JP4809546B2 - 有機溶媒を用いたボイドフリー銅メッキ方法 - Google Patents

有機溶媒を用いたボイドフリー銅メッキ方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メタノール、イソプロピルアルコール等の有機溶媒を用いたボイドフリーの電気銅メッキ方法に関し、銅メッキ処理とそれに先立つ前処理に用いる各液の含有成分を界面活性剤の有無で差別化するとともに、この前処理液或は銅メッキ液にアルコールなどの有機溶媒を含有させることにより、銅メッキ皮膜のレベリング性を良好に確保しながら、当該皮膜にボイド(空洞)が発生するのを高度に防止できるメッキ方法を提供する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、実用水準を満たす銅メッキ皮膜の条件としては、光沢性に優れるだけでは充分でなく、被メッキ物の素地表面を微視的に観察した場合、その凹部には比較的厚く、逆に、凸部には比較的薄く夫々皮膜形成されて、皮膜表面が平滑に仕上げられていることが必要である。
この平滑仕上げ(レベリング性:Leveling)を確保する目的で添加されるのがレベラーであり、塩化ナトリウム、エピクロルヒドリンなどの塩化物、高分子界面活性剤、アゾ染料などの窒素系有機化合物、或はイオウ化合物などがレベラーとして使用されている(特開平7−316876号公報、特公昭47−28581号公報、特開昭52−108340号公報などを参照)。
【0003】
ところが、従来の銅メッキ浴で電気メッキを行うと、メッキ皮膜にボイドが発生することが多く、各種レベラーを含有した上記公報の銅メッキ浴においてもこの例外ではない。
プリント基板などに形成した銅メッキ皮膜にボイドが発生すると、配線抵抗の増大やEM(Electric Migration)耐性の低減などの悪影響をもたらすため、銅メッキ皮膜のレベリング性などを良好に確保しながら、ボイドを有効に防止することが強く要請される。
【0004】
【先行の技術】
本出願人は、先に、界面活性剤に属するポリエチレングリコール(PEG)を平均分子量を変えながら添加し、或は添加しない銅メッキ浴で電気メッキを行って、銅メッキ皮膜におけるボイドの発生状況を観察したところ、PEGの平均分子量が大きくなるほどボイド数が増し、逆に、平均分子量が小さいほどボイド数が減少するとともに、PEGを添加しない場合にはボイドが発生しないという結果を得た。
【0005】
そこで、この観察結果に鑑み、前記レベリング性の向上とボイドの防止を目的として、本出願人は特願2000−278827号(以下、先行技術1という)で、最初に、界面活性剤、塩化物、窒素系有機化合物、イオウ化合物などのレベラーを含有する前処理液に被メッキ物を予め浸漬し、或は、この前処理液で予備メッキを行い、次いで、界面活性剤を含有しない銅メッキ液で電気銅メッキを行うという一液前処理方式のボイドフリー銅メッキ方法を提案した。
【0006】
また、本出願人は特願2001−60017号(以下、先行技術2という)で、レベラーとして列挙した界面活性剤、塩化物、窒素系有機化合物、イオウ化合物は前処理後の銅メッキに際して、銅の析出への関与に差異があること、特に、界面活性剤はそれ以外のレベラーとは異なる関与をするという知見を得たため、上記先行技術1の前処理液を、界面活性剤以外のレベラーを含有する第一前処理液と、界面活性剤を含有する第二前処理との2液に分割するとともに、被メッキ物を界面活性剤を含有しない第一前処理液で処理した後に、界面活性剤を含有する第二前処理液で処理するという、いわば2段階前処理方式のボイドフリー銅メッキ方法を提案した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記先行技術1は前処理を行わない通常の銅メッキ方法に比べるとボイドの発生を円滑に防止でき、上記先行技術2はボイド防止の観点でこの先行技術1よりさらなる改善が期待できるのである。
しかしながら、最近の基板、各種ウエハーなどを初めとする電子部品の高密度化、多機能化、高実装化などに伴う信頼性向上の一層の要求に鑑みると、レベリング性を良好に確保しながら、より高度にボイドの発生を防止することが強く求められる状況にあり、本発明もこの点を技術的課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記先行技術2において、2分割方式の前処理液、特に、第一前処理液にメタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコールを含有させると、ボイドの発生防止に大きく寄与することを突き止めた。
そこで、このアルコールを含有させる対象を前処理工程と銅メッキ工程との間で互換してボイドの発生状況を鋭意研究した結果、アルコールの必須含有対象を銅メッキ液の方に移行させると、銅メッキ皮膜のボイド発生を高度に防止できること、また、一液前処理方式の先行技術1にあっても、アルコールを銅メッキ液又は前処理液に含有することが同様に高度の防止につながることを見い出し、本発明を完成した。
【0009】
即ち、本発明1は、界面活性剤、塩化物、窒素系有機化合物、イオウ化合物よりなる群から選ばれた前処理用添加剤の少なくとも一種を含有するボイドフリー銅メッキ用の前処理液に被メッキ物を浸漬した後、界面活性剤を含有しない銅メッキ液で電気銅メッキを施す方法において、
上記前処理液と銅メッキ液の少なくとも一方にメタノール、イソプロピルアルコール、エタノール、n−プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、アセトン、エチルエーテル、クロロホルム、メチレンクロライド、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレンよりなる群から選ばれた有機溶媒を含有することを特徴とする有機溶媒を用いたボイドフリー銅メッキ方法である。
【0010】
本発明2は、界面活性剤、塩化物、窒素系有機化合物、イオウ化合物よりなる群から選ばれた前処理用添加剤のうち、界面活性剤を含有せずにそれ以外の前処理用添加剤を含有する第一前処理液と、界面活性剤を含有する第二前処理液とを分けて調製し、被メッキ物を第一前処理液に浸漬してから第二前処理液に浸漬した後、界面活性剤を含有しない銅メッキ液で電気銅メッキを施す方法において、
上記銅メッキ液にメタノール、イソプロピルアルコール、エタノール、n−プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、アセトン、エチルエーテル、クロロホルム、メチレンクロライド、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレンよりなる群から選ばれた有機溶媒を含有することを特徴とする有機溶媒を用いたボイドフリー銅メッキ方法である。
【0011】
本発明3は、上記本発明1において、前処理液にさらに可溶性銅塩及び酸を含有し、被メッキ物を前処理液に浸漬する代わりに、当該前処理液で被メッキ物に予備の電気銅メッキを施すことを特徴とする有機溶媒を用いたボイドフリー銅メッキ方法である。
【0012】
本発明4は、上記本発明2において、第一前処理液と第二前処理液の少なくとも一方にさらに可溶性銅塩及び酸を含有し、第一前処理液と第二前処理液のうちの可溶性銅塩及び酸を含有した方の前処理液に被メッキ物を浸漬する代わりに、当該前処理液で被メッキ物に予備の電気銅メッキを施すことを特徴とする有機溶媒を用いたボイドフリー銅メッキ方法である。
【0013】
本発明5は、上記本発明1〜4のいずれかにおいて、被メッキ物が、ビルドアップ構造を有する基板、ウエハーであることを特徴とする有機溶媒を用いたボイドフリー銅メッキ方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明は、第一に、ビルドアップ基板、各種ウエハーなどの被メッキ物(例えば、銅或は銅合金などを素地表面とするものが好ましい)を前処理用添加剤、即ち、レベラーの含有された前処理液に浸漬した後、界面活性剤を含有しない銅メッキ液で電気銅メッキを施す一液前処理方式のボイドフリー銅メッキ方法において、メタノール、イソプロピルアルコールなどの有機溶媒を上記銅メッキ液及び/又は前処理液に含有させるものであり、第二に、界面活性剤以外の前処理用添加剤(=レベラー)を含有する第一前処理液に上記被メッキ物を浸漬してから、界面活性剤を含有する第二前処理液に浸漬した後、界面活性剤を含有しない銅メッキ液で電気銅メッキを施す2段階前処理方式のボイドフリー銅メッキ方法において、メタノール、イソプロピルアルコールなどの有機溶媒を上記銅メッキ液に含有させるものである。
従って、上記2段階前処理方式では、被メッキ物を第二前処理液に浸漬した後に、第一前処理液に浸漬する方法は排除される。
【0015】
上記有機溶媒は、被メッキ物の素地表面、特にビア内壁にレベラーを付着・浸透させる目的で含有され、メタノール、イソプロピルアルコール、エタノール、n−プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコールなどのアルコール類を初めとして、アセトン、エチルエーテル、クロロホルム、メチレンクロライド、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレンから選択し、これらを単用又は併用できるが、メタノール、イソプロピルアルコールなどが好ましい。
この有機溶媒は、上記一液前処理方式では、前処理液又は銅メッキ液のいずれに含有させても良いし、両方の液に含有させても良い。
また、上記2段階前処理方式では、有機溶媒は銅メッキ液を必須対象として含有されるのであって、銅メッキ液に含有させず、第一前処理液及び/又は第二前処理液にのみ含有させる方法は本発明から排除される。但し、当該有機溶媒が銅メッキ液に含有されていれば、第一前処理液及び/又は第二前処理液への有機溶媒の含有の有無は制限されない。
一液前処理方式での銅メッキ液又は前処理液に対する有機溶媒の含有量、或は、2段階前処理方式での銅メッキ液に対する当該含有量は、夫々50〜500ml/L程度が好ましい。
【0016】
上記前処理用添加剤であるレベラーは、前述したように、通常、メッキ皮膜のレベリング性を確保する目的で含有される添加剤であり、上記一液前処理方式では、界面活性剤、塩化物、窒素系有機化合物、イオウ化合物よりなる群から選ばれた化合物の少なくとも一種をボイドフリー銅メッキ用の前処理液に含有させる。
また、2段階前処理方式では、第一前処理液に界面活性剤以外のレベラーの少なくとも一種を含有させる。従って、塩化物、窒素系有機化合物、イオウ化合物の3成分全てを含有しても良いし、当該3成分の中から選択した2成分か、1成分だけを含有しても差し支えない。
2段階前処理方式での第二前処理液には少なくとも界面活性剤を含有し、界面活性剤のみを含有するのが好ましいが、界面活性剤以外に、塩化物、窒素系有機化合物、イオウ化合物の少なくとも一種を含有しても差し支えなく、その場合の有利な追加成分は塩化物である。
一方、一液前処理、又は2段階前処理後の銅メッキ液には、界面活性剤を含有しない。当該銅メッキ液には界面活性剤以外のレベラーも含有しない方が好ましいが、これらのレベラーの含有を排除するものではない。
【0017】
上記塩化物はメッキ浴中で塩素イオンを供給可能な化合物を意味し、塩化ナトリウム、塩化水素、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化銅などが挙げられる。第4アルキルアンモニウムクロリド、クロル酢酸などの塩素系有機化合物などであっても良い。
【0018】
上記窒素系有機化合物は、染料或はその誘導体、アミド系化合物、チオアミド系化合物、アニリン又はピリジン環を有する化合物、各種複素単環式化合物、各種縮合複素環式化合物、アミノカルボン酸類などであり、具体的には、C.I.(Color Index)ベーシックレッド2、トルイジンブルーなどのトルイジン系染料、C.I.ダイレクトイエロー1、C.I.ヤーナスグリーンB、C.I.ベーシックブラック2などのアゾ系染料、3−アミノ−6−ジメチルアミノ−2−メチルフェナジン一塩酸などのフェナジン系染料、コハク酸イミド、2′−ビス(2−イミダゾリン)などのイミダゾリン類、イミダゾール類、ベンゾイミダゾール類、インドール類、2−ビニルピリジン、4−アセチルピリジン、4−メルカプト−2−カルボキシルピリジン、2,2′−ビピリジル、フェナントロリンなどのピリジン類、キノリン類、イソキノリン類、アニリン、チオ尿素、ジメチルチオ尿素などのチオ尿素類、3,3′,3′′−ニトリロ三プロピオン酸、ジアミノメチレンアミノ酢酸、グリシン、N−メチルグリシン、ジメチルグリシン、β−アラニン、システイン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アミノ吉草酸、オルニチンなどが挙げられる。
なかでも、C.I.ベーシックレッド2などのトルイジン染料、C.I.ダイレクトイエロー1、C.I.ヤーナスグリーンBなどのアゾ染料、3−アミノ−6−ジメチルアミノ−2−メチルフェナジン一塩酸などのフェナジン系染料、2′−ビス(2−イミダゾリン)などのイミダゾリン類、ベンゾイミダゾール類、2−ビニルピリジン、4−アセチルピリジン、2,2′−ビピリジル、フェナントロリンなどのピリジン類、キノリン類、アニリン、チオ尿素、ジメチルチオ尿素などのチオ尿素類、アミノメチレンアミノ酢酸などのアミノカルボン酸類が好ましい。
【0019】
上記イオウ化合物は、チオ尿素類、メルカプタン類、メルカプトスルホン酸類、ベンゾチアゾール類、スルフィド類、チオフェン類、ベンゾチオフェン類などであり、具体的には、チオ尿素、1,3―ジメチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジエチルチオ尿素、N,N′―ジイソプロピルチオ尿素、アリルチオ尿素、アセチルチオ尿素、エチレンチオ尿素、1,3―ジフェニルチオ尿素、二酸化チオ尿素、チオセミカルバジドなどのチオ尿素誘導体、チオフェノール、o、m又はp−ジメルカプトベンゼン、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、t−ブチルメルカプタン、チオグリコール酸、3−メルカプトプロピオン酸などのメルカプタン類、ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド、2,2′−(又は4,4′−)ジピリジルスルフィド、2,2′−ジチオジアニリン、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ジエチルスルフィド、イソプロピルスルフィド、ジフェニルスルフィド、イソブチルエチルスルフィド、2,2′−チオジグリコール酸、3,3′−チオジプロピオン酸、2,2′−チオジグリコール、ジメチルジスルフィド、ジエチルジスルフィド、ジフェニルジスルフィドなどのスルフィド類、チオグリコール、チオグリコール酸、3−メルカプトプロパン−1−スルホン酸ナトリウム、ジ−n−ピロピル−チオエーテル−ジ−3−スルホン酸(2ナトリウム塩)、ビス(3−スルホプロピル)ジサルファイド(2ナトリウム塩)、3−(ベンゾチアゾリル−2−チオ)ピロピルスルホン酸(2ナトリウム塩)などのメルカプタン類などが挙げられる。
なかでも、チオ尿素類、ベンゾチアゾール類、メルカプタン類、スルフィド類などが好ましい。
【0020】
上記界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系、或は両性の各種界面活性剤が挙げられ、特にノニオン系界面活性剤が好ましい。
当該ノニオン系界面活性剤は高分子界面活性剤を包含する概念であり、具体的には、ポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリアクリルアミドなどであり、また、C1〜C20アルカノール、フェノール、ナフトール、ビスフェノール類、C1〜C25アルキルフェノール、アリールアルキルフェノール、C1〜C25アルキルナフトール、C1〜C25アルコキシル化リン酸(塩)、ソルビタンエステル、スチレン化フェノール、ポリアルキレングリコール、C1〜C22脂肪族アミン、C1〜C22脂肪族アミドなどにエチレンオキシド(EO)及び/又はプロピレンオキシド(PO)を2〜300モル付加縮合したものである。
但し、上記付加縮合物では、所定のアルカノール、フェノール、ナフトールなどのEO単独の付加物、PO単独の付加物、或は、EOとPOが共存した付加物のいずれでも良い。
【0021】
エチレンオキシド(EO)及び/又はプロピレンオキシド(PO)を付加縮合させるC1〜C20アルカノールとしては、オクタノール、デカノール、ラウリルアルコール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、ステアリルアルコール、エイコサノール、セチルアルコール、オレイルアルコール、ドコサノールなどが挙げられる。
同じくビスフェノール類としては、ビスフェノールA、ビスフェノールBなどが挙げられる。
1〜C25アルキルフェノールとしては、モノ、ジ、若しくはトリアルキル置換フェノール、例えば、p−ブチルフェノール、p−イソオクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−ヘキシルフェノール、2,4−ジブチルフェノール、2,4,6−トリブチルフェノール、p−ドデシルフェノール、p−ラウリルフェノール、p−ステアリルフェノールなどが挙げられる。
アリールアルキルフェノールとしては、2−フェニルイソプロピルフェニルなどが挙げられる。
【0022】
1〜C25アルキルナフトールのアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチルヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、オクタデシルなどが挙げられ、ナフタレン核の任意の位置にあって良い。
1〜C25アルコキシル化リン酸(塩)は、下記の一般式(a)で表されるものである。
Ra・Rb・(MO)P=O …(a)
(式(a)中、Ra及びRbは同一又は異なるC1〜C25アルキル、但し、一方がHであっても良い。MはH又はアルカリ金属を示す。)
【0023】
ソルビタンエステルとしては、モノ、ジ又はトリエステル化した1,4−、1,5−又は3,6−ソルビタン、例えばソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンジオレエート、ソルビタン混合脂肪酸エステルなどが挙げられる。
1〜C22脂肪族アミンとしては、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミンなどの飽和及び不飽和脂肪酸アミンなどが挙げられる。
1〜C22脂肪族アミドとしては、プロピオン酸、酪酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などのアミドが挙げられる。
【0024】
上記カチオン系界面活性剤としては、下記の一般式(b)で表される第4級アンモニウム塩
(R1・R2・R3・R4N)+・X- …(b)
(式(b)中、Xはハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C5アルカンスルホン酸又は硫酸、R1、R2及びR3は同一又は異なるC1〜C20アルキル、R4はC1〜C10アルキル又はベンジルを示す。)
或は、下記の一般式(c)で表されるピリジニウム塩などが挙げられる。
6−(C64N−R5)+・X- …(c)
(式(c)中、C64Nはピリジル基、Xはハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C5アルカンスルホン酸又は硫酸、R5はC1〜C20アルキル、R6はH又はC1〜C10アルキルを示す。)
【0025】
塩の形態のカチオン系界面活性剤の例としては、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、ラウリルジメチルエチルアンモニウム塩、オクタデシルジメチルエチルアンモニウム塩、ジメチルベンジルラウリルアンモニウム塩、セチルジメチルベンジルアンモニウム塩、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム塩、トリメチルベンジルアンモニウム塩、トリエチルベンジルアンモニウム塩、ヘキサデシルピリジニウム塩、ラウリルピリジニウム塩、ドデシルピリジニウム塩、ステアリルアミンアセテート、ラウリルアミンアセテート、オクタデシルアミンアセテートなどが挙げられる。
【0026】
上記アニオン系界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、(モノ、ジ、トリ)アルキルナフタレンスルホン酸塩などが挙げられる。アルキル硫酸塩としては、ラウリル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウムなどが挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩としては、ポリオキシエチレン(EO12)ノニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(EO15)ドデシルエーテル硫酸ナトリウムなどが挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩としては、ポリオキシエチレン(EO15)ノニルフェニルエーテル硫酸塩などが挙げられる。アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。また、(モノ、ジ、トリ)アルキルナフタレンスルホン酸塩としては、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0027】
上記両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン、イミダゾリンベタイン、スルホベタイン、アミノカルボン酸などが挙げられる。また、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドとアルキルアミン又はジアミンとの縮合生成物の硫酸化、或はスルホン酸化付加物も使用できる。
【0028】
代表的なカルボキシベタイン、或はイミダゾリンベタインとしては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−ウンデシル−1−カルボキシメチル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−オクチル−1−カルボキシメチル−1−カルボキシエチルイミダゾリニウムベタインなどが挙げられ、硫酸化及びスルホン酸化付加物としてはエトキシル化アルキルアミンの硫酸付加物、スルホン酸化ラウリル酸誘導体ナトリウム塩などが挙げられる。
【0029】
上記スルホベタインとしては、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアンモニウム−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、N−ココイルメチルタウリンナトリウム、N−パルミトイルメチルタウリンナトリウムなどが挙げられる。
アミノカルボン酸としては、ジオクチルアミノエチルグリシン、N−ラウリルアミノプロピオン酸、オクチルジ(アミノエチル)グリシンナトリウム塩などが挙げられる。
【0030】
本発明2の2段階前処理方式では、第二前処理液の浸漬時間は第一前処理液のそれより短くするのが好ましい。例えば、第一前処理液の浸漬時間は30秒〜20分程度、第二前処理液のそれは5秒〜5分程度の範囲に各々設定して、第二前処理液より第一前処理液の方に長く浸漬するのである。これは、第二前処理液への浸漬時間を必要以上に長くしても効果にあまり差異がないことにもよる。
当該レベラーの一液方式での前処理液に対する含有量、或は、2段階方式での第一前処理液又は第二前処理液に対する含有量は0.1mg/L〜50g/Lであり、好ましくは、1mg/L〜10g/Lである。
【0031】
一液方式、又は2段階方式でのボイドフリー銅メッキ用の前処理液には、本発明3〜4に示すように、さらに可溶性銅塩及び酸を含有させることができる。2段階方式では、第一前処理液と第二前処理液のいずれか一方に含有させても良いし、両方の液に含有させても良い。
この場合の前処理液は、界面活性剤を除いて、銅メッキ液の組成に類似することになる。
上記可溶性銅塩は、安定な銅の水溶液が得られる化合物を意味し、硫酸銅、塩化銅、酸化銅、炭酸銅、酢酸銅、ピロリン酸銅、シュウ酸銅などが挙げられ、硫酸銅、酸化銅などが好ましい。
上記酸は、硫酸、塩酸、シュウ酸、酢酸、ピロリン酸などである。
可溶性銅塩の含有量は0.01〜3mol/Lであり、好ましくは、0.1〜1.5mol/Lである。
【0032】
本発明1〜2のボイドフリー銅メッキ方法は、被メッキ物を上記前処理液に浸漬した後に、銅メッキ液で電気メッキを施すものであるが、本発明3〜4に示すように、可溶性銅塩と酸を含む前処理液(2段階方式では、第一前処理液及び/又は第二前処理液)で予備メッキを施した後に、銅メッキ液で予備の電気銅メッキを施しても良いのである。
即ち、本発明の前処理は、浸漬処理と予備メッキ処理の両方を包含する概念である。
但し、一液方式、2段階方式を問わず、前処理液に可溶性銅塩と酸を含む場合でも、予備メッキを施す替わりに、浸漬処理を施すことも可能である。
【0033】
ボイドフリー銅メッキ用の一液前処理又は2段階前処理を行った被メッキ物は、好ましくは水洗した後に、銅メッキ液で通常の銅メッキが施される。
本発明では、銅メッキ液は、界面活性剤を含有しないことが必須条件であるが、それ以外の組成には特に限定はなく、様々な公知の銅メッキ液が適用できる。
従って、可溶性銅塩と酸以外にも、各種の添加剤を添加することができる。即ち、界面活性剤を含有しないという条件が満たされるならば、前述したように、前処理液に含有したレベラー(界面活性剤を除く、塩化物、窒素系有機化合物、或はイオウ化合物などの他の種類のレベラー)が前処理液との間で加重的に又は相互補完的に添加されても良く、また、pH調整剤、緩衝剤などの他の添加剤を添加することもできる。
さらに、銅メッキ液における陰極電流密度、浴温、メッキ時間などの電気メッキ条件は、特には限定されない。
【0034】
本発明の銅メッキ方法は任意の被メッキ物に適用できるが、本発明5に示すように、各種ウエハー、プリント基板(特に、マザーボードやCSP(Chip Size Package)等のビルドアップ構造を有する基板など)に好適である。
即ち、殊に、ビルドアップ基板はその構造上ビア(ブラインドビアと呼ばれる有底状の孔)を多く有することから、従来の銅メッキ方法ではこのビアにボイドが発生し易いが、本発明を適用することで、基板のレベリング性を良好に確保しながら、ボイドをより高度に防止できる。
【0035】
【発明の効果】
後述の試験例に示すように、本発明では、予め、界面活性剤以外のレベラーを含有する第一前処理液に被メッキ物を浸漬してから、界面活性剤を含有する第二前処理液に浸漬する2段階前処理を行った後、界面活性剤を含まない銅メッキ液で電気メッキを施すボイドフリー銅メッキ方法において、銅メッキ液にメタノール、イソプロピルアルコールなどの有機溶媒を含有させるため、これらの有機溶媒を使用しない場合、或は、前処理液だけに含有させた場合に比べて、銅メッキ皮膜のレベリング性を良好に保持しながら、ボイドの発生をより高度に防止できる。従って、各種ウエハー、基板などの電子部品の高密度化、多機能化、高実装化などに伴う信頼性向上の要求にも円滑に応えることができる。
また、一液前処理方式において、銅メッキ液及び/又は前処理液にメタノール、イソプロピルアルコールなどの有機溶媒を含有させた場合も、このレベリング性の確保と高度のボイド防止の点で、これらの有機溶媒を使用しない場合に比べて、同様の顕著な有効性が認められる。
尚、本発明では、前処理液で浸漬処理する代わりに、被メッキ物に予備メッキ処理を施しても、浸漬処理と同様の効果を奏し、銅メッキ皮膜のレベリング性を良好に保持しながら、ボイドの発生を高度に防止できる。
【0036】
【実施例】
以下、イソプロピルアルコール又はメタノールを用いた本発明のボイドフリー銅メッキ方法の実施例を順次述べるととともに、当該実施例で得られた銅メッキ皮膜についてのボイドの発生度合とレベリング性の試験例を説明する。
尚、本発明は下記の実施例及び試験例に拘束されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意の変形をなし得ることは勿論である。
【0037】
下記の実施例1〜11のうち、実施例1〜3及び8は一液前処理方式の例であり、実施例1はイソプロピルアルコールを銅メッキ液に含有した例、実施例2は前処理液に含有した例、実施例3と8は前処理液と銅メッキ液の両方に含有した例である。実施例1〜3は浸漬方式であり、実施例8は予備メッキ方式の例である。
また、実施例4〜7及び実施例8〜11は2段階前処理方式の例であり、実施例4と9はメタノールを銅メッキ液に含有した例、実施例5と10はイソプロピルアルコール又はメタノールを第一前処理液と銅メッキ液の両方に含有した例、実施例6は第二前処理液と銅メッキ液の両方に含有した例、実施例7と11は第一前処理液と第二前処理液と銅メッキ液の全てに含有した例である。実施例4〜7は浸漬方式であり、実施例9〜11は予備メッキ方式の例である。
一方、比較例1は前処理方式を採用しない通常の銅メッキ液にイソプロピルアルコールを含有した例、比較例2は一液前処理方式において前処理液と銅メッキ液のいずれにもアルコールを含有しない例、比較例3は2段階前処理方式において第一前処理液と第二前処理液と銅メッキ液のいずれにもアルコールを含有しない例、比較例4は冒述の先行技術2に準拠して2段階前処理方式において第一前処理液にだけイソプロピルアルコールを含有し、銅メッキ液には含有しない例である。
【0038】
以下の実施例1〜3と実施例8の一液前処理方式では、前処理液を用いて(1)の処理を行った後、銅メッキ液を用いて(2)の電気メッキを行った。一液前処理方式の比較例2も同様である。
また、実施例4〜7及び実施例8〜11の2段階前処理方式では、第一前処理液を用いて(1)の処理を行った後、第二前処理液を用いて(2)の処理を行い、その後、銅メッキ液を用いて(3)の電気メッキを行った。2段階前処理方式の比較例3〜4も同様である。
尚、比較例1では、銅メッキ液を用いて(1)の電気メッキだけを行った。
【0039】
《実施例1》
(1)前処理液(一液前処理方式)
(a)液の組成
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.001g/L
C.I.ヤーナスグリーンB 0.002g/L
塩化ナトリウム 0.1g/L
ポリエチレングリコール(平均分子量2,000) 0.1g/L
(b)浸漬条件
液温 30℃
浸漬時間 5分
(2)銅メッキ液
(a)液の組成
硫酸銅・5水和物 200g/L
硫酸 50g/L
イソプロピルアルコール 300ml/L
(b)電気メッキ条件
電流密度 5A/dm2
液温 25℃
メッキ時間 30分
【0040】
《実施例2》
(1)前処理液(一液前処理方式)
(a)液の組成
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.001g/L
C.I.ヤーナスグリーンB 0.002g/L
塩化ナトリウム 0.1g/L
ポリエチレングリコール(平均分子量2,000) 0.1g/L
イソプロピルアルコール 300ml/L
(b)浸漬条件
液温 30℃
浸漬時間 5分
(2)銅メッキ液
(a)液の組成
硫酸銅・5水和物 200g/L
硫酸 50g/L
(b)電気メッキ条件
電流密度 5A/dm2
液温 25℃
メッキ時間 30分
【0041】
《実施例3》
(1)前処理液(一液前処理方式)
(a)液の組成
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.001g/L
C.I.ヤーナスグリーンB 0.002g/L
塩化ナトリウム 0.1g/L
ポリエチレングリコール(平均分子量2,000) 0.1g/L
イソプロピルアルコール 300ml/L
(b)浸漬条件
液温 30℃
浸漬時間 5分
(2)銅メッキ液
(a)液の組成
硫酸銅・5水和物 200g/L
硫酸 50g/L
イソプロピルアルコール 300ml/L
(b)電気メッキ条件
電流密度 5A/dm2
液温 25℃
メッキ時間 30分
【0042】
《実施例4》
(1)第一前処理液
(a)液の組成
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.001g/L
C.I.ヤーナスグリーンB 0.002g/L
(b)浸漬条件
液温 30℃
浸漬時間 5分
(2)第二前処理液
(a)液の組成
塩化ナトリウム 0.1g/L
ポリエチレングリコール(平均分子量2,000) 0.1g/L
(b)浸漬条件
液温 25℃
浸漬時間 1分
(3)銅メッキ液
(a)液の組成
硫酸銅・5水和物 200g/L
硫酸 50g/L
メタノール 400ml/L
(b)電気メッキ条件
電流密度 5A/dm2
液温 25℃
メッキ時間 30分
【0043】
《実施例5》
(1)第一前処理液
(a)液の組成
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.001g/L
C.I.ヤーナスグリーンB 0.002g/L
ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド 0.003g/L
イソプロピルアルコール 400ml/L
(b)浸漬条件
液温 30℃
浸漬時間 5分
(2)第二前処理液
(a)液の組成
塩化ナトリウム 0.1g/L
ポリエチレングリコール(平均分子量2,000) 0.1g/L
(b)浸漬条件
液温 25℃
浸漬時間 1分
(3)銅メッキ液
(a)液の組成
硫酸銅・5水和物 200g/L
硫酸 50g/L
ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド 0.003g/L
メタノール 400ml/L
(b)電気メッキ条件
電流密度 5A/dm2
液温 25℃
メッキ時間 30分
【0044】
《実施例6》
(1)第一前処理液
(a)液の組成
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.001g/L
C.I.ヤーナスグリーンB 0.002g/L
(b)浸漬条件
液温 30℃
浸漬時間 5分
(2)第二前処理液
(a)液の組成
塩化ナトリウム 0.1g/L
ポリエチレングリコール(平均分子量2,000) 0.1g/L
イソプロピルアルコール 300ml/L
(b)浸漬条件
液温 25℃
浸漬時間 1分
(3)銅メッキ液
(a)液の組成
硫酸銅・5水和物 200g/L
硫酸 50g/L
メタノール 400ml/L
(b)電気メッキ条件
電流密度 5A/dm2
液温 25℃
メッキ時間 30分
【0045】
《実施例7》
(1)第一前処理液
(a)液の組成
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.001g/L
C.I.ヤーナスグリーンB 0.002g/L
イソプロピルアルコール 300ml/L
(b)浸漬条件
液温 30℃
浸漬時間 5分
(2)第二前処理液
(a)液の組成
塩化ナトリウム 0.1g/L
ポリエチレングリコール(平均分子量2,000) 0.1g/L
イソプロピルアルコール 300ml/L
(b)浸漬条件
液温 25℃
浸漬時間 1分
(3)銅メッキ液
(a)液の組成
硫酸銅・5水和物 200g/L
硫酸 50g/L
メタノール 400ml/L
(b)電気メッキ条件
電流密度 5A/dm2
液温 25℃
メッキ時間 30分
【0046】
《実施例8》
(1)前処理液(一液前処理方式)
(a)液の組成
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.001g/L
C.I.ヤーナスグリーンB 0.002g/L
塩化ナトリウム 0.1g/L
ポリエチレングリコール(平均分子量2,000) 0.1g/L
イソプロピルアルコール 300ml/L
硫酸銅・5水和物 200g/L
硫酸 50g/L
(b)予備メッキ条件
電流密度 5A/dm2
液温 30℃
メッキ時間 5分
(2)銅メッキ液
(a)液の組成
硫酸銅・5水和物 200g/L
硫酸 50g/L
イソプロピルアルコール 400ml/L
(b)電気メッキ条件
電流密度 5A/dm2
液温 25℃
メッキ時間 30分
【0047】
《実施例9》
(1)第一前処理液
(a)液の組成
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.001g/L
C.I.ヤーナスグリーンB 0.002g/L
硫酸銅・5水和物 200g/L
硫酸 50g/L
(b)予備メッキ条件
電流密度 5A/dm2
液温 30℃
浸漬時間 5分
(2)第二前処理液
(a)液の組成
塩化ナトリウム 0.1g/L
ポリエチレングリコール(平均分子量2,000) 0.1g/L
(b)予備メッキ条件
電流密度 5A/dm2
液温 25℃
浸漬時間 1分
(3)銅メッキ液
(a)液の組成
硫酸銅・5水和物 200g/L
硫酸 50g/L
メタノール 400ml/L
(b)電気メッキ条件
電流密度 5A/dm2
液温 25℃
メッキ時間 30分
【0048】
《実施例10》
(1)第一前処理液
(a)液の組成
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.001g/L
C.I.ヤーナスグリーンB 0.002g/L
イソプロピルアルコール 400ml/L
硫酸銅・5水和物 200g/L
硫酸 50g/L
(b)予備メッキ条件
電流密度 5A/dm2
液温 30℃
メッキ時間 5分
(2)第二前処理液
(a)液の組成
塩化ナトリウム 0.1g/L
ポリエチレングリコール(平均分子量2,000) 0.1g/L
(b)予備メッキ条件
電流密度 5A/dm2
液温 25℃
浸漬時間 1分
(3)銅メッキ液
(a)液の組成
硫酸銅・5水和物 200g/L
硫酸 50g/L
メタノール 400ml/L
(b)電気メッキ条件
電流密度 5A/dm2
液温 25℃
メッキ時間 30分
【0049】
《実施例11》
(1)第一前処理液
(a)液の組成
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.001g/L
C.I.ヤーナスグリーンB 0.002g/L
イソプロピルアルコール 400ml/L
硫酸銅・5水和物 200g/L
硫酸 50g/L
(b)予備メッキ条件
電流密度 5A/dm2
液温 30℃
メッキ時間 5分
(2)第二前処理液
(a)液の組成
塩化ナトリウム 0.1g/L
ポリエチレングリコール(平均分子量2,000) 0.1g/L
イソプロピルアルコール 400ml/L
(b)予備メッキ条件
電流密度 5A/dm2
液温 25℃
浸漬時間 1分
(3)銅メッキ液
(a)液の組成
硫酸銅・5水和物 200g/L
硫酸 50g/L
メタノール 400ml/L
(b)電気メッキ条件
電流密度 5A/dm2
液温 25℃
メッキ時間 30分
【0050】
《比較例1》
(1)銅メッキ液
(a)液の組成
硫酸銅・5水和物 200g/L
硫酸 50g/L
イソプロピルアルコール 300ml/L
(b)電気メッキ条件
電流密度 5A/dm2
液温 25℃
メッキ時間 30分
【0051】
《比較例2》
(1)前処理液(一液前処理方式)
(a)液の組成
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.001g/L
C.I.ヤーナスグリーンB 0.002g/L
塩化ナトリウム 0.1g/L
ポリエチレングリコール(平均分子量2,000) 0.1g/L
(b)浸漬条件
液温 30℃
浸漬時間 5分
(2)銅メッキ液
(a)液の組成
硫酸銅・5水和物 200g/L
硫酸 50g/L
(b)電気メッキ条件
電流密度 5A/dm2
液温 25℃
メッキ時間 30分
【0052】
《比較例3》
(1)第一前処理液
(a)液の組成
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.001g/L
C.I.ヤーナスグリーンB 0.002g/L
(b)浸漬条件
液温 30℃
浸漬時間 5分
(2)第二前処理液
(a)液の組成
塩化ナトリウム 0.1g/L
ポリエチレングリコール(平均分子量2,000) 0.1g/L
(b)浸漬条件
液温 25℃
浸漬時間 1分
(3)銅メッキ液
(a)液の組成
硫酸銅・5水和物 200g/L
硫酸 50g/L
(b)電気メッキ条件
電流密度 5A/dm2
液温 25℃
メッキ時間 30分
【0053】
《比較例4》
(1)第一前処理液
(a)液の組成
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.001g/L
C.I.ヤーナスグリーンB 0.002g/L
イソプロピルアルコール 300ml/L
(b)浸漬条件
液温 30℃
浸漬時間 5分
(2)第二前処理液
(a)液の組成
塩化ナトリウム 0.1g/L
ポリエチレングリコール(平均分子量2,000) 0.1g/L
(b)浸漬条件
液温 25℃
浸漬時間 1分
(3)銅メッキ液
(a)液の組成
硫酸銅・5水和物 200g/L
硫酸 50g/L
(b)電気メッキ条件
電流密度 5A/dm2
液温 25℃
メッキ時間 30分
【0054】
《ボイド並びにレベリング性試験例》
窒化タンタルのバリヤ層上に、銅シード層が形成されたトレンチ100個を評価対象とし、上記実施例1〜11及び比較例1〜4の各メッキ方法で銅メッキ皮膜を形成し、得られた各銅メッキ皮膜を集束イオンビームで薄膜状の試料として作成し、透過電子顕微鏡を用いてボイドの発生状況を微視観察するとともに、トレンチ周辺の皮膜表面の凹凸形状に基づくレベリング性を微視観察して、ボイドの発生度合とレベリング性を総合評価した。
当該試験の評価基準は、次の通りである。
◎:ボイドは観察されず、且つ、微小凹凸もほとんどなかった。
○:ボイドは観察されなかったが、やや微小凹凸が認められた。
△:1視野当たりのボイド数が1個観察されたか、或は、ボイドは観察されなかったが、大きな凹凸形状が認められた。
×:1視野当たりのボイド数が2個以上観察された。
【0055】
下表はその試験結果である。但し、下表の「有り」はアルコールを所定の液に含有したことを、「なし」は含有していないことを夫々示し、備考欄の記載は前処理を浸漬式で行ったか、予備メッキ方式で行ったかを示す。
Figure 0004809546
【0056】
上記試験結果によると、一液前処理方式において前処理液と銅メッキ液の両方にアルコールを含有しなかった比較例2、或は、2段階前処理方式において第一前処理液と第二前処理液と銅メッキ液の全てにアルコールを含有しなかった比較例3では、一視野当たりボイドが1個観察されたか、或は、0個であってもトレンチ部位で大きな凹凸面が認められ、レベリング性の良好な確保とボイドの高度な防止という観点では、△の評価であった。また、冒述の先行技術2に準拠して、2段階前処理方式において第一前処理液にアルコールを含有させ、銅メッキ液には含有しなかった比較例3では、ボイドの発生個数は0個であったが、トレンチ部位に小さくない凹凸面が発生し、評価はやはり△であった。
これに対して、一液前処理方式において前処理液及び/又は銅メッキ液にアルコールを含有させた実施例1〜3と8、或は、2段階前処理方式においてアルコールの必須含有対象を銅メッキ液とした実施例4〜7と9〜11では、全て○以上の評価であり、特に、2段階前処理方式において銅メッキ液と第一前処理液にアルコールを含有させた実施例5と10は◎の評価であった。
尚、アルコールを含有させた銅メッキ液を用いて、前処理なしで通常の銅メッキだけを施した比較例1では、評価は×であった。

Claims (5)

  1. 界面活性剤、塩化物、窒素系有機化合物、イオウ化合物よりなる群から選ばれた前処理用添加剤の少なくとも一種を含有するボイドフリー銅メッキ用の前処理液に被メッキ物を浸漬した後、界面活性剤を含有しない銅メッキ液で電気銅メッキを施す方法において、
    上記前処理液と銅メッキ液の少なくとも一方にメタノール、イソプロピルアルコール、エタノール、n−プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、アセトン、エチルエーテル、クロロホルム、メチレンクロライド、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレンよりなる群から選ばれた有機溶媒を含有することを特徴とする有機溶媒を用いたボイドフリー銅メッキ方法。
  2. 界面活性剤、塩化物、窒素系有機化合物、イオウ化合物よりなる群から選ばれた前処理用添加剤のうち、界面活性剤を含有せずにそれ以外の前処理用添加剤を含有する第一前処理液と、界面活性剤を含有する第二前処理液とを分けて調製し、被メッキ物を第一前処理液に浸漬してから第二前処理液に浸漬した後、界面活性剤を含有しない銅メッキ液で電気銅メッキを施す方法において、
    上記銅メッキ液にメタノール、イソプロピルアルコール、エタノール、n−プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、アセトン、エチルエーテル、クロロホルム、メチレンクロライド、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレンよりなる群から選ばれた有機溶媒を含有することを特徴とする有機溶媒を用いたボイドフリー銅メッキ方法。
  3. 前処理液にさらに可溶性銅塩及び酸を含有し、被メッキ物を前処理液に浸漬する代わりに、当該前処理液で被メッキ物に予備の電気銅メッキを施すことを特徴とする請求項1に記載の有機溶媒を用いたボイドフリー銅メッキ方法。
  4. 第一前処理液と第二前処理液の少なくとも一方にさらに可溶性銅塩及び酸を含有し、第一前処理液と第二前処理液のうちの可溶性銅塩及び酸を含有した方の前処理液に被メッキ物を浸漬する代わりに、当該前処理液で被メッキ物に予備の電気銅メッキを施すことを特徴とする請求項2に記載の有機溶媒を用いたボイドフリー銅メッキ方法。
  5. 被メッキ物が、ビルドアップ構造を有する基板、ウエハーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機溶媒を用いたボイドフリー銅メッキ方法。
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