JP2002355476A - 下糸糸巻き装置付き刺繍ミシン - Google Patents
下糸糸巻き装置付き刺繍ミシンInfo
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Abstract
ビンの下糸が少なくなったときに、ボビンに残った下糸
を完全に引き抜き可能とする。 【解決手段】 下糸糸巻き装置付き刺繍ミシンにおい
て、残量センサの検出でボビンの下糸無し状態を検出し
たら、ミシンモータを停止し、刺繍装置の刺繍枠のサイ
ズを枠サイズセンサで検出して認識し、枠をサイズに応
じて移動して、枠に保持された縫製物の隅を針の下に位
置させる。そして隅に捨て縫いをしてボビンに残った下
糸を消費し、ついで下糸をボビンから完全に引き抜くの
に必要な距離(下糸残存量は残量センサで糸無し状態の
検出のとき検出される)だけ枠を移動したかどうかを判
断し、足らなければ、枠の移動先を更新して、縫製物S
のつぎの隅に捨て縫いすることを繰り返し、ボビンから
下糸を完全に引き抜く。
Description
き刺繍ミシンに関し、特にミシンのボビンに残存した下
糸の引き抜き制御に関するものである。
ことなく、ボビンに下糸を供給することができる下糸糸
巻き装置が付設されたミシンであって、刺繍装置を着脱
可能に備える刺繍ミシンが、例えば特開平11−342
283として提案されている。
シン本体のベッドに刺繍装置が着脱可能に装着され、ミ
シンベッドの針板下に下糸糸巻き装置が設置されてい
る。刺繍装置は、刺繍枠に縫製物をセットした状態で刺
繍枠を縦横(XY)方向へ移動させながら、針棒に取り
付けられた針と協働して所定形状の刺繍縫いを行うもの
である。
容する内釜を外釜内に具備する水平釜と、針棒切外し機
構と、外釜にギアで連結したボビン駆動部材と、ボビン
駆動部材移動手段と、糸保持移動部材と、糸保持部材移
動手段とを備えて構成されている。
外し機構または上軸クランク機構により、ミシンの起動
中に針を取り付けた針棒を切り離して、針棒の上下動を
停止させるとともに針板上方に保持させる。その一方、
糸保持部材移動手段をモータで駆動して、糸保持部材移
動手段により糸保持部材を移動し、糸保持部材の先端部
を内釜内のボビンの上フランジに当接させる。糸保持部
材の先端部は、糸駒から導出した下糸(下糸用の糸)を
糸位置規制部と糸端部分を係止した保持部との間で保持
しており、その糸位置規制部と保持部との間の糸部分が
ボビンの上フランジの外周縁に押し付けられる。
駆動部材移動手段を作動させてボビン駆動部材を駆動
し、ボビン駆動部材を介して外釜とボビンとをギアで連
結する。外釜は、ミシンの下軸の回転により回転駆動さ
れるようになっている。
るとボビンが回転し(外釜と逆方向に回転)、上フラン
ジの外周縁に押し付けられた糸保持部材の先端部の糸部
分が、上フランジに形成されたスリットに捕捉され、こ
れに続く糸部分が糸駒から引き出されて、ボビンの中心
軸に下糸が巻回される。
下糸糸巻き装置付き刺繍ミシンでは、ボビンに巻回した
下糸が縫製動作中に少なくなった場合、縫製物の上方で
針を停止した後、刺繍枠を移動して最終縫目の裏側で下
糸をボビンから引き出すことにより、ボビンに残ってい
る下糸を引き抜いていた。このため、従来は、ボビンに
下糸が多く残った場合に、ボビンから下糸を完全に引き
抜けないという欠点があった。
ミシンにおいて、ボビンの下糸が無くなったときに、ボ
ビンに残った下糸を完全に引き抜くことを可能とするこ
とである。
請求項1記載の発明は、たとえば、図1および図2に示
すように、下糸用の糸を釜内のボビン22に案内し、ボ
ビン22を回転して前記糸を巻き取る下糸糸巻き装置1
が付設され、X−移動する刺繍枠239に保持された縫
製物Sに刺繍を施す刺繍装置240を備える下糸糸巻き
装置付き刺繍ミシン100において、ボビンに巻回され
た下糸が少なくなったときに、たとえば図5に示すよう
に、刺繍枠239を隅方向に移動して、ボビンに残った
下糸を刺繍枠239に保持された縫製物Sの隅に捨て縫
いすることにより引き抜くことを特徴とする。
効果を有する。 (1)ボビンに残った下糸を縫製物の隅に捨て縫いする
ので、ボビンから下糸を長く引き出して捨て縫いするこ
とができて、ボビンに下糸を残すことなく完全に引き抜
くことができ、下糸の引き抜き処理の信頼性が高い。 (2)ボビンに残った下糸を縫製物の隅に捨て縫いする
ので、縫製物に施す刺繍を避けて捨て縫いすることがで
き、下糸の捨て縫いによる引き抜き処理で刺繍が損なわ
れることがない。
シンにおいて、前記ボビンに巻かれた下糸が少なくなっ
たときに、前記刺繍枠を隅方向に移動して針落ちし、さ
らに他の隅方向に移動するようにしたことを特徴とす
る。
記載のミシンにおいて、前記刺繍枠のサイズを認識し、
前記刺繍枠をサイズに対応して前記縫製物の隅方向に移
動して、針落ちすることにより捨て縫いすることを特徴
とする
のサイズに対応して移動して、縫製物の隅に捨て縫いす
るので、刺繍枠のサイズに合った無駄のない移動量で、
下糸の捨て縫いによる引き抜き処理を実施することがで
きる。
は3記載のミシンにおいて、前記捨て縫いは現在縫い又
はこれから縫われる刺繍縫い位置を外した位置に行うこ
とを特徴とする。
物の隅に及ぶようなものであったとしても、捨て縫いを
刺繍を外した位置に行うので、下糸の捨て縫いによる引
き抜き処理で刺繍が損なわれることがない。
または4記載のミシンにおいて、前記捨て縫いを終了
後、自動的に下糸の巻き取りを開始することを特徴とす
る。
縫い終了後に自動的に下糸の巻き取りを開始するので、
ボビンに残存した下糸の引き抜きから新たな下糸の巻き
取りまでの作業を完全に自動化することができる。
基づいて詳細に説明する。本発明の一実施の形態におい
て、下糸糸巻き装置付き刺繍ミシン100は、図1に示
すように、正面ほぼコ字形状のミシン本体100aを備
え、このミシン本体100aは、下部のミシンベッド1
00bと、これに平行な上部のミシンアーム100cと
を脚柱部100dにより接続してなる。ミシンベッド1
00bには、平面が略U字形状とされた公知の刺繍装置
240が着脱可能に装着されている。
に刺繍枠239を装着し、その刺繍枠239に縫製物S
をセットした状態で、キャリッジ241内のXモータ、
Yモータにより刺繍枠239を縦横(XY)方向へ移動
させながら、針3(図2)と協働して所定形状の刺繍縫
いを行うことができるようになっている。
100dに近接した位置に下糸糸駒装着部168が設け
られ、下糸糸駒装着部168に下糸糸駒111を回転自
在に支持する糸立棒117が設置されている。ミシンア
ーム100cの脚柱部100dとは反対側 に位置する
自由端部のミシンヘッド100eには、下端部に縫製物
Sを上方から押さえる布押え208が配設されている。
0b内には、針板5の下方位置に下糸糸巻き装置が設置
されている。この下糸糸巻き装置は、図2に示すよう
に、基本的に、図示しない針棒切外し機構又は上軸クラ
ンク機構と、外釜7にギアで連結した図示しないボビン
駆動部材と、ボビン駆動部材移動手段94と、糸保持移
動部材48と、糸保持部材移動手段53等とを備えて構
成されている。
切外し機構によりミシンの上軸の回転から針3を取り付
けた針棒2を切り離し、または上軸クランク機構により
ミシンモータと上軸を切り離して、それぞれ針棒2の上
下動を停止させるとともに、釜4の上にある針板5上方
に保持させる。その一方、糸保持部材移動手段53をモ
ータ91で駆動して、糸保持部材移動手段53により糸
保持部材48を回動し、糸保持部材の先端部を外釜7に
沿って上昇し、さらに内釜4に向けて前進させて、内釜
4内のボビン22の上フランジに当接させる。糸保持部
材48の先端部は、下糸用の糸駒から導出した下糸(上
糸用の糸駒から導出した上糸を下糸として利用すること
もある)を糸位置規制部と糸端部分を係止した保持部と
の間で保持しており、その糸位置規制部と保持部との間
の糸部分がボビンの上フランジの外周縁に押し付けられ
る。
ビン駆動部材移動手段94を作動させて、外釜7の下部
の小径部内を貫通するボビン駆動部材を駆動して上昇さ
せ、ボビン駆動部材上端のギアを介して外釜7のギアと
ボビン22の下フランジ内のギアとを連結する。外釜7
は、小径部の下部に固定されたねじギア(ボビン駆動部
材はねじギア内を貫通する)を介して、ミシンの上軸の
回転に連動した下軸の回転により回転駆動されるように
なっている。
回転するとボビン22が回転し(外釜と逆方向に回
転)、上フランジの外周縁に押し付けられた糸保持部材
48の先端部の糸部分が上フランジ37のスリット39
に捕捉され、これに続く糸部分が、張力付与手段25お
よび図示しない調子器等を介して糸駒から引き出され
て、ボビン22の中心軸に下糸が巻回される。
に、ボビン22に巻回される下糸の最大糸巻き径を検出
する最大糸巻き径検知手段(リミットセンサ)160
と、ボビン22の下糸が消費されて少なくなったとき
に、ボビン22に残存した下糸量を検出する下糸残量検
知手段(残量センサ)162とが設置されている。
傍に対向配置された発光素子160aと受光素子160
bとを有する光センサからなり、発光素子160aから
発射した光が、ボビン22の中心軸36の回りに設定最
大糸巻き径に巻回された巻回層表面164を、ボビン2
2の上フランジ37と下フランジとの間の位置で検出し
得るように配置されている。
かれた下糸が最大巻き径に達するまでは、光路160c
が遮られず、受光素子160bがONし続けて最大電流
を出力する。最大巻き径に達すると光路160cが遮ら
れて、受光素子がOFFして出力電流が減少し、検知レ
ベルの最小電流を出力する。したがって、最大出力電流
と最小出力電流との間に閾値を設けて、受光素子がOF
Fしたことを検知すれば、ボビン22に巻回されている
下糸が最大糸巻き径に達したことを検出でき、下糸の巻
き取り終了の時点に至ったことを知ることができる。最
大糸巻き径の検出は、受光素子160bの出力信号を下
糸糸巻き装置1およびミシン各部を制御する制御部93
に送って信号処理し、制御部93にあるCPUによって
最終的に実現される。
の上端近傍に対向配置された発光素子162aと受光素
子162bとを備えた光センサからなり、その光路を除
けば、基本構成はリミットセンサ160の場合と同様で
ある。残量センサ162の発光素子162aから発射さ
れた光の受光素子162bへ至る光路162cは、ボビ
ン22の中心軸36の表面近くに位置されている。
下糸が少なくなり、その残存量が、糸の太さにもよるが
例えば巻回数で約3〜4回分に減るまでは、光路162
cが遮られていて受光素子162bがOFFし続け、下
糸がそれよりも経ると光路162cの遮りがなくなっ
て、受光素子162bがONする。したがって、OFF
時の最小出力電流とON時の最大出力電流との間に閾値
を設けて、受光素子がONしたことを検知すれば、ボビ
ンに残った下糸の残存量が所定値以下となった糸無し状
態を検出することができる。残量センサ162の受光素
子162bからの出力信号は、リミットセンサ160の
場合と同様、ミシンの制御部93に送られ、そこで信号
処理を受けることにより、ボビンの下糸無しおよびその
ときの残存下糸量が検出される。
すように、CPU190および適宜な容量のROM、R
AMなどにより形成されたメモリ191を有し、ミシン
の操作部に配設された模様表示画面171、模様選択ス
イッチ172、巻き糸設定スイッチ173、糸巻き量設
定スイッチ174、警告手段および再スタート告知手段
を兼ねた表示画面176、糸巻きスタート/ストップス
イッチ177、専用下糸保持検出手段の発光素子186
および受光素子187、糸巻きモード切替スイッチ22
6、再スタートモード切替スイッチ227、縫製スター
ト/ストップスイッチ238が電気的に接続されてい
る。
8、上糸検出の光センサ223、下糸リミットセンサ1
60、下糸残量センサ162、刺繍装置240の着脱状
態を検出する刺繍装置センサ217、返し縫いスイッチ
301、糸切りスイッチ302、縫製速度調整ボリュー
ムスイッチ303、退避位置センサ290、ブザーや安
全灯などの安全確保手段228、糸保持部材移動手段5
3の駆動モータ91、上糸繰出機構120の駆動モータ
125およびソレノイド136、布押え208の高さ位
置から縫製物Sの厚さを検出する布厚センサ231、ミ
シンモータ235、針振りモータ236が電気的に接続
され、さらに布送りモータ電源スイッチや縫製動作にか
かわる各種のスイッチ類などが接続されている。
送り用のYモータ240Aおよび横送り用のXモータ2
40B(ステッピングモータなどが使用される)、刺繍
装置240のキャリッジ241への刺繍枠239の取り
付け、およびその刺繍枠のサイズを検出する枠サイズセ
ンサ242も接続されている。枠サイズセンサについて
は後述する。
量センサ162等は、A/D変換器233を介してCP
U190に接続される。糸保持部材移動手段53の駆動
モータ91、上糸繰出機構120の駆動モータ125お
よびソレノイド136、ミシンモータ235、針振りモ
ータ236、刺繍装置240用の駆動モータ240A、
240Bなどは、それぞれを駆動するための駆動回路
(コントローラ)91a、120a、235a、236
a、240a、327aを介して接続される。
動作制御部281と、下糸引出時上糸張力制御部282
と、糸巻き時上糸張力制御部283と、スイッチ制御部
284と、糸保持部材進入タイミング制御部285と、
針棒切外し・回転接続動作タイミング制御部286と、
その他の動作制御を行うプログラムやデータを格納した
格納部287とを有している。
サ162が、下糸が少なくなったことを検出して下糸無
し信号を出力すると、縫い模様の途中で実行中の縫製動
作を中断し、次にボビン22に残存している下糸を引き
抜くために、縫製物の隅に捨て縫いをする。すなわち、
下糸無しを検出したら縫製動作を中断して、縫製物の上
方に針を移動してからミシンモータを停止する。ついで
刺繍装置240のキャリッジ241内のXモータ、Yモ
ータを駆動して、図5に示すように、刺繍枠239を最
終縫目の針落ち点wから刺繍枠のサイズに応じて移動
し、針に対し縫製物Sの隅方向に移動させる。この枠移
動だけでボビン枯らしたいとがなくなる場合には、これ
で捨て縫いを終了する。未だボビンに下糸が残っている
場合には、ミシンモータを駆動して縫製物Sの隅に針落
ちさせて捨て縫いを行い、ボビンの下糸がなくなるまで
他の隅方向への枠移動と針落ちを繰り返す。
キャリッジへの取り付けによって枠サイズセンサ242
により検出される。刺繍枠239は、その取り付け部の
嵌合片をキャリッジの嵌合部に嵌合することでキャリッ
ジに取り付けられるが、図6に示すように、刺繍枠23
9の取り付け部には、嵌合片(図示せず)とは別に、刺
繍枠239の大中小にしたがって位置が異なる突起T
1、T2、T3を有するセンサ部240aが設けられて
いる。これに対応して、キャリッジ241の嵌合部に
は、枠サイズセンサ242の他方の構成要素として、3
つのプッシュスイッチSw1、Sw2、Sw3を有する
スイッチ部242bが設けられている。
41に取り付けたときに、センサ部242aの突起T
(T1〜T3)がスイッチSw(Sw1〜Sw3)のい
ずれかを押すことにより、刺繍枠239のサイズが検出
される。この刺繍枠サイズの検出は、スイッチ部242
bからのスイッチON信号を制御部93に送って、CP
U190でON信号を認識することにより得られる。な
お、刺繍枠のサイズは以上の3つに限られず、スイッチ
Sw1〜Sw3は、いずれか1つ、2つ、および3つ全
てが押圧されることにより、7種類のサイズの刺繍枠が
検出可能である。
て縫いをするのは、ボビンから下糸を長く引き出して捨
て縫いすることができるからであり、また縫製物の隅に
刺繍を施すことはほとんどないので、縫製物に施す刺繍
を避けて捨て縫いできるからである。縫製物の隅に刺繍
を施すような刺繍模様の場合は、その刺繍模様に掛から
ない模様を外した位置に捨て縫いする(捨て縫い時、隅
には既に刺繍が済んでいる場合と、これから刺繍をする
場合とがありうるが、いずれの場合も、布に配置される
刺繍模様のXY方向の最大値を縫いデータから読み出し
て演算し、これよりも外方に外れた位置に針落ちするよ
うにする)。この捨て縫いにより、ボビン22から下糸
が長く引き出されるので、残存した糸を多く消費するこ
とができる。
針(1回)の捨て縫いでボビンから下糸を完全に引き抜
きことができない場合は、刺繍枠239の移動により縫
製物Sを再度移動して、縫製物Sの1回目の捨て縫い
(図5上、捨て縫い1回目の縫い目をw1で示す)をし
た隅に隣り合う隅を針に対し位置させ、その隅に2針目
の捨て縫いをする。そして、残量センサ162で検出し
た下糸残量を消費するのに必要な量(距離)を演算し、
あるいは規定値として読み出して、この値を超えるまで
刺繍枠239を移動し、縫製物の隅に捨て縫いをするの
を繰り返すことにより、ボビンから残存下糸を完全に引
き抜くことができる。
シーケンスを図7により説明する。図7において、下糸
引き抜き処理のシーケンスがスタートすると、ミシンモ
ータを止めてミシンの動作を停止し(ステップS1)、
つぎに枠サイズセンサ242で検出した刺繍枠239の
サイズを制御部93のCPUで認識し(ステップS
2)、枠サイズに応じてXモータ、Yモータを駆動して
刺繍枠を移動し、針に対し縫製物の隅を位置させる(ス
テップS3)。ついでミシンモータを駆動してミシンの
主軸(上軸)を1回転することにより、1針の針落ちを
して1回目の捨て縫いをする(ステップS4)。針は針
落ち後、上方に移動して停止する。
量から、ボビンから残存下糸を引き抜くのに必要な量だ
け刺繍枠239を移動したか否かを判断し(ステップS
5)、刺繍枠の移動が必要量に達していない判断したと
きは、縫製物のつぎの隅に2回目の捨て縫いをするため
に、これに合致するように刺繍枠の移動先を更新し(ス
テップS6)、ついでステップS3に戻ってステップS
3以下の処理を行う。この工程をステップS5で刺繍枠
の移動が必要量に達したと判断されるまで行う。このよ
うにして縫製物の隅方向に移動して針落ちさせる捨て縫
いが縫製物の四周を一巡して、さらに捨て縫いを続ける
必要があるときは、ステップS6の枠の移動先更新の
際、縫製物の隅で1週目の捨て縫いの縫い目と2週目の
捨て縫いの縫い目が重なるのを避けて、枠の移動先をず
らすようにする。これは、2週以上の捨て縫いをする場
合も同様とする。
した判断されたら、この時点で既にボビンから残存下糸
が完全に引き抜かれているので、下糸引き抜き処理は完
了である。図7のシーケンスでは、これに続けて更に、
下糸巻きをスタートして、前述したように、下糸糸巻き
装置1を駆動して、ボビン22に下糸を巻き取り(ステ
ップS7)、リミットセンサ162で設定最大糸巻き径
まで巻いことを検出したら(なお、主軸にある主軸回転
センサ218でも下糸巻き取り量を検出できるので、下
糸を設定最大糸巻き径まで巻いたことの検出は、リミッ
トセンサと主軸回転センサのOR論理の検出としてもよ
い)、巻き取り動作を停止してシーケンスを終了する。
糸切りをして取り除き、縫製物Sの刺繍中断時の最終縫
い目wが針下に位置するように刺繍枠239を移動した
後、中断した刺繍を再開すればよい。
四隅方向で行うことを説明したが、これに限らず、刺繍
枠内に形成される刺繍縫い位置の外方であれば、刺繍枠
内の周辺部のどこでもよいことは勿論である。したがっ
て、本発明では、捨て縫いは、刺繍枠の内側周辺部を含
む隅方向に移動することとする。また四隅方向に1周す
るのではなく、2つの隅間または3つの隅間を往復移動
するようにしてもよい。また刺繍縫い位置によって二隅
を往復するか、三隅を往復するか、四隅を一巡するよう
にするかを自動的あるいは手動で選択するようにしても
よい。
糸糸巻き装置付き刺繍ミシンによれば、つぎのような作
用効果を有する。 (1)ボビン22に残った下糸を縫製物Sの隅に捨て縫
いするので、ボビンから下糸を長く引き出して捨て縫い
することができて、ボビンに下糸を残すことなく完全に
引き抜くことができ、下糸の引き抜き処理の信頼性が高
い。 (2)ボビン22に残った下糸を縫製物Sの隅に捨て縫
いするので、縫製物に施す刺繍を避けて捨て縫いするこ
とができ、下糸の捨て縫いによる引き抜き処理で刺繍が
損なわれることがない。 (3)刺繍枠をそのサイズに対応して移動して、縫製物
の隅に捨て縫いするので、刺繍枠のサイズに合った無駄
のない移動量で、下糸の捨て縫いによる引き抜き処理を
実施することができる。 (4)下糸(下糸として使用する上糸も含む)の種類の
変更で、光センサである下糸残量センサ162の検出精
度が変わったり、ほこりなどの付着で残量センサ162
の検出精度が劣化しても、縫製物の隅への捨て縫いによ
り残存下糸を長く引き出して完全に引き抜くことができ
るので、残量センサの精度を粗くできて、センサのコス
トを低減できるばかりでなく、下糸の引き抜き処理の信
頼性が低下することがない。 (5)刺繍が縫製物の隅に及ぶようなものであったとし
ても、捨て縫いを刺繍を外した位置に行うので、下糸の
捨て縫いによる引き抜き処理で刺繍が損なわれることが
ない。 (6)下糸の捨て縫い終了後に自動的に下糸の巻き取り
を開始するので、ボビンに残存した下糸の引き抜きから
新たな下糸の巻き取りまでの作業を完全に自動化するこ
とができる。
き刺繍ミシンは水平釜を使用したミシンの場合を示した
が、本発明はこれに限れない。また下糸糸巻き装置の各
部の具体的構成も実施の形態に示したものに限られず、
さらには下糸糸巻き装置自体の構成も実施の形態に限ら
れない。
ボビンに残った下糸を縫製物の隅に捨て縫いするので、
ボビンに下糸を残すことなく完全に引き抜くことがで
き、下糸の引き抜き処理の信頼性が高い。また縫製物に
施す刺繍を避けて捨て縫いすることができ、下糸の捨て
縫いによる引き抜き処理で刺繍が損なわれることがな
い。また刺繍枠をそのサイズに対応して移動して、縫製
物の隅に捨て縫いするので、刺繍枠のサイズに合った無
駄のない移動量で、下糸の捨て縫いによる引き抜き処理
を実施することができる。さらに、残量センサの精度を
粗くでき、センサのコストを低減できる。
き刺繍ミシンを示す斜視図である。
示す斜視図である。
ットセンサおよび残量センサが設置されたところを示す
平面図である。
る。
刺繍枠に保持された縫製物に捨て縫いすることにより引
き抜くことを説明する平面図である。
出する枠サイズセンサを示す説明図である。
ケンスを示すフローチャートである。
Claims (5)
- 【請求項1】 下糸用の糸を釜内のボビンに案内し、前
記ボビンを回転して前記糸を巻く下糸糸巻き装置が付設
されたミシンであって、X−Y移動する刺繍枠に保持さ
れた縫製物に刺繍を施す刺繍装置を備える下糸糸巻き装
置付き刺繍ミシンにおいて、 前記ボビンに巻かれた下糸が少なくなったときに、前記
刺繍枠を隅方向に移動して、前記ボビンに残った下糸を
前記刺繍枠に保持された縫製物の隅に捨て縫いすること
により、前記ボビンから引き抜くことを特徴とする下糸
糸巻き装置付き刺繍ミシン。 - 【請求項2】 前記ボビンに巻かれた下糸が少なくなっ
たときに、前記刺繍枠を隅方向に移動して針落ちし、さ
らに他の隅方向に移動するようにしたことを特徴とする
請求項1記載のミシン。 - 【請求項3】 前記刺繍枠のサイズを認識し、前記刺繍
枠をサイズに対応して前記縫製物の隅方向に移動して、
針落ちすることにより捨て縫いすることを特徴とする請
求項1または2記載のミシン。 - 【請求項4】 前記捨て縫いは現在縫われ又はこれから
縫われる刺繍縫い位置を外した位置に行うことを特徴と
する請求項1、2または3記載のミシン。 - 【請求項5】 前記捨て縫いを終了後、自動的に下糸の
巻き取りを開始することを特徴とする請求項1、2、3
または4記載のミシン。
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