JP4258011B2 - 電気銅メッキ浴及び当該メッキ浴により銅配線形成した半導体デバイス - Google Patents
電気銅メッキ浴及び当該メッキ浴により銅配線形成した半導体デバイス Download PDFInfo
- Publication number
- JP4258011B2 JP4258011B2 JP08282399A JP8282399A JP4258011B2 JP 4258011 B2 JP4258011 B2 JP 4258011B2 JP 08282399 A JP08282399 A JP 08282399A JP 8282399 A JP8282399 A JP 8282399A JP 4258011 B2 JP4258011 B2 JP 4258011B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mol
- plating bath
- phenanthroline
- copper plating
- concentration
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)
- Electroplating Methods And Accessories (AREA)
- Electrodes Of Semiconductors (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電気銅メッキ浴、並びに当該メッキ浴により銅配線形成したLSIなどの半導体デバイスに関して、銅皮膜の機械的性質、特に、引張り強度及び伸びの両物性を良好に改善できるものを提供する。
【0002】
【発明の背景】
通常、電気銅メッキ浴では、所定のメルカプタン類、スルフィド類、ジスルフィド類、或はベンゾチアゾール類などのイオウ化合物よりなる添加剤を含有すると、銅の電着皮膜の光沢性、或は密着性などは改善されるが(例えば、特開平5−230687号公報参照)、その一方で、メッキ時に当該添加剤が皮膜中に共析し、ボイドの成長に伴って皮膜の接合強度などに悪影響を及ぼすことが知られており(特開平1−219187号公報の第7頁右下欄における発明の効果の▲3▼参照)、また、同趣旨の研究報告もなされている(表面技術協会 第98回講演大会要旨集第42頁〜第43頁 「硫酸銅めっき浴から形成したバンプの耐久強度低下メカニズムの解析」(1998年10月2日発行)参照)。
【0003】
【従来の技術】
本出願人は、上記特開平1−219187号公報(以下、従来技術1という)により、このようなイオウ化合物系の添加剤を含有しない電気銅メッキ浴を開示した。
当該従来技術1の銅メッキ浴は、銅塩と、錯化剤としてエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、イミノジプロピオン酸(IDP)などのアミノ酢酸類、或はアミノプロピオン酸類などに加えて、ピロリン酸又はその塩、2,2′−ビピリジル、1,10−フェナントロリン、フェロシアン化ナトリウムなどを0.006〜1mol/L含有することにより、広いpH範囲で良好なメッキ皮膜を形成できるとともに、均一電着性や析出皮膜の引張り強度、伸びなどの物性を改善できる。
さらには、グリシン、アラニン、リジンなどの特定のアミノ酸類を0.006〜1mol/L追加含有すると、上記析出皮膜の物性がより一層向上する。
【0004】
一方、特公昭53−35898号公報(以下、従来技術2という)には、銅塩と、EDTA又はその塩と、2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン、2,2′−ビピリジル、2(2−ピリジル)−ベンツイミダゾールなどとを含有した銅メッキ浴を用いて、緻密で光沢性に優れ、鉄素地に対する密着性も良好な銅皮膜を形成する技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、半導体デバイスの多層配線技術として、アルミニウム系合金配線に替えて電気伝導率に優れた銅配線を使用すると、配線の高密度化が可能になり、ワンチップ当たりのトランジスター等の搭載量が増大するが、この高密度実装に充分に対応するためには、析出皮膜の引張り強度や伸びなどの機械的性質を向上して、製品の信頼性を高めることが重要になる。
しかしながら、上記従来技術1から得られる銅の電着皮膜の機械的性質は、例えば、市販の高延性電解銅箔などに比べて必ずしも充分ではない。
また、通常、物性としての引張り強度と伸びは二律背反的な傾向にあり、一方の性質が強くなると他方が弱くなり易く、両物性を良好に両立させることは容易でなく、上記従来技術1から得られた銅皮膜もこの傾向を免れない。
一方、上記従来技術1のEDTAなどのアミノカルボン酸による銅錯体浴では、電気メッキを行うと、陽極に金属酸化物などのスライム(異物)が多く発生して、当該銅メッキ浴を電子部品などに適用した場合、当該スライムが電子部品などに付着し、製品の信頼性を低下させる恐れが少なくない。
本発明は、イオウ化合物系の添加剤を含まない電気銅メッキ浴において、特に、引張り強度と伸びの両方の機械的性質に優れた析出皮膜を得ることを技術的課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、先ず、EDTA、DTPA等のアミノ酢酸類などを錯化剤に用いた上記従来技術1又は2に記載の銅メッキ浴に替えて、エチレンジアミン等のポリアミン類を錯化剤とした銅メッキ浴ではスライムの発生が良好に抑制できることに着目し、当該銅のポリアミン類錯体浴を鋭意研究した結果、この銅メッキ浴においては、ビピリジルなどの所定の窒素含有複素環式化合物とグリシンなどのアミノ酸類とを組み合わせ、なおかつ、当該窒素含有複素環式化合物を所定の微量範囲で含有させると、析出皮膜の引張り強度と伸びの両方を良好に改善できることを突き止め、本発明を完成した。
【0007】
即ち、本発明1は、(A)可溶性銅塩、
(B)メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、ヘキサメチレンテトラミンよりなる群から選ばれたメチレン鎖を基本骨格とする分子内にアミノ基を複数個有し、それ以外の官能基を有しないポリアミン類、
(C)1,10−フェナントロリン、2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジヒドロキシフェナントロリン、3,4,7,8−テトラメチルフェナントロリン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジフェニル−2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン−ジスルホン酸、4,7−ジフェニル−2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン−ジスルホン酸、2,2′−ビピリジル、4,4′−ビピリジル、2,2′,2′′−テルピリジル、2,2′−ジキノリンよりなる群から選ばれた窒素含有複素環式化合物、
(D)グリシン、アラニン、オルニチン、グルタミン酸よりなる群から選ばれたアミノ酸類
を含有してなり、
上記(C)の窒素含有複素環式化合物の濃度が0.003〜3mmol/Lであり、イオウ化合物を含まないことを特徴とする電気銅メッキ浴である。
【0008】
本発明2は、(A)可溶性銅塩、
(B)エチレンジアミン、
(C)ビピリジル、
(D)グリシン
を含有してなり、
上記(C)のビピリジルの濃度が0.003〜3mmol/Lであり、イオウ化合物を含まないことを特徴とする電気銅メッキ浴である。
【0009】
本発明3は、(A)可溶性銅塩、
(B)メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、ヘキサメチレンテトラミンよりなる群から選ばれたメチレン鎖を基本骨格とする分子内に複数個のアミノ基を有し、それ以外の官能基を有しないポリアミン類、
(C)1,10−フェナントロリン、2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジヒドロキシフェナントロリン、3,4,7,8−テトラメチルフェナントロリン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジフェニル−2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン−ジスルホン酸、4,7−ジフェニル−2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン−ジスルホン酸、2,2′,2′′−テルピリジル、及び2,2′−ジキノリンよりなる群から選ばれた窒素含有複素環式化合物、
(D)グリシン、アラニン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸よりなる群から選ばれたアミノ酸類
を含有してなり、
上記(C)の窒素含有複素環式化合物の濃度が0.003〜3mmol/Lであり、イオウ化合物を含まないことを特徴とする電気銅メッキ浴である。
【0010】
本発明4は、上記本発明1〜3において、(C)の窒素含有複素環式化合物、又はビピリジルの濃度が0.006〜0.64mmol/Lであることを特徴とするものである。
【0011】
本発明5は、上記本発明4において、(C)の窒素含有複素環式化合物、又はビピリジルの濃度が0.06〜0.32mmol/Lであることを特徴とするものである。
【0012】
本発明6は、上記本発明1〜5のいずれかにおいて、(D)のアミノ酸類、又はグリシンの濃度が、0.01〜1.0mol/Lであることを特徴とするものである。
【0013】
本発明7は、上記本発明1〜6のいずれかのメッキ浴に、さらに硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、塩化カリウム、塩化カルシウムなどの導電性塩を含有することを特徴とするものである。
【0014】
本発明8は、上記本発明1〜7のいずれかの電気銅メッキ浴を用いて、ウエハー上に銅の電着皮膜を施すことを特徴とする銅配線形成した半導体デバイスである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の電気銅メッキ浴に用いる可溶性銅塩は安定な銅の水溶液が得られる化合物を意味し、硫酸銅、塩化銅、酸化銅、炭酸銅、酢酸銅、ピロリン酸銅、シュウ酢銅などが挙げられ、硫酸銅、酸化銅などが好ましい。
上記可溶性銅塩は単用又は併用でき、そのメッキ浴に対する含有量は0.01〜5mol/L、好ましくは0.05〜0.5mol/Lである。
【0016】
上記ポリアミン類はメッキ浴中で銅錯体を形成する錯化剤であり、本発明の銅メッキ浴はポリアミン類の錯体浴を前提としている。
上記ポリアミン類は、基本的に、メチレン鎖を基本骨格とする分子内にアミノ基を2個以上有し、アミノ基以外の官能基、例えば、カルボキシル基などを有しない化合物を意味し、従って、EDTA、DTPA、NTA等のアミノ酢酸、アミノプロピオン酸などのアミノカルボン酸類、或はその塩などは排除される。この場合、上記メチレン鎖の基本骨格は直鎖状、分岐状、或は立体状などの様々な骨格を形成することができる。
当該ポリアミン類の具体例としては、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、ヘキサメチレンテトラミンなどが挙げられ、エチレンジアミン、メチレンジアミン、テトラメチレンジアミンなどが好ましい。
上記ポリアミン類は単用又は併用でき、そのメッキ浴に対する含有量は0.01〜2mol/L、好ましくは0.1〜0.6mol/Lである。
【0017】
上記窒素含有複素環式化合物は皮膜物性を改善するために用いられ、その具体例としては、1,10−フェナントロリン、2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジヒドロキシフェナントロリン、3,4,7,8−テトラメチルフェナントロリン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジフェニル−2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン、ビピリジル、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン−ジスルホン酸、4,7−ジフェニル−2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン−ジスルホン酸、2,2′−ビピリジル、4,4′−ビピリジル、2,2′,2′′−テルピリジル、及び2,2′−ジキノリンなど、或はこれらの塩などが挙げられ、1,10−フェナントロリン、2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン、ビピリジル(2,2′−ビピリジル、4,4′−ビピリジル)などが好ましい。
上記窒素含有複素環式化合物は単用又は併用でき、そのメッキ浴に対する含有量は微量の割合であることが重要であり、具体的には0.003〜3mmol/L、好ましくは0.006〜0.64mmol/L、より好ましくは0.06〜0.32mmol/Lである。
0.003mmol/Lより少ないと電着皮膜の引張り強度と伸びの両方の改善が不充分であり、逆に、3mmol/Lを越えると当該皮膜物性が低下し、或は皮膜物性の両立が困難になり、また、不経済でもある。
【0018】
上記アミノ酸類は、窒素含有複素環式化合物との相乗作用により銅の皮膜物性を改善するものであり、アミノ基の炭素位置を問わず、α、β、γ−位などの各位のアミノ酸を含み、また、光学異性体を含む概念である。その具体例としてはグリシン、アラニン、N−メチルグリシン、オルニチン、システイン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジンなどが挙げられ、グリシン、アラニン、オルニチン、システイン、グルタミン酸、アスパラギン酸などが好ましい。
上記アミノ酸類は単用又は併用できるが、そのメッキ浴に対する含有量は0.01〜1.0mol/Lが好ましく、より好ましくは0.1〜0.5mol/Lである。
【0019】
上記窒素含有複素環式化合物とアミノ酸類は任意に組み合わせることができるが、その組み合わせとしては、ビピリジルとグリシン、ビピリジルとアラニン、フェナントロリンとグリシン、フェナントロリンとアラニン、ビピリジルとフェナントロリンとグリシン、ビピリジルとグリシンとアラニン、フェナントロリンとグリシンとアラニンなどが好ましい。
【0020】
本発明の銅メッキ浴に導電性塩を含有すると、皮膜の均一電着性を向上することができる。当該均一電着性は主に浴の電気伝導率と分極抵抗の積によって決まり、導電性塩の含有に伴って、浴の電気伝導率が増大し、LSI銅配線の微細なトレンチやコンタクトホールに銅析出物を完全に充填することができる。
上記導電性塩としては、一般に、アルカリ金属のハロゲン化物或は硫酸塩、アルカリ土類金属のハロゲン化物或は硫酸塩、アンモニウムのハロゲン化物或は硫酸塩などが用いられる。具体例としては、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、塩化アンモニウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウムなどが挙げられ、特に半導体デバイスの銅配線形成に用いる場合は、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウムなどが好ましい。
これらの化合物のメッキ浴に対する含有量は0.3〜5.0mol/Lが好ましく、より好ましくは1.0〜2.0mol/Lである。特に、当該導電性塩は高濃度の方が均一電着性への寄与が大きく、例えば、硫酸アンモニウムの好適な含有量は1.5mol/Lを中心として1.2〜1.8mol/Lである。
【0021】
本発明の銅メッキ浴には上述の成分以外に、目的に応じて公知の界面活性剤、pH調整剤、緩衝剤、陽極スライムの抑制剤、光沢剤などの電気銅メッキ浴に通常使用される添加剤を混合できることは勿論である。
【0022】
上記界面活性剤はピットの防止、或は、メッキ皮膜の平滑性や外観等の向上などのために添加され、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン系界面活性剤、或はアニオン系界面活性剤よりなる各種活性剤を単用又は併用できる。その添加量は0.01〜100g/L、好ましくは0.1〜50g/Lである。
【0023】
上記ノニオン系界面活性剤の具体例としては、C1〜C20アルカノール、フェノール、ナフトール、ビスフェノール類、C1〜C25アルキルフェノール、アリールアルキルフェノール、C1〜C25アルキルナフトール、C1〜C25アルコキシル化リン酸(塩)、ソルビタンエステル、ポリアルキレングリコール、C1〜C22脂肪族アミン、C1〜C22脂肪族アミドなどにエチレンオキシド(EO)及び/又はプロピレンオキシド(PO)を2〜300モル付加縮合させたものや、C1〜C25アルコキシル化リン酸(塩)などが挙げられる。
【0024】
上記エチレンオキシド(EO)及び/又はプロピレンオキシド(PO)を付加縮合させるC1〜C20アルカノールとしては、メタノール、エタノール、n−ブタノール、t−ブタノール、n−ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ラウリルアルコール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、ステアリルアルコール、エイコサノール、オレイルアルコール、ドコサノールなどが挙げられる。
同じく上記ビスフェノール類としては、ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールFなどが挙げられる。
上記C1〜C25アルキルフェノールとしては、モノ、ジ、若しくはトリアルキル置換フェノール、例えば、p−メチルフェノール、p−ブチルフェノール、p−イソオクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−ヘキシルフェノール、2,4−ジブチルフェノール、2,4,6−トリブチルフェノール、ジノニルフェノール、p−ドデシルフェノール、p−ラウリルフェノール、p−ステアリルフェノールなどが挙げられる。
上記アリールアルキルフェノールとしては、2−フェニルイソプロピルフェノール、クミルフェノール、(モノ、ジ又はトリ)スチレン化フェノール、(モノ、ジ又はトリ)ベンジルフェノールなどが挙げられる。
上記C1〜C25アルキルナフトールのアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、オクタデシルなどが挙げられ、ナフタレン核の任意の位置にあって良い。
上記アルキレングリコールとしては、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン・コポリマーなどが挙げられる。
【0025】
上記C1〜C25アルコキシル化リン酸(塩)は、下記の一般式(a)で表されるものである。
【化1】
(式(a)中、Ra及びRbは同一又は異なるC1〜C25アルキル、但し、一方がHであっても良い。MはH又はアルカリ金属を示す。)
【0026】
上記ソルビタンエステルとしては、モノ、ジ又はトリエステル化した1,4−、1,5−又は3,6−ソルビタン、例えばソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンジオレエート、ソルビタン混合脂肪酸エステルなどが挙げられる。
上記C1〜C22脂肪族アミンとしては、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、牛脂アミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミンなどの飽和及び不飽和脂肪酸アミンなどが挙げられる。
上記C1〜C22脂肪族アミドとしては、プロピオン酸、酪酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸などのアミドが挙げられる。
【0027】
更に、上記ノニオン系界面活性剤としては、
R1N(R2)2→O
(上式中、R1はC5〜C25アルキル又はRCONHR3(R3はC1〜C5アルキレンを示す)、R2は同一又は異なるC1〜C5アルキルを示す。)
などで示されるアミンオキシドを用いることができる。
【0028】
上記カチオン系界面活性剤としては、下記の一般式(b)で表される第4級アンモニウム塩
【0029】
【化2】
(式(b)中、Xはハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C5アルカンスルホン酸又は硫酸、R1、R2、R3及びR4は同一又は異なるC1〜C20アルキル、アリール又はベンジルを示す。)
或は、下記の一般式(c)で表されるピリジニウム塩などが挙げられる。
【0030】
【化3】
(式(c)中、Xはハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C5アルカンスルホン酸又は硫酸、R5はC1〜C20アルキル、R6はH又はC1〜C10アルキルを示す。)
【0031】
塩の形態のカチオン系界面活性剤の例としては、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、ラウリルジメチルエチルアンモニウム塩、オクタデシルジメチルエチルアンモニウム塩、ジメチルベンジルラウリルアンモニウム塩、セチルジメチルベンジルアンモニウム塩、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム塩、トリメチルベンジルアンモニウム塩、トリエチルベンジルアンモニウム塩、ジメチルジフェニルアンモニウム塩、ベンジルジメチルフェニルアンモニウム塩、ヘキサデシルピリジニウム塩、ラウリルピリジニウム塩、ドデシルピリジニウム塩、ステアリルアミンアセテート、ラウリルアミンアセテート、オクタデシルアミンアセテートなどが挙げられる。
【0032】
上記アニオン系界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、{(モノ、ジ、トリ)アルキル}ナフタレンスルホン酸塩などが挙げられる。アルキル硫酸塩としては、ラウリル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウムなどが挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩としては、ポリオキシエチレン(EO5)ノニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(EO15)ドデシルエーテル硫酸ナトリウムなどが挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩としては、ポリオキシエチレン(EO15)ノニルフェニルエーテル硫酸塩などが挙げられる。アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。また、{(モノ、ジ、トリ)アルキル}ナフタレンスルホン酸塩としては、ナフタレンスルホン酸塩、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物などが挙げられる。
【0033】
上記両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン、イミダゾリンベタイン、スルホベタイン、アミノカルボン酸などが挙げられる。また、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドとアルキルアミン又はジアミンとの縮合生成物の硫酸化、或はスルホン酸化付加物も使用できる。
【0034】
上記カルボキシベタインは下記の一般式(d)で表されるものである。
【化4】
(式(d)中、R7はC1〜C20アルキル、R8及びR9は同一又は異なるC1〜C5アルキル、nは1〜3の整数を示す。)
【0035】
上記イミダゾリンベタインは下記の一般式(e)で表されるものである。
【化5】
(式(e)中、R10はC1〜C20アルキル、R11は(CH2)mOH又は(CH2)mOCH2CO2 -、R12は(CH2)nCO2 -、(CH2)nSO3 -、CH(OH)CH2SO3 -、m及びnは1〜4の整数を示す。)
【0036】
代表的なカルボキシベタイン、或はイミダゾリンベタインは、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−ウンデシル−1−カルボキシメチル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−オクチル−1−カルボキシメチル−1−カルボキシエチルイミダゾリニウムベタインなどが挙げられ、硫酸化及びスルホン酸化付加物としてはエトキシル化アルキルアミンの硫酸付加物、スルホン酸化ラウリル酸誘導体ナトリウム塩などが挙げられる。
【0037】
上記スルホベタインとしては、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアンモニウム−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、N−ココイルメチルタウリンナトリウム、N−パルミトイルメチルタウリンナトリウムなどが挙げられる。
アミノカルボン酸としては、ジオクチルアミノエチルグリシン、N−ラウリルアミノプロピオン酸、オクチルジ(アミノエチル)グリシンナトリウム塩などが挙げられる。
【0038】
また、本発明の銅メッキ浴には、上記導電性塩や界面活性剤などの外に、前述したように、pH調整剤、緩衝剤、スライム抑制剤、光沢剤、半光沢剤などの添加剤が使用できるが、上記pH調整剤としては、塩酸、硫酸等の各種の酸、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム等の各種の塩基などが用いられる。上記緩衝剤としては、ホウ酸類、リン酸類などが用いられる。銅のポリアミン類錯体浴は陽極スライムの発生を有効に防止できるが、ポリアクリルアミドなどのスライム抑制剤を添加すると、一層の効果が期待できる。光沢剤、半光沢剤などは電気銅メッキ浴で通常使用できるものであれば差し支えない。
【0039】
本発明の銅メッキ浴を用いて電気メッキを行う場合、浴温は一般に70℃以下、好ましくは10〜40℃程度である。陰極電流密度は0.01〜150A/dm2、好ましくは0.1〜10A/dm2であり、特に、本発明の銅メッキ浴では、ポリアミン類の錯体浴に所定の窒素含有複素環式化合物とアミノ酸類を併用するため、低電流密度から高電流密度までの広い領域において機械的性質に優れた電着皮膜が得られる。
また、pHも酸性からアルカリ性の広い範囲で使用できるが、特に、弱酸性〜微酸性の範囲が好ましい。
【0040】
本発明1〜7の銅メッキ浴は鉛ガラス、セラミックス、亜鉛、タングステン焼結体などの強酸、強塩基に侵され易い被メッキ素材にも支障なく適用でき、特に、セラミックス基板、チップコンデンサ、チップ抵抗、サーディップICなどに好適である。
本発明8は、本発明の銅メッキ浴を用いてウエハー上に銅メッキを施すことにより銅配線形成した半導体デバイスであり、本発明の銅メッキ浴を適用すると、従来のアルミニウム系合金配線に代わり、電気伝導率に優れ、且つ機械的性質にも優れた銅配線形成したIC、LSIなどを円滑に製造できる。
【0041】
【作用】
EDTAなどのアミノカルボン酸類の錯体浴ではなく、分子内に2個以上のアミノ基を有し、それ以外の官能基(例えば、カルボキシル基)を有しないポリアミン類が銅イオンに作用して安定な銅錯体浴を形成するため、電気メッキに際して陽極にスライムが生じることを抑制できる。
このポリアミン類の錯体浴を前提として、共に電子供与的な性質を有する所定の窒素含有複素環式化合物とアミノ酸類が相乗的に浴中の銅イオンに作用し、しかも、この窒素含有複素環式化合物を適正な微量範囲で含有するため、電気メッキに際して銅の析出が適度に調整され、結晶構造などを含めた銅の皮膜物性が円滑に改善されるものと推定できる。
この結果、得られた銅のメッキ皮膜においては、二律背反的な関係にある引っ張り強度と伸びの両物性を共に良好に改善できる。
【0042】
【発明の効果】
(1)本発明では、イオウ化合物を含まない銅のポリアミン錯体浴において、所定の窒素含有複素環式化合物とアミノ酸類を組み合わせ、且つ、窒素含有複素環式化合物の濃度を微量範囲に抑制するため、後述の試験例に示すように、メッキ皮膜の引っ張り強度と伸びという二律背反的な機械的性質を良好に改善でき、市販の高延性電解銅箔(例えば、引張り強度32kg/mm2、伸び5.6%)に比べても遜色がないか、それ以上の物性を具備した銅メッキ皮膜を形成できる。
特に、所定の窒素含有複素環式化合物とアミノ酸類の組み合わせとして、2,2′−ビピリジルとグリシン、1,10−フェナントロリンとグリシン、2,2′−ビピリジルとアラニンなどを選択した場合、或は、窒素含有複素環式化合物の濃度を0.06〜0.32mmol/L、アミノ酸類の濃度を0.1〜0.5mol/Lに設定した場合には、引っ張り強度と伸びの両方が一層良好に改善される。
ちなみに、図3に示すように、グリシンの濃度(0.3mol/L)を一定に設定し、2,2′−ビピリジルの濃度を0〜50mg/Lに変化させると、所定濃度以上の領域でメッキ皮膜の引張り強度及び伸びは共に山形のピークを形成しつつ、比較的高い水準を推移し、逆に、図4に示すように、2,2′−ビピリジルの濃度(30mg/L)を一定に設定し、グリシンの濃度を0〜0.3mol/Lに変化させると、皮膜の引張り強度及び伸びは濃度にほぼ比例して(曲線的に)増加する。
【0043】
これに対して、窒素含有複素環式化合物とアミノ酸類のいずれか一方が欠落すると(比較例1〜2参照)、引張り強度と伸びの両方が顕著に低下し、また、窒素含有複素環式化合物とアミノ酸類を併用しても、窒素含有複素環式化合物の濃度が本発明の適正範囲から上限側、或は下限側に外れると(比較例3〜5参照)、引張り強度と伸びのいずれか、或は両方が顕著に低下する。
さらに、窒素含有複素環式化合物とアミノ酸類を併用しても、メッキ浴がポリアミン類の錯体浴ではなく、EDTA錯体浴である場合には(比較例6〜7)、引張り強度と伸びのいずれか、又は両方が低下する。特に、比較例6はフェナントロリン類の濃度は本発明の適正範囲内であるにも拘わらず、引張り強度と伸びの両方を改善できない。また、従来技術1に記載された実施例3に相当する銅メッキ浴である比較例7では、2,2′−ビピリジルの濃度が本発明の適正範囲より過剰であり、引張り強度は良好に改善されるが、伸びを改善できない。
以上のように、ポリアミン類の錯体浴であること、所定の窒素含有複素環式化合物とアミノ酸類を組み合わせること、及び窒素含有複素環式化合物の濃度を微量範囲に抑制することを条件とする本発明の銅メッキ浴は、引張り強度と伸びの機械的性質を共に円滑に改善できる点で、これらの条件の少なくとも一つを満たさない浴に比べて、その優位性は明らかである。
従って、本発明の銅メッキ浴をLSIなどの半導体デバイスなどの多層配線形成に適用した場合でも、皮膜物性の改善による製品の信頼性を向上できるため、半導体デバイスの高密度実装化にも充分に対応できる。
【0044】
(2)後述の試験例に示すように、EDTA錯体浴では電気メッキに際して、陽極スライムが多く発生するが、ポリアミン類の錯体浴である本発明の銅メッキ浴ではスライムの発生を良好に防止できる。
従って、電子部品などに本発明の銅メッキを適用した場合でも、電子部品などにスライムが付着することがなく、製品の信頼性が高く保持して、上述のような高密度実装品にも充分に対応できる。
【0045】
(3)後述の試験例に示すように、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、塩化カリウムなどの導電性塩を添加すると、均一電着性が向上する。しかも、図5に示すように、導電性塩の濃度に比例して浴の電気伝導率は増加することから、導電性塩の濃度の多い方が均一電着性への寄与は大きい。
従って、銅メッキ浴に導電性塩を添加する本発明7では、特に、プリント基板のスルーホール内部のつき回り性(いわば、微視的な均一電着性)が良好に改善される。
【0046】
【実施例】
以下、電気銅メッキ浴の実施例を順次述べるとともに、各メッキ浴から得られた銅の電着皮膜の引張り強度、伸び、均一電着性、スライムの発生状況などの各種試験例を説明する。
尚、本発明は下記の実施例並びに試験例に拘束されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意の変形をなし得ることは勿論である。
【0047】
下記の実施例1〜23は、所定の窒素含有複素環式化合物、アミノ酸類、ポリアミン類、或は導電性塩の種類並びに濃度を様々に変化させたもので、実施例16は窒素含有複素環式化合物の併用例、その他の実施例は窒素含有複素環式化合物の単用例である。実施例1〜4、実施例7〜13、実施例15〜23は共にエチレンジアミン錯体浴、実施例5〜6はメチレンジアミン錯体浴、実施例14はジエチレントリアミン錯体浴である。実施例3は導電性塩を添加しない例、その他の実施例は全て導電性塩の添加例である。
また、実施例17〜19は実施例1を基本組成として、窒素含有複素環式化合物の濃度を変化させた例、実施例20〜21は同実施例1を基本組成として、アミノ酸類の濃度を変化させた例、実施例22〜23は同実施例1を基本組成として、導電性塩の濃度を変化させた例である。
一方、比較例1はアミノ酸類を含有しない例、比較例2は窒素含有複素環式化合物を含有しない例、比較例3及び5は窒素含有複素環式化合物の濃度を本発明の適正範囲より上限側に増大した例、比較例4は逆に窒素含有複素環式化合物の濃度を下限側に低減した例、比較例6は窒素含有複素環式化合物及びアミノ酸類などの濃度を上記実施例1と同様に設定しながら、実施例1のエチレンジアミン錯体浴をEDTA錯体浴に代替した例、比較例7は冒述の従来技術1に記載してある実施例3に相当する例(添加剤成分(A)として、2,2′−ビピリジルを選択)である。
【0048】
《実施例1》
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅(Cu2+として) 0.1mol/L
エチレンジアミン 0.3mol/L
2,2′−ビピリジル 0.19mmol/L
グリシン 0.3mol/L
硫酸アンモニウム 1.5mol/L
pH 5.0
【0049】
《実施例2》
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅(Cu2+として) 0.1mol/L
エチレンジアミン 0.3mol/L
2,2′−ビピリジル 0.64mmol/L
グリシン 0.3mol/L
硫酸アンモニウム 1.5mol/L
pH 5.0
【0050】
《実施例3》
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅(Cu2+として) 0.1mol/L
エチレンジアミン 0.3mol/L
2,2′−ビピリジル 0.19mmol/L
グリシン 0.3mol/L
pH 5.0
【0051】
《実施例4》
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅(Cu2+として) 0.1mol/L
エチレンジアミン 0.3mol/L
2,2′−ビピリジル 0.19mmol/L
グリシン 1.0mol/L
塩化カリウム 1.5mol/L
pH 5.0
【0052】
《実施例5》
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅(Cu2+として) 0.1mol/L
メチレンジアミン 0.3mol/L
1,10−フェナントロリン 0.19mmol/L
グリシン 0.3mol/L
硫酸アンモニウム 0.8mol/L
pH 5.0
【0053】
《実施例6》
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅(Cu2+として) 0.1mol/L
メチレンジアミン 0.3mol/L
2,2′−ビピリジル 0.19mmol/L
アラニン 0.3mol/L
硫酸アンモニウム 1.5mol/L
pH 5.0
【0054】
《実施例7》
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅(Cu2+として) 0.1mol/L
エチレンジアミン 0.3mol/L
2,2′−ビピリジル 0.19mmol/L
グリシン 0.5mol/L
硫酸アンモニウム 1.5mol/L
pH 5.0
【0055】
《実施例8》
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅(Cu2+として) 0.1mol/L
エチレンジアミン 0.3mol/L
2,2′−ビピリジル 0.19mmol/L
オルニチン 0.3mol/L
硫酸アンモニウム 1.5mol/L
pH 9.0
【0056】
《実施例9》
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅(Cu2+として) 0.1mol/L
エチレンジアミン 0.3mol/L
4,4′−ビピリジル 0.19mmol/L
グリシン 0.3mol/L
硫酸アンモニウム 1.5mol/L
pH 5.0
【0057】
《実施例10》
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅(Cu2+として) 0.1mol/L
エチレンジアミン 0.3mol/L
2,9′−ジメチル
−1,10−フェナントロリン 0.19mmol/L
グリシン 0.3mol/L
硫酸アンモニウム 1.5mol/L
pH 5.0
【0058】
《実施例11》
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅(Cu2+として) 0.1mol/L
エチレンジアミン 0.3mol/L
1,10−フェナントロリン 0.19mmol/L
グリシン 0.3mol/L
塩化アンモニウム 1.5mol/L
pH 4.0
【0059】
《実施例12》
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅(Cu2+として) 0.1mol/L
エチレンジアミン 0.3mol/L
2,2′−キノリン 0.19mmol/L
システイン 0.6mol/L
硫酸アンモニウム 1.5mol/L
pH 5.0
【0060】
《実施例13》
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅(Cu2+として) 0.1mol/L
エチレンジアミン 0.3mol/L
2,2′−ビピリジル 3.0mmol/L
グルタミン酸 0.3mol/L
硫酸アンモニウム 1.5mol/L
pH 5.0
【0061】
《実施例14》
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
酸化銅(Cu2+として) 0.1mol/L
ジエチレントリアミン 0.3mol/L
2,2′−ビピリジル 0.19mmol/L
グリシン 0.3mol/L
硫酸アンモニウム 1.5mol/L
pH 5.0
【0062】
《実施例15》
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
酸化銅(Cu2+として) 0.1mol/L
エチレンジアミン 0.3mol/L
2,2′−ビピリジル 0.19mmol/L
アスパラギン酸 0.5mol/L
硫酸アンモニウム 1.5mol/L
pH 5.0
【0063】
《実施例16》
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
塩化銅(Cu2+として) 0.1mol/L
エチレンジアミン 0.3mol/L
2,2′−ビピリジル 0.1mmol/L
1,10−フェナントロリン 0.1mmol/L
グリシン 0.05mol/L
塩化アンモニウム 1.5mol/L
pH 5.0
【0064】
《実施例17》
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅(Cu2+として) 0.1mol/L
エチレンジアミン 0.3mol/L
2,2′−ビピリジル 0.06mmol/L
グリシン 0.3mol/L
硫酸アンモニウム 1.5mol/L
pH 5.0
【0065】
《実施例18》
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅(Cu2+として) 0.1mol/L
エチレンジアミン 0.3mol/L
2,2′−ビピリジル 0.13mmol/L
グリシン 0.3mol/L
硫酸アンモニウム 1.5mol/L
pH 5.0
【0066】
《実施例19》
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅(Cu2+として) 0.1mol/L
エチレンジアミン 0.3mol/L
2,2′−ビピリジル 0.32mmol/L
グリシン 0.3mol/L
硫酸アンモニウム 1.5mol/L
pH 5.0
【0067】
《実施例20》
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅(Cu2+として) 0.1mol/L
エチレンジアミン 0.3mol/L
2,2′−ビピリジル 0.19mmol/L
グリシン 0.1mol/L
硫酸アンモニウム 1.5mol/L
pH 5.0
【0068】
《実施例21》
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅(Cu2+として) 0.1mol/L
エチレンジアミン 0.3mol/L
2,2′−ビピリジル 0.19mmol/L
グリシン 0.2mol/L
硫酸アンモニウム 1.5mol/L
pH 5.0
【0069】
《実施例22》
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅(Cu2+として) 0.1mol/L
エチレンジアミン 0.3mol/L
2,2′−ビピリジル 0.19mmol/L
グリシン 0.3mol/L
硫酸アンモニウム 0.5mol/L
pH 5.0
【0070】
《実施例23》
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅(Cu2+として) 0.1mol/L
エチレンジアミン 0.3mol/L
2,2′−ビピリジル 0.19mmol/L
グリシン 0.3mol/L
硫酸アンモニウム 1.0mol/L
pH 5.0
【0071】
《比較例1》
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅(Cu2+として) 0.1mol/L
エチレンジアミン 0.3mol/L
2,2′−ビピリジル 0.19mmol/L
硫酸アンモニウム 1.5mol/L
pH 5.0
【0072】
《比較例2》
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅(Cu2+として) 0.1mol/L
エチレンジアミン 0.3mol/L
グリシン 0.3mol/L
塩化アンモニウム 1.5mol/L
pH 5.0
【0073】
《比較例3》
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅(Cu2+として) 0.1mol/L
エチレンジアミン 0.3mol/L
2,2′−ビピリジル 6.0mmol/L
グリシン 0.3mol/L
硫酸アンモニウム 1.5mol/L
pH 5.0
【0074】
《比較例4》
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅(Cu2+として) 0.1mol/L
エチレンジアミン 0.3mol/L
2,2′−ビピリジル 0.001mmol/L
グリシン 0.3mol/L
硫酸アンモニウム 1.5mol/L
pH 5.0
【0075】
《比較例5》
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅(Cu2+として) 0.1mol/L
エチレンジアミン 0.3mol/L
1,10−フェナントロリン 10mmol/L
グリシン 0.3mol/L
硫酸アンモニウム 1.5mol/L
pH 5.0
【0076】
《比較例6》
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅(Cu2+として) 0.1mol/L
EDTA 0.3mol/L
2,2′−ビピリジル 0.19mmol/L
グリシン 0.3mol/L
硫酸アンモニウム 1.5mol/L
pH 5.0
【0077】
《比較例7》
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅(Cu2+として) 0.1mol/L
EDTA 0.2mol/L
2,2′−ビピリジル 60mmol/L
グリシン 0.06mol/L
pH 5.0
【0078】
《銅の電着皮膜の機械的性質の試験例》
そこで、チタン板を被メッキ素地として、上記各実施例1〜23並びに比較例1〜7の各銅メッキ浴を用いて、基本的に、温度50℃、陰極電流密度1.0A/dm2の条件で銅メッキを行った。但し、実施例8では、陰極電流密度を0.5A/dm2に設定した。
上記銅メッキによって形成された各電着皮膜を素地から引き剥がし、沸騰水中で1時間熟成した後、得られた銅箔を長さ30mm、幅6mmで、長手方向の中央部に位置する測定部分が幅4.23mmに両脇から湾曲状に細く絞り込まれたダンベル形状に打ち抜いて、試験片とした。
そして、デジタル式荷重測定機(商品名1310−DW;アイコーエンジニアリング社製)を用いて、引張り速度2mm/分の条件でこの試験片が破断するまでの応力−歪み曲線を測定して、引張り強度並びに伸びを求めた。
【0079】
(1)引張り強度試験例
引っ張り強度は、試験片に負荷された最大荷重を試験片の最も狭い部分(幅4.23mmの部分)の原断面積で除して、算出した。
当該引張り強度の評価基準は下記の通りである。
◎:50kg/mm2以上であった。
○:18〜50kg/mm2であった。
△:10〜18kg/mm2であった。
×:10kg/mm2より低かった。
(2)伸び試験例
試験前のチャック間距離(10mm)に対する破断位置までの歪み量の百分率(%)で示した。
当該引張り強度の評価基準は下記の通りである。
◎:5%以上であった。
○:1.6〜5%であった。
×:1.6%より低かった。
【0080】
図1〜図2の最左欄及び中央左欄はその結果であり、実施例1〜23の各メッキ浴から得られた銅の電着皮膜の引張り強度と伸びの両方の機械的性質は、共に全て○以上の評価であった。具体的には、メッキ皮膜の引張り強度は18kg/mm2以上、伸びは1.6%以上を示した。
特に、2,2′−ビピリジルとグリシンを併用した実施例1、3、18〜19、及び22〜23、1,10−フェナントロリンとグリシンを併用した実施例5及び11、或は2,2′−ビピリジルとアラニンを併用した実施例6では、夫々フェナントロリン類の濃度は0.13〜0.32mmol/L、アミノ酸類の濃度は0.2〜0.5mol/Lの範囲内にあり、各実施例の引張り強度と伸びは共に◎の評価であった。
従って、実施例1〜23の各メッキ浴から得られた銅メッキ皮膜の機械的性質は、全般的に、市販の高延性電解銅箔に比べても遜色がないか、それ以上の物性を具備していた。
【0081】
そこで、陰極電流密度の固定条件下で、所定の窒素含有複素環式化合物(具体的には、2,2′−ビピリジル)とアミノ酸類(具体的には、グリシン)のうち、アミノ酸類の濃度(0.3mol/L)が一定であり、窒素含有複素環式化合物の濃度が変化している例(0→10→20→30→50mg/L)として、実施例1、実施例17〜19、比較例2を抽出し、窒素含有複素環式化合物の濃度と皮膜の引張り強度、或は伸びの関係をまとめたものが図3である。図3によると、皮膜の引張り強度及び伸びは、夫々窒素含有複素環式化合物の濃度の増加に伴って山形のピークをなしつつ、比較的高い水準を推移した。即ち、窒素含有複素環式化合物の濃度は皮膜の引張り強度並びに伸びに強く影響し、当該濃度が所定以上の適正範囲にあり、且つ、その範囲が微量域に抑制されると、引張り強度及び伸びの両方が向上することが明らかになった。
逆に、陰極電流密度の固定条件下で、窒素含有複素環式化合物の濃度(30mg/L)が一定であり、アミノ酸類の濃度が変化している例(0→0.1→0.2→0.3mol/L)として、実施例1、実施例20〜21、比較例1を抽出し、アミノ酸類の濃度と皮膜の引張り強度、或は伸びの関係をまとめたものが図4である。図4によると、皮膜の引張り強度と伸びは、夫々アミノ酸類の濃度にほぼ比例して(曲線的に)増加しており、やはり、アミノ酸類の濃度も皮膜の引張り強度及び伸びに強く影響し、当該濃度が所定以上の適正範囲にあると、引張り強度及び伸びの両方が向上することが明らかになった。
【0082】
これに対して、窒素含有複素環式化合物とアミノ酸類のいずれか一方が欠落した比較例1〜2では、引張り強度と伸びは共に×の評価であった。これにより、窒素含有複素環式化合物とアミノ酸類の組み合わせの優位性が明らかになった。
また、窒素含有複素環式化合物とアミノ酸類を併用しても、窒素含有複素環式化合物の濃度が本発明の適正範囲から上限側に外れた比較例3及び5では、引張り強度は△、伸びは×であり、逆に、下限側に外れた比較例4では、引張り強度及び伸び共に×であった。これにより、窒素含有複素環式化合物の濃度を適正な微量範囲に抑制することの優位性が明らかになった。
さらに、比較例6は、窒素含有複素環式化合物とアミノ酸類を併用し、窒素含有複素環式化合物の濃度は本発明の適正な微量範囲内にあるが、銅メッキ浴がポリアミン類の錯体浴ではなく、EDTA錯体浴であるため、得られた皮膜の引張り強度は△、伸びは×であった。これにより、ポリアミン類の錯体浴の優位性が明らかになった。
ちなみに、比較例7は従来技術1に記載された実施例3に相当し、2,2′−ビピリジルの濃度が本発明の適正範囲より過剰である銅のEDTA錯体浴であり、引張り強度は◎であったが、伸びは×であった。
以上のように、銅のポリアミン類錯体浴を前提として、窒素含有複素環式化合物とアミノ酸類を組み合わせ、且つ、窒素含有複素環式化合物の濃度を微量範囲に抑制した銅メッキ浴では、銅メッキ皮膜の引張り強度と伸びの機械的性質を共に円滑に改善できた。これにより、半導体デバイスの銅配線形成などに当該メッキ浴を適用した場合には、製品の信頼性を円滑に向上できるため、高密度実装化した半導体デバイスにも充分に対応できる。
【0083】
《銅メッキ浴の均一電着性試験例》
前述したように、均一電着性は浴の電気伝導率と分極抵抗の積で決まる。
従って、本試験例では、実施例1〜23並びに比較例1〜7の各銅メッキ浴の電気伝導率を測定することにより、均一電着性の指標とした。
当該均一電着性の評価基準は次の通りである。
○:200mS/cm以上であった。
△:50〜200mS/cmであった。
×:50mS/cmより低かった。
【0084】
図1の中央右欄はその試験結果を示す。導電性塩を1.5mol/L含有した実施例1〜2、実施例4、実施例6〜23では、すべて○の評価であった。導電性塩を添加しなかった実施例3と、導電性塩を0.5mol/L、或は0.8mol/L含有した実施例22、実施例5では、△の評価であった。
そこで、導電性塩の濃度が変化している例(0→0.5→1.0→1.5mol/L)として、実施例1、実施例3、実施例22〜23を抽出して、導電性塩の濃度とメッキ浴の電気伝導率の関係をまとめたものが図5である。図5によると、導電性塩の濃度にほぼ比例して電気伝導率が増加し、導電性塩の濃度の多い方が均一電着性への寄与が大きいことが明らかになった。
従って、銅メッキ浴に導電性塩を添加すると、特に、半導体デバイスの微細スリット及びコンタクトホール部のつき回り性(いわば、微視的な均一電着性)を改善でき、その濃度が増すほど当該均一電着性は一層向上する。
【0085】
《銅メッキ浴のスライム発生状況の試験例》
実施例1〜23並びに比較例1〜7の各銅メッキ浴を用いた前記条件による電気メッキに際して、陽極に金属酸化物などのスライムが発生する度合を目視観察した。
スライム発生度合の評価基準は次の通りである。
○:スライムの発生が認められず。
△:スライムがわずかに発生した。
×:スライムが多く発生した。
【0086】
図1の最右欄はその結果であり、実施例1〜23は全て○の評価であった。
これに対して、EDTA錯体浴である比較例6〜7では、×の評価であった。
即ち、陽極スライムの発生を有効に防止する観点からすると、ポリアミン類の錯体浴である実施例1〜23は、EDTAの錯体浴である比較例6〜7に対して、その優位性が明らかになった。従って、電子部品などに本発明の銅メッキを適用した場合、電子部品などにスライムが付着することがなく、製品の信頼性が高く保持でき、前記高密度実装品にも充分に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1〜23の各電気銅メッキ浴から得られたメッキ皮膜の引張り強度、伸び、均一電着性、スライム発生状況などの試験結果を示す図表である。
【図2】 比較例1〜7に関する図1の相当図である。
【図3】 アミノ酸類の濃度を一定にして、電気銅メッキ浴に含有する所定の窒素含有複素環式化合物の濃度を変化させた際の、窒素含有複素環式化合物の濃度と浴から得られた銅メッキ皮膜の引張り強度又は伸びの関係図である。
【図4】 窒素含有複素環式化合物の濃度を一定にして、電気銅メッキ浴に含有するアミノ酸類の濃度を変化させた際の、アミノ酸類の濃度と得られた銅メッキ皮膜の引張り強度又は伸びの関係図である。
【図5】 電気銅メッキ浴における導電性塩の濃度と電気伝導率の関係図である。
Claims (8)
- (A)可溶性銅塩、
(B)メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、ヘキサメチレンテトラミンよりなる群から選ばれたメチレン鎖を基本骨格とする分子内に複数個のアミノ基を有し、それ以外の官能基を有しないポリアミン類、
(C)1,10−フェナントロリン、2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジヒドロキシフェナントロリン、3,4,7,8−テトラメチルフェナントロリン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジフェニル−2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン−ジスルホン酸、4,7−ジフェニル−2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン−ジスルホン酸、2,2′−ビピリジル、4,4′−ビピリジル、2,2′,2′′−テルピリジル、2,2′−ジキノリンよりなる群から選ばれた窒素含有複素環式化合物、
(D)グリシン、アラニン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸よりなる群から選ばれたアミノ酸類
を含有してなり、
上記(C)の窒素含有複素環式化合物の濃度が0.003〜3mmol/Lであり、イオウ化合物を含まないことを特徴とする電気銅メッキ浴。 - (A)可溶性銅塩、
(B)エチレンジアミン、
(C)ビピリジル、
(D)グリシン
を含有してなり、
上記(C)のビピリジルの濃度が0.003〜3mmol/Lであり、イオウ化合物を含まないことを特徴とする電気銅メッキ浴。 - (A)可溶性銅塩、
(B)メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、ヘキサメチレンテトラミンよりなる群から選ばれたメチレン鎖を基本骨格とする分子内に複数個のアミノ基を有し、それ以外の官能基を有しないポリアミン類、
(C)1,10−フェナントロリン、2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジヒドロキシフェナントロリン、3,4,7,8−テトラメチルフェナントロリン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジフェニル−2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン−ジスルホン酸、4,7−ジフェニル−2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン−ジスルホン酸、2,2′,2′′−テルピリジル、及び2,2′−ジキノリンよりなる群から選ばれた窒素含有複素環式化合物、
(D)グリシン、アラニン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸よりなる群から選ばれたアミノ酸類
を含有してなり、
上記(C)の窒素含有複素環式化合物の濃度が0.003〜3mmol/Lであり、イオウ化合物を含まないことを特徴とする電気銅メッキ浴。 - (C)の窒素含有複素環式化合物、又はビピリジルの濃度が0.006〜0.64mmol/Lであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気銅メッキ浴。
- (C)の窒素含有複素環式化合物、又はビピリジルの濃度が0.06〜0.32mmol/Lであることを特徴とする請求項4に記載の電気銅メッキ浴。
- (D)のアミノ酸類、又はグリシンの濃度が、0.01〜1.0mol/Lであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気銅メッキ浴。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のメッキ浴に、さらに硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、塩化カリウム、塩化カルシウムなどの導電性塩を含有することを特徴とする電気銅メッキ浴。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気銅メッキ浴を用いて、ウエハー上に銅の電着皮膜を施すことを特徴とする銅配線形成した半導体デバイス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08282399A JP4258011B2 (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | 電気銅メッキ浴及び当該メッキ浴により銅配線形成した半導体デバイス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08282399A JP4258011B2 (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | 電気銅メッキ浴及び当該メッキ浴により銅配線形成した半導体デバイス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000273684A JP2000273684A (ja) | 2000-10-03 |
JP4258011B2 true JP4258011B2 (ja) | 2009-04-30 |
Family
ID=13785135
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08282399A Expired - Fee Related JP4258011B2 (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | 電気銅メッキ浴及び当該メッキ浴により銅配線形成した半導体デバイス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4258011B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019123927A (ja) * | 2018-01-15 | 2019-07-25 | 国立大学法人京都大学 | 金属または金属塩の溶解用溶液およびその利用 |
Families Citing this family (19)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002090623A1 (fr) * | 2001-05-09 | 2002-11-14 | Ebara-Udylite Co., Ltd. | Bain galvanoplastique et procede pour substrat de galvanoplastie faisant appel audit bain |
JP4709575B2 (ja) * | 2005-04-15 | 2011-06-22 | 福田金属箔粉工業株式会社 | 銅箔の粗面化処理方法及び粗面化処理液 |
JP4770272B2 (ja) * | 2005-05-27 | 2011-09-14 | 凸版印刷株式会社 | 銅めっき浴の管理方法及び銅めっき被膜の製造方法 |
JP4770271B2 (ja) * | 2005-05-27 | 2011-09-14 | 凸版印刷株式会社 | 銅めっき浴の管理方法及び銅めっき被膜の製造方法 |
FR2890984B1 (fr) * | 2005-09-20 | 2009-03-27 | Alchimer Sa | Procede d'electrodeposition destine au revetement d'une surface d'un substrat par un metal. |
FR2890983B1 (fr) | 2005-09-20 | 2007-12-14 | Alchimer Sa | Composition d'electrodeposition destinee au revetement d'une surface d'un substrat par un metal. |
JP4824379B2 (ja) * | 2005-10-05 | 2011-11-30 | 株式会社Adeka | 電解銅メッキ用添加剤、電解銅メッキ浴及び電解銅メッキ方法 |
WO2007145164A1 (ja) * | 2006-06-12 | 2007-12-21 | Nippon Mining & Metals Co., Ltd. | 粗化処理面を備えた圧延銅又は銅合金箔及び圧延銅又は銅合金箔の粗化方法 |
JP5750626B2 (ja) * | 2010-03-19 | 2015-07-22 | 石原ケミカル株式会社 | 電気銅メッキ方法 |
JP5864161B2 (ja) * | 2011-08-23 | 2016-02-17 | 石原ケミカル株式会社 | 銅フィリング方法及び当該方法を適用した電子部品の製造方法 |
JP5505392B2 (ja) | 2011-10-04 | 2014-05-28 | 株式会社デンソー | 複合材料、及びこれを用いた電気接点電極、電気接点皮膜、導電性フィラー、電気接点構造、並びに複合材料の製造方法 |
JP5952093B2 (ja) * | 2012-05-31 | 2016-07-13 | ローム・アンド・ハース電子材料株式会社 | 電解銅めっき液及び電解銅めっき方法 |
CN103046089B (zh) * | 2012-12-28 | 2015-06-24 | 广东达志环保科技股份有限公司 | 一种功能性铜的电镀液及其方法 |
KR102312018B1 (ko) * | 2013-12-09 | 2021-10-13 | 아베니 | 전기화학적 불활성 양이온을 함유하는 구리 전착 배쓰 |
JP6530189B2 (ja) * | 2014-12-26 | 2019-06-12 | ローム・アンド・ハース電子材料株式会社 | 電気銅めっき液 |
US10057985B2 (en) | 2016-06-10 | 2018-08-21 | Denso Corporation | Printed substrate and electronic device |
US10027048B2 (en) | 2016-06-10 | 2018-07-17 | Denso Corporation | Electrical component and electronic device |
JP6981045B2 (ja) * | 2016-06-10 | 2021-12-15 | 株式会社デンソー | プリント基板及び電子装置 |
CN114990647A (zh) * | 2022-08-01 | 2022-09-02 | 深圳市创智成功科技有限公司 | 一种环保型通孔填孔脉冲电镀铜溶液及其电镀方法 |
-
1999
- 1999-03-26 JP JP08282399A patent/JP4258011B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019123927A (ja) * | 2018-01-15 | 2019-07-25 | 国立大学法人京都大学 | 金属または金属塩の溶解用溶液およびその利用 |
JP7095867B2 (ja) | 2018-01-15 | 2022-07-05 | 国立大学法人京都大学 | 金属または金属塩の溶解用溶液およびその利用 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000273684A (ja) | 2000-10-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4258011B2 (ja) | 電気銅メッキ浴及び当該メッキ浴により銅配線形成した半導体デバイス | |
US7695605B2 (en) | Tin plating method | |
JP4799887B2 (ja) | 電気銅メッキ浴、並びに銅メッキ方法 | |
JP5574912B2 (ja) | スズめっき液 | |
KR101429544B1 (ko) | 금속 도금 조성물 | |
JP2009532586A (ja) | 電解銅めっき方法 | |
JP2004204351A (ja) | 逆パルスめっき組成物および逆パルスメッキ方法 | |
EP3162921A1 (en) | Method of electroplating copper into a via on a substrate from an acid copper electroplating bath | |
US20070012576A1 (en) | Plating method | |
US20070068823A1 (en) | Tin electroplating solution and tin electroplating method | |
JP2006529005A (ja) | 高純度スルホン酸電解質溶液 | |
JP3498306B2 (ja) | ボイドフリー銅メッキ方法 | |
WO2002055762A2 (en) | Electrochemical co-deposition of metals for electronic device manufacture | |
KR102527434B1 (ko) | 수성 인듐 또는 인듐 합금 도금 욕조 및 인듐 또는 인듐 합금의 침착을 위한 방법 | |
US20140098504A1 (en) | Electroplating method for printed circuit board | |
US20080087549A1 (en) | Additive For Copper Plating And Process For Producing Electronic Circiut Substrate Therewith | |
JP5750626B2 (ja) | 電気銅メッキ方法 | |
KR102579984B1 (ko) | 전기 구리 도금욕 및 전기 구리 도금 피막 | |
JP4147359B2 (ja) | 置換金メッキ浴及び当該浴を用いた金メッキ方法 | |
TWI694178B (zh) | 使用銨鹽之鍍敷液 | |
JP3538499B2 (ja) | 錫−銀合金電気めっき浴 | |
JP2004250791A (ja) | 電気めっき組成物 | |
JP2004107738A (ja) | 酸性銅めっき浴用添加剤及び該添加剤を含有する酸性銅めっき浴並びに該めっき浴を用いるめっき方法 | |
KR102023381B1 (ko) | 1,10-페난트롤린 화합물을 함유하는 인듐 전기도금 조성물 및 인듐의 전기도금 방법 | |
JP4809546B2 (ja) | 有機溶媒を用いたボイドフリー銅メッキ方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060315 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20060317 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080424 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080930 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081121 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090113 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090123 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120220 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 4258011 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150220 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |