JP2002363790A - アルコールなどを用いたボイドフリー銅メッキ方法 - Google Patents
アルコールなどを用いたボイドフリー銅メッキ方法Info
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Abstract
保しながら、より高度にボイドの発生を防止する。 【解決手段】 界面活性剤以外のレベラーを含有する第
一前処理液にビルドアップ基板、各種ウエハーなどの被
メッキ物を浸漬してから、界面活性剤を含有する第二前
処理液に浸漬した後、界面活性剤を含有しない銅メッキ
液で電気銅メッキを施す2段階前処理方式のボイドフリ
ー銅メッキ方法において、メタノール、イソプロピルア
ルコールなどの有機溶媒を上記銅メッキ液に含有させる
ことで、レベリング性を確保し、ボイドを高度に防止で
きる。また、上記被メッキ物をレベラーを含有する前処
理液に浸漬した後、界面活性剤を含有しない銅メッキ液
で電気銅メッキを施す一液前処理方式において、メタノ
ール、イソプロピルアルコールなどを上記銅メッキ液及
び/又は前処理液に含有させても良い。
Description
プロピルアルコール等のアルコールなどを用いたボイド
フリーの電気銅メッキ方法に関し、銅メッキ処理とそれ
に先立つ前処理に用いる各液の含有成分を界面活性剤の
有無で差別化するとともに、この前処理液或は銅メッキ
液にアルコールなどを含有させることにより、銅メッキ
皮膜のレベリング性を良好に確保しながら、当該皮膜に
ボイド(空洞)が発生するのを高度に防止できるメッキ方
法を提供する。
の条件としては、光沢性に優れるだけでは充分でなく、
被メッキ物の素地表面を微視的に観察した場合、その凹
部には比較的厚く、逆に、凸部には比較的薄く夫々皮膜
形成されて、皮膜表面が平滑に仕上げられていることが
必要である。この平滑仕上げ(レベリング性:Leveling)
を確保する目的で添加されるのがレベラーであり、塩化
ナトリウム、エピクロルヒドリンなどの塩化物、高分子
界面活性剤、アゾ染料などの窒素系有機化合物、或はイ
オウ化合物などがレベラーとして使用されている(特開
平7−316876号公報、特公昭47−28581号
公報、特開昭52−108340号公報などを参照)。
を行うと、メッキ皮膜にボイドが発生することが多く、
各種レベラーを含有した上記公報の銅メッキ浴において
もこの例外ではない。プリント基板などに形成した銅メ
ッキ皮膜にボイドが発生すると、配線抵抗の増大やEM
(Electric Migration)耐性の低減などの悪影響をもたら
すため、銅メッキ皮膜のレベリング性などを良好に確保
しながら、ボイドを有効に防止することが強く要請され
る。
ポリエチレングリコール(PEG)を平均分子量を変えな
がら添加し、或は添加しない銅メッキ浴で電気メッキを
行って、銅メッキ皮膜におけるボイドの発生状況を観察
したところ、PEGの平均分子量が大きくなるほどボイ
ド数が増し、逆に、平均分子量が小さいほどボイド数が
減少するとともに、PEGを添加しない場合にはボイド
が発生しないという結果を得た。
ング性の向上とボイドの防止を目的として、本出願人は
特願2000−278827号(以下、先行技術1とい
う)で、最初に、界面活性剤、塩化物、窒素系有機化合
物、イオウ化合物などのレベラーを含有する前処理液に
被メッキ物を予め浸漬し、或は、この前処理液で予備メ
ッキを行い、次いで、界面活性剤を含有しない銅メッキ
液で電気銅メッキを行うという一液前処理方式のボイド
フリー銅メッキ方法を提案した。
7号(以下、先行技術2という)で、レベラーとして列挙
した界面活性剤、塩化物、窒素系有機化合物、イオウ化
合物は前処理後の銅メッキに際して、銅の析出への関与
に差異があること、特に、界面活性剤はそれ以外のレベ
ラーとは異なる関与をするという知見を得たため、上記
先行技術1の前処理液を、界面活性剤以外のレベラーを
含有する第一前処理液と、界面活性剤を含有する第二前
処理との2液に分割するとともに、被メッキ物を界面活
性剤を含有しない第一前処理液で処理した後に、界面活
性剤を含有する第二前処理液で処理するという、いわば
2段階前処理方式のボイドフリー銅メッキ方法を提案し
た。
理を行わない通常の銅メッキ方法に比べるとボイドの発
生を円滑に防止でき、上記先行技術2はボイド防止の観
点でこの先行技術1よりさらなる改善が期待できるので
ある。しかしながら、最近の基板、各種ウエハーなどを
初めとする電子部品の高密度化、多機能化、高実装化な
どに伴う信頼性向上の一層の要求に鑑みると、レベリン
グ性を良好に確保しながら、より高度にボイドの発生を
防止することが強く求められる状況にあり、本発明もこ
の点を技術的課題とする。
技術2において、2分割方式の前処理液、特に、第一前
処理液にメタノール、イソプロピルアルコールなどのア
ルコールを含有させると、ボイドの発生防止に大きく寄
与することを突き止めた。そこで、このアルコールを含
有させる対象を前処理工程と銅メッキ工程との間で互換
してボイドの発生状況を鋭意研究した結果、アルコール
の必須含有対象を銅メッキ液の方に移行させると、銅メ
ッキ皮膜のボイド発生を高度に防止できること、また、
一液前処理方式の先行技術1にあっても、アルコールを
銅メッキ液又は前処理液に含有することが同様に高度の
防止につながることを見い出し、本発明を完成した。
窒素系有機化合物、イオウ化合物よりなる群から選ばれ
たレベラーの少なくとも一種を含有するボイドフリー銅
メッキ用の前処理液に被メッキ物を浸漬した後、界面活
性剤を含有しない銅メッキ液で電気銅メッキを施す方法
において、上記前処理液と銅メッキ液の少なくとも一方
にメタノール、イソプロピルアルコールなどの有機溶媒
を含有することを特徴とするアルコールなどを用いたボ
イドフリー銅メッキ方法である。
有機化合物、イオウ化合物よりなる群から選ばれたレベ
ラーのうち、界面活性剤を含有せずにそれ以外のレベラ
ーを含有する第一前処理液と、界面活性剤を含有する第
二前処理液とを分けて調製し、被メッキ物を第一前処理
液に浸漬してから第二前処理液に浸漬した後、界面活性
剤を含有しない銅メッキ液で電気銅メッキを施す方法に
おいて、上記銅メッキ液にメタノール、イソプロピルア
ルコール等の有機溶媒を含有することを特徴とするアル
コールなどを用いたボイドフリー銅メッキ方法である。
らに可溶性銅塩、酸を含有し、被メッキ物を前処理液に
浸漬する代わりに、当該前処理液で被メッキ物に予備の
電気銅メッキを施すことを特徴とするアルコールなどを
用いたボイドフリー銅メッキ方法である。
と第二前処理液の少なくとも一方にさらに可溶性銅塩、
酸を含有し、第一前処理液と第二前処理液のうちの可溶
性銅塩及び酸を含有した方の前処理液に被メッキ物を浸
漬する代わりに、当該前処理液で被メッキ物に予備の電
気銅メッキを施すことを特徴とするアルコールなどを用
いたボイドフリー銅メッキ方法である。
の被メッキ物が、ビルドアップ構造を有する基板、各種
ウエハーなどであることを特徴とするボイドフリー銅メ
ッキ方法である。
基板、各種ウエハーなどの被メッキ物(例えば、銅或は
銅合金などを素地表面とするものが好ましい)をレベラ
ーの含有された前処理液に浸漬した後、界面活性剤を含
有しない銅メッキ液で電気銅メッキを施す一液前処理方
式のボイドフリー銅メッキ方法において、メタノール、
イソプロピルアルコールなどの有機溶媒を上記銅メッキ
液及び/又は前処理液に含有させるものであり、第二
に、界面活性剤以外のレベラーを含有する第一前処理液
に上記被メッキ物を浸漬してから、界面活性剤を含有す
る第二前処理液に浸漬した後、界面活性剤を含有しない
銅メッキ液で電気銅メッキを施す2段階前処理方式のボ
イドフリー銅メッキ方法において、メタノール、イソプ
ロピルアルコールなどの有機溶媒を上記銅メッキ液に含
有させるものである。従って、上記2段階前処理方式で
は、被メッキ物を第二前処理液に浸漬した後に、第一前
処理液に浸漬する方法は排除される。
特にビア内壁にレベラーを付着・浸透させる目的で含有
され、具体的には、メタノール、イソプロピルアルコー
ル、エタノール、n−プロピルアルコール、ブチルアル
コール、アミルアルコールなどのアルコール類を初めと
して、アセトン、エチルエーテル、クロロホルム、メチ
レンクロライド、メチルイソブチルケトン、トルエン、
キシレンなどを単用又は併用できるが、メタノール、イ
ソプロピルアルコールなどが好ましい。この有機溶媒
は、上記一液前処理方式では、前処理液又は銅メッキ液
のいずれに含有させても良いし、両方の液に含有させて
も良い。また、上記2段階前処理方式では、有機溶媒は
銅メッキ液を必須対象として含有されるのであって、銅
メッキ液に含有させず、第一前処理液及び/又は第二前
処理液にのみ含有させる方法は本発明から排除される。
但し、当該有機溶媒が銅メッキ液に含有されていれば、
第一前処理液及び/又は第二前処理液への有機溶媒の含
有の有無は制限されない。一液前処理方式での銅メッキ
液又は前処理液に対する有機溶媒の含有量、或は、2段
階前処理方式での銅メッキ液に対する当該含有量は、夫
々50〜500ml/L程度が好ましい。
メッキ皮膜のレベリング性を確保する目的で含有される
添加剤であり、上記一液前処理方式では、界面活性剤、
塩化物、窒素系有機化合物、イオウ化合物よりなる群か
ら選ばれた化合物の少なくとも一種をボイドフリー銅メ
ッキ用の前処理液に含有させる。また、2段階前処理方
式では、第一前処理液に界面活性剤以外のレベラーの少
なくとも一種を含有させる。従って、塩化物、窒素系有
機化合物、イオウ化合物の3成分全てを含有しても良い
し、当該3成分の中から選択した2成分か、1成分だけ
を含有しても差し支えない。2段階前処理方式での第二
前処理液には少なくとも界面活性剤を含有し、界面活性
剤のみを含有するのが好ましいが、界面活性剤以外に、
塩化物、窒素系有機化合物、イオウ化合物の少なくとも
一種を含有しても差し支えなく、その場合の有利な追加
成分は塩化物である。一方、一液前処理、又は2段階前
処理後の銅メッキ液には、界面活性剤を含有しない。当
該銅メッキ液には界面活性剤以外のレベラーも含有しな
い方が好ましいが、これらのレベラーの含有を排除する
ものではない。
給可能な化合物を意味し、塩化ナトリウム、塩化水素、
塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化銅などが挙げら
れる。第4アルキルアンモニウムクロリド、クロル酢酸
などの塩素系有機化合物などであっても良い。
導体、アミド系化合物、チオアミド系化合物、アニリン
又はピリジン環を有する化合物、各種複素単環式化合
物、各種縮合複素環式化合物、アミノカルボン酸類など
であり、具体的には、C.I.(Color Index)ベーシック
レッド2、トルイジンブルーなどのトルイジン系染料、
C.I.ダイレクトイエロー1、C.I.ヤーナスグリーン
B、C.I.ベーシックブラック2などのアゾ系染料、3
−アミノ−6−ジメチルアミノ−2−メチルフェナジン
一塩酸などのフェナジン系染料、コハク酸イミド、2′
−ビス(2−イミダゾリン)などのイミダゾリン類、イミ
ダゾール類、ベンゾイミダゾール類、インドール類、2
−ビニルピリジン、4−アセチルピリジン、4−メルカ
プト−2−カルボキシルピリジン、2,2′−ビピリジ
ル、フェナントロリンなどのピリジン類、キノリン類、
イソキノリン類、アニリン、チオ尿素、ジメチルチオ尿
素などのチオ尿素類、3,3′,3′′−ニトリロ三プロ
ピオン酸、ジアミノメチレンアミノ酢酸、グリシン、N
−メチルグリシン、ジメチルグリシン、β−アラニン、
システイン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アミノ吉
草酸、オルニチンなどが挙げられる。なかでも、C.I.
ベーシックレッド2などのトルイジン染料、C.I.ダイ
レクトイエロー1、C.I.ヤーナスグリーンBなどのア
ゾ染料、3−アミノ−6−ジメチルアミノ−2−メチル
フェナジン一塩酸などのフェナジン系染料、2′−ビス
(2−イミダゾリン)などのイミダゾリン類、ベンゾイミ
ダゾール類、2−ビニルピリジン、4−アセチルピリジ
ン、2,2′−ビピリジル、フェナントロリンなどのピ
リジン類、キノリン類、アニリン、チオ尿素、ジメチル
チオ尿素などのチオ尿素類、アミノメチレンアミノ酢酸
などのアミノカルボン酸類が好ましい。
プタン類、メルカプトスルホン酸類、ベンゾチアゾール
類、スルフィド類、チオフェン類、ベンゾチオフェン類
などであり、具体的には、チオ尿素、1,3―ジメチル
チオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジエチルチオ尿素、
N,N′―ジイソプロピルチオ尿素、アリルチオ尿素、
アセチルチオ尿素、エチレンチオ尿素、1,3―ジフェ
ニルチオ尿素、二酸化チオ尿素、チオセミカルバジドな
どのチオ尿素誘導体、チオフェノール、o、m又はp−
ジメルカプトベンゼン、2−メルカプトベンゾオキサゾ
ール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、t−ブチル
メルカプタン、チオグリコール酸、3−メルカプトプロ
ピオン酸などのメルカプタン類、ビス(3−スルホプロ
ピル)ジスルフィド、2,2′−(又は4,4′−)ジピリ
ジルスルフィド、2,2′−ジチオジアニリン、ビス(4
−アミノフェニル)スルフィド、ジエチルスルフィド、
イソプロピルスルフィド、ジフェニルスルフィド、イソ
ブチルエチルスルフィド、2,2′−チオジグリコール
酸、3,3′−チオジプロピオン酸、2,2′−チオジグ
リコール、ジメチルジスルフィド、ジエチルジスルフィ
ド、ジフェニルジスルフィドなどのスルフィド類、チオ
グリコール、チオグリコール酸、3−メルカプトプロパ
ン−1−スルホン酸ナトリウム、ジ−n−ピロピル−チ
オエーテル−ジ−3−スルホン酸(2ナトリウム塩)、ビ
ス(3−スルホプロピル)ジサルファイド(2ナトリウム
塩)、3−(ベンゾチアゾリル−2−チオ)ピロピルスル
ホン酸(2ナトリウム塩)などのメルカプタン類などが挙
げられる。なかでも、チオ尿素類、ベンゾチアゾール
類、メルカプタン類、スルフィド類などが好ましい。
ニオン系、カチオン系、或は両性の各種界面活性剤が挙
げられ、特にノニオン系界面活性剤が好ましい。当該ノ
ニオン系界面活性剤は高分子界面活性剤を包含する概念
であり、具体的には、ポリビニルアルコール(PVA)、
カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリエチレング
リコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PP
G)、ポリアクリルアミドなどであり、また、C1〜C20
アルカノール、フェノール、ナフトール、ビスフェノー
ル類、C1〜C25アルキルフェノール、アリールアルキ
ルフェノール、C1〜C25アルキルナフトール、C1〜C
25アルコキシル化リン酸(塩)、ソルビタンエステル、ス
チレン化フェノール、ポリアルキレングリコール、C 1
〜C22脂肪族アミン、C1〜C22脂肪族アミドなどにエ
チレンオキシド(EO)及び/又はプロピレンオキシド
(PO)を2〜300モル付加縮合したものである。但
し、上記付加縮合物では、所定のアルカノール、フェノ
ール、ナフトールなどのEO単独の付加物、PO単独の
付加物、或は、EOとPOが共存した付加物のいずれで
も良い。
レンオキシド(PO)を付加縮合させるC1〜C20アルカ
ノールとしては、オクタノール、デカノール、ラウリル
アルコール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、ス
テアリルアルコール、エイコサノール、セチルアルコー
ル、オレイルアルコール、ドコサノールなどが挙げられ
る。同じくビスフェノール類としては、ビスフェノール
A、ビスフェノールBなどが挙げられる。C1〜C25ア
ルキルフェノールとしては、モノ、ジ、若しくはトリア
ルキル置換フェノール、例えば、p−ブチルフェノー
ル、p−イソオクチルフェノール、p−ノニルフェノー
ル、p−ヘキシルフェノール、2,4−ジブチルフェノ
ール、2,4,6−トリブチルフェノール、p−ドデシル
フェノール、p−ラウリルフェノール、p−ステアリル
フェノールなどが挙げられる。アリールアルキルフェノ
ールとしては、2−フェニルイソプロピルフェニルなど
が挙げられる。
基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチルヘキシ
ル、オクチル、デシル、ドデシル、オクタデシルなどが
挙げられ、ナフタレン核の任意の位置にあって良い。C
1〜C25アルコキシル化リン酸(塩)は、下記の一般式(a)
で表されるものである。 Ra・Rb・(MO)P=O …(a) (式(a)中、Ra及びRbは同一又は異なるC1〜C25アル
キル、但し、一方がHであっても良い。MはH又はアル
カリ金属を示す。)
はトリエステル化した1,4−、1,5−又は3,6−ソ
ルビタン、例えばソルビタンモノラウレート、ソルビタ
ンモノパルミテート、ソルビタンジステアレート、ソル
ビタンジオレエート、ソルビタン混合脂肪酸エステルな
どが挙げられる。C1〜C22脂肪族アミンとしては、プ
ロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチ
ルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ステアリル
アミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミンなどの
飽和及び不飽和脂肪酸アミンなどが挙げられる。C1〜
C22脂肪族アミドとしては、プロピオン酸、酪酸、カプ
リル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などのアミドが挙げ
られる。
の一般式(b)で表される第4級アンモニウム塩 (R1・R2・R3・R4N)+・X- …(b) (式(b)中、Xはハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C5アル
カンスルホン酸又は硫酸、R1、R2及びR3は同一又は
異なるC1〜C20アルキル、R4はC1〜C10アルキル又
はベンジルを示す。) 或は、下記の一般式(c)で表されるピリジニウム塩など
が挙げられる。 R6−(C6H4N−R5)+・X- …(c) (式(c)中、C6H4Nはピリジル基、Xはハロゲン、ヒ
ドロキシ、C1〜C5アルカンスルホン酸又は硫酸、R5
はC1〜C20アルキル、R6はH又はC1〜C10アルキル
を示す。)
ては、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリル
トリメチルアンモニウム塩、ラウリルジメチルエチルア
ンモニウム塩、オクタデシルジメチルエチルアンモニウ
ム塩、ジメチルベンジルラウリルアンモニウム塩、セチ
ルジメチルベンジルアンモニウム塩、オクタデシルジメ
チルベンジルアンモニウム塩、トリメチルベンジルアン
モニウム塩、トリエチルベンジルアンモニウム塩、ヘキ
サデシルピリジニウム塩、ラウリルピリジニウム塩、ド
デシルピリジニウム塩、ステアリルアミンアセテート、
ラウリルアミンアセテート、オクタデシルアミンアセテ
ートなどが挙げられる。
キル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸
塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸
塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、(モノ、ジ、トリ)
アルキルナフタレンスルホン酸塩などが挙げられる。ア
ルキル硫酸塩としては、ラウリル硫酸ナトリウム、オレ
イル硫酸ナトリウムなどが挙げられる。ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル硫酸塩としては、ポリオキシエチ
レン(EO12)ノニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオ
キシエチレン(EO15)ドデシルエーテル硫酸ナトリウ
ムなどが挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル硫酸塩としては、ポリオキシエチレン(E
O15)ノニルフェニルエーテル硫酸塩などが挙げられ
る。アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。ま
た、(モノ、ジ、トリ)アルキルナフタレンスルホン酸塩
としては、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムな
どが挙げられる。
ベタイン、イミダゾリンベタイン、スルホベタイン、ア
ミノカルボン酸などが挙げられる。また、エチレンオキ
シド及び/又はプロピレンオキシドとアルキルアミン又
はジアミンとの縮合生成物の硫酸化、或はスルホン酸化
付加物も使用できる。
ゾリンベタインとしては、ラウリルジメチルアミノ酢酸
ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ス
テアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸ア
ミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−ウンデ
シル−1−カルボキシメチル−1−ヒドロキシエチルイ
ミダゾリニウムベタイン、2−オクチル−1−カルボキ
シメチル−1−カルボキシエチルイミダゾリニウムベタ
インなどが挙げられ、硫酸化及びスルホン酸化付加物と
してはエトキシル化アルキルアミンの硫酸付加物、スル
ホン酸化ラウリル酸誘導体ナトリウム塩などが挙げられ
る。
酸アミドプロピルジメチルアンモニウム−2−ヒドロキ
シプロパンスルホン酸、N−ココイルメチルタウリンナ
トリウム、N−パルミトイルメチルタウリンナトリウム
などが挙げられる。アミノカルボン酸としては、ジオク
チルアミノエチルグリシン、N−ラウリルアミノプロピ
オン酸、オクチルジ(アミノエチル)グリシンナトリウム
塩などが挙げられる。
処理液の浸漬時間は第一前処理液のそれより短くするの
が好ましい。例えば、第一前処理液の浸漬時間は30秒
〜20分程度、第二前処理液のそれは5秒〜5分程度の
範囲に各々設定して、第二前処理液より第一前処理液の
方に長く浸漬するのである。これは、第二前処理液への
浸漬時間を必要以上に長くしても効果にあまり差異がな
いことにもよる。当該レベラーの一液方式での前処理液
に対する含有量、或は、2段階方式での第一前処理液又
は第二前処理液に対する含有量は0.1mg/L〜50
g/Lであり、好ましくは、1mg/L〜10g/Lで
ある。
ー銅メッキ用の前処理液には、本発明3〜4に示すよう
に、さらに可溶性銅塩及び酸を含有させることができ
る。2段階方式では、第一前処理液と第二前処理液のい
ずれか一方に含有させても良いし、両方の液に含有させ
ても良い。この場合の前処理液は、界面活性剤を除い
て、銅メッキ液の組成に類似することになる。上記可溶
性銅塩は、安定な銅の水溶液が得られる化合物を意味
し、硫酸銅、塩化銅、酸化銅、炭酸銅、酢酸銅、ピロリ
ン酸銅、シュウ酸銅などが挙げられ、硫酸銅、酸化銅な
どが好ましい。上記酸は、硫酸、塩酸、シュウ酸、酢
酸、ピロリン酸などである。可溶性銅塩の含有量は0.
01〜3mol/Lであり、好ましくは、0.1〜1.5
mol/Lである。
は、被メッキ物を上記前処理液に浸漬した後に、銅メッ
キ液で電気メッキを施すものであるが、本発明3〜4に
示すように、可溶性銅塩と酸を含む前処理液(2段階方
式では、第一前処理液及び/又は第二前処理液)で予備
メッキを施した後に、銅メッキ液で予備の電気銅メッキ
を施しても良いのである。即ち、本発明の前処理は、浸
漬処理と予備メッキ処理の両方を包含する概念である。
但し、一液方式、2段階方式を問わず、前処理液に可溶
性銅塩と酸を含む場合でも、予備メッキを施す替わり
に、浸漬処理を施すことも可能である。
2段階前処理を行った被メッキ物は、好ましくは水洗し
た後に、銅メッキ液で通常の銅メッキが施される。本発
明では、銅メッキ液は、界面活性剤を含有しないことが
必須条件であるが、それ以外の組成には特に限定はな
く、様々な公知の銅メッキ液が適用できる。従って、可
溶性銅塩と酸以外にも、各種の添加剤を添加することが
できる。即ち、界面活性剤を含有しないという条件が満
たされるならば、前述したように、前処理液に含有した
レベラー(界面活性剤を除く、塩化物、窒素系有機化合
物、或はイオウ化合物などの他の種類のレベラー)が前
処理液との間で加重的に又は相互補完的に添加されても
良く、また、pH調整剤、緩衝剤などの他の添加剤を添
加することもできる。さらに、銅メッキ液における陰極
電流密度、浴温、メッキ時間などの電気メッキ条件は、
特には限定されない。
に適用できるが、本発明5に示すように、各種ウエハ
ー、プリント基板(特に、マザーボードやCSP(Chip S
ize Package)等のビルドアップ構造を有する基板など)
に好適である。即ち、殊に、ビルドアップ基板はその構
造上ビア(ブラインドビアと呼ばれる有底状の孔)を多く
有することから、従来の銅メッキ方法ではこのビアにボ
イドが発生し易いが、本発明を適用することで、基板の
レベリング性を良好に確保しながら、ボイドをより高度
に防止できる。
は、予め、界面活性剤以外のレベラーを含有する第一前
処理液に被メッキ物を浸漬してから、界面活性剤を含有
する第二前処理液に浸漬する2段階前処理を行った後、
界面活性剤を含まない銅メッキ液で電気メッキを施すボ
イドフリー銅メッキ方法において、銅メッキ液にメタノ
ール、イソプロピルアルコールなどの有機溶媒を含有さ
せるため、これらの有機溶媒を使用しない場合、或は、
前処理液だけに含有させた場合に比べて、銅メッキ皮膜
のレベリング性を良好に保持しながら、ボイドの発生を
より高度に防止できる。従って、各種ウエハー、基板な
どの電子部品の高密度化、多機能化、高実装化などに伴
う信頼性向上の要求にも円滑に応えることができる。ま
た、一液前処理方式において、銅メッキ液及び/又は前
処理液にメタノール、イソプロピルアルコールなどの有
機溶媒を含有させた場合も、このレベリング性の確保と
高度のボイド防止の点で、これらの有機溶媒を使用しな
い場合に比べて、同様の顕著な有効性が認められる。
尚、本発明では、前処理液で浸漬処理する代わりに、被
メッキ物に予備メッキ処理を施しても、浸漬処理と同様
の効果を奏し、銅メッキ皮膜のレベリング性を良好に保
持しながら、ボイドの発生を高度に防止できる。
ルを用いた本発明のボイドフリー銅メッキ方法の実施例
を順次述べるととともに、当該実施例で得られた銅メッ
キ皮膜についてのボイドの発生度合とレベリング性の試
験例を説明する。尚、本発明は下記の実施例及び試験例
に拘束されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲
内で任意の変形をなし得ることは勿論である。
3及び8は一液前処理方式の例であり、実施例1はイソ
プロピルアルコールを銅メッキ液に含有した例、実施例
2は前処理液に含有した例、実施例3と8は前処理液と
銅メッキ液の両方に含有した例である。実施例1〜3は
浸漬方式であり、実施例8は予備メッキ方式の例であ
る。また、実施例4〜7及び実施例8〜11は2段階前
処理方式の例であり、実施例4と9はメタノールを銅メ
ッキ液に含有した例、実施例5と10はイソプロピルア
ルコール又はメタノールを第一前処理液と銅メッキ液の
両方に含有した例、実施例6は第二前処理液と銅メッキ
液の両方に含有した例、実施例7と11は第一前処理液
と第二前処理液と銅メッキ液の全てに含有した例であ
る。実施例4〜7は浸漬方式であり、実施例9〜11は
予備メッキ方式の例である。一方、比較例1は前処理方
式を採用しない通常の銅メッキ液にイソプロピルアルコ
ールを含有した例、比較例2は一液前処理方式において
前処理液と銅メッキ液のいずれにもアルコールを含有し
ない例、比較例3は2段階前処理方式において第一前処
理液と第二前処理液と銅メッキ液のいずれにもアルコー
ルを含有しない例、比較例4は冒述の先行技術2に準拠
して2段階前処理方式において第一前処理液にだけイソ
プロピルアルコールを含有し、銅メッキ液には含有しな
い例である。
理方式では、前処理液を用いて(1)の処理を行った後、
銅メッキ液を用いて(2)の電気メッキを行った。一液前
処理方式の比較例2も同様である。また、実施例4〜7
及び実施例8〜11の2段階前処理方式では、第一前処
理液を用いて(1)の処理を行った後、第二前処理液を用
いて(2)の処理を行い、その後、銅メッキ液を用いて(3)
の電気メッキを行った。2段階前処理方式の比較例3〜
4も同様である。尚、比較例1では、銅メッキ液を用い
て(1)の電気メッキだけを行った。
タンタルのバリヤ層上に、銅シード層が形成されたトレ
ンチ100個を評価対象とし、上記実施例1〜11及び
比較例1〜4の各メッキ方法で銅メッキ皮膜を形成し、
得られた各銅メッキ皮膜を集束イオンビームで薄膜状の
試料として作成し、透過電子顕微鏡を用いてボイドの発
生状況を微視観察するとともに、トレンチ周辺の皮膜表
面の凹凸形状に基づくレベリング性を微視観察して、ボ
イドの発生度合とレベリング性を総合評価した。当該試
験の評価基準は、次の通りである。 ◎:ボイドは観察されず、且つ、微小凹凸もほとんどな
かった。 ○:ボイドは観察されなかったが、やや微小凹凸が認め
られた。 △:1視野当たりのボイド数が1個観察されたか、或
は、ボイドは観察されなかったが、大きな凹凸形状が認
められた。 ×:1視野当たりのボイド数が2個以上観察された。
「有り」はアルコールを所定の液に含有したことを、
「なし」は含有していないことを夫々示し、備考欄の記
載は前処理を浸漬式で行ったか、予備メッキ方式で行っ
たかを示す。 第一前処理液 第二前処理液 銅メッキ液 評価 備考 比較例1 −− −− 有り × 比較例2 一液型前処理液=なし なし △ 浸漬 実施例1 一液型前処理液=なし 有り ○ 浸漬 実施例2 一液型前処理液=有り なし ○ 浸漬 実施例3 一液型前処理液=有り 有り ○ 浸漬 比較例3 なし なし なし △ 浸漬 比較例4 有り なし なし △ 浸漬 実施例4 なし なし 有り ○ 浸漬 実施例5 有り なし 有り ◎ 浸漬 実施例6 なし 有り 有り ○ 浸漬 実施例7 有り 有り 有り ○ 浸漬 実施例8 一液型前処理液=有り 有り ○ 予備メッキ 実施例9 なし なし 有り ○ 予備メッキ 実施例10 有り なし 有り ◎ 予備メッキ 実施例11 有り 有り 有り ○ 予備メッキ
おいて前処理液と銅メッキ液の両方にアルコールを含有
しなかった比較例2、或は、2段階前処理方式において
第一前処理液と第二前処理液と銅メッキ液の全てにアル
コールを含有しなかった比較例3では、一視野当たりボ
イドが1個観察されたか、或は、0個であってもトレン
チ部位で大きな凹凸面が認められ、レベリング性の良好
な確保とボイドの高度な防止という観点では、△の評価
であった。また、冒述の先行技術2に準拠して、2段階
前処理方式において第一前処理液にアルコールを含有さ
せ、銅メッキ液には含有しなかった比較例3では、ボイ
ドの発生個数は0個であったが、トレンチ部位に小さく
ない凹凸面が発生し、評価はやはり△であった。これに
対して、一液前処理方式において前処理液及び/又は銅
メッキ液にアルコールを含有させた実施例1〜3と8、
或は、2段階前処理方式においてアルコールの必須含有
対象を銅メッキ液とした実施例4〜7と9〜11では、
全て○以上の評価であり、特に、2段階前処理方式にお
いて銅メッキ液と第一前処理液にアルコールを含有させ
た実施例5と10は◎の評価であった。尚、アルコール
を含有させた銅メッキ液を用いて、前処理なしで通常の
銅メッキだけを施した比較例1では、評価は×であっ
た。
Claims (5)
- 【請求項1】 界面活性剤、塩化物、窒素系有機化合
物、イオウ化合物よりなる群から選ばれたレベラーの少
なくとも一種を含有するボイドフリー銅メッキ用の前処
理液に被メッキ物を浸漬した後、界面活性剤を含有しな
い銅メッキ液で電気銅メッキを施す方法において、 上記前処理液と銅メッキ液の少なくとも一方にメタノー
ル、イソプロピルアルコールなどの有機溶媒を含有する
ことを特徴とするアルコールなどを用いたボイドフリー
銅メッキ方法。 - 【請求項2】 界面活性剤、塩化物、窒素系有機化合
物、イオウ化合物よりなる群から選ばれたレベラーのう
ち、界面活性剤を含有せずにそれ以外のレベラーを含有
する第一前処理液と、界面活性剤を含有する第二前処理
液とを分けて調製し、被メッキ物を第一前処理液に浸漬
してから第二前処理液に浸漬した後、界面活性剤を含有
しない銅メッキ液で電気銅メッキを施す方法において、 上記銅メッキ液にメタノール、イソプロピルアルコール
などの有機溶媒を含有することを特徴とするアルコール
などを用いたボイドフリー銅メッキ方法。 - 【請求項3】 請求項1の前処理液にさらに可溶性銅
塩、酸を含有し、被メッキ物を前処理液に浸漬する代わ
りに、当該前処理液で被メッキ物に予備の電気銅メッキ
を施すことを特徴とするアルコールなどを用いたボイド
フリー銅メッキ方法。 - 【請求項4】 請求項2に記載の第一前処理液と第二前
処理液の少なくとも一方にさらに可溶性銅塩、酸を含有
し、第一前処理液と第二前処理液のうちの可溶性銅塩及
び酸を含有した方の前処理液に被メッキ物を浸漬する代
わりに、当該前処理液で被メッキ物に予備の電気銅メッ
キを施すことを特徴とするアルコールなどを用いたボイ
ドフリー銅メッキ方法。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の被
メッキ物が、ビルドアップ構造を有する基板、各種ウエ
ハーなどであることを特徴とするボイドフリー銅メッキ
方法。
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