JP2002505701A - エレクトロルミネセント材料 - Google Patents

エレクトロルミネセント材料

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Abstract

(57)【要約】 高い光ルミネセント収率を有するエレクトロルミネセントデバイスは、1層のエレクトロルミネセント材料が形成される透明導電性基板を包含し、エレクトロルミネセント材料は希土類金属、アクチニド、または25%より大きい光ルミネセント収率(PL)を有する遷移金属有機錯体である。

Description

【発明の詳細な説明】 エレクトロルミネセント材料 本発明は、エレクトロルミネセンス材料およびそれらを組み込んだデバイスに 関する。 電流が通過するとき光を発する材料は周知であり、広範囲のディスプレイの適 用に使用される。液晶デバイスおよび無機半導体システムに基づくデバイスが広 く使用されるが、これらは、高エネルギー消費、製造の高コスト、低量子収率お よびフラットパネルディスプレイを作製できないことの不利益を欠点として有す る。 有機ポリマーは、エレクトロルミネセントデバイスにおいて有用であると提唱 されているが、純粋な色を得ることは不可能であり、これらを生成することは高 価であり、相対的に低い収率を有する。 提唱されている別の化合物は、アルミニウムキノレートであるが、これはある 範囲の色を得るために使用されるべきドーパントを必要とし、相対的に低い収率 を有する。 Chemistry letters 657-660頁,1990年の論文において、Kidoらは、テルビウ ムIIIアセチルアセトネート錯体が緑色エレクトロルミネセントであることを開 示し、Applied Physics letters 65(17)(1994年10月24日)の論文において、Ki doらは、ユーロピウムIIIトリフェニレンジアミン錯体が赤色エレクトロルミネ セントであることを開示するが、これらは大気条件下で不安定であり、フィルム として生成するのは困難であった。 これらの論文中に開示された錯体は低い光ルミネセント収率を有し、緑色光ま たは赤色光を生成し得るにすぎず、他の色は生成され得なかった。 本発明者は、高い光ルミネセント収率を有し、従来生成するのが困難であった ある範囲の色を生成し得る、エレクトロルミネセント材料を開示する。 これらの化合物の高い光ルミネセント収率によって、広範囲の適用が可能にな る。 本発明に従い、透明な基板を包含する光ルミネセントデバイスが提供され、こ の基板上に1層のエレクトロルミネセント材料が形成され、このエレクトロルミ ネセント材料は、25%より高い光ルミネセント収率(PL)を有する希土類金属、ア クチニドまたは遷移金属の有機鉗体である。 光ルミネセント収率は吸収光から発光への転換の収率の程度であり、N.C.Gree nhamらによるChemical Physics Letters 241(1995)89-96中の論文に記載される ように測定され得る。 収率を測定するために使用される別の測定は、材料による電気の消費(エレク トロルミネセント収率)に基づく。 本発明の金属錯体は、式X(Y1)(Y2)(Y3)を有し、Xは希土類、遷移金属、 状態IIIのランタニドまたはアクチニドであり、そしてY1,Y2,Y3は同一かま たは異なる有機鉗体である。金属が例えばEuIIのような状態IIにある場合、2つ のY基が存在し、金属が状態IVにある場合、4つのY基が存在する。 希土類キレートは紫外線照射において蛍光を発することで既知であり、A.P.Si nha(Spectroscopy of Inorganic Chemistry Vol.2 Academic Press 1971)は、 種々の単座配位リガンドおよび二座配位リガンドを有する幾つかのクラスの希土 類キレートについて記載する。 芳香族複合試剤を有する群III A金属およびランタニドおよびアクタノイドはG .Kallistratos(Chimica Chronika,New Serles,11,249-266(1982)によって記 載されている。この引用文献は、特に、ジフェニル−ホスホンアミドトリフェニ ル−ホスホランのEu(III)、Tb(III)およびU(III)錯体について開示する。 EP 0744451A1はまた、遷移金属、ランタニド金属またはアクタノイド金属の蛍 光キレートについて開示する。 使用される既知のキレートは、ジケトンおよびトリケトン部位に基づくものを 含む上記の引用文献に開示される。 高PLを有し、所望の色で電気蛍光発光する材料を生成するために、リガンドお よび金属の性質が特に選択される。 好ましくは、発光振動数および共鳴性の振動数を有し、これらの振動数の間の 遷移の収率が良い金属イオンが選択され、リガンドは金属イオンの共鳴レベルよ り僅かに上の三重項エネルギーレベルを有する。 好ましくは、リガンドまたはキレートの三重項状態は金属イオンの共鳴振動数 0.7 eVを越えず、そしてさらに好ましくは金属イオンの共鳴振動数より上の0.4 eVを越えない。適切な範囲は、0.1〜0.7 eVである。 これは、添付した図面の図1に概略的に例示される。 非占内殻を有するいかなる金属イオンも金属として使用され得、好ましい金属 はSm(III)、Eu(III)、Tb(III)、Dy(III)、Yb(III)、Lu(III)、Gd(III)、Eu(II) 、Gd(III)、U(III)、UO2(III)、Th(III)である。 好ましいキレート基は以下の式を有し; ここで、R'は分子の異なる部分において同じであり得るかまたは異なり得、各 々のR''およびR'は置換され得る芳香族環式構造または複素環式構造またはヒ ドロカルビルまたはフルオロカーボンであり、あるいはR''はフッ素のようなハ ロゲンまたは水素である。R''はまた、例えばスチレンのようなモノマーと共重 合可能であり、R'はt-ブチルであり得、R''は水素であり得る。 金属キレートの実施例は、テルビウムトリス(2,2,6,6-テトラメチル3,5 ヘプタンジオナト)キレートとして知られる(a)テルビウム(III)(ジピパトイルメ チド)3、(b)ジ-およびトリ-ピラゾリルボレートならびに(a)のジ-およびトリ-ピ ラゾリル-N-オキシドボレート付加体、(c)ユーロピウム(III)(2−ナフチルトリ フルオロアセチルアセトネート)、または(d)ウラニル(2-ナフチルトリフルオロ アセチルアセトネートまたは(c)および(d)のジピリジルおよびジピリジルN-オ キシド付加体である。 EP0744451A1は、遷移金属、ランタニドおよびアクチニドキレートの錯体であ る蛍光化台物およびこれらの製造法について開示し、これらの錯体がエレクトロ ルミネセントであり、上で引用された金属イオンおよび錯体の選択によって特定 の色の高収率エレクトロルミネセント材料が調製され得ることが見出された。 本発明のデバイスは、カソードとして作用する導電性ガラスまたはプラスティ ック材料である透明な基板を含み、好ましい基板はインジウムスズ酸化物被覆ガ ラスのような導電性ガラスであるが、導電性であるかまたは導電性層を有する任 意のガラスが使用され得る。導電性ポリマーおよび導電性ポリマーで被覆したガ ラスまたはプラスティック材料はまた、基板として使用され得る。エレクトロル ミネセ冫ト材料は、有機溶媒中の材料の溶液からエバポレーションすることによ って直接基板上に堆積され得る。使用される溶媒は材料に依存するが、ジクロロ メタンのような塩素化炭化水素は多くの場合において適している。 あるいは、材料は、固体状態からのスピンコーティング、または例えばスパッ タリングのような真空蒸着によって堆積され得、または他の任意の従来の方法が 使用され得る。 本発明の1実施態様において、透明の基板上に堆積した正孔伝達層が存在し、 エレクトロルミネセント材料が正孔伝達層上に堆積される。正孔伝達層は正孔の 伝達および電子の妨害に役立ち、従って、電子が正孔と再結合することなく電極 に移動するのを防ぐ。従って、キャリアの再結合は主に発光層中で起こる。 正孔伝達層はポリマーエレクトロルミネセントデバイス中で使用され、フィル ム形態の任意の既知の正孔伝達材料が使用され得る。 正孔伝達層はポリ(ビニルカルバゾール)、N,N'-ジフェニル-N,N'-ビス(3 -メチルフェニル)-1,1'-ビフェニル-4,4'-ジアミン(TPD)、ポリアニリンな どのような芳香族アミン錯体のフィルムから形成され得る。 正孔伝達材料は、必要に応じて、正孔伝達化合物95-5%に対して、エレクト ロルミネセント材料5-95%の比率でエレクトロルミネセント材料と混合され得る 。 本発明の別の実施態様において、カソードとエレクトロルミネセント材料層と の間に1層の電子注入材料が存在し、この電子注入材料は好ましくは、例えば、 電流が通過する場合電子を伝達するアルミニウムキノレートのような金属キノレ ートのような金属錯体である。あるいは、電子注入材料はエレクトロルミネセン ト材料と混合され得、そしてそれと共堆積(co-deposit)され得る。 好ましい構造において、アノードである透明導電性材料から形成される基板が 存在し、このアノード上に正孔伝達層が連続的に堆積され、エレクトロルミネセ ント層および電子注入層がアノードに接続される。アノードは、例えばアルミニ ウム、カルシウム、リチウム、銀/マグネシウム合金などのような任意の低仕事 関数金属であり得、アルミニウムが好ましい金属である。 本発明の別の特徴は、異なる色の光を発するエレクトロルミネセント材料の混 合物である基板上に層を形成することによって、発光された光が個々の色の中間 色を有することである。 本発明の特徴は、基板上に連続的に堆積された、異なる色の光を発光する複数 の層を有することにより、個々の色の付加的組み合わせである色が発光し、従っ て、緑色、赤色、および青色の光を発光する層を有することにより、白色光を発 光することである。 この構造において、エレクトロルミネセント層中で、電流の経路上における電 子と正孔の再結合が起こるような層の厚さが選択される。 一般に、層の厚さは20nm〜200nmである。 発光された光の色が改変され得るように溶液からエレクトロルミネセント金属 錯体の混合物を共堆積することは可能であり、この方法において、所望の色が選 択され得る。 本発明のエレクトロルミネセントデバイスは非常に明るい発光を有する狭い波 長バンドの光を与え、ある範囲の色で光を発光することは可能である。 本発明に従ったデバイスの概略図は、図13a、13b、13cおよび13d 中に例示される。これらの図面において、(1)は発光層であり、(2)はITOであ り、(3)は電子伝達層であり、(4)は正孔伝達層である。 本発明は、以下の実施例に記載される。1.デバイスの製造 ITO被覆ガラス片(Balzers,Switzerlandから購入した大きなシートからカット した1×1cm2)は、ITOを除去するために濃塩酸で腐食した部分を有し、洗浄し 、スピンコータ(CPS 10 BM,Semitec,Germany)上に配置し、そして30秒間、す なわちエレクトロルミネセント化合物の溶液をピペットでその上に滴下する時間 の間、2000rpmで回転させた。 あるいは、基板を真空コータ中に配置しそして10-5〜10-6torrにおいて基板上 にエレクトロルミネセント化合物を蒸着することによって、ITO被覆ガラス片上 にエレクトロルミネセント化合物を真空蒸着した。 濃塩酸で腐食した部分上の有機コーティングを綿棒で拭いた。 被覆電極を真空コータ中にロードし(Edwards,10-6torr)、アルミニウムトッ プコンタクトが形成されるまで、被覆電極を硫酸カルシウム上の真空デシケータ ー中に保存した。LEDの活性領域は0.08cm2〜0.1cm2であり、次いで、エレクトロ ルミネセント研究を行うまでデバイスを真空デシケーター中に保存した。 ITO電極は常に正電極に接続されていた。 コンピューター制御Keithly 2400ソースメーター上で、電流 対 電圧の研究 を行った。 Insta Specフォトダイオードアレイシステムモデル77112(Oriel Co.,Surrey ,England)上のコンピューター制御電荷カップリングデバイスを用いて、エレク トロルミネセントスペクトルを記録した。2.光ルミネセンス測定 Liconix 4207 NB,He/Cdレーザーの325nm線を使用して、光ルミネセントを励 起した。サンプル(0.3mWcm-2)に入射するレーザーのパワーを、Liconix 55PMレ ーザーパワーメーターによって測定した。Bentham放射輝度基準(National Physi cal laboratories,Englandによって較正されたBentham SPS8,ランプ電流4,000 A)を使用して、放射輝度の較正を行った。サンプルまたはフィルムについてPL研 究を行った。 実施例2〜12は、本発明のエレクトロルミネセント化合物の合成の実施例で あり、実施例1は公知の錯体の実施例である。実施例1 トリス(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト)テルビウム(III) [Tb(TMHD)3]ジフェニルホスホンイミドトリス-フェニルホスホラン−(I)におい てRはHである。 [Tb(TMHD)3](1mM)を5mlトリメチルペンタン中の1mMのジフェニルホスフィン酸 -アジドと混合し、透明な溶液が得られるまで(約1時間)、混合物を加熱還流し た。トリス(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト)テルビウム(II I)ジフェニルホスホンイミドトリス-フェニルホスホランがほとんど定量的な収 率で融点246-248℃の結晶固体として得られるよう、この溶液を清浄にした。実施例2 トリス(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト)テルビウム(III) ホスホンイミドトリス-(トリルフェニル)ホスホラン-(I)においてRはCH3である 。 トリス(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト)テルビウム(III) (0.2g、0.28mmol)とジフェニルホスホンイミドトリス-(トリルフェニル)ホスホ ラン(0.145g、0.28mmol)を2.2.4-トリメチルペンタン中で加熱還流し、 全ての固体が溶液中に溶解する(went into)まで(約3時間)行った。次いで、溶 液を室温まで冷却した。得られた沈殿物を濾過し、50℃において真空中で乾燥さ せ、融点94-98℃のトリス(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト) テルビウム(III)ホスホンイミドトリス-(トリルフェニル)ホスホランの白色固体 (0.221g)を得た。実施例3 トリス(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト)テルビウム(III) ジフェニルホスホンイミドトリス-(メトキシフェニル)ホスホラン−(I)において RはOCH3である。 トリス(2,2,6,6-テトラメチル−3,5-へプタンジオナト)テルビウム(III )(0.2g、0.28mmol)とジフェニルホスホンイミドトリス-(メトキシフェニル)ホス ホラン(0.159g、0.28mmol)とを2.2.4-トリメチルペンタン中で加熱還流し、 全ての固体が溶液中に溶解するまで(約3時間)行った。次いで、溶液を室温まで 冷却した。得られた沈殿物を濾過し、50℃において真空中で乾燥させ、トリス( 2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト)テルビウム(III)ジフェニ ルホスホンイミドトリス-(メトキシフェニル)ホスホランの白色固体(0.211g)を 得た。実施例4 トリス(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト)テルビウム(III) ジフェニルホスホンイミドトリス-(フルオロフェニル)ホスホラン−(I)において RはFである。 トリス-(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト)テルビウム(III )(0.2g、0.28mmol)とジフェニルホスホンイミドトリス-(フルオロフェニル)ホス ホラン(0.157g、0.28mmol)を2.2.4-トリメチルペンタン中で加熱還流し、全 ての固体が溶液中に溶解するまで(約3時間)行った。次いで、溶液を室温まで冷 却した。得られた沈殿物を濾過し、50℃において真空中で乾燥させ、融点104-10 8℃のトリス(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト)テルビ ウム(III)ジフェニルホスホンイミドトリス-(フルオロフェニル)ホスホランの白 色固体(0.226g)を得た。実施例5 トリス(2,2,6,6'-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト)テルビウム(III )モノ-ジ-(2-ピリジル)ケトン。 トリス(2,2,6,6'-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト)テルビウム(III )(0.71g、1mmol)を撹拌しながら40℃のエタノール(100ml)中に溶解した。ジ-(2 −ピリジル)ケトン(0.18g、1mmol)を添加した。この混合物を1時間撹拌し、透 明な黄色の溶液を真空中で乾燥させ、トリス(2,2,6,6'-テトラメチル-3,5 -ヘプタンジオナト)テルビウム(III)モノ-ジ-(2-ピリジル)ケトン(収率84%)で ある淡い黄色の生成物(0.84g)を得た。実施例6 ユーロピウム(III)ジベンゾイルメタン(DBM)ジフェニルホスホンイミドトリフ ェニルホスホラン ユーロピウム(III)(DBM)(0.5g,60.2mmol)とジフェニルホスホンイミドトリフ ェニルホスホラン(OPNP)(0.574g,1.294mmol)をオーブン中で200℃において一緒 に融解し1時間その温度で維持した。得られた混合物を熱トルエン(10ml)中に溶 解し、冷(氷/水)トリメチルペンタン(150ml)に滴下し鉗体を沈殿させた。沈殿 物を濾過し、50℃において真空中で乾燥させ、融点272-276℃のユーロビウム(II I)ジベンゾイルメタンジフェニルホスホンイミドトリフェニルホスホランの黄色 固体(0.72g)を得た。実施例7 ユーロピウム(III)ジベンゾイルメタン(DBM)ジフェニルホスホンイミドトリス (メトキシフェニル)ホスホラン−(II)においてRはOCH3である。 ユーロピウム(III)(DBM)(0.5g,0.602mmol)とジフェニルホスホンイミドトリ スメトキシホスホラン(OPNPCH3)(0.683g,1.20mmol)をオーブン中で200℃におい て一緒に融解し1時間その温度を維持した。得られた混合物を熱トルエン(10ml) 中に溶解し、冷(氷/水)トリメチルペンタン(150ml)に滴下し、錯体を沈殿させ た。沈殿物を濾過し、空気乾燥させ、融点150-154℃のユーロピウム(III)ジベン ゾイルメタンジフェニルホスホンイミドトリメトキシホスホランの黄色固体(0.5 03g)を得た。実施例8 ユーロピウム(III)ジベンゾイルメタン(DBM)ジフェニルホスホンイミドトリス (フルオロフェニル)ホスホラン−(II)においてRはFである。 ユーロピウム(III)(DBM)(0.285g,0.343mmol)とジフェニルジフェニルホスホ ンイミドトリスフルオロホスホラン(OPNPF)(0.385g,0.686mmol)をオーブン中で 200℃において一緒に融解し1時間その温度を維持した。得られた混合物を熱ト ルエン(10ml)中に溶解し、冷(氷/水)トリメチルペンタン(150ml)に滴下し、錯 体を沈殿させた。沈殿物を濾過し、空気乾燥させ、融点218-222℃のユーロピウ ム(III)ジベンゾイルメタンジフェニルホスホンイミドトリスフルオロホスホラ ンの黄色固体(0.562g)を得た。実施例9 ユーロピウム(III)ジベンゾイルメタン(DBM)4,7-ジフェニル-1,10-フェナント ロリン ユーロピウム(III)ジベンゾイルメタン(DBM)(0.5g,0.6mmol)をクロロホルム( 5ml)中で4,7-ジ[フェニル-1,10-フェナントロリン(0.2g,0.6mmol)と一晩加熱 還流した。溶媒を真空中で除去し融点が250℃より高いユーロピウム(III)ジベン ゾイルメタン(DBM)4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリンのオレンジ色固体( 0.66g)を得た。実施例10 ユーロピウム(FOD)OPNP ユーロピウムFOD(0.5g,0.482mmol)とOPNP(0.230g、0.484mmol)をクロロ ホルム(15ml)中に溶解し、得られた溶液を一晩加熱還流した。溶媒を真空中で除 去し融点212-214℃のユーロピウム(FOD)OPNPの黄色固体を得た。実施例11 トリス(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト)ジスプロシウム( III)ジフェニルホスホンイミド(phosponimido)トリフェニルホスホラン。 トリス(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト)ジスプロシウム( III)(6.1g、19.5mmol)とジフェニルホスホンイミドトリフェニルホスホラン(4. 6g、9.5mmol)をトリメチルペンタン(60ml)中で30分間撹拌した。反応混合物を室 温まで冷却した。放置すると白色の結晶物質を形成した。これをジエチルエーテ ルから再結晶し、トリス(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト) ジスプロシウム(III)ジフェニルホスホンイミドトリフェニルホスホランを得た 。収量:8gm.,pt.154℃。実施例12 ビス(イミドテトラフェニルジホスフィン酸)ウラニウムジオキシド。 イミドテトラフェニルジホスフィン酸(4.3g,10.3mmole)と水酸化ナトリウム( 0.412g,10.3mmol)を90%水性エタノール(100ml)中で60℃に加熱した。次いで、 ウラニルアセテートを速やかに加え、反応混合物を20分間加熱還流した。反応混 合物を室温で冷却し、濾過し、エタノール(300ml)で洗浄し真空下で乾燥させ、 ビス(イミドテトラフェニルジホスフィン酸)ウラニウムジオキシド(収量4.4g)の 黄色固体を得た。 実施例1〜11の生成物はデバイス中で形成し、N.C,Greenha・らによるChemi cal Physics Letters 241(1995)89-96中の論文に記載される方法に従って、それ らの光ルミネセント収率を測定し、その結果を表1に示す。 Tb(TTMHD)3は、25%の光ルミネセント収率を有し、テルビウム(III)アセチルア セトネート錯体は、20%の光ルミネセント収率を有し、そしてユーロピウム(III )フェナントラネン錯体は19%の光ルミネセント収率を有する。 スペクトルは、化合物の色と狭い振動数バンドを示す図1〜11に示される。 Tb(HTMHD)3、テルビウム(III)アセチルアセトネート錯体およびユーロピウム( III)フェナントラネン錯体において、リガンドの三重項状熊と金属イオンの励起 状態との差異は本発明の化合物において0.6 eVより大きいオーダーにあり、テル ビウム錯体の場合はその差異は0.4 eV未満またはそれに等しいオーダーであり、 そしてユーロピウム錯体の場合は0.3 eV未満またはそれに等しいオーダーであっ た。 明らかなように、高い光ルミネセント収率を有する光ルミネセント材料が作製 され得る。実施例13 複合材料デバイスを図13に従って作製し、それらの特性を測定した。この結 果を表2に与える。表2中 系は以下の層を包含する: 1.ITO|Tb(TMHD)30PNP|Al 2.ITO|TPD|Tb(TMHD)3OPNP|A1 3.ITO|TPD|Tb(TMHD)30PNP|AlQ|Al 4.ITO|PANI|Tb(TMHD)3OPNP|Al 5.ITO|TPD|Eu(DBM)3OPNP|Al 6.ITO|TPD|Eu(DBM)3OPNPlAlQ|Al 7.ITO|PANI|Eu(DBM)3OPNP|Al 8.ITO|PANI|Dy(DBM)3OPNP|Al ここで、ITOはインジウムスズ被覆ガラスであり、PANIはポリアニリンであり、A LQはアルミニウムトリスキノレートであり、そしてTPD、(TMHD)3、DPNP、(DBM) 3 は実施例中に示される通りである。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.エレクトロルミネセントデバイスであって:1層の光ルミネセント材料が形 成される透明基板を包含し、該ルミネセント材料が希土類金属、アクチニド、ま たは25%より大きい光ルミネセント収率(PL)を有する遷移金属有機錯体である、 デバイス。 2.エレクトロルミネセントデバイスであって:1層の光ルミネセント材料が形 成される透明基板を包含し、該ルミネセント材料が希土類金属、アクチニド、ま たは40%より大きい光ルミネセント収率(PL)を有する遷移金属有機錯体である、 デバイス。 3.前記エレクトロルミネセント材料が式X(Y1)(Y2)(Y3)の金属錯体であり、 Xが希土類、遷移金属、状熊IIIのランタニドまたはアクチニドであり、そして Y1、Y2、Y3が同じかまたは異なる有機リガンドである、請求項1または2に 記載のエレクトロルミネセントデバイス。 4.前記エレクトロルミネセント材料が式X(Y1)(Y2)の金属錯体であり、Xが 希土類、遷移金属、状態IIのランタニドまたはアクチニドであり、そしてY1、 Y2、Y3が同じかまたは異なる有機リガンドである、請求項3に記載のエレクト ロルミネセントデバイス。 5.前記エレクトロルミネセント材料が式X(Y1)(Y2)(Y3)(Y4)の金属錯体で あり、Xが希土類、遷移金属、状態IIIのランタニドまたはアクチニドであり、 そしてY1、Y2、Y3、Y4が同じかまたは異なる有機リガンドである、請求項3 に記載のエレクトロルミネセントデバイス。 6.前記金属がSm(III)、Eu(III)、Tb(III)、Dy(III)、Yb(III)、Lu(III)、Gd(II I)、Eu(II)、Gd(III)、U(III)、UO2(VI)およびTh(III)から選択される、請求項 1〜5のいずれか1項に記載のエレクトロルミネセントデバイス。 7.前記リガンドの三重項状態が前記金属イオンの共鳴振動数より0.6 eVを越え ない、請求項1〜6のいずれか1項に記載のエレクトロルミネセントデバイス。 8.前記リガンドの三重項状態が前記金属イオンの共鳴振動数より0.4 eVを越え ない、請求項1〜6のいずれか1項に記載のエレクトロルミネセントデバイス。 9.前記リガンドが以下の式を有し、 ここで R'が分子の異なる部分において同じであるかまたは異なっており、かつ各々の R''およびR'が置換もしくは未置換の芳香族複素環構造またはヒドロカルビル またはフルオロカーボンであるか、あるいはR''がフッ素もしくは水素であるか 、あるいはR''がモノマー(monomer e.g.)と共重合されるか、あるいはR'がt- ブチルであり、かつR''が水素である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のエ レクトロルミネセントデバイス。 10.前記エレクトロルミネセント材料が(a)テルビウム(III)(ジピバトイルメチ ド)3、(b)ジ-およびトリ-ピラゾリルボレートならびに(a)のジ-およびトリ-ピラ ゾリル-N-オキシドボレート付加体、(C)ユーロピウム(III)(2-ナフチルトリフル オロアセチルアセトネート)、または(d)ウラニル(2-ナフチルトリフルオロアセ チルアセトネートもしくは(C)および(d)のジピリジルおよびジピリジルN-オギシ ド付加体である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のエレクトロルミネセント デバイス。 11.前記透明基板上に堆積された正孔伝達層が存在し、前記エレクトロルミネ セント材料が該正孔伝達層上に堆積される、請求項1〜10のいずれか1項に記 載のエレクトロルミネセントデバイス。 12.前記エレクトロルミネセント材料と混合された正孔伝達材料が存在し95〜 5%の該正孔伝達化合物に対して該エレクトロルミネセント材料の比率が5〜95 %である、請求項1〜11のいずれか1項に記載のエレクトロルミネセントデバ イス。 13.前記正孔伝達層が芳香族アミン錯体である、請求項11または12に記載 のエレクトロルミネセントデバイス。 14.前記正孔伝達層がポリ(ビニルカルバゾール)、N,N'-ジフェニル-N,N'-ビス (3-メチルフェニル)-1,1'-ビフェニル-4,4'-ジアミン(TPD)またはポリアニリン である、請求項13に記載のエレクトロルミネセントデバイス。 15.前記エレクトロルミネセント材料と接触する金属アノードが存在する、請 求項1〜14のいずれか1項に記載のエレクトロルミネセントデバイス。 16.カソードと前記エレクトロルミネセント材料層との間に1層の電子注入材 料が存在する、請求項1〜15のいずれか1項に記載のエレクトロルミネセント デバイス。 17.前記電子注入材料が前記エレクトロルミネセント材料と混合され、そして 該エレクトロルミネセント材料と共堆積(co-deposit)される、請求項1〜16の いずれか1項に記載のエレクトロルミネセントデバイス。 18.前記電子注入材料が金属錯体またはオキサジアゾールまたはオキサジアゾ ール誘導体である、請求項16または17に記載のエレクトロルミネセントデバ イス。 19.前記電子注入材料がアルミニウムキノレートまたは2-(4−ビフェニル)-5-( 4-tert-ブチルフェニル)-1,3,4オキサジアゾールである、請求項18に記載 のエレクトロルミネセントデバイス。 20.前記透明基板が前記カソードとして作用する導電性ガラスまたはプラステ イック材料である、前述の請求項のいずれか1項に記載のエレクトロルミネセン トデバイス。 21.前記基板がインジウムスズ酸化物被覆ガラスである、請求項20に記載の エレクトロルミネセントデバイス。 22.前記アノードが金属である、前述の請求項のいずれか1項に記載のエレク トロルミネセントデバイス。 23.前記アノードがアルミニウム、マグネシウム、リチウム、カルシウムまた はマグネシウム銀合金である、請求項22に記載のエレクトロルミネセントデバ イス。 24.複数の層のエレクトロルミネセント材料が存在する、前述の請求項のいず れか1項に記載のエレクトロルミネセントデバイス。 25.エレクトロルミネセントの前記層が2つ以上の異なるエレクトロルミネセ ント化合物から形成される、前述の請求項のいずれか1項に記載のエレクトロル ミネセントデバイス。 26.Xが希土類、遷移金属、状態IIIのランタニドまたはアクチニドであり、そ してY1、Y2、Y3が同じかまたは異なる有機リガンドであり、その少なくとも 1つが であり、ここで、 R'が分子の異なる部分において同一であるかまたは異なっており、かつ各々の R''およびR'が置換もしくは未置換の芳香族複素環構造またはヒドロカルビル またはフルオロカーボンであるか、あるいはR''がフッ素もしくは水素であるか 、あるいはR''がモノマー(monomer e.g.)と共重合されるか、あるいはR'がt- ブチルであり、かつR''が水素であり、そしてここでXが希土類、遷移金属、ラ ンタニドまたはアクチニドである、式X(Y1)(Y2)(Y3)のエレクトロルミネセ ント金属錯体。 27.Xが希土類、遷移金属、状態IIのランタニドまたはアクチニドである、式 X(Y1)(Y2)の請求項26に記載のエレクトロルミネセント金属錯体。 28.Xが希土類、遷移金属、状態IIIのランタニドまたはアクチニドである、式 X(Y1)(Y2)(Y3)(Y4)の請求項26に記載のエレクトロルミネセント金属錯体 。 29.前記金属がSm(III)、Eu(III)、Tb(III)、Dy(III)、Yb(III)、Lu(III)、Gd( III)、Eu(11)、Gd(III)、U(III)、UO2(VI)およびTh(III)から選択される、請求 項26〜28のいずれか1項に記載の錯体。 30.式X(Y1)(Y2)(Y3)のエレクトロルミネセント金属錯体であって:Xが 希土類、遷移金属、状態IIIのランタニドまたはアクチニドであり、そしてY1、 Y2、Y3が同一のまたは異なる有機リガンドであり、その少なくとも1つが であり、 ここでRが分子の異なる部分において同一であるかまたは異なっており、各々の Rが水素、ヒドロカルビル、アルコキシ、フッ素、ニトリル、フルオロカーボン 、フェニル、置換されたフェニル、またはフェノキシ部位である、錯体。 31.前記金属がSm(III)、Eu(III)、Tb(III)、Dy(III)、Yb(III)、Lu(III)、Gd( III)、Gd(III)U(III)、およびTh(III)から選択される、請求項30に記載の錯体 。
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