶液を添加して混合液のpHが10-11を維持されるようにした。滴下は一旦 終了した後、反応混合液はさらに1時間攪拌させた。溶媒をデカントさせ、オイ ル状の残存物だけをヘキサンで洗浄し、濾過し、乾燥させて、490m g(収率25%)の44を得た。 化合物43:化合物43は前述した手順に従い41から得られた。700mgの41から4 00mg(収率25%)の43が得られた。 化合物46:DMF(20mL)中の44(400mg,0.84mmol)の溶液に水素化ナトリウム(純 度95%,52.3mg,2.18mmol)を0℃で滴下させた。混合液を0℃で30分間攪拌させ、DM F(15mL)中のN-エチル−N-メシチレンスルホンアミド−3−ブロモプロピルアミ ン9(758mg,218mmol)の溶液を1滴ずつ滴下させた。それから反応混合液を0℃で15 分間攪拌させ、次に70-80℃で1晩攪拌させ、それから冷却し、注意深く水(25mL) で反応を停止させた。混合液をエチルエーテル(3x30mL)で抽出させ、まとまた有 機層部分を水(4x30mL)と飽和食塩水(2x20mL)で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)さ せた。溶媒を減圧下で蒸発させ、オイルが得られた。未精製オイルはヘキサン: 酢酸エチル(8:2)、続いてヘキサン:酢酸エチル(8:3)を溶離液として利用して、 カラムクロマトグラフィーにより精製された。800mg(収率94%)の46がガラス状の オイルとして得られた。 化合物45:化合物45は直前に説明した手順に従い43から得られた。300mgの4 3から500mg(収率78%)のガラス状オイル生成物が得られた。 化合物48(スキーム9):氷酢酸(17mL)中のフェノール(3.17g,33.7mmol)と 30%臭化水素を、室温で塩化メチレン(10mL)中の46(759mg,0.74mmol)の溶液へ逐 次滴下させた。溶液を48時間攪拌させ、水(10mL)を加え、続いて塩化メチレン(3 x10mL)で抽出させた。水溶液層を減圧下で蒸発させ、残存物に10N水酸化ナトリ ウム(5mL)を加え、続いてクロロホルム(12x10mL)で抽出させた。クロロホルム除 去後、残存物にエタノール(10mL)を加え、濃塩酸(0.5mL)で酸性化させた。析出 物をエタノール-エーテルから再結晶させ、白色固体として190mg(収率60%)の48 を得た。 化合物47(スキーム8):48の合成手順に従って、50mg(収量23%)の47は白 色結晶として得られた。 化合物47(スキーム8Aを経由して):スキーム8Aを特に参照するに、メ シチレンスルホン酸2−メシチレンスルホニロキシメチル−トランス−シクロブ チルメチルエステル41’(収率83%)は 16’(スキーム4A)の合成で説明した手順に従って39から得られた。 N−エチル−N−{3[(2−{[3−エチル−メシチレンスルホニルアミノ) プロピル]−メシチレンスルホニルアミノメチル}−トランス−シクロブチルメ チル)−メシチレンスルホニルアミノ]−プロピル}メシチレンスルホニルアミ ド、45は22’の合成で説明した手順に従い、41’と3を反応させることにより78% の収率でガラス状のオイルとして得られた。 N−エチル−N’−(2−(3’−エチルアミノ−プロピルアミノメチル)− トランス−シクロブチルメチル)−プロパン1,3−ジアミンテトラハイドロク ロライド、47:23(スキーム4A)の合成で説明した手順に従い、50mg(収率23% )の47が白色固体として得られた。 化合物48(スキーム9A):スキーム9Aを特に参照するに、メシチレンス ルホン酸2−メシチレンスルホニロキシメチル−シス−シクロブチルメチルエス テル、42’(収率80%)は16’の合成で説明した手順に従い40から得られた。 N−エチル−N’−(2−(3’−エチルアミノ−プロピルアミノメチル)− シス−シクロブチルメチル)−プロパン1,3−ジアミンテトラハイドロクロラ イド、48:本化合物は23の合成で説明した手順に従って、収率23%で白色固体と して合成された。生成物はエタノール−エーテルから再結晶され、白色結晶とし て190mg(収率60%)の48が得られた。 化合物50:本化合物はMillerら(1959)の方法に従い合成された。反応物とし て49を用いて、50は収率70%で合成された。 化合物51:化合物51は(収率86%)25の合成で説明したように、白色固体とし て合成された。 化合物52:化合物52は(収率45%)商業的に入手可能なシス−ベテン−1,4 −ジオール50’から25の合成で説明したように合成された。 化合物53:化合物53は51から収量29%で合成された。 化合物54:化合物54は52から収率74%で合成された。 化合物55:化合物55は10の合成で説明した手順により、収率91%で合成され た。 化合物56:化合物56は54から10の合成で説明したように、収率88%で合成さ れた。 化合物57(スキーム10):化合物57は12の合成で説明したように、出発物 質35から収率86%で合成された。 化合物58(スキーム11):化合物58は56から収率86%で合成 された。 化合物57(スキーム10Aを経由して):スキーム10Aを特に参照する。 メシチレンスルホン酸4−メシチレンスルホニロキシ−E−ブチ−2−エニルエ ステル51’:ジオール50(1.76g,20mmol)とベンジルトリエチルアンモニウムブロ マイド(270mg,1mmol)を、30mL50%水酸化カリウムと30mLのジオキサンの混合液に 溶解させた。30mLのジオキサン中のメシチレンスルホニルクロライド(8.72g,40m mol)を1滴ずつ滴下させながら、反応混合液を氷水浴内で攪拌させた。滴下が終 了したときに、攪拌をさらに1時間継続させた。過剰の水を加え、冷却後に白色 析出物を濾過した。クロロホルム-ヘキサンから結晶化させて、7.0gの51’(収率 77%)を得た。 N−エチル−N−{3[2−{[3−エチル−メシチレンスルホニルアミノ)プ ロピル]−メシチレンスルホニルアミノメチル}−ブチ(E)−2−エニル)− メシチレンスルホニルアミノ]−プロピル}メシチレンスルホニルアミド 55: 本化合物は22’の合成で説明したように91%の収率で合成された。 N,N’−ビス(3−エチルアミノプロピル)−(E)−ブチ−2−エン−1 ,4−ジアミンテトラハイドロクロライド、57は23の合成(スキーム4A)で説 明したように、収率86%で合成された。 化合物58(スキーム11Aを経由して):スキーム11Aを特に参照するに 、メシチレンスルホン酸4−メシチレンスルホニロキシ−E−ブチ−2−エニル エステル、52’は50’から、前述したような手順に従い、収率75%で得られた。 N−エチル−N−{3[(2−{[3−エチル−メシチレンスルホニルアミノ) プロピル]−メシチレンスルホニルアミノメチル}−ブチ−(Z)−2−エニル )−メシチレンスルホニルアミノ]−プロピル}メシチレンスルホニルアミド、5 6は22の合成(スキーム4A)で説明したように、収率88%で合成された。 N,N’−ビス(3−エチルアミノプロピル)−(Z)−ブチ−2−エン−1 ,4−ジアミンテトラハイドロクロライド、58は23の合成(スキーム4A)と同 じ方法で56から、収率86.5%で合成された。 生物学的活性例: これら以下の例は本発明の化合物が新生細胞成長を抑制させる有用性を説明す るために示される。前述したように、本例は開示した発明の範囲及び同様に本明 細書中の特許請求の範囲を限定するものではない。 細胞系統及び培地: ヒト乳がん細胞系統MCF7は、10%胎仔ウシ血清(FBS)と2.2g/ Lの炭酸水素ナトリウムで補給されたリクター改善修飾されたイーグル培地中で 成長させた。ヒト悪性脳腫瘍細胞系統U251MG−NCIは、10%FBS補 給されたダルベッコ修飾イーグル培地中で成長させた。ヒト肺がん細胞系統A5 49は、10%FBSと2mMのL−グルタミンで補給されたHam's F−12K 培地(Fisher Scientific,Itasca,Illinois)中で成長させた。 ヒト結腸ガン細胞系統HT29は、10%FBS補給されたMcCoy's 5A培地( Gibco,BRL,Gaithersburg,Maryland)中で培養された。ヒト前立腺ガン細胞系 統PC3は5%FBS補給されたダルベッコ修飾イーグル培地中で成長させた。 A549とMCF7細胞系統は100単位/mLのペニシリンと100μg/mLのスト レプトマイシン中で培養させた。HT29とU251MG細胞系統は50μg/m Lのゲンタマイシン中で成長させた。PC3細胞系統は1%の抗生物質性-抗真 菌性溶液(Sigma,St.Louis,Missouri)中で維 持された。細胞培養は37℃の5%CO2/95%湿気のある空気中で行われた。 すべての細胞培養はAmerican Type Culture Collection,Rockville,Marylandか ら入手可能である。 例 1−8: 標準化されたプロトコールはこれらのテスト培養を評価するのに利用され、図 1−8に示すデータが得られた。 デイ(Day)1: テストされる各薬剤の10の標準的な培養フラスコは、培地の5mL中の特定 のタイプの5x105細胞でプレート(plate)され、37℃で16−24時間イン キュベートされた。 デイ2: 評価される化合物の新鮮なストックを調製した。各薬剤に対して、デイ1で調 製された10の培養フラスコの2つをコントロールとして利用する。コントロー ルフラスコは溶媒のみで処理される。それから各化合物に対して4つのフラスコ は、評価される化合物の濃度を連続的に希釈させて処理させた。残ったフラスコ はそのままの状態にする。細胞は37℃で4時間インキュベートさせる。 4時間後、コントロールフラスコはカウントされ(各フラスコに対して2回カ ウントされる)、mL当たりの細胞数はコントロールカウントの平均に基づいて 計算される。それからコントロールの細胞数/mLに基づいた希釈からの各フラ スコに対して、細胞は6つの60mm皿に再プレートされる。(種々のテストに おいて、細胞濃度は約50から約800細胞/mLの範囲にある。) デイ15-20: 細胞はコロニー形成のために監視される。目視できるときは、細胞は0.5% クリスタルバイオレット(95%のエタノール中)で染色され、カウントされる 。それから各皿の平版効率が計算される。各フラスコに対する6つの皿の平版効 率は平均化され、標準偏差が 計算される。各濃度での細胞生存のフラクションはコントロールの結果に基づい て求められる。 例1:MCF7におけるSL−11048(化合物57)の生体外効果 前述した標準的なプロトコールに従い、MCF7細胞系統におけるSL−11 048(化合物57)の効果を評価した。結果を図1に示す。図1に示すように ED50は1.49μMである。 例2:MCF7におけるSL−11038(化合物23)の生体外効果 前述した標準的なプロトコールに従い、MCF7細胞系統におけるSL−11 038(化合物23)の効果を評価した。結果を図2に示す。図2に示すように ED50は1.34μMである。 例3:MCF7におけるSL−11037(化合物28)の生体外効果 前述した標準的なブロトコールに従い、MCF7細胞系統におけるSL−11 037(化合物28)の効果を評価した。結果を図3に示す。図3に示すように ED50は1.64μMである。 例4:MCF7におけるSL−11043(化合物48)の生体外効果 前述した標準的なプロトコールに従い、MCF7細胞系統におけるSL−11 043(化合物48)の効果を評価した。結果を図4に示す。図4に示すように ED50は1.64μMである。 例5:MCF7におけるSL−11047(化合物58)の生体外効果 前述した標準的なプロトコールに従い、MCF7細胞系統におけるSL−11 047(化合物58)の効果を評価した。結果を図5に示す。図5に示すように ED50は1.49μMである。 例6:MCF7におけるSL−11044(化合物47)の生体外効果 前述した標準的なプロトコールに従い、MCF7細胞系統におけるSL−11 044(化合物47)の効果を評価した。結果を図6に示す。図6に示すように ED50は1.79μMである。 例7:U251MG−NCI細胞における10μM濃度のSL−11033(1 3、■)、SL−11027(12、▲)、SL−11034(36、▼)とS L−11028(35、◆)の生体外効果。 ここで、上記確認された化合物はヒト悪性脳腫瘍細胞系統U251MG−NC Iの培養へ10μMの濃度て投与され、前述した標準的なプロトコールに従って 評価された。結果を図7に示す。用いた10μM投与量では、SL−11027 (12)が細胞成長の著しい抑制を示した。コントロールは●である。 例8:U251MG−NCI細胞における40μM濃度のSL−11033(1 3、■)、SL−11027(12、▲)、SL−11034(36、▼)とS L−11028(35、◆)の生体外効果。 本例は40μMの投与量以外は例7と同じである。結果を図8に示す。ここで 、用いた40μM投与量では、SL−11034(36)が細胞成長の著しい抑 制を示した。コントロールは●である。 例9−20: ここでは細胞生存率を評価するために、従来のMTT分析を利用 した。ウェル(well)当たり500細胞の密度で96ウェルプレートに、指数関数 的に成長する単層細胞をプレートさせた。薬剤の連続的な希釈物をウェルに加え た。薬剤処理6日後、25μlのMTT溶液(5mg/ml)を各ウェルの添加 し、37℃で4時間インキュベートさせた。それから100μlの溶菌緩衝液(2 0%ドデシル硫酸ナトリウム、50%DMFと0.8%酢酸、pH4.7)を各 ウェル添加し、さらに22時間インキュベートさせた。570nmに設定したマ イクロプレートリーダー(”EMAX”ブランド、Molecular Devices,Sunnyval e,California)は、培養の光学密度を求めるために用いられた。結果は薬剤処理 されたウェルの光学密度の溶剤のみで処理されたウェルの光学密度に対する割合 として表わされる。 種々の細胞系統に対するテストされた化合物のID50投与を表2に示す。ID50 は培養細胞の50%を死滅させる薬剤濃度である。 例9:前述した標準的なMTTプロトコールを用いて、培養HT29細胞は化合 物28(SL11037)と23(SL11038)の連続希釈物に接触させた 。溶剤のみに接触させた培養と比較して、各薬剤濃度での細胞生存率を求めた。 結果を図9Aと9Bに示す。HT29に対するこれらの化合物のID50は表2に 示す。 例10:前述した標準的なMTTプロトコールを用いて、培養HT29細胞は化 合物48(SL11043)と47(SL11044)の連続希釈物に接触させ た。溶剤のみに接触させた培養と比較して、各薬剤濃度での細胞生存率を求めた 。結果を図10Aと10Bに示す。HT29に対するこれらの化合物のID50は 表2に示す。 例11:前述した標準的なMTTプロトコールを用いて、培養HT29細胞は化 合物58(SL11047)と57(SL11048)の連続希釈物に接触させ た。溶剤のみに接触させた培養と比較して、各薬剤濃度での細胞生存率を求めた 。結果を図11Aと11Bに示す。HT29に対するこれらの化合物のID50は 表2に示す。 例12:前述した標準的なMTTプロトコールを用いて、培養U251 MG細胞 は化合物28(SL11037)と23(SL11038)の連続希釈物に接触 させた。溶剤のみに接触させた培養と比較して、各薬剤濃度での細胞生存率を求 めた。結果を図12Aと12Bに示す。U251 MGに対するこれらの化合物 のID50は表2に示す。 例13:前述した標準的なMTTプロトコールを用いて、培養U251 MG細胞 は化合物48(SL11043)と47(SL11044)の連続希釈物に接触 させた。溶剤のみに接触させた培養と比較して、各薬剤濃度での細胞生存率を求 めた。結果を図13Aと1 3Bに示す。U251 MGに対するこれらの化合物のID50は表2に示す。 例14:前述した標準的なMTTプロトコールを用いて、培養U251 MG細胞 は化合物58(SL11047)と57(SL11048)の連続希釈物に接触 させた。溶剤のみに接触させた培養と比較して、各薬剤濃度での細胞生存率を求 めた。結果を図14Aと14Bに示す。U251 MGに対するこれらの化合物 のID50は表2に示す。 例15:前述した標準的なMTTプロトコールを用いて、培養A549細胞は化 合物28(SL11037)と23(SL11038)の連続希釈物に接触させ た。溶剤のみに接触させた培養と比較して、各薬剤濃度での細胞生存率を求めた 。結果を図15Aと15Bに示す。A549に対するこれらの化合物のID50は 表2に示す。 例16:前述した標準的なMTTプロトコールを用いて、培養A549細胞は化 合物48(SL11043)と47(SL11044)の連続希釈物に接触させ た。溶剤のみに接触させた培養と比較して、各薬剤濃度での細胞生存率を求めた 。結果を図16Aと16Bに示す。A549に対するこれらの化合物のID50は 表2に示す。 例17:前述した標準的なMTTプロトコールを用いて、培養A549細胞は化 合物58(SL11047)と57(SL11048)の連続希釈物に接触させ た。溶剤のみに接触させた培養と比較して、各薬剤濃度での細胞生存率を求めた 。結果を図17Aと17Bに示す。A549に対するこれらの化合物のID50は 表2に示す。 例18:前述した標準的なMTTプロトコールを用いて、培養PC 3細胞は化合物28(SL11037)と23(SL11038)の連続希釈物 に接触させた。溶剤のみに接触させた培養と比較して、各薬剤濃度での細胞生存 率を求めた。結果を図18Aと18Bに示す。PC3に対するこれらの化合物の ID50は表2に示す。 例19:前述した標準的なMTTプロトコールを用いて、培養PC3細胞は化合 物48(SL11043)と47(SL11044)の連続希釈物に接触させた 。溶剤のみに接触させた培養と比較して、各薬剤濃度での細胞生存率を求めた。 結果を図19Aと19Bに示す。PC3に対するこれらの化合物のID50は表2 に示す。 例20:前述した標準的なMTTプロトコールを用いて、培養PC3細胞は化合 物58(SL11047)と57(SL11048)の連続希釈物に接触させた 。溶剤のみに接触させた培養と比較して、各薬剤濃度での細胞生存率を求めた。 結果を図20Aと20Bに示す。PC3に対するこれらの化合物のID50は表2 に示す。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成10年11月27日(1998.11.27) 【補正内容】 ここでAはC2-6アルケンとC3-6シクロアルキル、シクロアルケニル、及びアリ ールから成る群から選ばれ、Bは単結合とC1-6アルキル及びアルケニルから成 る群から独立に選ばれ、DはC1-C6アルキル及びアルケニル、とC3-C6シクロ アルキル、シクロアルケニル、及びアリールから成る群から独立に選ばれ、Eは H,C1-C6アルキル及びアルケニルから成る群から独立に選ばれる。本発明は さらにそれらの薬学的に適した塩にも関する。ラジカルA,B及びCはダイバレ ント(divalent)であると理解される。本明細書を通じて、簡潔さのため、これら のラジカルは相当する化合物又はモノバレント(monovalent)ラジカルに関して参 照される。よって例えば、実際にはAはC2−C6アルケニレン、又はC3−C6シ クロアルキレン、シクロアルケニレン又はアリレンラジカルである。 本発明は化学式I化合物の合成方法にも関する。ここで、化学式IIの化合物 は、 HO-B-A-B-OH (II) 保護試薬、好ましくはメシチレンスルホニルクロライドと反応し、化学式III の化合物が生成する。 PROT-O-B-A-B-O-PROT (III) ここでPROTは保護基である。 次に化学式III化合物は化学式IVの化合物と反応し、 E-N(PROT)-D-NH-PROT (IV) 化学式Vの化合物が得られる。 E-N(PROT)-D-N(PROT)-B-A-B-N(PROT)-D-N(PROT)-E (V) 化学式IIIと化学式IVの双方の中間体において、保護基、RPOTはメシチ レンスルホニル部であることがより好ましい。 それから化学式V化合物は脱保護されて、化学式Iの化合物が得られる。 本発明は上述したように薬学的に適するキャリアと組合せて、1つ又はそれ以 上の化学式Iの化合物を含む薬学的な単位投与量形態にも関する。 本発明はこれらの新規な立体配座的に制限のあるポリアミン類の使用にも関す る。これらのポリアミン類は人間を含む哺乳類における使用には、効能のある抗 腫瘍性物質として有用性がある。 請求の範囲 1. 下記化学式(I)で表わされ、 E-NH-D-NH-B-A-B-NH-D-NH-E (I) ここでAはC2−C6アルケニレンとC3−C6シクロアルキレン、シクロアルケ ニレン、及びアリレンから成る群から選ばれ、 Bは単結合とC1−C6アルキレン及びアルケニレンから成る群から独立に選ば れ、 DはC1−C6アルキレン及びアルケニレンとC3−C6シクロアルキレン、シク ロアルケニレン、及びアリレンから成る群から独立に選ばれ、 EはC1−C6アルキル及びアルケニルから成る群から独立に選はれる化合物、 及び薬学的に適するこれらの塩。 2. Aはシクロプロピレン及びシクロブチレンから成る群から選ばれることを 特徴とする請求項1記載の化合物。 3. Bは単結合、メチレン及びエチレンから成る群から選ばれることを特徴と する請求項1又は請求項2記載の化合物。 4. Dはプロピレンであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の化合物 。 5. Aはシス−2−ブテニレン、トランス−2−ブテニレン、シス−シクロプ ロピレン、トランス−シクロプロピレン、シス−シクロブチレン及びトランス− シクロブチレンから成る群から選ばれ、Bは単結合及びメチレンから成る群から 選ばれ、Dはプロピレンで あり、及びEはH、メチル、エチル及びプロピルから成る群から選ばれることを 特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の化合物。 6. Aはシス−2−ブテニレン、トランス−2−ブテニレン、シス−シクロプ ロピレン、トランス−シクロプロピレン、シス−シクロブチレン及びトランス− シクロブチレンから成る群から選ばれ、Bは単結合又はメチレンであり、Dはプ ロピレンであり及びEはエチルであることを特徴とする請求項1記載の化合物。 7. 薬学的に適するキャリアと組合せて、請求項1から6のいずれか1項記載 の1つ又はそれ以上の化合物から成る哺乳類における新生細胞成長の抑制のため の薬学的な単位投与形態。 8. キャリアは液体キャリア又は固体キャリアであることを特徴とする請求項 7記載の薬学的な単位投与形態。 9. 哺乳類における新生細胞成長の治療のための薬剤の製造における請求項1 から6記載のいずれか1項記載の化合物の使用。 10.下記化学式(I)、 E-NH-D-NH-B-A-B-NH-D-NH-E (I) で表わされる化合物を合成する方法であって、 ここでAはC2−C6アルケニレンとC3−C6シクロアルキレン、シクロアルケ ニレン及びアリレンから成る群から選ばれ、 Bは単結合とC1−C6アルキレン及びアルケニレンから成る群から独立に選ば れ、 DはC1−C6アルキレン及びアルケニレンとC3−C6シクロアルキレン、シク ロアルケニレン及びアリレンから成る群から独立に選ばれ、 EはH,C1−C6アルキル及びアルケニルから成る群から独立に選ばれる化合 物にあって、 (a)下記化学式(II)の化合物を HO-B-A-B-OH (II) 保護試薬と反応させて下記化学式(III)の化合物が生成し、 PROT-O-B-A-B-O-PROT (III)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 マートン,ローレンス ジェイ アメリカ合衆国,ウイスコンシン州 53711,フィッチバーグ,ツリー・ライ ン・ドライヴ 5810番 (72)発明者 レディ,ヴェンドハー ケイ アメリカ合衆国,ウイスコンシン州 53705,マジソン,ユニヴァーシティ・ハ ウジズ,アパートメント 30B(番地な し) (72)発明者 ヴァラサイナス,アルドニア エル アメリカ合衆国,ウイスコンシン州 53705,マジソン,エヌ・オ・クレール・ アヴェニュ 402番 (72)発明者 ウィチアック,ドナルド ティー アメリカ合衆国,ウイスコンシン州 53711,マジソン,ボスハード・ドライヴ 3046番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 下記化学式(I)で表わされ、 E-NH-D-NH-B-A-B-NH-D-NH-E (I) ここでAはC3−C6シクロアルキル、シクロアルケニル、及びシクロアリール から成る群から選ばれ、 Bは単結合とC1−C6アルキル及びアルケニルから成る群から独立に選ばれ、 DはC1−C6アルキル及びアルケニル、とC3−C6シクロアルキル、シクロア ルケニル、及びシクロアリールから成る群から独立に選ばれ、 EはH,C1−C6アルキル及びアルケニルから成る群から独立に選ばれる化合 物、 及び薬学的に適するこれらの塩。 2. Aはシクロプロピル及びシクロブチルから成る群から選ばれることを特徴 とする請求項1記載の化合物。 3. Bは単結合、メチル、及びエチルから成る群から選ばれることを特徴とす る請求項1又は請求項2記載の化合物。 4. Dはプロピルであることを特徴とする請求項1、2、又は3記載の化合物 。 5. Aはシス−シクロプロピル、トランス−シクロプロピル、シス−シクロブ チル及びトランスーシクロブチルから成る群から選ばれ、Bは単結合及びメチル から成る群から選ばれ、Dはプロピルであり、EはH,メチル、エチル、及びプ ロピルから成る群から選ば れることを特徴とする請求項1から4記載のいずれか1項記載の化合物。 6. Aはシス−シクロプロピル、トランス−シクロプロピル、シス−シクロブ チル、及びトランス−シクロブチルから成る群から選ばれ、Bは単結合又はメチ ルであり、Dはプロピルであり、及びEはエチルであることを特徴とする請求項 1記載の化合物。 7. 薬学的に適するキャリアと組合せて、請求項1から6のいずれか1項の1 つ又はそれ以上の化合物から成る哺乳類における新生細胞成長の抑制のための薬 学的な単位投与形態。 8. キャリアは液体キャリア又は液体キャリアであることを特徴とする請求項 7記載の薬学的な単位投与形態。 9. 哺乳類における新生細胞成長の治療のための薬剤の製造における請求項1 から6のいずれか1項記載の化合物の使用。 10. 下記化学式(I)、 E-NH-D-NH-B-A-B-NH-D-NH-E (I) で表わされる化合物の合成する方法であって、 ここで、AはC2−C6アルケンとC3−C6シクロアルキル、シクロアルケニル 、及びシクロアリールから成る群から選ばれ、 Bは単結合とC1−C6アルキル及びアルケニルから成る群から独立に選ばれ、 DはC1−C6アルキル及びアルケニル、とC3−C6シクロアルキル、シクロア ルケニル、及びシクロアリールから成る群から独 立に選ばれ、 EはH,C1−C6アルキル及びアルケニルから成る群から独立に選ばれる化合 物にあって、 (a)下記化学式(II)の化合物を HO-B-A-B-OH (II) 保護試薬と反応させて下記化学式(III)の化合物が生成し、 PROT-O-B-A-B-O-PROT (III) ここでPROTは保護基であり、それから (b)工程(a)からの化学式(III)化合物を下記化学式(IV)化合物と 反応させ、 E-N(PROT)-D-NH-PROT (IV) 下記化学式(V)の化合物が生成し、 E-N(PROT)-D-N(PROT)-B-A-B-N(PROT)-D-N(PROT)-E(V) それから (c)化学式(V)化合物を脱保護し化学式(I)の化合物が生成する 各工程から成る合成方法。 11. 工程(a)において、化学式(II)化合物はメシチレンスルホニルク ロライドである保護試薬と反応させ、工程(b)にお いて、化学式(IV)化合物におけるPROTはメシチレンスルホニル保護基で あることを特徴とする請求項11記載の方法。
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