JP2002370676A - 自動車の車体後部構造 - Google Patents
自動車の車体後部構造Info
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Abstract
散でき、かつ効率的な衝撃荷重の吸収が得られ安全性に
優れた自動車の車体後部構造を提供する 【解決手段】 左右のリヤサイドフレーム3、4及びリ
ヤサイドフレーム3、4の前部間に架設されたクロスメ
ンバ6を備えた自動車の車体後部構造であって、後端が
リヤサイドフレーム3の中間位置に結合されて前方に移
行するに従って車体幅方向中央側に変移する第1の傾斜
フレーム11と、後端がリヤサイドフレーム4の中間位
置に結合されて前方に移行するに従って車体幅方向中央
側に変移する第2の傾斜フレーム12と、車体幅方向中
央で前後方向に延在してクロスメンバ6及び第1及び第
2の傾斜フレーム11、12の前端に連結するメインフ
レーム13とによって平面視略Y字状に形成された補剛
フレーム10を備える。
Description
構造に関し、特に左右のリヤサイドフレーム間にクロス
メンバが架設された自動車の車体後部構造に関する。
6−74582号公報に開示され、かつ図5に要部平面
図を示し、図6に要部側面図を示すように、左右の車体
側方に沿って対向して延在するサイドシル101、10
2の後部に、各々前後方向に延在するリヤサイドフレー
ム103、104の前部が接合されている。各リヤサイ
ドフレーム103、104の前端近傍及び中間位置に各
々前側クロスメンバ105及び後側クロスメンバ106
が掛け渡されて略梯子状に形成されている。リヤサイド
フレーム103、104の後端側面には、船舶やトレー
ラ等に搭載して自動車を輸送する際にロープ等の固縛手
段を係止するタイダウンフック108が結合されてい
る。
−74582号公報によると、リヤサイドフレーム10
3、104の後端が後側クロスメンバ106の後方に突
出するように延在して配設されることから、後方から衝
撃荷重が入力、特に一方に偏倚したオフセット衝撃荷重
が入力されると、一方のリヤサイドフレーム103或い
は104に偏在して衝撃荷重が入力され、車体全体に有
効的に分散伝達されないおそれがある。
の後端側部に配設されるタイダウンフック108によっ
て、リヤサイドフレーム103及び104の後端近傍の
剛性が増大すると共に、一般にリヤサイドフレーム10
3、104にはリヤサスペンション等からの入力荷重や
その他の各種荷重が作用することから、リンフォースが
配設されている。従って、車体後方から過大な衝撃荷重
が入力された際の有効クラッシュストロークは、図7に
概略を示すようにリンフォース107の後端からタイダ
ウンフック108の前端までの範囲Lに制限されて十分
な衝撃荷重の吸収が達成できないことが懸念される。ま
た、リンフォース107とタイダウンフック108の間
においてリヤサイドフレーム103、104に結合され
る後側クロスメンバ106があると、該部が後側クロス
メンバ106によって局部的に剛性が増大して後方から
順次押し潰される円滑な潰れ変化が阻害されるおそれが
ある。これは、特に衝撃荷重がリヤサイドフレーム10
3或いは104の一方に偏在するオフセット衝撃荷重が
入力される場合に顕著である。
目的は、後方から衝撃荷重が作用した際リヤサイドフレ
ームから車体全体に有効的に分散伝達でき、かつ効率的
な衝撃荷重の吸収が得られる安全性に優れた自動車の車
体後部構造を提供することにある。
項1に記載の自動車の車体後部構造の発明は、前後方向
に延在する左右のリヤサイドフレーム及び車幅方向に延
在して上記左右のリヤサイドフレームの前部間に架設さ
れたクロスメンバを備えた自動車の車体後部構造におい
て、後端が一方のリヤサイドフレームの前後方向の中間
位置に結合されて前方に移行するに従って次第に車体幅
方向中央側に変移して前端が車体幅方向中央部に達する
第1の傾斜フレームと、後端が他方のリヤサイドフレー
ムの前後方向の中間位置に結合されて前方に移行するに
従って次第に車体幅方向中央側に変移して前端が車体幅
方向中央部に達する第2の傾斜フレームと、車体幅方向
中央で前後方向に延在して前端が上記クロスメンバに結
合しかつ後端が上記第1及び第2の傾斜フレームの前端
に連結されたメインフレームとによって平面視略Y字状
に形成された補剛フレームを備えたことを特徴とする。
ドフレームとクロスメンバを連結する平面視略Y字状の
補剛フレームを配設することによって、車体中央部に後
方から衝撃荷重が作用すると、その衝撃荷重は左右のリ
ヤサイドフレーム及び補剛フレームを介してクロスメン
バや、リヤサイドフレームの前部が結合されるサイドシ
ル等を介して車体全体に効率的に分散伝達される。ま
た、過大な衝撃荷重が作用した際には、車体全体に分散
伝達されずに残存する衝撃荷重によて補剛フレームが結
合された中間位置より後方の後部範囲が潰れ変形するこ
とによって有効的に衝撃荷重が吸収され、衝撃が緩和さ
れて安全性が確保される。
フセットした位置に後方から衝撃荷重が作用した際に
は、主に衝撃荷重が入力される一方のリヤサイドフレー
ムから補剛フレームを介してクロスメンバ及び他方のリ
ヤサイドフレームにも衝撃荷重が分散伝達され、効率的
に車体全体に分散伝達される。また、過大な衝撃荷重が
作用した際には、車体全体に分散伝達されずに残存する
衝撃荷重によて、補剛フレームが結合された中間位置よ
り後方の後部範囲が潰れ変形することによって有効的に
衝撃荷重を吸収することができ、衝撃が緩和される。
車の車体後部構造において、上記各リヤサイドフレーム
は、リヤサイドフレームの前部から補剛フレームが結合
される中間位置を含む前部範囲の板厚が、該前部範囲の
後方に連続する後部範囲の板厚に比較して大であること
を特徴とする。
よって補剛されるリヤサイドフレームの前部範囲の板厚
を大きくすることによって前部範囲の剛性が確保されて
より有効的な衝撃荷重の分散伝達が得られ、かつ後部範
囲の板厚を小さくすることによって過大な衝撃荷重によ
る潰れ変形が確保できる。
2の自動車の車体後部構造において、上記左右のリヤサ
イドフレームの後端が互いに車幅方向に延在する中空状
の閉断面形状部材を介して連結されたことを特徴とす
る。
ドフレームの後端を閉断面形状部材で連結することによ
って、左右のリヤサイドフレームの口開き等の挙動が防
止されて車体後部の変形を抑制されると共に、閉断面形
状部材を介して衝撃荷重を左右のリヤサイドフレームに
有効的に分散伝達できる。これにより、より効率的な衝
撃荷重の吸収が得られる。
車の車体後部構造において、上記閉断面形状部材は、上
記左右のリヤサイドフレームの後端が結合されるリヤス
カートと、該リヤスカートの後面に車幅方向に延在して
結合すると共にリヤスカートと協働して車幅方向に連続
する中空閉断面形状を形成するバンパビームとによって
形成されたことを特徴とする。
バンパビームにより閉断面形状部材が構成され、かつ比
較的小さな衝撃荷重によりバンパビームが変形した際に
は、バンパビームの交換によって容易に閉断面形状部材
が再現でき、修復が容易に行える。
造の実施の形態を図1乃至図4によって説明する。な
お、図中矢印Fは車体前方方向を示し、矢印UPは上方
方向を示している。
に、左右の車体側方に沿って対向して延在するサイドシ
ル1、2の後部に、各々前後方向に延在するリヤサイド
フレーム3、4の前部が接合されている。各リヤサイド
フレーム3、4は、上方が開放された断面略コ字状でフ
ロアパネル(図示せず)と協働して車体前後方向に延在
する中空状の閉断面形状を形成している。
位置までの前部範囲3Aの板厚が比較的大きく、前部範
囲3Aの後端に連続する後部範囲3Bは前部範囲3Aに
対して板厚が小さく設定され、更に後部範囲3Bの前側
範囲3Baより後側範囲3Bbの板厚が小さく設定され
ている。即ち、前部範囲3Aの剛性が比較的高く、後部
範囲3Bの前側範囲3Ba、後側範囲3Bbに移行する
に従って剛性が順次低くなるように設定される。また、
剛性の比較的高い前部範囲3Aと比較的剛性の低い後部
範囲3Bの前側範囲3Baを後側範囲3Bbより剛性を
高くすることによって、急激に剛性が変化する急変部分
の発生を抑制している。同様に、リヤサイドフレーム4
は、前部範囲4Aの板厚が比較的大きく、後部範囲4B
の前側範囲3Ba、後側範囲3Bbに移行するに従って
板厚が減少するように設定され、前部範囲4Aの剛性が
比較的高く、後部範囲4Bの前側範囲4Ba、後側範囲
4Bbに移行するに従って剛性が順次低くなるように設
定されている。なお、リヤサスペンション等からの入力
荷重が作用するリヤサイドフレーム3、4の前部範囲3
A、4Aの板厚を比較的厚くして剛性を確保することに
よって、リンフォースの配設を省略している。
は、車幅方向に延在するクロスメンバ6によって互いに
連結されている。また、このリヤサイドフレーム3と4
の間に架設されたクロスメンバ6によって低床のフロン
トフロアパネル(図示せず)と高床でリヤサイドフレー
ム3及び4上に配設されるリヤフロアパネル(図示せ
ず)との間を連結し、かつクロスメンバ6の中央部にフ
ロントフロアパネルに前後方向に延在して形成されたト
ンネル部の後端が接合されている。
2に図1のA部側面図を示し、かつ図3に要部分解斜視
図を示すように、対向する側面及び下面の後端に亘って
連続する取付フランジ3a、4aが折曲形成され、各フ
ランジ3a、4aが各々リヤスカート7に接合してい
る。更に、リヤスカート7の後面に断面略コ字形で車幅
方向に延在するバンパビーム8の下縁に折曲形成された
下側フランジ8aの両端近傍が各々リヤサイドフレーム
3及び4の下面後端に折曲形成された取付フランジ3a
及び4aと対応して接面し、上縁に折曲形成された上側
フランジ8bがリヤフレーム3及び4の上縁に略対応し
てリヤスカート7の後面に接面して配置され、互いに重
なり合うリヤサイドフレーム3、4の各取付フランジ3
a、4aと、リヤスカート7と、バンパビーム8の下側
フランジ8aの両端近傍が共に溶接結合され、上側フラ
ンジ8bとリヤスカート7が溶接結合される。即ち、リ
ヤサイドフレーム3の後端とリヤサイドフレーム4の後
端は、各々リヤスカート7とバンパビーム8によって形
成された車幅方向に延在する中空状で剛性が確保された
閉断面形状部材9によって強固に連結される。
スメンバ6は、補剛フレーム10によって互いに連結さ
れている。補剛フレーム10は、図1に示すように後端
がリヤサイドフレーム3の前部範囲3Aの後部部分に結
合されて前方に移行するに従って次第に車体幅方向中央
側に変移する略直線状に延在して前端が車体幅方向中央
部に達する第1の傾斜フレーム11と、後端がリヤサイ
ドフレーム4の前部範囲4Aの後部部分に結合されて前
方に移行するに従って次第に車体幅方向中央側に変移す
る略直線状に延在して前端が車体幅方向中央部に達する
第2の傾斜フレーム12と、車体幅方向中央で前後方向
に延在して前端がクロスメンバ6に結合しかつ後端が第
1及び第2の傾斜フレーム11、12の前端に連結され
たメインフレーム13によって平面視略Y字状に形成さ
れている。また、第1及び第2の傾斜フレーム11、1
2、メインフレーム13は、各々上方が開放された断面
略コ字状でリヤフロアパネルと協働して各々の延在方向
に連続する中空状の閉断面形状を形成して剛性が確保さ
れている。
イドフレーム3及び4の各前部範囲3Aと4Aとクロス
メンバ6と補剛フレーム10によって十分剛性が確保さ
れた抗力領域が形成され、この抗力領域の後方にリヤサ
イドフレーム3及び4の後部範囲3B、4Bによって比
較的剛性が低い衝撃力吸収領域が形成される。
1のI−I線断面図を示すようにリヤサイドフレーム4
の前部範囲4Aの前部にタイダウン穴4cを穿設し、基
端がリヤサイドフレーム4の内面に結合され、タイダウ
ン穴4cから下方に突出するように配設されている。同
様にリヤサイドフレーム3の前部範囲3Aの前部にもタ
イダウンフック(図示せず)が取り付けられ、リヤサイ
ドフレーム3及び4の後部範囲3B、4Bにはタイダウ
ンフック等は配設されていない。なお、図中符号20は
車幅方向に延在してバンパビーム8を被覆する樹脂製の
リヤバンパである。
10によって補剛された剛性が高いリヤサイドフレーム
3の前部範囲3Aとリヤサイドフレーム4の前部範囲4
Aとの間に形成される抗力領域に燃料タンク(図示せ
ず)が配置される。
の作用について主に図1によって説明する。
に亘って比較的小さな衝撃荷重P1が作用すると、その
衝撃荷重P1は、リヤスカート7とバンパビーム8によ
って車幅方向に延在する中空状に形成されて剛性が確保
された閉断面形状部材9を介して左右のリヤサイドフレ
ーム3、4の各後端に分散伝達される。この左右のリヤ
サイドフレーム3及び4への荷重伝達は、両リヤサイド
フレーム3と4の後端が閉断面形状部材9によって互い
に連結されてリヤサイドフレーム3、4の後端が離反す
る、いわゆるフレーム開きが防止されて各リヤサイドフ
レーム3、4に効率的に分散伝達される。
衝撃荷重は、リヤサイドフレーム3からリヤサイドフレ
ーム3の前部が結合されたサイドシル1及びクロスメン
バ6に分散伝達されると共に、一部が補剛フレーム10
の第1の傾斜フレーム11及びメインフレーム13を介
してクロスメンバ6の中央部に荷重伝達され、クロスメ
ンバからトンネル部及び左右のリヤサイドフレーム3、
4の前部に分散伝達されて車体全体に分散伝達される。
一方、リヤサイドフレーム4の後端に入力された衝撃荷
重はリヤサイドフレーム4の前部からサイドシル2及び
クロスメンバ6に分散伝達されると共に、一部が第2の
傾斜フレーム12及びメインフレーム13を介してクロ
スメンバ6に荷重伝達されてトンネル部や左右のリヤサ
イドフレーム3、4の前部に分散伝達される。従って、
衝撃荷重P1はこれら左右のサイドフレーム3、4、サ
イドシル1、2、クロスメンバ6及び補剛フレーム10
等によって車体全体に分散されて効率的に受け止められ
る。
て過大な衝撃荷重P1が作用すると、その衝撃荷重P1
は、剛性が確保された閉断面形状部材9を介して左右の
リヤサイドフレーム3、4の各後端に分散伝達される。
このリヤサイドフレーム3、4の後端に分散して入力さ
れる荷重は、両リヤサイドフレーム3と4の後端が閉断
面形状部材9によって連結されてフレーム開き等の挙動
が防止されて各サイドフレーム3、4に効率的に分散伝
達されて左右のリヤサイドフレーム3、4、サイドシル
1、2、クロスメンバ6及び補剛フレーム10等によっ
て車体全体に分散される。
に残存するリヤサイドフレーム3に入力された衝撃荷重
は、リヤサイドフレーム3を潰れ変形させ、リヤサイド
フレーム3の潰れ変形によって吸収される。
3Aは板厚が比較的大きく、かつ補剛フレーム10の第
1の傾斜フレーム11及びメインフレーム13によって
前後方向の荷重に対する剛性、即ち抗力が確保される一
方、後部範囲3Bが比較的板厚が小さく剛性が比較的低
く設定されていることから、リヤサイドフレーム3の後
端に入力された衝撃荷重によって、リヤサイドフレーム
3の後部範囲3Bが押し潰されて衝撃荷重が吸収され
る。この潰れ変形の範囲、即ちクラッシュストロークL
は、タイダウンフックやクロスメンバ等の取付によって
剛性が増大部分がなく、後部範囲3Bの略全範囲が有効
に使用でき、かつ剛性上の急変部が回避されていること
から後端側から順次円滑に押し潰される円滑な潰れ変形
が確保されて効率的な衝撃荷重の吸収が得られる。
前部範囲4Aは、板厚が比較的大きく、かつ第2の傾斜
フレーム12及び前後方向フレーム13によって剛性が
確保される一方、後部範囲4Bは剛性が比較的低く設定
されていることから、リヤサイドフレーム4の後端に入
力され、衝撃荷重によって後部範囲4Bが押し潰されて
衝撃荷重を吸収する。この潰れ変形の範囲となるクラッ
シュストロークLとして後部範囲4Bの略全範囲が有効
に使用でき、かつ後端側から順次押し潰される潰れ変形
が確保されて効率的な衝撃荷重の吸収が得られる。
全面に亘って過大な衝撃荷重P1が作用した際には、そ
の衝撃荷重P1は、剛性が確保された閉断面形状部材9
によって左右のリヤサイドフレーム3、4に確実に分散
伝達され、クラッシュストロークが確保されたリヤサイ
ドフレーム3の後部範囲3Bとリヤサイドフレーム4の
後部範囲4Bの円滑な潰れ変形によって効率的に吸収さ
れ、衝撃が緩和されて乗員の安全性が確保される。
した比較的小さなオフセット衝撃荷重、例えば図1に示
すようにリヤサイドフレーム3側に偏倚した衝撃荷重P
2が作用すると、その衝撃荷重P2は、主にリヤサイド
フレーム3の後端に入力されると共に、衝撃荷重P2の
一部は閉断面形状部材9を介して他方のリヤサイドフレ
ーム4の後端に分散伝達される。
衝撃荷重は、リヤサイドフレーム3を介してリヤサイド
フレーム3の前端からサイドシル1及びクロスメンバ6
に分散伝達されると共に、一部がリヤサイドフレーム3
から補剛フレーム10の第1の傾斜フレーム11に分散
伝達され、第1の傾斜フレーム11の前端からメインフ
レーム13を介してクロスメンバ6の中央部に荷重伝達
されてクロスメンバ6からトンネル部や左右のリヤサイ
ドフレーム3、4の前部に分散伝達される。更に、衝撃
荷重の一部は第1の傾斜フレーム11の前端から第2の
傾斜フレーム12を介してリヤサイドフレーム4にも分
散伝達される。
ドフレーム4の後端に入力された衝撃荷重は、リヤサイ
ドフレーム4を介してその前部からサイドシル2及びク
ロスメンバ6に分散伝達され、かつリヤサイドフレーム
4に入力された衝撃荷重の一部は第2の傾斜フレーム1
2からメインフレーム13を介してクロスメンバ6や第
1の傾斜フレーム11を経由してリヤサイドフレーム3
に分散伝達される。従って、衝撃荷重P2は、これら左
右のリヤサイドフレーム3、4、サイドシル1、2、ク
ロスメンバ6及び補剛フレーム10等によって車体全体
に分散されて効率的に受け止められる。
偏倚して過大な衝撃荷重P2が作用すると、その衝撃荷
重P2は、主にリヤサイドフレーム3の後端に入力さ
れ、かつ一部は閉断面形状部材9を介して他方のリヤサ
イドフレーム4の後端に分散伝達され、両リヤサイドフ
レーム3と4の後端が閉断面形状部材9によって連結さ
れてフレーム開き等の挙動が防止されて各リヤサイドフ
レーム3、4に効率的に分散伝達されて左右のリヤサイ
ドフレーム3、4、サイドシル1、2、クロスメンバ6
及び補剛フレーム10等によって車体全体に分散され
る。
リヤサイドフレーム3に入力された衝撃荷重は、リヤサ
イドフレーム3を潰れ変形させ、リヤサイドフレーム3
の潰れ変形によって吸収される。
ヤサイドフレーム3の前部範囲3Aは板厚が比較的大き
く、第1の傾斜フレーム11及びメインフレーム13に
よって保護されて前後方向の荷重に対する剛性が確保さ
れ、後部範囲3Bの剛性が比較的低く設定されているこ
とから、リヤサイドフレーム3の後端に入力された衝撃
荷重によって、リヤサイドフレーム3の後部範囲3Bが
押し潰されて衝撃荷重を吸収する。この潰れ変形の範囲
となるクラッシュストロークLが後部範囲3Bの略全範
囲が有効に使用でき、後端側から順次押し潰される円滑
な潰れ変形が確保されて効率的な衝撃荷重の吸収が得ら
れる。
するリヤサイドフレーム4に入力された衝撃荷重は、リ
ヤサイドフレーム4を潰れ変形させ、リヤサイドフレー
ム4の潰れ変形によって吸収される。
囲4Aの板厚が比較的大きく、かつ第2の傾斜フレーム
12及びメインフレーム13によって剛性が確保される
一方、後部範囲4Bは剛性が比較的低く設定されている
ことから、リヤサイドフレーム4の後端に入力された衝
撃荷重によって後部範囲4Bが押し潰されて衝撃荷重を
吸収する。この潰れ変形においてもクラッシュストロー
クLが確保されて後部範囲4Bの略全範囲が有効に使用
でき、かつ後端側から順次押し潰される円滑な潰れ変形
が確保されて効率的な衝撃荷重の吸収が得られる。
て過大な衝撃荷重P2が作用した際には、その衝撃荷重
P2は、衝撃荷重P2が主に入力されるリヤサイドフレ
ーム3の後部範囲3Bの円滑な潰れ変形によって吸収さ
れると共に、閉断面形状部材9によってリヤサイドフレ
ーム4にも分散伝達され、クラッシュストロークが確保
されたリヤサイドフレーム4の後部範囲4Bの潰れ変形
によっても吸収され、効率的に衝撃が緩和されて乗員の
安全性が確保される。
ドフレーム4側に偏倚して車体後方から衝撃荷重が作用
した際にも同様に衝撃荷重を車体全体に分散伝達でき、
かつクラッシュストロークが確保された左右のリヤサイ
ドフレーム3及び4の後部範囲3B、4Bの円滑な潰れ
変形によって効率的な衝撃荷重の吸収が得られ、乗員の
安全性が確保できる。
剛性を有する閉断面形状部材9によって互いに連結する
ことによって、後方から衝撃荷重を受けた際、リヤサイ
ドフレーム3及び4の後端が口開きする等の挙動が防止
されることから、車体後部の変形が抑制されてその修復
が容易になる。特に、衝撃荷重が比較的小さく、バンパ
ビーム8が変形した際には、バンパビーム8の交換によ
って左右のリヤサイドフレーム3及び4の後端を連結す
る閉断面形状部材9を容易に再現できる。
によって補剛された剛性が高いリヤサイドフレーム3の
前部範囲3Aとリヤサイドフレーム4の前部範囲4Aと
の間に燃料タンクを配設することによって、衝撃荷重か
ら燃料タンクが保護され、燃料タンクの破損が有効的に
回避できる。
ることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可
能である。例えば、上記実施の形態ではバンパビーム8
をリヤスカート7及びリヤサイドフレーム3、4の取付
フランジ3a、4aに溶接して取り付けたが、リヤスカ
ート7及びリヤサイドフレーム3、4の取付フランジ3
a、4aに予めウエルディングナットを設け、バンパビ
ーム8の上側フランジ8b及び下側フランジ8aをボル
トによって取り付けるように構成することによって、修
復作業をより容易にすることもできる。
右のリヤサイドフレーム及びリヤサイドフレームの前部
間に架設されたクロスメンバを備えた車体後部に、左右
のリヤサイドフレームとクロスメンバとを連結する平面
視略Y字状の補剛フレームを配設することによって、後
方からの衝撃荷重を効率的に車体全体に分散伝達すると
共に、過大な衝撃荷重が車体中央部に作用した際には、
車体全体に分散伝達されずに残存する衝撃荷重によて補
剛フレームが結合された中間位置より後方の後部範囲を
円滑に潰れ変形させることによって有効的に衝撃荷重を
吸収することができ、安全性が大幅に向上する。
態の概要を示す車体後部の要部平面図である。
平面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 前後方向に延在する左右のリヤサイドフ
レーム及び車幅方向に延在して上記左右のリヤサイドフ
レームの前部間に架設されたクロスメンバを備えた自動
車の車体後部構造において、 後端が一方のリヤサイドフレームの前後方向の中間位置
に結合されて前方に移行するに従って次第に車体幅方向
中央側に変移して前端が車体幅方向中央部に達する第1
の傾斜フレームと、 後端が他方のリヤサイドフレームの前後方向の中間位置
に結合されて前方に移行するに従って次第に車体幅方向
中央側に変移して前端が車体幅方向中央部に達する第2
の傾斜フレームと、 車体幅方向中央で前後方向に延在して前端が上記クロス
メンバに結合しかつ後端が上記第1及び第2の傾斜フレ
ームの前端に連結されたメインフレームとによって平面
視略Y字状に形成された補剛フレームを備えたことを特
徴とする自動車の車体後部構造。 - 【請求項2】 上記各リヤサイドフレームは、リヤサイ
ドフレームの前部から補剛フレームが結合される中間位
置を含む前部範囲の板厚が、該前部範囲の後方に連続す
る後部範囲の板厚に比較して大であることを特徴とする
請求項1に記載の自動車の車体後部構造。 - 【請求項3】 上記左右のリヤサイドフレームの後端が
互いに車幅方向に延在する中空状の閉断面形状部材を介
して連結されたことを特徴とする請求項1または2に記
載の自動車の車体後部構造。 - 【請求項4】 上記閉断面形状部材は、上記左右のリヤ
サイドフレームの後端が結合されるリヤスカートと、該
リヤスカートの後面に車幅方向に延在して結合すると共
にリヤスカートと協働して車幅方向に連続する中空閉断
面形状を形成するバンパビームとによって形成されたこ
とを特徴とする請求項3に記載の自動車の車体後部構
造。
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Cited By (11)
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