JPH11285592A - 下糸糸巻き装置付きミシン - Google Patents

下糸糸巻き装置付きミシン

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JPH11285592A
JPH11285592A JP9128398A JP9128398A JPH11285592A JP H11285592 A JPH11285592 A JP H11285592A JP 9128398 A JP9128398 A JP 9128398A JP 9128398 A JP9128398 A JP 9128398A JP H11285592 A JPH11285592 A JP H11285592A
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bobbin
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sewing machine
winding
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清志 松沢
Minoru Hayashi
稔 林
Fumio Wada
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボビンに巻回された下糸の有無を確実に検出
し、ボビンに新たな下糸の供給を確実に実行し、縫製動
作を安全かつ適正に中断および再開することのできる下
糸糸巻き装置付きミシンを提供すること。 【解決手段】 上糸検出手段221と、下糸検出手段2
14と、縫製動作時に、上糸検出手段221および下糸
検出手段214から送出される検出信号に基づいて上糸
USおよび下糸DSの有無を監視し、下糸検出手段21
4による下糸無しの検出信号が上糸検出手段221によ
る上糸無しの検出信号より先に送出された場合には下糸
無しと判別し、上糸検出手段221による上糸無しの検
出信号が下糸検出手段214による下糸無しの検出信号
より先に送出された場合には上糸無しと判別する糸無し
判別制御部241とを有し、糸無し判別制御部241が
下糸無しと判断した場合に糸巻き動作を開始するように
形成したことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、釜からボビンを取
り外すことなくボビンに下糸を供給することのできる下
糸糸巻き装置付きミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から釜からボビンを取り外すことな
くボビンに下糸を供給することのできる各種の下糸糸巻
き装置付きミシンが提案されている。
【0003】これらの従来例としては、特公昭60−4
2745号公報あるいは特公平3−27230号公報に
記載されているものなどがある。そして、特公昭60−
42745号公報あるいは特公平3−27230号公報
に記載されている水平釜用の下糸糸巻き装置付きミシン
は、何れもボビンに下糸を供給する糸巻き動作時に、外
釜の剣先にすくわれ内釜を回る糸を、下糸張力ばねに案
内してボビンの回転によりボビンの切欠きに糸を捕捉さ
せて巻き取るようにされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年におい
ては、各種の製品において操作性や安全性や品質の向上
が常に図られており、下糸糸巻き装置付きミシンにおい
ても操作性や安全性や縫製品質の向上を図るため、ボビ
ンに巻回された下糸の有無を確実に検出し、ボビンに新
たな下糸の供給を確実に実行し、縫製動作を安全かつ適
正に中断および再開するものが求められていた。さらに
また、作業者の操作ミスを防止するため、ボビンに供給
する下糸の種類、糸巻き量、ミシンの稼動状態、ミシン
の設定状態などを作業者に容易に認識せしめることので
きるものが求められていた。
【0005】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であり、ボビンに巻回された下糸の有無を確実に検出
し、ボビンに新たな下糸の供給を確実に実行し、縫製動
作を安全かつ適正に中断および再開することのできる下
糸糸巻き装置付きミシンを提供することを第1の目的と
し、作業者の操作ミスを防止することのできる下糸糸巻
き装置付きミシンを提供することを第2の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため特許請求の範囲の請求項1に記載の本発明の下糸糸
巻き装置付きミシンの特徴は、上糸の有無を検出する上
糸検出手段と、ボビンに巻回された下糸の有無を検出す
る下糸検出手段と、縫製動作時に、前記上糸検出手段お
よび下糸検出手段から送出される検出信号に基づいて上
糸および下糸の有無を監視し、前記下糸検出手段による
下糸無しの検出信号が前記上糸検出手段による上糸無し
の検出信号より先に送出された場合には下糸無しと判別
し、前記上糸検出手段による上糸無しの検出信号が前記
下糸検出手段による下糸無しの検出信号より先に送出さ
れた場合には上糸無しと判別する糸無し判別制御部とを
有し、前記糸無し判別制御部が下糸無しと判断した場合
に前記ボビンに下糸を供給する糸巻き動作を開始するよ
うに形成した点にある。そして、このような構成を採用
したことにより、糸無し判別制御部は、上糸および下糸
のそれぞれの有無を同時に監視することができるととも
に、上糸および下糸の何れが無くなったのかを確実かつ
容易に判別することができる。さらに、糸無し判別制御
部が下糸無しと判断した場合、ボビンに下糸を供給する
糸巻き動作を容易に開始することができる。
【0007】また、請求項2に記載の本発明の下糸糸巻
き装置付きミシンの特徴は、ボビンに巻回された下糸の
有無を検出する下糸検出手段と、縫製動作時に、前記下
糸検出手段から下糸無しの検出信号が送出された場合、
下糸無しの検出信号を検出した時点における縫製位置か
ら複数針運針した後でミシンを停止する縫製中断時針位
置制御部とを有し、前記糸無し判別制御部が下糸無しと
判断した場合に前記ボビンに下糸を供給する糸巻き動作
を開始するように形成した点にある。そして、このよう
な構成を採用したことにより、縫製中断時針位置制御部
は、下糸の残り糸を確実に消費することができるととも
に、下糸の残り糸を確実に消費した後に、ボビンに下糸
を供給する糸巻き動作を開始することができ、その結
果、糸巻き動作の自動化を容易に行うことができる。
【0008】また、請求項3に記載の本発明の下糸糸巻
き装置付きミシンの特徴は、請求項2において、前記ボ
ビンに下糸を供給した後に、下糸無しの検出信号を検出
した時点における縫製位置から複数針戻した位置から縫
製動作を再スタートさせる縫製再開時針位置制御部を有
する点にある。そして、このような構成を採用したこと
により、縫製再開時針位置制御部は、ボビンに下糸を供
給した後に、下糸無しの検出信号を検出した時点におけ
る縫製位置へ自動的に戻って縫製動作を再開することが
でき、その結果、作業性を確実に向上させることができ
るとともに、ほつれのない縫い目を確実に形成すること
ができる。
【0009】また、請求項4に記載の本発明の下糸糸巻
き装置付きミシンの特徴は、自動的に糸巻き動作を開始
する自動糸巻きモードと、作業者の操作により糸巻き動
作を開始する手動糸巻きモードとを切り換える糸巻きモ
ード切替スイッチと、前記糸巻きモード切替スイッチの
設定状態に基づいて自動的に糸巻き動作を行うか否かを
判別する糸巻きモード判別制御部とを有し、前記糸巻き
モード判別制御部の判別結果に基づいて前記ボビンに下
糸を供給する糸巻き動作を開始するように形成した点に
ある。そして、このような構成を採用したことにより、
糸巻きモード判別制御部は、作業者の操作による糸巻き
モード切替スイッチの設定状態に応じて、糸巻き動作の
モードを容易に選択することができる。さらに、糸巻き
モード切替スイッチにより設定されたモードでボビンに
下糸を供給する糸巻き動作を容易に開始することができ
る。
【0010】また、請求項5に記載の本発明の下糸糸巻
き装置付きミシンの特徴は、複数の模様縫いデータを記
憶する縫いデータ記憶部と、前記複数の模様縫いデータ
から所望の模様縫いデータを選択する模様選択手段と、
前記模様選択手段により選択された模様縫いデータを判
別する模様縫いデータ判別手段と、選択された模様縫い
データおよび/または選択された模様を形成するのに必
要な補助部品の着脱状態に基づいて自動的に下糸の糸巻
き動作を開始する自動糸巻きモードあるいは作業者の操
作により下糸の糸巻き動作を開始する手動糸巻きモード
を自動的に設定する糸巻きモード自動設定制御部とを有
し、前記糸巻きモード自動設定制御部により設定された
モードで前記ボビンに下糸を供給する糸巻き動作を開始
するように形成した点にある。そして、このような構成
を採用したことにより、糸巻きモード自動設定制御部
は、選択された模様縫いデータおよび/または選択され
た模様を形成するのに必要な補助部品の着脱状態に基づ
いて、糸巻き動作のモードを自動的に選択することがで
き、その結果、直線縫い、ジグザグ縫い、ボタンホール
縫いなどの実用縫いを行う場合には、糸巻きモード切替
スイッチの設定状態によって、下糸の種類の変更や、下
糸の巻き量の微妙な調整に好適な手動糸巻きモードを容
易に選択することができ、刺繍縫いを行う場合には、糸
巻きモード切替スイッチの設定状態によって、一般的に
一種類の下糸を用いるのに好適な自動糸巻きモードを容
易に選択することができる。さらに、糸巻きモード自動
設定制御部により設定されたモードでボビンに下糸を供
給する糸巻き動作を容易に開始することができる。
【0011】また、請求項6に記載の本発明の下糸糸巻
き装置付きミシンの特徴は、ボビンへの下糸の供給を終
了した場合、縫製動作を自動的に再スタートする再スタ
ート制御部を有し、前記ボビンに下糸を供給する糸巻き
動作が終了した場合に縫製動作を自動的に再スタートす
るように形成した点にある。そして、このような構成を
採用したことにより、再スタート制御部は、糸巻き動作
が終了した後に、縫製動作を自動的に再スタートするこ
とができるので、作業性を確実に向上させることができ
る。
【0012】また、請求項7に記載の本発明の下糸糸巻
き装置付きミシンの特徴は、ボビンへの下糸の供給を終
了した場合、自動的に縫製動作を再スタートする自動再
スタートモードと、作業者の操作により縫製動作を再ス
タートする手動再スタートモードとを切り換える再スタ
ートモード切替スイッチと、前記再スタートモード切替
スイッチの設定状態に基づいて自動的に再スタートする
か否かを判別する再スタート動作制御部とを有し、前記
ボビンに下糸を供給する糸巻き動作が終了した場合に前
記再スタート動作制御部により設定されたモードで縫製
動作を再スタートするように形成した点にある。そし
て、このような構成を採用したことにより、再スタート
動作制御部は、再スタートモード切替スイッチの設定状
態に基づいて、縫製動作を再スタートする際のモードを
容易に選択することができる。さらに、再スタート動作
制御部は、糸巻き動作が終了した後に、再スタートモー
ド切替スイッチにより設定されたモードで縫製動作を容
易に再スタートすることができるので、作業性を確実に
より向上させることができる。
【0013】また、請求項8に記載の本発明の下糸糸巻
き装置付きミシンの特徴は、 複数の模様縫いデータを
記憶する縫いデータ記憶部と、前記複数の模様縫いデー
タから所望の模様縫いデータを選択する模様選択手段
と、前記模様選択手段により選択された模様縫いデータ
を判別する模様縫いデータ判別手段と、選択された模様
縫いデータに基づいて自動的に縫製動作を再スタートす
る自動再スタートモードあるいは作業者の操作により縫
製動作を再スタートする手動再スタートモードを自動的
に設定する再スタートモード自動設定制御部とを有し、
前記再スタートモード自動設定制御部により設定された
モードで縫製動作を再スタートするように形成した点に
ある。そして、このような構成を採用したことにより、
再スタートモード自動設定制御部は、選択された模様縫
いデータに基づいて、縫製動作を再スタートする際のモ
ードを容易に選択することができので、作業性を確実に
向上させることができる。
【0014】また、請求項9に記載の本発明の下糸糸巻
き装置付きミシンの特徴は、縫製動作の再スタートを認
識せしめる表示および/または警告を行う再スタート告
知手段と、ボビンへの下糸の供給を終了して縫製動作を
再スタートする前に、前記再スタート告知手段が動作す
るように制御する再スタート告知制御部とを有し、前記
ボビンに下糸を供給する糸巻き動作が終了した場合に前
記再スタート告知手段を動作させてから縫製動作を再ス
タートするように形成した点にある。そして、このよう
な構成を採用したことにより、再スタート告知制御部
は、糸巻き動作を終了した後の縫製動作を再スタートす
る前に再スタート告知手段を容易かつ確実に動作させる
ことができ、その結果、縫製動作が再スタートすること
を作業者あるいは周囲の人々に容易かつ確実に認識させ
ることができるので、縫製動作の再スタートを行う場合
における安全性を高めることができる。さらにまた、再
スタート告知制御部は、特に、再スタートを自動的に行
う場合における安全性を高めることができる。
【0015】また、請求項10に記載の本発明の下糸糸
巻き装置付きミシンの特徴は、ボビンの回転状態を検出
するボビン回転状態検出手段と、前記ボビン回転状態検
出手段から送出される検出信号に基づいて、縫製動作時
には縫製状態が正常か否かを判断し、糸巻き動作時には
糸巻きが正常か否かを判断する動作状態判別制御部とを
有し、前記動作状態判別制御部が縫製動作あるいは糸巻
き動作の異常を判断した場合にミシンを停止するように
形成した点にある。そして、このような構成を採用した
ことにより、動作状態判別制御部は、縫製状態および糸
巻き状態のそれぞれの正常と異常とを確実かつ容易に判
断することができるとともに、縫製動作および糸巻き動
作の異常を検出した場合にミシンを停止することがで
き、その結果、安全性を高めることができる。
【0016】また、請求項11に記載の本発明の下糸糸
巻き装置付きミシンの特徴は、縫製動作中における糸巻
き動作を無効とする誤動作防止制御部を有する点にあ
る。そして、このような構成を採用したことにより、誤
動作防止制御部は、縫製動作中における糸巻き動作のス
タートを確実に防止することができ、その結果、高い安
全性を確実に確保することができる。
【0017】また、請求項12に記載の本発明の下糸糸
巻き装置付きミシンの特徴は、制御手段に接続され、糸
巻き動作中の前記ボビンに供給する下糸の種類を表示す
る糸巻き時巻き糸表示手段を有する点にある。そして、
このような構成を採用したことにより、糸巻き時巻き糸
表示手段は、糸巻き動作中におけるボビンに供給する下
糸の種類、具体的にはボビンに供給する下糸が上糸か下
糸専用糸かを明確に表示して、作業者に容易に認識させ
ることができるので、作業者の操作ミスを確実に防止す
ることができる。
【0018】また、請求項13に記載の本発明の下糸糸
巻き装置付きミシンの特徴は、制御手段に接続され、糸
巻き動作時に前記ボビンに供給する下糸の種類の設定状
態を表示する巻き糸設定状態表示手段を有する点にあ
る。そして、このような構成を採用したことにより、巻
き糸設定状態表示手段は、糸巻き動作時にボビンに供給
する下糸の種類、具体的には、ボビンに供給する下糸が
上糸か下糸専用糸かの設定状態を明確に表示して、作業
者に容易に認識させることができるので、作業者の操作
ミスを確実に防止することができる。
【0019】また、請求項14に記載の本発明の下糸糸
巻き装置付きミシンの特徴は、制御手段に接続され、糸
巻き動作時に前記ボビンに供給する下糸の予め設定され
た糸巻き量を表示する設定糸巻き量表示手段を有する点
にある。そして、このような構成を採用したことによ
り、設定糸巻き量表示手段は、糸巻き動作時にボビンに
供給する下糸の予め設定された糸巻き量を明確に表示し
て、作業者に容易に認識させることができるので、作業
者の操作ミスを確実に防止することができる。
【0020】また、請求項15に記載の本発明の下糸糸
巻き装置付きミシンの特徴は、制御手段に接続され、糸
巻き動作時における前記ボビンに下糸を供給する際の糸
巻きモードを表示する糸巻きモード表示手段を有する有
する点にある。そして、このような構成を採用したこと
により、糸巻きモード表示手段は、糸巻き動作時におけ
るボビンに下糸を供給する際の糸巻きモード、具体的に
は自動的に糸巻き動作を開始する自動糸巻きモードか作
業者の操作により糸巻き動作を開始する手動糸巻きモー
ドかを明確に表示して、作業者に容易に認識させること
ができるので、作業者の操作ミスを確実に防止すること
ができる。
【0021】また、請求項16に記載の本発明の下糸糸
巻き装置付きミシンの特徴は、制御手段に接続され、前
記ボビンへの下糸の供給を終了した場合に縫製動作を再
スタートする際の再スタートモードを表示する再スター
トモード表示手段を有する点にある。そして、このよう
な構成を採用したことにより、再スタートモード表示手
段は、ボビンへの下糸の供給を終了した場合に縫製動作
を再スタートする際の再スタートモード、具体的にはボ
ビンへの下糸の供給を終了した場合に自動的に縫製動作
を再スタートする自動再スタートモードかボビンへの下
糸の供給を終了した場合に作業者の操作により縫製動作
を再スタートする手動再スタートモードかを明確に表示
して、作業者に容易に認識させることができるので、ボ
ビンへの下糸の供給を終了した後の縫製動作の再スター
トを安全かつ確実に行うことができるとともに、作業者
の操作ミスを確実に防止することができる。
【0022】また、請求項17に記載の本発明の下糸糸
巻き装置付きミシンの特徴は、制御手段に接続され、前
記ボビンへの下糸の供給を終了した場合、縫製可能な状
態を表示する縫製可能状態表示手段を有する点にある。
そして、このような構成を採用したことにより、縫製可
能状態表示手段は、ボビンへの下糸の供給を終了した後
の縫製可能な状態を明確に表示して、作業者に容易に認
識させることができるので、ボビンへの下糸の供給を終
了した後の縫製動作の再スタートを安全かつ確実に行う
ことができるとともに、作業者の操作ミスを確実に防止
することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施形
態により説明する。
【0024】図1から図24は本発明に係る下糸糸巻き
装置付きミシンの実施形態の一例を示すものであり、図
1は要部の外観図、図2は水平釜近傍の要部の構成を示
す斜視図、図3は水平釜の要部の構成を示す一部切断断
面図、図4は下糸張力手段を示す斜視図、図5は内釜の
底部近傍を示す平面図、図6はボビンを示す縦断面図、
図7は図6の平面図、図8は糸保持部材の要部を示す平
面図、図9は図8の正面図、図10は糸保持部材表出手
段の要部を示す斜視図、図11は針板の要部を示す斜視
図、図12はボビン駆動部材移動手段の要部を示す斜視
図、図13は専用下糸繰出機構の一例の要部の構成を示
す説明図、図14は上糸繰出機構の一例の要部の構成を
示す説明図、図15は針棒切外し機構の一例の要部の構
成を示す分解斜視図、図16は糸巻き径検出手段の一例
の要部の構成を示す斜視図、図17は図16の平面図、
図18は操作部の一例の要部の構成を示す説明図、図1
9は専用下糸保持検出手段の一例の要部の構成を示す正
面図、図20は図19のY−Y線に沿った側断面図、図
21は図19のZ−Z線に沿った側断面図、図22は制
御手段の要部構成を示すブロック図、図23は下糸の糸
巻き量を示す説明図、図24は下糸の限界糸巻き回数を
示す説明図である。
【0025】本実施形態の下糸糸巻き装置付きミシン
は、刺繍縫いを行うミシンに用いたものであり、糸巻き
動作時に、ボビンに供給する下糸として下糸専用糸ある
いは上糸を選択することができるようにされている。
【0026】図1に示すように、本実施形態の下糸糸巻
き装置付きミシン1は、ミシンフレーム1aの下部に形
成されたミシンベッド1bに、補助部品としての縫製物
Sを保持して移動する刺繍枠などと称される着脱可能な
公知の刺繍装置240が装着されており、ミシンベット
1bに装着した刺繍装置240に縫製物Sをセットした
状態で所定の形状縫いを行うことができるようになされ
ている。なお、刺繍装置240の着脱状態は、後述する
刺繍装置センサ217(図22)によって制御手段93
へ送出可能になっている。また、ミシンフレーム1aの
操作側たる前面側右方には、操作部170が配設されて
いる。さらにまた、針3の下方には、縫製動作時に縫製
物Sを上方から押さえる公知の布押え208が配設され
ており、この布押え208は、図示しない公知の押え機
構によって上下移動可能とされている。
【0027】図2および図3に示すように、本実施形態
の下糸糸巻き装置付きミシン1は、公知の針棒機構によ
り縫製動作時に上軸(共に図示せず)に連動して上下方
向へ往復運動する針棒2の先端部に取着された針3の前
方に配設された釜たる水平釜4を有している。この水平
釜4は、ミシンベット1bの一部を構成する図3上方に
示す針板5の下方に位置するようにしてミシンフレーム
1a(図1)の内部、詳しくは、ミシンベッド1bの下
部に配設されており、縫製動作時に公知の針棒機構、天
秤機構および布送り機構などと協働して所望の縫い目を
形成するようにされている。なお、縫製動作時において
針3を上軸に連動して上下方向へ往復運動させる針棒2
の上下方向への往復運動は、後述する針棒切外し機構1
40(図15)によって、糸巻き動作時に上軸の回転か
ら切外して針3の上下方向への往復運動を停止させ針3
を上方に保持可能とされている。
【0028】前記水平釜4は、縫製動作時に、図示しな
い下軸に連動して図2矢印Aにて示す上方から見て反時
計方向へ正回転する外釜7を有している。この外釜7
は、図3に示すように、上部が大径の大径部7aとされ
下部が小径の小径部7bとされた2段のほぼ筒状に形成
されている。そして、外釜7の小径部7bには、下軸に
固定されたねじギア(共に図示せず)と噛合するねじギ
ア8(図3)が固定されており、外釜7は、このねじギ
ア8によって上軸に連動して回転駆動する下軸の回転運
動に連動して回転可能に形成されている。すなわち、水
平釜4の外釜7は、上軸と同期して回転するようになっ
ている。
【0029】前記外釜7の軸心部には、図3に示すよう
に、ほぼ円筒形状に形成された釜軸9が前記ねじギア8
の軸心部を貫通するようにして配設されており、この釜
軸9の下端部は、図3下方に示す釜取付台10に図示し
ないねじなどにより固定されている。この釜取付台10
は、ミシンフレーム1aの内部に固定されたベースフレ
ーム33に取着されている。そして、釜軸9の軸心部に
は、上下両端部が釜軸9の上下両端から突出するボビン
駆動部材11が回転可能かつ軸方向に移動可能にして配
設されており、ボビン駆動部材11の下部の外周面に配
設されたボビン駆動部材付勢ばね12の上端を前記釜軸
9あるいは釜取付台10の下端面に当接するとともに、
ボビン駆動部材付勢ばね12の下端部をボビン駆動部材
11の下端部近傍に取着した止め輪13の上面に当接さ
せることにより、ボビン駆動部材11は常時は下方に向
けて付勢されている。また、ボビン駆動部材11の上端
部には、ボビン駆動ギア14が設けられている。このボ
ビン駆動ギア14は、外釜7の大径部7aと小径部7b
とをつなぐ段部7cの内部、詳しくは大径部7aの内部
底部にねじ15により固定された外釜底板16の軸心部
に板厚方向に貫通するようにして設けられたボビン駆動
ギア14と同一形状のギア孔17に常に嵌合されてお
り、その結果、ボビン駆動部材11は常時は外釜7と一
体で回転するようにされている。
【0030】前記外釜7の大径部7aの内部には、上部
が開口のほぼカップ状に形成された内釜18が配設され
ている。この内釜18は、ボビン収納穴23の軸心を前
記外釜7の軸心に対して布送り方向上流側から見て左方
にずらして配設されているとともに、内釜18は、外釜
7の大径部7aの内周面の上部に形成されたレース面7
dにより回転自在に支持されている。すなわち、外釜7
は、その内方で内釜18を非回転支持するようにされて
いる。このボビン収納穴23の軸心を外釜7の軸心に対
してずらして配設した水平釜4、つまり、内釜18の回
転中心を外釜7の回転中心に対してずらした異心軸とな
る水平釜4は、縫製動作時のヒッチステッチを容易に防
止して縫製品質を向上させることができるとともに、図
示しない糸切り装置や下糸繰出装置などを配設するスペ
ースを容易に確保することができる。そして、内釜18
は、外釜7が正回転した際に、外釜7との摩擦により外
釜7とともに正回転するが、この内釜18の回転は、外
釜7の上端より上方に位置する内釜18の外周面に設け
た突起19(図2)をミシンフレーム1aに固定された
内釜回り止め20(図2)に当接させることにより停止
させることができるようになっている。また、外釜7が
逆回転した際の内釜18の逆回転は、ミシンフレーム1
aに固定された弾性を有する内釜逆転止め21(図2)
により停止させることができるようになっている。さら
に、内釜18の内部の軸心部には、後述するボビン22
を内部に収納するためのほぼ円柱状に形成されたボビン
収納穴23が凹設されている。このボビン収納穴23の
周面の一部には、ボビン収納穴23に対するボビン22
の着脱を容易に行うため上部が開口のボビン着脱用凹溝
24が形成されている。さらにまた、ボビン収納穴23
の上部の周方向の一部には、ボビン収納穴23の一部を
兼ねた下糸張力手段25(図2)が配設されている。
【0031】前記下糸張力手段25は、ボビン22に下
糸DSを巻き取って供給した後に、縫製動作時において
下糸DSに適正な張力を付与するためのものであり、図
4に示すように、円弧状に形成された基板26を有して
いる。この基板26の内周面は、前記ボビン収納穴23
の内面の一部を形成するようにボビン収納穴23の内径
寸法とほぼ同一の曲率かあるいはボビン収納穴23の内
径寸法より僅かに大きな曲率で形成されている。そし
て、基板26の上端縁には、前記外釜7が逆回転した際
に、内釜18の上面に沿って図4右方から左方へ移動す
る下糸DSが入り込む糸導入口27が形成されており、
この糸導入口27には、下糸DSが通過可能な幅で板厚
方向に貫通する糸導入溝28の先端部が接続されてい
る。そして、糸導入溝28の後端部は、基板26の糸導
入口27より図4左方下方に形成された板厚方向に貫通
するほぼ円形の糸係止孔29に接続されている。さら
に、糸係止孔29より図4左方に位置する基板26の上
端縁には、溝状の糸出口30が凹設されている。また、
基板26の外周面には、糸係止孔29から糸出口30へ
至る下糸DSを押さえるため図4に想像線にて示す下糸
押さえ板ばね31が密着配置されており、ボビン22に
巻回された下糸DSは、図4に示すように、糸係止孔2
9と糸出口30との間で下糸押さえ板ばね31によって
所定の張力を付与された状態で縫い目につながるように
されている。そして、下糸押さえ板ばね31と基板26
とは、下糸押さえ板ばね31を基板26の外周面に重ね
たうえで取付ねじ32により前記内釜18に固定されて
いる。
【0032】前記ボビン収納穴23の図3下方に示す底
部23aには、図5に示すように、ボビン収納穴23の
軸心と一致するボビン22の軸心と、外釜7の軸心とを
含むように板厚方向に貫通する内釜貫通孔34が形成さ
れており、この内釜貫通孔34には、前記ボビン駆動部
材11がボビン駆動部材付勢ばね12の付勢力に抗して
上昇した際に、ボビン駆動部材11の上端部に設けられ
ているボビン駆動ギア14が進入可能とされている。そ
して、ボビン駆動ギア14が内釜貫通孔34に進入する
と、このボビン駆動ギア14は、後述するボビン22に
形成されたボビン従動ギア35に噛合可能とされてい
る。
【0033】図6に示すように、前記ボビン22は、下
糸DSが外周面に巻回されるボビン中心軸36を有して
おり、このボビン中心軸36の両端部には相互に対向す
るようにして上フランジ37および下フランジ38が配
設されている。すなわち、ボビン中心軸36の上端部に
は上フランジ37が、下端部には下フランジ38が配設
されている。そして、下フランジ38の図6下方に示す
下端面38aには、前記ボビン駆動部材11がボビン駆
動部材付勢ばね12の付勢力に抗して上昇した際に、ボ
ビン駆動部材11の上端部に設けられているボビン駆動
ギア14と噛合可能なボビン従動ギア35がその軸心を
下フランジ38、すなわち、ボビン22の軸心と同一に
して配設されている。また、上フランジ37には、図7
に示すように、外周縁に開口39aを備えたスリット3
9が形成されている。さらに、上フランジ37と下フラ
ンジ38とは、ボビン中心軸36により間隔を隔てて相
互に対向するように平行に配設されている。さらにま
た、ボビン中心軸36の上フランジ37との接続部位に
は、図6に示すように、径方向外側に突出するほぼ環状
の壁部40が形成されており、この壁部40の上面と上
フランジ37の下面との間に糸捕捉部としての凹溝41
が形成されており、この糸捕捉部としての凹溝41に
は、前記スリット39の根本が接続されている。また、
スリット39の開口39aが形成された上フランジ37
の外周縁には、鋭角な鋭角部39aaと、鈍角な鈍角部
39abとが形成されている。つまり、図7に矢印にて
示す糸巻き動作時のボビン22の回転方向の先頭側に位
置するスリット39の開口39aが形成された上フラン
ジ37の外周縁には、鋭角な鋭角部39aaが形成され
ており、その下方に位置する図7に矢印にて示す糸巻き
動作時のボビン22の回転方向の末尾側に位置するスリ
ット39の開口39aが形成された上フランジ37の外
周縁には、鈍角な鈍角部39abが形成されており、糸
巻き動作時に供給される下糸DSを確実かつ容易に捕捉
することができるようになっている。
【0034】なお、糸捕捉部としては、スリット39の
根本が接続されているボビン中心軸36の上フランジ3
7との接続部位にV字形状の溝を設ける構成や、スリッ
ト39の根本が接続されているボビン中心軸36の上フ
ランジ37との接続部位に糸を捕捉しやすい摩擦係数の
大きい凹凸を溶射やブラストなどによって設けた構成な
どの糸巻き動作時に供給される下糸DSの糸端部分を確
実かつ容易に捕捉することができる構成であればよい。
【0035】図7に示すように、上フランジ37の上面
には、ボビン回転被検出部としての図7に白抜きにて示
す高反射率部210aと図7に斜線にて示す低反射率部
210bとを所定間隔で交互に繰返し配置した反射テー
プ210が貼着されている。なお、反射テープ210の
かわりに、上フランジ37の上面に、高反射率部210
aと低反射率部210bとを直接形成する構成であって
もよい。そして、ボビン22が回転した際の反射テープ
210の回転は、針板5の下面、詳しくは針板5の釜カ
バー204(図38)の下面にボビン22と対向するよ
うに配設された光りセンサなどからなる反射型光センサ
211(図3)により検出することができるようになっ
ている。この反射型光センサ211は、後述する制御手
段93に電気的に接続されており(図22)、ボビン2
2の回転の有無やボビン22の回転状態などを制御手段
93へ送出することができるようにされている。
【0036】すなわち、本実施形態の反射テープ210
および反射型光センサ211は、後述するように、ボビ
ン22に巻回された下糸DSの有無をボビン22の回転
の有無により検出する機能と、ボビン22の回転状態を
検出する機能との両者を併せもっている。
【0037】前記反射テープ210および反射型光セン
サ211により、本実施形態の下糸検出手段214とし
てのボビン回転状態検出手段215が構成されている。
【0038】図2に戻って、前記外釜7の大径部7aの
外周面には、縫製動作時に縫い目を形成するため上糸ル
ープを捕捉する剣先42、糸巻き動作後の下糸DSの切
断のための切断刃43およびさそい込み部44が配設さ
れている。さらに、前記外釜7が逆回転した場合に切断
刃43に隣接する切断刃43の図2左方に示す回転方向
手前側には、開口部45が形成されている。また、図3
および図5に示すように、前記外釜7の大径部7aの外
周面には、糸巻き動作後にボビン22に巻き取られて供
給された下糸DSを捕捉する平面ほぼコ字形状とされた
フック部46a(図5)を外釜7が逆回転した際に回転
方向に対して正対するように設けた糸捕捉フック46が
突設されている。この糸捕捉フック46のフック部46
aの背面には、図5に示すように、外釜7が正回転した
際に、外釜7の外周面の近傍に位置する下糸DSを外釜
7から離間する方向へ移動可能な糸離間用傾斜面47が
形成されている。また、前記切断刃43は、前記外釜7
の外周面にほぼ接線方向で前記剣先42と対向する向き
に固定されており、前記糸捕捉フック46と前記切断刃
43とは、糸捕捉フック46が下糸張力手段25に下糸
DSの糸掛けを終了するまでは糸捕捉フック46から前
記糸保持部材48へ至る下糸DSの外釜7の外周面に巻
き付いている部位から切断刃43が離間した状態を保持
し、糸捕捉フック46が下糸張力手段25に下糸DSの
糸掛けを終了した後に糸捕捉フック46から糸保持部材
48へ至る下糸DSの外釜7の外周面に巻き付いている
部位に切断刃43が当接するように位置関係が設定され
ている。
【0039】図2に示すように、前記水平釜4の図2右
方には、糸保持部材48が配設されている。この糸保持
部材48は、糸巻き動作時に、ボビン22に供給する下
糸DSとして下糸専用糸EDSあるいは上糸USのどち
らを選択した場合であっても、糸巻き動作時に下糸DS
となる何れか一方の糸端近傍を保持、詳しくはボビン2
2に供給する下糸DSとして下糸専用糸EDSを選択し
た場合には下糸専用糸EDSの糸端近傍を保持し、ボビ
ン22に供給する下糸DSとして上糸USを選択した場
合には上糸USの糸端近傍を捕捉することができるよう
になっている。そして、糸保持部材48は、図2左方に
示すほぼ平板状の糸保持捕捉部49と、この糸保持捕捉
部49の図2右方に示す後端部から図2手前側下方に向
けて延出された取付部50とを有している。そして、取
付部50の先端には、糸保持捕捉部49の板厚方向に平
行に延在する取付面50aが設けられており、この取付
面50aには、糸保持捕捉部49に対してほぼ平行に位
置するようにして前後1対とされた前取付ピン51およ
び後取付ピン52が所望の間隔をおいて糸保持捕捉部4
9から離間するように図2手前側に向かって突設されて
いる。この前後1対の各取付ピン51,52は、後述す
る糸保持部材移動手段53によって移動可能に支持され
るようになっている。
【0040】図8および図9に示すように、糸保持部材
48を構成する前記糸保持捕捉部49の図8下方に示す
前端縁の図8左右に示す長手方向のほぼ中央部には、糸
巻き動作時にボビン22に供給する下糸DSとして上糸
USを選択した際の下糸DSが通過するほぼ鋸刃状の掛
け溝54が形成されている。この掛け溝54の図8左方
に示す先端側に隣位する位置には、図8下方に示す手前
側に向けて突出するとともに、図9に示すように、下方
に向けて傾斜するようにして折曲延出された後舌片55
が形成されている。
【0041】前記後舌片55の図8左方に示す先端側に
は、上方に向かって延在する直立部61が形成されてお
り、この直立部61の上端には、先端側に向かって水平
方向に延長された水平部62が形成されている。そし
て、水平部62は、図8左方に位置し図8上方に示す奥
端縁が直線状に形成され糸保持捕捉部49の最も先端側
に位置する幅の狭い平面ほぼ長方形状の前水平部62a
と、この前水平部62aと前記直立部61の上端とを接
続する幅の広い平面ほぼ長方形状の後水平部62bとか
ら形成されている。さらに、後水平部62bの図9左方
下方に示す角部には斜めの面取りが施されている。ま
た、前水平部62aの先端は、糸保持捕捉先端63とさ
れており、この糸保持捕捉先端63の上面角部には、図
9に示すように、先端に向かって板厚が漸減するガイド
傾斜面64が形成されている。さらに、糸保持捕捉先端
63の図8左方下方に示す角部にはアール状の面取りが
施されているとともに、糸保持捕捉先端63は、図8に
示すように、全体として先端に向けて凸の平面ほぼアー
ル状に形成されている。
【0042】前記糸保持捕捉部49の後舌片55より図
8右方に示す後端側の上面の幅方向ほぼ中央部には、糸
巻き動作時にボビン22に供給する下糸DSとして下糸
専用糸EDSを選択した際に、下糸DSのガイドとなる
ほぼ横L字状の糸ガイド舌片65が、その自由端を図8
下方に示す手前側に向けて上方に突出形成されている。
なお、糸ガイド舌片65は、設計コンセプトなどの必要
に応じて設ければよい。
【0043】前記糸保持捕捉部49の先端側の上面に
は、糸保持板ばね66がねじ67(図8)により密着配
置されている。この糸保持板ばね66には、糸保持捕捉
部49に形成された掛け溝54と平面同一形状の上掛け
溝68が形成されており、この上掛け溝68の図8左方
に示す先端側には、前記後舌片55の上方に位置するよ
うにして、図8下方に示す手前側に向けて突出するとと
もに、図9に示すように、上方に向けて傾斜するように
して折曲延出された上後舌片69が形成されている。そ
して、上後舌片69と後舌片55との当接部の根本の内
側が、糸巻き動作時にボビン22に供給する下糸DSと
して上糸USを選択した際の下糸DSを後述する糸位置
規制部58の供給側で保持する上糸用後方保持部70と
されている。
【0044】前記糸保持板ばね66の上掛け溝68の図
8上方に示す奥端縁には、上掛け溝68とほぼ同様の掛
け凹溝71が形成されており、この掛け凹溝71の右方
には、図8上方に示す奥側に向けて突出するとともに、
図9に示すように、上方に向けて傾斜するようにして折
曲延出された糸掛舌片72が隣設形成されている。そし
て、糸掛舌片72と糸保持捕捉部49の上面との当接部
の根本の内側が、糸巻き動作時にボビン22に供給する
下糸DSとして下糸専用糸EDSを選択した際の下糸専
用糸EDSを後述する糸位置規制部58の供給側で保持
する専用下糸用後方保持部73とされている。
【0045】前記糸保持板ばね66の上後舌片69の図
8左方には、図8下方に示す手前側に向けて突出すると
ともに、図9に示すように、上方に向けて傾斜するよう
にして折曲延出された前舌片57が前記上後舌片69と
ほぼ平行にして適宜な間隔を隔てて形成されている。そ
して、前舌片57の根本の下面の図8上方に示す奥側の
部位が、糸巻き動作時に、後述する上方糸保持部59お
よび上方糸係止部60より供給側に位置する下糸専用糸
EDSあるいは下糸DSとして供給される上糸USを前
記ボビン22の上フランジ37に当接可能に位置させる
糸位置規制部58とされている。
【0046】前記糸保持板ばね66の図8左方に示す先
端側は、図8下方に示す前端縁が直線状の正面ほぼ横L
字状に形成されており、図8左方下方に示す角部が糸保
持板ばね先端74とされている。そして、糸保持板ばね
66の図8左方に示す先端縁は、図8に示すように、糸
保持板ばね先端74から図8上方に示す奥端縁に向けて
図8右方に示す後端縁側に向かって斜めに傾斜して形成
されているとともに、その途中の糸保持捕捉部49の前
水平部62aと重なった部位には、図8上方に向けて凸
の凸状部75が形成されている。また、糸保持板ばね先
端74から凸状部75までの先端側部位は、図9に示す
ように先端側上方に向けて傾斜するようにして折曲延出
されている。そして、糸保持板ばね66の先端縁と糸保
持捕捉部49の先端縁との交叉部が、糸巻き動作時にお
いて後述する進入位置に位置した際に、供給される下糸
DSとしての上糸USを前記ボビン22の上フランジ3
7の上方に位置するように係止可能な上方糸係止部60
とされ、糸保持板ばね66の凸状部75と糸保持捕捉部
49の上面との当接部が、糸巻き動作時において後述す
る進入位置に位置した際に、供給される下糸専用糸ED
Sを前記ボビン22の上フランジ37の上方に位置する
ように保持可能な上方糸保持部59とされている。
【0047】なお、本実施形態においては、ボビン22
に供給する下糸DSとして下糸専用糸EDSあるいは上
糸USの何れを選択した場合においても保持あるいは捕
捉可能な糸保持部材48を用いる構成としたが、ボビン
22に供給する下糸DSとして下糸専用糸EDSのみを
供給する場合においては、前記糸位置規制部58、上方
糸保持部59および専用下糸用後方保持部73のみを有
する構成としてもよい。また、ボビン22に供給する下
糸DSとして上糸USのみを供給する場合においては、
前記糸位置規制部58、上方糸係止部60および上糸用
後方保持部70のみを有する構成としてもよい。
【0048】図2に戻って、前記糸保持部材移動手段5
3は、少なくとも糸保持部材48の先端部を退避位置と
進入位置との間を進退させるものであり、前記糸保持部
材48の取付面50aに突設された前取付ピン51およ
び後取付ピン52が挿通される移動溝76を有してい
る。この移動溝76は、前記ベースフレーム33に固定
された断面ほぼL字状の機構台77の立設部77aの上
部近傍に形成されており、図2左方に示す長手方向をほ
ぼ水平にして形成された長孔形状の水平部76aと、こ
の水平部76aの図2右方に示す後端側に、上下方向に
位置する長手方向のほぼ中央部が接続され後端側に向け
て凸のほぼ円弧状に形成された上下部76bとから形成
されている。そして、移動溝76に前取付ピン51およ
び後取付ピン52の先端を手前側に向けて突出するよう
にして挿通したうえで、前取付ピン51および後取付ピ
ン52の先端に止め輪78をそれぞれ取着することによ
り、糸保持部材48が機構台77に取着されている。つ
まり、移動溝76によって糸保持部材48の移動軌跡を
規制することができるようになっている。また、上下部
76bは、後述する下糸専用糸FDSの糸掛け動作時に
おいて糸保持部材表出手段261による糸保持部材48
の少なくとも糸保持部分をミシン外部に突出させる際の
移動軌跡を規制することができるようになっている。
【0049】前記機構台77の立設部77aの図2手前
側右下には、平板状の駆動板下79が適宜な間隔をおい
て平行に配設されており、この駆動板下79は、駆動板
下79の図2奥側に示す裏面に突設した前後1対のガイ
ドピン80(一方のみ図示)の先端を、前記機構台77
の移動溝76の下方に移動溝76の水平部76aに対し
て平行に延在するようにして形成したガイド溝81を貫
通するようにして挿通したうえでガイドピン80の先端
に止め輪82をそれぞれ公知の如く取着することにより
ガイド溝81に沿って移動自在に支持されている。
【0050】また、前記機構台77の立設部77aの図
2手前側右上には、平板状の駆動板上83が適宜な間隔
をおいて平行に配設されており、この駆動板上83の下
端部は、前記駆動板下79の上端縁の右側に配設された
ガイドロッド84に挿通されるとともに、ガイドロッド
84の図2右方に示す後端側の外周面に装着された付勢
ばね85により、常時は図2左方に示す先端側に向けて
付勢されている。そして、駆動板上83の下端縁には、
係止溝86が形成されており、この係止溝86に対して
駆動板下79の上端縁のガイドロッド84の右方に上方
に向けて突設した係止ピン87を嵌合することにより、
駆動板上83がガイドロッド84を中心として回転する
のを防止することができるようになっている。さらに、
駆動板上83には、前記後取付ピン52を上下動させる
ことにより、糸保持部材48の先端を外釜7の大径部7
aに沿って上下動させるためのカム面88を形成するた
め、図2左方が開口の左斜め上方から右斜め下方に向か
うカム溝89が形成されており、このカム溝89には、
前記後取付ピン52の先端部が嵌合可能に形成されてい
る。また、駆動板下79の下端縁には、駆動モータ91
の出力軸に取着されたピニオン92と噛合するラック9
0が形成されており、駆動モータ91の回転により、駆
動板下79がガイド溝81に沿って移動可能とされてお
り、その結果、糸保持部材48が進退自在にされてい
る。
【0051】また、前記糸保持部材移動手段53の駆動
モータ91は、図2に示すように、後述する制御手段9
3に電気的に接続されており、制御手段93から送出さ
れる制御指令に基づいて所定のタイミングで駆動される
ようにされている。
【0052】前記機構台77の立設部77aの図2奥側
に示す裏面には、軸251が固定されており、この軸2
51には、ねじりコイルばね252の胴部が取着されて
いる。また、軸251の先端部は、ねじりコイルばね2
52の胴部が取着される部位よりその外径寸法が大きく
形成されており、ねじりコイルばね252が軸215か
ら脱落するのを防止する抜け止めになっている。さら
に、ねじりコイルばね252の図2左方に示す一方の腕
252aの先端部は、機構台77の立設部77aに形成
された板厚方向に貫通する貫通孔253に掛けられて回
り止めとなっており、ねじりコイルばね252の図2右
方に示す他方の腕252bの先端部は、糸保持部材48
の取付部50の裏面に所定の付勢力をもって当接してい
る。つまり、図2に示すように、糸保持部材48は、常
時はねじりコイルばね252の付勢力をもって前取付ピ
ン51を中心として図2反時計方向へ回転するように付
勢されており、糸保持部材48の先端部は、外釜7外周
面近傍の下方の退避位置に位置するように形成されてい
る。
【0053】前記機構台77の立設部77aの上端縁の
長手方向ほぼ中央部は、図2に示すように、上方に向か
って突出するように突出取付部260が突設されてお
り、この突出取付部260の裏面には、図10に示す糸
保持部材表出手段261が配設されている。この糸保持
部材表出手段261は、図10に示すように、前記突出
取付部260の裏面に固定された固定軸262を有して
おり、この固定軸262には、従動リンク体263が1
対の止め輪265(一方のみ図示)によって軸方向への
位置決めがされた状態で回転可能に取着されている。ま
た、固定軸262には、ねじりコイルばね264の胴部
が取着されている。そして、ねじりコイルばね264の
図10下方に示す一方の腕264aの先端部は、機構台
77の立設部77aの上端縁に掛けられて回り止めとな
っており、ねじりコイルばね264の図10上方に示す
他方の腕264bの先端部は、従動リンク体263に所
定の付勢力をもって当接している。つまり、従動リンク
体263は、ねじりコイルばね264の付勢力によっ
て、常時は固定軸262を中心として図10反時計方向
へ回転するように付勢されており、従動リンク体263
の図10左方に示す従動腕263aを左斜め上方に位置
させ、従動リンク体263の図10右方に示す作動腕2
63bをほぼ水平に位置させるようになっている。ま
た、従動腕263aの先端部は、後述する開閉カバー2
71の突出部277(図11)の移動軌跡上に位置して
おり、作動腕263bの先端部下部は、常時は糸保持部
材48の取付部50に対して上方から当接可能にして上
方に離間した位置に位置している。
【0054】なお、作動腕263bの先端部下部を糸保
持部材48の取付部50に対して上方から軽い当接力、
すなわち、糸保持部材48を図2反時計方向へ回転する
ように付勢しているねじりコイルばね252の付勢力よ
り弱い力で当接させる構成としてもよい。
【0055】図11に示すように、前記針板5の所望の
位置には、針3が上下動するための板厚方向に貫通する
針通過孔272およびボビン22をミシン内部から抜き
取るための板厚方向に貫通するボビン抜取用貫通孔27
3が形成されている。このミシンベッド1bの一部を構
成する針板5の糸保持部材48の上方に位置する部位に
は、下糸専用糸EDSを前記糸保持部材48の少なくと
も先端部側に位置する糸保持部分へ糸掛けする下糸専用
糸EDSの糸保持部材48への糸掛け動作時に用いるほ
ぼ長方形の開口部274が設けられており、この開口部
274には、開口部274を開閉するため進退自在にス
ライド移動可能に形成された開閉カバー271が配設さ
れている。この開閉カバー371の上面は、前記針板5
の上面とほぼ面一に形成されている。そして、開閉カバ
ー271の図11左方に示す先端部近傍には、作業者が
開閉カバー271を進退操作してスライド移動するため
の指掛け275が形成されている。さらに、針板5の開
閉カバー271の図11右方に示す後部には、開閉カバ
ー271を図11右方にスライドさせて後退させて開口
部274を開状態とした際に、開閉カバー271を下方
から支持する凹部276が形成されている。また、開閉
カバー271の図11左方下方に示す角部の下方には、
開閉カバー271を後退させた際に、前記糸保持部材表
出手段261の従動リンク体263の従動腕263aを
駆動させる糸保持部材表出駆動手段としての突出部27
7が形成されている。さらにまた、針板5の図11に示
す開閉カバー271の閉状態における後端部近傍には、
後述する下糸専用糸EDSが巻回された下糸糸駒111
(図13)から繰り出される下糸専用糸EDSを開口部
274の内部に導くための溝部278が開口部274の
長手方向に対して直交する方向に沿って形成されてい
る。
【0056】すなわち、本実施形態においては、開口部
274を開閉可能な開閉カバー271の開閉動作に連動
して糸保持部材表出駆動手段としての突出部277が糸
保持部材表出手段261を駆動させることができるよう
になっている。
【0057】さらに説明すると、開口部274を開状態
とするために、開閉カバー271を開閉カバー271の
開動作である図11右方に後退させる途中で突出部27
7が従動腕263aに当接し、ねじりコイルばね264
の付勢力によって固定軸262を中心として反時計方向
へ付勢されている従動リンク体263をねじりコイルば
ね264の付勢力に抗して時計方向へ回動させ、従動リ
ンク体263の作動腕263bの先端部下部が所定のタ
イミングで糸保持部材48の取付部50に対して上方か
ら当接し、前取付ピン51を中心として反時計方向へ回
転するように付勢されている糸保持部材48をねじりコ
イルばね252の付勢力に抗して時計方向へ回動させ、
その結果、糸保持部材48の先端部側に設けられている
糸保持部分を開口部274を通過させてミシン外部に突
出した糸掛け位置に位置させることができるようになっ
ている。なお、糸保持部材48の先端部の移動軌跡は、
前述したように、移動溝76の上下部76bによって規
制されるようになっている。また、糸掛け位置として
は、作業者が指で下糸専用糸EDSを前記糸保持部材4
8の糸保持部分へ糸掛けすることのできる開口部274
近傍の位置であれば、例えば、開口部274の内部位置
や、開口部274の針板5表面と同一面位置などでもよ
く、特に、本実施形態の糸掛け位置に限定されるもので
はない。この糸掛け位置は、設計コンセプトなどの必要
に応じて選択するとよい。
【0058】図3に示すように、前記ボビン駆動部材1
1の下方には、ボビン駆動部材移動手段94が配設され
ている。このボビン駆動部材移動手段94は、ボビン駆
動部材11の下方に位置する平面ほぼL字状に形成され
た作動板95を有している。この作動板95の図3右方
に示す後端部には、図2、図3および図12に示すよう
に、ギア連結リンク96が連設されている。このギア連
結リンク96の長手方向のほぼ中央部には、前記機構台
77の図2左方下方の角部近傍に立設されたリンク支持
ピン97が図2手前側に突出するようにして挿通されて
おり、このリンク支持ピン97の先端側に取着された止
め輪98によって、ギア連結リンク96はリンク支持ピ
ン97を中心として回転可能に支持されるようにして機
構台77に取着されている。さらに、作動板95は、図
12に示すように、一端が作動板95に係止され他端が
ベースフレーム33に係止されたばね6により、常時は
リンク支持ピン97を中心として反時計方向へ付勢され
ているとともに、作動板95のリンク支持ピン97を中
心とした反時計方向への回転は、機構台77に突設され
た位置決めピン99にギア連結リンク96の下端面が当
接した位置で保持されており、その結果、作動板95
は、常時はボビン駆動部材11の下方に離間し、ボビン
駆動部材11の上端に配設されたボビン駆動ギア14が
外釜底板16のギア孔17と噛合し、かつ、ボビン駆動
ギア14がボビン従動ギア35から離間した離間位置を
保持することができるようになっている。
【0059】図12に示すように、ギア連結リンク96
の右方下方には、上に凸の円弧状溝部100が形成され
ており、この円弧状溝部100の左側下方には、ほぼ上
下方向に向けて延在する当接縁100Aが形成されてい
る。この当接縁100Aには、前記機構台77のリンク
支持ピン97の右方下方に立設された支持ピン101に
止め輪102によって回動可能に取着されたほぼベルク
ランク状のストッパ103の作動腕104に板厚方向に
貫通するようにして配設されたストッパピン105が当
接可能とされている。そして、ストッパ103の図12
左方に示す駆動腕106には、一端が駆動腕106に係
止され他端がベースフレーム33に係止されたばね10
7が配設されており、ストッパピン105は、常時はば
ね107の付勢力をもって反時計方向へ付勢された状態
で円弧状溝部100の左方下方にほぼ上下方向に向けて
形成された当接縁100Aに向けて付勢されている。ま
た、ギア連結リンク96の上端縁の図12右方には、図
2に示す前記駆動板下79の裏面に突設された作動ピン
108が駆動板下79の進退運動に連動して接離可能な
傾斜カム面109が形成されており、前記駆動板下79
が図2左方に示す前進側に向かって前進する途中で作動
ピン108が傾斜カム面109に当接し、リンク支持ピ
ン97を中心として反時計方向へ付勢されているギア連
結リンク96をばね6の付勢力に抗して時計方向へ回動
させ、その結果、作動板95の先端を所定のタイミング
で上昇させて前記ボビン駆動部材11と当接させて前記
ボビン駆動部材11を上昇させ、ボビン駆動部材11の
上端に配設されボビン駆動ギア14を上昇させ、外釜底
板16のギア孔17と噛合しているボビン駆動ギア14
を外釜底板16のギア孔17とボビン従動ギア35との
両者に噛合させて、ボビン駆動部材11とボビン22を
連結させた連結位置に位置させることができるようにな
っている。
【0060】また、前記駆動板下79が図2左方に示す
前進側に向かって前進する途中で作動ピン108が傾斜
カム面109に当接し、リンク支持ピン97を中心とし
て反時計方向へ付勢されているギア連結リンク96をば
ね6の付勢力に抗して時計方向へ回動させると、ばね1
07の付勢力をもって反時計方向へ付勢されたストッパ
ピン105が円弧状溝部100の溝底100aに嵌合し
て係合するようになっている。さらにまた、円弧状溝部
100の溝底100aに嵌合したストッパピン105
は、駆動板下79が図2左方に示す前進端から図2右方
に示す後退端に移動する途中で、駆動板下79の先端部
から突出するように配設されたほぼ倒立L字状のストッ
パピン作動腕159と当接することにより、円弧状溝部
100の溝底100aから離間し、作動ピン108が傾
斜カム面109から離間してばね6の付勢力によって反
時計方向へ付勢されているギア連結リンク96の反時計
方向への回動により、円弧状溝部100の左方下方に形
成された当接縁100Aに対向するようになっている。
【0061】したがって、本実施形態におけるストッパ
ピン105は、図2に示す駆動板下79が図2右方に示
す後退端に位置した場合、円弧状溝部100から離間し
た状態を保持してボビン駆動部材11とボビン22を離
間位置に保持することができ、図2に示す駆動板下79
が図2左方に示す前進端に位置した場合、円弧状溝部1
00の溝底100aに嵌合した状態を保持してボビン駆
動部材11とボビン22を連結位置に保持することがで
きるようになっている。
【0062】すなわち、ボビン駆動部材移動手段94
は、前記糸保持部材移動手段53に連動して動作するよ
うに形成されている。
【0063】なお、ボビン駆動部材移動手段94を独立
した他の駆動モータにより駆動させる構成としてもよ
い。
【0064】つぎに、ボビンに供給する下糸として下糸
専用糸を供給する場合に用いる専用下糸繰出機構の一例
について図13により説明する。
【0065】本実施形態のボビン22に供給する下糸D
Sとして下糸専用糸EDSを供給する場合の専用下糸繰
出機構110は、糸巻き動作時に、ボビン22に巻き取
られる下糸専用糸EDSに適正な張力を付与するための
ものである。そして、少なくとも糸巻き動作を開始する
前には、下糸専用糸EDSが巻回された下糸糸駒111
を図1に示すミシンフレーム1aの図示しない所望の位
置に回転自在に支持し、糸巻き動作の開始時において
は、図13に示すように、糸巻き動作時に図示しない下
糸立棒に回転自在に支持された下糸糸駒111から繰り
出される下糸専用糸EDSは、供給側に位置する専用下
糸繰出機構110を介して前記糸保持部材48に糸端側
が保持されるように糸掛けされる。
【0066】図13に示すように、専用下糸繰出機構1
10は、図示しない取付ステーに支持された下糸調子ピ
ン112を有しており、この下糸調子ピン112の外周
面には可動皿113が下糸調子ピン112に沿って移動
自在に配設されている。そして、下糸調子ピン112の
下端部には固定皿114が可動皿113と相互に対向す
るようにして配設されている。さらに、下糸調子ピン1
12の外周面には、下糸調子ばね115が外挿されてお
り、この下糸調子ばね115の下端を可動皿113の上
面に当接させるとともに、下糸調子ばね115の上端を
下糸調子ピン112の上端近傍に取着した止め輪116
の下面に当接させることにより、常に可動皿113を固
定皿114に向けて付勢することができるようになって
いる。すなわち、下糸専用糸EDSは、下糸調子ばね1
15の付勢力をもって固定皿114と可動皿113との
間に挟持されるようになっている。
【0067】つぎに、ボビンに供給する下糸として上糸
を供給する場合に用いる上糸繰出機構の一例について図
14により説明する。
【0068】本実施形態の上糸繰出機構120は、縫製
動作時およびボビン22に供給する下糸DSとして上糸
USを供給する場合の糸巻き動作時において、上糸糸駒
121から繰り出される上糸USに適正な上糸張力を付
与するとともに、縫製動作時においては縫い目を形成す
るのに必要な分だけの上糸USを繰り出した後に図示し
ない公知の天秤機構による天秤糸締め時に適正なタイミ
ングで上糸USを保持し、糸巻き動作時においては前記
糸保持部材48に上糸USを係止するのに必要な分だけ
の上糸USを繰り出した後に図示しない公知の天秤機構
による天秤糸締め時に適正なタイミングで上糸USを保
持し、糸巻き動作時においてボビン22に供給する下糸
DSとしての上糸USを巻き取る糸巻き動作の開始時に
おいては保持された上糸USを適正なタイミングで解放
するものである。
【0069】図14に示すように、上糸繰出機構120
は、取付板122の上面に立設された駆動ローラ支持軸
123によって回転自在に支持された駆動ローラ124
を有している。そして、上糸張力付与装置119を介し
て図示しない上糸立棒に回転自在に支持された上糸糸駒
121から繰り出された上糸USが駆動ローラ124の
外周面の一部に巻き付くように当接されている。この駆
動ローラ124の下端部には、取付板122の下面に取
着されたステッピングモータなどからなる駆動モータ1
25の取付板122の上方へ先端部が突出する出力軸1
25aの先端部に固着された駆動ギア126と噛合する
従動ギア127が同軸状に形成されており、その結果、
駆動ローラ124は、駆動モータ125の回転によって
回転可能とされている。
【0070】前記駆動ローラ124の外周面には、駆動
ローラ124の外周面の一部に巻き付けられて当接して
いる上糸USを介して駆動ローラ124の外周面に接離
する1対の従動ローラ128が間隔をおいて平行に配設
されている。これら各従動ローラ128は、取付板12
2の上方に配設された移動板129の上面に立設された
従動ローラ支持軸130によってそれそれ回転自在に支
持されている。そして、移動板129には、前記駆動ロ
ーラ124が嵌合可能な板厚方向に貫通する長孔131
が形成されており、この長孔131を駆動ローラ124
の外周面に外嵌することにより、移動板129の下面が
従動ギア127の上面に支持されている。また、移動板
129の図14左方に示す左端部近傍には、ほぼベルク
ランク状に形成され長手方向のほほ中央部が取付板12
2の上面に立設されたリンク支持ピン132によって回
動可能に支持された移動板駆動リンク133の図14下
方に示す一端が連結ピン134によって回動自在に取着
されており、移動板駆動リンク133のリンク支持ピン
132を中心とする回動動作にともなって、前記移動板
129が駆動ローラ124の外周面に外嵌する長孔13
1によって移動軌跡を規制された状態で進退運動し、そ
の結果、各従動ローラ128が上糸USを介して駆動ロ
ーラ124の外周面に接離するようにされている。
【0071】さらに、前記移動板駆動リンク133の図
14上方に示す他端近傍には、付勢ばね135の一端が
係止されており、この付勢ばね135の付勢力は、常時
は移動板駆動リンク133をリンク支持ピン132を中
心として反時計方向へ付勢して移動板129を図14右
方へ前進させ、各従動ローラ128を駆動ローラ124
に対して所定の当接力をもって当接させるようになって
おり、その結果、上糸USに対して所定の上糸張力を付
与することができるようになっている。また、駆動モー
タ125は、図14に破線にて示すように、後述する制
御手段93に電気的に接続されており、制御手段93か
ら送出される制御指令に基づいて所定のタイミングで駆
動ローラ124を回転駆動して上糸USを設定量だけ繰
り出すようにされている。
【0072】すなわち、駆動モータ125を回転駆動さ
せずに、各従動ローラ128を駆動ローラ124に対し
て当接させることにより、上糸USが保持された保持状
態とされ、この保持状態で駆動モータ125を回転駆動
することにより、所定の上糸張力が付与された状態で上
糸USを設定量だけ繰り出すことができるようになって
いる。
【0073】前記移動板駆動リンク133の図14上方
に示す他端近傍には、図示しない支持ステーに取着され
たソレノイド136の進退自在な出力軸136aに一端
が取着された駆動ロッド137の他端が係止されてい
る。そして、ソレノイド136の出力軸136aは、常
時は前記付勢ばね135の付勢力によって各従動ローラ
128が駆動ローラ124に対して当接して上糸USに
対して所定の上糸張力を付与する状態を保持可能な前進
位置に位置している。そして、ソレノイド136は、図
14に破線にて示すように、後述する制御手段93に電
気的に接続されており、制御手段93から送出される制
御指令に基づいて所定のタイミングでソレノイド136
の出力軸136aを前進位置から後退位置に位置させる
ことにより、付勢ばね135を伸張させて各従動ローラ
128を駆動ローラ124から離間させ、前記保持状態
とされた上糸USを解放することができるようになって
いる。
【0074】前記ソレノイド136および駆動ロッド1
37により、本実施形態の糸巻き動作時にボビン22に
供給する下糸DSとしての上糸USを巻き取る糸巻き動
作の開始時において保持された上糸USを適正なタイミ
ングで解放する糸ゆるめ手段138が構成されてる。
【0075】また、下糸DSとしての上糸USは、上糸
糸駒121と上糸繰出機構120との間で、上糸張力付
与装置119により適度の張力が付与され、上糸糸駒1
21から上糸繰出機構120に入るときの糸の暴れが取
り除かれるとともに、糸巻きに必要な張力を与えること
ができるようになっている。
【0076】前記上糸繰出機構120から繰り出される
上糸USは、上糸経路に配設された公知の上糸張力ばね
220を介して針3に至るように形成されている。この
上糸張力ばね220は、上糸USの有無を検出する上糸
検出手段221の一部を構成するほぼ扇形状の遮蔽板2
22を連動動作するように形成されている。そして、上
糸検出手段221は、縫製動作が行われている場合、上
糸USに付与される上糸張力によってたわまされる上糸
張力ばね220に連動する遮蔽板222が光りセンサ
(フォトインタラプタ)223を遮蔽、解放することに
より上糸USの有無を検出することができるようになっ
ている。
【0077】前記遮蔽板222および光りセンサ223
により、本実施形態の上糸検出手段221が構成されて
る。
【0078】つぎに、針棒切外し機構の一例について図
15により説明する。
【0079】本実施形態の針棒切外し機構は、特開昭5
8−183191号公報に記載されたものを利用したも
のであり、構成の詳細な説明は省略し要部のみについて
説明する。
【0080】図15に示すように、本実施形態の針棒切
外し機構140においては、針棒2は針棒ゲート141
内を上下方向に往復運動するように支持されており、針
棒ゲート141はミシンベッド1b(図1)部分に装着
されたブラケット142の上部の球形ソケット部143
へ、針棒ゲート141の上部軸受144が係合し、針棒
ゲート141の下部は針棒2が溝孔145に沿って横方
向にジグザク往復揺動し得るように形成されている。そ
して、糸巻き動作時において、図示しない上軸に連動し
て上下方向へ往復運動させる針棒の上下方向への往復運
動を上軸の回転から切外す場合には、後述する制御手段
93から所定のタイミングで送出される制御指令に基づ
いて、針棒ゲート141の頂端部のブラケット146の
指片147を図示しないソレノイドなどにより駆動し、
細長い薄板金属部材148、針棒キャリア149に取着
された掛止部材150の楔151、カム指片152、駆
動スタッド153および駆動スタッドヒンジピン154
などを介して楔151を駆動スタッドヒンジピン154
内の切欠き155から外し、針棒2が駆動スタッド15
3から離れれば、引張りばね156が針棒2をその最上
位置に引き上げるように形成されている。
【0081】なお、針棒切外し機構140としては、針
3を上軸に連動して上下方向へ往復運動させる針棒2の
上下方向への往復運動を糸巻き動作時に上軸の回転から
切外して針3の上下方向への往復運動を停止させ針3を
上方に保持可能なもの、例えば実公平2−36455号
公報に記載されたものなどを用いてもよい。
【0082】また、針棒2を上軸に連動して上下方向へ
往復運動させる針棒機構については、従来公知のもので
ありその説明は省略する。
【0083】つぎに、糸巻き径検出手段の一例について
図16および図17により説明する。
【0084】本実施形態の糸巻き径検出手段160は、
前記ボビン22に巻回される下糸DSの最大糸巻き径を
検出するためのものである。
【0085】図16および図17に示すように、本実施
形態の糸巻き径検出手段160は、外釜7の大径部7a
の上端近傍に相互に対向するようにして配設された発光
素子161と受光素子162とを有している。そして、
発光素子161から受光素子162へ至る光路163
は、外釜7の上方に位置しており、ボビン22の上フラ
ンジ37と下フランジ38との間で、図17に破線にて
示す下糸DSの最大糸巻き径164を検出し得るように
されている。さらに、内釜18には、内釜18が内釜回
り止め20に当接した状態で、前記光路163と一致す
る図示しない光路孔が形成されており、外釜7の大径部
7aの外周面には、特定の位相で光路163と一致する
図示しない光路貫通孔が形成されている。
【0086】ここでいう特定の位相とは、内釜18に形
成された図示しない光路孔と、外釜7の大径部7aの外
周面に形成された図示しない光路貫通孔が、光路163
と直線的に一致する位相をいう。つまり、この特定の位
相区間のみ光路163が開かれる。そして、ボビン22
に巻かれる糸径がこの光路163を遮らないうちは、こ
の特定の位相区間で受光素子162はONする。糸が巻
かれてゆき、糸径が光路163を遮ると受光素子はOF
Fする。光路163は、糸径の最大位置に配設してある
ので、前記受光素子162の信号の変化により最大糸巻
き径164を検出することができる。
【0087】なお、下糸DSの有無を検出する下糸検出
手段214として、ボビン回転状態検出手段215によ
り行ったが、このボビン回転状態検出手段215に代え
て、例えば、糸巻き径検出手段160として用いた発光
素子161と受光素子162を用い、発光素子161か
ら受光素子162へ至る光路が前記ボビン22のボビン
中心軸36の外周よりわずか外側になるように発光素子
161および受光素子162を配置して下糸検出手段と
してもよく、このような構成の下糸検出手段とすれば、
前記ボビン22に巻回された下糸DSが無くなったと
き、受光素子162が発光素子161からの光りを検知
してONし、このON信号を下糸無しの検出信号として
用いることができる。
【0088】つぎに、操作部の一例について図1および
図18により説明する。
【0089】本実施形態の操作部170は、図1に示す
ように、ミシンフレーム1aの操作側たる前面側右方に
配設されており、図18に示すように、後述する制御手
段93に記憶されている複数の縫いデータを簡便な模様
と番号で表示する模様表示画面171が図18右下に配
置されており、この模様表示画面171の上方には、模
様表示画面171に表示された模様の番号を選択するこ
とにより複数の模様縫いデータから所望の模様縫いデー
タを選択する模様選択手段としての模様選択スイッチ1
72が配置されている。そして、模様表示画面171の
左方には、糸巻き動作時にボビン22に供給する下糸D
Sとして下糸専用糸EDSあるいは上糸USを選択する
巻き糸選択手段としての巻き糸設定スイッチ173が配
置されており、その上方には、糸巻き動作時にボビン2
2に巻回される下糸DSの糸巻き量を大、中、小の3段
階に設定する糸巻き量設定手段としての糸巻き量設定ス
イッチ174が配置されている。さらに、糸巻き量設定
スイッチ174の上方には、各種のメッセージや設定状
態などを表示する警告手段175および縫製動作の再ス
タートを表示する再スタート告知手段225を兼ねた表
示画面176が配置されており、その左側には、糸巻き
動作中の前記ボビン22に供給する下糸DSの種類を表
示する糸巻き時巻き糸表示手段280、糸巻き動作時に
前記ボビン22に供給する下糸DSの種類の設定状態を
表示する巻き糸設定状態表示手段281、糸巻き動作時
に前記ボビン22に供給する下糸DSの予め設定された
糸巻き量を表示する設定糸巻き量表示手段282、糸巻
き動作時における前記ボビン22に下糸DSを供給する
際の糸巻きモードを表示する糸巻きモード表示手段28
3、前記ボビン22への下糸DSの供給を終了した場合
に縫製動作を再スタートする際の再スタートモードを表
示する再スタートモード表示手段284、および前記ボ
ビン22への下糸DSの供給を終了した場合に縫製可能
な状態を表示する縫製可能状態表示手段285を兼ねた
状態表示画面286が配置されており、その左側には、
糸巻き動作のON/OFFを制御する糸巻きスタート/
ストップスイッチ177が配置されている。さらに、前
記状態表示画面286の下方には、ボビン22への下糸
DSの供給を終了した場合、自動的に縫製動作を再スタ
ートする自動再スタートモードと作業者の操作により縫
製動作を再スタートする手動再スタートモードとを切り
換える再スタートモード切替スイッチ227が配置され
ており、前記糸巻きスタート/ストップスイッチ177
の下方には、自動的に糸巻き動作を開始する自動糸巻き
モードと作業者の操作により糸巻き動作を開始する手動
糸巻きモードとを切り換える糸巻きモード切替スイッチ
226が配置されている。そして、これらの模様表示画
面171、模様選択スイッチ172、巻き糸設定スイッ
チ173、糸巻き量設定スイッチ174、警告手段17
5を兼ねた表示画面176および糸巻きスタート/スト
ップスイッチ177、糸巻きモード切替スイッチ22
6、再スタートモード切替スイッチ227、状態表示画
面286などは、後述する制御手段93に電気的に接続
されている。
【0090】なお、本実施形態においては、状態表示画
面286が、糸巻き時巻き糸表示手段280、巻き糸設
定状態表示手段281、設定糸巻き量表示手段282、
糸巻きモード表示手段283、再スタートモード表示手
段284および縫製可能状態表示手段285を兼用する
構成としたが、設計コンセプトなどの必要に応じて、各
表示手段280,281,282,283,284,2
85を複数に分割する構成としてもよい。
【0091】さらにまた、本実施形態においては、表示
画面176と状態表示画面286とを分割した構成とし
たが、設計コンセプトなどの必要に応じて表示画面17
6と状態表示画面286との両者を一体とする構成、す
なわち、表示画面176に状態表示画面286の機能を
併せ持たせる構成や、状態表示画面286に表示画面1
76の機能を併せ持たせる構成としてもよい。
【0092】また、操作部170の構成は、糸巻き動作
にかかわる部位についてのみを説明したものであり、操
作部170には、縫製動作にかかわる公知の各種のスイ
ッチおよび表示画面(共に図示せず)なども当然配置さ
れている。
【0093】また、糸巻き動作時にボビン22に供給す
る下糸DSとして下糸専用糸EDSあるいは上糸USの
みを用いる場合には、巻き糸設定スイッチ173を設け
る必要はない。
【0094】さらに、再スタート告知手段225として
は、表示画面176への表示だけでなく、ブザーあるい
はパトライトのような安全灯などからなる安全確保手段
228(図22)を付加する構成としてもよい。このよ
うな安全確保手段228は、作業者が表示画面176へ
のメッセージの表示を見落とすのを確実に防止すること
ができるとともに、作業者以外の周囲の人々への警告を
行うことができる。なお、安全確保手段228は、下糸
糸巻き装置付きミシン1に付設してもよいし、外部に個
別に設置してもよい。
【0095】つぎに、専用下糸保持検出手段の一例につ
いて図13および図19から図21により説明する。
【0096】図13に示すように、本実施形態の専用下
糸保持検出手段180は、糸保持部材48と専用下糸繰
出機構110との間に配設されている。この専用下糸保
持検出手段180は、図19から図21に示すように、
ほぼ横長の長方体状に形成された本体181を有してお
り、この本体181には、下糸専用糸EDSの糸経路に
沿うようにして凹設された糸溝182が形成されてい
る。この糸溝182には、糸溝182内を通過する下糸
専用糸EDSを糸溝底部183(図20、図21)へ案
内するほぼ三角板状の左右1対のガイドリブ184が間
隔をおいて形成されている。そして、本体181の図1
9左右方向に示す長手方向の中央部には、糸溝底部18
3の直近を通過する下糸専用糸EDSと直交するように
上下方向に貫通する貫通孔185(図19、図21)が
形成されており、この貫通孔185の上部には、発光素
子186が配設されている。また、貫通孔185の下部
には受光素子187、例えばソーラーセルが配設されて
いる。そして、発光素子186および受光素子187
は、後述する制御手段93に電気的に接続されており、
糸溝底部182の直近を通過する下糸専用糸EDSの有
無の検出データを制御手段93へ送出することができる
ようになっている。
【0097】つぎに、制御手段の一例について図22に
より説明する。
【0098】図22に示すように、前記制御手段93
は、少なくともCPU190および適宜な容量のRO
M、RAMなどにより形成されたメモリ191を有して
おり、この制御手段93には、前記操作部170に配設
された模様表示画面171、模様選択スイッチ172、
巻き糸設定スイッチ173、糸巻き量設定スイッチ17
4、再スタート告知手段225を兼ねた表示画面17
6、糸巻きスタート/ストップスイッチ177、糸巻き
モード切替スイッチ226、再スタートモード切替スイ
ッチ227、状態表示画面286(糸巻き時巻き糸表示
手段280、巻き糸設定状態表示手段281、設定糸巻
き量表示手段282、糸巻きモード表示手段283、再
スタートモード表示手段284および縫製可能状態表示
手段285を兼用する)、縫製動作のON/OFFに用
いるスタート/ストップスイッチ238、主軸センサ2
18、ボビン回転状態検出手段215を兼ねた下糸検出
手段214の反射型光センサ211、上糸検出手段22
1の光りセンサ223、選択された模様を形成するのに
必要な補助部品としての刺繍装置240の着脱状態を検
出する刺繍装置センサ217、ブザーや安全灯などの安
全確保手段228、上糸繰出機構120の駆動モータ1
25およびソレノイド136、布厚センサ231、ミシ
ンモータ235、針振りモータ236、布送りモータ2
37、刺繍装置240のステッピングモータなどからな
る縦送り用のYモータ240Aおよび横送り用のXモー
タ240B、糸保持部材移動手段53の駆動モータ9
1、図示しない電源スイッチや縫製動作にかかわる公知
の各種のスイッチ類などが電気的に接続されている。ま
た、反射型光センサ211は、A/D変換器233を介
して接続されており、上糸繰出機構120の駆動モータ
125およびソレノイド136、ミシンモータ235、
針振りモータ236、布送りモータ237、刺繍装置2
40用の駆動モータ240A,240B、糸保持部材移
動手段53の駆動モータ91などは、それぞれを駆動す
るためのコントローラとも称される駆動回路91a、1
20a、235a、236a、237a、240aを介
して接続されている。
【0099】また、CPU190は、少なくとも選択さ
れた模様縫いデータを判別する模様縫いデータ判別手段
229としても機能する。
【0100】前記メモリ191は、少なくとも少なくと
も糸巻き動作制御部193と、下糸再保持動作制御部1
94と、上糸制御部195と、下糸張力付与動作部19
6と、糸巻き量制御部197と、限界糸巻き回数設定部
198と、縫いデータ記憶部200と、自動設定部20
1と、誤巻き取り動作防止部202と、糸無し判別制御
部241と、縫製中断時針位置制御部242と、縫製再
開時針位置制御部243と、糸巻きモード判別制御部2
44と、糸巻きモード自動設定制御部245と、再スタ
ート制御部246と、再スタート動作制御部247と、
再スタート告知制御部248と、動作状態判別制御部2
49と、誤動作防止制御部250と、再スタートモード
自動設定制御部295と、状態表示制御部296とを有
している。
【0101】前記糸巻き動作制御部193は、第1糸巻
き動作制御部193Aと第2糸巻き動作制御部193B
とを有している。
【0102】前記第1糸巻き動作制御部193Aには、
糸巻き動作時に、下糸専用糸EDSをボビン22に巻回
する下糸DSとして選択した際に、上方糸保持部59と
糸位置規制部58との間に連なる下糸専用糸EDSをス
リット39に入り込ませて下糸専用糸EDSをボビン2
2に巻き取るように針棒切外し機構140、水平釜4、
ボビン駆動部材移動手段94および糸保持部材移動手段
53を動作させるプログラムが格納されている。このプ
ログラムの具体例としては、例えば、針棒2の上下方向
への往復運動を上軸の回転から切外して針3の上下方向
への往復運動を停止させ針3を上方に保持させた後に、
糸保持部材48を進入位置に位置させて上方糸保持部5
9と糸位置規制部58との間に連なる下糸専用糸EDS
をボビン22の上フランジ37の少なくとも外周縁に当
接させ、その後、ボビン駆動部材11を連結位置に位置
させた後に外釜7を回転させて上方糸保持部59と糸位
置規制部58との間に連なる下糸専用糸EDSをスリッ
ト39に入り込ませて下糸専用糸EDSをボビン22に
巻き取るように針棒切外し機構140、水平釜4、ボビ
ン駆動部材移動手段94および糸保持部材移動手段53
を動作させる構成とするとよい。
【0103】なお、第1糸巻き動作制御部193Aのプ
ログラムとしては、前記具体例に限定されるものではな
く、針棒2を上軸の回転から切り外して針3を上方で保
持するタイミング、糸保持部材48を進入位置に位置さ
せるタイミング、ボビン駆動部材11を連結位置に位置
させるタイミングおよび外釜7を回転させるタイミング
などは、設計コンセプトなどの必要により、前後関係を
決定すればよい。
【0104】前記第2糸巻き動作制御部193Bには、
糸巻き動作時に、上糸USをボビン22に巻回する下糸
DSとして選択した際に、下糸糸巻き装置付きミシン1
を駆動させて針3を上下動させて上糸USのループを外
釜7の剣先42により内釜18の上下に分けて回し、内
釜18の上を通る上糸USを糸保持部材48の上方糸係
止部60および糸位置規制部58により捕捉させ、その
後、上方糸係止部60と糸位置規制部58との間に連な
る上糸USをスリット39に入り込ませて上糸USをボ
ビン22に下糸DSとして巻き取るように針棒切外し機
構140、水平釜4、ボビン駆動部材移動手段94およ
び糸保持部材移動手段53を動作させるプログラムが格
納されている。このプログラムの具体例としては、例え
ば、糸巻き動作時に、上糸USをボビン22に巻回する
下糸DSとして選択した際に、糸保持部材48を進入位
置に位置させた後に下糸糸巻き装置付きミシン1を駆動
させて針3を上下方向へ1往復動作させて上糸USのル
ープを外釜7の剣先42により内釜18の上下に分けて
回し、内釜18の上を通る上糸USを糸保持部材48の
上方糸係止部60および糸位置規制部58により捕捉さ
せ、その後、針棒2の上下方向への往復運動を上軸の回
転から切外して針3の上下方向への往復運動を停止させ
針3を上方に保持させた後に、ボビン駆動部材11を連
結位置に位置させ、その後、外釜7を回転させて上方糸
係止部60と糸位置規制部58との間に連なる上糸US
をスリット39に入り込ませて上糸USをボビン22に
下糸DSとして巻き取るように針棒切外し機構140、
水平釜4、ボビン駆動部材移動手段94および糸保持部
材移動手段53を動作させる構成とするとよい。
【0105】なお、第2糸巻き動作制御部193Bのプ
ログラムとしては、前記具体例に限定されるものではな
く、針棒2を上軸の回転から切り外して針3を上方で保
持するタイミング、糸保持部材48を進入位置に位置さ
せるタイミング、ボビン駆動部材11を連結位置に位置
させるタイミングおよび外釜7を回転させるタイミング
などは、設計コンセプトなどの必要により、前後関係を
決定すればよい。また、ボビン22に巻回する下糸DS
として下糸専用糸EDSあるいは上糸USを用いる場合
の糸巻き動作制御部193としては、第1糸巻き動作制
御部193Aおよび第2糸巻き動作制御部193Bの何
れか一方を有する構成であればよい。
【0106】前記下糸再保持動作制御部194には、糸
巻き動作時に下糸専用糸EDSをボビン22に巻回する
下糸DSとして選択した際の糸巻き動作終了後に、糸保
持部材48を糸捕捉位置に位置させた後に、外釜7を回
転させて外釜7の外周面の近傍に位置する下糸専用糸E
DSを外釜7から離間する方向へ移動させて糸保持部材
48の上方糸保持部59に保持させた後、前記糸保持部
材48を退避位置へ移動させるように水平釜4、糸保持
部材移動手段53を動作させるプログラムが格納されて
いる。
【0107】前記上糸制御部195には、上糸繰出装置
120から繰り出される上糸USの繰り出し量を所定量
とするとともに、ボビン22が下糸DSとしての上糸U
Sを巻き取る際に糸ゆるめ手段138が上糸USを解放
するように動作させるプログラムが格納されている。な
お、ボビン22に巻回する下糸DSとして下糸専用糸E
DSのみを用いる場合には、上糸繰出装置120として
は、従来公知のものを用いればよい。
【0108】前記下糸張力付与動作部196には、糸巻
き動作終了後に、ボビン22に連なる外釜7の近傍に位
置する糸を外釜7の外周面の上面より下方に位置するよ
うに退避位置に位置させて、糸捕捉フック46でボビン
22に連なる外釜7の近傍に位置する糸を捕捉可能とし
た後に、外釜7を逆回転させて、ボビン22に連なる外
釜7の近傍に位置する糸を糸導入口27に入り込ませる
ように、糸保持部材48および外釜7を動作させるプロ
グラムが格納されている。また、本実施形態における下
糸張力付与動作部196には、外釜逆回転機構205と
して、ミシンモータ235の回転方向を制御することに
より外釜7を逆回転させるプログラムが格納されてい
る。
【0109】前記糸巻き量制御部197には、糸巻き量
設定手段としての糸巻き量設定スイッチ174により下
糸DSの糸巻き量が最大設定値(大)とされた場合に
は、糸巻き径検出手段160が最大糸巻き径を検出する
か、あるいは、後述する糸巻き数計測手段206が限界
糸巻き回数設定部198により設定された限界糸巻き回
数を検出するまで糸巻き動作を行い、糸巻き量設定スイ
ッチ174により設定される糸巻き量が最大設定値より
少ない場合には、糸巻き量設定スイッチ174により設
定された糸巻き量に応じてボビン22の糸巻き回転数を
設定し、糸巻き数計測手段206が設定されたボビン2
2の糸巻き回転数を検出するまで糸巻き動作を行うプロ
グラムが格納されている。
【0110】また、本実施形態における糸巻き量制御部
197には、糸巻き数計測手段206として、ボビン2
2が糸巻き動作を開始してからのボビン22の回転数を
反射型光りセンサ211で検出することによりボビン2
2の糸巻き回転数を検出するプログラムが格納されてい
る。
【0111】なお、糸巻き数計測手段206としては、
ボビン22が糸巻き動作を開始してからのミシンモータ
235の回転数を図示しない光センサで検出し、この時
のミシンモータ235の回転数を予め記憶した換算テー
ブルと比較することによりボビン22の糸巻き回転数を
検出する構成であってもよい。
【0112】また、糸巻き量制御部197として限界糸
巻き回数を用いない場合には、糸巻き量設定手段として
の糸巻き量設定スイッチ174により下糸DSの糸巻き
量が最大設定値(大)とされた場合には、糸巻き径検出
手段160がボビン22に巻回される下糸DSの最大糸
巻き径164を検出するまで糸巻き動作を行い、糸巻き
量設定スイッチ174により設定される糸巻き量が最大
設定値より少ない場合には、糸巻き量設定スイッチ17
4により設定された糸巻き量に応じてボビン22の糸巻
き回転数を設定し後述する糸巻き数計測手段206が設
定されたボビン22の糸巻き回転数を検出するまで糸巻
き動作を行うプログラムを格納すればよい。
【0113】前記糸巻き量設定スイッチ174により設
定される下糸DSの糸巻き量は、中位の糸を基準として
設定されている。つまり、図23に示すように、ボビン
22に巻回した糸がボビンからはみださない量とし、ボ
ビン22に巻回した糸の直径で管理する。これを最大糸
巻き径(大)164とし、この最大糸巻き径164を前
記糸巻き径検出手段160で検出するまで糸巻きを実行
するようになっている。そして、最大糸巻き径(大)1
64より少ない糸巻き量(中),(小)では、ボビンの
回転数で管理する。図23に中で示す中位の太さの糸で
最大糸巻き径164まで巻回するための糸巻き回数nに
対して、糸巻き量(中)は糸巻き回数(2/3)n、糸
巻き量(小)は糸巻き回数(1/3)nのように少なく
なる。このため、糸巻き量(大)における最大糸巻き径
164は糸の太さにかかわらず糸の巻き径が同一径とな
るが、糸巻き量(中)および糸巻き量(小)において
は、糸の太さによって実際の糸の巻き径が異なることと
なる。本来下糸DSの糸巻き量は糸の長さによって管理
するのが理想ではあるが、下糸DSの糸巻き量を糸の長
さで管理するのは複雑かつ高価な装置を必要とするなど
の理由により困難であり、下糸DSの糸巻き量を糸巻き
回数で管理することにより容易に理想に近いものとする
ことができる。
【0114】なお、図23および図24における符号n
aは細糸を最大糸巻き径164まで巻いた場合の巻き回
数を示し、符号nbは太糸を最大糸巻き径164まで巻
いた場合の巻き回数を示す。
【0115】また、中位の糸を基準として下糸DSの糸
巻き量を設定せずに、細糸、中位の糸、太糸などの糸の
太さ毎に糸巻き量を設定するようにしてもよい、この場
合には、操作部170に図示しない糸の太さの選択手段
を設けるとよい。
【0116】前記限界糸巻き回数設定部198には、限
界糸巻き回数Nが記憶されている。この限界糸巻き回数
Nについて説明すると、細糸を用いた場合には、ボビン
22に最大糸巻き径164まで下糸DSを巻回すると、
ボビン22に巻回した糸量が多くなり、特に家庭用ミシ
ンなどにおいては下糸DSを使い切れない状態となる。
そこで、図24に示すように、限界糸巻き回数N(n<
N<na)を設定し、最大糸巻き径164に到達しなく
ても限界糸巻き回数Nで糸巻きを終了するようになって
いる。
【0117】なお、細糸、中位の糸、太糸などの糸の太
さ毎に限界糸巻き回数を設定するようにしてもよい。
【0118】前記縫いデータ記憶部200には、複数の
模様縫いデータ、例えば、実用縫いと称される分類に区
分される直線縫い、ジグザグ縫い、ボタンホール縫いな
どに用いる多種多様の縫い模様の模様縫いデータや、刺
繍縫いと称される分類に区分される刺繍装置240を用
いた刺繍縫いなどに用いる多種多様の縫い模様の模様縫
いデータが格納されるとともに、これら縫い模様による
縫い目を形成するための布送りピッチ、針振りピッチ、
針振り幅などの動作時のデータや、縫い模様に応じて用
いる上糸USおよび下糸DSの種類や、糸巻き動作時に
おけるボビン22に供給する下糸DSの種類、糸巻き
量、限界糸巻き回数などの各種のデータも格納されてい
る。
【0119】前記自動設定部201には、前記操作部1
70の模様選択手段としての模様選択スイッチ172に
より選択された模様データに応じてボビン22に供給す
る下糸DSの選択、すなわち、ボビン22に供給する下
糸DSとして下糸専用糸EDSを用いるのかそれとも上
糸USを用いるのかの選択、および/または、ボビン2
2に供給する下糸DSの糸巻き量を自動的に設定するプ
ログラムが格納されている。
【0120】すなわち、本実施形態においては、前記操
作部170の模様選択手段としての模様選択スイッチ1
72により選択された模様データに応じて、各種の設定
を自動設定することができるとともに、各種の設定を手
動設定することもできるようにされている。
【0121】なお、糸巻き動作時に、下糸USとして上
糸USあるいは下糸専用糸EDSを用いる場合には、自
動設定部201としては、ボビン22に供給する下糸D
Sの選択にかかわる部分を除いた部分の各種の設定を自
動設定することができるプログラムを格納するとよい。
【0122】前記誤巻き取り動作防止部202には、設
定状態と下糸糸巻き装置付きミシン1の状態とが合致し
ているか否かを判定し、設定状態と下糸糸巻き装置付き
ミシン1の状態とが合致していない場合、すなわち、専
用下糸保持検出手段180が下糸専用糸EDSを検出し
た際には上糸USの糸巻き動作を、専用下糸保持検出手
段180が下糸専用糸EDSを検出しない際には下糸専
用糸EDSの糸巻き動作をそれぞれ無効とするプログラ
ムが格納されている。また、糸巻き動作を無効とした場
合には、警告手段175としても機能する操作部170
の表示画面176に警告をメッセージなどで画面表示し
たり、ブザー、安全灯などからなる安全確保手段228
を駆動するプログラムも格納されている。
【0123】前記糸無し判別制御部241には、縫製動
作時に、上糸検出手段221の上糸センサ223および
下糸検出手段214の反射型光センサ211から送出さ
れる検出信号に基づいて上糸USおよび下糸DSの有無
を監視し、下糸検出手段214の反射型光センサ211
による下糸無しの検出信号が上糸検出手段221の光り
センサ223による上糸無しの検出信号より先に送出さ
れた場合には下糸無しと判別し、上糸検出手段221の
上糸センサ223による上糸無しの検出信号が下糸検出
手段214の反射型光センサ211による下糸無しの検
出信号より先に送出された場合には上糸無しと判別する
プログラムが格納されている。これは、下糸DSが少な
くなり、ボビン22から下糸DSが緩んだ状態のとき、
ボビン22の回転は停止してしまうが、下糸DSは下糸
張力手段25に挟まれた状態で残っているので、上糸U
Sと絡み合い、上糸USの張力は発生している。したが
って、図14の上糸検出手段221の光りセンサ223
(上糸センサ)は、上糸有りを出力する。逆に、上糸U
Sが糸切れ、または消費したときは、上糸無しを出力す
るが、下糸DSは上糸USと絡んでいるので、布送り動
作時に、下糸DSは引っ張られ、ボビン22は回転す
る。すなわち、先に糸無しを検出した方を糸無しと判別
することができる。
【0124】前記縫製中断時針位置制御部242には、
縫製動作時に、下糸検出手段214の反射型光センサ2
11から下糸無しの検出信号が送出された場合、下糸無
しの検出信号を検出した時点における縫製位置から複数
針運針した後で下糸糸巻き装置付きミシンを停止するプ
ログラムが格納されている。これは、ボビン22が停止
したとき、ボビン22にまだ残っている下糸DSを消費
するためである。
【0125】前記縫製再開時針位置制御部243には、
糸巻き動作によってボビン22に下糸DSを供給した後
に、下糸無しの検出信号を検出した時点における縫製位
置から複数針戻した位置から縫製動作を再スタートさせ
るプログラムが格納されている。
【0126】前記糸巻きモード判別制御部244には、
糸巻きモード切替スイッチ226の設定状態に基づいて
自動的に糸巻き動作を行うか否かを判別するプログラム
が格納されている。
【0127】前記糸巻きモード自動設定制御部245に
は、模様選択手段としての模様選択スイッチ172によ
り選択された模様縫いデータおよび/または選択された
模様を形成するのに必要な補助部品である刺繍装置24
0の着脱状態を検出する刺繍装置センサ217から送出
される検出信号に基づいて自動的に下糸DSの糸巻き動
作を開始する自動糸巻きモードあるいは作業者の操作に
より下糸DSの糸巻き動作を開始する手動糸巻きモード
を自動的に設定するプログラムが格納されている。
【0128】前記再スタート制御部246には、糸巻き
動作によってボビン22への下糸DSの供給を終了した
場合、縫製動作を自動的に再スタートするプログラムが
格納されている。
【0129】前記再スタート動作制御部247には、再
スタートモード切替スイッチ227の設定状態に基づい
て自動的に再スタートするか否かを判別するプログラム
が格納されている。
【0130】前記再スタート告知制御部248には、糸
巻き動作によってボビン22への下糸DSの供給を終了
して縫製動作を再スタートする前に、再スタート告知手
段225が動作するように制御するプログラムが格納さ
れている。なお、再スタート告知手段225に安全確保
手段228を付加する構成の場合には、再スタート告知
制御部248は、再スタート告知手段225および安全
確保手段228の両者を動作させるとよい。
【0131】前記動作状態判別制御部249には、ボビ
ン回転状態検出手段215から送出される検出信号に基
づいて、縫製動作時には縫製状態が正常か否かを判断
し、糸巻き動作時には糸巻きが正常か否かを判断するプ
ログラムが格納されている。
【0132】前記誤動作防止制御部250には、縫製動
作中における糸巻き動作を無効とするプログラムが格納
されている。
【0133】前記再スタートモード自動設定制御部29
5には、少なくとも選択された模様縫いデータに基づい
て自動的に縫製動作を再スタートする自動再スタートモ
ードあるいは作業者の操作により縫製動作を再スタート
する手動再スタートモードを自動的に設定するプログラ
ムが格納されている。
【0134】前記状態表示制御部296には、糸巻き動
作中におけるボビン22に供給する下糸DSの種類、具
体的にはボビン22に供給する下糸DSが上糸USか下
糸専用糸EDSかを表示状態表示画面286に表示する
プログラムや、糸巻き動作時にボビン22に供給する下
糸DSの種類、具体的には、ボビン22に供給する下糸
DSが上糸USか下糸専用糸EDSかの設定状態を表示
状態表示画面286に表示するプログラムや、糸巻き動
作時にボビン22に供給する下糸DSの予め設定された
糸巻き量を表示状態表示画面286に表示するプログラ
ムや、糸巻き動作時におけるボビン22に下糸DSを供
給する際の糸巻きモード、具体的には自動的に糸巻き動
作を開始する自動糸巻きモードか作業者の操作により糸
巻き動作を開始する手動糸巻きモードかを表示状態表示
画面286に表示するプログラムや、ボビン22への下
糸DSの供給を終了した場合に縫製動作を再スタートす
る際の再スタートモード、具体的にはボビン22への下
糸DSの供給を終了した場合に自動的に縫製動作を再ス
タートする自動再スタートモードかボビン22への下糸
DSの供給を終了した場合に作業者の操作により縫製動
作を再スタートする手動再スタートモードかを表示状態
表示画面286に表示するプログラムや、ボビンへ22
の下糸DSの供給を終了した後の縫製可能な状態を表示
状態表示画面286に表示するプログラムが格納されて
いる。
【0135】つぎに、前述した構成からなる本実施形態
の作用について説明する。
【0136】まず、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1における糸巻きスタート/ストップスイッチ17
7の操作によるボビン22への下糸DSの供給動作であ
る糸巻き動作について説明する。
【0137】本実施形態の下糸糸巻き装置付きミシン1
における糸巻きスタート/ストップスイッチ177の操
作による糸巻き動作は、縫製動作の途中で下糸DSがな
くなった場合、あるいは、縫製準備の下糸DSの糸巻き
のために空のボビン22を内釜18にセットして、下糸
糸巻き装置付きミシン1に電源を供給した状態で行う。
【0138】そして、糸巻き動作は、図18に示す操作
部170の模様選択スイッチ172を操作して模様を選
択することにより開始する。そして、模様選択スイッチ
172を操作して模様を選択することにより、自動設定
部201が縫いデータ記憶部200に格納された各種の
データから模様選択スイッチ172により選択された模
様に応じて下糸DSの糸巻き量、巻き糸、糸巻き動作な
どを自動的に設定する。例えば、刺繍縫いであれば、糸
巻き量は(大)で巻き糸は下糸専用糸EDSなどと設定
し、直線縫いであれば、糸巻き量は(中)で巻き糸は上
糸USなどというように設定する。この時、制御手段9
3は糸巻き動作制御部193の制御動作として第1糸巻
き動作制御部193Aと第2糸巻き動作制御部193B
の何れか一方を選択するとともに、糸巻き動作に関連す
る各種動作および動作順序も設定する。
【0139】なお、糸巻き量や巻き糸などは、前記巻き
糸設定スイッチ173、糸巻き量設定スイッチ174な
どを操作することにより手動操作にて変更することも可
能、すなわち手動操作による設定も可能である。
【0140】前記自動設定あるいは手動操作による設定
を行った際には、前記誤巻き取り動作防止部202が設
定状態と下糸糸巻き装置付きミシン1の状態とが合致し
ているか否かを判定し、設定状態と下糸糸巻き装置付き
ミシン1の状態とが合致していない場合、すなわち、専
用下糸保持検出手段180が下糸専用糸EDSを検出し
た際には上糸USの糸巻き動作を、専用下糸保持検出手
段180が下糸専用糸EDSを検出しない際には下糸専
用糸EDSの糸巻き動作をそれぞれ無効とし、警告手段
175としても機能する操作部170の表示画面176
に警告を画面表示したり、図示しないブザーを駆動す
る。その結果、誤巻き取り動作防止部202は誤動作を
未然に防止し、警告手段175は、操作者に各種の警告
を容易に認識させることができる。
【0141】また、各種の設定が終了し、前記誤巻き取
り動作防止部202が設定状態と下糸糸巻き装置付きミ
シン1の状態とが合致していると判断した場合には、糸
巻きスタート/ストップスイッチ177を操作して糸巻
きを開始する。
【0142】なお、自動糸巻きの場合には、縫製動作の
途中で上糸検出手段221の上糸センサ223および下
糸検出手段214の反射型光センサ211から送出され
る検出信号に基づいて前記糸無し判別制御部241が下
糸無しと判別すると下糸糸巻き装置付きミシン1を停止
し、その後、予め設定された条件で下糸DSの糸巻き動
作を開始する。
【0143】本実施形態の下糸糸巻き装置付きミシン1
は、ボビン22に供給する下糸DSとして糸巻き動作時
に既に糸掛けされている上糸USと下糸専用糸EDSの
何れか一方を選択して用いることができるようになって
おり、上糸USをボビン22に供給する下糸DSとして
用いる場合には、糸保持部材48には糸掛けせず、糸保
持部材48に糸を持たせない状態としておく。また、下
糸専用糸EDSをボビン22に供給する下糸DSとして
用いる場合には、予め図13に示すように下糸専用糸E
DSを専用下糸繰出装置110を介して糸保持部材48
に糸掛けしておく。
【0144】ここで、下糸専用糸の糸保持部材への糸掛
け動作について図10、図11、図13、図25、図2
6および図27により説明する。
【0145】図25は本発明に係る下糸糸巻き装置付き
ミシンの初期状態を示す要部の正面図、図26は本発明
に係る下糸糸巻き装置付きミシンの糸保持部材がミシン
外部に突出した状態を示す要部の斜視図、図27は本発
明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの糸保持部材がミシ
ン外部に突出した状態を示す要部の正面図である。
【0146】図11および図25に示すように、本実施
形態の下糸糸巻き装置付きミシン1の縫製動作時あるい
は停止時の初期状態においては、針板5に設けられた開
口部274は、開閉カバー271によって塞がれてお
り、糸保持部材48は、開閉カバー271の下方のミシ
ン内部に位置している。すなわち、図11および図25
に示すように、開閉カバー271の突出部277と、糸
保持部材表出手段261の従動リンク体263の従動腕
263aとは離間しており、従動リンク体263は、図
11および図25に示すように、ねじりコイルばね26
4の付勢力によって、固定軸262を中心として反時計
方向へ回転するように付勢されており、従動リンク体2
63の従動腕263aは左斜め上方に位置し、従動リン
ク体263の作動腕263bをほぼ水平に位置してい
る。
【0147】また、糸保持部材48は、図11および図
25に示すように、糸保持部材移動手段53により、糸
保持部材48の長手方向先端部が外釜7の外周面近傍の
下方の退避位置に位置している。すなわち、図11およ
び図25に示すように、糸保持部材移動手段53の駆動
板下79および駆動板上83が右方に示す後退端に位置
し、糸保持部材48の後取付ピン52は、糸保持部材移
動手段53の移動溝76の上下部76bの上方に位置し
た状態でその先端部がカム溝89のカム面88の先端近
傍により上方から当接している。また、図25に示すよ
うに、ボビン駆動部材11は、ボビン駆動部材移動手段
94により、ボビン22と切り離されボビン22を非回
転状態とする離間位置に位置している。つまり、駆動板
下79が後退端に位置することにより、ボビン駆動部材
移動手段94の作動ピン108が傾斜カム面109から
離間し、ばね6(図12)の付勢力によってギア連結リ
ンク96がリンク支持ピン97を中心として反時計方向
へ付勢され、作動板95がボビン駆動部材11の下端の
下方に離間し、ボビン駆動部材11は、ボビン駆動部材
付勢ばね12の付勢力によって下方に向けて付勢され、
ボビン駆動部材11の上端部に設けられたボビン駆動ギ
ア14が、ボビン従動ギア35から下方へ離間し、外釜
底板16のギア孔17に嵌合されて外釜7と一体で回転
する。さらに、ストッパピン105は、ストッパピン作
動腕159と当接して円弧状溝部100の左方下方に形
成された当接縁100Aに対向している。
【0148】ここで作業者が開閉カバー271を操作す
ることにより、下糸専用糸EDSの糸保持部材48への
糸掛け動作を開始する。すなわち、作業者が開閉カバー
271の指掛け275に指を掛けて開閉カバー271を
図11および図25において右方に向かって後退操作す
ることにより、下糸専用糸EDSの糸保持部材48への
糸掛け動作を開始する。
【0149】そして、作業者が開閉カバー271の指掛
け275に指を掛けて開閉カバー271の開動作として
開閉カバー271を後退操作すると、開閉カバー271
が図11および図25右方に向かってスライド移動し、
針板5に設けられ開閉カバー271によって塞がれた開
口部274が左方側から徐々に開放される。そして、開
閉カバー271が後退移動して後退端に到達する途中
で、開閉カバー271に設けられた糸保持部材表出駆動
手段としての突出部277が、糸保持部材表出手段26
1の従動リンク体263の従動腕263aに当接し、初
期状態においてねじりコイルばね264の付勢力によっ
て固定軸262を中心として反時計方向へ回転するよう
に付勢されている従動リンク体263は、ねじりコイル
ばね264の付勢力に抗して付勢方向と反対の時計方向
へ回転を開始し、従動リンク体263の作動腕263b
の先端部下部が所定のタイミングで糸保持部材48の取
付部50に対して上方から当接し、移動溝76の上下部
76bによって移動軌跡を規制されている糸保持部材4
8の後取付ピン52は、移動溝76の上下部76bを上
方から下方へ向かって移動を開始し、その結果、前取付
ピン51を中心として反時計方向へ回転するように付勢
されている糸保持部材48は、ねじりコイルばね252
の付勢力に抗して付勢方向と反対の時計方向へ回転を開
始する。
【0150】ついで、開閉カバー271がさらに後退移
動して後退端に到達すると、図11および図25に示す
各部は、図26および図27に示すように、開閉カバー
271によって塞がれていた開口部274が全開となっ
て開状態になるとともに、開閉カバー271の糸保持部
材表出駆動手段としての突出部277が、最も後退した
後退端に位置する。そして、突出部277の後退端への
移動は、従動リンク体263を時計方向へ回転し、従動
リンク体263の作動腕263bの先端部下部が糸保持
部材48の取付部50を押し下げ、糸保持部材48が前
取付ピン51を中心として時計方向へ回転し、糸保持部
材48の先端が針板5に設けた開口部274を通過して
針板5の上部のミシン外部に突出し、糸保持部材48の
糸保持部分が開口部274を通過してミシン外部に突出
した糸掛け位置を保持するようになっている。
【0151】ついで、予め専用下糸保持検出手段180
まで糸掛けされた下糸専用糸EDSの糸端側を図13に
示すように糸保持部材48に糸掛けすることにより、下
糸専用糸EDSの糸保持部材48への糸掛け動作が終了
する。この時、下糸専用糸EDSは、針板5に形成され
た溝部278を介して開口部274に入り込むようにし
て糸保持部材48へ糸掛けされる。
【0152】そして、下糸専用糸EDSの糸保持部材4
8への糸掛けを終了したら、開閉カバー271の閉動作
として開閉カバー271を開口部274を塞ぐように前
進操作させると、図26および図27に示す各部は、糸
保持部材48が下糸専用糸EDSの糸端側を保持した状
態で各部が逆動作して図11および図25に示すもとの
初期状態に復帰し、下糸専用糸EDSがいつでもボビン
22に供給可能な状態となる。
【0153】このように、本実施形態によれば、開閉カ
バー271の開動作に連動して糸保持部材48の少なく
とも糸保持部分をミシン外部に突出させることができる
ので、1回の操作によって下糸専用糸EDSの糸保持部
材48への糸掛けを可能な状態とすることができる。ま
た、糸保持部材48の少なくとも糸保持部分がミシン外
部に突出するので、下糸専用糸EDSの糸保持部材48
への糸掛けを容易に行うことができる。つまり、糸保持
部材48の少なくとも糸保持部分がミシン外部に突出す
るので、糸掛けの作業性および操作性に優れ、その結
果、下糸専用糸EDSの糸保持部材48への糸掛け動作
時の労力および時間を確実に低減することができる。
【0154】なお、糸保持部材表出手段261を開閉カ
バー271の開閉動作にかかわりなく単独で駆動可能に
形成する構成としてもよい。
【0155】つぎに、下糸専用糸の糸巻き動作を図25
および図28から図31により説明する。
【0156】図28から図31は下糸専用糸の糸巻き動
作を示すものであり、図28は前進開始前状態を示す図
25と同様の図、図29は前進状態を示す図25と同様
の図、図30は図29の平面図、図31は糸巻き可能状
態を示す図25と同様の図である。
【0157】図25に示すように、本実施形態の下糸糸
巻き装置付きミシン1の縫製動作時あるいは停止時の初
期状態においては、糸保持部材48は、糸保持部材移動
手段53により、糸保持部材48の長手方向先端部が外
釜7の外周面近傍の下方の退避位置に位置している。す
なわち、糸保持部材移動手段53の駆動板下79および
駆動板上83が図25右方に示す後退端に位置し、糸保
持部材48の後取付ピン52は、糸保持部材移動手段5
3の移動溝76の上下部76bの上方に位置した状態で
その先端部がカム溝89のカム面88の先端近傍により
上方から当接している。
【0158】また、ボビン駆動部材11は、ボビン駆動
部材移動手段94により、ボビン22と切り離されボビ
ン22を非回転状態とする離間位置に位置している。す
なわち、駆動板下79が後退端に位置することにより、
ボビン駆動部材移動手段94の作動ピン108が傾斜カ
ム面109から離間し、ばね6の付勢力によってギア連
結リンク96がリンク支持ピン97を中心として反時計
方向へ付勢され、作動板95がボビン駆動部材11の下
端の下方に離間し、ボビン駆動部材11は、ボビン駆動
部材付勢ばね12の付勢力によって下方に向けて付勢さ
れ、ボビン駆動部材11の上端部に設けられたボビン駆
動ギア14が、ボビン従動ギア35から下方へ離間し、
外釜底板16のギア孔17に嵌合されて外釜7と一体で
回転する。さらに、ストッパピン105は、ストッパピ
ン作動腕159と当接して円弧状溝部100の左方下方
に形成された当接縁100Aに対向している。
【0159】そして、縫製動作時においては、内釜18
を回る上糸USは、内釜18の底面とボビン駆動ギア1
4の上面とで形成する隙間を通過する。
【0160】ついで、糸巻きスタート/ストップスイッ
チ177の操作による手動糸巻きモード、あるいは、糸
巻き信号による自動糸巻きモードにより糸巻き動作を開
始する。なお、自動糸巻きモードについては後述する。
【0161】そして、制御手段93から制御指令が各部
に送出されると、まず、専用下糸保持検出手段180が
糸巻き動作時に供給される下糸専用糸EDSが糸保持部
材48に保持されているか否かを検出し、この検出結果
は制御手段93に送出され、制御手段93の誤巻き取り
動作防止部202により、設定状態と下糸糸巻き装置付
きミシン1の状態とが合致しているか否かが判定され、
専用下糸保持検出手段180が下糸専用糸EDSを検出
しない場合には、糸巻き動作を行わずに、警告手段17
5としても機能する操作部170の表示画面176に警
告をメッセージなどで表示したり、ブザー、安全灯など
からなる安全確保手段228を動作して終了する。これ
により、糸巻き動作の誤動作を確実に防止することがで
きる。
【0162】また、専用下糸保持検出手段180が下糸
専用糸EDSを検出した場合には、制御手段93から送
出される制御指令に基づいて、糸保持部材移動手段53
の駆動モータ91が駆動し、糸保持部材移動手段53の
駆動板下79が機構台77のガイド溝81に沿って図2
5左方に示す水平釜4に接近する方向へ前進移動する。
この、駆動板下79の前進移動は、付勢ばね85を介し
て駆動板上83に伝達し、駆動板上83が駆動板下79
と一体で前進する。すると、駆動板上83のカム溝89
が前進して、糸保持部材48の後取付ピン52は、カム
溝89のカム面88によって下方に向けて押し下げら
れ、その結果、後取付ピン52は、移動溝76の上下部
76bの上方から下方に向けて移動する。そして、後取
付ピン52と前取付ピン51との中心間距離は、移動溝
76の円弧状に形成された上下部76bの曲率半径と同
一とされているので、糸保持部材48は後取付ピン52
を中心として図25において時計方向へ回転し、図25
に示す各部は図28に示すように、糸保持部材48の長
手方向先端部が外釜7の外周面に沿って上方に位置し前
進可能な前進開始前状態となる。また、ストッパピン1
05は、ストッパピン作動腕159と当接した状態で当
接縁100Aに当接する。
【0163】つぎに、駆動モータ91のさらなる駆動に
よって駆動板下79がさらに前進移動すると、糸保持部
材48が移動溝76に沿って前進移動し、図28に示す
各部は図29および図30に示すように、前取付ピン5
1が移動溝76の図29左方に示す先端に当接し、糸保
持部材48の前進移動は、糸保持部材48の先端部が内
釜18の内部の内部上方、詳しくは内釜18の内部に収
納されたボビン22の上フランジ37の上方に進入した
進入位置で停止し前進状態となる。この時、ボビン駆動
部材移動手段94の作動ピン108が傾斜カム面109
と当接する。また、ストッパピン105は、ストッパピ
ン作動腕159から離間した状態で当接縁100Aに当
接する。
【0164】つぎに、駆動モータ91がさらに駆動する
と、駆動板下79がさらに前進移動し、図29および図
30に示す各部は図31に示すように、ボビン駆動部材
移動手段94の作動ピン108が傾斜カム面109を押
し下げ、ギア連結リンク96が時計方向へ回転し、作動
板95がボビン駆動部材11の下端に当接してボビン駆
動部材11をボビン駆動部材付勢ばね12の付勢力に抗
して上昇させ、ボビン駆動部材11の上端部に設けられ
たボビン駆動ギア14が、外釜底板16のギア孔17と
ボビン従動ギア35との両者と噛合してボビン駆動部材
11とボビン22とを連結し、ボビン22を回転状態と
する連結位置に位置し、駆動板下79が前進端に位置し
糸巻き可能状態となる。この時、同時に、ストッパ10
3がばね107(図12)の付勢力によって反時計方向
へ回転し、ストッパピン105がギア連結リンク96の
円弧状溝部100の溝底100aに嵌合する。また、駆
動板下79は前進移動するが、付勢ばね85が軸方向に
収縮して駆動板上83の移動は停止状態を保持し、その
結果、糸保持部材48は、糸保持部材48の先端部が内
釜18の内部上方に進入した進入位置を保持する。
【0165】また、糸巻き可能状態におけるボビン22
と糸保持部材48の位置関係は、図9に示すように、糸
保持部材48の上方糸保持部59と糸位置規制部58と
の間に斜めに連なる下糸専用糸EDSをボビン22の上
フランジ37の外周縁に押し付けている。
【0166】つぎに、制御手段93から送出される制御
指令により、針棒切外し機構140が針棒2の上下方向
への往復運動を上軸の回転から切外して針3の上下方向
への往復運動を停止させ針3を上方に保持し、その後、
下糸糸巻き装置付きミシン1を駆動する。
【0167】そして、下糸糸巻き装置付きミシン1が駆
動すると、外釜7が正回転し、この外釜7の回転は、外
釜底板16を介してボビン駆動部材11の上端のボビン
駆動ギア14を正回転させ、その結果、ボビン駆動ギア
14と噛合しているボビン従動ギア35を外釜7の回転
方向と反対方向へ逆回転させ、ボビン22が外釜7の回
転方向と反対方向へ逆回転する。
【0168】そして、ボビン22の逆回転により、ボビ
ン22の上フランジ37の外周縁に押し付けられた糸保
持部材48の上方糸保持部59と糸位置規制部58との
間に斜めに連なる下糸専用糸EDSが、ボビン22のス
リット39の開口39aに容易に捕捉され、ボビン中心
軸36に形成された糸捕捉部としての凹溝41内に供給
側、すなわち下糸糸駒111側の下糸専用糸EDSが導
かれてしっかりと巻かれる。そして、ボビン22の回転
により凹溝41内に下糸専用糸EDSが巻回されると、
下糸専用糸EDSは壁部40を図6下方へ乗り越えてボ
ビン中心軸36の外周面に巻き付き、ボビン22の回転
の継続により糸巻きがさらに行われる。また、糸保持部
材48の上方糸保持部59に保持された糸端側の下糸専
用糸EDSは、ボビン22の回転に多少引かれて短くな
り、スリット39から飛び出た状態となる。
【0169】そして、ボビン22に対する下糸専用糸E
DSの巻回は、前記糸巻き量制御部197あるいは限界
糸巻き回数設定部198に記憶された糸巻き量に到達す
るまで行われ、ボビン22に対する下糸専用糸EDSの
巻回が予め設定された糸巻き量に到達すると第1糸巻き
動作制御部193Aの制御指令に基づいてミシン、つま
り下糸糸巻き装置付きミシン1が停止する。この時、針
棒切外し機構140が針棒2の上下方向への往復運動を
上軸の回転から切外して針3の上下方向への往復運動を
停止させ針3を上方に保持した状態を保持している。
【0170】また、ボビン22に巻かれた下糸専用糸E
DSは、凹溝41内にしっかりと巻回されるので、縫製
動作によって下糸専用糸EDSが消費される場合、下糸
専用糸EDSは、ボビン中心軸36の外周面側から消費
され最後に糸捕捉部としての凹溝41内にしっかりと巻
き付いた糸端側が消費されるので、下糸専用糸EDSが
完全に消費されるまでボビン22を確実に回転させるこ
とができる。
【0171】つぎに、下糸専用糸の下糸張力手段への糸
掛け動作および下糸専用糸の切断動作について図32か
ら図36により説明する。
【0172】図32から図36は下糸専用糸の下糸張力
手段への糸掛け動作および下糸専用糸の切断動作を示す
ものであり、図32は下糸捕捉可能状態を示す図24と
同様の図、図33は糸捕捉フックと下糸専用糸との位置
関係を示す要部の説明図、図34は糸掛け動作および切
断動作における途中経過を示す要部の斜視図、図35は
図34につづく途中経過を示す図34と同様の図、図3
6は図35につづく途中経過を示す図34と同様の図で
ある。
【0173】この下糸専用糸EDSの下糸張力手段25
への糸掛けは、縫製動作を行う際に必要な下糸張力を、
ボビン22に供給した下糸DSに付与するためのもので
ある。
【0174】前記糸巻きが終了した後に、制御手段93
から送出される制御指令により、駆動モータ91が逆回
転駆動し、駆動板下79が後退移動する。そして、駆動
板下79の後退移動は、図32に示すように、糸保持部
材48の長手方向先端部が、外釜7の外周面近傍の下方
の退避位置の若干上方、すなわち、糸捕捉フック46の
回転軌跡の下方に位置した糸捕捉位置で停止し下糸捕捉
可能状態となる。この時、ボビン駆動部材移動手段94
の作動ピン108は傾斜カム面109から離間するが、
ストッパピン105がギア連結リンク96の円弧状溝部
100の溝底100aに嵌合した状態を保持するので、
ボビン駆動部材11は上昇した状態を保持し、ボビン駆
動部材11の上端部に設けられたボビン駆動ギア14は
外釜底板16のギア孔17とボビン従動ギア35との両
者と噛合してボビン駆動部材11とボビン22とを連結
しボビン22を回転状態とする連結位置を保持する。そ
して、図32に示すように、ボビン22に巻回された下
糸専用糸EDSの供給側は、糸保持部材48の糸捕捉位
置への移動によって糸保持部材48に引かれて外釜7の
外周角で下方に屈曲し、糸保持部材48の上方糸保持部
59に保持されずに、糸保持部材48の糸保持板ばね6
6の先端縁と糸保持捕捉部49の先端縁との交叉部にお
いて係止される。
【0175】また、つぎの下糸専用糸EDSによる糸巻
き動作を行うためには、糸保持部材48の上方糸保持部
59に下糸専用糸EDSの糸端を保持させることによ
り、糸保持部材48への下糸専用糸EDSの糸掛け動作
を省略して操作を容易とすることができる。
【0176】そこで、図32に示す下糸捕捉可能状態
で、制御手段93から送出される制御指令により、図示
しない上軸が1回転する分だけミシン、詳しくは下糸糸
巻き装置付きミシン1のミシンモータ235を駆動す
る。すると、外釜7が正回転し、外釜7の外周面に配設
された糸捕捉フック46の糸離間用傾斜面47が前記外
釜7の外周角で下方に屈曲した部分の下糸専用糸EDS
を外釜7の外周面から離れる方向に押し出し、ボビン2
2に巻回された下糸専用糸EDSの供給側が糸保持部材
48の上方糸保持部59に押し込まれ、その結果、下糸
専用糸EDSを上方糸保持部59に保持することができ
る。
【0177】つぎに、制御手段93から送出される制御
指令により、駆動モータ91がさらに逆回転駆動し、駆
動板下79が後退端に達すると、図32に示す下糸捕捉
可能状態の各部は図25に示す初期状態に復帰する。こ
の時、糸保持部材48の先端部は、外釜7の外周面に沿
って下方に移動するため、ボビン22と糸保持部材48
の上方糸保持部59との間に連なる下糸専用糸EDSは
張られる。また、同時に、駆動板下の79のストッパピ
ン作動腕159によって、ストッパ103のストッパピ
ン105が支持ピン101を中心として時計方向に回転
して、ストッパピン105をギア連結リンク96の円弧
状溝部100から切り離す。そして、ストッパピン10
5がギア連結リンク96の円弧状溝部100の溝底10
0aから離間され、ギア連結リンク96は、ばね6の付
勢力によりリンク支持ピン97を中心として反時計方向
へ回転して作動板95がボビン駆動部材11の下方へ離
間し、その結果、ボビン駆動部材11は、ボビン22と
切り離されボビン22を非回転状態とする離間位置に復
帰し、ボビン22は、回転自在なフリー状態となる。
【0178】つぎに、制御手段93から送出される制御
指令により、ミシン、詳しくは下糸糸巻き装置付きミシ
ン1のミシンモータ235を逆回転駆動すると、外釜7
が逆回転し、糸捕捉フック46のフック部46aが外釜
7の外周近傍に位置する前記ボビン22と糸保持部材4
8の上方糸保持部59との間に位置する下糸専用糸ED
Sを捕捉する。そして、糸捕捉フック46のフック部4
6aが下糸専用糸EDSを捕捉した状態で逆回転し、図
33下方に示す位置に到達すると、ボビン22から出た
下糸専用糸EDSは、図34に示すように、下糸張力手
段25の基板26の上端縁に乗り上げ、内釜18の突起
19と内釜回り止め20との間の隙間を通過する。ま
た、糸捕捉フック46のフック部46aの下方から出た
下糸専用糸EDSは、外釜7の大径部7aの外周に巻き
付いて糸保持部材48の上方糸保持部59へつながる。
【0179】つぎに、外釜7のさらなる逆回転により、
下糸張力手段25の基板26の上端縁に乗り上げた下糸
専用糸EDSは、基板26の上端を滑って図33左斜め
下方に示す位置に到達すると、下糸張力手段25の基板
26の上端縁に形成されている糸道入口27へ誘い込ま
れ、その結果、図35に示すように、下糸専用糸EDS
は糸導入溝28(図4参照)に進入する。
【0180】つぎに、外釜7のよりさらなる逆回転によ
り、糸導入溝28に侵入した下糸専用糸EDSは、図3
3左方および図36に示す位置に到達すると、図4に示
す下糸張力手段25の糸係止孔29と糸出口30との間
に下糸押さえ板ばね31の付勢力をもって付勢された状
態で配置され、その結果、縫製動作時に必要な適正な下
糸張力を下糸専用糸EDSに確実に付与することができ
る。
【0181】また、下糸専用糸EDSが図33左方に位
置すると、外釜7に配設された切断刃43の刃先が、図
33に符号Bにて示す上方糸保持部59から出た下糸専
用糸EDSが外釜7の外周面に巻き付き始まる接点付近
に位置するので、外釜7の外周面に巻き付いた下糸専用
糸EDSは、図2に示すさそい込み部44の斜面を乗り
越えて切断刃44に押し付けられて切断される。そし
て、この位置でボビン22から糸保持部材48の上方糸
保持部59へ連なる下糸専用糸EDSを切断することに
より、縫い目の結束に必要な下糸張力手段25からの下
糸DSの長さを十分に確保することができるとともに、
糸保持部材48の上方糸保持部59から出る糸端側の糸
残りを少なくすることができる。
【0182】ついで、制御手段93から送出される制御
指令により、外釜7の逆回転を停止するとともに、針棒
切外し機構140が上軸の回転運動から切り離した針棒
2の上下方向への往復運動を上軸の回転に連結すること
により、下糸糸巻き装置付きミシン1の各部が初期状態
に復帰し、下糸専用糸EDSの糸巻き動作が終了する。
【0183】つぎに、上糸の糸巻き動作を図8、図9、
図25から図31および図37により説明する。なお前
述した下糸専用糸EDSの糸巻き動作と同様の部分につ
いては説明を省略する。
【0184】図37は本発明に係る下糸糸巻き装置の糸
保持部材が上糸を捕捉した上糸捕捉状態を示す説明図で
ある。
【0185】本実施形態の下糸糸巻き装置付きミシン1
による上糸USの糸巻き動作は、糸保持部材48に糸掛
けしない状態で、糸巻きスタート/ストップスイッチ1
77の操作による手動糸巻きモード、あるいは、糸巻き
信号による自動糸巻きモードにより糸巻き動作を開始す
る。なお、自動糸巻きモードについては後述する。
【0186】そして、制御手段93から制御指令が各部
に送出されると、まず、専用下糸保持検出手段180が
糸巻き動作時に供給される下糸専用糸EDSが糸保持部
材48に保持されているか否かを検出し、この検出結果
は制御手段93に送出され、制御手段93の誤巻き取り
動作防止部202により、設定状態と下糸糸巻き装置付
きミシン1の状態とが合致しているか否かが判定され、
専用下糸保持検出手段180が下糸専用糸EDSを検出
した場合には、糸巻き動作を行わずに、警告手段175
としても機能する操作部170の表示画面176に警告
をメッセージなどで表示したり、安全確保手段228を
駆動して終了する。これにより、誤動作を確実に防止す
ることができる。
【0187】また、専用下糸保持検出手段180が下糸
専用糸EDSを検出しない場合には、制御手段93から
送出される制御指令に基づいて、糸保持部材移動手段5
3の駆動モータ91が駆動し、前述した下糸専用糸ED
Sの糸巻き動作と同様に、図25に示す初期状態に位置
する下糸糸巻き装置付きミシン1の糸保持部材48は、
図28に示す前進開始前状態を介して図29および図3
0に示す前進状態に位置する。そして、図29および図
30に示す前進状態に位置すると、制御手段93から送
出される制御指令に基づいて、駆動モータ91が停止す
る。
【0188】つぎに、下糸糸巻き装置付きミシン1の糸
保持部材48が図29および図30に示す前進状態で停
止すると、制御手段93から送出される制御指令に基づ
いて、図示しない上軸が1回転する分だけミシン、詳し
くは下糸糸巻き装置付きミシン1のミシンモータ235
を駆動する。すると、針棒2の上下運動により上停止位
置に位置する針3が上下方向へ1針分だけ1往復動作す
るとともに、針3の針穴から出た上糸ループは、正回転
する外釜7の剣先42により捕捉されて内釜18を回
る。この時、剣先42により、内釜18を回る上糸US
は、内釜18の上下に分けられて、布側の上糸USが内
釜18の上を通り、針側の上糸USが内釜18の底面と
ボビン駆動ギア14の上面とで形成する隙間を通過す
る。なお、縫製動作の途中で上糸USの糸巻きを行う場
合には、図4に示すように、上糸USの一端が布などの
縫製物Sの縫い目につながっているので何ら差し障りは
ないが、それ以外の場合には、上糸USの糸端を手など
で保持してからミシン、詳しくは下糸糸巻き装置付きミ
シン1のミシンモータ235を駆動することが肝要であ
る。
【0189】そして、内釜18の上面を回る上糸US
は、図29および図30に示すように、糸保持部材48
の先端部が内釜18の内部上方に進入した進入位置で停
止しているので、図8に詳示する糸保持板ばね66の先
端縁と糸保持捕捉部49の先端縁との交叉部により形成
される上方糸係止部60が形成する開口部位にさそい込
まれる。そして剣先42のさらなる回転により、内釜1
8の突起19と内釜回り止め20との間の隙間を通過し
た後に、糸位置規制部58を介して図8に詳示する糸保
持板ばね66の上後舌片69と糸保持捕捉部49の後舌
片55により形成される上糸用後方保持部70が形成す
る開口部位にさそい込まれ、その後、内釜18から上糸
USが抜けて、図37に示すように、上糸USが糸保持
部材48に捕捉され上糸捕捉状態となる。この時、上糸
USは図37に示すように、前記上方糸保持部59(図
8、図9参照)には保持されず、上方糸係止部60に係
止されており、上方糸係止部60と上糸用後方保持部7
0との間に連なる部位は、図9に示す前記下糸専用糸E
DSとほほ同様に糸位置規制部58に位置するように張
られる。
【0190】なお、縫製動作時における上糸USは、図
14に示す上糸繰出機構120により、1針毎に、制御
手段93から送出される制御指令にしたがって駆動され
る駆動モータ125により縫い目に必要な糸量のみが繰
り出され、糸締め時には駆動モータ125が停止して駆
動ローラ124と従動ローラ128との間で上糸USが
糸保持され適正な糸調子を得ることができる。
【0191】また、糸巻き動作時における上糸USは、
糸巻き動作を開始した直後の水平釜4が駆動する第1針
目では縫製動作に必要な縫い目に必要な糸量は不要であ
るが、図37に示す糸経路分の糸量が必要となる。ま
た、上糸USを糸保持部材48に確実に捕捉させるため
上糸USに適正な張力も必要である。そこで、制御手段
93から送出される制御指令にしたがって、上糸繰出機
構120により、図37に示す糸経路に必要な糸量とほ
ぼ同等あるいは若干少な目の上糸USを繰り出した後
に、図示しない天秤機構による糸締め時において、駆動
モータ125を停止させて駆動ローラ124と従動ロー
ラ128との間で上糸USを保持することにより、上糸
USを糸保持部材48に確実に捕捉することができる。
【0192】また、下糸糸巻き装置付きミシン1の糸保
持部材48が図29および図30に示す前進状態で停止
した状態においては、ボビン駆動ギア14がボビン従動
ギア35から下方へ離間している。
【0193】つぎに、前述したように、制御手段93か
ら送出される制御指令により、針棒切外し機構140が
針棒2の上下方向への往復運動を上軸の回転から切外し
て針3の上下方向への往復運動を停止させ針3を上方に
保持し、その後、下糸糸巻き装置付きミシン1を駆動す
る。
【0194】つぎに、糸保持部材48が上糸USを捕捉
した後に、駆動モータ91のさらなる駆動によって前述
したように、図29および図30に示す各部は図31に
示す糸巻き可能状態となる。この図31に示す糸巻き可
能状態においては、ボビン駆動ギア14がボビン従動ギ
ア35に噛合している。また、糸巻き可能状態における
ボビン22と糸保持部材48の位置関係は、図9に示す
ように、糸保持部材48の上方糸係止部64と糸位置規
制部58との間に斜めに連なる上糸USをボビン22の
上フランジ37の外周縁に押し付けている。
【0195】つぎに、制御手段93から送出される制御
指令により、下糸糸巻き装置付きミシン1が駆動する
と、外釜7が正回転し、この外釜7の回転は、外釜底板
を介してボビン駆動部材11の上端のボビン駆動ギア1
4を正回転させ、その結果、ボビン駆動ギア14と噛合
しているボビン従動ギア35を外釜7の回転方向と反対
方向へ逆回転させ、ボビン22が外釜7の回転方向と反
対方向へ逆回転する。
【0196】そして、ボビン22の逆回転により、ボビ
ン22の上フランジ37の外周縁に押し付けられた糸保
持部材48の上方糸係止部64と糸位置規制部58との
間に斜めに連なる上糸USが、ボビン22のスリット3
9の開口39aに捕捉され、ボビン中心軸36に形成さ
れた凹溝41内に供給側たる針側、すなわち上糸糸駒1
21側の上糸USが導かれる。そして、ボビン22の回
転により凹溝41内に上糸USが巻回されると、また、
上糸USがボビン22のスリット39の開口39aに捕
捉されると、糸ゆるめ手段138の一部を構成するソレ
ノイド136が駆動され、各従動ローラ128が駆動ロ
ーラ124から離間して解放され、ボビン22の回転の
継続により上糸USは上糸糸駒121から引き出されて
糸巻きがさらに行われる。なお、ボビン22のスリット
39からでて布へつながる上糸USは、ボビン22が回
転する毎に繰り返しスリット39のエッジ部位に擦れて
切断される。
【0197】そして、ボビン22に対する上糸USの巻
回は、前記糸巻き量制御部197あるいは限界糸巻き回
数設定部198によって設定された糸巻き量に到達する
まで行われ、ボビン22に対する上糸USの巻回が予め
設定された糸巻き量に到達すると第2糸巻き動作制御部
193Aの制御指令に基づいて下糸糸巻き装置付きミシ
ン1が停止する。この時、針棒切外し機構140が針棒
2の上下方向への往復運動を上軸の回転から切外して針
3の上下方向への往復運動を停止させ針3を上方に保持
した状態を保持している。
【0198】つぎに、ボビンに供給した下糸としての上
糸の下糸張力手段への糸掛け動作および上糸の切断動作
について図33から図36により説明する。
【0199】このボビン22に供給した下糸DSとして
の上糸USの下糸張力手段25への糸掛けは、縫製動作
を行う際に必要な下糸張力をボビン22に供給した下糸
DSに付与するためのものである。
【0200】前記糸巻きが終了した後に、制御手段93
から送出される制御指令により、駆動モータ91が逆回
転駆動し、駆動板下79を後退移動して、図31に示す
各部は図25示す初期状態まで復帰する。そして、ボビ
ン22に供給した下糸DSとしての上糸USの下糸張力
手段25への糸掛け動作は、下糸専用糸EDSの下糸張
力手段25への糸掛け動作と異なり、糸保持部材48の
上方糸保持部59に糸端を保持させる必要がないので、
ボビン22から出た下糸DSとしての上糸USは、初期
状態において図33に符号Cにて示す糸経路とほぼ同様
となる。この初期状態から、前述した下糸専用糸EDS
の下糸張力手段25への糸掛け動作と同様に、制御手段
93から送出される制御指令により、ミシン、詳しくは
下糸糸巻き装置付きミシン1のミシンモータ235を逆
回転駆動すると、外釜7が逆回転し、糸捕捉フック46
のフック部46aが外釜7の外周近傍に位置する前記ボ
ビン22と糸保持部材48の上方糸係止部60との間に
位置する上糸USを捕捉し、糸捕捉フック46のフック
部46aが上糸USを捕捉した状態で逆回転し、ボビン
22から出た上糸USは、下糸張力手段25の基板26
の上端縁に形成されている糸道入口27へ誘い込まれて
糸導入溝28に侵入し、外釜7のよりさらなる逆回転に
より、糸導入溝28に侵入した下糸DSとしての上糸U
Sは、下糸張力手段25の糸係止孔29と糸出口30と
の間に下糸押さえ板ばね31の付勢力をもって付勢され
た状態で配置され、その結果、縫製動作時に必要な適正
な下糸張力を下糸DSとしての上糸USに確実に付与す
ることができる。
【0201】また、下糸DSとしての上糸USは、前記
下糸専用糸EDSと同様に、外釜7に配設された切断刃
43の刃先により切断され、針側の糸残りとして縫い目
の結束に必要な長さを十分に確保することができる。
【0202】ついで、制御手段93から送出される制御
指令により、外釜の逆回転を停止するとともに、針棒切
外し機構140が上軸の回転運動から切り離した針棒2
の上下方向への往復運動を上軸の回転に連結することに
より、下糸糸巻き装置付きミシン1の各部が初期状態に
復帰し、下糸DSとしての上糸USの糸巻き動作が終了
する。
【0203】以上の説明は、糸巻きスタート/ストップ
スイッチ177の操作による手動糸巻きモードにおける
糸巻き動作であるが、以下に、自動化についての説明を
行う。
【0204】まず、ボビンの回転状態および下糸無しの
検出動作について図6、図7、図38および図39によ
り説明する。
【0205】図38は本発明に係る下糸糸巻き装置付き
ミシンの下糸検出手段の要部の構成を示す平面図、図3
9は反射型光センサのセンサ出力および主軸センサの出
力信号を示す線図である。
【0206】前記ボビン22に下糸DSが巻回された状
態で縫製が行われると、ボビン22が回転し、図3およ
び図38に示すように、反射型光センサ211の下方を
上フランジ37の上面に設けられた反射テープ210の
図7に白抜きにて示す高反射率部210aと図7に斜線
にて示す低反射率部210bとが交互に通過する。そし
て、反射テープ210の高反射率部210aが反射型光
センサ211と対向すると反射型光センサ211は電流
を多く流し、反射テープ210の低反射率部210bが
反射型光センサ211と対向すると反射型光センサ21
1は電流が少なくなる。そこで、負荷抵抗に前記電流を
通電すると、図39に示すように、ほぼパルス状のセン
サ出力を得ることができる。また、ボビン22から下糸
DSが消費され、ボビン中心軸36から下糸DSの糸端
が離れると、ボビン22の回転が無くなり、反射型光セ
ンサ211のセンサ出力はほぼ一定のレベルとなり、図
39に示すように、ほぼフラット状のセンサ出力を得る
ことができる。なお、図39に、主軸センサ218の出
力信号(主軸信号)を合わせて示す。この主軸信号は、
1サイクルが1針(ミシン1針分)を示す。
【0207】前記反射型光センサ211のセンサ出力
は、図22に示すように、制御手段93のA/D変換器
233を介してCPU190に出力される。そして、C
PU190は、A/D変換器233から送出される出力
を、図39に示す主軸センサ218の出力信号により得
られる所定の針数Nの間に所定数のサンプリングを行い
その間のセンサ出力の値をメモり191に記憶する。そ
して、得られたセンサ出力の最大値と最小値を算出し、
得られたセンサ出力の最大値と最小値の差が所定の閾値
(所定の電圧値)以上であればボビン回転と判別し、得
られたセンサ出力の最大値と最小値の差が所定の閾値
(所定の電圧値)以下であればその状態が所定針数分続
いたと判断してボビン22から下糸DSが無くなってボ
ビン22の回転が停止したと判別する。
【0208】ここで、センサ出力の最大値と最小値の差
が所定の閾値(所定の電圧値)以下の状態を複数針みる
理由は、糸の消費量が少ない模様を縫製している場合
や、ボビン22に下糸DSが多く巻かれている場合など
においては、ボビン22の回転角度が小さいため針数が
1、2針では、反射型光センサ211の下方を高反射率
部210aと低反射率部210bとが通過しないからで
ある。
【0209】このように、本実施形態の下糸糸巻き装置
付きミシン1によれば、ボビン22の回転状態とボビン
22に巻回された下糸DSの有無を確実かつ容易に判別
することができる。
【0210】前記ボビンの回転状態とボビンに巻回され
た下糸の有無の判別について図40に示すフローチャー
トにより説明する。
【0211】図40は本発明に係る下糸糸巻き装置付き
ミシンのボビンの回転状態とボビンに巻回された下糸の
有無の判別を説明するフローチャートである。
【0212】前記ボビン22の回転状態とボビン22に
巻回された下糸DSの有無の判別は、図40に示すよう
に、まず、ステップST100 において反射型光センサ2
11の出力を読み込み、つぎのステップST101 におい
て読み込んだ値をメモリ191に記憶し、つぎのステッ
プST102 において主軸信号により針数をカウントし、
つぎのステップST103 に進行する。
【0213】ついで、ステップST103 において針数を
N針みたか判断し、ステップST103 の判断がNO(N
針より少ない)の場合には、前記ステップST100 へ戻
り、ステップST103 の判断がYES(N針と等しい)
の場合には、つぎのステップST104 に進行し、ステッ
プST104 においてセンサ出力の最大値と最小値を算出
し、つぎのステップST105 に進行する。
【0214】ついで、ステップST105 において、得ら
れたセンサ出力の最大値と最小値の差が所定の閾値(所
定の電圧値V)より小さいか否かを判断し、ステップS
T105 の判断がNO(閾値より大きい)場合には、ボビ
ン22が回転状態にあると判別して前記ステップST10
0 へ戻る。
【0215】前記ステップST105 の判断がYES(閾
値より小さい)場合には、つぎのステップST106 へ進
行して、その状態が所定針数分続いたと判断してボビン
22から下糸DSが無くなってボビン22の回転が停止
したと判別し終了する。
【0216】なお、ボビン22の回転状態とボビン22
に巻回された下糸DSの有無の判別は、メモリ191に
格納した前記フローチャートを実行し得るプログラムと
CPU190などにより行う。
【0217】つぎに、残り糸の消費について説明する。
【0218】前記下糸DSは、ボビン22の回転が停止
しても下糸張力手段25に挟まれた状態で残っており、
この状態では、新たな下糸DSをボビン22に供給する
ことができない。そこで、縫製中断時針位置制御部24
2から送出される制御指令によって、この残り糸を模様
として複数針縫って完全に消費した後、すなわち、前記
下糸検出手段214から下糸無しの検出信号が送出され
た場合、下糸無しの検出信号を検出した時点における縫
製位置から複数針運針した後で下糸糸巻き装置付きミシ
ン1を停止し、その後に、自動糸巻きスタート処理を行
う。ここでの針数は、ボビン22が停止した後の残り糸
量は、前記ボビン22構造により糸の種類、糸の太さに
よる差が少なく、釜近傍の糸道経路によって決定されほ
ぼ一定の長さなので、残り糸量を予めメモリ191の一
部を構成するROMに記憶しておき、この残り糸量をボ
ビン22が停止した後の1針毎の下糸消費量で減算して
行き判断する。前記下糸消費量は、上糸消費量とほぼ一
致するので、上糸消費量を算出することによって容易に
推測できる。また、上糸消費量は、公知の自動糸調子ミ
シンに見るように、布厚と布送り量と針振り量とから容
易に算出することができる。
【0219】つぎに、残り糸の消費について図41に示
すフローチャートによりさらに説明する。
【0220】図41は本発明に係る下糸糸巻き装置付き
ミシンの残り糸の消費を説明するフローチャートであ
る。
【0221】前記残り糸の消費は、図41に示すよう
に、まず、ステップST200 において、ボビン22が停
止した後の残り糸量”L”をメモリ191の一部を構成
するROMから読み込む。
【0222】ついで、ステップST201 において、主軸
信号のON/OFFを判断し、主軸信号がOFFの場合
には、主軸信号がONになるまで待機し、主軸信号がO
Nの場合には、つぎのステップST201 において、布厚
と布送り量と針振り量とから1針毎の下糸消費量”l”
を算出し、つぎのステップST202 において、前記残り
糸量Lから下糸消費量lを減算した値を新たな残り糸
量”L”に設定してつぎのステップST204 に進行す
る。
【0223】ついで、ステップST204 において、残り
糸量”L”が0より小さいか否かを判断し、ステップS
T204 の判断がNO(残り糸がある)の場合には、前記
ステップST201 に戻り、ステップST204 の判断がY
ES(残り糸無し)の場合には、つぎのステップST20
5 に進行し、ミシン停止、すなわち、下糸無しの検出信
号を検出した時点における縫製位置から複数針運針した
後でミシンを停止、詳しくは、下糸糸巻き装置付きミシ
ン1のミシンモータ235を停止し、つぎのステップS
T106 において下糸巻き制御、すなわち、自動糸巻きス
タート処理を行い終了する。
【0224】なお、残り糸の消費は、縫製中断時針位置
制御部242に格納されたプログラムとCPU190な
どにより行う。
【0225】このように、本実施形態の下糸糸巻き装置
付きミシン1によれば、残り糸の消費およびその判別を
確実かつ適正に行うことができるので、下糸DSの残り
糸を確実に消費した後に、ボビン22に下糸DSを供給
する糸巻き動作を開始することができ、その結果、糸巻
き動作の自動化を容易に行うことができる。
【0226】つぎに、上糸無しと下糸無しとの判別につ
いて説明する。
【0227】本実施形態の下糸糸巻き装置付きミシン1
は、縫製動作中に上糸切れと称される上糸USが無くな
った場合においても、下糸DSに張力が発生しなくな
り、ボビン22の回転が停止する。そこで、上糸無しと
下糸無しとの判別は、図14に示す前記上糸検出手段2
21を利用する。この上糸検出手段221は、図14に
示すように、上糸USが有り、正常に縫製動作が行われ
ている場合には、上糸USに張力が発生し、上糸経路に
配設されている上糸張力ばね220をたわませ、この上
糸張力ばね220と連動する遮蔽板222が光りセンサ
(フォトインタラプタ)223を遮蔽、解放する公知の
ものである。そして、縫製動作中に上糸USが無くなっ
た場合は、すぐに上糸USに張力が発生しなくなり、光
りセンサ223の出力状態で上糸USが無くなったこと
を検出することができる。しかし、上糸USが無くなっ
た場合、下糸DSは、布に縫い目を形成しているため、
布が送られると下糸DSが引っ張られるので、ボビン2
2は回転する。逆に、正常に下糸DSが消費された場
合、ボビン22の回転は停止するが、残り糸があるため
上糸張力が発生し、上糸検出手段221は動作しない。
したがって、どちらが先にその状態になったかを判定す
ることにより、上糸無しと下糸無しとを判別することが
できる。すなわち、ボビン22の回転状態と上糸USの
有無とをほぼ同時に監視し、先に無い状態を検出した方
を優先して判断する。
【0228】つぎに、上糸無しと下糸無しとの判別につ
いて図42に示すフローチャートによりさらに説明す
る。
【0229】図42は本発明に係る下糸糸巻き装置付き
ミシンの上糸無しと下糸無しとの判別を説明するフロー
チャートである。
【0230】前記上糸無しと下糸無しとの判別は、図4
2に示すように、まず、ステップST300 において、下
糸検出手段214を兼ねたボビン回転状態検出手段21
5の一部を構成する反射型光センサ211の出力状態に
より、ボビン22の回転の有無を判断し、ステップST
300 の判断が無し(ボビン停止状態)の場合には、つぎ
のステップST301 において、上糸検出手段221の一
部を構成する光りセンサ223の出力状態により、上糸
USの有無を判断し、ステップST301 の判断が有り
(上糸有り)の場合には、つぎのステップST302 にお
いて下糸無しと判断して終了する。また、ステップST
301 の判断が無し(上糸無し)の場合には、つぎのステ
ップST303 において異常(異常動作)と判断して終了
する。
【0231】前記ステップST300 の判断が有り(ボビ
ン回転状態)の場合には、つぎのステップST304 にお
いて、上糸検出手段221の一部を構成する光りセンサ
223の出力状態により、上糸USの有無を判断し、ス
テップST304 の判断が無し(上糸無し)の場合には、
つぎのステップST305 において上糸無しと判断して終
了する。また、ステップST304 の判断が有り(上糸有
り)の場合には、つぎのステップST306 において正常
(正常動作)と判断して終了する。
【0232】このように、上糸USおよび下糸DSのそ
れぞれの有無を監視することにより、上糸USおよび下
糸DSの何れが無くなったのかを確実かつ容易に判別す
ることができる。
【0233】なお、上糸無しと下糸無しとの判別は、糸
無し判別制御部241に格納されたプログラムとCPU
190などにより行う。
【0234】つぎに、自動糸巻きスタートについて説明
する。
【0235】本実施形態の下糸糸巻き装置付きミシン1
によれば、前述したように、下糸DSの残り糸を完全に
消費したと判断した後に、糸巻きスタート/ストップス
イッチ177の設定状態にかかわらずを糸巻きスタート
を自動的に行うことができる。
【0236】つぎに、自動糸巻きモードと手動糸巻きモ
ードの選択について図43および図44により説明す
る。
【0237】図43は本発明に係る下糸糸巻き装置付き
ミシンの自動糸巻きモードと手動糸巻きモードの選択の
一例を説明するフローチャート、図44は本発明に係る
下糸糸巻き装置付きミシンの自動糸巻きモードモードと
手動糸巻きモードの選択の他例を説明するフローチャー
トである。
【0238】前記自動糸巻きモードと手動糸巻きモード
の選択の一例としては、図43に示すように、ステップ
ST400 において、糸巻きモード切替スイッチ226
(図43においてスイッチAと記す)の設定状態、すな
わち、糸巻きモード切替スイッチ226のON/OFF
を判断し、ステップST400 の判断がON(自動糸巻き
モード)の場合には、つぎのステップST401 におい
て、下糸糸巻き装置付きミシン1を自動糸巻きモードに
設定して終了する。
【0239】前記ステップST400 の判断がOFF(手
動糸巻きモード)の場合には、つぎのステップST402
において、下糸糸巻き装置付きミシン1を手動糸巻きモ
ードに設定して終了する。
【0240】すなわち、本実施形態においては、糸巻き
モード切替スイッチ226の設定状態に応じて、自動糸
巻きモードと手動糸巻きモードの選択を行うことができ
るようになっている。そして、糸巻きモード切替スイッ
チ226の設定が自動糸巻きモードに設定された場合
は、自動的に糸巻き動作をし、糸巻きモード切替スイッ
チ226の設定が手動糸巻きモードに設定された場合
は、糸巻きスタート/ストップスイッチ177をON操
作することにより糸巻き動作をする。
【0241】なお、自動糸巻きモードと手動糸巻きモー
ドの選択は、糸巻きモード判別制御部244に格納され
たプログラムとCPU190などにより行う。
【0242】前記自動糸巻きモードと手動糸巻きモード
の選択の他例としては、図44に示すように、ステップ
ST500 において、模様選択処理、すなわち、模様選択
スイッチ172の操作により、複数の模様縫いデータか
ら所望の模様縫いデータを選択し、つぎのステップST
501 に進行する。
【0243】ついで、ステップST501 において、模様
の種類の判断、すなわち、選択された縫い模様が直線縫
い、ジグザグ縫い、ボタンホール縫いなどに用いる実用
縫いと称される分類に区分される実用模様か、それと
も、刺繍縫いと称される分類に区分される刺繍模様かを
判断し、ステップST501 の判断が刺繍模様の場合は、
つぎのステップST502 において、下糸糸巻き装置付き
ミシン1を自動糸巻きモードに設定して終了する。
【0244】なお、模様の種類の区分は、前記縫いデー
タ記憶部200に記憶した模様縫いデータ毎に模様の種
類の区分を表示するデータをもたせることができるの
で、模様選択スイッチ172の操作により選択された模
様縫いデータの模様の種類の区分は、CPU190によ
り容易に認識することができる。つまり、CPU190
は、模様選択手段としての模様選択スイッチ172によ
り選択された模様縫いデータを判別する模様縫いデータ
判別手段229としても機能する。
【0245】また、模様選択スイッチ172の操作によ
り複数の模様縫いデータから選択された所望の模様縫い
データに基づいて行うかわりに、選択された模様を形成
するのに必要な補助部品の着脱状態、つまり、刺繍縫い
を行う際の刺繍装置240の着脱状態を検出する刺繍装
置センサ217から送出される検出信号によってもCP
U190により容易に認識することができる。
【0246】前記ステップST501 の判断が実用模様の
場合には、つぎのステップST503において、下糸糸巻
き装置付きミシン1を手動糸巻きモードに設定して終了
する。
【0247】すなわち、本実施形態においては、選択さ
れた模様縫いデータおよび/または選択された模様を形
成するのに必要な補助部品の着脱状態に応じて、自動糸
巻きモードと手動糸巻きモードの選択を行うことができ
るようになっている。そして、下糸糸巻き装置付きミシ
ン1が自動糸巻きモードに設定された場合は、自動的に
糸巻き動作をし、下糸糸巻き装置付きミシン1が手動糸
巻きモードに設定された場合は、糸巻きスタート/スト
ップスイッチ177をON操作することにより糸巻き動
作をする。
【0248】なお、模様の種類の区分についてはCPU
190により行い、自動糸巻きモードと手動糸巻きモー
ドの選択は、糸巻きモード自動設定制御部245に格納
されたプログラムとCPU190などにより行う。
【0249】つぎに、ボビンへ下糸を供給する糸巻き動
作が終了したあとの縫製動作の自動再スタートについて
説明する。
【0250】前記ボビン22へ下糸DSを供給する糸巻
き動作が終了したあとの縫製動作の再スタートは、以下
に示す2通りの方法で行うことができる。
【0251】前記縫製動作の再スタートの第1の方法に
おいては、糸巻き動作が終了すると、CPU190は糸
巻き動作の終了を表示画面176および/または安全確
保手段228により作業者に知らせる。そして、作業者
は、表示画面176および/または安全確保手段228
により、糸巻き動作の終了を確認した後に、重ね縫いを
するために、縫製物Sを何針か前に戻して縫製動作のO
N/OFFを行うスタート/ストップスイッチ238を
ON操作してミシンスタートして縫製動作を再スタート
する。
【0252】前記縫製動作の再スタートの第2の方法に
おいては、糸巻き動作が終了すると、CPU190は糸
巻き動作の終了を表示画面176および/または安全確
保手段228により作業者に知らせた後に、自動的に何
針か前に戻し、自動的にミシンスタートして縫製動作を
再スタートする。これは特に、刺繍装置240を用いた
刺繍縫いを行う場合に有効である。針位置に対して相対
的に刺繍装置240の刺繍枠を移動させて、刺繍模様を
形成する自動刺繍機であれば、正確に何針でも前に戻る
ことができる。この再スタートする時点で、表示画面1
76および/または安全確保手段228からなる再スタ
ート告知手段225を動作して、再スタートすること
を、作業者あるいは周囲の人々に容易かつ確実に認識さ
せることができるので、特に、再スタートを自動的に行
う場合における安全性を高めることができる。
【0253】なお、自動的な縫製動作の再スタートは、
再スタート制御部246に格納されたプログラムとCP
U190などにより行う。さらに、何針か前に戻すの
は、縫製再開時針位置制御部242に格納されたプログ
ラムとCPU190などにより行う。またさらに、再ス
タート告知手段225の動作は、再スタート告知制御部
248に格納されたプログラムとCPU190などによ
り行う。
【0254】つぎに、自動再スタートモードと手動再ス
タートモードの選択について図45により説明する。
【0255】図45は本発明に係る下糸糸巻き装置付き
ミシンの自動再スタートモードと手動再スタートモード
の選択を説明するフローチャートである。
【0256】前記縫製動作を再スタートする際の自動再
スタートモードと手動再スタートモードの選択は、図4
5に示すように、まず、ステップST600 において、再
スタートモード切替スイッチ227(図45においてス
イッチBと記す)の設定状態、すなわち、再スタートモ
ード切替スイッチ227のON/OFFを判断し、前記
ステップST600 の判断がOFF(手動再スタートモー
ド)の場合には、つぎのステップST601 において、下
糸糸巻き装置付きミシン1を手動再スタートモードに設
定して終了する。なお、下糸糸巻き装置付きミシン1を
手動再スタートモードに設定した場合には、縫製動作の
再スタートは、スタート/ストップスイッチ238をO
N操作することにより開始する。
【0257】前記ステップST600 の判断がON(自動
再スタートモード)の場合には、つぎのステップST60
2 において、前記図44のステップST501 と同様に、
模様の種類が実用模様か、それとも、刺繍模様かを判断
し、ステップST602 の判断が実用模様の場合には、ス
テップST601 に進行し、下糸糸巻き装置付きミシン1
を手動再スタートモードに設定して終了する。
【0258】前記ステップST602 の判断が刺繍模様の
場合には、つぎのステップST603に進行して下糸糸巻
き装置付きミシン1を自動再スタートモードに設定し、
つぎのステップST604 に進行して縫製位置を何針か前
に戻し、つぎのステップST605 に進行して再スタート
告知手段225を動作して再スタートの告知を作業者あ
るいは周囲の人々に行い、つぎのステップST606 に進
行してミシンスタートして縫製動作を再開し終了する。
【0259】すなわち、再スタートモード切替スイッチ
の設定状態、模様選択スイッチ172の操作により選択
された模様縫いデータの模様の種類、選択された模様を
形成するのに必要な補助部品の着脱状態、つまり、刺繍
縫いを行う際の刺繍装置240の着脱状態を検出する刺
繍装置センサ217から送出される検出信号などを単独
もしくは組み合わせることによって、縫製動作を再スタ
ートする際の自動再スタートモードと手動再スタートモ
ードの選択を行う。
【0260】以上の説明は、スイッチBの状態を模様の
種類識別よりも優先させた例であるが、設計コンセプト
により、模様の種類識別を優先させる場合は、図45に
示すフローチャートのステップST600 とステップST
602 を逆にすることにより実現する。
【0261】なお、再スタートモード切替スイッチ22
7の設定状態に応じて自動的に縫製動作の再スタートを
行うか否かを判別するのは、再スタート動作制御部24
7に格納されたプログラムとCPU190などにより行
う。さらに、ステップST604 における縫製位置を何針
か前に戻すのは、縫製再開時針位置制御部243に格納
されたプログラムとCPU190などにより行うととも
に、戻す針数は、縫製再開時針位置制御部243に格納
されたプログラムとCPU190などにより前記残り糸
の消費を行う際に運針した針数分と同一とする。さらに
また、選択された模様縫いデータに基づいて自動的に縫
製動作を再スタートを行うか否かを判別するのは、再ス
タートモード自動設定制御部295に格納されたプログ
ラムとCPU190などにより行う。またさらに、再ス
タート告知手段225の動作は、再スタート告知制御部
248に格納されたプログラムとCPU190などによ
り行う。
【0262】つぎに、縫製動作時の異常検出について図
46に示すフローチャートにより説明する。
【0263】図46は本発明に係る下糸糸巻き装置付き
ミシンの異常検出を説明するフローチャートである。
【0264】本実施形態のボビン回転状態検出手段21
5を兼ねた下糸検出手段214は、前述したように、ボ
ビン22の回転の有無と、縫製動作中におけるボビン2
2に巻回されている下糸DSの下糸無しを検出すること
ができるが、縫製動作の開始後または糸巻き動作開始後
のそれぞれのボビンの回転の有無を検出して、ボビン2
2の回転が無い場合には、糸掛け異常または糸巻き異常
と判断して再スタート告知手段225を動作させて、下
糸糸巻き装置付きミシン1の動作を停止することができ
る。
【0265】すなわち、図46に示すように、ステップ
ST700 において、ボビン回転状態検出手段215の反
射型光センサ211から送出されるセンサ出力によって
縫製開始後のボビン回転の有無を判断し、ステップST
700 の判断がNO(ボビン停止状態)の場合には、つぎ
のステップST701 において糸掛け異常としてミシン停
止し、つぎのステップST702 で作業者は必要なエラー
処理を行う。なお、ミシン停止する際には、再スタート
告知手段225を動作させて異常の表示および/または
警告を行うことが作業効率を向上するうえで好ましい。
【0266】前記ステップST700 の判断がYES(ボ
ビン回転状態)の場合には、つぎのステップST703 に
おいて正常運転を行い、つぎのステップST704 におい
てボビン回転の有無を判断し、ステップST704 の判断
がYES(ボビン回転状態)の場合には、運転状態を保
持する。
【0267】前記ステップ704 の判断がNO(ボビン停
止状態)の場合には、つぎのステップST705 において
ボビン22から下糸DSが無くなったと判断して前述し
た残り糸の消費処理を行い、つぎのステップST706 に
おいて前述した糸巻き動作処理を行い、つぎのステップ
ST707 において糸巻き開始後のボビン回転の有無を判
断する。
【0268】前記ステップST707 の判断がNO(ボビ
ン停止状態)の場合には、つぎのステップST708 にお
いて糸巻き異常としてミシン停止し、つぎのステップS
T709 で作業者は必要なエラー処理を行う。なお、ミシ
ン停止する際には、再スタート告知手段225を動作さ
せて異常の表示および/または警告を行うことが作業効
率を向上するうえで好ましい。
【0269】前記ステップST707 の判断がYES(ボ
ビン回転状態)の場合には、つぎのステップST710 に
進行して、糸巻きが終了したか否かを判断し、ステップ
ST710 の判断がNO(所定量の糸巻きが終わっていな
い)場合には、ステップST706 に戻って所定量の糸巻
きが終了するまで糸巻き動作処理を行う。
【0270】前記ステップST710 の判断がYES(糸
巻き終了)の場合には、つぎのステップST711 におい
て前述した再スタート告知処理を行い、つぎのステップ
ST712 において前述した再スタート処理を行い、ステ
ップST704 に戻って縫製動作が終了するまで繰り返
す。
【0271】なお、縫製動作時および糸巻き動作時の正
常か否かの判断は、動作状態判別制御部249に格納さ
れたプログラムとCPU190などにより行うつぎに、
縫製動作中における糸巻き動作の防止について説明す
る。
【0272】前記誤動作防止制御部205に格納された
プログラムとCPU190などにより、縫製動作中にお
ける糸巻きスタート/ストップスイッチ177のON操
作による糸巻きスタートを確実に禁止することができ
る。
【0273】つぎに、状態表示について説明する。
【0274】まず、糸巻き動作中におけるボビン22に
供給する下糸DSの種類、すなわち、ボビン22に供給
する下糸DSが上糸USか下糸専用糸EDSか、詳しく
は、上糸USをボビン22に巻回しているのか、それと
も下糸専用糸EDSをボビン22に巻回しているのかの
表示について説明する。
【0275】前述したように、前記制御手段93は、糸
巻き動作時に上糸USをボビン22に巻回するのか、そ
れとも下糸専用糸EDSをボビン22に巻回するのかを
判断し、それぞれの糸巻き動作を制御するように構成さ
れている。この時、上糸USをボビン22に巻回する制
御を実行する際には、例えば図47に示すように、状態
表示画面286に”上糸糸巻き中”の文字を表示し、下
糸専用糸EDSをボビン22に巻回する制御を実行する
際には、例えば図48に示すように、糸巻き時巻き糸表
示手段280を兼用する状態表示画面286に”下糸専
用糸糸巻き中”の文字を表示する。そして、このような
構成を採用したことにより、糸巻き動作中におけるボビ
ン22に供給する下糸DSの種類が上糸USか下糸専用
糸EDSかを明確に表示して、作業者に容易に認識させ
ることができるので、作業者の操作ミスを確実に防止す
ることができる。
【0276】なお、状態表示画面286への表示は、上
糸USの糸巻き動作中か下糸専用糸EDSの糸巻き中か
を容易に識別することのできる表示、例えば絵記号でも
よく、特に本実施形態の文字表示に限定されるものでは
ない。
【0277】また、状態表示画面286への糸巻き動作
中における上糸USをボビン22に巻回しているのか、
それとも下糸専用糸EDSをボビン22に巻回している
のかの表示は、制御手段93、詳しくはメモリ191の
状態表示制御部296に格納したプログラムとCPU1
90などにより行う。
【0278】つぎに、糸巻き動作時に前記ボビン22に
供給する下糸DSの種類の設定状態、すなわち、ボビン
22に供給する下糸DSの設定状態が上糸USか下糸専
用糸EDSか、詳しくは、上糸USをボビン22に巻回
するように設定されているのか、それとも下糸専用糸E
DSをボビン22に巻回するよに設定されているのかの
表示について説明する。
【0279】前記制御手段93は、ボビン22に供給す
る下糸DSの設定状態が上糸USか下糸専用糸EDSか
を判断して、設定状態を状態表示画面286に表示する
ように構成されている。例えば、操作部170の巻き糸
設定スイッチ173の上糸スイッチ(図18参照)をO
N操作した場合には、例えば図49に示すように、巻き
糸設定状態表示手段281を兼用する状態表示画面28
6の巻き糸設定状態をあらわす図49左側に示す巻き糸
の表示の下方の設定糸表示位置に”上糸”の文字を表示
し、操作部170の巻き糸設定スイッチ173の下糸専
用糸スイッチ(図18参照)をON操作した場合には、
設定糸表示位置に”下糸専用糸”の文字を表示する。そ
して、このような構成を採用したことにより、糸巻き動
作時にボビン22に供給する下糸DSが上糸USか下糸
専用糸EDSかの設定状態を明確に表示して、作業者に
容易に認識させることができるので、作業者の操作ミス
を確実に防止することができる。
【0280】なお、状態表示画面286への表示は、ボ
ビン22に供給する下糸DSの設定状態を容易に識別す
ることのできる表示、例えば絵記号でもよく、特に本実
施形態の文字表示に限定されるものではない。
【0281】また、状態表示画面286へのボビン22
に供給する下糸DSの設定状態が上糸USか下糸専用糸
EDSかの表示は、制御手段93、詳しくはメモリ19
1の状態表示制御部296に格納したプログラムとCP
U190などにより行う。
【0282】つぎに、糸巻き動作時に前記ボビン22に
供給する下糸DSの予め設定された糸巻き量の表示につ
いて説明する。
【0283】前記制御手段93は、ボビン22に供給す
る下糸DSの予め設定された糸巻き量を状態表示画面2
86に表示するように構成されている。例えば、操作部
170の糸巻き量設定スイッチ174の大、中、小のい
ずれかのスイッチ(図18参照)をON操作すると、制
御手段93は、ON操作された大、中、小のいずれかの
スイッチに応じて、例えば図49に示すように設定糸巻
き量表示手段282を兼用する状態表示画面286の設
定糸巻き量をあらわす図49左から2番目に示す巻き量
の表示の下方の糸巻き量表示位置に”大””中””小”
のいずれかの文字を表示する。そして、このような構成
を採用したことにより、糸巻き動作時にボビン22に供
給する下糸DSの予め設定された糸巻き量を明確に表示
して、作業者に容易に認識させることができるので、作
業者の操作ミスを確実に防止することができる。
【0284】なお、状態表示画面286への表示は、ボ
ビン22に供給する下糸DSの糸巻き量の設定状態を容
易に識別することのできる表示、例えば絵記号でもよ
く、特に本実施形態の文字表示に限定されるものではな
い。
【0285】また、状態表示画面286へのボビン22
に供給する下糸DSの糸巻き量の設定状態の表示は、制
御手段93、詳しくはメモリ191の状態表示制御部2
96に格納したプログラムとCPU190などにより行
う。
【0286】つぎに、糸巻き動作時における前記ボビン
22に下糸DSを供給する際の糸巻きモードの表示につ
いて説明する。
【0287】前記制御手段93は、糸巻き動作時におけ
るボビン22に下糸DSを供給する際の糸巻きモード、
具体的には自動的に糸巻き動作を開始する自動糸巻きモ
ードか作業者の操作により糸巻き動作を開始する手動糸
巻きモードかを状態表示画面286に表示するように構
成されている。例えば、操作部170の糸巻きモード切
替スイッチ226の自動または手動のいずれかのスイッ
チ(図18参照)をON操作すると、制御手段93は、
前述したように、糸無しと判断した時、自動的に糸巻き
動作を実行するのか、それとも糸巻きスタート/ストッ
プスイッチ177がONされてから糸巻き動作を実行す
るのかを判断し、糸巻きモード切替スイッチ226のO
N状態に応じた糸巻きモードを実行する。そのため、O
N操作された糸巻きモード切替スイッチ226の自動ま
たは手動(半自動)のいずれかのスイッチに応じて、例
えば図49に示すように糸巻きモード表示手段283を
兼用する状態表示画面286の糸巻きモードをあらわす
図49左から3番目に示す糸巻きモードの表示の下方の
糸巻きモード表示位置に”自動”または”手動”のいず
れかの文字を表示する。また、糸巻きモード切替スイッ
チ226とは別に、選択されている模様の種類や刺繍装
置240の着脱状態を認識して、糸巻きモードの自動ま
たは手動を判別して糸巻きモード表示位置に”自動”ま
たは”手動”のいずれかの文字を表示してもよい。そし
て、このような構成を採用したことにより、糸巻き動作
時におけるボビン22に下糸DSを供給する際の糸巻き
モードが自動的に糸巻き動作を開始する自動糸巻きモー
ドか作業者の操作により糸巻き動作を開始する手動糸巻
きモードかを明確に表示して、作業者に容易に認識させ
ることができるので、作業者の操作ミスを確実に防止す
ることができる。
【0288】なお、状態表示画面286への表示は、糸
巻き動作時の糸巻きモードを容易に識別することのでき
る表示、例えば絵記号でもよく、特に本実施形態の文字
表示に限定されるものではない。
【0289】また、状態表示画面286への糸巻きモー
ドの表示は、制御手段93、詳しくはメモリ191の状
態表示制御部296に格納したプログラムとCPU19
0などにより行う。
【0290】つぎに、前記ボビン22への下糸DSの供
給を終了した場合に縫製動作を再スタートする際の再ス
タートモードの表示について説明する。
【0291】前記制御手段93は、前記ボビン22への
下糸DSの供給を終了した場合に縫製動作を再スタート
する際の再スタートモード、具体的にはボビン22への
下糸DSの供給を終了した場合に自動的に縫製動作を再
スタートする自動再スタートモードかボビンへの下糸の
供給を終了した場合に作業者の操作により縫製動作を再
スタートする手動再スタートモードかを状態表示画面2
86に表示するように構成されている。例えば、操作部
170の再スタートモード切替スイッチ227の自動ま
たは手動のいずれかのスイッチ(図18参照)をON操
作すると、制御手段93は、前述したように、糸巻き動
作終了後、自動的に縫製動作を実行するのか、それとも
図示しない縫製動作を開始する縫製スタート/ストップ
スイッチがON操作(縫製開始)されてから縫製動作を
実行するのかを判断し、再スタートモード切替スイッチ
227のON状態に応じた縫製動作の再スタートモード
を実行する。そのため、ON操作された再スタートモー
ド切替スイッチ227の自動または手動(半自動)のい
ずれかのスイッチに応じて、例えば図49に示すように
再スタートモード表示手段284を兼用する状態表示画
面286の再スタートモードをあらわす図49右側に示
す再スタートモードの表示の下方の再スタートモード表
示位置に”自動”または”手動”のいずれかの文字を表
示する。また、再スタートモード切替スイッチ227と
は別に、選択されている模様の種類や刺繍装置240の
着脱状態を認識して、再スタートモードの自動または手
動を判別して再スタートモード表示位置に”自動”また
は”手動”のいずれかの文字を表示してもよい。そし
て、このような構成を採用したことにより、ボビン22
への下糸DSの供給を終了した場合に縫製動作を再スタ
ートする際の再スタートモードがボビン22への下糸D
Sの供給を終了した場合に自動的に縫製動作を再スター
トする自動再スタートモードかボビン22への下糸DS
の供給を終了した場合に作業者の操作により縫製動作を
再スタートする手動再スタートモードかを明確に表示し
て、作業者に容易に認識させることができるので、ボビ
ン22への下糸DSの供給を終了した後の縫製動作の再
スタートを安全かつ確実に行うことができるとともに、
作業者の操作ミスを確実に防止することができる。
【0292】なお、状態表示画面286への表示は、縫
製動作を再スタートする際の再スタートモードを容易に
識別することのできる表示、例えば絵記号でもよく、特
に本実施形態の文字表示に限定されるものではない。
【0293】また、状態表示画面286への再スタート
モードの表示は、制御手段93、詳しくはメモリ191
の状態表示制御部296に格納したプログラムとCPU
190などにより行う。
【0294】なお、前記設定糸表示、糸巻き量表示、糸
巻きモード表示、再スタートモード表示などの表示を行
う状態表示画面286としては、例えば、ドットマトリ
クスLCD画面を用いて表示を変更する部位のみ変更可
能とするとよい。
【0295】つぎに、ボビン22への下糸DSの供給を
終了した場合の縫製可能な状態の表示について説明す
る。
【0296】前記制御手段93は、前記ボビン22への
下糸DSの供給を終了した場合、縫製可能な状態を状態
表示画面286に表示するように構成されている。例え
ば、ボビン22への下糸DSの供給を終了した場合、例
えば図50に示すように、状態表示画面286に”糸巻
き終了”の文字を表示する。この時、再スタートモード
が自動再スタートモードであれば5〜6秒程度の所定時
間だけ状態表示画面286に”糸巻き終了”の文字を表
示した後、”糸巻き終了”の表示を非表示状態として縫
製動作を自動的に再スタートする。一方、再スタートモ
ードが手動再スタートモードであれば”糸巻き終了”の
表示を継続し、図示しない縫製動作を開始する縫製スタ
ート/ストップスイッチがON操作(縫製開始)された
ら”糸巻き終了”の表示を非表示状態として縫製動作を
再スタートする。そして、このような構成を採用したこ
とにより、ボビン22への下糸DSの供給を終了した後
の縫製可能な状態を明確に表示して、作業者に容易に認
識させることができるので、ボビン22への下糸DSの
供給を終了した後の縫製動作の再スタートを安全かつ確
実に行うことができるとともに、作業者の操作ミスを確
実に防止することができる。
【0297】なお、状態表示画面286への表示は、ボ
ビン22への下糸DSの供給を終了した後の縫製可能な
状態を容易に識別することのできる表示、例えば絵記号
でもよく、特に本実施形態の文字表示に限定されるもの
ではない。
【0298】また、状態表示画面286へのボビン22
への下糸DSの供給を終了した後の縫製可能な状態の表
示は、制御手段93、詳しくはメモリ191の状態表示
制御部296に格納したプログラムとCPU190など
により行う。
【0299】このように、本実施形態の下糸糸巻き装置
付きミシン1によれば、糸保持部材48に下糸専用糸E
DSを糸掛けする場合、開閉カバー271の開動作に連
動して糸保持部材48の少なくとも糸保持部分をミシン
外部に突出させることができるので、1回の操作によっ
て容易に下糸専用糸EDSの糸保持部材48への糸掛け
を可能な状態とすることができる。また、糸保持部材4
8の少なくとも糸保持部分がミシン外部に突出するの
で、下糸専用糸EDSの糸保持部材48への糸掛けを容
易かつ確実に行うことができる。したがって、下糸専用
糸EDSを糸保持部材48に糸掛けする糸掛け動作時の
作業性および操作性に優れるとともに、下糸専用糸ED
Sの糸保持部材48への糸掛け動作時の労力および時間
を確実に低減することができる。
【0300】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1によれば、使用中の上糸USを外さず、かつ、水
平釜4からボビン22を取り外すことなくボビン22に
刺繍縫いなどに用いる下糸専用糸EDSあるいは下糸D
Sとしての上糸USを容易に選択して供給することがで
きる。すなわち、縫い目に応じてボビン22に供給する
下糸DSの種類を容易に選択することができる。
【0301】さらに、本実施形態の下糸糸巻き装置付き
ミシン1によれば、ボビン22に供給した下糸DSの下
糸張力手段25への糸掛け動作を容易に行うことができ
るので、糸巻き動作終了後に、ボビン22に巻き取った
下糸DSに対して適正な張力を容易に付与することがで
きる。
【0302】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1によれば、ボビン22に供給する下糸DSの糸巻
き動作、ボビン22に供給した下糸DSの下糸張力手段
25への糸掛け動作、ボビン22に供給した下糸DSの
切断動作などを自動的に行うことができるので、操作性
を向上させることができるとともに、糸巻き動作時に要
する労力と時間を低減することができる。
【0303】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1によれば、糸巻き終了後に、外釜7を逆回転させ
るという動作で下糸張力手段25への糸掛けを行うよう
になっているので、下糸張力手段25からの糸出口30
を内釜18上に設けることができ、従来の糸巻き後のボ
ビンから布への下糸経路が釜の下を通るので糸道屈曲抵
抗が大きくなるなどの下糸DSの張力不安定の要因を確
実に除去し、下糸DSに適正な下糸張力を容易に付与す
ることができる。
【0304】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1によれば、ボビン22に供給する下糸DSとして
下糸専用糸EDSを用いる場合には、糸巻き動作終了後
に、下糸専用糸EDSの糸端を糸保持部材48に容易に
保持させることができるので、下糸糸駒111から下糸
専用糸EDSがなくなるまでは、糸巻き動作を繰り返し
容易に行うことができるまた、本実施形態の下糸糸巻き
装置付きミシン1によれば、縫製条件に応じてボビン2
2に巻き取る下糸DSの巻取り量を選択することができ
る。
【0305】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1によれば、模様縫いデータ、すなわち、縫製動作
時の縫い模様に応じて下糸DSの選択およびこの下糸D
Sの糸巻き量を自動的に設定することができるので、糸
巻き動作にかかわる操作を容易にすることができる。
【0306】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1によれば、糸巻き動作の設定状態とミシンの状態
とを合致させることができるので、下糸専用糸EDSを
ボビン22に供給する下糸DSとして用いる場合の下糸
専用糸EDSの糸保持部材48に対する糸掛け忘れなど
を確実に防止することができるとともに誤動作を未然に
防止することができる。
【0307】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1によれば、上糸USをボビン22に供給する下糸
DSとして用いる場合に、糸巻き動作時において糸ゆる
め手段138が各従動ローラ128と駆動ローラ124
との間に保持された上糸USの保持状態を解放するの
で、上糸USに無理な力が加わらずに円滑な糸巻き動作
を容易に行うことができる。
【0308】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1によれば、警告手段175を有しているので操作
者に各種の警告を容易に認識させることができる。
【0309】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1のボビン22によれば、糸巻き動作時に、ボビン
22に供給する下糸DSとしての下糸専用糸EDSある
いは上糸USの糸端近傍を糸捕捉部としての凹溝41内
に容易かつ確実に捕捉してしっかりと巻くことができる
ので、ボビン22に下糸DSを容易かつ確実に供給する
ことができるとともに、縫製動作によって下糸専用糸E
DSが消費される場合、下糸DSが完全に消費されるま
でボビン22を確実に回転させることができる。
【0310】なお、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1においては、ボビン22に供給する下糸DSとし
て下糸専用糸EDSおよび上糸USを選択可能とした
が、ボビン22に供給する下糸DSとして下糸専用糸E
DSあるいは上糸USのみを用いる構成としてもよい。
【0311】さらに、本実施形態の下糸糸巻き装置付き
ミシン1においては、開口部274および開閉カバー2
71を針板5に配設したが、糸掛け時に、糸保持部材4
8を水平方向などのミシンベッド1bの一部を構成する
針板5以外の場所でミシン1外部へ突出させる構成、す
なわち、開口部274および開閉カバー271を針板5
以外のミシンベッド1bに設ける構成としてもよい。
【0312】またさらに、本実施形態の下糸糸巻き装置
付きミシン1においては、開閉カバー271に糸保持部
材表出駆動手段としての突出部277を配設し、開閉カ
バー271の開閉動作に連動して突出部277を糸保持
部材表出手段261の従動腕263aに接離させること
により、糸保持部材表出手段261を連動駆動したが、
糸保持部材表出手段261の従動腕263aを往復動シ
リンダなどのアクチェータにより駆動可能とするととも
に、開閉カバー271の移動による開口部274の開閉
状態を光りセンサ、近接スイッチなどからなるセンサで
検出し、このセンサの検出信号に基づいてアクチェータ
を駆動することにより、糸保持部材表出手段261を開
閉カバー271の開閉動作に連動して駆動する構成とし
てもよい。
【0313】さらに、本実施形態の下糸糸巻き装置付き
ミシン1においては、糸巻き動作終了後に、外釜7に設
けた切断刃43により、供給側の糸を切断する構成とし
たが、外釜7の外周に巻き付いた糸を捕捉して切断する
構成としてもよい。
【0314】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1においては、糸掛け位置として、糸保持部材48
の糸保持部分を針板5より突出させた位置に移動する構
成としたが、この糸掛け位置は、糸保持部分が針板表面
近傍の糸掛け位置に移動する構成としてもよく、下糸D
Sを開口部274から指で係止できる位置ならばよい。
そして、この場合、開口部274は、四角状の指が入る
大きさの開口部274でなくとも、例えば、U字状、V
字状の案内長孔で構成してもよい。
【0315】さらにまた、本実施形態の下糸糸巻き装置
付きミシン1においては、上糸USをボビン22に供給
する下糸DSとして用いる場合に、糸巻き動作終了後
に、ボビン22から出て布へつながる糸の切断を、ボビ
ン22の上フランジ37に形成したスリット39のエッ
ジで行う構成としたが、この糸の切断としてはボビン2
2の上部中央を押し部材で上方から押し付けて、押し部
材とボビン22の上フランジ37との間を糸が繰り返し
くぐり抜けることによって切断する構成としてもよい。
【0316】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1においては、糸保持部材移動手段53の駆動モー
タ91を駆動することにより糸保持部材48を移動させ
る構成としたが、糸保持部材48を手動で移動させる構
成としてもよい。
【0317】さらに、本実施形態の下糸糸巻き装置付き
ミシン1においては、下糸DSの保持状態を検出する専
用下糸保持検出手段180として発光素子186と受光
素子187とにより検出させる構成としたが、専用下糸
保持検出手段180としては、下糸DSの張力を検出す
る構成としてもよい。
【0318】なお、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1においては、針棒2の上下動は上軸の回転と連結
されており、針棒切外し機構140は、上軸と針棒2を
切り離す構成となっているが、針棒2の上下動が独立し
た駆動源を有し、針棒2のみ停止させることができる構
成であってもよい。
【0319】本実施形態においては、針棒切外し機構1
40を備えた実施形態について述べたが、ボビン22に
供給する下糸DSとして、下糸専用糸EDSのみを用い
る場合には、この針棒切外し機構140がなくても、糸
巻き実行時に上糸経路内の上糸USを取り除いておけ
ば、下糸専用糸EDSをボビン22に巻くことができ
る。
【0320】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1における前記糸巻き量設定手段としての糸巻き量
設定スイッチ174、糸巻き径検出手段160、糸巻き
数計測手段206および糸巻き量制御部197は、ボビ
ン22に巻回する下糸DUの量を適正かつ容易に制御す
ることができるものであり、本発明に係る下糸糸巻き装
置付きミシン1だけでなく、従来からある各種の下糸糸
巻き装置付きミシンにも適用することができる。
【0321】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1の糸無し判別制御部241は、上糸USおよび下
糸DSのそれぞれの有無を同時に監視することができる
とともに、上糸USおよび下糸DSの何れが無くなった
のかを確実かつ容易に判別することができる。さらに、
糸無し判別制御部241が下糸無しと判断した場合、糸
巻き動作を容易に開始することができる。
【0322】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1の縫製中断時針位置制御部242は、下糸DSの
残り糸を確実に消費することができるとともに、下糸D
Sの残り糸を確実に消費した後に、糸巻き動作を開始す
ることができ、その結果、糸巻き動作の自動化を容易に
行うことができる。
【0323】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1の縫製再開時針位置制御部243は、ボビン22
に下糸DSを供給した後に、下糸無しの検出信号を検出
した時点における縫製位置へ自動的に戻って縫製動作を
再開することができ、その結果、作業性を確実に向上さ
せることができるとともに、ほつれのない縫い目を確実
に形成することができる。
【0324】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1のボビン22のフランジ37に設けられた高反射
率部210aと低反射率部210bとを交互に繰返し配
置してなるボビン回転被検出部210と、このボビン回
転被検出部210を検出する反射型光センサ211から
なる下糸検出手段214は、反射型光センサ211によ
り、ボビン22の回転状態とボビン22の停止状態とを
確実かつ適正に検出することができるとともに、縫製動
作中におけるボビン22の回転状態からボビン22の停
止状態への変化によって、ボビン22から下糸DSが無
くなったことを容易かつ確実に検出することができる。
さらに、下糸検出手段214は、糸掛けや、糸巻き動作
の異常を容易に検出することもできる。また、本実施形
態の下糸糸巻き装置付きミシン1の糸巻きモード判別制
御部244は、作業者の操作による糸巻きモード切替ス
イッチ226の設定状態に応じて、糸巻き動作のモード
を容易に選択することができる。さらに、糸巻きモード
切替スイッチ226により設定されたモードで糸巻き動
作を容易に開始することができる。
【0325】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1の糸巻きモード自動設定制御部245は、選択さ
れた模様縫いデータおよび/または選択された模様を形
成するのに必要な補助部品240の着脱状態に基づい
て、糸巻き動作のモードを自動的に選択することがで
き、その結果、直線縫い、ジグザグ縫い、ボタンホール
縫いなどの実用縫いを行う場合には、糸巻きモード切替
スイッチ226の設定状態によって、下糸DSの種類の
変更や、下糸DSの巻き量の微妙な調整に好適な手動糸
巻きモードを容易に選択することができ、刺繍縫いを行
う場合には、糸巻きモード切替スイッチ226の設定状
態によって、一般的に一種類の下糸DSを用いるのに好
適な自動糸巻きモードを容易に選択することができる。
さらに、糸巻きモード自動設定制御部245により設定
されたモードで糸巻き動作を容易に開始することができ
るまた、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミシン1の再
スタート制御部246は、糸巻き動作が終了した後に、
縫製動作を自動的に再スタートすることができるので、
作業性を確実に向上させることができる。
【0326】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1の再スタート動作制御部247は、再スタートモ
ード切替スイッチ227の設定状態に基づいて、縫製動
作を再スタートする際のモードを容易に選択することが
できる。さらに、再スタート動作制御部247は、糸巻
き動作が終了した後に、再スタートモード切替スイッチ
227により設定されたモードで縫製動作を容易に再ス
タートすることができるので、作業性を確実により向上
させることができる。
【0327】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1の再スタート告知制御部248は、糸巻き動作を
終了した後の縫製動作を再スタートする前に再スタート
告知手段225を容易かつ確実に動作させることがで
き、その結果、再スタートすることを作業者あるいは周
囲の人々に容易かつ確実に認識させることができ、その
結果、縫製動作が再スタートすることを作業者あるいは
周囲の人々に容易かつ確実に認識させることができるの
で、縫製動作の再スタートを行う場合における安全性を
高めることができる。さらにまた、再スタート告知制御
部248は、特に、再スタートを自動的に行う場合にお
ける安全性を高めることができる。
【0328】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1の動作状態判別制御部249は、縫製状態および
糸巻き状態のそれぞれの正常と異常とを確実かつ容易に
判断することができるとともに、縫製動作および糸巻き
動作の異常を検出した場合にミシンを停止することがで
き、その結果、安全性を高めることができる。
【0329】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1の下糸検出手段214は、ボビン回転状態を検出
するボビン回転状態検出手段215としても機能する。
【0330】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1の誤動作防止制御部250は、縫製動作中におけ
る糸巻き動作のスタートを確実に防止することができ、
その結果、高い安全性を確実に確保することができる。
【0331】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1によれば、糸巻き動作中におけるボビン22に供
給する下糸DSの種類や、糸巻き動作時に前記ボビン2
2に供給する下糸DSの種類の設定状態や、糸巻き動作
時に前記ボビン22に供給する下糸DSの予め設定され
た糸巻き量や、糸巻き動作時における前記ボビン22に
下糸DSを供給する際の糸巻きモードや、ボビン22へ
の下糸DSの供給を終了した場合に縫製動作を再スター
トする際の再スタートモードや、ボビン22への下糸D
Sの供給を終了した場合の縫製可能な状態などの各種の
状態を表示することができるので、下糸糸巻き装置付き
ミシン1がどのような状態であるのかを作業者に容易に
認識させることができるので、安全かつ確実に下糸DS
をボビン22に供給(巻く)することができるととも
に、糸巻き動作が終了した後に、安全かつ確実に縫製動
作を再スタートすることができる。
【0332】なお、本発明は、前記実施形態に限定され
るものではなく、必要に応じて変更することができる。
【0333】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の本
発明の下糸糸巻き装置付きミシンによれば、糸無し判別
制御部は、上糸および下糸のそれぞれの有無を同時に監
視することができるとともに、上糸および下糸の何れが
無くなったのかを確実かつ容易に判別することができる
などの極めて優れた効果を奏する。さらに、糸無し判別
制御部が下糸無しと判断した場合、ボビンに下糸を供給
する糸巻き動作を容易に開始することができるなどの極
めて優れた効果を奏する。
【0334】さらに、請求項2に記載の本発明の下糸糸
巻き装置付きミシンによれば、縫製中断時針位置制御部
は、下糸の残り糸を確実に消費することができるととも
に、下糸の残り糸を確実に消費した後に、ボビンに下糸
を供給する糸巻き動作を開始することができ、その結
果、糸巻き動作の自動化を容易に行うことができるなど
の極めて優れた効果を奏する。
【0335】また、請求項3に記載の本発明の下糸糸巻
き装置付きミシンによれば、縫製再開時針位置制御部
は、ボビンに下糸を供給した後に、下糸無しの検出信号
を検出した時点における縫製位置へ自動的に戻って縫製
動作を再開することができ、その結果、作業性を確実に
向上させることができるとともに、ほつれのない縫い目
を確実に形成することができるなどの極めて優れた効果
を奏する。
【0336】また、請求項4に記載の本発明の下糸糸巻
き装置付きミシンによれば、糸巻きモード判別制御部
は、作業者の操作による糸巻きモード切替スイッチの設
定状態に応じて、糸巻き動作のモードを容易に選択する
ことができるなどの極めて優れた効果を奏する。さら
に、糸巻きモード切替スイッチにより設定されたモード
でボビンに下糸を供給する糸巻き動作を容易に開始する
ことができるなどの極めて優れた効果を奏する。
【0337】また、請求項5に記載の本発明の下糸糸巻
き装置付きミシンによれば、糸巻きモード自動設定制御
部は、選択された模様縫いデータおよび/または選択さ
れた模様を形成するのに必要な補助部品の着脱状態に基
づいて、糸巻き動作のモードを自動的に選択することが
でき、その結果、直線縫い、ジグザグ縫い、ボタンホー
ル縫いなどの実用縫いを行う場合には、糸巻きモード切
替スイッチの設定状態によって、下糸の種類の変更や、
下糸の巻き量の微妙な調整に好適な手動糸巻きモードを
容易に選択することができ、刺繍縫いを行う場合には、
糸巻きモード切替スイッチの設定状態によって、一般的
に一種類の下糸を用いるのに好適な自動糸巻きモードを
容易に選択することができるなどの極めて優れた効果を
奏する。さらに、糸巻きモード自動設定制御部により設
定されたモードでボビンに下糸を供給する糸巻き動作を
容易に開始することができるなどの極めて優れた効果を
奏する。
【0338】また、請求項6に記載の本発明の下糸糸巻
き装置付きミシンによれば、再スタート動作制御部は、
糸巻き動作が終了した後に、縫製動作を自動的に再スタ
ートすることができるので、作業性を確実に向上させる
ことができるなどの極めて優れた効果を奏する。
【0339】また、請求項7に記載の本発明の下糸糸巻
き装置付きミシンによれば、再スタート動作制御部は、
再スタートモード切替スイッチの設定状態に基づいて、
縫製動作を再スタートする際のモードを容易に選択する
ことができるなどの極めて優れた効果を奏する。さら
に、再スタート動作制御部は、糸巻き動作が終了した後
に、再スタートモード切替スイッチにより設定されたモ
ードで縫製動作を容易に再スタートすることができるの
で、作業性を確実により向上させることができるなどの
極めて優れた効果を奏する。
【0340】また、請求項8に記載の本発明の下糸糸巻
き装置付きミシンによれば、再スタートモード自動設定
制御部は、選択された模様縫いデータに基づいて、縫製
動作を再スタートする際のモードを容易に選択すること
ができので、作業性を確実に向上させることができるな
どの極めて優れた効果を奏する。
【0341】また、請求項9に記載の本発明の下糸糸巻
き装置付きミシンによれば、再スタート告知制御部は、
糸巻き動作を終了した後の縫製動作を再スタートする前
に再スタート告知手段を容易かつ確実に動作させること
ができ、その結果、縫製動作が再スタートすることを作
業者あるいは周囲の人々に容易かつ確実に認識させるこ
とができるので、縫製動作の再スタートを行う場合にお
ける安全性を高めることができるなどの極めて優れた効
果を奏する。さらにまた、再スタート告知制御部は、特
に、再スタートを自動的に行う場合における安全性を高
めることができるなどの極めて優れた効果を奏する。
【0342】また、請求項10に記載の本発明の下糸糸
巻き装置付きミシンによれば、動作状態判別制御部は、
縫製状態および糸巻き状態のそれぞれの正常と異常とを
確実かつ容易に判断することができるとともに、縫製動
作および糸巻き動作の異常を検出した場合にミシンを停
止することができ、その結果、安全性を高めることがで
きるなどの極めて優れた効果を奏する。
【0343】また、請求項11に記載の本発明の下糸糸
巻き装置付きミシンによれば、誤動作防止制御部は、縫
製動作中における糸巻き動作のスタートを確実に防止す
ることができ、その結果、高い安全性を確実に確保する
ことができるなどの極めて優れた効果を奏する。
【0344】また、請求項12に記載の本発明の下糸糸
巻き装置付きミシンによれば、糸巻き時巻き糸表示手段
は、糸巻き動作中におけるボビンに供給する下糸の種
類、具体的にはボビンに供給する下糸が上糸か下糸専用
糸かを明確に表示して、作業者に容易に認識させること
ができるので、作業者の操作ミスを確実に防止すること
ができるなどの極めて優れた効果を奏する。
【0345】また、請求項13に記載の本発明の下糸糸
巻き装置付きミシンによれば、巻き糸設定状態表示手段
は、糸巻き動作時にボビンに供給する下糸の種類、具体
的には、ボビンに供給する下糸が上糸か下糸専用糸かの
設定状態を明確に表示して、作業者に容易に認識させる
ことができるので、作業者の操作ミスを確実に防止する
ことができるなどの極めて優れた効果を奏する。
【0346】また、請求項14に記載の本発明の下糸糸
巻き装置付きミシンによれば、設定糸巻き量表示手段
は、糸巻き動作時にボビンに供給する下糸の予め設定さ
れた糸巻き量を明確に表示して、作業者に容易に認識さ
せることができるので、作業者の操作ミスを確実に防止
することができるなどの極めて優れた効果を奏する。
【0347】また、請求項15に記載の本発明の下糸糸
巻き装置付きミシンによれば、糸巻きモード表示手段
は、糸巻き動作時におけるボビンに下糸を供給する際の
糸巻きモード、具体的には自動的に糸巻き動作を開始す
る自動糸巻きモードか作業者の操作により糸巻き動作を
開始する手動糸巻きモードかを明確に表示して、作業者
に容易に認識させることができるので、作業者の操作ミ
スを確実に防止することができるなどの極めて優れた効
果を奏する。
【0348】また、請求項16に記載の本発明の下糸糸
巻き装置付きミシンによれば、再スタートモード表示手
段は、ボビンへの下糸の供給を終了した場合に縫製動作
を再スタートする際の再スタートモード、具体的にはボ
ビンへの下糸の供給を終了した場合に自動的に縫製動作
を再スタートする自動再スタートモードかボビンへの下
糸の供給を終了した場合に作業者の操作により縫製動作
を再スタートする手動再スタートモードかを明確に表示
して、作業者に容易に認識させることができるので、ボ
ビンへの下糸の供給を終了した後の縫製動作の再スター
トを安全かつ確実に行うことができるとともに、作業者
の操作ミスを確実に防止することができるなどの極めて
優れた効果を奏する。
【0349】また、請求項17に記載の本発明の下糸糸
巻き装置付きミシンによれば、縫製可能状態表示手段
は、ボビンへの下糸の供給を終了した後の縫製可能な状
態を明確に表示して、作業者に容易に認識させることが
できるので、ボビンへの下糸の供給を終了した後の縫製
動作の再スタートを安全かつ確実に行うことができると
ともに、作業者の操作ミスを確実に防止することができ
るなどの極めて優れた効果を奏する。
【0350】したがって、本発明の下糸糸巻き装置付き
ミシンによれば、ボビンに巻回された下糸の有無を確実
に検出し、ボビンに新たな下糸の供給を行う糸巻き動作
を確実に実行し、縫製動作を安全かつ適正に中断および
再開することができるとともに、作業者の操作ミスを防
止することができるという極めて優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの実
施形態の一例の要部を示す外観図
【図2】 水平釜近傍の要部の構成を示す斜視図
【図3】 水平釜近傍の要部の構成を示す一部切断断面
【図4】 下糸張力手段を示す斜視図
【図5】 内釜の底部近傍を示す平面図
【図6】 ボビンを示す縦断面図
【図7】 図6の平面図
【図8】 糸保持部材の要部を示す平面図
【図9】 図8の正面図
【図10】 糸保持部材表出手段の要部を示す斜視図
【図11】 針板の要部を示す斜視図
【図12】 ボビン駆動部材移動手段の要部を示す斜視
【図13】 専用下糸繰出機構の一例および糸保持部材
に対する下糸専用糸の保持状態を示す説明図
【図14】 上糸繰出機構の一例の要部の構成を示す説
明図
【図15】 針棒切外し機構の一例の要部の構成を示す
分解斜視図
【図16】 糸巻き径検出手段の一例の要部の構成を示
す斜視図
【図17】 図16の平面図
【図18】 操作部の一例の要部の構成を示す説明図
【図19】 専用下糸保持検出手段の一例の要部の構成
を示す正面図
【図20】 図19のY−Y線に沿った側断面図
【図21】 図19のZ−Z線に沿った側断面図
【図22】 制御手段の要部構成の一例を示すブロック
【図23】 下糸の糸巻き量を示す説明図
【図24】 下糸の限界糸巻き回数を示す説明図
【図25】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
初期状態を示す要部の正面図
【図26】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
糸保持部材がミシン外部に突出した状態を示す要部の斜
視図
【図27】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
糸保持部材がミシン外部に突出した状態を示す要部の正
面図
【図28】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
下糸専用糸の糸巻き動作の前進開始前状態を示す図25
と同様の図
【図29】 図27につづく前進状態を示す図25と同
様の図
【図30】 図29の平面図
【図31】 図29につづく糸巻き可能状態を示す図2
5と同様の図
【図32】 図31につづく下糸捕捉可能状態を示す図
25と同様の図
【図33】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
糸巻き動作終了後の下糸専用糸の下糸張力手段への糸掛
け動作および下糸専用糸の切断動作の糸捕捉フックと下
糸専用糸との位置関係を示す要部の説明図
【図34】 糸掛け動作および切断動作における途中経
過を示す要部の斜視図
【図35】 図34につづく途中経過を示す図33と同
様の図
【図36】 図35につづく途中経過を示す図33と同
様の図
【図37】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
糸保持部材が上糸を捕捉した上糸捕捉状態を示す説明図
【図38】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
下糸検出手段の要部の構成を示す平面図
【図39】 下糸検出手段の反射型光センサのセンサ出
力および主軸センサの出力信号を示す線図
【図40】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
ボビンの回転状態とボビンに巻回された下糸の有無の判
別を説明するフローチャート
【図41】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
残り糸の消費を説明するフローチャート
【図42】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
上糸無しと下糸無しとの判別を説明するフローチャート
【図43】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
自動糸巻きモードと手動糸巻きモードの選択の一例を説
明するフローチャート
【図44】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
自動糸巻きモードモードと手動糸巻きモードの選択の他
例を説明するフローチャート
【図45】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
自動再スタートモードと手動再スタートモードの選択を
説明するフローチャート
【図46】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
異常検出を説明するフローチャート
【図47】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
状態表示手段への糸巻き動作中の下糸の種類が上糸であ
る場合の表示状態の一例を示す説明図
【図48】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
状態表示手段への糸巻き動作中の下糸の種類が下糸専用
糸である場合の表示状態の一例を示す図47と同様の図
【図49】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
状態表示手段への設定糸表示、糸巻き量表示、糸巻きモ
ード表示、再スタートモード表示の表示状態の一例を示
す説明図
【図50】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
状態表示手段への縫製可能な状態の表示状態の一例を示
す図47と同様の図
【符号の説明】
1 下糸糸巻き装置付きミシン 2 針棒 3 針 4 水平釜 7 外釜 18 内釜 22 ボビン 25 下糸張力手段 27 糸導入口 36 ボビン中心軸 37 上フランジ 38 下フランジ 39 スリット 39a 開口 41 (糸捕捉部としての)凹溝 42 剣先 48 糸保持部材 50 取付部 51 前取付ピン 52 後取付ピン 53 糸保持部材移動手段 58 糸位置規制部 59 上方糸保持部 60 上方糸係止部 70 上糸用後方保持部 73 専用下糸用後方保持部 93 制御手段 94 ボビン駆動部材移動手段 110 専用下糸繰出機構 119 上糸張力付与装置 120 上糸繰出機構 138 糸ゆるめ手段 140 針棒切外し機構 170 操作部 172 (模様選択手段としての)模様選択スイッチ 177 糸巻きスタートストップスイッチ 190 CPU 191 メモリ 200 縫いデータ記憶部 210 (ボビン回転被検出部としての)反射テープ 211 反射型光センサ 214 下糸検出手段 215 ボビン回転状態検出手段 217 刺繍装置センサ 221 上糸検出手段 225 再スタート告知手段 226 糸巻きモード切替スイッチ 227 再スタートモード切替スイッチ 228 安全確保手段 229 模様縫いデータ判別手段 238 スタート/ストップスイッチ 240 刺繍装置(補助部品) 241 糸無し判別制御部 242 縫製中断時針位置制御部 243 縫製再開時針位置制御部 244 糸巻きモード判別制御部 245 糸巻きモード自動設定制御部 246 再スタート制御部 247 再スタート動作制御部 248 再スタート告知制御部 249 動作状態判別制御部 250 誤動作防止制御部 280 糸巻き時巻き糸表示手段 281 巻き糸設定状態表示手段 282 設定糸巻き量表示手段 283 糸巻きモード表示手段 284 再スタートモード表示手段 285 縫製可能状態表示手段 286 状態表示画面 295 再スタートモード自動設定制御部 296 状態表示制御部 US 上糸 DS 下糸 EDS 下糸専用糸

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 釜からボビンを取り外すことなくボビン
    に下糸を供給することのできる下糸糸巻き装置付きミシ
    ンにおいて、 上糸の有無を検出する上糸検出手段と、 前記ボビンに巻回された下糸の有無を検出する下糸検出
    手段と、 縫製動作時に、前記上糸検出手段および下糸検出手段か
    ら送出される検出信号に基づいて上糸および下糸の有無
    を監視し、前記下糸検出手段による下糸無しの検出信号
    が前記上糸検出手段による上糸無しの検出信号より先に
    送出された場合には下糸無しと判別し、前記上糸検出手
    段による上糸無しの検出信号が前記下糸検出手段による
    下糸無しの検出信号より先に送出された場合には上糸無
    しと判別する糸無し判別制御部とを有し、 前記糸無し判別制御部が下糸無しと判断した場合に前記
    ボビンに下糸を供給する糸巻き動作を開始するように形
    成したことを特徴とする下糸糸巻き装置付きミシン。
  2. 【請求項2】 釜からボビンを取り外すことなくボビン
    に下糸を供給することのできる下糸糸巻き装置付きミシ
    ンにおいて、 前記ボビンに巻回された下糸の有無を検出する下糸検出
    手段と、縫製動作時に、前記下糸検出手段から下糸無し
    の検出信号が送出された場合、 下糸無しの検出信号を検出した時点における縫製位置か
    ら複数針運針した後でミシンを停止する縫製中断時針位
    置制御部とを有し、 前記縫製中断時針位置制御部がミシンを停止した後に前
    記ボビンに下糸を供給する糸巻き動作を開始するように
    形成したことを特徴とする下糸糸巻き装置付きミシン。
  3. 【請求項3】 前記ボビンに下糸を供給した後に、下糸
    無しの検出信号を検出した時点における縫製位置から複
    数針戻した位置から縫製動作を再スタートさせる縫製再
    開時針位置制御部を有することを特徴とする請求項2に
    記載の下糸糸巻き装置付きミシン。
  4. 【請求項4】 釜からボビンを取り外すことなくボビン
    に下糸を供給することのできる下糸糸巻き装置付きミシ
    ンにおいて、 自動的に糸巻き動作を開始する自動糸巻きモードと、作
    業者の操作により糸巻き動作を開始する手動糸巻きモー
    ドとを切り換える糸巻きモード切替スイッチと、 前記糸巻きモード切替スイッチの設定状態に基づいて自
    動的に糸巻き動作を行うか否かを判別する糸巻きモード
    判別制御部とを有し、 前記糸巻きモード切替スイッチにより設定されたモード
    で前記ボビンに下糸を供給する糸巻き動作を開始するよ
    うに形成したことを特徴とする下糸糸巻き装置付きミシ
    ン。
  5. 【請求項5】 釜からボビンを取り外すことなくボビン
    に下糸を供給することのできる下糸糸巻き装置付きミシ
    ンにおいて、 複数の模様縫いデータを記憶する縫いデータ記憶部と、 前記複数の模様縫いデータから所望の模様縫いデータを
    選択する模様選択手段と、 前記模様選択手段により選択された模様縫いデータを判
    別する模様縫いデータ判別手段と、 選択された模様縫いデータおよび/または選択された模
    様を形成するのに必要な補助部品の着脱状態に基づいて
    自動的に下糸の糸巻き動作を開始する自動糸巻きモード
    あるいは作業者の操作により下糸の糸巻き動作を開始す
    る手動糸巻きモードを自動的に設定する糸巻きモード自
    動設定制御部とを有し、 前記糸巻きモード自動設定制御部により設定されたモー
    ドで前記ボビンに下糸を供給する糸巻き動作を開始する
    ように形成したことを特徴とする下糸糸巻き装置付きミ
    シン。
  6. 【請求項6】 釜からボビンを取り外すことなくボビン
    に下糸を供給することのできる下糸糸巻き装置付きミシ
    ンにおいて、 前記ボビンへの下糸の供給を終了した場合、縫製動作を
    自動的に再スタートする再スタート制御部を有し、 前記ボビンに下糸を供給する糸巻き動作が終了した場合
    に縫製動作を自動的に再スタートするように形成したこ
    とを特徴とする下糸糸巻き装置付きミシン。
  7. 【請求項7】 釜からボビンを取り外すことなくボビン
    に下糸を供給することのできる下糸糸巻き装置付きミシ
    ンにおいて、 前記ボビンへの下糸の供給を終了した場合、自動的に縫
    製動作を再スタートする自動再スタートモードと、作業
    者の操作により縫製動作を再スタートする手動再スター
    トモードとを切り換える再スタートモード切替スイッチ
    と、 前記再スタートモード切替スイッチの設定状態に基づい
    て自動的に再スタートするか否かを判別する再スタート
    動作制御部とを有し、 前記ボビンに下糸を供給する糸巻き動作が終了した場合
    に前記再スタート動作制御部により設定されたモードで
    縫製動作を再スタートするように形成したことを特徴と
    する下糸糸巻き装置付きミシン。
  8. 【請求項8】 釜からボビンを取り外すことなくボビン
    に下糸を供給することのできる下糸糸巻き装置付きミシ
    ンにおいて、 複数の模様縫いデータを記憶する縫いデータ記憶部と、 前記複数の模様縫いデータから所望の模様縫いデータを
    選択する模様選択手段と、 前記模様選択手段により選択された模様縫いデータを判
    別する模様縫いデータ判別手段と、 選択された模様縫いデータに基づいて自動的に縫製動作
    を再スタートする自動再スタートモードあるいは作業者
    の操作により縫製動作を再スタートする手動再スタート
    モードを自動的に設定する再スタートモード自動設定制
    御部とを有し、 前記再スタートモード自動設定制御部により設定された
    モードで縫製動作を再スタートするように形成したこと
    を特徴とする下糸糸巻き装置付きミシン。
  9. 【請求項9】 釜からボビンを取り外すことなくボビン
    に下糸を供給することのできる下糸糸巻き装置付きミシ
    ンにおいて、 縫製動作の再スタートを認識せしめる表示および/また
    は警告を行う再スタート告知手段と、 前記ボビンへの下糸の供給を終了して縫製動作を再スタ
    ートする前に、前記再スタート告知手段が動作するよう
    に制御する再スタート告知制御部とを有し、 前記ボビンに下糸を供給する糸巻き動作が終了した場合
    に前記再スタート告知手段を動作させてから縫製動作を
    再スタートするように形成したことを特徴とする下糸糸
    巻き装置付きミシン。
  10. 【請求項10】 釜からボビンを取り外すことなくボビ
    ンに下糸を供給することのできる下糸糸巻き装置付きミ
    シンにおいて、 前記ボビンの回転状態を検出するボビン回転状態検出手
    段と、 前記ボビン回転状態検出手段から送出される検出信号に
    基づいて、縫製動作時には縫製状態が正常か否かを判断
    し、糸巻き動作時には糸巻きが正常か否かを判断する動
    作状態判別制御部とを有し、 前記動作状態判別制御部が縫製動作あるいは糸巻き動作
    の異常を検出した場合にミシンを停止するように形成し
    たことを特徴とする下糸糸巻き装置付きミシン。
  11. 【請求項11】 釜からボビンを取り外すことなくボビ
    ンに下糸を供給することのできる下糸糸巻き装置付きミ
    シンにおいて、 縫製動作中における前記ボビンに下糸を供給する糸巻き
    動作を無効とする誤動作防止制御部を有することを特徴
    とする下糸糸巻き装置付きミシン。
  12. 【請求項12】 釜からボビンを取り外すことなくボビ
    ンに下糸を供給することのできる下糸糸巻き装置付きミ
    シンにおいて、 制御手段に接続され、糸巻き動作中の前記ボビンに供給
    する下糸の種類を表示する糸巻き時巻き糸表示手段を有
    することを特徴とする下糸糸巻き装置付きミシン。
  13. 【請求項13】 釜からボビンを取り外すことなくボビ
    ンに下糸を供給することのできる下糸糸巻き装置付きミ
    シンにおいて、 制御手段に接続され、糸巻き動作時に前記ボビンに供給
    する下糸の種類の設定状態を表示する巻き糸設定状態表
    示手段を有することを特徴とする下糸糸巻き装置付きミ
    シン。
  14. 【請求項14】 釜からボビンを取り外すことなくボビ
    ンに下糸を供給することのできる下糸糸巻き装置付きミ
    シンにおいて、 制御手段に接続され、糸巻き動作時に前記ボビンに供給
    する下糸の予め設定された糸巻き量を表示する設定糸巻
    き量表示手段を有することを特徴とする下糸糸巻き装置
    付きミシン。
  15. 【請求項15】 釜からボビンを取り外すことなくボビ
    ンに下糸を供給することのできる下糸糸巻き装置付きミ
    シンにおいて、 制御手段に接続され、糸巻き動作時における前記ボビン
    に下糸を供給する際の糸巻きモードを表示する糸巻きモ
    ード表示手段を有することを特徴とする下糸糸巻き装置
    付きミシン。
  16. 【請求項16】 釜からボビンを取り外すことなくボビ
    ンに下糸を供給することのできる下糸糸巻き装置付きミ
    シンにおいて、 制御手段に接続され、前記ボビンへの下糸の供給を終了
    した場合に縫製動作を再スタートする際の再スタートモ
    ードを表示する再スタートモード表示手段を有すること
    を特徴とする下糸糸巻き装置付きミシン。
  17. 【請求項17】 釜からボビンを取り外すことなくボビ
    ンに下糸を供給することのできる下糸糸巻き装置付きミ
    シンにおいて、 制御手段に接続され、前記ボビンへの下糸の供給を終了
    した場合、縫製可能な状態を表示する縫製可能状態表示
    手段を有することを特徴とする下糸糸巻き装置付きミシ
    ン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002355476A (ja) * 2001-05-31 2002-12-10 Juki Corp 下糸糸巻き装置付き刺繍ミシン

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