JP2002507251A - 軽量構造用鋼およびその使用 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、高品質、高冷間成形性、超耐久性を有し、特に深絞り性が優れ、引張強さが１１００ＭＰａに達し、更にＴＲＩＰおよびＴＷＩＰ特性を備えたの軽量構造用オーステナイト鋼に関する。本発明はまた、ボディー用構造部材、強化用構造部材、低温貯蔵容器およびパイプラインとしての上記鋼の使用にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】 軽量構造用鋼およびその使用 本発明は、軽量構造用鋼およびその使用に関する。 本発明の目的は、冷間加工特に深絞りが容易で、極限引張強さ（ＵＴＳ）が１ １００ＭＰａにまで達し、ＴＲＩＰおよびＴＷＩＰ特性を備え、かつ経済的な合 金元素を用いることにより製造コストを抑えた軽量構造用鋼を提供することであ る。 この目的は、本発明によれば、質量％で： １〜６％ Ｓｉ １〜８％ Ａｌ （Ａｌ＋Ｓｉ）≦１２％ １０〜３０％ Ｍｎ 残部は鉄および通常の鋼随伴元素 である化学組成を特徴とするオーステナイト鋼によって達成される。 望ましくは、この軽量構造用鋼は、Ｓｉ含有量およびＡｌ含有量が各々２〜４ ％で、Ｍｎ含有量が２４〜２６％のＭｎであり、残部が実質的に鉄である。 この鋼の特徴は、加工硬化率が高いことにより降伏応力が４００ＭＰａに向上 したこと、引張強さが１１００ＭＰａに達すること、均一伸びが７０％に達し、 最大伸びが９０％に達することである。 本発明の組成範囲内において、Ｓｉ含有量およびＡｌ含有量が各々３％で、Ｍ ｎ含有量が２５％であり、残部が鉄であって、ミクロ組織がオーステナイトであ り、ＴＲＩＰ（変態誘起塑性）およびＴＷＩＰ（双晶誘起塑性）の特性を備えた 鋼は、１５０℃以下の温度 において、公知の高強度深絞り鋼の吸収エネルギー０．２Ｊmm^-3に対して０．５ Ｊmm^-3の吸収エネルギーを確保しながら伸びが６５％に達する。 ０．５Ｊmm^-3という高い値の吸収エネルギー（消耗エネルギー）が得られるの は、加工誘起マルテンサイト変態とオーステナイト相での双晶の多量発生のため である。上記特性および機械的性質（引張特性）は、１０³ｓ^-1に達する極めて 高い変形速度でも確保される。本発明のＴＲＩＰおよびＴＷＩＰ鋼の優れた塑性 変形特性は低温まで維持される。 更に、本発明の鋼は、合金元素としてＡｌ、ＳｉおよびＭｎを用いたことによ り、密度を７ｇ／cm³まで低減できる。 本発明の鋼は、上記の各特性を備えているので、熱間圧延板の状態で、また用 途上許容されるのであれば冷間圧延板の状態で、衝突安定性の高い自動車ボディ ー用の他、低温貯蔵容器やパイプライン用としても有用である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 グレッセル，オリファー ドイツ連邦共和国，デー―47800 クレフ ェルト，コイトマンシュトラーセ 234

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．冷間加工、特に深絞りが容易で、極限引張強さが１１００ＭＰａに達し、 ＴＲＩＰおよびＴＷＩＰ特性を備えた軽量構造用オーステナイト鋼であって、化 学組成（質量％）が、 １〜６％ Ｓｉ、 １〜８％ Ａｌ、 （Ａｌ＋Ｓｉ）≦１２％、 実質的に鉄であって通常の鋼随伴元素を含む残部、 であることを特徴とする軽量構造用オーステナイト鋼。 ２．化学組成（質量％）が、 ２．０〜４．０％Ｓｉ、 ２．０〜４．０％Ａｌ、 ２４〜２６％Ｍｎ、 実質的に鉄であって通常の鋼随伴元素を含む残部、 であることを特徴とする請求項１記載の鋼。 ３．質量％で、Ａｌ含有量およびＳｉ含有量が各々３％で、Ｍｎ含有量が２５ ％であり、残部が実質的に鉄であって通常の鋼随伴元素を含むことを特徴とする 請求項２記載の鋼。 ４．自動車ボディー用金属板部材用およびスティフナー用ボディー構造部材用 の材料としての、請求項１から３までのいずれか１項記載の化学組成の鋼の使用 。 ５．低温貯蔵容器またはパイプライン用の、熱間圧延板用または用途上許容さ れる場合には冷間圧延板用の材料としての、請求項１から３までのいずれか１項 記載の化学組成の鋼の使用。