JP2002367124A - スピンバルブ型磁気ヘッド - Google Patents

スピンバルブ型磁気ヘッド

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JP2002367124A
JP2002367124A JP2001177925A JP2001177925A JP2002367124A JP 2002367124 A JP2002367124 A JP 2002367124A JP 2001177925 A JP2001177925 A JP 2001177925A JP 2001177925 A JP2001177925 A JP 2001177925A JP 2002367124 A JP2002367124 A JP 2002367124A
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昌彦 幡谷
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久志 木村
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 狭トラックでも再生出力の高い安定性の高い
スピンバルブ型磁気ヘッドを提供する。 【解決手段】 軟磁性自由層13上に非磁性分離層41
1を介して単磁区化強磁性層45が形成され、前記軟磁
性自由層13と前記単磁区化強磁性層45とがトラック
幅端部で静磁気的に結合して閉磁路を形成して前記軟磁
性層13が感知すべき磁界に対して略直交した方向に実
質的に固定された磁化を有するスピンバルブ型磁気抵抗
効果素子を備えた磁気ヘッドとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録再生装置
および磁気抵抗効果素子に関し、特に、高記録密度磁気
記録再生装置と、その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】米国特許USP5408377には反強
磁性的に結合した自由層を用いたスピンバルブ型磁気抵
抗素子の記載がある。特開平7−73416には軟質能
動層にイクスチェンジ層を隣接したMR型読み出しトラ
ンスデューサーの記載がある。特開平7−169026
には反強磁性的結合膜を用いたスピンバルブセンサの記
載がある。特開平10−173252には高電気抵抗磁
性層を積層した磁気抵抗センサの記載がある。特開平1
0−284768にはフリー強磁性層に隣接した補助磁
化反転層を有する磁気抵抗効果素子の記載がある。特開
平11−259824には硬磁性膜を自由層に積層した
トンネル型磁気抵抗効果ヘッドの記載がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 従来の技術では、記
録密度の十分に高い磁気記録装置、特にその再生部に外
部磁界に対して十分な感度と出力で作用する磁気抵抗効
果型磁気ヘッドを実現し、さらに十分に対称性の良い良
好な特性を得ることが出来ず、記憶装置としての機能を
実現することが困難であった。近年、強磁性金属層を、
非磁性金属層を介して積層した多層膜の磁気抵抗効果、
いわゆる巨大磁気抵抗、が大きいことが知られている。
この場合、磁気抵抗効果は、非磁性導電層で隔てられた
強磁性層の、磁化と磁化のなす角度によって電気抵抗が
変化する。この巨大磁気抵抗効果を磁気抵抗効果素子と
して用いる場合には、スピンバルブとよばれる構造が提
唱されている。即ち、反強磁性膜/強磁性層/非磁性導
電層/軟磁性自由層の構造を有し、反強磁性膜/強磁性
層界面に発生する交換結合磁界によって反強磁性膜と密
着した強磁性層の磁化を実質的に固定し、他方の軟磁性
自由層が外部磁界によって磁化回転することで出力を得
ることができる。上記固定の効果を固定バイアス、この
効果を生じる反強磁性膜を固定バイアス膜とよぶことに
する。また、上記磁化が実質的に固定される強磁性層を
固定層、もしくは強磁性固定層と呼ぶことにする。同様
に外部磁場によって磁化回転する軟磁性膜を自由層もし
くは軟磁性自由層と呼ぶことにする。固定層は、感知す
べき磁界に対して、実質的に磁化が固定されていること
がその機能であり、反強磁性膜の代わりに硬磁性膜、す
なわち比較的大きな磁界が加わらない限り磁化が変化し
ない材料で代換することもできる。最近、スペキュラー
効果やあるいはSynthetic ferrimagnetと呼ばれるよう
な強磁性固定層を多層構造にする構造も提唱されている
が、非磁性中間層に直接接合する界面の強磁性層の磁化
が実質的に固定されている点ではすべて同様である。磁
気抵抗効果型磁気ヘッドには上記軟磁性自由層を単磁区
化するための磁区制御構造を有する。上記軟磁性自由層
を単磁区状態にし、感知すべき磁界に対してヒステリシ
スのない出力を持たせる機能を有する。代表的な磁区制
御構造であるハードバイアスと呼ばれる構成は以下の構
成を有する。感知領域の幅、すなわちトラック幅に形成
した磁気抵抗効果膜の両端部に硬磁性膜を所定の厚さで
配置する。硬磁性膜の磁化は着磁工程によってトラック
幅方向に残留磁化を有するように設定され、上記残留磁
化によってトラック幅方向の端部に発生する磁荷が上記
軟磁性自由層の端部に発生する磁荷と打ち消しあうこと
によって静磁エネルギーを下げ、上記軟磁性自由層を単
磁区化するのである。上記ハードバイアス構造による単
磁区化において課題となるのは、磁気抵抗効果素子のト
ラック幅が狭くなったとき、具体的には0.2乃至は0.1ミ
クロン以下になった時に硬磁性膜の単磁区化効果が過剰
に強くなり、感知すべき磁界に対する軟磁性自由層の磁
化過程を阻害するのである。このような感度の低下を防
止するには硬磁性膜の磁化の量、すなわち残留磁化量を
極力低くせしめることが重要だが、このような磁化量の
低減には軟磁性自由層の単磁区化の効果を低下せしめて
素子の変動が発生する恐れが高くなる。従来、このよう
な高感度と安定性の競合は安定性の得られる最低限の磁
化量を採用することで対応されたわけであるが、トラッ
ク幅が狭小になるために安定性の得られるときの感度が
十分でなくなるという現象が生じるのである。上記のよ
うな安定性と高感度の両立を達成するために、硬磁性膜
などの磁荷を磁気抵抗効果積層膜のトラック幅の単部の
正確な位置に最低限の量を配置する必要がある。しかし
ながら、従来型の磁区制御構造では、近年の狭小なトラ
ック幅の磁気ヘッドに対してこれを実現することができ
なかった。そこで本発明の目的は高密度記録に対応した
長期信頼性の高い磁気記録装置もしくは磁気センサーを
用いた磁気ヘッドを提供することにあり、より具体的に
は、軟磁性自由層の端部の磁荷を打ち消す端磁区化磁性
膜を磁気抵抗効果膜に積層形成し、トラック幅をおよそ
同一形状に形成することで安定で高感度のスピンバルブ
型磁気抵抗効果素子を用いた再生出力の高いスピンバル
ブ型磁気ヘッドを提供し、さらにこれを用いた磁気記録
再生装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】 本発明では高記録密度
に対応した巨大磁気抵抗効果を用いた磁気センサーを磁
気ヘッドに搭載した磁気記録装置を提供するために、上
記磁気センサーとして用いるスピンバルブ型の巨大磁気
抵抗効果積層膜、すなわち、軟磁性自由層/非磁性導電
層/強磁性固定層/反強磁性膜の積層構造を有する磁気
抵抗効果素子を用いる。ここで反強磁性膜は強磁性固定
層の磁化を実質的に固定するための交換結合バイアスを
印加するものであって、直接強磁性固定層に密着して形
成するか、あるいは間接的に磁気的結合を経て効果をも
たらしてもよい。あるいは反強磁性膜の代わりに他のバ
イアス印加手段、例えば、硬磁性膜の残留磁化を用いた
り、電流バイアスを用いてもよい。本発明では課題を解
決して高記録密度に対応した磁気センサ、磁気ヘッドを
搭載した磁気記録再生装置を得るために、上記軟磁性自
由層に積層して、非磁性分離層を介し、単磁区化強磁性
層を形成する。非磁性分離層は単磁区化強磁性層と軟磁
性自由層の間に磁気的な結合がないように分離する機能
を有する。つまり、強磁性固定層と非磁性中間層と軟磁
性自由層と非磁性分離層と単磁区化強磁性とがこの順に
積層され所定の感磁幅に対応したほぼ同一のトラック幅
に形成されたスピンバルブ型磁気抵抗効果素子を有し、
前記非磁性分離層を介して前記軟磁性自由層と前記単磁
区化強磁性層とが面内で実質的に強磁性的または反強磁
性的な結合を有さず、トラック幅端部で前記単磁区化強
磁性層の磁化と軟磁性自由層の磁化とが静磁気的に結合
して閉磁路を形成しており、前記軟磁性自由層は感知す
べき磁界に対して略直行した方向に実質的に固定された
磁化を有して単磁区化され、前記強磁性固定層が感知す
べき磁界に対して実質的にその磁化方向が固定され、外
部の磁界に応じて前記軟磁性自由層の磁化が回転し、前
記軟磁性自由層の磁化と前記強磁性固定層の磁化との相
対角度が変わって磁気抵抗効果素子に磁気抵抗変化が生
じ、一対の電極により磁気抵抗変化を検出することを特
徴とする磁気ヘッドとする。あるいは、前記素子積層構
成が所定の感磁幅に対応したほぼ同一のトラック幅に形
成されていて、上記トラック幅の方向に並列して配置し
た硬磁性膜などの磁区制御構造を持たず、前記トラック
幅端部で上記単磁区化強磁性層の磁化と軟磁性自由層の
磁化が静磁気的に結合して閉磁路を形成してなる構成と
する。また、感知すべき外部磁界に対して実質的にその
磁化方向が固定された強磁性層と感知すべき外部磁界に
応じてその磁化が回転できる軟磁性層とが非磁性中間層
を介して積層されたスピンバルブ型磁気抵抗効果素子を
有し、感知すべき外部磁界に応じて前記軟磁性層の磁化
が回転し、前記軟磁性層の磁化方向と上記強磁性層の磁
化方向との相対角度が変わって磁気抵抗効果を生じる磁
気ヘッドにおいて、前記軟磁性層上に非磁性分離層を介
して単磁区化強磁性層が形成され、前記軟磁性層と前記
単磁区化強磁性層とがトラック幅端部で静磁気的に結合
して閉磁路を形成して前記軟磁性層が感知すべき磁界に
対して略直交した方向に実質的に固定された磁化を有す
ることを特徴とする磁気ヘッドとする。また、強磁性固
定層と軟磁性自由層とが非磁性中間層を介して積層され
たスピンバルブ型磁気抵抗効果素子を有し、外部の磁界
に応じて前記軟磁性自由層の磁化が回転し、前記軟磁性
自由層の磁化と前記強磁性固定層の磁化との相対角度が
変わって磁気抵抗効果を生じ、前記軟磁性自由層上に非
磁性分離層を介して単磁区化強磁性層が形成され、前記
非磁性分離層を介して前記軟磁性自由層と前記単磁区化
強磁性層とがトラック幅端部で静磁気的に結合して閉磁
路を形成することで前記単磁区化強磁性層は感知すべき
磁界に対して略直行した方向に実質的に固定された磁化
を有するように前記軟磁性自由層を単磁区化することを
特徴とする磁気ヘッドとする。ここで、単磁区化強磁性
層、非磁性分離層及び軟磁性自由層はほぼ同一のトラッ
ク幅に加工形成されてほぼ同一位置の単部を有し、単磁
区化強磁性層はトラック幅方向に残留磁化を有し続ける
ことでトラック幅方向の端部で軟磁性自由層の端部の磁
荷を打ち消して単磁区化する効果を有する。単磁区化強
磁性層は軟磁性自由層とおよそ同一の磁化量を有する
か、単磁区化強磁性層と軟磁性自由層とが非磁性分離層
によって分離していて損失する分を補うために軟磁性自
由層の磁化量より大きく設定する。上記のような単磁区
化構成によって、他の磁区制御構造、例えば磁気抵抗効
果膜のトラック幅方向の側端部に硬磁性膜を配置するよ
うな構造がなくとも単磁区化の効果を得ることができ
る。単磁区化強磁性層は所定の大きさの磁荷をトラック
幅方向に発生せしめるために強磁性体を含む構成とす
る。磁荷の発生方法としては、反強磁性膜を用いること
ができる。すなわち、反強磁性膜/強磁性膜の構成とし
て、強磁性膜に反強磁性膜から交換結合磁界を発生せし
め、この交換結合磁界の方向をトラック幅方向とするこ
とで達成できる。あるいは、単磁区化強磁性層を硬磁性
膜を用いて構成することもできる。硬磁性膜をトラック
幅方向に着磁し、残留磁化によって単磁区化効果を得
る。この場合、硬磁性膜の磁化の分散が軟磁性自由層に
転写されて保磁力を増大させる恐れがある。保磁力の増
大を防ぐために単磁区化強磁性層を硬磁性膜/結合層/
強磁性層の積層構成とし、硬磁性膜の磁化の分散を強磁
性層で吸収し、かつまた硬磁性膜と強磁性層の磁荷の合
計で単磁区化効果を得ることができる。結合層は単磁区
化強磁性層と強磁性層を反強磁性的に結合するか、弱く
強磁性的に結合させ、硬磁性膜の磁化の分散から発生す
る磁界を強磁性層が吸収する効果をもたせるのである。
単磁区化強磁性層は、面内に電流の通じる場合には磁気
抵抗効果膜の分流による出力の低下を抑制するために高
い電気抵抗を有する薄膜から形成することが望ましい。
高抵抗強磁性膜としては、マグネタイトFe3O4に代
表されるフェライト薄膜があり、Fe,Ni,Mn,C
oなどの酸化物からなる。または、非導電体と強磁性金
属の混合体でも高抵抗磁性膜を形成できる。特に非導電
体としてはアルミナや酸化シリコン、磁性金属としては
Ni-75〜85Fe、Co-1〜12Fe、Co-2〜15Fe 1〜30Ni、など
がよい。同様に半導体と強磁性金属の混合体でも良い。
半導体としてはSi、Ge、これらの化合物などを用い
ることができる。混合薄膜の形成方法は、従来の真空薄
膜形成法を用いて、同時成膜してもよいが、特に非導電
体と磁性金属を交互に1ナノメートル程度の極薄い単位
設定厚さで積層形成すると、実際には島状組織の形成に
よる磁性金属の分散構造が形成でき、望ましい特性が得
られる。強磁性固定層の磁化は感知すべき磁界の方向と
略平行に、また、単磁区化強磁性層の磁化は感知すべき
磁界の方向と略垂直に方向付ける必要がある。これを着
磁と称するが、それぞれの所定の方向に着磁する着磁工
程を製造方法のプロセスとして構成する。そこで上記磁
気ヘッドの製造方法としては、強磁性固定層の磁化方向
を着磁する工程と、単磁区化強磁性層の磁化方向を着磁
する工程とを有することが特徴である。また、強磁性固
定層の磁化方向を着磁する工程と、単磁区化強磁性層の
磁化方向を着磁する工程とは、異なる着磁温度にて行う
ことが有効である。着磁工程には常温で行う着磁工程
と、熱処理炉やホットプレートなどで所定の温度に加
熱、熱処理して行う着磁工程がある。上記それぞれの異
なる方向への磁化の着磁は常温での着磁工程と熱処理着
磁工程を組み合わせるか、あるいは温度の異なる熱処理
着磁工程を組み合わせることで達成できる。すなわち強
磁性固定層の固定バイアス印加手段と単磁区化強磁性層
の磁化の固定手段とを同一の材料・手段で行うよりも、
異なる材料・手段で行うことが望ましい。具体的には、
強磁性固定層に反強磁性膜を用いて着磁熱処理を行う一
方で単磁区化強磁性層を硬磁性膜で形成して室温にて着
磁処理を行うことができる。あるいは、鏡磁性固定層に
交換結合磁界が高温まで保持できるMnPt反強磁性膜
を用いて250〜300℃程度の高い温度で着磁熱処理を行
い、単磁区化強磁性層をMnIr反強磁性層で固定した
磁性膜で構成して200℃で異なる方向への着磁熱処理を
行うことで望ましい特性を得ることができる。また、本
発明の構成要素である非磁性分離層は、非磁性分離層を
介して面で接する軟磁性自由層と単磁区化強磁性層との
間の面内の磁気的な結合をなくする機能を有する。この
機能を実現するために、非磁性分離層は室温及び磁気ヘ
ッドの動作温度において自発磁化を有さない材料から構
成して、軟磁性自由層と単磁区化強磁性層との間に強磁
性的な結合を発生しない様に構成する。この場合、非磁
性分離層の厚さは少なくとも0.2ナノメートル以上、
一般には1ナノメートル以上必要である。しかしながら
非磁性分離層の厚さが極端に厚いと十分に閉磁路構造を
実現することができない。軟磁性自由層および単磁区化
強磁性層の強磁性体からなる部分の膜厚よりも十分に厚
い間隙が非磁性分離層のために存在すると漏れ磁界が無
視できないからである。したがって非磁性分離層の厚さ
は5ナノメートルより厚いことが望ましい。一方で、R
u、Ir、Os、Re、Rhなどの材料ではCo/Ru
/Coのようなサンドイッチ構造を特定のRuの厚さ、
例えば0.8ナノメートルで構成するとCo膜間に面で
結合した強い反強磁性的な結合が発生することが知られ
ている。反強磁性的な結合の大きさは数キロエルステッ
ド、すなわち、数百KA/mに達する。、本発明ではこ
のような強い反強磁性的な結合は望ましくないから、非
磁性分離層に上記のRuのような材料を0.8ナノメー
トルのような所定の厚さで構成することは望ましくな
い。さまざまな理由でRuなどの材料を非磁性分離層に
用いる場合には厚さを例えば2ナノメートルなどに設定
することで反強磁性的な結合をなくし、端部での静磁結
合に基づいた特性を得ることもできる。あるいは非磁性
分離層をRu/Ta層のように積層構成として、Ru層
による反強磁性的な結合の発生を抑制した構成をとるこ
ともできる。一方でCrなどの材料を特定の厚さ、例え
ば0.9から1ナノメートルの厚さで用いると、Crを介し
た強磁性層間に極弱い反強磁性的な結合がある。この場
合の結合の大きさはわずかに数十エルステッドすなわち
数KA/m程度と極弱いので、本発明の主旨に反するも
のとはならない。非磁性分離層は磁気抵抗効果積層膜の
上部に配置する場合には磁気抵抗効果積層膜の保護膜と
しての機能を兼ねることもできる。近年、磁気抵抗効果
積層膜の保護膜を酸化物あるいは金属と酸化物との積層
体から構成すると抵抗変化率などが向上する旨の報告が
なされているが、本発明の非磁性分離層が上記構成、す
なわち、酸化物、酸化物と金属の積層体などの構成を含
んでいても本発明の主旨に反するものではなく、適切な
構成を採用することが望ましい。本発明ではこのような
材料、構成、を用いた磁気抵抗効果型磁気ヘッドと、こ
れを再生部とした磁気記録再生装置において、高記録密
度、すなわち記録媒体上に記録される記録波長が短く、
また、記録トラックの幅が狭い記録を実現して、十分な
再生出力を得、記録を良好に保つことができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の巨大磁気抵抗効果積層膜
を構成する薄膜は高周波マグネトロンスパッタリング装
置により以下のように作製した。アルゴン1から6ミリ
トールの雰囲気中にて、厚さ1ミリのセラミックス基板
に以下の材料を順次積層して作製した。スパッタリング
ターゲットとしてタンタル、ニッケル−20at%鉄合
金、銅、コバルト、MnPt、ルテニウム、アルミナ、
マグネタイト、MnIr、NiMnの各ターゲットを用
いた。Coターゲット上には、FeおよびNiの1セン
チ角のチップを適宜配置して組成を調整した。またマグ
ネタイトターゲット上にはFeチップを配置してFe−
O膜の組成を調整した。積層膜は、各ターゲットを配置
したカソードに各々高周波電力を印加して装置内にプラ
ズマを発生させておき、各カソードごとに配置されたシ
ャッターを一つずつ開閉して順次各層を形成した。膜形
成時には永久磁石を用いて基板に平行におよそ80エル
ステッドの磁界を印加して、一軸異方性をもたせた。
形成した膜を、真空中、磁場中で270℃、3時間の熱
処理を行ってMnPt反強磁性膜を相変態させ、室温で
の磁気抵抗を測定して評価した。MnPt以外の反強磁
性膜を併用する場合には異なる温度の着磁熱処理を併用
した。また、硬磁性膜を用いた構成では熱処理後に室温
で着磁処理を行った。基体上の素子の形成はフォトレジ
スト工程によってパターニングした。その後、基体はス
ライダー加工し、磁気記録装置に搭載した。また、磁区
制御構造の構成を評価するため、LLG(ランダウ−リ
フシッツ−ギルバート)法による磁化過程シミュレーシ
ョンを行って、磁気ヘッドの安定性と出力について比較
検討した。以下に本発明の具体的な実施例を、図を追っ
て説明する。図1は本発明の巨大磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッドの構成例である。対向面に平行な断面図で示した。
図は磁気媒体に対向する対向面から眺めた模式図になっ
ている。基体50上に下部磁気シールド35、下部ギャ
ップ膜71を形成し、その上に、巨大磁気抵抗効果積層
膜10が形成されてなり、さらに上部ギャップ膜72、
上部磁気シールド36を形成して、再生信号を検出する
再生ギャップ43を形成してなる。電極40は、巨大磁
気抵抗効果積層膜10のトラック幅方向の両端部に接触
して配置し、感知電流の印加と電気抵抗の変化の検出を
行う。電極40の形成方法およびその形状は、ここでは
いわゆるリフトオフ法によって作製した構造で記述して
あるが他にさまざまな方法が利用できる。巨大磁気抵抗
効果積層膜10は、図1では以下の構成例のような構造
を有する。下地膜14、反強磁性膜11、強磁性固定層
15、非磁性導電層12、軟磁性自由層13を連続して
形成してなる。この構成例では強磁性固定層15は第一
の強磁性膜151と第二の強磁性膜152、および反平
行結合膜154の積層体からなる。反平行結合膜154
は第一の強磁性膜151と第二の強磁性膜152の磁化
を互いに反平行に配列させる交換結合を印加して、強磁
性固定層の実質的な磁化の量を第一の強磁性膜151と
第二の強磁性膜152の磁化量の差分に制御する効果が
ある。ここで強磁性固定層15を単層の磁性体から形成
したり、2層や4層以上の積層体から形成しても何ら本
発明の趣旨に反するものではない。またここで軟磁性自
由層13は第一の自由層軟磁性膜および第二の自由層軟
磁性膜の積層体からなるが軟磁性自由層13を単層の磁
性体から形成したり、2層以上の積層体から形成しても
何ら本発明の趣旨に反するものではない。特に、非磁性
導電層12に近い側をCo合金、反対側をNiFe合金から形
成すると、軟磁気特性と高い抵抗変化率を両立できてよ
い。本発明では巨大磁気抵抗効果積層膜10の軟磁性自
由層13に積層して単磁区化強磁性層45を配置し、巨
大磁気抵抗効果積層膜10とほぼ同一のトラック幅方向
のサイズに形成してなる。ここで単磁区化強磁性層45
は、軟磁性自由層13と接する非磁性分離層411、強
磁性層412、反強磁性層413および保護膜37から
なる。ここで保護膜37を省略した構成としても本発明
の趣旨に反するものではない。非磁性分離層411は軟
磁性自由層13と強磁性層412の層間の磁気的な接合
を遮断して両者が強磁性的に結合した磁化過程を取るこ
とを防止する。非磁性分離層411としては例えばTa
1ナノメートルの層を若干酸化させた層や、さらにR
u,Cuなどを積層した膜などを用いることができる。
非磁性分離層411もしくはその一部は巨大磁気抵抗効
果積層膜10の保護膜としての機能を兼ねても良い。反
強磁性層413は感知すべき磁界と垂直なトラック幅方
向に着磁され、強磁性層412に交換結合を印加して強
磁性層412の磁化を感知すべき磁界がゼロの状態でト
ラック幅方向に設定する機能を有する。巨大磁気抵抗効
果積層膜10の軟磁性自由層13に積層して単磁区化強
磁性層45を配置し、巨大磁気抵抗効果積層膜10とほ
ぼ同一のトラック幅方向のサイズに形成してなること
で、強磁性層412の磁化と軟磁性自由層13の磁化が
互いに反平行になり、トラック幅方向の端部で静磁気的
に結合、閉磁路を形成して軟磁性自由層13を単磁区化
するのである。軟磁性自由層13と強磁性層412の端
部の距離が十分に近い場合、軟磁性自由層13と強磁性
層412の磁化量はほぼ同一でよい。両者の距離が離れ
ると強磁性層412の磁化量は軟磁性自由層に達するま
でに損失する分を加味して軟磁性自由層の磁化量よりも
多く設定する。図中矢印で示したように軟磁性自由層1
3の磁化の方向は、単磁区化強磁性層45の磁化と反平
行になり、感知すべき磁界がゼロの状態で略トラック幅
の方向になるよう磁気異方性、検知電流の大きさ、強磁
性固定層15の磁化量、素子の奥行きのサイズである素
子高さ、などを設定してバイアス特性が対称となるよう
に設定する。図2は本発明の巨大磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッドの別の構成例である。対向面に平行な断面図で示し
た。図は磁気媒体に対向する対向面から眺めた模式図に
なっている。基体50上に下部磁気シールド35、下部
ギャップ膜71を形成し、その上に、巨大磁気抵抗効果
積層膜10が形成されてなり、さらに上部ギャップ膜7
2、上部磁気シールド36を形成して、再生信号を検出
する再生ギャップ43を形成してなる。電極40は、巨
大磁気抵抗効果積層膜10のトラック幅方向の両端部に
接触して配置し、感知電流の印加と電気抵抗の変化の検
出を行う。電極40の形成方法およびその形状は、ここ
ではいわゆるリフトオフ法によって作製した構造で記述
してあるが他にさまざまな方法が利用できる。巨大磁気
抵抗効果積層膜10は、図1と同様に図2では以下の構
成例のような構造を有する。下地膜14、反強磁性膜1
1、強磁性固定層15、非磁性導電層12、軟磁性自由
層13を連続して形成してなる。この構成例では強磁性
固定層15は第一の強磁性膜151と第二の強磁性膜1
52、および反平行結合膜154の積層体からなる。反
平行結合膜154は第一の強磁性膜151と第二の強磁
性膜152の磁化を互いに反平行に配列させる交換結合
を印加して、強磁性固定層の実質的な磁化の量を第一の
強磁性膜151と第二の強磁性膜152の磁化量の差分
に制御する効果がある。ここで強磁性固定層15を単層
の磁性体から形成したり、2層や4層以上の積層体から
形成しても何ら本発明の趣旨に反するものではない。ま
たここで軟磁性自由層13は第一の自由層軟磁性膜およ
び第二の自由層軟磁性膜の積層体からなるが軟磁性自由
層13を単層の磁性体から形成したり、2層以上の積層
体から形成しても何ら本発明の趣旨に反するものではな
い。特に、非磁性導電層12に近い側をCo合金、反対側
をNiFe合金から形成すると、軟磁気特性と高い抵抗変化
率を両立できてよい。本発明では巨大磁気抵抗効果積層
膜10の軟磁性自由層13に積層して単磁区化強磁性層
45を配置し、巨大磁気抵抗効果積層膜10とほぼ同一
のトラック幅方向のサイズに形成してなる。ここで単磁
区化強磁性層45は、軟磁性自由層13と接する非磁性
分離層411、硬磁性層414および保護膜37からな
る。ここで保護膜37を省略した構成としても本発明の
趣旨に反するものではない。非磁性分離層411は軟磁
性自由層13と硬磁性層414の層間の磁気的な接合を
遮断して両者が強磁性的に結合した磁化過程を取ること
を防止する。非磁性分離層411としては例えばTa
1ナノメートルの層を若干酸化させた層や、さらにR
u,Cuなどを積層した膜などを用いることができる。
非磁性分離層411もしくはその一部は巨大磁気抵抗効
果積層膜10の保護膜としての機能を兼ねても良い。硬
磁性層414は感知すべき磁界と垂直なトラック幅方向
に着磁され、感知すべき磁界や外乱に対しても硬磁性層
414の磁化をトラック幅方向に設定する機能を有す
る。硬磁性層414の保磁力はこの機能を果すために4
0kOe以上、特に160kOe以上とすることが望ま
しい。巨大磁気抵抗効果積層膜10の軟磁性自由層13
に積層して単磁区化強磁性層45を配置し、巨大磁気抵
抗効果積層膜10とほぼ同一のトラック幅方向のサイズ
に形成してなることで、硬磁性層414の磁化と軟磁性
自由層13の磁化が互いに反平行になり、トラック幅方
向の端部で静磁気的に結合、閉磁路を形成して軟磁性自
由層13を単磁区化するのである。軟磁性自由層13と
硬磁性層414の端部の距離が十分に近い場合、軟磁性
自由層13と硬磁性層414の磁化量はほぼ同一でよ
い。両者の距離が離れると硬磁性層414の磁化量は軟
磁性自由層13に達するまでに損失する分を加味して軟
磁性自由層13の磁化量よりも多く設定する。図中矢印
で示したように軟磁性自由層13の磁化の方向は、単磁
区化強磁性層45の磁化、すなわち硬磁性層414の磁
化と反平行になり、感知すべき磁界がゼロの状態で略ト
ラック幅の方向になるよう磁気異方性、検知電流の大き
さ、強磁性固定層15の磁化量、素子の奥行きのサイズ
である素子高さ、などを設定してバイアス特性が対称と
なるように設定する。図3は本発明の巨大磁気抵抗効果
型磁気ヘッドのまた別の構成例である。対向面に平行な
断面図で示した。図は磁気媒体に対向する対向面から眺
めた模式図になっている。基体50上に下部磁気シール
ド35、下部ギャップ膜71を形成し、その上に、巨大
磁気抵抗効果積層膜10が形成されてなり、さらに上部
ギャップ膜72、上部磁気シールド36を形成して、再
生信号を検出する再生ギャップ43を形成してなる。電
極40は、巨大磁気抵抗効果積層膜10のトラック幅方
向の両端部に接触して配置し、感知電流の印加と電気抵
抗の変化の検出を行う。電極40の形成方法およびその
形状は、ここではいわゆるリフトオフ法によって作製し
た構造で記述してあるが他にさまざまな方法が利用でき
る。巨大磁気抵抗効果積層膜10は、図1、図2と同様
に図3では以下の構成例のような構造を有する。下地膜
14、反強磁性膜11、強磁性固定層15、非磁性導電
層12、軟磁性自由層13を連続して形成してなる。こ
の構成例では強磁性固定層15は第一の強磁性膜151
と第二の強磁性膜152、および反平行結合膜154の
積層体からなる。反平行結合膜154は第一の強磁性膜
151と第二の強磁性膜152の磁化を互いに反平行に
配列させる交換結合を印加して、強磁性固定層の実質的
な磁化の量を第一の強磁性膜151と第二の強磁性膜1
52の磁化量の差分に制御する効果がある。ここで強磁
性固定層15を単層の磁性体から形成したり、2層や4
層以上の積層体から形成しても何ら本発明の趣旨に反す
るものではない。またここで軟磁性自由層13は第一の
自由層軟磁性膜および第二の自由層軟磁性膜の積層体か
らなるが軟磁性自由層13を単層の磁性体から形成した
り、2層以上の積層体から形成しても何ら本発明の趣旨
に反するものではない。特に、非磁性導電層12に近い
側をCo合金、反対側をNiFe合金から形成すると、軟磁気
特性と高い抵抗変化率を両立できてよい。本発明では巨
大磁気抵抗効果積層膜10の軟磁性自由層13に積層し
て単磁区化強磁性層45を配置し、巨大磁気抵抗効果積
層膜10とほぼ同一のトラック幅方向のサイズに形成し
てなる。ここで単磁区化強磁性層45は、軟磁性自由層
13と接する非磁性分離層411、軟磁性緩衝層41
6、結合層415、硬磁性層414および保護膜37か
らなる。ここで保護膜37を省略した構成としても本発
明の趣旨に反するものではない。非磁性分離層411は
軟磁性自由層13と軟磁性緩衝層416の層間の磁気的
な接合を遮断して両者が強磁性的に結合した磁化過程を
取ることを防止する。非磁性分離層411としては例え
ばTa 1ナノメートルの層を若干酸化させた層や、さ
らにRu,Cuなどを積層した膜などを用いることがで
きる。非磁性分離層411もしくはその一部は巨大磁気
抵抗効果積層膜10の保護膜としての機能を兼ねても良
い。本構成例では軟磁性緩衝層416は結合層415を
介して硬磁性膜414と強磁性的に結合し、結合層41
5はこの強磁性的結合を適度な大きさに制御する機能を
有する。結合層415としてはTa、アルミナなどの膜
を用いることができる。軟磁性緩衝層416は硬磁性膜
414の磁化の分散によって発生する磁界を吸収し、軟
磁性自由層13の磁気特性の悪化を防止する。硬磁性層
414は感知すべき磁界と垂直なトラック幅方向に着磁
され、感知すべき磁界や外乱に対しても硬磁性層414
の磁化および軟磁性緩衝層416の磁化をトラック幅方
向に設定する機能を有する。硬磁性層414の保磁力は
この機能を果すために40kOe以上、特に160kO
e以上とすることが望ましい。巨大磁気抵抗効果積層膜
10の軟磁性自由層13に積層して単磁区化強磁性層4
5を配置し、巨大磁気抵抗効果積層膜10とほぼ同一の
トラック幅方向のサイズに形成してなることで、軟磁性
緩衝層416の磁化、硬磁性層414の磁化と軟磁性自
由層13の磁化が互いに反平行になり、トラック幅方向
の端部で静磁気的に結合し、合計の磁化が閉磁路を形成
して軟磁性自由層13を単磁区化するのである。軟磁性
自由層13と、軟磁性緩衝層416および硬磁性層41
4の端部の距離が十分に近い場合、軟磁性自由層13の
磁化量と、軟磁性緩衝層416と硬磁性層414の磁化
量の合計はほぼ同一でよい。両者の距離が離れると軟磁
性緩衝層416と硬磁性層414の磁化量の合計は軟磁
性自由層13に達するまでに損失する分を加味して軟磁
性自由層13の磁化量よりも多く設定する。図中矢印で
示したように軟磁性自由層13の磁化の方向は、単磁区
化強磁性層45の磁化、すなわち軟磁性緩衝層416と
硬磁性層414の磁化と反平行になり、感知すべき磁界
がゼロの状態で略トラック幅の方向になるよう磁気異方
性、検知電流の大きさ、強磁性固定層15の磁化量、素
子の奥行きのサイズである素子高さ、などを設定してバ
イアス特性が対称となるように設定する。図4は本発明
の巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドのさらに別の構成例で
ある。対向面に平行な断面図で示した。図は磁気媒体に
対向する対向面から眺めた模式図になっている。基体5
0上に下部磁気シールド35、下部ギャップ膜71を形
成し、その上に、巨大磁気抵抗効果積層膜10が形成さ
れてなり、さらに上部ギャップ膜72、上部磁気シール
ド36を形成して、再生信号を検出する再生ギャップ4
3を形成してなる。電極40は、巨大磁気抵抗効果積層
膜10のトラック幅方向の両端部に接触して配置し、感
知電流の印加と電気抵抗の変化の検出を行う。電極40
の形成方法およびその形状は、ここではいわゆるリフト
オフ法によって作製した構造で記述してあるが他にさま
ざまな方法が利用できる。巨大磁気抵抗効果積層膜10
は、図1から3と同様に図4では以下の構成例のような
構造を有する。下地膜14、反強磁性膜11、強磁性固
定層15、非磁性導電層12、軟磁性自由層13を連続
して形成してなる。この構成例では強磁性固定層15は
第一の強磁性膜151と第二の強磁性膜152、および
反平行結合膜154の積層体からなる。反平行結合膜1
54は第一の強磁性膜151と第二の強磁性膜152の
磁化を互いに反平行に配列させる交換結合を印加して、
強磁性固定層の実質的な磁化の量を第一の強磁性膜15
1と第二の強磁性膜152の磁化量の差分に制御する効
果がある。ここで強磁性固定層15を単層の磁性体から
形成したり、2層や4層以上の積層体から形成しても何
ら本発明の趣旨に反するものではない。またここで軟磁
性自由層13は第一の自由層軟磁性膜および第二の自由
層軟磁性膜の積層体からなるが軟磁性自由層13を単層
の磁性体から形成したり、2層以上の積層体から形成し
ても何ら本発明の趣旨に反するものではない。特に、非
磁性導電層12に近い側をCo合金、反対側をNiFe合金か
ら形成すると、軟磁気特性と高い抵抗変化率を両立でき
てよい。本発明では巨大磁気抵抗効果積層膜10の軟磁
性自由層13に積層して単磁区化強磁性層45を配置
し、巨大磁気抵抗効果積層膜10とほぼ同一のトラック
幅方向のサイズに形成してなる。ここで単磁区化強磁性
層45は、軟磁性自由層13と接する非磁性分離層41
1、軟磁性緩衝層416、結合層415、硬磁性層41
4および保護膜37からなる。ここで保護膜37を省略
した構成としても本発明の趣旨に反するものではない。
非磁性分離層411は軟磁性自由層13と軟磁性緩衝層
416の層間の磁気的な接合を遮断して両者が強磁性的
に結合した磁化過程を取ることを防止する。非磁性分離
層411としては例えばTa 1ナノメートルの層を若
干酸化させた層や、さらにRu,Cuなどを積層した膜
などを用いることができる。非磁性分離層411もしく
はその一部は巨大磁気抵抗効果積層膜10の保護膜とし
ての機能を兼ねても良い。本構成例と図3の例との違い
は結合層415および軟磁性緩衝層416の磁化方向に
ある。本構成例では軟磁性緩衝層416は結合層415
を介して硬磁性膜414と反強磁性的に結合し、結合層
415はこの反強磁性的結合を発生せしめる機能を有す
る。結合層415としてはRu、Irなどの膜を所定の
厚さにして用いることができる。軟磁性緩衝層416は
硬磁性膜414の磁化の分散によって発生する磁界を吸
収し、軟磁性自由層13の磁気特性の悪化を防止する。
硬磁性層414は感知すべき磁界と垂直なトラック幅方
向に着磁され、感知すべき磁界や外乱に対しても硬磁性
層414の磁化および軟磁性緩衝層416の磁化をトラ
ック幅方向に設定する機能を有する。硬磁性層414お
よび軟磁性緩衝層416の積層膜での保磁力はこの機能
を果すために40kOe以上、特に160kOe以上と
することが望ましい。巨大磁気抵抗効果積層膜10の軟
磁性自由層13に積層して単磁区化強磁性層45を配置
し、巨大磁気抵抗効果積層膜10とほぼ同一のトラック
幅方向のサイズに形成してなることで、硬磁性層414
の磁化と、軟磁性緩衝層416の磁化および軟磁性自由
層13の磁化が互いに反平行になり、トラック幅方向の
端部で静磁気的に結合し、合計の磁化が閉磁路を形成し
て軟磁性自由層13を単磁区化するのである。軟磁性自
由層13および軟磁性緩衝層416と、硬磁性層414
の端部の距離が十分に近い場合、軟磁性自由層13の磁
化量と、硬磁性層414の磁化量と軟磁性緩衝層416
の磁化量の差分とはほぼ同一でよい。両者の距離が離れ
ると硬磁性層414の磁化量は軟磁性自由層13に達す
るまでに損失する分を加味して硬磁性層414の磁化量
と軟磁性緩衝層416の磁化量の差分を軟磁性自由層1
3の磁化量よりも多く設定する。図中矢印で示したよう
に軟磁性自由層13および軟磁性緩衝層416の磁化の
方向は、硬磁性層414の磁化と反平行になり、感知す
べき磁界がゼロの状態で略トラック幅の方向になるよう
磁気異方性、検知電流の大きさ、強磁性固定層15の磁
化量、素子の奥行きのサイズである素子高さ、などを設
定してバイアス特性が対称となるように設定する。以下
図5から図8では、比較のため従来技術の構造の磁気ヘ
ッドについて述べる。図5は従来のハードバイアス構造
の磁気ヘッドの磁気抵抗効果素子の概念図である。図5
上部は斜視図で、図5下部は断面方向から見た図で示し
てある。磁区制御膜41は、硬磁性膜あるいは残留磁化
を有する磁性膜などから形成して巨大磁気抵抗効果積層
膜内の軟磁性自由層13に隣接して配置し、軟磁性自由
層13に単磁区化のためのバイアス効果を及ぼす機能を
有する。理想的には軟磁性自由層13の磁化量と磁区制
御膜41の磁化量、あるいは残留磁化量、はほぼ同一と
して互いの端部の静磁場を打ち消すことが望まれるが、
実際には図5下部に示したような位置ずれが製造上どう
しても発生するために、軟磁性自由層13を安定に単磁
区化するためには磁区制御膜41の磁化量を軟磁性自由
層13の磁化量の数倍以上に設定する必要がある。図6
は従来のハードバイアス構造の磁区制御膜の磁化量とヘ
ッド出力の関係の計算結果を示した図である。磁区制御
膜の磁化量が軟磁性自由層の磁化量の10倍程度に大き
いと過剰な単磁区化バイアスのために軟磁性自由層が感
知すべき磁界に対して磁化しにくくなり、ヘッド出力が
低いことがわかる。このヘッド出力の低下はトラック幅
が狭いほど顕著であり、高記録密度の磁気ヘッドにおい
て極めて重要である。磁区制御膜の磁化量を低減する
と、過剰な単磁区化バイアスが低減するため出力が増加
していくが、磁区制御膜の磁化量が軟磁性自由層の磁化
量の5倍以下程度になるとLLG計算が収束しなくな
り、結果が得られなかった。これは軟磁性自由層が多磁
区状態になって一定の平衡状態が計算上で得られなかっ
たためで、すなわちハードバイアス構造において磁区制
御膜の磁化量が軟磁性自由層の磁化量の数倍以下では磁
気ヘッドの出力が不安定であることを示している。した
がってハードバイアス構造では狭トラックにおいて十分
な出力が安定に得られないことがわかる。同様に図7は
従来技術のパターンドエクスチェンジ構造の磁気ヘッド
の磁気抵抗効果素子の概念図である。図7上部は斜視図
で、図7下部は断面方向から見た図で示してある。軟磁
性自由層13はトラック幅よりも広く形成され、反強磁
性膜46は軟磁性自由層13のトラック幅より外側の部
分に接触且つ積層して形成されて軟磁性自由層13の非
感磁領域に交換結合磁界を印加して磁気的にトラック幅
を規定する。すなわち、軟磁性自由層13上の両端部の
反強磁性膜46の間隔がトラック幅を規定するのであ
る。この構造ではハードバイアス構造のような位置ずれ
や磁化量の増加のような問題は生じないが、別種の問題
が存在することがシミュレーションからわかる。理想的
には軟磁性自由層13上の両端部の反強磁性膜46の間
隔でトラック幅が規定されるのであるが、実際には反強
磁性膜46の交換結合磁界で固定された部分と中央部感
磁領域の部分の軟磁性自由層13は互いに干渉するので
ある。図8は従来技術のパターンドエクスチェンジ構造
の交換結合磁界とマイクロトラック曲線の関係の計算結
果を示した図である。交換結合磁界が400kA/mと
十分大きい場合、軟磁性自由層の非感磁領域の磁化は固
定されて出力に寄与せず、狭くて良好なマイクロトラッ
ク曲線が得られている。しかしながら出力は低い。これ
は固定された非感磁領域の磁化が近傍の中央感磁領域の
軟磁性自由層の磁化と静磁気的かつ交換結合的に相互作
用して中央感磁領域の端部よりの領域の感知すべき磁界
に対する感度を低下させるためである。したがってトラ
ック幅が狭いほどこのような影響は強いことが解かる。
一方で交換結合磁界を80kA/mに低下させた結果で
は高い出力が得られる反面、マイクロトラック曲線は反
強磁性膜の間隔で設定されたトラック幅の間隔より広が
ってしまった出力曲線を示した。これは交換結合磁界を
低く設定した結果、反強磁性膜の下部の非感磁領域の軟
磁性自由層の磁化が感知すべき磁界に対して磁化するよ
うになり、中央感磁領域の軟磁性自由層の感度を低下さ
せなくなった反面、非感磁領域の軟磁性自由層が磁化す
ることによる出力が発生していわゆる「読みにじみ」が
発生したためである。以上のように狭トラックのパター
ンドエクスチェンジ構造において端部反強磁性膜の交換
結合磁界を大きく設定すると出力が低下し、交換結合磁
界を低く設定すると読みにじみが発生するために十分な
出力とトラック幅方向の分解能が同時に得られないこと
がわかる。図9は本発明の閉磁路磁区制御構造の磁気ヘ
ッドの磁気抵抗効果素子の概念図である。図9上部は斜
視図で、図9下部は断面方向から見た図で示してある。
単磁区化強磁性層45は、反強磁性膜で交換結合を印加
された強磁性膜、硬磁性膜あるいは残留磁化を有する磁
性膜などから形成して巨大磁気抵抗効果積層膜内の軟磁
性自由層13に面を介した磁気的な結合を切断して積層
配置し、軟磁性自由層13に単磁区化のためのバイアス
効果を及ぼす機能を有する。ハードバイアス構造と異な
り、理想的には軟磁性自由層13の磁化量と単磁区化強
磁性層45の磁化量をほぼ同一として互いの端部の静磁
場を打ち消すことできる。これは本発明の構造が積層配
置してほぼ同一のトラック幅形状に形成することで、軟
磁性自由層13と単磁区化強磁性層45の端部に位置ず
れが無く、間に挟まれる膜の厚さ程度の間隙しか形成さ
れないからである。また、単磁区化強磁性層45の磁化
量を軟磁性自由層13より若干大きく設定して、より安
定に設計することもできる。図10は本発明の閉磁路磁
区制御構造の磁気ヘッドの単磁区化強磁性層の磁化量と
ヘッド出力の関係の計算結果を示した図である。単磁区
化強磁性層の磁化量が大きい領域から小さい領域の広い
範囲にわたって安定した出力があり、単磁区化強磁性層
の磁化量が軟磁性自由層の磁化量の1倍と小さくするこ
とで高い出力を安定に得られることがわかる。このヘッ
ド出力は従来技術に比べてトラック幅が狭いくとも低下
しない傾向が顕著であり、高記録密度の磁気ヘッドにお
いて極めて重要である。さらに単磁区化強磁性層の磁化
量を低減して軟磁性自由層の磁化量の1倍より小さくな
るとLLG計算が収束しなくなり、結果が得られなかっ
た。これは軟磁性自由層が多磁区状態になって一定の平
衡状態が計算上で得られなかったためである。従来技術
のハードバイアス構造では、磁区制御膜の磁化量が軟磁
性自由層の5倍より小さな値で多磁区状態となったのに
対して、本発明の構造では多磁区強磁性層の磁化量が軟
磁性自由層の1倍まで単磁区化状態を保つことができ、
このために狭いトラック幅においてハードバイアス構造
よりも数倍高い出力を安定に得ることができるのであ
る。図11は本発明の閉磁路磁区制御構造の磁気ヘッド
のマイクロトラック曲線の計算結果を示した図である。
単磁区化強磁性層の磁化量を、軟磁性自由層の磁化量と
の比率に対して変化させた結果を示してある。軟磁性自
由層がトラック幅のサイズにパターニングされており、
さらに閉じろ磁区制御構造によって端部からの磁束漏洩
による感度の低下がないため、幾何トラック幅が0.1
8ミクロンと狭いにもかかわらず本発明の磁気ヘッドの
マイクロトラック曲線はトラック幅が狭いにもかかわら
ず端部できわめて急峻で良好な特性と高い出力を示して
いることがわかる。また、単磁区化強磁性層の磁化量を
軟磁性自由層の3倍まで大きく設定しても、マイクロト
ラック曲線の幅は殆ど変化せず、出力の低下も従来のハ
ードバイアス構造に比べて小さいことがわかる。以上の
ように本発明の構造により狭トラックの磁気ヘッドにお
いて読みにじみの発生しない、安定で高い出力が達成で
きることがわかった。同様の計算をトラック幅の大きさ
を変えて行った結果、本発明の磁気ヘッドはトラック幅
が0.2ミクロンより狭い領域で従来構造より高い出力
と分解能を有し、トラック幅が0.1ミクロン以下、
0.05ミクロン程度まで高い出力を有することがわか
った。図12および図13では従来技術のハードバイア
ス構造と本発明の磁化分布の違いを示して上記特性の原
因について述べる。図12は従来技術のハードバイアス
構造の軟磁性自由層の磁化分布の計算結果を示した図で
ある。幾何トラック幅を0.18ミクロン、素子高さを
0.16ミクロンで計算した結果を0.1ミクロンごと
に分割して示した。一つ一つの矢印はその場所での磁化
の方向を示している。3つの分布図は感知すべき磁界を
ゼロ、正、および負に加えた場合の磁化分布を示してお
り、端的に言えば正の場合と負の場合の矢印の回転の差
分がその磁化部分の磁界感度の高さを示しているといっ
てよい。従来技術のハードバイアス構造の磁化分布はト
ラック幅の中央部ではトラック幅方向(図12で真横の
方向)から大きく振れており、感知すべき磁界によって
磁化が回転している、すなわち感度があることを図12
は示している。一方でトラック幅の端部周辺では矢印は
トラック幅方向からあまり振れておらず、感知すべき磁
界によっても磁化が回転しない、感度が低下した状態に
あることがわかる。磁気抵抗効果型磁気ヘッドの出力は
これらの軟磁性自由層の磁化分布の総計であるから、ハ
ードバイアス構造の磁気ヘッドはトラック幅が狭いと感
度が低下するのである。一方で図13は本発明の閉磁路
磁区制御構造での軟磁性自由層の磁化分布の計算結果を
示した図である。図12と同様に一つ一つの矢印はその
場所での磁化の方向を示している。幾何トラック幅を
0.18ミクロン、素子高さを0.16ミクロンで計算
した結果を0.2ミクロンごとに分割して示した。磁化
分布はトラック幅の中央部および端部のどの場所におい
てもトラック幅方向(図13で真横の方向)から大きく
振れており、感知すべき磁界によって磁化が回転してい
る、すなわち感度が高いことを示している。磁気抵抗効
果型磁気ヘッドの出力はこれらの軟磁性自由層の磁化分
布の総計であるから、本発明の閉磁路磁区制御構造の磁
気ヘッドは狭いトラック幅においても端部に起因する感
度低下が無く、安定な出力と急峻なマイクロトラック特
性を達成できるのである。図14は本発明の磁気ヘッド
の着磁方法の一例を示した概念図である。図1に示した
本発明の構成例のように巨大磁気抵抗効果膜の強磁性固
定層の磁化の固定に反強磁性膜を用い、かつ単磁区化強
磁性層の磁化の固定を反強磁性膜で行う場合には互いの
交換結合磁界をそれぞれ素子高さ方向、トラック幅方向
に設定する必要がある。図14下部の図は種類の異なる
反強磁性膜MnPtおよびMnIr膜を用いた場合の交
換結合エネルギーの温度依存性を示した図である。Mn
Ir膜は250℃程度のブロッキング温度、すなわち交
換結合磁界の上限温度を示すが、MnPt膜はさらに高
く330℃程度のブロッキング温度を示している。この
温度特性の違いを用いて、例えばMnPt膜を所定の磁
場内で270℃で熱処理して、230℃程度まで冷却
し、その後磁場の方向を変えて室温まで冷却すると、M
nPt膜の交換結合を当初の磁場の方向に、MnIr膜
の交換結合を室温までの冷却時の磁場の方向に着磁する
ことが可能である。このように反強磁性膜の種類を変
え、温度範囲を適切に選択すればそれぞれの交換結合磁
界の方向を異なる方向に着磁できることがわかる。図1
5はマグネタイト膜の磁化曲線である。厚さ10ナノメ
ートルで電気抵抗は5000マイクロオームセンチメー
トル以上、保磁力40kA/m以上である。このような
電気抵抗の高い磁性膜を本発明の単磁区化強磁性層に用
いると抵抗変化率の高い、すなわちより出力の高い磁気
ヘッドを得ることができる。単磁区化強磁性層として
は、図1に示した強磁性層412や、図2、3、4に示
した硬磁性層414、さらに図3、4の例の軟磁性緩衝
層416に用いるとよい。マグネタイト膜の形成方法と
しては例えば、マグネタイトのスパッタリングターゲッ
トを用いて薄膜形成することが望ましい。結晶性のよい
マグネタイトを得るには基板加熱やイオンビームアシス
トなどの技術を用いることができる。またはマグネタイ
トとFeなどの金属を同時スパッタなどの手法で混合し
て薄膜形成し、熱処理によってマグネタイトを析出させ
てもよい。このようにマグネタイトは化学量論組成でな
くてもよいし、金属などとの混層状態であっても本発明
の主旨に反するものではないし、同様に組成の異なる強
磁性のフェライト薄膜を用いてもよい。図16から図2
0には本発明の磁気ヘッドの巨大磁気抵抗効果積層膜及
び単磁区化強磁性層の積層構成例について記載した。図
16は本発明の磁気ヘッドの巨大磁気抵抗効果積層膜及
び単磁区化強磁性層の第一の積層構成例である。本構成
は図1の構造例の具体例に相当する。基体50上に下地
膜14としてTa 3nm、NiFe 3nm、反強磁性
膜11としてMnPt 12nm、第二の強磁性膜15
2としてCoFe 1.5nm、反平行結合膜154と
してRu 0.8nm、第一の強磁性膜151としてC
oFe 2.5nm、非磁性導電層12としてCu 2.
1nm、第二の自由層軟磁性膜132としてCoFe
0.5nm、第一の自由層軟磁性膜131としてNiF
e 4nm、保護膜兼、非磁性分離層411としてCu
1nm、Ta/Ta−O 1.0nm、強磁性層412
としてCoFe 3nm、反強磁性層413としてMn
Ir 7nm、および保護膜37としてTa 3nmを連
続して形成してなる。この構成例では巨大磁気抵抗効果
積層膜10において強磁性固定層15は反平行結合膜1
54、第一の強磁性膜151と第二の強磁性膜152か
らなる。反平行結合膜154であるRu層は第一の強磁
性膜151と第二の強磁性膜152の磁化を互いに反平
行に配列させる交換結合を印加して、強磁性固定層の実
質的な磁化の量を第一の強磁性膜151と第二の強磁性
膜152の磁化量の差分に制御する効果がある。またこ
こで軟磁性自由層13は第一の自由層軟磁性膜であるN
iFeおよび第二の自由層軟磁性膜であるCoFeの積
層体からなる。同様にここで単磁区化強磁性層45は、
軟磁性自由層13と接する非磁性分離層411、強磁性
層412、反強磁性層413および保護膜37からな
る。非磁性分離層411は巨大磁気抵抗効果積層膜10
の保護膜を兼ねていてもよく、保護膜と非磁性分離層4
11の明確な境界は特に存在しなくてよい。非磁性分離
層411は軟磁性自由層13と単磁区化強磁性層45、
特に強磁性層412との間に面を介した磁気的な結合が
生じないようにする機能を有し、かつトラック幅方向で
の端部での軟磁性自由層13と単磁区化強磁性層45、
特に強磁性層412との静磁気的な結合を良好に保つた
めに非磁性分離層411の厚さは合計で2ナノメートル
と薄く構成してなる。図17は本発明の磁気ヘッドの巨
大磁気抵抗効果積層膜及び単磁区化強磁性層の第二の積
層構成例である。本構成は図1の構造例の具体例に相当
する。基体50上に下地膜14としてTa 3nm、N
iFe 3nm、反強磁性膜11としてMnPt 12n
m、第二の強磁性膜152としてCoFe 1.5n
m、反平行結合膜154としてRu 0.8nm、第一
の強磁性膜151としてCoFe 2.5nm、非磁性
導電層12としてCu 2.1nm、第二の自由層軟磁
性膜132としてCoFe 0.5nm、第一の自由層
軟磁性膜131としてNiFe 4nm、保護膜兼、非
磁性分離層411としてCu 1nm、Ta/Ta−O
1.0nm、強磁性層412としてCoFe/Al2O
3混合膜 6nmおよびCoFe 1nm、反強磁性層4
13としてMnIr 7nm、および保護膜37として
Ta 3nmを連続して形成してなる。この構成例では
巨大磁気抵抗効果積層膜10において強磁性固定層15
は反平行結合膜154、第一の強磁性膜151と第二の
強磁性膜152からなる。反平行結合膜154であるR
u層は第一の強磁性膜151と第二の強磁性膜152の
磁化を互いに反平行に配列させる交換結合を印加して、
強磁性固定層の実質的な磁化の量を第一の強磁性膜15
1と第二の強磁性膜152の磁化量の差分に制御する効
果がある。またここで軟磁性自由層13は第一の自由層
軟磁性膜であるNiFeおよび第二の自由層軟磁性膜で
あるCoFeの積層体からなる。同様にここで単磁区化
強磁性層45は、軟磁性自由層13と接する非磁性分離
層411、強磁性層412、反強磁性層413および保
護膜37からなる。非磁性分離層411は巨大磁気抵抗
効果積層膜10の保護膜を兼ねていてもよく、保護膜と
非磁性分離層411の明確な境界は特に存在しなくてよ
い。非磁性分離層411は軟磁性自由層13と単磁区化
強磁性層45、特に強磁性層412との間に面を介した
磁気的な結合が生じないようにする機能を有し、かつト
ラック幅方向での端部での軟磁性自由層13と単磁区化
強磁性層45、特に強磁性層412との静磁気的な結合
を良好に保つために非磁性分離層411の厚さは合計で
2ナノメートルと薄く構成してなる。強磁性層412は
一部がCoFe/Al2O3混合膜からなり、電気抵抗
を部分的に高めることで出力を向上させる効果がある。
図18は本発明の磁気ヘッドの巨大磁気抵抗効果積層膜
及び単磁区化強磁性層の第三の積層構成例である。本構
成は図2の構造例の具体例に相当する。基体50上に下
地膜14としてTa 3nm、NiFe 3nm、反強磁
性膜11としてMnPt 12nm、第二の強磁性膜1
52としてCoFe 1.5nm、反平行結合膜154
としてRu 0.8nm、第一の強磁性膜151として
CoFe 2.5nm、非磁性導電層12としてCu
2.1nm、第二の自由層軟磁性膜132としてCoF
e 0.5nm、第一の自由層軟磁性膜131としてN
iFe 4nm、保護膜兼、非磁性分離層411として
Cu 1nm、Ta/Ta−O 1.0nmおよびAl2
O3 1nm、硬磁性層414としてFe3O4 8n
m、および保護膜37としてTa 3nmを連続して形
成してなる。この構成例では巨大磁気抵抗効果積層膜1
0において強磁性固定層15は反平行結合膜154、第
一の強磁性膜151と第二の強磁性膜152からなる。
反平行結合膜154であるRu層は第一の強磁性膜15
1と第二の強磁性膜152の磁化を互いに反平行に配列
させる交換結合を印加して、強磁性固定層の実質的な磁
化の量を第一の強磁性膜151と第二の強磁性膜152
の磁化量の差分に制御する効果がある。またここで軟磁
性自由層13は第一の自由層軟磁性膜であるNiFeお
よび第二の自由層軟磁性膜であるCoFeの積層体から
なる。同様にここで単磁区化強磁性層45は、軟磁性自
由層13と接する非磁性分離層411、硬磁性層414
および保護膜37からなる。非磁性分離層411は巨大
磁気抵抗効果積層膜10の保護膜を兼ねていてもよく、
保護膜と非磁性分離層411の明確な境界は特に存在し
なくてよい。非磁性分離層411は軟磁性自由層13と
単磁区化強磁性層45、特に硬磁性層414との間に面
を介した磁気的な結合が生じないようにする機能を有
し、かつトラック幅方向での端部での軟磁性自由層13
と単磁区化強磁性層45、特に硬磁性層414との静磁
気的な結合を良好に保つために非磁性分離層411の厚
さは合計で3ナノメートルと薄く構成してなる。また硬
磁性層414はFe3O4と記載したが厳密に化学量論
組成である必要はなく、あるいは金属などが混合しても
本構成例の主旨を逸脱するものではない。図19は本発
明の磁気ヘッドの巨大磁気抵抗効果積層膜及び単磁区化
強磁性層の第四の積層構成例である。本構成は図3の構
造例の具体例に相当する。基体50上に下地膜14とし
てTa 3nm、NiFe 3nm、反強磁性膜11とし
てMnPt 12nm、第二の強磁性膜152としてC
oFe 1.5nm、反平行結合膜154としてRu
0.8nm、第一の強磁性膜151としてCoFe
2.5nm、非磁性導電層12としてCu 2.1n
m、第二の自由層軟磁性膜132としてCoFe 0.
5nm、第一の自由層軟磁性膜131としてNiFe
4nm、保護膜兼、非磁性分離層411としてCu 1
nm、Ta/Ta−O 1.0nmおよびAl2O3 1
nm、軟磁性緩衝層416としてCoFe 1nm、結
合層415としてAl2O3 1nm、硬磁性層414
としてFe3O4 8nmを連続して形成してなる。本
例では保護膜を特に用いないでも問題がない。この構成
例では巨大磁気抵抗効果積層膜10において強磁性固定
層15は反平行結合膜154、第一の強磁性膜151と
第二の強磁性膜152からなる。反平行結合膜154で
あるRu層は第一の強磁性膜151と第二の強磁性膜1
52の磁化を互いに反平行に配列させる交換結合を印加
して、強磁性固定層の実質的な磁化の量を第一の強磁性
膜151と第二の強磁性膜152の磁化量の差分に制御
する効果がある。またここで軟磁性自由層13は第一の
自由層軟磁性膜であるNiFeおよび第二の自由層軟磁
性膜であるCoFeの積層体からなる。同様にここで単
磁区化強磁性層45は、軟磁性自由層13と接する非磁
性分離層411、軟磁性緩衝層416、結合層415、
硬磁性層414からなる。非磁性分離層411は巨大磁
気抵抗効果積層膜10の保護膜を兼ねていてもよく、保
護膜と非磁性分離層411の明確な境界は特に存在しな
くてよい。非磁性分離層411は軟磁性自由層13と単
磁区化強磁性層45、特に軟磁性緩衝層416との間に
面を介した磁気的な結合が生じないようにする機能を有
し、かつトラック幅方向での端部での軟磁性自由層13
と単磁区化強磁性層45、特に軟磁性緩衝層416との
静磁気的な結合を良好に保つために非磁性分離層411
の厚さは合計で3ナノメートルと薄く構成してなる。ま
た硬磁性層414はFe3O4と記載したが厳密に化学
量論組成である必要はなく、あるいは金属などが混合し
ても本構成例の主旨を逸脱するものではない。結合層4
15は硬磁性層414と軟磁性緩衝層416の間の磁気
的な結合を制御する。ここではAl2O3を用いて硬磁
性層414と軟磁性緩衝層416の間に強磁性的な結合
を発生させる例を示した。結合層415にRuなどの反
強磁性的な結合を発生させる材料を選択すると図4に記
載の構成例を実現することができる。図20は本発明の
磁気ヘッドの巨大磁気抵抗効果積層膜及び単磁区化強磁
性層の第五の積層構成例である。本構成は図1の構造例
を基体に対して上下逆にした具体例に相当する。基体5
0上に下地膜14としてTa 3nm、NiFe 3n
m、反強磁性層413としてNiMn 20nm、強磁
性層412としてCoFe3nm、非磁性分離層411
としてRu 0.4nmおよびCu 1nm、第一の自由
層軟磁性膜131としてNiFe 4nm、第二の自由
層軟磁性膜132としてCoFe 0.5nm、非磁性
導電層12としてCu 2.1nm、第一の強磁性膜1
51としてCoFe 2.5nm、反平行結合膜154
としてRu 0.8nm、第二の強磁性膜152として
CoFe 1.5nm、反強磁性膜11としてMnPt
12nm、および保護膜37としてTa 3nmを連続
して形成してなる。この構成例では巨大磁気抵抗効果積
層膜10において強磁性固定層15は反平行結合膜15
4、第一の強磁性膜151と第二の強磁性膜152から
なる。反平行結合膜154であるRu層は第一の強磁性
膜151と第二の強磁性膜152の磁化を互いに反平行
に配列させる交換結合を印加して、強磁性固定層の実質
的な磁化の量を第一の強磁性膜151と第二の強磁性膜
152の磁化量の差分に制御する効果がある。またここ
で軟磁性自由層13は第一の自由層軟磁性膜であるNi
Feおよび第二の自由層軟磁性膜であるCoFeの積層
体からなる。同様にここで単磁区化強磁性層45は、軟
磁性自由層13と接する非磁性分離層411、強磁性層
412、反強磁性層413および保護膜37からなる。
非磁性分離層411は巨大磁気抵抗効果積層膜10の保
護膜を兼ねていてもよく、保護膜と非磁性分離層411
の明確な境界は特に存在しなくてよい。非磁性分離層4
11は軟磁性自由層13と単磁区化強磁性層45、特に
強磁性層412との間に面を介した磁気的な結合が生じ
ないようにする機能を有し、かつトラック幅方向での端
部での軟磁性自由層13と単磁区化強磁性層45、特に
強磁性層412との静磁気的な結合を良好に保つために
非磁性分離層411の厚さは合計で1.4ナノメートル
と薄く構成してなる。図21は本発明を適用したトンネ
ル磁気抵抗効果型磁気ヘッドの構成例である。対向面に
平行な断面図で示した。図は磁気媒体に対向する対向面
から眺めた模式図になっている。基体50上に下部磁気
シールド35、下部導電性ギャップ膜711を形成し、
その上に、トンネル磁気抵抗効果積層膜101が形成さ
れてなり、さらに上部導電性ギャップ膜721、上部磁
気シールド36を形成して、再生信号を検出する再生ギ
ャップ43を形成してなる。絶縁膜73は、トンネル磁
気抵抗効果積層膜101のトラック幅方向の両端部に接
触して配置し、感知電流がトンネル磁気抵抗効果積層膜
101の膜厚方向に流れるように、他の部分を絶縁す
る。絶縁膜73の形成方法およびその形状は、ここでは
いわゆるリフトオフ法によって作製した構造で記述して
あるが他にさまざまな方法が利用できる。トンネル磁気
抵抗効果積層膜101は、図21では以下の構成例のよ
うな構造を有する。下地膜14、反強磁性膜11、強磁
性固定層15、非磁性絶縁ギャップ層121、軟磁性自
由層13を連続して形成してなる。この構成例では強磁
性固定層15は第一の強磁性膜151と第二の強磁性膜
152、および反平行結合膜154の積層体からなる。
反平行結合膜154は第一の強磁性膜151と第二の強
磁性膜152の磁化を互いに反平行に配列させる交換結
合を印加して、強磁性固定層の実質的な磁化の量を第一
の強磁性膜151と第二の強磁性膜152の磁化量の差
分に制御する効果がある。ここで強磁性固定層15を単
層の磁性体から形成したり、2層や4層以上の積層体か
ら形成しても何ら本発明の趣旨に反するものではない。
またここで軟磁性自由層13は第一の自由層軟磁性膜お
よび第二の自由層軟磁性膜の積層体からなるが軟磁性自
由層13を単層の磁性体から形成したり、2層以上の積
層体から形成しても何ら本発明の趣旨に反するものでは
ない。本発明ではトンネル磁気抵抗効果積層膜101の
軟磁性自由層13に積層して単磁区化強磁性層45を配
置し、トンネル磁気抵抗効果積層膜101とほぼ同一の
トラック幅方向のサイズに形成してなる。ここで単磁区
化強磁性層45は、軟磁性自由層13と接する非磁性分
離層411、強磁性層412、反強磁性層413および
保護膜37からなる。ここで保護膜37を省略した構成
としても本発明の趣旨に反するものではない。また、反
強磁性層413および強磁性層412のかわりに図2や
図3のように硬磁性膜および硬磁性膜と軟磁性膜の組み
合わせを用いても同様の効果が得られる。非磁性分離層
411は軟磁性自由層13と強磁性層412の層間の磁
気的な接合を遮断して両者が強磁性的に結合した磁化過
程を取ることを防止する。非磁性分離層411としては
例えばTa 1ナノメートルの層や、さらにRu,Cu
などを積層した膜などを用いることができる。ただし、
Ruなどを、単層で、強磁性体の間に0.8ナノメート
ルなどの所定の厚さで配置すると、強磁性体間に面内に
働く強い反強磁性的な結合を発生してしまうので望まし
くない。また、非磁性分離層411を介して隣接する強
磁性体部分から磁気抵抗効果が発生すると信号波形が変
形してしまう恐れがあり望ましくない。したがって非磁
性分離層411の部分が例えばCu2ナノメートル単層
で、かつ強磁性体に挟まれているような構成は本発明の
主旨とする所でない。非磁性分離層411もしくはその
一部はトンネル磁気抵抗効果積層膜101の保護膜とし
ての機能を兼ねても良い。反強磁性層413は感知すべ
き磁界と垂直なトラック幅方向に着磁され、強磁性層4
12に交換結合を印加して強磁性層412の磁化を感知
すべき磁界がゼロの状態でトラック幅方向に設定する機
能を有する。トンネル磁気抵抗効果積層膜101の軟磁
性自由層13に積層して単磁区化強磁性層45を配置
し、トンネル磁気抵抗効果積層膜101とほぼ同一のト
ラック幅方向のサイズに形成してなることで、強磁性層
412の磁化と軟磁性自由層13の磁化が互いに反平行
になり、トラック幅方向の端部で静磁気的に結合、閉磁
路を形成して軟磁性自由層13を単磁区化するのであ
る。軟磁性自由層13と強磁性層412の端部の距離が
十分に近い場合、軟磁性自由層13と強磁性層412の
磁化量はほぼ同一でよい。両者の距離が離れると強磁性
層412の磁化量は軟磁性自由層に達するまでに損失す
る分を加味して軟磁性自由層の磁化量よりも多く設定す
る。図中矢印で示したように軟磁性自由層13の磁化の
方向は、単磁区化強磁性層45の磁化と反平行になり、
感知すべき磁界がゼロの状態で略トラック幅の方向にな
るよう磁気異方性、検知電流の大きさ、強磁性固定層1
5の磁化量、素子の奥行きのサイズである素子高さ、な
どを設定してバイアス特性が対称となるように設定す
る。本図では非磁性絶縁ギャップ層121を用いたトン
ネル磁気抵抗ヘッドの例を示したが、非磁性絶縁ギャッ
プ層121のかわりに導電性中間層を用いて巨大磁気抵
抗効果積層膜に厚さ方向に電流を流すCPP型巨大磁気
抵抗効果型磁気ヘッドとしても本図とほぼ同一の構成で
良好な効果が得られる。図22は本発明を適用したトン
ネル磁気抵抗効果型磁気ヘッドの別の構成例である。対
向面に垂直な断面図で示した。図は磁気媒体に対向する
対向面と基板面に垂直な断面をトラック幅方向から眺め
た模式図になっている。基体50上に下部磁気シールド
35、下部導電性ギャップ膜711を形成し、その上
に、トンネル磁気抵抗効果積層膜101が形成されてな
り、さらに上部導電性ギャップ膜721、上部磁気シー
ルド36を形成して、再生信号を検出する再生ギャップ
43を形成してなる。絶縁膜73は、トンネル磁気抵抗
効果積層膜101のトラック幅方向および素子高さ方向
の両端部に接触して配置し、感知電流がトンネル磁気抵
抗効果積層膜101の膜厚方向に流れるように、他の部
分を絶縁する。絶縁膜73の形成方法およびその形状
は、ここではいわゆるリフトオフ法によって作製した構
造で記述してあるが他にさまざまな方法が利用できる。
トンネル磁気抵抗効果積層膜101は、図22では以下
の構成例のような構造を有する。下地膜14、反強磁性
膜11、強磁性固定層15、非磁性絶縁ギャップ層12
1、軟磁性自由層13を連続して形成してなる。この構
成例では強磁性固定層15は第一の強磁性膜151と第
二の強磁性膜152、および反平行結合膜154の積層
体からなる。反平行結合膜154は第一の強磁性膜15
1と第二の強磁性膜152の磁化を互いに反平行に配列
させる交換結合を印加して、強磁性固定層の実質的な磁
化の量を第一の強磁性膜151と第二の強磁性膜152
の磁化量の差分に制御する効果がある。ここで強磁性固
定層15を単層の磁性体から形成したり、2層や4層以
上の積層体から形成しても何ら本発明の趣旨に反するも
のではない。またここで軟磁性自由層13は第一の軟磁
性自由層133および第二の軟磁性自由層134の積層
体からなる。軟磁性自由層13を単層の磁性体から形成
したり、2層以上の積層体から形成しても何ら本発明の
趣旨に反するものではない。ここで軟磁性自由層13の
一部、特に図22の例では第二の軟磁性自由層134は
トンネル磁気抵抗効果積層膜101の他の部分よりも素
子高さ方向に大きい形状に形成され、対抗面63まで伸
展配置されて、対向面63から磁束を誘導するフラック
スガイドの機能を有する。図の例では第一の軟磁性自由
層133の磁化の量に対して第二の軟磁性自由層134
の磁化の量を大きく設定して実質的に第二の軟磁性自由
層134の磁化が支配的であるようにすることが望まし
い。本発明ではトンネル磁気抵抗効果積層膜101の軟
磁性自由層13、特に実質的に支配的な第二の軟磁性自
由層に積層して単磁区化強磁性層45を配置し、トンネ
ル磁気抵抗効果積層膜101とほぼ同一のトラック幅方
向のサイズに形成してなる。ここで単磁区化強磁性層4
5は、軟磁性自由層13と接する非磁性分離層411、
強磁性層412、および反強磁性層413からなる。ま
た、反強磁性層413および強磁性層412のかわりに
図2や図3のように硬磁性膜および硬磁性膜と軟磁性膜
の組み合わせを用いても同様の効果が得られる。非磁性
分離層411は軟磁性自由層13と強磁性層412の層
間の磁気的な接合を遮断して両者が強磁性的に結合した
磁化過程を取ることを防止する。非磁性分離層411と
しては例えばTa 1ナノメートルの層や、さらにR
u,Cuなどを積層した膜などを用いることができる。
非磁性分離層411もしくはその一部はトンネル磁気抵
抗効果積層膜101の保護膜としての機能を兼ねても良
い。反強磁性層413は感知すべき磁界と垂直なトラッ
ク幅方向に着磁され、強磁性層412に交換結合を印加
して強磁性層412の磁化を感知すべき磁界がゼロの状
態でトラック幅方向に設定する機能を有する。トンネル
磁気抵抗効果積層膜101の軟磁性自由層13に積層し
て単磁区化強磁性層45を配置し、トンネル磁気抵抗効
果積層膜101とほぼ同一のトラック幅方向のサイズに
形成してなることで、強磁性層412の磁化と軟磁性自
由層13の磁化が互いに反平行になり、トラック幅方向
の端部で静磁気的に結合、閉磁路を形成してフラックス
ガイドを兼ねる軟磁性自由層13を単磁区化するのであ
る。軟磁性自由層13と強磁性層412の端部の距離が
十分に近い場合、軟磁性自由層13と強磁性層412の
磁化量はほぼ同一でよい。両者の距離が離れると強磁性
層412の磁化量は軟磁性自由層に達するまでに損失す
る分を加味して軟磁性自由層の磁化量よりも多く設定す
る。図中矢印等で示したように軟磁性自由層13の磁化
の方向は、単磁区化強磁性層45の磁化と反平行にな
り、感知すべき磁界がゼロの状態で略トラック幅の方向
になるよう磁気異方性、検知電流の大きさ、強磁性固定
層15の磁化量、素子の奥行きのサイズである素子高
さ、などを設定してバイアス特性が対称となるように設
定する。本図では非磁性絶縁ギャップ層121を用いた
トンネル磁気抵抗ヘッドの例を示したが、非磁性絶縁ギ
ャップ層121のかわりに導電性中間層を用いて巨大磁
気抵抗効果積層膜に厚さ方向に電流を流すCPP型巨大
磁気抵抗効果型磁気ヘッドとしても本図とほぼ同一の構
成で良好な効果が得られる。図23は本発明の磁気抵抗
効果素子による磁気センサーを搭載した磁気ヘッドの構
成例の概念図である。基体50上に磁気抵抗効果積層膜
10、単磁区化強磁性層45、電極40、下部磁気シー
ルド35、上部磁気シールド36、下部磁気コア84、
コイル42、上部コア83を形成してなり、対向面63
を形成してなる。本図では個別に上部シールドと下部コ
アとを形成した構造になっているが、上部シールドが下
部コアを兼ねた構造としても本発明の主旨を損なうもの
ではない。下部磁気コア84、コイル42、上部磁気コ
ア83は記録ヘッドを構成し、電磁誘導効果によって発
生する磁界を対抗面63の記録ギャップから発生して磁
気ディスク上の記録媒体に記録する。図24は本発明の
磁気記録再生装置の構成例である。磁気的に情報を記録
する記録媒体91を保持するディスク95をスピンドル
モーター93にて回転させ、アクチュエーター92によ
ってヘッドスライダー90をディスク95のトラック上
に誘導する。即ち磁気ディスク装置においてはヘッドス
ライダー90上に形成した再生ヘッド、及び記録ヘッド
がこの機構に依ってディスク95上の所定の記録位置に
近接して相対運動し、信号を順次書き込み、及び読み取
るのである。アクチュエーター92はロータリーアクチ
ュエーターであることが望ましい。記録信号は信号処理
系94を通じて記録ヘッドにて媒体上に記録し、再生ヘ
ッドの出力を、信号処理系94を経て信号として得る。
さらに再生ヘッドを所望の記録トラック上へ移動せしめ
るに際して、本再生ヘッドからの高感度な出力を用いて
トラック上の位置を検出し、アクチュエーターを制御し
て、ヘッドスライダーの位置決めを行うことができる。
本図ではヘッドスライダー90、ディスク95を各1個
示したが、これらは複数であっても構わない。またディ
スク95は両面に記録媒体91を有して情報を記録して
もよい。情報の記録がディスク両面の場合ヘッドスライ
ダー90はディスクの両面に配置する。
【0006】上述したような構成について、本発明の磁
気ヘッドおよびこれを搭載した磁気記録再生装置を試験
した結果、充分な出力と、良好なバイアス特性を示し、
また動作の信頼性も良好であった。
【0007】図25は従来技術の構造及び本発明の構造
の磁気ヘッドの再生トラック幅と再生出力の関係を示し
たものである。面内に電流が流れる従来型の巨大磁気抵
抗効果素子を用いた磁気ヘッドの結果を示した。従来技
術のハードバイアス構造の磁気ヘッドでは、再生トラッ
ク幅が広いときには高い出力が得られているが、再生ト
ラック幅が狭くなると再生出力は低下し、特に再生トラ
ック幅が0.2μm以下では再生出力は半分以下になって
しまっている。これに対して本発明の磁気ヘッドでは、
電流の分流による損失がために再生トラック幅が広いと
きには再生出力が低いが、再生トラック幅が狭くなって
もほとんど再生出力の低下がなく、その結果従来技術の
磁気ヘッドと比べて高い再生出力が得られる。特に再生
トラック幅が0.2μm以下の磁気ヘッドでは従来ヘッ
ドより1割から数倍以上高い出力を得ることができるの
である。以上のように本発明は磁気ヘッドとして高い性
能を示し、特に記録密度の高い磁気記録再生装置を実現
可能とする。
【0008】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば安
定した特性と、出力の高い磁気センサと、これを用いた
磁気ヘッドが得られ、特に高い記録密度において良好な
再生出力を有する磁気ヘッドおよび高密度磁気記録再生
装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドの構成
例である。
【図2】本発明の巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドの別の
構成例である。
【図3】本発明の巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドのまた
別の構成例である。
【図4】本発明の巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドのさら
に別の構成例である。
【図5】従来のハードバイアス構造の磁気ヘッドの磁気
抵抗効果素子の概念図である。
【図6】従来のハードバイアス構造の磁区制御膜の磁化
量とヘッド出力の関係の計算結果を示した図である。
【図7】従来技術のパターンドエクスチェンジ構造の磁
気ヘッドの磁気抵抗効果素子の概念図である。
【図8】従来技術のパターンドエクスチェンジ構造の交
換結合磁界とマイクロトラック曲線の関係の計算結果を
示した図である。
【図9】本発明の閉磁路磁区制御構造の磁気ヘッドの磁
気抵抗効果素子の概念図である。
【図10】本発明の閉磁路磁区制御構造の磁気ヘッドの
単磁区化強磁性層の磁化量とヘッド出力の関係の計算結
果を示した図である。
【図11】本発明の閉磁路磁区制御構造の磁気ヘッドの
マイクロトラック曲線の計算結果を示した図である。
【図12】従来技術のハードバイアス構造の軟磁性自由
層の磁化分布の計算結果を示した図である。
【図13】本発明の閉磁路磁区制御構造での軟磁性自由
層の磁化分布の計算結果を示した図である。
【図14】本発明の磁気ヘッドの着磁方法の一例を示し
た概念図である。
【図15】マグネタイト膜の磁化曲線である。
【図16】本発明の磁気ヘッドの巨大磁気抵抗効果積層
膜及び単磁区化強磁性層の第一の積層構成例である。
【図17】本発明の磁気ヘッドの巨大磁気抵抗効果積層
膜及び単磁区化強磁性層の第二の積層構成例である。
【図18】本発明の磁気ヘッドの巨大磁気抵抗効果積層
膜及び単磁区化強磁性層の第三の積層構成例である。
【図19】本発明の磁気ヘッドの巨大磁気抵抗効果積層
膜及び単磁区化強磁性層の第四の積層構成例である。
【図20】本発明の磁気ヘッドの巨大磁気抵抗効果積層
膜及び単磁区化強磁性層の第五の積層構成例である。
【図21】本発明のトンネル磁気抵抗効果型磁気ヘッド
の構成例である。
【図22】本発明のトンネル磁気抵抗効果型磁気ヘッド
の別の構成例である。
【図23】本発明の磁気抵抗効果素子による磁気センサ
ーを搭載した磁気ヘッドの構成例の概念図である。
【図24】本発明の磁気記録再生装置の構成例である。
【図25】従来技術の構造及び本発明の構造の磁気ヘッ
ドの再生トラック幅と再生出力の関係を示した図であ
る。
【符号の説明】
10...巨大磁気抵抗効果積層膜、101...トン
ネル磁気抵抗効果積層膜、11...反強磁性膜、1
2...非磁性導電層、121...非磁性絶縁ギャッ
プ層、13...軟磁性自由層、131...第一の自
由層軟磁性膜、132...第二の自由層軟磁性膜、1
33...第一の軟磁性自由層、134、第二の軟磁性
自由層、14...下地膜、15... 強磁性固定
層、151...第一の強磁性膜、152...第二の
強磁性膜、154...反平行結合層、35...下部
磁気シールド、36...上部磁気シールド、3
7...保護膜、40...電極、41...磁区制御
膜、411...非磁性分離層、412...強磁性
層、413...反強磁性層、414...硬磁性層、
415...結合層、416...軟磁性緩衝層、4
2...コイル、43...再生ギャップ、44...
記録トラック、45...単磁区化強磁性層、4
6...反強磁性膜、50...基体、63...対向
面、64...漏洩磁界、71... 下部ギャップ
膜、711...下部導電性ギャップ膜、72...上
部ギャップ膜、721...上部導電性ギャップ膜、7
3...絶縁膜、83...上部磁気コア、84...
下部磁気コア、90...ヘッドスライダー、9
1...記録媒体、92...アクチュエーター、9
3...スピンドル、94...信号処理系、9
5...磁気ディスク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 久志 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 井手 浩 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 2G017 AA10 AD54 5D034 BA03 BA04 BA05 BA19 CA08 DA07 5E049 AB02 AB10 AC05 BA12 CB02 DB14

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】感知すべき外部磁界に対して実質的にその
    磁化方向が固定された強磁性層と感知すべき外部磁界に
    応じてその磁化が回転できる軟磁性層とが非磁性中間層
    を介して積層されたスピンバルブ型磁気抵抗効果素子を
    有し、感知すべき外部磁界に応じて前記軟磁性層の磁化
    が回転し、前記軟磁性層の磁化方向と上記強磁性層の磁
    化方向との相対角度が変わって磁気抵抗効果を生じる磁
    気ヘッドにおいて、前記軟磁性層上に非磁性分離層を介
    して単磁区化強磁性層が形成され、前記軟磁性層と前記
    単磁区化強磁性層とが化と前記強磁性固定層の磁化との
    相対角度が変わって磁気抵抗効果を生じ、前記軟磁性自
    由層上に非磁性分離層を介して単磁区化強磁性層が形成
    され、前記非磁性分離層を介して前記軟磁性自由層と前
    記単磁区化強磁性層とがトラック幅端部で静磁気的に結
    合して閉磁路を形成することで前記単磁区化強磁性層は
    感知すべき磁界に対して略直行した方向に実質的に固定
    された磁化を有するように前記軟磁性自由層を単磁区化
    することを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】強磁性固定層と非磁性中間層と軟磁性自由
    層と非磁性分離層と単磁区化強磁性とがこの順に積層さ
    れ所定の感磁幅に対応したほぼ同一のトラック幅に形成
    されたスピンバルブ型磁気抵抗効果素子を有し、前記非
    磁性分離層を介して前記軟磁性自由層と前記単磁区化強
    磁性層とが面内で実質的に強磁性的または反強磁性的な
    結合を有さず、トラック幅端部で前記単磁区化強磁性層
    の磁化と軟磁性自由層の磁化とが静磁気的に結合して閉
    磁路を形成しており、前記軟磁性自由層は感知すべき磁
    界に対して略直行した方向に実質的に固定された磁化を
    有して単磁区化され、前記強磁性固定層が感知すべき磁
    界に対して実質的にその磁化方向が固定され、外部の磁
    界に応じて前記軟磁性自由層の磁化が回転し、前記軟磁
    性自由層の磁化と前記強磁性固定層の磁化との相対角度
    が変わって磁気抵抗効果素子に磁気抵抗変化が生じ、一
    対の電極により磁気抵抗変化を検出することを特徴とす
    る磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】前記強磁性固定層と、反強磁性膜あるいは
    硬磁性層膜とが積層されて交換結合することにより、前
    記強磁性固定層へバイアス磁界が印加され感知すべき磁
    界に対して略直行した方向に着磁されていることを特徴
    とする請求項1乃至3記載の磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】前記単磁区化強磁性層は硬磁性膜からな
    り、前記硬磁性膜が感知すべき磁界に対して略直行した
    方向に着磁されてなることを特徴とする請求項1乃至3
    記載の磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】前記単磁区化強磁性層は硬磁性膜と軟磁性
    緩衝層との間に結合膜を介して強磁性的もしくは反強磁
    性的な結合を有する積層膜からなり、前記硬磁性膜の磁
    化および前記軟磁性緩衝層の磁化が感知すべき磁界に対
    して略直行した方向に着磁されてなることを特徴とする
    請求項1乃至3記載の磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】前記単磁区化強磁性層は、Fe,Co,N
    iまたはMnを含む酸化物からなる硬磁性膜を有するこ
    とを特徴とする請求項1乃至6記載の磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】前記単磁区化強磁性層は、酸化物と強磁性
    金属との混合体からなる硬磁性膜を有することを特徴と
    する請求項1乃至6記載の磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】前記単磁区化強磁性層は、半導体と強磁性
    金属との混合体からなる硬磁性膜を有することを特徴と
    する請求項1乃至6記載の磁気ヘッド。
  9. 【請求項9】前記非磁性分離層が、Ta、Hf、Nb、
    Ti、Wおよびこれらの酸化物からなることを特徴とす
    る請求項1乃至9記載の磁気ヘッド。
  10. 【請求項10】上記非磁性分離層が、Cu,Au,A
    g,Pt,Re,Ru,Ir,Os、Ta、Hf、N
    b、Ti、Wの少なくとも一つを含む層あるいはこれら
    を含む層の積層体と酸化物からなる層との積層体、また
    はCu,Au,Ag,Pt,Re,Ru,Ir,Os、
    Ta、Hf、Nb、Ti、Wの少なくとも一つと酸化物
    とを有する混合体からなることを特徴とする請求項1乃
    至9記載の磁気ヘッド。
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